JP2004287771A - 施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】施設評価を適正に行える施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体を提供すること。
【解決手段】所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶させておき、所定の地域における施設の配置を変更し(S40)、施設の配置変更後の所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出し(S42)、その評価結果を表示する(S44)。
【選択図】図8
【解決手段】所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶させておき、所定の地域における施設の配置を変更し(S40)、施設の配置変更後の所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出し(S42)、その評価結果を表示する(S44)。
【選択図】図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の地域に配置される施設の評価に関する施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、公共的な施設などの評価に関するものとして、特開平8−110916号公報に記載されるように、所定の地域内にある同一種の既存の施設の位置情報と施設の利用者の位置情報を含む地理情報を用い、各施設について利用者が分布する利用圏を算出し、その利用圏に帰属する利用者を判定し、各利用者について帰属利用圏の施設までの所要時間を個別に算出し、その所要時間が許容範囲であるか否かを評価し、所要時間が許容範囲を超える利用者群を特定し、その利用者群の位置を代表する点を算出し、その代表点上に施設の新設又は施設の移設を計画する施設配置方法及び施設配置計画装置が知られている。
【0003】
この施設配置方法及び施設配置計画装置は、施設の利用条件について利用者ごとに評価値を与えることにより、施設の新設、移設、規模変更が必要とされる箇所を高精度に特定しようとするものである。例えば、利用者が施設に行くまでの所要時間に基づいて施設の評価が行われ、その評価に応じて施設の新設、移設などの計画が行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−110916号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した施設配置方法及び施設配置計画装置にあっては、施設の新設、移設などについて適切に評価できないという問題点がある。すなわち、所要時間など施設の立地条件のみで施設評価を行っても、利用者に対する総合的な評価とならない。例えば、施設が公共施設の場合、施設の規模、公共サービス種類などによって、施設が地域利用者に対して提供する公共サービス内容が異なってくる。このため、立地条件がよくてもサービスの種類が少ない場合などは、施設を高く評価するのは適切でない。逆に、立地条件が悪くてもサービスの種類が多い場合などは、施設評価を低くするのは妥当でない。このように、単に立地条件だけで施設配置を評価するのでは、適切な評価結果が得られない。
【0006】
また、上述した施設配置方法及び施設配置計画装置にあっては、施設の新設、移設などを行った場合の将来における施設評価を適切に行えないという問題点もある。例えば、施設が学校や介護施設などの場合、その利用者層が年齢に依存する。この場合、5年後、10年後などの将来における施設の価値が異なることとなる。従って、現状の施設評価のみならず、将来的な施設の評価を行えることが望ましい。
【0007】
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、施設評価を適切に行える施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る施設評価システムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムにおいて、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶手段と、その地図データ、人口データ及び施設データに基づいて所定の地域における現在の施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、その立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算手段と、施設評価を出力する出力手段とを備えて構成されている。
【0009】
また本発明に係る施設評価システムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムにおいて、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶手段と、所定の地域における施設の配置を変更する配置変更手段と、施設の配置変更後の所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算手段と、施設評価を出力する出力手段とを備えて構成されている。
【0010】
また本発明に係る施設評価システムは、記憶手段が人口データとして年齢別人口データを記憶し、評価演算手段が年齢別人口データに基づいて所定の地域における将来の人口データを推定しその推定した人口データを考慮して所定の地域における将来の施設評価を算出することを特徴とする。
【0011】
また本発明に係る施設評価システムは、評価演算手段が所定の地域における行政区域ごとに施設評価を行い、出力手段が異なる施設評価に対し異なる表示で行政区域ごとに施設評価に応じた表示を行うことを特徴とする。
【0012】
また本発明に係る施設評価方法は、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価方法において、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶工程と、その地図データ、人口データ及び施設データに基づいて所定の地域における現在の施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、その立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算工程と、その施設評価を出力する出力工程とを備えて構成されている。
【0013】
また本発明に係る施設評価方法は、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価方法において、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶工程と、所定の地域における施設の配置を変更する配置変更工程と、施設の配置変更後の所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算工程と、施設評価を出力する出力工程とを備えて構成されている。
【0014】
また本発明に係る施設評価方法は、記憶工程が人口データとして年齢別人口データを記憶し、評価演算工程が年齢別人口データに基づいて所定の地域における将来の人口データを推定し、その推定した人口データを考慮して所定の地域における将来の施設評価を算出することを特徴とする。
【0015】
また本発明に係る施設評価方法は、評価演算工程が所定の地域における行政区域ごとに施設評価を行い、出力工程が異なる施設評価に対し異なる表示で行政区域ごとに施設評価に応じた表示を行うことを特徴とする。
【0016】
また本発明に係る施設評価プログラムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価処理をコンピュータに実行させる施設評価プログラムであって、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶処理と、その地図データ、人口データ及び施設データに基づいて所定の地域における現在の施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、その立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算処理と、その施設評価を出力する出力処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
また本発明に係る施設評価プログラムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価処理をコンピュータに実行させる施設評価プログラムであって、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶処理と、所定の地域における施設の配置を変更する配置変更処理と、施設の配置変更後の所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算処理と、施設評価を出力する出力処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
また本発明に係る施設評価プログラムは、記憶処理が人口データとして年齢別人口データを記憶し、評価演算処理が年齢別人口データに基づいて所定の地域における将来の人口データを推定し、その推定した人口データを考慮して所定の地域における将来の施設評価を算出することを特徴とする。
【0019】
また本発明に係る施設評価プログラムは、評価演算処理が所定の地域における行政区域ごとに施設評価を行い、出力処理が異なる施設評価に対し異なる表示で行政区域ごとに施設評価に応じた表示を行うことを特徴とする。
【0020】
また本発明に係る記録媒体は、上述したいずれかの施設評価プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
これらの発明によれば、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて施設評価を行うことにより、施設の立地条件のみならず施設のサービス内容を考慮して施設評価が行える。このため、実際の施設の利用しやすさに即した適正な評価が可能となる。
【0022】
また、将来の人口データを考慮して将来の施設評価を行うことにより、施設の配置変更に際し、現在のみならず将来の施設の価値を判断することができる。特に、施設の利用者が年齢に依存する施設評価に有用である。
【0023】
また本発明に係る施設評価システムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムにおいて、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶手段と、所定の地域にて地震発生時における施設の被害度を算出し、その被害度を考慮して施設の地震発生時における収容可能人数を算出し、その収容可能人数に基づいて施設の避難所としての評価を算出する評価演算手段と、施設の評価を出力する出力手段とを備えて構成されている。
【0024】
また本発明に係る施設評価システムは、評価演算手段が人口データと収容可能人数に基づいて地域における収容可能領域を算出し、出力手段が地域の地図上に収容可能領域を表示することを特徴とする。
【0025】
また本発明に係る施設評価方法は、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価方法において、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶工程と、所定の地域にて地震発生時における施設の被害度を算出し、その被害度を考慮して施設の地震発生時における収容可能人数を算出し、その収容可能人数に基づいて施設の避難所としての評価を算出する評価演算工程と、施設の評価を出力する出力工程とを備えて構成されている。
【0026】
また本発明に係る施設評価方法は、評価演算工程が人口データと収容可能人数に基づいて地域における収容可能領域を算出し、出力工程が地域の地図上に収容可能領域を表示することを特徴とする。
【0027】
また本発明に係る施設評価プログラムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価処理をコンピュータに実行させる施設評価プログラムであって、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶処理と、所定の地域にて地震発生時における施設の被害度を算出し、その被害度を考慮して施設の地震発生時における収容可能人数を算出し、その収容可能人数に基づいて施設の避難所としての評価を算出する評価演算処理と、施設の評価を出力する出力処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0028】
また本発明に係る施設評価プログラムは、評価演算処理が人口データと収容可能人数に基づいて地域における収容可能領域を算出し、出力処理が地域の地図上に収容可能領域を表示することを特徴とする。
【0029】
また本発明に係る施設評価プログラムは、上述したいずれかの施設評価プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0030】
これらの発明によれば、地震発生時における施設の被害度を考慮して施設の収容可能人数を算出することにより、単なる震災前の施設の評価と異なり、震災時に避難所として利用可能な程度を考慮した適切な評価が行える。
【0031】
また、震災時における収容可能領域を表示することにより、現状における避難施設の増設、改修などの判断が容易に行える。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0033】
(第一実施形態)
図1は本実施形態に係る施設評価システムの構成概要図である。図1に示すように、本実施形態に係る施設評価システム1は、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムであって、例えば公共施設の新設、移設又は廃止時における評価に用いられる。施設評価システム1は、入力部2、情報処理部3、出力部4及びデータベース5を備えて構成されている。入力部2は、施設の評価に用いる基礎データの入力及び評価処理の操作を行うためのものであり、例えばコンピュータシステムを構成するキーボード、マウスなどが用いられる。
【0034】
情報処理部3は、施設の評価演算などを行うものであり、例えばコンピュータシステムの本体部が用いられる。出力部4は、情報処理部3で算出された施設の評価を出力する出力手段であり、例えばコンピュータシステムを構成するディスプレイモニタ、プリンタなどが用いられる。データベース5は、施設評価のための基礎データなどを記憶する記憶手段であり、基礎データとして所定の地域における地図データ、施設データ及び人口データが記憶されている。
【0035】
地図データとしては、例えば市区町村などの行政区の境界を含む地図データであって、道路や鉄道などの交通機関に関するデータを含むものが記憶される。施設データとしては、施設の位置データ、種類データ、規模データ、サービス内容データなどが記憶される。また、人口データとしては、市区町村などの行政区域の単位での人口データが記憶される。さらに、市区町村などの行政区域の単位で年齢ごとの年齢別人口データが記憶される。
【0036】
図2に、本実施形態に係る施設評価システムの具体的なハード構成の一例を示す。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係る施設評価システムは、例えばコンピュータ本体11、キーボード12、モニタ13、マウス14、プリンタ18を備えたコンピュータシステム10に施設評価プログラムを読み込ませることにより実現される。施設評価プログラムは、例えばCD−ROMなどの記録媒体15に記録され、その記録媒体15をコンピュータ本体11にセットすることにより、コンピュータシステム10に導入される。また、施設評価プログラムのコンピュータシステムへの導入は、インターネットなどの通信によって行ってもよい。
【0038】
キーボード12及びマウス14は、施設評価の基礎データを入力する入力手段として機能する。モニタ13及びプリンタ18は、情報処理部3(図1参照)で算出された施設の評価を出力する出力手段として機能する。施設評価のための基礎データは、記録媒体15に記憶されるものを用いてもよいし、コンピュータ本体11に記憶されたものを用いてもよい。
【0039】
次に、本実施形態に係る施設評価プログラム及び記録媒体について説明する。図3は、施設評価プログラム16が記録されている記録媒体15の構成を示した図である。記録媒体15としては、例えば磁気ディスク、光ディスク、CD−ROM、コンピュータに内蔵されたメモリなど、施設評価プログラムを記録できその施設評価プログラムをコンピュータが読み取り可能としたものであれば、いずれのものであってもよい。
【0040】
記録媒体15は、プログラムを記録するプログラム領域15aと、データを記録するデータ領域15bを備えている。データ領域15bには、地図、施設、地域人口のデータベース6が格納されている。
【0041】
プログラム領域15aには、施設評価プログラム16が記録されている。施設評価プログラム16は、処理を統括するメインモジュール16a、施設の評価値を算出するための評価算出モジュール16b及び出力処理を行うための出力モジュール16cを備えている。
【0042】
次に、本実施形態に係る施設評価プログラムの実行による施設評価システム1の動作と共に、本実施形態に係る施設評価方法について説明する。
【0043】
図4は現状の施設配置における評価処理のフローチャートである。
【0044】
本図のS10に示すように、施設評価を行う地域が選択されたか否かが判断される。例えば、データベース5に地図データとして隣接するA市、B市、C市及びD市が記憶されているときに、A市、B市、C市、D市又は各市全体のいずかが評価対象地域として選択されたか否かが判断される。
【0045】
評価対象地域が選択されたと判断されたときには、評価対象地域の表示が行われる(S12)。これにより、評価対象地域の地図が表示され、その地図上に各種の施設が表示される。例えば、図5に示すように、A市、B市、C市、D市の各市全体が評価対象地域として選択されたときには、各市全体がモニタ13(図2参照)に地図表示され、各市に存在する各種の施設30がそれぞれ表示される。
【0046】
施設30としては、市役所やその支所、出張所などの行政窓口、消防署、警察署、図書館、幼稚園、小学校、中学校、病院、保育所、通所介護施設、老人ホームが設定され、地図上にそれぞれ表示される。このとき、各種の異なる施設30をそれぞれ異なる色や異なるマークなどで示すことが好ましい。これにより、各種の異なる施設30を各々識別可能となる。
【0047】
そして、S14に移行し、評価すべき施設の種類が選択されたか否かが判断される。評価すべき施設の種類が選択されたときには、評価の表示が行われる(S16)。例えば、図6に示すように、選択された同種類の施設30aがそれぞれ地図上で示され、それらの施設30aによって地域住民に提供されるサービスの状態が行政区域ごとに評価され、その評価結果が行政区域の色分けによって表示される。
【0048】
具体的には、1丁目、2丁目のように町丁目ごとに施設から受けるサービス状態に応じて異なる色で表示される。このとき、評価段階を3〜6段階程度に分けて設定することが好ましい。また、地域ごとのサービス状態が視覚的に把握できれば、表示色を異ならせるのではなく、表示模様を異ならせるなどしてもよい。
【0049】
行政区域における施設の評価の算出は、施設の立地評価値と施設のサービス品質評価値に基づいて算出される。例えば、施設の立地評価値は、施設の種類ごとに基準到達時間が設定され、その基準到達時間で施設に到達できる領域の範囲がカバー範囲として設定される。到達時間は、地域住民が徒歩や交通機関などにより施設まで行くのに要する時間であり、単に直線距離ではなく地図データを用いた道路網などに基づいて算出される。
【0050】
カバー範囲は、行政区域内に存在する施設によってカバーされてもよいし、その行政区域外に存在する施設によってカバーされてもよい。また、カバー範囲は、単一の施設によってカバーされてもよいし、複数の施設によってカバーされてもよい。
【0051】
そして、各行政区域において、カバー人口率が算出される。カバー人口率は、行政区域内におけるカバー範囲内の人口をその行政区域の総人口で割ることによって算出される。このカバー人口率が立地評価値として用いられる。
【0052】
施設のサービス品質評価値は、サービス提供をカバーする施設において、サービス提供時間、サービス機能、物的設備、施設人員、利用費用、サービス需要人口率などの項目の評価点の総合点又は平均点などにより算出される。
【0053】
そして、行政区域における施設の評価は、例えば、施設の立地評価値と施設のサービス品質評価値を掛け合わせた総合評価値として算出される。その際、複数の施設によりカバーされているときには、最も総合評価値の高い施設の評価値と、他の施設の評価値に一定割合(例えば0.2)を乗じて得られる評価修正値との和が行政区域における総合評価値とされる。
【0054】
このような総合評価値に基づき行政区域ごとに施設の評価結果を色分けするなどして表示することにより、行政区域ごとの施設サービス状態を容易に把握することができる。また、施設の立地条件とサービス品質に応じて評価されているので、実際の施設の利用しやすさに即した適正な評価が可能となる。
【0055】
そして、S18に移行し、将来における施設の評価が選択されたか否かが判断される。将来における施設の評価が選択されたときには、将来における施設の評価算出が行われる(S20)。このS20における将来の施設評価は、現状の施設配置において、将来の評価対象地域における人口構成変化に対応させた評価である。
【0056】
まず、図7に示すような評価対象地域における年齢別人口データに基づいて、5年後、10年後、20年後などの評価すべき将来における人口データが推定される。そして、その推定人口データに基づいて、施設のサービス品質評価値の決定に用いられる一項目であるサービス需要人口率が算出される。そして、このサービス需要人口率及びその他の項目に基づいてサービス品質評価値が算出され、5年後、10年後、20年後などの施設の総合的な評価結果が算出される。
【0057】
そして、図4のS22に移行し、現状の施設配置における将来の施設の評価結果が表示される。この評価結果の表示は、上述のS16と同様に行われる。すなわち、図6に示すように、施設30aがそれぞれ地図上で示され、それらの施設30aによって地域住民に提供されるサービスの状態が行政区域ごとに評価され、その評価結果が行政区域の色分けなどされて表示される。
【0058】
この将来における施設の評価結果は、利用者が年齢に依存する施設の評価に有効である。例えば、幼稚園、小学校、中学校、保育所、通所介護施設、老人ホームなどの施設の将来における必要性の評価に有効である。
【0059】
このような現状の施設配置における施設評価処理によれば、施設の立地評価値と施設のサービス品質評価値に基づいて施設評価を行うことにより、現状配置の施設のサービス提供状態を適切に評価することができる。
【0060】
次に、施設の配置変更に関する施設配置シミュレーションについて説明する。
【0061】
図8は、施設配置シミュレーションの施設評価処理のフローチャートである。
【0062】
本図のS40に示すように、施設の配置に変更があったか否かが判断される。すなわち、図6に示すような現状の施設の配置状態に対し、施設の新設、移設又は廃止があったか否かが判断される。施設の新設、移設又は廃止の設定は、施設データを新規入力、変更又は削除することにより行われる。
【0063】
S40にて施設の配置に変更があったときには、施設の配置変更後における施設の評価が算出される(S42)。この施設評価の算出は、前述した図4のS16における評価算出処理と同様にして、配置変更後における施設における立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて行われる。すなわち、施設の立地評価値及びサービス品質評価値が算出され、それらに基づいて各行政区域における施設の総合評価値が算出される。
【0064】
そして、S44に移行し、施設の評価表示が行われる。例えば、図9に示すように、新設などの変更後の配置状態で施設30aがそれぞれ地図上で示され、それら施設30aによって地域住民に提供されるサービスの状態に基づく評価結果が行政区域の色分けによって表示される。具体的には、1丁目、2丁目のように町丁目ごとに、施設から受けるサービス状態に応じて異なる色で表示される。このとき、評価段階を3〜6段階程度に分けて設定することが好ましい。また、地域ごとのサービス状態が視覚的に把握できれば、表示色を異ならせるのではなく、表示模様を異ならせるなどしてもよい。
【0065】
このように、配置変更後の施設30aの評価に基づき行政区域ごとに評価結果を色分けするなどして表示することにより、行政区域ごとの施設サービス状態を容易に把握することができる。このため、施設の配置変更が適切なものか否かを即時に判断することができる。また、施設の立地条件とサービス内容に応じて評価されているので、実際の施設の利用しやすさに即した適正な評価が可能となる。
【0066】
そして、S46に移行し、配置変更後における将来の施設の評価が選択されたか否かが判断される。将来における施設の評価が選択されたときには、将来における施設の評価算出が行われる(S48)。このS48における将来の施設評価は、配置変更後において、将来の評価対象地域における人口構成変化に対応させた評価である。
【0067】
まず、図7に示すような評価対象地域における年齢別人口データに基づいて、5年後、10年後、20年後などの評価すべき将来における人口データが推定される。そして、その推定人口データに基づいて、施設のサービス品質評価値を決定する項目であるサービス需要人口率が算出される。そして、このサービス需要人口率及びその他の項目に基づいてサービス品質評価値が算出され、5年後、10年後、20年後などの施設の総合的な評価結果が算出される。
【0068】
そして、図8のS50に移行し、施設配置変更後における将来の施設の評価結果が表示される。この評価結果の表示は、例えば、上述のS44と同様に行われ、図9に示すように施設30aがそれぞれ地図上で示され、それらの施設30aによって地域住民に提供されるサービスの状態が行政区域ごとに評価され、その評価結果が行政区域の色分けなどされて表示される。これにより、施設配置変更後における5年後、10年後、20年後などの将来のサービス提供状態が容易かつ即座に把握できる。
【0069】
また、評価結果の表示として、現在と将来におけるサービス提供状態をグラフ化などして比較して表示することが好ましい。例えば、図10に示すように、現状、5年後、10年後及び20年後の施設配置における各評価をグラフ化して表示する。ここでは、小学校、通所介護施設における現在、将来における住民一人当たりの施設床面積を評価項目として評価している。このように評価をグラフ化することにより、現在と将来における施設評価を比較して表示することができるので、将来の施設必要性に応じて適切な施設配置が可能となる。
【0070】
このような施設配置変更後における施設評価処理によれば、施設の新設、移設又は廃止を設定した際に、配置変更後における施設のサービス提供状態を即座に評価し表示することができる。このため、施設の配置変更が適切かどうかを即座に判断することできる。
【0071】
また、年齢別人口データを用いて、施設の配置変更後における5年後、10年後、20年後などのサービス提供状態が容易かつ即座に把握できる。このため、施設の配置変更が将来において適切かどうかを即座に判断することできる。特に、この将来における施設の評価結果は、利用者が年齢に依存する施設の評価に有効である。例えば、幼稚園、小学校、中学校、保育所、通所介護施設、老人ホームなどの施設の将来における必要性の評価に有効である。
【0072】
また、上述した施設評価処理において、ライフサイクルコストの評価も行うことが好ましい。例えば、施設データとして、各施設ごとにライフサイクルコストを設定しておくことにより、図11に示すように、配置変更前と配置変更後の評価対象の施設全体のライフサイクルコスト(LCC)を比較し、施設管理維持における費用面から配置変更が適切か否かを容易に判断することができる。
【0073】
以上のように、本実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体によれば、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて施設評価を行うことにより、施設の立地条件のみならず施設のサービス内容を考慮して施設評価が行える。このため、実際の施設の利用しやすさに即した適正な評価が行える。
【0074】
また、将来の人口データを考慮して将来の施設評価を行うことにより、施設の配置変更に際し、現在のみならず将来の施設の価値を判断することができる。これにより、適切な施設の配置変更が可能となる。特に、施設の利用者が年齢に依存する施設評価に有効である。
【0075】
また、行政区域の合併における施設配置の見直しに有用である。例えば、図5に示すように、A市、B市、C市、D市が一つの市に合併するような場合、合併した状態を評価対象地域とし、施設評価を行うことにより、町丁目などの行政区域ごとのサービス提供状態を容易に把握できる。そして、施設の新設、移設又は廃止などの配置変更をインタラクティブにシミュレーションすることによって、サービス提供状態の変化を容易に判断することができ、施設変更を適切に計画できる。
【0076】
このような行政区域の合併における施設評価においては、図12に示すように、評価結果を各市及び合併した新たな市における評価値をグラフ化して出力することが好ましい。これにより、各市におけるサービス提供状態の公平性を担保しながら、適正な施設配置の検討が可能となる。また、将来の評価予想を出力することにより、将来における施設価値も判断できる。
【0077】
このような行政区域の合併検討用として用いることは、庁内検討ツールとして有用であるだけでなく、施設の配置変更のシミュレーションが迅速に行えることから、まちづくりに関し地域住民との対話型の検討ツールとして非常に有用である。
【0078】
(第二実施形態)
次に第二実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体について説明する。
【0079】
本実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体は、所定の地域における地震発生時における避難所としての施設評価を行うものである。
【0080】
本実施形態に係る施設評価システムは、図1に示す第一実施形態に係る施設評価システムと同様に構成され、入力部2、情報処理部3、出力部4及びデータベース5を備えて構成されている。入力部2は、施設の評価に用いる基礎データの入力及び評価処理の操作を行うためのものであり、例えばコンピュータシステムを構成するキーボード、マウスなどが用いられる。
【0081】
情報処理部3は、施設の評価演算などを行うものであり、例えばコンピュータシステムの本体部が用いられる。出力部4は、情報処理部3で算出された施設の評価を出力する出力手段であり、例えばコンピュータシステムを構成するディスプレイモニタ、プリンタなどが用いられる。データベース5は、施設評価のための基礎データなどを記憶する記憶手段であり、基礎データとして、所定の地域における地図データ、施設データ及び人口データが記憶される。
【0082】
地図データとしては、地形分類データ、地震発生時の増幅率データが記憶され、例えば市区町村などの行政区の境界を含む地図データが用いられる。施設データとしては、施設の位置データ、竣工年データ、述床面積などの規模データが記憶される。また、人口データとしては、市区町村などの行政区域の単位での人口データが記憶される。さらに、好ましくは市区町村などの行政区域の単位で年齢ごとの年齢別人口データが記憶される。
【0083】
本実施形態に係る施設評価システムの具体的なハード構成は、図2に示す第一実施形態に係る施設評価システムと同様である。また、本実施形態に係る施設評価プログラム及び記録媒体については、図3に示す第一実施形態に係る施設評価プログラム及び記録媒体と同様なものが用いられる。
【0084】
次に、本実施形態に係る施設評価プログラムの実行による施設評価システム1の動作と共に、本実施形態に係る施設評価方法について説明する。
【0085】
図13に本実施形態における施設評価処理のフローチャートを示す。
【0086】
本図のS70に示すように、施設評価を行う地域が選択されたか否かが判断される。例えば、データベース5に地図データとして複数の地域が記憶されている場合、そのいずかが評価対象地域として選択されたか否かが判断される。
【0087】
評価対象地域が選択されたと判断されたときには、評価対象地域の表示が行われる(S72)。これにより、評価対象地域の地図が表示され、その地図上に各種の施設が表示される。施設としては、市役所やその支所、出張所などの行政施設、消防署、警察署、図書館、幼稚園、小学校、中学校、病院、保育所、介護施設、老人ホームが設定され、地図上にそれぞれ表示される。このとき、各種の異なる施設を異なる色や異なるマークなどで示すことが好ましい。これにより、各種の異なる施設が各々識別可能となる。
【0088】
そして、S74に移行し、評価すべき施設の種類が選択されたか否かが判断される。評価すべき施設の種類が選択されたときには、図14に示すように、地図上において、選択された種類の施設30bのみが表示される(図13のS76)。このとき、地図上における各施設30bについて、その建設位置、地形分類、竣工年などを表示するのが好ましい。例えば、図15に示すように、施設30bの名称、住所、竣工年、床面積、地形、Is値が表示される。
【0089】
そして、図13のS78に移行し、震災時における施設の被害度算出の開始条件が成立したか否かが判断される。例えば、被害度算出の開始操作がされたときに開始条件が成立したと判断される。
【0090】
そして、被害度算出の開始操作がされ、被害度算出の開始条件が成立したときには、所定の地震の発生時における施設の被害度の算出が行われる(S80)。所定の地震とは、例えば評価地域における500年に一度発生する程度の地震が設定される。
【0091】
被害度は、施設の建設位置、その地形分類、竣工年に基づいて算出される。例えば、施設の建設位置などに基づいて工学的基盤での地震ハザードを求め、丘陵地、扇状地、ローム台地、三角州などの地形分類に基づいて表層地盤の増幅率を求め、工学的基盤での地震ハザード及び表層地盤の増幅率から地表での地震ハザードを算出する。一方、施設の竣工年に基づいてIs値を算出する。そして、地表での地震ハザード及びIs値に基づいて、所定の地震発生時の被害度を算出する。
【0092】
そして、被害度を考慮して施設の震災時における収容可能人数が算出される(S82)。震災時における収容可能人数は、被害を受ける前の施設本来の収容可能人数に対し被害度に応じて減員したものとして算出される。このため、被害がほとんどなく被害度が小さい場合には、被害度に応じた減員が少なく、施設の震災時における収容可能人数が多くなる。一方、被害度が大きい場合には、被害度に応じた減員が多く、施設の震災時における収容可能人数が大きく減ることとなる。
【0093】
そして、S84に移行し、震災時の避難所としての施設の評価演算が行われる。この施設の評価演算は、施設の周辺の人口データ及び施設の震災時における収容可能人数に基づいて行われる。例えば、施設の周辺の人口データ及び施設の震災時における収容可能人数に基づき、震災時において避難所としてカバーできる収容可能領域を評価値として演算する。
【0094】
そして、S86に移行し、地図上に収容可能領域の表示が行われる。例えば、図16に示すように、地図上に収容可能領域31が異なる模様や色彩などで表示される。これにより、震災時に避難可能な地域が容易に把握できる。
【0095】
以上のように、本実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体によれば、地震発生時における施設の被害度を考慮して施設の収容可能人数を算出することにより、震災時の施設の避難所としての評価を適切に行える。
【0096】
また、震災時における収容可能領域を地図上に表示することにより、震災時に避難可能な地域が容易に把握できる。このため、現状において避難所としての施設の評価が適切に行え、施設の増設、補修などの判断が容易に行える。
【0097】
また、上述した本実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体において、施設の補修、増設などのシミュレーション可能として構成することが望ましい。これにより、施設の補修などの検討が適切に行える。
【0098】
なお、上述した各実施形態においては、公共施設の評価について説明したが、本発明に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体はそのようなものに限定されるものではなく、商業施設などその他の施設に適用してもよい。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、施設評価を適正に行える施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る施設評価システムの構成概要図である。
【図2】図1の施設評価システムの具体的なハード構成の一例を示した図である。
【図3】第一実施形態に係る施設評価プログラムが記録されている記録媒体の構成を示した図である。
【図4】図1の施設評価システムの動作についてのフローチャートである。
【図5】図1の施設評価システムにおける地域表示の説明図である。
【図6】図1の施設評価システムにおける評価結果の説明図である。
【図7】図1の施設評価システムにおける年齢別人口データの説明図である。
【図8】図1の施設評価システムの動作についてのフローチャートである。
【図9】図1の施設評価システムにおける施設配置シミュレーションの説明図である。
【図10】図1の施設評価システムにおける将来の施設評価結果の説明図である。
【図11】図1の施設評価システムにおける施設の配置変更前後におけるLLCの説明図である。
【図12】図1の施設評価システムにおける行政区域の合併に関する施設配置シミュレーションの説明図である。
【図13】第二実施形態に係る施設評価システムの動作についてのフローチャートである。
【図14】図13の施設評価システムにおける施設表示についての説明図である。
【図15】図13の施設評価システムにおける施設情報の表示についての説明図である。
【図16】図13の施設評価システムにおける施設評価結果についての説明図である。
【符号の説明】
1…施設評価システム
2…入力部
3…情報処理部
4…出力部
5…データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の地域に配置される施設の評価に関する施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、公共的な施設などの評価に関するものとして、特開平8−110916号公報に記載されるように、所定の地域内にある同一種の既存の施設の位置情報と施設の利用者の位置情報を含む地理情報を用い、各施設について利用者が分布する利用圏を算出し、その利用圏に帰属する利用者を判定し、各利用者について帰属利用圏の施設までの所要時間を個別に算出し、その所要時間が許容範囲であるか否かを評価し、所要時間が許容範囲を超える利用者群を特定し、その利用者群の位置を代表する点を算出し、その代表点上に施設の新設又は施設の移設を計画する施設配置方法及び施設配置計画装置が知られている。
【0003】
この施設配置方法及び施設配置計画装置は、施設の利用条件について利用者ごとに評価値を与えることにより、施設の新設、移設、規模変更が必要とされる箇所を高精度に特定しようとするものである。例えば、利用者が施設に行くまでの所要時間に基づいて施設の評価が行われ、その評価に応じて施設の新設、移設などの計画が行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−110916号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した施設配置方法及び施設配置計画装置にあっては、施設の新設、移設などについて適切に評価できないという問題点がある。すなわち、所要時間など施設の立地条件のみで施設評価を行っても、利用者に対する総合的な評価とならない。例えば、施設が公共施設の場合、施設の規模、公共サービス種類などによって、施設が地域利用者に対して提供する公共サービス内容が異なってくる。このため、立地条件がよくてもサービスの種類が少ない場合などは、施設を高く評価するのは適切でない。逆に、立地条件が悪くてもサービスの種類が多い場合などは、施設評価を低くするのは妥当でない。このように、単に立地条件だけで施設配置を評価するのでは、適切な評価結果が得られない。
【0006】
また、上述した施設配置方法及び施設配置計画装置にあっては、施設の新設、移設などを行った場合の将来における施設評価を適切に行えないという問題点もある。例えば、施設が学校や介護施設などの場合、その利用者層が年齢に依存する。この場合、5年後、10年後などの将来における施設の価値が異なることとなる。従って、現状の施設評価のみならず、将来的な施設の評価を行えることが望ましい。
【0007】
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、施設評価を適切に行える施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る施設評価システムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムにおいて、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶手段と、その地図データ、人口データ及び施設データに基づいて所定の地域における現在の施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、その立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算手段と、施設評価を出力する出力手段とを備えて構成されている。
【0009】
また本発明に係る施設評価システムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムにおいて、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶手段と、所定の地域における施設の配置を変更する配置変更手段と、施設の配置変更後の所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算手段と、施設評価を出力する出力手段とを備えて構成されている。
【0010】
また本発明に係る施設評価システムは、記憶手段が人口データとして年齢別人口データを記憶し、評価演算手段が年齢別人口データに基づいて所定の地域における将来の人口データを推定しその推定した人口データを考慮して所定の地域における将来の施設評価を算出することを特徴とする。
【0011】
また本発明に係る施設評価システムは、評価演算手段が所定の地域における行政区域ごとに施設評価を行い、出力手段が異なる施設評価に対し異なる表示で行政区域ごとに施設評価に応じた表示を行うことを特徴とする。
【0012】
また本発明に係る施設評価方法は、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価方法において、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶工程と、その地図データ、人口データ及び施設データに基づいて所定の地域における現在の施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、その立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算工程と、その施設評価を出力する出力工程とを備えて構成されている。
【0013】
また本発明に係る施設評価方法は、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価方法において、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶工程と、所定の地域における施設の配置を変更する配置変更工程と、施設の配置変更後の所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算工程と、施設評価を出力する出力工程とを備えて構成されている。
【0014】
また本発明に係る施設評価方法は、記憶工程が人口データとして年齢別人口データを記憶し、評価演算工程が年齢別人口データに基づいて所定の地域における将来の人口データを推定し、その推定した人口データを考慮して所定の地域における将来の施設評価を算出することを特徴とする。
【0015】
また本発明に係る施設評価方法は、評価演算工程が所定の地域における行政区域ごとに施設評価を行い、出力工程が異なる施設評価に対し異なる表示で行政区域ごとに施設評価に応じた表示を行うことを特徴とする。
【0016】
また本発明に係る施設評価プログラムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価処理をコンピュータに実行させる施設評価プログラムであって、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶処理と、その地図データ、人口データ及び施設データに基づいて所定の地域における現在の施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、その立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算処理と、その施設評価を出力する出力処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
また本発明に係る施設評価プログラムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価処理をコンピュータに実行させる施設評価プログラムであって、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶処理と、所定の地域における施設の配置を変更する配置変更処理と、施設の配置変更後の所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて所定の地域における施設評価を算出する評価演算処理と、施設評価を出力する出力処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
また本発明に係る施設評価プログラムは、記憶処理が人口データとして年齢別人口データを記憶し、評価演算処理が年齢別人口データに基づいて所定の地域における将来の人口データを推定し、その推定した人口データを考慮して所定の地域における将来の施設評価を算出することを特徴とする。
【0019】
また本発明に係る施設評価プログラムは、評価演算処理が所定の地域における行政区域ごとに施設評価を行い、出力処理が異なる施設評価に対し異なる表示で行政区域ごとに施設評価に応じた表示を行うことを特徴とする。
【0020】
また本発明に係る記録媒体は、上述したいずれかの施設評価プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
これらの発明によれば、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて施設評価を行うことにより、施設の立地条件のみならず施設のサービス内容を考慮して施設評価が行える。このため、実際の施設の利用しやすさに即した適正な評価が可能となる。
【0022】
また、将来の人口データを考慮して将来の施設評価を行うことにより、施設の配置変更に際し、現在のみならず将来の施設の価値を判断することができる。特に、施設の利用者が年齢に依存する施設評価に有用である。
【0023】
また本発明に係る施設評価システムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムにおいて、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶手段と、所定の地域にて地震発生時における施設の被害度を算出し、その被害度を考慮して施設の地震発生時における収容可能人数を算出し、その収容可能人数に基づいて施設の避難所としての評価を算出する評価演算手段と、施設の評価を出力する出力手段とを備えて構成されている。
【0024】
また本発明に係る施設評価システムは、評価演算手段が人口データと収容可能人数に基づいて地域における収容可能領域を算出し、出力手段が地域の地図上に収容可能領域を表示することを特徴とする。
【0025】
また本発明に係る施設評価方法は、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価方法において、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶工程と、所定の地域にて地震発生時における施設の被害度を算出し、その被害度を考慮して施設の地震発生時における収容可能人数を算出し、その収容可能人数に基づいて施設の避難所としての評価を算出する評価演算工程と、施設の評価を出力する出力工程とを備えて構成されている。
【0026】
また本発明に係る施設評価方法は、評価演算工程が人口データと収容可能人数に基づいて地域における収容可能領域を算出し、出力工程が地域の地図上に収容可能領域を表示することを特徴とする。
【0027】
また本発明に係る施設評価プログラムは、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価処理をコンピュータに実行させる施設評価プログラムであって、所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶処理と、所定の地域にて地震発生時における施設の被害度を算出し、その被害度を考慮して施設の地震発生時における収容可能人数を算出し、その収容可能人数に基づいて施設の避難所としての評価を算出する評価演算処理と、施設の評価を出力する出力処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0028】
また本発明に係る施設評価プログラムは、評価演算処理が人口データと収容可能人数に基づいて地域における収容可能領域を算出し、出力処理が地域の地図上に収容可能領域を表示することを特徴とする。
【0029】
また本発明に係る施設評価プログラムは、上述したいずれかの施設評価プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0030】
これらの発明によれば、地震発生時における施設の被害度を考慮して施設の収容可能人数を算出することにより、単なる震災前の施設の評価と異なり、震災時に避難所として利用可能な程度を考慮した適切な評価が行える。
【0031】
また、震災時における収容可能領域を表示することにより、現状における避難施設の増設、改修などの判断が容易に行える。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0033】
(第一実施形態)
図1は本実施形態に係る施設評価システムの構成概要図である。図1に示すように、本実施形態に係る施設評価システム1は、所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムであって、例えば公共施設の新設、移設又は廃止時における評価に用いられる。施設評価システム1は、入力部2、情報処理部3、出力部4及びデータベース5を備えて構成されている。入力部2は、施設の評価に用いる基礎データの入力及び評価処理の操作を行うためのものであり、例えばコンピュータシステムを構成するキーボード、マウスなどが用いられる。
【0034】
情報処理部3は、施設の評価演算などを行うものであり、例えばコンピュータシステムの本体部が用いられる。出力部4は、情報処理部3で算出された施設の評価を出力する出力手段であり、例えばコンピュータシステムを構成するディスプレイモニタ、プリンタなどが用いられる。データベース5は、施設評価のための基礎データなどを記憶する記憶手段であり、基礎データとして所定の地域における地図データ、施設データ及び人口データが記憶されている。
【0035】
地図データとしては、例えば市区町村などの行政区の境界を含む地図データであって、道路や鉄道などの交通機関に関するデータを含むものが記憶される。施設データとしては、施設の位置データ、種類データ、規模データ、サービス内容データなどが記憶される。また、人口データとしては、市区町村などの行政区域の単位での人口データが記憶される。さらに、市区町村などの行政区域の単位で年齢ごとの年齢別人口データが記憶される。
【0036】
図2に、本実施形態に係る施設評価システムの具体的なハード構成の一例を示す。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係る施設評価システムは、例えばコンピュータ本体11、キーボード12、モニタ13、マウス14、プリンタ18を備えたコンピュータシステム10に施設評価プログラムを読み込ませることにより実現される。施設評価プログラムは、例えばCD−ROMなどの記録媒体15に記録され、その記録媒体15をコンピュータ本体11にセットすることにより、コンピュータシステム10に導入される。また、施設評価プログラムのコンピュータシステムへの導入は、インターネットなどの通信によって行ってもよい。
【0038】
キーボード12及びマウス14は、施設評価の基礎データを入力する入力手段として機能する。モニタ13及びプリンタ18は、情報処理部3(図1参照)で算出された施設の評価を出力する出力手段として機能する。施設評価のための基礎データは、記録媒体15に記憶されるものを用いてもよいし、コンピュータ本体11に記憶されたものを用いてもよい。
【0039】
次に、本実施形態に係る施設評価プログラム及び記録媒体について説明する。図3は、施設評価プログラム16が記録されている記録媒体15の構成を示した図である。記録媒体15としては、例えば磁気ディスク、光ディスク、CD−ROM、コンピュータに内蔵されたメモリなど、施設評価プログラムを記録できその施設評価プログラムをコンピュータが読み取り可能としたものであれば、いずれのものであってもよい。
【0040】
記録媒体15は、プログラムを記録するプログラム領域15aと、データを記録するデータ領域15bを備えている。データ領域15bには、地図、施設、地域人口のデータベース6が格納されている。
【0041】
プログラム領域15aには、施設評価プログラム16が記録されている。施設評価プログラム16は、処理を統括するメインモジュール16a、施設の評価値を算出するための評価算出モジュール16b及び出力処理を行うための出力モジュール16cを備えている。
【0042】
次に、本実施形態に係る施設評価プログラムの実行による施設評価システム1の動作と共に、本実施形態に係る施設評価方法について説明する。
【0043】
図4は現状の施設配置における評価処理のフローチャートである。
【0044】
本図のS10に示すように、施設評価を行う地域が選択されたか否かが判断される。例えば、データベース5に地図データとして隣接するA市、B市、C市及びD市が記憶されているときに、A市、B市、C市、D市又は各市全体のいずかが評価対象地域として選択されたか否かが判断される。
【0045】
評価対象地域が選択されたと判断されたときには、評価対象地域の表示が行われる(S12)。これにより、評価対象地域の地図が表示され、その地図上に各種の施設が表示される。例えば、図5に示すように、A市、B市、C市、D市の各市全体が評価対象地域として選択されたときには、各市全体がモニタ13(図2参照)に地図表示され、各市に存在する各種の施設30がそれぞれ表示される。
【0046】
施設30としては、市役所やその支所、出張所などの行政窓口、消防署、警察署、図書館、幼稚園、小学校、中学校、病院、保育所、通所介護施設、老人ホームが設定され、地図上にそれぞれ表示される。このとき、各種の異なる施設30をそれぞれ異なる色や異なるマークなどで示すことが好ましい。これにより、各種の異なる施設30を各々識別可能となる。
【0047】
そして、S14に移行し、評価すべき施設の種類が選択されたか否かが判断される。評価すべき施設の種類が選択されたときには、評価の表示が行われる(S16)。例えば、図6に示すように、選択された同種類の施設30aがそれぞれ地図上で示され、それらの施設30aによって地域住民に提供されるサービスの状態が行政区域ごとに評価され、その評価結果が行政区域の色分けによって表示される。
【0048】
具体的には、1丁目、2丁目のように町丁目ごとに施設から受けるサービス状態に応じて異なる色で表示される。このとき、評価段階を3〜6段階程度に分けて設定することが好ましい。また、地域ごとのサービス状態が視覚的に把握できれば、表示色を異ならせるのではなく、表示模様を異ならせるなどしてもよい。
【0049】
行政区域における施設の評価の算出は、施設の立地評価値と施設のサービス品質評価値に基づいて算出される。例えば、施設の立地評価値は、施設の種類ごとに基準到達時間が設定され、その基準到達時間で施設に到達できる領域の範囲がカバー範囲として設定される。到達時間は、地域住民が徒歩や交通機関などにより施設まで行くのに要する時間であり、単に直線距離ではなく地図データを用いた道路網などに基づいて算出される。
【0050】
カバー範囲は、行政区域内に存在する施設によってカバーされてもよいし、その行政区域外に存在する施設によってカバーされてもよい。また、カバー範囲は、単一の施設によってカバーされてもよいし、複数の施設によってカバーされてもよい。
【0051】
そして、各行政区域において、カバー人口率が算出される。カバー人口率は、行政区域内におけるカバー範囲内の人口をその行政区域の総人口で割ることによって算出される。このカバー人口率が立地評価値として用いられる。
【0052】
施設のサービス品質評価値は、サービス提供をカバーする施設において、サービス提供時間、サービス機能、物的設備、施設人員、利用費用、サービス需要人口率などの項目の評価点の総合点又は平均点などにより算出される。
【0053】
そして、行政区域における施設の評価は、例えば、施設の立地評価値と施設のサービス品質評価値を掛け合わせた総合評価値として算出される。その際、複数の施設によりカバーされているときには、最も総合評価値の高い施設の評価値と、他の施設の評価値に一定割合(例えば0.2)を乗じて得られる評価修正値との和が行政区域における総合評価値とされる。
【0054】
このような総合評価値に基づき行政区域ごとに施設の評価結果を色分けするなどして表示することにより、行政区域ごとの施設サービス状態を容易に把握することができる。また、施設の立地条件とサービス品質に応じて評価されているので、実際の施設の利用しやすさに即した適正な評価が可能となる。
【0055】
そして、S18に移行し、将来における施設の評価が選択されたか否かが判断される。将来における施設の評価が選択されたときには、将来における施設の評価算出が行われる(S20)。このS20における将来の施設評価は、現状の施設配置において、将来の評価対象地域における人口構成変化に対応させた評価である。
【0056】
まず、図7に示すような評価対象地域における年齢別人口データに基づいて、5年後、10年後、20年後などの評価すべき将来における人口データが推定される。そして、その推定人口データに基づいて、施設のサービス品質評価値の決定に用いられる一項目であるサービス需要人口率が算出される。そして、このサービス需要人口率及びその他の項目に基づいてサービス品質評価値が算出され、5年後、10年後、20年後などの施設の総合的な評価結果が算出される。
【0057】
そして、図4のS22に移行し、現状の施設配置における将来の施設の評価結果が表示される。この評価結果の表示は、上述のS16と同様に行われる。すなわち、図6に示すように、施設30aがそれぞれ地図上で示され、それらの施設30aによって地域住民に提供されるサービスの状態が行政区域ごとに評価され、その評価結果が行政区域の色分けなどされて表示される。
【0058】
この将来における施設の評価結果は、利用者が年齢に依存する施設の評価に有効である。例えば、幼稚園、小学校、中学校、保育所、通所介護施設、老人ホームなどの施設の将来における必要性の評価に有効である。
【0059】
このような現状の施設配置における施設評価処理によれば、施設の立地評価値と施設のサービス品質評価値に基づいて施設評価を行うことにより、現状配置の施設のサービス提供状態を適切に評価することができる。
【0060】
次に、施設の配置変更に関する施設配置シミュレーションについて説明する。
【0061】
図8は、施設配置シミュレーションの施設評価処理のフローチャートである。
【0062】
本図のS40に示すように、施設の配置に変更があったか否かが判断される。すなわち、図6に示すような現状の施設の配置状態に対し、施設の新設、移設又は廃止があったか否かが判断される。施設の新設、移設又は廃止の設定は、施設データを新規入力、変更又は削除することにより行われる。
【0063】
S40にて施設の配置に変更があったときには、施設の配置変更後における施設の評価が算出される(S42)。この施設評価の算出は、前述した図4のS16における評価算出処理と同様にして、配置変更後における施設における立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて行われる。すなわち、施設の立地評価値及びサービス品質評価値が算出され、それらに基づいて各行政区域における施設の総合評価値が算出される。
【0064】
そして、S44に移行し、施設の評価表示が行われる。例えば、図9に示すように、新設などの変更後の配置状態で施設30aがそれぞれ地図上で示され、それら施設30aによって地域住民に提供されるサービスの状態に基づく評価結果が行政区域の色分けによって表示される。具体的には、1丁目、2丁目のように町丁目ごとに、施設から受けるサービス状態に応じて異なる色で表示される。このとき、評価段階を3〜6段階程度に分けて設定することが好ましい。また、地域ごとのサービス状態が視覚的に把握できれば、表示色を異ならせるのではなく、表示模様を異ならせるなどしてもよい。
【0065】
このように、配置変更後の施設30aの評価に基づき行政区域ごとに評価結果を色分けするなどして表示することにより、行政区域ごとの施設サービス状態を容易に把握することができる。このため、施設の配置変更が適切なものか否かを即時に判断することができる。また、施設の立地条件とサービス内容に応じて評価されているので、実際の施設の利用しやすさに即した適正な評価が可能となる。
【0066】
そして、S46に移行し、配置変更後における将来の施設の評価が選択されたか否かが判断される。将来における施設の評価が選択されたときには、将来における施設の評価算出が行われる(S48)。このS48における将来の施設評価は、配置変更後において、将来の評価対象地域における人口構成変化に対応させた評価である。
【0067】
まず、図7に示すような評価対象地域における年齢別人口データに基づいて、5年後、10年後、20年後などの評価すべき将来における人口データが推定される。そして、その推定人口データに基づいて、施設のサービス品質評価値を決定する項目であるサービス需要人口率が算出される。そして、このサービス需要人口率及びその他の項目に基づいてサービス品質評価値が算出され、5年後、10年後、20年後などの施設の総合的な評価結果が算出される。
【0068】
そして、図8のS50に移行し、施設配置変更後における将来の施設の評価結果が表示される。この評価結果の表示は、例えば、上述のS44と同様に行われ、図9に示すように施設30aがそれぞれ地図上で示され、それらの施設30aによって地域住民に提供されるサービスの状態が行政区域ごとに評価され、その評価結果が行政区域の色分けなどされて表示される。これにより、施設配置変更後における5年後、10年後、20年後などの将来のサービス提供状態が容易かつ即座に把握できる。
【0069】
また、評価結果の表示として、現在と将来におけるサービス提供状態をグラフ化などして比較して表示することが好ましい。例えば、図10に示すように、現状、5年後、10年後及び20年後の施設配置における各評価をグラフ化して表示する。ここでは、小学校、通所介護施設における現在、将来における住民一人当たりの施設床面積を評価項目として評価している。このように評価をグラフ化することにより、現在と将来における施設評価を比較して表示することができるので、将来の施設必要性に応じて適切な施設配置が可能となる。
【0070】
このような施設配置変更後における施設評価処理によれば、施設の新設、移設又は廃止を設定した際に、配置変更後における施設のサービス提供状態を即座に評価し表示することができる。このため、施設の配置変更が適切かどうかを即座に判断することできる。
【0071】
また、年齢別人口データを用いて、施設の配置変更後における5年後、10年後、20年後などのサービス提供状態が容易かつ即座に把握できる。このため、施設の配置変更が将来において適切かどうかを即座に判断することできる。特に、この将来における施設の評価結果は、利用者が年齢に依存する施設の評価に有効である。例えば、幼稚園、小学校、中学校、保育所、通所介護施設、老人ホームなどの施設の将来における必要性の評価に有効である。
【0072】
また、上述した施設評価処理において、ライフサイクルコストの評価も行うことが好ましい。例えば、施設データとして、各施設ごとにライフサイクルコストを設定しておくことにより、図11に示すように、配置変更前と配置変更後の評価対象の施設全体のライフサイクルコスト(LCC)を比較し、施設管理維持における費用面から配置変更が適切か否かを容易に判断することができる。
【0073】
以上のように、本実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体によれば、立地評価値及びサービス品質評価値に基づいて施設評価を行うことにより、施設の立地条件のみならず施設のサービス内容を考慮して施設評価が行える。このため、実際の施設の利用しやすさに即した適正な評価が行える。
【0074】
また、将来の人口データを考慮して将来の施設評価を行うことにより、施設の配置変更に際し、現在のみならず将来の施設の価値を判断することができる。これにより、適切な施設の配置変更が可能となる。特に、施設の利用者が年齢に依存する施設評価に有効である。
【0075】
また、行政区域の合併における施設配置の見直しに有用である。例えば、図5に示すように、A市、B市、C市、D市が一つの市に合併するような場合、合併した状態を評価対象地域とし、施設評価を行うことにより、町丁目などの行政区域ごとのサービス提供状態を容易に把握できる。そして、施設の新設、移設又は廃止などの配置変更をインタラクティブにシミュレーションすることによって、サービス提供状態の変化を容易に判断することができ、施設変更を適切に計画できる。
【0076】
このような行政区域の合併における施設評価においては、図12に示すように、評価結果を各市及び合併した新たな市における評価値をグラフ化して出力することが好ましい。これにより、各市におけるサービス提供状態の公平性を担保しながら、適正な施設配置の検討が可能となる。また、将来の評価予想を出力することにより、将来における施設価値も判断できる。
【0077】
このような行政区域の合併検討用として用いることは、庁内検討ツールとして有用であるだけでなく、施設の配置変更のシミュレーションが迅速に行えることから、まちづくりに関し地域住民との対話型の検討ツールとして非常に有用である。
【0078】
(第二実施形態)
次に第二実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体について説明する。
【0079】
本実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体は、所定の地域における地震発生時における避難所としての施設評価を行うものである。
【0080】
本実施形態に係る施設評価システムは、図1に示す第一実施形態に係る施設評価システムと同様に構成され、入力部2、情報処理部3、出力部4及びデータベース5を備えて構成されている。入力部2は、施設の評価に用いる基礎データの入力及び評価処理の操作を行うためのものであり、例えばコンピュータシステムを構成するキーボード、マウスなどが用いられる。
【0081】
情報処理部3は、施設の評価演算などを行うものであり、例えばコンピュータシステムの本体部が用いられる。出力部4は、情報処理部3で算出された施設の評価を出力する出力手段であり、例えばコンピュータシステムを構成するディスプレイモニタ、プリンタなどが用いられる。データベース5は、施設評価のための基礎データなどを記憶する記憶手段であり、基礎データとして、所定の地域における地図データ、施設データ及び人口データが記憶される。
【0082】
地図データとしては、地形分類データ、地震発生時の増幅率データが記憶され、例えば市区町村などの行政区の境界を含む地図データが用いられる。施設データとしては、施設の位置データ、竣工年データ、述床面積などの規模データが記憶される。また、人口データとしては、市区町村などの行政区域の単位での人口データが記憶される。さらに、好ましくは市区町村などの行政区域の単位で年齢ごとの年齢別人口データが記憶される。
【0083】
本実施形態に係る施設評価システムの具体的なハード構成は、図2に示す第一実施形態に係る施設評価システムと同様である。また、本実施形態に係る施設評価プログラム及び記録媒体については、図3に示す第一実施形態に係る施設評価プログラム及び記録媒体と同様なものが用いられる。
【0084】
次に、本実施形態に係る施設評価プログラムの実行による施設評価システム1の動作と共に、本実施形態に係る施設評価方法について説明する。
【0085】
図13に本実施形態における施設評価処理のフローチャートを示す。
【0086】
本図のS70に示すように、施設評価を行う地域が選択されたか否かが判断される。例えば、データベース5に地図データとして複数の地域が記憶されている場合、そのいずかが評価対象地域として選択されたか否かが判断される。
【0087】
評価対象地域が選択されたと判断されたときには、評価対象地域の表示が行われる(S72)。これにより、評価対象地域の地図が表示され、その地図上に各種の施設が表示される。施設としては、市役所やその支所、出張所などの行政施設、消防署、警察署、図書館、幼稚園、小学校、中学校、病院、保育所、介護施設、老人ホームが設定され、地図上にそれぞれ表示される。このとき、各種の異なる施設を異なる色や異なるマークなどで示すことが好ましい。これにより、各種の異なる施設が各々識別可能となる。
【0088】
そして、S74に移行し、評価すべき施設の種類が選択されたか否かが判断される。評価すべき施設の種類が選択されたときには、図14に示すように、地図上において、選択された種類の施設30bのみが表示される(図13のS76)。このとき、地図上における各施設30bについて、その建設位置、地形分類、竣工年などを表示するのが好ましい。例えば、図15に示すように、施設30bの名称、住所、竣工年、床面積、地形、Is値が表示される。
【0089】
そして、図13のS78に移行し、震災時における施設の被害度算出の開始条件が成立したか否かが判断される。例えば、被害度算出の開始操作がされたときに開始条件が成立したと判断される。
【0090】
そして、被害度算出の開始操作がされ、被害度算出の開始条件が成立したときには、所定の地震の発生時における施設の被害度の算出が行われる(S80)。所定の地震とは、例えば評価地域における500年に一度発生する程度の地震が設定される。
【0091】
被害度は、施設の建設位置、その地形分類、竣工年に基づいて算出される。例えば、施設の建設位置などに基づいて工学的基盤での地震ハザードを求め、丘陵地、扇状地、ローム台地、三角州などの地形分類に基づいて表層地盤の増幅率を求め、工学的基盤での地震ハザード及び表層地盤の増幅率から地表での地震ハザードを算出する。一方、施設の竣工年に基づいてIs値を算出する。そして、地表での地震ハザード及びIs値に基づいて、所定の地震発生時の被害度を算出する。
【0092】
そして、被害度を考慮して施設の震災時における収容可能人数が算出される(S82)。震災時における収容可能人数は、被害を受ける前の施設本来の収容可能人数に対し被害度に応じて減員したものとして算出される。このため、被害がほとんどなく被害度が小さい場合には、被害度に応じた減員が少なく、施設の震災時における収容可能人数が多くなる。一方、被害度が大きい場合には、被害度に応じた減員が多く、施設の震災時における収容可能人数が大きく減ることとなる。
【0093】
そして、S84に移行し、震災時の避難所としての施設の評価演算が行われる。この施設の評価演算は、施設の周辺の人口データ及び施設の震災時における収容可能人数に基づいて行われる。例えば、施設の周辺の人口データ及び施設の震災時における収容可能人数に基づき、震災時において避難所としてカバーできる収容可能領域を評価値として演算する。
【0094】
そして、S86に移行し、地図上に収容可能領域の表示が行われる。例えば、図16に示すように、地図上に収容可能領域31が異なる模様や色彩などで表示される。これにより、震災時に避難可能な地域が容易に把握できる。
【0095】
以上のように、本実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体によれば、地震発生時における施設の被害度を考慮して施設の収容可能人数を算出することにより、震災時の施設の避難所としての評価を適切に行える。
【0096】
また、震災時における収容可能領域を地図上に表示することにより、震災時に避難可能な地域が容易に把握できる。このため、現状において避難所としての施設の評価が適切に行え、施設の増設、補修などの判断が容易に行える。
【0097】
また、上述した本実施形態に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体において、施設の補修、増設などのシミュレーション可能として構成することが望ましい。これにより、施設の補修などの検討が適切に行える。
【0098】
なお、上述した各実施形態においては、公共施設の評価について説明したが、本発明に係る施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体はそのようなものに限定されるものではなく、商業施設などその他の施設に適用してもよい。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、施設評価を適正に行える施設評価システム、施設評価方法、施設評価プログラム及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る施設評価システムの構成概要図である。
【図2】図1の施設評価システムの具体的なハード構成の一例を示した図である。
【図3】第一実施形態に係る施設評価プログラムが記録されている記録媒体の構成を示した図である。
【図4】図1の施設評価システムの動作についてのフローチャートである。
【図5】図1の施設評価システムにおける地域表示の説明図である。
【図6】図1の施設評価システムにおける評価結果の説明図である。
【図7】図1の施設評価システムにおける年齢別人口データの説明図である。
【図8】図1の施設評価システムの動作についてのフローチャートである。
【図9】図1の施設評価システムにおける施設配置シミュレーションの説明図である。
【図10】図1の施設評価システムにおける将来の施設評価結果の説明図である。
【図11】図1の施設評価システムにおける施設の配置変更前後におけるLLCの説明図である。
【図12】図1の施設評価システムにおける行政区域の合併に関する施設配置シミュレーションの説明図である。
【図13】第二実施形態に係る施設評価システムの動作についてのフローチャートである。
【図14】図13の施設評価システムにおける施設表示についての説明図である。
【図15】図13の施設評価システムにおける施設情報の表示についての説明図である。
【図16】図13の施設評価システムにおける施設評価結果についての説明図である。
【符号の説明】
1…施設評価システム
2…入力部
3…情報処理部
4…出力部
5…データベース
Claims (20)
- 所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムにおいて、
前記所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶手段と、
前記地図データ、前記人口データ及び前記施設データに基づいて前記所定の地域における現在の施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、前記立地評価値及び前記サービス品質評価値に基づいて前記所定の地域における施設評価を算出する評価演算手段と、
前記施設評価を出力する出力手段と、
を備えた施設評価システム。 - 所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムにおいて、
前記所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶手段と、
前記所定の地域における前記施設の配置を変更する配置変更手段と、
前記施設の配置変更後の前記所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、前記立地評価値及び前記サービス品質評価値に基づいて前記所定の地域における施設評価を算出する評価演算手段と、
前記施設評価を出力する出力手段と、
を備えた施設評価システム。 - 前記記憶手段は、前記人口データとして年齢別人口データを記憶し、
前記評価演算手段は、前記年齢別人口データに基づいて前記所定の地域における将来の人口データを推定し、その推定した人口データを考慮して前記所定の地域における将来の施設評価を算出すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の施設評価システム。 - 前記評価演算手段は、前記所定の地域における行政区域ごとに施設評価を行い、
前記出力手段は、異なる施設評価に対し異なる表示で行政区域ごとに前記施設評価に応じた表示を行うこと、
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の施設評価システム。 - 所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価方法において、
前記所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶工程と、
前記地図データ、前記人口データ及び前記施設データに基づいて前記所定の地域における現在の施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、前記立地評価値及び前記サービス品質評価値に基づいて前記所定の地域における施設評価を算出する評価演算工程と、
前記施設評価を出力する出力工程と、
を備えた施設評価方法。 - 所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価方法において、
前記所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶工程と、
前記所定の地域における前記施設の配置を変更する配置変更工程と、
前記施設の配置変更後の前記所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、前記立地評価値及び前記サービス品質評価値に基づいて前記所定の地域における施設評価を算出する評価演算工程と、
前記施設評価を出力する出力工程と、
を備えた施設評価方法。 - 前記記憶工程は、前記人口データとして年齢別人口データを記憶し、
前記評価演算工程は、前記年齢別人口データに基づいて前記所定の地域における将来の人口データを推定し、その推定した人口データを考慮して前記所定の地域における将来の施設評価を算出すること、
を特徴とする請求項5又は6に記載の施設評価方法。 - 前記評価演算工程は、前記所定の地域における行政区域ごとに施設評価を行い、
前記出力工程は、異なる施設評価に対し異なる表示で行政区域ごとに前記施設評価に応じた表示を行うこと、
を特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の施設評価方法。 - 所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価処理をコンピュータに実行させる施設評価プログラムであって、
前記所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶処理と、
前記地図データ、前記人口データ及び前記施設データに基づいて前記所定の地域における現在の施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、前記立地評価値及び前記サービス品質評価値に基づいて前記所定の地域における施設評価を算出する評価演算処理と、
前記施設評価を出力する出力処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする施設評価プログラム。 - 所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価処理をコンピュータに実行させる施設評価プログラムであって、
前記所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶処理と、
前記所定の地域における前記施設の配置を変更する配置変更処理と、
前記施設の配置変更後の前記所定の地域における施設の立地評価値及びサービス品質評価値を算出し、前記立地評価値及び前記サービス品質評価値に基づいて前記所定の地域における施設評価を算出する評価演算処理と、
前記施設評価を出力する出力処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする施設評価プログラム。 - 前記記憶処理は、前記人口データとして年齢別人口データを記憶し、
前記評価演算処理は、前記年齢別人口データに基づいて前記所定の地域における将来の人口データを推定し、その推定した人口データを考慮して前記所定の地域における将来の施設評価を算出すること、
を特徴とする請求項9又は10に記載の施設評価プログラム。 - 前記評価演算処理は、前記所定の地域における行政区域ごとに施設評価を行い、
前記出力処理は、異なる施設評価に対し異なる表示で行政区域ごとに前記施設評価に応じた表示を行うこと、
を特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の施設評価プログラム。 - 請求項9〜12のいずれかの施設評価プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価システムにおいて、
前記所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶手段と、
前記所定の地域にて地震発生時における前記施設の被害度を算出し、その被害度を考慮して前記施設の地震発生時における収容可能人数を算出し、その収容可能人数に基づいて前記施設の避難所としての評価を算出する評価演算手段と、
前記施設の評価を出力する出力手段と、
を備えた施設評価システム。 - 前記評価演算手段は、前記人口データと前記収容可能人数に基づいて前記地域における収容可能領域を算出し、
前記出力手段は、前記地域の地図上に前記収容可能領域を表示すること、
を特徴とする請求項14に記載の施設評価システム。 - 所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価方法において、
前記所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶工程と、
前記所定の地域にて地震発生時における前記施設の被害度を算出し、その被害度を考慮して前記施設の地震発生時における収容可能人数を算出し、その収容可能人数に基づいて前記施設の避難所としての評価を算出する評価演算工程と、
前記施設の評価を出力する出力工程と、
を備えた施設評価方法。 - 前記評価演算工程は、前記人口データと前記収容可能人数に基づいて前記地域における収容可能領域を算出し、
前記出力工程は、前記地域の地図上に前記収容可能領域を表示すること、
を特徴とする請求項16に記載の施設評価方法。 - 所定の地域に配置される施設の評価を行う施設評価処理をコンピュータに実行させる施設評価プログラムであって、
前記所定の地域における地図データ、人口データ及び施設データを記憶する記憶処理と、
前記所定の地域にて地震発生時における前記施設の被害度を算出し、その被害度を考慮して前記施設の地震発生時における収容可能人数を算出し、その収容可能人数に基づいて前記施設の避難所としての評価を算出する評価演算処理と、
前記施設の評価を出力する出力処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする施設評価プログラム。 - 前記評価演算処理は、前記人口データと前記収容可能人数に基づいて前記地域における収容可能領域を算出し、
前記出力処理は、前記地域の地図上に前記収容可能領域を表示すること、
を特徴とする請求項18に記載の施設評価プログラム。 - 請求項18又は19のいずれかの施設評価プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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