JP2004288230A - 情報記録方法及び情報記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ライトワンス媒体へのユーザデータ記録の際、ユーザデータを管理する管理情報を追記動作により更新していくことにより発生するリンキング変動を抑え、DVDプレーヤでの再生互換の信頼性を確保すること。
【解決手段】管理情報である最終IFO8を記録する前に、連続した複数ブロックのダミーデータ33を、一回の動作で記録し、そのダミーデータの後に最終IFO8を追記記録する。これにより、管理情報のリンキング部で、リンキング精度の悪化を抑えることが出来、DVDプレーヤによる互換再生時に、正常に管理情報を読み出すことが出来る。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録可能な光ディスクへのデータの記録技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクは大容量の情報を記録でき、かつ記録媒体互換が可能な特徴を備えている。
【0003】
各種光ディスクの中で、コンピュータ、映像、音楽といった大容量の情報を同じ記録媒体で扱えるDVD(Digital Versatile Disc)は、PC、AV機器等の新しい大容量記憶媒体として注目されており、再生専用のDVDプレーヤの普及にくわえ、記録もできるDVDレコーダの登場により、急速に市場を拡大しつつある。
【0004】
記録型光ディスクの普及に伴い、光ディスクの互換性がユーザの要望として重要視されている。ところが、既に広く普及している多くのDVDプレーヤは、DVDレコーダで採用している書替え可能なフォーマットであるDVD−RAM(DVD−Random Access Memory)、DVD−RW(DVD−ReWritable)等をサポートしていないために互換性がなく、書替可能なフォーマットのDVD−RAM等で記録した光ディスクをDVDプレーヤで再生できないものがある。そのため、DVD−videoフォーマットに準拠するDVD−R(DVD−Recordable)規格の制定を機に、記録型光ディスクであるDVD−Rの媒体をサポートすることで、高い互換性を確保しようとする動向がある。
【0005】
リアルタイムにデータを記録する場合、ディスク全面にデータを記録し終わる前であって任意のデータを記録した時点で、装置の電源を切ったり、装置からディスクを取り出したりする場合がある。このとき、既に記録したデータに続けて新しいデータの追記を保証するために、その時点までにディスク上に記録されたデータを管理する必要がある。このため、このディスクを管理するための管理情報(以後、中間IFOファイルと呼ぶ)を、データの記録を行うたびに更新していく。
【0006】
図1に、映像シーンのデータをファイル形式で記録した際に、DVD−R上で中間IFOファイルが更新されていく状態を示す。一般的に、ディスクの記録領域は、その種類に応じて、ユーザデータを記録する領域(映像情報領域1と称す)と、ディスクに記録されたデータであるファイルを管理する管理情報領域2に分けられる。図1(a)は、映像シーン2まで記録したときの中間IFOファイルと各映像シーンのファイルのDVD−R上での位置関係を示す。映像シーン2のファイル4は、映像シーン1のファイル3に、連続的につながるように追記する。また、映像シーン2のファイル4が追記されたことにより、ディスク上のファイル構造が変わったため、新たに管理情報を更新するため中間IFOファイル2(符号5)を記録する。
【0007】
DVD−Rは、ライトワンス媒体であるため、古い中間IFOファイルの上に新しい中間IFOファイルを記録するといったような上書きをすることが出来ない。このため、管理情報を更新する場合も、映像情報領域1と同様に、前回に記録したデータに連続的につながるように追記していく。したがって、最後に追記された中間IFOファイルが、最新のディスク上のファイル構造を示していることになる。
【0008】
図1(b)は、図1(a)に続き、更に映像シーンのファイルを追記し、映像シーンNのファイル6で、ディスク容量の空きが足りなくなり、映像シーンを追記できなくなった状態を示している。この時点で、DVD−R上のファイル構造は完結しており、その状態を管理する情報は中間IFOファイルN(符号7)で示される。したがって、中間IFOファイルN(符号7)が再生できれば、すべての映像シーンのファイルにアクセスが可能である。
【0009】
しかし、DVDプレーヤでは、図1(b)の状態では再生することが出来ない。これは、プリプレスにより製作される、DVD−ROMディスクの再生を想定したDVDプレーヤの装置特性に起因する。DVD−ROMのフォーマットでは、内周から外周に向かって、スパイラル状に映像情報等が記録することと規定している。DVD−Rディスクに記録する際も、DVDプレーヤで互換再生させるためには、DVD−ROMフォーマットのディスクと同様に、内周から連続的に未記録部分等を含むことなく記録する必要がある。
【0010】
ユーザがデータ(ファイル)の記録を終え、DVDプレーヤで互換再生が出来るディスクを作るためには、ファイナライズ処理を行う必要がある。ファイナライズ処理を行うと、図1(c)に示すように、最後に更新された中間IFOファイルN(符号7)を、DVD−ROMのフォーマットに準拠した形式で、最終的な管理情報(以後:最終IFOファイル8と称す)として新たに書き加える。DVDプレーヤは、この最終IFOファイル8を再生することで、ディスク上のファイル構造を取得し、各映像データへのアクセスが可能になる。また、未記録の部分は、ダミーデータ9で埋め、内周から連続的に何らかのデータで埋め尽くされている状態にする。この様な状態で、はじめて、DVD−RディスクをDVDプレーヤで再生することができる。
【0011】
各IFOファイルや映像シーンのファイルを追記していく際、これらファイルの間に、リンキングと呼ばれる継ぎ目が発生する。このリンキングについて図2を用いてさらに説明する。本図では、80μmの偏心があるディスクを例に挙げて説明する。
【0012】
図2(a)は、映像シーンのファイルを追記することにより、ディスク上に形成されるリンキング部を示した模式図である。前回(N−1番目)までの記録データ10の終端部と、映像データ(N番目)の記録を開始した際の追記録データ12が記録開始される始端部は、図2(a)のリンキング部13で示したように記録される。
【0013】
DVDプレーヤ等での再生互換において、高い信頼性を確保するためには、理想的には図2(c)に示すようなリンキングが要求される。しかし、ディスクの偏心の影響によりトラックの線速度が変動するため、実際に追記データを記録する際には、図2(b)に示すような未記録のギャップ部分15が発生したり、その逆に図2(d)に示すようなデータ同士でオーバラップ部分16が発生したりする。
【0014】
DVD−Rのようなライトワンスの記録媒体では、記録したデータのうちオーバラップ部分16のデータは破壊されてしまうため、ECC(Error Correcting Code)による訂正能力を落としてしまう場合がある。このオーバラップ部分16の区間が長くなるとサーボ制御にも影響が生じる。また、ECCによる訂正能力を落とさず、サーボ制御にも影響を与えないように極力オーバラップ16部分を少なくしようとすると、逆に、未記録のギャップ部分15が発生しやすくなる。
【0015】
記録したデータのオーバラップ部分16では、DVD−Rのようなライトワンスの記録媒体の場合、元々に記録されていたデータと、追記する際に上書きしたデータの双方が破壊されてしまう。この問題を考慮した従来技術として、リンキング部を含むECCブロックをダミーデータにして読み飛ばしたり、リンキング部の近傍のみにダミーデータを挿入して情報の欠落を最小限に抑える手法が開示されている。(例えば、特許文献1参照)
また、データとデータの間に未記録のギャップ15が生じた場合、元のデータと、追記するデータは、双方とも破壊される事はないが、再生専用機のDVDプレーヤの場合、記録マークを利用したDPD(Differential Phase Detection)方式のサーボ制御を採用しているため、未記録部分ではサーボをかけることが出来ず、正常に記録情報を読み出すことが出来ない。
【0016】
この問題を考慮した他の従来技術として、記録型の記録媒体をDVDプレーヤで再生させるために、未記録のギャップが発生しないように前記録部分のデータ終端部に追記するデータの始端部分をオーバラップするように記録する方法が開示されている。(例えば、特許文献2参照)
【0017】
【特許文献1】
特開平9−270171号公報
【特許文献2】
特開平11−25459号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術だけでは、IFOファイルなどのデータ量が少ないファイルの追記記録の際には、高いリンキング精度を保持することができない場合があった。以下に、その理由を記す。
【0019】
IFOファイルや映像シーンのファイルの追記時に、記録開始位置のタイミングを生成するために、何らかの基準になるものに同期化する必要がある。この基準は、同期信号(SYNC)を基準にしている。SYNCには2種類があり、それぞれを用いた記録方法がある。1つ目は、ディスク上に予め記録されている同期信号(例:LPP−SYNC)を基準にする記録方法。2つ目は、前に記録したデータ内に含まれる同期信号(例:SYNC code)を基準にする記録方法がある。
【0020】
一般的に、既にデータが記録してある部分では、LPP−SYNCの検出率が低下する。そのため、既に記録したデータ内のSYNC codeに同期させて、記録開始位置のタイミングを生成する方法が採用されている。
【0021】
この、データ部のSYNC codeに同期化し、記録開始位置のタイミングを生成する記録方法では、データ量の少ないファイル、例えば管理情報領域2に記録されるIFOファイルの追記を繰返し行うと、リンキング部の変動量が拡大していく可能性があることがわかった。その発生メカニズムを、図3を用いて説明する。
【0022】
図3(a)は管理情報を追記していった際に発生する、リンキング部の変動の一例を示す図である。図3(b)は、それぞれの管理情報を追記する際のタイミング生成の同期化位置と記録開始位置の変動を示している。
【0023】
図3において、記録開始位置の変動は最大で±10Tとし、最初のN番目のデータ17はLPP−SYNCと既に記録したデータ内のSYNC codeとは正しい位置関係にあるとする。また、記録開始位置を決定するタイミングは、2つ前のデータのSYNC codeに同期して生成するとする。また、説明の便宜のため、N〜N+5番目のデータ量はすべて同じであるものとする。
【0024】
ここで、それぞれ2つ前のSYNC codeに同期化して生成された記録開始タイミングが、N+2番目のデータ18とN+4番目のデータ20とでは、記録開始位置が遅れる方向に10Tの変動をし、N+3番目のデータ19とN+5番目のデータ21とでは、記録開始位置が早まる方向に10Tの変動をしたとする。
【0025】
1回目、2回目の追記における記録開始位置の変動量は10Tであるが、図3(a)に示すように、N+2番目のデータ18とN+3番目のデータ19との間のリンキング部では20Tのオーバラップ22が発生し、N+3番目のデータ19とN+4番目のデータ20との間のリンキング部では30Tの未記録のギャップ23が発生し、また、N+4番目のデータ20とN+5番目のデータ21との間のリンキング部では40Tのオーバラップ24が発生する。本図から、リンキング部の変動が、追記を重ねていくに従い拡大していくことがわかる。
【0026】
この様な大きな変動が発生する要因は、記録開始タイミングを生成するデータが複数(2以上)回前に記録されたデータのSYNC codeに同期して生成しているためである。一般的に、記録開始位置のタイミングを生成するための同期化は、記録開始位置から、2〜数十ECCブロック(ECCブロックはディスク上に記録するデータの記録単位である。)前から図り始める必要がある。これは、記録したデータの欠陥等によるSYNC未検出、誤検出を防ぎ、SYNC検出の信頼性を確保するためである。
【0027】
従って、管理情報などの1〜2ECCブロック程度のデータ量が少ないデータの追記では、既に記録してあるデータの記録開始位置の変動の影響を受けやすくなり、映像シーンのファイルのようにデータ量が多いデータの追記よりも、追記データの記録開始位置の大きな変動が発生しやすい。
【0028】
特に、本発明者は、図1に示した最終IFO8を記録する際に、上記で示した問題が起こり、DVDプレーヤの種類によっては管理情報を正常に読み取れず、ディスク認識が出来なくなる可能性があることを見出した。
【0029】
本発明の目的は、データ同士のオーバラップ、データ間のギャップといったデータの記録位置の変動を抑え、データ再生の信頼性を向上させることができる情報記録技術を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、データの書き換えが不可能な情報記録媒体に、既に前記情報記録媒体に記録されたデータ内に存在する同期信号を基準にデータを記録する情報記録技術に対し、前記データを管理する管理情報を記録する場合には、ダミーデータを記録し、前記ダミーデータ内に存在する同期信号を基準にして前記管理情報の記録開始タイミングを決定し、前記記録開始タイミングに従って前記管理情報を記録することとする。
【0031】
また、本発明では、データの書き換えが不可能な情報記録媒体に、既に前記情報記録媒体に記録されたデータ内に存在する同期信号を基準にデータを所定の記録単位で記録する情報記録技術に対し、前記データを管理する管理情報を記録する場合には、少なくとも2記録単位以上のダミーデータを前記管理情報記録の前に結合した結合データを、一回の記録動作で記録する構成とすることとする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を適用した第1の実施例の情報記録装置として、映像シーン(動画像)や静止画像をDVD―Rディスクに記録するDVDカメラを例に挙げて説明する。DVDカメラの用途として、数10秒単位の映像シーンや静止画像を何度も撮影することが多い、つまり追記の回数が他の情報記録装置に比べて多いことから、本発明を適用するのに一番好ましいものである。ただし、他の情報記録装置、例えばDVDレコーダーであっても本発明の適用範囲であることは言うまでもない。
【0033】
図4に、本発明の実施例であるDVDカメラのうち、DVD−Rへのデータ記録に関係する部分の構成するブロック図を示す。本実施例は、上位コントローラ25、変調部26、記録データ生成部27、タイミング生成部28、記録部29、再生部30、データ弁別部31、復調部32から構成される。これら各ブロックは、図示しないCPU等の制御回路によって制御される。
【0034】
上位コントローラ25は、記録情報の情報源である。つまり図示しないカメラ部で撮影した映像シーンのデータが上位コントローラ25から変調部26に転送される。また、復調部32で復調されたデータが上位コントローラ25に転送される。
【0035】
以下、記録時の動作について説明する。上位コントローラ25は、記録情報を変調部26へ送る。変調部26は、エラー訂正用コード(ECC)の付加及び記録情報を記録マークの形式に変換する8/16変換を行う。記録データ生成部27は、8/16変換されたデータに基づいて、HiレベルとLoレベルのNRZI形式で2値化したパルス形式の記録データを生成する。記録データであるNRZI信号は、タイミング生成部28により生成された記録タイミングに同期して、記録部29に送られる。タイミング生成部28は、データ弁別部31からの同期信号を基準にして、記録タイミングを生成する。タイミング生成部28で同期信号に同期化された記録データは、記録部29に順次送られる。記録部29は、半導体レーザ駆動回路、半導体レーザ、光学系、移動機構からなる光ヘッドからなり、記録データは、半導体レーザ駆動回路に送られ、半導体レーザを駆動してレーザ光を発光させる。光ヘッドから出射したレーザ光ビームは、光ディスクの記録膜面に照射され、記録マークが形成される。
【0036】
光ディスクに記録されたデータを読み出す際は、再生部30により行う。再生部30は、記録部29と同じ光ヘッドであり、記録時より弱いレーザ光を記録済みの光ディスク上に集光し記録マークにより変調された反射光を検出する。再生部30は、光ディスク上に記録された情報である再生データとトラッキングやフォーカス制御に必要なサーボ信号等を出力する。再生データは、データ弁別部31により、データの復調開始点を示す同期信号(SYNCパターン)と映像情報等のユーザデータとを弁別する。ユーザデータは、復調部32で復調され、上位コントローラ25に送られる。なお、データ弁別部31を、上述したディスク上に予め記録されている同期信号(例:LPP−SYNC)を検出するようにしてもよいし、前に記録したデータ内に含まれる同期信号(例:SYNC code)を検出するようにしてもよい。ただし、ディスク上に予め記録されている同期信号は、データを記録した後では再生しづらくなるので、前に記録したデータ内に含まれる同期信号を検出するようにしたほうが好ましい。
【0037】
なお、変調部26、記録データ生成部27、タイミング生成部28、データ弁別部31及び復調部32は、回路を用いてハードウエア的に処理を行うように構成してもよいし、プログラムを用いてソフトウエア的に処理を行う構成にしてもよい。
【0038】
上位コントローラ25のカメラで映像シーン50回分のユーザデータを記録したディスクは、中間IFOも50回更新される。リンキング1回あたりの記録開始位置の変動は、±10T以内である。映像情報領域では、図5(a)に示すように、追記を重ねてもリンキング部の変動範囲が拡大していくことはない。この理由は、映像情報はデータ容量が大きく、一度に記録されるECCブロック(ECCブロックは、本実施例における、ディスク上に記録するデータの記録単位である。)数が多いために、追記データの記録開始タイミングは、リンキング部を含まない直前に記録された映像データ部から生成されるためである。
【0039】
しかし、管理情報であるIFOファイルは、一度に記録するブロック数が2ECCブロックである。そしてその記録開始タイミングは、すでに記録してある複数個前のIFOファイルから生成されるため、その部分のリンキング誤差を累積する形で記録開始タイミングが決められる。
【0040】
従って、図5(b)に示したように、追記を重ねるごとに、上述のリンキング部の変動範囲が拡大していく。従来行われてきたデータの追記では、番組録画や音声記録といった用途で追記が行われることが多く、このときの追記回数はせいぜい数回程度であったため、このような問題を知見することができなかった。本発明者により始めて知見できたものである。
【0041】
さらに、50シーン後のファイナライズ時に記録される最終IFOは、リンキング部の変動が40T前後までになる場合があることが、本発明者による実験で分かった。また、リンキング部のギャップの幅が30Tを超えるあたりからDVDプレーヤの種類によっては、正常に再生が出来ないことも実験的に分かった。
【0042】
従って、DVDプレーヤでのデータ再生の信頼性を向上させるために、DVDプレーヤが再生する最終IFOのリンキング部の変動を30T以下にすることが必要であることが分かった。
【0043】
本実施例の情報記録装置では、図6(a)に示すように最終IFOの後にダミーデータを挿入するのではなく、図6(b)に示すように中間IFO7と最終IFO8の間に、ダミーデータ33を挿入する形でDVD−R上にデータを記録する。また、ダミーデータ33は、光ディスク装置が記録開始タイミングを生成するのに必要なブロック数、より具体的には、2記録単位、例えば2ECCブロックより大きくする。中間IFO、最終IFO、ダミーデータの各ファイルの位置関係を図6のようにすることで、最終IFO8を記録するときの動作の概念は、図7に示すようになる。
【0044】
50シーン目の中間IFOファイルとダミーデータ33との間には、最大で±40Tのオーバラップ部あるいはギャップ部が発生する。一方、ダミーデータ33を挿入することにより、最終IFO8(VIDEO_TS.IFOファイル37とVIDEO_TS.VOBファイル38とVIDEO_TS.BUPファイル39とVTS_01_0.IFOファイル40とから構成される)を記録する際の記録開始タイミングは、ダミーデータ33内のSYNC codeを検出し、同期化される。このため、リンキング部を含まない直前に記録されたデータ(ダミーデータ33)からタイミング生成されるため、データ量の大きい映像シーンのファイルの追記と同じ条件で記録タイミングを生成することが出来る。したがって、リンキング部の精度は、図5(a)で示すものと同等であり、最終IFOのリンキング部の変動34は、±10T以内に抑えることができ、データ再生の信頼性を向上させることができる。
【0045】
なお、ここで説明した実施例は、DVDカメラで記録したデータをDVDプレーヤで再生するといった互換再生の信頼性向上を目的とするものであるが、自己再生の信頼性を向上させるために、中間IFOの記録においても同様の技術を採用することができる。
【0046】
従来の、ダミーデータを挿入することなく、中間IFOに続けて最終IFOを記録していた場合、ディスク10枚中1枚の確率で40T程度のばらつきが、最終IFOのリンキング部分で発生し、その結果、DVDプレーヤによっては、再生できない場合があった。それに対し、本実施例を適用した結果では、最終IFO部のリンキング部では、10T以内のばらつきに抑えられているため、問題なく再生が可能になった。
【0047】
以下に、本発明を適用した第2の実施例について説明する。データの記録手順が変わるのみであり、情報記録装置自体の構成、動作は、第1の実施例と同じであるため、説明を省略する。第2の実施例においては、ファイナライズ時に記録する、ダミーデータファイル33と最終IFOファイル8を構成するVIDEO_TS.IFOファイル37、VIDEO_TS.VOBファイル38、VIDEO_TS.BUPファイル39、VTS_01_0.IFOファイル40をそれぞれ個別に記録する。この場合の動作を図8に示す。それぞれの管理情報ファイルのデータを記録する際、記録タイミングの基準位置が、同じダミーデータファイル33内にあるSYNC codeに同期して生成するようにすることにより、従来の記録制御をそのまま用いることができ、かつ、リンキング部の変動は最大で±20Tであり、DVDプレーヤで問題なく再生できる。この記録方法は既存の記録制御で実現できるため、第1の実施例に比べて容易に上述の効果が得られる。
【0048】
以下に、本発明を適用した第3の実施例について説明する。第2の実施例の場合と同様、情報記録装置自体の構成、動作は、第1の実施例と同じであるため、説明を省略する。第3の実施例においては、図9(a)に示すように最終IFOの後にダミーデータを挿入するのではなく、図9(b)に示すように、ダミーデータと最終IFOとを1つのデータ35とし、ダミーデータと最終IFOを、一回で記録する。この場合の動作を図10に示す。
【0049】
50シーン目の中間IFOファイルとダミーデータ33との間には、第1、第2の実施例の場合と同様、最大で±40Tのオーバラップ部あるいはギャップ部が発生する。一方、ダミーデータと最終IFOとを1つのデータとしてDVD−R上に記録する。最終IFO8(VIDEO_TS.IFOファイル37とVIDEO_TS.VOBファイル38とVIDEO_TS.BUPファイル39とVTS_01_0.IFOファイル40とから構成される)を記録する際の記録開始タイミングは、既に記録されている中間IFO内のSYNC codeを検出し、同期化するが、ダミーデータと最終IFOとの間にはリンキング部そのものが発生しないので、第1の実施例と同等以上の効果が得られる。
【0050】
なお、本実施例では、最終IFOファイルの記録を例に挙げて説明したが、データの種類にかかわらず、記録タイミングを計るために要するデータの長さより短いデータを繰返し追記するのであれば、本発明を適用できることは言うまでもない。
【0051】
また、DVD−Rを例に挙げて説明したが、書き換え不可能な記録媒体に対する情報の記録であれば、本発明の適用範囲内である。
【0052】
また、情報記録装置の構成も、図4に示した構成に限られるものではなく、データを記録しようとする記録媒体から同期信号を検出し、この同期信号によって記録タイミングを計ってデータを記録できる構成であればよい。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、データ同士のオーバラップ、データ間のギャップといったデータの記録位置の変動を抑え、データ再生の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、映像シーンのデータをファイル形式で記録した際に、DVD−R上で中間IFOファイルが更新されていく状態を示す図である。
【図2】図2は、ファイル間で生じるリンキング部を示す図である。
【図3】図3は、リンキング部の長さの変動を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施例であるDVDカメラのうち、DVD−Rへのデータ記録に関係する部分の構成するブロック図を示す。
【図5】図5は、各記録領域におけるリンキング数に対するリンキング部の変動幅を示す図である。
【図6】図6は、本発明における第1の実施例のファイルの位置関係を示す図である。
【図7】図7は、第1の実施例を行う際の記録動作の概念を示す図である。
【図8】図8は、本発明における第2の実施例のファイルの位置関係を示す図である。
【図9】図9は、第2の実施例を行う際の記録動作の概念を示す図である。
【図10】図10は、第3の実施例を行う際の記録動作の概念を示す図である。
【符号の説明】
25…上位コントローラ、26…変調部、27…記録データ生成部、28…タイミング生成部、29…記録部、30…再生部、31…データ弁別部、32…復調部。

Claims (10)

  1. データの書き換えが不可能な情報記録媒体に対し、前記情報記録媒体から得られる同期信号を基準にデータを記録する情報記録方法において、
    前記情報記録媒体にダミーデータを記録し、
    前記ダミーデータ内に存在する同期信号を基準にして前記データを管理する管理情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
  2. データの書き換えが不可能な情報記録媒体に所定の記録単位でデータを記録する情報記録方法において、
    前記情報記録媒体にデータを記録し、
    前記情報記録媒体から得られる同期信号を基準に少なくとも2記録単位以上のダミーデータと前記データを管理する管理情報とを一回の記録動作で記録することを特徴とする情報記録方法。
  3. 請求項2記載の情報記録方法において、前記所定の記録単位がECCブロック単位であることを特徴とする情報記録方法。
  4. 請求項1記載の情報記録方法において、複数のファイルからなる前記管理情報を、前記記録媒体であるDVD−Rに記録することを特徴とする情報記録方法。
  5. 請求項4記載の情報記録方法において、前記管理情報を構成する各ファイルを個別に記録することを特徴とする情報記録方法。
  6. データの書き換えが不可能な情報記録媒体に対し、前記情報記録媒体から得られる同期信号を基準にデータを記録する情報記録装置において、
    前記情報記録媒体にダミーデータを記録する手段と、
    前記ダミーデータ内に存在する同期信号を基準にして前記データを管理する管理情報を記録する手段とを備えたことを特徴とする情報記録装置。
  7. データの書き換えが不可能な情報記録媒体に所定の記録単位でデータを記録する情報記録装置において、
    前記情報記録媒体にデータを記録する手段と、
    前記情報記録媒体から得られる同期信号を基準に少なくとも2記録単位以上のダミーデータと前記データを管理する管理情報とを一回の記録動作で記録する手段とを備えたことを特徴とする情報記録装置。
  8. 請求項7記載の情報記録装置において、前記所定の記録単位がECCブロック単位であることを特徴とする情報記録装置。
  9. 請求項8記載の情報記録装置において、複数のファイルからなる前記管理情報を、前記記録媒体であるDVD−Rに記録することを特徴とする情報記録装置。
  10. 請求項9記載の情報記録装置において、前記管理情報を構成する各ファイルを個別に記録することを特徴とする情報記録装置。
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