【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁誘導による流体加熱装置、集合パイプの製作に用いるパイププレス治具及びパイプ整列治具に関し、具体的には電磁誘導により、発熱体に発生した渦電流で発熱体が発熱し、この発熱体に接触した気体や液体などの流体を加熱する電磁誘導加熱装置と、前記発熱体（集合パイプ）の製作に用いるパイププレス治具及びパイプ整列治具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、気体や液体を加熱する方法には、ボイラーなどのように、石油やガスの燃焼エネルギーを熱源にする方法、太陽光などのように、自然エネルギーを熱源にする方法、そして電気エネルギーを熱源にする方法がある。
【０００３】
燃焼エネルギーを熱源にする方法は、燃料の供給システムなどの補機にコストを費やす必要があり、また、燃焼に対する安全確保や燃焼で生じる排気ガスの適正処理にも余分のコストがかかってしまう。更に、燃焼エネルギーを熱源にする方法は、温度コントロールの応答性が非常に悪い。
【０００４】
自然エネルギーを熱源にする方法は、コストが高いばかりでなく、自然条件の影響を直に受けるため、安定した加熱が得られにくい。
【０００５】
電気エネルギーを熱源にする方法には抵抗加熱や赤外線加熱などが工業用に使用されているが、抵抗加熱や赤外線加熱は、気体や液体を加熱する熱交換器がヒータからの熱伝導により加熱される間接加熱式であり、加熱効率や温度コントロールの応答性が悪い。
【０００６】
これに対して、電気エネルギーを熱源にする方法の一つに、熱交換器自体が発熱体となる直接加熱式の電磁誘導加熱方式がある。図８は電磁誘導加熱方式の原理図である。同図に示すように、発熱体１の外周に巻回された誘導コイル２に高周波電流Ｉを流すと交番磁束Φが発生し、この交番磁束Φにより発熱体１に渦電流が流れ、この渦電流によって発熱体１が発熱する。その結果、発熱体１に接する気体や液体などの流体が、発熱体１により直接加熱される。
【０００７】
この電磁誘導加熱方式は、温度コントロールの応答性がよく、熱効率も非常に優れていることで知られている。これまで、この電磁誘導加熱方式による流体の加熱に関係する技術提案としては、以下のようなものがある。
【０００８】
例えば、流体管路内に粒状、線・棒状の小片を多数充填し、前記流体管路の外周の加熱コイルに電流を流すと、前記小片が電磁誘導により発熱し、この小片によって流体が加熱されるという方法がある（特許文献１）。また、波板を積層することで全体として多数の筒を形成して伝熱面積を大きくすることにより、熱効率を改良するという方法もある（特許文献２）。使用周波数帯や伝熱面積に関する具体的な目安を示した電磁誘導加熱装置もある（特許文献３）。
【０００９】
【特許文献１】
特開平９−２６００４２号公報
【特許文献２】
特開平９−１６７６７９号公報
【特許文献３】
特開平８−２６４２７２号公報
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
図９は電磁誘導による流体加熱装置となる一般的な電磁誘導加熱セルの構造を示しており、図９（ａ）には円筒状の電磁誘導加熱セルの横断面図を示し、図９（ｂ）には直方体状の電磁誘導加熱セルの横断面図を示している。同図に示すように、電磁誘導加熱セル３，４は、円筒状又は直方体状の加熱セルケース６内に球や棒、或いはパイプなどからなる発熱体５が収容され、加熱セルケース６の外周には誘導コイル７が巻回された構造となっている。加熱セルケース６の材質としては、加熱セルケース６自体が電磁誘導加熱されて加熱セルケース６の外部へ放熱されることにより加熱セルケース６内を流れる流体の加熱効率を下げてしまうことがないようにするため、電磁誘導によって渦電流が流れない非導電体（絶縁体）を用いる場合が多い。更に、耐熱性や断熱性も考慮すると、加熱セルケース６としてはセラミックス製のものが有効である。
【００１１】
また、発熱体の固定方法としては図１０に示すような方法がある。図１０は発熱体の固定構造を示す透視図である。図１０（ａ）の電磁誘導加熱セル８では、流路管１０内に収容された多数の球状の発熱体１１を、流路穴の開いた仕切板１３で挟んだ構造となっており、図１０（ｂ）の電磁誘導加熱セル９では、ろう付けなどの溶接によって構成された集合体構造の発熱体１１を、流路管１０内に収容した構造となっている。
【００１２】
加熱セルケース内を通過した流体は、加熱セルケースの横断面（流体の流れ方向と垂直な断面）方向にできるだけ均一に加熱されていることが望まれる。しかし、現実には加熱セルケース外部への放熱の影響で最外周付近の流体の温度が低くなったり、高周波に特有な表皮効果により中央部の流体の温度が低くなってしまうことがある。更に、加熱セルケースの横断面の形状が長方形や楕円といった縦横比が１より大である電磁誘導加熱セルの場合には、図１１に示すように加熱セルケースの横断面の長手方向の温度分布の不均一さが顕著に現れてしまう。図１１の上の図は色分けによって温度分布を表現したものであり、温度の高い順にピンク、赤、オレンジ、黄、緑、青、紺となっている。
【００１３】
そこで、この問題を解決するため、本願発明者は特願２００１−３４７２０２号において、非磁性体に磁性体を挿入した構造の発熱体を用いることを提案している。この場合、磁性体は非磁性体に比べて、電磁誘導より急速に加熱され、発熱量が大きいため、非磁性体も電磁誘導で発熱はするものの、磁性体のほうが主な加熱源となり、非磁性体は磁性体からの伝熱で加熱される。
【００１４】
この実施例としては、図１２に示すような構成の電磁誘導による流体加熱装置（電磁誘導加熱セル）を提案している。図１２において左図は電磁誘導加熱セルの横断面図、右図は左図のＡ−Ａ線矢視の縦断面図である。同図に示す電磁誘導加熱セル２１は直方体状の加熱セルケース２３を有し、加熱セルケース２３内には、非磁性体によって形成された微細パイプである非磁性パイプ２２を複数本並列に配設して集合させることにより、集合パイプ２６が構成され、加熱セルケース２３の外周には、断熱材２４を介して誘導コイル２５を巻回されている。
【００１５】
そして、磁性体によって形成された微細パイプである磁性パイプ２５を、集合体パイプ２６を構成する非磁性パイプ２２のうち、適宜の位置の非磁性パイプ２２に挿入することにより、集合パイプ２６の横断面（流体の流れ方向と垂直な断面）において、集合パイプ２６の温度分布を均一とし、この集合パイプ２６によって加熱される流体の温度分布が均一になるようにコントロールしている。なお、非磁性パイプ２２としては、例えば外径がφ１．１２ｍｍ、肉厚が０．０５ｍｍの微細パイプを用い、磁性パイプ２５としては、例えば外径がφ１．０ｍｍ、肉厚が０・１ｍｍの微細パイプを用いる。
【００１６】
しかし、このような方法を用いるためには各非磁性パイプ２２が移動しないように集合させる必要があるが、金属を固定する一般的な方法である、ろう付けやスポット溶接では、非磁性パイプ２２が変形してしまい、磁性パイプ２５を非磁性パイプ２２に挿入できなくなってしまう。そこで、従来は、熱収縮チューブや耐熱接着剤などを用いて非磁性パイプ２２を集合させていた。
【００１７】
ところが、熱収縮チューブは耐熱温度が２００℃程度であり、それ以上の高温域で使用することができない。また、耐熱接着剤では、その材質がセラミックスであるため、耐熱温度は１０００℃と非常に高いものの、非磁性パイプ２２の外周に耐熱接着剤による接着層の厚さのデッドスペースができることや、接着層にクラックが入りやすいため、取り扱いに注意が必要であるという問題があった。更に、熱収縮チューブや耐熱接着剤は、それ自体の体積があるため、集合パイプ２６の体積増加（熱容量の増加）を招いて、集合パイプ２６の加熱・冷却の応答性を、非磁性パイプ２２単体の応答性よりも悪くしてしまうという問題があった。
【００１８】
また、集合パイプ２６の伝熱面積を少なくしないようにするため、従来は、集合パイプ２６の外周にのみ耐熱接着剤を塗布していた。従って、接着剤で固定されていない集合パイプ内部の非磁性パイプ２２同士を確実に密着させるため、集合パイプ２６を外周から締め付けておく必要があった。このため、集合パイプ２６の横断面形状は、図１２（ａ）のような矩形状とすることが難しく、集合パイプ内部の非磁性パイプ２２をより均等に締め付けることができるように図１３に示すような六角形状に限定されていた。
【００１９】
しかし、図１３に示すように横断面が矩形状の加熱セルケース２３内に横断面が六角形状の集合パイプ２６を複数本設置する際には、集合パイプ２６と加熱セルケース２３の内面との間に例えば６．４ｍｍ２ の隙間２７が生じてしまうため、集パイプ２６と流体との熱交換にとって無駄を生じてしまうという問題があった。また、先にも述べたように耐熱接着剤を用いる場合、隣接する集合パイプ２６の間では、集合パイプ２６の外周に塗布された耐熱接着剤２８により、例えば０．４ｍｍ厚（片側）のデッドスペースＤが生じ、熱抵抗も大きくなってしまう。
【００２０】
従って、本発明は上記の事情に鑑み、隣接する微細パイプ同士を集合パイプ内部まで確実に結合することができ、しかも、デッドスペースがなくて加熱・冷却の応答性がよく、横断面が矩形状の加熱セルケース内に収容しても隙間が生じない構造の発熱体（集合パイプ）を備えた電磁誘導による流体加熱装置と、前記集合パイプの製作に用いるパイププレス治具及びパイプ整列治具とを提供することを課題とする。
【００２１】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第１発明の電磁誘導による流体加熱装置は、加熱セルケースと、前記加熱セルケース内に収容された発熱体と、前記加熱セルケースの外側に設けた誘導コイルと備え、前記誘導コイルに交流電流を流して電磁誘導により前記発熱体を発熱させ、この発熱体によって前記加熱セルケース内を流れる流体を加熱する流体加熱装置において、前記発熱体は、前記流体を流し且つ加熱するための微細パイプを複数本並列に配設し、且つ、隣接する前記微細パイプ同士を拡散溶接してなる集合パイプであることを特徴とする。
【００２２】
また、第２発明の電磁誘導による流体加熱装置は、第１発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプを構成する微細パイプは非磁性パイプとし、これらの非磁性パイプの一部に磁性パイプを挿入するようにしたことを特徴とする。
【００２３】
また、第３発明の電磁誘導による流体加熱装置は、第１発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプを構成する微細パイプは非磁性パイプと磁性パイプの組み合わせとしたことを特徴とする。
【００２４】
また、第４発明の電磁誘導による流体加熱装置は、第１，第２又は第３発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプは前記流体の流れ方向と垂直な断面を矩形状とし、この集合パイプを１本又は複数本、前記流体の流れ方向と垂直な断面が矩形状である前記加熱セルケース内に収容したことを特徴とする。
【００２５】
また、第５発明の電磁誘導による流体加熱装置は、第１発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプは、前記集合パイプを構成する微細パイプを非磁性パイプと磁性パイプの組み合わせとした集合パイプと、前記集合パイプを構成する微細パイプを非磁性パイプのみとした集合パイプの２種類とし、これらの集合パイプの前記流体の流れ方向と垂直な断面を正三角形状とし、且つ、非磁性パイプと磁性パイプの組み合わせとした集合パイプでは磁性パイプを前記正三角形の外周部の頂点又は辺に配設したことを特徴とする。
【００２６】
また、第６発明の電磁誘導による流体加熱装置は、第１発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプは、前記集合パイプを構成する微細パイプを非磁性パイプと磁性パイプの組み合わせとした集合パイプの１種類とし、前記流体の流れ方向と垂直な断面を正三角形状とし、且つ、磁性パイプを前記正三角形の外周部の頂点又は辺に配設したことを特徴とする。
【００２７】
また、第７発明のパイププレス治具は、第４発明における前記集合パイプを製作する際、前記微細パイプ同士を拡散溶接するために前記集合パイプに高圧を加えるためのパイププレス治具であって、矩形状をなす前記集合パイプの断面の隣り合う２辺を支持する支持板と、矩形状をなす前記集合パイプの断面の他の隣り合う２辺を押圧する押圧板とを有してなることを特徴とする。
【００２８】
また、第８発明のパイププレス治具は、第５又は第６発明における前記集合パイプを製作する際、前記微細パイプ同士を拡散溶接するために前記集合パイプに高圧を加えるためのパイププレス治具であって、正三角形状をなす前記集合パイプの断面の隣り合う２辺を支持する支持板と、正三角形状をなす前記集合パイプの断面の他の１辺を押圧する押圧板とを有してなることを特徴とする。
【００２９】
また、第９発明のパイプ整列治具は、第４，第５又は第６発明における前記集合パイプを製作する際、前記微細パイプを整列するためのパイプ整列治具であって、矩形状又は正三角形状をなす前記集合パイプの断面形状に対応して複数本の位置決め棒が板に突設され、これらの位置決め棒に前記微細パイプをそれぞれ挿通させることにより前記微細パイプを前記矩形状又は前記正三角形状に整列する治具本体と、前記集合パイプの断面形状に対応して複数個の穴が形成され、これらの穴に前記位置決め棒の先端部をそれぞれ挿入することにより前記微細パイプを押さえる押さえ板とを有してなることを特徴とする。
【００３０】
また、第１０発明のパイプ整列治具は、第９発明のパイプ整列治具において、前記治具本体及び前記押さえ板は前記集合パイプの各段ごとに分割したことを特徴とする。
【００３１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づき詳細に説明する。
【００３２】
＜実施の形態１＞
図１は本発明の実施の形態１に係る電磁誘導による流体加熱装置の構成を示す横断面図、図２（ａ）及び図２（ｂ）は前記流体加熱装置の発熱体（集合パイプ）の製作に用いるパイププレス治具の構成及び前記発熱体（集合パイプ）の構成を示す斜視図、図３は前記発熱体（集合パイプ）の製作に用いるパイプ整列治具の構成を示す斜視図である。
【００３３】
図１に示すように、本実施の形態１に係る電磁誘導による流体加熱装置（電磁誘導加熱セル）３１は、加熱セルケース３２と、発熱体３３と、誘導コイル３４と、断熱材３５とを備えている。
【００３４】
加熱セルケース３２はセラミックスなどの電気的な絶縁体からなる直方体状のものであり、横断面、即ち流体の流れ方向（図１の紙面と直交する方向）に対して垂直な断面が、矩形状（図示例では長方形状）のものである。本実施の形態では加熱セルケース３２の寸法を、幅（図１中左右方向）２５４ｍｍ×高さ（図１中上下方向）１１．６ｍｍ×長さ（図１の紙面と直交する方向）７０ｍｍとした。
【００３５】
加熱セルケース３２内には、複数本（本実施の形態では４８本）の発熱体３３が、加熱セルケース３２の幅方向に沿って並列に設けられた状態で収容されている。なお、各発熱体３３の区分を分かり易くするため、図１には加熱セルケース３２内に収容する前の各発熱体３３の状態も図示しており、それぞれが矢印で示す加熱セルケース３２内の各位置に収容されている。発熱体３３は、複数本（本実施の形態では２７本）の非磁性パイプ３６の集合体（集合パイプ）であり、横断面（流体の流れ方向と垂直な断面）が矩形状に形成されている。
【００３６】
非磁性パイプ３６は、気体や液体などの流体を流し且つ加熱するための微細パイプ（発熱体）であり、ＳＵＳ３１６Ｌなどの非磁性体材料によって横断面が微小な円形状の微細パイプに形成されたものである。本実施の形態１では非磁性パイプ３６の寸法を、外径φ１・０ｍｍ×内径φ０．９ｍｍ×長さ７０ｍｍとした。そして、発熱体（集合パイプ）３３におけて隣接する非磁性パイプ３６同士は、拡散溶接（接合）方法により、接合されている（詳細後述）。
【００３７】
また、集合パイプ３３を構成する非磁性パイプ３６の一部（図示例では１本又は２本）に磁性パイプ３７が挿入されており、この磁性パイプ３７が主な加熱源となっている。このとき、磁性パイプ３７の分布を図示のように設定することにより、加熱セルケース３２の横断面、即ち、複数本の発熱体３３からなる発熱体全体の横断面における温度分布が均一になるように調整されている。磁性パイプ３７は、気体や液体などの流体を流し且つ加熱するための微細パイプ（発熱体）であり、ＳＵＳ４３０などの磁性体材料によって横断面が微小な円形状の微細パイプに形成されたものである。本実施の形態１では磁性パイプ３７の寸法を、外径φ０．８ｍｍ×内径φ０．６ｍｍ×長さ７０ｍｍとした。
【００３８】
図示例の場合、加熱セルケース３２は縦横比が１より大きい横長のものであり、加熱セルケース３２内の幅方向の両端部の温度が大きく低下するため、この両端部に位置する集合パイプ３３では磁性パイプ３７が２本、即ち２本の非磁性パイプ３６に２本の磁性パイプ３７がそれぞれ挿入されている（磁性パイプ本数：非磁性パイプ本数＝２：２７）。その他の集合パイプ３３では磁性パイプ３７が１本、即ち１本の非磁性パイプ３６に１本の磁性パイプ３７が挿入されている（磁性パイプ本数：非磁性パイプ本数＝１：２７）。なお、集合パイプ３３の製作方法については後述する。
【００３９】
一方、加熱セルケース３２の外側には、断熱材３５を介して誘導コイル３４が設けられている。誘導コイル３４は加熱セルケース３２の外周に巻回するようにして設けられており、図示しない誘導加熱用の高周波電源に接続されている。本実施の形態では、この高周波電源として周波数５０ｋＨｚ、最大出力６００Ｗのものを用い、誘導コイル３４として２ｍｍ２ の耐熱ＩＶ線を２並列×９ターン巻いた。
【００４０】
この電磁誘導加熱セル３１では、前記高周波電源によって誘導コイル３４に高周波電流を流すと、図１の紙面と直交する方向の交番磁束が発生し、この交番磁束により、集合パイプ３３を構成する非磁性パイプ３６及び磁性パイプ３７に渦電流が発生し、この渦電流によって非磁性パイプ３６及び磁性パイプ３７が発熱体として発熱する。その結果、加熱セルケース３２内（非磁性パイプ３６内及び磁性パイプ３７内）を流れる流体が、非磁性パイプ３６及び磁性パイプ３７によって直接加熱される。
【００４１】
ここで図２及び図３に基づいて、発熱体（集合パイプ）３３の製作方法について説明する。
【００４２】
本実施の形態１では、集合パイプ３３内部に位置する非磁性パイプ３６も確実に固定する方法として拡散溶接方法を適用した。拡散溶接方法とは、相互に接触させた金属の母材（接合対象物）に対して高温高圧を加えることにより、相互に接触している母材（金属）同士の表面間に分子レベルの拡散を起こして、母材同士を、ろう材などを使用せずに確実に接合（密着）させることができるという方法である。また、拡散溶接方法では、加える圧力を適宜調整して最適化することにより、圧力によって母材が変形するのを防ぐこともできる。
【００４３】
本実施に形態１では、このような拡散溶接を行うために、まず、人の手により、又は、図３に示すパイプ整列治具５１を用いることにより（詳細後述）、図２（ａ）に示すように複数本（２７本）の非磁性パイプ３６を、その集合体（集合パイプ）全体の横断面（流体の流れ方向と垂直な断面）が矩形状となるように並列に配設して、パイププレス治具４１にセットする。このとき、非磁性パイプ３６は複数段（図示例では６段）に積み重ね、且つ、隣接する段の非磁性パイプ３６同士を非磁性パイプ３６の半径分だけずらした状態で整列させている。
【００４４】
パイププレス治具４１はカーボン強化材によって形成されたものであり、矩形状をなす集合パイプ３３の断面の隣り合う２辺３３ａ，３３ｂを支持する支持板４１ａ，４１ｂと、矩形状をなす集合パイプ３３の断面の他の隣り合う２辺３３ｃ，３３ｄを押圧する押圧板４１ｃ，４１ｄとを有してなるものである。
【００４５】
このパイププレス治具４１を用いて集合パイプ３３に高圧を加える場合、支持板４１ａ，４１ｂは図示しない加圧装置に固定し、前記加圧装置に備えたシリンダなどの加圧手段で押圧板４１ｃ，４１ｄに圧力を加える。その結果、図２（ａ）中に矢印Ｆで示すように、押圧板４１ｃ，４１ｄにより、集合パイプ３３の隣り合う２辺３３ｃ，３３ｄが押圧され、相互に接触している各非磁性パイプ３６間に均等に高圧が加えられる。
【００４６】
更に、このように高圧が加えられた状態の集合パイプ３３（非磁性パイプ３６）を、図示しない熱処理用の炉などの加熱手段により、例えば１０００℃の高温雰囲気中で加熱する。その結果、隣接する（相互に接触している）非磁性パイプ３６同士の表面間で分子レベルの拡散が起こり（パイプ接触面において金属原子が相互に拡散し）、隣接する非磁性パイプ３６同士が拡散溶接される。その後、この拡散溶接した集合パイプ３３に対し、図２（ｂ）に示すようにその一部（図示例では１本又は２本）の非磁性パイプ３６に磁性パイプ３７を挿入する。そして、この集合パイプ３３を複数本、加熱セルケース３２内に設ける。
【００４７】
ところで、拡散溶接の際には、非磁性パイプ３６をランダムに集合させて圧力をかけると、拡散溶接の強度にばらつきが生じてしまうため、非磁性パイプ３６を規則的に整列させる必要がある。また、電磁誘導加熱セル３１の温度分布を任意にコントロールするためにも、集合パイプ３３においてベースとなる非磁性パイプ３６が規則的に整列されている必要がある。
【００４８】
しかし、人の手によって非磁性パイプ３６を整列させたときには、この整列時やプレス時に非磁性パイプ３６がずれてしまい、誘導加熱時に隣り合う非磁性パイプ３６同士が効率よく伝熱しなくなるという問題があった。また、人の手によって、ずれがないように微細な非磁性パイプ３３を整列させるには多大な手間を要した。
【００４９】
そこで、図３に示すようなパイプ整列治具５１を用いてパイププレス治具４１に非磁性パイプ３６をセットした。図３に示すようにパイプ整列治具５１は、治具本体５１ｃと、押さえ板５１ｅとを有してなるものである。
【００５０】
治具本体５１ｃは、矩形状をなす集合パイプ３３の横断面形状に対応して複数本（図示例では各段ごとに５本又は４本、全体で２７本）の位置決め棒５１ａが板５１ｂに突設された構成であり、これらの位置決め棒５１ａに非磁性パイプ３６をそれぞれ挿通させる（即ち非磁性パイプ３６の穴に位置決め棒５１ａを挿通する）ことにより、非磁性パイプ３６を前記矩形状に整列させるものである。なお、位置決め棒５１ａの太さは、非磁性パイプ３６の内径に応じて適宜設定すればよく、本実施の形態ではφ０．８ｍｍとした。
【００５１】
押さえ板５１ｅは、前記集合パイプ３３の横断面形状に対応して複数個（図示例では各段ごとに５個又は４本、全体で２７個）の穴５１ｄが形成された構成であり、これらの穴５１ｄに位置決め棒５１ａの先端部をそれぞれ挿入することにより、非磁性パイプ３６が位置決め棒５１ａから外れないように非磁性パイプ３６を押さえるものである。
【００５２】
また、治具本体５１ｃは集合パイプ３３の各段ごとに分割され、それぞれの治具本体５１ｃは位置決め棒５１ａが櫛歯状に突設された櫛形のものとなっている。押さえ板５１ｅも、集合パイプ３３の各段ごとに分割されている。即ち、図示例では集合パイプ３３が６段の構成であるため、治具本体５１ｃ及び押さえ板５１ｅは６分割されている。なお、必ずしもこれに限定するものではなく、治具本体５１ｃは各段ごとに分割せずに一体構造のものであってもよく、押さえ板５１ｅも各段ごとに分割せずに一体構造のものであってもよい。
【００５３】
以上のように本実施の形態１では、集合パイプ３３を構成する非磁性パイプ３６同士を拡散溶接したため、ろう材などを一切使用しなくても、集合パイプ外部の非磁性パイプ３６は勿論のこと、集合パイプ内部の非磁性パイプ３６も確実に固定することができた。このため、接着剤使用時には頻繁に発生した破損（接着層の割れ）や集合パイプ内部の微細パイプの抜けがなくなり、作業性が大きく改善された。また、拡散溶接では高圧を加えることが必要であるが、非磁性パイプ３６が変形しない程度の高圧に調整することにより、磁性パイプ３７の挿入は全ての非磁性パイプ３６に対して可能であった。
【００５４】
また、非磁性パイプ３６同士を拡散溶接したことにより、耐熱接着剤を用いる必要がないため、図１３に示すような耐熱接着剤２８によるデッドスペースが、図１に示すように全く生じない。しかも、横断面が矩形状の集合パイプ３３を用いることができるため、横断面が矩形状の加熱セルケース３２に対し、図１３に示すような六角形状に起因する隙間２７が、図１に示すように全くなくなった。このため、集合パイプ３３と流体との熱交換効率が向上した。更に、集合パイプ３３には従来のような接着剤分の体積増加もなくなったため、集合パイプ３３の加熱・冷却の応答性は、非磁性パイプ単体の応答性と同等にまで改善された。
【００５５】
また、本実施の形態１では、拡散溶接の際、集合パイプ３３に高圧を加えるためにパイププレス治具４１を用いため、容易に集合パイプ３３の各非磁性パイプ３６間に高圧を均等に加えることができた。
【００５６】
また、本実施の形態１では、拡散溶接の際、非磁性パイプ３６を整列させるためにパイプ整列治具５１を用いるため、整列作業が容易になり、パイププレス治具４１へのセット時間を数分から数十秒に短縮することができた。しかも、整列時やプレス時の非磁性パイプ３６の位置ずれがなくなったため、拡散溶接時の歩留まりが１００％まで改善され、且つ、何れの非磁性パイプ３６も十分に密着しているため、伝熱の均一性が改善された。
【００５７】
また、パイプ整列治具５１の治具本体５１ｃ及び押さえ板５１ｅを各段ごとに分割したため、治具本体５１ｃ及び押さえ板５１ｅを一体構造にした場合に比べて、位置決め棒５１ａに対する非磁性パイプ３６の挿通や、穴５１ｄに対する位置決め棒５１ａの挿入が容易である。一方、治具本体５１ｃ及び押さえ板５１ｅを一体構造にした場合には、各段の治具本体５１ｃ及び押さえ板５１ｅを積み重ねる手間を要しない。
【００５８】
なお、上記では電磁誘導加熱セルの設置環境や、電磁誘導加熱セルの後段（下流）での熱処理内容などに応じて電磁誘導加熱セル（加熱セルケース）内の温度分布を変更することができる集合パイプ構造とすることを前提としているため、集合パイプ３３は非磁性パイプ３６に磁性パイプ３７を挿入する構成としている。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、もし、前記の前提がなければ、後から磁性パイプを非磁性パイプ３６に挿入するのではなく、磁性パイプ３７を一部の非磁性パイプ３６に代えて予めセットしておいてもよい。即ち、集合パイプ３３を、非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７の組み合わせとしてもよい。
【００５９】
この場合には磁性パイプ３７を非磁性パイプ３６に挿入する作業が不要になるため、作業性が向上する。また、非磁性パイプ３６に磁性パイプ３７を挿入するときには発熱部が二重パイプ構造になるため、この部分の熱容量（≒体積）が大きくなってしまうのに対し、この場合には全てのパイプ（非磁性パイプ３６及び磁性パイプ３７）が単層（一重）となるため、熱容量が低減されて、加熱・冷却の応答性が向上する。
【００６０】
＜実施の形態２＞
上記実施の形態１では温度分布の調整例として、加熱セルケース３２の横断面における長手方向（幅方向）の端部とそれ以外の部分とで各集合パイプ３３の非磁性パイプ３６に挿入する磁性パイプ３７の本数を変えることにより、電磁誘導加熱セル（加熱セルケース）内の温度分布の均一化を図っている。しかし、電磁誘導加熱セルの設置環境や電磁誘導加熱セルの後段（下流）での熱処理内容に応じた流体の温度分布を得るためには、その都度、例えば１００本の磁性パイプを非磁性パイプに挿入し、或いは磁性パイプの挿入位置を変更することが必要な場合があり、この挿入作業には多大な時間を要する。
【００６１】
これに対して、もし、予め磁性パイプも集合パイプにセットした状態で拡散溶接をし、温度分布を変更する際には集合パイプごと交換するという方法を採ることができれば、微細で煩雑な磁性パイプの挿入作業から開放されることになる。しかし、前述のように電磁誘導加熱セルの設置環境や電磁誘導加熱セルの後段（下流）での熱処理内容などに応じて電磁誘導加熱セル（加熱セルケース）内の温度分布を変更することができる集合パイプ構造とすることが前提の場合には、実施の形態１のような横断面が矩形状の集合パイプ３３において磁性パイプ３７を予めセットしても、磁性パイプ３７の位置が加熱セルケース３２内の内側或いは外側に固定されてしまうため、この方法は採用できない。そこで、本実施の形態２では、予め磁性パイプをセットし、且つ、集合パイプごとの交換によって温度分布（磁性体分布）の変更が可能となるように集合パイプの構造に工夫を施している。
【００６２】
図４（ａ）及び図４（ｂ）は本発明の実施の形態２に係る電磁誘導による流体加熱装置の構成を示す横断面図、図５は前記流体加熱装置の発熱体（集合パイプ）の製作に用いるパイプ整列治具の構成図、図６（ａ）及び図６（ｂ）は前記発熱体（集合パイプ）の製作に用いるパイププレス治具の構成及び前記発熱体（集合パイプ）の構成を示す斜視図である。また、図７（ａ）及び図７（ｂ）は本発明の実施の形態２に係る電磁誘導による流体加熱装置の他の構成を示す横断面図である。なお、これらの図中、上記実施の形態１と同様の部分については同一の符号を付し、ここでの詳細な説明は省略する。
【００６３】
図４（ａ）及び図４（ｂ）に示す本実施の形態２の電磁誘導による流体加熱装置（電磁誘導加熱セル）６１Ａ，６１Ｂでは、加熱セルケース３２内に複数本の発熱体６２Ａ，６２Ｂが、加熱セルケース３２の幅方向に沿って並列に設けられた状態で収容されている。なお、各発熱体６２Ａ，６２Ｂの区分を分かり易くするため、図４（ａ）及び図４（ｂ）には加熱セルケース３２内に収容する前の各発熱体６２Ａ，６２Ｂの状態も図示しており、それぞれが矢印で示す加熱セルケース３２内の各位置に収容されている。
【００６４】
発熱体６２Ａは、複数本（図示例では５本）の非磁性パイプ３６と１本の磁性パイプ３７とを組み合わせた集合体（集合パイプ）であり、発熱体６２Ｂは、複数本（図示例では６本）の非磁性パイプ３６のみの集合体（集合パイプ）である。そして、何れの発熱体（集合パイプ）６２Ａ，６２Ｂも、横断面（図４の紙面と直交する流体の流れ方向に対して垂直な断面）が正三角形状に形成されている。しかも、非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７とを組み合わせた集合パイプ６２Ａでは、磁性パイプ３７を前記正三角形の外周部の頂点に配設している。
【００６５】
集合パイプ６２Ａ，６２Ｂは横断面が正三角形状であるため、これらを複数本、横断面が矩形状の加熱セルケース３２内に収容した場合、集合パイプ全体としての横断面を略矩形状とすることができ、非磁性パイプ３６や磁性パイプ３７が加熱セルケース３２の内面に沿って配列されるため、同内面との間に隙間は生じない。また、集合パイプ６２Ａでは、隣接する非磁性パイプ３６同士及び隣接する非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７が、拡散溶接によって接合（密着）され、集合パイプ６２Ｂでも、隣接する非磁性パイプ３６同士が、拡散溶接によって接合（密着）されている。
【００６６】
なお、本実施の形態２では、集合パイプ６２Ａ，６２Ｂを加熱セルケース３２内に全体で２４０本収容し、集合パイプ６２Ａと集合パイプ６２Ｂの本数の比率を１：３（磁性パイプ３７と非磁性パイプ３６の本数比に換算して１：２３）とした。但し、加熱セルケース３２の幅方向の端部では、集合パイプ６２Ａと集合パイプ６２Ｂの本数の比率が１：１になるようにした。
【００６７】
そして、図４（ａ）では、磁性パイプ３７が加熱セルケース３２内において内側に位置するように集合パイプ６２Ａを配設している。図４（ｂ）では、図４（ａ）に示す状態から、集合パイプ６２Ａを同じ位置で時計回りに１２０°回転させ、他の集合パイプ６２Ａを別の位置に配置して時計回りに６０°回転させることにより、磁性パイプ３７が加熱セルケース３２内において外側（加熱セルケース３２の内面に沿う位置）に位置するように集合パイプ６２Ａを配設している。つまり、磁性パイプ３７を有する集合パイプ６２Ａの向きや配置を変えることよって、加熱セルケース３２内（集合パイプ全体）の横断面における磁性パイプ３７の位置を変えることにより、前記横断面における温度分布を変えている。
【００６８】
また、集合パイプ６２Ａ，６２Ｂを製作する際には、実施の形態１と同様、図５に示す三角形型集合パイプ用のパイプ整列治具６４と、図６（ａ）に示す三角型集合パイプ用のパイププレス治具６５とを用いる。手順は上記実施の形態１と同様である。
【００６９】
即ち、拡散溶接を行うために、まず、図５に示すようにパイプ整列治具６４を用いることにより、複数本（図示例では５本）の非磁性パイプ３６と１本の磁性パイプ３７を、その集合体全体（集合パイプ６２Ａ）の横断面（流体の流れ方向と垂直な断面）が正三角形状となるように並列に配設して、図６（ａ）に示すようにパイプ整列治具６５にセットする。非磁性パイプ３６のみの集合パイプ６２Ｂを製作する場合にも同様であり、パイプ整列治具６４を用いて複数本（図示例では６本）の非磁性パイプ３６の集合体全体（集合パイプ６２Ａ）の横断面（流体の流れ方向と垂直な断面）が正三角形状となるように並列に配設し、パイプ整列治具６５にセットする。
【００７０】
このとき、集合パイプ６２Ａでは、非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７を、複数段（図示例では３段）に積み重ね、且つ、隣接する段の非磁性パイプ３６同士及び非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７を、非磁性パイプ３６及び磁性パイプ３７の半径分だけずらした状態で整列させている。集合パイプ６２Ｂでは、非磁性パイプ３６を、複数段（図示例では３段）に積み重ね、且つ、隣接する段の非磁性パイプ３６同士を、非磁性パイプ３６の半径分だけずらした状態で整列させている。
【００７１】
図５に示すようにパイプ整列治具６４は、治具本体６４ｃと押さえ板６４ｅとを有してなるものである。治具本体６４ｃは、正三角形状をなす集合パイプ６２Ａ，６２Ｂの横断面形状に対応して複数本（図示例では各段ごとに３本、２本、１本、全体で６本）の位置決め棒６４ａが突設された構成であり、これらの位置決め棒６４ａに非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７或いは非磁性パイプ３６のみをそれぞれ挿通させる（即ち非磁性パイプ３６や磁性パイプ３７の穴に位置決め棒６４ａが挿通される）ことにより、非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７或いは非磁性パイプ３６のみを前記正三角形状に整列させるものである。なお、位置決め棒６４ａの太さは非磁性パイプ３６及び磁性パイプ３７の内径に応じて適宜設定する。
【００７２】
押さえ板６４ｅは、前記集合パイプ６２Ａ，６２Ｂの横断面形状に対応して複数個（図示例では各段ごとに３個、２個、１個、全体で６個）の穴６４ｄが形成された構成であり、これらの穴６４ｄに前記位置決め棒６４ａの先端部をそれぞれ挿入することにより、非磁性パイプ３６や磁性パイプ３７が位置決め棒６４ａから外れないように非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７或いは非磁性パイプ３６のみを押さえるものである。
【００７３】
また、治具本体６４ｃは各段ごとに分割され、押さえ板６４ｅも各段ごとに分割されている。即ち、図示例では集合パイプ６２Ａ，６２Ｂが３段の構成であるため、治具本体６４ｃ及び押さえ板６４ｅは３分割されている。なお、必ずしもこれに限定するものではなく、治具本体６４ｃは各段ごとに分割せずに一体のものであってもよく、押さえ板６４ｅも各段ごとに分割せずに一体のものであってもよい。
【００７４】
図６に示すようにパイププレス治具６５はカーボン強化材によって形成されたものであり、正三角形状をなす集合パイプ６２Ａ又は６２Ｂの断面の隣り合う２辺６２ａ，６２ｂを支持する支持板６５ａ，６５ｂと、正三角形状をなす集合パイプ６２Ａ又は６２Ｂの断面の他の１辺６２ｃを押圧する押圧板６５ｃとを有してなるものである。このパイププレス治具６５を用いて集合パイプ６２Ａ又は６２Ｂに高圧を加える場合、支持板６５ａ，６５ｂは図示しない加圧装置に固定し、前記加圧装置に備えたシリンダなどの加圧手段で押圧板６５ｃに圧力を加える。その結果、図６（ａ）中に矢印Ｆで示すように、押圧板６５ｃにより、集合パイプ６２Ａ又は６２Ｂの１辺６２ｃが押圧され、相互に接触している各非磁性パイプ３６間や非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７の間に均等に高圧が加えられる。
【００７５】
更に、このように高圧が加えられた状態の集合パイプ６２Ａ，６２Ｂ（非磁性パイプ３６、磁性パイプ３７）を、図示しない熱処理用の炉などの加熱手段により、例えば１０００℃の高温雰囲気中で加熱する。その結果、集合パイプ６２Ａ又は集合パイプ６２Ｂにおいて相互に接触している非磁性パイプ３６同士や非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７の表面間で分子レベルの拡散が起こり（パイプ接触面において金属原子が相互に拡散し）、前記非磁性パイプ３６同士や前記非磁性パイプ３６と前記磁性パイプ３７が拡散溶接される。そして、この集合パイプ６２Ａ，６２Ｂを複数本、加熱セルケース３２内に設ける。
【００７６】
なお、上記実施の形態１では非磁性パイプ３６に磁性パイプ３７を挿入するため、磁性パイプ３７の外径は非磁性パイプ３６の内径よりも小さくしているが、本実施の形態２では、非磁性パイプ３６に磁性パイプ３７を挿入するのではなく、非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７を組み合わせて集合パイプを構成するため、磁性パイプ３７の外径を非磁性パイプ３６の外径と同じにしている。
【００７７】
以上のように本実施の形態２では、集合パイプを、非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７の組み合わせとした集合パイプ６２Ａと、非磁性パイプ３６のみとした集合パイプ６２Ｂの２種類とし、これらの集合パイプ６２Ａ，６２Ｂの流体の流れ方向と垂直な断面を正三角形状とし、且つ、非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７の組み合わせとした集合パイプ６２Ａでは磁性パイプ３７を前記正三角形の外周部の頂点に配設した。また、非磁性パイプ３６同士や非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７を拡散溶接し、且つ、この拡散溶接行程ではパイプ整列治具６４とパイププレス治具６５を用いた。
【００７８】
このため、上記実施の形態１と同様の効果が得られ、しかも、温度分布を変更するために磁性パイプ３７の分布を変更する際、上記実施の形態１のように非磁性パイプ３６に磁性パイプ３７を挿入する場合には微細な磁性パイプ３７を非磁性パイプ３６に挿入したり、逆に非磁性パイプ３６から取り出したりする必要があるため、非常に手間がかかるのに対して、本実施の形態２では、磁性パイプ３７と非磁性パイプ３６を組み合わせた集合パイプ６２Ａを、この集合パイプ６２Ａごと、その向きや配置を変えたり、非磁性パイプ３６のみの集合パイプ６２Ｂと交換したりするだけでよいため、微細パイプ単体に比べて大きな集合パイプ単位での作業となることから、磁性体分布変更の作業性が大幅に向上した。
【００７９】
また、非磁性パイプ３６に磁性パイプ３７を挿入する場合には発熱部が二重パイプ構造となるため、この部分の熱容量（≒体積）が大きくなってしまうのに対し、本実施の形態２では全てのパイプ（非磁性パイプ３６及び磁性パイプ３７）が単層（一重）となるため、熱容量が数％低減されて、加熱・冷却の応答性が向上した。
【００８０】
ところで、上記では磁性パイプ３７の位置を変えて温度分布を調整することができるようにするため、磁性パイプ３７を有する集合パイプ６２Ａと、磁性パイプ３７を有しない集合パイプ６２Ｂの２種類の集合パイプを製作する必要がある。上記では加熱セルケース３２内には２４０本の集合パイプ６２Ａ，６２Ｂを設置しているが、加熱セルケース３２内における非磁性パイプ３７の密度を調整できるようにするためには、例えば温度分布調整用の集合パイプ６２Ａを含めて３００本以上の集合パイプ（磁性パイプを有しない集合パイプ２４０本、磁性パイプを有する集合パイプ６０本程度）が必要となる。この場合、最低限必要な本数（２４０本）以外の集合パイプ（温度分布調整用の集合パイプ６０本）が全本数の２５％程度を占めるため、材料費や加工費がかかってコスト高となる。
【００８１】
そして、拡散溶接行程では、高温高圧に耐えられる高価なカーボン強化材製のパイプ整列治具５１が必要になるため、コストダウンを図ることが望まれる。しかし、１回に熱処理（拡散溶接処理）する集合パイプの本数を少なくしてパイプ整列治具５１の必要個数を少数に抑えるには熱処理の回数を増やす必要があり、プレス治具コストと熱処理コストとがトレードオフの関係にある。従って、コストダウンを図るには、１つの加熱セルケースあたりに必要な集合パイプの製作本数自体を大きく減らすことが最も効果的である。
【００８２】
そこで、図７では集合パイプ１本のサイズを大きくし、１種類の集合パイプとして、集合パイプの製作本数自体を大きく減らしている。
【００８３】
詳述すると、図７（ａ）及び図７（ｂ）に示す電磁誘導による流体加熱装置（電磁誘導加熱セル）７１Ａ，７１Ｂでは、加熱セルケース３２内に複数本の発熱体７２が、加熱セルケース３２の幅方向に沿って並列に設けられた状態で収容されている。なお、各発熱体７２の区別を分かりやすくするため、図７（ａ）及び図７（ｂ）には加熱セルケース３２内に収容する前の状態の各発熱体７２も図示しており、それぞれが矢印で示す加熱セルケース３２内の各位置に収容されている。本実施の形態２では、９５本の集合パイプ７２（非磁性パイプ３６及び磁性パイプ３７の本数で１４２５本）を加熱セルケース３２内に収容した。
【００８４】
発熱体７２は、複数本（図示例では１４本）の非磁性パイプ３６と１本の磁性パイプ３７とを組み合わせた集合体（集合パイプ）であり、横断面（図７の紙面と直交する方向である流体の流れ方向に対して垂直な断面）が正三角形状に形成されている。しかも、各発熱体（集合パイプ）７２において、磁性パイプ３７は前記正三角形の外周部の頂点に配設されている。この集合パイプ７２は上記の集合パイプ６２Ａ，６２Ｂに比べて集合するパイプ本数が多くて大きい。
【００８５】
集合パイプ７２は横断面が正三角形状であるため、これを複数本、横断面が矩形状の加熱セルケース３２内に収容した場合、集合パイプ全体としての横断面を略矩形状とすることができ、非磁性パイプ３６や磁性パイプ３７が加熱セルケース３２の内面に沿って配列されるため、同内面との間に隙間は生じない。また、隣接する非磁性パイプ３６同士及び隣接する非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７は、拡散溶接によって接合（密着）されている。
【００８６】
そして、図７（ａ）では、磁性パイプ３７が加熱セルケース３２内において内側に位置するように集合パイプ７２を配設している。図７（ｂ）では、図７（ａ）に示す状態から、集合パイプ７２を同じ位置で時計回りに１２０°回転させ、他の集合パイプ７２を同じ位置で反時計回りに１８０°回転させることにより、磁性パイプ３７が加熱セルケース３２内において外側（加熱セルケース３２の内面に沿う位置）に位置するように集合パイプ７２を配設している。つまり、磁性パイプ３７を有する集合パイプ７２の向きを変えることよって、加熱セルケース３２内（集合パイプ全体）の横断面における磁性パイプ３７の位置を変えることにより、前記横断面における温度分布を変えている。即ち、温度分布を変えるために磁性パイプ３７の分布を変える場合には、集合パイプ７２の向きを変えるだけでよい。
【００８７】
なお、図示及び説明は省略するが、集合パイプ７２の製作方法は集合パイプ６２Ａ，６２Ｂの場合と同様であり、三角形型集合パイプ用のパイプ整列治具と、三角型集合パイプ用のパイププレス治具とを用いる。
【００８８】
このように集合パイプを、非磁性パイプ３６と磁性パイプ３７の組み合わせとした集合パイプ７２の１種類とし、且つ、流体の流れ方向と垂直な断面を正三角形状とし、磁性パイプ３７を前記正三角形の外周部の頂点に配設した場合には、上記のように２種類の集合パイプ６２Ａ，６２Ｂとした場合に比べて、集合パイプの製作本数を大きく低減することができるため、コストダウンを図ることができた。また、１種類の集合パイプ７２とした場合には２種類の集合パイプ６２Ａ，６２Ｂに比べてサイズが大きいため、作業性も更に向上した。
【００８９】
なお、上記集合パイプ６２Ａ、７２では正三角形の外周部の頂点に磁性パイプ３７を配置しているが、これに限定するものではなく、前記正三角形の外周部の辺に磁性パイプ３７を配置してもよい。
【００９０】
また、加熱セルケース、非磁性パイプ、磁性パイプなどの寸法は上記の寸法に限定するものではなく、加熱する流体の種類や流量などに応じて、適宜変更可能である。
【００９１】
【発明の効果】
以上、発明の実施の形態とともに具体的に説明したように、第１発明の電磁誘導による流体加熱装置によれば、加熱セルケースと、前記加熱セルケース内に収容された発熱体と、前記加熱セルケースの外側に設けた誘導コイルと備え、前記誘導コイルに交流電流を流して電磁誘導により前記発熱体を発熱させ、この発熱体によって前記加熱セルケース内を流れる流体を加熱する流体加熱装置において、前記発熱体は、前記流体を流し且つ加熱するための微細パイプを複数本並列に配設し、且つ、隣接する前記微細パイプ同士を拡散溶接してなる集合パイプであることを特徴とするため、ろう材などを一切使用しなくても、集合パイプ外部の微細パイプは勿論のこと、集合パイプ内部の微細パイプ確実に固定することができる。このため、接着剤使用時には頻繁に発生した破損（接着層の割れ）や集合パイプ内部の微細パイプの抜けがなくなり、作業性が大きく改善される。また、微細パイプ同士を拡散溶接したことにより、耐熱接着剤を用いる必要がないため、耐熱接着剤によるデッドスペースが生ぜず、且つ、接着剤分の体積増加もなくなるため、集合パイプの加熱・冷却の応答性が改善される。
【００９２】
また、第２発明の電磁誘導による流体加熱装置によれば、第１発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプを構成する微細パイプは非磁性パイプとし、これらの非磁性パイプの一部に磁性パイプを挿入するようにしたことを特徴とするため、第１発明と同様の効果が得られ、また、磁性パイプの挿入位置を変えて任意に磁性体分布（温度分布）を変えることができる。また、拡散溶接では高圧を加えることが必要であるが、非磁性パイプが変形しない程度の高圧に調整することにより、磁性パイプの挿入は全ての非磁性パイプに対して可能となる。
【００９３】
また、第３発明の電磁誘導による流体加熱装置によれば、第１発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプを構成する微細パイプは非磁性パイプと磁性パイプの組み合わせとしたことを特徴とするため、磁性パイプを非磁性パイプに挿入する作業が不要になるため、作業性が向上する。また、全てのパイプ（非磁性パイプ及び磁性パイプ）が単層（一重）となるため、熱容量が低減されて、加熱・冷却の応答性が向上する。
【００９４】
また、第４発明の電磁誘導による流体加熱装置によれば、第１，第２又は第３発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプは前記流体の流れ方向と垂直な断面を矩形状とし、この集合パイプを１本又は複数本、前記流体の流れ方向と垂直な断面が矩形状である前記加熱セルケース内に収容したことを特徴とするため、集合パイプを横断面が矩形状の加熱セルケースに収容しても、加熱セルケース内面との間に従来のような六角形状に起因する隙間が生じない。このため、集合パイプと流体との熱交換効率が向上する。
【００９５】
また、第５発明の電磁誘導による流体加熱装置によれば、第１発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプは、前記集合パイプを構成する微細パイプを非磁性パイプと磁性パイプの組み合わせとした集合パイプと、前記集合パイプを構成する微細パイプを非磁性パイプのみとした集合パイプの２種類とし、これらの集合パイプの前記流体の流れ方向と垂直な断面を正三角形状とし、且つ、非磁性パイプと磁性パイプの組み合わせとした集合パイプでは磁性パイプを前記正三角形の外周部の頂点又は辺に配設したことを特徴とするため、第１発明などと同様の効果が得られ、しかも、温度分布を変更するために磁性パイプの分布を変更する際、磁性パイプと非磁性パイプを組み合わせた集合パイプを、この集合パイプごと、その向きや配置を変えたり、非磁性パイプのみの集合パイプと交換したりするだけでよいため、微細パイプ単体に比べて大きな集合パイプ単位での作業となることから、磁性体分布変更の作業性が大幅に向上する。また、全てのパイプ（非磁性パイプ及び磁性パイプ）が単層（一重）となるため、熱容量が低減されて、加熱・冷却の応答性が向上する。
【００９６】
また、第６発明の電磁誘導による流体加熱装置によれば、第１発明の電磁誘導による流体加熱装置において、前記集合パイプは、前記集合パイプを構成する微細パイプを非磁性パイプと磁性パイプの組み合わせとした集合パイプの１種類とし、前記流体の流れ方向と垂直な断面を正三角形状とし、且つ、磁性パイプを前記正三角形の外周部の頂点又は辺に配設したことを特徴とするため、第５発明のように２種類の集合パイプとした場合に比べて、集合パイプの製作本数を大きく低減することができるため、コストダウンを図ることができる。また、１種類の集合パイプとした場合には２種類の集合パイプに比べてサイズが大きいため、作業性も更に向上する。
【００９７】
また、第７発明のパイププレス治具によれば、第４発明における前記集合パイプを製作する際、前記微細パイプ同士を拡散溶接するために前記集合パイプに高圧を加えるためのパイププレス治具であって、矩形状をなす前記集合パイプの断面の隣り合う２辺を支持する支持板と、矩形状をなす前記集合パイプの断面の他の隣り合う２辺を押圧する押圧板とを有してなることを特徴とするため、拡散溶接の際、容易に集合パイプの各パイプ間に高圧を均等に加えることができる。
【００９８】
また、第８発明のパイププレス治具によれば、第５又は第６発明における前記集合パイプを製作する際、前記微細パイプ同士を拡散溶接するために前記集合パイプに高圧を加えるためのパイププレス治具であって、正三角形状をなす前記集合パイプの断面の隣り合う２辺を支持する支持板と、正三角形状をなす前記集合パイプの断面の他の１辺を押圧する押圧板とを有してなることを特徴とするため、拡散溶接の際、容易に集合パイプの各パイプ間に高圧を均等に加えることができる。
【００９９】
また、第９発明のパイプ整列治具によれば、第４，第５又は第６発明における前記集合パイプを製作する際、前記微細パイプを整列するためのパイプ整列治具であって、矩形状又は正三角形状をなす前記集合パイプの断面形状に対応して複数本の位置決め棒が板に突設され、これらの位置決め棒に前記微細パイプをそれぞれ挿通させることにより前記微細パイプを前記矩形状又は前記正三角形状に整列する治具本体と、前記集合パイプの断面形状に対応して複数個の穴が形成され、これらの穴に前記位置決め棒の先端部をそれぞれ挿入することにより前記微細パイプを押さえる押さえ板とを有してなることを特徴とするため、拡散溶接の際、微細パイプの整列作業が容易になり、パイププレス治具へ集合パイプをセットする場合にも、そのセット時間を短縮することができる。しかも、整列時やプレス時の微細パイプの位置ずれがなくなったため、拡散溶接時の歩留まりが改善され、且つ、何れの微細パイプも十分に密着しているため、伝熱の均一性が改善される。
【０１００】
また、第１０発明のパイプ整列治具によれば、第９発明のパイプ整列治具において、前記治具本体及び前記押さえ板は前記集合パイプの各段ごとに分割したことを特徴とするため、治具本体及び押さえ板を一体構造にした場合に比べて、位置決め棒に対する微細パイプの挿通や、穴に対する位置決め棒の挿入が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１に係る電磁誘導による流体加熱装置の構成を示す横断面図である。
【図２】前記流体加熱装置の発熱体（集合パイプ）の製作に用いるパイププレス治具の構成及び前記発熱体（集合パイプ）の構成を示す斜視図である。
【図３】前記発熱体（集合パイプ）の製作に用いるパイプ整列治具の構成を示す斜視図である。
【図４】本発明の実施の形態２に係る電磁誘導による流体加熱装置の構成を示す横断面図である。
【図５】前記流体加熱装置の発熱体（集合パイプ）の製作に用いるパイプ整列治具の構成図である。
【図６】前記発熱体（集合パイプ）の製作に用いるパイププレス治具の構成及び前記発熱体（集合パイプ）の構成を示す斜視図である。
【図７】本発明の実施の形態２に係る電磁誘導による流体加熱装置の他の構成を示す横断面図である。
【図８】電磁誘導加熱方式の原理図である。
【図９】電磁誘導による流体加熱装置となる一般的な電磁誘導加熱セルの構造図である。
【図１０】発熱体の固定構造を示す透視図である。
【図１１】加熱セルケースの横断面の長手方向の温度分布を示す図である。
【図１２】先に提案した電磁誘導による流体加熱装置（電磁誘導加熱セル）の構成図である。
【図１３】横断面が六角形状の集合パイプの例を示す図である。
【符号の説明】
３１ 電磁誘導による流体加熱装置（電磁誘導加熱セル）
３２ 加熱セルケース
３３ 集合パイプ
３３ａ，３３ｂ，３３ｃ，３３ｄ 辺
３４ 誘導コイル
３５ 断熱材
３６ 非磁性パイプ（微細パイプ）
３７ 磁性パイプ（微細パイプ）
４１ パイププレス治具
４１ａ，４１ｂ 支持板
４１ｃ，４１ｄ 押圧板
５１ パイプ整列治具
５１ａ 位置決め棒
５１ｂ 板
５１ｃ 治具本体
５１ｄ 穴
５１ｅ 押さえ板
６１Ａ，６１Ｂ 電磁誘導による流体加熱装置（電磁誘導加熱セル）
６２Ａ，６２Ｂ 集合パイプ
６２ａ，６２ｂ，６２ｃ，６２ｄ 辺
６４ パイプ整列治具
６４ａ 位置決め棒
６４ｂ 板
６４ｃ 治具本体
６４ｄ 穴
６４ｅ 押さえ板
６５ パイププレス治具
６５ａ，６５ｂ 支持板
６５ｃ 押圧板
７１Ａ，７１Ｂ 電磁誘導による流体加熱装置
７２ 集合パイプ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a fluid heating device by electromagnetic induction, a pipe press jig and a pipe alignment jig used for manufacturing a collective pipe, and more specifically, a heating element generates heat by eddy current generated in the heating element by electromagnetic induction. The present invention relates to an electromagnetic induction heating device for heating a fluid such as a gas or a liquid in contact with a heating element, and a pipe press jig and a pipe alignment jig used for manufacturing the heating element (collective pipe).
[0002]
[Prior art]
Conventionally, methods of heating gases and liquids include methods that use oil or gas combustion energy as a heat source, such as boilers, methods that use natural energy as a heat source, such as sunlight, and methods that use electric energy as a heat source. There is a way to
[0003]
In the method using combustion energy as a heat source, it is necessary to spend costs on auxiliary equipment such as a fuel supply system, and extra costs are required for ensuring safety against combustion and properly treating exhaust gas generated by combustion. Further, the method of using combustion energy as a heat source has very poor response of temperature control.
[0004]
The method of using natural energy as a heat source is not only expensive but also easily affected by natural conditions, so that it is difficult to obtain stable heating.
[0005]
As a method of using electric energy as a heat source, resistance heating or infrared heating is used for industrial purposes.However, in resistance heating or infrared heating, a heat exchanger for heating gas or liquid is heated by heat conduction from a heater. It is an indirect heating type, and the heating efficiency and the responsiveness of temperature control are poor.
[0006]
On the other hand, as a method of using electric energy as a heat source, there is a direct heating type electromagnetic induction heating method in which a heat exchanger itself is a heating element. FIG. 8 is a principle diagram of the electromagnetic induction heating method. As shown in FIG. 1, when a high-frequency current I is applied to the induction coil 2 wound around the outer periphery of the heating element 1, an alternating magnetic flux Φ is generated. The heating element 1 generates heat by an electric current. As a result, a fluid such as a gas or a liquid in contact with the heating element 1 is directly heated by the heating element 1.
[0007]
This electromagnetic induction heating method is known to have good responsiveness of temperature control and extremely excellent thermal efficiency. Heretofore, there have been the following technical proposals related to heating of a fluid by the electromagnetic induction heating method.
[0008]
For example, when a large number of granular, wire and rod-shaped small pieces are filled in a fluid conduit and current is applied to a heating coil on the outer periphery of the fluid conduit, the small pieces generate heat by electromagnetic induction, and the fluid is heated by the small pieces. (Patent Document 1). There is also a method in which a large number of tubes are formed as a whole by laminating corrugated sheets to increase the heat transfer area, thereby improving thermal efficiency (Patent Document 2). There is also an electromagnetic induction heating device that shows a specific guideline regarding the operating frequency band and the heat transfer area (Patent Document 3).
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-9-260042
[Patent Document 2]
JP-A-9-167679
[Patent Document 3]
JP-A-8-264272
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
FIG. 9 shows the structure of a general electromagnetic induction heating cell which is a fluid heating device by electromagnetic induction. FIG. 9 (a) shows a cross-sectional view of a cylindrical electromagnetic induction heating cell, and FIG. ()) Shows a cross-sectional view of a rectangular parallelepiped electromagnetic induction heating cell. As shown in FIG. 1, the electromagnetic induction heating cells 3 and 4 each include a cylindrical or rectangular heating cell case 6 in which a heating element 5 such as a ball, a rod, or a pipe is housed. Has a structure in which an induction coil 7 is wound. As the material of the heating cell case 6, the heating efficiency of the fluid flowing in the heating cell case 6 does not decrease because the heating cell case 6 itself is subjected to electromagnetic induction heating and radiated to the outside of the heating cell case 6. For this purpose, a non-conductor (insulator) through which eddy current does not flow due to electromagnetic induction is often used. Further, in consideration of heat resistance and heat insulation, a ceramic cell is effective as the heating cell case 6.
[0011]
As a method for fixing the heating element, there is a method as shown in FIG. FIG. 10 is a perspective view showing a fixing structure of the heating element. The electromagnetic induction heating cell 8 in FIG. 10A has a structure in which a large number of spherical heating elements 11 housed in a flow path tube 10 are sandwiched by a partition plate 13 having a flow path hole. The electromagnetic induction heating cell 9 of FIG. 10B has a structure in which a heating element 11 having a collective structure formed by welding such as brazing is housed in a flow path tube 10.
[0012]
It is desirable that the fluid that has passed through the inside of the heating cell case is heated as uniformly as possible in the direction of the cross section (the cross section perpendicular to the direction of flow of the fluid) of the heating cell case. However, in reality, the temperature of the fluid near the outermost periphery may be lowered due to the influence of heat radiation to the outside of the heating cell case, or the temperature of the fluid at the center may be lowered due to a skin effect peculiar to high frequency. Further, in the case of an electromagnetic induction heating cell having an aspect ratio greater than 1 such as a rectangular or elliptical cross-sectional shape of the heating cell case, as shown in FIG. Is remarkably exhibited. The upper part of FIG. 11 expresses the temperature distribution by color coding, in which pink, red, orange, yellow, green, blue and dark blue are arranged in descending order of temperature.
[0013]
In order to solve this problem, the present inventor has proposed in Japanese Patent Application No. 2001-347202 to use a heating element having a structure in which a magnetic material is inserted into a non-magnetic material. In this case, the magnetic material is heated more quickly than the nonmagnetic material by electromagnetic induction and generates a large amount of heat.Thus, the nonmagnetic material also generates heat by electromagnetic induction, but the magnetic material is the main heating source, The magnetic body is heated by heat transfer from the magnetic body.
[0014]
As this embodiment, a fluid heating device (electromagnetic induction heating cell) by electromagnetic induction having a configuration as shown in FIG. 12 is proposed. In FIG. 12, the left figure is a transverse sectional view of the electromagnetic induction heating cell, and the right figure is a longitudinal sectional view taken along line AA of the left figure. The electromagnetic induction heating cell 21 shown in the figure has a rectangular parallelepiped heating cell case 23, and a plurality of non-magnetic pipes 22, which are fine pipes formed of a non-magnetic material, are arranged in parallel in the heating cell case 23. By assembling and assembling, an assembling pipe 26 is formed, and an induction coil 25 is wound around the outer periphery of the heating cell case 23 via a heat insulating material 24.
[0015]
Then, by inserting the magnetic pipe 25, which is a fine pipe formed of a magnetic material, into the non-magnetic pipe 22 at an appropriate position among the non-magnetic pipes 22 constituting the aggregate pipe 26, the crossing of the aggregate pipe 26 is performed. In a plane (a cross section perpendicular to the flow direction of the fluid), the temperature distribution of the collecting pipe 26 is made uniform, and the temperature distribution of the fluid heated by the collecting pipe 26 is controlled to be uniform. As the non-magnetic pipe 22, for example, a fine pipe having an outer diameter of 1.12 mm and a thickness of 0.05 mm is used. As the magnetic pipe 25, for example, an outer diameter of 1.0 mm and a thickness of 0.1 mm is used. Use a fine pipe.
[0016]
However, in order to use such a method, it is necessary to assemble the non-magnetic pipes 22 so as not to move. However, in a general method of fixing metal, such as brazing or spot welding, the non-magnetic pipes 22 are not moved. Is deformed, and the magnetic pipe 25 cannot be inserted into the non-magnetic pipe 22. Therefore, conventionally, the nonmagnetic pipes 22 have been assembled using a heat-shrinkable tube or a heat-resistant adhesive.
[0017]
However, the heat-shrinkable tube has a heat-resistant temperature of about 200 ° C. and cannot be used in a higher temperature range. In addition, since the material of the heat-resistant adhesive is ceramic, the heat-resistant temperature is as high as 1000 ° C., but a dead space of the thickness of the adhesive layer formed by the heat-resistant adhesive is formed around the non-magnetic pipe 22. There is a problem that care must be taken in handling since cracks are easily formed in the layer. Further, since the heat-shrinkable tube and the heat-resistant adhesive have their own volumes, the volume of the collecting pipe 26 increases (the heat capacity increases), and the responsiveness of heating and cooling of the collecting pipe 26 is reduced. There was a problem that the response was worse than the response of a single unit.
[0018]
Conventionally, a heat-resistant adhesive has been applied only to the outer periphery of the collecting pipe 26 so as not to reduce the heat transfer area of the collecting pipe 26. Therefore, it is necessary to tighten the collecting pipe 26 from the outer periphery in order to surely bring the non-magnetic pipes 22 inside the collecting pipe that are not fixed with the adhesive into close contact with each other. For this reason, it is difficult for the cross-sectional shape of the collecting pipe 26 to have a rectangular shape as shown in FIG. 12A, and FIG. 13 shows that the non-magnetic pipe 22 inside the collecting pipe can be more uniformly tightened. It was limited to such a hexagonal shape.
[0019]
However, as shown in FIG. 13, when a plurality of collecting pipes 26 having a hexagonal cross section are installed in the heating cell case 23 having a rectangular cross section, the collecting pipe 26 and the inner surface of the heating cell case 23 are not connected to each other. For example, 6.4 mm between 2 Therefore, there is a problem that the heat exchange between the collecting pipe 26 and the fluid is wasted. Also, as described above, when a heat-resistant adhesive is used, a 0.4 mm thick (one side) dead space is formed between the adjacent collective pipes 26 by the heat-resistant adhesive 28 applied to the outer periphery of the collective pipe 26. A space D is generated, and the thermal resistance increases.
[0020]
Therefore, in view of the above circumstances, the present invention can reliably connect adjacent fine pipes to the inside of the collecting pipe, has no dead space, has good responsiveness of heating and cooling, and has a rectangular cross section. A fluid heating device by electromagnetic induction provided with a heating element (collecting pipe) having a structure in which no gap is generated even when housed in a heating cell case, a pipe press jig and a pipe alignment jig used for manufacturing the collective pipe The task is to provide
[0021]
[Means for Solving the Problems]
According to a first aspect of the present invention, there is provided a fluid heating apparatus using electromagnetic induction, which includes a heating cell case, a heating element housed in the heating cell case, and an induction coil provided outside the heating cell case. In a fluid heating device in which an alternating current is passed through an induction coil to cause the heating element to generate heat by electromagnetic induction, and the heating element heats a fluid flowing in the heating cell case, the heating element flows and heats the fluid. A plurality of fine pipes are arranged in parallel, and the adjacent fine pipes are diffusion welded to each other.
[0022]
Further, a fluid heating device based on electromagnetic induction according to a second aspect of the present invention is the fluid heating device based on electromagnetic induction according to the first aspect, wherein the fine pipes constituting the collective pipe are non-magnetic pipes, and a part of these non-magnetic pipes is magnetic. It is characterized in that a pipe is inserted.
[0023]
A fluid heating device based on electromagnetic induction according to a third invention is characterized in that, in the fluid heating device based on electromagnetic induction according to the first invention, the fine pipe constituting the collective pipe is a combination of a non-magnetic pipe and a magnetic pipe. .
[0024]
Further, a fluid heating device based on electromagnetic induction of a fourth invention is the fluid heating device based on electromagnetic induction of the first, second or third invention, wherein the collecting pipe has a rectangular cross section perpendicular to a flow direction of the fluid, One or more of the collecting pipes are housed in the heating cell case having a rectangular cross section perpendicular to the flow direction of the fluid.
[0025]
Further, a fluid heating device based on electromagnetic induction according to a fifth invention is the fluid heating device based on electromagnetic induction according to the first invention, wherein the collecting pipe is a combination of a non-magnetic pipe and a magnetic pipe as a fine pipe constituting the collecting pipe. A collecting pipe and a collecting pipe in which the fine pipes constituting the collecting pipe are only non-magnetic pipes, and a cross section of these collecting pipes perpendicular to the flow direction of the fluid has an equilateral triangular shape; In a collective pipe made of a combination of a pipe and a magnetic pipe, the magnetic pipe is disposed at a vertex or a side of an outer peripheral portion of the equilateral triangle.
[0026]
A fluid heating device based on electromagnetic induction according to a sixth invention is the fluid heating device based on electromagnetic induction according to the first invention, wherein the collecting pipe is a combination of a non-magnetic pipe and a magnetic pipe as a fine pipe constituting the collecting pipe. A cross section perpendicular to the flow direction of the fluid is formed into an equilateral triangle, and the magnetic pipe is disposed at a vertex or a side of an outer peripheral portion of the equilateral triangle.
[0027]
Further, the pipe press jig of the seventh invention is a pipe press jig for applying a high pressure to the collective pipe for diffusion welding the fine pipes when manufacturing the collective pipe according to the fourth invention, A support plate that supports two adjacent sides of the cross section of the rectangular collective pipe, and a pressing plate that presses other two adjacent sides of the cross section of the rectangular collective pipe. It is characterized by.
[0028]
The pipe press jig of the eighth invention is a pipe press jig for applying a high pressure to the collective pipe in order to diffuse-weld the fine pipes when manufacturing the collective pipe according to the fifth or sixth aspect. It has a support plate that supports two adjacent sides of the cross section of the collecting pipe that forms an equilateral triangle, and a pressing plate that presses another side of the cross section of the collecting pipe that forms an equilateral triangle. It is characterized by becoming.
[0029]
A pipe aligning jig according to a ninth aspect of the present invention is a pipe aligning jig for aligning the fine pipes when manufacturing the collective pipe according to the fourth, fifth or sixth aspect of the present invention. A plurality of positioning rods are protruded from the plate corresponding to the cross-sectional shape of the triangular collective pipe, and the fine pipe is inserted into these positioning rods so that the fine pipe has the rectangular shape or the positive shape. A jig body aligned in a triangular shape, and a plurality of holes are formed corresponding to the cross-sectional shape of the collecting pipe, and a presser for holding the fine pipe by inserting the distal ends of the positioning rods into these holes. And a plate.
[0030]
A pipe aligning jig according to a tenth aspect of the present invention is the pipe aligning jig according to the ninth aspect, wherein the jig body and the holding plate are divided for each stage of the collective pipe.
[0031]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0032]
<Embodiment 1>
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a configuration of a fluid heating device using electromagnetic induction according to Embodiment 1 of the present invention, and FIGS. 2 (a) and 2 (b) show a heating element (collecting pipe) of the fluid heating device. FIG. 3 is a perspective view showing a configuration of a pipe press jig used for manufacturing and a configuration of the heating element (collecting pipe). FIG. 3 is a perspective view showing a configuration of a pipe alignment jig used for manufacturing the heating element (collecting pipe). .
[0033]
As shown in FIG. 1, a fluid heating device (electromagnetic induction heating cell) 31 by electromagnetic induction according to the first embodiment includes a heating cell case 32, a heating element 33, an induction coil 34, and a heat insulating material 35. Have.
[0034]
The heating cell case 32 is a rectangular parallelepiped made of an electrical insulator such as ceramics, and has a rectangular cross section, that is, a cross section perpendicular to the fluid flow direction (the direction perpendicular to the plane of FIG. 1). (In the illustrated example, a rectangular shape). In the present embodiment, the dimensions of the heating cell case 32 are 254 mm in width (horizontal direction in FIG. 1) × 11.6 mm in height (vertical direction in FIG. 1) × 70 mm in length (in a direction perpendicular to the paper surface of FIG. 1). did.
[0035]
In the heating cell case 32, a plurality of (48 in this embodiment) heating elements 33 are accommodated in a state of being provided in parallel along the width direction of the heating cell case 32. In addition, in order to make the division of each heating element 33 easy to understand, FIG. 1 also shows a state of each heating element 33 before being housed in the heating cell case 32, and each of the heating elements 33 is indicated by an arrow. Is housed in each position. The heating element 33 is an aggregate (collecting pipe) of a plurality of (27 in the present embodiment) nonmagnetic pipes 36, and has a rectangular cross section (a cross section perpendicular to the fluid flow direction). I have.
[0036]
The non-magnetic pipe 36 is a fine pipe (heating element) for flowing and heating a fluid such as a gas or a liquid. The non-magnetic pipe 36 is formed by a non-magnetic material such as SUS316L into a fine circular pipe having a small cross section. Things. In the first embodiment, the dimensions of the nonmagnetic pipe 36 are an outer diameter φ1.0 mm × an inner diameter φ0.9 mm × length 70 mm. The nonmagnetic pipes 36 adjacent to each other in the heating element (collecting pipe) 33 are joined by a diffusion welding (joining) method (details will be described later).
[0037]
Further, a magnetic pipe 37 is inserted into a part (one or two in the illustrated example) of the non-magnetic pipe 36 constituting the collective pipe 33, and the magnetic pipe 37 is a main heat source. At this time, by setting the distribution of the magnetic pipes 37 as shown in the drawing, the temperature distribution in the cross section of the heating cell case 32, that is, the cross section of the entire heating element including the plurality of heating elements 33 becomes uniform. Has been adjusted. The magnetic pipe 37 is a fine pipe (heating element) for flowing and heating a fluid such as a gas or a liquid, and is formed by a magnetic material such as SUS430 into a circular fine pipe having a fine cross section. is there. In the first embodiment, the dimensions of the magnetic pipe 37 are 0.8 mm in outer diameter × 0.6 mm in inner diameter × 70 mm in length.
[0038]
In the case of the illustrated example, the heating cell case 32 has a horizontally long aspect ratio greater than 1, and the temperature at both ends in the width direction inside the heating cell case 32 is greatly reduced. In the figure, two magnetic pipes 37 are inserted, that is, two magnetic pipes 37 are inserted into two non-magnetic pipes 36 (the number of magnetic pipes: the number of non-magnetic pipes = 2: 27). In the other collecting pipes 33, one magnetic pipe 37 is inserted, that is, one magnetic pipe 37 is inserted into one nonmagnetic pipe 36 (the number of magnetic pipes: the number of nonmagnetic pipes = 1: 27). The method of manufacturing the collective pipe 33 will be described later.
[0039]
On the other hand, an induction coil 34 is provided outside the heating cell case 32 via a heat insulating material 35. The induction coil 34 is provided so as to be wound around the outer periphery of the heating cell case 32, and is connected to a high-frequency power supply for induction heating (not shown). In the present embodiment, a high-frequency power supply having a frequency of 50 kHz and a maximum output of 600 W is used, and 2 Was wound in 2 parallel × 9 turns.
[0040]
In this electromagnetic induction heating cell 31, when a high-frequency current is applied to the induction coil 34 by the high-frequency power supply, an alternating magnetic flux in a direction perpendicular to the plane of FIG. 1 is generated. An eddy current is generated in the pipe 36 and the magnetic pipe 37, and the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 generate heat as a heating element due to the eddy current. As a result, the fluid flowing in the heating cell case 32 (in the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37) is directly heated by the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37.
[0041]
Here, a method for manufacturing the heating element (collecting pipe) 33 will be described with reference to FIGS.
[0042]
In the first embodiment, a diffusion welding method is applied as a method for securely fixing the non-magnetic pipe 36 located inside the collecting pipe 33. The diffusion welding method is a method of applying a high temperature and a high pressure to a metal base material (object to be joined) that is brought into contact with each other to diffuse at a molecular level between surfaces of the base materials (metals) that are in contact with each other. This is a method whereby the base materials can be securely joined (closely attached) to each other without using a brazing material or the like. Further, in the diffusion welding method, the base material can be prevented from being deformed by the pressure by appropriately adjusting and optimizing the applied pressure.
[0043]
In the first embodiment, in order to perform such diffusion welding, first, by hand or by using a pipe alignment jig 51 shown in FIG. As shown, a plurality (27) of non-magnetic pipes 36 are arranged in parallel such that the cross section (cross section perpendicular to the fluid flow direction) of the entire assembly (collection pipe) is rectangular. Is set on a pipe press jig 41. At this time, the non-magnetic pipes 36 are stacked in a plurality of stages (six stages in the illustrated example), and the non-magnetic pipes 36 in the adjacent stages are aligned while being shifted by the radius of the non-magnetic pipe 36.
[0044]
The pipe press jig 41 is formed of a carbon reinforcing material, and includes support plates 41a and 41b that support two adjacent sides 33a and 33b of a cross section of a rectangular collective pipe 33, and a rectangular collective pipe. It has pressing plates 41c and 41d for pressing the other two adjacent sides 33c and 33d of the cross section of 33.
[0045]
When a high pressure is applied to the collecting pipe 33 using the pipe press jig 41, the support plates 41a and 41b are fixed to a pressing device (not shown), and the pressing plate 41c is pressed by pressing means such as a cylinder provided in the pressing device. , 41d. As a result, as shown by an arrow F in FIG. 2A, two adjacent sides 33c and 33d of the collecting pipe 33 are pressed by the pressing plates 41c and 41d, and the non-magnetic pipes 36 that are in contact with each other are pressed. High pressure is evenly applied in between.
[0046]
Further, the collecting pipe 33 (non-magnetic pipe 36) to which the high pressure is applied is heated in a high temperature atmosphere of, for example, 1000 ° C. by a heating means such as a heat treatment furnace (not shown). As a result, diffusion at the molecular level occurs between the surfaces of adjacent non-magnetic pipes 36 (which are in contact with each other) (metal atoms diffuse at the pipe contact surfaces), and the adjacent non-magnetic pipes 36 Diffusion welded. Thereafter, the magnetic pipe 37 is inserted into a part (one or two in the illustrated example) of the diffusion-welded collective pipe 33 as shown in FIG. 2B. Then, a plurality of the collecting pipes 33 are provided in the heating cell case 32.
[0047]
By the way, in the case of diffusion welding, if the non-magnetic pipes 36 are gathered at random and pressure is applied, the strength of the diffusion welding varies, so that the non-magnetic pipes 36 need to be regularly aligned. Further, in order to arbitrarily control the temperature distribution of the electromagnetic induction heating cell 31, the base nonmagnetic pipe 36 in the collecting pipe 33 needs to be regularly arranged.
[0048]
However, when the non-magnetic pipes 36 are aligned by hand, the non-magnetic pipes 36 are displaced at the time of alignment or pressing, so that adjacent non-magnetic pipes 36 do not efficiently conduct heat during induction heating. there were. In addition, it takes a great deal of time to arrange the fine non-magnetic pipes 33 by hand so that there is no deviation.
[0049]
Then, the non-magnetic pipe 36 was set on the pipe press jig 41 using a pipe alignment jig 51 as shown in FIG. As shown in FIG. 3, the pipe alignment jig 51 has a jig main body 51c and a holding plate 51e.
[0050]
The jig body 51c has a plurality of positioning rods 51a (in the illustrated example, five or four for each step, a total of 27) corresponding to the cross-sectional shape of the collecting pipe 33 having a rectangular shape. The non-magnetic pipe 36 is formed in a rectangular shape by inserting the non-magnetic pipe 36 through each of the positioning rods 51a (that is, by inserting the positioning rod 51a into the holes of the non-magnetic pipe 36). It is something to align. Note that the thickness of the positioning rod 51a may be appropriately set according to the inner diameter of the nonmagnetic pipe 36, and is φ0.8 mm in the present embodiment.
[0051]
The pressing plate 51e has a configuration in which a plurality of holes 51d (5 or 4 per stage in the illustrated example, 27 in total) are formed corresponding to the cross-sectional shape of the collecting pipe 33. By inserting the distal end portions of the positioning rods 51a into the holes 51d, the non-magnetic pipe 36 is pressed so that the non-magnetic pipe 36 does not come off the positioning rod 51a.
[0052]
The jig main body 51c is divided for each stage of the collecting pipe 33, and each jig main body 51c is in a comb shape in which positioning rods 51a protrude in a comb-tooth shape. The pressing plate 51e is also divided for each stage of the collecting pipe 33. That is, in the illustrated example, since the collecting pipe 33 has a six-stage configuration, the jig body 51c and the pressing plate 51e are divided into six. The jig body 51c is not necessarily limited to this, and the jig body 51c may be of an integral structure without being divided for each step, and the holding plate 51e may be of an integral structure without being divided for each step. It may be.
[0053]
As described above, in the first embodiment, since the non-magnetic pipes 36 constituting the collective pipe 33 are diffusion-welded to each other, the non-magnetic pipe 36 outside the collective pipe can be used without any brazing material. Also, the non-magnetic pipe 36 inside the collecting pipe could be securely fixed. For this reason, breakage (breakage of the adhesive layer) that frequently occurs when the adhesive is used and removal of the fine pipe inside the collecting pipe are eliminated, and the workability is greatly improved. Further, it is necessary to apply a high pressure in diffusion welding, but by adjusting the pressure to such a high level that the non-magnetic pipe 36 is not deformed, the insertion of the magnetic pipe 37 was possible to all the non-magnetic pipes 36. .
[0054]
In addition, since the non-magnetic pipes 36 are diffusion-welded to each other, there is no need to use a heat-resistant adhesive, so that no dead space is generated by the heat-resistant adhesive 28 as shown in FIG. 13 as shown in FIG. Moreover, since the collecting pipe 33 having a rectangular cross section can be used, the gap 27 due to the hexagonal shape as shown in FIG. 13 is formed in the heating cell case 32 having the rectangular cross section as shown in FIG. So totally gone. For this reason, the heat exchange efficiency between the collecting pipe 33 and the fluid has been improved. Furthermore, since the volume of the adhesive for the collective pipe 33 does not increase as in the related art, the responsiveness of heating and cooling of the collective pipe 33 has been improved to the same level as the responsiveness of the nonmagnetic pipe alone.
[0055]
In the first embodiment, since the pipe press jig 41 is used to apply a high pressure to the collecting pipe 33 during diffusion welding, high pressure is easily applied evenly between the non-magnetic pipes 36 of the collecting pipe 33. I was able to.
[0056]
Further, in the first embodiment, since the pipe aligning jig 51 is used to align the non-magnetic pipes 36 at the time of diffusion welding, the aligning operation is facilitated, and the setting time to the pipe press jig 41 is reduced. The time was reduced from minutes to tens of seconds. In addition, since the displacement of the non-magnetic pipe 36 during alignment and pressing is eliminated, the yield at the time of diffusion welding is improved to 100%. Was improved.
[0057]
Further, since the jig main body 51c and the holding plate 51e of the pipe alignment jig 51 are divided for each stage, the non-magnetic pipe 36 for the positioning rod 51a is compared with the case where the jig main body 51c and the holding plate 51e are integrated. And the positioning rod 51a is easily inserted into the hole 51d. On the other hand, when the jig main body 51c and the holding plate 51e are integrated, there is no need to stack the jig main body 51c and the holding plate 51e of each stage.
[0058]
In the above description, a set in which the temperature distribution in the electromagnetic induction heating cell (heating cell case) can be changed according to the installation environment of the electromagnetic induction heating cell, the content of the heat treatment in the downstream (downstream) of the electromagnetic induction heating cell, and the like. Since it is assumed that a pipe structure is used, the collective pipe 33 has a configuration in which the magnetic pipe 37 is inserted into the nonmagnetic pipe 36. However, the present invention is not necessarily limited to this. If the above assumption is not made, the magnetic pipe 37 is not inserted into the non-magnetic pipe 36 later, but the magnetic pipe 37 is replaced with a part of the non-magnetic pipe 36. It may be set in advance. That is, the collecting pipe 33 may be a combination of the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37.
[0059]
In this case, the work of inserting the magnetic pipe 37 into the non-magnetic pipe 36 becomes unnecessary, so that the workability is improved. In addition, when the magnetic pipe 37 is inserted into the non-magnetic pipe 36, the heat generating portion has a double pipe structure, so that the heat capacity (≒ volume) of this portion increases, whereas in this case, all the pipes ( Since the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37) have a single layer (single layer), the heat capacity is reduced, and the responsiveness of heating and cooling is improved.
[0060]
<Embodiment 2>
In the first embodiment, as an example of adjusting the temperature distribution, the magnetic material inserted into the non-magnetic pipe 36 of each of the collective pipes 33 at the end in the longitudinal direction (width direction) of the cross section of the heating cell case 32 and the other part. By changing the number of pipes 37, the temperature distribution in the electromagnetic induction heating cell (heating cell case) is made uniform. However, in order to obtain the temperature distribution of the fluid in accordance with the installation environment of the electromagnetic induction heating cell and the heat treatment at the downstream (downstream) of the electromagnetic induction heating cell, for example, 100 magnetic pipes are replaced with non-magnetic pipes each time. In some cases, it is necessary to insert or change the insertion position of the magnetic pipe, and this insertion operation requires a lot of time.
[0061]
On the other hand, if the magnetic pipe is set in the collecting pipe in advance and diffusion welding is performed, and if the temperature distribution is changed, the whole pipe can be replaced, a fine and complicated magnetic pipe can be used. Will be released from the insertion work. However, as described above, the temperature distribution in the electromagnetic induction heating cell (heating cell case) can be changed according to the installation environment of the electromagnetic induction heating cell, the content of the heat treatment at the subsequent stage (downstream) of the electromagnetic induction heating cell, and the like. When it is assumed that the collecting pipe structure is used, even if the magnetic pipe 37 is set in advance in the collecting pipe 33 having a rectangular cross section as in the first embodiment, the position of the magnetic pipe 37 is set to the heating cell case 32. This method cannot be adopted because it is fixed inside or outside the inside. Therefore, in the second embodiment, the magnetic pipe is set in advance, and the structure of the collective pipe is devised so that the temperature distribution (magnetic substance distribution) can be changed by replacing the collective pipe.
[0062]
4 (a) and 4 (b) are cross-sectional views showing a configuration of a fluid heating device using electromagnetic induction according to Embodiment 2 of the present invention, and FIG. 5 is a diagram showing a heating element (collecting pipe) of the fluid heating device. FIG. 6A and FIG. 6B show the configuration of a pipe alignment jig used for manufacturing, and FIGS. 6A and 6B show the configuration of a pipe press jig used for manufacturing the heating element (collecting pipe) and the configuration of the heating element (collecting pipe). FIG. FIGS. 7A and 7B are cross-sectional views showing another configuration of the fluid heating device using electromagnetic induction according to the second embodiment of the present invention. In these drawings, the same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description thereof will be omitted.
[0063]
In the fluid heating devices (electromagnetic induction heating cells) 61A and 61B by electromagnetic induction according to the second embodiment shown in FIGS. 4A and 4B, a plurality of heating elements 62A and 62B are provided in the heating cell case 32. Are accommodated in a state provided in parallel along the width direction of the heating cell case 32. 4 (a) and 4 (b) also show the state of each heating element 62A, 62B before being housed in the heating cell case 32, in order to make the division of each heating element 62A, 62B easy to understand. Each is accommodated in each position in the heating cell case 32 indicated by an arrow.
[0064]
The heating element 62A is an aggregate (collecting pipe) in which a plurality of (five in the illustrated example) non-magnetic pipes 36 and one magnetic pipe 37 are combined, and the heating element 62B is a plurality (in the illustrated example). This is an aggregate (collective pipe) of only six (non-magnetic) pipes 36. Each of the heating elements (collecting pipes) 62A and 62B is formed in a regular triangular cross section (a cross section perpendicular to the paper flow direction in FIG. 4 and perpendicular to the flow direction of the fluid). Moreover, in the collective pipe 62A in which the nonmagnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are combined, the magnetic pipe 37 is disposed at the vertex of the outer periphery of the equilateral triangle.
[0065]
Since the collective pipes 62A and 62B have a regular triangular cross section, when a plurality of these are accommodated in the heating cell case 32 having a rectangular cross section, the collective pipe as a whole has a substantially rectangular cross section. Since the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are arranged along the inner surface of the heating cell case 32, no gap is formed between the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37. Further, in the collecting pipe 62A, the adjacent nonmagnetic pipes 36 and the adjacent nonmagnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are joined (adhered) by diffusion welding, and also in the collecting pipe 62B, the adjacent nonmagnetic pipes 36 are connected to each other. Bonded (close contact) by diffusion welding.
[0066]
In the second embodiment, a total of 240 collecting pipes 62A and 62B are accommodated in the heating cell case 32, and the ratio of the numbers of the collecting pipes 62A and 62B is 1: 3 (the magnetic pipe 37 and the non-magnetic 1:23) in terms of the ratio of the number of pipes 36. However, at the end in the width direction of the heating cell case 32, the ratio of the number of the collecting pipes 62A and the number of the collecting pipes 62B was set to 1: 1.
[0067]
In FIG. 4A, the collecting pipe 62A is arranged so that the magnetic pipe 37 is located inside the heating cell case 32. In FIG. 4 (b), from the state shown in FIG. 4 (a), the collecting pipe 62A is rotated clockwise at 120 ° at the same position, and the other collecting pipe 62A is arranged at another position and clockwise rotated at 60 °. By rotating, the collecting pipe 62A is disposed so that the magnetic pipe 37 is located outside (position along the inner surface of the heating cell case 32) inside the heating cell case 32. That is, by changing the direction and arrangement of the collecting pipe 62A having the magnetic pipe 37, the temperature distribution in the cross section is changed by changing the position of the magnetic pipe 37 in the cross section in the heating cell case 32 (entire collecting pipe). Changing.
[0068]
Also, when manufacturing the collective pipes 62A and 62B, similarly to the first embodiment, a pipe alignment jig 64 for a triangular collective pipe shown in FIG. 5 and a triangular collective pipe shown in FIG. And a pipe press jig 65 described above. The procedure is the same as in the first embodiment.
[0069]
That is, in order to perform diffusion welding, first, a plurality of (five in the illustrated example) non-magnetic pipes 36 and one magnetic pipe 37 are formed by using a pipe alignment jig 64 as shown in FIG. The entire assembly (collecting pipe 62A) is arranged in parallel so that the cross section (the cross section perpendicular to the flow direction of the fluid) becomes an equilateral triangle, and as shown in FIG. Set to 65. The same applies to the case where the collective pipe 62B including only the non-magnetic pipe 36 is manufactured, and the entire assembly (a collective pipe 62A) of a plurality of (six in the illustrated example) non-magnetic pipes 36 using the pipe alignment jig 64. Are arranged in parallel so that their cross sections (cross sections perpendicular to the flow direction of the fluid) are equilateral triangles, and are set on a pipe alignment jig 65.
[0070]
At this time, in the collecting pipe 62A, the nonmagnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are stacked in a plurality of stages (three stages in the illustrated example), and the nonmagnetic pipes 36 in adjacent stages and between the nonmagnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are stacked. Are displaced by the radius of the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37. In the collecting pipe 62B, the non-magnetic pipes 36 are stacked in a plurality of stages (three stages in the illustrated example), and the non-magnetic pipes 36 in adjacent stages are aligned while being shifted by the radius of the non-magnetic pipe 36. ing.
[0071]
As shown in FIG. 5, the pipe alignment jig 64 has a jig main body 64c and a holding plate 64e. A plurality of jig bodies 64c (three, two, one in each example, six in total in the illustrated example) correspond to the cross-sectional shapes of the collecting pipes 62A, 62B forming an equilateral triangle. The rod 64a is protruded, and the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 or only the non-magnetic pipe 36 are inserted through these positioning rods 64a (that is, the positioning rod is inserted into the hole of the non-magnetic pipe 36 or the magnetic pipe 37). 64a), the nonmagnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 or only the nonmagnetic pipe 36 are aligned in the equilateral triangle. Note that the thickness of the positioning rod 64a is appropriately set according to the inner diameters of the nonmagnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37.
[0072]
The holding plate 64e is provided with a plurality of holes (three, two, one, six in total in each example in the illustrated example) corresponding to the cross-sectional shape of the collecting pipes 62A, 62B. By inserting the tip of the positioning rod 64a into each of the holes 64d, the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 or the non-magnetic pipe 37 are prevented from coming off the positioning rod 64a. Only the magnetic pipe 36 is pressed.
[0073]
The jig body 64c is divided for each stage, and the holding plate 64e is also divided for each stage. That is, in the illustrated example, since the collecting pipes 62A and 62B have a three-stage configuration, the jig main body 64c and the pressing plate 64e are divided into three parts. The jig body 64c is not necessarily limited to this, and the jig body 64c may be integrated without being divided for each step, and the holding plate 64e may be integrated without being divided for each step. You may.
[0074]
As shown in FIG. 6, the pipe press jig 65 is formed of a carbon reinforcing material, and has a support plate 65a that supports two adjacent sides 62a and 62b of a cross section of the collecting pipe 62A or 62B that forms an equilateral triangle. 65b and a pressing plate 65c for pressing the other side 62c of the cross section of the collecting pipe 62A or 62B having a regular triangular shape. When high pressure is applied to the collecting pipe 62A or 62B using the pipe press jig 65, the support plates 65a and 65b are fixed to a pressing device (not shown) and pressed by pressing means such as a cylinder provided in the pressing device. Pressure is applied to the plate 65c. As a result, as shown by an arrow F in FIG. 6A, one side 62c of the collecting pipe 62A or 62B is pressed by the pressing plate 65c, and the non-magnetic pipes 36 and the non-magnetic pipes 36 contact each other. A high pressure is evenly applied between the pipe 36 and the magnetic pipe 37.
[0075]
Further, the collective pipes 62A, 62B (non-magnetic pipe 36, magnetic pipe 37) to which the high pressure is applied are heated in a high-temperature atmosphere of, for example, 1000 ° C. by a heating means such as a heat treatment furnace (not shown). I do. As a result, diffusion at the molecular level occurs between the non-magnetic pipes 36 that are in contact with each other in the collecting pipe 62A or 62B or between the surfaces of the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 (the metal atoms on the pipe contact surface are mutually diffusing). The non-magnetic pipes 36 are mutually welded, or the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are diffusion-welded. A plurality of the collecting pipes 62A and 62B are provided in the heating cell case 32.
[0076]
In the first embodiment, since the magnetic pipe 37 is inserted into the nonmagnetic pipe 36, the outer diameter of the magnetic pipe 37 is smaller than the inner diameter of the nonmagnetic pipe 36. Instead of inserting the magnetic pipe 37 into the magnetic pipe 36, the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are combined to form a collective pipe. Therefore, the outer diameter of the magnetic pipe 37 is made equal to the outer diameter of the non-magnetic pipe 36. I have.
[0077]
As described above, in the second embodiment, the collecting pipes are of two types: a collecting pipe 62A in which the nonmagnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are combined, and a collecting pipe 62B in which only the nonmagnetic pipe 36 is used. The cross section of the pipes 62A and 62B perpendicular to the flow direction of the fluid has a regular triangular shape, and in the collective pipe 62A in which the nonmagnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are combined, the magnetic pipe 37 is located at the vertex of the outer peripheral portion of the regular triangle. It was arranged. In addition, the non-magnetic pipes 36 and the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 were diffusion-welded, and a pipe alignment jig 64 and a pipe press jig 65 were used in the diffusion welding process.
[0078]
Therefore, the same effect as in the first embodiment can be obtained, and when the distribution of the magnetic pipes 37 is changed in order to change the temperature distribution, the magnetic pipe 36 is connected to the non-magnetic pipe 36 as in the first embodiment. In the case of inserting the fine pipe 37, it is necessary to insert the fine magnetic pipe 37 into the non-magnetic pipe 36 and to take it out of the non-magnetic pipe 36, which is very troublesome. In the second embodiment, the collective pipe 62A obtained by combining the magnetic pipe 37 and the non-magnetic pipe 36 is changed only by changing the direction and arrangement of the collective pipe 62A or replacing the collective pipe 62B with the non-magnetic pipe 36 alone. Because it is good, the work is performed in the unit of a collective pipe which is larger than that of the fine pipe alone, so that the workability of changing the distribution of the magnetic material is greatly improved.
[0079]
In addition, when the magnetic pipe 37 is inserted into the non-magnetic pipe 36, the heat generating portion has a double pipe structure, so that the heat capacity (≒ volume) of this portion increases, whereas in the second embodiment, Since all the pipes (the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37) have a single layer (single layer), the heat capacity is reduced by several percent, and the response of heating and cooling is improved.
[0080]
By the way, in the above, in order to be able to adjust the temperature distribution by changing the position of the magnetic pipe 37, two types of collecting pipes, a collecting pipe 62A having the magnetic pipe 37 and a collecting pipe 62B having no magnetic pipe 37, are used. Need to be manufactured. In the above description, 240 collecting pipes 62A and 62B are installed in the heating cell case 32. However, in order to be able to adjust the density of the non-magnetic pipe 37 in the heating cell case 32, for example, temperature distribution adjustment And more than 300 collecting pipes (about 240 collecting pipes without magnetic pipes and about 60 collecting pipes with magnetic pipes), including the collecting pipe 62A. In this case, the collecting pipes (60 collecting pipes for temperature distribution adjustment) other than the minimum required number (240 pipes) occupy about 25% of the total pipe number, so that material costs and processing costs are incurred, resulting in high costs. .
[0081]
In the diffusion welding process, an expensive pipe arranging jig 51 made of an expensive carbon reinforcing material capable of withstanding high temperature and high pressure is required. However, it is necessary to increase the number of heat treatments in order to reduce the number of collective pipes to be heat-treated (diffusion welding) at one time and to reduce the required number of pipe alignment jigs 51 to a small number. Are in a trade-off relationship. Therefore, in order to reduce costs, it is most effective to greatly reduce the number of assembled pipes required per heating cell case.
[0082]
Therefore, in FIG. 7, the size of one collective pipe is increased, and the number of collective pipes themselves is greatly reduced as one type of collective pipe.
[0083]
More specifically, in the fluid heating devices (electromagnetic induction heating cells) 71A and 71B by electromagnetic induction shown in FIGS. 7A and 7B, a plurality of heating elements 72 are provided in the heating cell case 32. The case 32 is accommodated in a state of being provided in parallel along the width direction. 7A and 7B also show the heating elements 72 before being housed in the heating cell case 32, in order to make it easy to distinguish the heating elements 72. Are accommodated at respective positions in the heating cell case 32 indicated by arrows. In the second embodiment, 95 collecting pipes 72 (1,425 nonmagnetic pipes 36 and magnetic pipes 37 in number) are housed in the heating cell case 32.
[0084]
The heating element 72 is an aggregate (aggregate pipe) in which a plurality of (14 in the illustrated example) non-magnetic pipes 36 and one magnetic pipe 37 are combined, and has a cross section (a direction orthogonal to the paper surface of FIG. 7). (A cross section perpendicular to the flow direction of the fluid) is formed in an equilateral triangular shape. Further, in each heating element (collecting pipe) 72, the magnetic pipe 37 is disposed at the vertex of the outer peripheral portion of the equilateral triangle. The aggregate pipe 72 has a larger number of aggregated pipes than the aggregate pipes 62A and 62B.
[0085]
Since the collective pipe 72 has a regular triangular cross section, when a plurality of the collective pipes are housed in the heating cell case 32 having a rectangular cross section, the cross section of the collective pipe as a whole may be substantially rectangular. Since the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are arranged along the inner surface of the heating cell case 32, no gap is formed between the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37. The adjacent non-magnetic pipes 36 and the adjacent non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are joined (closely joined) by diffusion welding.
[0086]
In FIG. 7A, the collecting pipe 72 is arranged so that the magnetic pipe 37 is located inside the heating cell case 32. In FIG. 7B, from the state shown in FIG. 7A, the collective pipe 72 is rotated clockwise by 120 ° at the same position, and the other collective pipes 72 are rotated counterclockwise by 180 ° at the same position. Accordingly, the collecting pipe 72 is disposed so that the magnetic pipe 37 is located outside (position along the inner surface of the heating cell case 32) inside the heating cell case 32. That is, by changing the direction of the collecting pipe 72 having the magnetic pipe 37, the position of the magnetic pipe 37 in the cross section inside the heating cell case 32 (entire collecting pipe) is changed, thereby changing the temperature distribution in the cross section. I have. That is, when changing the distribution of the magnetic pipes 37 to change the temperature distribution, it is only necessary to change the direction of the collecting pipe 72.
[0087]
Although not shown or described, the method of manufacturing the collective pipe 72 is the same as that of the collective pipes 62A and 62B, and includes a pipe alignment jig for the triangular collective pipe and a pipe press jig for the triangular collective pipe. Tool.
[0088]
As described above, the collecting pipe is one type of the collecting pipe 72 in which the non-magnetic pipe 36 and the magnetic pipe 37 are combined, and the cross section perpendicular to the flow direction of the fluid has an equilateral triangle shape. In the case where the pipes are arranged at the top of the outer peripheral portion, the number of pipes to be manufactured can be greatly reduced as compared with the case where two types of pipes 62A and 62B are used as described above. I was able to. In addition, when one type of collecting pipe 72 is used, the workability is further improved because the size is larger than the two types of collecting pipes 62A and 62B.
[0089]
In the collective pipes 62A and 72, the magnetic pipe 37 is arranged at the vertex of the outer periphery of the equilateral triangle. However, the present invention is not limited to this, and the magnetic pipe 37 is arranged at the outer periphery of the equilateral triangle. You may.
[0090]
Further, the dimensions of the heating cell case, the non-magnetic pipe, the magnetic pipe, and the like are not limited to the dimensions described above, and can be appropriately changed according to the type and flow rate of the fluid to be heated.
[0091]
【The invention's effect】
As described above in detail with the embodiments of the present invention, according to the fluid heating device by electromagnetic induction of the first invention, the heating cell case, the heating element housed in the heating cell case, A fluid heating device comprising an induction coil provided outside a cell case, wherein an alternating current is passed through the induction coil to cause the heating element to generate heat by electromagnetic induction, and the heating element heats a fluid flowing through the heating cell case. The heating element is a collective pipe in which a plurality of fine pipes for flowing and heating the fluid are arranged in parallel, and the adjacent fine pipes are diffusion-welded. Even if no brazing material is used, the fine pipes inside the collective pipe as well as the fine pipes outside the collective pipe can be securely fixed. For this reason, breakage (breakage of the adhesive layer) which frequently occurs when the adhesive is used, and removal of the fine pipe inside the collecting pipe are eliminated, and the workability is greatly improved. In addition, since the heat-resistant adhesive does not need to be used due to the diffusion welding of the fine pipes, there is no dead space due to the heat-resistant adhesive, and the volume of the adhesive does not increase. Responsiveness is improved.
[0092]
Further, according to the fluid heating device by electromagnetic induction of the second invention, in the fluid heating device by electromagnetic induction of the first invention, the fine pipes constituting the collective pipe are non-magnetic pipes, and a part of these non-magnetic pipes Since the magnetic pipe is inserted into the magnetic pipe, the same effects as those of the first invention can be obtained, and the magnetic substance distribution (temperature distribution) can be arbitrarily changed by changing the insertion position of the magnetic pipe. it can. In addition, high pressure must be applied in diffusion welding, but by adjusting the pressure to such a level that the non-magnetic pipe is not deformed, the insertion of the magnetic pipe becomes possible for all the non-magnetic pipes.
[0093]
Further, according to the fluid heating device by electromagnetic induction of the third invention, in the fluid heating device by electromagnetic induction of the first invention, the fine pipes constituting the collective pipe are a combination of a non-magnetic pipe and a magnetic pipe. Therefore, the work of inserting the magnetic pipe into the non-magnetic pipe becomes unnecessary, and the workability is improved. Further, since all the pipes (non-magnetic pipe and magnetic pipe) have a single layer (single layer), the heat capacity is reduced, and the responsiveness of heating and cooling is improved.
[0094]
According to the fluid heating device by electromagnetic induction of the fourth invention, in the fluid heating device by electromagnetic induction of the first, second or third invention, the collecting pipe has a rectangular cross section perpendicular to the flow direction of the fluid. And one or more of the collecting pipes are housed in the heating cell case having a rectangular cross section perpendicular to the flow direction of the fluid, so that the collecting pipe has a rectangular cross section. Even when housed in the heating cell case, there is no gap between the inner surface of the heating cell case and the conventional hexagonal shape. For this reason, the heat exchange efficiency between the collecting pipe and the fluid is improved.
[0095]
Further, according to the fluid heating device based on electromagnetic induction of the fifth invention, in the fluid heating device based on electromagnetic induction of the first invention, the collecting pipe is a combination of a non-magnetic pipe and a magnetic pipe that constitutes the fine pipe constituting the collecting pipe. And two types of collecting pipes in which the fine pipes constituting the collecting pipe are only non-magnetic pipes, the cross sections of these collecting pipes perpendicular to the flow direction of the fluid are equilateral triangles, and In the collective pipe in which the non-magnetic pipe and the magnetic pipe are combined, since the magnetic pipe is disposed at the vertex or the side of the outer peripheral portion of the equilateral triangle, the same effect as that of the first invention is obtained, and When changing the distribution of magnetic pipes in order to change the temperature distribution, collective pipes that combine magnetic pipes and non-magnetic pipes Since it is only necessary to change the direction and arrangement, or replace it with a collective pipe consisting only of non-magnetic pipes, it is necessary to work on a collective pipe unit larger than a fine pipe alone. Significantly improved. Further, since all the pipes (non-magnetic pipe and magnetic pipe) have a single layer (single layer), the heat capacity is reduced, and the responsiveness of heating and cooling is improved.
[0096]
Further, according to the fluid heating device by electromagnetic induction of the sixth invention, in the fluid heating device by electromagnetic induction of the first invention, the collecting pipe is a combination of a non-magnetic pipe and a magnetic pipe, A cross section perpendicular to the flow direction of the fluid is formed into an equilateral triangle, and the magnetic pipe is disposed at a vertex or a side of an outer peripheral portion of the equilateral triangle. Compared with the case where two types of collective pipes are used as in the fifth invention, the number of collective pipes to be manufactured can be greatly reduced, so that the cost can be reduced. In addition, when one type of collective pipe is used, the workability is further improved because the size is larger than two types of collective pipes.
[0097]
Further, according to the pipe press jig of the seventh invention, when manufacturing the collective pipe of the fourth invention, a pipe press jig for applying a high pressure to the collective pipe in order to diffusely weld the fine pipes. There is a support plate that supports two adjacent sides of the cross section of the collecting pipe having a rectangular shape, and a pressing plate that presses the other two adjacent sides of the cross section of the collecting pipe having a rectangular shape. Therefore, during diffusion welding, high pressure can be easily applied evenly between the pipes of the collecting pipe.
[0098]
Further, according to the pipe press jig of the eighth invention, when manufacturing the collective pipe according to the fifth or sixth invention, a pipe press for applying a high pressure to the collective pipe for diffusion welding the fine pipes to each other. A jig, a support plate for supporting two adjacent sides of a cross section of the collecting pipe having a regular triangular shape, and a pressing plate for pressing another side of the cross section of the collecting pipe having a regular triangular shape. Since it is characterized by having a high pressure, it is possible to easily apply a high pressure evenly between the pipes of the collecting pipe at the time of diffusion welding.
[0099]
According to the pipe aligning jig of the ninth aspect, when manufacturing the collective pipe according to the fourth, fifth or sixth aspect, the pipe aligning jig for aligning the fine pipes, Or a plurality of positioning rods are provided on the plate corresponding to the cross-sectional shape of the collective pipe forming an equilateral triangle, and the fine pipe is inserted into these positioning rods so that the fine pipe is rectangular or The jig body aligned in the equilateral triangle shape, and a plurality of holes are formed corresponding to the cross-sectional shape of the collecting pipe, and the fine pipe is inserted by inserting the tip of the positioning rod into each of the holes. It is characterized by having a holding plate to hold down, so that the work of aligning fine pipes is easy during diffusion welding. It is possible to reduce the setup time. Moreover, since the displacement of the fine pipes during alignment and pressing is eliminated, the yield during diffusion welding is improved, and the uniformity of heat transfer is improved because all the fine pipes are sufficiently adhered. .
[0100]
According to the pipe alignment jig of the tenth invention, in the pipe alignment jig of the ninth invention, the jig body and the holding plate are divided for each stage of the collective pipe, The insertion of the fine pipe into the positioning rod and the insertion of the positioning rod into the hole are easier than in the case where the jig body and the holding plate are integrated.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a configuration of a fluid heating device using electromagnetic induction according to Embodiment 1 of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing a configuration of a pipe press jig used for manufacturing a heating element (collecting pipe) of the fluid heating device and a configuration of the heating element (collecting pipe).
FIG. 3 is a perspective view showing a configuration of a pipe alignment jig used for manufacturing the heating element (collective pipe).
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a configuration of a fluid heating device using electromagnetic induction according to Embodiment 2 of the present invention.
FIG. 5 is a configuration diagram of a pipe alignment jig used for manufacturing a heating element (collective pipe) of the fluid heating device.
FIG. 6 is a perspective view showing a configuration of a pipe press jig used for manufacturing the heating element (collecting pipe) and a configuration of the heating element (collecting pipe).
FIG. 7 is a cross-sectional view showing another configuration of the fluid heating device based on electromagnetic induction according to Embodiment 2 of the present invention.
FIG. 8 is a principle diagram of an electromagnetic induction heating method.
FIG. 9 is a structural view of a general electromagnetic induction heating cell which becomes a fluid heating device by electromagnetic induction.
FIG. 10 is a perspective view showing a fixing structure of a heating element.
FIG. 11 is a diagram showing a temperature distribution in a longitudinal direction of a cross section of the heating cell case.
FIG. 12 is a configuration diagram of a previously proposed electromagnetic induction fluid heating device (electromagnetic induction heating cell).
FIG. 13 is a diagram showing an example of a collecting pipe having a hexagonal cross section.
[Explanation of symbols]
31 Electromagnetic induction fluid heating device (electromagnetic induction heating cell)
32 heating cell case
33 Collective pipe
33a, 33b, 33c, 33d sides
34 induction coil
35 Insulation
36 Non-magnetic pipe (fine pipe)
37 Magnetic Pipe (Fine Pipe)
41 Pipe Press Jig
41a, 41b support plate
41c, 41d pressing plate
51 Pipe alignment jig
51a Positioning rod
51b board
51c Jig body
51d hole
51e Holding plate
61A, 61B Fluid heating device by electromagnetic induction (electromagnetic induction heating cell)
62A, 62B Collective pipe
62a, 62b, 62c, 62d sides
64 Pipe alignment jig
64a Positioning rod
64b board
64c jig body
64d hole
64e holding plate
65 Pipe Press Jig
65a, 65b support plate
65c pressing plate
71A, 71B Electromagnetic induction fluid heating device
72 Collective pipe
