JP2004291475A - Liquid drop non-ejection detecting device and liquid drop jet device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴不吐出検出装置および液滴吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタなどのインクジェットヘッドのノズル孔が詰まったり、紙粉や異物が付着したり、気泡がインクジェットヘッドのキャビティなどに入った場合には、本来インク滴が吐出されるべき時に吐出されない場合があった。
【0003】
インク滴が吐出されたかどうかを検出するために、主にインク滴を検出する各種センサを用いる方法がある。その中でも、光学式センサを用いてインク滴がノズルから吐出されたことを検出する方法は、インク滴径と光ビーム径を適切に選び且つ精度よく位置合わせを行うことによって確実に検出ができるため多くの提案がされている。
【0004】
この方法は、インクジェットプリンタのインク滴吐出原理(ピエゾ方式、サーマルジェット方式、ソリッドインク方式など)が異なっていても適用できる点で優れている。また、インク滴が真っ直ぐに飛行せずに、曲がって飛行し記録紙上の着弾位置がずれる場合も、インク滴が検出領域を通過しないので、検出することが可能である。
【0005】
図20(a)は、従来の光学式のインク滴検出方法の原理を示す模式図である。
発光素子からの光は発光領域603を出て、フォトトランジスタなどの受光素子が設置されている受光領域604に入る。この発光領域603と受光領域604との間に位置する領域が検出領域607になる。その検出領域607に対して上方からインク滴610が吐出されてくると、インク滴610は染料や顔料などの色材を含んでいるため、光の透過率が低く光を遮ることになる。
【0006】
すると、受光素子に入る光量が減少するため、電気信号に変化された時の電圧が小さくなり、インク滴610が検出できる。検出領域607の断面積と受光領域604の面積とが同じと仮定すると、それらの面積S2とインク滴投影部611の面積S1とから、S1/S2がインク滴610の減少分に相当することになる。
【0007】
図20(b)は、キャリッジ軸622上をヘッドユニット608が移動しつつインク滴610をインク滴受け609に向けて吐出し、ちょうど検出領域607をインク滴610が通過する様子を示す図である。
インク滴610が上方から速度V1で吐出され、ヘッドユニット608が速度V2で移動していると、インク滴610はその合成速度(V1+V2)となり、検出領域607へ確実に通過させるにはかなりの精度が要求される。検出感度を高めようとすると、S1/S2を大きくする即ち受光領域604の面積S2を小さくすればよいが、そうするとインク滴610が検出領域607を通過する検出のタイミングを精度良くしなければならない。
【0008】
逆に、インク滴610が検出領域607を通過する検出のタイミングを緩やかにすれば、検出感度が低下してしまう。この課題を解決しようといくつかの提案がされている。
具体的には、例えば、インクジェットヘッドのインク吐出口の並び方向に対して、インク吐出を検出するフォトセンサの発光素子と受光素子とで決定される検出光軸を相対的に所定角度なすように配置し、フォトセンサによる検出範囲を広くする技術がある(特許文献1)。
【0009】
しかし、特許文献1に記載されている技術は、感度を低下させずに受光領域を斜めにインク滴が透過する分だけ検出タイミングが緩やかになるが、依然としてその改善効果は比較的小さい。また、インク滴が検出領域の対角線上を通過するように、インク吐出口と検出領域との位置関係を高精度に設定しなければ、逆に、検出範囲が狭くなりかねない。
【0010】
また、別の検出方法として、インクに対する撥水性の高い反射板と、反射光量を検知するセンサとを有し、インク滴を吐出させ、反射板からの反射光量をセンサで検出して吐出インク滴の状態を検出する技術がある(特許文献2)。
しかし、特許文献2に記載されている技術は、反射板に着弾したインク滴に浮遊する紙粉やゴミなどが付着すると、反射板の反射率が低下することもあるので、インク滴を反射板に着弾させるという手法では、長期間の使用を考慮すると、信頼性という点では課題がある。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−94948号公報
【特許文献2】
特開平8−332736号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルと液滴検知ユニットとの位置関係を高精度に設定する必要がなく、長期間の使用に際しても高い信頼性を確保して吐出異常の有無を検出することができる液滴不吐出検出装置および液滴吐出装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液滴不吐出検出装置は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの吐出異常を検出する液滴不吐出検出装置であって、
互いの反射面をほぼ平行に対向させて配置された一対の反射板と、発した光が前記一対の反射板で交互に繰り返し反射しつつ進行するように光を発する発光手段と、前記発光手段から発せられて前記一対の反射板で交互に繰り返し反射してきた光を受光する受光手段とを有する液滴検知ユニットと、
前記液滴吐出ヘッドが前記一対の反射板の間に向けて液滴を吐出するように吐出動作を行った際に、前記受光手段からの出力信号に基づいて前記液滴吐出ヘッドの吐出異常の有無を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
これにより、一対の反射板間の大半を、インク滴を含む液滴の検出領域とすることが可能となるので、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルと液滴検知ユニットとの位置関係を高精度に設定する必要がないことから、組み立て・製造が容易であり、また、長期間の使用に際しても高い信頼性を確保して吐出異常の有無を検出することができる液滴不吐出検出装置を提供することができる。
【0014】
本発明の液滴不吐出検出装置では、前記反射板の反射面は、反射率が80%以上であることが好ましい。
これにより、反射板の反射面での光の反射効率がよく、受光手段まで光がさほど減衰することなく到達するので、液滴吐出ヘッドの吐出異常の有無をより高い精度で検出することができる。
【0015】
本発明の液滴不吐出検出装置では、前記一対の反射板と前記発光手段と前記受光手段とは、一つのベースに設置されていることが好ましい。
これにより、各反射板、発光手段、受光手段の間の相対的な位置関係の精度を良くして容易に配置することができ、また、その位置精度に狂いを生じることもより確実に防止することができる。
【0016】
本発明の液滴不吐出検出装置では、前記液滴検知ユニットを覆う位置と覆わない位置とに相対的に移動可能に設置されたカバーをさらに備えることが好ましい。
これにより、液滴検知ユニットにゴミ等が付着するのを防止することができ、よって、例えば反射板の光の反射効率が低下するというような、各部の機能低下を回避することができる。
【0017】
本発明の液滴不吐出検出装置では、前記発光手段が発する光の光軸方向を調整する調整手段をさらに備えることが好ましい。
これにより、検出領域における光ビームの配置の粗密の程度を容易に調整することができる。
本発明の液滴不吐出検出装置では、前記発光手段は、複数本の光ビームを発し、前記受光手段は、前記一対の反射板で交互に繰り返し反射してきた前記各光ビームを受光することが好ましい。
これにより、反射板での反射回数が少なくても検出領域を光ビームでカバーすることができる。よって、受光手段に到達するまでの光ビームの減衰を少なくすることができるので、検出精度をより高くすることができる。また、発光手段が発する光ビームの光量が小さくても、検出が可能となる。
【0018】
本発明の液滴吐出装置は、駆動回路によりアクチュエータを駆動して液体が充填されたキャビティ内の圧力を変化させることにより前記キャビティに連通するノズルから前記液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、
本発明の液滴不吐出検出装置とを備えることを特徴とする。
これにより、一対の反射板間の大半を、インク滴を含む液滴の検出領域とすることが可能となるので、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルと液滴検知ユニットとの位置関係を高精度に設定する必要がないことから、組み立て・製造が容易であり、また、長期間の使用に際しても高い信頼性を確保して吐出異常の有無を検出することができる液滴不吐出検出装置を備えた液滴吐出装置を提供することができる。
【0019】
本発明の液滴吐出装置では、前記液滴吐出ヘッドに対し、吐出異常の原因を解消させる回復処理を行う回復手段をさらに備え、
前記液滴不吐出検出装置によって吐出異常が検出された場合、前記回復手段による回復処理を行うことが好ましい。
これにより、吐出異常が生じた液滴吐出ヘッドを正常な状態に回復させることができるので、その後の印刷動作において吐出異常(ドット抜け)が発生するのを防止することができる。
【0020】
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段による回復処理を行った後、前記液滴不吐出検出装置による検出を再度行うことが好ましい。
これにより、回復処理によって、液滴吐出ヘッドの異常が解消されたかどうか(正常状態に回復したかどうか)を確認することができ、その後の印刷動作において吐出異常(ドット抜け)が発生するのをより確実に防止することができる。
【0021】
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段は、前記液滴吐出ヘッドのノズルが配列されるノズル面をワイパにより拭き取るワイピング処理を行うワイピング手段を含むことが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの出口に紙粉などの異物が付着した場合の吐出異常を回復させるのに好適な回復処理を行うことができる。
【0022】
本発明の液滴吐出装置では、前記回復手段は、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を覆うキャップに接続するポンプによりポンプ吸引処理を行うポンピング手段を含むことが好ましい。
これにより、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルが目詰まりした場合や、キャビティ内に気泡が混入した場合の吐出異常を回復させるのに好適な回復処理を行うことができる。
【0023】
本発明の液滴吐出装置では、前記液滴検知ユニットを移動させる移動手段をさらに備え、
前記移動手段の作動により、前記液滴不吐出検出装置による吐出異常の検出を行うときには、前記液滴吐出ヘッドと前記キャップとの間に前記液滴検知ユニットを挿入し、前記液滴不吐出検出装置による吐出異常の検出を行わないときには、前記液滴吐出ヘッドと前記キャップとの間から前記液滴検知ユニットを退避させることが好ましい。
これにより、液滴不吐出検出装置に専用の液滴受け皿が不要となり、回復手段のキャップを兼用で用いることができるので、構造の合理化や、装置の小型化が図れる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図17を参照して本発明の液滴吐出装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態は例示として挙げるものであり、これにより本発明の内容を限定的に解釈すべきではない。なお、以下、本実施形態では、本発明の液滴吐出装置の一例として、インク(液状材料)を吐出して記録用紙(液滴受容物)に画像をプリントするインクジェットプリンタを用いて説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態における液滴吐出装置の一種であるインクジェットプリンタ1の構成を示す概略図である。なお、以下の説明では、図1中、上側を「上部」、下側を「下部」という。まず、このインクジェットプリンタ1の構成について説明する。
図1に示すインクジェットプリンタ1は、装置本体2を備えており、上部後方に記録用紙Pを設置するトレイ21と、下部前方に記録用紙Pを排出する排紙口22と、上部面に操作パネル7とが設けられている。
【0026】
操作パネル7は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDランプ等で構成され、エラーメッセージ等を表示する表示部(図示せず)と、各種スイッチ等で構成される操作部(図示せず)とを備えている。この操作パネル7の表示部は、報知手段として機能する。
また、装置本体2の内部には、主に、往復動する印字手段(移動体)3を備える印刷装置(印刷手段)4と、記録用紙Pを印刷装置4に対し供給・排出する給紙装置(液滴受容物搬送手段)5と、印刷装置4および給紙装置5を制御する制御部(制御手段)6とを有している。
【0027】
制御部6の制御により、給紙装置5は、記録用紙Pを1枚ずつ間欠送りする。この記録用紙Pは、印字手段3の下部近傍を通過する。このとき、印字手段3が記録用紙Pの送り方向とほぼ直交する方向に往復移動して、記録用紙Pへの印刷が行われる。すなわち、印字手段3の往復動と記録用紙Pの間欠送りとが、印刷における主走査および副走査となって、インクジェット方式の印刷が行われる。
【0028】
印刷装置4は、印字手段3と、印字手段3を主走査方向に移動(往復動)させる駆動源となるキャリッジモータ41と、キャリッジモータ41の回転を受けて、印字手段3を往復動させる往復動機構42とを備えている。
印字手段3は、複数のヘッドユニット35と、各ヘッドユニット35にインクを供給するインクカートリッジ(I/C)31と、各ヘッドユニット35およびインクカートリッジ31を搭載したキャリッジ32とを有している。なお、インクの消費量が多いインクジェットプリンタの場合には、インクカートリッジ31がキャリッジ32に搭載されず別な場所に設置され、チューブでヘッドユニット35と連通されインクが供給されるように構成してもよい(図示せず)。
【0029】
なお、インクカートリッジ31として、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の4色のインクを充填したものを用いることにより、フルカラー印刷が可能となる。この場合、印字手段3には、各色にそれぞれ対応したヘッドユニット35(この構成については、後に詳述する。)が設けられることになる。ここで、図1では、4色のインクに対応した4つのインクカートリッジ31を示しているが、印字手段3は、その他の色、例えば、ライトシアン、ライトマゼンダ、ダークイエロー、特色インクなどのインクカートリッジ31をさらに備えるように構成されてもよい。
往復動機構42は、その両端をフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸422と、キャリッジガイド軸422と平行に延在するタイミングベルト421とを有している。
【0030】
キャリッジ32は、往復動機構42のキャリッジガイド軸422に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト421の一部に固定されている。
キャリッジモータ41の作動により、プーリを介してタイミングベルト421を正逆走行させると、キャリッジガイド軸422に案内されて、印字手段3が往復動する。そして、この往復動の際に、印刷されるイメージデータ(印刷データ)に対応して、ヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100から適宜インク滴が吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
【0031】
給紙装置5は、その駆動源となる給紙モータ(M)51と、給紙モータ51の作動により回転する給紙ローラ52とを有している。
給紙ローラ52は、記録用紙Pの搬送経路(記録用紙P)を挟んで上下に対向する従動ローラ52aと駆動ローラ52bとで構成され、駆動ローラ52bは給紙モータ51に連結されている。これにより、給紙ローラ52は、トレイ21に設置した多数枚の記録用紙Pを、印刷装置4に向かって1枚ずつ送り込んだり印刷装置4から1枚ずつ排出したりするようになっている。なお、トレイ21に代えて、記録用紙Pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構成であってもよい。
【0032】
さらに給紙モータ51は、印字手段3の往復動作と連動して、画像の解像度に応じて、記録用紙Pの紙送りも行う。給紙動作と紙送り動作については、それぞれ別のモータで行うことも可能であり、また、電磁クラッチなどのトルク伝達の切り替えを行う部品によって同じモータで行うことも可能である。
制御部6は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やディジタルカメラ(DC)等のホストコンピュータ8から入力された印刷データに基づいて、印刷装置4や給紙装置5等を制御することにより記録用紙Pに印刷処理を行うものである。また、制御部6は、操作パネル7の表示部にエラーメッセージ等を表示させ、あるいはLEDランプ等を点灯/点滅させるとともに、操作部から入力された各種スイッチの押下信号に基づいて、対応する処理を各部に実行させるものである。さらに、制御部6は、必要に応じてエラーメッセージや吐出異常などの情報をホストコンピュータ8(図2)に転送することもある。
【0033】
図2は、本発明のインクジェットプリンタの主要部を概略的に示すブロック図である。この図2において、本発明のインクジェットプリンタ1は、ホストコンピュータ8から入力された印刷データなどを受け取るインターフェース部(IF:Interface)9と、制御部6と、キャリッジモータ41と、キャリッジモータ41を駆動制御するキャリッジモータドライバ43と、給紙モータ51と、給紙モータ51を駆動制御する給紙モータドライバ53と、ヘッドユニット35と、ヘッドユニット35を駆動制御するヘッドドライバ33と、回復手段24と、操作パネル7と、発光手段503と、受光手段504とを備える。なお、回復手段24については、詳細を後述する。
【0034】
この図2において、制御部6は、ヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100に対し印刷処理や反射板501、502(図7)間に液滴を吐出するように命令したり、発光手段503に対して発光命令したりするなどの各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)61と、ホストコンピュータ8からIF9を介して入力される印刷データを図示しないデータ格納領域に格納する不揮発性半導体メモリの一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)62と、CPU61が種々の命令を行うデータを含む各種データを一時的に格納し、あるいは印刷処理などのアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)63と、各部を制御する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリの一種であるPROM64とを備えている。なお、制御部6の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
【0035】
上述のように、印字手段3は、各色のインクに対応した複数のヘッドユニット35を備える。また、各ヘッドユニット35は、複数のノズル(吐出ノズル)110(図3)と、これらの各ノズル110にそれぞれ対応する静電アクチュエータ120(図3)とを備える。すなわち、ヘッドユニット35は、1組のノズル110および静電アクチュエータ120を有してなるインクジェットヘッド100(液滴吐出ヘッド)を複数個備えた構成になっている。そして、ヘッドドライバ33は、各インクジェットヘッド100の静電アクチュエータ120を駆動して、インクの吐出タイミングを制御する駆動回路(図示せず)を有している。なお、静電アクチュエータ120の構成については後述する。
【0036】
また、制御部6には、図示しないが、例えば、インクカートリッジ31のインク残量、印字手段3の位置、温度、湿度等の印刷環境等を検出可能な各種センサが、それぞれ電気的に接続されている。
制御部6は、IF9を介して、ホストコンピュータ8から印刷データを入手すると、その印刷データをEEPROM62に格納する。そして、CPU61は、この印刷データに所定の処理を実行して、この処理データおよび各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ33、43、53に駆動信号を出力する。各ドライバ33、43、53を介してこれらの駆動信号が入力されると、ヘッドユニット35の複数の静電アクチュエータ120、印刷装置4のキャリッジモータ41および給紙装置5がそれぞれ作動する。これにより、記録用紙Pに印刷処理が実行される。
【0037】
次に、印字手段3内の各ヘッドユニット35の構造を説明する。図3は、図1に示すヘッドユニット35(インクジェットヘッド100)の概略的な断面図であり、図4は、1色のインクに対応するヘッドユニット35の概略的な構成を示す分解斜視図であり、図5は、図3および図4に示すヘッドユニット35を適用した印字手段3のノズル面の一例を示す平面図である。なお、図3および図4は、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
【0038】
図3に示すように、ヘッドユニット35は、インク取入れ口131、ダンパ室130およびインク供給チューブ311を介して、インクカートリッジ31に接続されている。ここで、ダンパ室130は、ゴムからなるダンパ132を備えている。このダンパ室130により、キャリッジ32が往復走行する際のインクの揺れおよびインク圧の変化を吸収することができ、これにより、ヘッドユニット35に所定量のインクを安定的に供給することができる。
【0039】
また、ヘッドユニット35は、シリコン基板140を挟んで、上側に同じくシリコン製のノズルプレート150と、下側にシリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸ガラス基板(ガラス基板)160とがそれぞれ積層された3層構造をなしている。中央のシリコン基板140には、独立した複数のキャビティ(圧力室)141(図4では、7つのキャビティを示す)と、一つのリザーバ(共通インク室)143と、このリザーバ143を各キャビティ141に連通させるインク供給口(オリフィス)142としてそれぞれ機能する溝が形成されている。各溝は、例えば、シリコン基板140の表面からエッチング処理を施すことにより形成することができる。このノズルプレート150と、シリコン基板140と、ガラス基板160とがこの順序で接合され、各キャビティ141、リザーバ143、各インク供給口142が区画形成されている。
【0040】
これらのキャビティ141は、それぞれ短冊状(直方体状)に形成されており、後述する振動板121の振動(変位)によりその容積が可変であり、この容積変化によりノズル110からインク(液状材料)を吐出するよう構成されている。ノズルプレート150には、各キャビティ141の先端側の部分に対応する位置に、ノズル110が形成されており、これらが各キャビティ141に連通している。また、リザーバ143が位置しているガラス基板160の部分には、リザーバ143に連通するインク取入れ口131が形成されている。インクは、インクカートリッジ31からインク供給チューブ311、ダンパ室130を経てインク取入れ口131を通り、リザーバ143に供給される。リザーバ143に供給されたインクは、各インク供給口142を通って、独立した各キャビティ141に供給される。なお、各キャビティ141は、ノズルプレート150と、側壁(隔壁)144と、底壁121とによって、区画形成されている。
【0041】
独立した各キャビティ141は、その底壁121が薄肉に形成されており、底壁121は、その面外方向(厚さ方向)、すなわち、図3において上下方向に弾性変形(弾性変位)可能な振動板(ダイヤフラム)として機能するように構成されている。したがって、この底壁121の部分を、以後の説明の都合上、振動板121と称して説明することもある(すなわち、以下、「底壁」と「振動板」のいずれにも符号121を用いる)。
【0042】
ガラス基板160のシリコン基板140側の表面には、シリコン基板140の各キャビティ141に対応した位置に、それぞれ、浅い凹部161が形成されている。したがって、各キャビティ141の底壁121は、凹部161が形成されたガラス基板160の対向壁162の表面に、所定の間隙を介して対峙している。すなわち、キャビティ141の底壁121と後述するセグメント電極122の間には、所定の厚さ(例えば、0.2ミクロン程度)の空隙が存在する。なお、前記凹部161は、例えば、エッチングなどで形成することができる。
【0043】
ここで、各キャビティ141の底壁(振動板)121は、ヘッドドライバ33から供給される駆動信号によってそれぞれ電荷を蓄えるための各キャビティ141側の共通電極124の一部を構成している。すなわち、各キャビティ141の振動板121は、それぞれ、後述する対応する静電アクチュエータ120の対向電極(コンデンサの対向電極)の一方を兼ねている。そして、ガラス基板160の凹部161の表面には、各キャビティ141の底壁121に対峙するように、それぞれ、共通電極124に対向する電極であるセグメント電極122が形成されている。また、図3に示すように、各キャビティ141の底壁121の表面は、シリコンの酸化膜(SiO2)からなる絶縁層123により覆われている。このように、各キャビティ141の底壁121、すなわち、振動板121と、それに対応する各セグメント電極122とは、キャビティ141の底壁121の図3中下側の表面に形成された絶縁層123と凹部161内の空隙とを介し、対向電極(コンデンサの対向電極)を形成
(構成)している。したがって、振動板121と、セグメント電極122と、これらの間の絶縁層123および空隙とにより、静電アクチュエータ120の主要部が構成される。
【0044】
図3に示すように、これらの対向電極の間に駆動電圧を印加するための駆動回路(図示せず)を含むヘッドドライバ33は、制御部6から入力される印字信号(印字データ)に応じて、これらの対向電極間の充放電を行う。ヘッドドライバ(電圧印加手段)33の一方の出力端子は、個々のセグメント電極122に接続され、他方の出力端子は、シリコン基板140に形成された共通電極124の入力端子124aに接続されている。なお、シリコン基板140には不純物が注入されており、それ自体が導電性をもつために、この共通電極124の入力端子124aから底壁121の共通電極124に電圧を供給することができる。また、例えば、シリコン基板140の一方の面に金や銅などの導電性材料の薄膜を形成してもよい。これにより、低い電気抵抗で(効率良く)共通電極124に電圧(電荷)を供給することができる。この薄膜は、例えば、蒸着あるいはスパッタリング等によって形成すればよい。ここで、本実施形態では、例えば、シリコン基板140とガラス基板160とを陽極接合によって結合(接合)させるので、その陽極結合において電極として用いる導電膜をシリコン基板140の流路形成面側(図3に示すシリコン基板140の上部側)に形成している。そして、この導電膜をそのまま共通電極124の入力端子124aとして用いる。なお、本実施形態では、例えば、共通電極124の入力端子124aを省略してもよく、また、シリコン基板140とガラス基板160との接合方法は、陽極接合に限定されない。
【0045】
図4に示すように、ヘッドユニット35は、複数のノズル110が形成されたノズルプレート150と、複数のキャビティ141、複数のインク供給口142、一つのリザーバ143が形成されたシリコン基板140と、絶縁層123とを備え、これらがガラス基板160を含む基体170に収納されている。基体170は、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等で構成されており、この基体170にシリコン基板140が固定、支持されている。
【0046】
なお、ノズルプレート150に形成されたノズル110は、図4では簡潔に示すためにリザーバ143に対して略並行に直線的に配列されているが、ノズルの配列パターンはこの構成に限らず、通常は、例えば、図5に示すノズル配置パターンのように、段をずらして配置される。また、このノズル110間のピッチは、印刷解像度(dpi:dot per inch)に応じて適宜設定され得るものである。なお、図5では、4色のインク(インクカートリッジ31)を適用した場合におけるノズル110の配置パターンを示している。
【0047】
図6は、図3のIII−III断面の駆動信号入力時の各状態を示す。ヘッドドライバ33から対向電極間に駆動電圧が印加されると、対向電極間にクーロン力が発生し、底壁(振動板)121は、初期状態(図6(a))に対して、セグメント電極122側へ撓み、キャビティ141の容積が拡大する(図6(b))。この状態において、ヘッドドライバ33の制御により、対向電極間の電荷を急激に放電させると、振動板121は、その弾性復元力によって図中上方に復元し、初期状態における振動板121の位置を越えて上部に移動し、キャビティ141の容積が急激に収縮する(図2(c))。このときキャビティ141内に発生する圧縮圧力により、キャビティ141を満たすインク(液状材料)の一部が、このキャビティ141に連通しているノズル110からインク滴として吐出される。
【0048】
さて、ヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100では、前述したような吐出動作を行ったにもかかわらずノズル110からインク滴が正常に吐出されない現象、すなわち液滴の吐出異常が発生する場合がある。この吐出異常が発生する原因としては、例えば、(1)キャビティ141内への気泡の混入、(2)ノズル110付近でのインクの乾燥・増粘(固着)、(3)ノズル110出口付近への紙粉付着、等が挙げられる。
【0049】
この吐出異常が発生すると、その結果としては、典型的にはノズル110から液滴が吐出されないこと、すなわち液滴の不吐出現象が現れ、その場合、記録用紙Pに印刷(描画)した画像における画素のドット抜けを生じる。また、吐出異常の場合には、ノズル110から液滴が吐出されたとしても、液滴の量が過少であったり、その液滴の飛行方向(弾道)がずれたりして適正に着弾しないので、やはり画素のドット抜けとなって現れる。
そして、このようなインクジェットプリンタ1は、ヘッドユニット35(各インクジェットヘッド100)の吐出異常の有無、すなわちヘッドユニット35(各インクジェットヘッド100)からインク滴510が正常に吐出されるかどうかを検出する液滴不吐出検出装置50を備えている。
【0050】
図7(a)は、図1に示すインクジェットプリンタ1が備える液滴不吐出検出装置50の構成を示す平面図、図7(b)は、図7(a)に示す液滴不吐出検出装置50の検出領域507の周辺を示す側面図、図8は、図7(a)に示す液滴不吐出検出装置50の液滴検知ユニット511を覆うカバー512を示す断面図である。
【0051】
図7(a)に示すように、液滴不吐出検出装置50は、互いの反射面をほぼ平行に対向させて設置された一対の反射板501、502と、制御部6からの発光命令に従って光ビーム505を発する発光手段503と、例えばフォトダイオードなどで構成された受光手段504とを有している。これらの、反射板501、502と、発光手段503と、受光手段504とで、液滴検知ユニット511が構成される。
【0052】
発光手段503は、反射板501(または反射板502)の一端付近(図7(a)中の右側)に向けて、光ビーム505を発する。発光手段503から発せられた光ビーム505は、まず反射板501で反射し、その反射光が反射板502で反射し、というように反射板501と反射板502とで交互に繰り返し反射しつつ進行し、徐々に反射板501、502の他端側(図7(a)中の左側)に移行していく。そして、光ビーム505は、反射板502(または反射板501)の他端を超える位置まで移行すると、反射板502(または反射板501)の他端側に設置された受光手段504に入射する。受光手段504からの出力信号は、制御部6に入力される(図2参照)。本実施形態では、制御部6が、インク滴510の吐出異常の有無を検出(判定)する検出手段として機能するが、この検出手段は制御部6と別個に設けられていてもよく、また、電子回路によりハード的に構成されたものでもよい。
【0053】
本実施形態の液滴不吐出検出装置50は、ベース(支持部材)506をさらに有しており、反射板501、502と、発光手段503と、受光手段504とは、この一つの(共通の)ベース506に設置されている。これにより、インクジェットプリンタ1を長期間使用しても、反射板501、502、発光手段503、受光手段504の間の相対的な位置精度に狂いを生じるようなことを確実に防止することができ、高い信頼性が得られる。
【0054】
このような液滴不吐出検出装置50では、反射板501と反射板502との間の空間の一部または全部が検出領域(検出空間)507となり、この検出領域507を通過したインク滴510を検出することができる。
この検出領域507では、反射板501、502の一端側から他端側に向かい、繰り返し反射した光ビーム505が並列して位置するようになっている。検出領域507においては、隣り合って位置する光ビーム505同士の隙間は、インク滴510の直径より小さく設定されるのが好ましい。これにより、検出領域507のどこをインク滴510が通過しても、確実にそのインク滴510を検出することができる。なお、検出領域507においては、隣り合って位置する光ビーム505同士の間隔(ピッチ)が光ビーム505のビーム径より小さくてもよい、すなわち、隣り合って位置する光ビーム505同士が一部重なっていてもよい。
【0055】
ベース506には、検出領域507に相当する位置に開口508が形成されている。この開口508は、検出領域507の投影面積と同じかまたはやや大きい面積で形成されている。ヘッドユニット35(各インクジェットヘッド100)から検出領域507に向けて吐出されたインク滴510は、検出領域507、開口508を順次通過して、ベース506の反対側に飛行する。
【0056】
図7(b)に示すように、ヘッドユニット35(各インクジェットヘッド100)の吐出異常の有無を検出する際には、ヘッドユニット35(各インクジェットヘッド100)は、制御部6からの命令に基づき、検出領域507に向けてインク滴510を吐出するべく、吐出動作を行う。これに対し、制御部6は、受光手段504の出力信号のレベル変化の有無に基づいて吐出異常の有無を検出(判定)する。すなわち、ヘッドユニット35(各インクジェットヘッド100)から正常にインク滴510が吐出された場合には、インク滴510によって光ビーム505が遮られ、受光手段504に入射する光量が減少するため、受光手段504にて電気信号に変化されたときの電圧が小さくなる。よって、制御部6は、受光手段504からの出力信号の電圧レベルが低下した場合には、インク滴510が正常に吐出されている(インクジェットヘッド100の吐出異常はない)と判定する。これに対し、制御部6は、受光手段504からの出力信号の電圧レベルの変化がない(または変化が微弱な)場合には、インク滴510が正常に吐出されていない(インクジェットヘッド100の吐出異常がある)と判定する。
【0057】
このような本発明の液滴不吐出検出装置50では、図7(a)に示すように光ビーム505を反射板501、502で交互に繰り返し反射させるので、検出領域507を広く確保することができる。このため、ヘッドユニット35(各インクジェットヘッド100)のノズル110と、検出領域507との位置関係を高精度に設定(制御)する必要がない、という利点がある。よって、インクジェットプリンタ1は、液滴不吐出検出装置50に関連して、高い組み立て精度や位置精度を要求されないので、容易に組み立て・製造を行うことができ、また、液滴不吐出検出装置50は、長期間の使用に際しても高い信頼性を維持することができる。
【0058】
検出領域507の広さは、特に限定されないが、例えば、ヘッドユニット35におけるノズル110が配列されている領域の面積より少し大きい程度とすることができる。これにより、ヘッドユニット35を液滴検知ユニット511に対し静止したまま、各インクジェットヘッド100について吐出異常の有無の検出を行うことができる。
【0059】
なお、反射板501、502での光ビーム505の反射回数の総数は、特に限定されないが、検出領域507を広く確保することと、発光手段503の出力、受光手段504の感度、および反射板501と502との間による減衰とを考慮して、通常は、10〜300回程度が好ましい。
また、インク滴の検出領域507がインク滴を吐出する全てのノズル領域をカバーできない場合には、ノズル領域を複数のブロックに分割し、ヘッドユニット35を移動しながら各ブロックごとにインク滴の検出を行うことができる。
【0060】
本実施形態の液滴不吐出検出装置50は、発光手段503から出射する光ビーム505の光軸方向を調整する調整機構(調整手段)515をさらに備えている。調整機構515は、発光手段503を回動可能に支持する支点515aと、発光手段503の回動位置(角度)を調整して固定するネジ機構515bとで構成されている。この調整機構515によって発光手段503から出射する光ビーム505の光軸方向を微調整すると、反射板501、502に対する光ビーム505の入射角が調整され、これにより、検出領域507における並列して位置する光ビーム505の粗密の程度の調整、すなわち、検出領域507における隣り合う光ビーム505同士の間隔の調整を行うことができる。
【0061】
また、発光手段503としては、特に限定されず、いかなるものでもよいが、例えば、単波長の光ビーム505を発する半導体レーザ等が好ましく用いられる。また、その場合、光ビーム505の波長は特に限定されないが、例えば650nmあるいは780nm程度とすることができる。
また、反射板501、502の反射面の反射率は、光ビーム505の中心波長に対し、80%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。これにより、光ビーム505の繰り返しの反射による減衰を少なくすることができ、検出精度の向上が図れる。
【0062】
反射板501、502の構成材料は、特に限定されないが、アルミニウムであるのが好ましい。アルミニウムは、光反射率が比較的高く、かつ機械加工性も優れているので表面(反射面)の平滑度を高くすることが可能であるからである。また、反射面の反射率をさらに高める方法として、アルミニウムの表面に銀、金、銅などの光反射率の高い金属材料を蒸着したもの、多層の誘電体膜を蒸着したものなどがあり、このようなものを用いることが特に好ましい。(下記表1を参照)
【0063】
【表1】
【0064】
また、本実施形態のインクジェットプリンタ1は、ベース506を移動させる図示しない移動手段を有している。これにより、液滴不吐出検出装置50では、液滴検知ユニット511を図7(b)の紙面に垂直な方向に移動可能になっている。この移動手段の作動により、インクジェットプリンタ1では、ヘッドユニット35(インクジェットヘッド100)の吐出異常の検出を行うときには、ヘッドユニット35(インクジェットヘッド100)と、後述するキャップ310との間に液滴検知ユニット511を挿入(移動)する(図7(b)に示す状態)。これにより、液滴不吐出検出装置50に専用のインク滴受け皿が不要となり、キャップ310で兼用することができるので、インクジェットプリンタ1の構造の合理化、小型化が図れる。そして、吐出異常の検出を行わないとき(印刷時や、キャップ310を用いたポンプ吸引時など)には、ヘッドユニット35(インクジェットヘッド100)とキャップ310との間から液滴検知ユニット511を退避させる。
【0065】
また、図8に示すように、本実施形態の液滴不吐出検出装置50は、液滴検知ユニット511を覆う位置と覆わない位置とに相対的に移動可能に設置されたカバー512をさらに備えている。吐出異常の有無の検出を行わないときには、液滴検知ユニット511は、このカバー512に覆われている。これにより、液滴検知ユニット511の各部にゴミ、紙粉、インクミスト等が付着するのを防止することができ、光ビーム505の反射効率が低下したりするような事態を回避できるので、インクジェットプリンタ1の長期間の使用後でも、液滴不吐出検出装置50の信頼性を維持することができる。
【0066】
このカバー512は、図示しないカバー移動手段によって移動することにより、液滴検知ユニット511を覆う位置と覆わない位置とに移動する。あるいは、カバー512を固定とし、液滴検知ユニット511(ベース506)が移動するのに伴って、液滴検知ユニット511がカバー512内から出たり入ったりするようになっていてもよい。
【0067】
次に、液滴不吐出検出装置50の動作について説明する。
まず、制御部6は、ヘッドユニット35が例えばホームポジションのように液滴不吐出検出装置50の作動可能位置にあるか否かを判定し、作動可能位置に位置していない場合には、キャリッジガイド軸422によってガイドしながら、ヘッドユニット35をホームポジションに移動させる。
【0068】
次いで、制御部6は、図示しない移動手段によって、液滴検知ユニット511をヘッドユニット35とキャップ310との間に移動して、ヘッドユニット35とキャップ310との間に検出領域507を位置合わせさせる。
次いで、制御部6は、発光手段503に対して、発光命令を行う。すると、発光手段503は、この発光命令に従って光ビーム505を発する。光ビーム505は、反射板501、502間で反射していき、受光手段504に到達する。
【0069】
受光手段504は、反射板501、502で繰り返し反射してきた光ビーム505を受光して、光ビーム505の光量に応じたレベルの電気信号を制御部6へ出力する。
この状態で、制御部6からヘッドユニット35のインクジェットヘッド100にインク滴510の吐出命令がされると、命令されたインクジェットヘッド100は吐出動作を行い、ノズル詰まり等の吐出異常がなければ、ノズル110から所定量のインク滴510が吐出される。なお、このとき、ヘッドユニット35を静止させたままで吐出動作を行っても、キャリッジガイド軸422に沿ってヘッドユニット35を移動させながら吐出動作を行ってもよい。
【0070】
インク滴510は染料や顔料などの色材を含んでいて光ビーム505の透過率が低いため、インク滴510が検出領域507を通過して光ビーム505を遮ると、受光手段504で受光される光ビーム505の光量が減少する。よって、受光手段504から出力されている電気信号のレベルが低下する。このため、制御部6(検出手段)は、ノズル110から所定量のインク滴510が吐出されているということを検出(判定)することができる。
【0071】
なお、ヘッドユニット35から吐出されたインク滴510は、キャップ310内に設置されたインク吸収体330に着弾するので、その位置で飛び散ったりすることなく吸収される。なお、インク吸収体330のインクの吸収量が多くなると、飽和したインクはキャップ310の下方へ染み出して、排インクカートリッジ340(図12参照)へ流れていく。
【0072】
一方、制御部6からインクジェットヘッド100に対してインク滴510の吐出命令がされたときに、当該インクジェットヘッド100に異常があると、ノズル110から所定量のインク滴510が吐出されないことになる。
この場合には、光ビーム505の透過率がさほど低下しない、あるいは、全く低下しないことになるので、受光手段504で受光される光ビーム505の光量が減少せず、受光手段504から出力されている電気信号のレベルは維持される。このため、制御部6(検出手段)は、ノズル110から所定量のインク滴510が吐出されていないということを検出(判定)することができる。
このようにして、液滴不吐出検出手段50は、ヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100について、吐出異常の有無を検出することができる。
【0073】
図9(a)は、本発明の液滴不吐出検出装置の他の実施形態を示す平面図、図9(b)は、図9(a)に示す液滴不吐出検出手段50’における発光手段503’から発せられる光ビーム505a〜505cのビーム径および間隔とインク液滴510との大小関係を示す図である。以下、これらの図に基づいて本発明の液滴不吐出検出装置の他の実施形態について説明するが、前記図7(a)の液滴不吐出検出装置50との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0074】
図9(a)に示す液滴不吐出検出手段50’は、前記の発光手段503に代えて、複数(ここでは3つ)の光ビーム505a〜505cを発する発光手段503’を備えている。発光手段503’からは、3本の光ビーム505a〜505cが平行に発せられ、これらの光ビーム505a〜505cは、前記と同様に、反射板501、502で交互に繰り返し反射しながら進行し、受光手段504に入射する。
【0075】
図9(b)に示すように、光ビーム505a〜505cの相互の隙間は、インク滴510の直径よりも狭くされている。これにより、インク滴510は、光ビーム505a〜505cのいずれかを遮ることなく光ビーム505a〜505cの間をすり抜けることはないので、液滴不吐出検出手段50’は、インク滴510を確実に検出することができる。すなわち、実際には所定量のインク滴510が正常に吐出されているにもかかわらず、吐出異常であると誤って判定することが防止される。
【0076】
このように本実施形態では、3本の光ビーム505a〜505cが隣り合って並んでいるので、検出可能な幅が大きい。よって、反射板501、502での反射回数が少なくても検出領域507を光ビーム505a〜505cでカバーすることができる。よって、受光手段504に到達するまでの光ビーム505a〜505cの減衰を少なくすることができるので、検出精度をより高くすることができる。また、発光手段503’が発する光ビーム505a〜505cの光量が小さくても、検出が可能となる。
【0077】
次に、本発明の液滴吐出装置におけるインクジェットヘッド100(ヘッドユニット35)に対し、吐出異常(ヘッド異常)の原因を解消させる回復処理を実行する構成(回復手段24)について説明する。図10は、図1に示すインクジェットプリンタ1の上部から見た概略的な構造(一部省略)を示す図である。この図10に示すインクジェットプリンタ1は、図1の斜視図で示した構成以外に、インク滴不吐出(ヘッド異常)の回復処理を実行するためのワイパ300とキャップ310とを備える。
【0078】
回復手段24が実行する回復処理としては、各インクジェットヘッド100のノズル110から液滴を予備的に吐出するフラッシング処理と、後述するワイパ300(図11参照)によるワイピング処理と、後述するチューブポンプ320によるポンピング処理(ポンプ吸引処理)が含まれる。すなわち、回復手段24は、チューブポンプ320およびそれを駆動するパルスモータと、ワイパ300およびワイパ300の上下動駆動機構と、キャップ310の上下動駆動機構(図示せず)とを備え、フラッシング処理においてはヘッドドライバ33およびヘッドユニット35などが、また、ワイピング処理においてはキャリッジモータ41などが回復手段24の一部として機能する。
【0079】
ここで、ワイピング処理とは、ヘッドユニット35のノズルプレート150(ノズル面)に付着した紙粉などの異物をワイパ300により拭き取る処理のことをいう。また、ポンピング処理(ポンプ吸引処理)とは、後述するチューブポンプ320を駆動して、ヘッドユニット35の各ノズル110から、キャビティ141内のインクを吸引して排出する処理をいう。このように、ワイピング処理は、上述のようなインクジェットヘッド100の液滴の吐出異常の原因の一つである紙粉付着の状態における回復処理として適切な処理である。また、ポンプ吸引処理は、前述のフラッシング処理では取り除けないキャビティ141内の気泡を除去し、あるいは、ノズル110付近のインクが乾燥によりまたはキャビティ141内のインクが経年劣化により増粘した場合に、増粘したインクを除去する回復処理として適切な処理である。なお、それほど増粘が進んでおらず粘度がそれほど大きくない場合には、上述のフラッシング処理による回復処理も行われ得る。この場合、排出するインク量が少ないので、スループットやランニングコストを低下させずに適切な回復処理を行うことができる。
【0080】
図10に示すように、ヘッドユニット35は、キャリッジ32に搭載され、2本のキャリッジガイド軸422にガイドされてキャリッジモータ41により、図中その上端に備えられた連結部34を介してタイミングベルト421に連結して移動する。キャリッジ32に搭載されたヘッドユニット35は、キャリッジモータ41の駆動により移動するタイミングベルト421を介して(タイミングベルト421に連動して)主走査方向に移動可能である。なお、キャリッジモータ41は、タイミングベルト421を連続的に回転させるためのプーリの役割を果たし、他端側にも同様にプーリ44が備えられている。
【0081】
また、キャップ310は、ヘッドユニット35のノズルプレート150(図5参照)のキャッピングを行うためのものである。キャップ310には、その底部側面に孔が形成され、後述するように、チューブポンプ320の構成要素である可撓性のチューブ321が接続されている。なお、チューブポンプ320については、図13において後述する。
【0082】
記録(印字)動作時には、所定のインクジェットヘッド100(液滴吐出ヘッド)の静電アクチュエータ120を駆動しながら、記録用紙Pは、副走査方向、すなわち、図10中下方に移動し、印字手段3は、主走査方向、すなわち、図10中左右に移動することにより、インクジェットプリンタ(液滴吐出装置)1は、ホストコンピュータ8から入力された印刷データ(印字データ)に基づいて所定の画像などを記録用紙Pに印刷(記録)する。
【0083】
図11は、図10に示すワイパ300と印字手段3(ヘッドユニット35)との位置関係を示す図である。この図11において、印字手段3(ヘッドユニット35)とワイパ300は、図10に示すインクジェットプリンタ1の図中下側から上側を見た場合の側面図の一部として示される。ワイパ300は、図11(a)に示すように、印字手段3のノズル面、すなわち、ヘッドユニット35のノズルプレート150と当接可能なように、上下移動可能に配置される。
【0084】
ここで、ワイパ300を利用する回復処理であるワイピング処理について説明する。ワイピング処理を行う際、図11(a)に示すように、ノズル面(ノズルプレート150)よりもワイパ300の先端が上側に位置するように図示しない駆動装置によってワイパ300は上方に移動される。この場合において、キャリッジモータ41を駆動して図中左方向(矢印の方向)に印字手段3を移動させると、ワイピング部材301がノズルプレート150(ノズル面)に当接することになる。
【0085】
なお、ワイピング部材301は可撓性のゴム部材等から構成されるので、図11(b)に示すように、ワイピング部材301のノズルプレート150と当接する先端部分は撓み、その先端部によってノズルプレート150(ノズル面)の表面をクリーニング(拭き掃除)する。これにより、ノズルプレート150(ノズル面)に付着した紙粉などの異物(例えば、紙粉、空気中に浮遊するごみ、ゴムの切れ端など)を除去することができる。また、このような異物の付着状態に応じて(異物が多く付着している場合には)、印字手段3(ヘッドユニット35)にワイパ300の上方を往復移動させることによって、ワイピング処理を複数回実施することもできる。
【0086】
図12は、ポンプ吸引処理時における、ヘッドユニット35と、キャップ310およびポンプ320との関係を示す図である。チューブ321は、ポンピング処理(ポンプ吸引処理)におけるインク排出路を形成するものであり、その一端は、上述のように、キャップ310の底部に接続され、他端は、チューブポンプ320を介して排インクカートリッジ340に接続されている。
【0087】
キャップ310の内部底面には、インク吸収体330が配置されている。このインク吸収体330は、ポンプ吸引処理やフラッシング処理においてインクジェットヘッド100のノズル110から吐出されるインクを吸収して、一時貯蔵する。なお、インク吸収体330によって、キャップ310内へのフラッシング動作時に、吐出された液滴が跳ね返ってノズルプレート150を汚すことを防止することができる。
【0088】
図13は、図12に示すチューブポンプ320の構成を示す概略図である。この図13(B)に示すように、チューブポンプ320は、回転式ポンプであり、回転体322と、その回転体322の円周部に配置された4つのローラ323と、ガイド部材350とを備えている。なお、ローラ323は、回転体322により支持されており、ガイド部材350のガイド351に沿って円弧状に載置された可撓性のチューブ321を加圧するものである。
【0089】
このチューブポンプ320は、軸322aを中心にして回転体322を図13(B)に示す矢印X方向に回転させることにより、チューブ321に当接している一つまたは2つのローラ323が、Y方向に回転しながら、ガイド部材350の円弧状のガイド351に載置されたチューブ321を順次加圧する。これにより、チューブ321が変形し、このチューブ321内に発生した負圧により、各インクジェットヘッド100のキャビティ141内のインク(液状材料)がキャップ310を介して吸引され、気泡が混入し、あるいは乾燥により増粘した不要なインクがノズル110を介して、インク吸収体330に排出され、このインク吸収体330に吸収された排インクがチューブポンプ320を介して排インクカートリッジ340(図12参照)に排出される。
【0090】
なお、このチューブポンプ320は、図示しないパルスモータなどのモータにより駆動される。パルスモータは、制御部6により制御される。チューブポンプ320の回転制御に対する駆動情報、例えば、回転速度、回転数が記述されたルックアップテーブル、シーケンス制御が記述された制御プログラムなどは、制御部6のPROM64などに格納されており、これらの駆動情報に基づいて、制御部6のCPU61によってチューブポンプ320の制御が行われている。
【0091】
さて、このような回復手段24を備えるインクジェットプリンタ1では、液滴不吐出検出装置50によりヘッドユニット35の各インクジェットヘッド100に対して吐出異常の有無の検出を行った結果、吐出異常が検出された場合には、回復手段24によって、上述したフラッシング処理、ポンピング処理、ワイピング処理のうちの少なくとも1つの回復処理を行うように作動する。これにより、吐出異常が生じたインクジェットヘッド100を正常な状態に回復させることができ、その後の印刷動作において吐出異常(ドット抜け)が発生するのを防止することができる。
【0092】
また、このようにして回復手段24による回復処理を行った場合には、その後、液滴不吐出検出装置50による検出を再度行うことが好ましい。これにより、回復処理によって、インクジェットヘッド100の異常が解消されたかどうか(正常状態に回復したかどうか)を確認することができ、その後の印刷動作において吐出異常(ドット抜け)が発生するのをより確実に防止することができる。なお、この再度の検出によっても吐出異常が検出された場合には、回復手段24によるフラッシング処理、ポンピング処理、ワイピング処理のうちの少なくとも1つの回復処理を行うのが好ましい。
【0093】
次に、本発明における液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の他の構成例について説明する。本発明における液滴吐出ヘッドは、前述したインクジェットヘッド100のような構成のものに限らず、いかなるものでもよく、例えば、以下に説明するインクジェットヘッド100A〜100Eのような構成のものであってもよい。
【0094】
図14〜図17は、それぞれ、インクジェットヘッド(ヘッドユニット)の他の構成例を示す断面図である。図18および図19は、インクジェットヘッド(ヘッドユニット)のさらに他の構成例を示す斜視図および断面図である。以下、これらの図に基づいて説明するが、前述した実施形態と相違する点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0095】
図14に示すインクジェットヘッド100Aは、圧電素子200の駆動により振動板212が振動し、キャビティ208内のインク(液体)がノズル203から吐出するものである。ノズル(孔)203が形成されたステンレス鋼製のノズルプレート202には、ステンレス鋼製の金属プレート204が接着フィルム205を介して接合されており、さらにその上に同様のステンレス鋼製の金属プレート204が接着フィルム205を介して接合されている。そして、その上には、連通口形成プレート206およびキャビティプレート207が順次接合されている。
【0096】
ノズルプレート202、金属プレート204、接着フィルム205、連通口形成プレート206およびキャビティプレート207は、それぞれ所定の形状(凹部が形成されるような形状)に成形され、これらを重ねることにより、キャビティ208およびリザーバ209が形成される。キャビティ208とリザーバ209とは、インク供給口210を介して連通している。また、リザーバ209は、インク取入れ口211に連通している。
【0097】
キャビティプレート207の上面開口部には、振動板212が設置され、この振動板212には、下部電極213を介して圧電素子(ピエゾ素子)200が接合されている。また、圧電素子200の下部電極213と反対側には、上部電極214が接合されている。ヘッドドライバ215は、駆動電圧波形を生成する駆動回路を備え、上部電極214と下部電極213との間に駆動電圧波形を印加(供給)することにより、圧電素子200が振動し、それに接合された振動板212が振動する。この振動板212の振動によりキャビティ208の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ208内に充填されたインク(液体)がノズル203より液滴として吐出する。
液滴の吐出によりキャビティ208内で減少した液量は、リザーバ209からインクが供給されて補給される。また、リザーバ209へは、インク取入れ口211からインクが供給される。
【0098】
図15に示すインクジェットヘッド100Bも前記と同様に、圧電素子200の駆動によりキャビティ221内のインク(液体)がノズルから吐出するものである。このインクジェットヘッド100Bは、一対の対向する基板220を有し、両基板220間に、複数の圧電素子200が所定間隔をおいて間欠的に設置されている。
【0099】
隣接する圧電素子200同士の間には、キャビティ221が形成されている。キャビティ221の図15中前方にはプレート(図示せず)、後方にはノズルプレート222が設置され、ノズルプレート222の各キャビティ221に対応する位置には、ノズル(孔)223が形成されている。
【0100】
各圧電素子200の一方の面および他方の面には、それぞれ、一対の電極224が設置されている。すなわち、一つの圧電素子200に対し、4つの電極224が接合されている。これらの電極224のうち所定の電極間に所定の駆動電圧波形を印加することにより、圧電素子200がシェアモード変形して振動し(図15において矢印で示す)、この振動によりキャビティ221の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ221内に充填されたインク(液体)がノズル223より液滴として吐出する。すなわち、インクジェットヘッド100Bでは、圧電素子200自体が振動板として機能する。
【0101】
図16に示すインクジェットヘッド100Cも前記と同様に、圧電素子200の駆動によりキャビティ233内のインク(液体)がノズル231から吐出するものである。このインクジェットヘッド100Cは、ノズル231が形成されたノズルプレート230と、スペーサ232と、圧電素子200とを備えている。圧電素子200は、ノズルプレート230に対しスペーサ232を介して所定距離離間して設置されており、ノズルプレート230と圧電素子200とスペーサ232とで囲まれる空間にキャビティ233が形成されている。
【0102】
圧電素子200の図16中上面には、複数の電極が接合されている。すなわち、圧電素子200のほぼ中央部には、第1電極234が接合され、その両側部には、それぞれ第2の電極235が接合されている。第1電極234と第2電極235との間に所定の駆動電圧波形を印加することにより、圧電素子200がシェアモード変形して振動し(図16において矢印で示す)、この振動によりキャビティ233の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ233内に充填されたインク(液体)がノズル231より液滴として吐出する。すなわち、インクジェットヘッド100Cでは、圧電素子200自体が振動板として機能する。
【0103】
図17に示すインクジェットヘッド100Dも前記と同様に、圧電素子200の駆動によりキャビティ245内のインク(液体)がノズル241から吐出するものである。このインクジェットヘッド100Dは、ノズル241が形成されたノズルプレート240と、キャビティプレート242と、振動板243と、複数の圧電素子200を積層してなる積層圧電素子201とを備えている。
【0104】
キャビティプレート242は、所定の形状(凹部が形成されるような形状)に成形され、これにより、キャビティ245およびリザーバ246が形成される。キャビティ245とリザーバ246とは、インク供給口247を介して連通している。また、リザーバ246は、インク供給チューブ311を介してインクカートリッジ31と連通している。
【0105】
積層圧電素子201の図17中下端は、中間層244を介して振動板243と接合されている。積層圧電素子201には、複数の外部電極248および内部電極249が接合されている。すなわち、積層圧電素子201の外表面には、外部電極248が接合され、積層圧電素子201を構成する各圧電素子200同士の間(または各圧電素子の内部)には、内部電極249が設置されている。この場合、外部電極248と内部電極249の一部が、交互に、圧電素子200の厚さ方向に重なるように配置される。
【0106】
そして、外部電極248と内部電極249との間にヘッドドライバ33より駆動電圧波形を印加することにより、積層圧電素子201が図17中の矢印で示すように変形して(図17上下方向に伸縮して)振動し、この振動により振動板243が振動する。この振動板243の振動によりキャビティ245の容積(キャビティ内の圧力)が変化し、キャビティ245内に充填されたインク(液体)がノズル241より液滴として吐出する。
液滴の吐出によりキャビティ245内で減少した液量は、リザーバ246からインクが供給されて補給される。また、リザーバ246へは、インクカートリッジ31からインク供給チューブ311を介してインクが供給される。
【0107】
図18および図19に示すヘッドユニット35(インクジェットヘッド100E)は、いわゆる膜沸騰インクジェット方式(サーマルジェット方式)によるもので、支持板410と、基板420と、外壁430および隔壁431と、天板440とが、図18および図19中下側からこの順に接合された構成のものである。
【0108】
基板420と天板440とは、外壁430および等間隔で平行に配置された複数(図示の例では6枚)の隔壁431を介して所定の間隔をおいて設置されている。そして、基板420と天板440との間には、隔壁431によって区画された複数(図示の例では5個)のキャビティ(圧力室:インク室)141が形成されている。各キャビティ141は、短冊状(直方体状)をなしている。
【0109】
また、図18および図19に示すように、各キャビティ141の図19中左側端部(図18中上端)は、ノズルプレート(前板)433により覆われている。このノズルプレート433には、各キャビティ141に連通するノズル(孔)110が形成されており、このノズル110からインク(液状材料)が吐出する。図18では、ノズルプレート433に対しノズル110が直線的に、すなわち列状に配置されているが、ノズルの配置パターンはこれに限定されないことは言うまでもない。
【0110】
なお、ノズルプレート433を設けず、各キャビティ141の図18中上端(図19中左端)が開放しており、この開放した開口がノズルとなるような構成のものでもよい。
また、天板440には、インク取り入れ口441が形成され、該インク取り入れ口441には、インク供給チューブ311を介して、インクカートリッジ31に接続されている。
【0111】
基板420の各キャビティ141に対応する箇所には、それぞれ、発熱体450が設置(埋設)されている。各発熱体450は、ヘッドドライバ(通電手段)33により、それぞれ別個に通電され、発熱する。ヘッドドライバ33は、制御部6から入力される印刷信号(印刷データ)に応じ、発熱体450の駆動信号として例えばパルス状の信号を出力する。
【0112】
また、発熱体450のキャビティ141側の面は、保護膜(耐キャビテーション膜)451で覆われている。この保護膜451は、発熱体450がキャビティ141内のインクと直接接触するのを防止するために設けられたものである。この保護膜451を設けることにより、発熱体450がインクと接触することによる変質、劣化等を防止することができる。
【0113】
次に、インクジェットヘッド100Eの作用(作動原理)について説明する。ヘッドドライバ33から駆動信号(パルス信号)が出力されて発熱体450に通電されると、発熱体450は、瞬時に300℃以上の温度に発熱する。これにより、保護膜451上に膜沸騰による気泡(前述した吐出異常の原因となるキャビティ内に混入、発生する気泡とは異なる)480が発生し、該気泡480は瞬時に膨張する。これにより、キャビティ141内に満たされたインク(液状材料)の液圧が増大し、インクの一部がノズル110から液滴として吐出される。
インク滴の吐出によりキャビティ141内で減少した液量は、インク取り入れ口441から新たなインクがキャビティ141内に供給されて補給される。このインクは、インクカートリッジ31からインク供給チューブ311内を通って供給される。
【0114】
以上、本発明の液滴不吐出検出装置および液滴吐出装置を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、液滴不吐出検出装置あるいは液滴吐出装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができ、また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【0115】
なお、本発明では、液滴吐出ヘッド(上述の実施形態では、インクジェットヘッド100)から吐出する吐出対象液(液滴)としては、特に限定されず、例えば以下のような各種の材料を含む液体(サスペンション、エマルション等の分散液を含む)とすることができる。すなわち、カラーフィルタのフィルタ材料(インク)、有機EL(Electro Luminescence)装置におけるEL発光層を形成するための発光材料、電子放出装置における電極上に蛍光体を形成するための蛍光材料、PDP(Plasma Display Panel)装置における蛍光体を形成するための蛍光材料、電気泳動表示装置における泳動体を形成する泳動体材料、基板Wの表面にバンクを形成するためのバンク材料、各種コーティング材料、電極を形成するための液状電極材料、2枚の基板間に微小なセルギャップを構成するためのスペーサを構成する粒子材料、金属配線を形成するための液状金属材料、マイクロレンズを形成するためのレンズ材料、レジスト材料、光拡散体を形成するための光拡散材料、DNAチップやプロテインチップなどのバイオセンサに利用する各種試験液体材料などである。
また、本発明では、液滴を吐出する対象となる液滴受容物は、記録用紙のような紙に限らず、フィルム、織布、不織布等の他のメディアや、ガラス基板、シリコン基板等の各種基板のようなワークであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出装置の一種であるインクジェットプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】本発明のインクジェットプリンタ(液滴吐出装置)の主要部を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1に示すインクジェットプリンタにおけるヘッドユニット(インクジェットヘッド)の概略的な断面図である。
【図4】図3のヘッドユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図5】4色インクを用いるヘッドユニットのノズルプレートのノズル配置パターンの一例である。
【図6】図3のIII−III断面の駆動信号入力時の各状態を示す状態図である。
【図7】図1に示すインクジェットプリンタが備える液滴不吐出検出装置の構成を示す平面図、および、液滴不吐出検出装置の検出領域の周辺を示す側面図である。
【図8】図7に示す液滴不吐出検出装置における液滴検知ユニットを覆うカバーを示す断面図である。
【図9】本発明の液滴不吐出検出装置の他の実施形態を示す平面図、および、発光手段から発せられる光ビームのビーム径および間隔とインク液滴との大小関係を示す図である。
【図10】図1に示すインクジェットプリンタの上部から見た概略的な構造(一部省略)を示す図である。
【図11】図10に示すワイパとヘッドユニットとの位置関係を示す図である。
【図12】ポンプ吸引処理時における、ヘッドユニットと、キャップおよびポンプとの関係を示す図である。
【図13】図12に示すチューブポンプの構成を示す概略図である。
【図14】本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図である。
【図15】本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図である。
【図16】本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図である。
【図17】本発明におけるインクジェットヘッドの他の構成例の概略を示す断面図である。
【図18】本発明におけるインクジェットヘッドのさらに他の構成例を示す斜視図である。
【図19】図18に示すインクジェットヘッドの断面図である。
【図20】従来の光学式のインク滴検出方法の原理を示す模式図である。
【符号の説明】
1……インクジェットプリンタ 2……装置本体 21……トレイ 22……排紙口 3……印字手段 31……インクカートリッジ 311……インク供給チューブ 32……キャリッジ 33……ヘッドドライバ 34……連結部 35……ヘッドユニット 4……印刷装置 41……キャリッジモータ 42……往復動機構 421……タイミングベルト 422……キャリッジガイド軸 43……キャリッジモータドライバ 44……プーリ 5……給紙装置 51……給紙モータ 52……給紙ローラ 52a……従動ローラ 52b……駆動ローラ 53……給紙モータドライバ 6……制御部 61……CPU 62……EEPROM 63……RAM 64……PROM 7……操作パネル 8……ホストコンピュータ 9……IF 24……回復手段 100、100A〜100E……インクジェットヘッド 110……ノズル 120……静電アクチュエータ 121……振動板(底壁) 122……セグメント電極 123……絶縁層
124……共通電極 124a……入力端子 130……ダンパ室 131……インク取入れ口 132……ダンパ 140……シリコン基板 141……キャビティ 142……インク供給口 143……リザーバ 150……ノズルプレート 160……ガラス基板 161……凹部 162……対向壁 200……圧電素子 201……積層圧電素子 202、222、230、240……ノズルプレート 203、223、231、241……ノズル 204……金属プレート 205……接着フィルム 206……連通口形成プレート 207、242……キャビティプレート 208、221、233、245……キャビティ
209、246……リザーバ 210、247……インク供給口 211……インク取入れ口 212、243……振動板 213……下部電極 214……上部電極 215……ヘッドドライバ 220……基板 224……電極 232……スペーサ 234……第1電極 235……第2電極 244……中間層
248……外部電極 249……内部電極 300……ワイパ 301……ワイピング部材 310……キャップ 320……チューブポンプ(回転式ポンプ) 321……(可撓性)チューブ 322……回転体 322a……軸 323……ローラ 330……インク吸収体 340……排インクカートリッジ 350……ガイド部材 351……ガイド 50、50’……液滴不吐出検出装置
501、502……反射板 503、503’……発光手段 504……受光手段 505、505a〜505c……光ビーム 506……ベース 507……検出領域 508……開口 510……インク滴 511……液滴検知ユニット 512……カバー 515……調整機構 515a……支点 515b……ネジ機構 P……記録用紙[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a droplet non-discharge detection device and a droplet discharge device.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when the nozzle hole of the ink jet head such as an ink jet printer is clogged, paper dust or foreign matter adheres, or when bubbles enter the cavity of the ink jet head, the ink droplets are not ejected when it should be ejected was there.
[0003]
In order to detect whether or not an ink droplet has been ejected, there is a method of using various sensors mainly for detecting the ink droplet. Among them, the method of detecting that an ink droplet has been ejected from a nozzle using an optical sensor can be reliably detected by appropriately selecting an ink droplet diameter and a light beam diameter and performing accurate positioning. Many suggestions have been made.
[0004]
This method is excellent in that it can be applied even if the ink droplet ejection principle (piezo method, thermal jet method, solid ink method, etc.) of the ink jet printer is different. Further, even when the ink droplet does not fly straight, but bends and flies, and the landing position on the recording paper shifts, the ink droplet does not pass through the detection area, and thus can be detected.
[0005]
FIG. 20A is a schematic diagram showing the principle of a conventional optical ink droplet detection method.
Light from the light emitting element exits the
[0006]
Then, since the amount of light entering the light receiving element decreases, the voltage when converted to an electric signal decreases, and the
[0007]
FIG. 20B is a diagram illustrating a state in which the
The speed V of the
[0008]
Conversely, if the timing of the detection of the
Specifically, for example, the detection optical axis determined by the light emitting element and the light receiving element of the photo sensor for detecting the ink ejection is set at a predetermined angle relative to the arrangement direction of the ink ejection ports of the inkjet head. There is a technology of disposing the photosensors to widen a detection range by a photosensor (Patent Document 1).
[0009]
However, in the technique described in Patent Document 1, the detection timing becomes gentler by the amount that the ink droplets penetrate the light receiving region obliquely without lowering the sensitivity, but the improvement effect is still relatively small. Unless the positional relationship between the ink ejection port and the detection area is set with high precision so that the ink droplet passes on the diagonal line of the detection area, the detection range may be narrowed.
[0010]
Further, as another detection method, a reflection plate having high water repellency to ink and a sensor for detecting the amount of reflected light are provided. (Patent Document 2).
However, the technique described in Patent Literature 2 is based on the problem that the reflectance of the reflection plate may be reduced if floating paper dust or dust adheres to the ink droplet that has landed on the reflection plate. There is a problem in terms of reliability in the method of landing on the ground, considering long-term use.
[0011]
[Patent Document 1]
JP-A-9-94948
[Patent Document 2]
JP-A-8-332736
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to eliminate the necessity of setting the positional relationship between a discharge nozzle of a droplet discharge head and a droplet detection unit with high accuracy, and to ensure high reliability even during long-term use to determine whether there is a discharge abnormality. It is an object of the present invention to provide a droplet non-discharge detection device and a droplet discharge device that can detect a droplet.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
Such an object is achieved by the present invention described below.
The droplet non-discharge detection device of the present invention is a droplet non-discharge detection device that detects a discharge abnormality of a droplet discharge head that discharges a droplet,
A pair of reflectors arranged so that their reflection surfaces face each other substantially in parallel, a light emitting unit that emits light so that the emitted light travels while being alternately and repeatedly reflected by the pair of reflectors, and the light emitting unit A droplet detection unit having light receiving means for receiving light emitted from the light reflected alternately and repeatedly by the pair of reflectors,
When the droplet discharge head performs a discharge operation to discharge droplets between the pair of reflectors, based on an output signal from the light receiving unit, the presence or absence of abnormal discharge of the droplet discharge head is determined. And detecting means for detecting.
Thus, most of the space between the pair of reflectors can be used as a detection region of the droplet including the ink droplet, so that the positional relationship between the ejection nozzle of the droplet ejection head and the droplet detection unit can be accurately determined. Provided is a droplet non-discharge detection device which is easy to assemble and manufacture because it does not need to be set, and can detect the presence or absence of a discharge abnormality while ensuring high reliability even during long-term use. be able to.
[0014]
In the droplet non-ejection detection device according to the aspect of the invention, it is preferable that the reflection surface of the reflection plate has a reflectance of 80% or more.
Thereby, the reflection efficiency of the light on the reflection surface of the reflection plate is good, and the light reaches the light receiving unit without much attenuation, so that the presence or absence of the discharge abnormality of the droplet discharge head can be detected with higher accuracy. .
[0015]
In the droplet non-ejection detection device according to the aspect of the invention, it is preferable that the pair of reflectors, the light emitting unit, and the light receiving unit are provided on a single base.
This makes it possible to improve the relative positional relationship between the reflectors, the light emitting means, and the light receiving means and easily arrange them, and to more reliably prevent the positional accuracy from being deviated. be able to.
[0016]
It is preferable that the droplet non-discharge detection device of the present invention further includes a cover that is relatively movably installed between a position covering the droplet detection unit and a position not covering the droplet detection unit.
Accordingly, it is possible to prevent dust and the like from adhering to the droplet detection unit, and thus to avoid a decrease in the function of each unit such as a decrease in the light reflection efficiency of the reflection plate.
[0017]
It is preferable that the droplet non-ejection detecting device of the present invention further includes an adjusting unit that adjusts an optical axis direction of light emitted by the light emitting unit.
This makes it possible to easily adjust the density of the arrangement of the light beams in the detection area.
In the droplet non-ejection detection device according to the aspect of the invention, the light emitting unit may emit a plurality of light beams, and the light receiving unit may receive the light beams alternately and repeatedly reflected by the pair of reflectors. preferable.
Thus, the detection area can be covered with the light beam even if the number of reflections on the reflection plate is small. Therefore, the attenuation of the light beam until it reaches the light receiving means can be reduced, so that the detection accuracy can be further improved. Further, even if the light amount of the light beam emitted from the light emitting means is small, detection is possible.
[0018]
The droplet discharge device according to the present invention is a droplet discharge head that discharges the liquid as droplets from a nozzle communicating with the cavity by driving an actuator by a drive circuit to change the pressure in the cavity filled with the liquid. When,
The liquid ejection failure detecting device according to the present invention is provided.
Thus, most of the space between the pair of reflectors can be used as a detection region of the droplet including the ink droplet, so that the positional relationship between the ejection nozzle of the droplet ejection head and the droplet detection unit can be accurately determined. Since there is no need to set, it is easy to assemble and manufacture, and has a non-discharge detection device that can detect the presence or absence of a discharge abnormality while ensuring high reliability even during long-term use. A droplet discharge device can be provided.
[0019]
In the droplet discharge device of the present invention, the droplet discharge head further includes a recovery unit that performs recovery processing for eliminating a cause of the discharge abnormality,
When an abnormal ejection is detected by the droplet non-ejection detecting device, it is preferable to perform a recovery process by the recovery unit.
This makes it possible to recover the droplet discharge head in which the discharge abnormality has occurred to a normal state, thereby preventing occurrence of a discharge abnormality (missing dot) in a subsequent printing operation.
[0020]
In the droplet discharge device of the present invention, it is preferable that after performing the recovery process by the recovery unit, the detection by the droplet non-discharge detection device be performed again.
As a result, it is possible to confirm whether or not the abnormality of the droplet discharge head has been eliminated (whether or not the liquid droplet has been recovered to a normal state) by the recovery process, and it is possible to prevent the occurrence of the discharge abnormality (missing dots) in the subsequent printing operation. This can be more reliably prevented.
[0021]
In the droplet discharge device according to the aspect of the invention, it is preferable that the recovery unit includes a wiping unit that performs a wiping process of wiping a nozzle surface on which nozzles of the droplet discharge head are arranged with a wiper.
Accordingly, it is possible to perform a recovery process suitable for recovering from a discharge abnormality when a foreign substance such as paper dust adheres to the outlet of the discharge nozzle of the droplet discharge head.
[0022]
In the droplet discharge device according to the aspect of the invention, it is preferable that the recovery unit includes a pumping unit that performs a pump suction process using a pump connected to a cap that covers a nozzle surface of the droplet discharge head.
Accordingly, it is possible to perform a recovery process suitable for recovering from a discharge abnormality when the discharge nozzle of the droplet discharge head is clogged or when air bubbles are mixed in the cavity.
[0023]
The droplet discharge device of the present invention further includes a moving unit that moves the droplet detection unit,
When detecting a discharge abnormality by the droplet non-discharge detection device by the operation of the moving means, the droplet detection unit is inserted between the droplet discharge head and the cap, and the droplet non-discharge detection is performed. It is preferable that the droplet detection unit is retracted from between the droplet discharge head and the cap when the device does not detect a discharge abnormality.
This eliminates the need for a dedicated droplet receiving tray in the droplet non-discharge detection device, and also allows the cap of the recovery means to be used as well, so that the structure can be rationalized and the device can be downsized.
[0024]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a preferred embodiment of the droplet discharge device of the present invention will be described in detail with reference to FIGS. This embodiment is given as an example, and the content of the present invention should not be interpreted in a limited manner. Hereinafter, in the present embodiment, an ink jet printer that discharges ink (liquid material) and prints an image on a recording sheet (droplet receptor) will be described as an example of the droplet discharge device of the present invention.
[0025]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a configuration of an ink jet printer 1 which is a kind of a droplet discharge device according to an embodiment of the present invention. In the following description, the upper side in FIG. 1 is referred to as “upper”, and the lower side is referred to as “lower”. First, the configuration of the inkjet printer 1 will be described.
The ink jet printer 1 shown in FIG. 1 includes an apparatus main body 2, a
[0026]
The
Further, inside the apparatus main body 2, a printing apparatus (printing means) 4 mainly including a reciprocating printing means (moving body) 3 and a paper feeding apparatus for supplying and discharging the recording paper P to and from the
[0027]
Under the control of the
[0028]
The
The
[0029]
Note that full-color printing can be performed by using an
The
[0030]
The
When the
[0031]
The
The
[0032]
Further, the
The
[0033]
FIG. 2 is a block diagram schematically showing a main part of the ink jet printer of the present invention. 2, the inkjet printer 1 of the present invention drives an interface unit (IF: Interface) 9 for receiving print data and the like input from a
[0034]
In FIG. 2, the
[0035]
As described above, the
[0036]
Although not shown, various sensors capable of detecting a printing environment such as a remaining amount of ink in the
When obtaining the print data from the
[0037]
Next, the structure of each
[0038]
As shown in FIG. 3, the
[0039]
In the
[0040]
Each of these
[0041]
Each of the
[0042]
On the surface of the glass substrate 160 on the
[0043]
Here, the bottom wall (diaphragm) 121 of each
(Composition). Therefore, a main part of the
[0044]
As shown in FIG. 3, a
[0045]
As shown in FIG. 4, the
[0046]
In FIG. 4, the
[0047]
FIG. 6 shows each state at the time of inputting the drive signal in the section taken along the line III-III of FIG. When a driving voltage is applied between the opposing electrodes from the
[0048]
Now, in each of the inkjet heads 100 of the
[0049]
When this ejection abnormality occurs, as a result, typically, a droplet is not ejected from the
Then, such an ink jet printer 1 detects whether or not there is a discharge abnormality of the head unit 35 (each ink jet head 100), that is, whether or not the
[0050]
FIG. 7A is a plan view illustrating the configuration of a droplet
[0051]
As shown in FIG. 7A, the droplet
[0052]
The light emitting means 503 emits a
[0053]
The droplet non-ejection detecting
[0054]
In such a droplet
In this
[0055]
An
[0056]
As shown in FIG. 7B, when detecting the presence or absence of the ejection abnormality of the head unit 35 (each ink jet head 100), the head unit 35 (each ink jet head 100) receives the command from the
[0057]
In such a
[0058]
The size of the
[0059]
The total number of times of reflection of the
If the ink
[0060]
The droplet ejection
[0061]
The light emitting means 503 is not particularly limited, and may be any one. For example, a semiconductor laser that emits a single-
Further, the reflectivity of the reflecting surfaces of the
[0062]
The constituent material of the
[0063]
[Table 1]
[0064]
Further, the inkjet printer 1 of the present embodiment has a moving unit (not shown) for moving the
[0065]
As shown in FIG. 8, the droplet
[0066]
The
[0067]
Next, the operation of the droplet
First, the
[0068]
Next, the
Next, the
[0069]
The
In this state, when the
[0070]
Since the
[0071]
The
[0072]
On the other hand, when the
In this case, since the transmittance of the
In this way, the droplet non-discharge detection means 50 can detect the presence or absence of a discharge abnormality for each
[0073]
FIG. 9A is a plan view showing another embodiment of the droplet non-discharge detection device of the present invention, and FIG. 9B is a diagram showing light emission in the droplet non-discharge detection means 50 ′ shown in FIG. 9A. FIG. 9 is a diagram illustrating a size relationship between beam diameters and intervals of
[0074]
9A includes a light emitting unit 503 'that emits a plurality (three in this case) of
[0075]
As shown in FIG. 9B, the gap between the
[0076]
As described above, in the present embodiment, since the three
[0077]
Next, a configuration (recovery means 24) for executing a recovery process for eliminating the cause of the discharge abnormality (head abnormality) for the inkjet head 100 (head unit 35) in the droplet discharge apparatus of the present invention will be described. FIG. 10 is a diagram showing a schematic structure (partially omitted) as viewed from above the ink jet printer 1 shown in FIG. The ink jet printer 1 shown in FIG. 10 includes a
[0078]
The recovery process performed by the
[0079]
Here, the wiping process refers to a process of wiping foreign matter such as paper dust adhered to the nozzle plate 150 (nozzle surface) of the
[0080]
As shown in FIG. 10, the
[0081]
The
[0082]
During the recording (printing) operation, the recording paper P moves in the sub-scanning direction, that is, downwards in FIG. 10 while driving the
[0083]
FIG. 11 is a diagram showing a positional relationship between the
[0084]
Here, the wiping process which is the recovery process using the
[0085]
Since the wiping
[0086]
FIG. 12 is a diagram showing the relationship between the
[0087]
An
[0088]
FIG. 13 is a schematic diagram showing the configuration of the
[0089]
The
[0090]
The
[0091]
By the way, in the ink jet printer 1 provided with such recovery means 24, as a result of detecting whether or not there is a discharge abnormality in each of the ink jet heads 100 of the
[0092]
In addition, when the recovery process is performed by the
[0093]
Next, another configuration example of the droplet discharge head (inkjet head) according to the present invention will be described. The droplet discharge head according to the present invention is not limited to the configuration like the above-described
[0094]
14 to 17 are cross-sectional views each showing another example of the configuration of the inkjet head (head unit). 18 and 19 are a perspective view and a sectional view showing still another example of the configuration of the ink jet head (head unit). Hereinafter, description will be made based on these drawings, but the description will be focused on the points different from the above-described embodiment, and the description of the same matters will be omitted.
[0095]
In the
[0096]
The
[0097]
A
The amount of liquid reduced in the
[0098]
Similarly to the above, the
[0099]
A
[0100]
A pair of
[0101]
The ink jet head 100C shown in FIG. 16 also discharges ink (liquid) in the
[0102]
A plurality of electrodes are joined to the upper surface of the
[0103]
The ink jet head 100D shown in FIG. 17 also discharges ink (liquid) in the
[0104]
The
[0105]
The lower end in FIG. 17 of the laminated
[0106]
Then, by applying a driving voltage waveform from the
The amount of liquid reduced in the
[0107]
The head unit 35 (
[0108]
The
[0109]
As shown in FIGS. 18 and 19, the left end (the upper end in FIG. 18) of each
[0110]
Note that the
In addition, an
[0111]
[0112]
The surface of the
[0113]
Next, the operation (operation principle) of the
The amount of liquid reduced in the
[0114]
As described above, the droplet non-discharge detection device and the droplet discharge device of the present invention have been described based on the illustrated embodiments. However, the present invention is not limited to this, and the droplet non-discharge detection device or the liquid Each unit constituting the droplet discharge device can be replaced with an arbitrary configuration capable of exhibiting the same function, and another arbitrary configuration may be added.
[0115]
In the present invention, the liquid to be ejected (droplets) ejected from the droplet ejection head (the
Further, in the present invention, the droplet receiver from which droplets are to be discharged is not limited to paper such as recording paper, but other media such as films, woven fabrics, and nonwoven fabrics, glass substrates, silicon substrates, and the like. Work such as various substrates may be used.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a configuration of an ink jet printer which is a kind of a droplet discharge device of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram schematically showing a main part of an ink jet printer (droplet discharge device) of the present invention.
FIG. 3 is a schematic sectional view of a head unit (ink jet head) in the ink jet printer shown in FIG.
FIG. 4 is an exploded perspective view showing the configuration of the head unit of FIG.
FIG. 5 is an example of a nozzle arrangement pattern of a nozzle plate of a head unit using four color inks.
6 is a state diagram showing each state at the time of inputting a drive signal in a section taken along line III-III of FIG. 3;
7 is a plan view showing a configuration of a droplet non-discharge detection device provided in the ink jet printer shown in FIG. 1 and a side view showing a periphery of a detection area of the droplet non-discharge detection device.
8 is a cross-sectional view showing a cover that covers a droplet detection unit in the droplet non-discharge detection device shown in FIG.
FIG. 9 is a plan view showing another embodiment of a droplet non-discharge detection device according to the present invention, and a diagram showing a size relationship between a beam diameter and an interval of a light beam emitted from a light emitting unit and ink droplets. .
FIG. 10 is a diagram showing a schematic structure (partially omitted) as viewed from above the ink jet printer shown in FIG. 1;
11 is a diagram showing a positional relationship between a wiper and a head unit shown in FIG.
FIG. 12 is a diagram illustrating a relationship between a head unit, a cap, and a pump during a pump suction process.
FIG. 13 is a schematic view showing a configuration of the tube pump shown in FIG.
FIG. 14 is a cross-sectional view schematically illustrating another configuration example of the inkjet head according to the invention.
FIG. 15 is a cross-sectional view schematically illustrating another configuration example of the inkjet head according to the invention.
FIG. 16 is a cross-sectional view schematically illustrating another configuration example of the inkjet head according to the invention.
FIG. 17 is a cross-sectional view schematically illustrating another configuration example of the inkjet head according to the invention.
FIG. 18 is a perspective view showing still another configuration example of the inkjet head according to the present invention.
FIG. 19 is a cross-sectional view of the ink jet head shown in FIG.
FIG. 20 is a schematic diagram showing the principle of a conventional optical ink droplet detection method.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Ink jet printer 2 ... Device
124
209, 246
248
501, 502...
Claims (12)
互いの反射面をほぼ平行に対向させて配置された一対の反射板と、発した光が前記一対の反射板で交互に繰り返し反射しつつ進行するように光を発する発光手段と、前記発光手段から発せられて前記一対の反射板で交互に繰り返し反射してきた光を受光する受光手段とを有する液滴検知ユニットと、
前記液滴吐出ヘッドが前記一対の反射板の間に向けて液滴を吐出するように吐出動作を行った際に、前記受光手段からの出力信号に基づいて前記液滴吐出ヘッドの吐出異常の有無を検出する検出手段とを備えることを特徴とする液滴不吐出検出装置。A droplet non-discharge detection device that detects a discharge abnormality of a droplet discharge head that discharges a droplet,
A pair of reflectors arranged so that their reflection surfaces face each other substantially in parallel, a light emitting unit that emits light so that the emitted light travels while being alternately and repeatedly reflected by the pair of reflectors, and the light emitting unit A droplet detection unit having light receiving means for receiving light emitted from the light reflected alternately and repeatedly by the pair of reflectors,
When the droplet discharge head performs a discharge operation to discharge droplets between the pair of reflectors, based on an output signal from the light receiving unit, the presence or absence of abnormal discharge of the droplet discharge head is determined. A droplet non-discharge detection device, comprising: detection means for detecting.
請求項1ないし6のいずれかに記載の液滴不吐出検出装置とを備えることを特徴とする液滴吐出装置。A droplet discharge head that discharges the liquid as droplets from a nozzle communicating with the cavity by driving the actuator by a drive circuit to change the pressure in the cavity filled with the liquid,
A droplet discharge device comprising the droplet non-discharge detection device according to any one of claims 1 to 6.
前記液滴不吐出検出装置によって吐出異常が検出された場合、前記回復手段による回復処理を行う請求項7に記載の液滴吐出装置。The droplet discharge head further includes a recovery unit that performs recovery processing for eliminating a cause of the discharge abnormality,
8. The droplet discharge device according to claim 7, wherein a recovery process is performed by the recovery unit when an abnormal discharge is detected by the droplet non-discharge detection device.
前記移動手段の作動により、前記液滴不吐出検出装置による吐出異常の検出を行うときには、前記液滴吐出ヘッドと前記キャップとの間に前記液滴検知ユニットを挿入し、前記液滴不吐出検出装置による吐出異常の検出を行わないときには、前記液滴吐出ヘッドと前記キャップとの間から前記液滴検知ユニットを退避させる請求項11に記載の液滴吐出装置。Further comprising moving means for moving the droplet detection unit,
When the ejection failure is detected by the droplet ejection failure detecting device by the operation of the moving means, the droplet ejection unit is inserted between the droplet ejection head and the cap, and the droplet ejection failure detection is performed. 12. The droplet discharge device according to claim 11, wherein when the discharge abnormality is not detected by the device, the droplet detection unit is retracted from between the droplet discharge head and the cap.
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---|---|---|---|---|
JP2009078539A (en) * | 2007-09-04 | 2009-04-16 | Ricoh Co Ltd | Liquid ejection head unit and image forming apparatus |
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