JP2004285871A - ディーゼルエンジンの排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排気通路10に介装されるフィルタ14の排気流入面に、粒子状物質の着火温度を低下させる無機化合物からなる金属触媒として、低温で炭化水素を吸着するゼオライト,酸化雰囲気で酸素を吸蔵するセリウム系酸化物及びペロブスカイト型複合酸化物を順序不問で混合して塗布する。そして、低温状態において、ゼオライトに取り込まれた炭化水素とセリウム系酸化物に取り込まれた酸素とが反応することで、フィルタ14の排気流入面の温度が上昇し、粒子状物質の燃焼が促進される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの排気浄化装置において、特に、比較的低温で長時間連続使用しても、フィルタの目詰まりを発生し難くする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ディーゼルエンジンの排気を浄化することを目的として、排気通路に介装されたフィルタにより粒子状物質(以下「PM」という)を捕集除去する排気浄化装置が公知である。かかる排気浄化装置では、PM捕集量の増加に伴ってフィルタの目詰まりが進行するので、連続的な排気浄化を行なうことができなかった。このため、特許文献1又は特許文献2に開示されるように、フィルタに塗布されたペロブスカイト型複合酸化物又はスピネル型複合酸化物からなる触媒により、PMの着火温度を低下させ、連続的な排気浄化を可能にした技術が提案された。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−267040号公報
【特許文献2】
特開平9−271665号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来技術にあっては、PMの着火温度が略400℃に低下するものの、実用上では不十分であった。このため、比較的低温状態で長時間連続使用すると、PMの燃焼除去が不十分となり、依然として、フィルタに目詰まりが発生してしまうおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、低温で炭化水素を吸着するゼオライト及び酸化雰囲気で酸素を吸蔵するセリウム系酸化物をフィルタに追加塗布することで、比較的低温で長時間連続使用しても、フィルタに目詰まりが発生し難いディーゼルエンジンの排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置に係る発明では、排気通路に介装されるフィルタの排気流入面に、ゼオライト,セリウム系酸化物及びペロブスカイト型複合酸化物を夫々塗布したことを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、ディーゼルエンジンから排出された排気は、排気通路を通って排気浄化装置に導入されると、フィルタの隔壁を通過する際に、粒子状物質が隔壁を構成する多孔性部材により捕集される。そして、排気熱等によりフィルタ温度が徐々に上昇して粒子状物質の着火温度に到達すると、フィルタで捕集された粒子状物質が燃焼(酸化)し始める。
【0008】
このとき、フィルタの排気流入面には、従来技術で用いられていたペロブスカイト型複合酸化物に加えて、ゼオライト及びセリウム系酸化物が追加塗布されているので、粒子状物質の着火温度が一層低下される。即ち、ディーゼルエンジンの排気は酸素過剰状態であるため、セリウム系酸化物は、酸化雰囲気で排気中の酸素を取り込む。一方、ゼオライトは、低温で排気中の未燃炭化水素を取り込む。そして、セリウム系酸化物に取り込まれた酸素とゼオライトに取り込まれた炭化水素とが反応し、フィルタの排気流入面の温度を上昇させる。このため、比較的低温状態であっても、フィルタにより捕集された粒子状物質が燃焼することとなる。
【0009】
請求項2記載の発明では、前記ゼオライトは、βゼオライト,モルデナイト及びMFI、並びに、これらに銀を担持させたAg−βゼオライト,Ag−モルデナイト及びAg−MFIの少なくとも1種からなることを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、ゼオライトとして、βゼオライト,モルデナイト,MFI,Ag−βゼオライト,Ag−モルデナイト及びAg−MFIの少なくとも1種を採用することで、低温状態において、排気中の未燃炭化水素が効果的に吸着される。
【0011】
請求項3記載の発明では、前記セリウム系酸化物は、セリウム−ジルコニア酸化物からなることを特徴とする。
かかる構成によれば、セリウム系酸化物として、セリウム−ジルコニア酸化物を採用することで、酸化雰囲気において、排気中の酸素が効果的に吸蔵される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、本発明に係るディーゼルエンジンの排気浄化装置(以下「排気浄化装置」という)の全体構成を示す。
【0013】
ディーゼルエンジンの排気通路10には、保持部材12を介して、排気中のPMを捕集するフィルタ14が介装される。フィルタ14は、セラミック等の多孔性部材からなる隔壁により排気流と略平行なセルが多数形成され、各セルの入口と出口とが目封材16により互い違いに千鳥格子状に目封じされて形成される。そして、出口が塞がれたセル内の排気が、隔壁を介して入口が塞がれている隣接するセルに流入するとき、排気中のPMが隔壁を構成する多孔性部材により捕集され、排気が浄化される。
【0014】
本発明の特徴として、フィルタ14の排気流入面には、図2に示すように、捕集されたPMの着火温度を低下させるべく、塗布物Aとして、ゼオライト,セリウム系酸化物及びペロブスカイト型複合酸化物からなる3種の無機化合物が夫々順序不問にて混合されている。
【0015】
ここで、ゼオライトとしては、βゼオライト,モルデナイト及びMFI(ZSM−5)、並びに、これらに銀(Ag)を担持させたAg−βゼオライト,Ag−モルデナイト及びAg−MFIなど、高沸点特性を有しつつ、酸化雰囲気で炭化水素の吸着能力が高い少なくとも1種の物質を採用することが望ましい。また、セリウム系酸化物としては、セリウム−ジルコニア酸化物など、低温で酸素の吸蔵能力が高い物質を採用することが望ましい。さらに、ペロブスカイト型複合酸化物としては、La0.9K0.1MnO3,La0.9K0.1CoO3,La0.9K0.1FeO3,La0.9K0.1Mn0.8Cu0.2O3,La0.9K0.1Mn0.8Fe0.2O3などの物質を採用することが望ましい。
【0016】
次に、かかる構成からなる排気浄化装置の作用について説明する。
ディーゼルエンジンから排出された排気は、排気通路10を通って排気浄化装置に導入されると、フィルタ14の隔壁を通過する際に、PMが隔壁を構成する多孔性部材により捕集される。そして、排気熱等によりフィルタ温度が徐々に上昇してPMの着火温度に到達すると、フィルタ14で捕集されたPMが燃焼(酸化)し始める。
【0017】
このとき、フィルタ14の排気流入面には、従来技術で用いられていたペロブスカイト型複合酸化物に加えて、ゼオライト及びセリウム系酸化物が追加塗布されているので、粒子状物質の着火温度が一層低下する。即ち、ディーゼルエンジンの排気は酸素過剰状態であるため、セリウム系酸化物は、酸化雰囲気で排気中の酸素を取り込む。一方、ゼオライトは、低温で排気中の未燃炭化水素を取り込む。そして、セリウム系酸化物に取り込まれた酸素とゼオライトに取り込まれた炭化水素とが反応し、フィルタ14の排気流入面の温度を上昇させる。このため、比較的低温状態であっても、フィルタ14により捕集された粒子状物質が燃焼し、フィルタ14に目詰まりが発生し難くすることができる。
【0018】
また、ゼオライトとして、βゼオライト,モルデナイト及びMFI、並びに、これらに銀を担持させたAg−βゼオライト,Ag−モルデナイト及びAg−MFIの少なくとも1種を採用することで、低温状態においても、排気中の未燃炭化水素が効果的に吸着される。一方、セリウム系酸化物として、セリウム−ジルコニア酸化物を採用することで、酸化雰囲気において、排気中の酸素が効果的に吸蔵される。そして、これらの構成を採用することで、夫々、粒子状物質の着火温度を一層低下させることができる。
【0019】
なお、以上説明した効果は、フィルタ14の排気流入面にゼオライト及びセリウム系酸化物を追加塗布するだけで享受できる。このため、本発明は、既存の排気浄化装置に対しても容易に適用可能であり、極めて有用なものである。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、比較的低温であっても、フィルタにより捕集された粒子状物質が燃焼することとなり、比較的低温で長時間連続使用しても、フィルタに目詰まりが発生し難くすることができる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、低温状態において、排気中の未燃炭化水素が効果的に吸着され、粒子状物質の着火温度を一層低下させることができる。
請求項3記載の発明によれば、酸化雰囲気において、排気中の酸素が効果的に吸蔵され、粒子状物質の着火温度を一層低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気浄化装置の全体構成図
【図2】図1中のX部拡大図
【符号の説明】
10 排気通路
14 フィルタ
A 金属触媒
Claims (3)
- 排気通路に介装されるフィルタの排気流入面に、ゼオライト,セリウム系酸化物及びペロブスカイト型複合酸化物を夫々塗布したことを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装置。
- 前記ゼオライトは、βゼオライト,モルデナイト及びMFI、並びに、これらに銀を担持させたAg−βゼオライト,Ag−モルデナイト及びAg−MFIの少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
- 前記セリウム系酸化物は、セリウム−ジルコニア酸化物からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
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JP2008168279A (ja) * | 2006-10-05 | 2008-07-24 | Ibiden Co Ltd | ハニカム構造体 |
JP2015501210A (ja) * | 2011-10-24 | 2015-01-15 | ハルドール・トプサー・アクチエゼルスカベット | 触媒組成物および窒素酸化物の選択的触媒還元における使用方法 |
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