JP2004284837A - リン酸カルシウム系水熱固化体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リン酸カルシウム系水熱固化体を製造する。
【解決手段】リン酸水素カルシウム二水和物[Brushite](CaHPO4・2H2O)と消石灰とを混合して焼成し、β−TCPとする。このβ−TCPを乾式粉砕した後、成形し、成形体を得る。この成形体を水熱処理して水熱固化体を得る。
【選択図】 図2
【解決手段】リン酸水素カルシウム二水和物[Brushite](CaHPO4・2H2O)と消石灰とを混合して焼成し、β−TCPとする。このβ−TCPを乾式粉砕した後、成形し、成形体を得る。この成形体を水熱処理して水熱固化体を得る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリン酸カルシウム系水熱固化体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CaO分とSiO2分とを含む原料から、水熱固化体を製造する方法は知られている(例えば、特許文献1参照。)。この製造方法では、まず調合工程として、CaO分とSiO2分とを含む原料により調合物を用意する。そして、成形工程として、調合物を成形して成形体とする。次いで、水熱工程として、その成形体を水熱処理し、ケイ酸カルシウム水和物を生じて固化した水熱固化体を得る。こうして得られる水熱固化体は、低エネルギーで製造可能なタイル、ブロック等の土木建築資材として実用価値がある。
【0003】
一方、特許文献2、3には、カルシウム化合物、リン化合物等により、針状のアパタイト粒子を製造する製造方法が開示されている。また、特許文献4には、リン酸三カルシウム(TCP)(Ca3(PO4)2)を用いてアパタイト焼結体を製造する製造方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3196611号公報
【特許文献2】
特開2002−60210号公報
【特許文献3】
特開2002−274822号公報
【特許文献4】
特開平5−329201号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、種々の原料により水熱固化体を製造することができれば、原料の安定供給、製品コスト等の面で好ましい。特に、下水汚泥焼却灰を用いて水熱固化体を製造すれば、下水汚泥焼却灰が含有するヒ素やセレン等の重金属が溶出することを抑制することが可能と考えられる。
【0006】
なお、上記特許文献2、3開示の製造方法はアパタイト粒子を製造するだけであり、この製造方法によっては水熱固化体を製造することができない。また、特許文献4開示の製造方法は高温下の焼結により焼結体を得ているに過ぎず、この製造方法によっても水熱固化体を製造することができない。また、焼結による固化では水熱固化に比べて多量のエネルギーを消費するという問題もある。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、低エネルギーで高強度のリン酸カルシウム系水熱固化体を製造することを解決すべき課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
近年、無機系廃棄物の問題が顕在化しており、無機系廃棄物の再資源化が急務となっている。無機系廃棄物の一つである下水汚泥焼却灰はSi成分、P成分を多く含む。発明者らはこのP成分に注目し、P成分を多量に含む下水汚泥焼却灰の再資源化を図るため、P成分とCa成分とを含む原料の水熱固化について検討し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明のリン酸カルシウム系水熱固化体の製造方法は、リン酸三カルシウム(TCP)(Ca3(PO4)2)を含む原料を成形し、成形体を得る成形工程と、該成形体を水熱処理して水熱固化体を得る水熱工程とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の製造方法では、TCPを含む原料からリン酸カルシウム系水熱固化体を製造することができる。発明者らの試験結果によれば、このリン酸カルシウム系水熱固化体は、ハイドロキシアパタイト(水酸アパタイト[Hydroxyapatite(HAp)](Ca10(PO4)6(OH)2)の針状結晶が絡み合って強度を発現している。こうして、この製造方法によれば、従来にも増して種々の原料により水熱固化体を製造することができ、原料の安定供給、製品コスト等の面で好ましい。
【0011】
また、発明者らの試験結果によれば、下水汚泥焼却灰に消石灰を加えてハイドロキシアパタイトが生成するようにCa/P(モル比)を調製し、これによる成形体を水熱処理したとしても、添加する消石灰のためにpHが高くなり、水熱反応が進み難いことから、固化体が十分な強度を発揮することができない。これに対し、TCPを含む原料による成形体を水熱処理すれば、pHが比較的高くならず、水熱反応が効果的に進み、固化体が十分な強度を発揮できる。
【0012】
また、発明者らの試験結果によれば、下水汚泥焼却灰に消石灰(Ca(OH)2)等のCa成分を加えて焼成することにより、TCPが生成される。このため、本発明の製造方法では、リン酸カルシウムとCaO分を含むカルシウム原料とを焼成することにより第1原料とする第1前処理工程を備え、この第1原料を成形工程のTCPとすることができる。第1原料によって成形体を成形すれば、この成形体は、水熱工程において脱水しないため、リン酸水素カルシウム二水和物[Brushite](CaHPO4・2H2O)と消石灰との混合物からなる成形体やピロリン酸カルシウム(Ca2P2O7)と消石灰との混合物からなる成形体に比べ、大きな嵩密度を有することとなる。このため、こうして得られるリン酸カルシウム系水熱固化体がある程度大きな強度を発現する。
【0013】
特に、本発明の製造方法は、リン酸カルシウムとCaO分を含むカルシウム原料とを焼成することにより第1原料とする第1前処理工程と、この第1原料を乾式粉砕して第2原料とする第2前処理工程とを備え、第2原料を成形工程のTCPとすることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、第1前処理工程により得られるTCPは粒成長によって多くの空洞を有している。このため、第1前処理工程直後のTCPをそのまま成形工程に供してしまえば、成形体の嵩密度が十分に大きくなく、リン酸カルシウム系水熱固化体の強度が未だ十分でない。これに対し、第1前処理工程後のTCPを第2前処理工程により乾式粉砕して第2原料とし、この第2原料を成形工程に供すれば、第2原料では第1前処理工程後のTCPの空洞が破壊されているため、成形体の嵩密度がより大きくなり、ハイドロキシアパタイトの針状結晶も微細化され、結晶間の間隙も微小化されるため、リン酸カルシウム系水熱固化体が十分な強度を発現する。
【0014】
リン酸カルシウムとしては、リン酸水素カルシウム二水和物又はリン酸水素カルシウム無水物[Monetite](CaHPO4)のリン酸水素カルシウム、リン酸八カルシウム(Ca8H2(PO4)6)、ハイドロキシアパタイト、リン酸四カルシウム(Ca4(PO4)3O)等のオルトリン酸カルシウムの他、ピロリン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム(Ca(PO3)2)等の縮合リン酸カルシウムを採用できると考えられる。CaO分は消石灰、炭酸カルシウム(CaCO3)等により構成することができる。
【0015】
発明者らの試験結果によれば、成形体は嵩密度が1.67(g/cm3)以上であることが好ましい。このような成形体を水熱処理すれば、高強度のリン酸カルシウム系水熱固化体を製造することができる。
【0016】
本発明の製造方法では、成形工程を押出法や乾式プレス法により行うことができる。特に、成形工程を乾式プレス法により行うことが好ましい。成形工程を乾式プレス法により行えば、TCPの粒子間の間隙が微小化されるため、ハイドロキシアパタイトの針状結晶も微細化され、結晶間の間隙も微小化され、リン酸カルシウム系水熱固化体がより十分な強度を発現する。また、乾式プレス法によれば、原料の搬送、保管が容易になる。また、水熱固化に必要な水分を調整した成形体を成形することができ、成形体の乾燥を行なうことなく水熱固化体を製造することができる。これらのため、製造コストの低廉化を実現できる。
【0017】
なお、特公昭61−9265号公報には、α−TCPを用いたリン酸カルシウム系硬化体の製造方法が開示されている。しかしながら、この製造方法では、常温下、比較的多量の水を使用した水和によりリン酸カルシウム系硬化体を得ており、硬化体が本発明の水熱固化体程の強度を発現できないものと思われる。
【0018】
TCPとしてはα−TCP及びβ−TCPが存在し得る。本発明の製造方法では、β−TCPを用いることが好ましい。β−TCPを得るためには、α−TCPを得る場合に比べて第1前処理工程の温度が低くて足り、リン酸カルシウム系水熱固化体をより安価に製造することができる。また、発明者らはβ−TCPについて本発明の効果を確認している。
【0019】
本発明の製造方法により本発明のリン酸カルシウム系水熱固化体を製造することが可能である。このリン酸カルシウム系水熱固化体は、針状のハイドロキシアパタイトが絡み合い、細孔径が60〜70nmであることを特徴とする。このリン酸カルシウム系水熱固化体は、針状のハイドロキシアパタイトが絡み合い、細孔径が60〜70nmであることから、十分な強度を有している。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
まず、図1に示す第1前処理工程S10として、リン酸水素カルシウム二水和物(和光製特級)と消石灰(宇部マテリアル製、超特号)とを用意する。そして、これらをCa/P(モル比)=1.5になるように混合し、1000°Cで3時間焼成することにより、第1原料としてのβ−TCPを調製した。
【0022】
次いで、第2前処理工程S20として、第1原料のβ−TCPを乾式ボールミル内に投入し、8時間以内で乾式粉砕する。こうして、第2原料としてのβ−TCPを調製した。
【0023】
この後、成形工程S30として、第1原料又は第2原料のβ−TCPを30MPaで一軸加圧成形し、10mm×15mm×40mmの成形体を得る。そして、水熱工程S40として、成形体を180°C、6時間の水熱処理に供する。こうして実施例のリン酸カルシウム系水熱固化体(以下、単に「水熱固化体」という。)を得る。こうして、この製造方法によれば、従来にも増して種々の原料により水熱固化体を製造することができ、原料の安定供給、製品コスト等の面で好ましい。
【0024】
比較例1として、リン酸水素カルシウム二水和物と消石灰とをCa/P(モル比)=1.67になるように混合し、混合物を得る。この混合物により、上記成形工程S30と同一の条件で成形体を得る。そして、この成形体により、上記水熱工程S40と同一の条件で水熱固化体を得る。
【0025】
また、リン酸水素カルシウム二水和物を600°Cで3時間焼成することにより、ピロリン酸カルシウムとする。そして、比較例2として、このピロリン酸カルシウムと消石灰とをCa/P(モル比)=1.67になるように混合し、混合物を得る。この混合物により、上記成形工程S30と同一の条件で成形体を得る。そして、この成形体により、上記水熱工程S40と同一の条件で水熱固化体を得る。
【0026】
得られた水熱固化体を80°Cで48時間乾燥後、曲げ強度(3点曲げ試験)、構成相(粉末X線回折)、微構造(SEM、水銀圧入法による細孔径分布測定)の評価に供する。
【0027】
実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体の粉砕時間(h)、嵩密度(g/cm3)及び曲げ強度(MPa)を表1に示す。表1より、成形体の嵩密度を1.67g/cm3以上にすると、19MPa以上の高い曲げ強度の水熱固化体を得られることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】
また、実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体に係る曲げ強度を図2に示す。図2より、実施例の水熱固化体が6.74MPaという最も大きな曲げ強度を発揮することがわかる。このことから、リン酸カルシウム系水熱固化体の出発原料として、β−TCPが有効であることがわかる。
【0030】
さらに、実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体に係る嵩密度を図3に示す。図3より、比較例1の成形体は水熱工程S40によって嵩密度が大幅に減少していることがわかる。これに対し、実施例及び比較例2の成形体は水熱工程S40によって嵩密度がほとんど変化しない。これは、比較例1では、リン酸水素カルシウム二水和物の結晶水が水熱工程S40によって脱水されるからであると考察される。
【0031】
実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体が水熱処理によって構成相をどのように変化させたかを図4〜6に示す。図4は比較例1についてのものであり、図5は比較例2についてのものであり、図6は実施例についてのものである。Bはリン酸水素カルシウム二水和物、Mはリン酸水素カルシウム無水物、Pは消石灰、Hはハイドロキシアパタイト、Pyはピロリン酸カルシウム、Wはβ−TCPを示す。図4及び図5より、比較例1及び比較例2では、水熱処理をしても、消石灰が残存するとともに、あまりハイドロキシアパタイトを生成せず、比較例1では、リン酸水素カルシウム無水物が多く生成していることがわかる。これに対し、図6より、実施例では、水熱処理により、β−TCPは残るものの、ハイドロキシアパタイトが多く生成されていることがわかる。また、比較例1の成形体のSEM写真を図7に示し、比較例1の水熱固化体のSEM写真を図8に示す。他方、実施例の成形体のSEM写真を図9に示し、実施例の水熱固化体のSEM写真を図10に示す。図7〜10より、比較例1では水熱処理により針状のハイドロキシアパタイトがあまり生成されていないのに対し、実施例では水熱処理により針状のハイドロキシアパタイトが塊状結晶を取り囲むように絡み合っていることがわかる。このため、実施例の水熱固化体は強度を発現していると考察される。
【0032】
実施例の製造方法で調製した第1原料としてのβ−TCPに係るSEM写真を図11及び図12に示す。図11及び図12より、第1前処理工程S10により得られたβ−TCPは粒成長によって多くの空洞を有していることがわかる。
【0033】
そして、実施例の成形体及び水熱固化体について、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う嵩密度及び曲げ強度の変化を求めた。結果を図13に示す。図13より、実施例は、第2前処理工程S20によって、嵩密度及び曲げ強度が大幅に増加し、粉砕時間が2時間の場合には、曲げ強度が最大値の23.6MPaを示すことがわかる。このため、第1前処理工程S10後のβ−TCPを第2前処理工程S20により乾式粉砕して第2原料とし、この第2原料を成形工程S30に供することにより、水熱固化体が十分な強度を発現することがわかる。第2前処理工程S20によって第1前処理工程S10後のβ−TCPの空洞を破壊することができ、成形体の嵩密度がより大きくなるからである。
【0034】
また、実施例の成形体に係り、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う構成相の変化を図14に示す。また、実施例の水熱固化体に係り、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う構成相の変化を図15に示す。○はβ−TCP、▽はハイドロキシアパタイトを示す。図14及び図15より、第2前処理工程S20によって、水熱固化体が多くのハイドロキシアパタイトを生成していることがわかる。
【0035】
次いで、実施例の成形体に係り、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う細孔径分布の変化を図16に示す。また、実施例の水熱固化体に係り、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う細孔径分布の変化を図17に示す。図16及び図17より、第2前処理工程S20によって、成形体の細孔径が減少し、水熱固化体の細孔径は減少しつつ均一化することがわかる。そして、針状のハイドロキシアパタイトが絡み合い、細孔径が60〜70nmであれば、十分な強度を有する水熱固化体であることがわかる。
【0036】
第2前処理工程S20の粉砕時間が0時間の実施例の水熱固化体に係るSEM写真を図18に示し、第2前処理工程S20の粉砕時間が2時間の実施例の水熱固化体に係るSEM写真を図19に示す。図18及び図19より、第2前処理工程S20によって、ハイドロキシアパタイトの針状結晶が微細化され、結晶間の間隙が微小化され、ハイドロキシアパタイトの絡み合いが緻密化、複雑化していることがわかる。これにより曲げ強度が大きく増加していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の製造方法を示す工程図である。
【図2】実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体に係り、曲げ強度を示すグラフである。
【図3】実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体に係り、嵩密度を示すグラフである。
【図4】比較例1の成形体及び水熱固化体の構成相変化を示すX線回折図である。
【図5】比較例2の成形体及び水熱固化体の構成相変化を示すX線回折図である。
【図6】実施例の成形体及び水熱固化体の構成相変化を示すX線回折図である。
【図7】比較例1の成形体の結晶構造を示す7500倍のSEM写真である。
【図8】比較例1の水熱固化体の結晶構造を示す7500倍のSEM写真である。
【図9】実施例の成形体の結晶構造を示す7500倍のSEM写真である。
【図10】実施例の水熱固化体の結晶構造を示す7500倍のSEM写真である。
【図11】実施例の製造方法で調製したβ−TCPの結晶構造を示す7000倍のSEM写真である。
【図12】実施例の製造方法で調製したβ−TCPの結晶構造を示す2万倍のSEM写真である。
【図13】実施例の水熱固化体に係り、第2前処理工程の粉砕時間に伴う嵩密度及び曲げ強度の変化を示すグラフである。
【図14】実施例の成形体における第2前処理工程の粉砕時間に伴う構成相変化を示すX線回折図である。
【図15】実施例の水熱固化体における第2前処理工程の粉砕時間に伴う構成相変化を示すX線回折図である。
【図16】実施例の成形体における第2前処理工程の粉砕時間に伴う細孔径分布の変化を示すグラフである。
【図17】実施例の水熱固化体における第2前処理工程の粉砕時間に伴う細孔径分布の変化を示すグラフである。
【図18】第2前処理工程の粉砕時間が0時間の実施例の水熱固化体に係り、結晶構造を示す2万倍のSEM写真である。
【図19】第2前処理工程の粉砕時間が2時間の実施例の水熱固化体に係り、結晶構造を示す2万倍のSEM写真である。
【符号の説明】
S10…第1前処理工程
S20…第2前処理工程
S30…成形工程
S40…水熱工程
【発明の属する技術分野】
本発明はリン酸カルシウム系水熱固化体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CaO分とSiO2分とを含む原料から、水熱固化体を製造する方法は知られている(例えば、特許文献1参照。)。この製造方法では、まず調合工程として、CaO分とSiO2分とを含む原料により調合物を用意する。そして、成形工程として、調合物を成形して成形体とする。次いで、水熱工程として、その成形体を水熱処理し、ケイ酸カルシウム水和物を生じて固化した水熱固化体を得る。こうして得られる水熱固化体は、低エネルギーで製造可能なタイル、ブロック等の土木建築資材として実用価値がある。
【0003】
一方、特許文献2、3には、カルシウム化合物、リン化合物等により、針状のアパタイト粒子を製造する製造方法が開示されている。また、特許文献4には、リン酸三カルシウム(TCP)(Ca3(PO4)2)を用いてアパタイト焼結体を製造する製造方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3196611号公報
【特許文献2】
特開2002−60210号公報
【特許文献3】
特開2002−274822号公報
【特許文献4】
特開平5−329201号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、種々の原料により水熱固化体を製造することができれば、原料の安定供給、製品コスト等の面で好ましい。特に、下水汚泥焼却灰を用いて水熱固化体を製造すれば、下水汚泥焼却灰が含有するヒ素やセレン等の重金属が溶出することを抑制することが可能と考えられる。
【0006】
なお、上記特許文献2、3開示の製造方法はアパタイト粒子を製造するだけであり、この製造方法によっては水熱固化体を製造することができない。また、特許文献4開示の製造方法は高温下の焼結により焼結体を得ているに過ぎず、この製造方法によっても水熱固化体を製造することができない。また、焼結による固化では水熱固化に比べて多量のエネルギーを消費するという問題もある。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、低エネルギーで高強度のリン酸カルシウム系水熱固化体を製造することを解決すべき課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
近年、無機系廃棄物の問題が顕在化しており、無機系廃棄物の再資源化が急務となっている。無機系廃棄物の一つである下水汚泥焼却灰はSi成分、P成分を多く含む。発明者らはこのP成分に注目し、P成分を多量に含む下水汚泥焼却灰の再資源化を図るため、P成分とCa成分とを含む原料の水熱固化について検討し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明のリン酸カルシウム系水熱固化体の製造方法は、リン酸三カルシウム(TCP)(Ca3(PO4)2)を含む原料を成形し、成形体を得る成形工程と、該成形体を水熱処理して水熱固化体を得る水熱工程とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の製造方法では、TCPを含む原料からリン酸カルシウム系水熱固化体を製造することができる。発明者らの試験結果によれば、このリン酸カルシウム系水熱固化体は、ハイドロキシアパタイト(水酸アパタイト[Hydroxyapatite(HAp)](Ca10(PO4)6(OH)2)の針状結晶が絡み合って強度を発現している。こうして、この製造方法によれば、従来にも増して種々の原料により水熱固化体を製造することができ、原料の安定供給、製品コスト等の面で好ましい。
【0011】
また、発明者らの試験結果によれば、下水汚泥焼却灰に消石灰を加えてハイドロキシアパタイトが生成するようにCa/P(モル比)を調製し、これによる成形体を水熱処理したとしても、添加する消石灰のためにpHが高くなり、水熱反応が進み難いことから、固化体が十分な強度を発揮することができない。これに対し、TCPを含む原料による成形体を水熱処理すれば、pHが比較的高くならず、水熱反応が効果的に進み、固化体が十分な強度を発揮できる。
【0012】
また、発明者らの試験結果によれば、下水汚泥焼却灰に消石灰(Ca(OH)2)等のCa成分を加えて焼成することにより、TCPが生成される。このため、本発明の製造方法では、リン酸カルシウムとCaO分を含むカルシウム原料とを焼成することにより第1原料とする第1前処理工程を備え、この第1原料を成形工程のTCPとすることができる。第1原料によって成形体を成形すれば、この成形体は、水熱工程において脱水しないため、リン酸水素カルシウム二水和物[Brushite](CaHPO4・2H2O)と消石灰との混合物からなる成形体やピロリン酸カルシウム(Ca2P2O7)と消石灰との混合物からなる成形体に比べ、大きな嵩密度を有することとなる。このため、こうして得られるリン酸カルシウム系水熱固化体がある程度大きな強度を発現する。
【0013】
特に、本発明の製造方法は、リン酸カルシウムとCaO分を含むカルシウム原料とを焼成することにより第1原料とする第1前処理工程と、この第1原料を乾式粉砕して第2原料とする第2前処理工程とを備え、第2原料を成形工程のTCPとすることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、第1前処理工程により得られるTCPは粒成長によって多くの空洞を有している。このため、第1前処理工程直後のTCPをそのまま成形工程に供してしまえば、成形体の嵩密度が十分に大きくなく、リン酸カルシウム系水熱固化体の強度が未だ十分でない。これに対し、第1前処理工程後のTCPを第2前処理工程により乾式粉砕して第2原料とし、この第2原料を成形工程に供すれば、第2原料では第1前処理工程後のTCPの空洞が破壊されているため、成形体の嵩密度がより大きくなり、ハイドロキシアパタイトの針状結晶も微細化され、結晶間の間隙も微小化されるため、リン酸カルシウム系水熱固化体が十分な強度を発現する。
【0014】
リン酸カルシウムとしては、リン酸水素カルシウム二水和物又はリン酸水素カルシウム無水物[Monetite](CaHPO4)のリン酸水素カルシウム、リン酸八カルシウム(Ca8H2(PO4)6)、ハイドロキシアパタイト、リン酸四カルシウム(Ca4(PO4)3O)等のオルトリン酸カルシウムの他、ピロリン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム(Ca(PO3)2)等の縮合リン酸カルシウムを採用できると考えられる。CaO分は消石灰、炭酸カルシウム(CaCO3)等により構成することができる。
【0015】
発明者らの試験結果によれば、成形体は嵩密度が1.67(g/cm3)以上であることが好ましい。このような成形体を水熱処理すれば、高強度のリン酸カルシウム系水熱固化体を製造することができる。
【0016】
本発明の製造方法では、成形工程を押出法や乾式プレス法により行うことができる。特に、成形工程を乾式プレス法により行うことが好ましい。成形工程を乾式プレス法により行えば、TCPの粒子間の間隙が微小化されるため、ハイドロキシアパタイトの針状結晶も微細化され、結晶間の間隙も微小化され、リン酸カルシウム系水熱固化体がより十分な強度を発現する。また、乾式プレス法によれば、原料の搬送、保管が容易になる。また、水熱固化に必要な水分を調整した成形体を成形することができ、成形体の乾燥を行なうことなく水熱固化体を製造することができる。これらのため、製造コストの低廉化を実現できる。
【0017】
なお、特公昭61−9265号公報には、α−TCPを用いたリン酸カルシウム系硬化体の製造方法が開示されている。しかしながら、この製造方法では、常温下、比較的多量の水を使用した水和によりリン酸カルシウム系硬化体を得ており、硬化体が本発明の水熱固化体程の強度を発現できないものと思われる。
【0018】
TCPとしてはα−TCP及びβ−TCPが存在し得る。本発明の製造方法では、β−TCPを用いることが好ましい。β−TCPを得るためには、α−TCPを得る場合に比べて第1前処理工程の温度が低くて足り、リン酸カルシウム系水熱固化体をより安価に製造することができる。また、発明者らはβ−TCPについて本発明の効果を確認している。
【0019】
本発明の製造方法により本発明のリン酸カルシウム系水熱固化体を製造することが可能である。このリン酸カルシウム系水熱固化体は、針状のハイドロキシアパタイトが絡み合い、細孔径が60〜70nmであることを特徴とする。このリン酸カルシウム系水熱固化体は、針状のハイドロキシアパタイトが絡み合い、細孔径が60〜70nmであることから、十分な強度を有している。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
まず、図1に示す第1前処理工程S10として、リン酸水素カルシウム二水和物(和光製特級)と消石灰(宇部マテリアル製、超特号)とを用意する。そして、これらをCa/P(モル比)=1.5になるように混合し、1000°Cで3時間焼成することにより、第1原料としてのβ−TCPを調製した。
【0022】
次いで、第2前処理工程S20として、第1原料のβ−TCPを乾式ボールミル内に投入し、8時間以内で乾式粉砕する。こうして、第2原料としてのβ−TCPを調製した。
【0023】
この後、成形工程S30として、第1原料又は第2原料のβ−TCPを30MPaで一軸加圧成形し、10mm×15mm×40mmの成形体を得る。そして、水熱工程S40として、成形体を180°C、6時間の水熱処理に供する。こうして実施例のリン酸カルシウム系水熱固化体(以下、単に「水熱固化体」という。)を得る。こうして、この製造方法によれば、従来にも増して種々の原料により水熱固化体を製造することができ、原料の安定供給、製品コスト等の面で好ましい。
【0024】
比較例1として、リン酸水素カルシウム二水和物と消石灰とをCa/P(モル比)=1.67になるように混合し、混合物を得る。この混合物により、上記成形工程S30と同一の条件で成形体を得る。そして、この成形体により、上記水熱工程S40と同一の条件で水熱固化体を得る。
【0025】
また、リン酸水素カルシウム二水和物を600°Cで3時間焼成することにより、ピロリン酸カルシウムとする。そして、比較例2として、このピロリン酸カルシウムと消石灰とをCa/P(モル比)=1.67になるように混合し、混合物を得る。この混合物により、上記成形工程S30と同一の条件で成形体を得る。そして、この成形体により、上記水熱工程S40と同一の条件で水熱固化体を得る。
【0026】
得られた水熱固化体を80°Cで48時間乾燥後、曲げ強度(3点曲げ試験)、構成相(粉末X線回折)、微構造(SEM、水銀圧入法による細孔径分布測定)の評価に供する。
【0027】
実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体の粉砕時間(h)、嵩密度(g/cm3)及び曲げ強度(MPa)を表1に示す。表1より、成形体の嵩密度を1.67g/cm3以上にすると、19MPa以上の高い曲げ強度の水熱固化体を得られることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】
また、実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体に係る曲げ強度を図2に示す。図2より、実施例の水熱固化体が6.74MPaという最も大きな曲げ強度を発揮することがわかる。このことから、リン酸カルシウム系水熱固化体の出発原料として、β−TCPが有効であることがわかる。
【0030】
さらに、実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体に係る嵩密度を図3に示す。図3より、比較例1の成形体は水熱工程S40によって嵩密度が大幅に減少していることがわかる。これに対し、実施例及び比較例2の成形体は水熱工程S40によって嵩密度がほとんど変化しない。これは、比較例1では、リン酸水素カルシウム二水和物の結晶水が水熱工程S40によって脱水されるからであると考察される。
【0031】
実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体が水熱処理によって構成相をどのように変化させたかを図4〜6に示す。図4は比較例1についてのものであり、図5は比較例2についてのものであり、図6は実施例についてのものである。Bはリン酸水素カルシウム二水和物、Mはリン酸水素カルシウム無水物、Pは消石灰、Hはハイドロキシアパタイト、Pyはピロリン酸カルシウム、Wはβ−TCPを示す。図4及び図5より、比較例1及び比較例2では、水熱処理をしても、消石灰が残存するとともに、あまりハイドロキシアパタイトを生成せず、比較例1では、リン酸水素カルシウム無水物が多く生成していることがわかる。これに対し、図6より、実施例では、水熱処理により、β−TCPは残るものの、ハイドロキシアパタイトが多く生成されていることがわかる。また、比較例1の成形体のSEM写真を図7に示し、比較例1の水熱固化体のSEM写真を図8に示す。他方、実施例の成形体のSEM写真を図9に示し、実施例の水熱固化体のSEM写真を図10に示す。図7〜10より、比較例1では水熱処理により針状のハイドロキシアパタイトがあまり生成されていないのに対し、実施例では水熱処理により針状のハイドロキシアパタイトが塊状結晶を取り囲むように絡み合っていることがわかる。このため、実施例の水熱固化体は強度を発現していると考察される。
【0032】
実施例の製造方法で調製した第1原料としてのβ−TCPに係るSEM写真を図11及び図12に示す。図11及び図12より、第1前処理工程S10により得られたβ−TCPは粒成長によって多くの空洞を有していることがわかる。
【0033】
そして、実施例の成形体及び水熱固化体について、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う嵩密度及び曲げ強度の変化を求めた。結果を図13に示す。図13より、実施例は、第2前処理工程S20によって、嵩密度及び曲げ強度が大幅に増加し、粉砕時間が2時間の場合には、曲げ強度が最大値の23.6MPaを示すことがわかる。このため、第1前処理工程S10後のβ−TCPを第2前処理工程S20により乾式粉砕して第2原料とし、この第2原料を成形工程S30に供することにより、水熱固化体が十分な強度を発現することがわかる。第2前処理工程S20によって第1前処理工程S10後のβ−TCPの空洞を破壊することができ、成形体の嵩密度がより大きくなるからである。
【0034】
また、実施例の成形体に係り、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う構成相の変化を図14に示す。また、実施例の水熱固化体に係り、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う構成相の変化を図15に示す。○はβ−TCP、▽はハイドロキシアパタイトを示す。図14及び図15より、第2前処理工程S20によって、水熱固化体が多くのハイドロキシアパタイトを生成していることがわかる。
【0035】
次いで、実施例の成形体に係り、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う細孔径分布の変化を図16に示す。また、実施例の水熱固化体に係り、第2前処理工程S20の粉砕時間に伴う細孔径分布の変化を図17に示す。図16及び図17より、第2前処理工程S20によって、成形体の細孔径が減少し、水熱固化体の細孔径は減少しつつ均一化することがわかる。そして、針状のハイドロキシアパタイトが絡み合い、細孔径が60〜70nmであれば、十分な強度を有する水熱固化体であることがわかる。
【0036】
第2前処理工程S20の粉砕時間が0時間の実施例の水熱固化体に係るSEM写真を図18に示し、第2前処理工程S20の粉砕時間が2時間の実施例の水熱固化体に係るSEM写真を図19に示す。図18及び図19より、第2前処理工程S20によって、ハイドロキシアパタイトの針状結晶が微細化され、結晶間の間隙が微小化され、ハイドロキシアパタイトの絡み合いが緻密化、複雑化していることがわかる。これにより曲げ強度が大きく増加していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の製造方法を示す工程図である。
【図2】実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体に係り、曲げ強度を示すグラフである。
【図3】実施例及び比較例1、2の成形体及び水熱固化体に係り、嵩密度を示すグラフである。
【図4】比較例1の成形体及び水熱固化体の構成相変化を示すX線回折図である。
【図5】比較例2の成形体及び水熱固化体の構成相変化を示すX線回折図である。
【図6】実施例の成形体及び水熱固化体の構成相変化を示すX線回折図である。
【図7】比較例1の成形体の結晶構造を示す7500倍のSEM写真である。
【図8】比較例1の水熱固化体の結晶構造を示す7500倍のSEM写真である。
【図9】実施例の成形体の結晶構造を示す7500倍のSEM写真である。
【図10】実施例の水熱固化体の結晶構造を示す7500倍のSEM写真である。
【図11】実施例の製造方法で調製したβ−TCPの結晶構造を示す7000倍のSEM写真である。
【図12】実施例の製造方法で調製したβ−TCPの結晶構造を示す2万倍のSEM写真である。
【図13】実施例の水熱固化体に係り、第2前処理工程の粉砕時間に伴う嵩密度及び曲げ強度の変化を示すグラフである。
【図14】実施例の成形体における第2前処理工程の粉砕時間に伴う構成相変化を示すX線回折図である。
【図15】実施例の水熱固化体における第2前処理工程の粉砕時間に伴う構成相変化を示すX線回折図である。
【図16】実施例の成形体における第2前処理工程の粉砕時間に伴う細孔径分布の変化を示すグラフである。
【図17】実施例の水熱固化体における第2前処理工程の粉砕時間に伴う細孔径分布の変化を示すグラフである。
【図18】第2前処理工程の粉砕時間が0時間の実施例の水熱固化体に係り、結晶構造を示す2万倍のSEM写真である。
【図19】第2前処理工程の粉砕時間が2時間の実施例の水熱固化体に係り、結晶構造を示す2万倍のSEM写真である。
【符号の説明】
S10…第1前処理工程
S20…第2前処理工程
S30…成形工程
S40…水熱工程
Claims (7)
- リン酸三カルシウムを含む原料を成形し、成形体を得る成形工程と、
該成形体を水熱処理して水熱固化体を得る水熱工程とを備えたことを特徴とするリン酸カルシウム系水熱固化体の製造方法。 - リン酸カルシウムとCaO分を含むカルシウム原料とを焼成することにより第1原料とする第1前処理工程を備え、該第1原料を前記成形工程の前記リン酸三カルシウムとすることを特徴とする請求項1記載のリン酸カルシウム系水熱固化体の製造方法。
- リン酸カルシウムとCaO分を含むカルシウム原料とを焼成することにより第1原料とする第1前処理工程と、該第1原料を乾式粉砕して第2原料とする第2前処理工程とを備え、該第2原料を前記成形工程の前記リン酸三カルシウムとすることを特徴とする請求項1記載のリン酸カルシウム系水熱固化体の製造方法。
- 前記成形体は嵩密度が1.67(g/cm3)以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のリン酸カルシウム系水熱固化体の製造方法。
- 前記成形工程を乾式プレス法により行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のリン酸カルシウム系水熱固化体の製造方法。
- 前記リン酸三カルシウムはβ型であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のリン酸カルシウム系水熱固化体の製造方法。
- 針状のハイドロキシアパタイトが絡み合い、細孔径が60〜70nmであることを特徴とするリン酸カルシウム系水熱固化体。
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