JP2004286373A - 圧力調整ベローズ及びそれを備える冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】よりスムーズに循環配管内の圧力調整を行って、静音化を図ることができると共に、設備費の低減(低コスト化)を図ることができる圧力調整ベローズ及びそれを備える冷却装置を実現する。
【解決手段】圧力調整ベローズ57は、二次冷媒を循環配管53に循環させることにより、冷凍機54で発生した冷熱を冷却対象である冷熱利用機器52に供給する冷却装置50に備えられ、循環配管53内の圧力調整を行う圧力調整ベローズ57であって、圧力調整ベローズ57のベローズタンク63は、側部57a及び上面57bがゴム又は樹脂により形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】圧力調整ベローズ57は、二次冷媒を循環配管53に循環させることにより、冷凍機54で発生した冷熱を冷却対象である冷熱利用機器52に供給する冷却装置50に備えられ、循環配管53内の圧力調整を行う圧力調整ベローズ57であって、圧力調整ベローズ57のベローズタンク63は、側部57a及び上面57bがゴム又は樹脂により形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二次冷媒を循環配管に循環させることにより、冷凍機を用いて発生した冷熱を冷熱利用機器に供給する冷却装置に関し、特には、この冷却装置における循環配管内の圧力調整を行う圧力調整ベローズ、及びそれを備える冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題におけるフロン代替の冷凍装置として、又、従来の冷却装置より使用温度が広範囲であり、コンパクトで、しかも成績係数が高く、エネルギー効率が良好となる冷凍機として、スターリング冷凍機が脚光を浴びている。このため、スターリング冷凍機は、冷凍庫、冷蔵庫、投げ込み式クーラ等の業務用又は家庭用の冷熱利用機器をはじめ、低温液循環器、低温恒温器、恒温槽、ヒートショック試験装置、凍結乾燥機、温度特性試験装置、血液・細胞保存装置、コールドクーラ、その他各種の冷熱装置等のあらゆる産業分野の冷熱利用機器に適用可能な、冷熱供給源としての利用が検討されている。
【0003】
上記のような冷却装置に関連する従来技術として、スターリング冷凍機の冷却ヘッド、冷却ヘッドで冷却される冷熱冷媒を流すポンプを有する冷熱冷媒管路及び冷熱利用機器の冷熱冷媒配管とから構成される冷熱冷媒の循環路を備えたスターリング冷却装置において、循環路内を循環する冷熱冷媒の収縮や圧力変動に対して冷熱冷媒流の補充、圧力調整を行い、冷熱冷媒の流れの安定性を図り良好な熱移送を可能とする、ベローズタンク装置を接続したスターリング冷却装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−303459号公報(第1頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のスターリング冷凍機を用いた冷却装置では、冷熱冷媒(二次冷媒、冷却液)を循環させる循環配管内の圧力調整を行なうために、圧力調整ベローズが設けられている。圧力調整ベローズは、ベローズタンクの容積が変化することにより循環配管内で生じた圧力を吸収するものである。このような圧力調整ベローズでは、循環配管内の圧力を吸収して膨張したとき、ベローズタンクが倒れるのを防止するため、ベローズタンクを案内する金属製のガイド及びガイドレールを設けている。しかし、圧力調整ベローズが膨張するとき脈動が起こるため、ベローズタンクを案内しているガイドとガイドレールとが接触して金属音が生じ、非常に騒がしい。また、ガイドやガイドレールを設けるための設備費も必要となる。
【0006】
本発明は、よりスムーズに循環配管内の圧力調整を行って、静音化を図ることができると共に、設備費の低減(低コスト化)を図ることができる圧力調整ベローズ及びそれを備える冷却装置を実現することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、二次冷媒を循環配管に循環させることにより、冷凍機で発生した冷熱を冷却対象に供給する冷却装置に備えられ、前記循環配管内の圧力調整を行う圧力調整ベローズであって、前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、少なくとも上面がゴム又は樹脂により形成されていることを特徴とする圧力調整ベローズを提供する。
【0008】
前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、側部及び上面がゴム又は樹脂により一体成形されていることが好ましい。
【0009】
また、本発明は、二次冷媒が循環する循環配管と、該循環配管内の圧力を調整する圧力調整ベローズと、を備え、前記二次冷媒を前記循環配管に循環させることにより冷凍機で発生した冷熱を冷却対象に供給する冷却装置であって、前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、少なくとも上面がゴム又は樹脂により形成されていることを特徴とする冷却装置を提供する。
【0010】
前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、側部及び上面がゴム又は樹脂により一体成形されていることが好ましい。
【0011】
前記冷凍機は、作動ガスを圧縮させて冷熱を発生するスターリング冷凍機であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る冷却装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。本発明に係る冷却装置を説明するにあたり、まず、スターリング冷凍機を用いた冷却装置の基本的な構成について説明する。
【0013】
図3は、このようなスターリング冷凍機を用いた冷却装置1の概略的な構成を示す図である。冷却装置1は、冷却対象となる冷熱利用機器2に二次冷媒(冷却液)を循環させる循環配管3と、この循環配管3に設けられた冷凍機4と、循環配管3に設けられ、二次冷媒を冷熱利用機器2に循環させる二次冷媒ポンプ5と、循環する二次冷媒量を調整するリザーバタンク6と、を備える。
【0014】
循環配管3を矢印aに沿って循環する二次冷媒は、冷凍機4で冷却される。循環配管3に設けられる二次冷媒(冷却液)ポンプ5は、二次冷媒を循環させて、冷熱利用機器2に二次冷媒を送流して冷熱の利用に供する。
【0015】
リザーバタンク6は、循環する二次冷媒量を調節するために設けられている。つまり、循環配管3を循環する二次冷媒は、冷凍機4で冷却されるにつれて体積が減少してしまう。このため二次冷媒を補充して二次冷媒量を調整するためにリザーバタンク6が設けられている。
【0016】
リザーバタンク6の上部空間6’には、圧力調整ベローズ7、安全バルブ8、及び、タンクベント9が、内部に貫通孔が設けられた金属製の汎用品である角ブロック10を介して、リザーバタンク6と連通するように接続されている。リザーバタンク6の上部には二次冷媒注入バルブ(フィル)11が接続されている。一方、リザーバタンク6の二次冷媒の貯留部分6aと循環配管3とは、電磁弁12を介して接続されている。
【0017】
圧力調整ベローズ7は、伸縮することにより、循環配管3内の圧力調整を行なうものである。つまり、二次冷媒が冷熱利用機器2で冷熱を与えることにより二次冷媒に温度上昇が生じ、この結果、二次冷媒の体積変化が生じる。この体積変化により生じる循環配管3内の圧力変動に応じて、圧力調整ベローズ7が伸縮することで、循環配管3内の圧力変動を吸収する。
【0018】
図4は、圧力調整ベローズ7の基本的な構成を示す斜視図である。圧力調整ベローズ7は、ベローズタンク33と、ガイド32及びガイドレール31と、を含んで構成される。ベローズタンク33は、じゃばら形(ベロー形)のゴムから成る側部(ベローズ)7aと、側部7aの上面7fに設けられた蓋の役目をする円盤形状の金属から成る頂板7bと、を具備する。ゴム製の側部7aの下辺部7cは、ドーナツ状の金属板(底板)7dにより角ブロック60(図3参照)上に密封した状態で取り付けられている。
【0019】
図4に示されるように、圧力調整ベローズ7は、ベローズタンク33の側部7a及び上方を取り囲むコの字型のガイドレール31と、ガイド32とを有する。このガイド32により、ベローズタンク33の頂板7bは、ガイドレール31に上下動摺動可能に案内されている。さらに詳しく説明すると、ガイド32の中央部32aが、圧力調整ベローズ7の頂板7bに設けられた突設部7eに固定されると共に、ガイド32の両端部32bが、ベローズタンク33の側部7a近傍に位置するガイドレール7aに上下動摺動可能にはめられている。ガイド32及びガイドレール31は、金属で形成されている。ガイドレール31の底辺31aは、金属板(底板)7dにより角ブロック60(図3参照)に取り付けられて固定される。
【0020】
圧力調整ベローズ7が、ガイドレール31及びガイド32を有するのは、以下の理由による。圧力調整ベローズ7では、ベローズタンク33の容積が変化して循環配管3内で生じた圧力を吸収するため、ゴム製の側部(ベローズ)7eが上方へ伸びる。この際、金属製の頂板7cは重いため、ベローズタンク33自体が側方に倒れてしまう恐れがある。そこで、ベローズタンク33が倒れるのを防止するために、ガイド32及びガイドレール31を設けてベローズタンク33を案内しているのである。
【0021】
一方、安全バルブ8はリザーバタンク6の内圧が所定圧以上になると開弁することにより、リザーバタンク6の内圧が異常な高圧にならないようにするものである。
【0022】
リザーバタンク6に設けられる二次冷媒注入バルブ(フィル)11は、二次冷媒を冷却装置1内に注入する際に、開弁して用いるものである。また、タンクベント9は、リザーバタンク6を強制開放できるようにするものである。
【0023】
循環配管3に設けられる気液分離配管20は、冷熱利用機器2から戻ってきた二次冷媒中の残留エアを分離するためのものである。気液分離配管20は、冷熱利用機器2と二次冷媒ポンプ5との間の配管3aに設けられた気液分離管20aと、気液分離された二次冷媒に残留しているエアをリザーバタンク6に導く気体回収管20bと、液体の二次冷媒を循環配管3に戻す液体戻管20c等と、により形成されている。
【0024】
気液分離管20aと液体戻管20cとは連通して、略逆U字状をなし、その頂部近傍に気体回収管20bが接続されて、リザーバタンク6へ連通している。エアが分離している二次冷媒が、冷熱利用機器2から循環配管3aに流動して二次冷媒ポンプ5に戻るまでの間に、二次冷媒に残留しているエア(空気)が気液分離管20a内を上昇することにより気液分離が行われる。この気体の二次冷媒は、気体回収管20bを介してリザーバタンク6に回収され、液体の二次冷媒は、液体戻管20cを介して循環配管3に戻るようにする。
【0025】
なお、液体戻管20cには、フッ素液フィルタ21を設けてもよい。フッ素液フィルタ21は、例えばハイドロフルオロエーテル(HFE)の二次冷媒を用いた場合に、二次冷媒中で発生するフッ素化合物を取り除くためのものであり、例えば公知の活性アルミナカートリッジが用いられる。具体的には、上述した電磁弁12を開いて循環配管3を循環する二次冷媒の一部をリザーバタンク6に流入させる。リザーバタンク6内の二次冷媒は、液体戻管20cへ流出してフッ素液フィルタ21を通り、二次冷媒中のフッ素化合物が取り除かれる。
【0026】
冷却装置1では、上述したように、気液分離配管20により気液分離を行い、二次冷媒残留中の空気(エア)をリザーバタンク6に回収している。しかし、循環配管3を流れる二次冷媒の流速が速い場合、特に、冷却装置1を運転始動し始めた初期段階においては、二次冷媒残留中の空気(エア)をスムーズに気液分離させることが難しい。このため、二次冷媒(冷却液)ポンプ5にインバータ(図示せず)を設置し、二次冷媒ポンプ5をインバータ制御することにより、循環配管3を流れる二次冷媒の流速を遅くする等の流量の調整を行って、気液分離配管20を介してスムーズに気液分離が行われるようにしている。
【0027】
気液分離が行われると、二次冷媒ポンプ5には液体の二次冷媒のみが戻るので、二次冷媒残留中の空気(エア)により生じる、二次冷媒ポンプ5のエアー噛み等の不都合が防止できる。
【0028】
本発明は、以上のような基本構成を有する冷却装置において、次のような構成を特徴とする。つまり、圧力調整ベローズ7に改良を加え、よりスムーズに循環配管内の圧力調整を行って、静音化を図ると共に、設備費の低減(低コスト化)を図る。以下に、本発明に係る圧力調整ベローズを備える冷却装置の実施例について具体的に説明する。
【0029】
(実施例)
図1は、本発明の実施例に係る圧力調整ベローズを備える冷却装置50の概略的な構成を示す図である。冷却装置50は、冷却対象となる冷熱利用機器52に二次冷媒(冷却液)を循環させる循環配管53と、循環配管53内の圧力を調整する本発明に係る圧力調整ベローズ57と、を備える他、循環配管53に設けられた冷凍機54、循環配管53に設けられ、二次冷媒を冷熱利用機器52に循環させる二次冷媒ポンプ55、及び、循環する二次冷媒量を調整するリザーバタンク56等、を含んで構成される。
【0030】
循環配管53を循環する二次冷媒は、冷凍機54で冷却される。冷凍機54には、作動ガスを圧縮させて冷熱を発生するスターリング冷凍機が用いられる。循環配管53に設けられる二次冷媒(冷却液)ポンプ55は、二次冷媒を循環させて、冷熱利用機器52に二次冷媒を送流して冷熱の利用に供する。
【0031】
リザーバタンク56は、循環する二次冷媒量を調節するために設けられている。つまり、循環配管53を循環する二次冷媒は、冷凍機54で冷却されるにつれて体積が減少してしまう。このため二次冷媒を補充して二次冷媒量を調整するためにリザーバタンク56が設けられている。
【0032】
リザーバタンク56の上部空間56’には、本発明に係る圧力調整ベローズ57、安全バルブ58、及び、タンクベント59が角ブロック60を介して、リザーバタンク56と連通するように接続されている。つまり、圧力調整ベローズ57、安全バルブ58、及び、タンクベント59は、内部に貫通孔が設けられた金属製の汎用品である角ブロック60に装着されており、この角ブロック60がリザーバタンク56の上部空間56’に配置されている。また、リザーバタンク56の上部には二次冷媒注入バルブ(フィル)61が接続されている(設けられている)。さらに、リザーバタンク56の液体の二次媒体の貯留部分56aと循環配管53とは、電磁弁62を介して接続されている。
【0033】
圧力調整ベローズ57は、伸縮することにより、後述する気体回収管70b、及び気液分離管70a等を介して循環配管53内の圧力調整を行なうものである。つまり、二次冷媒が冷熱利用機器52で冷熱を与えることにより二次冷媒に温度上昇が生じ、この結果二次冷媒の体積変化が生じる。この体積変化により生じる循環配管53内の圧力変動に応じて、圧力調整ベローズ57が伸縮することで、循環配管53内の圧力変動を吸収する。
【0034】
安全バルブ58はリザーバタンク56の内圧が所定圧以上になると開弁することにより、リザーバタンク56の内圧が異常な高圧にならないようにするものである。
【0035】
リザーバタンク56に設けられる二次冷媒注入バルブ(フィル)61は、二次冷媒を冷却装置50内、つまりリザーバタンク56に注入する際に、開弁して用いるものである。また、タンクベント59は、リザーバタンク56を強制開放できるようにするものである。具体的には、二次冷媒を冷却装置50内に注入するとき、フィル61を開いてリザーバタンク56に二次冷媒(冷却液)を注ぎ込む。このとき、空気(エア)がリザーバタンク56から逃げられるようにするため、タンクベント59を開く。
【0036】
循環配管53には、二次冷媒の気液分離を行う気液分離配管70が設けられている。気液分離配管70は、冷熱利用機器52側から戻ってきた二次冷媒中の残留エアを分離し、液体の二次冷媒を循環配管53に戻るようにするものである。気液分離配管70は、冷熱利用機器52と二次冷媒ポンプ55との間の配管53aに設けられた気液分離管70aと、気液分離された二次冷媒残留中の空気(エア)をリザーバタンク56に導く気体回収管70bと、液体の二次冷媒を循環配管53に戻す液体戻管70c等と、により形成されている。
【0037】
気液分離管70aと液体戻管70cとは連通して、略逆U字状をなし、その頂部近傍に気体回収管70bが接続されて、リザーバタンク56へ連通している。二次冷媒が、冷熱利用機器52から循環配管53aに流動して二次冷媒ポンプ55に戻るまでの間に、二次冷媒中に残留している空気(エア)が気液分離管70a内を上昇することにより気液分離が行われる。この二次冷媒中の残留エアは、気体回収管70bを介してリザーバタンク56に回収される。
【0038】
気液分離が行われると、二次冷媒ポンプ55には液体の二次冷媒のみが戻るので、二次冷媒中の残留エアにより生じる、二次冷媒ポンプ55でのエアー噛み等の不都合が防止できる。
【0039】
なお、液体戻管70cには、フッ素液フィルタ71を設けてもよい。フッ素液フィルタ71は、例えばハイドロフルオロエータエル(HFE)の二次冷媒を用いた場合に、二次冷媒中で発生するフッ素化合物を取り除くためのものであり、例えば公知の活性アルミナカートリッジが用いられる。具体的には、上述した電磁弁62を開いて循環配管53を循環する二次冷媒の一部をリザーバタンク56に流入させる。リザーバタンク56内の二次冷媒は、液体戻管70cへ流出してフッ素液フィルタ71を通り、二次冷媒中のフッ素化合物が取り除かれる。
【0040】
冷却装置50には、上述したように、本発明の実施例に係る圧力調整ベローズ57が備えられている。図2に圧力調整ベローズ57の主要部、つまりベローズタンク63の側方から見た概略的な断面図を示す。圧力調整ベローズ57は、循環配管53の圧力変動を吸収するために容積可変のベローズタンク63を含んで構成される。ベローズタンク63は、じゃばら形(ベロー形)の側部(ベローズ)57aと、円盤形状の上面57bと、から成る。本発明の特徴は、ベローズタンク63の少なくとも上面57bがゴムにより形成されていることである。さらに詳しく説明すると、本実施例に係るベローズタンク63の側部57a及び上面57bはゴムにより一体成形されている。
【0041】
ゴム製のベローズタンク63の下辺部57cは、図4で示した金属板7dのようなドーナツ状の金属板(図示せず)により角ブロック60(図1参照)上に密封した状態で取り付けられて、圧力調整ベローズ57として用いられる。この取り付けにより、圧力調整ベローズ57のベローズタンク63内は密閉空間を形成する。
【0042】
(作用)
次に、図1及び図2を参照しつつ、本実施例の作用について簡単に説明する。冷却対象である冷熱利用機器52に冷熱を供給する場合、冷凍機54が始動すると共に、二次冷媒ポンプ55が始動し、二次冷媒が循環配管53を矢印aで示す方向に流れる。
【0043】
循環配管53を流れる二次冷媒は、冷凍機54に達し、冷凍機54において冷却される。冷却された二次冷媒は、循環配管53中をさらに流通して、冷熱利用機器52に達し、冷熱を供給する。このように、冷凍機54で冷却された二次冷媒は、二次冷媒ポンプ55により循環配管53内で循環され、冷熱利用機器52において冷却作用をする。
【0044】
二次冷媒が冷熱利用機器52に冷熱を供給して冷却作用をすることにより、二次冷媒の温度が上昇し、体積変化が生じる。例えば、二次冷媒の体積が増大して、循環配管53内の圧力が高くなると、圧力調整ベローズ57が膨張する。つまり、ベローズタンク63のじゃばら状の側部57aは上方に伸び、上面57bが上昇する。逆に、循環配管53内の圧力が低くなると、圧力調整ベローズ57は縮小する。つまり、ベローズタンク63の側部57aは縮み、上面57bが下降する。このようにして、ベローズタンク63内の容積が変動することにより圧力調整ベローズ57が循環配管53内の圧力変動を吸収し、循環配管53内は、所定の圧力状態に維持される。
【0045】
本実施例の圧力調整ベローズ57では、ベローズタンク63の側部57a及び上面57bがゴムにより一体成形されているため、隙間が生じず、吸収されるエアがベローズタンク63から外部へ漏れ出るといった不都合がない。また、ベローズタンク63の上面57bはゴム製のため、ベローズタンクの上面を金属製の頂板により蓋をする場合に比べて、上面57bの重さが軽くなる。このため、ベローズタンク63が側方に倒れることなく上下方向にスムーズにまっすぐ伸縮することができる。したがって、圧力調整ベローズのベローズタンクが側方に倒れるのを防止するために案内していた金属製のガイド及びガイドレール自体が不要である。その結果、圧力調整ベローズが伸縮するときに脈動してガイドとガイドレールとが摺動する際に生じていた金属音を無くすことができ、静音化を図ることができる。
【0046】
さらに、ガイド及びガイドレールを設けなくてもよいので、設備費の低減を図ることができる。
【0047】
なお、本実施例のベローズタンク63の側部57a及び上面57bはゴム製であるが、金属よりも軽い等、本実施例の圧力調整ベローズ57と同様の役割を果たせば、ベローズタンクの材質はゴムには限られず、例えば、樹脂によりベローズタンクを一体成形してもよい。
【0048】
以上、本発明に係る圧力調整ベローズ及びそれを備える冷却装置の実施形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は特にこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることはいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】
以上の構成から成る本発明に係る圧力調整ベローズ及びそれを備える冷却装置によると、よりスムーズに循環配管内の圧力調整を行って、静音化を図ることができると共に、設備費の低減(低コスト化)を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る冷却装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】本実施例に係る圧力調整ベローズの主要部を側方から見た概略的な断面図である。
【図3】冷却装置の概略的な基本的構成を示す図である。
【図4】基本的な圧力調整ベローズを示す斜視図である。
【符号の説明】
1、50 冷却装置
2、52 冷熱利用機器
3、53 循環配管
3a、53a、53b 配管
4、54 冷凍機
5、55 二次冷媒(冷却液)ポンプ
6、56 リザーバタンク
6a、56a 貯留部分
6’、56’ 上部空間
7、57 圧力調整ベローズ
7a、57a 側部(ベローズ)
7b 頂板
7c、57c 下辺部
7d 金属板
7e 突設部
7f、57b 上面
8、58 安全バルブ
9、59 タンクベント
10、60 角ブロック
11、61 二次冷媒注入バルブ(フィル)
12、62 電磁弁
20、70 気液分離配管
20a、70a 気液分離管
20b、70b 気体回収管
20c、70c 液体戻管
21、71 フッ素液フィルタ
31 ガイドレール
31a 底辺
32 ガイド
32a 中央部
32b 両側端部
33、63 ベローズタンク
56b 水位
56c 位置
80 バイパス配管
80a 一端
80b 他端
81 バイパス弁
【発明の属する技術分野】
この発明は、二次冷媒を循環配管に循環させることにより、冷凍機を用いて発生した冷熱を冷熱利用機器に供給する冷却装置に関し、特には、この冷却装置における循環配管内の圧力調整を行う圧力調整ベローズ、及びそれを備える冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題におけるフロン代替の冷凍装置として、又、従来の冷却装置より使用温度が広範囲であり、コンパクトで、しかも成績係数が高く、エネルギー効率が良好となる冷凍機として、スターリング冷凍機が脚光を浴びている。このため、スターリング冷凍機は、冷凍庫、冷蔵庫、投げ込み式クーラ等の業務用又は家庭用の冷熱利用機器をはじめ、低温液循環器、低温恒温器、恒温槽、ヒートショック試験装置、凍結乾燥機、温度特性試験装置、血液・細胞保存装置、コールドクーラ、その他各種の冷熱装置等のあらゆる産業分野の冷熱利用機器に適用可能な、冷熱供給源としての利用が検討されている。
【0003】
上記のような冷却装置に関連する従来技術として、スターリング冷凍機の冷却ヘッド、冷却ヘッドで冷却される冷熱冷媒を流すポンプを有する冷熱冷媒管路及び冷熱利用機器の冷熱冷媒配管とから構成される冷熱冷媒の循環路を備えたスターリング冷却装置において、循環路内を循環する冷熱冷媒の収縮や圧力変動に対して冷熱冷媒流の補充、圧力調整を行い、冷熱冷媒の流れの安定性を図り良好な熱移送を可能とする、ベローズタンク装置を接続したスターリング冷却装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−303459号公報(第1頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のスターリング冷凍機を用いた冷却装置では、冷熱冷媒(二次冷媒、冷却液)を循環させる循環配管内の圧力調整を行なうために、圧力調整ベローズが設けられている。圧力調整ベローズは、ベローズタンクの容積が変化することにより循環配管内で生じた圧力を吸収するものである。このような圧力調整ベローズでは、循環配管内の圧力を吸収して膨張したとき、ベローズタンクが倒れるのを防止するため、ベローズタンクを案内する金属製のガイド及びガイドレールを設けている。しかし、圧力調整ベローズが膨張するとき脈動が起こるため、ベローズタンクを案内しているガイドとガイドレールとが接触して金属音が生じ、非常に騒がしい。また、ガイドやガイドレールを設けるための設備費も必要となる。
【0006】
本発明は、よりスムーズに循環配管内の圧力調整を行って、静音化を図ることができると共に、設備費の低減(低コスト化)を図ることができる圧力調整ベローズ及びそれを備える冷却装置を実現することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、二次冷媒を循環配管に循環させることにより、冷凍機で発生した冷熱を冷却対象に供給する冷却装置に備えられ、前記循環配管内の圧力調整を行う圧力調整ベローズであって、前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、少なくとも上面がゴム又は樹脂により形成されていることを特徴とする圧力調整ベローズを提供する。
【0008】
前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、側部及び上面がゴム又は樹脂により一体成形されていることが好ましい。
【0009】
また、本発明は、二次冷媒が循環する循環配管と、該循環配管内の圧力を調整する圧力調整ベローズと、を備え、前記二次冷媒を前記循環配管に循環させることにより冷凍機で発生した冷熱を冷却対象に供給する冷却装置であって、前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、少なくとも上面がゴム又は樹脂により形成されていることを特徴とする冷却装置を提供する。
【0010】
前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、側部及び上面がゴム又は樹脂により一体成形されていることが好ましい。
【0011】
前記冷凍機は、作動ガスを圧縮させて冷熱を発生するスターリング冷凍機であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る冷却装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。本発明に係る冷却装置を説明するにあたり、まず、スターリング冷凍機を用いた冷却装置の基本的な構成について説明する。
【0013】
図3は、このようなスターリング冷凍機を用いた冷却装置1の概略的な構成を示す図である。冷却装置1は、冷却対象となる冷熱利用機器2に二次冷媒(冷却液)を循環させる循環配管3と、この循環配管3に設けられた冷凍機4と、循環配管3に設けられ、二次冷媒を冷熱利用機器2に循環させる二次冷媒ポンプ5と、循環する二次冷媒量を調整するリザーバタンク6と、を備える。
【0014】
循環配管3を矢印aに沿って循環する二次冷媒は、冷凍機4で冷却される。循環配管3に設けられる二次冷媒(冷却液)ポンプ5は、二次冷媒を循環させて、冷熱利用機器2に二次冷媒を送流して冷熱の利用に供する。
【0015】
リザーバタンク6は、循環する二次冷媒量を調節するために設けられている。つまり、循環配管3を循環する二次冷媒は、冷凍機4で冷却されるにつれて体積が減少してしまう。このため二次冷媒を補充して二次冷媒量を調整するためにリザーバタンク6が設けられている。
【0016】
リザーバタンク6の上部空間6’には、圧力調整ベローズ7、安全バルブ8、及び、タンクベント9が、内部に貫通孔が設けられた金属製の汎用品である角ブロック10を介して、リザーバタンク6と連通するように接続されている。リザーバタンク6の上部には二次冷媒注入バルブ(フィル)11が接続されている。一方、リザーバタンク6の二次冷媒の貯留部分6aと循環配管3とは、電磁弁12を介して接続されている。
【0017】
圧力調整ベローズ7は、伸縮することにより、循環配管3内の圧力調整を行なうものである。つまり、二次冷媒が冷熱利用機器2で冷熱を与えることにより二次冷媒に温度上昇が生じ、この結果、二次冷媒の体積変化が生じる。この体積変化により生じる循環配管3内の圧力変動に応じて、圧力調整ベローズ7が伸縮することで、循環配管3内の圧力変動を吸収する。
【0018】
図4は、圧力調整ベローズ7の基本的な構成を示す斜視図である。圧力調整ベローズ7は、ベローズタンク33と、ガイド32及びガイドレール31と、を含んで構成される。ベローズタンク33は、じゃばら形(ベロー形)のゴムから成る側部(ベローズ)7aと、側部7aの上面7fに設けられた蓋の役目をする円盤形状の金属から成る頂板7bと、を具備する。ゴム製の側部7aの下辺部7cは、ドーナツ状の金属板(底板)7dにより角ブロック60(図3参照)上に密封した状態で取り付けられている。
【0019】
図4に示されるように、圧力調整ベローズ7は、ベローズタンク33の側部7a及び上方を取り囲むコの字型のガイドレール31と、ガイド32とを有する。このガイド32により、ベローズタンク33の頂板7bは、ガイドレール31に上下動摺動可能に案内されている。さらに詳しく説明すると、ガイド32の中央部32aが、圧力調整ベローズ7の頂板7bに設けられた突設部7eに固定されると共に、ガイド32の両端部32bが、ベローズタンク33の側部7a近傍に位置するガイドレール7aに上下動摺動可能にはめられている。ガイド32及びガイドレール31は、金属で形成されている。ガイドレール31の底辺31aは、金属板(底板)7dにより角ブロック60(図3参照)に取り付けられて固定される。
【0020】
圧力調整ベローズ7が、ガイドレール31及びガイド32を有するのは、以下の理由による。圧力調整ベローズ7では、ベローズタンク33の容積が変化して循環配管3内で生じた圧力を吸収するため、ゴム製の側部(ベローズ)7eが上方へ伸びる。この際、金属製の頂板7cは重いため、ベローズタンク33自体が側方に倒れてしまう恐れがある。そこで、ベローズタンク33が倒れるのを防止するために、ガイド32及びガイドレール31を設けてベローズタンク33を案内しているのである。
【0021】
一方、安全バルブ8はリザーバタンク6の内圧が所定圧以上になると開弁することにより、リザーバタンク6の内圧が異常な高圧にならないようにするものである。
【0022】
リザーバタンク6に設けられる二次冷媒注入バルブ(フィル)11は、二次冷媒を冷却装置1内に注入する際に、開弁して用いるものである。また、タンクベント9は、リザーバタンク6を強制開放できるようにするものである。
【0023】
循環配管3に設けられる気液分離配管20は、冷熱利用機器2から戻ってきた二次冷媒中の残留エアを分離するためのものである。気液分離配管20は、冷熱利用機器2と二次冷媒ポンプ5との間の配管3aに設けられた気液分離管20aと、気液分離された二次冷媒に残留しているエアをリザーバタンク6に導く気体回収管20bと、液体の二次冷媒を循環配管3に戻す液体戻管20c等と、により形成されている。
【0024】
気液分離管20aと液体戻管20cとは連通して、略逆U字状をなし、その頂部近傍に気体回収管20bが接続されて、リザーバタンク6へ連通している。エアが分離している二次冷媒が、冷熱利用機器2から循環配管3aに流動して二次冷媒ポンプ5に戻るまでの間に、二次冷媒に残留しているエア(空気)が気液分離管20a内を上昇することにより気液分離が行われる。この気体の二次冷媒は、気体回収管20bを介してリザーバタンク6に回収され、液体の二次冷媒は、液体戻管20cを介して循環配管3に戻るようにする。
【0025】
なお、液体戻管20cには、フッ素液フィルタ21を設けてもよい。フッ素液フィルタ21は、例えばハイドロフルオロエーテル(HFE)の二次冷媒を用いた場合に、二次冷媒中で発生するフッ素化合物を取り除くためのものであり、例えば公知の活性アルミナカートリッジが用いられる。具体的には、上述した電磁弁12を開いて循環配管3を循環する二次冷媒の一部をリザーバタンク6に流入させる。リザーバタンク6内の二次冷媒は、液体戻管20cへ流出してフッ素液フィルタ21を通り、二次冷媒中のフッ素化合物が取り除かれる。
【0026】
冷却装置1では、上述したように、気液分離配管20により気液分離を行い、二次冷媒残留中の空気(エア)をリザーバタンク6に回収している。しかし、循環配管3を流れる二次冷媒の流速が速い場合、特に、冷却装置1を運転始動し始めた初期段階においては、二次冷媒残留中の空気(エア)をスムーズに気液分離させることが難しい。このため、二次冷媒(冷却液)ポンプ5にインバータ(図示せず)を設置し、二次冷媒ポンプ5をインバータ制御することにより、循環配管3を流れる二次冷媒の流速を遅くする等の流量の調整を行って、気液分離配管20を介してスムーズに気液分離が行われるようにしている。
【0027】
気液分離が行われると、二次冷媒ポンプ5には液体の二次冷媒のみが戻るので、二次冷媒残留中の空気(エア)により生じる、二次冷媒ポンプ5のエアー噛み等の不都合が防止できる。
【0028】
本発明は、以上のような基本構成を有する冷却装置において、次のような構成を特徴とする。つまり、圧力調整ベローズ7に改良を加え、よりスムーズに循環配管内の圧力調整を行って、静音化を図ると共に、設備費の低減(低コスト化)を図る。以下に、本発明に係る圧力調整ベローズを備える冷却装置の実施例について具体的に説明する。
【0029】
(実施例)
図1は、本発明の実施例に係る圧力調整ベローズを備える冷却装置50の概略的な構成を示す図である。冷却装置50は、冷却対象となる冷熱利用機器52に二次冷媒(冷却液)を循環させる循環配管53と、循環配管53内の圧力を調整する本発明に係る圧力調整ベローズ57と、を備える他、循環配管53に設けられた冷凍機54、循環配管53に設けられ、二次冷媒を冷熱利用機器52に循環させる二次冷媒ポンプ55、及び、循環する二次冷媒量を調整するリザーバタンク56等、を含んで構成される。
【0030】
循環配管53を循環する二次冷媒は、冷凍機54で冷却される。冷凍機54には、作動ガスを圧縮させて冷熱を発生するスターリング冷凍機が用いられる。循環配管53に設けられる二次冷媒(冷却液)ポンプ55は、二次冷媒を循環させて、冷熱利用機器52に二次冷媒を送流して冷熱の利用に供する。
【0031】
リザーバタンク56は、循環する二次冷媒量を調節するために設けられている。つまり、循環配管53を循環する二次冷媒は、冷凍機54で冷却されるにつれて体積が減少してしまう。このため二次冷媒を補充して二次冷媒量を調整するためにリザーバタンク56が設けられている。
【0032】
リザーバタンク56の上部空間56’には、本発明に係る圧力調整ベローズ57、安全バルブ58、及び、タンクベント59が角ブロック60を介して、リザーバタンク56と連通するように接続されている。つまり、圧力調整ベローズ57、安全バルブ58、及び、タンクベント59は、内部に貫通孔が設けられた金属製の汎用品である角ブロック60に装着されており、この角ブロック60がリザーバタンク56の上部空間56’に配置されている。また、リザーバタンク56の上部には二次冷媒注入バルブ(フィル)61が接続されている(設けられている)。さらに、リザーバタンク56の液体の二次媒体の貯留部分56aと循環配管53とは、電磁弁62を介して接続されている。
【0033】
圧力調整ベローズ57は、伸縮することにより、後述する気体回収管70b、及び気液分離管70a等を介して循環配管53内の圧力調整を行なうものである。つまり、二次冷媒が冷熱利用機器52で冷熱を与えることにより二次冷媒に温度上昇が生じ、この結果二次冷媒の体積変化が生じる。この体積変化により生じる循環配管53内の圧力変動に応じて、圧力調整ベローズ57が伸縮することで、循環配管53内の圧力変動を吸収する。
【0034】
安全バルブ58はリザーバタンク56の内圧が所定圧以上になると開弁することにより、リザーバタンク56の内圧が異常な高圧にならないようにするものである。
【0035】
リザーバタンク56に設けられる二次冷媒注入バルブ(フィル)61は、二次冷媒を冷却装置50内、つまりリザーバタンク56に注入する際に、開弁して用いるものである。また、タンクベント59は、リザーバタンク56を強制開放できるようにするものである。具体的には、二次冷媒を冷却装置50内に注入するとき、フィル61を開いてリザーバタンク56に二次冷媒(冷却液)を注ぎ込む。このとき、空気(エア)がリザーバタンク56から逃げられるようにするため、タンクベント59を開く。
【0036】
循環配管53には、二次冷媒の気液分離を行う気液分離配管70が設けられている。気液分離配管70は、冷熱利用機器52側から戻ってきた二次冷媒中の残留エアを分離し、液体の二次冷媒を循環配管53に戻るようにするものである。気液分離配管70は、冷熱利用機器52と二次冷媒ポンプ55との間の配管53aに設けられた気液分離管70aと、気液分離された二次冷媒残留中の空気(エア)をリザーバタンク56に導く気体回収管70bと、液体の二次冷媒を循環配管53に戻す液体戻管70c等と、により形成されている。
【0037】
気液分離管70aと液体戻管70cとは連通して、略逆U字状をなし、その頂部近傍に気体回収管70bが接続されて、リザーバタンク56へ連通している。二次冷媒が、冷熱利用機器52から循環配管53aに流動して二次冷媒ポンプ55に戻るまでの間に、二次冷媒中に残留している空気(エア)が気液分離管70a内を上昇することにより気液分離が行われる。この二次冷媒中の残留エアは、気体回収管70bを介してリザーバタンク56に回収される。
【0038】
気液分離が行われると、二次冷媒ポンプ55には液体の二次冷媒のみが戻るので、二次冷媒中の残留エアにより生じる、二次冷媒ポンプ55でのエアー噛み等の不都合が防止できる。
【0039】
なお、液体戻管70cには、フッ素液フィルタ71を設けてもよい。フッ素液フィルタ71は、例えばハイドロフルオロエータエル(HFE)の二次冷媒を用いた場合に、二次冷媒中で発生するフッ素化合物を取り除くためのものであり、例えば公知の活性アルミナカートリッジが用いられる。具体的には、上述した電磁弁62を開いて循環配管53を循環する二次冷媒の一部をリザーバタンク56に流入させる。リザーバタンク56内の二次冷媒は、液体戻管70cへ流出してフッ素液フィルタ71を通り、二次冷媒中のフッ素化合物が取り除かれる。
【0040】
冷却装置50には、上述したように、本発明の実施例に係る圧力調整ベローズ57が備えられている。図2に圧力調整ベローズ57の主要部、つまりベローズタンク63の側方から見た概略的な断面図を示す。圧力調整ベローズ57は、循環配管53の圧力変動を吸収するために容積可変のベローズタンク63を含んで構成される。ベローズタンク63は、じゃばら形(ベロー形)の側部(ベローズ)57aと、円盤形状の上面57bと、から成る。本発明の特徴は、ベローズタンク63の少なくとも上面57bがゴムにより形成されていることである。さらに詳しく説明すると、本実施例に係るベローズタンク63の側部57a及び上面57bはゴムにより一体成形されている。
【0041】
ゴム製のベローズタンク63の下辺部57cは、図4で示した金属板7dのようなドーナツ状の金属板(図示せず)により角ブロック60(図1参照)上に密封した状態で取り付けられて、圧力調整ベローズ57として用いられる。この取り付けにより、圧力調整ベローズ57のベローズタンク63内は密閉空間を形成する。
【0042】
(作用)
次に、図1及び図2を参照しつつ、本実施例の作用について簡単に説明する。冷却対象である冷熱利用機器52に冷熱を供給する場合、冷凍機54が始動すると共に、二次冷媒ポンプ55が始動し、二次冷媒が循環配管53を矢印aで示す方向に流れる。
【0043】
循環配管53を流れる二次冷媒は、冷凍機54に達し、冷凍機54において冷却される。冷却された二次冷媒は、循環配管53中をさらに流通して、冷熱利用機器52に達し、冷熱を供給する。このように、冷凍機54で冷却された二次冷媒は、二次冷媒ポンプ55により循環配管53内で循環され、冷熱利用機器52において冷却作用をする。
【0044】
二次冷媒が冷熱利用機器52に冷熱を供給して冷却作用をすることにより、二次冷媒の温度が上昇し、体積変化が生じる。例えば、二次冷媒の体積が増大して、循環配管53内の圧力が高くなると、圧力調整ベローズ57が膨張する。つまり、ベローズタンク63のじゃばら状の側部57aは上方に伸び、上面57bが上昇する。逆に、循環配管53内の圧力が低くなると、圧力調整ベローズ57は縮小する。つまり、ベローズタンク63の側部57aは縮み、上面57bが下降する。このようにして、ベローズタンク63内の容積が変動することにより圧力調整ベローズ57が循環配管53内の圧力変動を吸収し、循環配管53内は、所定の圧力状態に維持される。
【0045】
本実施例の圧力調整ベローズ57では、ベローズタンク63の側部57a及び上面57bがゴムにより一体成形されているため、隙間が生じず、吸収されるエアがベローズタンク63から外部へ漏れ出るといった不都合がない。また、ベローズタンク63の上面57bはゴム製のため、ベローズタンクの上面を金属製の頂板により蓋をする場合に比べて、上面57bの重さが軽くなる。このため、ベローズタンク63が側方に倒れることなく上下方向にスムーズにまっすぐ伸縮することができる。したがって、圧力調整ベローズのベローズタンクが側方に倒れるのを防止するために案内していた金属製のガイド及びガイドレール自体が不要である。その結果、圧力調整ベローズが伸縮するときに脈動してガイドとガイドレールとが摺動する際に生じていた金属音を無くすことができ、静音化を図ることができる。
【0046】
さらに、ガイド及びガイドレールを設けなくてもよいので、設備費の低減を図ることができる。
【0047】
なお、本実施例のベローズタンク63の側部57a及び上面57bはゴム製であるが、金属よりも軽い等、本実施例の圧力調整ベローズ57と同様の役割を果たせば、ベローズタンクの材質はゴムには限られず、例えば、樹脂によりベローズタンクを一体成形してもよい。
【0048】
以上、本発明に係る圧力調整ベローズ及びそれを備える冷却装置の実施形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は特にこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることはいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】
以上の構成から成る本発明に係る圧力調整ベローズ及びそれを備える冷却装置によると、よりスムーズに循環配管内の圧力調整を行って、静音化を図ることができると共に、設備費の低減(低コスト化)を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る冷却装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】本実施例に係る圧力調整ベローズの主要部を側方から見た概略的な断面図である。
【図3】冷却装置の概略的な基本的構成を示す図である。
【図4】基本的な圧力調整ベローズを示す斜視図である。
【符号の説明】
1、50 冷却装置
2、52 冷熱利用機器
3、53 循環配管
3a、53a、53b 配管
4、54 冷凍機
5、55 二次冷媒(冷却液)ポンプ
6、56 リザーバタンク
6a、56a 貯留部分
6’、56’ 上部空間
7、57 圧力調整ベローズ
7a、57a 側部(ベローズ)
7b 頂板
7c、57c 下辺部
7d 金属板
7e 突設部
7f、57b 上面
8、58 安全バルブ
9、59 タンクベント
10、60 角ブロック
11、61 二次冷媒注入バルブ(フィル)
12、62 電磁弁
20、70 気液分離配管
20a、70a 気液分離管
20b、70b 気体回収管
20c、70c 液体戻管
21、71 フッ素液フィルタ
31 ガイドレール
31a 底辺
32 ガイド
32a 中央部
32b 両側端部
33、63 ベローズタンク
56b 水位
56c 位置
80 バイパス配管
80a 一端
80b 他端
81 バイパス弁
Claims (5)
- 二次冷媒を循環配管に循環させることにより、冷凍機で発生した冷熱を冷却対象に供給する冷却装置に備えられ、前記循環配管内の圧力調整を行う圧力調整ベローズであって、
前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、少なくとも上面がゴム又は樹脂により形成されていることを特徴とする圧力調整ベローズ。 - 前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、側部及び上面がゴム又は樹脂により一体成形されていることを特徴とする請求項1記載の圧力調整ベローズ。
- 二次冷媒が循環する循環配管と、該循環配管内の圧力を調整する圧力調整ベローズと、を備え、前記二次冷媒を前記循環配管に循環させることにより冷凍機で発生した冷熱を冷却対象に供給する冷却装置であって、
前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、少なくとも上面がゴム又は樹脂により形成されていることを特徴とする冷却装置。 - 前記圧力調整ベローズのベローズタンクは、側部及び上面がゴム又は樹脂により一体成形されていることを特徴とする請求項3に記載の冷却装置。
- 前記冷凍機は、作動ガスを圧縮させて冷熱を発生するスターリング冷凍機であることを特徴とする請求項3又は4に記載の冷却装置。
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2003
- 2003-03-24 JP JP2003081120A patent/JP2004286373A/ja active Pending
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