JP2004294366A - ラジオ液体クロマトグラフ - Google Patents

ラジオ液体クロマトグラフ Download PDF

Info

Publication number
JP2004294366A
JP2004294366A JP2003089859A JP2003089859A JP2004294366A JP 2004294366 A JP2004294366 A JP 2004294366A JP 2003089859 A JP2003089859 A JP 2003089859A JP 2003089859 A JP2003089859 A JP 2003089859A JP 2004294366 A JP2004294366 A JP 2004294366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid chromatograph
detection cell
outflow
radioactivity
radio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003089859A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiyo Shigematsu
昭世 重松
Joji Yui
穣二 由井
Takayuki Kaburagi
隆幸 鏑木
Akira Tokunaga
▲晃▼ 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seitai Kagaku Kenkyusho KK
Original Assignee
Seitai Kagaku Kenkyusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seitai Kagaku Kenkyusho KK filed Critical Seitai Kagaku Kenkyusho KK
Priority to JP2003089859A priority Critical patent/JP2004294366A/ja
Publication of JP2004294366A publication Critical patent/JP2004294366A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/62Detectors specially adapted therefor
    • G01N2030/77Detectors specially adapted therefor detecting radioactive properties

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

【課題】液体クロマトグラフに連動したラジオ液体クロマトグラフにおいて、放射能測定値の定量性を高め、分解能も高めたラジオ液体クロマトグラフを提供する。
【解決手段】液体クロマトグラフに連動して放射性成分を同時に測定するラジオ液体クロマトグラフにおいて、液体クロマトグラフからの流出流の放射性成分を検知する電子線検知部、前記電子線検知部と連動して駆動する三方弁、放射性成分含有流出流のみを分岐し存置する存置部、存置部から放射性成分含有流出流を送出する送出機構、前記放射性成分含有流出流に液体シンチレータを合流させる合流機構及び前記放射性成分含有流出流の放射能を測定する放射能測定器を備えたラジオ液体クロマトグラフ。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射性物質をトレーサとして使用し、液体クロマトグラフと連動させて、生体代謝物質を含む化学物質を定量測定するラジオ液体クロマトグラフに関する。
【0002】
【従来の技術】
放射性同位元素は、医学、薬学、農学、工学の分野において研究、解析、更には医療のためにトレーサとして広範囲に利用されている。これらは、放射性同位元素なしには一歩も進まない状況である。また、放射性同位元素をトレーサとして利用することにより、化学物質、特に、微量の物質を高感度に定量測定することができる
【0003】
放射性同位元素は、例えば、生命科学の分野における生体代謝物質の分子構造の決定、微量代謝物質であるホルモン、酵素等の定量、微量代謝物質の役割の解明、薬物代謝における薬物残存量、排泄物中の薬物成分の定量、薬物の有効性と適量の判定、さらにまた、肥料の有効性と適量の判定、殺虫剤の効果と生物への影響の解明、適正量の把握のための手段として利用されている。
【0004】
放射性同位元素を利用した定量分析技術は、放射性同位元素をトレーサとして利用することにより、化学物質、特に、微量の物質を高感度に定量測定ができることから、広く普及されている。この放射性同位元素を利用する微量定量分析は、高速液体クロマトグラフと連動して、利用されるものがある。それは、比較的容易に物質の微量成分を定量測定することができるという特徴がある。
【0005】
また、高圧液体クロマトグラフは、生体成分も含め有機化学の多くの領域において主流をなす分離精製装置である。同時に、他の分析機器との組み合わせにおいて威力を発揮している。しかし、内分泌撹乱物質、医薬品の副作用、生体内に取り込まれた物質の摂取後における体内動態等が大きな問題として浮上しており、いかにしてこれら微量物質の分離定量を行うかが大きな課題となっている。この観点から、高速液体クロマトグラフと連動するラジオ液体クロマトグラフが、有力な定量手段として有望視されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
液体クロマトグラフと連動して、放射性成分を測定するラジオ液体クロマトグラフに関して、特開平6−230000号公報に、速度制御して送られる巻回テープの上面側から液体シンチレータをクロマトグラフから送られてくる測定試料に流下させる、放射性物質の測定装置が記載されている。この方法では、シンチレータが検体と完全に混合せずに、シンチレータによる発光が不十分であり、十分な定量性が得られないという問題がある。
【0007】
現在使用されている高速液体クロマトグラフ連動型のラジオ液体クロマトグラフは、典型的には、図1に示したように、高速液体クロマトグラフの液体流路と放射能検出器との流路が直結し、更に液体シンチレータが高速液体クロマトグラフの液体流路と合流している。その上、β線計測上の統計誤差を小さくするために、高速液体クロマトグラフから流出してきた液体を一時的に停滞させて放射線量を測定しているなど、定量測定の精度が十分には期待できないという問題がある。
【0008】
一方、医薬品に関して、2001年6月1日「医薬品の臨床薬物動態試験について(医薬審発第796号)」が厚生労働省より通知され、医薬品のヒト体内マスバランスを定量的に測定することが求められることになった。しかしながら、医薬品のヒト体内マスバランスを定量的に求めることは、実際上困難で、問題が多い。この点、放射性同位元素を利用するトレーサー技術が注目されるが、ヒトに放射性同位元素標識化合物を投与することは、体内放射能被爆の危険があるので、実際的な方策とはならない。ここで放射性同位元素を利用する同位体希釈法、即ち、ある成分が未知量ある場合、それに該成分の既知の比放射能を有する放射性同位元素を少量加えて、分離・抽出・精製して、該成分の量と放射能を計測することにより、該成分の未知量を求める方法が、注目される。
【0009】
微量成分の定量という観点から、高速液体クロマトグラフと連動して放射性成分を測定するラジオ液体クロマトグラフが有望である。しかしながら、現在最新型といわれている高速液体クロマトグラフに連動したラジオ液体クロマトグラフにおいても、放射能測定値の定量性を保証し難いという問題がある。ラジオ液体クロマトグラフにおいては、任意に定めた液体流量速度と一定検出窓によって流体中成分の濃度の二次元画像面積が規定されている。この規定は、高速液体クロマトグラフの検出器が紫外線吸収型の検出器の場合は適応可能である。しかし、流体中の放射能測定の場合は、放射能計数と検出器内での滞留時間とrate meter(パルスの発生頻度をアナログ電気信号に変換する電気回路。放射能測定では、放射能の計数率をアナログに変換する場合に使用される。)の時定数によって測定値の統計的誤差の大きさが定まってくるため、現行の測定法では定量値として信頼できないものとなっている。検出器のセル容量を小さくすることで、分析の分解能は上昇するが、そうすると放射能の測定値の統計的揺らぎが大きくなり、定量性は極端に失われ、測定結果が信頼できないものとなる。
【0010】
本発明は、前記の問題を解消した、液体クロマトグラフ、特に、高速液体クロマトグラフに連動したラジオ液体クロマトグラフにおいて、放射能測定値の定量性を高め、分解能も高めたラジオ液体クロマトグラフを提供しようとするものである。従来のラジオ液体クロマトグラフの定量性を改善するためには、高速液体クロマトグラフから流出する流出流の速度を、放射能測定に適した流速にすること及び検出窓の面積を大きくすることが課題となっている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、液体クロマトグラフに連動して放射性成分を同時に測定するラジオ液体クロマトグラフにおいて、液体クロマトグラフからの流出流の放射性成分を検知する電子線検知部、前記電子線検知部と連動して駆動する三方弁、放射性成分含有流出流のみを分岐し存置する存置部、存置部から放射性成分含有流出流を送出する送出機構、前記放射性成分含有流出流に液体シンチレータを合流させる合流機構及び前記放射性成分含有流出流の放射能を測定する放射能測定器を備えたラジオ液体クロマトグラフである。
【0012】
電子線検知部は、検知セルと検知セルの対向面に密着している一対の光電子増倍管を備えることができる。また、検知セルは、液体クロマトグラフカラムからの放射性成分含有流出流を検知セル内を通過させる極肉薄弗化樹脂製細管を備えることができる。この極肉薄弗化樹脂製細管は、検知セル内において渦巻き状に配置することができる。そして、検知セル内には、微弱電子線で発光する液体シンチレータ又は固体シンチレータを充填することができる。検知セルは、少なくとも一対の電子倍増管が取り付けられる相対する平行な2面をもつものであれば、その形状は問わない。立方体体状、直方体状、円筒体状でもよいし、他の形状でもよい。
【0013】
三方弁は、電子線検知部で放射線が検出されると前記液体クロマトグラフ流出流を存置部に導入させ、電子線検知部で放射線が検出されなくなると液体クロマトグラフ流出流を元に戻す作用をする。そして、三方弁で存置部に導入された放射性成分含有流出流を、放射能測定器に定速で送り出すための放射性成分含有流出流の送出機構を備えることができる。
【0014】
三方弁で存置部に導入された放射性成分含有流出流に、シンチレータを混合するシンチレータ混合機構を備えることができる。放射性成分がシンチレータと反応して生じるシンチレーションを測定する。シンチレーションは、放射能測定器で測定する。放射能測定器は、検知セルと前記検知セルの対向面に密着している一対の光電子増倍管を備え、前記検知セルが前記検知セル内を放射性成分含有流出流を通過させる極肉薄弗化樹脂製細管を備え、かつ、前記極肉薄弗化樹脂製細管は前記検知セル内において渦巻き状に配置されているものが好ましい。
【0015】
また、本発明のラジオ液体クロマトグラフは、該ラジオ液体クロマトグラフの機能を制御する、多機能型制御部を備えることができる。多機能型制御部は、具体的には、三方弁の制御、放射性成分含有流出流の流量制御、シンチレータの流速制御、放射能計測制御を行うための制御機能を備えている。
【0016】
更に、電子線検知部にて使用する放射能検知器又は放射能測定器は、液体クロマトグラフに連動して使用するが、これらの検知器又は放射能測定器は、単独で放射能測定装置として使用することもできる。即ち、検出セルと前記検出セルの対向面に密着している一対の光電子増倍管を備え、前記検出セルが前記検出セル内を放射性成分含有流出流を通過させる極肉薄弗化樹脂製細管を備え、かつ、前記極肉薄弗化樹脂製細管は前記検出セル内において渦巻き状に配置されていることを特徴とする放射能測定装置である。この放射能測定装置の検出セル内に、液体シンチレータ又は固体シンチレータを充填させることができる。検出セルに導入される検液に、シンチレータを含有させた場合には、検出セル内にシンチレータを充填しなくてよい。検出セルは、少なくとも一対の電子倍増管が取り付けられる相対する平行な2面をもつものであれば、その形状は問わない。立方体体状、直方体状、円筒体状でもよいし、他の形状でもよい。
【0017】
図1に、従来のラジオ液体クロマトグラフが示されている。即ち、液体クロマトグラフのカラム2からの流出流は、紫外線吸収検出器等の検出器3を経て、混合弁4でシンチレータと混合され、放射能測定器5で放射能が測定される。このように、従来のラジオ液体クロマトグラフにおいては、成分の検出と放射能の検出が直列的に行われている。
【0018】
本発明のラジオ液体クロマトグラフは、基本的には、従来のラジオ液体クロマトグラフに電子線検知部、三方弁、存置部、送出機構等を付加したものである(図2参照)。本発明の液体クロマトグラフにおいて、カラム12から流出してきた流出流は、その流出流中に含まれる物質を検出する検出器13に導入される。検出器13は、例えば、紫外線吸収を検出するものが好適に使用されている。この検出器13は、検体中の成分がカラム12で分離され、その分離された成分を検出するものである。
【0019】
カラム12からの流出流は、電子線検知部14に流入する。この電子線検知部14は、流出流中の放射性成分を検知する。電子線検知部14は、検知セル34を設けている。電子線検知部14の構成の概略を図3に示した。検知セル内には、極肉薄の弗化樹脂製細管37を備え、この極肉薄の弗化樹脂製細管37にカラム12からの流出流を通す。検知セル内では極肉薄の弗化樹脂製細管37は渦巻状に配置されている。通常の肉厚のプラスチック管、例えば、弗化樹脂製細管では、管外から放射性画分の通過を検知することができないので、検知セル内では、極肉薄の弗化樹脂製細管を使用する。
【0020】
検知セル34内には、液体又は固体状のシンチレータが充填される。カラム12から溶離してきた流出流は、シンチレータが充填された検知セル34内に配置された渦巻き状の極肉薄の弗化樹脂製細管37を通過していく。この際、放射性成分は、シンチレータと反応してシンチレーションを発する。検知セル34内には、カラム12からの高圧の流出流が流れる極肉薄の弗化樹脂製細管37が配されているので、検知セル内にシンチレータを充填した後は、検知セル34は密閉しておく。
【0021】
検知セルの相対する2面に、光電子増倍管32、33を対向して一対設ける。その外側は、遮光したキャビネットで補強する。カラム流出流中のβ放射体が電子線検知部に入ればβ線が極肉薄の弗化樹脂細管37を通して、固形又は液体シンチレータに浸入し、微弱光を発し、この微弱光は光電子増倍管で受光される。この信号は別途制御システムに伝達される。
【0022】
電子線検知部14で放射性成分を検出すると、その信号は三方弁15に伝達されて、カラム12からの流出流の流路を変更して、放射性成分画分のみを存置管24へと導き、本流から隔離する。隔離の前と後に押し出し用のポンプ17が作動して、少量のマーカー液(流出流の組成に近似)で放射性画分の前後に記録を残すとともに、放射性成分画分を存置部から排出するために、液体26をポンプ17で送液し、カラムからの流出流を送出する。カラムからの流出流に放射性成分が検知されなくなると、三方弁15が作用し、流出流は流路を変更して本流方向に戻す。
【0023】
三方弁15で流路が変更されて、放射能を含む流出流は存置部19に導入される。存置部19は、放射性化合物を含む流出流を、そのクロマトグラフ情報を乱すことなく貯留し、必要な時に必要とする流速で放射能測定器21に送り出す。存置部19は、放射性成分を含む液体クロマトグラフからの流出流を溜めおく存置管24と必要時に存置管内液を放射能測定器21に送り出すピストンポンプ17及び合流弁18から構成される。存置部19に要求される重要な機能は、液体クロマトグラフからのクロマトグラフ情報を保持したまま、放射性成分含有流出流を貯留し、送出する点にある。存置部19を設けることにより、放射能計測値が十分な信頼度が得られる程度の滞留時間を確保することができ、その結果、定量性を高めることができるという効果を奏する。
【0024】
放射性成分含有流出流を送出する途中において、混合弁20で別途ポンプ22により送り出されてきた液体シンチレータ25を、液体クロマトグラフからの放射性成分を含む液と合流・混合させる。液体シンチレータ25と混合された放射性成分を含む液体はシンチレータにより発光するので、その光を放射能測定器21により計測する。
【0025】
本発明のラジオ液体クロマトグラフには、好ましくは、多機能制御部を設ける。この多機能制御部により、ラジオ液体クロマトグラフの機能を効果的に発揮させることができる。多機能型制御部は、具体的には、三方弁の制御、放射性成分含有流出流の流量制御、シンチレータの流速制御、放射能計測制御等を行うための制御機能を備えている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。本発明のラジオ液体クロマトグラフの構成を説明する図が図2である。本発明のラジオ液体クロマトグラフは、基本的には、従来のラジオ液体クロマトグラフに電子線検知部、三方弁、存置部、送出機構を付加したものである。従来のラジオ液体クロマトグラフの構成は、図1に示されている。即ち、液体クロマトグラフのカラム2からの流出流は、紫外線吸収検出器等の検出器3を経て、混合弁4でシンチレータと混合され、放射能測定器5で放射能が測定される。従来のラジオ液体クロマトグラフにおいては、成分の検出と放射能の検出が直列的に行われている。
【0027】
本発明のラジオ液体クロマトグラフにおいて、カラムから流れ出る流出流のある部分に放射性同位元素で標識された化合物が、カラムから溶離されてくることが前提とされている。また、その流出流の速度は通常0.5〜2.0ml/min程度と想定されている。また、流出流における分離される成分の単離画分の液量は少なくとも0.1ml程度であると想定されている。放射性同位元素としては、H、14C等が放射するβ線エネルギー(18keV又は156keV)を想定し、その計測の信頼性が静止計測で1〜5分を要することを想定している。
【0028】
本発明のラジオ液体クロマトグラフは、先に述べたように、従来のラジオ液体クロマトグラフに、電子線検知部14、三方弁15、存置部19及び送出機構(17等)を付加したものである。液体クロマトグラフのカラム12から流出してきた流出流は、その流出流中に含まれる物質を検出する検出器13を通過する。検出器13は、例えば、紫外線吸収を検出するものが好適に使用されている。この検出器13は、検体中の成分がカラムで分離され、その分離された成分を検出するものである。即ち、カラム12から溶出する際に分離された成分がこの検出器13で検出される。
【0029】
カラム12からの流出流は、電子線検知部14にそのままの流速で流入する。この電子線検知部14の目的は、カラム12から溶離されてくる分画中の放射性成分を含む流出流の部分を検知するものである。流出流を導通する通常の肉厚のプラスチック管、例えば、弗化樹脂製細管では、管外から放射性画分の通過を検知することができない。本発明の電子線検知部14は、検知セル34を設けて、検知セル内には極肉薄弗化樹脂製細管37を設け、検知セル34内では極肉薄の弗化樹脂製細管37を渦巻状に配置して、放射能を検知可能にしている。
【0030】
電子線検出部14は、検知セル34、この検知セルに流出流が導入される導入管35、導出管36及び一対の光電子倍増管32、33から構成されている(図3を参照のこと)。そして、流出流は、導入管35を経由して検知セル34に流入し導出管36から排出される。検知セル34内において、極肉薄弗化樹脂製細管37を設け、この極肉薄弗化樹脂製細管37を検知セル内では渦巻き状に配置されている。導入管35、導出管36は、通常の肉厚のプラスチック管、例えば、弗化樹脂製細管でも差し支えはない。更に、検知セル34内には、微弱電子線で発光するシンチレータが充填されている。
【0031】
極肉薄弗化樹脂製細管37は、市販のものとしてはゼウス社の型番33HS、18HSや16HS等を使用することができる。33HSは、その内径が0.635mm、厚みが0.051mmであり、18HSは、その内径が1.930mm、厚みが0.038mmであり、16HSは、その内径が2.362mm、厚みが0.038mmである。このように厚みの小さい弗化樹脂製細管を使用することにより、β線のように透過性の弱い放射能を検出できることがわかった。また、厚みの小さい弗化樹脂製細管を使用するに際しては、検知セル内にシンチレータを充填し、密閉することにより、弗化樹脂製細管の内外の圧力の均衡をとり、該弗化樹脂製細管の破砕を防止することができる。
【0032】
検知セル34には、液体クロマトグラフのカラム12からの流出流が、導入管35から流入してくる。流入してきた液体に放射能成分が含まれていると、検知セル34内に充填した液体シンチレータにより、シンチレーションを発する。発光したシンチレーションは、測光窓を通って光電子倍増管32、33で計測される。
【0033】
電子線検知部14で放射能が検知されると、液体クロマトグラフのカラム12から流出してきた流出流は、三方弁15でその流路が変更され、存置部19の方向へと向けられる。そして、放射能の検知がされなくなると、再び流出流の流路が元に戻される。即ち、液体クロマトグラフのカラム12からの流出流の放射能を電子線検知部14で常時監視し、放射能を検知した時は、カラム12からの流出流を存置部19側に切り替え、流出流から放射能が検知されなくなると、流出液の流路をもとの流路に戻す。電子線検知部14は、例えば、14−C放射能のような弱エネルギーのβ線を検知する電子線検知部14とその信号で3方弁15を切り替える制御器と電磁弁から構成される。
【0034】
三方弁15で流路が変更されて、放射能を含む流出流は存置部19に導入される。存置部19は、放射性化合物を含む流出流を、そのクロマトグラフ情報を乱すことなく貯留し、必要な時に必要とする流速で放射能測定器に送り出す作用をなす。存置部19は、放射性化合物を含む液体クロマトグラフからの流出流を溜めおく存置管24と必要時に存置管内液を放射能測定器21に送り出すピストンポンプ17及び合流弁18から構成される。存置管に要求される重要なポイントは、液体クロマトグラフからのクロマトグラフ情報を保持したまま、放射性成分含有流出流を貯留し、送出する点にある。存置部19を設けることにより、放射能計測値が十分な信頼度が得られる程度の滞留時間を確保することができ、その結果、定量性を高めることができるという効果を奏する。
【0035】
液体クロマトグラフから流出してきた液体のうち、放射性成分を含む流出流は、三方弁15により、存置部19に導入される。放射性化合物を含む流出流が途切れた時点で、三方弁は元の流路に切り替えられる。ピストンポンプ17から液体16をピストンフロー的に送り出し、放射性化合物を含む液を存置管24から放射能測定装置に移動せしめる。この送出に使用する液体は、カラム12の流出に使用する液体と類似のものを使用するのがよい。
【0036】
放射性成分含有流出流を送出する途中において、混合弁20で別途ポンプ22により送り出されてきた液体シンチレータ25を、液体クロマトグラフからの放射性成分を含む液と合流・混合する。シンチレータの混合は、多機能制御部システムでの指示に従って行うのがよい。この際、送出される存置流が高速液体クロマトグラフのカラム通過後の最初の時間(start)からの各放射性画分の検知作動までの時間及び終了の時間が一致するよう記憶されるソフトが組込まれており、シンチレータの合流によるラジオ液体クロマトグラフ画像と高速液体クロマトグラフ画像が一致するようになっている。液体シンチレータ25と混合された放射性成分を含む液体はシンチレータにより発光するので、その光を放射能測定器21により計測する。
【0037】
従来のラジオ液体クロマトグラフは、図1に示したように、液体クロマトグラフのカラム2から流出してきた液は、基本的には、同じ流出速度で、混合弁4において液体シンチレータ8と混合され、放射能測定器5で放射能が測定される。放射能の測定には、一定の測定時間が必要であるが、従来のラジオ液体クロマトグラフでは、放射能の測定時間が、流出流の流出速度によって規制されてしまうので、充分な放射能測定時間が確保されずに、放射能測定の定量性が劣るという問題があった。必要な測定時間を確保するために、流出流を一時的に停滞させることも行われる。この点、本発明のラジオ液体クロマトグラフでは、存置部を設けることにより、必要な測定時間を十分に確保することができ、流出流を一時的に停滞させることなく、放射能測定の定量性を高めることができるという効果を奏する。
【0038】
更に、放射能測定器21において、放射能計測の途中にあっても、測光窓の開口面積を任意に選択できるようにして、放射能測定の分解能を高めている。そして、放射能の計測は、一対の電子倍増管を使用し、微弱なシンチレーション信号から正確に放射能が計測できるようにしている。即ち、放射能測定器は、検出セルと前記検出セルの対向面に密着している一対の光電子増倍管を備え、その検出セルには、液体クロマトグラフカラムからの放射性成分含有流出流を極肉薄弗化樹脂製細管で導入し、その極肉薄弗化樹脂製細管は、検出セル内において、渦巻き状に配置されている。基本的には、電子線検知部と同様の構成をなしているが、検出セル内にはシンチレータを充填させてはいない。シンチレータを直接放射性成分含有流出流に混合し、シンチレーションを発光させ、その発光した光を計測することにより、放射能を測定する。この放射能測定器は、多機能制御部による制御に基づき、光電子増倍管の窓幅(V)が自動制御され、「V/流速」が記憶制御される。その計数効率は、14Cで90%、Hで45%以上である。
【0039】
先に述べたように、電子線検知部にて使用する放射能検知器又は放射能測定器は、液体クロマトグラフに連動して使用するが、これらの検知器又は放射能測定器は、単独で放射能測定装置として使用することもできる。この放射能測定装置は、検出セルと該検出セルの対向面に密着している一対の光電子増倍管を備え、検出セルが検出セル内を放射性成分含有流出流を通過させる極肉薄弗化樹脂製細管を備え、かつ、極肉薄弗化樹脂製細管は検出セル内において渦巻き状に配置されている放射能測定装置である。この放射能測定装置の検出セル内に、液体シンチレータ又は固体シンチレータを充填させることができる。検出セルに導入される検液に、シンチレータを含有させた場合には、検出セル内にシンチレータを充填しなくてよい。検出セルは、少なくとも一対の電子倍増管が取り付けられる相対する平行な2面をもつものであれば、その形状は問わない。立方体体状、直方体状、円筒体状でもよいし、他の形状でもよい。
【0040】
【発明の効果】
高速液体クロマトグラフと連動させたラジオ液体クロマトグラフにおいて、従来のラジオ液体クロマトグラフに電子線検知部、三方弁、存置部、送出機構等を付加したものが、本発明のラジオ液体クロマトグラフである。この構成を採ることにより、従来のラジオ液体クロマトグラフに比較して、感度と分解能を高め、もって、微量成分の定量性を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のラジオ液体クロマトグラフの構成を示す図である。
【図2】本発明のラジオ液体クロマトグラフの構成を説明する図である
【図3】検知セルの構成を説明する図である
【符号の説明】
1 ラジオ液体クロマトグラフ
2 液体クロマトグラフのカラム
3 検出器
4 混合弁
5 放射能測定器
6 ポンプ
7 シンチレータタンク
8 液体シンチレータ
11 本発明のラジオ液体クロマトグラフ
12 液体クロマトグラフのカラム
13 検出器
14 電子線検出部
15 三方弁
16 液体タンク
17 ポンプ
18 合流弁
19 存置部
20 混合弁
21 放射能測定器
22 ポンプ
23 液体シンチレータタンク
24 存置管
25 液体シンチレータ
26 液体
31 電子線検出部
32、33 光電子倍増管
34 検知セル
35 導入管
36 導出管
37 極肉薄の弗化樹脂細管

Claims (12)

  1. 液体クロマトグラフに連動して放射性成分を同時に測定するラジオ液体クロマトグラフにおいて、
    液体クロマトグラフからの流出流の放射性成分を検知する電子線検知部、前記電子線検知部と連動して駆動する三方弁、放射性成分含有流出流のみを分岐し存置する存置部、存置部から放射性成分含有流出流を送出する送出機構、前記放射性成分含有流出流に液体シンチレータを合流させる合流機構及び前記放射性成分含有流出流の放射能を測定する放射能測定器を備えたことを特徴とするラジオ液体クロマトグラフ。
  2. 前記電子線検知部は、検知セルと前記検知セルの対向面に密着している一対の光電子増倍管を備えたことを特徴とする請求項1に記載のラジオ液体クロマトグラフ。
  3. 前記検知セルは、液体クロマトグラフカラムからの放射性成分含有流出流を検知セル内を通過させる極肉薄弗化樹脂製細管を備えたことを特徴とする請求項2に記載のラジオ液体クロマトグラフ。
  4. 前記極肉薄弗化樹脂製細管は、前記検知セル内において渦巻き状に配置されたことを特徴とする請求項3に記載のラジオ液体クロマトグラフ。
  5. 前記検知セル内に、微弱電子線で発光する液体シンチレータ又は固体シンチレータを充填したことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のラジオ液体クロマトグラフ。
  6. 前記三方弁は、前記電子線検知部で放射線が検出されると前記液体クロマトグラフ流出流を前記存置部に導入させ、前記電子線検知部で放射線が検出されなくなると液体クロマトグラフ流出流を元に戻す作用をすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のラジオ液体クロマトグラフ。
  7. 前記三方弁で存置部に導入された放射性成分含有流出流を、放射能測定器に定速で送り出すための放射性成分含有流出流の送出機構を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のラジオ液体クロマトグラフ。
  8. 前記三方弁で存置部に導入された放射性成分含有流出流にシンチレータを混合する、シンチレータ混合機構を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のラジオ液体クロマトグラフ。
  9. 三方弁の制御、放射性成分含有流出流の流量制御、シンチレータの流速制御、放射能計測制御を行うための多機能型制御部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のラジオ液体クロマトグラフ。
  10. 前記放射能測定器が、検知セルと前記検知セルの対向面に密着している一対の光電子増倍管を備え、前記検知セルが前記検知セル内を放射性成分含有流出流を通過させる極肉薄弗化樹脂製細管を備え、かつ、前記極肉薄弗化樹脂製細管は前記検知セル内において渦巻き状に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のラジオ液体クロマトグラフ。
  11. 検出セルと前記検出セルの対向面に密着している一対の光電子増倍管を備え、前記検出セルが前記検出セル内を放射性成分含有流出流を通過させる極肉薄弗化樹脂製細管を備え、かつ、前記極肉薄弗化樹脂製細管は前記検出セル内において渦巻き状に配置されていることを特徴とする放射能測定装置。
  12. 前記検出セル内に、液体シンチレータ又は固体シンチレータを充填したことを特徴とする請求項10に記載の放射能測定装置。
JP2003089859A 2003-03-28 2003-03-28 ラジオ液体クロマトグラフ Withdrawn JP2004294366A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003089859A JP2004294366A (ja) 2003-03-28 2003-03-28 ラジオ液体クロマトグラフ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003089859A JP2004294366A (ja) 2003-03-28 2003-03-28 ラジオ液体クロマトグラフ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004294366A true JP2004294366A (ja) 2004-10-21

Family

ID=33403619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003089859A Withdrawn JP2004294366A (ja) 2003-03-28 2003-03-28 ラジオ液体クロマトグラフ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004294366A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5066583B2 (ja) * 2008-01-22 2012-11-07 株式会社島津製作所 測定装置並びにそれらを備えた液体採取測定システム
JP2014535036A (ja) * 2011-09-30 2014-12-25 ジーイー・ヘルスケア・リミテッド 放射線検出器用フローセル
JP2017020939A (ja) * 2015-07-13 2017-01-26 清水建設株式会社 放射能濃度測定装置
GB2542825A (en) * 2015-09-30 2017-04-05 Lablogic Group Holdings Ltd Radio high-performance liquid chromatography

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5066583B2 (ja) * 2008-01-22 2012-11-07 株式会社島津製作所 測定装置並びにそれらを備えた液体採取測定システム
JP2014535036A (ja) * 2011-09-30 2014-12-25 ジーイー・ヘルスケア・リミテッド 放射線検出器用フローセル
JP2017020939A (ja) * 2015-07-13 2017-01-26 清水建設株式会社 放射能濃度測定装置
GB2542825A (en) * 2015-09-30 2017-04-05 Lablogic Group Holdings Ltd Radio high-performance liquid chromatography
GB2542825B (en) * 2015-09-30 2020-02-26 Lablogic Group Holdings Ltd Radio high-performance liquid chromatography

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11904289B2 (en) Systems, methods and devices for producing, manufacturing and control of radiopharmaceuticals
JP5606446B2 (ja) 自動品質管理装置および自動品質管理方法
US8039810B2 (en) Scintillation-based continuous monitor for beta-emitting radionuclides in a liquid medium
Fajardo et al. Automation of radiochemical analysis by applying flow techniques to environmental samples
WO2006007750A1 (en) Method and device for accurate dispensing of radioactivity
US20130023657A1 (en) System for radiopharmaceutical preparation involving solid and liquid phase interactions
Furukawa et al. Split flow online solid-phase extraction coupled with inductively coupled plasma mass spectrometry system for one-shot data acquisition of quantification and recovery efficiency
Ali et al. RP-HPLC stability-indicating method for estimation of irbesartan and hydrochlorothiazide in bulk and pharmaceutical dosage form
EP2653863A1 (en) Self-referencing radiation detector for use with a radiopharmaceutical quality control testing system
Tarn et al. Plastic Scintillator‐Based Microfluidic Devices for Miniaturized Detection of Positron Emission Tomography Radiopharmaceuticals
JP2004294366A (ja) ラジオ液体クロマトグラフ
Roehrbacher et al. Development and performance test of an online blood sampling system for determination of the arterial input function in rats
Lodi et al. Quality control of PET radiopharmaceuticals
JP6118326B2 (ja) 放射線検出器用フローセル
Van Dam et al. Cerenkov luminescence imaging in the development and production of radiopharmaceuticals
Shourian et al. Detection and dosimetry of gamma ray emitted from thallium-201 and technetium-99m based on chemiluminescence technique
US9170242B2 (en) Liquid chromatography detection unit, system, and method
Milanović et al. Semi-automated procedure for the determination of 89, 90 Sr in environmental samples by Cherenkov counting
Eswarudu et al. RP-HPLC method development and validation for simultaneous estimation of irbesartan and hydrochlorothiazide in pharmaceutical dosage form
JP4378213B2 (ja) 放射線検知セル
Upendra et al. RP-HPLC Method development and validation for estimation of telmisartan in bulk and tablet dosage form
Farasat et al. A novel method for accurate and real-time quantification of radiopharmaceutical activity in automated dose dispensers
JP2006194729A (ja) 放射能分析装置
US10175219B2 (en) Method to sort cells on the basis of radionuclide uptake
Tomono et al. Detailed description of a simplified radio-liquid chromatograph

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060606