JP2004284726A - サイクル型流通システム - Google Patents

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康作 岡村
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Abstract

【課題】流通過程においてICカードを装着した通い箱を用いることにより、流通過程の管理をし、有機培地耕の再利用を促進する。
【解決手段】植物を栽培する栽培プラントと、有機廃棄物から発電及び堆肥を作成する再資源化プラントと、前記植物及び前記堆肥を流通させる流通システムとを管理する集中管理部を備えたサイクル型流通システムにおいて、前記流通システム内で、前記植物及び前記堆肥を流通させる際に、少なくともその箱に入れる物の情報が記憶されたICタグが装着された通い箱を用い、前記集中管理部にある、システム全体を管理する管理端末と、前記販売システムの流通過程において備えられた販売端末とがコンピュータネットワークにおいて相互接続され、前記販売端末に接続された前記ICタグのリーダライタと前記ICタグとの間でデータの送受信を行い、前記集中管理部にて前記通い箱の流通状態を、総合的に管理する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の生産、畜ふん、生ごみ、食品残渣等の有機廃棄物を用いた発電による再資源化、得られた電力を用いた植物の栽培及び販売について、通い箱を用いることによりこれら工程を集中管理し、サイクル効率を高めたサイクル型流通システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レストラン、スーパーマーケット等で発生する有機廃棄物や一般家庭等より発生する生ごみ、あるいはし尿、浄化槽汚泥、畜産糞尿等のメタン発酵原料(以下、全てをまとめて有機廃棄物とする)をメタン発酵プラントに供給し、ガスエンジンより成るガス発電施設より電力を発生させて、この電力を、野菜、花、植木等の植物の栽培施設に給電するようにしている。この栽培施設は、温度、湿度、CO量等を自動的に管理可能とした大型密閉スペースより成り、この中で、上記植物を計画的に育成して出荷可能としたものである。
【0003】
上記栽培施設には容器としてのポットにピートモス等の有機培地耕を充填し、この培地耕中に種をまいて、強制発芽させ、育苗、育成の工程を経て植物を出荷段階まで育成させるものである。出荷は、植物を刈取って出荷したり、あるいはポットに植栽したまま出荷している。
【0004】
また、発電のために再資源化プラントにおいて利用した有機廃棄物は、メタン発酵後、植物栽培用の堆肥として栽培プラントへ供給し、又は出荷されている。
【0005】
これらは、流通システムに乗せられて出荷されている。
【0006】
従来の発明として、栽培プラントにおける有機培地耕の再利用方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
この文献には、生産という観点において栽培プラントのみについての記載であり、流通についての記載までは無い。
【0008】
また、従来の発明として、生成プラントシステムにおいて栽培される植物の出荷計画に基づいて、生成プラントシステム及びメタン発酵プラントシステムのいずれか一方又は両方を制御するようにした栽培システムが記載されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
この文献には、生成プラントシステム及びメタン発酵プラントシステムの協動関係が記載されおり、流通についての記載までは無い。
【0010】
また、従来の技術として、情報システムを用いた通い箱物流管理システムが記載されている。
【0011】
この文献には、通い箱を用いた物流の管理システムは記載されているが、リサイクルの物流管理まで記載はない。
【0012】
【特許文献1】
特願2001−203793号明細書
【0013】
【特許文献2】
特願2001−203820号明細書
【0014】
【特許文献3】
特開平2001−341845号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、流通システム内において、植物を刈取って出荷する場合は残りのポットに有機培地耕が残っており、これを廃棄物処理していた。また、ポットに植栽したまま出荷される場合には、一般家庭等で有機培地耕を有するポットがそのままゴミとして廃棄されてしまっている。
【0016】
このため、従来は有機培地耕が無駄に捨てられてしまい、資源の無駄が生じている。
【0017】
そこで、容器内の天然の有機培地耕を再利用可能として資源の無駄を無くす必要がある。
【0018】
そのためには、流通システムにおいて、出荷後の植物及び堆肥についての管理を行う必要があるが、出荷数の管理はなされているが、出荷流通中についてはなされていない。
【0019】
そこで出荷流通中の植物及び堆肥について管理を行い、再利用可能な有機培地耕や堆肥についても、本システムに還元できるように管理する必要がある。
【0020】
そこで、本願発明は、流通過程においてICタグを装着した通い箱を用いることにより、流通過程の管理をし、有機培地耕の再利用を促進することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、植物の生産、畜ふん、生ごみ、食品残渣等の有機廃棄物を用いた発電による再資源化、得られた電力を用いた植物の栽培及び販売について、通い箱を用いることによりこれら工程を集中管理し、サイクル効率を高めたサイクル型流通システムに関し、本発明の上記目的は、植物を栽培する栽培プラントと、有機廃棄物から発電及び堆肥を作成する再資源化プラントと、前記植物及び前記堆肥を流通させる流通システムとを管理する集中管理部を備えたサイクル型流通システムにおいて、前記流通システム内で、前記植物及び前記堆肥を流通させる際に、少なくともその箱に入れる物の情報が記憶されたICタグが装着された通い箱を用い、前記集中管理部にある、システム全体を管理する管理端末と、前記販売システムの流通過程において備えられた販売端末とがコンピュータネットワークにおいて相互接続され、前記販売端末に接続された前記ICタグのリーダライタと前記ICタグとの間でデータの送受信を行い、前記集中管理部にて前記通い箱の流通状態を、総合的に管理することによって達成される。
【0022】
また、本発明の上記目的は、前記ICタグと前記リーダライタとの間のデータ授受を非接触式に行うようになっていることにより、或は、一またはそれ以上の個数ある前記通い箱の少なくとも一つの側面に、前記通い箱全体の少なくとも行き先を示す情報が記憶された第2のICタグを備えたことにより、或は、前記通い箱の側面に必要な情報を絵や文字で目視可能に記入するための記入部が設けられていることにより、或は、前記流通システム内で、前記植物と共に出荷された有機培地耕の回収を、前記集中管理部が、前記通い箱を用いて集中管理することによって、より効果的に達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明である、サイクル型流通システムは、栽培プラントにおいて栽培された植物及び再資源化プラントにおいて生成された堆肥の流通、販売にあたり、ICタグが装着された通い箱を利用することにより、集中管理部において流通についての管理が可能となる。それにより、植物出荷後に再資源化可能な有機廃棄物についても効率的に収集できるようになっている。
【0024】
以下、図面を用いて説明する。
【0025】
図1は本システムの概略図の一例である。
【0026】
本システムは、栽培プラント1、再資源化プラント2、流通システム3、及びそれらを集中管理する集中管理部4とから構成されている。
【0027】
栽培プラント1は、図示しないが、例えばビニールハウス等より構成された密閉スペース内に設けられるピートモス回収エリアと、消毒エリアと、ピートモス充填エリアと、強制発芽室と、育苗ラインと、育成ラインと、箱詰めエリアと、保冷室と、出荷エリア等から構成されている。
【0028】
再資源化プラント2は、図示しないが、有機廃棄物等のメタン発酵原料が供給されるメタン発酵プラント、発生したメタンによって発電を行うガス発電設備、有機廃棄物から堆肥を生成するコンポスト装置等から構成されている。
【0029】
流通システム3は、図2に示すように、出荷を行う出荷部5、卸、問屋等の中間流通部6、植物を消費する消費・収集部7、有機物の収集が行われる消費・収集部7、有機培地耕と有機廃棄物とを分配する分配部とから構成されている。
【0030】
集中管理部4は、各プラント及び流通システム3と連動して管理するためのコンピュータ端末及びサーバシステムから構成されている。
【0031】
図3は、流通システム3において利用される通い箱10の斜視図の一例である。
【0032】
筐体上の通い箱10の内部に商品が梱包されて運搬されるようになっている。図3に示すように、通い箱10の側面に第2のICタグ11を収納できるICタグ収納ポケット13が設けられていると共に、マジックペン等の筆記用具で商品の品名や届け先等の必要情報を絵や文字等で目視可能に記入するための記入部12が設けられており、また、通い箱10の側面内あるいは底面内に、非接触式のICタグが外部から見えないように埋設されている。
【0033】
なお、本発明で使用する通い箱10は透明な合成樹脂で作られた折り畳み可能なものであることが好ましいが、それに限定したものではなく、再利用可能でかつICタグを装着することができるものであれば良い。
【0034】
また、第1のICタグ14は通い箱10の本体に埋め込まれているので、リーダライタに対して非接触でデータの読出しと書き込みが可能な構成となっている。また、第1のICタグ14は、埋め込み式に限定されるものではなく、通い箱10の側面に装着するようにしても良いが、通い箱10の洗浄作業や流通経路などの使用環境を考えると、埋め込み式にした方が好ましい。
【0035】
一方、第2のICタグ11は通い箱10のICタグ収納ポケット13に収納されているので、通い箱10から取り外せるから、リーダライタに対して非接触でデータの読み出しと書き込みが可能な構成となっても良く、もちろん、リーダライタに対して接触でデータの読み出しと書き込みが可能な構成となっても良い。また、記入部12は複数箇所であっても良い。
【0036】
以下、上述した第2のICタグ11を全体ICタグと定義し、また、第1のICタグ14を単体ICタグと定義する。要は、単体ICタグは通い箱10単体を表わすICタグである。つまり、1枚の単体ICタグは1つの通い箱10に対応しており、対応した通い箱10に格納されている用品に関する流通情報(植物の種類、数量等)は、その単体ICタグに格納されるようになっている。
【0037】
一方、全体ICタグは、同じ届け先で同じ商品を格納している複数の通い箱10を流通させる場合に使用するもので、それら複数の通い箱10に関する共通の流通情報(つまり、従来の流通方式に使用される納品伝票あるいは送状の内容に相当する情報。行き先、配送予定日等)を格納するようになっている。要は、全体ICタグは、複数の通い箱10全体を表わすICタグである。全体ICタグが、実際に通い箱10の流通経路において、複数の通い箱10の中の一番先頭(つまり、通い箱10を実際に運搬する運送業者のドライバが一目で分かるような所)の通い箱10のICタグ収納ポケット13に収納され、通い箱10を実際に運搬する運送業者のドライバに使用される納品伝票の代わりになるものであり、また、通い箱10を入庫あるいは入荷する各物流個所にて、通い箱10の検品をするのに役立つものでもある。
【0038】
全体ICタグと単体ICタグとの関係を図で表わすと、図4のようになる。例えば、ある届け先に同じ商品が入っている複数の通い箱10(本例では8個)を届けるとする。各通い箱10は埋め込み式の単体ICタグを有する。一番先頭の通い箱10のICタグ収納ポケット13に全体ICタグを入れるようにすれば、通い箱10を運搬するドライバにとって、その全体ICタグが納品伝票の代わりになる。
【0039】
なお、全体ICタグは接触式のロイコ付きICタグであっても良い。その際に、全体ICタグのICチップのデータが、リーダライタにて書き替えられると共に、ロイコ部にも同時に目視可能なデータが書き替えられる。また、全体ICタグは非接触式ICタグ18であっても良い。その際に、全体ICタグのICチップのデータが、リーダライタ部にて書き替えられ、目視可能なデータは当該全体ICタグを収納する通い箱10の記入部12に記入するか、またロイコ部分に印刷するようにしても良い。
【0040】
図5、6は、集中管理部4における端末(以下、管理端末とする)と、中間流通部6における端末(以下、中間端末とする)と、各ICタグとの関係の模式図である。
【0041】
中間流通部6における端末に、ハンディターミナル15が接続された模式図を図5に示す。ハンディターミナル15は有線または無線で中間端末に接続されており、さらに、中間端末を介して図示しないインターネットに接続されている。ハンディターミナル15と非接触ICタグとの間のデータ転送は無線で行われる。
【0042】
ICデータ転送ゲート16を介して中間端末と通い箱10の非接触ICタグとの間のデータ転送の模式図を図6に示す。コンベア17にて運搬されてきた通い箱10がICデータ転送ゲート16を介して非接触ICタグとの間でデータ転送を行うようになっている。また、中間端末が図示しないインターネットに接続されている。
【0043】
以上、図5及び図6において非接触ICから読み取られたデータは、中間端末よりインターネットを介して、管理端末へとデータが送信される。送信されるデータは、中間端末の場所データ、時間データ等であり、出荷した植物や堆肥がどこを経由しているかを集中管理部4において逐次確認することができる。
【0044】
最終的に、消費・収集部7において生産された植物、生成された堆肥が販売される。
【0045】
また、販売後の有機培地耕の入ったポット、生ごみ等をサイクル型流通システム3に運ぶ場合には、消費・収集部7においてICタグに対してデータを入力し、分配部の分配部端末においてICタグのデータを読み込み、管理端末へと送信することで、出荷時と同様に、集中管理部4において逐次確認することができる。
【0046】
以上、図1及び図2に示した構成において、本発明に係るサイクル型流通システム3の動作を、図7から図9のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
まず、集中管理部4における管理端末において、植物及び堆肥の発注を受け付けると(ステップS1)、集中管理端末はその発注に基づき、再資源化プラント2又は栽培プラント1に対して、植物又は堆肥の発注情報を送信する(ステップS2)。その後、取引先、数量、通い箱10の種類、配送予定日確認、注文番号の決定等をして(ステップS3)、配送予定日を流通センターの出荷端末へと送信、回答を行う(ステップS4)。それと共に、集中管理端末及び集中管理部4にあるサーバにおいて出荷を促す配送指示準備が行われ、(ステップS5)、準備完了後、出荷端末へと配送指示情報の送信が行われる(ステップS7)。出荷端末は、納期回答を受け付け(ステップS6)、それと共に配送指示情報を受けつけ(ステップS8)、通い箱10の準備が行われる(ステップS9)。
【0048】
なお、発注情報は、商品種類(植物又は堆肥等)、数量である。また、納期回答情報は、発注情報、納期確認情報(納期、数量、配送先、注文番号)である。また、配送指示情報は、納期確認情報、配送指示情報(配送開始指示)である。
【0049】
通い箱10の準備は、通い箱10の洗浄、荷揃え等の作業と共に、出荷端末を用い、受信した配送指示情報に基づいて、全体ICタグの初期化と、前述した取引先、数量、配送予定日、注文番号等が記憶される。以上が、配送準備段階である。
【0050】
再資源化プラント2又は栽培プラント1では、前述した発注情報に基づいて、出荷部5に商品を送る(ステップS10)。この送られた情報は、フローには示さないが、集中管理部4へと、それぞれのプラントが保有する端末から集中管理部4の端末へと商品送付情報として送信される。
【0051】
商品を受け取った出荷部5では、入荷・検収処理を行い(ステップS11)。集中管理部4に対して検収情報を送信する(ステップS12)。この時、出荷端末を用いて、通い箱10に装着されている単体ICタグ及び全体ICタグに記憶されたデータも更新を行う。また、通い箱10の在庫の確認(ステップS13)、組立を行う(ステップS14)。
【0052】
なお、商品送付情報は、発注情報、納期回答情報、出荷情報(出荷日、数量、注文先、注文番号、通い箱10番号)である。検収番号は、発注情報、納期回答情報、配送指示情報、出荷情報、検収情報(出荷日、検収日、数量、注文先、注文番号、通い箱10番号)である。
【0053】
その後、出荷部5では、通い箱10に装着されている単体ICタグに必要なデータを書き込み、記入部12に必要な情報を絵や文字などで目視可能に記入するようにして、商品情報の登録業務を行う(ステップS31)。そして、管理センターに対して商品情報を送信する(ステップS16)。
【0054】
なお、商品情報は発注情報、納期回答情報、配送指示情報、出荷情報、検収情報、使用開始情報(組立日、商品名、商品コード、入り数、生産車名、生産者コード、冷蔵庫別、出荷ロット番号)である。
【0055】
その後、出荷部5では、通い箱10の梱包若しくは荷造りをし(ステップS17)、通い箱10に梱包した商品を中間流通部6へと出荷すると共に(ステップS18、ステップS19)、管理センターに対して出荷部5出荷情報を送信する。
【0056】
なお、出荷部5出荷情報は、発注情報、納期回答情報、配送指示情報、出荷情報、検収情報、使用開始情報である。
【0057】
上述のようにして、商品が出荷部5から中間流通部6に搬送されると、中間流通部6は出荷部5から出荷された通い箱10を入庫し、入庫した通い箱10内の商品の検査を行い(ステップS20)、入庫情報を集中管理部4に送信する(ステップS21)。そして、直接消費・収集部7に出荷するための出荷をするか(ステップS23)、または分荷してから出庫し(ステップS22)、出庫情報を管理センターに送信すると共に(ステップS24)、消費・収集部7に対して出荷する(ステップS25)。出荷時には通い箱10に装着されている単体ICタグ及び全体ICタグのデータも更新される。
【0058】
なお、入庫情報は発注情報、納期回答情報、配送指示情報、出荷情報、検収情報、使用開始情報、入庫情報(入庫日)である。出庫情報は発注情報、納期回答情報、配送指示情報、出荷情報、検収情報、使用開始情報、入庫情報、出庫情報(出庫日)である。
【0059】
消費・収集部7は、中間流通部6から出荷された通い箱10を入庫し、入庫した通い箱10内の商品の検品を行い、集中管理部4に物流終端情報を送信する(ステップS26)。検品後は通い箱10を整理しやすいように分解し(ステップS27)、分解情報を集中管理部4に送信する(ステップS28)。
【0060】
なお、物流終端情報は発注情報、納期回答情報、配送指示情報、出荷情報、検収情報、使用開始情報、入庫情報、出庫情報、物流終端情報(物流終端入庫日)である。分庫情報は発注情報、納期回答情報、配送指示情報、出荷情報、検収情報、使用開始情報、入庫情報、出庫情報、物流終端情報、分解情報(分解日、分解者)である。
【0061】
消費・収集部7では、商品である植物販売後、残された有機培地耕の回収を行い、前述した通い箱10に入れて栽培プラント1へとリサイクルを行う(ステップS29)。回収がすべて終了した後に、通い箱10の回収依頼を集中管理部4へと行う(ステップS30)。この時、通い箱10に装着されている単体ICタグの情報も更新される。消費・収集部7の端末は、管理端末に対して回収依頼情報を送信する(ステップS31)。
【0062】
回収依頼情報を受信した集中管理部4では、管理端末において回収案内を作成し(ステップS32)、回収日確認情報を消費・収集部7の端末に対して送信する(ステップS33)。また、中間流通部6の端末に対して回収指示を送信する(ステップS34)。
【0063】
回収指示を受けた中間流通部6では、消費・収集部7へと出向き、通い箱10の回収を行う(ステップS35、ステップS36、ステップS37)。
【0064】
こうして通い箱10は中間流通部6へと引き渡され(ステップS38)、引渡しと共に、中間流通部6から回収情報が集中管理部4へと送信される(ステップS39)。ここで、通い箱10に装着されたICに記憶されたデータの更新が中間端末によって行われる。
【0065】
中間流通部6から、通い箱10に納められた有機培地耕が出荷される際には(ステップS40)、さらに通い箱10に装着されたICに記憶されたデータの更新が行われる。出荷(ステップS41)と共に、中間流通部6から集中管理部4に対して出荷情報が送信される(ステップS42)。
【0066】
栽培プラント1では、通い箱10に納められた有機培地耕を入庫(ステップS43)すると共に、サイクル終端情報を集中管理部4に対して送信する(ステップS44)。こうして、栽培プラント1へと有機培地耕は戻り、リサイクルがされる。
【0067】
生産プラント入庫後、通い箱10を分解し(ステップS45)、集中管理部4に分解情報を送信する(ステップS46)。この時、通い箱10に装着されている単体ICタグのデータも更新される。その後、回収の依頼を行うと共に(ステップS47)、集中管理部4に回収依頼情報が送信される(ステップS48)。
【0068】
集中管理部4は、栽培プラント1から送られた回収依頼情報を受信すると、回収案内を作成し(ステップS49)、栽培プラント1に回収日確認情報を送信し、回収依頼者の回収日確認を取る(ステップS50)。通い箱10に装着されている単体ICタグのデータも更新される。そして、集中管理部4は中間流通部6に対して回収指示を出し(ステップS51)、この指示に従って中間流通部6は通い箱10の回収準備を行う(ステップS52)。
【0069】
なお、回収依頼情報は発注情報、納期回答情報、配送指示情報、出荷情報、検収情報、使用開始情報、入庫情報、出庫情報、物流終端情報、分解情報、回収依頼情報(回収依頼番号、回収依頼日、回収依頼者)である。回収日確認情報は発注情報、納期回答情報、配送指示情報、出荷情報、検収情報、使用開始情報、入庫情報、出庫情報、物流終端情報、分解情報、回収依頼情報、回収受付情報(回収予定日)である。
【0070】
その後、中間流通部6は、栽培プラント1から通い箱10を引き受けるために、栽培プラント1に出向き(ステップS53)、栽培プラント1において、通い箱10を回収する(ステップS54)。最終的には、通い箱10が栽培プラント1に直接引き渡される(ステップS55)。このようにして中間流通部6に通い箱10が回収されると、中間流通部6は集中管理部4に対して回収情報を通知し(ステップS56)、通い箱10を用いた本システムは終了する。
【0071】
なお、集中管理部4では、上述した流通管理と共に、植物及び堆肥の流通量等を決定することで、メタンガス供給を計画する再資源化プラント2への有機廃棄物の搬入量計画、発電電力量を計画する電力発電・供給計画、生成される堆肥量を計画する堆肥生成計画管理、計画された供給量から植物の育成に必要な種まきから発芽、育成ラインや培養液管理、日照量コントロールなどの供給計画を作成する植物育成計画管理、がサーバ、管理端末を用いて行われ、本システムの一括管理がなされている。
【0072】
なお、以上ではICについて説明したが、JANコードを用いることも可能であり、この場合には、箱についての詳細は集中管理部へとネットワークを用いて問い合わせる必要がある。また、ダンボール等使い捨ての箱を用いて消費部以降はリサイクルしない場合も考えられる。
【0073】
なお、ICの記憶容量が大きい場合には、各工程において蓄積的に情報を書込んで1サイクルさせるということも考えられる。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明であるサイクル型流通システムによれば、通い箱を用いることによって、栽培プラントにおいて栽培された植物の流通を、集中管理部でその出荷数やその他、流通に係わる一切を管理することが可能である。
【0075】
さらには、集中管理部において、栽培プラント及び再資源化プラントも共に管理することで、生産から販売までの全てのラインを一括管理することが可能である。これは、計画生産、計画販売に繋がり、植物、堆肥及び発電電力量の全てを、管理下に置くことができる。
【0076】
また、流通をシステム化することで、出荷をスムーズにするだけでなく、植物と共に出荷される、有機培地耕を速やかに回収、栽培プラントにおいて再利用に用いることができる。
【0077】
この時、出荷量に合わせて、有機培地耕の収集量も集中管理部において把握できるため、より計画的な、生産・出荷・発電・回収を行うシステムが確立でき、各工程において集中管理部にICに基づいて問い合わせることで、そのICが付加されている通い箱内にある植物の流通過程を知ることができ、これに基づいて消費部(スーパー等)において出所表示をすることもできる。なお、ICの記憶容量が大きい場合には、集中管理部に問い合わせること無く、消費部においてICを読むだけで出所表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本システムに係る概略図の一例である。
【図2】本システムに係る流通システムの一例である。
【図3】本システムに係る通い箱の斜視図の一例である。
【図4】本システムに係る全体ICタグと単体ICタグとの関連図である。
【図5】本システムに係る管理端末、中間端末、全体ICタグ、単体ICタグの模式図である。
【図6】本システムに係る管理端末、中間端末、全体ICタグ、単体ICタグの模式図である。
【図7】本システムに係るサイクル型流通システムの動作を示すフローチャートである。
【図8】本システムに係るサイクル型流通システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】本システムに係るサイクル型流通システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 栽培プラント
2 再資源化プラント
3 流通システム
4 集中管理部
5 出荷部
6 中間流通部
7 消費・収集部
10 通い箱
11 第2のICタグ(全体ICタグ)
12 記入部
13 ICタグの収納ポケット
14 第1のICタグ(単体ICタグ)
15 ハンディターミナル
16 ICデータ転送ゲート
17 コンベア
18 非接触式ICタグ(全体ICタグ又は単体ICタグ)

Claims (5)

  1. 植物を栽培する栽培プラントと、有機廃棄物から発電及び堆肥を作成する再資源化プラントと、前記植物及び前記堆肥を流通させる流通システムとを管理する集中管理部を備えたサイクル型流通システムにおいて、
    前記流通システム内で、前記植物及び前記堆肥を流通させる際に、少なくともその箱に入れる物の情報が記憶されたICタグが装着された通い箱を用い、前記集中管理部にある、システム全体を管理する管理端末と、前記販売システムの流通過程において備えられた販売端末とがコンピュータネットワークにおいて相互接続され、前記販売端末に接続された前記ICタグのリーダライタと前記ICタグとの間でデータの送受信を行い、前記集中管理部にて前記通い箱の流通状態を、総合的に管理することを特徴とするサイクル型流通システム。
  2. 前記ICタグと前記リーダライタとの間のデータ授受を非接触式に行うようになっている請求項1に記載のサイクル型流通システム。
  3. 一またはそれ以上の個数ある前記通い箱の少なくとも一つの側面に、前記通い箱全体の少なくとも行き先を示す情報が記憶された第2のICタグを備えた請求項1に記載のサイクル型流通システム。
  4. 前記通い箱の側面に必要な情報を絵や文字で目視可能に記入するための記入部が設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載のサイクル型流通システム。
  5. 前記流通システム内で、前記植物と共に出荷された有機培地耕の回収を、前記集中管理部が、前記通い箱を用いて集中管理する請求項1乃至4のいずれかに記載のサイクル型流通システム。
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