JP2004288821A - 光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 - Google Patents

光学素子保持装置、鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 Download PDF

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恵二 松浦
Toshiaki Okido
俊明 大城戸
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Abstract

【課題】露光光路の少なくとも一部を含む空間内に存在する吸光物質の残留濃度を低減することができる光学素子保持装置及び鏡筒及び露光装置を提供する。また、このような露光装置を用いてデバイスを製造するデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】BMU鏡筒13の保持枠17aに、露光光の光路空間内に存在する水分及び有機化合物を吸着するための吸着体60を設ける。この吸着体60を、モレキュラーシーブ(13Xタイプ)からなる吸着剤61と、この吸着剤61を内包するステンレス鋼の焼結体からなるハウジング62とから構成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばレンズやミラー等の少なくとも1つの光学素子を保持するための枠部材を有する光学素子保持装置に関するものである。また、本発明は、前記光学素子からなる光学系を収容する鏡筒に関するものである。また、本発明は、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等、各種デバイスの製造プロセスのフォトリソグラフィー工程で使用される露光装置に関するものである。さらに、本発明は、前記各種デバイスを製造するためのデバイスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の露光装置は、所定のパターンが形成されたレチクル、フォトマスク等のマスクを所定の露光光で照明し、投影光学系を介して前記所定のパターンの像をフォトレジスト等の感光性材料の塗布されたウエハ、ガラスプレート等の基板上に露光するようになっている。また、このような露光装置では、近年の回路パターンの微細化要求に対応すべく、露光光の短波長化が進められてきている。最近では、遠紫外光、例えばKrFエキシマレーザ(λ=248nm)、さらに真空紫外域のArFエキシマレーザ(λ=193nm)、Fレーザ(λ=157nm)等を露光光としたものが開発されている。
【0003】
ところで、遠紫外光、真空紫外光を露光光として用いる場合、通過する空間内に酸素、水蒸気、炭化水素ガス、あるいは、露光光と反応してレンズエレメント等の光学素子の表面に曇り物質を生ずる有機物質のガスなどの吸光物質によって露光光が吸収されることが明らかになってきた。この他にも、露光装置内には、光学素子、ステージ等を駆動する駆動機構が存在し、その駆動機構への給電、信号伝達のための電線の被覆物質等から極微量ながら吸光物質が発生する。あるいは、金物部品の組立てを容易にするために用いられる潤滑剤からの揮散物、いわゆる脱ガスによる吸光物質の発生もあり得る。さらに、構成部品の洗浄の際に除去しきれなかった切削油や洗浄剤の残渣からの吸光物質の発生もあり得る。
【0004】
露光光として真空紫外光、特に、Fレーザや、Fレーザより波長の短い光を採用した場合には、光源から出射された露光光は、前記吸光物質により大きく吸収され、前記基板に到達するまでにそのエネルギが著しく低下することがある。このように、露光光自体のエネルギが低下したり、光学素子の曇りによって露光光の透過率が低下したりすると、露光装置の露光効率が低下し、製品の歩留まりが低下することになる。
【0005】
そこで、近年では、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを用いて前記露光光が通過する空間内をパージする露光装置が開発されてきている。すなわち、不活性ガスを前記空間内に供給して、前記吸光物質を含むガスを同空間外に排出するものである。このように、前記露光光が通過する空間内を不活性ガスで置換することにより、その空間内の前記吸光物質の残留濃度が低減される(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5―243120号公報(第3−5頁、第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、不活性ガスによるパージを行ったとしても、前記吸光物質を前記空間外に完全には排出することは困難であり、吸光物質が極微量ながら空間内に残留することになる。このため、この極微量の吸光物質の存在により、露光装置の露光効率が低下して製品の歩留まりを十分に向上することが困難になることがある。特に、露光光として、Fレーザのような短波長の光が採用される露光装置では、極微量といえども吸光物質の存在は無視できないものとなる。
【0008】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、露光光路の少なくとも一部を含む空間内に存在する吸光物質の残留濃度を低減することができる光学素子保持装置及び鏡筒を提供することにある。また、その他の目的としては、所望の露光エネルギでもって露光処理をすることができる露光装置を提供することにある。さらに、その他の目的としては、このような露光装置を用いて高集積度のデバイスであっても、効率よく製造することのできるデバイスの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、少なくとも1つの光学素子を保持するための枠部材を有する光学素子保持装置において、前記枠部材は、その内部に設けられ、かつ前記光学素子を汚染する水分及び有機化合物の少なくとも一方を吸着するための吸着体を有することを特徴とするものである。
【0010】
この本願請求項1に記載の発明では、枠部材の内部空間に存在する水分や有機化合物は、吸着体により吸着される。このため、枠部材の内部空間内に存在する水分や有機化合物の残留濃度が低減される。
【0011】
また、本願請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記吸着体を、前記光学素子に照射される光束が通過する空間内に表出するように設けたことを特徴とするものである。
【0012】
この本願請求項2に記載の発明では、前記請求項1に記載の発明の作用に加えて、枠部材の内部空間、すなわち光学素子に照射される光束が通過する空間内に存在する水分や有機化合物を、吸着体に接触させて吸着体に効果的に吸着させることが可能となる。
【0013】
また、本願請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、前記枠部材の内部には、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方を前記枠部材の外部に排出するために化学的に精製されたパージガスが導入されることを特徴とするものである。
【0014】
この本願請求項3に記載の発明では、前記請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、枠部材の内部空間へ化学的に十分精製されたパージガスを導入することによって、その空間内に存在する水分や有機化合物が、枠部材の外部に排出され、その残留濃度がより効果的に低減される。
【0015】
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記パージガスが、光学的に不活性な不活性ガスであることを特徴とするものである。
【0016】
この本願請求項4に記載の発明では、前記請求項3に記載の発明の作用に加えて、露光光を、安定した状態で枠部材の内部空間を通過させることが可能となる。
【0017】
また、本願請求項5に記載の発明は、前記請求項3または請求項4に記載の発明において、前記吸着体は、前記枠部材の内部における前記パージガスの流れに関し、流速の遅い部分に設けられることを特徴とするものである。
【0018】
この本願請求項5に記載の発明では、前記請求項3または請求項4に記載の発明の作用に加えて、枠部材の内部空間においてパージガスの流速の遅い部分では、水分や有機化合物が滞留し易い。この滞留を生じ易い場所に吸着体を置くことにより、水分や有機化合物を、効果的に吸着体に吸着させることが可能となる。このため、枠部材の内部空間内に存在する水分や有機化合物の残留濃度がさらに低減される。
【0019】
また、本願請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記吸着体は、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方を発生する部品の近傍に設けられることを特徴とするものである。
【0020】
この本願請求項6に記載の発明では、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、枠部材の内部空間内において水分や有機化合物を発生する部品の近傍では、それら水分や有機化合物の濃度が周囲よりも高くなり易い。このような水分や有機化合物の残留濃度が高い部分に吸着体を設けることにより、水分や有機化合物が吸着体に効率よく吸着される。そして、不活性ガスによる前記内部空間のパージを逸早く完了させることが可能になる。
【0021】
また、本願請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記吸着体は、通常の使用状態において揮散ガスの発生量が抑制された材料から形成されることを特徴とするものである。
【0022】
この本願請求項7に記載の発明では、前記請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、吸着体から発生する揮散ガスは、光学素子を汚染する要因となることがある。このような光学素子の汚染原因となる揮散ガスの発生量が少ない吸着体を用いることにより、光学素子の汚染が抑制される。
【0023】
また、本願請求項8に記載の発明は、前記請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記吸着体は、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方を吸着する吸着剤を内蔵し、前記吸着剤が、活性炭またはゼオライトであることを特徴とするものである。
【0024】
この本願請求項8に記載の発明では、前記請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、活性炭やゼオライトは、入手が容易であるとともに、水分や有機化合物の発生量が少ないため、吸着剤として好適である。
【0025】
また、本願請求項9に記載の発明は、前記請求項8に記載の発明において、前記ゼオライトが、モレキュラーシーブであることを特徴とするものである。
この本願請求項9に記載の発明では、前記請求項8に記載の発明の作用に加えて、モレキュラーシーブは、その細孔の内径によっていくつかの種類があるため、枠部材の内部空間内に存在する水分や有機化合物の分子の大きさに応じてモレキュラーシーブを選択することができる。これにより、比較的高濃度の水分や有機化合物を逸早く除去することができる。
【0026】
また、本願請求項10に記載の発明は、前記請求項9に記載の発明において、前記モレキュラーシーブは、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方のうちの最も大きな分子を吸着可能な平均細孔径を有するものであることを特徴とするものである。
【0027】
この本願請求項10に記載の発明では、前記請求項9に記載の発明の作用に加えて、枠部材の内部空間内に存在する水分や殆どの種類の有機化合物を、吸着剤によって吸着させることが可能になる。
【0028】
また、本願請求項11に記載の発明は、前記請求項9または請求項10に記載の発明において、前記モレキュラーシーブは、複数の平均細孔径分布を有するものであることを特徴とするものである。
【0029】
平均細孔径が大きな細孔を有するモレキュラーシーブには、その細孔径よりも小さな分子が吸着される。ここで、平均細孔径が大きいモレキュラーシーブに小さな分子の有機化合物が吸着されている状態では、そのモレキュラーシーブに分子の大きい有機化合物が吸着すると、すでに吸着されていた小さな分子の有機化合物がモレキュラーシーブから離脱することが考えられる。
【0030】
これに対して、本願請求項11に記載の発明では、前記請求項9または請求項10に記載の発明の作用に加えて、分子の小さな有機化合物が、平均細孔径が大きなモレキュラーシーブから離脱したとしても、その離脱した分子を、他の細孔径のモレキュラーシーブに吸着させることが可能となる。このため、枠部材の内部空間内における分子の小さい水分や有機化合物の濃度上昇を抑制することが可能となる。
【0031】
また、本願請求項12に記載の発明は、前記請求項8〜請求項11のうちいずれか一項に記載の発明において、前記吸着剤は、水分を吸着する吸湿剤を含むことを特徴とするものである。
【0032】
この本願請求項12に記載の発明では、前記請求項8〜請求項11のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、枠部材の内部空間内の水分は、吸湿剤により吸着され易くなり、有機化合物は、他の吸着剤に吸着されるようになる。このため、他の吸着剤に有機化合物をより多く吸着させることが可能となる。
【0033】
また、本願請求項13に記載の発明は、前記請求項1〜請求項12のうちいずれか一項に記載の発明において、前記吸着体は、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方を吸着する吸着剤を内包するハウジングを有し、前記ハウジングは、前記枠部材に対して着脱可能なパネルに取着されることを特徴とするものである。
【0034】
この本願請求項13に記載の発明では、前記請求項1〜請求項12のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、吸着剤を交換する作業を、パネルを枠部材から外した状態で行うことができ、その交換作業を容易に行うことが可能となる。
【0035】
また、本願請求項14に記載の発明は、前記請求項13に記載の発明において、前記ハウジングは、前記パネルに対して着脱可能に設けられることを特徴とするものである。
【0036】
この本願請求項14に記載の発明では、前記請求項13に記載の発明の作用に加えて、吸着剤を交換する際には、ハウジングをパネルから取り外して、そのハウジングごと交換することが可能となる。このため、吸着剤の交換作業を迅速に行うことが可能となる。
【0037】
また、本願請求項15に記載の発明は、前記請求項13または請求項14に記載の発明において、前記ハウジングが、ステンレス鋼の焼結体またはセラミックスの焼結体または不織布から形成されることを特徴とするものである。
【0038】
この本願請求項15に記載の発明では、前記請求項13または請求項14のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、これらステンレス鋼の焼結体またはセラミックスの焼結体または不織布からは、光学素子を汚染する揮散ガスの発生が殆どないため、ハウジングを構成する材料として好適である。
【0039】
また、本願請求項16に記載の発明は、少なくとも1つの光学素子からなる光学系を収容する鏡筒において、前記光学系の各光学素子を、請求項1〜請求項15のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介して保持するようにしたことを特徴とするものである。
【0040】
この本願請求項16に記載の発明では、鏡筒内の水分や有機化合物の残存濃度が低減され、それら水分や有機化合物が光学素子に付着することが抑制される。このため、露光装置の結像特性が向上され、露光精度の向上が図られる。
【0041】
また、本願請求項17に記載の発明は、光源から出射された露光光を用い、マスク上に形成されたパターンの像を基板上に転写する露光装置において、前記露光光の光路を、請求項16に記載の鏡筒を用いて形成したことを特徴とするものである。
【0042】
また、本願請求項18に記載の発明は、光源から出射された露光光を用い、マスク上に形成されたパターンの像を基板上に転写する露光装置において、前記光源が収容される光源用収容室、および前記マスクが収容されるマスク用収容室、および前記基板が収容される基板用収容室のうちの少なくとも1つの収容室内の内部に、同内部の光学素子、または各収容室に隣接配置される鏡筒が保持する光学素子を汚染する水分及び有機化合物の少なくとも一方を吸着するための吸着体を設けることを特徴とするものである。
【0043】
これら本願請求項17または請求項18に記載の発明では、露光光の光路内の水分や有機化合物の濃度が低減され、露光光が吸収されることを抑制することが可能となる。このため、所望の露光エネルギでもって露光処理をすることが可能となる。
【0044】
また、本願請求項19に記載の発明は、前記請求項17または請求項18に記載の発明において、前記マスク上に形成されたパターンの像を前記基板上に形成する投影光学系を有し、前記投影光学系を収容する鏡筒内に前記吸着体を設けたことを特徴とするものである。
【0045】
この本願請求項19に記載の発明では、前記請求項17または請求項18に記載の発明の作用に加えて、投影光学系は、露光装置の性能に大きな影響を与える部分であり、この投影光学系を収容する鏡筒内に吸着体を設けることにより、露光装置の結像特性及び露光精度の向上が好適に図られる。
【0046】
また、本願請求項20に記載の発明は、前記請求項19に記載の発明において、前記鏡筒は、前記投影光学系を収容する枠部材と、前記枠部材の少なくとも一部を覆うカバーとを有し、前記吸着体は、前記カバーの内面に取着されることを特徴とするものである。
【0047】
ここで、投影光学系の一部の素子を外部からの信号により移動可能に構成するような場合には、その光学素子を駆動するために、駆動装置が枠部材に取着される。そして、その駆動装置への給電を行う給電線が、枠部材とカバーとの間の空間に存在することになる。また、枠部材の内部には、投影光学系やこの投影光学系を支持する支持部材など、多くの部品が設けられている。
【0048】
これに対して、本願請求項20に記載の発明では、前記請求項19に記載の発明の作用に加えて、吸着体を、枠部材の内部から流出するガスの通路の一部をなすように設けられたカバーの内面に取着している。このため、給電線から僅かながら揮散される揮散ガスが直ちに吸着体により吸着される。また、駆動装置から揮散される揮散ガスは、各枠部材間の隙間や枠部材と駆動装置との隙間からカバー内に流出するガスの流れによって、枠部材の内部の水分や有機化合物共々吸着体により吸着される。これらのことから、吸着体を除いてカバー内に残留する揮散ガスの濃度が低下する。また、比較的大きな吸着体であっても、その取着スペースが容易に確保される。
【0049】
また、本願請求項21に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程で請求項17〜請求項20のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするものである。
【0050】
この本願請求項21に記載の発明では、露光精度が向上され、高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態について、図1〜図3に基づいて説明する。
【0052】
図1に示すように、露光装置10は、半導体素子製造用の露光装置であり、光源としての露光光源11とビーム・マッチング・ユニット(以下、「BMU」という。)12と露光装置本体20とから構成されている。前記露光光源11は、露光光ELとして、例えばFレーザ(λ=157nm)を出射するレーザ光源となっている。
【0053】
前記BMU12は、露光光源11と露光装置本体20とを光学的に接続し、このBMU12を介して露光光源11から出射された光束としての露光光ELが露光装置本体20内に導かれるようになっている。
【0054】
このBMU12は、鏡筒としてのBMU鏡筒13を備えており、このBMU鏡筒13内には、露光光源11から出射された露光光ELを露光装置本体20へと導く光学系としての送光系14が収容されている。この送光系14は、複数のレンズ15やミラー16等の光学素子からなっており、これらレンズ15やミラー16は、枠部材としての保持枠17a(図2参照)を有する光学素子保持装置17により保持されている。
【0055】
前記露光装置本体20は、露光光ELの照射により、マスクとしてのレチクルR上に形成されたパターンの像を基板としてのウエハW上に転写するものである。以下に、その露光装置本体20の概略構成について説明する。
【0056】
露光装置本体20のチャンバ21内には、鏡筒としての照明系鏡筒22、マスク用収容室としてのレチクル室23、鏡筒としての投影系鏡筒24、及び基板用収容室としてのウエハ室25が、前記BMU12を介して導入された露光光ELの光軸方向に順次配置されている。前記BMU鏡筒13、照明系鏡筒22、レチクル室23、投影系鏡筒24、ウエハ室25は、露光光ELが通過する空間としての光路空間を形成している。また、チャンバ21は空調装置(図示略)を備えており、露光装置本体20の全体の動作を制御する主制御系90の制御の下で、このチャンバ21の内部が所定の温度及び湿度に保たれるようになっている。
【0057】
前記照明系鏡筒22内には、前記レチクルRを照明するための光学系としての照明光学系30が収容されている。この照明光学系30は、複数のミラー31、オプティカルインテグレータをなすフライアイレンズ(ロッドインテグレータでもよい)32、コンデンサレンズ33等の光学素子からなっている。前記フライアイレンズ32は、露光光源11からの露光光ELの入射により、その後方面に前記レチクルRを均一な照度分布で照明する多数の二次光源を形成する。そのフライアイレンズ32の後方には、前記露光光ELの形状を整形するためのレチクルブラインド34が配置されている。
【0058】
前記照明系鏡筒22の両端におけるBMU側開口部22a及びマスク側開口部22bには、照明光学系30の一部の光学素子として円板状の平行平板ガラス35が配置されている。この平行平板ガラス35は、露光光ELを透過する物質(合成石英、蛍石など)により形成されている。
【0059】
前記BMU側開口部22aに配置された平行平板ガラス35によって、BMU鏡筒13の内部空間と照明系鏡筒22の内部空間とが分離される。また、前記照明系鏡筒22は、平行平板ガラス35を介して複数(この例では4つ)の照明気密室36に区画されている。そして、各照明気密室36には、ミラー31、フライアイレンズ32、及びコンデンサレンズ33の各光学素子や、レチクルブラインド34が単独であるいはいくつか組み合わされて収容されている。
【0060】
前記投影系鏡筒24内には、前記照明光学系30によって照明されるレチクルR上のパターンの像をウエハW上に投影するための光学系としての投影光学系40が収容されている。この投影光学系40は、投影光学系を構成する光学素子として複数(この例では2つ)のカバーガラス41と複数(この例では3つ)のレンズエレメント42とからなっている。そして、その投影系鏡筒24の内部には、前記投影系鏡筒24の内壁及び前記カバーガラス41によって、投影気密室43が区画形成されている。
【0061】
前記レチクル室23には、レチクルステージRSTが配置されている。このレチクルステージRSTにより、所定のパターンが形成されたレチクルRが、露光光ELの光軸と直交する面内で移動可能に保持されるようになっている。一方、前記ウエハ室25には、ウエハステージWSTが配置されている。このウエハステージWSTにより、露光光ELに対して感光性を有するフォトレジストが塗布されたウエハWが、その露光光ELの光軸と直交する面内において移動可能、かつその光軸に沿って微動可能に保持されるようになっている。
【0062】
前記レチクルステージRSTの端部には、干渉計(図示略)からのレーザビームを反射する移動鏡が固定されている。そして、レチクルステージRSTは、この干渉計によって走査方向の位置が常時検出され、主制御系90の制御のもとで、所定の走査方向に駆動されるようになっている。
【0063】
また、ウエハステージWSTの端部には、干渉計(図示略)からのレーザビームを反射する移動鏡が固定されており、ウエハステージWSTが可動する平面内での位置は干渉計によって常時検出される。そして、ウエハステージWSTは、主制御系90の制御のもとで、前記走査方向の移動のみならず、走査方向に垂直な方向にも移動可能に構成されている。これにより、ウエハW上の各ショット領域ごとに走査露光を繰り返すステップ・アンド・スキャン動作が可能になっている。
【0064】
ここで、ステップ・アンド・スキャン方式により、レチクルR上の回路パターンをウエハW上のショット領域に走査露光する場合、レチクルR上の照明領域が、前記レチクルブラインド34で長方形(スリット)状に整形される。この照明領域は、レチクルR側の走査方向に対して垂直方向に長手方向を有するものとなっている。そして、レチクルRを露光時に所定の速度Vrで走査することにより、前記レチクルR上の回路パターンを前記スリット状の照明領域で一端側から他端側に向かって順次照明する。これにより、前記照明領域内におけるレチクルR上の回路パターンが、投影光学系40を介してウエハW上に投影され、投影領域が形成される。
【0065】
ここで、ウエハWは、レチクルRとは倒立結像関係にあるため、レチクルRの走査方向とは反対方向に、レチクルRの走査に同期して所定の速度Vwで走査される。これにより、ウエハWのショット領域の全面が露光可能となる。走査速度の比Vw/Vrは投影光学系40の縮小倍率に応じたものになっており、レチクルR上の回路パターンがウエハW上の各ショット領域上に正確に縮小転写される。
【0066】
また、前記BMU鏡筒13、各照明気密室36、レチクル室23、投影気密室43及びウエハ室25の壁部には、複数の開口50が所定の位置に形成されており、この開口50には、パージガス供給系51が接続されている。そして、前記BMU鏡筒13及び各室36,23,43,25の内部には、パージガス供給系51及び一部の開口50を介して、マイクロデバイス工場のユーティリティプラント内のタンク52より、光学的に不活性なパージガスとしての不活性ガスが供給されるようになっている。
【0067】
ここで、不活性ガスとは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の中から選択された単体のガス、あるいはその混合ガスであり、化学的に精製されている。このパージガス供給系51は、BMU鏡筒13(保持枠17a)及び各室36,23,43,25の内部にパージガスを導入して、各種光学素子を汚染する酸素や水分や有機化合物等の不純物を、BMU鏡筒13(保持枠17a)及び各室36,23,43,25の外部に排出させるために設けられている。なお、水分及び有機化合物は、露光光ELの照射下で各種光学素子の表面上に堆積して曇り現象を生じせしめる物質であり、酸素は、Fレーザを強く吸収する吸光物質である。
【0068】
また、このパージガス中にも水分や有機化合物、あるいは酸素が不純物として含まれることがある。このため、パージガス供給系51の供給配管53中には、パージガス中に含まれる不純物を除去するためのフィルタ54、及びパージガスを所定の温度に調整するとともにパージガス中の水分を除去する温調乾燥器55が介装されている。また、前記BMU鏡筒13(保持枠17a)及び各室36,23,43,25は、パージガス排出管56を介して半導体素子製造工場の排気ダクト57に接続されている。また、前記チャンバ21も排気ダクト57に接続されている。これにより、前記BMU鏡筒13(保持枠17a)及び各室36,23,43,25内に供給されたパージガスは、排気ダクト57を介して工場の外部に排出されるようになっている。
【0069】
なお、前記有機化合物としては、例えば有機ケイ素化合物、アンモニウム塩、硫酸塩、ウエハW上のレジストからの揮散物、駆動部を有する構成部品に使用される摺動性改善剤からの揮散物、チャンバ21内の電気部品に給電あるいは信号供給するための配線の被覆層からの揮散物等がある。
【0070】
また、この露光装置本体20には、レチクル予備室23aが、前記レチクル室23に隣接して、一方、ウエハ予備室25aが、前記ウエハ室25に隣接して設けられている。これら両予備室23a,25aにも、パージガス供給系51及びパージガス排出管56が接続されている。
【0071】
本実施形態では、図2に示すように、前記BMU鏡筒13の保持枠17aには、その内部、すなわち露光光ELの光路空間内に存在する水分及び有機化合物を吸着するための吸着体60がさらに設けられている。この吸着体60は、前記水分及び有機化合物を吸着する吸着剤61と、この吸着剤61を内包するハウジング62とを備えている。
【0072】
前記吸着剤61は、通常の使用状態において自身からの揮散ガスの発生量が抑制された材料から構成されている。本実施形態では、この吸着剤61として、ゼオライトからなるモレキュラーシーブ(13Xタイプ)を用いている。このモレキュラーシーブ(13Xタイプ)は、その平均細孔径が10Åであり、前記水分及び有機化合物のうちの最も大きな分子を吸着可能となっている。
【0073】
前記ハウジング62は、一面に開口を有する収容箱62aと、この収容箱62aの開口を覆うとともに、収容箱62aに対し、例えば係止部等を介して取着可能な蓋62bとを有している。これら収容箱62aと蓋62bとは、自身からの揮散ガスの発生量が抑制された材料から構成されている。さらに、収容箱62aと蓋62bとは、パーティクルフィルタに用いられるような材料、すなわち、水分及び有機化合物の分子は通過可能で、かつモレキュラーシーブの欠片等は通過不可能な材料から構成されている。本実施形態では、これら収容箱62aと蓋62bとを、ステンレス鋼の焼結体を用いて形成している。
【0074】
ここで、保持枠17aには、メンテナンス用のサービス穴17bが設けられている。また、保持枠17aには、サービス穴17bを覆うとともに保持枠17aの一部を構成するパネルとしての保持枠パネル17cがボルト18を介して取着されている。なお、保持枠17aと保持枠パネル17cとの当接面間には、例えばフッ素ゴム等からなるシール部材19が設けられている。
【0075】
そして、本実施形態では、前記ハウジング62の収容箱62aを、その底部が保持枠パネル17cの内面に当接するように、保持枠パネル17cに対して着脱可能に設けている。また、この吸着体60は、保持枠17aに設けられた際には、前記露光光ELの光路を遮らない程度にサービス穴17bを介して保持枠17aの内部に表出した状態となる。
【0076】
ところで、こうした吸着剤61では、水分及び有機化合物の吸着量には限界があり、飽和状態に近づいた吸着剤61を新たな吸着剤61に交換する必要が生じる。そこで、本実施形態では、吸着剤61が飽和状態に達したか否かの判断を、以下のように行うこととしている。
【0077】
すなわち、図1に示すように、BMU鏡筒13に接続されるパージガス排出管56には、その途中に、BMU鏡筒13の内部から排出された気体の一部を吸引する吸引部91が設けられている。
【0078】
この吸引部91は、例えば図3に示すような構成を有している。すなわち、吸引部91は、パージガス排出管56から分岐する分岐管92と、この分岐管92に接続されるサンプル管93と、このサンプル管93の下流に設けられる吸引ポンプ94と、分岐管92の途中に設けられてパージガス排出管56とサンプル管93との間を連通・遮断可能なバルブ95と、を有している。
【0079】
そして、吸着剤61が飽和状態に達したか否かを調べる際には、まず、BMU鏡筒13内へのパージガスの導入時において、サンプル管93内に、パージガス排出管56内を流通する気体の一部を採取する。次いで、サンプル管93を吸引部91から取り外し、そのサンプル管93内の気体に含まれている水分及び有機化合物の濃度を、例えばガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)等の分析機を用いて測定する。この測定により得られた水分及び有機化合物の濃度と、パージガス導入の累積時間とから水分及び有機化合物の吸着量を推定して、この推定された吸着量が所定値を超えると、吸着剤61が飽和状態に達したと判断する。
【0080】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(イ) この光学素子保持装置17では、その内部に存在してレンズ15やミラー16等の光学素子を汚染する水分及び有機化合物を吸着するための吸着体60を設けている。これにより、保持枠17aの内部空間に存在する水分や有機化合物は、吸着体60により吸着される。このため、保持枠17aの内部空間に存在する水分や有機化合物の濃度を低減することができる。
【0081】
(ロ) この光学素子保持装置17では、吸着体60を、露光光ELの光路空間を形成する保持枠17aの内部空間に表出するように設けている。これにより、保持枠17aの内部空間に存在する水分や有機化合物を、吸着体60に接触させて、効果的に吸着させることができる。
【0082】
(ハ) この光学素子保持装置17では、パージガス供給系51を介して、保持枠17aの内部空間に、化学的に十分に精製されたパージガスを導入するようにしている。このパージガスの導入により、保持枠17aの内部空間に存在する水分や有機化合物が、保持枠17aの外部、すなわちパージガス排出管56へと効率よく排出される。このため、保持枠17aの内部空間に存在する水分や有機化合物の濃度をより効果的に低減することができる。
【0083】
(ニ) この光学素子保持装置17では、パージガスとして、光学的に不活性な不活性ガスを用いている。このため、露光光ELを、安定した状態で保持枠17aの内部空間を通過させることができる。
【0084】
(ホ) この光学素子保持装置17では、吸着体60を、通常の使用状態において揮散ガスの発生量が抑制された材料から形成している。吸着体60自身から発生する揮散ガスは、各種光学素子を汚染する要因となることがあるため、各種光学素子の汚染原因となる揮散ガスの発生量が少ない材料からなる吸着体60を用いることにより、光学素子の汚染をより抑制することができる。
【0085】
(ヘ) この光学素子保持装置17では、モレキュラーシーブからなる吸着剤61を用いている。このモレキュラーシーブは、入手が容易であり、自身からの水分や有機化合物等の揮散ガスの発生量が少ないため、吸着剤61として好適である。
【0086】
また、モレキュラーシーブとして、平均細孔径が最も大きい種類である13Xタイプを用いているため、保持枠17aの内部空間に存在する水分や殆どの種類の有機化合物を吸着させることができる。
【0087】
また、モレキュラーシーブは、その細孔の内径によっていくつかの種類があり、保持枠17aの内部空間に存在する水分や有機化合物の分子の大きさに応じてモレキュラーシーブの種類を選択することができる。このため、比較的高濃度の水分や有機化合物を逸早く除去することができるという利点がある。
【0088】
(ト) この光学素子保持装置17では、ハウジング62の収容箱62aと蓋62bとを、ステンレス鋼の焼結体から形成している。このステンレス鋼の焼結体は、各種光学素子を汚染する水分や有機化合物等の揮散ガスの発生が殆どなく、ハウジング62を構成する材料として好適である。
【0089】
(チ) この光学素子保持装置17では、ハウジング62を、保持枠17aに対して着脱可能な保持枠パネル17cに取着している。これにより、吸着剤61の交換作業を、保持枠17aから保持枠パネル17cを外した状態で行うことができ、その交換作業を容易に行うことができる。
【0090】
(リ) この光学素子保持装置17では、ハウジング62の収容箱62aを、保持枠パネル17cに対して着脱可能に設けている。これにより、吸着剤61を交換する際には、保持枠パネル17cを保持枠17aから外した後、その保持枠パネル17cからハウジング62を取り外して、吸着剤61を、ハウジング62ごと交換することが可能となる。このため、吸着剤61の交換作業を迅速に行うことができる。
【0091】
(ヌ) このBMU鏡筒13では、レンズ15やミラー16等の光学素子を、前記(イ)〜(リ)に記載の効果を有する光学素子保持装置17を介して保持している。これにより、BMU鏡筒13の内部に存在する水分や有機化合物の濃度が低減され、それら水分や有機化合物がレンズ15やミラー16等の光学素子に付着することを抑制することができる。このため、露光装置10の結像特性を向上することができて、露光精度の向上を図ることができる。
【0092】
(ル) この露光装置10では、露光光ELの光路の一部を、前記(ヌ)に記載の効果を有するBMU鏡筒13を用いて形成している。これにより、露光光ELの光路内に存在する水分や有機化合物の濃度を低減することができ、露光光ELが吸収されることを抑制することができる。このため、所望の露光エネルギでもって露光処理をすることができる。
【0093】
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態について、図4を参照して、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。この第2実施形態では、露光装置10における吸着体60の配設位置が前記第1実施形態と異なっている。なお、図4において、図1と同一の構成については同一の符号を付している。
【0094】
この第2実施形態では、図4に示すように、吸着体60は、投影系鏡筒24の内部に設けられている。
この投影系鏡筒24の各レンズエレメント42(図4では1つのみ図示)は、複数の保持枠17aにより個別に保持されている。そして、複数の保持枠17aは、積み重なった状態で組み付けられている。
【0095】
これらレンズエレメント42のうち、投影系鏡筒24におけるフランジFLGよりも上方に位置するレンズエレメント42は、保持枠17aに設けられた複数(図4では2個のみ図示)のピエゾ素子70を介して露光光ELに沿う方向(図4では上下方向)に僅かに変位可能となっている。
【0096】
各ピエゾ素子70には、結像特性制御部72から延設された配線71が個別に接続されている。そして、各ピエゾ素子70は、その伸縮量が、結像特性制御部72によって個別に制御されるようになっている。
【0097】
ここで、ピエゾ素子70は、揮散ガス(有機化合物)を発生する部品の1つであり、各摺動部分に塗布されたグリース等の潤滑剤から極微量の揮散ガスが発生する。また、配線71も、揮散ガス(有機化合物)を発生する部品の1つであり、被覆層から極微量の揮散ガスが発生する。
【0098】
また、投影系鏡筒24には、前記フランジFLGよりも上方に位置する保持枠17aを、それらの外周面から所定距離を離間して覆うカバー45が設けられている。このカバー45は、その下端部がフランジFLGに固定され、上端部が、最も上方に位置する保持枠17aに固定されている。
【0099】
さらに、投影系鏡筒24には、その内部にパージガスを導入するための導入用開口50aと、保持枠17aの内部空間内のガスを排出するための排出用開口50bとが設けられている。なお、このパージガスとして、光学的に不活性な不活性ガスを用いることができる。そして、この不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の中から選択された単体のガス、あるいはその混合ガスなど、化学的に精製されたものが用いられる。
【0100】
前記導入用開口50aは、前記保持枠17aのうちの最も上方、すなわちレチクルRに最も接近した位置にある保持枠17aの側壁と、最も下方、すなわちウエハWに最も接近した位置にある保持枠17aの側壁との2ヶ所に形成されている。そして、パージガスは、これらの導入用開口50aを介して保持枠17aの内部空間、すなわち投影気密室内に直接供給されるようになっている。なお、導入用開口50aの配設位置や数は、例えば、投影系鏡筒24の大きさや内部構造などに応じて適宜に変更可能である。
【0101】
一方、排出用開口50bは、カバー45の周壁において、両導入用開口50aの間のほぼ中央に形成されている。なお、この排出用開口50bの配設位置や数は、例えば、カバー45の大きさや形状、保持枠17aの数などに応じて適宜に変更可能である。
【0102】
この露光装置では、各導入用開口50aを介して保持枠17aの内部空間内に導入されたパージガスは、保持枠17aとレンズエレメント42との間の隙間や、保持枠17aの内周壁に形成された通路などを通過して、各保持枠17aの内部空間(投影系気密室)の全体にゆきわたる。また、保持枠17a内に導入されたパージガスは、その内部空間内に存在するガスとともに各保持枠17a間の僅かな隙間や、保持枠17aとピエゾ素子70との間の隙間を介して前記内部空間から漏れ出す。そして、この漏れたガスは、保持枠17aの外面とカバー45の内面との間の空間内に流入し、排出用開口50bを介して排出される。ここで、パージガスの導入時には、保持枠17aの内部空間(投影系鏡筒)の気圧が、保持枠17aの外面とカバー45の内面との間の空間の気圧よりも高くなるように設定されている。
【0103】
なお、ウエハWに最も接近した位置にある保持枠17aの導入用開口50aから導入されたパージガスの一部は、前記フランジFLGよりも下方の保持枠17a間の僅かな隙間から漏れ出すが、その漏れ量は、フランジFLGよりも上方の保持枠17a間の隙間からの漏れ量よりも少なく、無視できるものである。
【0104】
ここで、フランジFLGよりも下方の保持枠17a間の隙間からのガスの漏れ量が無視できないものである場合は、フランジFLGよりも下方の保持枠17aを、それらの外周面から所定距離を離間するように設けられるカバーにて覆うようにすればよい。このカバーを設ける場合は、カバーの一端をフランジFLGに取り付け、他端を、ウエハWに最も接近した位置にある保持枠17aの側壁に取り付ければよい。また、このカバーを設ける場合は、そのカバーに排出用開口を設けてもよい。
【0105】
本実施形態では、吸着体60は、カバー45の内面において複数のピエゾ素子70のうちの1つのピエゾ素子70と対向するように設けられている。
詳しくは、カバー45には、複数あるピエゾ素子70のうちの1つと対応する位置に、取付穴46が設けられている。また、カバー45には、取付穴46を覆うとともにカバー45の一部を構成するパネルとしてのカバーパネル47が、例えばボルト(図示略)等を介して取着されている。また、カバー45とカバーパネル47との当接面間には、例えばフッ素ゴム等からなるシール部材(図示略)が設けられている。
【0106】
そして、吸着体60のハウジング62の収容箱62aを、その底部がカバーパネル47の内面に当接するように、カバーパネル47に対して着脱可能に設けている。また、この吸着体60は、投影系鏡筒24に設けられた際には、ピエゾ素子70等の構成部品に当接しない程度に取付穴46を介して、カバー45の内周面と保持枠17aの外周面との間の空間に表出した状態となる。
【0107】
従って、本実施の形態によれば、前記第1実施形態における(イ)〜(ル)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(ヲ) この投影系鏡筒24では、フランジFLGよりも上方に位置する保持枠17aを、その外周面から所定距離を離間して覆うカバー45を設けている。そして、吸着体60を、カバー45の内面に取着している。
【0108】
ここで、保持枠17aには、複数のピエゾ素子70が保持枠17aとカバー45との間の空間内に表出するように取着されている。また、この空間内には、各ピエゾ素子70と結像特性制御部72とを接続する配線71が存在している。また、保持枠17aの内部には、レンズエレメント42やこのレンズエレメント42を支持する支持部材など、多くの部品が設けられている。
【0109】
これに対して、本実施形態では、吸着体60を、保持枠17aの内部から漏れ出たガスの通路の一部をなすように設けられたカバー45の内面に取着している。このため、配線71から僅かながら揮散される揮散ガスを直ちに吸着体60により吸着することができる。
【0110】
また、保持枠17a内に供給されるパージガスは、各保持枠17a間の隙間、保持枠17aとピエゾ素子70との隙間を通してカバー45内に流出される。そのパージガスの流れによって、ピエゾ素子70から極微量ながら揮散される揮散ガスが、保持枠17aの内部の水分や有機化合物共々カバー45内へと効率よく排出され、吸着体60により吸着される。これらのことから、吸着体60を除いてカバー45内に残留する揮散ガスの濃度を低下させることができる。
【0111】
さらに、カバー45と保持枠17aとの間には、比較的空間に余裕があり、比較的大きな吸着体60であっても、その取着スペースを容易に確保することができる。
【0112】
(ワ) この投影系鏡筒24では、吸着体60を、水分や有機化合物等の揮散ガスを発生し易いピエゾ素子70の近傍に設けている。ここで、投影系鏡筒24の内部空間においてピエゾ素子70の近傍では、それら水分や有機化合物の濃度が周囲よりも高くなり易い。このような水分や有機化合物の残留濃度が高い部分に吸着体60を設けることにより、水分や有機化合物を吸着体60に効率よく吸着させることができる。そして、不活性ガスによる投影系鏡筒24の内部空間のパージを逸早く完了させることができる。
【0113】
(カ) また、投影系鏡筒24内には、露光装置10の性能に大きな影響を与える投影光学系40が収容されるとともに、ピエゾ素子70等の可動部品が数多く設けられている。このような投影系鏡筒24内に吸着体60を設けることにより、露光装置10の結像特性及び露光精度の向上を好適に図ることができる。
【0114】
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・ 前記第2実施形態において、吸着体60を、カバー45の内面において、ピエゾ素子70等の任意の複数の可動部品と対向するように設けるようにしてもよい。
【0115】
・ 前記各実施形態において、吸着剤61が飽和状態に達したか否かを調べるに際し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いることには限定されない。このガスクロマトグラフ質量分析計を用いる代わりに、例えば、ポータブルタイプのVOC(Volatile Organic Compound )モニタやTOC(Total Organic Compound)モニタ等を用いるようにしてもよい。なお、この場合には、吸引部91は省略され、パージガス排出管56には、前記モニタの検出部を挿入するための挿入穴が設けられる。
【0116】
・ 前記各実施形態において、ハウジング62の収容箱62aと蓋62bとを、ステンレス鋼の焼結体以外で揮散ガスの発生量が抑制された材料、例えばセラミックスの焼結体またはきめの細かい不織布等の材料を用いて形成する構成としてもよい。
【0117】
・ 前記各実施形態において、ハウジング62の収容箱62aを、保持枠パネル17c及びカバーパネル47に対し、離間不能となるように一体的に設ける構成としてもよい。
【0118】
・ 前記各実施形態において、ハウジング62を、必ずしも保持枠パネル17c及びカバーパネル47に設ける必要はない。ハウジング62を、保持枠パネル17c及びカバーパネル47以外の保持枠17a及びカバー45の内周面に設ける構成としてもよい。
【0119】
・ 前記各実施形態において、ハウジング62内に、吸着剤61であるモレキュラーシーブに加えて、水分を吸着する吸湿剤をさらに内包させる構成としてもよい。この吸湿剤としては、例えば、シリカゲル、石灰、クレイ、塩化カルシウム、アロフェン等を用いることができる。このようにすれば、保持枠17aの内部空間内の水分は、吸湿剤により吸着され易くなり、有機化合物は、吸着剤(モレキュラーシーブ)61に吸着されるようになる。このため、有機化合物を、モレキュラーシーブに対してより多く吸着させることができる。
【0120】
ここで、前記吸湿剤自身が揮散ガス(吸光物質)を発生し、その発生量が無視できない場合には、例えば、吸湿剤を収容するハウジング62を気密構造で構成し、かつその開口部に、前記揮散ガスを除去可能なケミカルフィルタを設けるなどすることが望ましい。
【0121】
・ 前記各実施形態において、平均細孔径が最も大きい種類のモレキュラーシーブ(13Xタイプ)を用いる構成には限定されない。露光光ELの光路空間内に存在する水分及び有機化合物等の分子サイズに応じて、モレキュラーシーブの種類は適宜変更可能である。
【0122】
・ 前記各実施形態において、ハウジング62内に、複数の平均細孔径分布を有するモレキュラーシーブ、すなわち、複数の種類のモレキュラーシーブを内包する構成としてもよい。このようにすれば、平均細孔径の大きなモレキュラーシーブに吸着された分子の小さな有機化合物が、そのモレキュラーシーブから離脱することがあっても、その離脱した分子を、他の細孔径のモレキュラーシーブに吸着させることができる。このため、保持枠17aの内部空間内において、分子の小さい水分や有機化合物の濃度上昇を抑制することができる。
【0123】
・ 前記各実施形態において、吸着剤61として、モレキュラーシーブを用いる構成には限定されない。この吸着剤61としては、モレキュラーシーブ以外に、例えば、粒状活性炭や繊維状活性炭や粉末状活性炭や活性炭成型体等の炭素質吸着剤、メソポーラスシリカ等のシリカ系吸着剤、アルミナ系吸着剤、キトサン樹脂、金属錯体系吸着剤、などを用いる構成としてもよい。なお、この吸着剤を、自身からの揮散ガスの発生量が抑制された材料から構成することが望ましい。
【0124】
・ 前記各実施形態において、吸着体60を、保持枠17aの内部空間、各気密室36,43、レチクル室23、ウエハ室25内のパージガス流路における狭小部分や、屈曲部分等のパージガスの流通の遅い部分に設ける構成としてもよい。ここで、パージガスの流速の遅い部分では、水分や有機化合物が滞留し易い。このため、水分や有機化合物を、吸着体60に対して効果的に吸着させることができ、BMU鏡筒13や投影系鏡筒24内に存在する水分や有機化合物の濃度をさらに低減することができる。
【0125】
・ 前記各実施形態において、吸着体60を、BMU鏡筒13や投影系鏡筒24内に設ける構成には限定されない。この吸着体を、例えば、露光光源11が収容される光源用収容室11aや、レチクル室23や、ウエハ室25等のうちの少なくとも1つの室内に設ける構成としてもよい。また、吸着体60を、光源用収容室11a、BMU鏡筒13、照明系鏡筒22、レチクル室23、投影系鏡筒24、ウエハ室25等、露光光ELの光路空間を形成する任意の複数の光路空間内に設ける構成としてもよい。なお図1では、吸着体60を、ウエハ室25内にも設けた例を示している。
【0126】
また、この吸着体60を、露光光ELが通過する空間内に表出するように設ける構成には限定されず、例えばレチクル予備室23aやウエハ予備室25a等、露光光ELが通過しない空間内に設ける構成としてもよい。
【0127】
これらのようにした場合には、吸着体60を、例えば、レチクルブラインド34やレチクルステージRSTやウエハステージWST等の可動部品の近傍に設けることが望ましい。
【0128】
・ 投影光学系としては、屈折タイプに限らず、反射屈折タイプ、反射タイプであってもよい。また、露光装置として、投影光学系を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも本発明を同様に適用することができる。なお、これらの露光装置を用いる場合、パージガスは、光学素子が収容される照明光学系、及びマスクと基板とが収容されるマスク・基板室の少なくとも1つに供給され、パージが行われる。
【0129】
・ また、本発明の露光装置は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
・ また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。
【0130】
・ また、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、例えば、以下のような露光装置にも同様に適用することができる。例えば、本発明は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置にも適用することができる。また、本発明は、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置にも適用することができる。また、本発明は、CCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置にも適用することができる。
【0131】
・ また、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の一括露光型の露光装置にも適用することができる。
【0132】
・ また、露光装置の光源としては、例えばg線(λ=436nm)、i線(λ=365nm)、Krレーザ(λ=146nm)、Arレーザ(λ=126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
【0133】
なお、前記各実施形態の露光装置10は、例えば次のように製造される。
すなわち、まず、投影光学系40を構成する複数のレンズエレメント42及びカバーガラス41等を本実施形態の投影系鏡筒24に収容する。また、各ミラー31、各レンズ32,33及びビームスプリッタ等の光学部材からなる照明光学系30を照明系鏡筒22内に収容する。また、レンズ15やミラー16等の光学部材からなる送光系14をBMU鏡筒13内に収容する。
【0134】
そして、これらの送光系14及び照明光学系30及び投影光学系40を露光装置本体20に組み込み、光学調整を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステージWST(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージRSTも含む)を露光装置本体20に取り付けて配線を接続する。そして、露光光ELの光路空間内にパージガスを供給するパージガス供給系51の供給配管53及びパージガス排出管56を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
【0135】
ここで、各鏡筒13,22,24を構成する各部品は、超音波洗浄などの精密洗浄により、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。なお、露光装置10の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0136】
次に、上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図5は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
【0137】
図5に示すように、まず、ステップS101(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
【0138】
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜S103で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0139】
最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0140】
図6は、半導体デバイスの場合における、図5のステップS104の詳細なフローの一例を示す図である。図6において、ステップS111(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS111〜S114のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0141】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0142】
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS116)において、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上が可能となり、露光量制御を高精度に行うことができる。従って、露光精度を向上することができて、最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することができる。
【0143】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願請求項1に記載の発明によれば、枠部材の内部空間内に存在する水分や有機化合物の残留濃度を低減することができる。
【0144】
また、本願請求項2に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、光学素子に照射される光束が通過する空間内に存在する水分や有機化合物を、吸着体に接触させて吸着体に効果的に吸着させることができる。
【0145】
また、本願請求項3に記載の発明によれば、前記請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、枠部材の内部空間内に存在する水分や有機化合物の残留濃度をより効果的に低減することができる。
【0146】
また、本願請求項4に記載の発明によれば、前記請求項3に記載の発明の効果に加えて、露光光を、安定した状態で枠部材の内部空間を通過させることができる。
【0147】
また、本願請求項5に記載の発明によれば、前記請求項3または請求項4に記載の発明の効果に加えて、枠部材の内部空間内に存在する水分や有機化合物の残留濃度をさらに低減することができる。
【0148】
また、本願請求項6に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、水分や有機化合物を、吸着体に効率よく吸着させることができて、不活性ガスによる内部空間のパージを逸早く完了させることができる。
【0149】
また、本願請求項7に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、光学素子の汚染を抑制することができる。
【0150】
また、本願請求項8に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、活性炭やゼオライトは、入手が容易であるとともに、水分や有機化合物の発生量が少ないため、吸着剤として好適である。
【0151】
また、本願請求項9に記載の発明によれば、前記請求項8に記載の発明の効果に加えて、比較的高濃度の水分や有機化合物を逸早く除去することができる。
また、本願請求項10に記載の発明によれば、前記請求項9に記載の発明の効果に加えて、枠部材の内部空間内に存在する水分や殆どの種類の有機化合物を、吸着剤によって吸着させることができる。
【0152】
また、本願請求項11に記載の発明によれば、前記請求項9または請求項10に記載の発明の効果に加えて、枠部材の内部空間内における分子の小さい水分や有機化合物の濃度上昇を抑制することができる。
【0153】
また、本願請求項12に記載の発明によれば、前記請求項8〜請求項11のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、吸湿剤以外の吸着剤に有機化合物をより多く吸着させることができる。
【0154】
また、本願請求項13に記載の発明によれば、前記請求項1〜請求項12のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、吸着剤を交換する作業を容易に行うことができる。
【0155】
また、本願請求項14に記載の発明によれば、前記請求項13に記載の発明の効果に加えて、吸着剤の交換作業を迅速に行うことができる。
また、本願請求項15に記載の発明によれば、前記請求項13または請求項14に記載の発明の効果に加えて、ステンレス鋼の焼結体またはセラミックスの焼結体または不織布からは、光学素子を汚染する揮散ガスの発生が殆どなく、ハウジングを構成する材料として好適である。
【0156】
また、本願請求項16に記載の発明によれば、露光装置の結像特性を向上することができ、露光精度の向上を図ることができる。
また、本願請求項17または請求項18に記載の発明によれば、所望の露光エネルギでもって露光処理をすることができる。
【0157】
また、本願請求項19に記載の発明によれば、前記請求項17または請求項18に記載の発明の効果に加えて、露光装置の結像特性及び露光精度の向上を好適に図ることができる。
【0158】
また、本願請求項20に記載の発明によれば、前記請求項19に記載の発明の効果に加えて、吸着体を除いてカバー内に残留する揮散ガスの濃度を低下させることができる。また、比較的大きな吸着体であっても、その取着スペースを容易に確保することができる。
【0159】
また、本願請求項21に記載の発明によれば、露光精度を向上することができ、高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の露光装置を示す概略構成図。
【図2】吸着体の断面構造を示す部分断面図。
【図3】吸引部を示す概略構成図。
【図4】第2実施形態の露光装置の投影光学系を示す概略構成図。
【図5】デバイスの製造工程を示すフローチャート。
【図6】半導体素子の製造工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…露光装置、11…光源としての露光光源、11a…光源用収容室、13…鏡筒としてのBMU鏡筒、14…光学系としての送光系、15…光学素子としてのレンズ、16,31…光学素子としてのミラー、17…光学素子保持装置、17a…枠部材としての保持枠、17c…パネルとしての保持枠パネル、22…鏡筒としての照明系鏡筒、23…マスク用収容室としてのレチクル室、24…鏡筒としての投影系鏡筒、25…基板用収容室としてのウエハ室、30…光学系としての照明光学系、32…光学素子としてのフライアイレンズ、33…光学素子としてのコンデンサレンズ、34…光学素子としてのレチクルブラインド、35…光学素子としての平行平板ガラス、36…空間としての照明気密室、40…光学系としての投影光学系、41…光学素子としてのカバーガラス、42…光学素子としてのレンズエレメント、43…空間としての投影気密室、45…投影系鏡筒の一部を構成するカバー、47…パネルとしてのカバーパネル、60…吸着体、61…吸着剤、62…ハウジング、62a…ハウジングの一部を構成する収容箱、62b…ハウジングの一部を構成する蓋、70…部品としてのピエゾ素子、71…部品としての配線、R…マスクとしてのレチクル、W…基板としてのウエハ、EL…露光光。

Claims (21)

  1. 少なくとも1つの光学素子を保持するための枠部材を有する光学素子保持装置において、
    前記枠部材は、その内部に設けられ、かつ前記光学素子を汚染する水分及び有機化合物の少なくとも一方を吸着するための吸着体を有することを特徴とする光学素子保持装置。
  2. 前記吸着体を、前記光学素子に照射される光束が通過する空間内に表出するように設けたことを特徴とする請求項1に記載の光学素子保持装置。
  3. 前記枠部材の内部には、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方を前記枠部材の外部に排出するために化学的に精製されたパージガスが導入されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子保持装置。
  4. 前記パージガスが、光学的に不活性な不活性ガスであることを特徴とする請求項3に記載の光学素子保持装置。
  5. 前記吸着体は、前記枠部材の内部における前記パージガスの流れに関し、流速の遅い部分に設けられることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光学素子保持装置。
  6. 前記吸着体は、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方を発生する部品の近傍に設けられることを特徴とする請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  7. 前記吸着体は、通常の使用状態において揮散ガスの発生量が抑制された材料から形成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  8. 前記吸着体は、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方を吸着する吸着剤を内蔵し、前記吸着剤が、活性炭またはゼオライトであることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  9. 前記ゼオライトが、モレキュラーシーブであることを特徴とする請求項8に記載の光学素子保持装置。
  10. 前記モレキュラーシーブは、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方のうちの最も大きな分子を吸着可能な平均細孔径を有するものであることを特徴とする請求項9に記載の光学素子保持装置。
  11. 前記モレキュラーシーブは、複数の平均細孔径分布を有するものであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の光学素子保持装置。
  12. 前記吸着剤は、水分を吸着する吸湿剤を含むことを特徴とする請求項8〜請求項11のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  13. 前記吸着体は、前記水分及び有機化合物の少なくとも一方を吸着する吸着剤を内包するハウジングを有し、前記ハウジングは、前記枠部材に対して着脱可能なパネルに取着されることを特徴とする請求項1〜請求項12のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置。
  14. 前記ハウジングは、前記パネルに対して着脱可能に設けられることを特徴とする請求項13に記載の光学素子保持装置。
  15. 前記ハウジングが、ステンレス鋼の焼結体またはセラミックスの焼結体または不織布から形成されることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の光学素子保持装置。
  16. 少なくとも1つの光学素子からなる光学系を収容する鏡筒において、
    前記光学系の各光学素子を、請求項1〜請求項15のうちいずれか一項に記載の光学素子保持装置を介して保持するようにしたことを特徴とする鏡筒。
  17. 光源から出射された露光光を用い、マスク上に形成されたパターンの像を基板上に転写する露光装置において、
    前記露光光の光路を、請求項16に記載の鏡筒を用いて形成したことを特徴とする露光装置。
  18. 光源から出射された露光光を用い、マスク上に形成されたパターンの像を基板上に転写する露光装置において、
    前記光源が収容される光源用収容室、および前記マスクが収容されるマスク用収容室、および前記基板が収容される基板用収容室のうちの少なくとも1つの収容室内の内部に、同内部の光学素子、または各収容室に隣接配置される鏡筒が保持する光学素子を汚染する水分及び有機化合物の少なくとも一方を吸着するための吸着体を設けることを特徴とする露光装置。
  19. 前記マスク上に形成されたパターンの像を前記基板上に形成する投影光学系を有し、前記投影光学系を収容する鏡筒内に前記吸着体を設けたことを特徴とする請求項17または請求項18に記載の露光装置。
  20. 前記鏡筒は、前記投影光学系を収容する枠部材と、前記枠部材の少なくとも一部を覆うカバーとを有し、前記吸着体は、前記カバーの内面に取着されることを特徴とする請求項19に記載の露光装置。
  21. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程で請求項17〜請求項20のうちいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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