【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雰囲気中の湿気により硬化する硬化性組成物に関し、より詳細には、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体を用いて構成されてた、湿気硬化型の硬化性組成物、該硬化性組成物を用いたシーリング材及び接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アルコキシシリル基のような加水分解性シリル基を有する化合物と、該化合物を硬化させる架橋触媒とからなる硬化性組成物が種々提案されている(例えば、下記の特許文献1,2)。加水分解性シリル基を有する化合物のシリル基を加水分解し、脱水縮合し、架橋させる上記架橋触媒は、空気中の湿気による架橋反応を触媒作用する。このような架橋触媒としては、有機錫化合物や有機チタン化合物のような有機金属触媒、あるいは、酸もしくは塩基が知られている。
【0003】
上記加水分解性シリル基を有する化合物の湿気架橋後の硬化物は柔軟性に富んでおり、歪みを吸収しなければならない接合部、歪みの履歴を受ける接合部、耐衝撃性や耐クリープ性の要求される接合部等に広く用いられている。また、同様の応力を受けるシーリング部分にもシーリング材として上記硬化物が多用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭56−67366号公報
【特許文献2】
特開昭57−155250号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
加水分解性シリル基を有する化合物を用いた従来の硬化性組成物は、液状であることが多く、そのため、使用時において、速やかに仮固定出来る適度の接合力を得るために比較的長い時間がかかることがあった。従って、生産性に優れたインライン生産方式に上記硬化性組成物を適用し難いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、雰囲気中の湿気により硬化し、弾力性に優れた硬化物を与え得るだけでなく、使用に際して仮固定し得る程度の接合力を得るまでの時間を短縮することが出来、ホットメルト型の接着剤もしくはシーリング材として用いることが出来る硬化性組成物、並びに該硬化性組成物を用いたシーリング材及び接着剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る硬化性組成物は、数平均分子量が3000〜10万、ガラス転移温度が20〜150℃の範囲にあり、少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体(a)を主成分とする硬化性組成物であって、該硬化性組成物の動的粘弾性(印加周波数10Hz、歪み1%)の貯蔵弾性率特性E’が50〜200℃のいずれかの温度において105Pa以下であり、50℃以下の温度領域では106Pa以上であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る硬化性組成物のある特定の局面では、前記ビニル系重合体(a)は、有機過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合により得られた重合体である。
【0009】
本発明に係る硬化性組成物の他の特定の局面では、上記ビニル系重合体(a)に加えて、架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体(c)がさらに配合される。
【0010】
本発明に係る硬化性組成物のさらに別の特定の局面では、粘着付与樹脂(d)がさらに配合される。
本発明に係る硬化性組成物のさらに他の特定の局面では、層状珪酸塩がさらに配合されている。
【0011】
本発明に係るシーリング材及び接着剤は、いずれも本発明に従って構成された硬化性組成物からなることを特徴とする。
以下、本発明の詳細を説明する。
【0012】
(硬化性組成物の動的粘弾性の貯蔵弾性率特性E’)
本発明に係る硬化性組成物では、動的粘弾性(印加波数10Hz、歪み1%)の貯蔵弾性率特性E’が50〜200℃のいずれかの温度において105Pa以下であることが必要である。この温度範囲で貯蔵弾性率特性E’が105Paを超えると凝集力が高すぎて、粘度が著しく高くなり、塗布塗出が困難となることがある。
【0013】
また、50℃以下の温度で貯蔵弾性率特性E’が105Pa以下となると、硬化性組成物を貯蔵する際にブロッキングが起こり易くなり、取り扱いが困難となることがある。また、凝集力が低くなるため、初期接着性が著しく低下する。他方、200℃を超える温度で貯蔵弾性率特性E’が105Pa以下となると、凝集力及びブロッキング性は優れるものの、200℃を超える温度でないと流動性を示さなくなり、加熱溶融時の熱安定性が確保し得ない。
【0014】
本発明に係る硬化性組成物では、50℃以下の温度領域では、上記貯蔵弾性率特性E’が106Pa以上であることが必要である。106Pa未満では、硬化性組成物を貯蔵する際にブロッキングが起こり易くなり、取り扱いが困難となる。また、凝集力が低くなり、初期接着性が著しく低下する。
【0015】
(ビニル系重合体(a))
本発明で用いられる少なくとも架橋可能な加水分解性シリル基を有するビニル系重合体(a)は、数平均分子量が3000〜10万、且つガラス転移温度が25〜150℃の範囲であれば特に限定されるものではない。上記加水分解性シリル基は、珪素原子に1〜3個のシリル基が結合した官能基であり、シリル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基等のジメトキシシリル基;メトキシジメトキシシリル基、エトキシジメチルシリル基等の単官能の加水分解性シリル基を挙げることができる。これらを複数個組み合わせて用いてもよし、異なる加水分解性シリル基を複数個組み合わせて用いてもよい。
【0016】
上記ビニル系重合体(a)を構成しているビニル重合体部分としては、ビニルモノマーを重合して得られる重合体であれば良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル等を挙げることができる。また、これらビニル重合体部分を有する共重合体であっても良い。好適には、凝集力や接着性とのバランスの良い数平均分子量10000以上のポリ(メタ)アクリレートやその共重合体が良い。ここで、(メタ)アクリルとはメタクリルとアクリルをまとめて示した表現である。
【0017】
ポリ(メタ)アクリレートやその共重合体を得るためのモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2ーブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシー3ーメチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3ーフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸、
[化合物1]
CH2=CH−C(O)O−CH2CH2O−[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物2]
CH2=C(CH3)−C(O)O−CH2CH2O−[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物3]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物4]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物5]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物6]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物7]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物8]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物9]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物10]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物11]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜10)
[化合物12]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜30)
[化合物13]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物14]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物15]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物16]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物17]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物18]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
[化合物19]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物20]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
等を挙げることができる。
【0018】
その他のビニルモノマーとして、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等のビニルエステル基を持つ化合物;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。
【0019】
ビニル重合体の製法は、公知の方法を用いることができる。例えば、フリーラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、UVラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法等を用いることができ、かつモノマーの重合性反応に応じて適宜重合法を選択すればよい。
【0020】
また、架橋可能な加水分解性シリル基の導入法としては、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ開始剤による重合を開始する方法、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ連鎖移動剤を用いる方法、架橋可能な加水分解性シリル基を持つ共重合性モノマーを用いる方法による重合と同時にシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−123192号公報、特開昭57−179210号公報、特開昭59−78220号公報、特開昭60−23405号公報)や、アルケニル基の持ったビニル重合体を合成し、その後、ヒドロシリル化によってアルコキシシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−40893号公報、特開平11−80571号公報)がある。本発明を構成するビニル系重合体(a)の製造方法は、ビニル系重合体(a)が得られる限り何等問題なく、上述の様な公知の製造技術を用いることができる。
【0021】
架橋可能な加水分解性シリル基を導入する為の、連鎖移動剤や共重合性モノマーとしては、例えば、メルカプトメチルトリメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、等の連鎖移動性の高い官能基を有するアルコキシシラン;N−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロペニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビンルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルジメチルイソペンテニルオキシシラン、ビニルジメチル−2−((2−エトキシエトキシ)エトキシ)シラン、ビニルトリス(1−メチルビニルオキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、オクタ−7−エニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、等の重合性不飽和基を有するアルコキシシラン等を挙げることができる。
【0022】
上記加水分解性シリル基を導入するための連鎖移動剤や共重合性モノマーの配合量は、ビニル系の重合性モノマー100重量部に対し、0.01〜20重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜5重量部である。
【0023】
本発明においては、硬化物の黄変が生じ難いため、上記ビニル系重合体(a)としては、過酸化物を重合開始剤として用いたラジカル重合法により得られたものが好ましく用いられる。重合開始剤として用いられる過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、イソノナノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどのジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパージカーボネート、ジ−sec−ブチルパージカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパージカーボネート、ジ−1−メチルヘプチルパージカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパージカーボネート、ジシクロヘキシルパージカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;tert−ブチルパーベンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパー−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーイソブチレート、tert−ブチルパーピバレート、tert−ブチルジパーアジペート、キュミルパーネオデカノエートなどのパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド類;キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;などが挙げられる。
【0024】
上記過酸化物は1種のみが用いられてもよく、複数種併用されてよい。さらに、過酸化物は、一度に添加されてもよく、複数回に渡って逐次添加されてもよい。
【0025】
上記ビニル系重合体(a)の数平均分子量は上述したように3000〜10万の範囲であることが必要である。3000未満の場合には、凝集力が著しく低くなり、初期接着性が低下する。10万を超えると、溶融粘度が著しく上昇したり、糸引きを生じたりし、取り扱いが困難となる。
【0026】
また、上記ビニル系重合体(a)のガラス転移温度は、25〜150℃の範囲にあることが必要である。25℃未満の場合には、硬化性組成物を貯蔵する際にブロッキングが起こり易くなり、取り扱い性が困難となる。また、凝集力が低いため、初期接着性が著しく低下する。ガラス転移温度が150℃を超えると、凝集力及びブロッキング性は優れているものの、溶融温度を樹脂の分解温度近くまで加熱しないと流動性を示さなくなり、加熱溶融時の熱安定性が確保出来なくなる。
【0027】
上記ガラス転移温度が25〜150℃の範囲のビニル系重合体(a)を得るにあたっては、好ましくは、ビニル系重合体(a)を得るための前述したモノマーとしては、ガラス転移温度が25〜150℃の単独重合体を与えるモノマーが好適に用いられる。このようなモノマー及びガラス転移点は以下の通りである。
【0028】
tert−ブチルアクリレート(Tg=41℃)、セチルアクリレート(Tg=35℃)、イソボロニルアクリレート(Tg=94℃)、フェニルアクリレート(Tg=57℃)、o−トルイルアクリレート(Tg=25℃)、m−トルイルアクリレート(Tg=52℃)、p−トルイルアクリレート(Tg=43℃)、2−ナフチルアクリレート(Tg=85℃)、2−メトキシカルボニルフェニルアクリレート(Tg=46℃)、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート(Tg=68℃)、メチルメタクリレート(Tg= 105℃)、 エチルメタクリレート(Tg=65℃)、sec−ブチルメタクリレート(Tg=60℃)、イソブチルメタクリレート(Tg=48℃)、プロピルメタクリレート(Tg=35℃)、イソプロピルメタクリレート(Tg=81℃)、n−ステアリルメタクリレート(Tg=38℃)、シクロヘキシルメタクリレート(Tg=66℃)、4−tert−ブチルシクロヘキシルメタクリレート(Tg=83℃)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(Tg=60℃)、ベンジルメタクリレート(Tg=54℃)、フェネチルメタクリレート(Tg=26℃)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Tg=55℃)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(Tg=26℃)、グリシジルメタクリレート(Tg=46℃)、スチレン(Tg=100℃)、p−メチルスチレン(Tg=101℃)、p−クロロスチレン(Tg=110℃)
【0029】
(ポリエーテル系重合体(b))
本発明に係る硬化性組成物では、好ましくは、架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリエーテル系重合体(b)がさらに配合される。
【0030】
ポリエーテル系重合体(b)としては、主鎖が本質的にポリエーテル重合体からなるもの、主鎖がポリエーテルと(メタ)アクリル酸エステルとからなる重合体等が挙げられる。このポリエーテル系重合体を配合することにより、硬化物の耐水性を高めたり、シーリング材を構成した場合のゴム弾性を高めることができる。上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体と、上記ポリエーテル系の有機重合体と併用する場合、その配合割合は、ビニル系重合体(a)100重量部に対し、ポリエーテル系重合体(b)を0.1〜100重量部の割合で添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜100重量部である。
【0031】
ポリエーテル系重合体(b)の配合割合が0.1重量部未満では、接着性改善効果が小さくなることがあり、200重量部を越えると、耐候性が低くなることがあり、かつ接着性向上効果がそれほど高くならないことがある。
【0032】
上記ポリエーテル系重合体(b)とは、主鎖が本質的に、一般式〔−(R−O)n−、式中のRは炭素数1〜4であるアルキレン基を示す。〕で表される化学的に結合された繰り返し単位を含み、かつ末端に架橋可能な加水分解性シリル基を含有する重合体をさす。
【0033】
上記ポリエーテル系重合体(b)は、例えば、末端にアリル基を有するポリアルキレンオキサイドをVIII族遷移金属の存在化で下記化学式(1)により表されるヒドロシラン化合物を反応させることによって合成される。
【0034】
【化1】
【0035】
(式中R1は1価の炭化水素基及びハロゲン化された1価の炭化水素基から選択される基、aは0、1または2の整数、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基及びケトキシメート基より選択される原子または基を意味する。)
上記重合体の主鎖であるポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等が挙げられるが、室温硬化性組成物の硬化物が耐水性に優れ、かつシーリング材としての弾性を確保できるという点でポリプロピレンオキサイドが好ましい。
【0036】
上記架橋可能な加水分解性シリル基としては、反応後有害な副生成物を生成しない物が好ましく、例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基等のアルコキシシリル基が挙げられる。
【0037】
ポリエーテル系重合体(b)の数平均分子量が小さくなると、硬化物の伸びが十分でなくなり、目地面に対する追従性が低下し、大きくなると硬化前の粘度が高くなり、配合工程の作業性が悪くなる。従って、好ましくは、数平均分子量は、4000〜30000であり、さらに好ましくは10000〜30000であり、かつ分子量分布は1.6以下が望ましい。
【0038】
上記ポリエーテル系重合体(b)としては、例えば、商品名「MSポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、MSポリマーS−203、S−303など、商品名「サイリルポリマー」(鐘淵化学工業社製)として、サイリルSAT−200、SAT−350、SAT−400や、商品名「エクセスター」(旭硝子社製)として、エクセスターESS−3620、ESS−3430、ESS−2420、ESS−2410などが市販されている。
【0039】
(層状珪酸塩)
本発明で好ましくは用いられる層状珪酸塩とは、層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意味する。本発明で用いられる層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられる。中でも、モンモリロナイト、膨潤性マイカが好ましい。上記層状珪酸塩は天然物または合成物のいずれであってもよく、これらの1種または2種以上を用い得る。
【0040】
上記層状珪酸塩としては、下記式により定義される形状異方性効果が大きいスメクタイト類や膨潤性マイカを用いることが、硬化性組成物の機械強度向上やガスバリヤ性向上の点からより好ましい。なお、層状珪酸塩の結晶表面(A)及び結晶端面(B)を図1に模式的に示す。
【0041】
形状異方性効果=結晶表面(A)の面積/結晶端面(B)の面積
図2に示すように、上記層状珪酸塩の層間に存在する交換性陽イオンとは、結晶表面上のナトリウム、カルシウム等のイオンであり、これらのイオンは、カチオン性物質とイオン交換性を有するので、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の層間に捕捉(インターカレート)することができる。
【0042】
上記層状珪酸塩の陽イオン交換容量としては特に限定されないが、50〜200ミリ等量/100gであるのが好ましい。50ミリ等量/100g未満であると、イオン交換により結晶層間に捕捉(インターカレート)できるカチオン性界面活性剤の量が少なくなるので、層間が十分に非極性化されないことがある。一方、200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり、層状珪酸塩の各層を構成している結晶薄片間の距離を増大し難くなることがある。
【0043】
上記層状珪酸塩は、ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜100重量部配合される。さらに好ましくは、0.5〜50重量部、特に好ましくは、1〜10重量部である。0.1重量部未満では硬化物の耐候性向上や難燃化などの作用が発現され難く、10重量部を越えると、硬化性組成物の粘度が高くなり作業性、生産性が低下することがある。
【0044】
なお、上記ベース樹脂とは、上記ビニル系重合体(a)と、必要に応じて添加されるポリエーテル系重合体(b)の合計である。
上記層状珪酸塩は、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で存在しているものを含んで分散しているものが好ましい。平均層間距離が3nm以上であり、5層以下で分散していると、硬化性組成物の耐候性、難燃性の性能発現に有利となる。
【0045】
なお、本明細書において、層状珪酸塩の平均層間距離とは、微細薄片状結晶を層とした場合の平均の層間距離であり、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影により、すなわち、広角X線回折測定法により算出できるものである。3nm以上に層間が開裂し、5層以下で存在しているものを含んで分散している状態は、層状珪酸塩の積層体の一部または全てが分散していることを意味しており、層間の相互作用が弱まっていることによる。
【0046】
さらに、層状珪酸塩の平均層間距離が6nm以上であると、難燃性、機械物性、耐熱性等の機能発現に特に有利である。平均層間距離が6nm以上であると、層状珪酸塩の結晶薄片層が層毎に分離し、層状珪酸塩の相互作用がほとんど無視できるほどに弱まるので、層状珪酸塩を構成する結晶薄片の樹脂中での分散状態が剥離安定化の方向に進行する。すなわち、層状珪酸塩が1枚づつ薄片状に乖離した状態で硬化性組成物中に安定化されて存在することとなる。
【0047】
層状珪酸塩の分散状態としては、ベースとなる樹脂中において層状珪酸塩の薄片状結晶が高度に分散していることが好ましい。より具体的には、層状珪酸塩の10重量%以上が5層以下で存在している状態に分散されていることが好ましく、より好ましくは、層状珪酸塩の20重量%以上が5層以下の状態で存在していることが望ましい。さらに、分散している薄片状結晶の積層数が5層以下であれば、層状珪酸塩の添加による効果が良好に得られるが、3層以下であればより好ましく、単層状に分散していることがさらに望ましい。
【0048】
本発明の層状珪酸塩は、4級アンモニウム塩で処理されてなる層状珪酸塩であることが好ましい。4級アンモニウム塩で処理することにより、層状珪酸塩の上記ベース樹脂中への分散性を向上させることができるからである。また、4級アンモニウム塩は上記ビニル系重合体の架橋反応に対する触媒作用があることが知られており、層状珪酸塩と共に上記ベース樹脂中に分散することにより分散性の向上と共に硬化速度を促進させることも可能となる。
【0049】
上記4級アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が挙げられ、これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。上記の中でも、良好な分散性が得られることから、炭素数6以上のアルキル鎖またはポリオキシアルキレン鎖を有する4級アルキルアンモニウムイオン塩が好ましい。
【0050】
層状珪酸塩の分散には各種攪拌機を用いることができるが、分散しにくい場合には3本ロール等の高剪断がかかる装置を用いて分散を行うと所望の分散状態を得やすい場合がある。
【0051】
(紫外線吸収剤及び光安定剤)
本発明の硬化性組成物には、耐候性を向上させるために各種紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが好ましい。層状珪酸塩との併用により、層状珪酸塩が各種紫外線吸収剤や光安定剤のブリードアウトを抑制するように作用するため、硬化物中にこれらが長期にわたって保持されるためである。
【0052】
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の公知の紫外線吸収剤が挙げられ、中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が紫外線吸収性能が高いので好ましい。上記紫外線吸収剤を配合する場合には、上記ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは、0.5〜10重量部配合されているのが好ましい。0.1重量部よりも少ないと耐候性の向上効果が不十分であることがあり、20重量部を越えると、呈色によりシーリング材としての外観を損なう等の問題を生じる。
【0053】
上記光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤が用いられる。ヒンダードアミン系光安定剤は、一般に紫外線吸収剤と併用すると優れた効果を発揮する。上記ヒンダードアミン系光安定剤(以下、光安定剤)の中でも、下記一般式(A)で示される構造を有する基を分子中に有するものが、層状珪酸塩と併用すると特に著しい効果がある。このようなヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミノ}]等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
【0054】
層状珪酸塩との併用による耐候性効果は、光安定剤のブリードアウト防止効果が主であると考えられる。すなわち層状珪酸塩が組成物中で光安定剤と相互作用し、光安定剤が系から散逸するのを防いでいる為であると考えられる。また、相互作用の中でも層状珪酸塩がブリードアウトを阻害する板のように作用することにより、光安定剤のブリードアウトが抑制されると考えられる。光安定剤の中でも下記一般式(A)で示される構造を有する基を分子中に有するものが特にその効果が著しいのは、N原子に結合したH原子が関与しているものと推察される。
【0055】
【化2】
【0056】
上記光安定剤を配合する場合には、上記ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部配合されているのが好ましい。0.1重量部よりも少ないと、耐候性の向上効果が不十分であることがあり、20重量部を越えると着色の問題が生じ、シーリング材としての外観を損なうことがある。
【0057】
(その他の添加物)
本発明の硬化性組成物には、本発明の目的より効果を阻害しない限り、ビニル系重合体(a)の硬化促進剤、組成物の粘性特性を調整する粘度調整剤、チキソトロープ剤、引張特性などを改善する物性調整剤、増量剤、補強剤、可塑剤、着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、たれ防止剤、老化防止剤、溶剤、香料、顔料、染料、脱水剤などを添加してもよい。
【0058】
ビニル系重合体(a)の硬化促進剤としては、例えば、有機金属化合部を用いることができる。好適に用いることの出来る有機金属化合物として、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属元素と有機基を置換してなる有機金属化合物を挙げることが出来る。例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物、これらは単独または2種以上を併用して使用することが出来る。
【0059】
粘度調整剤としては、例えば、ビニル系重合体(a)との相溶性の良い高分子化合物から選ばれ、配合される化合物から適宜選択される。例えば、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、NBR、SBS、SIS、SEBS、水添NBR、水添SBS、水添SIS、水添SEBS等を挙げることができる。また、これら共重合体、官能基変成体を挙げることができし、これらを適宜組み合わせてもよい。
【0060】
チキソトロープ剤としては、組成物がチキソトロピー性を発現するような物質から適宜選ばれる。例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ等を挙げることができる。チキソトロープ剤の選択については、ビニル系重合体(a)親和性の高い表面を有することが望ましい。
【0061】
引っ張り特等を改善する物性調整剤としては、各種シランカップリング剤として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
【0062】
増量剤としては、本発明に係る組成物中に添加してチキソトロープ性を発現しないものが好適に利用でき、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
【0063】
可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステル等の脂肪酸−塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチル等の脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等を挙げられ、これらは単独または2種以上併用してもかまわない。
【0064】
(接着剤及びシーリング材)
本発明に係る硬化性組成物は、シーリング材または接着剤として好適に用いられる。本発明に係る硬化性組成物は、後述する実施例から明らかなように、雰囲気中の湿気により速やかに硬化し、柔軟性を有する硬化物を与え、良好な接着強度を発現する。加えて、本発明に係る硬化性組成物では、加熱溶融により速やかに適用部分に付与されることが出来、且つ仮固定に至るまでの時間を短縮することが出来る。従って、ホットメルト型の接着剤やシーリング材として、本発明に係る硬化性組成物を好適に用いることが出来る。
【0065】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例及び比較例を以下において説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0066】
(実施例1)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、イソボロニルアクリレート(東京化成社製)40g、スチレン(和光純薬社製)10g、シクロヘキシルアクリレート(大阪有機化学社製)30g、n−ブチルアクリレート(和光純薬社製)20g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−503)2.0g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−803)1.0g、及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。このモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
【0067】
環流した後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g,及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。
【0068】
上記重合により、ゲルパーミエションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算分子量である数平均分子量が約1万のアルコキシシリル基含有アクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
【0069】
上記のようにして得られたアルコキシシリル基含有アクリル系重合体の酢酸メチル溶液に、硬化促進剤としてジブチル錫ジラウリレート(和光純薬社製)3gを加え、均一に混合した後、離型処理された箱に移し、減圧下で25〜30℃の温度で酢酸エチルを除去し、実施例1の硬化性組成物を得た。
【0070】
上記のようにして得られた硬化性組成物のガラス転移点を粘弾性装置により測定したところ、Tg(tan δ max)=40℃であった。また、動的粘弾性測定により、上記硬化性組成物の貯蔵弾性率特性E’を測定したところ、120℃で4.89×104Pa以下であり、50℃では2.43×106Paであった。
【0071】
上記硬化性組成物を150℃で溶融し、30mm×120mm×厚さ2mmのペンタイト鋼板に厚み0.2mmとなるように塗布し、塗布面に30mm×120mm×厚さ8mmのスレート板を引張剪断試験が出来るように貼り合わせ、接着試験片を得た。なお、貼り合わせ面積は30mm×30mmとした。貼り合わせてから1分後の引張剪断接着力を、JIS K 6852に準じ、試験速度を5mm/分で評価したところ、0.51N/mm2であった。また、貼り合わせてから7日後の引張剪断接着力を同様にして評価したところ、0.57N/mm2であった。また、貼り合わせ7日後の接着試験片をオーブン中において垂直に配置し、一方の被着体に1000gの荷重をかけ、1℃/分の昇温速度で30℃から昇温したところ、150℃の温度でも荷重の落下、すなわち接着試験片の剥離は確認出来なかった。
【0072】
(比較例1)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、イソボロニルアクリレート(東京化成社製)20g、シクロヘキシルアクリレート(大阪有機化学社製)30g、n−ブチルアクリレート(和光純薬社製)40g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)1.0g、及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
【0073】
環流した後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g, 及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。
【0074】
このようにして、数平均分子量約1万(ゲルパーミエションクロマトグラフィーによる、ポリスチレン換算分子量)のアルコキシシリル基を有しないアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
【0075】
上記のようにして得られたアルコキシシリル基を含有しないアクリル系重合体の酢酸エチル溶液に、実施例1と同様にして硬化促進剤としてジブチル錫ジラウリレート(和光純薬社製)3gを加え、均一に混合した後、離型処理した箱に移し、減圧下、25〜30℃で酢酸エチルを除去して比較例1の硬化性組成物を得た。
【0076】
この硬化性組成物のTg及び貯蔵弾性率特性E’を実施例1と同様にして評価したところ、Tg=5℃であり、貯蔵弾性率特性E’は120℃で4.05×104Pa以下であり、50℃では4.76×105Paであった。上記硬化性組成物を150℃で溶融し、実施例1と同様にして接着試験片を得、貼り合わせ1分後の引張剪断接着力を同様にして評価したところ、0.53N/mm2、貼り合わせ7日後の剪断接着力は0.54N/mm2であった。また、貼り合わせ7日後の接着試験片について、実施例1の場合と同様にオーブン中で1000gの荷重をかけて昇温したところ、80℃付近で荷重が落下、すなわち一方の被着体が落下した。
【0077】
(比較例2)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、イソボロニルアクリレート(東京化成社製)20g、スチレン(和光純薬社製)10g、シクロヘキシルアクリレート(大阪有機化学社製)40g、n−ブチルアクリレート(和光純薬社製)30g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−503)2.0g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製KBM−803)1.0g、及び酢酸エチル100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまでに昇温した。
【0078】
環流した後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入した。1時間後、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.036gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。さらに、重合開始後、2、3及び4時間後、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド0.048g,0.12g, 及び0.36gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を投入した。一回目の重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。数平均分子量約1万(ゲルパーミエションクロマトグラフィーによる、分子量はポリスチレン換算)のアルコキシシリル基含有アクリル重合体の酢酸エチル溶液を得た。
【0079】
上記のようにして得られたアルコキシシリル基含有アクリル系重合体の酢酸エチル溶液に、実施例1と同様に硬化促進剤としてジブチル錫ジラウリレート3gを加え、均一に混合した後、離型処理した箱に移し、減圧下、25〜30℃で酢酸エチルを除去し、比較例2の硬化性組成物を得た。
【0080】
この硬化性組成物のガラス転移点Tg及び貯蔵弾性率特性E’を実施例1と同様にして評価したところ、Tgは12℃、100℃における貯蔵弾性率特性E’が8.10×104Pa以下であり、50℃における貯蔵弾性率特性E’は8.40×105Paであった。
【0081】
上記硬化性組成物を用い、実施例1と同様にして、接着試験片を作製し、貼り合わせ1分後の引張剪断接着力を同様に評価したところ、0.11N/mm2であった。また、貼り合わせ7日後の引張剪断接着力は0.49N/mm2であった。
【0082】
更に貼り合わせ7日後の接着試験片について、実施例1と同様にオーブン中で1000gの荷重をかけ、昇温したところ、150℃の温度に達しても荷重の落下は認められなかったが、接着試験片の接着領域が5mm程度ずれていた。
【0083】
(実施例2)
硬化性組成物調製の際に、層状珪酸塩ソマシフMPE−100(ポリオキシプロピレンジエチル4級アンモニウム塩で有機処理した膨潤性フッ素雲母、コープケミカル社製)10g、チヌビン770(ヒンダードアミン系光安定剤、チバスペシャリティーケミカルズ社製)5g、チヌビン327(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チバスペシャリティーケミカルズ社製)5gを加えたこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
【0084】
〔層状珪酸塩の平均層間距離の測定〕
実施例2で得られた硬化性組成物における層状珪酸塩の平均層間距離を以下のようにして測定した。
【0085】
X線回折測定装置(リガク社製、RINT1100)により、層状珪酸塩の積層面の回折により得られる回折ピークの2θを測定し、下記のブラックの回折式を用いて層状珪酸塩の(001)面間隔を算出した。以下のdを平均層間距離とし、平均層間距離が3nm以上と良好に分散していた。
【0086】
λ=2dsinθ
なお、式中において、λ(nm)=0.154、d(nm)は層状珪酸塩の面間隔、θ(度)は回折角である。
【0087】
〔層状珪酸塩の分散状態の確認〕
透過型電子顕微鏡(TEM、日本電子社製「JEM−1200EX II」)写真により、硬化物中の層状珪酸塩の分散状態を観察して、5層以下で存在していた。
【0088】
耐候性評価
〔評価〕
上記実施例1及び2で得られた硬化性組成物の下記方法で耐候性を評価した。各配合組成物を50mm×150mm(厚み1mm)のステンレス板に0.5mm厚みで塗布し、20℃×60%RHの雰囲気下で7日間(168時間)放置して養生硬化させた後、下記条件で150時間及び400時間光照射を行い、表面状態を目視で確認し、クラックの無いものを○と判定した。
【0089】
・光照射条件
試験装置:アイスーパーUVテスター(SUV−F11型)、岩崎電気(株)製
照射強度:100mW/cm2
限定波長:295nm〜450nm
ブラックパネル温度:63℃
照射距離:235mm(光源と試料間)
なお、アイスーパーUVテスターによる光照射評価は、材料系や試験条件によっても変動するので一概には言えないが、通常サンシャインウエザオメーターによる評価よりも、10倍程度の過酷な促進効果があるとされている。結果を下記の表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【発明の効果】
本発明に係る硬化性組成物では、加水分解性シリル基を有するビニル系重合体(a)の数分子量が3000〜10万かつガラス転移温度が25〜150℃の範囲にあり、硬化性組成物の貯蔵弾性率特性E’が、50〜200℃の温度において105Pa以下であり、50℃以下の温度では106Pa以上であるため、十分な初期接着性及び耐熱接着性を有し、かつ仮固定に至るまでの時間を短縮することが出来るホットメルト型接着剤やシーリング剤として適した硬化性組成物を提供することが可能となる。従って、本発明に係る硬化性組成物を用いることにより、生産性に優れたインライン生産方式に用いる接着剤等を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】層状珪酸塩の薄片状結晶の結晶表面(A)及び結晶端面(B)を説明するための模式図。
【図2】層状珪酸塩の層間の交換性陽イオンを説明するための模式図。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a curable composition that cures by moisture in an atmosphere, and more particularly, to a moisture-curable curing composition that is constituted by using a vinyl polymer containing a crosslinkable hydrolyzable silyl group. The present invention relates to a curable composition, a sealing material using the curable composition, and an adhesive.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, various curable compositions comprising a compound having a hydrolyzable silyl group such as an alkoxysilyl group and a crosslinking catalyst for curing the compound have been proposed (for example, Patent Documents 1 and 2 below). The cross-linking catalyst for hydrolyzing, dehydrating and condensing a silyl group of a compound having a hydrolyzable silyl group and cross-linking catalyzes a cross-linking reaction caused by moisture in the air. As such a crosslinking catalyst, an organic metal catalyst such as an organic tin compound or an organic titanium compound, or an acid or a base is known.
[0003]
The cured product of the compound having a hydrolyzable silyl group after moisture cross-linking is rich in flexibility, a joint that must absorb strain, a joint that receives a history of strain, a shock resistance and a creep resistance. Widely used for required joints and the like. Further, the above-mentioned cured product is often used as a sealing material also in a sealing portion subjected to the same stress.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-56-67366 [Patent Document 2]
JP-A-57-155250
[Problems to be solved by the invention]
A conventional curable composition using a compound having a hydrolyzable silyl group is often in a liquid state, and therefore, during use, a relatively long time is required to obtain an appropriate bonding force that can be temporarily temporarily fixed. There was such a case. Therefore, there is a problem that it is difficult to apply the curable composition to an in-line production system having excellent productivity.
[0006]
In view of the above-mentioned state of the art, the object of the present invention is to cure by moisture in the atmosphere, not only to obtain a cured product having excellent elasticity, but also to obtain a bonding strength that can be temporarily fixed in use. The present invention provides a curable composition which can shorten the time of the above and can be used as a hot melt type adhesive or a sealing material, and a sealing material and an adhesive using the curable composition.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The curable composition according to the present invention has a number average molecular weight of 3,000 to 100,000, a glass transition temperature of 20 to 150 ° C., and contains at least a crosslinkable hydrolyzable silyl group-containing vinyl polymer (a ) As a main component, wherein the curable composition has a storage elastic modulus characteristic E ′ of dynamic viscoelasticity (applied frequency: 10 Hz, strain: 1%) of 50 to 200 ° C. Is not more than 10 5 Pa, and is not less than 10 6 Pa in a temperature range of 50 ° C. or less.
[0008]
In a specific aspect of the curable composition according to the present invention, the vinyl polymer (a) is a polymer obtained by radical polymerization using an organic peroxide as a polymerization initiator.
[0009]
In another specific aspect of the curable composition according to the present invention, a polyether polymer (c) having a crosslinkable hydrolyzable silyl group is further compounded in addition to the vinyl polymer (a). You.
[0010]
In still another specific aspect of the curable composition according to the present invention, a tackifier resin (d) is further blended.
In still another specific aspect of the curable composition according to the present invention, a layered silicate is further added.
[0011]
The sealing material and the adhesive according to the present invention are each characterized by comprising a curable composition constituted according to the present invention.
Hereinafter, details of the present invention will be described.
[0012]
(Storage modulus characteristic E ′ of dynamic viscoelasticity of curable composition)
In the curable composition according to the present invention, it must be dynamic viscoelasticity (applied wave number 10 Hz, strain of 1%) storage modulus properties E 'of at 10 5 Pa or less at any temperature 50 to 200 ° C. It is. If the storage modulus E ′ exceeds 10 5 Pa in this temperature range, the cohesive strength is too high, the viscosity becomes extremely high, and coating and coating may become difficult.
[0013]
Further, when the storage elastic modulus characteristic E ′ becomes 10 5 Pa or less at a temperature of 50 ° C. or less, blocking tends to occur when the curable composition is stored, and handling may be difficult. In addition, since the cohesive force is reduced, the initial adhesiveness is significantly reduced. On the other hand, when the storage modulus E ′ is 10 5 Pa or less at a temperature exceeding 200 ° C., the cohesive force and the blocking property are excellent, but when the temperature is not higher than 200 ° C., the fluidity is not exhibited, and the heat stability at the time of melting by heating Cannot be secured.
[0014]
In the curable composition according to the present invention, in the temperature range of 50 ° C. or lower, the storage elastic modulus characteristic E ′ needs to be 10 6 Pa or higher. If it is less than 10 6 Pa, blocking tends to occur when the curable composition is stored, and handling becomes difficult. Further, the cohesive force is reduced, and the initial adhesiveness is significantly reduced.
[0015]
(Vinyl polymer (a))
The vinyl polymer (a) having at least a crosslinkable hydrolyzable silyl group used in the present invention is not particularly limited as long as it has a number average molecular weight of 3000 to 100,000 and a glass transition temperature of 25 to 150 ° C. It is not done. The hydrolyzable silyl group is a functional group in which one to three silyl groups are bonded to a silicon atom. Examples of the silyl group include a methoxy group, an ethoxy group, a propyloxy group, an isopropyloxy group, a butoxy group, Examples include a tert-butoxy group, a phenoxy group, and a benzyloxy group. Examples of the alkoxysilyl group having an alkoxy group bonded thereto include, for example, a trialkoxysilyl group such as a trimethoxysilyl group, a triethoxysilyl group, a triisopropoxysilyl group, and a triphenoxysilyl group; a dimethoxymethylsilyl group, a diethoxymethylsilyl group Dimethoxysilyl group; monofunctional hydrolyzable silyl group such as methoxydimethoxysilyl group and ethoxydimethylsilyl group. These may be used in combination, or different hydrolyzable silyl groups may be used in combination.
[0016]
The vinyl polymer portion constituting the vinyl polymer (a) may be a polymer obtained by polymerizing a vinyl monomer, such as polyethylene, polypropylene, polyisobutylene, poly (meth) acrylate, or the like. Examples include polystyrene, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polybutadiene, polyisoprene, polyvinyl acetate, polyvinyl alcohol, polyvinyl butyral, and polyvinyl ether. Further, a copolymer having these vinyl polymer portions may be used. Preferably, poly (meth) acrylate having a number average molecular weight of 10,000 or more and a copolymer thereof are well balanced with cohesive strength and adhesiveness. Here, (meth) acryl is an expression collectively showing methacryl and acryl.
[0017]
Examples of monomers for obtaining poly (meth) acrylate and a copolymer thereof include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, and tert-butyl ( (Meth) acrylate, cyclohexyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, n-octyl (meth) acrylate, isooctyl (meth) acrylate, isononyl (meth) acrylate, isomyristyl (meth) acrylate, stearyl (meth) acrylate , Isobornyl (meth) acrylate, benzyl (meth) acrylate, 2-butoxyethyl (meth) acrylate, 2-phenoxyethyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, tetrahydro Rufuryl (meth) acrylate, hexanediol di (meth) acrylate, ethylene glycol di (meth) acrylate, polyethylene glycol di (meth) acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, polypropylene glycol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (Meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, pentaerythritol di (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, epoxy acrylate, Polyester acrylate, urethane acrylate, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 3-hydroxypropyl (Meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 4-hydroxybutyl (meth) acrylate, 2-hydroxybutyl (meth) acrylate, 5-hydroxypentyl (meth) acrylate, 6-hydroxyhexyl (meth) acrylate, 3-hydroxy-3-methylbutyl (meth) acrylate, 2-hydroxy-3-phenoxypropyl (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, 2-[(meth) acryloyloxy] ethyl 2-hydroxyethylphthalic acid, 2- [ (Meth) acryloyloxy] ethyl 2-hydroxypropylphthalic acid,
[Compound 1]
CH 2 = CH-C (O ) O-CH 2 CH 2 O- [C (O) CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O] n -H
(N = 1 to 10)
[Compound 2]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O-CH 2 CH 2 O- [C (O) CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O] n -H
(N = 1 to 10)
[Compound 3]
CH 2 = CH-C (O ) O- (CH 2 CH 2 O) n -H
(N = 1 to 12)
[Compound 4]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O- (CH 2 CH 2 O) n -H
(N = 1 to 12)
[Compound 5]
CH 2 = CH-C (O ) O- [CH 2 CH (CH 3) O] n -H
(N = 1 to 12)
[Compound 6]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O- [CH 2 CH (CH 3) O] n -H
(N = 1 to 12)
[Compound 7]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O- (CH 2 CH 2 O) n - [CH 2 CH (CH 3) O] m -H
(M, n = 1 to 12)
[Compound 8]
CH 2 = CH-C (O ) O- (CH 2 CH 2 O) n - [CH 2 CH (CH 3) O] m -H
(M, n = 1 to 12)
[Compound 9]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O- (CH 2 CH 2 O) n - (CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O) m H
(M, n = 1 to 12)
[Compound 10]
CH 2 = CH-C (O ) O- (CH 2 CH 2 O) n - (CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 O) m H
(M, n = 1 to 12)
[Compound 11]
CH 2 = CH-C (O ) O- (CH 2 CH 2 O) n -CH 3
(N = 1 to 10)
[Compound 12]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O- (CH 2 CH 2 O) n -CH 3
(N = 1-30)
[Compound 13]
CH 2 = CH-C (O ) O- [CH 2 CH (CH 3) O] n -CH 3
(N = 1 to 10)
[Compound 14]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O- [CH 2 CH (CH 3) O] n -CH 3
(N = 1 to 10)
[Compound 15]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O- (CH 2 CH 2 O) n - [CH 2 CH (CH 3) O] m -H
(M, n = 1 to 10)
[Compound 16]
CH 2 = CH-C (O ) O- (CH 2 CH 2 O) n - [CH 2 CH (CH 3) O] m -H
(M, n = 1 to 10)
[Compound 17]
CH 2 = CH-C (O ) O- [CH 2 CH (CH 3) O] n -C (O) -CH = CH 2
(N = 1-20)
[Compound 18]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O- [CH 2 CH (CH 3) O] n -C (O) -C (CH 3) = CH 2
(N = 1-20)
[Compound 19]
CH 2 = CH-C (O ) O- (CH 2 CH 2 O) n -C (O) -CH = CH 2
(N = 1-20)
[Compound 20]
CH 2 = C (CH 3) -C (O) O- (CH 2 CH 2 O) n -C (O) -C (CH 3) = CH 2
(N = 1-20)
And the like.
[0018]
As other vinyl monomers, for example, styrene such as styrene, indene, α-methylstyrene, p-methylstyrene, p-chlorostyrene, p-chloromethylstyrene, p-methoxystyrene, p-tert-butoxystyrene, divinylbenzene and the like Derivatives; for example, compounds having a vinyl ester group such as vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl butyrate, vinyl caproate, vinyl benzoate, vinyl cinnamate; maleic anhydride, N-vinyl pyrrolidone, N-vinyl morpholine; (Meth) acrylonitrile, (meth) acrylamide, N-cyclohexylmaleimide, N-phenylmaleimide, N-laurylmaleimide, N-benzylmaleimide, n-propylvinylether, n-butylvinylether, isobutylvinylether, ter -Butyl vinyl ether, tert-amyl vinyl ether, cyclohexyl vinyl ether, 2-ethylhexyl vinyl ether, dodecyl vinyl ether, octadecyl vinyl ether, 2-chloroethyl vinyl ether, ethylene glycol butyl vinyl ether, triethylene glycol methyl vinyl ether, (4-vinyloxy) butyl benzoate, ethylene Glycol divinyl ether, diethylene glycol divinyl ether, triethylene glycol divinyl ether, tetraethylene glycol divinyl ether, butane-1,4-diol-divinyl ether, hexane-1,6-diol-divinyl ether, cyclohexane-1,4-dimethanol -Divinyl ether, di (4-vinyloxy) butyl isophthalate, glue Di (4-vinyloxy) butyl talate, di (4-vinyloxy) butyl succinate trimethylolpropane trivinyl ether, 2-hydroxyethyl vinyl ether, 4-hydroxybutyl vinyl ether, 6-hydroxyhexyl vinyl ether, cyclohexane-1,4-di Examples thereof include compounds having a vinyloxy group such as methanol-monovinyl ether, diethylene glycol monovinyl ether 3-aminopropyl vinyl ether, 2- (N, N-diethylamino) ethyl vinyl ether, urethane vinyl ether, and polyester vinyl ether.
[0019]
A known method can be used for the method for producing the vinyl polymer. For example, a free radical polymerization method, an anion polymerization method, a cationic polymerization method, a UV radical polymerization method, a living anion polymerization method, a living cationic polymerization method, a living radical polymerization method, or the like can be used, and depending on the polymerization reaction of the monomer. A polymerization method may be appropriately selected.
[0020]
As a method for introducing a crosslinkable hydrolyzable silyl group, a method of initiating polymerization with an initiator having a crosslinkable hydrolyzable silyl group, or a chain transfer agent having a crosslinkable hydrolyzable silyl group is used. A method of introducing a silyl group simultaneously with polymerization by a method using a copolymerizable monomer having a crosslinkable hydrolyzable silyl group (for example, JP-A-54-123192, JP-A-57-179210, JP-A-59-78220 and JP-A-60-23405) and a method of synthesizing a vinyl polymer having an alkenyl group, and then introducing an alkoxysilyl group by hydrosilylation (for example, JP-A-59-78220). 54-40893, JP-A-11-80571). The method for producing the vinyl polymer (a) constituting the present invention does not have any problem as long as the vinyl polymer (a) is obtained, and the above-mentioned known production techniques can be used.
[0021]
Examples of a chain transfer agent and a copolymerizable monomer for introducing a crosslinkable hydrolyzable silyl group include, for example, mercaptomethyltrimethylsilane, 3-mercaptopropyltrimethoxysilane, 3-mercaptopropyldimethoxymethylsilane, and the like. Alkoxysilane having a functional group with high chain transferability; N- (3-acryloyloxy-2-hydroxypropyl) -3-aminopropyltriethoxysilane, 3-acryloyloxypropyldimethylmethoxysilane, 3-acryloyloxypropylmethyldimethoxy Silane, 3-acryloyloxypropyltrimethoxysilane, 3-acryloyloxypropylmethylbis (trimethylsiloxy) silane, allyltriethoxysilane, allyltrimethoxysilane, 3-allylaminopropyltri Toxoxysilane, 3-methacryloyloxypropyldimethylmethoxysilane, 3-methacryloyloxypropyldimethylethoxysilane, 3-methacryloyloxypropylmethyldimethoxysilane, 3-methacryloyloxypropylmethyldiethoxysilane, 3-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane, 3- Methacryloyloxypropenyltrimethoxysilane, vinylmethyldiacetoxysilane, vinyltriacetoxysilane, vinyldimethylmethoxysilane, vinyldimethylethoxysilane, vinylmethyldiethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltriisopropoxysilane, Vinyltriphenoxysilane, vinyldimethylisopentenyloxysilane, vinyldimethyl-2 ((2-ethoxyethoxy) ethoxy) silane, vinyltris (1-methylvinyloxy) silane, vinyltris (2-methoxyethoxy) silane, phenylvinyldiethoxysilane, diphenylvinylethoxysilane, 6-triethoxysilyl-2-norbornene And alkoxysilanes having a polymerizable unsaturated group such as oct-7-enyltrimethoxysilane and styrylethyltrimethoxysilane.
[0022]
The amount of the chain transfer agent or copolymerizable monomer for introducing the hydrolyzable silyl group is preferably 0.01 to 20 parts by weight based on 100 parts by weight of the vinyl polymerizable monomer. Preferably, it is 0.1 to 5 parts by weight.
[0023]
In the present invention, the vinyl polymer (a) obtained by a radical polymerization method using a peroxide as a polymerization initiator is preferably used as the vinyl polymer (a) because yellowing of the cured product is unlikely to occur. Examples of the peroxide used as the polymerization initiator include, for example, benzoyl peroxide, isobutyryl peroxide, isononanoyl peroxide, decanoyl peroxide, lauroyl peroxide, parachlorobenzoyl peroxide, di (3,5, Diacyl peroxides such as 5-trimethylhexanoyl) peroxide; diisopropyl purge carbonate, di-sec-butyl purge carbonate, di-2-ethylhexyl purge carbonate, di-1-methylheptyl purge carbonate, di-3-methoxybutyl purge Peroxydicarbonates such as carbonate and dicyclohexyl purge carbonate; tert-butyl perbenzoate, tert-butyl peracetate, tert-butyl per-2- Peroxyesters such as tyl hexanoate, tert-butyl perisobutyrate, tert-butyl perpivalate, tert-butyl zipper adipate, cumyl pernedecanoate; ketones such as methyl ethyl ketone peroxide and cyclohexanone peroxide Peroxides: dialkyl such as di-tert-butyl peroxide, dicumyl peroxide, tert-butyl cumyl peroxide, 1,1-di (t-hexylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane Peroxides; hydroperoxides such as cumene hydroxy peroxide and tert-butyl hydroperoxide; and the like.
[0024]
The peroxide may be used alone or in combination of two or more. Further, the peroxide may be added all at once, or may be added sequentially multiple times.
[0025]
The number average molecular weight of the vinyl polymer (a) needs to be in the range of 3000 to 100,000 as described above. If it is less than 3,000, the cohesive strength is significantly reduced, and the initial adhesiveness is reduced. If it exceeds 100,000, the melt viscosity increases significantly, stringing occurs, and handling becomes difficult.
[0026]
The glass transition temperature of the vinyl polymer (a) needs to be in the range of 25 to 150 ° C. If the temperature is lower than 25 ° C., blocking tends to occur when the curable composition is stored, and handling becomes difficult. Further, since the cohesive force is low, the initial adhesiveness is significantly reduced. When the glass transition temperature exceeds 150 ° C., although the cohesion and blocking properties are excellent, the fluidity is not exhibited unless the melting temperature is heated to near the decomposition temperature of the resin, and the thermal stability during heating and melting cannot be secured. .
[0027]
In obtaining the vinyl polymer (a) having a glass transition temperature in the range of 25 to 150 ° C., preferably, the above-mentioned monomer for obtaining the vinyl polymer (a) has a glass transition temperature of 25 to 150 ° C. A monomer that gives a homopolymer at 150 ° C. is preferably used. Such monomers and glass transition points are as follows.
[0028]
tert-butyl acrylate (Tg = 41 ° C.), cetyl acrylate (Tg = 35 ° C.), isobornyl acrylate (Tg = 94 ° C.), phenyl acrylate (Tg = 57 ° C.), o-toluyl acrylate (Tg = 25 ° C.) M-toluyl acrylate (Tg = 52 ° C.), p-toluyl acrylate (Tg = 43 ° C.), 2-naphthyl acrylate (Tg = 85 ° C.), 2-methoxycarbonylphenyl acrylate (Tg = 46 ° C.), 2-acryloyl Oxyethyl-2-hydroxypropyl phthalate (Tg = 68 ° C.), methyl methacrylate (Tg = 105 ° C.), ethyl methacrylate (Tg = 65 ° C.), sec-butyl methacrylate (Tg = 60 ° C.), isobutyl methacrylate (Tg = 48) ° C), propyl methacrylate (Tg 35 ° C.), isopropyl methacrylate (Tg = 81 ° C.), n-stearyl methacrylate (Tg = 38 ° C.), cyclohexyl methacrylate (Tg = 66 ° C.), 4-tert-butylcyclohexyl methacrylate (Tg = 83 ° C.), tetrahydrofurfuryl Methacrylate (Tg = 60 ° C.), benzyl methacrylate (Tg = 54 ° C.), phenethyl methacrylate (Tg = 26 ° C.), 2-hydroxyethyl methacrylate (Tg = 55 ° C.), 2-hydroxypropyl methacrylate (Tg = 26 ° C.), Glycidyl methacrylate (Tg = 46 ° C.), styrene (Tg = 100 ° C.), p-methylstyrene (Tg = 101 ° C.), p-chlorostyrene (Tg = 110 ° C.)
[0029]
(Polyether-based polymer (b))
The curable composition according to the present invention preferably further contains a polyether-based polymer (b) having a crosslinkable hydrolyzable silyl group.
[0030]
Examples of the polyether-based polymer (b) include those in which the main chain consists essentially of a polyether polymer, and those in which the main chain consists of polyether and (meth) acrylate. By blending the polyether polymer, the water resistance of the cured product can be increased, and the rubber elasticity when a sealing material is formed can be increased. When the (meth) acrylic ester polymer and the polyether organic polymer are used in combination, the mixing ratio is 100 parts by weight of the vinyl polymer (a) and 100 parts by weight of the polyether polymer (b). ) Is preferably added at a ratio of 0.1 to 100 parts by weight, more preferably 0.5 to 100 parts by weight.
[0031]
If the blending ratio of the polyether-based polymer (b) is less than 0.1 part by weight, the effect of improving the adhesiveness may be small, and if it exceeds 200 parts by weight, the weather resistance may be reduced and the adhesiveness may be reduced. The improvement effect may not be so high.
[0032]
The polyether polymer (b) has a main chain essentially of the general formula [-(RO) n- , wherein R represents an alkylene group having 1 to 4 carbon atoms. And a polymer containing a chemically crosslinked hydrolyzable silyl group at a terminal.
[0033]
The polyether polymer (b) is synthesized, for example, by reacting a polyalkylene oxide having an allyl group at a terminal with a hydrosilane compound represented by the following chemical formula (1) in the presence of a Group VIII transition metal. .
[0034]
Embedded image
[0035]
(Wherein R 1 is a group selected from a monovalent hydrocarbon group and a halogenated monovalent hydrocarbon group, a is an integer of 0, 1 or 2, X is a halogen atom, an alkoxy group, an acyloxy group and Means an atom or group selected from ketoxime groups.)
Examples of the polyalkylene oxide that is the main chain of the polymer include, for example, polyethylene oxide, polypropylene oxide, and polybutylene oxide.The cured product of the room temperature curable composition has excellent water resistance, and as a sealing material. Polypropylene oxide is preferable in that elasticity can be secured.
[0036]
The crosslinkable hydrolyzable silyl group is preferably a substance that does not generate a harmful by-product after the reaction, and examples thereof include an alkoxysilyl group such as a methoxysilyl group and an ethoxysilyl group.
[0037]
When the number average molecular weight of the polyether-based polymer (b) is small, the elongation of the cured product is not sufficient, and the followability to the ground is reduced. When the number average molecular weight is large, the viscosity before curing is increased, and the workability in the compounding process is increased. become worse. Therefore, the number average molecular weight is preferably 4,000 to 30,000, more preferably 10,000 to 30,000, and the molecular weight distribution is desirably 1.6 or less.
[0038]
Examples of the polyether-based polymer (b) include trade names “MS Polymer” (manufactured by Kaneka Chemical Industry Co., Ltd.) and trade names such as MS Polymers S-203 and S-303 such as “Silyl Polymer” (Kaneji) (Manufactured by Fuchi Chemical Industry Co., Ltd.), Cyril SAT-200, SAT-350, and SAT-400, and trade names "Exester" (made by Asahi Glass Co., Ltd.) as Exester ESS-3620, ESS-3430, ESS-2420, ESS -410 and the like are commercially available.
[0039]
(Layered silicate)
The layered silicate preferably used in the present invention means a silicate mineral having exchangeable cations between layers. The layered silicate used in the present invention is not particularly limited, and includes, for example, montmorillonite, saponite, hectorite, beidellite, stevensite, smectite-based clay minerals such as nontronite, vermiculite, halloysite, and swellable mica. Can be Among them, montmorillonite and swellable mica are preferable. The layered silicate may be a natural product or a synthetic product, and one or more of these may be used.
[0040]
As the above-mentioned layered silicate, it is more preferable to use smectites or swellable mica having a large shape anisotropy effect defined by the following formula from the viewpoint of improving the mechanical strength of the curable composition and the gas barrier property. FIG. 1 schematically shows the crystal surface (A) and the crystal end surface (B) of the layered silicate.
[0041]
Shape anisotropy effect = Area of crystal surface (A) / Area of crystal end face (B) As shown in FIG. 2, exchangeable cations present between the layers of the layered silicate are sodium on the crystal surface, Since these ions are ion-exchangeable with a cationic substance, various ions having a cationic property can be trapped (intercalated) between the layers of the layered silicate.
[0042]
The cation exchange capacity of the layered silicate is not particularly limited, but is preferably 50 to 200 milliequivalents / 100 g. If the amount is less than 50 milliequivalents / 100 g, the amount of the cationic surfactant that can be trapped (intercalated) between the crystal layers by ion exchange decreases, and the interlayer may not be sufficiently nonpolarized. On the other hand, if it exceeds 200 milliequivalents / 100 g, the bonding strength between the layers of the layered silicate becomes strong, and it may be difficult to increase the distance between the crystal flakes constituting each layer of the layered silicate.
[0043]
The layered silicate is blended in an amount of 0.1 to 100 parts by weight based on 100 parts by weight of the base resin. More preferably, it is 0.5 to 50 parts by weight, particularly preferably 1 to 10 parts by weight. If the amount is less than 0.1 part by weight, the effect of improving the weather resistance and flame retardancy of the cured product is hardly exhibited. If the amount exceeds 10 parts by weight, the viscosity of the curable composition becomes high, and the workability and productivity are reduced. There is.
[0044]
In addition, the said base resin is the total of the said vinyl polymer (a) and the polyether polymer (b) added as needed.
The layered silicate preferably has an average interlayer distance of the (001) plane measured by a wide-angle X-ray diffraction measurement method of 3 nm or more, and is preferably dispersed including five or less layers. When the average interlayer distance is 3 nm or more, and the number of layers is 5 or less, the curable composition is advantageous for exhibiting the weather resistance and the flame retardancy.
[0045]
In this specification, the average interlayer distance of the layered silicate is an average interlayer distance when a fine flaky crystal is used as a layer, and is obtained by X-ray diffraction peak and transmission electron microscopy, It can be calculated by a line diffraction measurement method. A state in which the layers are cleaved to 3 nm or more and dispersed including those existing in 5 layers or less means that a part or all of the layered silicate laminate is dispersed, This is because the interaction between the layers is weakened.
[0046]
Further, when the average interlayer distance of the layered silicate is 6 nm or more, it is particularly advantageous to exhibit functions such as flame retardancy, mechanical properties, and heat resistance. When the average interlayer distance is 6 nm or more, the crystalline flake layers of the layered silicate are separated from each other and the interaction of the layered silicate is weakened to a negligible level. The state of dispersion in the above progresses in the direction of peeling stabilization. That is, the layered silicate is stably present in the curable composition in a state where the layered silicate is separated into flakes one by one.
[0047]
As the dispersion state of the layered silicate, it is preferable that the flaky crystals of the layered silicate are highly dispersed in the base resin. More specifically, it is preferable that 10% by weight or more of the layered silicate is dispersed in a state in which 5 layers or less exist, and more preferably, 20% by weight or more of the layered silicate has 5 layers or less. Desirably it exists in a state. Furthermore, if the number of dispersed flaky crystals is 5 or less, the effect of the addition of the layered silicate can be obtained favorably, but if it is 3 or less, it is more preferable, and the dispersion is monolayer. It is even more desirable.
[0048]
The layered silicate of the present invention is preferably a layered silicate treated with a quaternary ammonium salt. This is because the dispersibility of the layered silicate in the base resin can be improved by treating with a quaternary ammonium salt. Also, quaternary ammonium salts are known to have a catalytic action on the crosslinking reaction of the vinyl polymer, and are dispersed in the base resin together with the layered silicate to improve the dispersibility and accelerate the curing rate. It is also possible.
[0049]
Examples of the quaternary ammonium salt include lauryl trimethyl ammonium salt, stearyl trimethyl ammonium salt, trioctyl ammonium salt, distearyl dimethyl ammonium salt, di-hardened tallow dimethyl ammonium salt, distearyl dibenzyl ammonium salt, and N-polyoxyethylene. —N-lauryl-N, N-dimethylammonium salt and the like. These quaternary ammonium salts may be used alone or in combination of two or more. Among these, a quaternary alkylammonium ion salt having an alkyl chain having 6 or more carbon atoms or a polyoxyalkylene chain is preferable because good dispersibility can be obtained.
[0050]
Various stirrers can be used to disperse the layered silicate, but when dispersion is difficult, it may be easy to obtain a desired dispersion state by dispersing using a high-shearing device such as a three-roller.
[0051]
(UV absorber and light stabilizer)
The curable composition of the present invention preferably contains various ultraviolet absorbers and light stabilizers in order to improve weather resistance. This is because when used in combination with the layered silicate, the layered silicate acts to suppress the bleed-out of various ultraviolet absorbers and light stabilizers, so that these are retained in the cured product for a long time.
[0052]
Examples of the above-mentioned ultraviolet absorber include known ultraviolet absorbers such as benzotriazole-based and benzophenone-based ones. Among them, benzotriazole-based ultraviolet absorbers are preferable because of their high ultraviolet absorption performance. When the above-mentioned ultraviolet absorbent is compounded, it is preferably 0.1 to 20 parts by weight, more preferably 0.5 to 10 parts by weight, based on 100 parts by weight of the base resin. If the amount is less than 0.1 part by weight, the effect of improving the weather resistance may be insufficient. If the amount is more than 20 parts by weight, a problem such as impairing the appearance as a sealing material due to coloration occurs.
[0053]
As the light stabilizer, for example, a hindered amine light stabilizer is used. The hindered amine-based light stabilizer generally exhibits excellent effects when used in combination with an ultraviolet absorber. Among the above hindered amine light stabilizers (hereinafter, light stabilizers), those having a group having a structure represented by the following general formula (A) in the molecule have a particularly remarkable effect when used in combination with a layered silicate. Examples of such hindered amine light stabilizers include, for example, bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidine) sebacate, poly [{6- (1,1,3,3, -tetramethyl) Butyl) amino-1,3,5-triazine-2,4-diyl {(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidine) imino} hexamethylene} (2,2,6,6-tetra Methyl-4-piperidine) imino}] and the like. These may be used alone or in combination of two or more.
[0054]
It is considered that the weathering effect by the combined use with the layered silicate is mainly the effect of preventing the bleed out of the light stabilizer. That is, it is considered that the layered silicate interacts with the light stabilizer in the composition to prevent the light stabilizer from dissipating from the system. In addition, it is considered that the bleed out of the light stabilizer is suppressed by the layer silicate acting as a plate that inhibits bleed out among the interactions. Among the light stabilizers, those having a group having a structure represented by the following general formula (A) in the molecule are particularly remarkable in their effects, presumably because H atoms bonded to N atoms are involved. .
[0055]
Embedded image
[0056]
When the light stabilizer is blended, it is preferably blended in an amount of 0.1 to 20 parts by weight, more preferably 0.5 to 10 parts by weight, based on 100 parts by weight of the base resin. If the amount is less than 0.1 part by weight, the effect of improving the weather resistance may be insufficient, and if it exceeds 20 parts by weight, a coloring problem may occur and the appearance as a sealing material may be impaired.
[0057]
(Other additives)
The curable composition of the present invention includes a curing accelerator for the vinyl polymer (a), a viscosity adjuster for adjusting the viscosity properties of the composition, a thixotropic agent, and a tensile property, as long as the effect is not impaired by the object of the present invention. Physical property modifiers, extenders, reinforcing agents, plasticizers, coloring agents, flame retardants, ultraviolet absorbers, light stabilizers, antioxidants, anti-sagging agents, anti-aging agents, solvents, fragrances, pigments, dyes, etc. And a dehydrating agent may be added.
[0058]
As the curing accelerator for the vinyl polymer (a), for example, an organometallic compound can be used. As an organometallic compound that can be preferably used, an organometallic compound obtained by substituting an organic group with a metal element such as germanium, tin, lead, boron, aluminum, gallium, indium, titanium, and zirconium can be given. For example, dibutyltin dilaurate, dibutyltin oxide, dibutyltin diacetate, dibutyltin phthalate, bis (dibutyltin laurate) oxide, dibutyltin bisacetylacetonate, dibutyltin bis (monoester malate), tin octylate, dibutyl Tin compounds such as tin octoate and dioctyltin oxide; titanate compounds such as tetra-n-butoxytitanate and tetraisopropoxytitanate; these can be used alone or in combination of two or more.
[0059]
The viscosity modifier is selected, for example, from a polymer compound having good compatibility with the vinyl polymer (a), and is appropriately selected from compounds to be blended. For example, acrylic polymers, methacrylic polymers, polyvinyl alcohol derivatives, polyvinyl acetate, polystyrene derivatives, polyesters, polyethers, polyisobutene, polyolefins, polyalkylene oxides, polyurethanes, polyamides, natural rubber, polybutadiene , Polyisoprene, NBR, SBS, SIS, SEBS, hydrogenated NBR, hydrogenated SBS, hydrogenated SIS, hydrogenated SEBS, and the like. In addition, these copolymers and modified functional groups can be exemplified, and these may be appropriately combined.
[0060]
The thixotropic agent is appropriately selected from substances that cause the composition to exhibit thixotropic properties. For example, colloidal silica, polyvinylpyrrolidone, hydrophobized calcium carbonate, glass balloon, glass beads and the like can be mentioned. Regarding the selection of the thixotropic agent, it is desirable to have a surface having a high affinity for the vinyl polymer (a).
[0061]
As a physical property modifier for improving tensile properties, various silane coupling agents, for example, vinyltrimethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, phenyltrimethoxysilane Silane, diphenyldimethoxysilane, 3-aminopropyltrimethoxysilane, 3-aminopropylmethyldimethoxysilane, 3-aminopropyltriethoxysilane, N- (2-aminoethyl) -3-aminopropyltrimethoxysilane, N- ( 2-aminoethyl) -3-aminopropyltriethoxysilane, N, N'-bis- [3- (trimethoxysilyl) propyl] ethylenediamine, N, N'-bis- [3- (triethoxysilyl) propyl] Ethylenedi Min, N, N'-bis- [3- (trimethoxysilyl) propyl] hexaethylenediamine, N, N'-bis- [3- (triethoxysilyl) propyl] hexaethylenediamine, and the like. Two or more kinds may be used in combination.
[0062]
As the bulking agent, those which do not exhibit thixotropic properties when added to the composition according to the present invention can be suitably used.For example, talc, clay, calcium carbonate, magnesium carbonate, anhydrous silicon, hydrous silicon, calcium silicate, Titanium dioxide, carbon black and the like can be mentioned, and these may be used alone or in combination of two or more.
[0063]
Examples of the plasticizer include phosphates such as tributyl phosphate and tricresyl phosphate; phthalates such as dioctyl phthalate; fatty acid-basic acid esters such as glycerin monooleate; and dioctyl adipate. Examples thereof include fatty acid dibasic acid esters and polypropylene glycols, which may be used alone or in combination of two or more.
[0064]
(Adhesive and sealing material)
The curable composition according to the present invention is suitably used as a sealing material or an adhesive. As is clear from the examples described below, the curable composition according to the present invention is quickly cured by moisture in the atmosphere, gives a cured product having flexibility, and exhibits good adhesive strength. In addition, the curable composition according to the present invention can be quickly applied to an applied portion by heating and melting, and can shorten the time required for temporary fixing. Therefore, the curable composition according to the present invention can be suitably used as a hot-melt adhesive or a sealing material.
[0065]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Examples of the present invention and comparative examples will be described below. Note that the present invention is not limited to the following embodiments.
[0066]
(Example 1)
In a 0.5 L separable flask equipped with a stirrer, a cooler, a thermometer, and a nitrogen gas inlet, 40 g of isobornyl acrylate (manufactured by Tokyo Kasei), 10 g of styrene (manufactured by Wako Pure Chemical Industries), and cyclohexyl acrylate (Osaka) 30 g of n-butyl acrylate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.), 2.0 g of 3-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane (KBM-503 manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.), and 3-mercaptopropyltrimethoxysilane (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) 1.0 g of Shin-Etsu Chemical's KBM-803) and 100 g of ethyl acetate were added and mixed. After the dissolved oxygen was removed by bubbling this monomer mixed solution with nitrogen gas for 20 minutes, the inside of the separable flask system was replaced with nitrogen gas, and the temperature was raised until the reflux was reached while stirring.
[0067]
After the reflux, a solution prepared by diluting 0.024 g of 1,1-di (t-hexylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane with 1 g of ethyl acetate as a polymerization initiator was charged into the polymerization system. One hour later, a solution obtained by diluting 0.036 g of 1,1-di (t-hexylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane with 1 g of ethyl acetate was added. Further, after 2, 3, and 4 hours from the start of the polymerization, a solution obtained by diluting 0.048 g, 0.12 g, and 0.36 g of di (3,5,5-trimethylhexanoyl) peroxide with 1 g of ethyl acetate was added. did. Seven hours after the first addition of the polymerization initiator, the mixture was cooled to room temperature to terminate the polymerization.
[0068]
By the above polymerization, an ethyl acetate solution of an alkoxysilyl group-containing acrylic polymer having a number average molecular weight of about 10,000 as a polystyrene equivalent was obtained by gel permeation chromatography.
[0069]
To a methyl acetate solution of the alkoxysilyl group-containing acrylic polymer obtained as described above, 3 g of dibutyltin dilaurate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) was added as a curing accelerator, mixed uniformly, and subjected to a mold release treatment. The ethyl acetate was removed under reduced pressure at a temperature of 25 to 30 ° C. to obtain a curable composition of Example 1.
[0070]
When the glass transition point of the curable composition obtained as described above was measured with a viscoelastic device, Tg (tan δ max) was 40 ° C. In addition, when the storage elastic modulus characteristic E ′ of the curable composition was measured by dynamic viscoelasticity measurement, it was 4.89 × 10 4 Pa or less at 120 ° C. and 2.43 × 10 6 Pa at 50 ° C. Met.
[0071]
The curable composition is melted at 150 ° C. and applied to a 30 mm × 120 mm × 2 mm thick pentite steel plate so as to have a thickness of 0.2 mm, and a 30 mm × 120 mm × 8 mm thick slate plate is subjected to tensile shearing on the coated surface. The test pieces were bonded so that an adhesive test piece was obtained. The bonding area was 30 mm × 30 mm. Tensile shear adhesive strength one minute after bonding was evaluated at a test speed of 5 mm / min according to JIS K 6852, and was 0.51 N / mm 2 . Further, when the tensile shear adhesive strength 7 days after bonding was evaluated in the same manner, it was 0.57 N / mm 2 . Further, the adhesive test specimen 7 days after bonding was placed vertically in an oven, a load of 1000 g was applied to one adherend, and the temperature was raised from 30 ° C. at a rate of 1 ° C./min to 150 ° C. No drop of the load, that is, the peeling of the adhesive test piece was observed at the above temperature.
[0072]
(Comparative Example 1)
In a 0.5 L separable flask equipped with a stirrer, a cooler, a thermometer and a nitrogen gas inlet, 20 g of isobornyl acrylate (manufactured by Tokyo Kasei), 30 g of cyclohexyl acrylate (manufactured by Osaka Organic Chemicals), n-butyl 40 g of acrylate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.), 1.0 g of lauryl mercaptan (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.), and 100 g of ethyl acetate were charged and mixed. After the dissolved oxygen was removed by bubbling the monomer mixed solution with nitrogen gas for 20 minutes, the inside of the separable flask system was replaced with nitrogen gas, and the temperature was raised to reach reflux while stirring.
[0073]
After the reflux, a solution prepared by diluting 0.024 g of 1,1-di (t-hexylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane with 1 g of ethyl acetate as a polymerization initiator was charged into the polymerization system. One hour later, a solution obtained by diluting 0.036 g of 1,1-di (t-hexylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane with 1 g of ethyl acetate was added. Further, after 2, 3 and 4 hours from the start of the polymerization, a solution obtained by diluting 0.048 g, 0.12 g and 0.36 g of di (3,5,5-trimethylhexanoyl) peroxide with 1 g of ethyl acetate was added. did. Seven hours after the first addition of the polymerization initiator, the mixture was cooled to room temperature to terminate the polymerization.
[0074]
In this way, an ethyl acetate solution of an acrylic polymer having no alkoxysilyl group and having a number average molecular weight of about 10,000 (molecular weight in terms of polystyrene by gel permeation chromatography) was obtained.
[0075]
3 g of dibutyltin dilaurate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) as a curing accelerator was added to the ethyl acetate solution of the acrylic polymer containing no alkoxysilyl group obtained as described above as a curing accelerator in the same manner as in Example 1, and the mixture was homogenized. Then, the mixture was transferred to a release-treated box, and ethyl acetate was removed at 25 to 30 ° C. under reduced pressure to obtain a curable composition of Comparative Example 1.
[0076]
When the Tg and storage modulus E ′ of the curable composition were evaluated in the same manner as in Example 1, Tg was 5 ° C., and the storage modulus E ′ was 4.05 × 10 4 Pa at 120 ° C. It was 4.76 × 10 5 Pa at 50 ° C. The curable composition was melted at 150 ° C., an adhesive test piece was obtained in the same manner as in Example 1, and the tensile shear adhesive strength after 1 minute of bonding was evaluated in the same manner. The result was 0.53 N / mm 2 , The shear adhesive strength 7 days after bonding was 0.54 N / mm 2 . When the temperature of the adhesive test specimen 7 days after bonding was increased by applying a load of 1000 g in an oven in the same manner as in Example 1, the load dropped near 80 ° C., ie, one of the adherends dropped. did.
[0077]
(Comparative Example 2)
In a 0.5 L separable flask equipped with a stirrer, a cooler, a thermometer, and a nitrogen gas inlet, 20 g of isobornyl acrylate (manufactured by Tokyo Kasei), 10 g of styrene (manufactured by Wako Pure Chemical Industries), and cyclohexyl acrylate (Osaka) 40 g of n-butyl acrylate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.), 2.0 g of 3-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane (KBM-503, manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.), 3-mercaptopropyltrimethoxysilane (manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) 1.0 g of Shin-Etsu Chemical's KBM-803) and 100 g of ethyl acetate were added and mixed. After the dissolved oxygen was removed by bubbling the monomer mixed solution with nitrogen gas for 20 minutes, the inside of the separable flask system was replaced with nitrogen gas, and the temperature was raised to reach reflux while stirring.
[0078]
After the reflux, a solution prepared by diluting 0.024 g of 1,1-di (t-hexylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane with 1 g of ethyl acetate as a polymerization initiator was charged into the polymerization system. One hour later, a solution obtained by diluting 0.036 g of 1,1-di (t-hexylperoxy) -3,3,5-trimethylcyclohexane with 1 g of ethyl acetate was added. Further, after 2, 3 and 4 hours from the start of the polymerization, a solution obtained by diluting 0.048 g, 0.12 g and 0.36 g of di (3,5,5-trimethylhexanoyl) peroxide with 1 g of ethyl acetate was added. did. Seven hours after the first addition of the polymerization initiator, the mixture was cooled to room temperature to terminate the polymerization. An ethyl acetate solution of an alkoxysilyl group-containing acrylic polymer having a number average molecular weight of about 10,000 (the molecular weight was determined by gel permeation chromatography in terms of polystyrene) was obtained.
[0079]
To the ethyl acetate solution of the alkoxysilyl group-containing acrylic polymer obtained as described above, 3 g of dibutyltin dilaurate was added as a curing accelerator in the same manner as in Example 1, mixed uniformly, and then subjected to a mold release treatment. The ethyl acetate was removed under reduced pressure at 25 to 30 ° C. to obtain a curable composition of Comparative Example 2.
[0080]
When the glass transition point Tg and the storage modulus characteristic E ′ of this curable composition were evaluated in the same manner as in Example 1, the Tg was 12.10 × 10 4 at 12 ° C. and 100 ° C. Pa or less, and the storage modulus E ′ at 50 ° C. was 8.40 × 10 5 Pa.
[0081]
Using the curable composition described above, an adhesive test piece was prepared in the same manner as in Example 1, and the tensile shear adhesive strength one minute after bonding was similarly evaluated. As a result, it was 0.11 N / mm 2 . Further, the tensile shear adhesive strength 7 days after bonding was 0.49 N / mm 2 .
[0082]
Further, the adhesive test specimen 7 days after bonding was subjected to a load of 1000 g in an oven in the same manner as in Example 1 and the temperature was raised. When the temperature reached 150 ° C., no drop in the load was observed. The adhesion area of the test piece was shifted by about 5 mm.
[0083]
(Example 2)
In the preparation of the curable composition, 10 g of layered silicate Somasif MPE-100 (swellable fluoromica organically treated with quaternary ammonium salt of polyoxypropylene diethyl, manufactured by Corp Chemical Co.), 10 g of Tinuvin 770 (hindered amine light stabilizer, A curable composition was obtained in the same manner as in Example 1, except that 5 g of Ciba Specialty Chemicals and 5 g of Tinuvin 327 (a benzotriazole-based ultraviolet absorber, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) were added.
[0084]
(Measurement of average interlayer distance of layered silicate)
The average interlayer distance of the layered silicate in the curable composition obtained in Example 2 was measured as follows.
[0085]
The 2θ of the diffraction peak obtained by diffracting the laminated surface of the layered silicate was measured with an X-ray diffractometer (RINT1100, manufactured by Rigaku Corporation), and the (001) plane of the layered silicate was measured using the following black diffraction equation. The interval was calculated. The following d was taken as the average interlayer distance, and the average interlayer distance was 3 nm or more and was well dispersed.
[0086]
λ = 2d sin θ
In the formula, λ (nm) = 0.154, d (nm) is a plane interval of the layered silicate, and θ (degree) is a diffraction angle.
[0087]
(Confirmation of dispersion state of layered silicate)
With a transmission electron microscope (TEM, “JEM-1200EX II” manufactured by JEOL Ltd.) photograph, the dispersion state of the layered silicate in the cured product was observed, and it was present in five or less layers.
[0088]
Weather resistance evaluation [Evaluation]
The weatherability of the curable compositions obtained in Examples 1 and 2 was evaluated by the following method. Each composition was applied to a 50 mm × 150 mm (1 mm thick) stainless steel plate at a thickness of 0.5 mm, and left for 7 days (168 hours) in an atmosphere of 20 ° C. × 60% RH to cure and cure. Light irradiation was carried out under the conditions for 150 hours and 400 hours, and the surface state was visually checked.
[0089]
Light irradiation condition test apparatus: Eye Super UV tester (SUV-F11 type), manufactured by Iwasaki Electric Co., Ltd. Irradiation intensity: 100 mW / cm 2
Limited wavelength: 295 nm to 450 nm
Black panel temperature: 63 ° C
Irradiation distance: 235 mm (between light source and sample)
It should be noted that the light irradiation evaluation by the Eye Super UV tester varies depending on the material system and the test conditions, so cannot be said unconditionally. However, it has a severe acceleration effect that is about 10 times higher than the evaluation by a normal sunshine weatherometer. Have been. The results are shown in Table 1 below.
[0090]
[Table 1]
[0091]
【The invention's effect】
In the curable composition according to the present invention, the vinyl polymer (a) having a hydrolyzable silyl group has a number molecular weight of 3000 to 100,000 and a glass transition temperature of 25 to 150 ° C., and the curable composition Storage elastic modulus characteristic E 'is 10 5 Pa or less at a temperature of 50 to 200 ° C. and 10 6 Pa or more at a temperature of 50 ° C. or less, so that it has a sufficient initial adhesive property and heat resistant adhesive property, In addition, it is possible to provide a curable composition suitable as a hot-melt adhesive or a sealing agent that can shorten the time required for temporary fixing. Therefore, by using the curable composition according to the present invention, it is possible to provide an adhesive or the like which is excellent in productivity and is used in an in-line production system.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram for explaining a crystal surface (A) and a crystal end face (B) of a flaky crystal of a layered silicate.
FIG. 2 is a schematic diagram for explaining exchangeable cations between layers of a layered silicate.