【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターホン用押しボタン回転防止構造に係わり、特に押しボタンの復帰に必要な成形バネが破損しても円形押しボタンの回転を防止可能なインターホン用押しボタン回転防止構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、インターホン等の機器にはテンキーをはじめとして多数の円形押しボタン１が設けられている（図４参照）。そしてこの種のインターホン用押しボタン回転防止構造としては、図５に示すように、基板３の上にスイッチ２が固定され、スイッチ２を操作するための円形押しボタン１は円形押しボタン１が押した状態から戻るように弾性を有する成形バネ１３によって基板３に取りつけられ、過剰な押し込みを防止するため基板３の方向に延設されたストッパー１２と、成形バネ１３が破損した場合に円形押しボタン１が回転しないよう実質的に基板３と平行に延設されたフランジ１５とを有している。
【０００３】
円形押しボタン１は筐体４と組み合わされ、円形押しボタン１の頭部１ａは筐体４の穴４０から外にやや突出し、筐体４に固定された基板３上のスイッチ２に対向する位置にスイッチ２を動作させるリブ１６を有している。また、筐体４には円形押しボタン１のフランジ１５に当接して円形押しボタン１の回転を防止するリブ４１が設けられている。
【０００４】
次に、このような従来のインターホン用押しボタン回転防止構造における動作を説明する。
【０００５】
円形押しボタン１の頭部１ａを押すと、円形押しボタン１のリブ１６が押し下げられてスイッチ２が機能し、呼び出し等各種動作を行なう。
【０００６】
ストッパー１２は基板３の上にあたるため、円形押しボタン１の過剰な押し込みが防止されている。円形押しボタン１の頭部１ａの押圧を解除すると、成形バネ１３の弾性により円形押しボタン１は元の位置に復帰することができる。
【０００７】
円形押しボタン１の頻繁な使用によって、あるいは過剰な力が加わって成形バネ１３が破損した場合に、円形押しボタン１は回転して、円形押しボタン１のリブ１６がスイッチ２の直上から外れてしまうが、円形押しボタン１のフランジ１５と筐体のリブ４１の当接により、円形押しボタン１は回転することはなくなり、スイッチ２の動作不能が防がれている。
【０００８】
また、剛性のある材料で形成されボタントップと該ボタントップから突設された摺動軸とが一体に形成され支持部材に摺動軸の軸方向へ移動自在にかつボタントップ側への抜け止めが為された状態で支持された押しボタンと、ゴム弾性を有する材料で短い筒状をした挿通部と該挿通部より大径な環状をした着座部と挿通部と着座部との間を連結している連結部とが一体に形成されて成るパッキングとから成り、押しボタンの摺動軸がパッキングの挿通部に圧入状に挿通されると共に着座部が支持部材に圧接されている押しボタン構造で、押しボタンの安定したスムーズな動作と防水効果をねらった発明が提示されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００９】
【特許文献１】特開平５−１５９６６２号公報 （請求項１、段落番号０００１）
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来のインターホン用押しボタン回転防止構造は、成形バネ１３が破損した場合の押しボタンの回転防止のために、円形押しボタン１からその動作方向に直交する方向にフランジ１５が延設され、フランジ１５が当接するリブ４１筐体に設けられており、構造が複雑になるという難点があった。
【００１１】
例示文献の発明も、ボタントップ側への抜け止めが為された状態で支持された押しボタンと、ゴム弾性を有する材料で短い筒状をした挿通部と該挿通部より大径な環状をした着座部と挿通部と着座部との間を連結している連結部とが一体に形成されて成るパッキングとから成るため構造が複雑になるという難点を有している。
【００１２】
本発明は、これら従来の難点を解決するためになされたもので、押しボタンの成形バネが破損した場合に、押しボタンが回転してスイッチの直上から外れるのを防止する、シンプルな構造のインターホン用押しボタン回転防止構造を提供することを目的としている。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明によるインターホン用押しボタン回転防止構造は、インターホン用の複数の円形押しボタンのそれぞれを、基板上に搭載されたスイッチを押下するために弾性力を付与させるとともに各円形押しボタンの方向性を維持するための成形バネと一体的に構成し、円形押しボタンは、成形バネが破損したとき円形押しボタンが回転しないように円形押しボタンの回転軸線から偏倚した位置に配置されて円形押しボタンから突出し基板に穿設された固定孔に嵌合する回転防止リブを有するものである。
【００１４】
また、本発明によるインターホン用押しボタン回転防止構造においては、回転防止リブは、スイッチがスイッチ動作後に円形押しボタンを必要以上に押下して破損するのを防止するストッパーを有している。
【００１５】
このようなインターホン用押しボタン回転防止構造によれば、回転防止リブと破損防止ストッパーとを一体にするので単純な構造が可能になる。
【００１６】
【発明の実態の形態】
以下、本発明のインターホン用押しボタン回転防止構造の好ましい実施の形態例について図面を参照して詳述する。
【００１７】
本発明のインターホン用押しボタン回転防止構造は、図４に示すインターホンのテンキーをはじめとして、主に集合玄関機や居室親機などテンキーを有する機器に採用されるもので、多数設けられている円形押しボタン１、１、…には、「１」、「２」、…や、「Ａ」、「Ｂ」、…などが表示されている。
【００１８】
図１に示すように、本発明のインターホン用押しボタン回転防止構造は、インターホン用の複数の円形押しボタン１、１、…のそれぞれを、基板３上に搭載されたスイッチ２を押下するために弾性力を付与させるとともに各円形押しボタンの方向性を維持するための成形バネ１３と一体的に構成される。
【００１９】
円形押しボタン１は、成形バネ１３が破損したとき円形押しボタン１が回転しないように円形押しボタン１の回転軸線から偏倚した位置に配置されて円形押しボタン１から基板３方向に突出し基板３に穿設された固定孔３１に嵌合する回転防止リブ１１を有している。
【００２０】
円形押しボタン１は筐体４と組み合わされ、円形押しボタン１の頭部１ａは筐体４の穴４０から外にやや突出し、筐体４に固定されている基板３上のスイッチ２に対向する位置にスイッチ２を動作させるリブ１６を有している。
【００２１】
また、本発明のインターホン用押しボタン回転防止構造では、回転防止リブ１１は、スイッチ２がスイッチ動作後に円形押しボタン１を必要以上に押下して破損するのを防止するストッパー１２を有している。即ち、基板３に穿設された固定孔３１に嵌合する回転防止リブ１１の円形押しボタン寄りの基部は、固定孔３１の径より太い円柱あるいは角柱等の柱形のストッパー１２を構成し、回転防止リブ１１が固定孔３１に嵌合するときにストッパー１２は基板３に係止される構造である。
【００２２】
次に、このような本発明のインターホン用押しボタン回転防止構造における動作を説明する。
【００２３】
本発明のインターホン用押しボタン回転防止構造は、図２に背面から示すように、複数個の円形押しボタンを一括する形で設けられ、その上に、図３に示すように背面から基板２が設置される。基板２が所定の位置に固定されるとき、ストッパー１２と一体に構成されている回転防止リブ１１、１１、…は、基板の固定孔３１、３１、…に嵌合される。
【００２４】
図１、図４に示す円形押しボタン１の頭部１ａが押されると、円形押しボタン１のリブ１６が押し下げられてスイッチ２が機能し、呼び出し等各種動作を行なう。
【００２５】
このとき、ストッパー１２は基板３の表面に係止するため、円形押しボタン１の過剰な押し込みが防止される。
【００２６】
円形押しボタン１の頭部１ａの押圧が解除されると、成形バネ１３の弾性により円形押しボタン１は元の位置に復帰する。円形押しボタン１が復帰してストッパー１２が基板３の表面を離れても、ストッパー１２と一体的に構成された回転防止リブ１１は固定孔３１に嵌合している。
【００２７】
円形押しボタン１の頻繁な使用によって、あるいは過剰な力が加えられて成形バネ１３が破損した場合でも、回転防止リブ１１が固定孔３１に嵌合しているので、円形押しボタン１は回転しない。従って、基板３上のスイッチ２に対向する位置にありスイッチ２を動作させる円形押しボタン１のリブ１６がスイッチ２の直上から外れてしまうことはなく、円形押しボタン１に表示された数字やアルファベットが傾いたりすることもなく、スイッチ２の動作不能が防止される。
【００２８】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明による円形押しボタン回転防止構造によれば、インターホン等で円形押しボタンを有する機器において、円形押しボタンの回転防止リブとストッパーとを一体化したことでシンプルな構造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による円形押しボタン回転防止構造を説明する部分拡大図である。
【図２】本発明による円形押しボタン回転防止構造の円形押しボタンを背面から見た図である。
【図３】本発明による円形押しボタン回転防止構造の基板を背面から見た図である。
【図４】円形押しボタンが採用されている機器の外観図である。
【図５】
従来の円形押しボタン回転防止構造の説明図である。
【符号の説明】
１…円形押しボタン
２…スイッチ
３…基板
１３…成形バネ
３１…固定孔
１１…回転防止リブ
１２…ストッパー[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a push button rotation prevention structure for an intercom, and more particularly to a push button rotation prevention structure for an intercom that can prevent the rotation of a circular push button even if a forming spring required for returning the push button is damaged.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a device such as an intercom is provided with a number of circular push buttons 1 including a numeric keypad (see FIG. 4). As a push button rotation preventing structure for this type of intercom, as shown in FIG. 5, a switch 2 is fixed on a substrate 3 and a circular push button 1 for operating the switch 2 is pressed. The stopper 12 is attached to the substrate 3 by an elastic forming spring 13 so as to return from the folded state, and is extended in the direction of the substrate 3 to prevent excessive pushing, and a circular push button when the forming spring 13 is broken. 1 has a flange 15 extending substantially parallel to the substrate 3 so as not to rotate.
[0003]
The circular push button 1 is combined with the housing 4, and the head 1 a of the circular push button 1 projects slightly out of the hole 40 of the housing 4 and faces the switch 2 on the substrate 3 fixed to the housing 4. And a rib 16 for operating the switch 2. In addition, the housing 4 is provided with a rib 41 that abuts against the flange 15 of the circular push button 1 to prevent the rotation of the circular push button 1.
[0004]
Next, an operation of such a conventional interphone push button rotation preventing structure will be described.
[0005]
When the head 1a of the circular push button 1 is pressed, the rib 16 of the circular push button 1 is pressed down, the switch 2 functions, and various operations such as calling are performed.
[0006]
Since the stopper 12 is on the substrate 3, the circular push button 1 is prevented from being excessively pushed. When the pressing of the head 1a of the circular push button 1 is released, the circular push button 1 can return to the original position by the elasticity of the molding spring 13.
[0007]
Due to frequent use of the circular push button 1 or when excessive force is applied to the molded spring 13, the circular push button 1 rotates and the rib 16 of the circular push button 1 comes off from just above the switch 2. However, the contact between the flange 15 of the circular push button 1 and the rib 41 of the housing prevents the circular push button 1 from rotating, thereby preventing the switch 2 from being disabled.
[0008]
In addition, a button top formed of a rigid material and a sliding shaft protruding from the button top are integrally formed, and the support member is movable in the axial direction of the sliding shaft and is prevented from falling off to the button top side. A push button supported in a state where the pressure is applied, an insertion portion having a short cylindrical shape made of a material having rubber elasticity, an annular seating portion having a larger diameter than the insertion portion, and connection between the insertion portion and the seating portion. A push-button structure in which the sliding shaft of the push button is inserted into the insertion portion of the packing in a press-fit manner, and the seating portion is pressed against the support member. Thus, an invention aiming at a stable and smooth operation of a push button and a waterproof effect has been proposed (for example, see Patent Document 1).
[0009]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-159662 (Claim 1, paragraph number 0001)
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described conventional interphone push button rotation preventing structure, the flange 15 extends from the circular push button 1 in a direction orthogonal to the operation direction in order to prevent the rotation of the push button when the molded spring 13 is broken. In addition, the flange 41 is provided on the housing of the rib 41 with which the flange 15 contacts, and there is a problem that the structure is complicated.
[0011]
The invention of the exemplified document also has a push button supported in a state where it is prevented from coming off to the button top side, a short cylindrical insertion portion made of a material having rubber elasticity, and an annular shape having a larger diameter than the insertion portion. Since the seating portion, the insertion portion, and the connecting portion connecting the seating portion and the connecting portion are formed of a packing formed integrally, there is a problem that the structure is complicated.
[0012]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made to solve these conventional difficulties, and has a simple structure to prevent the push button from rotating and coming off immediately above the switch when the molded spring of the push button is broken. It is an object of the present invention to provide a push button rotation preventing structure.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, a push button rotation prevention structure for an intercom according to the present invention provides each of a plurality of circular push buttons for an interphone with an elastic force for pressing a switch mounted on a substrate. Integrally formed with a molded spring for maintaining the directionality of each circular push button, the circular push button is offset from the rotation axis of the circular push button so that the circular push button does not rotate when the molded spring is broken. And has a rotation preventing rib which protrudes from the circular push button and fits into a fixing hole formed in the substrate.
[0014]
In the interphone push button rotation preventing structure according to the present invention, the rotation preventing rib has a stopper for preventing the switch from depressing the circular push button more than necessary after the switch is operated and from being damaged.
[0015]
According to such an interphone push button rotation preventing structure, a simple structure is possible because the rotation preventing rib and the break prevention stopper are integrated.
[0016]
Embodiment of the present invention
Hereinafter, preferred embodiments of the interphone push button rotation prevention structure of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0017]
The interphone push button rotation prevention structure of the present invention is mainly used for devices having a numeric keypad, such as an intercom numeric keypad and a main unit of a living room, including the numeric keypad of the intercom shown in FIG. The push buttons 1, 1, ..., "1", "2", ..., "A", "B", ..., etc. are displayed.
[0018]
As shown in FIG. 1, the interphone push button rotation preventing structure of the present invention is used to press each of a plurality of intercom circular push buttons 1, 1,... To depress a switch 2 mounted on a substrate 3. It is integrally formed with a forming spring 13 for giving elastic force and maintaining the directionality of each circular push button.
[0019]
The circular push button 1 is disposed at a position deviated from the rotation axis of the circular push button 1 so that the circular push button 1 does not rotate when the molded spring 13 is broken, and protrudes from the circular push button 1 in the direction of the substrate 3 to the substrate 3. The anti-rotation rib 11 is fitted in the fixed hole 31 formed.
[0020]
The circular push button 1 is combined with the housing 4, and the head 1 a of the circular push button 1 slightly protrudes out of the hole 40 of the housing 4 and faces the switch 2 on the substrate 3 fixed to the housing 4. A rib 16 for operating the switch 2 is provided at the position.
[0021]
Further, in the interphone push button rotation preventing structure of the present invention, the rotation preventing rib 11 has the stopper 12 for preventing the switch 2 from depressing the circular push button 1 more than necessary after the switch operation and breaking it. . That is, the base of the anti-rotation rib 11 near the circular push button that fits into the fixing hole 31 formed in the substrate 3 constitutes a columnar stopper 12 such as a cylinder or a prism larger in diameter than the fixing hole 31, When the rotation preventing rib 11 is fitted into the fixing hole 31, the stopper 12 is locked to the substrate 3.
[0022]
Next, the operation of the interphone push button rotation preventing structure of the present invention will be described.
[0023]
The interphone push button rotation preventing structure of the present invention is provided in a form in which a plurality of circular push buttons are collectively provided as shown in FIG. 2 from the back, and the substrate 2 is placed thereon from the back as shown in FIG. Will be installed. When the substrate 2 is fixed at a predetermined position, the rotation preventing ribs 11, 11,... Formed integrally with the stopper 12 are fitted into the fixing holes 31, 31,.
[0024]
When the head 1a of the circular push button 1 shown in FIGS. 1 and 4 is pressed, the rib 16 of the circular push button 1 is pressed down, the switch 2 functions, and various operations such as calling are performed.
[0025]
At this time, since the stopper 12 is locked on the surface of the substrate 3, excessive pressing of the circular push button 1 is prevented.
[0026]
When the pressing of the head 1a of the circular push button 1 is released, the circular push button 1 returns to the original position by the elasticity of the molding spring 13. Even when the circular push button 1 returns and the stopper 12 leaves the surface of the substrate 3, the rotation preventing rib 11 integrally formed with the stopper 12 is fitted in the fixing hole 31.
[0027]
Even if the molding spring 13 is broken by frequent use of the circular push button 1 or by applying excessive force, the circular push button 1 does not rotate because the rotation preventing rib 11 is fitted in the fixing hole 31. . Therefore, the rib 16 of the circular push button 1 which is located at the position on the substrate 3 opposite to the switch 2 and operates the switch 2 does not come off from immediately above the switch 2, and the number or alphabet displayed on the circular push button 1 Of the switch 2 is prevented from being tilted.
[0028]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, according to the circular push button rotation preventing structure according to the present invention, in a device having a circular push button such as an intercom, the rotation preventing rib of the circular push button is integrated with the stopper to simplify the device. A simple structure becomes possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially enlarged view illustrating a circular push button rotation preventing structure according to the present invention.
FIG. 2 is a rear view of the circular push button of the circular push button rotation preventing structure according to the present invention;
FIG. 3 is a rear view of a substrate having a circular push button rotation preventing structure according to the present invention;
FIG. 4 is an external view of a device employing a circular push button.
FIG. 5
It is explanatory drawing of the conventional circular push button rotation prevention structure.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Circular push button 2 ... Switch 3 ... Substrate 13 ... Forming spring 31 ... Fixing hole 11 ... Rotation preventing rib 12 ... Stopper
