【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板内蔵型コンデンサ等の電子部品として用いられる、高誘電率樹脂混合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような高誘電率樹脂材料に関しては、特許文献1が見られる。すなわち、従来の材料よりも誘電率が高く、強度の低下がなく、小型で高性能、総合的な電気特性に優れた電子部品を提供するものとして、少なくとも投影形状が円、扁平円、または楕円形誘電体を樹脂中に分散されている複合誘導体材料を有する電子部品としている。より具体的には、前記投影形状が円形のものは表面が滑らかなものであり、金型の磨耗を減少できるものであり、これに破砕粉を併用すると充填率が向上するとしている。そして具体的には、充填率が65%(vol)以上であると緻密な組成物が得られないとし、またその大きさは、平均粒径として0.1〜50μmが好ましいともしている。さらに誘電率に関しては、12.37〜38.1のものが、実施例に記載されている。しかしながら、このような複合誘電体材料においても、要求される充填率や誘電率が十分ではなく、更なる特性の向上が望まれているのが現状である。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−158135号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、例えば基板内蔵型コンデンサ等の電子部品として好適な高誘電率の樹脂混合物であって、高誘電率粉末を高充填可能な、誘電率(ε)が40以上の高誘電率樹脂混合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、平均粒子径が異なる2種類の高誘電率粉末を、樹脂中に混合した高誘電率樹脂混合物であって、一次粒子の平均粒子径をrμmとし、これに二次粒子として平均粒子径が0.5rμm以下の高誘電率粉末を含有させた、誘電率が40以上である高誘電率樹脂混合物とすることによって、解決される。
【0006】
また、請求項2に記載されるように、平均粒子径が異なる3種類の高誘電率粉末を、樹脂中に混合した高誘電率樹脂混合物であって、一次粒子として平均粒子径rμmに対して二次粒子として平均粒子径が0.5rμm以下の高誘電率粉末を含有し、さらに前記一次粒子の平均粒子径rμmに対して三次粒子の平均粒子径が0.3rμm以下の高誘電率粉末を含有させた、誘電率が40以上である高誘電率樹脂混合物とすることによって、解決される。
【0007】
さらに、請求項3に記載されるように、前記高誘電率樹脂混合物中の前記高誘電率粉末の含有量が、前記一次粒子の含有量>前記二次粒子の含有量>前記三次粒子の含有量の関係となっている、請求項1または2のいずれかに記載の高誘電率樹脂混合物とすることによって、解決される。
【0008】
さらにまた、請求項4に記載されるように、前記高誘電率粉末が、チタン酸バリウムである、請求項1〜3のいずれかに記載される高誘電率樹脂混合物とすることによって、解決される。また請求項5に記載されるように、前記チタン酸バリウムには、カルシウム、錫、ジルコニウム、ストロンチウム、ニオブの少なくとも1種が添加された、請求項4に記載される高誘電率樹脂混合物とすることによって、解決される。
【0009】
また、請求項6に記載されるように、前記樹脂がエポキシ樹脂である、請求項1〜5のいずれかに記載の高誘電率樹脂混合物とすることによって、解決される。
さらに請求項7に記載されるように、前記高誘電率樹脂混合物がペースト化された、請求項1〜6のいずれかに記載される高誘電率樹脂混合物とすることによって、解決される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、平均粒径が異なる2種類の高誘電率粉末を樹脂中に混合した高誘電率樹脂混合物であって、一次粒子の平均粒子径をrμmとし、これに二次粒子として平均粒子径が0.5rμm以下の高誘電率粉末を含有させた、誘電率が40以上である高誘電率樹脂混合物とすることによって、従来のものに比較して高誘電率の樹脂混合物が得られる。この高誘電率樹脂混合物は誘電率が40以上であって、基板内蔵型コンデンサ等の小型電子部品用として、高周波領域(1GHz以上)に適用でき好ましいものとなる。
【0011】
まず前記高誘電率粉末について述べると、チタン酸バリウム(BaTiO3)、酸化チタン(TiO2)、シリコンカーバイド(SiC)、チタン−バリウム−ネオジウム系複合酸化物、鉛−カルシウム系複合酸化物、二酸化チタン系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸ビスマス系セラミックス、ジルコン酸鉛系セラミックス等が使用可能であるが、請求項4に記載されるように、チタン酸バリウムが好ましい。これは、チタン酸バリウムが鉛を含まず、誘電率が最も高いためである。そしてこの高誘電率粉末は、基本的にはどのような形状のものでもかまわない。さらに請求項5に記載されるように、前記チタン酸バリウム粉末には、カルシウム、錫、ジルコニウム、ストロンチウム、ニオブの少なくとも1種が添加されたものを用いるのが好ましい。これは、前記元素を含有させることによって、前記チタン酸バリウムのキュリー温度を室温近くに下げることが可能となり、実際に使用される高誘電率樹脂混合物を実用的に扱い易くできる。しかしながら、前記高誘電率粉末の充填率を向上させるためには、粒径が同一のもののみの使用では、粒径を小さくしても誘電率の向上は見られない。例えば1〜0.1μmの範囲の高誘電率粉末を用いた実験では、得られた高誘電率樹脂混合物は、誘電率が35程度までのものしか得られないことが判った。表1に示すとおりである。
【0012】
【表1】
【0013】
このため請求項1の発明では、前記高誘電率粉末として平均粒子径が異なる2種類を併用するものである。このように平均粒子径の異なる前記粉末を組合わせることによって、充填率を高めることができ誘電率を向上させることができる。すなわち添加する前記高誘電率粉末のうち、一番平均粒子径が大きいものを一次粒子と称しその平均粒子径をrμmとし、それ以下の平均粒子径のものを二次粒子と称し、その平均粒子径が0.5rμm以下の高誘電率粉末を添加することによって、得られる高誘電率樹脂混合物は、誘電率を40以上とすることができる。これは以下の実験により確認されたもので、結果を表2に示す。
【0014】
すなわち、前記一次粒子の平均粒子径rμmと前記二次粒子の平均粒子径0.5rμmの関係と誘電率(ε)について、表2に示す高誘電率樹脂混合物を作製して測定した。用いたエポキシ樹脂は、東都化成社製のYD−8125を100重量部、硬化剤(日立化成社製、HN−5500)が90重量部、硬化促進剤(ジャパンエポキシレジン社製、エピキュア3010)が1重量部からなるものである。また高誘電率粉末は、平均粒径1.41μmのチタン酸バリウム(富士チタン社製、BT−206、εが19810、tanδが0.011:いずれも1MHzにおいて)を、アルミナ製ボールミルによって粉砕し、篩によって平均粒径が1.0μm、0.7μm、0.6μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μmおよび0.1μmにそれぞれ分級し、表2に示すように組合わせて前記エポキシ樹脂に添加してエポキシ樹脂混合物とし、120℃で15時間硬化処理を行って試料とした。そしてこの試料について、LCZメータによって静電容量(C)、誘電正接(tanδ)を測定し、誘電率(ε)を、式εr=C×t/ε0・S(ただし、tは厚さ、Sは面積)によって求めた。
【0015】
【表2】
【0016】
表2から明らかなように、実験例9〜13、16〜18、21、22、24、25、27および28のように、前記一次粒子の平均粒子径rμmと二次粒子の平均粒子径が0.5rμm以下とする組合わせが、誘電率が40以上となることが判る。よって、誘電率が40以上の高誘電率樹脂混合物を得るためには、一次粒子と二次粒子の組合わせとして、一次粒子の平均粒子径rμmに対して、二次粒子としてその平均粒子径が0.5rμm以下のものを選定すればよいことが判る。このような組合わせ以外では、誘電率を40以上とすることはできないことが判る。
【0017】
さらに好ましくは請求項2に記載されるように、前記高誘電率樹脂混合物において、特定の粒子径の高誘電率粉末の三次粒子を併用するものである。具体的には、平均粒子径が異なる3種類の高誘電率粉末を、樹脂中に混合した高誘電率樹脂混合物であって、一次粒子の平均粒子径rμmに対して二次粒子として平均粒子径が0.5rμm以下の高誘電率粉末を含有し、さらに前記一次粒子の平均粒子径rμmに対して三次粒子として平均粒子径が0.3rμm以下の高誘電率粉末を含有させることによって、誘電率が40以上、具体的には約50以上である高誘電率樹脂混合物とすることができる。このように、前記二次粒子の平均粒子径0.5rμmよりも小さな平均粒子径の高誘電率粉末を、三次粒子と称しその平均粒子径として0.3rμm以下の高誘電率粉末を添加することによって、前記一次粒子と前記二次粒子の組合わせの場合よりも、高誘電率樹脂混合物とすることができる。得られた高誘電率樹脂混合物は、誘電率が約50以上となる。さらには前記三次粒子の平均粒子径が、0.3rμmよりも小さな平均粒子径を有する高誘電率粉末を、四次粒子と称して添加しても良い。
【0018】
本発明の効果を確認するために、前述の実験例と同様に表3に記載するような一次粒子の平均粒子径rμmと二次粒子の平均粒子径が0.5rμmおよび三次粒子の平均粒子径が0.3rμmの高誘電率粉末を種々組合わせて、高誘電率樹脂混合物を作製し、前記実験例と同様に3者の平均粒子径の関係と誘電率を測定して、表3に記載した。
【0019】
【表3】
【0020】
表3から明らかなとおり、添加する3種類の高誘電率粉末の平均粒子径の関係が、一次粒子の平均粒子径がrμm、二次粒子の平均粒子径が0.5rμm以下で三次粒子の平均粒子径が0.3rμm以下となるように、前記高誘電率粉末を組合わせることによって、得られた高誘電率樹脂混合物の誘電率を、約50以上とすることができることがわかる。具体的には、実験例41〜49、実験例58、59、65および69に記載されるとおりである。このように優れた誘電率の高誘電率樹脂混合物は、小型電子部品用として高周波領域(1GHz以上)で十分に適用可能である。
【0021】
さらに前記一次粒子、前記二次粒子および前記三次粒子の高誘電率粉末は、請求項3に記載されるように、前記高誘電率樹脂混合物中の前記高誘電率粉末の含有量が、前記一次粒子の含有量>前記二次粒子の含有量>前記三次粒子の含有量の関係となるように添加されることが、好ましい。すなわちこのような添加量の関係とすることによって、一次粒子の充填隙間に二次粒子が充填され、さらに二次粒子の充填隙間には三次粒子が充填されることになり、添加された前記粒子間の空隙を少なくできるので、得られる樹脂混合物の誘電率を向上させることができる。
【0022】
なお前記樹脂は、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマーのいずれも使用することができる。具体的には、ポリイミド(PI)、エポキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスルフォン(PS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フェノール樹脂、フッ素樹脂等が使用できるが、請求項6に記載されるように、エポキシ樹脂が最も好ましい。これは、エポキシ樹脂が電気的特性、耐熱性、ポットライフ、耐水性、耐薬品性やコストの面からもバランスよく、優れているためである。
【0023】
また請求項7に記載するように、さらにこの高誘電率樹脂混合物は、トルエン、メチルエチルケトン等の溶剤等を加えてペースト状とするのが良い。その場合前記ペーストは、粘度を500〜3000cP程度に調整するのが好ましい。このようなペースト状とすることによって、基板材料となる銅箔、グリーンシート、ガラスクロス等にスクリーン印刷、インクジェット、ロールコータ、スピンコート等によって、塗布、印刷することができ、電子部品の製造が容易となるためである。例えば前記基板内蔵型コンデンサ以外にも、コイルやフィルターと印刷配線回路、増幅素子や機能素子と組合わせて、アンテナ、RFモジュール、VCO(電圧制御発振回路)、パワーアンプ等の高周波電子回路や光ピックアップなどに用いられる、高周波用電子部品が挙げられる。いずれにしても近年の小型化、高周波領域(1〜10GHz程度の)用の電子部品として、使用することが可能となる。
【0024】
前記基板内蔵型コンデンサの場合について述べると、高温硬化型エポキシ樹脂の主剤(東都化成社製、YD―8125)100重量部と酸無水物系の硬化剤(ヘキサヒドロ無水フタル酸)を90重量部と硬化促進剤(2,4,6−トリス(ジメチルアミン)メチルフェノール)1重量部を混合し、これにチタン酸バリウム微粉末(εが約16000)を、平均粒子径が1μmのものを3447重量部と平均粒子径が0.4μmのものを245重量部、添加・混合し、高誘電率樹脂混合物とした。これにトルエンを加えて、粘度が2000(cP)のペーストとした。このペーストを、銅箔上に自動塗工機によって塗布して、薄膜のコンデンサ部を形成した。ついで、硬化処理を行った後、電極をイオンスパッタによって形成して、基板内蔵型コンデンサとした。このコンデンサの誘電率は、48であった。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように本発明は、平均粒子径が異なる2種類の高誘電率粉末を、樹脂中に混合した高誘電率樹脂混合物であって、一次粒子の平均粒子径をrμmとし、これに二次粒子として平均粒子径が0.5rμm以下の高誘電率粉末を含有させた、誘電率が40以上である高誘電率樹脂混合物とすることによって、また、平均粒子径が異なる3種類の高誘電率粉末を、樹脂中に混合した高誘電率樹脂混合物であって、一次粒子の平均粒子径rμmに対して二次粒子として平均粒子径が0.5rμm以下の高誘電率粉末を含有し、さらに前記一次粒子の平均粒子径rμmに対して三次粒子として平均粒子径が0.3rμm以下の高誘電率粉末を含有させた、誘電率が40以上である高誘電率樹脂混合物とすることによって、さらに前記高誘電率樹脂混合物中の前記高誘電率粉末の含有量が、前記一次粒子の含有量>前記二次粒子の含有量>前記三次粒子の含有量の関係となっている高誘電率樹脂混合物としたので、得られた高誘電率樹脂混合物は誘電率が40〜60であって、例えば基板内蔵コンデンサ等の小型電子部品用として、高周波領域(1GHz以上)に適用でき好ましいものとなる。
【0026】
また前記高誘電率粉末が、チタン酸バリウムである高誘電率樹脂混合物とすることによって、さらに前記チタン酸バリウムには、カルシウム、錫、ジルコニウム、ストロンチウム、ニオブの少なくとも1種が添加された高誘電率樹脂混合物とすることによって、鉛を含むことがなく誘電率が高いものとなる。さらに、前記カルシウム、錫、ジルコニウム、ストロンチウム、ニオブの少なくとも1種が添加されたものを用いると、前記チタン酸バリウムのキュリー温度を室温近くに下げることが可能となり、使用される高誘電率樹脂混合物を実用的に扱い易くできる。
【0027】
さらに、前記樹脂がエポキシ樹脂である高誘電率樹脂混合物とすることによって、電気的特性、耐熱性、ポットライフ、耐水性、耐薬品性やコストの面からもバランスのとれたものとなり、さらには前記高誘電率樹脂混合物の粘度を500〜3000cP程度に調整した、ペースト化された高誘電率樹脂混合物とすることによって、基板材料となる銅箔、グリーンシート、ガラスクロス等にスクリーン印刷、インクジェット、ロールコータ、スピンコート等によって、塗布、印刷することができ、電子部品の製造が容易となる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a high dielectric constant resin mixture used as an electronic component such as a capacitor with a built-in substrate.
[0002]
[Prior art]
For such a high dielectric constant resin material, see Patent Document 1. That is, to provide an electronic component having a higher dielectric constant than conventional materials, no reduction in strength, a small size, high performance, and excellent overall electrical characteristics, at least the projected shape is a circle, a flat circle, or an ellipse. The shaped dielectric is an electronic component having a composite derivative material dispersed in a resin. More specifically, when the projected shape is circular, the surface is smooth and the wear of the mold can be reduced, and the filling rate is improved by using crushed powder in combination. Specifically, it is assumed that a dense composition cannot be obtained if the filling rate is 65% (vol) or more, and that the size is preferably 0.1 to 50 μm as an average particle size. Further, with respect to the dielectric constant, those having a dielectric constant of 12.37 to 38.1 are described in Examples. However, even in such a composite dielectric material, the required filling factor and dielectric constant are not sufficient, and at present, further improvement in characteristics is desired.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-158135
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, an object of the present invention is to provide a resin mixture having a high dielectric constant suitable as an electronic component such as a capacitor with a built-in substrate, which can be filled with a high dielectric constant powder and has a dielectric constant (ε) of 40. An object of the present invention is to provide a high dielectric resin mixture as described above.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The problem to be solved is, as described in claim 1, a high dielectric constant resin mixture in which two kinds of high dielectric constant powders having different average particle diameters are mixed in a resin, and the average of primary particles is The problem can be solved by setting the particle diameter to r μm, and adding a high dielectric constant powder having an average particle diameter of 0.5 r μm or less as a secondary particle to the high dielectric resin mixture having a dielectric constant of 40 or more. .
[0006]
Further, as described in claim 2, a high dielectric constant resin mixture in which three kinds of high dielectric constant powders having different average particle diameters are mixed in a resin, as primary particles with respect to the average particle diameter rμm. The secondary particles contain a high dielectric constant powder having an average particle diameter of 0.5 rμm or less, and a high dielectric constant powder having an average particle diameter of the tertiary particles of 0.3 rμm or less with respect to the average particle diameter rμm of the primary particles. The problem is solved by using a high-permittivity resin mixture containing a dielectric constant of 40 or more.
[0007]
Furthermore, as described in claim 3, the content of the high dielectric constant powder in the high dielectric constant resin mixture is such that the content of the primary particles> the content of the secondary particles> the content of the tertiary particles The problem is solved by using the high dielectric constant resin mixture according to claim 1 or 2 in a quantity relationship.
[0008]
Still further, as set forth in claim 4, the problem is solved by using the high dielectric constant resin mixture according to any one of claims 1 to 3, wherein the high dielectric constant powder is barium titanate. You. Further, as set forth in claim 5, the high dielectric constant resin mixture according to claim 4, wherein at least one of calcium, tin, zirconium, strontium, and niobium is added to the barium titanate. It is solved by.
[0009]
In addition, as set forth in claim 6, the above problem is solved by using the high dielectric constant resin mixture according to any one of claims 1 to 5, wherein the resin is an epoxy resin.
Further, as set forth in claim 7, the problem is solved by providing the high dielectric constant resin mixture according to any one of claims 1 to 6, wherein the high dielectric constant resin mixture is pasted.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail. The invention described in claim 1 is a high dielectric constant resin mixture in which two kinds of high dielectric constant powders having different average particle diameters are mixed in a resin, wherein the average particle diameter of primary particles is r μm, and By using a high dielectric constant resin mixture having a dielectric constant of 40 or more containing a high dielectric constant powder having an average particle diameter of 0.5 rμm or less as a secondary particle, a resin having a high dielectric constant as compared with the conventional one is obtained. A mixture is obtained. This resin mixture having a high dielectric constant has a dielectric constant of 40 or more, and is suitable for small electronic components such as capacitors with a built-in substrate and can be applied to a high-frequency region (1 GHz or more) and is preferable.
[0011]
First, the high dielectric constant powder will be described. Barium titanate (BaTiO 3 ), titanium oxide (TiO 2 ), silicon carbide (SiC), titanium-barium-neodymium composite oxide, lead-calcium composite oxide, Titanium ceramics, lead titanate ceramics, magnesium titanate ceramics, strontium titanate ceramics, bismuth titanate ceramics, lead zirconate ceramics and the like can be used. And barium titanate are preferred. This is because barium titanate does not contain lead and has the highest dielectric constant. This high dielectric constant powder may basically be of any shape. Further, as described in claim 5, it is preferable that the barium titanate powder to which at least one of calcium, tin, zirconium, strontium, and niobium is added is used. This makes it possible to lower the Curie temperature of the barium titanate to near room temperature by including the element, and to easily handle the high dielectric constant resin mixture actually used. However, in order to improve the filling rate of the high dielectric constant powder, if only particles having the same particle size are used, no improvement in the dielectric constant is observed even if the particle size is reduced. For example, in an experiment using a high dielectric constant powder in the range of 1 to 0.1 μm, it was found that the obtained high dielectric constant resin mixture could only obtain a dielectric constant of up to about 35. It is as shown in Table 1.
[0012]
[Table 1]
[0013]
Therefore, in the first aspect of the present invention, two kinds of powders having different average particle diameters are used in combination as the high dielectric constant powder. By combining the powders having different average particle diameters as described above, the filling rate can be increased and the dielectric constant can be improved. That is, among the high dielectric constant powders to be added, those having the largest average particle diameter are referred to as primary particles, the average particle diameter is defined as r μm, and those having an average particle diameter smaller than that are referred to as secondary particles, By adding a high dielectric constant powder having a diameter of 0.5 rμm or less, the obtained high dielectric constant resin mixture can have a dielectric constant of 40 or more. This was confirmed by the following experiment, and the results are shown in Table 2.
[0014]
That is, the relationship between the average particle diameter rμm of the primary particles and the average particle diameter 0.5 rμm of the secondary particles and the dielectric constant (ε) were measured by preparing a high dielectric constant resin mixture shown in Table 2. The epoxy resin used was 100 parts by weight of YD-8125 manufactured by Toto Kasei, 90 parts by weight of a curing agent (HN-5500 manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd.), and a curing accelerator (Epicure 3010 manufactured by Japan Epoxy Resin). It consists of 1 part by weight. The high dielectric constant powder is obtained by pulverizing barium titanate having an average particle diameter of 1.41 μm (manufactured by Fuji Titanium Co., Ltd., BT-206, ε 19810, tan δ 0.011: all at 1 MHz) with an alumina ball mill. The particles were classified into sieves having an average particle size of 1.0 μm, 0.7 μm, 0.6 μm, 0.5 μm, 0.4 μm, 0.3 μm, 0.2 μm and 0.1 μm by a sieve. In addition, the mixture was added to the epoxy resin to form an epoxy resin mixture, and cured at 120 ° C. for 15 hours to obtain a sample. Then, the capacitance (C) and the dielectric loss tangent (tan δ) of this sample are measured by an LCZ meter, and the dielectric constant (ε) is calculated by the equation ε r = C × t / ε 0 · S (where t is the thickness). , S is the area).
[0015]
[Table 2]
[0016]
As is clear from Table 2, as in Experimental Examples 9 to 13, 16 to 18, 21, 22, 24, 25, 27, and 28, the average particle diameter rμm of the primary particles and the average particle diameter of the secondary particles are It can be seen that a combination of 0.5 rμm or less has a dielectric constant of 40 or more. Therefore, in order to obtain a high dielectric constant resin mixture having a dielectric constant of 40 or more, as a combination of primary particles and secondary particles, the average particle diameter of the primary particles is rμm, and the average particle diameter of the secondary particles is It can be seen that it is only necessary to select one having a size of 0.5 rμm or less. It turns out that the dielectric constant cannot be set to 40 or more except for such a combination.
[0017]
More preferably, in the high dielectric constant resin mixture, tertiary particles of a high dielectric constant powder having a specific particle diameter are used in combination. Specifically, it is a high dielectric constant resin mixture in which three kinds of high dielectric constant powders having different average particle diameters are mixed in a resin, and an average particle diameter as a secondary particle with respect to an average particle diameter rμm of primary particles. Contains a high dielectric constant powder of 0.5 rμm or less, and further contains a high dielectric constant powder of an average particle diameter of 0.3 rμm or less as a tertiary particle with respect to the average particle diameter rμm of the primary particles, thereby obtaining a dielectric constant. Is a high dielectric constant resin mixture having a value of 40 or more, specifically about 50 or more. As described above, a high dielectric constant powder having an average particle diameter smaller than 0.5 rμm of the secondary particles is called a tertiary particle, and a high dielectric constant powder having an average particle diameter of 0.3 rμm or less is added. Thereby, a higher dielectric constant resin mixture can be obtained than in the case of a combination of the primary particles and the secondary particles. The obtained high dielectric resin mixture has a dielectric constant of about 50 or more. Further, a high dielectric constant powder having an average particle diameter of the tertiary particles having an average particle diameter smaller than 0.3 rμm may be added as quaternary particles.
[0018]
In order to confirm the effect of the present invention, the average particle diameter of the primary particles and the average particle diameter of the secondary particles are 0.5 rμm and 0.5 μm as shown in Table 3 and the average particle diameter of the tertiary particles, respectively, as in the above-described experimental examples. Was prepared by combining various kinds of high dielectric constant powders having a particle diameter of 0.3 rμm to obtain a high dielectric constant resin mixture, and the average particle diameter relationship and the dielectric constant of the three were measured in the same manner as in the experimental example. did.
[0019]
[Table 3]
[0020]
As is clear from Table 3, the relationship between the average particle diameters of the three types of high dielectric constant powders to be added is as follows: the average particle diameter of the primary particles is rμm, the average particle diameter of the secondary particles is 0.5 rμm or less, and the average of the tertiary particles is It can be seen that, by combining the high dielectric constant powder so that the particle diameter becomes 0.3 rμm or less, the dielectric constant of the obtained high dielectric constant resin mixture can be made about 50 or more. Specifically, it is as described in Experimental Examples 41 to 49 and Experimental Examples 58, 59, 65 and 69. Such a high-permittivity resin mixture having an excellent dielectric constant can be sufficiently applied in a high frequency region (1 GHz or more) for small electronic components.
[0021]
Further, the high dielectric constant powder of the primary particles, the secondary particles and the tertiary particles, as described in claim 3, the content of the high dielectric constant powder in the high dielectric constant resin mixture, the primary dielectric It is preferable that the particles are added so as to satisfy the relationship of particle content> the content of the secondary particles> the content of the tertiary particles. That is, by having such a relationship of the added amount, the secondary particles are filled in the filling gap of the primary particles, and further, the tertiary particles are filled in the filling gap of the secondary particles, and the added particles Since the space between them can be reduced, the dielectric constant of the obtained resin mixture can be improved.
[0022]
As the resin, any of a thermoplastic polymer and a thermosetting polymer can be used. Specifically, polyimide (PI), epoxy resin, polyphenylene oxide (PPO), polybutylene terephthalate (PBT), polyethersulfone (PES), polyphenylene sulfide (PPS), polysulfone (PS), polyphenylene ether (PPE) Polyethylene terephthalate (PET), phenolic resin, fluororesin and the like can be used, and as described in claim 6, epoxy resin is most preferable. This is because the epoxy resin is well-balanced and excellent in terms of electrical characteristics, heat resistance, pot life, water resistance, chemical resistance and cost.
[0023]
Further, as described in claim 7, the high dielectric constant resin mixture is preferably made into a paste by adding a solvent such as toluene and methyl ethyl ketone. In this case, the paste is preferably adjusted to have a viscosity of about 500 to 3000 cP. By making such a paste, it is possible to apply and print on a copper foil, a green sheet, a glass cloth, or the like serving as a substrate material by screen printing, inkjet, a roll coater, spin coating, or the like. This is because it becomes easy. For example, in addition to the built-in substrate type capacitor, a high frequency electronic circuit such as an antenna, an RF module, a VCO (Voltage Controlled Oscillator), a power amplifier, etc. High-frequency electronic components used for pickups and the like are exemplified. In any case, it can be used as an electronic component for recent miniaturization and high frequency range (about 1 to 10 GHz).
[0024]
In the case of the built-in substrate type capacitor, 100 parts by weight of a main component of a high-temperature curing type epoxy resin (YD-8125 manufactured by Toto Kasei Co., Ltd.) and 90 parts by weight of an acid anhydride-based curing agent (hexahydrophthalic anhydride) are used. 1 part by weight of a curing accelerator (2,4,6-tris (dimethylamine) methylphenol) is mixed, and barium titanate fine powder (ε is about 16000) is added thereto. Parts and 245 parts by weight of an average particle diameter of 0.4 μm were added and mixed to obtain a high dielectric constant resin mixture. Toluene was added to this to obtain a paste having a viscosity of 2000 (cP). This paste was applied on a copper foil by an automatic coating machine to form a thin film capacitor portion. Next, after performing a curing treatment, electrodes were formed by ion sputtering to obtain a capacitor with a built-in substrate. The dielectric constant of this capacitor was 48.
[0025]
【The invention's effect】
As described above, the present invention is a high dielectric constant resin mixture in which two kinds of high dielectric constant powders having different average particle diameters are mixed in a resin, and the average particle diameter of primary particles is set to r μm. By using a high dielectric resin mixture having a dielectric constant of 40 or more containing a high dielectric constant powder having an average particle diameter of 0.5 rμm or less as the next particle, three types of high dielectric constants having different average particle diameters can be obtained. Powder, a high dielectric constant resin mixture mixed in a resin, containing a high dielectric constant powder having an average particle diameter of 0.5 rμm or less as secondary particles with respect to the average particle diameter rμm of the primary particles, and By containing a high dielectric constant powder having an average particle diameter of 0.3 r μm or less as a tertiary particle with respect to the average particle diameter r μm of the primary particles, by forming a high dielectric constant resin mixture having a dielectric constant of 40 or more, The high dielectric constant resin Since the content of the high dielectric constant powder in the compound, the content of the primary particles> the content of the secondary particles> the content of the tertiary particles and the high dielectric constant resin mixture, The obtained high dielectric constant resin mixture has a dielectric constant of 40 to 60, and is suitable for use in small electronic components such as a capacitor with a built-in substrate in a high frequency region (1 GHz or more) and is preferable.
[0026]
In addition, the high dielectric constant powder is a high dielectric constant resin mixture of barium titanate, whereby the barium titanate further contains at least one of calcium, tin, zirconium, strontium and niobium. By using a high-resin mixture, the dielectric constant is high without lead. Furthermore, when at least one of calcium, tin, zirconium, strontium and niobium is used, the Curie temperature of the barium titanate can be lowered to near room temperature, and the high dielectric constant resin mixture used Can be easily handled practically.
[0027]
Furthermore, by making the resin a high dielectric constant resin mixture of an epoxy resin, the electrical properties, heat resistance, pot life, water resistance, chemical resistance and cost are balanced, and furthermore, By adjusting the viscosity of the high dielectric constant resin mixture to about 500 to 3000 cP, by making the paste a high dielectric constant resin mixture, a copper foil, a green sheet, a glass cloth, or the like serving as a substrate material is screen-printed, inkjet, Application and printing can be performed by a roll coater, spin coating, or the like, and the manufacture of electronic components becomes easy.