【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染料前駆体と有機顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に無色又は淡色の染料前駆体と染料前駆体と熱時反応して発色させる顕色剤とを主成分とする感熱発色層を有する感熱記録体は、広く実用化されている。この感熱記録体に記録を行うには、サーマルヘッドを内蔵したサーマルプリンターなどが用いられるが、このような感熱記録法は、従来実用化された他の記録法に比べて、記録時に騒音がない、現像定着の必要がない、メンテナンスフリーである、機器が比較的安価でありコンパクトである、得られた発色が非常に鮮明であるといった特徴から、情報産業の発展に伴い、ファクシミリやコンピューター分野、各種計測器、ラベル用などに広く使用されている。
そして、これらの記録装置の多様化、高性能化が進められるに伴い、感熱記録体に対する要求品質もより高度なものになってきている。発色感度については装置の小型化、記録の高速化が進められるに従って、微小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な発色画像が得られることが要求されている。この要求を満たすために、例えば特許文献1には、新規な顕色剤を用いることによって発色感度を高める方法が記載されている。
【特許文献1】特開2002−301873号公報
また、使用用途の広がりに伴い、感熱記録体には高い発色感度に加えて筆記適正、熱や水、湿度、光などの自然環境や、手で取り扱う際の皮脂、或いは油、可塑剤、溶剤などに対する発色画像の保存安定性が求められる。これらの保存安定性の中でも、光に対する安定性を感熱記録体に付与することは、非常に難しいものである。また、皮脂成分や、塩ビフィルムなどのラップフィルムに含まれる可塑剤(DOP・DOAなど)との接触による画像濃度の著しい低下や消色も、依然大きな問題である。
【0003】
従来、画像の保存安定性を改良するために、感熱記録層上にフィルム形成能を有し、耐薬品性のある樹脂の水性エマルジョンを塗布する方法や、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物を塗布する方法などが提案されているが、何れの場合にも記録濃度低下や、白色度低下などの新たな欠点が付随する。また、様々な染料、顕色剤、安定剤などの助剤を使用した感熱記録体の提案も多くなされているが、十分に満足できる保存安定性を備えたものは見出されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、発色感度が高く、耐光性、耐可塑剤性、及び耐薬品性に優れた感熱記録体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明者らの鋭意検討の結果、染料前駆体と顕色剤とを主成分として含有する感熱発色層を設けた感熱記録体において、該感熱発色層が有機顕色剤として下記一般式(1)で表される化合物を含有し、さらに該染料前駆体として、染料前駆体と多価イソシアネート化合物の重合体を含有する複合微粒子を含有することによって達成された。
【0006】
【化2】
【0007】
〔式中、Ra及びRbは、それぞれ独立して水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表し、Aは1〜6の整数を表し、Bは0、1又は2を表し、m1及びm2は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。但し、m1及びm2は同時に0ではない。Rc及びRdは、それぞれ独立してニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基又はC2〜C6のアルケニル基を表し、m3及びm4は、それぞれ独立して0、1又は2の整数を表し、m3及びm4がそれぞれ2のとき、Rc及びRdはそれぞれ異なってもよく、Mは、CO又はNReCO(式中、Reは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。)を表す。但し、MがCOの場合は、m1は1であり、m1が0でMがNReCOのとき、Bは0ではない。〕
【0008】
本発明において、優れた効果が得られる理由は明確には解明されていないが、本発明で規定する一般式(1)で表される顕色剤を用いた場合、染料と顕色剤との反応生成物である電荷移動錯体の光に対する安定性は非常に高くなると考えられる。
また、染料前駆体として該染料の前駆体と多価イソシアネート化合物とを含有する複合微粒子を用いた場合、熱エネルギーを与えた際に有機顕色剤が融解して複合微粒子中に移行し、複合微粒子中で発色体を形成すると考えられる。従って、発色体は複合体微粒子中に存在するものが多くなり、可塑剤や溶剤などの物質の発色体に対する影響が軽減されるために画像安定性が高くなると考えられる。また、本発明においては、スティッキングあるいはサーマルヘッドへのカス付着も改善される。この理由は明らかではないが、スティッキングやカス付着の原因は染料前駆体等にあると考えられ、印字の際に溶融しヘッドに付着してスティック音を起こしたり、溶融後に固化してカスを発生させると考えられる。これに対し、本発明では、染料前駆体が多価イソシアネート化合物の重合体との複合微粒子となっていることにより、サーマルヘッドと直接に接触することが少なくなり、スティッキングおよびカス付着が低減すると考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録体を得るには、例えば染料前駆体を含有する複合微粒子、前記一般式(1)で表わされる化合物を、それぞれバインダーとともに分散した分散液を混合し、填料などその他必要な添加剤を加えて感熱発色層塗液を調製し、基材上に塗布乾燥して感熱発色層を形成することによって、本発明の感熱記録体を製造することができる。
本発明では、前記一般式(1)で表される化合物を顕色剤として用いる。これらの中でも、一般式(1)中、MがNReCOである化合物が好ましく、MがNHCOである化合物であるのがより好ましい。かかる化合物としては、例えば、N−(2’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリン、N−(2’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−3−ヒドロキシアニリン、N−(2’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリン、N−(3’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリン、N−(3’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−3−ヒドロキシアニリン、N−(3’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリン、N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリン、N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−3−ヒドロキシアニリン、N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、一般式(1)で表される化合物は、1種または2種以上を混合して用いることもできる。
特に、下記式(1−1)で表されるN−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリン、および(1−2)で表されるN−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリンが好ましく用いられ、これらの1:1混合物がより好ましい。このような混合物は例えば、日本曹達(株)製商品名D−100として入手可能である。
【0010】
【化3】
本発明においては、上記の顕色剤の他、本発明の効果を阻害しない範囲で従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知の顕色剤を併用することができる。
【0011】
次に、本発明において用いられる染料前駆体と多価イソシアネートの重合体とを含有する複合微粒子の製造方法を述べる。染料前駆体としては、各種公知のものが使用でき、例えば下記のものが挙げられる。
<黒色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−クロロ−3−メチル−6−〔p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−クロロ−6−〔p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルアミノフルオラン
【0012】
<青色発色性染料前駆体>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ−n−プロピルアミノフタリド
トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジフェニルメチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ジナフチルメチルアミノフルオラン
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルメチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
【0013】
<緑色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン
3−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン
3−(N−p−トルイル−N−エチルアミノ)−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(ジ−p−クロロベンジルアミノ)フルオラン
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ピロリジル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
【0014】
<赤色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン
10−ジエチルアミノ−4−ジメチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−ベンゾ〔a〕フルオラン
3−(N−エチル−N−p−トルイルアミノ)−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4′−ニトロ)−アニリノラクタム
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム
これらの染料前駆体は単独で用いても良いし、また2種類以上を混合して用いても良い。本発明においては、発色性が良好なことから、N−イソペンチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン<S−205>、3−(N−イソブチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
<PSD−184>が好ましく用いられる。
【0015】
本発明で複合微粒子中に用いられる多価イソシアネート化合物とは、水と反応することによりポリウレアまたはポリウレタン−ポリウレアを形成する化合物であり、多価イソシアネート化合物のみであってもよいし、又は多価イソシアネート化合物及びこれと反応するポリオールとの混合物、或いは多価イソシアネート化合物とポリオールの付加物、ビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体であってもよい。
例えば、多価イソシアネート化合物としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、5−イソシアナト−1−(イソシアナトメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、などがある。多価イソシアネート化合物とポリオールとの付加物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、トリレンジイソシアネートのヘキサントリオール付加物等のイソシアネートプレポリマーを用いることができる。また多価イソシアネート化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体も、本発明に使用することができる。これらは単独で用いても良いし、また2種類以上を混合して用いても良い。中でも、キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種の多価イソシアネート化合物を含むことが好ましい。
【0016】
また、ポリオール化合物としては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、フェニルエチレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン等の脂肪族ポリオール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮合生成物、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、α,α′−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、2−(p,p′−ジヒドロキシジフェニルメチル)ベンジルアルコール、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−イソプロピリデンジフェノールのエチレンオキサイド付加物、4,4′−イソプロピリデンジフェノールのプロピレンオキサイド付加物、2−ヒドロキシアクリレートのような分子内にヒドロキシ基のあるアクリレート等が挙げられる。
【0017】
次に、ポリアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、エポキシ化合物のアミン付加物等が挙げられる。もちろん、これらポリオール化合物、ポリアミン化合物も、前記化合物に限定されるものではなく、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0018】
次に、これらの材料を溶解する溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、塩化メチレン、塩化ブチル、塩化プロピル等が挙げられる。この溶媒は、染料前駆体、多価イソシアネート化合物を十分に溶解させるものが好ましい。また、本発明の染料前駆体複合微粒子には、n−ブタノール、エチレングリコールのようなアルコール類、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、ベンゾオキサジノン系等の紫外線吸収剤や、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含有することもできる。また、発色感度を高めるために、感熱記録材料で知られている増感剤を添加することもできる。
以上のような材料を用いて、本発明で用いられる複合微粒子は例えば、染料前駆体、多価イソシアネート化合物、および必要に応じてその他の成分を、低沸点水不溶性有機溶剤に溶解し、次いでこの溶液を保護コロイド物質を溶解含有している水分散性媒体中に乳化分散し、さらに必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加温することにより、これら高分子形成性材料を重合させることによって高分子化することによって製造することができる。
【0019】
具体的には、一例として、まず100℃以下の沸点を有する有機溶媒中に、染料前駆体、多価イソシアネート化合物を、30℃〜100℃の間で溶解した後、乳化剤を用いて乳化分散させる。その際、1万回転の回転数で10分以下の時間で乳化が行われる。使用する乳化剤としては公知の分散剤が用いられるが、特にポリビニルアルコールが好ましい。
続いて、50℃〜100℃で1時間〜3時間の加熱で有機溶媒を蒸発させ、さらにその温度で1時間〜3時間反応させることで多価イソシアネート化合物を重合させる。その後室温まで冷却して複合微粒子の分散液が調製できる。
また、他に、多価イソシアネート化合物を溶媒とし、この中に染料前駆体を含有する溶質を溶解して、得られた溶液を親水性コロイド水溶液中に乳化分散することにより、多価イソシアネート化合物の重合反応に関与させる方法もある。
複合微粒子の大きさは、十分な発色感度および発色濃度を得るためある程度微粒化することが望ましい。複合微粒子の粒子径が大きい場合、複合微粒子の中心部まで熱が伝達されず、発色性が不充分になると考えられる。本発明において好ましい粒子径(平均粒子径)としては、1μmより小さく、より好ましくは0.8μm以下、さらに好ましくは0.6μm以下である。
また、本発明において、複合微粒子に含有される染料前駆体の割合は、複合微粒子の全重量の40重量%以上より好ましくは55重量%以上、80重量%以下より好ましくは75重量%以下であり、染料前駆体を多めに含有することにより、十分な発色能力を有する感熱記録体が得られると考えられる。
【0020】
本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、飽和脂肪酸モノアミド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、4,4′−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、1,2−ジフェノキシエチレン、ビス〔2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル〕エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼンを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。
【0021】
本発明で使用するバインダーとしては、重合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロール、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロースおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂を例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
【0022】
また、本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す画像安定剤として、4,4′−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチル−4,4′−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンなどを添加することもできる。
本発明で使用する填料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。このほかにワックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを使用することができる。
本発明の感熱記録体に使用する顕色剤及び染料前駆体の量、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、一般式(1)で表される顕色剤1部に対して、填料0.5〜4部を使用し、バインダーは全固形分中5〜25%が適当である。染料前駆体と顕色剤との使用比率は、染料前駆体の合計量の1重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜10重量部程度の顕色剤が使用される。
【0023】
上記組成から成る塗液を紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布など任意の支持体に塗布することによって目的とする感熱記録シートが得られる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
さらに、保存性を高める目的で高分子物質などのオーバーコート層を感熱発色層上に設けることもできる。また、発色感度を高める目的で填料を含有した高分子物質などのアンダーコート層を感熱発色層の下に設けることもできる。
前述の有機顕色剤、染料前駆体を含有する複合微粒子並びに必要に応じて添加する材料はボールミル、アトライター、サンドグラインダーなどの粉砕機或いは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。各層の形成方法については特に限定されず、エアーナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等を適宜選択することができ、例えば感熱記録層用塗液を支持体上に塗布、乾燥した後、さらにオーバーコート層用塗液を感熱記録層上に塗布、乾燥する等の方法で形成される。また、感熱記録層用塗液の塗布量は乾燥重量で2〜12g/m2程度、好ましくは3〜10g/m2程度、アンダーコート層、中間層またはオーバーコート層用塗液の塗布量は乾燥重量で、0.1〜15g/m2程度、好ましくは0.5から7g/m2程度の範囲で調節される。さらに、各層形成後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理等を施すことができる。
【0024】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によって説明する。尚、説明において部は重量部を示す。
【0025】
<複合微粒子分散液>
黒色染料前駆体として3−(N−イソブチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン<PSD−184>10部を酢酸エチル20部に60〜70℃で溶解し、この溶液にキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのモル比3:1付加物(三井武田ケミカル製タケネートD110N、75重量%酢酸エチル溶液)10.7部を添加して均一に混合した。次にこの混合液を、ホモジナイザーで9000rpmに回転させたポリビニルアルコール(クラレ製PVA−217)の6%水溶液55部に、徐々に添加し乳化した。その後、水を80部添加し、この分散液を60℃で2時間加温することで酢酸エチルを除去し、その後70℃で3時間攪拌を行ってイソシアネートを重合し、平均粒径0.5μmの複合微粒子Aの分散液(20%)を調製した。
顕色剤は予め以下の配合の分散液をつくり、サンドグラインダーで平均粒径が0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。
<顕色剤分散液>
N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリンと
N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリンとの
1:1混合物(日本曹達(株)製:商品名D−100) 6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部
水 11.2部
<増感剤分散液>
p−ベンジルビフェニル 6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部
水 11.2部
【0026】
実施例1
以下の組成物を混合し、感熱発色層塗液を得た。この塗液を坪量50g/m2の上質紙に乾燥後の塗布量が6g/m2となるように塗布乾燥し、スーパーカレンダーでベック平滑度が200〜600秒になるように処理し、感熱記録体を得た。
顕色剤分散液 40.0部
複合微粒子分散液 30.0部
増感剤分散液 36.0部
カオリンクレー50%分散液 26.0部
ステアリン酸亜鉛30%分散液 6.7部
【0027】
比較例1
実施例1において顕色剤分散液中のD−100(商品名、日本曹達(株)製)を4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0028】
比較例2
実施例1において用いた複合微粒子分散液32.0部を、染料前駆体として3−(N−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン<ODB2>を使用する下記組成の染料分散液11部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
<染料分散液>
3−(N−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン<ODB2> 30部
10%ポリビニルアルコール水溶液 50部
水 20部
比較例3
染料前駆体を3−イソブチルーN−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン<PSD−184>に変更した以外は、比較例2と同様にして感熱記録体を得た。
【0029】
[発色感度]
大倉電機社製のTH−PMDを使用し、作成した感熱記録体に印加エネルギー0.34mJ/dotで印字を行った。印字後及び品質試験後の画像濃度はマクベス濃度計(アンバーフィルター使用)で測定した。
[耐光性試験]
大倉電機社製のTH−PMDを使用し、印加エネルギー0.34mJ/dotで印字したサンプルに関してアトラス社製Ci3000F型キセノンフェードメーターを用い、出力66W/m2で24時間処理を行った。処理後に印字部のマクベス濃度(アンバーフィルター使用)を測定した。
[耐可塑剤性試験]
紙管に塩ビラップ(三井東圧製ハイラップKMA)を1回巻き付けた上に、大倉電機社製のTH−PMDを使用し、印加エネルギー0.34mJ/dotで印字したサンプルを貼り付け、更にその上に塩ビラップを3重に巻きつけたもの23℃4時間放置した後、印字部と非印字部のマクベス濃度(アンバーフィルター使用)を測定した。
[耐薬品性試験]
感熱記録体の表面に油性マジック(マジックインキNo.500)で筆記した後、文字の記録状態を目視判定し、下記の基準で評価した。また、感熱記録体の表面に酢酸エチル溶液を塗布した後の表面の変色状態を目視判定し、下記の基準で評価した。
<油性マジック>
○:にじみが無く、実用上問題が無い。
×:にじみが大きく、実用上問題あり。
<酢酸エチル>
○:塗布した部分が殆ど変色しない。
×:塗布した部分が完全に変色してしまっている。
【0030】
【表1】
【0031】
表1から明らかなように、本発明の実施例1は発色感度に優れ、画像の耐光性、耐可塑剤性、及び耐薬品性にも優れている。これに対して本発明で規定する以外の顕色剤を使用した比較例1、本発明で規定した染料前駆体と多価イソシアネート化合物の重合体を含有する複合微粒子の代わりに他の染料を使用した比較例2については、良好な品質が得られない。
【0032】
【発明の効果】
本発明の感熱記録体は、発色感度が高く、かつ耐光性、耐可塑剤性、耐薬品性などにおいて極めて優れた画像保存性を有する感熱記録体である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a thermosensitive recording medium utilizing a color development reaction between a dye precursor and an organic developer.
[0002]
[Prior art]
In general, heat-sensitive recording materials having a heat-sensitive coloring layer mainly containing a colorless or light-colored dye precursor and a color developer that reacts with the dye precursor when heated to form a color have been widely put to practical use. In order to perform recording on this thermal recording medium, a thermal printer or the like having a built-in thermal head is used.However, such a thermal recording method has less noise during recording than other recording methods that have been practically used conventionally. With the development of the information industry, the facsimile and computer fields have been developed due to the features that require no development and fixing, are maintenance-free, the equipment is relatively inexpensive and compact, and the resulting colors are very sharp. Widely used for various measuring instruments and labels.
With the diversification and high performance of these recording devices, the required quality of the heat-sensitive recording medium has become higher. As for the color sensitivity, as the size of the apparatus is reduced and the recording speed is increased, it is required that a sharp color image with high density can be obtained even with a small amount of thermal energy. In order to satisfy this requirement, for example, Patent Literature 1 describes a method of increasing color sensitivity by using a novel color developer.
[Patent Document 1] JP-A-2002-301873
In addition, with the spread of usage, the thermosensitive recording medium has a high coloring sensitivity and is suitable for writing, natural environment such as heat, water, humidity and light, sebum when handling by hand, oil, plasticizer, solvent The storage stability of a color image against the like is required. Among these storage stability, it is very difficult to impart light stability to the heat-sensitive recording medium. Further, a significant decrease in image density and decoloration due to contact with a sebum component or a plasticizer (DOP / DOA or the like) contained in a wrap film such as a PVC film still remain a serious problem.
[0003]
Conventionally, in order to improve the storage stability of images, a method of applying an aqueous emulsion of a resin having chemical resistance and having a film forming ability on a heat-sensitive recording layer, or a water-soluble polymer compound such as polyvinyl alcohol is used. Coating methods and the like have been proposed, but in any case, there are additional disadvantages such as a decrease in recording density and a decrease in whiteness. Also, many proposals have been made on heat-sensitive recording media using auxiliaries such as various dyes, color developers, and stabilizers, but none of them have been found to have sufficiently satisfactory storage stability. It is the current situation.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a thermosensitive recording medium having high color sensitivity and excellent light resistance, plasticizer resistance, and chemical resistance.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of the inventor's intensive studies, the above-described problem is as follows.In a thermosensitive recording medium provided with a thermosensitive coloring layer containing a dye precursor and a developing agent as main components, the thermosensitive coloring layer is used as an organic developing agent as follows. This was achieved by containing the compound represented by the general formula (1) and further containing, as the dye precursor, composite fine particles containing a polymer of the dye precursor and a polyvalent isocyanate compound.
[0006]
Embedded image
[0007]
[Wherein, R a And R b Each independently represents a hydrogen atom or a C1 to C6 alkyl group, A represents an integer of 1 to 6, B represents 0, 1 or 2, m 1 And m 2 Represents an integer of 0 or 1 to 3 independently. Where m 1 And m 2 Are not simultaneously 0. R c And R d Each independently represents a nitro group, a carboxyl group, a halogen atom, a C1-C6 alkyl group or a C2-C6 alkenyl group, 3 And m 4 Each independently represents an integer of 0, 1 or 2; 3 And m 4 Is 2 when R c And R d May be different and M is CO or NR e CO (where R e Represents a hydrogen atom or a C1-C6 alkyl group. ). However, when M is CO, m 1 Is 1 and m 1 Is 0 and M is NR e When CO, B is not zero. ]
[0008]
In the present invention, the reason why an excellent effect is obtained is not clearly elucidated. However, when the developer represented by the general formula (1) defined in the present invention is used, the dye and the developer It is considered that the stability of the charge transfer complex as a reaction product to light becomes very high.
Further, when composite fine particles containing a precursor of the dye and a polyvalent isocyanate compound are used as a dye precursor, the organic developer melts when heat energy is applied and moves into the composite fine particles, and the composite It is believed that a color former is formed in the fine particles. Therefore, it is considered that the color former is more present in the composite fine particles, and the effect of substances such as a plasticizer and a solvent on the color former is reduced, so that the image stability is improved. Further, in the present invention, sticking or adhesion of scum to the thermal head is also improved. The reason for this is not clear, but it is thought that the cause of sticking and sticking is the dye precursor, etc., which melts during printing and sticks to the head, causing stick noise, or solidifies after melting to generate scrap. It is thought to be. On the other hand, in the present invention, since the dye precursor is composite fine particles with a polymer of a polyvalent isocyanate compound, direct contact with the thermal head is reduced, and sticking and adhesion of scum are considered to be reduced. Can be
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In order to obtain the thermosensitive recording medium of the present invention, for example, a composite fine particle containing a dye precursor and a dispersion in which the compound represented by the general formula (1) is dispersed together with a binder are mixed, and a filler and other necessary additives are mixed. The thermosensitive recording medium of the present invention can be produced by preparing a thermosensitive coloring layer coating solution by adding an agent and applying and drying the thermosensitive coloring layer on a substrate to form a thermosensitive coloring layer.
In the present invention, the compound represented by the general formula (1) is used as a developer. Among these, in the general formula (1), M is NR e Compounds that are CO are preferred, and more preferred are compounds where M is NHCO. Such compounds include, for example, N- (2′-hydroxyphenylthio) acetyl-2-hydroxyaniline, N- (2′-hydroxyphenylthio) acetyl-3-hydroxyaniline, N- (2′-hydroxyphenylthio) ) Acetyl-4-hydroxyaniline, N- (3′-hydroxyphenylthio) acetyl-2-hydroxyaniline, N- (3′-hydroxyphenylthio) acetyl-3-hydroxyaniline, N- (3′-hydroxyphenyl) Thio) acetyl-4-hydroxyaniline, N- (4'-hydroxyphenylthio) acetyl-2-hydroxyaniline, N- (4'-hydroxyphenylthio) acetyl-3-hydroxyaniline, N- (4'-hydroxy Phenylthio) acetyl-4-hydroxyaniline and the like. The present invention is not limited to, et al. Further, the compounds represented by the general formula (1) can be used alone or in combination of two or more.
In particular, N- (4'-hydroxyphenylthio) acetyl-4-hydroxyaniline represented by the following formula (1-1) and N- (4'-hydroxyphenylthio) represented by (1-2) Acetyl-2-hydroxyaniline is preferably used, and a 1: 1 mixture thereof is more preferred. Such a mixture is available, for example, under the trade name D-100 manufactured by Nippon Soda Co., Ltd.
[0010]
Embedded image
In the present invention, in addition to the above-described color developing agents, conventional color developing agents known in the field of pressure-sensitive or heat-sensitive recording paper can be used in combination as long as the effects of the present invention are not impaired.
[0011]
Next, a method for producing composite fine particles containing a dye precursor and a polymer of a polyvalent isocyanate used in the present invention will be described. Various known dye precursors can be used, and examples thereof include the following.
<Black chromogenic dye precursor>
3-diethylamino-6-methyl-7-anilinofluoran
3-diethylamino-6-methyl-7- (o, p-dimethylanilino) fluoran
3-diethylamino-6-methyl-7- (m-trifluoromethylanilino) fluoran
3-diethylamino-6-methyl-7- (o-chloroanilino) fluoran
3-diethylamino-6-methyl-7- (p-chloroanilino) fluoran
3-diethylamino-6-methyl-7- (o-fluoroanilino) fluoran
3-diethylamino-6-methyl-7- (m-methylanilino) fluoran
3-diethylamino-6-methyl-7-n-octylanilinofluoran
3-diethylamino-6-methyl-7-benzylaminofluoran
3-diethylamino-6-methyl-7-dibenzylaminofluoran
3-diethylamino-6-ethoxyethyl-7-anilinofluoran
3-diethylamino-7- (m-trifluoromethylanilino) fluoran
3-diethylamino-7- (o-chloroanilino) fluoran
3-diethylamino-7- (p-chloroanilino) fluoran
3-diethylamino-7- (o-fluoroanilino) fluoran
3-dibutylamino-6-methyl-7-anilinofluoran
3-dibutylamino-6-methyl-7- (o, p-dimethylanilino) fluoran
3-dibutylamino-6-methyl-7- (o-chloroanilino) fluoran
3-dibutylamino-6-methyl-7- (p-chloroanilino) fluoran
3-dibutylamino-6-methyl-7- (o-fluoroanilino) fluoran
3-dibutylamino-6-methyl-7- (m-trifluoromethylanilino) fluoran
3-dibutylamino-6-ethoxyethyl-7-anilinofluoran
3-dibutylamino-6-methyl-7- (p-methylanilino) fluoran
3-dibutylamino-7- (o-chloroanilino) fluoran
3-dibutylamino-7- (o-fluoroanilino) fluoran
3-di-n-pentylamino-6-methyl-7-anilinofluoran
3-di-n-pentylamino-6-methyl-7- (p-chloroanilino) fluoran
3-di-n-pentylamino-7- (m-trifluoromethylanilino) fluoran
3-di-n-pentylamino-6-chloro-7-anilinofluoran
3-di-n-pentylamino-7- (p-chloroanilino) fluoran
3-pyrrolidino-6-methyl-7-anilinofluoran
3-piperidino-6-methyl-7-anilinofluoran
3- (N-methyl-N-propylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran
3- (N-methyl-N-cyclohexylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran
3- (N-ethyl-N-cyclohexylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran
3- (N-ethyl-N-xylamino) -6-methyl-7- (p-chloroanilino) fluoran
3- (N-ethyl-p-toluidino) -6-methyl-7-anilinofluoran
3- (N-ethyl-N-isoamylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran
3- (N-ethyl-N-tetrahydrofurfurylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran
3- (N-ethyl-N-isobutylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran
3- (N-ethyl-N-ethoxypropylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran
2-chloro-3-methyl-6- [p- (p-phenylaminophenyl) aminoanilino] fluoran
2-chloro-6- [p- (p-dimethylaminophenyl) aminoanilino] fluoran
3,3-bis [2- (p-dimethylaminophenyl) -2- (p-methoxyphenyl) ethenyl] -4,5,6,7-tetrabromophthalide
3,3-bis [2- (p-dimethylaminophenyl) -2- (p-methoxyphenyl) ethenyl] -4,5,6,7-tetrachlorophthalide
3,3-bis [1,1-bis (4-pyrrolidinophenyl) ethylene-2-yl] -4,5,6,7-tetrabromophthalide
3,3-bis [1- (4-methoxyphenyl) -1- (4-pyrrolidinophenyl) ethylene-2-yl] -4,5,6,7-tetrachlorophthalide
3-diethylamino-6-chloro-7-anilinofluoran
3-diethylamino-6-chloro-7-p-methylanilinofluoran
3-dibutylamino-6-chloro-7-anilinofluoran
3- (N-ethyl-N-isoamylamino) -6-chloro-7-anilinofluoran
3-diethylamino-7-methylaminofluoran
[0012]
<Blue chromogenic dye precursor>
3,3-bis (p-dimethylaminophenyl) -6-dimethylaminophthalide
3,3-bis (p-dimethylaminophenyl) phthalide
3,3-bis (p-diethylaminophenyl) -6-dimethylaminophthalide
3,3-bis (p-dimethylaminophenyl) -6-di-n-propylaminophthalide
Tris (4-dimethylaminophenyl) methane
3-diethylamino-6-methyl-7-n-octylaminofluoran
3-diethylamino-6-methyl-7-benzylaminofluoran
3-diethylamino-7-benzylaminofluoran
3-diethylamino-6-methyl-7-diphenylmethylaminofluoran
3-diethylamino-7-dinaphthylmethylaminofluoran
3- (4-diethylamino-2-ethoxyphenyl) -3- (1-ethyl-2-methylindol-3-yl) -4-azaphthalide
3- (4-diethylamino-2-ethoxyphenyl) -3- (1-octyl-2-methylindol-3-yl) -4-azaphthalide
3- (4-cyclohexylethylamino-2-methoxyphenyl) -3- (1-ethyl-2-methylindol-3-yl) -4-azaphthalide
3- (4-cyclohexylmethylamino-2-methoxyphenyl) -3- (1-ethyl-2-methylindol-3-yl) -4-azaphthalide
3- (4-diethylamino-2-n-hexyloxyphenyl) -3- (1-ethyl-2-methylindol-3-yl) -4-azaphthalide
[0013]
<Green coloring dye precursor>
3-diethylamino-7-anilinofluoran
3-diethylamino-6-methyl-7-dibenzylaminofluoran
3-diethylamino-5-methyl-7-dibenzylaminofluoran
3- (N-ethyl-N-hexylamino) -7-anilinofluoran
3-pyrrolidino-7-cyclohexylaminofluoran
3-diethylamino-7-cyclohexylaminofluoran
3- (Np-toluyl-N-ethylamino) -7- (N-methyl-N-phenylamino) fluoran
3-diethylamino-7- (N-methyl-N-phenylamino) fluoran
3-diethylamino-7-n-octylaminofluoran
3-diethylamino-7- (N-cyclohexyl-N-benzylamino) fluoran
3-diethylamino-7- (di-p-chlorobenzylamino) fluoran
3- (N-ethyl-N-hexylamino) -7- (N-methyl-N-phenylamino) fluoran
3-pyrrolidyl-7-dibenzylaminofluoran
3-dibutylamino-7- (o-chlorobenzylamino) fluoran
3-diethylamino-6-ethoxyethyl-7-anilinofluoran
[0014]
<Red coloring dye precursor>
3-diethylamino-6-methyl-7-chlorofluoran
3-diethylamino-7-chlorofluoran
3-diethylamino-6-methylfluoran
3-diethylamino-7-methylfluoran
3-diethylamino-benzo [a] fluoran
10-diethylamino-4-dimethylaminobenzo [a] fluoran
3-diethylamino-7- (di-p-methylbenzylamino) fluoran
3-diethylamino-6-methyl-7-dibenzylaminofluoran
3-diethylamino-7-methylfluoran
3- (N-ethyl-N-isoamylamino) -benzo [a] fluoran
3- (N-ethyl-N-p-toluylamino) -7-methylfluoran
3-diethylamino-6-chloro-7-methylfluoran
3-diethylamino-7-methylfluoran
3-dibutylamino-6-methylfluoran
3-dibutylamino-6-methyl-7-chlorofluoran
3-cyclohexylamino-6-chlorofluoran
3-diethylamino-6,8-dimethylfluoran
3-dibutylamino-6-methyl-7-bromofluoran
3,6-bis (diethylamino) fluoran-γ- (4′-nitro) -anilinolactam
3,3-bis (1-ethyl-2-methylindol-3-yl) phthalide
3,3-bis (1-n-butyl-2-methylindol-3-yl) phthalide
3,6-bis (diethylamino) fluoran-γ-anilinolactam
These dye precursors may be used alone or as a mixture of two or more. In the present invention, N-isopentyl-N-ethylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran <S-205>, 3- (N-isobutyl-N-ethylamino), because of good color development. ) -6-Methyl-7-anilinofluoran
<PSD-184> is preferably used.
[0015]
The polyvalent isocyanate compound used in the composite fine particles in the present invention is a compound that forms polyurea or polyurethane-polyurea by reacting with water, and may be a polyvalent isocyanate compound alone or a polyvalent isocyanate. It may be a mixture of a compound and a polyol which reacts with the compound, or an adduct of a polyvalent isocyanate compound and a polyol, or a polymer such as a biuret or isocyanurate.
For example, polyvalent isocyanate compounds include m-phenylene diisocyanate, p-phenylene diisocyanate, 2,6-tolylene diisocyanate, 2,4-tolylene diisocyanate, naphthalene-1,4-diisocyanate, diphenylmethane-4,4'- Diisocyanate, dicyclohexylmethane-4,4'-diisocyanate, 5-isocyanato-1- (isocyanatomethyl) -1,3,3-trimethylcyclohexane, 1,3-bis (isocyanatomethyl) cyclohexane, tetramethylxylylene diisocyanate , 3,3'-dimethyldiphenylmethane-4,4'-diisocyanate, xylylene-1,4-diisocyanate, 4,4'-diphenylpropane diisocyanate, trimethylene diisocyanate, hexane Diisocyanates such as methylene diisocyanate, propylene-1,2-diisocyanate, butylene-1,2-diisocyanate, cyclohexylene-1,2-diisocyanate, cyclohexylene-1,4-diisocyanate, and 4,4 ′, 4 ″ -triisocyanate Triisocyanates such as phenylmethane triisocyanate and toluene-2,4,6-triisocyanate; and tetraisocyanates such as 4,4'-dimethyldiphenylmethane-2,2 ', 5,5'-tetraisocyanate. Examples of the adduct of a polyvalent isocyanate compound and a polyol include a trimethylolpropane adduct of hexamethylene diisocyanate, a trimethylolpropane adduct of 2,4-tolylene diisocyanate, and a xylylene diisocyanate. It is possible to use isocyanate prepolymers such as methylolpropane adducts and hexanetriol adducts of tolylene diisocyanate, etc. In addition, polyvalent isocyanate compounds, for example, multimers such as biuret and isocyanurate of hexamethylene diisocyanate are also used in the present invention. These may be used alone or as a mixture of two or more types, among which xylylene diisocyanate, trimethylolpropane adduct of xylylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, etc. It is preferable to include at least one kind of polyvalent isocyanate compound selected from trimethylolpropane adduct of methylene diisocyanate and dicyclohexylmethane diisocyanate.
[0016]
As the polyol compound, for example, ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, 1,7-heptanediol, 1,8- Octanediol, propylene glycol, 2,3-dihydroxybutane, 1,2-dihydroxybutane, 1,3-dihydroxybutane, 2,2-dimethyl-1,3-propanediol, 2,4-pentanediol, 2,5 -Hexanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol, dihydroxycyclohexane, diethylene glycol, 1,2,6-trihydroxyhexane, phenylethylene glycol, 1,1,1-trimethylol Propane, hexanetriol, pentae Condensation products of aliphatic polyols such as thritol and glycerin, aromatic polyhydric alcohols such as 1,4-di (2-hydroxyethoxy) benzene and 1,3-di (2-hydroxyethoxy) benzene with alkylene oxides, p-xylylene glycol, m-xylylene glycol, α, α'-dihydroxy-p-diisopropylbenzene, 4,4'-dihydroxydiphenylmethane, 2- (p, p'-dihydroxydiphenylmethyl) benzyl alcohol, 4,4 '-Isopropylidene diphenol, 4,4'-dihydroxydiphenyl sulfone, 4,4'-dihydroxydiphenyl sulfide, ethylene oxide adduct of 4,4'-isopropylidene diphenol, and 4,4'-isopropylidene diphenol Propylene oxide adduct, - acrylates with hydroxyalkyl groups in such a molecule as hydroxyethyl acrylate.
[0017]
Next, as the polyamine compound, for example, ethylenediamine, trimethylenediamine, tetramethylenediamine, pentamethylenediamine, hexamethylenediamine, p-phenylenediamine, m-phenylenediamine, piperazine, 2-methylpiperazine, 2,5-dimethylpiperazine , 2-hydroxytrimethylenediamine, diethylenetriamine, triethylenetriamine, triethylenetetramine, diethylaminopropylamine, tetraethylenepentamine, amine adducts of epoxy compounds, and the like. Of course, these polyol compounds and polyamine compounds are not limited to the above compounds, and two or more kinds may be used in combination as needed.
[0018]
Next, examples of solvents for dissolving these materials include ethyl acetate, methyl acetate, butyl acetate, methylene chloride, butyl chloride, and propyl chloride. It is preferable that the solvent sufficiently dissolves the dye precursor and the polyvalent isocyanate compound. Further, the dye precursor composite fine particles of the present invention include n-butanol, alcohols such as ethylene glycol, ultraviolet absorbers such as benzotriazoles, benzophenones, salicylic acids, and benzoxazinones; and hindered amines and hinders. It may contain a dophenolic antioxidant. In order to increase the color sensitivity, a sensitizer known in the heat-sensitive recording material can be added.
Using the above-described materials, the composite fine particles used in the present invention are, for example, a dye precursor, a polyvalent isocyanate compound, and other components, if necessary, are dissolved in a low boiling water-insoluble organic solvent. The solution is emulsified and dispersed in a water-dispersible medium containing a protective colloid substance dissolved therein, and, if necessary, a reactive substance such as polyamine is mixed. It can be produced by polymerizing a material to polymerize the material.
[0019]
Specifically, as an example, first, a dye precursor and a polyvalent isocyanate compound are dissolved in an organic solvent having a boiling point of 100 ° C. or lower at a temperature of 30 ° C. to 100 ° C., and then emulsified and dispersed using an emulsifier. . At that time, the emulsification is performed at a rotation speed of 10,000 rotations for a time of 10 minutes or less. As the emulsifier to be used, a known dispersant is used, and polyvinyl alcohol is particularly preferable.
Subsequently, the organic solvent is evaporated by heating at 50 ° C. to 100 ° C. for 1 hour to 3 hours, and further reacted at that temperature for 1 hour to 3 hours to polymerize the polyvalent isocyanate compound. Thereafter, the dispersion is cooled to room temperature to prepare a dispersion of the composite fine particles.
In addition, a polyvalent isocyanate compound is used as a solvent, a solute containing a dye precursor is dissolved therein, and the resulting solution is emulsified and dispersed in a hydrophilic colloid aqueous solution to obtain a polyvalent isocyanate compound. There is also a method involving the polymerization reaction.
The size of the composite fine particles is desirably finely divided to some extent in order to obtain sufficient color sensitivity and color density. When the particle diameter of the composite fine particles is large, heat is not transmitted to the center of the composite fine particles, and it is considered that the color developability becomes insufficient. In the present invention, the preferred particle size (average particle size) is smaller than 1 μm, more preferably 0.8 μm or less, further preferably 0.6 μm or less.
In the present invention, the ratio of the dye precursor contained in the composite fine particles is 40% by weight or more, more preferably 55% by weight or more, and 80% by weight or less, more preferably 75% by weight or less of the total weight of the composite fine particles. It is considered that by containing a large amount of the dye precursor, a heat-sensitive recording material having a sufficient coloring ability can be obtained.
[0020]
In the present invention, conventionally known sensitizers can be used as long as the desired effects on the above-mentioned objects are not impaired. Examples of such a sensitizer include a saturated fatty acid monoamide, ethylenebisamide, montanic acid wax, polyethylene wax, 1,2-di- (3-methylphenoxy) ethane, p-benzylbiphenyl, β-benzyloxynaphthalene, and 4-biphenyl-. p-tolyl ether, m-terphenyl, 1,2-diphenoxyethane, 4,4'-ethylenedioxy-bis-benzoic acid dibenzyl ester, dibenzoyloxymethane, 1,2-di (3-methylphenoxy) ) Ethylene, 1,2-diphenoxyethylene, bis [2- (4-methoxy-phenoxy) ethyl] ether, methyl p-nitrobenzoate, benzyl p-benzyloxybenzoate, di-p-tolylcarbonate, phenyl- α-naphthyl carbonate, 1,4-diethoxynaphthalene, 1-hydrido Roxy-2-naphthoic acid phenyl ester, 4- (m-methylphenoxymethyl) biphenyl, and 1,2-bis (phenoxymethyl) benzene can be exemplified, but not particularly limited thereto.
[0021]
As the binder used in the present invention, completely saponified polyvinyl alcohol having a degree of polymerization of 200 to 1900, partially saponified polyvinyl alcohol, carboxy-modified polyvinyl alcohol, amide-modified polyvinyl alcohol, sulfonic acid-modified polyvinyl alcohol, butyral-modified polyvinyl alcohol, and others Modified polyvinyl alcohol, hydroxyethyl cellulose, methyl cellulose, carboxymethyl cellulose, styrene-maleic anhydride copolymer, styrene-butadiene copolymer and cellulose derivatives such as ethyl cellulose, acetyl cellulose, polyvinyl chloride, polyvinyl acetate, poly Acrylamide, polyacrylate, polyvinyl butyral, polystyrene and copolymers thereof, polyamide resin, silicone Butter, petroleum resins, terpene resins, ketone resins, and the Khumalo resin. These polymer substances can be used by dissolving them in solvents such as water, alcohols, ketones, esters, and hydrocarbons, and can also be used in the form of emulsified or dispersed in water or other media in the form of a paste to achieve the required quality. They can be used together depending on the situation.
[0022]
Further, in the present invention, 4,4′-butylidene (6-t-butyl-3-methylphenol) is used as an image stabilizer which exhibits an oil resistance effect of a recorded image, as long as the desired effect on the above-mentioned object is not impaired. ), 2,2'-di-t-butyl-5,5'-dimethyl-4,4'-sulfonyldiphenol, 1,1,3-tris (2-methyl-4-hydroxy-5-cyclohexylphenyl) Butane, 1,1,3-tris (2-methyl-4-hydroxy-5-t-butylphenyl) butane and the like can also be added.
The filler used in the present invention includes inorganic or organic fillers such as silica, calcium carbonate, kaolin, calcined kaolin, diatomaceous earth, talc, titanium oxide, and aluminum hydroxide. In addition, lubricants such as waxes, ultraviolet absorbers of benzophenone type or triazole type, water resistance agents such as glyoxal, dispersants, defoamers, antioxidants, fluorescent dyes, and the like can be used.
The amount of the developer and the dye precursor used in the heat-sensitive recording medium of the present invention, and the types and amounts of other various components are determined according to the required performance and recording suitability, and are not particularly limited. For 1 part of the developer represented by the general formula (1), 0.5 to 4 parts of a filler is used, and the binder is suitably 5 to 25% of the total solid content. As for the use ratio of the dye precursor and the developer, 1 to 50 parts by weight, preferably about 2 to 10 parts by weight of the developer is used per 1 part by weight of the total amount of the dye precursor.
[0023]
The desired heat-sensitive recording sheet can be obtained by applying a coating solution having the above composition to any support such as paper, recycled paper, synthetic paper, film, plastic film, foamed plastic film, and nonwoven fabric. Further, a composite sheet obtained by combining these may be used as the support.
Further, an overcoat layer of a polymer substance or the like can be provided on the thermosensitive coloring layer for the purpose of enhancing the storage stability. Further, an undercoat layer of a polymer substance containing a filler or the like can be provided below the thermosensitive coloring layer for the purpose of increasing the coloring sensitivity.
The above-mentioned organic developer, the composite fine particles containing the dye precursor, and the materials to be added as needed are reduced to a particle diameter of several microns or less by a pulverizer such as a ball mill, an attritor, a sand grinder or an appropriate emulsifying device. It is atomized, and a coating liquid is prepared by adding a binder and various additives depending on the purpose. The method for forming each layer is not particularly limited, and air knife coating, buriba blade coating, pure blade coating, rod blade coating, short dwell coating, curtain coating, die coating, and the like can be appropriately selected. The coating solution for the overcoat layer is coated on the support and dried, and then the coating solution for the overcoat layer is coated and dried on the heat-sensitive recording layer. The coating amount of the heat-sensitive recording layer coating solution is 2 to 12 g / m2 in dry weight. 2 Degree, preferably 3 to 10 g / m 2 The amount of the coating solution for the undercoat layer, the intermediate layer or the overcoat layer is 0.1 to 15 g / m2 in dry weight. 2 Degree, preferably 0.5 to 7 g / m 2 It is adjusted in the range of the degree. Further, after each layer is formed, a smoothing treatment such as super calendaring can be performed.
[0024]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples. In addition, in description, a part shows a weight part.
[0025]
<Composite fine particle dispersion>
10 parts of 3- (N-isobutyl-N-ethylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran <PSD-184> as a black dye precursor was dissolved in 20 parts of ethyl acetate at 60 to 70 ° C. To the solution, 10.7 parts of a 3: 1 adduct of xylylene diisocyanate and trimethylolpropane (Takenate D110N manufactured by Mitsui Takeda Chemical, 75% by weight ethyl acetate solution) was added and mixed uniformly. Next, this mixture was gradually added to 55 parts of a 6% aqueous solution of polyvinyl alcohol (Kuraray PVA-217) rotated at 9000 rpm with a homogenizer and emulsified. Thereafter, 80 parts of water was added, and the dispersion was heated at 60 ° C. for 2 hours to remove ethyl acetate. Thereafter, the mixture was stirred at 70 ° C. for 3 hours to polymerize isocyanate, and the average particle size was 0.5 μm. (20%) was prepared.
As a developer, a dispersion having the following composition was prepared in advance, and wet grinding was performed with a sand grinder until the average particle size became 0.5 μm.
<Developer dispersion>
N- (4'-hydroxyphenylthio) acetyl-4-hydroxyaniline and
With N- (4'-hydroxyphenylthio) acetyl-2-hydroxyaniline
6.0 parts of a 1: 1 mixture (trade name: D-100, manufactured by Nippon Soda Co., Ltd.)
18.8 parts of 10% aqueous polyvinyl alcohol solution
11.2 parts of water
<Sensitizer dispersion>
p-benzylbiphenyl 6.0 parts
18.8 parts of 10% aqueous polyvinyl alcohol solution
11.2 parts of water
[0026]
Example 1
The following compositions were mixed to obtain a thermosensitive coloring layer coating solution. This coating solution is weighed 50 g / m 2 6g / m coating amount after drying on high quality paper 2 The coating was dried so as to give a Beck smoothness of 200 to 600 seconds using a super calender to obtain a thermosensitive recording medium.
Developer dispersion 40.0 parts
Composite fine particle dispersion 30.0 parts
Sensitizer dispersion 36.0 parts
Kaolin clay 50% dispersion 26.0 parts
6.7 parts of a 30% dispersion of zinc stearate
[0027]
Comparative Example 1
In the same manner as in Example 1 except that D-100 (trade name, manufactured by Nippon Soda Co., Ltd.) in the developer dispersion liquid was changed to 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfone (bisphenol S) in Example 1. Thus, a thermosensitive recording medium was obtained.
[0028]
Comparative Example 2
The following composition using 32.0 parts of the composite fine particle dispersion used in Example 1 and 3- (N-di-n-butylamino-6-methyl-7-anilinofluoran <ODB2>) as a dye precursor A thermosensitive recording medium was obtained in the same manner as in Example 1, except that the dye dispersion was changed to 11 parts.
<Dye dispersion>
3- (N-di-n-butylamino-6-methyl-7-
Anilino Fluoran <ODB2> 30 parts
50 parts of 10% aqueous solution of polyvinyl alcohol
20 parts of water
Comparative Example 3
A heat-sensitive recording material was obtained in the same manner as in Comparative Example 2, except that the dye precursor was changed to 3-isobutyl-N-ethylamino) -6-methyl-7-anilinofluoran <PSD-184>.
[0029]
[Color sensitivity]
Using TH-PMD manufactured by Okura Electric Co., printing was performed on the created thermosensitive recording medium at an applied energy of 0.34 mJ / dot. The image density after printing and after the quality test was measured with a Macbeth densitometer (using an amber filter).
[Light fastness test]
The output was 66 W / m using the Atlas Ci3000F type xenon fade meter for the sample printed with the applied energy of 0.34 mJ / dot using TH-PMD manufactured by Okura Electric Co., Ltd. 2 For 24 hours. After the treatment, the Macbeth density (using an amber filter) of the printed portion was measured.
[Plasticizer resistance test]
After winding PVC wrap (Mitsui Toatsu High Wrap KMA) once onto a paper tube, using a TH-PMD manufactured by Okura Electric Co., a sample printed with an applied energy of 0.34 mJ / dot was pasted, and then further wrapped. After the PVC wrap was wound three times on top and left at 23 ° C. for 4 hours, the Macbeth density (using an amber filter) in the printed area and the non-printed area was measured.
[Chemical resistance test]
After writing on the surface of the thermosensitive recording medium with oil-based magic (Magic Ink No. 500), the recorded state of the characters was visually judged and evaluated according to the following criteria. Further, the discoloration state of the surface after applying the ethyl acetate solution to the surface of the thermosensitive recording medium was visually judged and evaluated according to the following criteria.
<Oil-based magic>
:: No bleeding, no practical problem.
×: Bleeding is large, and there is a problem in practical use.
<Ethyl acetate>
:: Almost no discoloration of the applied portion.
X: The applied part has completely discolored.
[0030]
[Table 1]
[0031]
As is evident from Table 1, Example 1 of the present invention is excellent in color sensitivity and excellent in light resistance, plasticizer resistance and chemical resistance of an image. On the other hand, Comparative Example 1 using a developer other than that specified in the present invention, use of another dye instead of the composite fine particles containing the polymer of the dye precursor and the polyvalent isocyanate compound specified in the present invention In Comparative Example 2, good quality cannot be obtained.
[0032]
【The invention's effect】
The heat-sensitive recording medium of the present invention is a heat-sensitive recording medium having high coloring sensitivity and extremely excellent image storability in light resistance, plasticizer resistance, chemical resistance and the like.