JP2004288307A - 記録再生装置、記録再生方法 - Google Patents

記録再生装置、記録再生方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004288307A
JP2004288307A JP2003080447A JP2003080447A JP2004288307A JP 2004288307 A JP2004288307 A JP 2004288307A JP 2003080447 A JP2003080447 A JP 2003080447A JP 2003080447 A JP2003080447 A JP 2003080447A JP 2004288307 A JP2004288307 A JP 2004288307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
area
recording
information
track
bca
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003080447A
Other languages
English (en)
Inventor
Chiaki Nonaka
千明 野中
Osamu Date
修 伊達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2003080447A priority Critical patent/JP2004288307A/ja
Publication of JP2004288307A publication Critical patent/JP2004288307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】ディスク状記録媒体の記録容量の増加。
【解決手段】記録再生の対象となるディスク状記録媒体は、トラック記録方式により情報を記録する第1の領域と、トラック記録方式とは異なる所定の方式により情報が記録されるがトラックも形成されている第2の領域を有している。そこで、第2の領域に対してアクセスするときには、この第2の領域に記録されているトラックをターゲットとしてシーク動作又はアクセス動作を実行させるように構成する。これにより、第2の領域へのアクセスをトラックピッチ精度で制御することが可能になり、その分、第2の領域の幅を狭くすることができる。そして、第2の領域の幅が狭くなった分、第1の領域の幅を拡大することが可能になる。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク状記録媒体に対応して情報の記録又は再生が可能な記録再生装置、及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルデータを記録・再生するための技術として、例えば、CD(Compact Disk),MD(Mini−Disk),DVD(Digital Versatile Disk)などの、光学ディスク状記録媒体(光磁気ディスクを含む)を記録メディアに用いたデータ記録技術がある。光学ディスク状記録媒体(以下、単に光ディスク)ともいう)とは、金属薄板等による信号層をプラスチックで保護した円盤として形成される。そして、この信号層に対してレーザ光を照射し、その反射光の変化により、記録されている周回状のトラックに記録される信号を読み取る記録メディアの総称である。
光ディスクには、例えばCD、CD−ROM、DVD−ROMなどとして知られているように再生専用タイプのものと、MD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどで知られているようにユーザーデータが記録可能なタイプがある。記録可能タイプのものは、光磁気記録方式、相変化記録方式、色素膜変化記録方式などが利用されることで、データが記録可能とされる。色素膜変化記録方式はいわゆる追記型であり、一度だけデータ記録が可能で書換不能であるため、データ保存用途などに好適とされる。一方、光磁気記録方式や相変化記録方式はデータの書換が可能であり、音楽、映像、ゲーム、アプリケーションプログラム等の各種コンテンツデータの記録を始めとして各種用途に利用される。
【0003】
上記した各種の光ディスクにおいて、例えば、DVD系の光学ディスク状記録媒体は、これより以前のCDなどと比較しても大幅な大容量化が図られている。そして、近年においては、例えばブルーレイディスク(Blu−ray Disc)と呼ばれる高密度光ディスクが開発され、さらに大容量化が図られている。
つまり、光学ディスク状記録媒体では、大容量化が進められているという状況にある。
このような大容量化のための技術としては、周知のように、例えば主としては、光学ディスク状記録媒体におけるトラックピッチをより狭くすることが行われる。また、光学ディスク状記録媒体に対応する記録再生装置側では、レーザ光の波長をより短いものとしたり、また、ディスク信号面に照射するレーザ光の出力端である対物レンズのNAを大きくするなどのことが行われている。つまり、大容量化のために、高記録密度化を図っているものである。
【0004】
また、例えば上記したDVD系、及びブルーレイディスクなどでは、上記のようにして通常にトラックに対して信号が記録される以外の記録領域として、いわゆるBCA(Burst Cutting Area)を形成するようにしている(例えば特許文献1参照)。
このBCAは、周知のようにして、例えばディスクのリードインエリアよりもさらに内周において、円周方向に沿ってバーコード状の縞模様が形成されており、このバーコードにより所定内容の情報が記録されている。例えば、ディスクごとに固有となる識別子が記録される。
【0005】
通常のトラックに対して信号が記録される記録領域では、フォーカスサーボ制御によって信号面に対してレーザ光のスポットが合焦しており、かつ、トラッキングサーボ制御によって適正にトラックをトレースしている状態の下で、信号の記録又は再生を行うようにされている。
これに対して、BCAは、トラッキングサーボ制御をかけずに、単にフォーカスサーボ制御による合焦状態が得られている状態で、より簡易に情報を読み出すことを前提として形成されている領域である。
【0006】
そして、実際にBCAに記録されるバーコード状の情報の読み出しを実行する際には、例えば、単に、光学ピックアップを機械的に内周側の移動限界位置に対して移送させるようにしている。或いは、内周側の移動限界位置に近い位置で、リミットスイッチなどにより位置規制をすることとしている。このような位置状態とすることで、光学ピックアップの対物レンズから出力されるレーザ光のスポット位置が、ディスク半径方向においてBCAの領域内に在るようにされ、BCAに記録された情報を読み出すことが可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−228646号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにして、BCAからの情報の読み出しのために、レーザ光の照射位置をコントロールする動作は、例えば光学ピックアップを最内周側の所要位置に移動させるという機械的な動作のみに依存している。
このために、BCAの半径方向における幅としては、機械的な誤差による光学ピックアップの位置ずれなどを考慮して、比較的広めにとる必要があり、例えば実際には、約1mmとなっている。
【0009】
ここで、上記したように、光ディスクでは、さらなる大容量化が推し進められている状況にある。
この大容量化という観点から見た場合、例えばトラックピッチが数μm、あるいは1μm以下であるのに対して、BCAの領域は、その幅が1mmである。つまり、BCAの領域は、光ディスクの記録領域全体において相当の占有率を有しているものであり、その分、記録容量を大きくすることの妨げになっているということがいえる。
例えば高記録密度化によって記録容量を増加させていったとしても、上記のようにして、BCAが幅を広く占有しているままであるとすれば、このBCAの領域が存在していることによる大容量化の妨げという問題は、依然として残ることとなってしまう。
特に近年においては、記録媒体について、大容量化と共に、小型化も要求されている状況にある。光ディスクを小型化しようとすれば、その半径サイズを小型化していくことになるが、この場合、光ディスクの面積におけるBCAの占有率は相対的に高くなってしまうから、上記した問題がさらに顕著となる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記した課題を考慮して、記録再生装置として次のように構成することとした。
つまり、周回状のトラックが形成されている情報記録領域において、少なくとも、トラックに対して情報が記録される第1の領域と、この第1の領域とは異なる他の所定の態様により情報が記録される第2の領域とを有するディスク状記録媒体に対応して記録又は再生が可能とされる記録再生装置において、少なくとも、情報の読み出し又は記録のためにディスク状記録媒体に対して照射されるレーザ光の出力端となる対物レンズを有するピックアップ手段と、対物レンズとディスク状記録媒体の半径方向との相対的位置関係を変位させるための機構を有する変位機構部と、第2の領域内に対してレーザ光の照射位置を移動させるときには、第2の領域内に形成されるトラックに対して、レーザ光が照射される状態とするようにして上記変位機構部を駆動制御する駆動制御手段とを備えることとした。
【0011】
また、周回状のトラックが形成されている情報記録領域において、少なくとも、上記トラックに対して情報が記録される第1の領域と、上記第1の領域とは異なる他の所定の態様により情報が記録される第2の領域とを有するディスク状記録媒体に対応し、上記情報記録領域に対してレーザ光を照射することによって記録又は再生が可能とされる記録再生方法としては、次のように構成することとした。
つまり、第2の領域内に対して、レーザ光の照射位置を移動させるときには、第2の領域内に形成されるトラックに対してレーザ光が照射され状態とするようにしてレーザ光の照射位置を変位させる変位機構部を駆動制御するように構成することとした。
【0012】
上記各構成によれば、記録再生の対象となるディスク状記録媒体は、いわゆるトラック記録方式により情報が記録される第1の領域と、トラック記録方式とは異なる態様により情報が記録される第2の領域を有している。そして、この第2の領域は、トラックが形成される情報記録領域内にあるから、トラックに対して信号を記録しない領域であるにもかかわらず、トラックが形成されている領域となっている。
そして、この点を利用して、第2の領域に対してレーザ光の照射位置を移動させるときには、この第2の領域に形成されているトラックにレーザ光が照射されるように、変位機構部の移動動作を駆動制御するようにしている。つまり、第2の領域内のトラックを到達目標位置として、対物レンズからのレーザ光の照射位置を移動させるものである。
これにより、第2の領域内へのレーザ光照射位置の移動動作を、トラックピッチ精度で実行することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明を行うこととする。
1.ディスク構造
2.DMA
3.ディスクドライブ装置
4.BCAアクセス制御処理
4−1.第1例
4−2.第2例
4−3.第3例
5.BCA記録禁止制御処理
5−1.第1例
5−2.第2例
【0014】
1.ディスク構造
先ず、本実施の形態の記録再生装置が対応する光ディスクのエリア構造及び信号面の物理的構造について説明する。
なお、本発明に対応する光ディスクとしては、再生専用タイプであっても良いし、また、少なくともユーザデータについて、追記又は書き換えが可能なタイプであってもよい。ただし、以降においては、説明の便宜上、本実施の形態の光ディスクとしては、書き換え可能なタイプであることを前提として説明を行うこととする。
【0015】
図1(a)には、本実施の形態に対応する光ディスク100のエリア構造が示されている。
この図に示すディスクは、規格により定められた所定の半径を有するディスク形状を有しており、内周側から、バーストカッティングエリア(Burst Cutting Area)BCA、リードインエリア91、データエリア92、リードアウトエリア93が配される。
【0016】
先ず、リードインエリア91は各種の管理情報が記録され、また、いわゆる試し書きによる記録が行われるエリアである。またデータエリア92はユーザーデータが記録される領域である。また、リードアウトエリア93にも管理情報が記録される。
データエリア92におけるユーザーデータの記録は、トラック記録方式におけるグルーブ記録方式である。つまりディスク上には予めグルーブ(溝)によるトラックが形成され、このグルーブを記録トラックとして記録が行われる。
同様にして、リードインエリア91及びリードアウトエリア93においてもグルーブ記録方式による情報記録が行われる。
【0017】
このようなグルーブGVは、ウォブリング(蛇行)されて形成されることにより物理アドレスが表現される。
図2においてグルーブを模式的に示しているが、グルーブGVの左右の側壁は、アドレス情報等に対応してウォブリングされる。つまりアドレス等に基づいて生成された信号に対応して蛇行している。
グルーブGVとその隣のグルーブGVの間はランドLDとされる。本実施の形態のディスク100ではデータの記録は、例えばグルーブGVに行われるものとされる。つまりグルーブGVがデータトラックとなる。なお、ランドLDをデータトラックとしてデータの記録をランドLDに行うようにすることや、グルーブGVとランドLDの両方をデータトラックとして用いるようなフォーマットであってもよい。
【0018】
このようにデータを記録するトラックが例えばプリグループとして予め形成され、このプリグループの側壁がアドレス情報等を変調したウォブリング信号によりウォブリング(蛇行)されていることで、記録時や再生時に、反射光情報として得られるウォブリング情報からアドレスを読み取ることができる。
つまり、記録トラックとされるグルーブGVは、アドレス情報としてのウォブル信号に応じた蛇行形状となっている。光ディスクに対するディスクドライブ装置では、グルーブGVに照射したレーザスポットの反射光からそのグルーブの両エッジ位置を検出し、レーザスポットを記録トラックに沿って移動させていった際におけるその両エッジ位置のディスク半径方向に対する変動成分を抽出することにより、ウォブル信号を再生することができる。
そして、再生したウォブル信号からアドレス情報等を復調することによって、データの記録や再生の際のアドレス制御等を行うことができる。また、これにより、トラック上に離散的にアドレスエリアを設けて例えばピットデータとしてアドレスを記録することが不要となり、そのアドレスエリアが不要となる分、実データの記録容量を増大させることができる。
なお、このようなウォブリングされたグルーブにより表現される絶対時間(アドレス)情報は、ATIP(Absolute Time In Pregroove)又はADIP(Address In Pregroove)と呼ばれる。
【0019】
また、本実施の形態のディスク100において、グルーブGVはスパイラル状に内周から外周に向かって形成されるが、別例として、グルーブGVを同心円状に形成することも可能である。
また、例えばディスク100はCLV(線速度一定)方式で回転駆動されてデータの記録再生が行われるものとすると、グルーブGVについてもCLVとされる。従って、トラック1周回のグルーブのウォブリング波数はディスク外周側に行くほど多くなる。
【0020】
最内周における情報記録領域であるバーストカッティングエリアBCAは、円周方向に沿ってバーコード形態により情報が記録される領域である。例えば、ディスクごとに固有となるディスクIDなどが記録される。
そして、本実施の形態のディスク100では、図1(a)において破線で括って示すA部分を拡大した図1(b)に示されるように、BCAの領域においてもグルーブGVが形成されている。
【0021】
つまり、本実施の形態のディスク100は、情報記録領域として、バーストカッティングエリアBCAからリードアウトエリア93までの領域全体にわたり、グルーブが形成されている構造を有しているものである。従って、図1(a)に示すグルーブエリアGVAとしては、バーストカッティングエリアBCA、リードインエリア91、データエリア92が連続した領域となる。
【0022】
また、ディスク100は、先にも述べたようにして、グルーブ記録方式によりユーザデータを書き換え可能なタイプであることとしている。このため、データエリア92は、相変化方式に対応した信号記録層が形成されており、グルーブGVとしてのトラック上に相変化方式によりユーザーデータの記録が行われる。
また、前述したように、リードインエリア91も相変化方式に対応した信号記録層が形成されており、グルーブGVとしてのトラック上に対して、管理情報の書き換えや、試し書きのための信号記録が、相変化方式により行える領域が確保されている。リードアウトエリア93も同様にして、グルーブGVとしてのトラック上に対して、相変化方式により管理情報の書き換えが行えるようにされている。
【0023】
本実施の形態の場合、バーストカッティングエリアBCAについても、グルーブGV(即ちトラック)が形成されており、相変化方式に対応した信号記録層も、例えばリードインエリアから連続して形成されているものとされる。
このようにして、相変化方式に対応した信号記録層を有して形成されるバーストカッティングエリアBCAにおいては、バーコード形態の情報を次のようにして形成することができる。
【0024】
例えば製造段階において、初期化前の状態では、信号記録層はアモルファスの状態にある。例えばデータエリア92については、領域全体に対して、例えばYAGレーザによるレーザ光を照射して初期化を行うことで、アモルファスからクリスタルの状態に変化させるようにしている。
バーストカッティングエリアBCAの信号記録層も、初期化前においてはアモルファスの状態にある。そして、初期化に伴っては、このバーストカッティングエリアBCA全体を初期化してクリスタルの状態にするのではなく、例えばディスクIDの内容に対応したバーコードのパターンに対応させて、円周方向における所要の部分についてのみレーザ光の照射を行ってクリスタル状態とする。この工程の結果、バーストカッティングエリアBCAにおいては、円周方向に沿った所要幅のアモルファス状態のバー部分と、クリスタル状態のバー部分とのパターンによる、バーコード態様の情報記録が行われたことになるものである。
【0025】
なお、参考のために、例えばDVDに採用されているバーストカッティングエリアBCAを形成する工程は次のようになる。つまり、バーストカッティングエリアBCAとしての領域に相変化方式に対応した信号記録層を形成する代わりに、アルミを蒸着させる。この後に、YAGレーザにより蒸着されたアルミ層の所要の部位を焼き切るようにしていくことで、バーコードのパターンを形成するものである。
【0026】
ところで、上記のようにして、アモルファス層とクリスタル層によるパターンによりバーストカッティングエリアBCAを形成する場合、その形成のための工程としては、厳密には、バーストカッティングを行っているとは言えない。しかし本明細書上では、説明の便宜上、このような形成工程により情報記録されるエリアについてもバーストカッティングエリアBCAということとする。
【0027】
また、本実施の形態の場合、ディスク100において、グルーブGVにウォブルとして形成されるADIP(又はATIP)は、リードインエリア91、データエリア92、及びリードアウトエリア93には、必須的に形成される。
これに対して、バーストカッティングエリアBCAについては、後述するディスクドライブ装置によるバーストカッティングエリアBCAに対するアクセス制御であるBCAアクセス制御について、何れの制御処理とするのかに応じて、ADIPを形成する必要のある場合と、無い場合とに分けられる。
【0028】
続いては、図3及び図4を参照して、上記図1に示したディスク100のエリア構造について、より詳細に説明していくこととする。
ディスク上の領域としては、先に図1にも示しているように、内周側からバーストカッティングエリアBCA、リードインエリア91、データエリア92、リードアウトエリア93が配される。
また、記録・再生に関する領域構成としてみれば、最内周側のバーストカッティングエリアBCAと、リードインエリア91におけるプリレコーデッド情報領域PICが再生専用領域とされ、リードインエリア91における管理領域からリードアウトエリア93の終端位置までが、書き換え可能なリライタブル領域とされる。
【0029】
そして、先の図1による説明からも理解されるように、再生専用領域及びリライタブル領域には、ウォブリンググルーブ(蛇行された溝)による記録トラックがスパイラル状に形成されている。グルーブはレーザスポットによるトレースの際のトラッキングのガイドとされ、かつこのグルーブが記録トラックとされてデータの記録再生が行われる。
【0030】
リードインエリア91における管理/制御情報領域にはコントロールデータエリア、DMA(Defect Management Area )、テストライトエリア(OPC)、バッファエリアなどを有する所定の領域フォーマットが設定される。
【0031】
管理/制御情報領域におけるコントロールデータエリアには、次のような管理/制御情報が記録される。
すなわち、ディスクタイプ、ディスクサイズ、ディスクバージョン、層構造、チャンネルビット長、BCA情報、転送レート、データエリア位置情報、記録線速度、記録/再生レーザパワー情報などが記録される。
【0032】
また同じく、管理/制御情報領域内に設けられるテストライトエリア(OPC)は、記録/再生時のレーザパワー等、データ記録再生条件を設定する際の試し書きなどに使われる。即ち記録再生条件調整のための領域である。
【0033】
管理/制御情報領域内には、DMAが設けられるが、通常、光ディスクの分野ではDMAは欠陥管理のための交替管理情報が記録される。
【0034】
リードインエリア91より外周側のデータエリア92は、図1(a)においても説明したように、ユーザーデータが記録再生される領域である。データエリア92の開始アドレスADdts、終了アドレスADdteは、上述したコントロールデータエリアのデータエリア位置情報において示される。
【0035】
データエリア92においては、その最内周側にISA(Inner Spare Area)が、また最外周側にOSA(Outer Spare Area)が設けられる。ISA、OSAは、後に述べるように欠陥領域部分のための交替領域とされる。
データエリア92においてISAとOSAにはさまれた区間がユーザーデータ領域とされる。このユーザーデータ領域が通常にユーザーデータの記録再生に用いられる通常記録再生領域である。ユーザーデータ領域の位置、即ち開始アドレスADus、終了アドレスADueは、例えば、上記DMAに記述される。
【0036】
ここで、欠陥領域部分のための交替領域として、ISA、OSAの2つの領域をそれぞれ、ユーザーデータ領域の前後に形成していることで、例えば交替エリアに対するアクセスを効率的なものとすることができる。
つまり、ユーザーデータ領域において、ISA側に近いとされる欠陥領域部分については、これに対応する交替エリアをISA側に用意し、OSA側に近いとされる欠陥領域部分については、これに対応する交替エリアをOSA側に用意するように設定する。これにより、欠陥領域部分から交替エリアまでのアクセス距離ができるだけ短くなるようにされるため、それだけアクセス時間も短縮されることになる。なお、このような設定の詳細については、例えばディスクドライブ装置に対するシステム設定として、ユーザが任意に変更することが可能とされる。
【0037】
データエリア92より外周側のリードアウトエリア93は、管理/制御情報領域とされ、コントロールデータエリア、DMA、バッファエリア等が、所定のフォーマットで形成される。コントロールデータエリアには、例えばリードインエリア91におけるコントロールデータエリアと同様に各種の管理/制御情報が記録される。DMAは、リードインエリア91におけるDMAと同様にISA、OSAの管理情報が記録される領域として用意される。
【0038】
図4には、管理/制御情報領域の構造例を示している。
図示するようにリードインエリア91には、未定義区間(リザーブ)を除いて、DMA2,OPC(テストライトエリア)、DMA1の各エリアが形成される。またリードアウトエリア93には、未定義区間(リザーブ)を除いて、DMA3,DMA4の各エリアが形成される。
なお、上述したコントロールデータエリアは示していないが、例えば実際にはコントロールデータエリアの一部がDMAとなっていることから、図示を省略した。
【0039】
上記説明から分かるように、リードインエリア91及びリードアウトエリア93で、計4つのDMAが設けられる。各DMA1〜DMA4は、同一の交替管理情報が記録される。
このようにして、例えば4つという複数のDMAの領域を設けるのは、次のような理由による。
DMAは、後述するようにして、欠陥領域部分と、この欠陥領域部分に対応させた交替エリアの管理に用いられる。ディスクドライブ装置では、例えばディスクが装填されたときに、DMAエリアにアクセスしてここに記録されている情報の読み出しを実行して、交替処理の際に利用する。また、これまで装填されていたディスクがディスクドライブ装置から排出されるときは、例えば今回の再生動作に応じて、新規に欠陥の情報が追加されたことなどに応じて、ディスクのDMAについての更新を実行する。
このことから、DMAに対するアクセス頻度は、他の領域と比較して格段に多いことが分かる。これは、他の領域よりも、信号記録層の劣化が進行することを意味する。あるいは、DMAの更新のために書き込み動作を実行している途中で電源供給が停止してしまったような状況が生じることも考えられる。
【0040】
そこで、複数のDMAを設けておくようにすれば、例えばどこかの1つのDMAの領域の劣化が著しいことで、情報の記録再生が行えなくなった場合でも、他の記録再生が可能なDMAを使用することができ、以降においても適正な交替エリアの管理が行えることになる。
また、DMAに対する情報の書き込み途中で電源供給が停止して、このDMAにおける情報が破壊されたとしても、例えば他のDMAには、既に更新された情報が記録されて残っている可能性があり、このDMAを利用すれば、以降においても適正な交替エリア管理が行え、また、破壊されたDMAも復旧させることが可能である。また、情報の更新されたDMAが無かったとしても、前回のDMAの情報は残っていることになるから、この破壊されずに残っているDMAを利用すれば、実際の欠陥状況と比較的整合を保った状態で交替エリア管理が可能となる。つまり、交替エリア管理についての信頼性の向上、及びこれに伴うユーザ保護を図っているものである。
【0041】
また、1回のDMAの更新処理としては、DMA1〜DMA4の全てのDMAについて同じ内容を書き込むようにして更新を行う。そして、この際においても、上記した交替エリア管理についての信頼性の向上、及びユーザ保護を目的として、その更新順について、例えば、DMA1→DMA2→DMA3→DMA4の順に行うべきとして規定されている。
つまり、ディスクドライブ装置において、光ディスク100に対する再生に応じて、欠陥領域部分が新たに検出された場合、その欠陥のエリア(クラスタ)をメモリに保持しておくようにされる。そして、光ディスクがディスクドライブ装置から排出されるときには、上記メモリに保持していた欠陥領域部分の情報に基づいてDMAの更新を行うが、この際において、DMA1→DMA2→DMA3→DMA4の順に書き込みを実行するようにして、各DMAの更新を行うものである。
例えば、ここで、DMA1は適正に書き込むことができたのであるが、何らかの障害(例えば電源停止など)によりDMA2に対する書き込みにエラーが生じ、結果的に、DMA2に記録された内容が信頼性のあるものではなかったとする。
そして、この後において、光ディスク100からDMAを読み込んだときに、例えばDMA1〜DMA4の全てのDMAについて、ECCエラーなどが発生せずに正常に読み込めたのにもかかわらず、記録されている情報内容について相違が生じていたような状況であったとする。
そこで、このような場合の対策として、上記のようにして複数のDMAに対する更新順が規定されていることを利用して、適正にデータが記録されたDMAを推定するためのアルゴリズムを組むようにすれば、データ内容的に信頼性の高いDMAを高い確率で推定することが可能になる。
【0042】
2.DMA
リードインエリア91、リードアウトエリア93に記録されるDMAの構造を説明する。
図5にDMAの構造を示す。
ここではDMAのサイズは32クラスタ(32×65536バイト)とする例を示す。なお、クラスタとはデータ記録の最小単位である。
もちろんDMAサイズが32クラスタに限定されるものではない。図5では、32クラスタの各クラスタを、クラスタ番号1〜32としてDMAにおける各内容のデータ位置を示している。また各内容のサイズをクラスタ数として示している。
【0043】
DMAにおいて、クラスタ番号1〜4の4クラスタの区間にはDDS(disc definition structure)としてディスクの詳細情報が記録される。このDDSに格納される情報内容についての詳細は省略するが、データエリア92におけるISA、OSAの領域管理を行うための所要の管理/制御情報が格納される。この場合、DDSは1クラスタのサイズとされ、4クラスタの区間において4回繰り返し記録される。
【0044】
クラスタナンバ5〜8の4クラスタの区間は、ディフェクトリストDFLの1番目の記録領域(DFL#1)となる。ディフェクトリストDFLの構造は図6で述べるが、ディフェクトリストDFLは4クラスタサイズのデータとなり、その中に、個々の交替アドレス情報をリストアップした構成となる。
クラスタナンバ9〜12の4クラスタの区間は、ディフェクトリストDFLの2番目の記録領域(DFL#2)となる。
さらに、4クラスタずつ3番目以降のディフェクトリストDFL#3〜DFL#6の記録領域が用意され、クラスタナンバ29〜32の4クラスタの区間は、ディフェクトリストDFLの7番目の記録領域(DFL#7)となる。
つまり、32クラスタのDMAには、ディフェクトリストDFL#1〜DFL#7の7個の記録領域が用意される。
【0045】
これらのディフェクトリストDFL#1〜DFL#7は、データ構造は同一であるが、例えば最初に欠陥領域部分の情報が得られて、これに対応した情報をディフェクトリストDFL#1の領域に対して格納したとすると、次に新規に欠陥領域部分の情報が得られた場合には、ディフェクトリストDFL#1はそのまま残して、ディフェクトリストDFL#2の領域に新規の情報を格納するようにされる。そして、以降においては、新規に欠陥の情報が追加されるごとに、ディフェクトリストDFL#3→#4・・・#6→#7のようにして新規の情報を順次格納していく。
また、例えばディフェクトリストDFL#7までに対して新規の情報を格納した後に、さらに新規の情報を格納すべき場合には、ディフェクトリストDFL#1について上書きする。このようにして、欠陥領域部分に関する新規の情報は、ディフェクトリストDFL#1〜DFL#7を循環して使用するようにして、順次格納していくようにされる。
【0046】
このようにして、複数のディフェクトリストDFLの領域を設け、常に過去のディフェクトリストの情報を保持するようにされているが、これは、先に説明したDMA全体について複数備えることとほぼ同様の理由による。つまり、ディフェクトリストの情報の更新のためのアクセス頻度も非常に高いことから、このようにして複数のディフェクトリストDFLを設けておくことで、或るディフェクトリストDFLに対する書き込み/読み出しがエラーとなったような状態でも、残りのディフェクトリストを使用して適正に交替エリアの管理を行うことができる。また、ディフェクトリストDFLの更新時において電源供給が停止したとしても、過去の情報が格納されたディフェクトリストDFLのうちから、できるだけ最新のものを使用することで、比較的整合性を維持して交替エリア管理が行えることとなる。
【0047】
次に図6にディフェクトリストDFLの構造を示す。
図5で説明したように、ディフェクトリストDFLは4クラスタの記録領域に記録される。
図6においては、バイト位置として、4クラスタのディフェクトリストDFLにおける各データ内容のデータ位置を示している。なお1クラスタ=32セクタ=65536バイトであり、1セクター=2048バイトである。
バイト数は各データ内容のサイズとしてのバイト数を示す。
【0048】
ディフェクトリストDFLの先頭の64バイトはディフェクトリスト管理情報とされる。
このディフェクトリスト管理情報には、ディフェクトリストのクラスタであることを認識する情報、バージョン、ディフェクトリスト更新回数、ディフェクトリストのエントリー数などの情報が記録される。
またバイト位置64以降は、ディフェクトリストのエントリー内容として、各8バイトの交替アドレス情報atiが記録される。
そして有効な最後の交替アドレス情報ati#Nの直後には、交替アドレス情報終端としてのターミネータ情報が8バイト記録される。
このDFLでは、交替アドレス情報終端以降、そのクラスタの最後までが00hで埋められる。
【0049】
また、図7に、交替アドレス情報atiの構造を示す。即ち交替処理された各エントリー内容を示す情報である。
交替アドレス情報atiの総数は最大32759個である。
1つの交替アドレス情報atiは、8バイト(64ビット)で構成される。各ビットをビットb63〜b0として示す。
ビットb63〜b60には、エントリーのステータス情報(status 1)が記録される。
【0050】
ステータス情報が「0000」であるとき、通常の交替処理エントリーを示すものとなる。ここでの通常の交替処理とは、欠陥領域部分である交替元クラスタは不使用として、これに対応して設定された交替先クラスタを代わりに使用する処理となる。つまり、ステータス情報が「0000」である場合、交替元クラスタ(欠陥領域部分)とこれに対応する交替先クラスタ(交替エリア)が共に示されてる交替アドレス情報atiであることを示す。
【0051】
ステータス情報が「0001」であるとき、欠陥クラスタのみを管理する処理エントリーを示すものとなる。つまり、この場合には、交替元クラスタのみが欠陥領域部分として示され、交替先クラスタは示されていない交替アドレス情報atiであることを示す。
【0052】
そして、ステータス情報が「0010」であるときは、記録禁止制御に対応する処理エントリーを示す。つまり、ステータス情報が「0010」とされる実際には欠陥領域部分ではないが、記録禁止を設定すべきエリアを、欠陥領域部分として交替アドレス情報atiに登録しておく。これにより、上記記録禁止を設定すべきエリアは、記録が行われるべきでない領域としては、欠陥領域部分と同様にして扱われることになる。ただし、ステータス情報が「0010」であるときは、その登録されたエリアに対する再生のためのアクセスは許可されることとして規定される。
【0053】
図7において、上記ステータス情報に続くビットb59〜b32には、交替元クラスタの最初の物理セクターアドレスが示される。即ち欠陥又は書換により交替されるクラスタを、その先頭セクターの物理セクターアドレスによって示すものである。
ビットb31〜b28は、リザーブとされる。なおエントリーにおけるもう一つのステータス情報(status 2)が記録されるようにしてもよい。
【0054】
ビットb27〜b0には、交替先クラスタの先頭の物理セクターアドレスが示される。
即ち、欠陥或いは書換によりクラスタが交替される場合に、その交替先のクラスタを、その先頭セクターの物理セクターアドレスによって示すものである。
【0055】
ここで、ステータス情報が「0000」である交替アドレス情報atiにおいては、ビットb59〜b32の領域の交替元クラスタの最初の物理セクターアドレスと、ビットb27〜b0の領域の交替先クラスタの先頭の物理セクターアドレスとの両者が記述されることになる。
また、ステータス情報が「0001」である交替アドレス情報atiにおいては、ビットb59〜b32の領域の交替元クラスタの最初の物理セクターアドレスのみが有効な情報として記述され、ビットb27〜b0の領域は、例えばALL‘0’又はALL‘1’を格納することで、有効な情報が格納されていないことを示すこととする。
また、ステータス情報が「0010」である交替アドレス情報atiにおいても、ビットb59〜b32の領域の交替元クラスタ(但しこの場合には、記録禁止クラスタとなる)の最初の物理セクターアドレスのみが有効な情報として記述され、ビットb27〜b0の領域は、例えばALL‘0’又はALL‘1’を格納することで、有効な情報が格納されていないことを示すことになる。
【0056】
以上のような交替アドレス情報atiが1つのエントリーとされて1つの交替処理に係る交替元クラスタと交替先クラスタが示される。
そして、このようなエントリーが、図6の構造のディフェクトリストDFLに登録されていく。DMAにおいては、以上のようなデータ構造で、交替管理情報が記録される。
【0057】
3.ディスクドライブ装置
次に、上記のような本実施の形態の光ディスク100に対応して記録再生が可能なディスクドライブ装置(記録再生装置)の構成例について、図8を参照して説明する。なお、この場合のディスクドライブ装置としては、光ディスクに対してユーザデータとしてAV(Audio−Visual)データを記録再生することとしている。
【0058】
光ディスク100は図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ52によって一定線速度(CLV)で回転駆動される。
そして光学ピックアップ(光学ヘッド)51によって光ディスク100上のグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIPアドレスやプリレコーデッド情報としての管理/制御情報の読み出しがおこなわれる。
またユーザーデータ記録時には光学ピックアップによってリライタブル領域におけるトラックに、管理/制御情報やユーザーデータが記録され、再生時には光学ピックアップによって記録されたデータの読出が行われる。
【0059】
ピックアップ51内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系(図示せず)が形成される。
【0060】
ピックアップ51内において対物レンズは二軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
またピックアップ51全体はスレッド機構53によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップ51におけるレーザダイオードはレーザドライバ63からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
【0061】
光ディスク100からの反射光情報はピックアップ51内のフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてマトリクス回路54に供給される。
マトリクス回路54には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
なお、マトリクス回路54は、ピックアップ51内に一体的に構成される場合もある。
【0062】
マトリクス回路54から出力される再生データ信号はリーダ/ライタ回路55へ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号はサーボ回路61へ、プッシュプル信号はウォブル回路58へ、それぞれ供給される。
【0063】
リーダ/ライタ回路55は、再生データ信号に対して2値化処理、PLLによる再生クロック生成処理等を行い、ピックアップ51により読み出されたデータを再生して、変復調回路56に供給する。
変復調回路56は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。
再生時にはデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。
またECCエンコーダ/デコーダ57は、記録時にエラー訂正コードを付加するECCエンコード処理と、再生時にエラー訂正を行うECCデコード処理を行う。
再生時には、変復調回路56で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、エラー検出/訂正処理及びデインターリーブ等の処理を行い、再生データを得る。
ECCエンコーダ/デコーダ57で再生データにまでデコードされたデータは、システムコントローラ60の指示に基づいて、読み出され、接続された機器、例えばAV(Audio−Visual)システム120に転送される。
【0064】
グルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路54から出力されるプッシュプル信号は、ウォブル回路58において処理される。ADIP情報としてのプッシュプル信号は、ウォブル回路58においてADIPアドレスを構成するデータストリームに復調されてアドレスデコーダ59に供給される。
アドレスデコーダ59は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、システムコントローラ60に供給する。
またアドレスデコーダ59はウォブル回路58から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
【0065】
また、グルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路54から出力されるプッシュプル信号として、プリレコーデッド情報PICとしてのプッシュプル信号は、ウォブル回路58においてバンドパスフィルタ処理が行われてリーダ/ライタ回路55に供給される。そして2値化され、データビットストリームとされた後、ECCエンコーダ/デコーダ57でECCデコード、デインターリーブされて、プリレコーデッド情報としてのデータが抽出される。抽出されたプリレコーデッド情報はシステムコントローラ60に供給される。
システムコントローラ60は、読み出されたプリレコーデッド情報に基づいて、各種動作設定処理やコピープロテクト処理等を行うことができる。
【0066】
記録時には、AVシステム120から記録データが転送されてくるが、その記録データはECCエンコーダ/デコーダ57におけるメモリに送られてバッファリングされる。
この場合ECCエンコーダ/デコーダ57は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。
またECCエンコードされたデータは、変復調回路56において例えばRLL(1−7)PP方式の変調が施され、リーダ/ライタ回路55に供給される。
記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックは上述したようにウォブル信号から生成したクロックを用いる。
【0067】
エンコード処理により生成された記録データは、リーダ/ライタ回路55で記録補償処理として、記録層の特性、レーザー光のスポット形状、記録線速度等に対する最適記録パワーの微調整やレーザドライブパルス波形の調整などが行われた後、レーザドライブパルスとしてレーザードライバ63に送られる。
レーザドライバ63では供給されたレーザドライブパルスをピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これにより光ディスク100に記録データに応じたピットが形成されることになる。
【0068】
なお、レーザドライバ63は、いわゆるAPC回路(Auto Power Control)を備え、ピックアップ51内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力によりレーザ出力パワーをモニターしながらレーザーの出力が温度などによらず一定になるように制御する。記録時及び再生時のレーザー出力の目標値はシステムコントローラ60から与えられ、記録時及び再生時にはそれぞれレーザ出力レベルが、その目標値になるように制御する。
【0069】
サーボ回路61は、マトリクス回路54からのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号から、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、ピックアップ51内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ51、マトリクス回路54、サーボ回路61、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
【0070】
またサーボ回路61は、システムコントローラ60からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
【0071】
またサーボ回路61は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ60からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッド機構53を駆動する。スレッド機構53には、図示しないが、ピックアップ51を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、ピックアップ51の所要のスライド移動が行なわれる。
【0072】
スピンドルサーボ回路62はスピンドルモータ2をCLV回転させる制御を行う。
スピンドルサーボ回路62は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、リーダ/ライタ回路55内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路62は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ62のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路62は、システムコントローラ60からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
【0073】
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作はマイクロコンピュータによって形成されたシステムコントローラ60により制御される。
システムコントローラ60は、AVシステム120からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
【0074】
例えばAVシステム120から書込命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ60は、まず書き込むべきアドレスにピックアップ51を移動させる。そしてECCエンコーダ/デコーダ57、変復調回路56により、AVシステム120から転送されてきたデータ(例えばMPEG2などの各種方式のビデオデータや、オーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そして上記のようにリーダ/ライタ回路55からのレーザドライブパルスがレーザドライバ63に供給されることで、記録が実行される。
【0075】
また例えばAVシステム120から、光ディスク100に記録されている或るデータ(MPEG2ビデオデータ等)の転送を求めるリードコマンドが供給された場合は、まず指示されたアドレスをターゲットとしてアクセス動作制御を行う。即ちサーボ回路61に指令を出し、アクセスコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとするピックアップ51のアクセス動作を実行させる。
その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム120に転送するために必要な動作制御を行う。即ち光ディスク100からのデータ読出を行い、リーダ/ライタ回路55、変復調回路56、ECCエンコーダ/デコーダ57におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
【0076】
なお、これらのデータの記録再生時には、システムコントローラ60は、ウォブル回路58及びアドレスデコーダ59によって検出されるADIPアドレスを用いてアクセスや記録再生動作の制御を行うことができる。
【0077】
また、光ディスク100が装填された際など所定の時点で、システムコントローラ60は、光ディスク100のバーストカッティングエリアBCAにおいて記録されたディスクIDや、プリレコーデッド情報(PIC)の読出を実行させる。
例えば、プリレコーデッド情報を目的としてアクセス動作制御を行う場合、サーボ回路61に指令を出し、このプリレコーデッド情報の記録開始位置のアドレスへのピックアップ51のアクセス動作を実行させる。
その後、ピックアップ51によりプリレコーデッド情報上のトラックをトレースさせるトラッキングサーボ制御を実行しながら、反射光情報としてのプッシュプル信号を得、ウォブル回路58、リーダ/ライタ回路55、ECCエンコーダ/デコーダ57によるデコード処理を実行させ、BCA情報やプリレコーデッド情報としての再生データを得る。
システムコントローラ60はこのようにして読み出されたプリレコーデッド情報に基づいて、レーザパワー設定やコピープロテクト処理等を行う。
なお、バーストカッティングエリアBCAに対するアクセス制御については後述する。
【0078】
ところで、この図8のディスクドライブ装置の構成例は、AVシステム120に接続されるディスクドライブ装置の例としたが、本発明のディスクドライブ装置としては例えばパーソナルコンピュータ等と接続、或いは内蔵されるものとしてもよい。
また、カムコーダなどの撮像装置部と記録再生装置部が組み合わされるような機器における記録再生装置部として構成することが考えられる、また、据え置き型、若しくは携帯型のAV機器としてのディスク記録再生装置などとして構成することも考えられる。このような構成の場合には、他のホスト的なシステムと接続されない基本構成を採ることになるので、ユーザインターフェイスとして操作部や表示部が設けられたり、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図8とは異なるものとなる。つまり、ユーザーの操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。もちろん構成例としては他にも多様に考えられ、例えば記録専用装置、再生専用装置としての例も考えられる。
【0079】
4.BCAアクセス制御処理
4−1.第1例
続いては、上記のようにして構成されるディスクドライブ装置による、ディスク100のバーストカッティングエリアBCAに対するアクセスのための制御処理について、3例を挙げて説明する。
なお、アクセスとは、一般には、対物レンズとディスク信号面とのディスク半径方向における相対位置を変位させることで、光学ピックアップ51の対物レンズから照射されるレーザ光のスポット位置を、ターゲットのアドレスが記録されたトラックであるターゲットのトラックに到達させるいわゆるシーク動作と、このシーク動作の完了後において、トラッキングサーボループ制御が実行されている下で、到達したトラック上をトレースして、ターゲットのアドレスに到達させる、トレース動作とから成るものとされる。
なお、確認のために述べておくと、シーク動作は、スレッド機構53、及び対物レンズを支持する二軸機構など、対物レンズとディスク信号面とのディスク半径方向における相対位置を変位可能な機構部位を駆動制御することで行われる。
【0080】
これに対して、以降の説明から理解されることであるが、本実施の形態においては、バーストカッティングエリアBCAをターゲットとするアクセス(シーク)制御としては、必ずしもトラッキングサーボ制御によってトラック上をトレースさせる必要はない。
しかしながら、説明の便宜上、バーストカッティングエリアBCAをターゲットとしてレーザスポットを移動させる動作に関しては、バーストカッティングエリアBCA内でトラッキングサーボ制御が実行される場合と、されない場合とを一括して「BCAアクセス」ということにする。
【0081】
先ず、図9のフローチャートにより、本実施の形態のBCAアクセス制御のための処理動作の第1例について説明する。この図に示す処理は、ディスクドライブ装置のシステムコントローラ60が、例えば内部ROMなどに格納されるプログラムにしたがって実行するものである。
【0082】
システムコントローラ60は、ステップS101の処理として、BCA読み込み要求が発生するのを待機している。そして、例えばディスクが装填されるなどしてBCA読み込み要求が発生したとされると、ステップS102に進んで、フォーカスサーボループをオンとして光学ピックアップ51から照射されるレーザスポットを信号面に合焦させ、さらにトラッキングサーボループをオンとすることでトラックを適正にトレースする状態とする。
そして、この状態の下で、ステップS103としての処理により、現在アクセスしているとされる現アドレスPcrを読み込むようにされる。現アドレスPcrを読み込むためには、これまでの説明から理解されるように、レーザ光の反射光に基づいてADIPから再生されるウォブル信号をデコードし、アドレス情報を抽出すればよい。
【0083】
ここで第1例のBCAアクセス制御に対応するディスク100としては、バーストカッティングエリアBCA内のトラック(グルーブGV)にもADIPによりアドレスが記録されているものとする。
そして、次のステップS104においては、上記ステップS103により取得した現アドレスPcrと、ターゲット(アクセス先)としてのバーストカッティングエリアBCA内の所定アドレスであるBCAアドレスPbcaとに基づいて、ターゲットに移動するまでの移動量(ターゲット移動量)Lを算出するようにされる。
このターゲット移動量Lの算出の仕方については特に限定しないが、例えば所定のテーブル情報などを用いることで、現アドレスPcrが記録される現トラックの位置に対応するディスク中心からの半径距離と、BCAアドレスPbcaが記録されるターゲットのトラックに対応するディスク中心からの半径距離とを求め、さらにこれら半径距離の差分を算出することで得ることができる。あるいは、例えば所定の単位アドレス差分量に対応する半径距離に基づいて得られる係数を設定しておき、現アドレスPcrとBCAアドレスPbcaのアドレス差分値と、上記係数とを少なくとも利用して演算を行って得るようにすることも考えられる。
【0084】
なお、BCAアドレスPbcaとしては、例えば、バーストカッティングエリアBCA内において、ディスク半径方向においてほぼ中心位置にあるトラックに記録されたアドレスを選択して設定することが好ましいが、この理由については後述する。
【0085】
次のステップS105においては、上記ステップS104にて算出されたターゲット移動量Lと、単位移動量L1との関係について、L>L1が成立しているか否かについて判別する。
この場合の単位移動量L1は、予め設定された固定値であり、この第1例としてのBCAアクセスにおいて、バーストカッティングエリアBCAをターゲットとしてシーク動作を行うときに規定される最大移動可能量をいう。
そして、ステップS105において、L>L1が成立していると判別された場合には、現在のターゲット移動量Lが、単位移動量L1よりも多いということになるが、この場合には、現トラックの位置から単位移動量L1分だけ、バーストカッティングエリアBCA側に対して近づけるようにして、シーク動作を実行することになる。このための処理が、ステップS106→S107となる。
【0086】
ステップS106においては、シーク動作の準備のために、これまでにおいてオンとされていたトラッキングサーボループをオフに切り換える。これにより、フォーカスサーボ制御によって合焦状態が得られるように制御されているが、トラッキングサーボ制御は実行されない状態が得られる。つまり、シーク動作が可能なサーボ制御状態とする。
そして、次のステップS107により、現トラックの位置からバーストカッティングエリアBCA側に対して、単位移動量L1によるシーク動作を実行させる。
【0087】
なお、単位移動量L1によりシークを行うための実際の制御としては、例えば単位移動量L1が、スレッド機構53によるピックアップ51の移送を要する程度の移動距離に設定されているとすれば次のように実行することが考えられる。つまり、スレッド機構53に備えられているロータリーエンコーダ(図8においては図示せず)から出力される回転量の情報をスレッド移動量に置換し、このスレッド移動量が上記単位移動量L1となるまでスレッド機構53による移送動作を実行させるようにする。
【0088】
上記したシーク動作が完了したとされると、ステップS102の処理に戻るようにされる。
つまり、本実施の形態では、現在のターゲット移動量Lが、単位移動量L1よりも小さくなるまで、単位移動量L1によるシーク動作を繰り返して、バーストカッティングエリアBCAに対して対物レンズの位置を近づけていくようにされる。
【0089】
そして、ステップS105において、否定結果が得られた場合には、ステップS108以降の処理に進む。ステップS105において否定結果が得られた場合とは、現トラックの位置から、ターゲットとなるバーストカッティングエリアBCA内のトラックまでの移動距離(ターゲット移動量L)が、単位移動量L1としての移動距離よりも短い状態にあるということになる。詳しいことは後述するが、この単位移動量L1よりも少ないターゲット移動量Lであれば、実際の移動量との誤差は許容範囲内にあるものとされ、このターゲット移動量Lによりシークを行っても、シーク完了位置が適正にバーストカッティングエリアBCA内に在ることが保証される。
【0090】
そこで、ステップS108以降の処理としては、ターゲット移動量LによりバーストカッティングエリアBCAにアクセスさせるための制御となる。
このため、先ずステップS108においては、BCAアドレスPbcaに対するアクセスを実行する。つまり、先ずは、ターゲット移動量LによりバーストカッティングエリアBCA側へのシーク動作を実行させる。この際において、例えばスレッド機構又は対物レンズを移動させているときには、トラッキングサーボループはオフとした状態とする。そして、シーク完了後のトラック位置においてトラッキングサーボループをオンとして現トラックのトレースを行い、現在のアドレス(現アドレス)を検出する。このようにして現アドレスが検出されると、バーストカッティングエリアBCA内のターゲットアドレスであるBCAアドレスPbcaとのアドレス差を判定し、この判定されたアドレス差に応じて、さらにシーク動作を実行させる。このようなシーク動作が繰り返されることで、最終的には、BCAアドレスPbcaが記録されたトラックへのシークが完了することになる。
【0091】
上記のようにしてシーク動作が完了した後においては、ステップS109の処理として示すように、トラッキングサーボループについてはオフとするように制御処理を実行し、フォーカスサーボループのみオン状態を維持させる。
これにより、ピックアップ51の対物レンズは、バーストカッティングエリアBCAに対してレーザ光が合焦した状態が得られるようにディスクに接離する方向には駆動されるが、ディスク半径方向に沿っては駆動されない状態となる。
【0092】
この状態では、レーザスポットは、バーストカッティングエリアBCA内に形成されるトラックをトレースせずにディスク半径方向において位置が固定した状態とされていることになる。
そして、この状態において、ステップS110において、バーストカッティングエリアBCAに記録されている情報の読み込みを行うこととしている。
【0093】
ここで、上記図9に示したBCAアクセスの動作は、ステップS108の処理として示されているように、バーストカッティングエリアBCA内に形成されているグルーブGV(トラック)に記録されたBCAアドレスPbcaをターゲットとしてアクセスする動作とされている。
従って、例えばBCAアドレスPbcaをターゲットとして、トラックにシーク動作を行うということは、トラックピッチ精度で、バーストカッティングエリアBCAに対するシークが行えるということを意味している。
これにより、例えばバーストカッティングエリアBCAに対する読み込みをトラッキングサーボ制御を伴って実行すると仮定すれば、バーストカッティングエリアBCAとして要求される幅は、ほぼトラック幅に対応した幅でよいことになる。
【0094】
しかしながら、バーストカッティングエリアBCAは、本来、トラッキングサーボ制御がオフの状態でも読み込めることを目的として形成されるべきエリアである。また、本実施の形態のディスク100のバーストカッティングエリアBCAは、データエリア92と同様に相変化記録膜により形成される部位であるから、バーストカッティングエリアBCAに記録される情報の改竄を防止するためには、バーストカッティングエリアBCA内に対応して対物レンズが位置しているときには、トラッキングサーボ制御を実行させないことが必要となる。
トラッキングサーボ制御によってトラックをトレースした状態では、バーストカッティングエリアBCAにおける任意のアドレスにアクセスさせることが可能となってしまい、これを利用してバーストカッティングエリアBCAのバーコードパターンの書き換えが行われる可能性が全くないとは言えなくなる。
このため、先に説明したステップS109により、バーストカッティングエリアBCAへのシーク完了後においてトラッキングサーボループをオフとしている。
【0095】
このようにしてトラッキングサーボがオフとされる状態でバーストカッティングエリアBCAに対する読み込みを行わなければならないとした場合には、例えばディスクの偏心に応じて、ディスク半径方向における信号面のレーザスポットの位置が変動することを考慮しなければならない。
従って、バーストカッティングエリアBCAとしては、少なくとも、ディスク半径方向における信号面のレーザスポット位置の変動にかかわらず、レーザスポットがバーストカッティングエリアBCA内に在るようにされることを保証できるだけの幅を有して形成すべきことが要求される。
また、現状におけるバーストカッティングエリアBCAの形成工程では、例えばトラック幅での高精細な形成を行うことが困難であり、この点でも、必然的にトラックピッチよりも広い幅とすることになる。
【0096】
本実施の形態では、上記したことを考慮して、バーストカッティングエリアBCAの幅について例えば約100μmとしているものである。例えば、従来においては要求されていた幅は、約1mmの幅であり、これと比較した場合には、約1/10にまで縮小されることになる。
【0097】
もちろんのこと、バーストカッティングエリアBCAの幅は、100μm前後に限定される必要はない。例えば、将来的にバーストカッティングエリアBCAについて、より精細に形成することが可能となったときには、バーストカッティングエリアBCAの幅をさらに狭くしても良いことになる。
【0098】
なお、前述もしたように、BCAアドレスPbcaとしては、バーストカッティングエリアBCA内において、ディスク半径方向においてほぼ中心位置にあるトラックに記録されたアドレスとすることが好ましい。
この設定とすれば、BCAアドレスPbcaをターゲットとしてシークが完了した状態では、レーザスポットの位置は、ディスク半径方向において、バーストカッティングエリアBCA内のほぼ中央とすることができる。これにより、上記したようなディスクの偏心にかかわらず、レーザスポットをバーストカッティングエリアBCA内に位置させることの保証に関しての信頼性が向上する。また、できる限りにおいて、バーストカッティングエリアBCAの幅をより狭いものとすることも可能となる。
【0099】
そして、上記のようにしてバーストカッティングエリアBCAの幅が短縮された分により、例えばデータエリア91としてのディスク半径方向における幅を増加させて、情報記録領域におけるデータエリア91の占有率を高めることが可能となる。そして、データエリア91の幅が増加された分、トラックの本数も増加させることが可能となり、ユーザデータの記録容量も増加することになる。例えば、バーストカッティングエリアBCAの幅として、従来が正確に1mm、実施の形態では、正確に100μmであると仮定すると、データエリア91の幅について、最大で約900μm増加させることができる。トラックピッチは、例えば一般に数μmから1μm以下であるが、例えば0.5μmであると仮定すれば、最大でトラックを1800本程度増加させることが可能となる。このようにして、トラック記録密度にもよるが、相当の記録可能容量の増加が図られることが分かる。
【0100】
なお、本実施の形態のディスク100の場合であれば、例えば、リードインエリア91、リードアウトエリア93についても、用途や必要に応じて、ディスク半径方向の幅の増加分を割り当てて、そのエリアの容量増加を図っても良い。
【0101】
また、図9に示した処理では、ステップS105→S106→S107の処理によって、単位移動量L1によるシーク動作を繰り返し行うことが可能とされている。
例えば、上記したスレッド機構53の移送によるシーク動作としては、少なからず、設定された移動量と、この移動量に応じた実際のスレッド移動量とに誤差が生じる。このような誤差は、ターゲットへの移動量が大きいほど拡大する。従って、例えばターゲット移動量Lが、単位移動量L1よりもはるかに大きいとされる場合において、ターゲット移動量Lのみによる1回のシークを行ったとしても、上記した誤差の拡大が原因となって、対物レンズをバーストカッティングエリアBCA内に適正に位置させることができない場合があり、かえって効率的なシーク動作が得られない場合も生じ得ることとなる。そこで、上記のようにして、或る程度限定した単位移動量L1によってシーク動作を繰り返し実行可能に構成すれば、上記したような不都合を生じさせることなく、効率的なシーク動作を得ることができる。
【0102】
4−2.第2例
図10のフローチャートは、第2例としてのBCAアクセス制御のための処理動作を示している。
第2例としても、先ず、ステップS201においてBCA情報読み込み要求が発生したことを判別すると、ステップS202の処理に移行する。
ステップS202→S203のシーケンスは、図9のステップS102→S103と同様にして、フォーカスサーボループ及びトラッキングサーボループをオンとして、現アドレスPcrを読み込むための処理となる。
【0103】
また、この第2例のBCAアクセス制御に対応するディスク100としても、バーストカッティングエリアBCA内のトラック(グルーブGV)にもADIPによりアドレスが記録されている。
そして、ステップS204では、上記ステップS203により取得したBCAアドレスPbcrと、バーストカッティングエリアBCA内のBCAアドレスPbcaとに基づいて、ターゲットトラバース数Nを算出する。
ここでいうトラバースとは、ディスク半径方向にトラックを横切る動作をいうものであり、従って、トラバース数とはトラック横断数を指す。そして、ターゲットトラバース数とは、現アドレスPcrが記録されるトラックから、BCAアドレスPbcaが記録されるトラックに至るまでに横断すべきトラック数を示す。換言すれば、現アドレスPcrが記録されるトラックと、BCAアドレスPbcaが記録されるトラックとの間に形成されているトラック数である。
【0104】
あくまでも一例であるが、ターゲットトラバース数は次のようにして求めることができる。
この場合にも、例えば現アドレスPcrとBCAアドレスPbcaが記録された各トラック間のディスク中心からの半径距離の差分を求めるようにされる。そして、この半径距離の差分について、例えばトラックピッチの値などをパラメータとして所定の演算を行うようにされる。これにより、現アドレスPcr、BCAアドレスPbcaが記録された各トラック間に在るとされるトラック数を求めることができる。
【0105】
次のステップS205では、上記ステップS204により算出されたターゲットトラバース数Nと、予め設定された固定値としての単位トラバース数N1とについて、N>N1が成立しているか否かについて判別する。
この単位トラバース数N1は、図9に示した第1例における単位移動量L1に相当する。つまり、バーストカッティングエリアBCAをターゲットとしてシーク動作を行うときに規定される最大移動可能量(距離)に対応する横断トラック数が設定される。
【0106】
ステップS205において、現在のターゲットトラバース数Nが、単位トラバース数N1よりも多いとして肯定結果が得られた場合には、ステップS206→S207の処理によって、バーストカッティングエリアBCA側に対して近づけるようにして、シーク動作を実行する。
先ず、ステップS206では、シーク動作準備のためにトラッキングサーボループをオフとし、ステップS207により、単位トラバース数N1によりバーストカッティングエリアBCA側の方向へのシークを実行する。
【0107】
ステップS207としての処理は、スレッド機構53又は対物レンズを移動するための制御を実行しながら、このときの横断トラック数をカウントし、この横断トラック数が単位トラバース数N1に至るとシーク動作を完了させるものとなる。
ここで、横断トラック数のカウントは、例えば周知のようにして、シーク動作時において得られるトラッキングエラー信号(トラバース信号)の波形を利用すればよい。つまり、トラックを横切るときのトラッキングエラー信号は、レーザスポットが、例えばグルーブ、及びランドの各中央に位置しているとされる状態では0レベルで、隣接するグルーブとランドのほぼ中間に位置しているときには、正極性/負極性のピークが交互に現れるものとなる。そして、このようなトラッキングエラー信号について閾値を設定すると、1パルスが1トラックに対応しているようなパルス信号を得ることができる。
そこで、例えば上記したパルス信号のパルス数をカウントすれば、横断トラック数をカウントしていることと同じになるものである。
【0108】
上記のようにして実行されるステップS207によるシークが完了したとされると、ステップS202の処理に戻るようにされる。これにより、ステップS205において肯定結果が得られている限りは、単位トラバース数N1によるシーク動作を繰り返し実行することになる。
【0109】
これに対して、ステップS205において、N>N1が成立しないとして否定結果が得られた場合には、ステップS208の処理に進む。
ステップS205において否定結果が得られた場合とは、現トラックの位置から、ターゲットとなるバーストカッティングエリアBCA内のトラックまでの移動距離であるターゲットトラバース数Nが、単位トラバース数N1よりも少なくなっている状態にあるということになる。そして、このような場合には、ステップS208において、ターゲットトラバース数Nによりシークを実行するようにされる。
【0110】
上記ステップS208により、ターゲットトラバース数Nによるシークが完了したときには、レーザスポットは、BCAアドレスPbcaが記録されたトラックがあるとされる位置に在ることとなる。
そこで、次の処理としては、BCA情報の読み出しを実行すべきこととなるのであるが、例えばステップS208のシーク動作完了直後においては、フォーカスサーボループはオンであるのに対して、トラッキングサーボループはオフとなっている。
【0111】
そして、この第2例では、破線のブロックで括って示すステップS209として示すように、シーク動作完了直後のフォーカスサーボループがオンで、トラッキングサーボループがオフの状態を維持させることとしている。換言すれば、実際には、シーク動作完了直後において、フォーカスサーボとトラッキングサーボに関しての動作変更などの制御は、特に実行しないようにされる。そのうえで、ノントラッキングの状態で、ステップS210として示すように、バーストカッティングエリアBCAに記録されている情報の読み出しを実行するようにされる。
【0112】
例えば第1例のBCAアクセス制御として図9に示した処理では、ステップS108において説明したように、バーストカッティングエリアBCAに対するアクセスのために、シーク位置のアドレスを確認する際にトラッキングサーボループをオンとしていた。
これに対して、第2例では、ステップS208の処理としては、シーク動作として、ターゲットトラバース数Nによるトラックジャンプ動作を1回実行するのみであり、そのまま、トラッキングサーボループがオフの状態でもって、バーストカッティングエリアBCAに対する情報の読み出しを実行している。
【0113】
つまり、第2例のBCAアクセス制御の場合、ターゲットトラバース数Nによりシーク動作を実行してターゲットのトラックにレーザスポットを到達させた結果としては、必然的に、BCAアドレスPbcaが記録されたトラックにレーザスポットが位置していることになる。従って、敢えてトラッキングサーボループをオンとしてトラックをトレースしてアドレスを読み出し、現在のシーク位置を確認する必要はないことになる。
前述もしたように、バーストカッティングエリアBCAは、トラッキングサーボループをオフとした状態で読み出しを実行する必要があるが、第2例では、ステップS208によるシーク動作の開始時以降においては、トラッキングサーボループをオンに切り換えることなく、オフ状態としたままでBCA情報の読み込み処理に移行できる。
【0114】
ただし、実際のトラバース信号(トラッキングエラー信号)にはノイズが現れるので、トラバース信号に基づいてカウントされる横断トラック数にも誤差が生じる。
そして、この横断トラック数のカウント誤差はレーザスポットの移動量が大きくなるのに従って拡大してしまうから、この場合にも、バーストカッティングエリアBCA内のターゲットのトラックに対して相当に距離が離れたトラックから、ターゲットトラバース数Nによる一回のトラックジャンプ動作によりシークを行った場合には、実際には、バーストカッティングエリアBCA内のターゲットのトラックから相当にずれた位置にレーザスポットが到達してしまうという結果が生じる可能性が高くなる。
そこで、第2例としても、ステップS205→S206→S207の処理によって、単位トラバース数N1によるシーク動作を繰り返し行えるようにしていることで、最終的にステップS208のシーク動作(トラックジャンプ)時における横断トラック数のカウント誤差が許容範囲となるようにしている。これにより、ステップS208としてのシークが完了した段階では、レーザスポットが、バーストカッティングエリアBCA内において確実にBCA情報を読み出し可能な位置にあることを保証するようにされている。
特に、第2例では、先にも説明したように、ステップS208におけるシーク動作に際して、現アドレスの確認を行わない動作となっているので、このような単位トラバース数N1によるシーク動作を実行させることの有用性は高い。
【0115】
4−3.第3例
続いて、本実施の形態のBCAアクセス制御の第3例について説明する。
上記図10に示した第2例としての処理では、横断トラック数のカウントに基づいたBCAアクセス制御としていることで、ステップS208においてはシーク完了位置のアドレスを確認する必要がないようにされている。
このことから、バーストカッティングエリアBCA内に形成されるトラックとしてのグルーブGVに関しては、ウォブリングによるアドレス情報は必ずしも必要ではないということがいえる。
そこで、第3例としては、バーストカッティングエリアBCA内のトラックにアドレスを記録していないディスク100に対応してBCAアクセス制御を可能とする構成を採ることとする
【0116】
この第3例については、再度、図10を参照して説明する。
第3例としてのBCAアクセスのための処理としては、この図10にほぼ準じたものとなる。ただし、バーストカッティングエリアBCA内のトラックにはアドレスが記録されていないので、ステップS204としてのターゲットトラバース数Nを算出するのにあたり、BCAアドレスPbcaを利用しない手法を採ることになる。
【0117】
このためには、例えばシステムコントローラ60は、予め、BCAアクセスのときにターゲットとなるバーストカッティングエリアBCA内のトラックの位置情報として、ディスク中心からの半径距離の情報をROMなどに保持しておくようにされる。
バーストカッティングエリアBCAのディスク半径方向における位置は、実際に策定されるディスク100のフォーマットによって固定的に決まる。従って、バーストカッティングエリアBCA内において、どの半径位置にあるトラックをターゲットトラックとするのかを予め決めておけば、これに応じて、上記ターゲットトラックのディスク中心からの半径距離も固定的に決まることとなる。システムコントローラ60のROM内には、このようにして決定されたターゲットトラックの半径距離の情報を記憶保持させておけばよい。
【0118】
そして、第3例としてのステップS204の処理としては、ステップS203により取得された現アドレスPcrが記録されるトラックのディスク中心からの半径距離と、システムコントローラ60が保持している上記ターゲットトラックのディスク中心からの半径距離との差分を求めるようにされる。そして、この差分として得られたトラック間の距離に在るとされるトラックの本数を、前述もしたように、トラックピッチなどのパラメータを用いて所定の演算式により演算すればよい。
ステップS204以外の処理は、先の第2例の場合と同様とされる。
【0119】
5.BCA記録禁止制御処理
5−1.第1例
前述もしたように、バーストカッティングエリアBCAの形成工程としては、予めバーストカッティングエリアBCAとしての領域全体に対してアルミ蒸着を施した後、YAGレーザなどによりレーザ光を照射して、必要な箇所を焼き付けてアルミを除去することでバーコードパターンを形成する手法がある。
また、もう1つの手法としては、バーストカッティングエリアBCAの領域を相変化膜として形成し、アモルファス状態をクリスタル状態に変化させる初期化時において、必要とされるバーコードパターンに応じて、同様にYAGレーザなどによりレーザ光を照射する。これにより、アモルファス状態のバー部分とクリスタル状態のバー部分とから成るバーコードパターンを形成するものである
【0120】
前者の手法により形成されたバーストカッティングエリアBCAは、蒸着されたアルミによるバーコードパターンであるから、以降において書き換えることが物理的に不可能な領域となる。
【0121】
これに対して後者の手法により形成されたバーストカッティングエリアBCAは、本来は書き換え可能な信号層である相変化膜を用いている。しかしながら、バーストカッティングエリアBCAは、書き換えは不可の再生専用領域として使用されるべきである。
しかしながら、本実施の形態のディスク100は、バーストカッティングエリアBCAにトラックが形成されているために、このトラックを頼りにバーストカッティングエリアBCAにアクセスすることが容易である。さらに、バーストカッティングエリアBCA内のトラックにADIPとしてのアドレスが記録されている場合には、アドレスに対するアクセス動作を用いることで、バーストカッティングエリアBCAへのアクセスはさらに容易となる。
これは、後者の手法によりバーストカッティングエリアBCAを形成しているディスク100としては、例えばユーザによる不用意な操作、若しくは、悪意のあるユーザによる操作などによって、BCA情報が改竄されたり、破壊されてしまう可能性を有していることになる。
そこで、BCA情報についてのセキュリティ及びユーザ保護を目的として、バーストカッティングエリアBCAに対する書き込み要求が発生したとしても、この要求に応じたデータの書き込み動作が実行されないように構成する必要があることになる。
【0122】
そこで、このようなバーストカッティングエリアBCAに対する記録禁止制御のための処理について、2例を挙げて説明する。
第1例としては、システムコントローラ60が実行すべきプログラムについて、バーストカッティングエリアBCAに対応しては、レーザ光について記録用のレーザパワーを設定しないというアルゴリズムを与えることによって、バーストカッティングエリアBCAに対する記録禁止制御を実現する。
【0123】
このための処理動作例を図11に示す。
ここでは先ず、ステップS301において、データ書き込み要求が発生するのを待機しており、データ書き込み要求が発生したとされると、ステップS302に進む。
【0124】
ステップS302においては、データ書き込み要求が指定されたアドレスがどの領域であるのかについて判別する。ここで、指定されたアドレスが、バーストカッティングエリアBCA以外の記録可能(書き換え可能エリア)内にあるときつまり、指定されたアドレスが、リードインエリア91の管理/制御情報領域、データエリア92、リードアウトエリア93などの書き換え可能なエリア内であるときには、ステップS303の処理に進む。
【0125】
ステップS303では、バーストカッティングエリアBCAにおける指定アドレスに対するアクセスを実行する。
ここで、上記ステップS303の処理が完了するまでの段階では、レーザ光のレーザパワーは、再生レベルに設定されている。そこで、次のステップS304においては、レーザドライバ63を制御して、再生レベルよりも高レベルの記録用レーザパワーを設定する。そして、続くステップS305としての処理により、指定されたアドレスからのデータ書き込みを実行する。
つまり、ステップS303〜S305の処理は、通常のデータ書き込み要求に応じた処理である。
【0126】
これに対して、ステップS302において、指定されたアドレスが、バーストカッティングエリアBCA内のアドレスであることを判別した場合には、ステップS306に進む。なお、ディスク100としては、バーストカッティングエリアBCA内のトラックにアドレスを記録しない場合もあるとして説明したが、このような場合において、アドレス指定に依らなくとも、データ書き込みをすべきエリアとしてバーストカッティングエリアBCAが指定されたときには、ステップS306の処理に移行することとする。
【0127】
ステップS306の処理としては、先のステップS303と同様にして、書き込み要求が指定されたアドレスに対してアクセスするための動作を、通常のデータ書き込み処理のシーケンスと同様にして実行する。
しかしながら、指定アドレスがバーストカッティングエリアBCAにあるとした場合には、システムコントローラ60は、記録用レーザパワーを設定するための制御処理を実行しない。つまり、処理結果として、図において破線でブロックを括ったステップS307として示すように、再生用レーザパワーを維持させるものである。
【0128】
これにより、以降においてディスクドライブとしてのシステムではデータの書き込みを実行しようとしても、データは記録されないこととなる。そこで、例えばステップS308として示すようにして、記録エラーとしての対応処理を実行する。つまり、バーストカッティングエリアBCAに対するデータの書き込みは実行できないこととなる。
【0129】
5−2.第2例
続いて第2例について説明する。第2例では、先に図4〜図7により説明したDMAを利用して、記録禁止制御を実現する。
図12は、第2例としての記録禁止制御のための処理動作例を示している。
この場合には、ステップS401においてデータ書き込み要求が発生したとされるとステップS402に進むことになる。
【0130】
ここで、この図12に示す処理が実行開始される段階においては、既に装填されたディスク100に記録されているDMAを読み出して、例えばシステムコントローラ60内のRAMに保持させている状態にあるものとされる。
ステップS402においては、上記のようにしてRAMに保持されているDMAから最新のDFLを参照する。
【0131】
次のステップS403においては、上記ステップS402の処理により参照したDFLの交替アドレス情報atiのうちで、交替元クラスタとしての領域(図7:ビットb59〜b32)に、データ書き込み要求が指定されたアドレスが記述されているものがあるか否かについて判別する。
ここで、指定されたアドレスが記述された交替アドレス情報atiは無いとして否定結果が得られたのであればステップS404に進む。
【0132】
ステップS404においては、指定アドレスにアクセスしてデータ書き込みを実行する。つまり、指定されたアドレスは、欠陥のないクラスタに含まれていたものであり、交替処理を伴わないデータ書き込み処理が実行される。
【0133】
これに対して、ステップS403において、参照したDFLにおいて、データ書き込み要求が指定されたアドレスが、交替アドレス情報atiの交替元クラスタとして記述されているとして肯定結果が得られた場合には、ステップS405の処理に進む。
【0134】
ステップS405では、上記指定されたアドレスが交替元クラスタとして記述されている交替アドレス情報atiのステータス1(図7:ビットb63〜b60)を参照して、このステータス1の値について判別する。
そして、ステータス1が「0000」である場合には、通常の交替のエントリーということになる。この場合にはステップS406に進んで、上記指定されたアドレスが交替元クラスタとして記述されている交替アドレス情報atiから、交替先クラスタの先頭アドレス(セクタアドレス)を取得する。そして、次のステップS407により、交替先としてのセクタアドレスにアクセスする。このアクセス先は、これまでの先の図4〜図7の説明により理解されるように、ISA又はOSAとなる。そして、アクセスしたセクタアドレスから、クラスタ単位によりデータの書き込みを実行するようにされる。
【0135】
また、ステータス1が「0001」の交替アドレス情報atiでは、交替処理を伴わず、欠陥領域部分のみを管理するものとなる。つまり、欠陥領域部分(クラスタ)の先頭のセクタアドレスのみを記述し、交替エリアの先頭のセクタアドレスについては記述されていない。
そこで、ステップS405においてステータス1が「0001」であるとの判別結果が得られた場合には、交替セクタが用意されていないことから、例えばステップS408として示すように記録実行エラーとしての処理を実行する。
【0136】
そして、ステータス1が「0010」の交替アドレス情報atiの場合、交替元クラスタの先頭のセクタアドレスを記述する領域には、実際には欠陥領域部分ではないが、欠陥領域部分と同等に扱うことで、記録禁止を設定すべき領域のクラスタの先頭のセクタアドレスが記述されることとなる。
前述もしたように、このステータス1が「0010」の交替アドレス情報atiは、バーストカッティングエリアBCAを形成するクラスタ領域を記述するのに利用される。
【0137】
そこで、システムコントローラ60がステップS405においてステータス1が「0010」であると判別した場合には、ステップS409の処理として示すように、記録エラーに対応する処理を実行する。この結果、バーストカッティングエリアBCAに対するデータの記録を禁止設定した動作が得られることとなる。
【0138】
なお、本実施の形態の場合、バーストカッティングエリアBCAに形成されるトラックについては、それ自体がトラック記録再生方式による記録再生に用いられないのであるから、例えば記録容量などを考慮して、他の書き換え可能エリアと同様のトラックピッチを設定する必要はないということがいえる。
【0139】
そこで、バーストカッティングエリアBCAに形成するトラックとしては、他の書き換え可能エリアよりも広いトラックピッチによるトラック(グルーブGV)を形成することも考えられる。なお、このようにトラックピッチを広く設定したとしても、先に図9及び図10により説明した3例のBCAアクセス制御については、支障がない。
つまり、図9により説明した第1例では、ステップS104において、例えばBCAアドレスPbcaが記録されたトラックのディスク中心からの半径位置が適正に得られている限り、図9に示したプロセスにより問題なくバーストカッティングエリアBCAにアクセスすることがことが可能である。
また、図10により説明した第2例及び第3例の場合も、バーストカッティングエリアBCAと他のエリアとでトラックピッチが異なっているとしても、トラバースカウントの対象となるトラッキングエラー信号(トラバース信号)が、グルーブ/ランドの中心では0レベルであり、グルーブ/ランドの中間位置で正/負のピークレベルとなる特性に変わりはない。従って、トラバースカウントに基づいてシークを実行する以上、適正にバーストカッティングエリアBCAへのシークを行うことができる。
【0140】
また、例えば従来のようにして、スレッド機構の機械的な位置制御のみに依存してBCAアクセスを実行する場合には、確実にバーストカッティングエリアBCAにアクセスできるように、例えばバーストカッティングエリアBCAを、スレッド機構のほぼ移動限界位置に対応する最内周に設けるようにする必要性が生じることになる。
これに対して、本実施の形態では、バーストカッティングエリアBCAに形成されるトラックをターゲットとしてアクセス/シークを実行する構成であるから、上記のようにして、スレッド機構のほぼ移動限界位置に対応させてバーストカッティングエリアBCAを形成する必然性も無いことになる。そこで、ディスク100において、例えばバーストカッティングエリアBCAをディスク半径方向における任意の位置に形成することも考えられる。
【0141】
また、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態としての構成に限定されるものではない。例えば本発明が対応する記録媒体としては、光学ディスク状記録媒体として、例えば光磁気ディスクにも適用できる。さらには、光学ディスク状記録媒体以外の媒体として、磁気ディスクなどにも適用することが考えられる。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、記録再生の対象となるディスク状記録媒体は、トラックが形成される情報記録領域内において、トラック記録方式により情報を記録する第1の領域(リードインエリア、データエリア、リードアウトエリア)と、トラック記録方式とは異なる態様により情報が記録される第2の領域(バーストカッティングエリア)を有している。従って、この第2の領域にはトラックが形成されている。
そこで、本発明としては、第2の領域に対して対物レンズからのレーザ光の照射位置を移動させるときには、この第2の領域に記録されているトラックにレーザスポットが位置するように、シーク動作又はアクセス動作を実行させることとしている。つまり、第2の領域内のトラックをターゲットとして、第2の領域へのアクセス/シークを実現している。これにより、第2の領域内へのアクセス/シーク動作は、トラックピッチ精度で制御することが可能になる。
【0143】
例えば従来においては、第2の領域に対するアクセスは、スレッド機構などの機械的精度にのみ依存していた。このため、第2の領域に対するアクセスを確実なものとするためには、この第2の領域のディスク半径方向の幅について、例えばトラック幅などと比較すれば、相当に広くとる必要が生じていた。
これに対して、本発明の場合には、第2の領域内へのアクセス/シークの精度がトラックピッチのレベルにまで向上される。従って、例えば、実際の第2の領域の形成工程の精細レベルや、実際の第2の領域に対する読み出し動作などの条件が許す限り、第2の領域のディスク半径方向における幅を、従来と比較して相当に狭いものとすることができる。
これにより、トラック方式により通常に情報記録が行われる第1の領域のディスク半径方向における幅を拡大することが可能となり、その分の記録容量の増加を図ることができる。
【0144】
つまり、本発明による第2の領域へのアクセス/シーク動作を適用することで、ディスク状記録媒体の記録容量を増加させることが可能となる。
特に、近年においては、ディスク状記録媒体の大容量化と共に、小型化も要求されている状況にある。第2の領域の占有率の幅を一定として考えると、ディスク状記録媒体における第2の領域の占有率は、ディスク状記録媒体の径が小さくなるほど高いものとなる。しかしながら、このことは、径の小さいディスク状記録媒体であるほど、第2の領域の幅が狭くなることに依る第2の領域の占有率の低下が顕著なものとなることを意味している。つまり、本発明により第2の領域の幅が狭小化されることは、特にディスク状記録媒体の径が小さくなるほど有効となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に対応する光ディスクのエリア構成を示す説明図である。
【図2】実施の形態に対応する光ディスクのウォブリンググルーブ構造を示す斜視図である。
【図3】実施の形態に対応する光ディスクのエリア構造をより詳細に示す説明図である。
【図4】実施の形態に対応する光ディスクのエリア構造として、リードインエリアとリードアウトエリア内の構造を示す説明図である。
【図5】実施の形態のディスクのDMAの説明図である。
【図6】実施の形態のディスクのDFLの内容の説明図である。
【図7】実施の形態のディスクのDFLの交替アドレス情報の説明図である。
【図8】実施の形態のディスクドライブ装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】BCAアクセス制御のための処理動作(第1例)を示すフローチャートである。
【図10】BCAアクセス制御のための処理動作(第2例)を示すフローチャートである。
【図11】バーストカッティングエリアに対する記録禁止動作を実現するための処理動作(第1例)を示すフローチャートである。
【図12】バーストカッティングエリアに対する記録禁止動作を実現するための処理動作(第2例)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
51 ピックアップ、52 スピンドルモータ、53 スレッド機構、54 マトリクス回路、55 リーダ/ライタ回路、56 変復調回路、57 ECCエンコーダ/デコーダ、58 ウォブル回路、59 アドレスデコーダ、60 システムコントローラ、60a キャッシュメモリ、61 サーボ回路、62 スピンドルサーボ回路、63 レーザドライバ、91 リードインエリア、92データエリア、93 リードアウトエリア、100 ディスク、120 AVシステム、GV グルーブ(プリグルーブ)、LD ランド、BCA バーストカッティングエリア

Claims (8)

  1. 周回状のトラックが形成されている情報記録領域において、少なくとも、上記トラックに対して情報が記録される第1の領域と、上記第1の領域とは異なる他の所定の態様により情報が記録される第2の領域とを有するディスク状記録媒体に対応して、記録又は再生が可能とされる記録再生装置において、
    少なくとも、情報の読み出し又は記録のためにディスク状記録媒体に対して照射されるレーザ光の出力端となる対物レンズを有するピックアップ手段と、
    上記対物レンズと上記ディスク状記録媒体の半径方向との相対的位置関係を変位させるための機構を有する変位機構部と、
    上記第2の領域内に対して上記レーザ光の照射位置を移動させるときには、上記第2の領域内に形成される上記トラックに対して、上記レーザ光が照射される状態とするようにして上記変位機構部を駆動制御する駆動制御手段、
    を備えていることを特徴とする記録再生装置。
  2. 上記トラックを上記レーザ光が適正にトラックをトレースするためのトラッキングサーボ制御が実行されている状態下で、上記ピックアップ手段により照射されたレーザ光の反射光を検出することで、トラックに記録されているアドレスを取得することのできるアドレス取得手段を、さらに備えると共に、
    上記駆動制御手段は、
    上記アドレス取得手段により取得されるアドレスを利用して、上記第2の領域内の所定のアドレスにアクセスするアクセス動作が得られるように、上記変位機構部を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 上記アクセス動作により、上記第2の領域内の所定のアドレスへのアクセスが完了した後において、上記トラッキングサーボ制御を停止させるように制御するサーボ動作制御手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
  4. 上記レーザ光が現在照射されているトラックから、上記第2の領域内の所定のトラックまでの、ディスク状記録媒体半径方向におけるトラック数を算出するトラック数算出手段をさらに備え、
    上記駆動制御手段は、
    上記現在のトラック位置から、上記第2の領域内の所定のトラック位置の方向に対して、上記トラック数算出手段により算出されたトラック数だけ上記ディスク状記録媒体に対するレーザ光の照射位置が変位するように、上記変位機構部を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  5. 上記第2の領域内に上記レーザ光の照射位置が在るとされる場合には、上記ディスク状記録媒体に対する情報記録のための上記レーザ光の照射を行わないように制御するレーザ光照射動作制御手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  6. 上記情報記録領域内に記録され、上記情報記録領域内における領域についての記録可能/不可を示す情報であり、上記第2の領域については、記録不可が設定されている記録制御情報に基づいて、上記情報記録領域に対する情報記録の実行/不実行を制御する記録動作制御手段、をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  7. 上記記録制御情報は、
    上記第1の領域における欠陥領域部分について交替領域を用いて交替処理を実行するための管理情報が記録される交替管理情報の一部として格納されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の記録再生装置。
  8. 周回状のトラックが形成されている情報記録領域において、少なくとも、上記トラックに対して情報が記録される第1の領域と、上記第1の領域とは異なる他の所定の態様により情報が記録される第2の領域とを有するディスク状記録媒体に対応し、上記情報記録領域に対してレーザ光を照射することによって記録又は再生が可能とされる記録再生方法において、
    上記第2の領域内に対して、上記レーザ光の照射位置を移動させるときには、上記第2の領域内に形成される上記トラックに対して、上記レーザ光が照射され状態とするようにして、上記レーザ光の照射位置を変位させる変位機構部を駆動制御する、
    ことを特徴とする記録再生方法。
JP2003080447A 2003-03-24 2003-03-24 記録再生装置、記録再生方法 Pending JP2004288307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003080447A JP2004288307A (ja) 2003-03-24 2003-03-24 記録再生装置、記録再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003080447A JP2004288307A (ja) 2003-03-24 2003-03-24 記録再生装置、記録再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004288307A true JP2004288307A (ja) 2004-10-14

Family

ID=33294294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003080447A Pending JP2004288307A (ja) 2003-03-24 2003-03-24 記録再生装置、記録再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004288307A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007042152A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Toshiba Corp 追記形情報記憶媒体(透明基板上に形成された記録層を内側にして接着された構造を持つ記録形情報記憶媒体のディスク構造)、および情報再生方法または情報記録方法ならびに記憶媒体製造装置
JP2009170088A (ja) * 2009-03-16 2009-07-30 Nec Corp 情報記録/再生方法及び光ディスク装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007042152A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Toshiba Corp 追記形情報記憶媒体(透明基板上に形成された記録層を内側にして接着された構造を持つ記録形情報記憶媒体のディスク構造)、および情報再生方法または情報記録方法ならびに記憶媒体製造装置
US8717858B2 (en) 2005-07-29 2014-05-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Write-once type information storage medium (disk structure of recording type information storage medium having structure in which recording layer formed on transparent susbstrate is defined as inside), and information reproducing method or information recording method as well as storage medium manufacturing
JP2009170088A (ja) * 2009-03-16 2009-07-30 Nec Corp 情報記録/再生方法及び光ディスク装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7313062B2 (en) Disc recording medium, recording method, disc drive device
US7277371B2 (en) Recording medium, recording device, reproduction device, recording method and reproduction method
US7414938B2 (en) Recording medium, recording apparatus, reproduction apparatus, recording method and reproduction method
US7203139B2 (en) Recording medium, recording device, reproduction device, recording method and reproduction method
US7349301B2 (en) Write-once recording medium on which portion of the data is logically overwritten
KR101201424B1 (ko) 기록 장치의 교체 처리 방법, 기록 장치, 기록 시스템
US7913111B2 (en) Recording medium, recording apparatus, reproduction apparatus, recording method and reproduction method
JP5540918B2 (ja) 情報消去装置、情報消去方法
US7430157B2 (en) Recording device, recording method, reproducing device, and reproducing method
JP2004288307A (ja) 記録再生装置、記録再生方法
JP5001337B2 (ja) 記録方法、記録装置
JP2009037704A (ja) 情報記録媒体、情報記録装置、情報記録方法、情報再生装置、情報再生方法
JP2010192110A (ja) 交替処理方法、記録装置
JP2011044227A (ja) ディスク記録媒体、再生方法及び再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070423

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080222

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080321

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080919