【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像銀をインキ受理性として利用する平版印刷版の版面処理液である中和液(安定液)や感脂化液(エッチ)液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光に対して高い感度を有し、かつスペクトル増感できるハロゲン化銀乳剤を用いた印刷版は、既にいくつかの形で実用化されている。そのうち銀画像をインキ受理性にして利用するオフセット印刷版としては、米国特許第3721559号、同第3490905号、特公昭48−30562号、米国特許第3385701号、同第3814603号、特公昭44−27242号、特開昭53−21602号、米国特許第3454398号、同第3764323号、同第3099209号、特開昭53−9603号などがある。
【0003】
これらは印刷版の製造方法としては、いくつかのタイプに大別されるが、画像銀をインキ受理性にする点においては共通する。平版印刷版は、親油性のインキを受理する画像部分と親水性で水を受理する非画像部から構成されている。通常の平版印刷においては、水とインキの両方を画像部と非画像部からなる版面に供給し、画像部は着色性のインキを、非画像部は水を選択的に受け入れ、該画像部のインキを例えば紙などの基質に転写させ、印刷物を得る。
【0004】
このような銀画像にインキ受理性を付与する平版印刷版としては、拡散転写法を用いたいわゆるDTR平版印刷版がもっとも一般的である。ここで、DTR印刷版の処理工程を簡単に説明する。まず、画像露光後、高pH(pH13以上)で現像すると、未露光部には拡散転写によって物理現像銀が生成し、これがインキ受理性の画像部となり、露光部は化学現像によって親水性の非画像部となる。引き続いて、画像部のインキ受理性と非画像部の親水性を強化、安定化するために、版面を中和させる必要があり、pH7以下の酸性から中性の中和液(安定液)で版面を処理する。
【0005】
このような銀を利用した平版印刷版の処理においては、メルカプト基またはチオン基を有する化合物は、銀画像部に吸着または反応し銀画像部に様々な性能を与えることができるため、メルカプト基又はチオン基を有する化合物がしばしば利用されている。その中でも特に、画像銀のインキ受理性を高めるために親油性の官能基を持つメルカプトあるいはチオン化合物が有用である。即ち、ハロゲン化銀乳剤を用いた印刷版の製版法は、簡便、確実及び迅速であり、自動化することが出来、高い感度、高い解像力、高い画像再現性という特徴を有している反面、ジアゾ感光材料等の有機コロイドから現実化されている印刷版(PS版)等に比べて画像部分の親油性が十分ではない。そこで、上記のごとく親油性の官能基を持つメルカプトあるいはチオン化合物を用いることによって画像部の親油性を改善する方法がとられる。
【0006】
このような親油性の官能基を持つメルカプトあるいはチオン化合物は、高pHで現像を行う工程(現像液あるいはアクチベーター液)、中和安定を行う工程(中和液、安定液)、印刷直前に作用させるいわゆるエッチング処理等で用いられる。一般的に親油性の官能基を持つメルカプト基またはチオン基を有する化合物は高pH領域では容易に溶解するが中性から酸性領域下では水に対する溶解度が低く、また溶液の安定性も悪い。従って、中和液(安定液)や感脂化液(エッチ)に用いる場合は、例えば、特公昭48−29723号、特開昭58−127928号等では有機溶剤を用いて添加しており、特開平6−79982号、同平7−248630号ではアミン化合物と併用することで溶解させている。しかし、これらの方法では該版面処理液中のメルカプト基またはチオン基を有する化合物が経時によって損なわれ、結果的に画像部のインキ受理性が低下するという問題があった。このような問題を解決する方法として、特開平9−240163号には、該処理液に重亜硫酸塩を含有させる方法が開示されている。
【0007】
一方、各工程の処理剤は、包材や輸送のコストを下げる目的、あるいは環境問題、特にゴミ問題を軽減するために包材の量をできるだけ少なくしようという社会情勢に対応する目的で、処理液を可能な限り濃縮して供給することが好ましい。通常はメーカーがユーザーに濃縮液を供給し、ユーザーはその濃縮率に応じて水で希釈することによって使用液とする。包材や輸送のコストメリットを出すためには少なくとも3倍以上の濃縮を行う必要がある。
【0008】
しかし、従来から知られている例えば特開平9−240163号の如き処理液を単純に濃縮して製造した場合、上記のごときメルカプト基またはチオン基を有する化合物の経時による劣化が著しくなることを、本発明者らは見いだした。すなわち、経時によって、メルカプト基またはチオン基を有する化合物が損なわれ、濃縮液に沈殿が発生したり、画像部のインキ受理性が低下するという問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−240163号公報(第2頁、第7頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、画像銀をインキ受理性として利用する平版印刷版の版面処理液である中和液(安定液)や感脂化液(エッチ)の濃縮液において、メルカプト基またはチオン基を有する化合物を含有させた場合に生じる該化合物の経時による劣化がなく、性能を安定に維持したこれらの処理液の濃縮液を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の目的は、メルカプト基又はチオン基を有する化合物を少なくとも一種含有し、かつpHが7以下の濃縮された平版印刷版用版面処理液において、該濃縮液の濃縮率が3倍以上でありかつ該濃縮液に亜硫酸イオンを1リットル当たり1から50ミリモルの範囲で含有することを特徴とする平版印刷版用版面処理液の濃縮液によって達成された。
【0012】
中和液(安定液)や感脂化液(エッチ)において、メルカプト基又はチオン基を有する化合物と亜硫酸塩を併用した例は、特開平9−240163号等に見られる。しかし、そのほとんどは実際に処理を行う段階での使用液の話であり、流通過程を想定したそれらの濃縮液の経時安定性を問題にした例はない。濃縮液には各成分が使用液よりも濃厚な状態で存在するので、経時安定性においては、使用液とは異なる濃縮液特有の問題がある。
【0013】
本発明者らが見いだした具体的な問題は、メルカプト基又はチオン基を有する化合物が中性以下のpH領域においては、濃度が高いほど劣化率が大きいことである。したがって、濃縮をすればするほど該化合物の劣化が深刻になる。本発明者らは、中和液(安定液)や感脂化液(エッチ液)の濃縮化を鋭意検討した結果、このようなpH7以下のメルカプト基又はチオン基を有する化合物を少なくとも一種含有する溶液においては、一定量の亜硫酸イオンを溶液中に共存させることで、メルカプト基又はチオン基を有する化合物の経時安定性を飛躍的に向上させることを見いだした。特に、亜硫酸塩の濃度が重要で、少なすぎると効果が発現せず、多すぎるとかえって経時劣化を促進する。このような検討の結果、本発明の目的は上記方法によって達成された。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の処理液濃縮液の濃縮率は3倍以上であり上限は特にないが、一般的には濃縮率が高くなりすぎると溶解することが困難になので、通常は10倍以下の濃縮率となる。また、濃縮率が3倍未満では濃縮のメリットがあまりない。
【0015】
また、本発明に用いられる版面処理液はpHが7以下であり、具体的には中和液(安定液)、感脂化液(エッチ液)を挙げることができる。印刷版の膜面pHは酸性であることが望ましく、従ってこれらの液はpH7以下である必要がある。いずれの処理液においてもpHは5〜7の範囲で設定することが望ましい。
【0016】
本発明に用いられる亜硫酸イオンの供給源は具体的には亜硫酸塩を濃縮液に溶解することによって得られる。亜硫酸塩を構成するカチオンは水溶性を示すものであればいずれのカチオンであっても良い。具体的にはカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩を上げることができる。また、亜硫酸水素塩、重亜硫酸塩のような酸性塩であっても良い。
【0017】
亜硫酸イオンの濃度は濃縮液の状態で1リットル当たり1ミリモルから50ミリモルの範囲である。より好ましくは、2ミリモルから20ミリモルの範囲である。
【0018】
本発明に用いられるメルカプト基またはチオン基を有する化合物は、例えば、特公昭48−29723号、特開昭58−127928号等に記載されている。特に、画像部に親油性を付与するためには、炭素数が3以上のアルキル基、アリール基、アルケニル基等の親油性基を有するものが好ましい。さらに、前記親油性基とメルカプト基またはチオン基を有する複素環化合物が好ましい。
【0019】
本発明のメルカプト基またはチオン基を有する化合物の代表例として、次の化1に示される一般式を有するものが挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】
(式中のR1、R3は、炭素数3以上、好ましくは3〜12のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリル基で、R2は水素、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリル基を表す。m、nは1以上の整数を表すが、R2が炭素数3以上のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリル基の場合はnは0であっても良い。Zは、式中5ないし6員環を形成するのに必要な結合の残りの原子団を示す。)
【0022】
5ないし6員環の具体的な例としては、イミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン等であり、又これらの環は2個以上の縮合生成した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリン環と縮合したものであってもよい。
【0023】
係る化合物の具体例としては、2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾ−ル、2−メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベンゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2,2´−ジメルカプト−1,1´−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾ−ル、3−エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−S−トリアゾリノ〔1,2−a〕−S−トリアゾリン等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
本発明に用いられるメルカプト基またはチオン基を有する化合物の濃縮液における含有量はその濃縮率に依存する。最低量は使用液に希釈したときの最低量で規定され、使用液に換算すると1L当たり0.01g以上であり、好ましくは0.02g以上である。最高量は使用液に希釈したときの最高量と、濃縮した場合の溶解性によって規定され、如何なる濃縮率の場合でも10g以下が好ましい。より好ましくは5g以下である。
【0025】
本発明に用いられるメルカプト基またはチオン基を有する化合物を水を主体とする弱酸性から中性(pH5〜7)の版面処理液に溶解する方法は、例えば、アルカリ溶液で溶解しpHを調節する方法、アミン化合物による方法、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤による方法等、種々考えられ、好ましくはアミン化合物による方法であるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
上記アミン化合物は、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のアミノアルコール類、プロピルアミン、ブチルアミン等のモノアミン類、ジメチルアミノエチルアミン等のジアミン類、N−アミノプロピルプロパンジアミン等のポリアミン類及びピリジンやピペリジン等の環状アミン等である。好ましくはアミノアルコール類である。これらのアミン化合物は日本乳化剤(株)、広栄化学工業(株)等から入手することが出来る。
【0027】
また、メルカプト基またはチオン基を有する化合物の析出防止として、スチレンスルホン酸と不飽和カルボン酸をモノマー単位として含む水溶性のポリマーを用いることができる。この中でも特に、スチレンスルホン酸と無水マレイン酸の共重合体が好ましい。分子量は20000以下が好ましく、またその含有量は、重量比でメルカプト基またはチオン基を有する化合物の1〜100倍の範囲が適当である。
【0028】
さらにメルカプト基またはチオン基を有する化合物の析出防止として、界面活性剤も用いることができる。これら界面活性剤の例としては、芳香族スルホン酸誘導体やそのホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルアミン等のアミン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤を挙げることができる。添加量は0.01〜10gの範囲が適当である。
【0029】
本発明において、処理液に5〜7の間にpH緩衝性能を持たせることが好ましい。緩衝剤としてはリン酸とその塩あるいはトリエタノールアミンのごとくアミン類を使用することが好ましい。りん酸塩を緩衝剤として使用する場合その含有量は使用液にして0.05モル/L以上、好ましくは0.1〜1.0モル/Lの範囲で添加する。リン酸塩としてはカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、あるいは上記のアミンとの塩等を用いることができる。
【0030】
上記の化合物以外にも一般に使われている保恒剤、保存剤、湿潤剤、防腐剤及び界面活性剤等を混合することができる。また、例えば、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸等の錯化剤も混合することができる。さらに、コロイダルシリカ等の無機の微粒子もメルカプト基等を有する化合物の作用を阻害しない範囲で混合することが出来る。
【0031】
画像銀をインキ受理性として利用する平版印刷版について、ハロゲン化銀乳剤は印刷原版そのものに有しても、あるいは銀拡散転写法によって受像層を有する印刷原版シートに対する銀供給源として、別のネガシート上に有していてもよい。
【0032】
該ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀及びこれらにヨウ化物を含んだもののいずれでもよく、このバインダーはゼラチンが好ましいが、ゼラチンの一部又は全部を他のコロイド物質、例えばカゼイン、アルブミン、セルロース誘導体等で置換されてもよい。ハロゲン化銀は硝酸銀に換算して0.5−7g/m2、バインダーは0.5−10g/m2の範囲で通常使用することが出来る。
【0033】
ハロゲン化銀乳剤の製造法は、通常の写真業界で公知の方法で製造することが出来、特に印刷版に使用する為の製法も既述の公知特許文献中に開示されているので参考にすることが出来る。
【0034】
本発明に用いる平版印刷版は、一般に画像露光後アルカリ現像液で処理される。係る現像液は、ハイドロキノンのごとき現像主薬を含む通常の写真現像液、ハイポ等を含む銀拡散転写法の現像液あるいはそれらをアクチベーター化した高アルカリ現像液等いかなるものでも使用することが出来る。
【0035】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明するが、勿論これだけに限定されるものではない。
【0036】
実施例1
下引き処理したポリエステルフィルム支持体の片面に平均粒子サイズ5μのシリカ粒子を含有するマット化層を設け、反対側の面に光反射率が3%になる量のカーボンブラックを含み、写真用ゼラチンに対して20重量%の平均粒径7μのシリカ粉末を含むハレーション防止用下塗り層(pH4に調整)と、化学増感された後に平均粒径7μのシリカ粉末を写真用ゼラチンに対して5重量%の割合で含む緑感域にスペクトル増感された高感度塩化銀乳剤(pH4に調整)とを設けた。
【0037】
下塗り層のゼラチンは3.5g/m2、乳剤層のゼラチンは0.8g/m2、硝酸銀に換算したハロゲン化銀1.0g/m2の割合で塗布された。この下塗り層 と乳剤層は硬膜剤としてホルマリンをゼラチンに対して5.0mg/gゼラチン量で含んでいる。乾燥後40℃で14日間加熱した後、この乳剤層の上に、特開昭54−103104実施例2のプレートNo.31記載の核塗液を塗布、乾燥し、平版印刷版を製造する。ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成時にハロゲン化銀1モル当たり4×10−6モルの塩化ロジウムを添加したものであり、平均粒径0.4ミクロンであった。
【0038】
この様にして得られた平版印刷版の原版に像反転機構を有する製版カメラで像露光し、下記の現像液(使用液)により30℃で30秒間現像処理した。
<現像液>
水酸化ナトリウム 24g
水酸化カリウム 8g
無水亜硫酸ナトリウム 50g
2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール 30g
2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール 0.2g
水で1lとする。
【0039】
上記の現像処理後、下記に示すような3倍濃縮中和液(安定液)を3倍に希釈しフレッシュ液で常温で20秒間処理をおこなった。また、3倍濃縮中和液をポリ容器に入れ、50℃1カ月の経時試験を行い、同様の処理を行った。
<濃縮中和液A>
第一リン酸カリウム 75g
2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール 0.75g
ジエタノールアミン 15g
水で1lとする。
(pH6に調整)
【0040】
<濃縮中和液B>
濃縮中和液Aに亜硫酸カリウムを300ミリモル/L(47g/l)くわえてpHを6に調整した。
<濃縮中和液C>
濃縮中和液Aに亜硫酸カリウムを70ミリモル/L(11g/l)くわえてpHを6に調整した。
<濃縮中和液D>
濃縮中和液Aに亜硫酸カリウムを30ミリモル/L(4.7g/l)くわえてpHを6に調整した。
<濃縮中和液E>
濃縮中和液Aに亜硫酸カリウムを10ミリモル/L(1.6g/l)くわえてpHを6に調整した。
<濃縮中和液F>
濃縮中和液Aに亜硫酸カリウムを3ミリモル/L(0.47g/l)くわえてpHを6に調整した。
<濃縮中和液G>
濃縮中和液Aに亜硫酸カリウムを2ミリモル/L(0.32g/l)くわえてpHを6に調整した。
<濃縮中和液H>
濃縮中和液Aに亜硫酸カリウムを0.6ミリモル/L(0.08g/l)くわえてpHを6に調整した。
【0041】
上記記載の方法で作成された平版印刷版を、印刷機スプリント26(小森コーポレーション社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ(株)社製のニューチャンピオンF Gross墨H)及び給湿液(日研化学研究所(株)社製のアストロマーク3)を使用し、水道水でエッチングを行い、フレッシュ液処理と経時後処理した印刷版の印刷を行った。
【0042】
液性状の評価は、沈殿、濁り等の発生していないものを○とした。インキ受理性の評価は、版面にインキを接触させると同時に紙を送り始め、良好な画像濃度で濃度ムラのない印刷物が得られるまでの印刷枚数として評価した。印刷結果と経時試験の結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
本発明の実施形態によれば、フレッシュの液、経時後の液とも沈殿の発生がなく、インキ受理性を損なわずに、経時性の優れた濃縮中和液が得られた。
【0045】
実施例2
実施例1のメルカプト化合物を以下の化合物に代えて同様の試験を行った。
a)3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン
b)3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4,−トリアゾール
c)2−メルカプト−ベンゾチアゾール
d)2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1、3、5−トリアジン
【0046】
結果は、いずれのメルカプト化合物も実施例1と同様の傾向を示した。
【0047】
【発明の効果】
本発明の実施態様によれば、画像銀をインキ受理性として利用する平版印刷版の版面処理液である中和液(安定液)や感脂化液(エッチ)において、メルカプト基またはチオン基を有する化合物を含有させた場合に生じる該化合物の経時による劣化がなく、性能を安定に維持したこれらの処理液の濃縮液を提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a neutralizing liquid (stabilizing liquid) or a sensitizing liquid (etching liquid) which is a surface treatment liquid for a lithographic printing plate utilizing image silver as ink acceptability.
[0002]
[Prior art]
Printing plates using silver halide emulsions having high sensitivity to light and capable of spectral sensitization have already been put into practical use in several forms. Of these, offset printing plates utilizing silver images with ink acceptability are disclosed in U.S. Pat. Nos. 3,721,559 and 3,490,905, JP-B-48-30562, U.S. Pat. Nos. 3,385,701, 3,814,603, and 4-44. No. 27242, JP-A-53-21602, U.S. Pat. Nos. 3,454,398, 3,765,323 and 3,099,209, and JP-A-53-9603.
[0003]
These are roughly classified into several types of printing plate manufacturing methods, but they are common in that image silver is made ink receptive. A lithographic printing plate is composed of an image portion that receives lipophilic ink and a non-image portion that is hydrophilic and receives water. In normal lithographic printing, both water and ink are supplied to a printing plate consisting of an image portion and a non-image portion, the image portion selectively receives color ink, the non-image portion selectively receives water, and The ink is transferred to a substrate such as paper to obtain a print.
[0004]
As a lithographic printing plate for imparting ink acceptability to such a silver image, a so-called DTR lithographic printing plate using a diffusion transfer method is most common. Here, the processing steps of the DTR printing plate will be briefly described. First, after image exposure, when developed at high pH (pH 13 or higher), physically developed silver is generated by diffusion transfer in the unexposed area, which becomes an ink-acceptable image area, and the exposed area becomes hydrophilic by chemical development. The image part. Subsequently, in order to enhance and stabilize the ink receptivity of the image area and the hydrophilicity of the non-image area, it is necessary to neutralize the plate surface, and use an acidic to neutral neutralizing solution (stable solution) having a pH of 7 or less. Process the plate.
[0005]
In the processing of a lithographic printing plate using such silver, a compound having a mercapto group or a thione group can adsorb or react with a silver image portion to give various performances to the silver image portion, and thus has a mercapto group or Compounds having a thione group are often used. Among them, a mercapto or thione compound having a lipophilic functional group is particularly useful for improving the ink receptivity of image silver. That is, the plate making method using a silver halide emulsion is simple, reliable and quick, can be automated, and has the features of high sensitivity, high resolution, and high image reproducibility. The lipophilicity of the image portion is not sufficient as compared with a printing plate (PS plate) or the like realized from an organic colloid such as a photosensitive material. Therefore, a method of improving the lipophilicity of the image area by using a mercapto or thione compound having a lipophilic functional group as described above is employed.
[0006]
Such a mercapto or thione compound having a lipophilic functional group can be obtained by a step of developing at a high pH (a developer or an activator solution), a step of performing a neutralization stabilization (a neutralizing solution or a stabilizing solution), and immediately before printing. It is used in a so-called etching process or the like that acts. In general, compounds having a mercapto group or a thione group having a lipophilic functional group are easily dissolved in a high pH range, but have low solubility in water in a neutral to acidic range, and have poor solution stability. Therefore, when it is used for a neutralizing solution (stabilizing solution) or a sensitizing solution (etch), for example, JP-B-48-29723, JP-A-58-127928 and the like use an organic solvent, and are added. In JP-A-6-79982 and JP-A-7-248630, the compound is dissolved by using it together with an amine compound. However, these methods have a problem that the compound having a mercapto group or a thione group in the plate surface treating solution is damaged with time, and as a result, the ink receptivity of the image area is reduced. As a method for solving such a problem, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-240163 discloses a method in which a bisulfite is contained in the treatment liquid.
[0007]
On the other hand, the treatment agent in each process is used to reduce the cost of packaging materials and transportation, or to respond to the social situation of reducing the amount of packaging materials as much as possible in order to reduce environmental problems, especially garbage problems. Is preferably supplied as concentrated as possible. Usually, a maker supplies a concentrated solution to a user, and the user dilutes with water in accordance with the concentration rate to make a working solution. In order to obtain the cost advantages of packaging materials and transportation, it is necessary to perform concentration at least three times or more.
[0008]
However, when a conventionally known processing solution such as that described in JP-A-9-240163 is simply concentrated and produced, the compound having a mercapto group or a thione group as described above significantly deteriorates with time. The present inventors have found. That is, there is a problem that the compound having a mercapto group or a thione group is damaged with the elapse of time, a precipitate is generated in the concentrated solution, and the ink receptivity of the image area is reduced.
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-9-240163 (pages 2 and 7)
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, an object of the present invention is to provide a concentrated solution of a neutralizing solution (stabilizing solution) or a sensitizing solution (etch) which is a surface treatment solution of a lithographic printing plate utilizing image silver as ink receptivity. An object of the present invention is to provide a concentrated solution of these treatment liquids, which does not deteriorate with the lapse of time when a compound having a group is contained and the performance of the compound is kept stable.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The object of the present invention is to provide a lithographic printing plate surface treatment solution containing at least one compound having a mercapto group or a thione group, and having a pH of 7 or less, wherein the concentration of the concentrate is 3 times or more. And a concentrate of a plate surface treatment solution for a lithographic printing plate, characterized in that the concentrate contains sulfite ions in the range of 1 to 50 mmol per liter.
[0012]
An example in which a compound having a mercapto group or a thione group is used in combination with a sulfite in a neutralizing solution (stabilizing solution) or a sensitizing solution (etch) is found in JP-A-9-240163. However, most of them relate to liquids used at the stage of actually performing the treatment, and there is no example in which the temporal stability of these concentrated liquids is assumed as a distribution process. Since each component is present in the concentrated solution in a state of being thicker than that of the used solution, there is a problem peculiar to the concentrated solution different from that of the used solution in terms of stability over time.
[0013]
A specific problem found by the present inventors is that the higher the concentration of a compound having a mercapto group or a thione group in a neutral or lower pH range, the greater the deterioration rate. Therefore, the more concentrated the compound, the more serious the deterioration of the compound. The present inventors have intensively studied the concentration of a neutralizing solution (stabilizing solution) and a sensitizing solution (etching solution), and as a result, they have at least one compound having such a mercapto group or a thione group having a pH of 7 or less. In a solution, it has been found that by allowing a certain amount of sulfite ions to coexist in the solution, the temporal stability of a compound having a mercapto group or a thione group is dramatically improved. In particular, the concentration of the sulfite is important. If the concentration is too small, no effect is exhibited, and if it is too large, the deterioration with time is accelerated. As a result of such studies, the object of the present invention has been achieved by the above method.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The concentration rate of the processing liquid concentrate of the present invention is 3 times or more and there is no particular upper limit. However, it is generally difficult to dissolve when the concentration rate is too high. Become. If the concentration ratio is less than three times, there is not much merit of concentration.
[0015]
The plate surface treatment solution used in the present invention has a pH of 7 or less, and specific examples thereof include a neutralizing solution (stabilizing solution) and a sensitizing solution (etching solution). It is desirable that the pH of the film surface of the printing plate is acidic, so that these solutions need to have a pH of 7 or less. It is desirable that the pH is set in the range of 5 to 7 for any of the treatment liquids.
[0016]
The source of sulfite ions used in the present invention is specifically obtained by dissolving sulfite in a concentrated solution. The cation constituting the sulfite may be any cation as long as it exhibits water solubility. Specifically, potassium salts, sodium salts, and ammonium salts can be used. Further, acidic salts such as bisulfite and bisulfite may be used.
[0017]
The concentration of the sulfite ion ranges from 1 mmol to 50 mmol per liter in the form of a concentrate. More preferably, the range is from 2 mmol to 20 mmol.
[0018]
The compound having a mercapto group or a thione group used in the present invention is described in, for example, JP-B-48-29723 and JP-A-58-127728. In particular, in order to impart lipophilicity to the image area, those having a lipophilic group such as an alkyl group, an aryl group, and an alkenyl group having 3 or more carbon atoms are preferable. Further, a heterocyclic compound having the lipophilic group and a mercapto group or a thione group is preferable.
[0019]
As a typical example of the compound having a mercapto group or a thione group of the present invention, a compound having a general formula shown in the following Chemical Formula 1 can be given.
[0020]
Embedded image
[0021]
(Wherein R 1 and R 3 are an alkyl group, alkenyl group, aralkyl group or allyl group having 3 or more carbon atoms, preferably 3 to 12 carbon atoms, and R 2 is hydrogen, an alkyl group, an alkenyl group, an aralkyl group or an allyl group. M and n each represent an integer of 1 or more, and when R 2 is an alkyl group, an alkenyl group, an aralkyl group or an allyl group having 3 or more carbon atoms, n may be 0. Wherein the remaining atomic groups of the bond necessary to form a 5- or 6-membered ring are shown.)
[0022]
Specific examples of the 5- or 6-membered ring include imidazole, imidazoline, thiazole, thiazoline, oxazole, oxazoline, pyrazoline, triazole, thiadiazole, oxadiazole, tetrazole, pyridine, pyrimidine, pyridazine, pyrazine, triazine and the like. Further, these rings may be condensed and formed two or more rings, or may be condensed with a benzene ring or a naphthalene ring.
[0023]
Specific examples of such compounds include 2-mercapto-4-phenylimidazole, 2-mercapto-1-benzylimidazole, 2-mercapto-benzimidazole, 1-ethyl-2-mercapto-benzimidazole, 2-mercapto- 1-butyl-benzimidazole, 1,3-diethyl-benzimidazoline-2-thione, 1,3-dibenzyl-imidazolidin-2-thione, 2,2′-dimercapto-1,1′-decamethylene-diimidazoline, 2-mercapto-4-phenylthiazole, 2-mercapto-benzothiazole, 2-mercaptonaphthothiazole, 3-ethyl-benzothiazoline-2-thione, 3-dodecyl-benzothiazoline-2-thione, 2-mercapto -4,5-diphenyloxazole, 2-mercaptobenzoo Xazole, 3-pentyl-benzoxazoline-2-thione, 1-phenyl-3-methylpyrazolin-5-thione, 3-mercapto-4-allyl-5-pentadecyl-1,2,4-triazole, 3-mercapto-5 -Nonyl-1,2,4-triazole, 3-mercapto-4-acetamido-5-heptyl-1,2,4-triazole, 3-mercapto-4-amino-5-heptadecyl-1,2,4-triazole 2-mercapto-5-phenyl-1,3,4-thiadiazole, 2-mercapto-5-phenyl-1,3,4-thiadiazole, 2-mercapto-5-n-heptyl-oxathiazole, 2-mercapto- 5-phenyl-1,3,4-oxadiazole, 2-heptadecyl-5-phenyl-1,3,4-oxadiazole, -Mercapto-1-phenyl-tetrazole, 2-mercapto-5-nitropyridine, 1-methyl-quinoline-2 (1H) -thione, 3-mercapto-4-methyl-6-phenyl-pyridazine, 2-mercapto-5 , 6-Diphenyl-pyrazine, 2-mercapto-4,6-diphenyl-1,3,5-triazine, 2-amino-4-mercapto-6-benzyl-1,3,5-triazine, 1,5-dimercapto Examples thereof include -3,7-diphenyl-S-triazolino [1,2-a] -S-triazoline, but the present invention is not limited thereto.
[0024]
The content of the compound having a mercapto group or a thione group used in the present invention in the concentrated solution depends on the concentration ratio. The minimum amount is defined as the minimum amount when diluted into a working solution, and is 0.01 g or more, preferably 0.02 g or more per liter in terms of working solution. The maximum amount is determined by the maximum amount when diluted into a working solution and the solubility when concentrated, and is preferably 10 g or less at any concentration ratio. More preferably, it is 5 g or less.
[0025]
The method of dissolving a compound having a mercapto group or a thione group used in the present invention in a weakly acidic to neutral (pH 5 to 7) plate surface treating solution mainly composed of water is, for example, dissolved in an alkaline solution to adjust the pH. Various methods, such as a method using an amine compound, a method using a quaternary ammonium salt type cationic surfactant, and the like, can be considered, and preferably a method using an amine compound, but the present invention is not limited to these.
[0026]
Examples of the amine compound include amino alcohols such as monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine and aminoethylethanolamine; monoamines such as propylamine and butylamine; diamines such as dimethylaminoethylamine; and N-aminopropylpropanediamine. And cyclic amines such as pyridine and piperidine. Preferred are amino alcohols. These amine compounds can be obtained from Nippon Emulsifier Co., Ltd., Koei Chemical Industry Co., Ltd. or the like.
[0027]
In addition, a water-soluble polymer containing styrenesulfonic acid and unsaturated carboxylic acid as monomer units can be used to prevent precipitation of a compound having a mercapto group or a thione group. Among them, a copolymer of styrene sulfonic acid and maleic anhydride is particularly preferred. The molecular weight is preferably 20,000 or less, and the content is suitably in the range of 1 to 100 times by weight the compound having a mercapto group or a thione group.
[0028]
Further, a surfactant can be used to prevent precipitation of a compound having a mercapto group or a thione group. Examples of these surfactants include aromatic sulfonic acid derivatives and formalin condensates thereof, anionic surfactants such as polyoxyethylene alkyl sulfate, amine surfactants such as polyoxyalkylene alkylamine, and polyoxyethylene. Nonionic surfactants such as alkyl ethers and polyoxyethylene fatty acid esters can be mentioned. The addition amount is suitably in the range of 0.01 to 10 g.
[0029]
In the present invention, it is preferable that the treatment liquid has a pH buffering performance between 5 and 7. As the buffer, it is preferable to use an amine such as phosphoric acid and a salt thereof or triethanolamine. When phosphate is used as a buffer, its content is 0.05 mol / L or more, preferably 0.1 to 1.0 mol / L, as a working solution. As the phosphate, a potassium salt, a sodium salt, an ammonium salt, a salt with the above-mentioned amine, or the like can be used.
[0030]
In addition to the above compounds, commonly used preservatives, preservatives, wetting agents, preservatives, surfactants and the like can be mixed. Also, for example, complexing agents such as iminodiacetic acid and ethylenediaminetetraacetic acid can be mixed. Further, inorganic fine particles such as colloidal silica can be mixed as long as the action of the compound having a mercapto group or the like is not inhibited.
[0031]
For a lithographic printing plate utilizing image silver as the ink receptivity, the silver halide emulsion may be present on the printing original plate itself or as a silver source for a printing original plate having an image receiving layer by silver diffusion transfer method, and another negative sheet may be used. May have on top.
[0032]
The silver halide emulsion may be any of silver chloride, silver bromide, silver chlorobromide and those containing iodide, and the binder is preferably gelatin, but part or all of gelatin is replaced by another colloidal substance. For example, casein, albumin, cellulose derivatives and the like. The silver halide can be generally used in the range of 0.5-7 g / m 2 in terms of silver nitrate, and the binder can be generally used in the range of 0.5-10 g / m 2 .
[0033]
The method for producing a silver halide emulsion can be produced by a method known in the ordinary photographic industry. In particular, the production method for use in a printing plate is also disclosed in the above-mentioned known patent documents, so reference is made. I can do it.
[0034]
The lithographic printing plate used in the present invention is generally treated with an alkali developer after image exposure. As such a developer, any one of an ordinary photographic developer containing a developing agent such as hydroquinone, a developer of a silver diffusion transfer method containing hypo and the like, or a high alkali developer obtained by converting them into an activator can be used.
[0035]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to Examples, but it is needless to say that the present invention is not limited thereto.
[0036]
Example 1
A matte layer containing silica particles having an average particle size of 5 μm is provided on one side of an undercoated polyester film support, and the opposite side contains carbon black in an amount to give a light reflectance of 3%. An anti-halation undercoat layer (adjusted to pH 4) containing 20% by weight of silica powder having an average particle diameter of 7 μm and a silica powder having an average particle diameter of 7 μm after chemical sensitization were added to the photographic gelatin at 5% by weight. %, And a high-sensitivity silver chloride emulsion (adjusted to pH 4), which was spectrally sensitized in the green-sensitive area, which contained the same in a ratio of 0.1%.
[0037]
The undercoat layer was coated at 3.5 g / m 2 , the emulsion layer at 0.8 g / m 2 , and silver halide 1.0 g / m 2 in terms of silver nitrate. The undercoat layer and the emulsion layer contain formalin as a hardening agent in an amount of 5.0 mg / g gelatin based on gelatin. After drying and heating at 40 ° C. for 14 days, the plate No. 2 of Example 2 of JP-A-54-103104 was placed on this emulsion layer. A lithographic printing plate is manufactured by applying and drying the core coating solution described in 31. The silver halide emulsion was obtained by adding 4 × 10 −6 mol of rhodium chloride per mol of silver halide at the time of physical ripening, and had an average grain size of 0.4 μm.
[0038]
The thus obtained lithographic printing plate precursor was image-exposed with a plate making camera having an image reversing mechanism, and developed with a developing solution (used solution) at 30 ° C. for 30 seconds.
<Developer>
Sodium hydroxide 24g
Potassium hydroxide 8g
50 g of anhydrous sodium sulfite
30 g of 2-methyl-2-amino-1-propanol
0.2 g of 2-mercapto-5-n-heptyl-oxadiazole
Make up to 1 l with water.
[0039]
After the above development processing, a three-fold concentrated neutralized solution (stabilized solution) as shown below was diluted three-fold and treated with a fresh solution at room temperature for 20 seconds. In addition, a three-fold concentrated neutralized solution was placed in a plastic container, subjected to a one-month aging test at 50 ° C., and subjected to the same treatment.
<Concentrated neutralized solution A>
75g of potassium monophosphate
0.75 g of 2-mercapto-5-n-heptyl-oxadiazole
15 g of diethanolamine
Make up to 1 l with water.
(Adjusted to pH 6)
[0040]
<Concentrated neutralized liquid B>
The pH was adjusted to 6 by adding 300 mmol / L (47 g / l) of potassium sulfite to the concentrated neutralized solution A.
<Concentrated neutralized liquid C>
The pH was adjusted to 6 by adding 70 mmol / L (11 g / l) of potassium sulfite to the concentrated neutralized solution A.
<Concentrated neutralized solution D>
The pH was adjusted to 6 by adding potassium sulfite to the concentrated neutralized solution A at 30 mmol / L (4.7 g / l).
<Concentrated neutralized solution E>
The pH was adjusted to 6 by adding 10 mmol / L (1.6 g / l) of potassium sulfite to the concentrated neutralized solution A.
<Concentrated neutralized solution F>
The pH of the concentrated neutralized solution A was adjusted to 6 by adding potassium sulfite at 3 mmol / L (0.47 g / l).
<Concentrated neutralized solution G>
The pH of the concentrated neutralized solution A was adjusted to 6 by adding 2 mmol / L (0.32 g / l) of potassium sulfite.
<Concentrated neutralized solution H>
The pH was adjusted to 6 by adding 0.6 mmol / L (0.08 g / l) of potassium sulfite to the concentrated neutralized solution A.
[0041]
The lithographic printing plate prepared by the method described above was used to prepare a printing press Sprint 26 (trademark of an offset printing press manufactured by Komori Corporation), ink (New Champion F Gross Ink H manufactured by Dainippon Ink Co., Ltd.) and moisture supply. Using a liquid (Astromark 3 manufactured by Niken Kagaku Kenkyusho Co., Ltd.), etching was performed with tap water, and a printing plate that had been subjected to a fresh liquid treatment and post-treatment with time was printed.
[0042]
In the evaluation of the liquid properties, those in which no precipitation, turbidity, etc. were generated were evaluated as ○. The evaluation of the ink acceptability was evaluated as the number of prints until a print was started at the same time that the ink was brought into contact with the plate surface and the paper was started to be fed, and good image density and no density unevenness were obtained. Table 1 shows the printing results and the results of the aging test.
[0043]
[Table 1]
[0044]
According to the embodiment of the present invention, a concentrated neutralized solution having excellent aging properties was obtained without causing precipitation in both the fresh solution and the solution after aging, and without impairing ink acceptability.
[0045]
Example 2
The same test was performed by replacing the mercapto compound of Example 1 with the following compounds.
a) 3-pentyl-benzoxazoline-2-thione b) 3-mercapto-5-nonyl-1,2,4, -triazole c) 2-mercapto-benzothiazole d) 2-mercapto-4,6-diphenyl- 1,3,5-triazine
As a result, all the mercapto compounds showed the same tendency as in Example 1.
[0047]
【The invention's effect】
According to an embodiment of the present invention, a mercapto group or a thione group is used in a neutralizing solution (stabilizing solution) or a sensitizing solution (etch) which is a surface treatment solution of a lithographic printing plate utilizing image silver as ink receptivity. Thus, it is possible to provide a concentrated solution of these treatment liquids, which does not deteriorate with the lapse of time when the compound is contained and does not deteriorate over time and whose performance is stably maintained.