JP2004287194A - Thermosensitive lithographic printing plate - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷版用版材に関するものであり、特にコンピュータで作成されて出力されたディジタル画像信号を赤外線レーザ光で記録して直接製版できるいわゆるダイレクト製版用の赤外線レーザ用感熱性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータのディジタルデータから直接製版するシステムとしては、(1)電子写真法によるもの、(2)Arイオンレーザ露光などによる光重合法によるもの、(3)感光性樹脂層上に銀塩乳剤層を積層したもの、(4)銀塩拡散転写を利用したもの等が知られている。
しかしながら、前記(1)の電子写真法を用いるものは、帯電、露光、現像等処理が煩雑であり、装置が複雑で大がかりなものになる。また、前記(2)、(3)、(4)の方法では、可視光感光性を有するため、明室での取り扱いが難しくなる。さらに、前記(3)、(4)の方法では銀塩を使用するため処理が煩雑になり、コストが高くなる欠点がある。
【0003】
一方、近年におけるレーザの発展は目覚ましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型の装置が容易に入手できるようになってきている。コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。
【0004】
このような赤外線レーザを用いるダイレクト製版用平版印刷版材としては、クレゾールノボラック樹脂等のフェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂及び赤外線吸収剤を含有する画像記録層を有するポジ型平版印刷版材が提案されている。このポジ型平版印刷版材は、露光部において赤外線吸収剤により発生した熱の作用でクレゾールノボラック樹脂の会合状態が変化して、非露光部と溶解性の差(溶解速度差)が生じ、それを利用して現像を行い画像形成する。しかしながら、その溶解速度差が小さいために、実際の製版作業においては、アルカリ活性の些細な変動の影響を受けやすく安定性に欠ける、すなわち、現像ラチチュードが狭いという問題があった。
更に、ノボラック樹脂は剛直で皮膜密度の低い皮膜であり、露光部と非露光部との溶解速度差が小さいは本系では感材表面に些細な荷重が掛かるだけで、現像時に画像抜けが発生するといった問題点を有していた。
【0005】
上記事情に鑑みて、アルカリ溶解阻止剤(溶解インヒビター)によって現像ラチチュードを拡大させる技術の開発が近年活発に行なわれている。例えば、特許文献1(特開平7−285275号公報)では、ノボラック樹脂等のフェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂に、光を吸収し熱を発生する物質と、種々のオニウム塩、キノンジアジド化合物類等を添加した画像記録材料が提案されている。
この画像記録材料では、画像部ではオニウム塩、キノンジアジド化合物類等が、アルカリ水溶液可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる溶解阻止剤として働き、非画像部では熱により分解して溶解阻止剤としては働かず、画像形成する。しかしながら、この画像記録材料では、オニウム塩、キノンジアジド化合物類等が、可視領域に光吸収域(350〜500nm)を有するため、取り扱い場所は黄色燈下に制限されるという不便がある。また、得られた印刷版をさらに長期にわたって使用可能にするには、クリーナー液等の溶剤で洗浄した後再使用できるようにする必要があるが、ノボラック樹脂は耐溶剤性が低く、印刷中にクリーナー液を使用すると耐刷性が低下するという問題があった。
【0006】
また、特許文献2(国際公開第98/42507号パンフレット)には、非感光性の水素結合基を有する化合物を現像ラチチュード拡大用溶解インヒビターとして用いることが提案されている。しかし、水素結合で溶解性を抑制するこの方法は、露光で解離した水素結合が、露光後の経時で逆反応を起こすため、感度低下や焼き溜適性の悪化を引き起こしやすかった。更に、露光前においても経時条件により水素結合するサイト数が変動するため、現像可能な現像液のアルカリ活性度が変化するといった致命的な欠陥を有していた。
【0007】
さらに、特許文献3(特開平11−190903号公報)には、クリスタルバイオレットラクトン(CVL)等をはじめとする酸解離性のラクトン骨格を有する色素とノボラックとの相互作用を用いて、アルカリ不溶性を高めつつ、熱がかかると容易に解除されることでディスクリミネーション(画像部と非画像部のコントラスト)が拡大する技術が記載されている。しかし、CVLとノボラックの相互作用構築には、塗布−乾燥後、ある一定条件下の湿度管理された環境下で加熱が必要であり、又、自然経時で相互作用の度合いが変化し、感度が安定しないという欠点を有していた。
【0008】
上記のように、従来公知のダイレクト製版用の赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材においては、画像部と非画像部との識別性を高めようとすれば、耐溶剤性、可視光安全性、耐用性、製造安定性など実用上必要な付随特性が伴わない状況にあった。
【0009】
一方、アルカリ水溶液可溶性樹脂を含有する記録層に、親水性基を有するポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリマレイミド樹脂を添加することによって感光性平版印刷版の耐刷性向上を図る技術は、特許文献4(特公平7−76832号公報)、特許文献5(特開平5−281718号公報)、特許文献6(特開平3−9360号公報)、特許文献7(特開平5−88369号公報)等により公知である。
また、本発明者は、エポキシ樹脂を用いた感熱性平版印刷版でも同様の耐刷性向上に効果があることを別に見出した(特願2001−371533号明細書参照。)。しかしながら、上記技術の感熱性平版印刷版においてもなお、耐傷性については大きな改善が見られず、不十分であった。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−285275号公報
【特許文献2】
国際公開第98/42507号パンフレット
【特許文献3】
特開平11−190903号公報
【特許文献4】
特公平7−76832号公報
【特許文献5】
特開平5−281718号公報
【特許文献6】
特開平3−9360号公報
【特許文献7】
特開平5−88369号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上記問題を解決することであり、実用上十分な感度、現像ラチチュード、耐刷性を有し、更に良好な耐傷性を有する赤外線レーザを用いてダイレクト製版可能な感熱性平版印刷版を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、感熱性平版印刷版において、特定の樹脂とフェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂とを混合した記録層、またはこれらの樹脂を含有する層とフェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂を含有する層とを重層した記録層を用いることによって、露光部と未露光部の溶解速度差が拡大し、現像安定性が増すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
【0013】
1.下記(a)〜(d)を含有する記録層を有することを特徴とする感熱性平版印刷版。
(a)光を吸収し熱を発生する物質。
(b)フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂。
(c)ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリマレイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
(d)長鎖アルキル基含有ポリマー。
【0014】
本発明の構成によって、露光部と未露光部の溶解速度差が拡大する詳しい理由は不明であるが、剛直で皮膜性の劣るフェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂と水素結合で相溶するポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、またはポリマレイミド樹脂とが混合(重層系の場合は、界面近傍での部分混合)することによって、界面及び膜の皮膜性が向上し現像液の露光/未露光部の判識性が高まったためと考えられる。
【0015】
また、本発明においては、長鎖アルキル基含有ポリマーが、フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂と相分離して記録層表面に微細な突起を形成し、この突起部分が引っ掻き傷、擦り傷に対する応力を緩和するため、耐傷性を向上させたと推測される。
また、長鎖アルキル基含有ポリマーの添加によって感度の向上も得られたが、感度向上の機構については次のように推測される。
即ち、上記した突起について更に解析を進めたところ、粗面化支持体上での該樹脂の相分離による突起形成は厚み依存性が存在し、砂目の深い凹部(すなわち、記録層の厚い部分)で相分離突起が大きく、しかも数か多く、砂目の凸部(すなわち、記録層の薄い部分)で相分離突起が小さく少ないことが判明した。現像時、長鎖アルキル基含有ポリマーによる相分離突起部分が、現像初期に分散除去されて現像液の記録層内への浸透パスとなるが、相分離突起が多い記録層の厚い部分に多くの浸透パスができ、薄い部分では少なくなることによって、記録層厚みによる溶解速度の不均一が解消され、感度が向上したものと推定される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の感熱性平版印刷版について順次説明する。
【0017】
[感熱性平版印刷版]
本発明の感熱性平版印刷版は、下記(a)〜(d)の成分を含有する記録層を有することを特徴とする。
(a)光を吸収し熱を発生する物質。
(b)フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂。
(c)ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリマレイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
(d)長鎖アルキル基含有ポリマー。
また、本発明は、上記(c)成分を含有する層の上に、上記(a)、(b)及び(d)を含有する記録層を有する感熱性平版印刷版も包含する。
【0018】
以下、本発明の感熱性平版印刷版の各構成について、順次、詳細に説明する。なお、以下において、「(c)ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリマレイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂」を、「(c)群の樹脂」とも言う。
【0019】
[長鎖アルキル基含有ポリマー]
相分離して最表面に突起を形成させる長鎖アルキル基含有ポリマーとしては、少なくとも1種の炭素数6以上、好ましくは炭素数12以上の長鎖アルキル基を含有するモノマーを重合して得られるポリマーが好ましい。
上記の炭素数6以上の長鎖アルキル基含有モノマーとしては、分子内に付加重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物が好ましく、溶剤溶解性や感熱性平版印刷版を作製した場合の耐傷性改良効果、表面被覆性及び画像形成性への影響等の観点から、長鎖アルキル基を有するアクリレート系、メタクリレート系、アクリルアミド系、メタクリルアミド系、スチレン系、ビニル系、ビニルエーテル系、マレイン酸系、フマル酸系などの化合物であることが好ましい。
このような長鎖アルキル基含有モノマーとして、具体的に下記一般式(I)のモノマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
【化1】
【0021】
一般式(I)中、nは6〜40の整数を表す。より好ましくは10〜30の整数、最も好ましくは12〜20の整数である。Xは2価の連結基を表す。Y、Y’及びY”は1価の有機基を表す。
【0022】
Xが表す2価の連結基の具体例としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルキレン基、炭素数2〜20の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリレン基(単環、複素環)、−OC(=O)−、−OC(=O)Ar−、−OC(=O)O−、−OC(=O)OAr−、−C(=O)NR−、−C(=O)NAr−、−SO2NR−、−SO2NAr−、−O−、(アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ)、−OAr−アリレンオキシ、ポリアリレンオキシ)、−C(=O)O−、−C(=O)O−Ar−、−C(=O)Ar−、−C(=O)−、−SO2O−、−SO2OAr−、−OSO2−、−OSO2Ar−、−NRSO2−、−NArSO2−、−NRC(=O)−、−NArC(=O)−、−NRC(=O)O−、−NArC(=O)O−、−OC(=O)NR−、−OC(=O)NAr−、−NAr−、−NR−、−N+RR’−、−N+RAr−、−N+ ArAr’−、−S−、−SAr−、−ArS−、ヘテロ環基(ヘテロ原子としては例えば、窒素、酸素及びイオウ等を少なくとも1個以上含み、3ないし12員環の単環、縮合環)、−OC(=S)−、−OC(=S)Ar−、−C(=S)O−、−C(=S)OAr−、−C(=S)OAr−、−C(=O)S−、−C(=O)SAr−、−ArC(=O)−、−ArC(=O)NR−、−ArC(=O)NAr−、−ArC(=O)O−、−ArC(=O)O−、−ArC(=O)S−、−ArC(=S)O−、−ArO−、−ArNR−等が挙げられる。ここで、R及びR’はH、直鎖または分岐、鎖状または環状のアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基を表し、Ar及びAr’はアリール基を表す。
【0023】
上記の連結基は、ここで挙げた連結基を2種類以上組み合わせて連結基を形成していても良い。このような連結基としては、炭素数6〜20のアリレン基(単環、複素環)、−C(=O)NR−、−C(=O)NAr−、−O−(アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ)、−OAr−アリレンオキシ、ポリアリレンオキシ)、−C(=O)O−、−C(=O)O−Ar−、−C(=O)−、−C(=O)Ar−、−S−、−SAr−、−ArS−、−ArC(=O)−、−ArC(=O)O−、−ArC(=O)O−、−ArO−、−ArNR−等が好ましく、炭素数6〜20のアリレン基(単環、複素環)、−C(=O)NR−、−C(=O)NAr−、−O−(アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ)、−OAr−アリレンオキシ、ポリアリレンオキシ)、−C(=O)O−、−C(=O)O−Ar−、−SAr−、−ArS−、−ArC(=O)−、−ArC(=O)O−、−ArC(=O)O−、−ArO−、−ArNR−等がより好ましい。
【0024】
また、上記連結基は置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリレン、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のカルバモイルオキシ基、炭素数1〜20のカルボンアミド基、炭素数1〜20のスルホンアミド基、炭素数1〜20のカルバモイル基、炭素数0〜20のスルファモイル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のN−アシルスルファモイル基、炭素数1〜20のN−スルファモイルカルバモイル基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のイミノ基、炭素数3〜20のアンモニオ基、カルボキシル基、スルホ基、オキシ基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜20のアリールスルフィニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数1〜20のウレイド基、炭素数2〜20のヘテロ環基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数0〜20のスルファモイルアミノ基、炭素数2〜20のシリル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0025】
また、Y、Y’及びY”の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。水素原子、炭素数1〜50の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ヘプタフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、t−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル等)、炭素数2〜50の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルケニル基(例えばビニル、1−メチルビニル、シクロヘキセン−1−イル等)、炭素数2〜50のアルキニル基(例えば、エチニル、1−プロピニル等)、炭素数6〜50のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、アントリル等)、炭素数1〜50のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、炭素数2〜50のアルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、2−メトキシエトキシカルボニルオキシ基など)、炭素数7〜50のアリールオキシカルボニルオキシ基(例えばフェノキシカルボニルオキシ基など)、炭素数1〜50のカルバモイルオキシ基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ等)、炭素数1〜50のカルボンアミド基(例えば、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、ベンツアミド等)、炭素数1〜50のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ドデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド等)、炭素数1〜50のカルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メシルカルバモイル等)、炭素数0〜50のスルファモイル基(例えば、N−ブチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−メチル−N−(4−メトキシフェニル)スルファモイル等)、炭素数1〜50のアルコキシ基(例えば、メトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、オクチルオキシ、t−オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシ、ポリアルキレンオキシ等)、炭素数6〜50のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシ等)、炭素数7〜50のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル等)、
【0026】
炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)、炭素数1〜50のN−アシルスルファモイル基(例えば、N−テトラデカノイルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル等)、炭素数1〜50のN−スルファモイルカルバモイル基(例えばN−メタンスルホニルカルバモイル基など)、炭素数1〜50のアルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクチルスルホニル、2−メトキシエチルスルホニル、2−ヘキシルデシルスルホニル等)、炭素数6〜50のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、4−フェニルスルホニルフェニルスルホニル等)、炭素数2〜50のアルコキシカルボニルアミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ等)、炭素数7〜50のアリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ、ナフトキシカルボニルアミノ等)、炭素数0〜50のアミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、アニリノ、モルホリノ等)、炭素数3〜50のアンモニオ基(例えば、トリメチルアンモニオ基、ジメチルベンジルアンモニオ基など)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、スルホ基、メルカプト基、炭素数1〜50のアルキルスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル、オクタンスルフィニル等)、炭素数6〜50のアリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスルフィニル、4−クロロフェニルスルフィニル、p−トルエンスルフィニル等)、炭素数1〜50のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、炭素数6〜50のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、炭素数1〜50のウレイド基(例えば、3−メチルウレイド、3,3−ジメチルウレイド、1,3−ジフェニルウレイド等)、炭素数2〜50のヘテロ環基(ヘテロ原子としては例えば、窒素、酸素及びイオウ等を少なくとも1個以上含み、3ないし12員環の単環、縮合環で、例えば、2−フリル、2−ピラニル、2−ピリジル、2−チエニル、2−イミダゾリル、モルホリノ、2−キノリル、2−ベンツイミダゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル等)、炭素数1〜50のアシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル等)、炭素数0〜50のスルファモイルアミノ基(例えば、N−ブチルスルファモイルアミノ、N−フェニルスルファモイルアミノ等)、炭素数3〜50のシリル基(例えば、トリメチルシリル、ジメチル−t−ブチルシリル、トリフェニルシリル等)、アゾ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)が挙げられる。上記の置換基はさらに置換基を有していてもよく、その置換基の例としてはここで挙げた置換基が挙げられる。
【0027】
また、Y、Y’及びY”のうち少なくとも2つが互いに環を形成していても良く、このような例としては脂肪族環、芳香族環、複素環基が挙げられる。
【0028】
上記一般式(I)の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、下記において、n及びmは6〜40の整数を表す。
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】
相分離して最表面に突起を形成させる長鎖アルキル基含有ポリマーは、上記長鎖アルキル基含有モノマーと1種類以上の他のモノマーを組み合わせて共重合したポリマーであっても良く、上記長鎖アルキル基含有モノマーの組成モル比は、表面微小突起形成の観点から10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることが最も好ましい。
【0032】
上記長鎖アルキル基含有モノマーと共重合させるモノマーとしては、アルカリ現像液に対する溶解性、及び、感度の観点から、親水性モノマーであることが好ましい。親水性モノマーとしては、アルカリ現像液に対する溶解性、及び感度の観点から下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
【0033】
【化4】
【0034】
式中、Zは親水性基を含む1価の基を表し、W、W’及びW”は1価の有機基を表す。W、W’及びW”は、一般式(I)中の1価の有機基Y、Y’及びY”と同義である。Zにおける親水性基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、オニウム基(アンモニウム、スルホニウム、ジアゾニウム、ヨードニウム、イミニウム等)、炭素数1〜2000の(ポリ)アルキレンオキシド基、及び酸性基が挙げられる。中でも親水性基としては、アルカリ現像液に対する溶解性、及び、感度の観点からpKa12以下の酸性基が好ましい。pKa12以下の酸性基としては、下記(1)〜(6)に挙げる酸性基が、アルカリ現像液に対する溶解性、感度の点で好ましい。
【0035】
(1)フェノール基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R)
(3)活性イミド基
(−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R)
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸基(−OPO3H2)
上記(1)〜(6)中、Arは置換基を有していてもよい2価のアリール連結基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
【0036】
上記(1)のフェノール基を有する一般式(II)のモノマーとしては、フェノール基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、またはヒドロキシスチレン等が挙げられる。
【0037】
上記(2)スルホンアミド基を有するモノマーとしては、上記構造のスルホンアミド基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物が挙げられる。中でも、アクリロイル基、アリル基、またはビニロキシ基と、スルホンアミド基とを分子内に有する低分子化合物が好ましい。例えば、下記一般式(i)〜(v)で表される化合物が挙げられる。
【0038】
【化5】
【0039】
上記一般式(i)〜(v)中、X1及びX2は、各々独立に、−O−またはNR7−を表す。R1及びR4は、各々独立に、水素原子またはCH3を表す。R2、R5、R9、R12、及び、R16は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリレン基またはアラルキレン基を表す。R3、R7、及び、R13は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。また、R6及びR17は、各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。R8、R10及びR14は、各々独立に、水素原子またはCH3を表す。R11及びR15は、各々独立に、単結合または置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリレン基またはアラルキレン基を表す。Y1及びY2は、それぞれ独立に単結合、またはCO−を表す。
【0040】
一般式(i)〜(v)で表される化合物のうち、本発明の画像記録要素では、特に、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0041】
上記(3)活性イミド基を有するモノマーとしては、前記構造式で表される活性イミド基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。中でも、下記構造式で表される活性イミド基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物が好ましい。
【0042】
【化6】
【0043】
具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0044】
上記(4)カルボン酸基を有するモノマーとしては、例えば、カルボン酸基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。上記(5)スルホン酸基を有するモノマーとしては、例えば、スルホン酸基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。上記(6)リン酸基を有するモノマーとしては、例えば、リン酸基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物を挙げることができる。
【0045】
上記のpKa12以下の酸基を有するモノマーの中でも、(1)フェノール基、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基または(4)カルボン酸を有するモノマーが好ましく、(1)フェノール基または(2)スルホンアミド基または(4)カルボン酸を有するモノマーが、アルカリ現像液に対する溶解性、現像ラチチュード、膜強度を十分に確保する点から最も好ましい。
【0046】
上記一般式(II)の親水性モノマーは、ポリマー成分中に90モル%以下の組成で共重合することが好ましく、80モル%以下の組成で共重合することが耐傷性効果の観点からより好ましい。
【0047】
また、本発明の相分離する樹脂には、長鎖アルキル基含有モノマーと親水性モノマー成分以外に、他のモノマーを併用することもできる。このような長鎖アルキル基含有モノマー及び親水性モノマー以外のモノマー成分は、共重合体成分中に50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることが耐傷性効果の観点から、より好ましい。
長鎖アルキル基含有モノマーと親水性モノマー以外のモノマーとしては、下記(7)〜(17)に挙げる化合物を例示することができる。
【0048】
(7)2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(8)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキレート等のアクリレート。
(9)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等のメタクリレート。
【0049】
(10)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミドまたはメタクリルアミド。
(11)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(12)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
【0050】
(13)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(14)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(15)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(16)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(17)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
【0051】
上記長鎖アルキル基含有モノマーと親水性モノマーの共重合方法としては、従来知られている、グラフト共重合法、ブロック共重合法、ランダム共重合法等を用いることができる。また、この共重合において、長鎖アルキル基含有モノマーの共重合成分は、2種類以上混合して用いることもできる。
【0052】
本発明の長鎖アルキル基含有ポリマーとしては、上記のようにして得られる共重合体が用いられるが、一般式(III)で表される構造単位を有するポリマーであることがより好ましい。
【0053】
【化7】
【0054】
ここで、nは6〜40の整数を表す。Y、Y’及びY”は1価の有機基を表す。Xは2価の連結基を表す。Z’は親水性モノマー単位を表す。mは0.1≦m<1の実数を表す。耐傷性改良効果、溶解性への影響等の観点からより好ましくは、0.2≦m≦0.9であり、更に好ましくは0.25≦m≦0.85である。
これらY、Y’、Y” 及びXの具体例としては、一般式(I)のものと同義のものが挙げられる。Z’の具体例としては、一般式(II)で表されるモノマーからなる構造単位が挙げられる。
【0055】
更に、本発明の長鎖アルキル基含有ポリマーとしては、一般式(IV)であることがより好ましい。
【0056】
【化8】
【0057】
上記一般式(IV)において、点線のメチル基はあってもなくても良く、X及びZ’としては、一般式(III)のX、Z’と同義のものが好ましく、mは、耐傷性改良効果、溶解性への影響等の観点から0.2≦m≦0.9が好ましく、0.25≦m≦0.85がより好ましく、0.30≦m≦0.60が最も好ましい。nは6〜40整数であり、好ましくは10〜30の整数、より好ましくは12〜20の整数である。
【0058】
上記(IV)の親水性モノマー単位Z’としては、ヒドロキシ基、炭素数1〜2000の(ポリ)アルキレンオキシド基、フェノール基、スルホンアミド基、活性イミド基、カルボン酸基、スルホン酸基を有する骨格が、アルカリ現像液に対する溶解性を十分に確保する点から好ましく、フェノール基、スルホンアミド基、活性イミド基、カルボン酸基、スルホン酸基を有する骨格が感度の点からより好ましく、カルボン酸を有する骨格がもっとも好ましい。上記(IV)のXとしては、−C(=O)O−が最も好ましい。
【0059】
また、一般式(III)で表される構造単位を有するポリマーの共重合成分として、前述の(7)〜(18)に挙げた化合物を共重合体成分中50モル%以下の組成比で用いることができる。本発明の効果の観点から30モル%以下がより好ましい。
【0060】
本発明に用いる相分離して最表面に突起を形成させる長鎖アルキル基含有ポリマーとしては、重量平均分子量が2,000以上、数平均分子量が1,000以上のものが好ましく用いられる。さらに好ましくは、ポリスチレン換算で重量平均分子量が5,000 〜5,000,000で、特に好ましくは5,000〜2,000,000、更に好ましくは10,000〜1,000,000である。このようなポリマーは、1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0061】
相分離して最表面に突起を形成させる長鎖アルキル基含有ポリマー中の残留モノマー量は、本発明の感熱性平版印刷版を積層する際に保護紙(合紙)、支持体裏面への転写や感熱性平版印刷版製造時のローラへの転写等の問題から、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0062】
以下に本発明の長鎖アルキル基含有ポリマーの具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0063】
【化9】
【0064】
【化10】
【0065】
【化11】
【0066】
【化12】
【0067】
【化13】
【0068】
【化14】
【0069】
【化15】
【0070】
【化16】
【0071】
【化17】
【0072】
本発明に用いる上記長鎖アルキル基含有ポリマーとしては、重量平均分子量が2,000以上、数平均分子量が1,000以上のものが好ましく用いられる。さらに好ましくは、ポリスチレン換算で重量平均分子量が5,000 〜5,000,000で、特に好ましくは5,000〜2,000,000、更に好ましくは10,000〜1,000,000である。このようなポリマーは、1種類を用いてもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0073】
上記長鎖アルキル基含有ポリマーの記録層中の含有量は、記録層固形分に対し、0.5〜30質量%であり、1〜20質量%がさらに好ましい。含有量が0.5質量%を下回ると凹凸の形成が不十分で耐傷性に対する効果が無い。30質量%を上回ると記録層の強度が低下して耐刷性が低下する。
【0074】
相分離して最表面に突起を形成させる長鎖アルキル基含有ポリマーを含む記録層表面の空中水滴接触角は60度から140度の範囲であることが好ましい。また、相分離して最表面に突起を形成させる長鎖アルキル基含有ポリマーを含む感熱性平版印刷版の動摩擦係数は0.38〜0.70の範囲にあることが好ましい。
【0075】
[フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂]
本発明に用いられるフェノール性水酸基(以下では、フェノール基とも呼ぶ。)を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂としては、例えば、フェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、p−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、フェノールとクレゾール(m−、p−、またはm−/p−混合のいずれでもよい)とホルムアルデヒドとの縮重合体等のノボラック樹脂、及びピロガロールとアセトンとの縮重合体を挙げることができる。さらに、フェノール基を側鎖に有する化合物を共重合させた共重合体を挙げることもできる。
【0076】
フェノール基を側鎖に有する化合物としては、フェノール基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、またはヒドロキシスチレン等が挙げられる。
【0077】
前記共重合体は、フェノール基を側鎖に有する化合物が共重合体中に10モル%以上含まれているものが現像ラチチュードを充分に向上させるために好ましく、20モル%以上含まれているものがより好ましい。
【0078】
本発明の上記共重合体には、上記フェノール基を側鎖に有する化合物以外のアルカリ可溶性基を有する化合物、例えば、前記一般式(II)の酸性基が(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基、(4)カルボン酸基、(5)スルホン酸基、または(6)リン酸基である化合物を、共重合成分として用いることができる。
【0079】
また、本発明の上記共重合体の共重合成分としては、酸性基を含まない他の化合物を用いることもできる。上記(2)〜(6)の酸性基を含まない他の化合物の例としては、前記の長鎖アルキル基含有ポリマーにおいて共重合してもよい成分として例示した(7)〜(17)の化合物が挙げられる。
【0080】
[その他のアルカリ可溶性樹脂]
本発明の記録層には、上記フェノール基を有するアルカリ可溶性樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂を含有することができる。かかるアルカリ可溶性樹脂としては、前記一般式(II)の酸性基が(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基、(4)カルボン酸基、(5)スルホン酸基、及び(6)リン酸基から選ばれた少なくとも一つの酸性基を有する化合物と、前記(7)〜(17)の化合物から選ばれた少なくとも一つの化合物との共重合体が挙げられる。
【0081】
上記酸性基の中では、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基、(4)カルボン酸基がより好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。このようなカルボン酸基を有する共重合化合物としては、カルボン酸基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1個以上有する化合物が挙げられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。また、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリレートまたはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルエチルアクリレートまたはメタクリレート等)のヒドロキシル基と、二塩基酸(例えば、コハク酸、グルタル酸等)とのモノエステルである不飽和カルボン酸も好適なものとして挙げられる。
【0082】
前記(7)〜(17)の化合物の中で、より好ましいものとしては、(8)及び(9)のアルキルアクリレートまたはメタクリレートが挙げられる。
【0083】
[ポリウレタン樹脂]
本発明において用いられるポリウレタン樹脂は、特開平5−281718号公報及び特開平11−352691号公報に記載のカルボキシル基を0.4meq/g以上含有するアルカリ現像液可溶性のポリウレタン樹脂である。具体的には、ジイソシアネート化合物とカルボキシル基を有するジオール化合物との反応生成物で表される構造単位を基本骨格とするポリウレタン樹脂である。ジオール化合物としては、カルボキシル基含有量の調整やポリマー物性のコントロールのため、カルボキシル基をもたないジオール化合物を併用することが好ましい。
【0084】
上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のような脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等のような脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のようなジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0085】
カルボキシル基を有するジオール化合物としては、例えば、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエリア)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
【0086】
その他のジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。
【0087】
その他のジオール化合物としては、上記の他に、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、またはポリカーボネートジオール化合物などを好適なものとして挙げることができる。具体例として下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。具体例中のnは2以上の整数を表す。
【0088】
【化18】
【0089】
本発明に好適なポリウレタン樹脂としては、上記の他に、テトラカルボン酸2無水物をジオール化合物で開環させた化合物から由来される構造単位を基本骨格とするポリウレタン樹脂が挙げられる。構造単位をポリウレタン樹脂中に導入する方法としては、例えば、a)テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させて得られたアルコール末端の化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させる方法、b)ジイソシアネート化合物をジオール化合物過剰の条件下で反応させ得られたアルコール末端のウレタン化合物と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる方法などがある。
【0090】
また本発明のポリウレタン樹脂の分子量は、好ましくは重量平均で1000以上であり、さらに好ましくは5000〜50万の範囲である。
【0091】
[ポリビニルアセタール樹脂]
本発明のポリビニルアセタール樹脂は、特公平7−76832号公報に記載の酸性置換基を導入した変性ポリビニルアセタール樹脂である。具体的には、下記一般式(1)で表されるアルカリ現像液可溶性の樹脂である。
【0092】
【化19】
【0093】
式中、R1 は置換基を有してもよいアルキル基、水素原子、カルボキシル基、またはジメチルアミノ基、R2は置換基を有していないアルキル基、R3はカルボキシル基を有する脂肪族または芳香族炭化水素基、R4は少なくとも一つのヒドロキシル基またはニトリル基を有し、更に他の置換基を有していてもよい脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、n1〜n4は各反復単位のモル%を示し、それぞれ次の範囲である。n1=5〜85、n2=0〜60、n3=0〜20,n4=3〜60,n5=0〜60。
【0094】
上記一般式(1)の樹脂は、第1成分がビニルアセタ−ル成分、第2成分がビニルアルコ−ル成分、第3成分が無置換のエステル成分、第4成分がカルボキシル基を有するエステル成分、第5成分がヒドロキシル基またはシアノ基を有するエステル成分で構成されており、ポリビニルアルコール類をアルデヒドによりアセタール化し、更にその残存−OHと酸無水物とを反応させ、必要に応じて、更に生じたカルボン酸を更にヒドロキシル基またはシアノ基を有するハロゲン化合物と反応させて得られる。
【0095】
上記一般式(1)において、第3成分のR2としては置換基を有していないアルキル基の中でも、特にメチル基、エチル基が好ましい。
第1成分を合成するためのアルデヒド、第4成分を合成するための酸無水物、及び第5成分のためのハロゲン化合物としては、特開平5−43110号公報に記載の化合物が好適に用いられる。
n1は5〜85モル%が好ましく、特に25〜75モル%が好ましい。n4に関しては、3〜60モル%が好ましく、特に10〜55モル%が好ましい。
【0096】
上記ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量は、約5000〜40万が好ましく、より好ましくは約3万〜30万である。
【0097】
[エポキシ樹脂]
本発明のエポキシ樹脂は、下記一般式(2)で表される、フェノール性水酸基がグリシジルエーテル化されたエポキシ基含有ノボラック樹脂である。
【0098】
【化20】
【0099】
式(I)中、Xは、H、ハロゲン原子またはアルキル基であり、このアルキル基としは、炭素数1〜3のアルキル基が挙げられ、これらの中でもH或いはメチル基が好ましい。又、Yは、上記のとおり、H、アルキル基、ハロゲン原子またはハロアルキル基であり、これらのアルキル基とハロアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基とハロアルキル基が挙げられ、これらの中でもH、メチル基或いはトリフルオロメチル基が好ましい。又、XとYは、共同してベンゾ縮合環を形成していても差し支えなく、その例として、2,3−ナフチル環が挙げられる。更に又、n及びmは整数であるが、本発明で用いるエポキシ基含有ノボラック樹脂は、一般に、2〜10の平均核体数のものが適当であり、4〜6の平均核体数のものが好ましい。又、エポキシ基含有核の全核体に占める割合が40〜100%のものが適当であり、70〜100%のものが好ましく、90〜100%のものが更に好ましい。
【0100】
本発明で用いるエポキシ基含有ノボラック樹脂の例として、エポキシ基を含有するフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、キシレノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、炭素数2〜20のアルキル基置換フェノールノボラック樹脂、炭素数1〜20のフルオロアルキル基置換フェノールノボラック樹脂等の各樹脂が挙げられる。主鎖を構成する樹脂が、クレゾールノボラック樹脂、キシレノールノボラック樹脂、或いは炭素数2〜20のアルキル基または炭素数1〜20のフルオロアルキル基置換フェノールノボラック樹脂である場合は、その主鎖を構成する核のクレゾール、キシレノール或いはアルキ基またはフルオロアルキル基置換フェノールは、m−体、p−体などのいずれの異性体でも差し支えなく、又、m−体、p−体などの異性体が混在していても差し支えない。
【0101】
本発明で用いるエポキシ基含有ノボラック樹脂は、所謂ノボラック型エポキシ樹脂として知られ、市販されているエポキシ基含有ノボラック樹脂を適宜選択して用いることができる。
【0102】
[ポリエステル樹脂]
本発明で使用するポリエステル樹脂は、特開平3−9360号公報に記載の、フェノール性水酸基を有するポリエステルまたは変性ポリエステルである。かかるポリエステル樹脂としては、例えば(A)フェノール性水酸基を有するジカルボン酸またはその誘導体を含有するポリカルボン酸成分と、多価アルコール成分から誘導されるフェノール性水酸基を有するポリエステル、(B)フェノール性水酸基を有するジカルボン酸またはその誘導体を含有するポリカルボン酸成分と、多価アルコール成分を反応させて得られるアルコール性水酸基を有するポリエステルを製造し、このポリエステルにフェノール性水酸基よりアルコール性水酸基に対して高い反応性を有する官能基を分子中に2個以上有する化合物(鎖伸長剤)を反応させて得られるフェノール性水酸基を有する変性ポリエステル等が挙げることができる。
【0103】
このフェノール性水酸基を有するポリエステルまたは変性ポリエステルは、必要に応じてポリエステル鎖中に、フェノール性水酸基と反応しない他の結合、例えばウレタン、アミド、ウレイド、エーテル結合などを有していてもよい。
【0104】
フェノール性水酸基を有するジカルボン酸としては、例えば、4−ヒドロキシメチルフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシベンジリデンマロン酸ジエチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。ジオール成分としては、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールなどが挙げられる。また、鎖伸長剤としては、時フェニルテレフタレートが好適である。
かかるポリエステル樹脂は、上記成分を用いて特開平3−9360号公報に記載の方法で合成できる。
【0105】
[ポリマレイミド樹脂]
本発明のポリマレイミド樹脂は、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド単位を有するアルカリ現像液可溶性の共重合体である。なかでも、特開平5−88369号公報に記載のN−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、アクリロニトリル及びモノ(2−メタクリロキシエチル)ヘキサヒドロフタレート共重合体が好ましい。
【0106】
[光を吸収し熱を発生する物質]
本発明の記録層に用いられる光を吸収し熱を発生する物質としては、赤外線を吸収し、熱を発生する物質であれば特に制限はなく用いることができるが、入手容易な高出力レーザへの適合性の観点から、波長760nm〜1200nmに吸収極大を有する赤外線吸収性染料または顔料が好ましく挙げられる。
【0107】
染料としては、市販の染料、例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体、オキソノール染料、ジイモニウム染料、アミニウム染料、クロコニウム染料等の染料が挙げられる。
【0108】
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等の公報、米国特許第4973572号明細書等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクアリリウム色素、英国特許第434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0109】
また、米国特許第5,156,938号名宰相記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号等の公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号の各公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
【0110】
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0111】
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、フタロシアニン染料、オキソノール染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、チオピリリウム染料、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、下記一般式(a)〜一般式(e)で示される染料が光熱変換効率に優れるため好ましく、特に下記一般式(a)で示されるシアニン色素は、本発明の記録層で使用した場合に、アルカリ溶解性樹脂との高い相互作用を与え、且つ、安定性、経済性に優れるため最も好ましい。
【0112】
【化21】
【0113】
一般式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、−X2−L1または下記に構造を示す基を表す。ここで、X2は酸素原子または、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
【0114】
【化22】
【0115】
R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。
【0116】
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za−は、対アニオンを示す。ただし、R1〜R8のいずれかにスルホ基が置換されている場合は、Za−は必要ない。好ましいZa−は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
【0117】
本発明において、好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、以下に例示するものの他、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]〜[0019]、特開2002−40638号公報の段落番号[0012]〜[0038]、特開2002−23360号公報の段落番号[0012]〜[0023]に記載されたものを挙げることができる。
【0118】
【化23】
【0119】
【化24】
【0120】
【化25】
【0121】
【化26】
【0122】
前記一般式(b)中、Lは共役炭素原子数7以上のメチン鎖を表し、該メチン鎖は置換基を有していてもよく、置換基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。Zb+は対カチオンを示す。好ましい対カチオンとしては、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、アルカリ金属カチオン(Ni+、K+、Li+)などが挙げられる。R9〜R14及びR15〜R20は互いに独立に水素原子またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、またはアミノ基から選択される置換基、或いは、これらを2つ若しくは3つ組み合わせた置換基を表し、互いに結合して環構造を形成していてもよい。ここで、前記一般式(b)中、Lが共役炭素原子数7のメチン鎖を表すもの、及び、R9〜R14及びR15〜R20がすべて水素原子を表すものが入手の容易性と効果の観点から好ましい。
【0123】
本発明において、好適に用いることのできる一般式(b)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
【0124】
【化27】
【0125】
【化28】
【0126】
前記一般式(c)中、Y3及びY4は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはテルル原子を表す。Mは、共役炭素数5以上のメチン鎖を表す。R21〜R24及びR25〜R28は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、またはアミノ基を表す。また、式中Za−は対アニオンを表し、前記一般式(a)におけるZa−と同義である。
【0127】
本発明において、好適に用いることのできる一般式(c)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
【0128】
【化29】
【0129】
【化30】
【0130】
前記一般式(d)中、R29〜R32は各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を示す。R33及びR34は各々独立に、アルキル基、置換オキシ基、またはハロゲン原子を示す。n及びmは各々独立に0ないし4の整数を示す。R29とR30、またはR31とR32はそれぞれ結合して環を形成してもよく、またR29及び/またはR30はR33と、またR31及び/またはR32はR34と結合して環を形成しても良く、さらに、R33或いはR34が複数存在する場合に、R33同士あるいはR34同士は互いに結合して環を形成してもよい。X2及びX3は各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基であり、X2及びX3の少なくとも一方は水素原子またはアルキル基を示す。Qは置換基を有していてもよいトリメチン基またはペンタメチン基であり、2価の有機基とともに環構造を形成してもよい。Zc−は対アニオンを示し、前記一般式(a)におけるZa−と同義である。
【0131】
本発明において、好適に用いることのできる一般式(d)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
【0132】
【化31】
【0133】
【化32】
【0134】
前記一般式(e)中、R35〜R50はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基、オニウム塩構造を示す。R36とR37、R40とR41、R44とR45及びR48とR49は、連結して脂肪族環、芳香族環または複素環を形成してもよく、その環は縮合環を有してもよい。Mは2つの水素原子若しくは金属原子、ハロメタル基、オキシメタル基を示すが、そこに含まれる金属原子としては、周期律表のIA、IIA、IIIB、IVB族原子、第一、第二、第三周期の遷移金属、ランタノイド元素が挙げられ、中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、バナジウムが好ましい。
【0135】
本発明において、好適に用いることのできる一般式(e)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
【0136】
【化33】
【0137】
本発明において赤外線吸収剤として使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が挙げられる。
【0138】
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0139】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0140】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。分散物の記録層塗布液中での安定性の点から顔料の粒径は0.01μm以上であることが好ましく、また、記録層の均一性の点から10μm以下であることが好ましい。
【0141】
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0142】
これらの顔料もしくは染料は、記録層の全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合特に好ましくは0.1〜10質量%の割合で添加することができる。顔料もしくは染料の添加量が0.01質量%以上とすることで感度を充分に確保することができ、また50質量%以下の範囲とすることで、記録層の均一性や、記録層の膜強度を維持できる。
【0143】
[ポジ型の記録層]
本発明では、上記の(a)光を吸収し熱を発生する物質、(b)フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂、(c)ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリマレイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂((c)群の樹脂)、及び(d)長鎖アルキル基含有ポリマーを基本成分とする記録層、及び、上記(a)、(b)及び(d)成分を基本成分とする記録層は、赤外線レーザ露光により相互作用が解除されてアルカリ水溶液に対する溶解性が向上するポジ型記録層として感熱性平版印刷版に適用される。後者の(a)、(b)及び(d)を基本成分とする記録層は、(c)群の樹脂を含有する下層と重層構成で用いられる。
【0144】
重層構成の下層は、必要に応じて適宜、上記(a)、(b)、及び前記の[その他のアルカリ可溶性樹脂]を含有することができる。
【0145】
また、本発明においては、上記記録層に、熱によって酸を発生する化合物(酸発生剤)、及び発生した酸を触媒として化学結合を開裂してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する化合物(酸分解性化合物)とからなる酸触媒分解型のアルカリ可溶化システムを加えることができる。
【0146】
[酸分解性化合物]
本発明において、酸を触媒として化学結合を開裂してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する化合物とは、分子内に酸で分解し得る結合基を有する化合物と言い代えることができる。このような化合物としては、特開平9−171254号公報に記載の「酸で分解し得る結合を少なくとも1つ有する化合物」を用いることができる。酸で分解し得る結合としては、例えば、アセタール結合またはケタール結合等を好ましいものとして挙げることができる。
このような化合物中、感度及び現像性の観点から、下記一般式(A)で表される化合物を用いることがより好ましい。
【0147】
【化34】
【0148】
一般式(A)中、R1、R2及びR3は、各々水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、スルホ基、カルボキシル基またはヒドロキシル基を表し、p、q及びrは、各々1〜3の整数を表し、m及びnは、各々1〜5の整数を表す。
【0149】
一般式(A)において、R1、R2およびR3が表すアルキル基は直鎖でも分岐でもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられ、スルホ基およびカルボキシル基はその塩を包含する。一般式(A)で表される化合物のうち、mおよびnが1または2である化合物が特に好ましい。一般式(A)で表される化合物は公知の方法で合成することができる。
【0150】
その他、本発明に適用し得る酸分解性化合物としては、特開昭48−89603号、同51−120714号、同53−133429号、同55−12995号、同55−126236号、同56−17345号の各公報に記載のC−O−C結合を有する化合物、特開昭60−37549号、同60−121446号の各公報に記載のSi−O−C結合を有する化合物、特開昭60−3625号、同60−10247号の各公報に記載されているその他の酸分解化合物を挙げることができ、更に特開昭62−222246号公報に記載されているSi−N結合を有する化合物、特開昭62−251743号公報に記載されている炭酸エステル、特開昭62−209451号公報に記載されているオルト炭酸エステル、特開昭62−280841号公報に記載されているオルトチタン酸エステル、特開昭62−280842号公報に記載されているオルトケイ酸エステル、特開昭63−010153号、特開平10−55067号、同10−111564号、同10−87733号、同10−153853号、同10−228102号、同10−268507号、同282648号、同10−282670号の各公報、欧州特許第0884547号明細書に記載されているアセタール、ケタールおよびオルトカルボン酸エステル、特開昭62−244038号公報に記載されているC−S結合を有する化合物を用いることが出来る。
【0151】
上記酸分解性化合物の中でも特に、特開昭53−133429号、同56−17345号、同60−121446号、同60−37549号、同62−209451号、同63−010153号、特開平10−55067号、同10−111564号、同10−87733号、同10−153853号、同10−228102号、同10−268507号、同282648号、同10−282670号の各公報、欧州特許第0884547号明細書に記載されているC−O−C結合を有する化合物、Si−O−C結合を有する化合物、オルト炭酸エステル、アセタール類、ケタール類およびシリルエーテル類が好ましい。
この酸分解性化合物の中でも、主鎖中に繰り返しアセタールまたはケタール部分を有し、アルカリ現像液中でその溶解度が発生した酸により上昇する高分子化合物が好ましく用いられる。
【0152】
これらの酸分解性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、添加量としては、記録層全固形分に対し5〜70質量%、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜35質量%の割合で層中に添加される。
【0153】
[酸発生剤]
光または熱により酸を発生する化合物(酸発生剤)とは、赤外線の照射や、100℃以上の加熱によって分解し酸を発生する化合物を指す。発生する酸としては、スルホン酸、塩酸等のpKaが2以下の強酸であることが好ましい。
【0154】
本発明において好適に用いられる酸発生剤としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。具体的には、米国特許第4,708,925号明細書や特開平7−20629号公報に記載されている化合物を挙げることができる。特に、スルホン酸イオンを対イオンとするヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩が好ましい。ジアゾニウム塩としては、米国特許第3,867,147号明細書記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,632,703号明細書記載のジアゾニウム化合物や特開平1−102456号公報および特開平1−102457号公報に記載されているジアゾ樹脂も好ましい。また、米国特許第5,135,838号明細書や米国特許第5,200,544号明細書に記載されているベンジルスルホナート類も好ましい。更に、特開平2−100054号、特開平2−100055号および特開平9−197671号の各公報に記載されている活性スルホン酸エステルやジスルホニル化合物類も好ましい。他にも、特開平7−271029号公報に記載されている、ハロアルキル置換されたS−トリアジン類も好ましい。
【0155】
本発明における酸発生剤の含有量は、その化学的性質および本発明の記録層の組成あるいは物性によって広範囲に変えることができるが、記録層固形分に対して約0.1〜約20質量%の範囲が適当であり、好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。
【0156】
[その他の添加成分]
上記の本発明の記録層には、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。また、これらの添加剤は、重層系の下層にも必要に応じて適宜、記録層への添加量に準じて添加することができる。
【0157】
例えば、他のオニウム塩、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物、多官能アミン化合物等、添加するとアルカリ水可溶性高分子(アルカリ可溶性樹脂)の現像液への溶解阻止機能を向上させるいわゆる溶解抑止剤を添加することが好ましく、中でも、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、スルホン酸アルキルエステル等の熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することが、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図る点で好ましい。分解性溶解抑止剤としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アンモニウム塩等のオニウム塩及び、o−キノンジアジド化合物が好ましく、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩のオニウム塩がより好ましい。
【0158】
本発明において用いられるオニウム塩として、好適なものとしては、例えばS.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書、特開平3−140140号、特開2002−229186号の各公報に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第5,041,358号、同第4,491,628号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同5,041,358号、同4,491,628号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等があげられる。
これらのオニウム塩の中でも、溶解阻止能や熱分解性の観点から、ジアゾニウム塩が特に好ましい。特に、特開平5−158230号公報に記載の一般式(I)で示されるジアゾニウム塩や特開平11−143064号公報に記載の一般式(1)で示されるジアゾニウム塩が好ましく、可視光領域の吸収波長が小さい特開平11−143064号公報に記載の一般式(1)で示されるジアゾニウム塩が最も好ましい。
【0159】
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適である。
【0160】
好適なキノンジアジド類としてはo−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により結着剤の溶解抑制能を失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により感材系の溶解性を助ける。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley&Sons.Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステルまたはスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライドまたはナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号明細書に記載されているベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライドまたはナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
【0161】
さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開昭48−63803号、特開昭48−96575号、特開昭49−38701号、特開昭48−13354号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481号などの各公報、米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号などの各明細書中に記載されているものをあげることができる。
【0162】
分解性溶解抑止剤であるオニウム塩、及び/または、o−キノンジアジド化合物の添加量は好ましくは記録層の全固形分に対し、1〜10質量%、更に好ましくは1〜5質量%、特に好ましくは1〜2質量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
【0163】
o−キノンジアジド化合物以外の添加剤の添加量は、好ましくは0.1〜5質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%、特に好ましくは0.1〜1.5質量%である。本発明に係る添加剤と結着剤は、同一層へ含有させることが好ましい。
【0164】
また、分解性を有さない溶解抑止剤を併用してもよく、好ましい溶解抑止剤としては、特開平10−268512号公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル、燐酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミン、芳香族エーテル等、同じく特開平11−190903号公報に詳細に記載されているラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有し着色剤を兼ねた酸発色性色素、同じく特開2000−105454号公報に詳細に記載されている非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
【0165】
また別の添加剤としては、感度を向上させる目的で、環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類を併用することができる。また、後述する界面活性剤、画像着色剤、及び、可塑剤も使用可能な添加剤である。
【0166】
環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4’’−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,3’’,4’’−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。更に、有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類などが挙げられる。
【0167】
上記の環状酸無水物、フェノール類及び有機酸類の記録層中に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
【0168】
また、これら以外にも、本発明者らが先に提案した特開平11−160860号公報に記載のアルカリ溶解抑制作用を有する架橋性化合物等を目的に応じて適宜添加することができる。
【0169】
また、本発明に係る記録層塗布液中には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、欧州特許第950517号明細書に記載されているようなシロキサン系化合物、特開平11−288093号公報に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、DBE−224,DBE−621,DBE−712,DBP−732,DBP−534、独Tego社製、Tego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンを挙げることが出来る。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
【0170】
また、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を発生する化合物(光酸発生剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0171】
画像の着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料を挙げることができる。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。これらの染料は、記録層全固形分に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で記録層中に添加することができる。
【0172】
更に、記録層中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
【0173】
[感熱性平版印刷版の形成]
本発明の感熱性平版印刷版は、通常上記の成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより形成される。
用いられる溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。
【0174】
また、塗布に用いる溶剤としては、原則的に、記録層上層に用いるアルカリ可溶性樹脂と下層に用いる樹脂に対して溶解性の異なるものを選ぶことが好ましいが、積極的に部分相溶を行うことも可能である。
【0175】
2つの層を分離して形成する場合の方法としては、例えば、下層に含まれる樹脂と上層に含まれるアルカリ可溶性樹脂との溶剤溶解性の差を利用する方法、記録層上層を塗布した後、急速に溶剤を乾燥、除去させる方法等が挙げられる。以下、これらの方法について詳述するが、2つの層を分離して塗布する方法はこれらに限定されるものではない。
【0176】
下層に含まれる樹脂と上層に含まれるアルカリ可溶性樹脂との溶剤溶解性の差を利用する方法は、アルカリ可溶性樹脂を塗布する際に、下層に含まれる樹脂類のいずれもが不溶な溶媒系を用いるものである。これにより、二層塗布を行っても、各層を明確に分離して塗膜にすることが可能になる。例えば、メチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノ−ル等のアルカリ可溶性樹脂を溶解する溶剤に不溶な下層成分を構成する特定モノマーを共重合成分として含む共重合体を選択し、該下層成分を構成する共重合体を溶解する溶剤系を用いて該共重合体主体とする下層を塗布・乾燥し、その後、アルカリ可溶性樹脂を主体とする上層をメチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノ−ル等下層成分を溶解しない溶剤を用いて塗布することにより二層化が可能になる。
【0177】
一方、二層目を塗布後に極めて速く溶剤を乾燥させる方法は、帯状支持体の走行方向に対してほぼ直角に設置したスリットノズルより高圧エア−を吹き付けることや、蒸気等の加熱媒体を内部に供給されたロ−ル(加熱ロ−ル)より帯状支持体の下面から伝導熱として熱エネルギ−を与えること、あるいはそれらを組み合わせることにより達成できる。
2つの層を部分的に相溶させる方法としては、上記溶剤溶解性の差を利用する方法、2層目を塗布後に極めて速く溶剤を乾燥させる方法何れにおいても、その程度を調整することによって可能となる。
【0178】
塗布液中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
記録層上層塗布時に下層へのダメージを防ぐため、記録層上層の塗布方法は非接触式であることが望ましい。また接触型ではあるが溶剤系塗布に一般的に用いられる方法としてバーコーター塗布を用いることも可能であるが、下層へのダメージを防止するために順転駆動で塗布することが望ましい。
【0179】
本発明の記録層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、記録層全固形分中0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0180】
この感熱性平版印刷版の下層の乾燥後塗布量は、0.5〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.6〜2.5g/m2の範囲である。この範囲内で、良好な耐刷性、画像再現性及び感度が得られる。
また記録層上層の乾燥後塗布量は0.05g/m2〜1.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.08〜0.7g/m2の範囲である。この範囲内で、良好な現像ラチチュード、耐傷性、及び感度が得られる。
上下層を合わせた塗布量及び単層系での塗布量としては、0.6g/m2〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.7〜2.5g/m2の範囲である。この範囲内で、良好な耐刷性、画像再現性及び感度が得られる。
【0181】
[支持体]
本発明の感熱性平版印刷版に使用される支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物が挙げられ、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。
【0182】
本発明の支持体としては、ポリエステルフィルムまたはアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。
【0183】
本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0184】
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0185】
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなり、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなったりする。陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるかまたは電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0186】
[下塗層]
本発明に適用される感熱性平版印刷版は、必要に応じて支持体と記録層または下層との間に下塗層を設けることができる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
【0187】
また、下塗層にオニウム基を有する化合物を含有することも好ましい。オニウム基を有する化合物は、特開2000−10292号、特開2000−108538号、特開2000−241962号等の公報に詳述されている。
なかでも好ましいものとして、ポリ(p−ビニル安息香酸)などで代表される構造単位を分子中に有する高分子化合物群の中から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。具体例としては、p−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリエチルアンモニウム塩との共重合体、p−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドとの共重合体などが挙げられる。
【0188】
この有機下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の濃度0.005〜10質量%溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、感熱性平版印刷版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。この範囲内で良好な耐刷性が得られる。
【0189】
[バックコート層]
本発明の感熱性平版印刷版の支持体裏面には必要に応じてバックコートを設けることができる。かかるバックコートとしては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物、及び特開平6−35174号公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物などの被覆層が挙げられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4などのケイ素のアルコキシ化合物が安価で入手しやすく、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液に優れており、特に好ましい。
【0190】
[製版方法]
本発明の感熱性平版印刷版は熱により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
【0191】
露光された本発明の感熱性平版印刷版は、現像処理及びフィニッシャーや保護ガムなどによる後処理を施されて印刷版となる。これらの処理には、公知の自動現像機などの処理機器を用いることができる。
本発明の感熱性平版印刷版の現像処理及び後処理に用いられる処理剤としては、公知の処理剤の中から適宜選択して用いることができる。
【0192】
好適な現像液としては、pHが9.0〜14.0の範囲、好ましくは12.0〜13.5の範囲にある現像液である。現像液には、従来から知られているアルカリ水溶液が使用できる。上記のアルカリ水溶液のうち、特に好適な現像液として、塩基としてケイ酸アルカリを含有した、または塩基にケイ素化合物を混ぜてケイ酸アルカリとしたものを含有した、従来から良く知られている所謂「シリケート現像液」と呼ばれるpH12以上の水溶液、及び、特開平8−305039号、特開平11−109637号公報等に記載の、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖(緩衝作用を有する有機化合物)と塩基とを含有した所謂「ノンシリケート現像液」が挙げられる。
また、上記現像液には、アニオン界面活性剤及び/または両性界面活性剤が含有されることが、現像促進及び滓の発生防止の点から好ましい。
【0193】
本発明の平版印刷版をバーニング処理する場合は、バーニング整面液を用い、バーニングプロセッサーなどを用いて行う従来から知られている方法で行うことが好ましい。
【0194】
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0195】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0196】
[実施例で用いた(c)群の樹脂]
A:ポリウレタン樹脂(下記合成例1のもの)
B:ポリビニルブチラール樹脂(下記合成例2のもの)
C:エポキシ樹脂
ポリ(フェニルグリシジルエーテル−コ−ホルムアルデヒド)
シグマ−アルドリッチ社製、Mn570、平均エポキシ基含有量 3.6個/mol
D:ポリエステル樹脂(下記合成例3のもの)
E:マレイミド樹脂(下記合成例4のもの)
【0197】
(合成例1:ポリウレタン樹脂)
コンデンサー、撹拌機を備えた500mlの3つ口丸底フラスコに2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸12.1g (0.09モル)、No.5のジオール化合物([ポリウレタン樹脂]の項に記載。水酸基価56.9mgKOH/g。)20.0g (0.01モル)をN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解した。これに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート20.0g (0.08モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート3.4g (0.02g )を添加し、100℃にて5時間加熱撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド200ml及びメチルアルコール400mlにて希釈した。反応溶液を水4リットル中に撹拌しながら投入し、白色のポリマーを析出させた。このポリマーを濾別し、水で洗浄後、真空下乾燥させることにより45g のポリマーを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、重量平均(ポリスチレン標準)で50,000であった。さらに滴定により、カルボキシル基含有量(酸価)を測定したところ、1.70meq/gであった。
【0198】
(合成例2:ポリビニルブチラール樹脂)
温度計、還流冷却器、撹拌器を備えた容量1Lの三つ口丸底フラスコでN2 雰囲気下、ポリビニルブチラ−ル(電気化学工業製デンカブチラ−ル#2000−L,PVAc:2wt%、PVA:21wt%、PVB:77wt%、平均重合度:約300)20gをN,N−ジメチルホルムアミド200gに100℃にて加熱溶解した後、無水フタル酸14.1g、4−ジメチルアミノピリジン1.16gを加え4時間反応させた。反応後冷却し、この溶液にメタノ−ル200g添加した後、この反応液を水3L中に撹拌しながら少しずつ加え、ポリマ−を析出させた。その後、濾過した固体を水2Lとメタノ−ル210gの混合液にて洗浄し、この固体を真空乾燥することによって下記式で表されるポリマ−26gを得た。酸価は1.91meq/gであった。但し、上記PVAc:ポリビニルアセテ−ト単位、PVA:ポリビニルアルコ−ル単位、PVB:ポリビニルブチラ−ル単位を示す。
【0199】
【化35】
【0200】
(合成例3:ポリエステル樹脂)
4−ヒドロキシフタル酸ジメチル210g(1モル)、ビスフェノールA(1モル)のエチレンオキシド(2.2モル)付加体324g(1モル)及びエチレングリコール(1モル)の混合物を触媒(ジブチル錫オキサイド3.0g)と共に撹拌装置、窒素ガス導入管、温度計及び留出管を備えた反応器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しつつ190℃に加熱して反応を開始した。その後3時間に亘って加熱、撹拌を続け反応により生成するアルコールの留出が止まった後、同温度で反応器内の圧力を徐々に減じて1mmHgとした。更に同減圧下で、約3時間に亘って更に加熱撹拌を続け、留出物を留去した後、反応器内の圧力を窒素ガスで常圧まで戻し、生成した樹脂を取り出した。
上記で合成した樹脂(100g)を180℃に加温し、撹拌しながら鎖伸長剤ジフェニルテレフタレート8.0gを仕込み、再び反応器内の圧力を1mmHgとし、180℃2時間に亘って撹拌を続け、副生するフェノールを留出した後、常圧まで戻して、生成した樹脂を取り出した。この樹脂は、重量平均分子量は43,200、フェノール性水酸基の含有量2.0(モル/kg)であった。
【0201】
(合成例4:マレイミド樹脂)
撹拌機と冷却管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、反応溶媒N,N−ジメチルホルムアミド200gと、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド 50g、 アクリルニトリル 45g、及びモノ(2−メタクリロキシエチル)ヘキサヒドロフタレート 5gの混合物を加えた。フラスコ内を90℃に加温してから、アゾビスイソブチロニトリル0.4gを加えて、窒素ガス置換したのち、90℃で5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を10リットルの水に投入したのち、ろ過、乾燥して、マレイミド樹脂を得た。
【0202】
[実施例で用いた長鎖アルキル基含有ポリマー]
(合成例5:長鎖アルキル基含有ポリマーF)
コンデンサー、攪拌機を取り付けた1000ml三口フラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール59gを入れ、80℃に加熱した。窒素気流下、n−メタクリル酸ステアリル42.0g、メタクリル酸16.0g、重合開始剤V−601(和光純薬製)0.714g及び1−メトキシ−2−プロパノール59gからなる溶液を2時間半かけて滴下した。更に、80℃で2時間反応させた。反応混液を室温に冷却して、1000mlの水に反応液を注ぎ込んだ。デカンテーション後、メタノールで洗浄し、得られた液状生成物を減圧乾燥することで長鎖アルキル基含有ポリマーA73.5gを得た。ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、重量平均分子量を測定した結果、66,000であった。
【0203】
(合成例6:長鎖アルキル基含有ポリマーG)
コンデンサー、攪拌機を取り付けた1000ml三口フラスコに、1−メトキシー2−プロパノール 56.0gを入れ、80℃に加熱した。窒素気流下、n−メタクリル酸ドデシル50.9g、メタクリル酸 4.3g、重合開始剤V−601(和光純薬製)0.576g及び1−メトキシ−2−プロパノール56.0gからなる溶液を2時間半かけて滴下した。更に、80℃で2時間反応させた。反応混液を室温に冷却して、1000mlの水中に反応液を注ぎ込んだ。デカンテーション後、メタノールで洗浄し、得られた液状生成物を減圧乾燥することで長鎖アルキル基含有ポリマーB58.2gを得た。ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、重量平均分子量を測定した結果、60,000であった。
【0204】
[支持体の作製]
(a)機械的粗面化処理
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質:JIS A 1050)を比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は一本目250rpm、二本目及び三本目200rpmであった。
【0205】
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度5質量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
【0206】
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
【0207】
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で175C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
【0208】
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をNaOH濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板の溶解量は0.5g/m2に設定した。前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
【0209】
(f)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度25質量%水溶液で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
【0210】
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
【0211】
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をNaOH濃度5質量%、アルミニウムイオン濃度0.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
【0212】
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
【0213】
(j)陽極酸化処理
電解液としては、硫酸を用いた。いずれも硫酸濃度150g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度は43℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電流密度はともに約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.5g/m2であった。
【0214】
(k)シリケート処理
温度35℃の3号珪酸ソーダ水溶液で、ディップによるシリケート処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
【0215】
<支持体X>
上記(a)〜(k)の各工程を順に行い支持体Xを作製した。(e)工程でのアルミニウム板の溶解量は0.5g/m2に設定した。
【0216】
<支持体Y>
上記工程のうち(a)、(g)、(h)及び(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体Yを作製した。(e)工程でのアルミニウム板の溶解量は3.5g/m2に変更した。
【0217】
<支持体Z>
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質:JIS A 1050)を苛性ソーダ濃度30g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温60℃で10秒間エッチング処理を行い、流水で水洗し、10g/l硝酸で中和洗浄後、水洗した。これを印加電圧Va=20Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて、塩化水素濃度15g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温30℃の水溶液中で、500C/dm2の電気量で電気化学的な粗面化処理を行い水洗後、苛性ソーダ濃度30g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温40℃で10秒間エッチング処理を行い、流水で水洗した。次に、硫酸濃度15質量%、液温30℃の硫酸水溶液中でデスマット処理を行い水洗した。さらに、液温20℃の10質量%硫酸水溶液中、直流にて電流密度6A/dm2の条件下で、陽極酸化皮膜量が2.5g/m2相当となるように陽極酸化処理し、水洗、乾燥した。その後、珪酸ナトリウム1.0質量%水溶液で30℃において10秒間処理し、支持体Zを作製した。この支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.48μmであった。
【0218】
(下塗り処理)
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体X, Y, Z上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80℃で15秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は15mg/m2であった。
【0219】
<下塗り液組成>
・下記高分子化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1.0g
【0220】
【化36】
【0221】
実施例1〜18及び比較例1〜12
[感熱性平版印刷版の作製]
上記のようにして得られた支持体(X、Y、Z)、下記の2種の記録層(α、β)、記録層に含まれる(c)群の樹脂及び長鎖アルキル基含有ポリマーを表1に記載のように組み合わせて、実施例及び比較例の感熱性平版印刷版を作製した。
【0222】
(1)記録層αを有する感熱性平版印刷版
下塗り付支持体上に下記組成の下層用塗布液を、ウェット塗布量が18.75ml/m2のワイヤーバーで塗布し、140℃の乾燥オーブンで50秒間乾燥し、乾燥塗布量0.85g/m2の下層を設けた。
得られた下層の上に、下記組成の上層用塗布液2を、ウェット塗布量が18.75ml/m2のワイヤーバーで塗布を行い、塗布後、乾燥オーブンで、140℃で60秒間乾燥し、重層系記録層α(下層+上層の乾燥塗布量1.10g/m2)を有するポジ型感熱性平版印刷版を作製した。
【0223】
<下層用塗布液>
・表1に記載の(c)群の樹脂 2.133g
・シアニン染料(本明細書記載のIRa−7) 0.082g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.190g
・ビスフェノールスルフォネート 0.126g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・エチルバイオレットの対アニオンを 0.078g
6−ヒドロキシナフタレンスルホナートに変えたもの
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン 0.032g
ヘキサフルオロホスフェート
・フッ素系界面活性剤 0.035g
(メガファックF−780、大日本インキ工業工業(株)製30%溶液)
・メチルエチルケトン 25.41g
・1−メトキシ−2−プロパノール 12.97g
・γブチロラクトン 13.18g
【0224】
<上層用塗布液2>
・クレゾールノボラック樹脂 0.35g
(PR−54046、住友ベークライト(株)製)
・表1に記載の長鎖アルキル含有樹脂 0.03g
・シアニン染料(本明細書記載のIRa−7) 0.019g
・下記構造の高分子(化合物X) 0.042g
・下記構造の化合物(化合物Y) 0.0043g
・フッ素系界面活性剤 0.015g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製30%溶液)
・フッ素系界面活性剤 0.0033g
(メガファックF−781、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 10.17g
・1−メトキシ−2−プロパノール 21.00g
【0225】
【化37】
【0226】
(2)記録層βを有する感熱性平版印刷版
下塗り付支持体上に以下の記録層用塗布液3を塗布し、150℃のオーブンで1分乾燥後、乾燥塗布量が1.8g/m2のポジ型記録層βを有する感熱性平版印刷版を作製した。
【0227】
<記録層用塗布液3>
・m,p−クレゾールノボラック 0.14g
(m/p比=6/4、重量平均分子量7700、
未反応クレゾール0.5質量%含有)
・表1に記載の(c)群の樹脂 0.80g
・表1に記載の長鎖アルキル基含有ポリマー 0.09g
・シアニン染料(本明細書記載のIRa−7) 0.03g
・シアニン染料(本明細書記載のIRa−8) 0.01g
・2,4,6−トリス(ヘキシルオキシ)ベンゼンジアゾニウム
−2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンー5−スルホネート
0.01g
・p−トルエンスルホン酸 0.002g
・エチルバイオレット 0.015g
・フッ素系界面活性剤 0.02g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 17g
・1−メトキシ−2−プロパノール 5g
【0228】
[感熱性平版印刷版の評価]
上記のようにして作製した感熱性平版印刷版を、下記のように調液した現像液を用いて感度、耐傷性、現像ラチチュード及び耐刷性について評価し、結果を表1に示した。評価は、下記の評価方法に従って行った。
【0229】
(現像液の調液)
以下の比率からなる水溶液を調整した。その後、記録層α、βの感熱性平版印刷版をCreo社製Trendsetter3244にて書き込み回転数を150rpm、8Wで全面露光した後、30℃12秒浸漬現像を行ったときに、露光部で残膜が観測されなくようにアルカリ剤(KOH)の濃度を調整して作製した。
【0230】
<アルカリ現像液A組成>
・D−ソルビット/K2O(1/1(モル比)) 5.0質量%
・クエン酸3カリウム 10.0質量%
・ラウリルアミノジカルボン酸ナトリウム 1.0質量%
【0231】
<アルカリ現像液B組成>
・SiO2・K2O(K2O/SiO2=1/1(モル比)) 4.0質量%
・クエン酸3カリウム 0.5質量%
・ポリエチレングリコールラウリルエーテル 0.5質量%
(重量平均分子量1,000)
・ラウリルアミノジカルボン酸ナトリウム 1.0質量%
(N−ラウリル−N,N−ジ(エチルカルボン酸ナトリウム)
アミン、商品名:竹本油脂製 パイオニンC158)
【0232】
(感度の評価)
上記の感熱性平版印刷版をCreo社製Trendsetter3244にて書き込み回転数を150rpmに固定し、レーザ出力を3〜8Wで0.25W刻みで露光エネルギーを変えて描き込みを行った。その後、LP−940H(富士写真フイルム(株)製自動現像機)の現像処理浴に上記現像液を仕込み、第3浴目には、FG−1(富士写真フイルム(株)製)を1部に対し水 1部で希釈したフィニシングガム液を8リットル仕込んだ。現像スピードは、現像時間12秒になるように設定した。現像液で非画像部が現像できる露光量(ドラム回転速度150rpmのときのビーム強度)を測定し、感度とした。数値が小さいほど高感度であると評価する。
【0233】
(耐傷性の評価)
上記のように作製した感熱性平版印刷版を、HEIDON社製 Scratching TESTER HEIDON−14を用い、引掻き針として0.4mmRダイヤ針を用い、針上の荷重を変化させながら400mm/minの速さで記録層表面を引掻いた。引掻いた後の感熱性平版印刷版に上記の現像処理を行い、傷による残膜が目視で観測された荷重(単位g)を耐傷性の評価値とした。値が大きい程、傷残膜が生じにくく耐傷性に優れていることを示している。
【0234】
(現像ラチチュードの評価)
得られた感光性平版印刷版を温度25℃相対湿度50%の条件下で5日間保存した後に、Creo社製Trendsetter3244にてビーム強度9.0W、ドラム回転速度150rpmでテストパターンの描き込みを行った。
その後、上記アルカリ現像液A組成及びB組成のアルカリ量(KOH)を変更することにより、電導度を変化させたものを仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサー940Hを用い、液温を30℃に保ち、現像時間12秒で現像した。この時、画像部が溶出されず、かつ、現像不良の記録層残膜に起因する汚れや着色がなく良好に現像が行えた現像液の電導度の一番高いものと、一番低いものの差を現像ラチチュードとして評価した。その結果を表1に示す。
【0235】
(耐刷性の評価)
上記現像ラチチュードの評価において良好に現像が行えた電導度を有する現像液で現像した平版印刷版を用いて、ハイデルベルグ社製印刷機KOR−Dで上質紙に印刷を行った。5000枚印刷毎にクリーナ−液(富士写真フイルム(株)製「プレートクリーナーCL2」)で版面を拭きながら印刷した。それぞれの最終印刷枚数を表1に示した。ここでの最終印刷枚数とは、平版印刷版の画像部が膜ベリを起こし、部分的にインキが着かなくなる、いわゆる版飛びを起こすまでの枚数である。
【0236】
【表1】
【0237】
表1において、(c)群樹脂欄のPは、PR−54046(住友ベークライト(株)製、クレゾールノボラック樹脂)を示す。
【0238】
以上の結果から、本発明の実施例の感熱性平版印刷版は、実用上十分な現像ラチチュードと耐刷性を有し、さらに、良好な耐傷性及び感度を有することが明らかである。一方、(c)群の樹脂または長鎖アルキル基含有ポリマーを含まない比較例の感熱性平版印刷版では、評価項目のいずれかに欠点が見られた。
【0239】
【発明の効果】
本発明によれば、実用上十分な現像ラチチュードと耐刷性を有し、さらに、良好な耐傷性及び感度を有する感熱性平版印刷版を提供できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a lithographic printing plate material, and more particularly, a heat-sensitive lithographic printing plate for infrared laser for so-called direct plate making, in which a digital image signal produced and output by a computer can be recorded with an infrared laser beam and made directly. About.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a system for directly making a plate from digital data of a computer includes (1) an electrophotographic method, (2) a photopolymerization method such as Ar ion laser exposure, and (3) a silver salt emulsion on a photosensitive resin layer. Those in which layers are laminated, and (4) those utilizing silver salt diffusion transfer are known.
However, the method using the electrophotographic method (1) requires complicated processes such as charging, exposure, and development, and the apparatus is complicated and large. In addition, the methods (2), (3), and (4) have visible light photosensitivity and are difficult to handle in a bright room. Further, the methods (3) and (4) have the disadvantage that the processing becomes complicated and the cost is increased because silver salt is used.
[0003]
On the other hand, the development of lasers in recent years has been remarkable, and in particular, solid-state lasers / semiconductor lasers having a light emitting region from near infrared to infrared have become readily available for high-power and small-sized devices. These lasers are very useful as an exposure light source when directly making a plate from digital data such as a computer.
[0004]
As a lithographic printing plate material for direct plate making using such an infrared laser, there is a positive lithographic printing plate material having an image recording layer containing an aqueous alkali-soluble resin having a phenolic hydroxyl group such as a cresol novolak resin and an infrared absorber. Proposed. In this positive type lithographic printing plate material, the association state of the cresol novolak resin changes due to the action of heat generated by the infrared absorber in the exposed area, resulting in a difference in solubility (dissolution rate difference) from the unexposed area. Is used to develop and form an image. However, since the difference in dissolution rate is small, there is a problem that the actual plate making operation is easily affected by a slight change in alkali activity and lacks stability, that is, the development latitude is narrow.
In addition, Novolac resin is a rigid and low film density film. The difference in dissolution rate between exposed and unexposed areas is small. In this system, only a slight load is applied to the surface of the photosensitive material, and image loss occurs during development. It had the problem of doing.
[0005]
In view of the above circumstances, development of a technique for enlarging the development latitude with an alkali dissolution inhibitor (dissolution inhibitor) has been actively conducted in recent years. For example, in Patent Document 1 (Japanese Patent Laid-Open No. 7-285275), a substance that absorbs light and generates heat, various onium salts, and quinonediazide compounds in an aqueous alkali-soluble resin having a phenolic hydroxyl group such as a novolak resin. Etc. have been proposed.
In this image recording material, onium salts, quinonediazide compounds, etc. act as a dissolution inhibitor that substantially lowers the solubility of the aqueous alkali-soluble resin in the image area, and decomposes by heat as a dissolution inhibitor in the non-image area. Does not work and forms an image. However, in this image recording material, since onium salts, quinonediazide compounds, and the like have a light absorption range (350 to 500 nm) in the visible range, there is an inconvenience that the handling place is limited to yellowish wrinkles. In addition, in order to make the obtained printing plate usable for a longer period of time, it is necessary to be able to reuse it after washing with a solvent such as a cleaner solution. When the cleaner liquid is used, there is a problem that printing durability is lowered.
[0006]
Patent Document 2 (WO 98/42507 pamphlet) proposes the use of a compound having a non-photosensitive hydrogen bonding group as a dissolution inhibitor for developing latitude expansion. However, this method of suppressing the solubility by hydrogen bonds is liable to cause a decrease in sensitivity and deterioration of the suitability for baking because hydrogen bonds dissociated by exposure cause a reverse reaction over time after exposure. Furthermore, since the number of hydrogen-bonding sites fluctuates depending on the aging conditions even before exposure, there was a fatal defect that the alkali activity of the developer that can be developed changes.
[0007]
Further, Patent Document 3 (Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-190903) discloses alkali insolubility by using the interaction between a novolak and a dye having an acid dissociable lactone skeleton such as crystal violet lactone (CVL). A technique is described in which the discrimination (contrast between the image portion and the non-image portion) is expanded by being easily released when heat is applied. However, the interaction between CVL and Novolak requires heating in a humidity-controlled environment under certain conditions after coating and drying, and the degree of interaction changes with natural aging, and the sensitivity increases. It had the disadvantage of not being stable.
[0008]
As described above, in the conventionally known positive lithographic printing plate material for infrared laser for direct plate making, if it is intended to improve the discrimination between the image portion and the non-image portion, solvent resistance, visible light safety, It was in a situation where there were no attendant characteristics necessary for practical use, such as durability and manufacturing stability.
[0009]
On the other hand, a technique for improving the printing durability of a photosensitive lithographic printing plate by adding a polyurethane resin having a hydrophilic group, a polyvinyl acetal resin, a polyester resin, or a polymaleimide resin to a recording layer containing an aqueous alkali-soluble resin Are disclosed in JP-A-7-76832, JP-A-5-281718, JP-A-3-9360, JP-A-5-88369. Etc.).
The inventor has also found that a heat-sensitive lithographic printing plate using an epoxy resin is effective in improving the printing durability (see Japanese Patent Application No. 2001-371533). However, even in the heat-sensitive lithographic printing plate of the above technique, no significant improvement was observed in scratch resistance, which was insufficient.
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-7-285275
[Patent Document 2]
International Publication No. 98/42507 Pamphlet
[Patent Document 3]
JP-A-11-190903
[Patent Document 4]
Japanese Patent Publication No. 7-76832
[Patent Document 5]
JP-A-5-281718
[Patent Document 6]
Japanese Patent Laid-Open No. 3-9360
[Patent Document 7]
JP-A-5-88369
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the present invention is to solve the above-mentioned problems, and has a sufficiently practical sensitivity, development latitude, printing durability, and a heat-sensitive lithographic plate that can be directly made using an infrared laser having good scratch resistance. To provide a print version.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor has disclosed a recording layer in which a specific resin and an alkaline aqueous solution-soluble resin having a phenolic hydroxyl group are mixed in a heat-sensitive lithographic printing plate, or a layer containing these resins and an alkaline aqueous solution-soluble resin having a phenolic hydroxyl group. It has been found that the use of a recording layer in which a layer containing a silver halide layer increases the difference in dissolution rate between the exposed area and the unexposed area, thereby increasing the development stability, and the present invention has been completed.
That is, the present invention is as follows.
[0013]
1. A heat-sensitive lithographic printing plate comprising a recording layer containing the following (a) to (d):
(A) A substance that absorbs light and generates heat.
(B) An aqueous alkali-soluble resin having a phenolic hydroxyl group.
(C) At least one resin selected from polyurethane resin, polyvinyl acetal resin, epoxy resin, polyester resin, and polymaleimide resin.
(D) A long-chain alkyl group-containing polymer.
[0014]
The detailed reason why the difference in dissolution rate between the exposed part and the unexposed part increases due to the constitution of the present invention is unclear, but the polyurethane is compatible with an aqueous alkaline solution-soluble resin having a phenolic hydroxyl group which is rigid and inferior in film property by hydrogen bonding. Resin, polyvinyl acetal resin, polyester resin, or polymaleimide resin are mixed (in the case of a multilayer system, partial mixing in the vicinity of the interface) improves the film properties of the interface and film, and exposure / unexposure of the developer This is thought to be due to an increase in the literacy of the department.
[0015]
In the present invention, the long-chain alkyl group-containing polymer is phase-separated from the aqueous alkali-soluble resin having a phenolic hydroxyl group to form fine protrusions on the surface of the recording layer, and the protrusions are stresses against scratches and scratches. It is presumed that the scratch resistance was improved in order to relieve this.
Moreover, although the improvement of the sensitivity was also obtained by the addition of the long chain alkyl group-containing polymer, the mechanism of the sensitivity improvement is presumed as follows.
That is, when the above-described protrusions were further analyzed, the formation of protrusions by phase separation of the resin on the roughened support had a thickness dependency, and the concave portions (that is, the thick portions of the recording layer) ) Have large phase separation protrusions and a large number, and it has been found that the phase separation protrusions are small and small at the convex portions of the grain (that is, thin portions of the recording layer). During development, the phase separation protrusions due to the long-chain alkyl group-containing polymer are dispersed and removed in the early stage of development to provide a penetration path for the developer into the recording layer. It is presumed that the permeation path can be formed and is reduced in the thin part, so that the uneven dissolution rate due to the thickness of the recording layer is eliminated and the sensitivity is improved.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention will be sequentially described.
[0017]
[Thermosensitive lithographic printing plate]
The heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention is characterized by having a recording layer containing the following components (a) to (d).
(A) A substance that absorbs light and generates heat.
(B) An aqueous alkali-soluble resin having a phenolic hydroxyl group.
(C) At least one resin selected from polyurethane resin, polyvinyl acetal resin, epoxy resin, polyester resin, and polymaleimide resin.
(D) A long-chain alkyl group-containing polymer.
The present invention also includes a heat-sensitive lithographic printing plate having a recording layer containing the above (a), (b) and (d) on the layer containing the above component (c).
[0018]
Hereinafter, each structure of the heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention will be described in detail in order. Hereinafter, “(c) at least one resin selected from polyurethane resin, polyvinyl acetal resin, epoxy resin, polyester resin, and polymaleimide resin” is also referred to as “(c) group of resins”.
[0019]
[Long-chain alkyl group-containing polymer]
The long-chain alkyl group-containing polymer that causes phase separation to form protrusions on the outermost surface is obtained by polymerizing at least one monomer containing a long-chain alkyl group having 6 or more carbon atoms, preferably 12 or more carbon atoms. Polymers are preferred.
As the above-mentioned long chain alkyl group-containing monomer having 6 or more carbon atoms, a compound having an ethylenically unsaturated group capable of addition polymerization in the molecule is preferable, and solvent resistance and scratch resistance when a heat-sensitive lithographic printing plate is produced. From the viewpoint of improvement effect, surface coverage and influence on image formability, etc., acrylate-based, methacrylate-based, acrylamide-based, methacrylamide-based, styrene-based, vinyl-based, vinyl ether-based, maleic acid-based, having a long-chain alkyl group, A compound such as fumaric acid is preferable.
Specific examples of such a long-chain alkyl group-containing monomer include, but are not limited to, monomers of the following general formula (I).
[0020]
[Chemical 1]
[0021]
In general formula (I), n represents an integer of 6 to 40. More preferably, it is an integer of 10-30, and most preferably an integer of 12-20. X represents a divalent linking group. Y, Y ′, and Y ″ represent a monovalent organic group.
[0022]
Specific examples of the divalent linking group represented by X include a linear or branched, chain or cyclic alkylene group having 1 to 20 carbon atoms, a linear or branched, chain or cyclic alkenylene group having 2 to 20 carbon atoms. Group, alkynylene group having 2 to 20 carbon atoms, arylene group having 6 to 20 carbon atoms (monocyclic, heterocyclic), -OC (= O)-, -OC (= O) Ar-, -OC (= O) O-, -OC (= O) OAr-, -C (= O) NR-, -C (= O) NAr-, -SO 2 NR-, -SO 2 NAr-, -O-, (alkyleneoxy, polyalkyleneoxy), -OAr-aryleneoxy, polyaryleneoxy), -C (= O) O-, -C (= O) O-Ar-, -C ( = O) Ar-, -C (= O)-, -SO 2 O-, -SO 2 OAr-, -OSO 2 -, -OSO 2 Ar-, -NRSO 2 -, -NArSO 2 -, -NRC (= O)-, -NArC (= O)-, -NRC (= O) O-, -NArC (= O) O-, -OC (= O) NR-, -OC (= O ) NAr-, -NAr-, -NR-, -N + RR'-, -N + RAr-, -N + ArAr′-, -S-, -SAr-, -ArS-, a heterocyclic group (including at least one or more of nitrogen, oxygen, sulfur, etc. as a hetero atom, a 3- to 12-membered monocyclic or condensed ring ), -OC (= S)-, -OC (= S) Ar-, -C (= S) O-, -C (= S) OAr-, -C (= S) OAr-, -C (= O) S-, -C (= O) SAr-, -ArC (= O)-, -ArC (= O) NR-, -ArC (= O) NAr-, -ArC (= O) O-,- ArC (= O) O-, -ArC (= O) S-, -ArC (= S) O-, -ArO-, -ArNR- and the like can be mentioned. Here, R and R ′ represent H, a linear or branched, chain or cyclic alkyl group, alkenyl group or alkynyl group, and Ar and Ar ′ represent an aryl group.
[0023]
The linking group may form a linking group by combining two or more of the linking groups listed here. As such a linking group, an arylene group having 6 to 20 carbon atoms (monocyclic, heterocyclic), -C (= O) NR-, -C (= O) NAr-, -O- (alkyleneoxy, poly Alkyleneoxy), -OAr-aryleneoxy, polyaryleneoxy), -C (= O) O-, -C (= O) O-Ar-, -C (= O)-, -C (= O) Ar —, —S—, —SAr—, —ArS—, —ArC (═O) —, —ArC (═O) O—, —ArC (═O) O—, —ArO—, —ArNR— and the like are preferable. , C 6-20 arylene group (monocyclic, heterocyclic), —C (═O) NR—, —C (═O) NAr—, —O— (alkyleneoxy, polyalkyleneoxy), —OAr— Aryleneoxy, polyaryleneoxy), —C (═O) O—, —C (═O) O—Ar—, —SAr—, —Ar -, - ArC (= O) -, - ArC (= O) O -, - ArC (= O) O -, - ArO -, - ArNR- are more preferable.
[0024]
The linking group may have a substituent, and examples of the substituent include a linear or branched, chain or cyclic alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and a straight chain having 2 to 20 carbon atoms. Chain or branched, chain or cyclic alkenyl group, alkynyl group having 2 to 20 carbon atoms, arylene having 6 to 20 carbon atoms, acyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, alkoxycarbonyloxy group having 2 to 20 carbon atoms, carbon An aryloxycarbonyloxy group having 7 to 20 carbon atoms, a carbamoyloxy group having 1 to 20 carbon atoms, a carbonamido group having 1 to 20 carbon atoms, a sulfonamide group having 1 to 20 carbon atoms, a carbamoyl group having 1 to 20 carbon atoms, C 0-20 sulfamoyl group, C 1-20 alkoxy group, C 6-20 aryloxy group, C 7-20 aryloxycarbonyl group, C 2-2 An alkoxycarbonyl group, an N-acylsulfamoyl group having 1 to 20 carbon atoms, an N-sulfamoylcarbamoyl group having 1 to 20 carbon atoms, an alkylsulfonyl group having 1 to 20 carbon atoms, and an aryl having 6 to 20 carbon atoms A sulfonyl group, an alkoxycarbonylamino group having 2 to 20 carbon atoms, an aryloxycarbonylamino group having 7 to 20 carbon atoms, an amino group having 0 to 20 carbon atoms, an imino group having 1 to 20 carbon atoms, and a 3 to 20 carbon atoms Ammonio group, carboxyl group, sulfo group, oxy group, mercapto group, C1-C20 alkylsulfinyl group, C6-C20 arylsulfinyl group, C1-C20 alkylthio group, C6-C20 Arylthio group, ureido group having 1 to 20 carbon atoms, heterocyclic group having 2 to 20 carbon atoms, acyl group having 1 to 20 carbon atoms, 0 to 20 carbon atoms Sulfamoylamino group, a silyl group having 2 to 20 carbon atoms, hydroxy group, a halogen atom (e.g., fluorine atom, chlorine atom, bromine atom), a cyano group and a nitro group.
[0025]
Specific examples of Y, Y ′ and Y ″ include, but are not limited to, the following: hydrogen atom, linear or branched, linear or cyclic having 1 to 50 carbon atoms An alkyl group (for example, methyl, ethyl, propyl, heptafluoropropyl, isopropyl, butyl, t-butyl, t-pentyl, cyclopentyl, cyclohexyl, octyl, 2-ethylhexyl, dodecyl, etc.), a straight chain having 2 to 50 carbon atoms or Branched, chain or cyclic alkenyl group (for example, vinyl, 1-methylvinyl, cyclohexen-1-yl, etc.), C2-C50 alkynyl group (for example, ethynyl, 1-propynyl, etc.), C6-C50 Aryl groups (for example, phenyl, naphthyl, anthryl, etc.), acyloxy groups having 1 to 50 carbon atoms (for example, acetoxy, teto Radecanoyloxy, benzoyloxy, etc.), an alkoxycarbonyloxy group having 2 to 50 carbon atoms (for example, a methoxycarbonyloxy group, 2-methoxyethoxycarbonyloxy group, etc.), an aryloxycarbonyloxy group having 7 to 50 carbon atoms ( For example, a phenoxycarbonyloxy group), a carbamoyloxy group having 1 to 50 carbon atoms (for example, N, N-dimethylcarbamoyloxy etc.), a carbonamido group having 1 to 50 carbon atoms (for example, formamide, N-methylacetamide, acetamide) N-methylformamide, benzamide, etc.), C 1-50 sulfonamide groups (eg, methanesulfonamide, dodecane sulfonamide, benzenesulfonamide, p-toluenesulfonamide, etc.), C 1-50 carbamoyl Group (for example, N-methylcarbamoyl, N, N-diethylcarbamoyl, N-mesylcarbamoyl, etc.), C 0-50 sulfamoyl groups (for example, N-butylsulfamoyl, N, N-diethylsulfamoyl, N-methyl- N- (4-methoxyphenyl) sulfamoyl etc.), C1-C50 alkoxy group (for example, methoxy, propoxy, isopropoxy, octyloxy, t-octyloxy, dodecyloxy, 2- (2,4-di-) t-pentylphenoxy) ethoxy, polyalkyleneoxy and the like), aryloxy groups having 6 to 50 carbon atoms (for example, phenoxy, 4-methoxyphenoxy, naphthoxy and the like), aryloxycarbonyl groups having 7 to 50 carbon atoms (for example, phenoxy) Carbonyl, naphthoxycarbonyl, etc.),
[0026]
C2-C50 alkoxycarbonyl group (for example, methoxycarbonyl, t-butoxycarbonyl, etc.), C1-C50 N-acylsulfamoyl group (for example, N-tetradecanoylsulfamoyl, N-benzoyl) Sulfamoyl and the like), an N-sulfamoylcarbamoyl group having 1 to 50 carbon atoms (for example, N-methanesulfonylcarbamoyl group), an alkylsulfonyl group having 1 to 50 carbon atoms (for example, methanesulfonyl, octylsulfonyl, 2- Methoxyethylsulfonyl, 2-hexyldecylsulfonyl, etc.), C6-C50 arylsulfonyl groups (e.g., benzenesulfonyl, p-toluenesulfonyl, 4-phenylsulfonylphenylsulfonyl, etc.), C2-C50 alkoxycarbonylamino Groups (eg ethoxycal Nylamino, etc.), aryloxycarbonylamino groups having 7 to 50 carbon atoms (for example, phenoxycarbonylamino, naphthoxycarbonylamino, etc.), amino groups having 0 to 50 carbon atoms (for example, amino, methylamino, diethylamino, diisopropylamino, anilino) , Morpholino, etc.), an ammonio group having 3 to 50 carbon atoms (for example, trimethylammonio group, dimethylbenzylammonio group, etc.), cyano group, nitro group, carboxyl group, hydroxy group, sulfo group, mercapto group, carbon number 1 -50 alkylsulfinyl group (for example, methanesulfinyl, octanesulphinyl, etc.), arylsulfinyl group having 6-50 carbon atoms (for example, benzenesulfinyl, 4-chlorophenylsulfinyl, p-toluenesulfinyl, etc.), C1-50 Alkylthio groups (for example, methylthio, octylthio, cyclohexylthio, etc.), arylthio groups having 6 to 50 carbon atoms (for example, phenylthio, naphthylthio, etc.), ureido groups having 1 to 50 carbon atoms (for example, 3-methylureido, 3, 3 -Dimethylureido, 1,3-diphenylureido, etc.), a C2-C50 heterocyclic group (the hetero atom includes, for example, at least one nitrogen, oxygen, sulfur and the like, a 3- to 12-membered monocyclic ring) A condensed ring such as 2-furyl, 2-pyranyl, 2-pyridyl, 2-thienyl, 2-imidazolyl, morpholino, 2-quinolyl, 2-benzimidazolyl, 2-benzothiazolyl, 2-benzoxazolyl, etc.) , An acyl group having 1 to 50 carbon atoms (for example, acetyl, benzoyl, trifluoroacetyl, etc.), 0 carbon atoms -50 sulfamoylamino groups (for example, N-butylsulfamoylamino, N-phenylsulfamoylamino, etc.), silyl groups having 3 to 50 carbon atoms (for example, trimethylsilyl, dimethyl-t-butylsilyl, triphenyl) Silyl, etc.), an azo group, and a halogen atom (for example, a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, etc.). The above substituents may further have a substituent, and examples of the substituent include the substituents mentioned here.
[0027]
Moreover, at least two of Y, Y ′ and Y ″ may form a ring with each other, and examples thereof include an aliphatic ring, an aromatic ring and a heterocyclic group.
[0028]
Specific examples of the general formula (I) include the following, but are not limited thereto. In the following, n and m represent an integer of 6 to 40.
[0029]
[Chemical 2]
[0030]
[Chemical 3]
[0031]
The long-chain alkyl group-containing polymer that causes phase separation to form protrusions on the outermost surface may be a polymer obtained by copolymerizing a combination of the long-chain alkyl group-containing monomer and one or more other monomers. The composition molar ratio of the alkyl group-containing monomer is preferably 10 mol% or more, more preferably 20 mol% or more, and most preferably 30 mol% or more from the viewpoint of surface microprojection formation.
[0032]
The monomer copolymerized with the long-chain alkyl group-containing monomer is preferably a hydrophilic monomer from the viewpoints of solubility in an alkali developer and sensitivity. The hydrophilic monomer is preferably a compound represented by the following general formula (II) from the viewpoints of solubility in an alkali developer and sensitivity.
[0033]
[Formula 4]
[0034]
In the formula, Z represents a monovalent group containing a hydrophilic group, W, W ′ and W ″ represent a monovalent organic group. W, W ′ and W ″ represent 1 in the general formula (I). It is synonymous with the valent organic group Y, Y ′ and Y ″. The hydrophilic group in Z is a hydroxyl group, an amino group, an onium group (ammonium, sulfonium, diazonium, iodonium, iminium, etc.), C 1 -2000 In particular, the hydrophilic group is preferably an acidic group having a pKa of 12 or less from the viewpoint of solubility in an alkali developer and sensitivity. The acidic groups listed in the following (1) to (6) are preferable in terms of solubility and sensitivity in an alkali developer.
[0035]
(1) Phenol group (-Ar-OH)
(2) Sulfonamide group (—SO 2 NH-R)
(3) Active imide group
(-SO 2 NHCOR, -SO 2 NHSO 2 R, -CONHSO 2 R)
(4) Carboxylic acid group (—CO 2 H)
(5) Sulfonic acid group (-SO 3 H)
(6) Phosphate group (-OPO 3 H 2 )
In the above (1) to (6), Ar represents a divalent aryl linking group which may have a substituent, and R represents a hydrocarbon group which may have a substituent.
[0036]
Examples of the monomer of the general formula (II) having a phenol group (1) include acrylamide, methacrylamide, acrylic acid ester, methacrylic acid ester, and hydroxystyrene having a phenol group.
[0037]
Examples of the monomer (2) having a sulfonamide group include compounds each having at least one sulfonamide group having the above structure and a polymerizable unsaturated group in the molecule. Among them, a low molecular compound having an acryloyl group, an allyl group, or a vinyloxy group and a sulfonamide group in the molecule is preferable. Examples thereof include compounds represented by the following general formulas (i) to (v).
[0038]
[Chemical formula 5]
[0039]
In the general formulas (i) to (v), X 1 And X 2 Each independently represents —O— or NR 7 -Represents. R 1 And R 4 Each independently represents a hydrogen atom or CH 3 Represents. R 2 , R 5 , R 9 , R 12 And R 16 Each independently represents an alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkylene group, an arylene group or an aralkylene group which may have a substituent. R 3 , R 7 And R 13 Each independently represents a hydrogen atom, an optionally substituted alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group, an aryl group or an aralkyl group. R 6 And R 17 Each independently represents an optionally substituted alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a cycloalkyl group, an aryl group or an aralkyl group. R 8 , R 10 And R 14 Each independently represents a hydrogen atom or CH 3 Represents. R 11 And R 15 Each independently represents a C1-C12 alkylene group, cycloalkylene group, arylene group or aralkylene group which may have a single bond or a substituent. Y 1 And Y 2 Each independently represents a single bond or CO-.
[0040]
Among the compounds represented by the general formulas (i) to (v), in the image recording element of the present invention, in particular, m-aminosulfonylphenyl methacrylate, N- (p-aminosulfonylphenyl) methacrylamide, N- (p -Aminosulfonylphenyl) acrylamide etc. can be used conveniently.
[0041]
Examples of the monomer (3) having an active imide group include compounds having at least one active imide group represented by the structural formula and one polymerizable unsaturated group in the molecule. Among these, compounds having at least one active imide group represented by the following structural formula and one polymerizable unsaturated group in the molecule are preferable.
[0042]
[Chemical 6]
[0043]
Specifically, N- (p-toluenesulfonyl) methacrylamide, N- (p-toluenesulfonyl) acrylamide and the like can be preferably used.
[0044]
Examples of the monomer (4) having a carboxylic acid group include compounds having one or more carboxylic acid groups and polymerizable unsaturated groups in the molecule. Examples of the monomer (5) having a sulfonic acid group include compounds having one or more sulfonic acid groups and polymerizable unsaturated groups in the molecule. Examples of the monomer (6) having a phosphate group include compounds having at least one phosphate group and one polymerizable unsaturated group in the molecule.
[0045]
Among the monomers having an acid group having a pKa of 12 or less, (1) a phenol group, (2) a sulfonamide group, (3) an active imide group or (4) a monomer having a carboxylic acid is preferable, and (1) a phenol group or (2) A monomer having a sulfonamide group or (4) a carboxylic acid is most preferable from the viewpoint of sufficiently ensuring solubility in an alkali developer, development latitude, and film strength.
[0046]
The hydrophilic monomer of the general formula (II) is preferably copolymerized in the polymer component with a composition of 90 mol% or less, and more preferably copolymerized with a composition of 80 mol% or less from the viewpoint of scratch resistance. .
[0047]
In addition to the long-chain alkyl group-containing monomer and the hydrophilic monomer component, other monomers can be used in combination with the phase-separated resin of the present invention. The monomer component other than such a long-chain alkyl group-containing monomer and hydrophilic monomer is preferably 50 mol% or less in the copolymer component, and from the viewpoint of the scratch resistance effect that it is 30 mol% or less. More preferred.
Examples of monomers other than the long-chain alkyl group-containing monomer and the hydrophilic monomer include the compounds listed in the following (7) to (17).
[0048]
(7) Acrylic acid esters and methacrylic acid esters having an aliphatic hydroxyl group such as 2-hydroxyethyl acrylate or 2-hydroxyethyl methacrylate.
(8) Methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, amyl acrylate, benzyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, glycidyl acrylate, N-dimethylaminoethyl acrylate, polyethylene glycol monoacrylate, polypropylene glycol monoalkylate Acrylates and the like.
(9) Methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, amyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, benzyl methacrylate, 2-chloroethyl methacrylate, glycidyl methacrylate, N-dimethylaminoethyl methacrylate, polyethylene glycol monomethacrylate, polypropylene Methacrylates such as glycol monomethacrylate.
[0049]
(10) Acrylamide, methacrylamide, N-methylolacrylamide, N-ethylacrylamide, N-hexylmethacrylamide, N-cyclohexylacrylamide, N-hydroxyethylacrylamide, N-phenylacrylamide, N-nitrophenylacrylamide, N-ethyl- Acrylamide or methacrylamide such as N-phenylacrylamide.
(11) Vinyl ethers such as ethyl vinyl ether, 2-chloroethyl vinyl ether, hydroxyethyl vinyl ether, propyl vinyl ether, butyl vinyl ether, and phenyl vinyl ether.
(12) Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl chloroacetate, vinyl butyrate and vinyl benzoate.
[0050]
(13) Styrenes such as styrene, α-methylstyrene, methylstyrene, and chloromethylstyrene.
(14) Vinyl ketones such as methyl vinyl ketone, ethyl vinyl ketone, propyl vinyl ketone, and phenyl vinyl ketone.
(15) Olefins such as ethylene, propylene, isobutylene, butadiene and isoprene.
(16) N-vinylpyrrolidone, N-vinylcarbazole, 4-vinylpyridine, acrylonitrile, methacrylonitrile and the like.
(17) Unsaturated imides such as maleimide, N-acryloylacrylamide, N-acetylmethacrylamide, N-propionylmethacrylamide, N- (p-chlorobenzoyl) methacrylamide.
[0051]
As a copolymerization method of the long-chain alkyl group-containing monomer and the hydrophilic monomer, a conventionally known graft copolymerization method, block copolymerization method, random copolymerization method, or the like can be used. In this copolymerization, two or more kinds of copolymer components of the long-chain alkyl group-containing monomer can be mixed and used.
[0052]
As the long-chain alkyl group-containing polymer of the present invention, a copolymer obtained as described above is used, and a polymer having a structural unit represented by the general formula (III) is more preferable.
[0053]
[Chemical 7]
[0054]
Here, n represents an integer of 6 to 40. Y, Y ′ and Y ″ represent a monovalent organic group. X represents a divalent linking group. Z ′ represents a hydrophilic monomer unit. M represents a real number of 0.1 ≦ m <1. More preferably, it is 0.2 ≦ m ≦ 0.9, and more preferably 0.25 ≦ m ≦ 0.85, from the viewpoint of scratch resistance improving effect, influence on solubility, and the like.
Specific examples of these Y, Y ′, Y ″ and X include those having the same meaning as those in the general formula (I). Specific examples of Z ′ include those from the monomer represented by the general formula (II). The structural unit
[0055]
Furthermore, the long-chain alkyl group-containing polymer of the present invention is more preferably general formula (IV).
[0056]
[Chemical 8]
[0057]
In the general formula (IV), a dotted methyl group may or may not be present, and X and Z ′ are preferably the same as X and Z ′ in the general formula (III), and m is scratch resistance. From the viewpoints of improvement effect, influence on solubility, etc., 0.2 ≦ m ≦ 0.9 is preferable, 0.25 ≦ m ≦ 0.85 is more preferable, and 0.30 ≦ m ≦ 0.60 is most preferable. n is an integer of 6-40, preferably an integer of 10-30, more preferably an integer of 12-20.
[0058]
The hydrophilic monomer unit Z ′ of (IV) has a hydroxy group, a (poly) alkylene oxide group having 1 to 2000 carbon atoms, a phenol group, a sulfonamide group, an active imide group, a carboxylic acid group, and a sulfonic acid group. A skeleton is preferable from the viewpoint of sufficiently ensuring solubility in an alkali developer, and a skeleton having a phenol group, a sulfonamide group, an active imide group, a carboxylic acid group, or a sulfonic acid group is more preferable from the viewpoint of sensitivity, The skeleton it has is most preferable. As X in the above (IV), -C (= O) O- is most preferable.
[0059]
Further, as the copolymerization component of the polymer having the structural unit represented by the general formula (III), the compounds listed in the above (7) to (18) are used at a composition ratio of 50 mol% or less in the copolymer component. be able to. 30 mol% or less is more preferable from the viewpoint of the effect of the present invention.
[0060]
As the long-chain alkyl group-containing polymer for phase separation used in the present invention to form protrusions on the outermost surface, those having a weight average molecular weight of 2,000 or more and a number average molecular weight of 1,000 or more are preferably used. More preferably, the weight average molecular weight in terms of polystyrene is 5,000 to 5,000,000, particularly preferably 5,000 to 2,000,000, and still more preferably 10,000 to 1,000,000. One type of such a polymer may be used, or two or more types may be used in combination.
[0061]
The amount of residual monomer in the long-chain alkyl group-containing polymer that causes phase separation to form protrusions on the outermost surface is determined by transferring the heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention to a protective paper (interleaf) or back of the support. Or 10% by mass or less, and more preferably 5% by mass or less, due to problems such as transfer to a roller during the production of heat-sensitive lithographic printing plates.
[0062]
Specific examples of the long-chain alkyl group-containing polymer of the present invention are shown below, but are not limited thereto.
[0063]
[Chemical 9]
[0064]
[Chemical Formula 10]
[0065]
Embedded image
[0066]
Embedded image
[0067]
Embedded image
[0068]
Embedded image
[0069]
Embedded image
[0070]
Embedded image
[0071]
Embedded image
[0072]
As the long-chain alkyl group-containing polymer used in the present invention, those having a weight average molecular weight of 2,000 or more and a number average molecular weight of 1,000 or more are preferably used. More preferably, the weight average molecular weight in terms of polystyrene is 5,000 to 5,000,000, particularly preferably 5,000 to 2,000,000, and still more preferably 10,000 to 1,000,000. One type of such a polymer may be used, or two or more types may be used in combination.
[0073]
The content of the long-chain alkyl group-containing polymer in the recording layer is 0.5 to 30% by mass, and more preferably 1 to 20% by mass with respect to the solid content of the recording layer. When the content is less than 0.5% by mass, the formation of irregularities is insufficient and there is no effect on scratch resistance. If it exceeds 30% by mass, the strength of the recording layer is lowered and printing durability is lowered.
[0074]
The contact angle of the water droplets on the surface of the recording layer containing the long-chain alkyl group-containing polymer that causes phase separation to form protrusions on the outermost surface is preferably in the range of 60 to 140 degrees. Moreover, it is preferable that the dynamic friction coefficient of the heat-sensitive lithographic printing plate containing a long-chain alkyl group-containing polymer that causes phase separation to form protrusions on the outermost surface is in the range of 0.38 to 0.70.
[0075]
[Alkaline aqueous solution-soluble resin having phenolic hydroxyl group]
Examples of the alkaline aqueous solution-soluble resin having a phenolic hydroxyl group (hereinafter also referred to as a phenol group) used in the present invention include a condensation polymer of phenol and formaldehyde, a condensation polymer of m-cresol and formaldehyde, p. A condensation polymer of cresol and formaldehyde, a condensation polymer of m // p-mixed cresol and formaldehyde, phenol and cresol (which may be m-, p- or m / p-mixed) and formaldehyde And a novolak resin such as a polycondensation polymer, and a polycondensation product of pyrogallol and acetone. Furthermore, the copolymer which copolymerized the compound which has a phenol group in a side chain can also be mentioned.
[0076]
Examples of the compound having a phenol group in the side chain include acrylamide, methacrylamide, acrylic acid ester, methacrylic acid ester, and hydroxystyrene having a phenol group.
[0077]
The copolymer preferably contains a compound having a phenol group in the side chain in an amount of 10 mol% or more in order to sufficiently improve the development latitude, and is contained in an amount of 20 mol% or more. Is more preferable.
[0078]
In the copolymer of the present invention, the compound having an alkali-soluble group other than the compound having the phenol group in the side chain, for example, the acidic group of the general formula (II) is (2) a sulfonamide group, (3) A compound that is an active imide group, (4) a carboxylic acid group, (5) a sulfonic acid group, or (6) a phosphoric acid group can be used as a copolymerization component.
[0079]
In addition, as the copolymer component of the copolymer of the present invention, other compounds not containing an acidic group can be used. Examples of other compounds not containing an acidic group of (2) to (6) above include the compounds of (7) to (17) exemplified as components that may be copolymerized in the long-chain alkyl group-containing polymer. Is mentioned.
[0080]
[Other alkali-soluble resins]
The recording layer of the present invention can contain an alkali-soluble resin other than the alkali-soluble resin having a phenol group. Examples of the alkali-soluble resin include the acidic group of the general formula (II) in which (2) sulfonamide group, (3) active imide group, (4) carboxylic acid group, (5) sulfonic acid group, and (6) phosphorus Examples include a copolymer of a compound having at least one acidic group selected from acid groups and at least one compound selected from the compounds (7) to (17).
[0081]
Among the acidic groups, (2) a sulfonamide group, (3) an active imide group, and (4) a carboxylic acid group are more preferable, and a carboxylic acid group is particularly preferable. Examples of such a copolymer compound having a carboxylic acid group include compounds having at least one carboxylic acid group and polymerizable unsaturated group in the molecule. Specific examples include unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic anhydride, and itaconic acid. Further, it is a monoester of a hydroxyl group of an acrylate or methacrylate having a hydroxyl group in the side chain (for example, 2-hydroxyethylethyl acrylate or methacrylate) and a dibasic acid (for example, succinic acid, glutaric acid, etc.). Saturated carboxylic acids are also preferred.
[0082]
Among the compounds (7) to (17), more preferred are alkyl acrylates or methacrylates (8) and (9).
[0083]
[Polyurethane resin]
The polyurethane resin used in the present invention is an alkali developer-soluble polyurethane resin containing 0.4 meq / g or more of carboxyl groups described in JP-A-5-281718 and JP-A-11-352691. Specifically, it is a polyurethane resin having as a basic skeleton a structural unit represented by a reaction product of a diisocyanate compound and a diol compound having a carboxyl group. As the diol compound, a diol compound having no carboxyl group is preferably used in combination for the purpose of adjusting the carboxyl group content and controlling the physical properties of the polymer.
[0084]
Examples of the diisocyanate compound include 2,4-tolylene diisocyanate, dimer of 2,4-tolylene diisocyanate, 2,6-tolylene diisocyanate, p-xylylene diisocyanate, m-xylylene diisocyanate, 4 , 4′-diphenylmethane diisocyanate, 1,5-naphthylene diisocyanate, 3,3′-dimethylbiphenyl-4,4′-diisocyanate and the like; hexamethylene diisocyanate, trimethylhexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate, Aliphatic diisocyanate compounds such as dimer acid diisocyanate; isophorone diisocyanate, 4,4′-methylenebis (cyclohexyl isocyanate), methylcyclohexane-2 , 4 (or 2,6) diisocyanate, 1,3- (isocyanatomethyl) cyclohexane, and other alicyclic diisocyanate compounds; such as an adduct of 1 mol of 1,3-butylene glycol and 2 mol of tolylene diisocyanate And diisocyanate compounds which are reaction products of various diols and diisocyanates.
[0085]
Examples of the diol compound having a carboxyl group include 3,5-dihydroxybenzoic acid, 2,2-bis (hydroxymethyl) propionic acid, 2,2-bis (2-hydroxyarea) propionic acid, and 2,2-bis. (3-hydroxypropyl) propionic acid, bis (hydroxymethyl) acetic acid, bis (4-hydroxyphenyl) acetic acid, 2,2-bis (hydroxymethyl) butyric acid, 4,4-bis (4-hydroxyphenyl) pentanoic acid, Examples include tartaric acid, N, N-dihydroxyethylglycine, N, N-bis (2-hydroxyethyl) -3-carboxy-propionamide and the like.
[0086]
Examples of other diol compounds include ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, neopentyl glycol, 1,3-butylene glycol, 1,6- Hexanediol, 2-butene-1,4-diol, 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol, 1,4-bis-β-hydroxyethoxycyclohexane, cyclohexanedimethanol, tricyclodecane dimethanol, Hydrogenated bisphenol A, hydrogenated bisphenol F, bisphenol A ethylene oxide adduct, bisphenol A propylene oxide adduct, bisphenol F ethylene oxide Adduct, propylene oxide adduct of bisphenol F, ethylene oxide adduct of hydrogenated bisphenol A, propylene oxide adduct of hydrogenated bisphenol A, hydroquinone dihydroxyethyl ether, p-xylylene glycol, dihydroxyethyl sulfone, bis (2- Hydroxyethyl) -2,4-tolylenedicarbamate, 2,4-tolylene-bis (2-hydroxyethylcarbamide), bis (2-hydroxyethyl) -m-xylylenedicarbamate, bis (2-hydroxyethyl) isophthalate Etc.
[0087]
As other diol compounds, in addition to the above, a polyether diol compound, a polyester diol compound, a polycarbonate diol compound, or the like can be preferably used. Specific examples include, but are not limited to, the following compounds. N in the specific examples represents an integer of 2 or more.
[0088]
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[0089]
In addition to the above, the polyurethane resin suitable for the present invention includes a polyurethane resin having a structural unit derived from a compound obtained by ring-opening tetracarboxylic dianhydride with a diol compound as a basic skeleton. Examples of the method for introducing the structural unit into the polyurethane resin include: a) a method in which a compound having an alcohol terminal obtained by ring-opening tetracarboxylic dianhydride with a diol compound is reacted with a diisocyanate compound; b) There is a method of reacting an alcohol-terminated urethane compound obtained by reacting a diisocyanate compound under an excess of a diol compound with tetracarboxylic dianhydride.
[0090]
Moreover, the molecular weight of the polyurethane resin of the present invention is preferably 1000 or more in weight average, and more preferably in the range of 5,000 to 500,000.
[0091]
[Polyvinyl acetal resin]
The polyvinyl acetal resin of the present invention is a modified polyvinyl acetal resin into which an acidic substituent described in JP-B-7-76832 is introduced. Specifically, it is an alkali developer-soluble resin represented by the following general formula (1).
[0092]
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[0093]
Where R 1 Is an alkyl group which may have a substituent, a hydrogen atom, a carboxyl group, or a dimethylamino group, R 2 Is an alkyl group having no substituent, R 3 Is an aliphatic or aromatic hydrocarbon group having a carboxyl group, R 4 Represents an aliphatic or aromatic hydrocarbon group having at least one hydroxyl group or nitrile group and further having another substituent, and n1 to n4 represent mol% of each repeating unit, The following range. n1 = 5-85, n2 = 0-60, n3 = 0-20, n4 = 3-60, n5 = 0-60.
[0094]
The resin of the above general formula (1) is composed of a vinyl acetyl component as a first component, a vinyl alcohol component as a second component, an unsubstituted ester component as a third component, an ester component having a carboxyl group as a fourth component, Five components are composed of an ester component having a hydroxyl group or a cyano group. Polyvinyl alcohols are acetalized with an aldehyde, and the remaining —OH and an acid anhydride are reacted with each other. It can be obtained by further reacting an acid with a halogen compound having a hydroxyl group or a cyano group.
[0095]
In the general formula (1), the third component R 2 Among these, an alkyl group having no substituent is particularly preferably a methyl group or an ethyl group.
As the aldehyde for synthesizing the first component, the acid anhydride for synthesizing the fourth component, and the halogen compound for the fifth component, compounds described in JP-A-5-43110 are preferably used. .
n1 is preferably 5 to 85 mol%, particularly preferably 25 to 75 mol%. n4 is preferably from 3 to 60 mol%, particularly preferably from 10 to 55 mol%.
[0096]
The weight average molecular weight of the polyvinyl acetal resin is preferably about 5,000 to 400,000, more preferably about 30,000 to 300,000.
[0097]
[Epoxy resin]
The epoxy resin of the present invention is an epoxy group-containing novolak resin represented by the following general formula (2) in which a phenolic hydroxyl group is glycidyl etherified.
[0098]
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[0099]
In the formula (I), X is H, a halogen atom or an alkyl group. Examples of the alkyl group include an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms, and among these, H or a methyl group is preferable. Y is H, an alkyl group, a halogen atom or a haloalkyl group as described above, and examples of these alkyl groups and haloalkyl groups include C1-C20 alkyl groups and haloalkyl groups. H, a methyl group or a trifluoromethyl group is preferred. X and Y may form a benzo-fused ring together, and examples thereof include a 2,3-naphthyl ring. Furthermore, although n and m are integers, the epoxy group-containing novolak resin used in the present invention is generally suitable for those having an average number of nuclei of 2 to 10, and those having an average number of nuclei of 4 to 6. Is preferred. The proportion of the epoxy group-containing nuclei in the total nuclei is suitably 40 to 100%, preferably 70 to 100%, more preferably 90 to 100%.
[0100]
Examples of the epoxy group-containing novolak resin used in the present invention include an epoxy group-containing phenol novolak resin, a cresol novolak resin, a xylenol novolak resin, a naphthol novolak resin, an alkyl group-substituted phenol novolak resin having 2 to 20 carbon atoms, and one carbon atom. -20 fluoroalkyl group substituted phenol novolac resins and the like. When the resin constituting the main chain is a cresol novolak resin, a xylenol novolak resin, or an alkyl group having 2 to 20 carbon atoms or a fluoroalkyl group-substituted phenol novolak resin having 1 to 20 carbon atoms, the main chain is constituted. The core cresol, xylenol or alkyl group or fluoroalkyl group-substituted phenol may be any isomer such as m-form and p-form, and isomers such as m-form and p-form are mixed. It doesn't matter.
[0101]
The epoxy group-containing novolak resin used in the present invention is known as a so-called novolak type epoxy resin, and a commercially available epoxy group-containing novolak resin can be appropriately selected and used.
[0102]
[Polyester resin]
The polyester resin used in the present invention is a polyester having a phenolic hydroxyl group or a modified polyester described in JP-A-3-9360. Examples of the polyester resin include (A) a polyester having a phenolic hydroxyl group derived from a polycarboxylic acid component containing a dicarboxylic acid having a phenolic hydroxyl group or a derivative thereof and a polyhydric alcohol component, and (B) a phenolic hydroxyl group. A polyester having an alcoholic hydroxyl group obtained by reacting a polycarboxylic acid component containing a dicarboxylic acid or derivative thereof with a polyhydric alcohol component is produced, and this polyester is higher than an alcoholic hydroxyl group than a phenolic hydroxyl group. Examples thereof include a modified polyester having a phenolic hydroxyl group obtained by reacting a compound (chain extender) having two or more functional groups having reactivity in the molecule.
[0103]
The polyester or modified polyester having a phenolic hydroxyl group may have other bonds that do not react with the phenolic hydroxyl group, such as urethane, amide, ureido, and ether bonds, in the polyester chain, if necessary.
[0104]
Examples of the dicarboxylic acid having a phenolic hydroxyl group include dimethyl 4-hydroxymethylphthalate, diethyl 4-hydroxybenzylidenemalonate, dimethyl 1,4-cyclohexanedicarboxylate, and the like. Examples of the diol component include an ethylene oxide adduct of bisphenol A, an ethylene oxide adduct of hydrogenated bisphenol A, 1,4-cyclohexanedimethanol, neopentyl glycol, ethylene glycol, and the like. As the chain extender, sometimes phenyl terephthalate is preferred.
Such a polyester resin can be synthesized by the method described in JP-A-3-9360 using the above components.
[0105]
[Polymaleimide resin]
The polymaleimide resin of the present invention is an alkali developer-soluble copolymer having N- (4-hydroxyphenyl) maleimide units. Of these, N- (4-hydroxyphenyl) maleimide, acrylonitrile and mono (2-methacryloxyethyl) hexahydrophthalate copolymers described in JP-A-5-88369 are preferred.
[0106]
[Material that absorbs light and generates heat]
The substance that absorbs light and generates heat used in the recording layer of the present invention can be used without particular limitation as long as it is a substance that absorbs infrared rays and generates heat. From the viewpoint of compatibility, an infrared absorbing dye or pigment having an absorption maximum at a wavelength of 760 nm to 1200 nm is preferable.
[0107]
As the dye, commercially available dyes, for example, known dyes described in documents such as “Dye Handbook” (edited by the Society for Synthetic Organic Chemistry, published in 1970) can be used. Specifically, azo dyes, metal complex azo dyes, pyrazolone azo dyes, naphthoquinone dyes, anthraquinone dyes, phthalocyanine dyes, carbonium dyes, quinoneimine dyes, methine dyes, cyanine dyes, squarylium dyes, pyrylium salts, metal thiolate complexes, oxonol dyes And dyes such as diimonium dyes, aminium dyes, and croconium dyes.
[0108]
Preferred dyes include, for example, cyanine dyes described in JP-A-58-125246, JP-A-59-84356, JP-A-60-78787, and the like, US Pat. No. 4,973,572, and the like. The methine dyes described in JP-A-58-173696, JP-A-58-181690, JP-A-58-194595, JP-A-58-112793, JP-A-58-224793, Naphthoquinone dyes described in JP-A-59-48187, JP-A-59-73996, JP-A-60-52940, JP-A-60-63744, etc., JP-A-58-112792 And the cyanine dyes described in British Patent No. 434,875.
[0109]
Also, near infrared absorption sensitizers described in US Pat. No. 5,156,938 are preferably used, and substituted arylbenzo (thio) described in US Pat. No. 3,881,924 are also suitable. ) Pyrylium salt, trimethine thiapyrylium salt described in JP-A-57-142645, JP-A-58-181051, 58-220143, 59-41363, 59-84248, 59-84249 No. 1, 59-146063, 59-146061, etc., pyrium compounds, cyanine dyes described in JP-A-59-216146, US Pat. No. 4,283,475 The pentamethine thiopyrylium salt and the like, and the pyrylium compounds disclosed in JP-B-5-13514 and JP-A-5-19702 are also preferably used. It is.
[0110]
Another example of a preferable dye is a near-infrared absorbing dye described as formulas (I) and (II) in US Pat. No. 4,756,993.
[0111]
Particularly preferred among these dyes are cyanine dyes, phthalocyanine dyes, oxonol dyes, squarylium dyes, pyrylium salts, thiopyrylium dyes, and nickel thiolate complexes. Further, the dyes represented by the following general formulas (a) to (e) are preferable because of excellent photothermal conversion efficiency. Particularly, the cyanine dye represented by the following general formula (a) is used in the recording layer of the present invention. Further, it is most preferable because it gives high interaction with the alkali-soluble resin and is excellent in stability and economy.
[0112]
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[0113]
In general formula (a), X 1 Is a hydrogen atom, a halogen atom, -NPh 2 , -X 2 -L 1 Or the group which shows a structure below is represented. Where X 2 Represents an oxygen atom or a sulfur atom, and L 1 Represents a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, an aromatic ring having a hetero atom, and a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms including a hetero atom. Here, the hetero atom represents N, S, O, a halogen atom, or Se.
[0114]
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[0115]
R 1 And R 2 Each independently represents a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms. From the storage stability of the recording layer coating solution, R 1 And R 2 Is preferably a hydrocarbon group having 2 or more carbon atoms, and further R 1 And R 2 Are particularly preferably bonded to each other to form a 5-membered ring or a 6-membered ring.
[0116]
Ar 1 , Ar 2 These may be the same or different and each represents an aromatic hydrocarbon group which may have a substituent. Preferred aromatic hydrocarbon groups include a benzene ring and a naphthalene ring. Moreover, as a preferable substituent, a C12 or less hydrocarbon group, a halogen atom, and a C12 or less alkoxy group are mentioned. Y 1 , Y 2 May be the same or different and each represents a sulfur atom or a dialkylmethylene group having 12 or less carbon atoms. R 3 , R 4 These may be the same or different and each represents a hydrocarbon group having 20 or less carbon atoms which may have a substituent. Preferred substituents include alkoxy groups having 12 or less carbon atoms, carboxyl groups, and sulfo groups. R 5 , R 6 , R 7 And R 8 Each may be the same or different and each represents a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 12 or less carbon atoms. From the availability of raw materials, a hydrogen atom is preferred. Za − Represents a counter anion. However, R 1 ~ R 8 When any of the above is substituted with a sulfo group, − Is not necessary. Preferred Za − Is a halogen ion, a perchlorate ion, a tetrafluoroborate ion, a hexafluorophosphate ion, and a sulfonate ion, particularly preferably a perchlorate ion or a hexafluorophosphate ion in view of the storage stability of the recording layer coating solution. And aryl sulfonate ions.
[0117]
Specific examples of the cyanine dye represented by formula (a) that can be preferably used in the present invention include those exemplified below, and paragraph numbers [0017] to [0019] of JP-A No. 2001-133969. And those described in paragraph numbers [0012] to [0038] of JP-A No. 2002-40638 and paragraph numbers [0012] to [0023] of JP-A No. 2002-23360.
[0118]
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[0119]
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[0120]
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[0121]
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[0122]
In the general formula (b), L represents a methine chain having 7 or more conjugated carbon atoms, the methine chain may have a substituent, and the substituents are bonded to each other to form a ring structure. Also good. Zb + Indicates a counter cation. Preferred counter cations include ammonium, iodonium, sulfonium, phosphonium, pyridinium, alkali metal cations (Ni + , K + , Li + ) And the like. R 9 ~ R 14 And R 15 ~ R 20 Are each independently a substituent selected from a hydrogen atom or a halogen atom, a cyano group, an alkyl group, an aryl group, an alkenyl group, an alkynyl group, a carbonyl group, a thio group, a sulfonyl group, a sulfinyl group, an oxy group, or an amino group, Or it represents the substituent which combined these 2 or 3 and may combine with each other and may form the ring structure. Here, in the general formula (b), L represents a methine chain having 7 conjugated carbon atoms, and R 9 ~ R 14 And R 15 ~ R 20 In which all represent hydrogen atoms are preferred from the viewpoint of availability and effects.
[0123]
In the present invention, specific examples of the dye represented by formula (b) that can be suitably used include those exemplified below.
[0124]
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[0125]
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[0126]
In the general formula (c), Y 3 And Y 4 Each represents an oxygen atom, a sulfur atom, a selenium atom, or a tellurium atom. M represents a methine chain having 5 or more conjugated carbon atoms. R 21 ~ R 24 And R 25 ~ R 28 Each may be the same or different, and may be a hydrogen atom, halogen atom, cyano group, alkyl group, aryl group, alkenyl group, alkynyl group, carbonyl group, thio group, sulfonyl group, sulfinyl group, oxy group, Or represents an amino group. In the formula, Za − Represents a counter anion, and Za in the general formula (a) − It is synonymous with.
[0127]
In the present invention, specific examples of the dye represented by formula (c) that can be suitably used include those exemplified below.
[0128]
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[0129]
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[0130]
In the general formula (d), R 29 ~ R 32 Each independently represents a hydrogen atom, an alkyl group, or an aryl group. R 33 And R 34 Each independently represents an alkyl group, a substituted oxy group, or a halogen atom. n and m each independently represents an integer of 0 to 4. R 29 And R 30 Or R 31 And R 32 May be bonded to each other to form a ring, and R 29 And / or R 30 Is R 33 And again R 31 And / or R 32 Is R 34 To form a ring, and further R 33 Or R 34 R is present when there are multiple 33 Each other or R 34 They may be bonded to each other to form a ring. X 2 And X 3 Are each independently a hydrogen atom, an alkyl group, or an aryl group, and X 2 And X 3 At least one of represents a hydrogen atom or an alkyl group. Q is a trimethine group or a pentamethine group which may have a substituent, and may form a ring structure together with a divalent organic group. Zc − Represents a counter anion, and Za in the general formula (a) − It is synonymous with.
[0131]
In the present invention, specific examples of the dye represented by formula (d) that can be suitably used include those exemplified below.
[0132]
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[0133]
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[0134]
In the general formula (e), R 35 ~ R 50 Are each independently a hydrogen atom, halogen atom, cyano group, alkyl group, aryl group, alkenyl group, alkynyl group, hydroxyl group, carbonyl group, thio group, sulfonyl group, sulfinyl group, oxy group which may have a substituent. An amino group and an onium salt structure are shown. R 36 And R 37 , R 40 And R 41 , R 44 And R 45 And R 48 And R 49 May be linked to form an aliphatic ring, an aromatic ring or a heterocyclic ring, and the ring may have a condensed ring. M represents two hydrogen atoms or metal atoms, a halometal group, and an oxymetal group, and the metal atoms contained therein include IA, IIA, IIIB, IVB group atoms of the periodic table, first, second, second Three-period transition metals and lanthanoid elements can be mentioned, among which copper, magnesium, iron, zinc, cobalt, aluminum, titanium, and vanadium are preferable.
[0135]
In the present invention, specific examples of the dye represented by formula (e) that can be suitably used include those exemplified below.
[0136]
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[0137]
Examples of pigments used as infrared absorbers in the present invention include commercially available pigments and Color Index (CI) manual, “Latest Pigment Handbook” (edited by the Japan Pigment Technical Association, published in 1977), “Latest Pigment Applied Technology” (CMC Publishing, published in 1986), “Printing Ink Technology”, published by CMC Publishing, published in 1984).
[0138]
Examples of the pigment include black pigments, yellow pigments, orange pigments, brown pigments, red pigments, purple pigments, blue pigments, green pigments, fluorescent pigments, metal powder pigments, and other polymer-bonded dyes. Specifically, insoluble azo pigments, azo lake pigments, condensed azo pigments, chelate azo pigments, phthalocyanine pigments, anthraquinone pigments, perylene and perinone pigments, thioindigo pigments, quinacridone pigments, dioxazine pigments, isoindolinone pigments In addition, quinophthalone pigments, dyed lake pigments, azine pigments, nitroso pigments, nitro pigments, natural pigments, fluorescent pigments, inorganic pigments, carbon black, and the like can be used. Among these pigments, carbon black is preferable.
[0139]
These pigments may be used without surface treatment, or may be used after surface treatment. The surface treatment method includes a method of surface coating with a resin or wax, a method of attaching a surfactant, a method of bonding a reactive substance (eg, silane coupling agent, epoxy compound, polyisocyanate, etc.) to the pigment surface, etc. Can be considered. The above-mentioned surface treatment methods are described in “Characteristics and Applications of Metal Soap” (Yokoshobo), “Printing Ink Technology” (CMC Publishing, 1984) and “Latest Pigment Application Technology” (CMC Publishing, 1986). Yes.
[0140]
The particle size of the pigment is preferably in the range of 0.01 μm to 10 μm, more preferably in the range of 0.05 μm to 1 μm, and particularly preferably in the range of 0.1 μm to 1 μm. The particle diameter of the pigment is preferably 0.01 μm or more from the viewpoint of the stability of the dispersion in the recording layer coating solution, and is preferably 10 μm or less from the viewpoint of the uniformity of the recording layer.
[0141]
As a method for dispersing the pigment, a known dispersion technique used in ink production, toner production, or the like can be used. Examples of the disperser include an ultrasonic disperser, a sand mill, an attritor, a pearl mill, a super mill, a ball mill, an impeller, a disperser, a KD mill, a colloid mill, a dynatron, a three-roll mill, and a pressure kneader. Details are described in "Latest Pigment Applied Technology" (CMC Publishing, 1986).
[0142]
These pigments or dyes are 0.01 to 50% by mass, preferably 0.1 to 10% by mass, particularly preferably 0.5 to 10% by mass, and pigments, based on the total solid content of the recording layer. Especially preferably, it can add in the ratio of 0.1-10 mass%. When the added amount of the pigment or dye is 0.01% by mass or more, sufficient sensitivity can be secured, and by setting the amount to 50% by mass or less, the uniformity of the recording layer and the recording layer film Strength can be maintained.
[0143]
[Positive recording layer]
In the present invention, (a) a substance that absorbs light and generates heat, (b) an aqueous alkali-soluble resin having a phenolic hydroxyl group, (c) a polyurethane resin, a polyvinyl acetal resin, an epoxy resin, a polyester resin, and a polymaleimide At least one resin selected from resins ((c) group of resins), (d) a recording layer comprising a long-chain alkyl group-containing polymer as a basic component, and (a), (b) and (d) above The recording layer containing the component as a basic component is applied to a heat-sensitive lithographic printing plate as a positive recording layer whose interaction is canceled by infrared laser exposure and the solubility in an aqueous alkali solution is improved. The latter recording layer containing (a), (b) and (d) as basic components is used in a lower layer and multilayer structure containing the resin of group (c).
[0144]
The lower layer of the multilayer structure can contain the above (a), (b), and [other alkali-soluble resin] as necessary.
[0145]
In the present invention, a compound that generates an acid by heat (acid generator) and a compound that increases the solubility in an alkali developer by cleaving a chemical bond using the generated acid as a catalyst are added to the recording layer. An acid-catalyzed decomposition type alkali solubilization system comprising a decomposable compound) can be added.
[0146]
[Acid-decomposable compounds]
In the present invention, the compound that cleaves a chemical bond using an acid as a catalyst to increase the solubility in an alkaline developer can be referred to as a compound having a bonding group that can be decomposed by an acid in the molecule. As such a compound, “a compound having at least one bond that can be decomposed by an acid” described in JP-A-9-171254 can be used. Preferred examples of the bond that can be decomposed by an acid include an acetal bond and a ketal bond.
Among such compounds, it is more preferable to use a compound represented by the following general formula (A) from the viewpoints of sensitivity and developability.
[0147]
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[0148]
In general formula (A), R 1 , R 2 And R 3 Each represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 5 carbon atoms, a sulfo group, a carboxyl group or a hydroxyl group, and p, q and r are each an integer of 1 to 3 M and n each represents an integer of 1 to 5.
[0149]
In the general formula (A), R 1 , R 2 And R 3 The alkyl group represented by may be linear or branched, and examples thereof include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, a butyl group, a tert-butyl group, and a pentyl group. Examples of the alkoxy group include a methoxy group and an ethoxy group. Group, propoxy group, isopropoxy group, butoxy group, tert-butoxy group, pentoxy group and the like, and sulfo group and carboxyl group include salts thereof. Of the compounds represented by formula (A), compounds in which m and n are 1 or 2 are particularly preferred. The compound represented by the general formula (A) can be synthesized by a known method.
[0150]
Other acid-decomposable compounds that can be applied to the present invention include JP-A-48-89603, 51-120714, 53-133429, 55-12995, 55-126236, 56- Compounds having C—O—C bonds described in JP-A No. 17345, compounds having Si—O—C bonds described in JP-A Nos. 60-37549 and 60-121446, JP-A No. Other acid-decomposing compounds described in JP-A-60-3625 and JP-A-60-10247, and compounds having a Si-N bond described in JP-A-62-2222246 Carbonate esters described in JP-A-62-251743, ortho-carbonates described in JP-A-62-220951, JP-A-62-28084 Orthotitanate described in JP-A No. 62-280842, orthosilicate ester described in JP-A No. 62-280842, JP-A No. 63-010153, JP-A No. 10-55067, No. 10-111564, 10-87733, 10-153853, 10-228102, 10-268507, 282648, 10-282670, acetal described in European Patent No. 08854747 , Ketals and orthocarboxylic acid esters, and compounds having a C—S bond described in JP-A-62-244038 can be used.
[0151]
Among the acid-decomposable compounds described above, JP-A-53-133429, JP-A-56-17345, JP-A-60-112446, JP-A-60-37549, JP-A-62-209451, JP-A-63-1010153, JP-A-10 -55067, 10-111564, 10-87733, 10-153835, 10-228102, 10-268507, 282648, 10-282670, European Patent No. Compounds having a C—O—C bond, compounds having a Si—O—C bond, ortho carbonates, acetals, ketals and silyl ethers described in the specification of 08854747 are preferable.
Among these acid-decomposable compounds, a high molecular compound that has an acetal or ketal moiety repeatedly in the main chain and increases in solubility in an alkali developer is preferably used.
[0152]
These acid-decomposable compounds may be used alone or in combination of two or more. The addition amount is 5 to 70% by mass, preferably 10 to 50% by mass, and more preferably 15 to 35% by mass with respect to the total solid content of the recording layer.
[0153]
[Acid generator]
The compound that generates an acid by light or heat (acid generator) refers to a compound that decomposes when irradiated with infrared rays or heated at 100 ° C. or more to generate an acid. The acid generated is preferably a strong acid having a pKa of 2 or less, such as sulfonic acid and hydrochloric acid.
[0154]
Examples of the acid generator suitably used in the present invention include onium salts such as iodonium salts, sulfonium salts, phosphonium salts, and diazonium salts. Specific examples include compounds described in US Pat. No. 4,708,925 and JP-A-7-20629. In particular, iodonium salts, sulfonium salts, and diazonium salts having a sulfonate ion as a counter ion are preferable. Examples of the diazonium salt include a diazonium compound described in U.S. Pat. No. 3,867,147, a diazonium compound described in U.S. Pat. No. 2,632,703, and JP-A-1-102456 and JP-A-1-102457. The diazo resin described in the publication is also preferred. Further, benzyl sulfonates described in US Pat. No. 5,135,838 and US Pat. No. 5,200,544 are also preferable. Furthermore, active sulfonic acid esters and disulfonyl compounds described in JP-A-2-100054, JP-A-2-100055 and JP-A-9-197671 are also preferred. In addition, haloalkyl-substituted S-triazines described in JP-A-7-271029 are also preferable.
[0155]
The content of the acid generator in the present invention can vary widely depending on its chemical properties and the composition or physical properties of the recording layer of the present invention, but it is about 0.1 to about 20% by mass based on the solid content of the recording layer. Is suitable, preferably 0.2 to 10% by mass.
[0156]
[Other additive components]
Various additives can be further added to the recording layer of the present invention as necessary. In addition, these additives can be added to the lower layer of the multilayer system as appropriate according to the amount added to the recording layer as necessary.
[0157]
For example, when other onium salts, aromatic sulfone compounds, aromatic sulfonic acid ester compounds, polyfunctional amine compounds, etc. are added, so-called dissolution improves the function of preventing dissolution of alkaline water-soluble polymers (alkali-soluble resins) in the developer. It is preferable to add a deterrent agent. Among them, a substance that is thermally decomposable, such as an onium salt, an o-quinonediazide compound, and a sulfonic acid alkyl ester, and that substantially reduces the solubility of the alkali-soluble resin when not decomposed is used in combination. It is preferable to improve the inhibition of dissolution of the image area in the developer. As the decomposable dissolution inhibitor, onium salts such as diazonium salts, iodonium salts, sulfonium salts, ammonium salts, and o-quinonediazide compounds are preferable, and diazonium salts, iodonium salts, and onium salts of sulfonium salts are more preferable.
[0158]
Preferred examples of the onium salt used in the present invention include S.P. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng. , 18, 387 (1974), T.A. S. Bal et al, Polymer, 21, 423 (1980), diazonium salts described in JP-A-5-158230, U.S. Pat. Nos. 4,069,055 and 4,069,056, Ammonium salts described in JP-A Nos. 3-140140 and 2002-229186; C. Necker et al, Macromolecules, 17, 2468 (1984), C.I. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988), U.S. Pat. Nos. 4,069,055 and 4,069,056, phosphonium salts described in J. Pat. V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977), Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31 (1988), European Patent No. 104,143, US Pat. Nos. 5,041,358 and 4,491,628, JP-A-2-150848, JP-A-2-296514. Iodonium salts described in each of the publications; V. Crivello et al, Polymer J. et al. 17, 73 (1985), J. Am. V. Crivello et al. J. et al. Org. Chem. 43, 3055 (1978); R. Watt et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 22, 1789 (1984), J. Am. V. Crivello et al, Polymer Bull. 14, 279 (1985), J. Am. V. Crivello et al, Macromolecules, 14 (5), 1141 (1981), J. MoI. V. Crivello et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. 17, 2877 (1979), European Patents 370,693, 233,567, 297,443, 297,442, U.S. Pat. Nos. 4,933,377, 3,902,114 No. 5,041,358, No. 4,491,628, No. 4,760,013, No. 4,734,444, No. 2,833,827, German Patent No. 2,904 The sulfonium salts described in the respective specifications of Nos. 626, 3,604,580 and 3,604,581, V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977), J. MoI. V. Crivello et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 17, 1047 (1979), a selenonium salt described in C.I. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988).
Among these onium salts, diazonium salts are particularly preferable from the viewpoints of dissolution inhibiting ability and thermal decomposability. In particular, the diazonium salt represented by the general formula (I) described in JP-A No. 5-158230 and the diazonium salt represented by the general formula (1) described in JP-A No. 11-143064 are preferable. The diazonium salt represented by the general formula (1) described in JP-A-11-143064 having a small absorption wavelength is most preferable.
[0159]
The counter ion of the onium salt includes tetrafluoroboric acid, hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid, 5-nitro-o-toluenesulfonic acid, 5-sulfosalicylic acid, 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid, 2,4,6-trimethylbenzenesulfonic acid, 2-nitrobenzenesulfonic acid, 3-chlorobenzenesulfonic acid, 3-bromobenzenesulfonic acid, 2-fluorocaprylnaphthalenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, 1-naphthol-5-sulfone Examples include acid, 2-methoxy-4-hydroxy-5-benzoyl-benzenesulfonic acid, and paratoluenesulfonic acid. Of these, particularly preferred are alkyl aromatic sulfonic acids such as hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid and 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid.
[0160]
Suitable quinonediazides include o-quinonediazide compounds. The o-quinonediazide compound used in the present invention is a compound having at least one o-quinonediazide group, which increases alkali solubility by thermal decomposition, and compounds having various structures can be used. That is, o-quinonediazide helps the solubility of the sensitive material system by both the effect of losing the ability to suppress the dissolution of the binder due to thermal decomposition and the change of o-quinonediazide itself into an alkali-soluble substance. Examples of the o-quinonediazide compound used in the present invention include J. The compounds described in pages 339 to 352 of “Light-sensitive systems” by John Coley (John Wiley & Sons. Inc.) can be used, and in particular, o-quinonediazide reacted with various aromatic polyhydroxy compounds or aromatic amino compounds. The sulfonic acid esters or sulfonic acid amides are preferred. Further, benzoquinone (1,2) -diazide sulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2) -diazide-5-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin as described in JP-B-43-28403 Esters of benzoquinone- (1,2) -diazidosulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2)-described in U.S. Pat. Nos. 3,046,120 and 3,188,210. Esters of diazide-5-sulfonic acid chloride and phenol-formaldehyde resins are also preferably used.
[0161]
Further, an ester of naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride and phenol formaldehyde resin or cresol-formaldehyde resin, naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin Similarly, the esters are also preferably used. Other useful o-quinonediazide compounds are reported and known in numerous patents. For example, JP-A-47-5303, JP-A-48-63802, JP-A-48-63803, JP-A-48-96575, JP-A-49-38701, JP-A-48-13354, Japanese Patent Publication Nos. 41-11222, 45-9610, 49-174741, U.S. Pat. Nos. 2,797,213, 3,454,400, and 3,544,323 No. 3,573,917, No. 3,674,495, No. 3,785,825, British Patent No. 1,227,602, No. 1,251,345, No. Nos. 1,267,005, 1,329,888, 1,330,932, German Patent 854,890, and the like.
[0162]
The amount of the onium salt and / or o-quinonediazide compound that is a degradable dissolution inhibitor is preferably 1 to 10% by mass, more preferably 1 to 5% by mass, particularly preferably the total solid content of the recording layer. Is in the range of 1-2% by weight. These compounds can be used alone, but may be used as a mixture of several kinds.
[0163]
The amount of additives other than the o-quinonediazide compound is preferably 0.1 to 5% by mass, more preferably 0.1 to 2% by mass, and particularly preferably 0.1 to 1.5% by mass. The additive and binder according to the present invention are preferably contained in the same layer.
[0164]
Further, a dissolution inhibitor having no decomposability may be used in combination, and preferred dissolution inhibitors include sulfonate esters, phosphate esters, and aromatic carboxylic acids described in detail in JP-A-10-268512. Esters, aromatic disulfones, carboxylic anhydrides, aromatic ketones, aromatic aldehydes, aromatic amines, aromatic ethers, etc., as well as lactone skeletons described in detail in JP-A-11-190903, N, N- Examples thereof include an acid color-forming dye having a diarylamide skeleton and a diarylmethylimino skeleton, which also serves as a colorant, and nonionic surfactants described in detail in JP-A No. 2000-105454.
[0165]
As another additive, cyclic acid anhydrides, phenols, and organic acids can be used in combination for the purpose of improving sensitivity. Further, surfactants, image colorants, and plasticizers described later are also additives that can be used.
[0166]
Examples of cyclic acid anhydrides include phthalic anhydride, tetrahydrophthalic anhydride, hexahydrophthalic anhydride, 3,6-endooxy-Δ4-tetrahydrophthalic anhydride described in US Pat. No. 4,115,128, Tetrachlorophthalic anhydride, maleic anhydride, chloromaleic anhydride, α-phenylmaleic anhydride, succinic anhydride, pyromellitic anhydride and the like can be used. As phenols, bisphenol A, p-nitrophenol, p-ethoxyphenol, 2,4,4′-trihydroxybenzophenone, 2,3,4-trihydroxybenzophenone, 4-hydroxybenzophenone, 4,4 ′, 4 '' -Trihydroxytriphenylmethane, 4,4 ′, 3 ″, 4 ″ -tetrahydroxy-3,5,3 ′, 5′-tetramethyltriphenylmethane and the like. Furthermore, examples of organic acids include sulfonic acids, sulfinic acids, alkyl sulfates, phosphonic acids, phosphate esters, and carboxylic acids described in JP-A-60-88942 and JP-A-2-96755. Is mentioned.
[0167]
The proportion of the cyclic acid anhydride, phenols and organic acids in the recording layer is preferably 0.05 to 20% by mass, more preferably 0.1 to 15% by mass, and particularly preferably 0.1 to 10%. % By mass.
[0168]
In addition to these, a crosslinkable compound having an alkaline dissolution inhibiting effect described in JP-A-11-160860 previously proposed by the present inventors can be appropriately added depending on the purpose.
[0169]
Further, in the recording layer coating liquid according to the present invention, in order to widen the processing stability against the developing conditions, nonionic ions as described in JP-A-62-251740 and JP-A-3-208514 are used. Surfactants, amphoteric surfactants as described in JP-A-59-121044, JP-A-4-13149, siloxane compounds as described in EP 950517, A fluorine-containing monomer copolymer as described in JP-A-11-288093 can be added.
Specific examples of the nonionic surfactant include sorbitan tristearate, sorbitan monopalmitate, sorbitan trioleate, stearic acid monoglyceride, polyoxyethylene nonylphenyl ether and the like. Specific examples of the double-sided activator include alkyldi (aminoethyl) glycine, alkylpolyaminoethylglycine hydrochloride, 2-alkyl-N-carboxyethyl-N-hydroxyethylimidazolinium betaine and N-tetradecyl-N, N-betaine. Type (for example, trade name “Amorgen K” manufactured by Daiichi Kogyo Co., Ltd.).
The siloxane compound is preferably a block copolymer of dimethylsiloxane and polyalkylene oxide. Specific examples include DBE-224, DBE-621, DBE-712, DBP-732, DBP-534, manufactured by Chisso Corporation. And polyalkylene oxide-modified silicones such as Tego Glide 100 manufactured by Tego, Germany.
The proportion of the nonionic surfactant and the amphoteric surfactant in the photosensitive composition is preferably 0.05 to 15% by mass, more preferably 0.1 to 5% by mass.
[0170]
Further, a printing-out agent for obtaining a visible image immediately after heating by exposure, or a dye or pigment as an image colorant can be added.
A representative example of the print-out agent is a combination of a compound that generates an acid (photo acid generator) upon heating by exposure and an organic dye that can form a salt. Specifically, combinations of o-naphthoquinonediazide-4-sulfonic acid halides and salt-forming organic dyes described in JP-A-50-36209 and JP-A-53-8128, 36223, 54-74728, 60-3626, 61-143748, 61-151644, and 63-58440, and trihalomethyl compounds and salt-forming organic dyes Can be mentioned. Such trihalomethyl compounds include oxazole-based compounds and triazine-based compounds, both of which have excellent temporal stability and give clear printout images.
[0171]
As the image colorant, other dyes can be used in addition to the above-mentioned salt-forming organic dyes. Examples of suitable dyes including salt-forming organic dyes include oil-soluble dyes and basic dyes. Specifically, oil yellow # 101, oil yellow # 103, oil pink # 312, oil green BG, oil blue BOS, oil blue # 603, oil black BY, oil black BS, oil black T-505 (oriental chemical industry) Manufactured by Co., Ltd.), Victoria Pure Blue, Crystal Violet (CI42555), Methyl Violet (CI42535), Ethyl Violet, Rhodamine B (CI145170B), Malachite Green (CI42000), Methylene Blue (CI522015), and the like. The dyes described in JP-A-62-293247 are particularly preferred. These dyes can be added to the recording layer in a proportion of 0.01 to 10% by mass, preferably 0.1 to 3% by mass, based on the total solid content of the recording layer.
[0172]
Furthermore, a plasticizer is added to the recording layer as needed to impart flexibility of the coating film. For example, butylphthalyl, polyethylene glycol, tributyl citrate, diethyl phthalate, dibutyl phthalate, dihexyl phthalate, dioctyl phthalate, tricresyl phosphate, tributyl phosphate, trioctyl phosphate, tetrahydrofurfuryl oleate, acrylic acid or methacrylic acid These oligomers and polymers are used.
[0173]
[Formation of heat-sensitive lithographic printing plate]
The heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention is usually formed by dissolving the above components in a solvent and coating the solution on a suitable support.
Solvents used include ethylene dichloride, cyclohexanone, methyl ethyl ketone, methanol, ethanol, propanol, ethylene glycol monomethyl ether, 1-methoxy-2-propanol, 2-methoxyethyl acetate, 1-methoxy-2-propyl acetate, dimethoxyethane, Examples include, but are not limited to, methyl lactate, ethyl lactate, N, N-dimethylacetamide, N, N-dimethylformamide, tetramethylurea, N-methylpyrrolidone, dimethyl sulfoxide, sulfolane, γ-butyrolactone, and toluene. Is not to be done. These solvents are used alone or in combination.
[0174]
In principle, it is preferable to select a solvent that is different in solubility with respect to the alkali-soluble resin used for the upper layer of the recording layer and the resin used for the lower layer as the solvent used for the coating. Is also possible.
[0175]
As a method for forming the two layers separately, for example, a method using a difference in solvent solubility between the resin contained in the lower layer and the alkali-soluble resin contained in the upper layer, after applying the upper layer of the recording layer, Examples thereof include a method of rapidly drying and removing the solvent. Hereinafter, although these methods are explained in full detail, the method of apply | coating two layers separately is not limited to these.
[0176]
The method utilizing the difference in solvent solubility between the resin contained in the lower layer and the alkali-soluble resin contained in the upper layer is a solvent system in which any of the resins contained in the lower layer is insoluble when the alkali-soluble resin is applied. It is what is used. Thereby, even if it carries out 2 layer application | coating, it becomes possible to isolate | separate each layer clearly and to make a coating film. For example, a copolymer containing a specific monomer constituting a lower layer component insoluble in a solvent that dissolves an alkali-soluble resin such as methyl ethyl ketone or 1-methoxy-2-propanol is selected as a copolymer component, and the lower layer component is formed. The lower layer mainly composed of the copolymer is applied and dried using a solvent system that dissolves the copolymer to be dissolved, and then the upper layer mainly composed of the alkali-soluble resin is coated with the lower layer such as methyl ethyl ketone or 1-methoxy-2-propanol. Two layers can be formed by application using a solvent that does not dissolve the components.
[0177]
On the other hand, the method of drying the solvent very quickly after applying the second layer is to blow high-pressure air from a slit nozzle installed almost perpendicular to the running direction of the belt-like support, or to use a heating medium such as steam inside. This can be achieved by applying thermal energy as conduction heat from the lower surface of the belt-like support from the supplied roll (heating roll) or a combination thereof.
As a method of partially compatibilizing the two layers, it is possible to adjust the degree of both the method using the above-mentioned difference in solvent solubility and the method of drying the solvent very quickly after coating the second layer. It becomes.
[0178]
The concentration of the above components (total solid content including additives) in the coating solution is preferably 1 to 50% by mass. Various methods can be used as the coating method, and examples thereof include bar coater coating, spin coating, spray coating, curtain coating, dip coating, air knife coating, blade coating, and roll coating.
In order to prevent damage to the lower layer when the recording layer upper layer is applied, the recording layer upper layer is preferably applied in a non-contact manner. Although it is a contact type, it is possible to use bar coater coating as a method generally used for solvent-based coating, but it is desirable to apply by forward driving in order to prevent damage to the lower layer.
[0179]
In the recording layer coating liquid of the present invention, a surfactant for improving the coating property, for example, a fluorosurfactant described in JP-A-62-170950 can be added. A preferable addition amount is 0.01 to 1% by mass, more preferably 0.05 to 0.5% by mass in the total solid content of the recording layer.
[0180]
The coating amount after drying of the lower layer of this heat-sensitive lithographic printing plate is 0.5 to 4.0 g / m. 2 Preferably, it is in the range of 0.6 to 2.5 g / m. 2 Range. Within this range, good printing durability, image reproducibility and sensitivity can be obtained.
The coating amount after drying of the upper recording layer is 0.05 g / m. 2 ~ 1.0 g / m 2 Is preferably in the range of 0.08 to 0.7 g / m. 2 Range. Within this range, good development latitude, scratch resistance, and sensitivity can be obtained.
The coating amount of the upper and lower layers and the coating amount in a single layer system are 0.6 g / m. 2 ~ 4.0 g / m 2 Is preferably in the range of 0.7 to 2.5 g / m. 2 Range. Within this range, good printing durability, image reproducibility and sensitivity can be obtained.
[0181]
[Support]
Examples of the support used in the heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention include dimensionally stable plates having necessary strength and durability, such as paper, plastic (for example, polyethylene, polypropylene). , Polystyrene, etc.) laminated paper, metal plate (eg, aluminum, zinc, copper, etc.), plastic film (eg, cellulose diacetate, cellulose triacetate, cellulose propionate, cellulose butyrate, cellulose acetate butyrate, cellulose nitrate, Polyethylene terephthalate, polyethylene, polystyrene, polypropylene, polycarbonate, polyvinyl acetal, etc.), paper laminated with or vapor-deposited metal as described above, or plastic film.
[0182]
As the support of the present invention, a polyester film or an aluminum plate is preferable, and among them, an aluminum plate having good dimensional stability and relatively low cost is particularly preferable. A suitable aluminum plate is a pure aluminum plate or an alloy plate containing aluminum as a main component and containing a trace amount of foreign elements, and may be a plastic film on which aluminum is laminated or vapor-deposited. Examples of foreign elements contained in the aluminum alloy include silicon, iron, manganese, copper, magnesium, chromium, zinc, bismuth, nickel, and titanium. The content of foreign elements in the alloy is at most 10% by mass.
[0183]
Particularly suitable aluminum in the present invention is pure aluminum, but completely pure aluminum is difficult to produce in the refining technique, and may contain slightly different elements.
Thus, the composition of the aluminum plate applied to the present invention is not specified, and an aluminum plate made of a publicly known material can be appropriately used. The thickness of the aluminum plate used in the present invention is about 0.1 mm to 0.6 mm, preferably 0.15 mm to 0.4 mm, and particularly preferably 0.2 mm to 0.3 mm.
[0184]
Prior to roughening the aluminum plate, a degreasing treatment with, for example, a surfactant, an organic solvent, or an alkaline aqueous solution for removing rolling oil on the surface is performed as desired. The surface roughening treatment of the aluminum plate is performed by various methods. For example, a method of mechanically roughening, a method of electrochemically dissolving and roughening a surface, and a method of selectively dissolving a surface chemically. This is done by the method of As the mechanical method, a known method such as a ball polishing method, a brush polishing method, a blast polishing method, or a buff polishing method can be used. Further, as an electrochemical surface roughening method, there is a method of performing alternating current or direct current in hydrochloric acid or nitric acid electrolyte. Further, as disclosed in JP-A-54-63902, a method in which both are combined can also be used. The roughened aluminum plate is subjected to alkali etching treatment and neutralization treatment as necessary, and then subjected to anodization treatment if desired in order to enhance the water retention and wear resistance of the surface. As the electrolyte used for the anodizing treatment of the aluminum plate, various electrolytes that form a porous oxide film can be used. In general, sulfuric acid, phosphoric acid, oxalic acid, chromic acid, or a mixed acid thereof is used. The concentration of these electrolytes is appropriately determined depending on the type of electrolyte.
[0185]
The anodizing treatment conditions vary depending on the electrolyte used and cannot be specified in general, but in general, the electrolyte concentration is 1 to 80% by mass solution, the liquid temperature is 5 to 70 ° C., and the current density is 5 to 60 A / dm. 2 A voltage of 1 to 100 V and an electrolysis time of 10 seconds to 5 minutes are suitable. The amount of anodized film is 1.0 g / m 2 If it is less, the printing durability is insufficient, or the non-image part of the planographic printing plate is likely to be damaged, and so-called “scratch stain” in which ink adheres to the damaged part during printing is likely to occur. After the anodizing treatment, the aluminum surface is subjected to a hydrophilic treatment if necessary. The hydrophilization treatment used in the present invention is disclosed in US Pat. Nos. 2,714,066, 3,181,461, 3,280,734 and 3,902,734. There are alkali metal silicate (such as aqueous sodium silicate) methods. In this method, the support is immersed in an aqueous solution of sodium silicate or electrolytically treated. In addition, it is disclosed in potassium fluoride zirconate disclosed in Japanese Patent Publication No. 36-22063 and US Pat. Nos. 3,276,868, 4,153,461, and 4,689,272. A method of treating with polyvinylphosphonic acid is used.
[0186]
[Undercoat layer]
In the heat-sensitive lithographic printing plate applied to the present invention, an undercoat layer can be provided between the support and the recording layer or the lower layer, if necessary.
Various organic compounds are used as the primer layer component. For example, phosphonic acids having an amino group such as carboxymethylcellulose, dextrin, gum arabic, 2-aminoethylphosphonic acid, and phenylphosphonic acid which may have a substituent Organic phosphonic acids such as naphthyl phosphonic acid, alkyl phosphonic acid, glycero phosphonic acid, methylene diphosphonic acid and ethylene diphosphonic acid, phenyl phosphoric acid, naphthyl phosphoric acid, alkyl phosphoric acid and glycerophosphoric acid which may have a substituent Organic phosphoric acid, optionally substituted phenylphosphinic acid, naphthylphosphinic acid, alkylphosphinic acid, glycerophosphinic acid and other organic phosphinic acids, glycine and β-alanine amino acids, and triethanolamine hydrochloric acid Has a hydroxy group such as salt -Alanine, and hydrochlorides of amines that may be used in combination of two or more.
[0187]
It is also preferred that the undercoat layer contains a compound having an onium group. The compounds having an onium group are described in detail in JP-A No. 2000-10292, JP-A No. 2000-108538, JP-A No. 2000-241962, and the like.
Particularly preferred is at least one compound selected from the group of polymer compounds having a structural unit represented by poly (p-vinylbenzoic acid) or the like in the molecule. Specific examples include a copolymer of p-vinylbenzoic acid and vinylbenzyltriethylammonium salt, a copolymer of p-vinylbenzoic acid and vinylbenzyltrimethylammonium chloride, and the like.
[0188]
This organic undercoat layer can be provided by the following method. That is, a method in which water or an organic solvent such as methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, or a mixed solvent thereof is dissolved and applied on an aluminum plate and dried, and water, methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, etc. In this method, an aluminum plate is immersed in a solution obtained by dissolving the organic compound in an organic solvent or a mixed solvent thereof to adsorb the compound, and then washed with water and dried to provide an organic undercoat layer. . In the former method, the organic compound having a concentration of 0.005 to 10% by mass can be applied by various methods. In the latter method, the concentration of the solution is 0.01 to 20% by mass, preferably 0.05 to 5% by mass, the immersion temperature is 20 to 90 ° C., preferably 25 to 50 ° C., and the immersion time is 0.1 second to 20 minutes, preferably 2 seconds to 1 minute. The solution used for this can be adjusted to a pH range of 1 to 12 with basic substances such as ammonia, triethylamine, potassium hydroxide, and acidic substances such as hydrochloric acid and phosphoric acid. A yellow dye can also be added to improve the tone reproducibility of the heat-sensitive lithographic printing plate.
The coverage of the organic undercoat layer is 2 to 200 mg / m 2 Is suitable, preferably 5 to 100 mg / m 2 It is. Good printing durability can be obtained within this range.
[0189]
[Back coat layer]
A back coat can be provided on the back surface of the support of the heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention, if necessary. Examples of such back coats include organic polymer compounds described in JP-A-5-45885, and metal oxides obtained by hydrolysis and polycondensation of organic or inorganic metal compounds described in JP-A-6-35174. A covering layer is mentioned. Of these coating layers, Si (OCH 3 ) 4 , Si (OC 2 H 5 ) 4 , Si (OC 3 H 7 ) 4 , Si (OC 4 H 9 ) 4 A silicon alkoxy compound such as the above is inexpensive and easily available, and a metal oxide coating layer obtained therefrom is particularly preferable because of its excellent developer resistance.
[0190]
[Plate making method]
The heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention is imaged by heat. Specifically, direct image-like recording using a thermal recording head, scanning exposure using an infrared laser, high-illuminance flash exposure such as a xenon discharge lamp, infrared lamp exposure, and the like are used, but a semiconductor that emits infrared light having a wavelength of 700 to 1200 nm. Exposure by a solid high-power infrared laser such as a laser or a YAG laser is suitable.
[0191]
The exposed heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention is subjected to development treatment and post-treatment with a finisher, a protective gum or the like to form a printing plate. For these processes, a known processing apparatus such as an automatic processor can be used.
The processing agent used in the development processing and post-processing of the heat-sensitive lithographic printing plate of the present invention can be appropriately selected from known processing agents.
[0192]
A suitable developer is a developer having a pH in the range of 9.0 to 14.0, preferably in the range of 12.0 to 13.5. A conventionally known alkaline aqueous solution can be used as the developer. Among the above alkaline aqueous solutions, as a particularly suitable developer, a so-called “well-known”, which contains an alkali silicate as a base, or contains an alkali silicate by mixing a silicon compound with a base. An aqueous solution called “silicate developer” having a pH of 12 or higher, and non-reducing sugars (organic compounds having a buffering action) that do not contain alkali silicate and are described in JP-A-8-305039 and JP-A-11-109637 And a so-called “non-silicate developer” containing a base.
The developer preferably contains an anionic surfactant and / or an amphoteric surfactant from the viewpoint of promoting development and preventing wrinkles.
[0193]
When the lithographic printing plate of the present invention is subjected to a burning treatment, it is preferably carried out by a conventionally known method using a burning surface conditioning liquid and using a burning processor or the like.
[0194]
The lithographic printing plate obtained by such processing is applied to an offset printing machine or the like and used for printing a large number of sheets.
[0195]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention in detail, this invention is not limited to these.
[0196]
[Resin of group (c) used in Examples]
A: Polyurethane resin (from Synthesis Example 1 below)
B: Polyvinyl butyral resin (the following synthesis example 2)
C: Epoxy resin
Poly (phenylglycidyl ether-co-formaldehyde)
Sigma-Aldrich, Mn570, average epoxy group content 3.6 / mol
D: Polyester resin (from Synthesis Example 3 below)
E: Maleimide resin (from Synthesis Example 4 below)
[0197]
(Synthesis Example 1: Polyurethane resin)
In a 500 ml three-necked round bottom flask equipped with a condenser and a stirrer, 12.1 g (0.09 mol) of 2,2-bis (hydroxymethyl) propionic acid, 20.0 g (0.01 mol) of 5 diol compound (described in the section of [Polyurethane resin]. Hydroxyl value 56.9 mg KOH / g) was dissolved in 100 ml of N, N-dimethylacetamide. To this, 20.0 g (0.08 mol) of 4,4′-diphenylmethane diisocyanate and 3.4 g (0.02 g) of hexamethylene diisocyanate were added, and the mixture was heated and stirred at 100 ° C. for 5 hours. Then, it diluted with 200 ml of N, N-dimethylformamide and 400 ml of methyl alcohol. The reaction solution was poured into 4 liters of water with stirring to precipitate a white polymer. The polymer was filtered off, washed with water, and dried under vacuum to obtain 45 g of polymer. When the molecular weight was measured by gel permeation chromatography (GPC), the weight average (polystyrene standard) was 50,000. Furthermore, when the carboxyl group content (acid value) was measured by titration, it was 1.70 meq / g.
[0198]
(Synthesis Example 2: Polyvinyl butyral resin)
In a 1 L three-necked round bottom flask equipped with a thermometer, reflux condenser and stirrer, N 2 Under an atmosphere, 20 g of polyvinyl butyral (Denka Butyral # 2000-L, manufactured by Denki Kagaku Kogyo, PVAc: 2 wt%, PVA: 21 wt%, PVB: 77 wt%, average degree of polymerization: about 300), N, N-dimethyl After heating and dissolving in 200 g of formamide at 100 ° C., 14.1 g of phthalic anhydride and 1.16 g of 4-dimethylaminopyridine were added and reacted for 4 hours. After the reaction, the reaction solution was cooled and 200 g of methanol was added to the solution. The reaction solution was gradually added to 3 L of water while stirring to precipitate a polymer. Thereafter, the filtered solid was washed with a mixed solution of 2 L of water and 210 g of methanol, and this solid was vacuum dried to obtain 26 g of a polymer represented by the following formula. The acid value was 1.91 meq / g. However, the above-mentioned PVAc: polyvinyl acetate unit, PVA: polyvinyl alcohol unit, PVB: polyvinyl butyral unit.
[0199]
Embedded image
[0200]
(Synthesis Example 3: Polyester resin)
A mixture of dimethyl 4-hydroxyphthalate 210 g (1 mol), bisphenol A (1 mol) ethylene oxide (2.2 mol) adduct 324 g (1 mol) and ethylene glycol (1 mol) was added to a catalyst (dibutyltin oxide 3. 0g) was charged into a reactor equipped with a stirrer, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer and a distillation tube, and the reaction was started by heating to 190 ° C. while stirring in a nitrogen gas atmosphere. Thereafter, heating and stirring were continued for 3 hours, and after the distillation of alcohol produced by the reaction stopped, the pressure in the reactor was gradually reduced to 1 mmHg at the same temperature. Under the same reduced pressure, heating and stirring were further continued for about 3 hours to distill off the distillate, and then the pressure in the reactor was returned to normal pressure with nitrogen gas, and the produced resin was taken out.
The resin synthesized above (100 g) is heated to 180 ° C., and while stirring, 8.0 g of chain extender diphenyl terephthalate is added, the pressure in the reactor is set to 1 mmHg, and stirring is continued for 2 hours at 180 ° C. After the phenol produced as a by-product was distilled off, the pressure was returned to normal pressure, and the produced resin was taken out. This resin had a weight average molecular weight of 43,200 and a phenolic hydroxyl group content of 2.0 (mol / kg).
[0201]
(Synthesis Example 4: Maleimide resin)
In a 1 liter four-necked flask equipped with a stirrer and a condenser, 200 g of a reaction solvent N, N-dimethylformamide, 50 g of N- (4-hydroxyphenyl) maleimide, 45 g of acrylonitrile, and mono (2-methacryloxy) A mixture of 5 g of ethyl) hexahydrophthalate was added. After warming the inside of the flask to 90 ° C., 0.4 g of azobisisobutyronitrile was added, and after replacing with nitrogen gas, the mixture was stirred at 90 ° C. for 5 hours. After completion of the reaction, the reaction mixture was poured into 10 liters of water, filtered and dried to obtain a maleimide resin.
[0202]
[Long-chain alkyl group-containing polymer used in Examples]
(Synthesis Example 5: Long-chain alkyl group-containing polymer F)
A 1000 ml three-necked flask equipped with a condenser and a stirrer was charged with 59 g of 1-methoxy-2-propanol and heated to 80 ° C. Under a nitrogen stream, a solution consisting of 42.0 g of n-stearyl methacrylate, 16.0 g of methacrylic acid, 0.714 g of a polymerization initiator V-601 (manufactured by Wako Pure Chemical Industries) and 59 g of 1-methoxy-2-propanol was used for 2.5 hours. It was dripped over. Furthermore, it was made to react at 80 degreeC for 2 hours. The reaction mixture was cooled to room temperature and poured into 1000 ml of water. After decantation, the product was washed with methanol, and the obtained liquid product was dried under reduced pressure to obtain 73.5 g of a long chain alkyl group-containing polymer A. A weight average molecular weight measured by gel permeation chromatography (GPC) using polystyrene as a standard substance was 66,000.
[0203]
(Synthesis Example 6: Long chain alkyl group-containing polymer G)
In a 1000 ml three-necked flask equipped with a condenser and a stirrer, 56.0 g of 1-methoxy-2-propanol was placed and heated to 80 ° C. Under a nitrogen stream, 20.9 g of n-dodecyl methacrylate, 4.3 g of methacrylic acid, 0.576 g of a polymerization initiator V-601 (manufactured by Wako Pure Chemical Industries) and 56.0 g of 1-methoxy-2-propanol were added. It was dripped over half an hour. Furthermore, it was made to react at 80 degreeC for 2 hours. The reaction mixture was cooled to room temperature and poured into 1000 ml of water. After decantation, it was washed with methanol, and the obtained liquid product was dried under reduced pressure to obtain 58.2 g of a long chain alkyl group-containing polymer B. It was 60,000 as a result of measuring a weight average molecular weight by the gel permeation chromatography method (GPC) which used polystyrene as the standard substance.
[0204]
[Production of support]
(A) Mechanical roughening treatment
A 0.3 mm-thick aluminum plate (material: JIS A 1050) rotates while supplying a suspension of abrasive (silica sand) having a specific gravity of 1.12 and water as a polishing slurry to the surface of the aluminum plate. Mechanical roughening was performed with a roller nylon brush. The average particle size of the abrasive was 8 μm, and the maximum particle size was 50 μm. The material of the nylon brush was 6 · 10 nylon, the hair length was 50 mm, and the hair diameter was 0.3 mm. The nylon brush was planted so as to be dense by making a hole in a stainless steel tube having a diameter of 300 mm. Three rotating brushes were used. The distance between the two support rollers (φ200 mm) at the bottom of the brush was 300 mm. The brush roller was pressed until the load of the drive motor for rotating the brush became 7 kW plus with respect to the load before the brush roller was pressed against the aluminum plate. The rotating direction of the brush was the same as the moving direction of the aluminum plate. The number of rotations of the brush was 250 rpm for the first and 200 rpm for the second and third.
[0205]
(B) Alkali etching treatment
The aluminum plate obtained above was sprayed with an aqueous NaOH solution at a temperature of 70 ° C. (concentration: 26 mass%, aluminum ion concentration: 5 mass%) to carry out an etching treatment. 2 Dissolved. Thereafter, washing with water was performed using well water.
[0206]
(C) Desmut treatment
A desmut treatment was performed by spraying with a 1% by mass aqueous solution of nitric acid having a nitric acid concentration of 30 ° C. (containing 0.5% by mass of aluminum ions), and then washed with water by spraying. The nitric acid aqueous solution used for the desmut was the waste liquid from the step of electrochemical surface roughening using alternating current in nitric acid aqueous solution.
[0207]
(D) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a nitric acid 10.5 g / liter aqueous solution (aluminum ion 5 g / liter) at a temperature of 50 ° C. The AC power supply waveform is electrochemically roughened using a carbon electrode as the counter electrode, using a trapezoidal rectangular wave alternating current with a time TP of 0.8 msec until the current value reaches a peak from zero, a DUTY ratio of 1: 1. went. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell used was a radial cell type.
The current density is 30 A / dm at the peak current value. 2 The amount of electricity is 175 C / dm as the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode. 2 Met. 5% of the current flowing from the power source was shunted to the auxiliary anode.
Thereafter, washing with water was performed using well water.
[0208]
(E) Alkali etching treatment
The aluminum plate was subjected to etching treatment at 32 ° C. with a NaOH concentration of 26% by mass and an aluminum ion concentration of 5% by mass, and the dissolution amount of the aluminum plate was 0.5 g / m. 2 Set to. Removes the smut component mainly composed of aluminum hydroxide that was generated when electrochemical roughening was performed using alternating current in the previous stage, and melted the edge part of the generated pit to smooth the edge part. did. Thereafter, washing with water was performed using well water.
[0209]
(F) Desmut treatment
A desmut treatment was performed by spraying with an aqueous solution of sulfuric acid having a concentration of sulfuric acid at a temperature of 30 ° C. and then washed with water using well water. The nitric acid aqueous solution used for the desmut was the waste liquid from the step of electrochemical surface roughening using alternating current in nitric acid aqueous solution.
[0210]
(G) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolyte at this time was a hydrochloric acid 5.0 g / liter aqueous solution (containing 5 g / liter of aluminum ions) at a temperature of 35 ° C. The AC power supply waveform was a rectangular wave, and an electrochemical surface roughening treatment was performed using a carbon electrode as a counter electrode. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell used was a radial cell type.
The current density is 25 A / dm at the peak current value. 2 The amount of electricity is 50 C / dm as the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode 2 Met. Thereafter, washing with water was performed using well water.
[0211]
(H) Alkali etching treatment
The aluminum plate was etched by spraying at 32 ° C. with an NaOH concentration of 5 mass% and an aluminum ion concentration of 0.5 mass%, and the aluminum plate was 0.10 g / m. 2 Dissolves and removes the smut component mainly composed of aluminum hydroxide that was generated when electrochemical roughening treatment was performed using the alternating current of the previous stage, and the edge part of the generated pit was dissolved to the edge The part was smoothed. Thereafter, washing with water was performed using well water.
[0212]
(I) Desmut treatment
Desmutting treatment was performed by spraying with a 25% by mass sulfuric acid concentration aqueous solution at a temperature of 60 ° C., and then water washing by spraying was performed using well water.
[0213]
(J) Anodizing treatment
Sulfuric acid was used as the electrolytic solution. In all cases, the sulfuric acid concentration was 150 g / liter (containing 0.5 mass% of aluminum ions), and the temperature was 43 ° C. Thereafter, washing with water was performed using well water.
Both current densities are about 30 A / dm 2 Met. The final oxide film amount is 2.5 g / m 2 Met.
[0214]
(K) Silicate processing
A silicate treatment by dipping was performed with a No. 3 sodium silicate aqueous solution at a temperature of 35 ° C., and then water washing by spraying was performed using well water.
[0215]
<Support X>
The steps (a) to (k) were sequentially performed to produce a support X. (E) The amount of dissolution of the aluminum plate in the step is 0.5 g / m. 2 Set to.
[0216]
<Support Y>
A support Y was prepared by sequentially performing the steps except that the steps (a), (g), (h) and (i) were omitted. (E) The amount of dissolution of the aluminum plate in the step is 3.5 g / m. 2 Changed to
[0217]
<Support Z>
An aluminum plate (material: JIS A 1050) having a thickness of 0.3 mm is etched for 10 seconds at a caustic soda concentration of 30 g / l, an aluminum ion concentration of 10 g / l, a liquid temperature of 60 ° C., washed with running water, and washed with 10 g / l nitric acid. After neutralizing and washing with water. 500 C / dm in an aqueous solution having a hydrogen chloride concentration of 15 g / l, an aluminum ion concentration of 10 g / l, and a liquid temperature of 30 ° C. using a sinusoidal alternating waveform current under the condition of applied voltage Va = 20V. 2 After performing an electrochemical surface roughening treatment with an amount of electricity and washing with water, an etching treatment was carried out for 10 seconds at a caustic soda concentration of 30 g / l, an aluminum ion concentration of 10 g / l, and a liquid temperature of 40 ° C., followed by washing with running water. Next, it was desmutted in a sulfuric acid aqueous solution having a sulfuric acid concentration of 15% by mass and a liquid temperature of 30 ° C., and washed with water. Furthermore, in a 10% by mass sulfuric acid aqueous solution with a liquid temperature of 20 ° C., a current density of 6 A / dm at a direct current. 2 The amount of anodized film is 2.5 g / m under the conditions of 2 It was anodized so as to correspond, washed with water and dried. Then, it processed for 10 second at 30 degreeC with the sodium silicate 1.0 mass% aqueous solution, and produced the support body Z. FIG. The center line average roughness (Ra) of the support was measured using a needle having a diameter of 2 μm and found to be 0.48 μm.
[0218]
(Undercoating)
On the aluminum support X, Y, Z after the alkali metal silicate treatment obtained as described above, an undercoat solution having the following composition was applied and dried at 80 ° C. for 15 seconds. The coating amount after drying is 15 mg / m 2 Met.
[0219]
<Undercoat liquid composition>
・ The following polymer compound 0.3g
・ Methanol 100g
・ Water 1.0g
[0220]
Embedded image
[0221]
Examples 1-18 and Comparative Examples 1-12
[Preparation of heat-sensitive lithographic printing plate]
The support (X, Y, Z) obtained as described above, the following two types of recording layers (α, β), the resin (c) group contained in the recording layer and the long chain alkyl group-containing polymer In combination as shown in Table 1, heat-sensitive lithographic printing plates of Examples and Comparative Examples were produced.
[0222]
(1) Thermosensitive lithographic printing plate having recording layer α
A lower layer coating solution having the following composition on an undercoat support, with a wet coating amount of 18.75 ml / m 2 Applied with a wire bar and dried in a drying oven at 140 ° C. for 50 seconds, and the dry coating amount is 0.85 g / m. 2 The lower layer of was provided.
On the obtained lower layer, an upper layer coating solution 2 having the following composition was applied at a wet coating amount of 18.75 ml / m. 2 After coating, the coating was dried in a drying oven at 140 ° C. for 60 seconds, and the multilayer recording layer α (the lower layer + the upper layer was applied in a dry amount of 1.10 g / m). 2 A positive-type heat-sensitive lithographic printing plate having) was prepared.
[0223]
<Coating liquid for lower layer>
-Resin of group (c) described in Table 1. 2.133 g
-Cyanine dye (IRa-7 described in this specification) 0.082 g
・ Tetrahydrophthalic anhydride 0.190g
・ Bisphenol sulfonate 0.126g
・ 0.008 g of p-toluenesulfonic acid
・ 0.078g of counter anion of ethyl violet
Changed to 6-hydroxynaphthalenesulfonate
・ 3-methoxy-4-diazodiphenylamine 0.032 g
Hexafluorophosphate
・ Fluorosurfactant 0.035g
(Megafuck F-780, 30% solution manufactured by Dainippon Ink and Industry)
・ Methyl ethyl ketone 25.41g
・ 1-methoxy-2-propanol 12.97g
・ Γ-Butyrolactone 13.18g
[0224]
<Upper layer coating solution 2>
-Cresol novolac resin 0.35g
(PR-54046, manufactured by Sumitomo Bakelite Co., Ltd.)
・ Long chain alkyl-containing resin listed in Table 1 0.03 g
-Cyanine dye (IRa-7 described in this specification) 0.019 g
・ Polymer (compound X) having the following structure 0.042 g
-Compound of the following structure (Compound Y) 0.0043 g
・ Fluorine-based surfactant 0.015g
(Megafac F-780, 30% solution manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.)
・ Fluorine surfactant 0.0033g
(Megafuck F-781, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.)
・ Methyl ethyl ketone 10.17 g
・ 1-methoxy-2-propanol 21.00 g
[0225]
Embedded image
[0226]
(2) Thermosensitive planographic printing plate having recording layer β
The following coating solution 3 for recording layer was applied on the undercoat support and dried in an oven at 150 ° C. for 1 minute, and the dry coating amount was 1.8 g / m. 2 A heat-sensitive lithographic printing plate having a positive recording layer β was prepared.
[0227]
<Recording layer coating solution 3>
・ M, p-cresol novolak 0.14g
(M / p ratio = 6/4, weight average molecular weight 7700,
Contains 0.5% by mass of unreacted cresol)
-Resin of group (c) described in Table 1 0.80 g
・ Long chain alkyl group-containing polymer described in Table 1 0.09 g
-Cyanine dye (IRa-7 described in this specification) 0.03 g
-Cyanine dye (IRa-8 described in this specification) 0.01 g
・ 2,4,6-Tris (hexyloxy) benzenediazonium
2-hydroxy-4-methoxybenzophenone-5-sulfonate
0.01g
・ 0.002 g of p-toluenesulfonic acid
・ Ethyl violet 0.015g
・ Fluorine surfactant 0.02g
(Megafuck F-780, manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.)
・ Methyl ethyl ketone 17g
・ 5g of 1-methoxy-2-propanol
[0228]
[Evaluation of heat-sensitive lithographic printing plate]
The sensitivity, scratch resistance, development latitude and printing durability of the heat-sensitive lithographic printing plate produced as described above were evaluated using a developer prepared as described below. The results are shown in Table 1. Evaluation was performed according to the following evaluation method.
[0229]
(Developer preparation)
An aqueous solution having the following ratio was prepared. Thereafter, the heat-sensitive lithographic printing plate of the recording layers α and β was exposed on the entire surface at a writing rotational speed of 150 rpm and 8 W with a Trend setter 3244 manufactured by Creo, and then subjected to immersion development at 30 ° C. for 12 seconds. Was prepared by adjusting the concentration of the alkaline agent (KOH) so that no was observed.
[0230]
<Alkali developer A composition>
・ D-Sorbit / K 2 O (1/1 (molar ratio)) 5.0 mass%
・ Tripotassium citrate 10.0% by mass
・ Sodium laurylaminodicarboxylate 1.0% by mass
[0231]
<Alkali developer B composition>
・ SiO 2 ・ K 2 O (K 2 O / SiO 2 = 1/1 (molar ratio)) 4.0% by mass
・ Tripotassium citrate 0.5% by mass
・ Polyethylene glycol lauryl ether 0.5% by mass
(Weight average molecular weight 1,000)
・ Sodium laurylaminodicarboxylate 1.0% by mass
(N-lauryl-N, N-di (sodium ethylcarboxylate)
Amine, trade name: Takemoto Yushi, Pionein C158)
[0232]
(Evaluation of sensitivity)
The above heat-sensitive lithographic printing plate was drawn with a Trend setter 3244 manufactured by Creo at a writing rotation speed fixed at 150 rpm, and the laser output was changed in 3 to 8 W at 0.25 W increments to change the exposure energy. Thereafter, the developer is charged into the developing bath of LP-940H (automatic developing machine manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.). In the third bath, 1 part of FG-1 (Fuji Photo Film Co., Ltd.) is added. 8 liters of finishing gum solution diluted with 1 part of water was charged. The development speed was set so that the development time was 12 seconds. The exposure amount (beam intensity at a drum rotation speed of 150 rpm) that can develop the non-image area with the developer was measured and used as sensitivity. The smaller the numerical value, the higher the sensitivity.
[0233]
(Scratch resistance evaluation)
The heat-sensitive lithographic printing plate produced as described above was used at a speed of 400 mm / min while changing the load on the needle by using a scratching tester HEIDON-14 manufactured by HEIDON and using a 0.4 mmR diamond needle as a scratching needle. The recording layer surface was scratched. The development process was performed on the heat-sensitive lithographic printing plate after scratching, and the load (unit: g) at which the remaining film due to scratches was visually observed was defined as an evaluation value of scratch resistance. A larger value indicates that a scar film is less likely to be formed, and the scratch resistance is superior.
[0234]
(Evaluation of development latitude)
The obtained photosensitive lithographic printing plate was stored for 5 days at a temperature of 25 ° C. and a relative humidity of 50%, and then a test pattern was drawn with a Trend setter 3244 manufactured by Creo at a beam intensity of 9.0 W and a drum rotation speed of 150 rpm. It was.
Thereafter, a PS processor 940H manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., in which the conductivity was changed by changing the alkali amount (KOH) of the alkaline developer A composition and B composition, the liquid temperature was set to 30. Development was performed at a development time of 12 seconds while maintaining the temperature. At this time, the difference between the highest and lowest conductivity of the developer in which the image portion was not eluted and the development was successfully performed without contamination and coloring caused by the poorly developed recording layer residual film. Was evaluated as a development latitude. The results are shown in Table 1.
[0235]
(Evaluation of printing durability)
Using a lithographic printing plate developed with a developer having conductivity that was able to develop well in the evaluation of the development latitude, printing was performed on high-quality paper with a printing machine KOR-D manufactured by Heidelberg. Printing was performed while wiping the plate surface with a cleaner liquid (“Plate Cleaner CL2” manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.) every 5000 sheets printed. Table 1 shows the final number of printed sheets. Here, the final number of printed sheets is the number of sheets until the image portion of the lithographic printing plate undergoes film veri fi cation and ink does not adhere partially, so-called plate skipping occurs.
[0236]
[Table 1]
[0237]
In Table 1, P in the (c) group resin column indicates PR-54046 (Sumitomo Bakelite Co., Ltd., cresol novolac resin).
[0238]
From the above results, it is clear that the heat-sensitive lithographic printing plates of the examples of the present invention have practically sufficient development latitude and printing durability, and also have good scratch resistance and sensitivity. On the other hand, in the heat-sensitive lithographic printing plate of the comparative example not containing the resin of group (c) or the long-chain alkyl group-containing polymer, a defect was observed in any of the evaluation items.
[0239]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a heat-sensitive lithographic printing plate having practically sufficient development latitude and printing durability, and having good scratch resistance and sensitivity.
Claims (1)
(a)光を吸収し熱を発生する物質。
(b)フェノール性水酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂。
(c)ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリマレイミド樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂。
(d)長鎖アルキル基含有ポリマー。A heat-sensitive lithographic printing plate comprising a recording layer containing the following (a) to (d):
(A) A substance that absorbs light and generates heat.
(B) An aqueous alkali-soluble resin having a phenolic hydroxyl group.
(C) At least one resin selected from polyurethane resin, polyvinyl acetal resin, epoxy resin, polyester resin, and polymaleimide resin.
(D) A long-chain alkyl group-containing polymer.
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