JP2004293610A - 粘着性混合物用圧送導管 - Google Patents
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Abstract
【課題】反復使用可能な粘着性混合物用圧送導管の提供。
【解決手段】粘着性混合物用圧送導管を、200%〜400%の膨張率を備えた内管と、その内管の最大膨張半径(外径)より短い内径を有し、半径方向に径が増大することがない外套管とで二重管構造とする。ここで、膨張率とは、内管が半径方向に膨張することで増大する内管の外型の増大率を指し、膨張率200%〜400%とは、半径方向に内管が膨張することによって、膨張後の内管の外径が、膨張前の常態にある内管の外径の2倍〜4倍になることを意味する。また、内管の最大膨張半径(外径)とは、長さが100mである内管を大気圧下に保持し、その一端を封じて内側に流体(例えば、空気)を送気圧力5.5Kg・cm2で供給して膨張させた場合において、内管が半径方向に膨張して破壊に至る直前の内管の半径(外径)を意味する。
【選択図】 なし
【解決手段】粘着性混合物用圧送導管を、200%〜400%の膨張率を備えた内管と、その内管の最大膨張半径(外径)より短い内径を有し、半径方向に径が増大することがない外套管とで二重管構造とする。ここで、膨張率とは、内管が半径方向に膨張することで増大する内管の外型の増大率を指し、膨張率200%〜400%とは、半径方向に内管が膨張することによって、膨張後の内管の外径が、膨張前の常態にある内管の外径の2倍〜4倍になることを意味する。また、内管の最大膨張半径(外径)とは、長さが100mである内管を大気圧下に保持し、その一端を封じて内側に流体(例えば、空気)を送気圧力5.5Kg・cm2で供給して膨張させた場合において、内管が半径方向に膨張して破壊に至る直前の内管の半径(外径)を意味する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未硬化状態の粘着性混合物を、圧縮空気に同伴させて移送する際に使用される圧送導管に関する。
【0002】
【従来の技術】
バーク堆肥などの堆肥化資材及び/又はピートモスなどの土壌改良剤に、ある種の接着剤(接合材と呼ぶこともある)を配合した混合物や、ウッドチップなどに適量の接着剤を配合した混合物を、圧縮空気と共に導管内に供給して圧送する手法は、緑化基盤の造成現場で広く採用されているほか、切り土面又は盛り土面にウッドチップ集積層を形成させる施工現場においても、広く採用されている。このような現場では、混合物を圧送する導管としては、繊維補強材入り硬質ゴムホース、繊維補強材入り合成樹脂製導管、鋼管などが従来使用されてきた。
【0003】
しかし、導管内を通る上記の混合物は、比較的粘着性が高いために、導管の内壁に付着しやすく、とりわけ導管が真っ直ぐでない部位では、内壁付着が不可避的に発生する。導管内にて混合物を圧送する作業が続いている場合は、上記の内壁付着が問題になることは少ないが、一旦圧送作業が停止され、その状態である程度の時間が経過すると、混合物中に含まれる接着剤の硬化反応が進行する結果、付着物が硬化(固化)して内壁にこびりつくことなる。ちなみに、導管にて圧送される混合物が、硬化反応の進行が早い接着剤を配合した混合物である場合には、例えば、速乾性モルタルやウレタン樹脂接着剤が配合されているウッドチップ材である場合には、内壁付着物が比較的短時間で硬化する。
【0004】
管内壁への付着物が比較的少量で未硬化である場合は、導管内に高圧空気を瞬間的に吹き込むことでこれを除去することも可能ではなるが、混合物の圧送をしばしば中断することは、作業効率の観点から望ましくない。このような事情から、従来は内壁付着が累積して混合物の圧送に支障が出るまで、あるいは導管が閉塞して混合物の圧送に最早使えなくなるまで、圧送導管を使い続けるのが慣例であって、その後は導管を廃棄処分するのが通例であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、管内壁への付着物が硬化してしまった場合でも、これを比較的容易に管内壁から除去することができ、従って、この除去作業を行うことによって圧送導管を常に新品同様の状態に保持することができる粘着性混合物用圧送導管を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粘着性混合物用圧送導管は、200%〜400%の膨張率を備えた内管と、その内管の最大膨張半径(外径)より短い内径を有する外套管との二重管構造にあることを特徴とする。
ここで、膨張率とは、内管が半径方向に膨張することで増大する内管の外径の増大率を指し、膨張率200%〜400%とは、半径方向に内管が膨張することによって、膨張後の内管の外径が、膨張前の常態にある内管の外径の2倍〜4倍になることを意味する。また、内管の最大膨張半径(外径)とは、長さが100mである内管を大気圧下に保持し、その一端を封じて内側に流体(例えば、空気)を送気圧力5.5Kg/cm2で供給して膨張させた場合において、内管が半径方向に膨張して破壊に至る直前の内管の半径(外径)を意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】
二重管構造を持つ圧送導管の内管には、内面がシリコーンゴムでライニング加工された合成ゴム製のホースが使用できるほか、シリコーンゴム製のホース(以下、これをシリコーンホースと呼ぶ)が使用できる。内管に使用されるホースは、これを200%〜400%の範囲の膨張率で膨張させても、破壊に至らなければ、その内径及び外径には格別な制限はなく、長さについても制限はない。一般的には、圧送しようとする粘着性混合物の種類、特に、これに含まる固体成分の粒度を考慮して、ホースの内径は1.5インチ〜2.0インチ(約3cm〜約5cm)の範囲で選ばれる。ホースの長さは任意であるが、通常は100m以内である。内管の肉厚は、一般的は、内管が上記の最大膨張半径(外径)に膨張した場合において、当該内管の膨張率が200%以上400%未満てあるように選ばれる。通常は5〜10mm厚程度とすることを可とする。
【0008】
本発明の二重導管は、粘着性を有する各種混合物を圧送するのに適しているが、粘着性を持たない混合物の圧送にももちろん使用できる。また、圧送される混合物に粘着性があることは、必ずしも接着剤が配合されていることを意味しない。さらに、本発明で言う混合物には、固液混合物、固体同士の混合物及び液体同士の混合物が含まれる。
【0009】
シリコーンホースを覆う外套管は、シリコーンホースが最大膨張半径(外径)を超えて膨張するのを防止する役割を負う。最大膨張半径(外径)を超える過大膨張は、シリコーンホースの破断を招くからである。従って、この過大膨張を防止できれば、外套管の素材には特別な制限はなく、布製、硬質ゴム製、合成樹脂製又は鋼製のいずれであっても差し支えない。硬質ゴムホースや合成樹脂製導管には、繊維を補強材として埋設させることができる。本発明の外套管は、上記した過大膨張を防止できれば、管自体はメッシュ状であってよい。
【0010】
本発明の圧送用導管を使用して粘着性混合物を、例えば、全長60mの距離で圧送する場合、二重導管の内管は、全長にわたって接続部を持たないことが好ましいが、外套管には接続部が存在しても差し支えない。屋外にて使用する場合には、10〜15m程度に加工した二重導管を気密性ある接続金具で接続して使用することも可能である。本発明の二重導管を使用して粘着性混合物の搬送する場合、混合物は圧縮空気に同伴されて内管であるシリコーンホース内を通るので、内管は当然半径方向に膨張する。その膨張の程度は、非膨張状態にある内管外径の1.25倍〜1.5倍の範囲内であること、言い換えれば内管の膨張率が125%〜150%の範囲内であることが好ましい。
【0011】
【発明の効果】
内管の膨張率が上記の範囲内に維持される条件で、本発明の二重導管を混合物の圧送に使用すれば、たとえ圧送中の混合物の一部が内管内壁に付着し、その混合物に含まれる接着剤の硬化反応の進行によって、付着物が管内壁に強固に固着したとしても、従来のごとく、管の閉塞を心配する必要がない。
なぜなら、内管の内壁に付着物がこびりついて固まったとしても、内管に例えば高圧空気を供給して半径方向に内管を膨張させると、内壁にこびりついた付着物は容易に剥落し、高圧空気と共に二重導管外に排除できるからである。
【0012】
【実施例】
ウッドチップ(5mmアンダー品)100容量部に対し、粘度2600cpsの1液効硬化性ウレタン樹脂を14容量部の割合で添加して均一に混合し、比重0.25〜0.35の圧送用混合物を得た。
距離60m、高低差30mの2点間に敷設した圧送用導管の低位側から、ゲージ圧5.5kg/cm2の圧縮空気を導管内に供給し、この圧縮空気に同伴させて上記の混合物を60分間連続圧送する試験を行った。
試験結果を表1に示す。表1中、試験番号1〜7で使用した導管は、いずれも一重管である。試験番号8〜11で使用した導管は、いずれも二重管構造を有し、それぞれの外套管に使用したサニーホースは、繊維補強硬質ゴムホースである。
【0013】
【表1】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未硬化状態の粘着性混合物を、圧縮空気に同伴させて移送する際に使用される圧送導管に関する。
【0002】
【従来の技術】
バーク堆肥などの堆肥化資材及び/又はピートモスなどの土壌改良剤に、ある種の接着剤(接合材と呼ぶこともある)を配合した混合物や、ウッドチップなどに適量の接着剤を配合した混合物を、圧縮空気と共に導管内に供給して圧送する手法は、緑化基盤の造成現場で広く採用されているほか、切り土面又は盛り土面にウッドチップ集積層を形成させる施工現場においても、広く採用されている。このような現場では、混合物を圧送する導管としては、繊維補強材入り硬質ゴムホース、繊維補強材入り合成樹脂製導管、鋼管などが従来使用されてきた。
【0003】
しかし、導管内を通る上記の混合物は、比較的粘着性が高いために、導管の内壁に付着しやすく、とりわけ導管が真っ直ぐでない部位では、内壁付着が不可避的に発生する。導管内にて混合物を圧送する作業が続いている場合は、上記の内壁付着が問題になることは少ないが、一旦圧送作業が停止され、その状態である程度の時間が経過すると、混合物中に含まれる接着剤の硬化反応が進行する結果、付着物が硬化(固化)して内壁にこびりつくことなる。ちなみに、導管にて圧送される混合物が、硬化反応の進行が早い接着剤を配合した混合物である場合には、例えば、速乾性モルタルやウレタン樹脂接着剤が配合されているウッドチップ材である場合には、内壁付着物が比較的短時間で硬化する。
【0004】
管内壁への付着物が比較的少量で未硬化である場合は、導管内に高圧空気を瞬間的に吹き込むことでこれを除去することも可能ではなるが、混合物の圧送をしばしば中断することは、作業効率の観点から望ましくない。このような事情から、従来は内壁付着が累積して混合物の圧送に支障が出るまで、あるいは導管が閉塞して混合物の圧送に最早使えなくなるまで、圧送導管を使い続けるのが慣例であって、その後は導管を廃棄処分するのが通例であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、管内壁への付着物が硬化してしまった場合でも、これを比較的容易に管内壁から除去することができ、従って、この除去作業を行うことによって圧送導管を常に新品同様の状態に保持することができる粘着性混合物用圧送導管を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粘着性混合物用圧送導管は、200%〜400%の膨張率を備えた内管と、その内管の最大膨張半径(外径)より短い内径を有する外套管との二重管構造にあることを特徴とする。
ここで、膨張率とは、内管が半径方向に膨張することで増大する内管の外径の増大率を指し、膨張率200%〜400%とは、半径方向に内管が膨張することによって、膨張後の内管の外径が、膨張前の常態にある内管の外径の2倍〜4倍になることを意味する。また、内管の最大膨張半径(外径)とは、長さが100mである内管を大気圧下に保持し、その一端を封じて内側に流体(例えば、空気)を送気圧力5.5Kg/cm2で供給して膨張させた場合において、内管が半径方向に膨張して破壊に至る直前の内管の半径(外径)を意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】
二重管構造を持つ圧送導管の内管には、内面がシリコーンゴムでライニング加工された合成ゴム製のホースが使用できるほか、シリコーンゴム製のホース(以下、これをシリコーンホースと呼ぶ)が使用できる。内管に使用されるホースは、これを200%〜400%の範囲の膨張率で膨張させても、破壊に至らなければ、その内径及び外径には格別な制限はなく、長さについても制限はない。一般的には、圧送しようとする粘着性混合物の種類、特に、これに含まる固体成分の粒度を考慮して、ホースの内径は1.5インチ〜2.0インチ(約3cm〜約5cm)の範囲で選ばれる。ホースの長さは任意であるが、通常は100m以内である。内管の肉厚は、一般的は、内管が上記の最大膨張半径(外径)に膨張した場合において、当該内管の膨張率が200%以上400%未満てあるように選ばれる。通常は5〜10mm厚程度とすることを可とする。
【0008】
本発明の二重導管は、粘着性を有する各種混合物を圧送するのに適しているが、粘着性を持たない混合物の圧送にももちろん使用できる。また、圧送される混合物に粘着性があることは、必ずしも接着剤が配合されていることを意味しない。さらに、本発明で言う混合物には、固液混合物、固体同士の混合物及び液体同士の混合物が含まれる。
【0009】
シリコーンホースを覆う外套管は、シリコーンホースが最大膨張半径(外径)を超えて膨張するのを防止する役割を負う。最大膨張半径(外径)を超える過大膨張は、シリコーンホースの破断を招くからである。従って、この過大膨張を防止できれば、外套管の素材には特別な制限はなく、布製、硬質ゴム製、合成樹脂製又は鋼製のいずれであっても差し支えない。硬質ゴムホースや合成樹脂製導管には、繊維を補強材として埋設させることができる。本発明の外套管は、上記した過大膨張を防止できれば、管自体はメッシュ状であってよい。
【0010】
本発明の圧送用導管を使用して粘着性混合物を、例えば、全長60mの距離で圧送する場合、二重導管の内管は、全長にわたって接続部を持たないことが好ましいが、外套管には接続部が存在しても差し支えない。屋外にて使用する場合には、10〜15m程度に加工した二重導管を気密性ある接続金具で接続して使用することも可能である。本発明の二重導管を使用して粘着性混合物の搬送する場合、混合物は圧縮空気に同伴されて内管であるシリコーンホース内を通るので、内管は当然半径方向に膨張する。その膨張の程度は、非膨張状態にある内管外径の1.25倍〜1.5倍の範囲内であること、言い換えれば内管の膨張率が125%〜150%の範囲内であることが好ましい。
【0011】
【発明の効果】
内管の膨張率が上記の範囲内に維持される条件で、本発明の二重導管を混合物の圧送に使用すれば、たとえ圧送中の混合物の一部が内管内壁に付着し、その混合物に含まれる接着剤の硬化反応の進行によって、付着物が管内壁に強固に固着したとしても、従来のごとく、管の閉塞を心配する必要がない。
なぜなら、内管の内壁に付着物がこびりついて固まったとしても、内管に例えば高圧空気を供給して半径方向に内管を膨張させると、内壁にこびりついた付着物は容易に剥落し、高圧空気と共に二重導管外に排除できるからである。
【0012】
【実施例】
ウッドチップ(5mmアンダー品)100容量部に対し、粘度2600cpsの1液効硬化性ウレタン樹脂を14容量部の割合で添加して均一に混合し、比重0.25〜0.35の圧送用混合物を得た。
距離60m、高低差30mの2点間に敷設した圧送用導管の低位側から、ゲージ圧5.5kg/cm2の圧縮空気を導管内に供給し、この圧縮空気に同伴させて上記の混合物を60分間連続圧送する試験を行った。
試験結果を表1に示す。表1中、試験番号1〜7で使用した導管は、いずれも一重管である。試験番号8〜11で使用した導管は、いずれも二重管構造を有し、それぞれの外套管に使用したサニーホースは、繊維補強硬質ゴムホースである。
【0013】
【表1】
Claims (3)
- 200%〜400%の膨張率を備えた内管と、その内管の最大膨張半径(外径)より短い内径を有し、半径方向に径が増大することがない外套管との二重管構造にあることを特徴とする粘着性混合物用圧送導管。
- 内管がシリコーンボム製のホースであることを特徴とする請求項1記載の圧送導管。
- 内管がシリコーンゴム以外のゴム弾性を有する合成ゴム製ホースの内壁に、シリコーンゴムのライニングを施したものであることを特徴とする請求項1記載の圧送導管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003084488A JP2004293610A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 粘着性混合物用圧送導管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003084488A JP2004293610A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 粘着性混合物用圧送導管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004293610A true JP2004293610A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33399647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003084488A Pending JP2004293610A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 粘着性混合物用圧送導管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004293610A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013249948A (ja) * | 2011-11-04 | 2013-12-12 | Blue Gentian Llc | 伸縮式ホース |
JP2014047898A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Teikoku Sen I Co Ltd | 消防用ホース |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003084488A patent/JP2004293610A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013249948A (ja) * | 2011-11-04 | 2013-12-12 | Blue Gentian Llc | 伸縮式ホース |
JP2014047898A (ja) * | 2012-09-04 | 2014-03-17 | Teikoku Sen I Co Ltd | 消防用ホース |
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