【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、足サイズの左右アンバランス、リハビリテーションや足の成長等に対応して、靴のサイズを調整可能にし、規定サイズと規定サイズより一つ上のサイズとが兼用できる靴に関する。
【０００２】
【従来の技術】
子供、特に幼少児の足は発育が早く、３〜４ヶ月を目安にサイズを測り、適正サイズかどうか確認が必要とされている。そのため「どうせすぐ成長し靴が小さくなり履けなくなる」「もったいない」と、大きめのサイズを選びがちである。サイズ調整が不適切な大きめの靴を履いた子供は、動きにくいため行動範囲が狭まり、内臓の働きや頭脳の発育にも影響を与えると言われている。
【０００３】
一般に、日本の子供靴の１２．０ｃｍ〜２１．０ｃｍ間は、１ｃｍ刻みで０．５ｃｍと言うハーフサイズが揃っていなかったが、消費者の強い要望でハーフサイズが揃った靴が増えて来ている。しかし、ハーフサイズ靴の商品が多くなると、メーカー、流通業者や小売店としては、それぞれに生産用の靴型ラストの投資額が増えたり、又、流通在庫や店頭在庫の管理等の費用も高くつくことになり、すべての靴に対応することは出来ない状況である。
【０００４】
又、リハビリテーションを必要とする場合や、元々左右の足がアンバランスでサイズが異なるなど片方のサイズ調整を必要とする場合も多い。リハビリテーション靴は、左右サイズ違いのために片足販売している例も多い。
【０００５】
サイズ調整の要望に対応するため、大きめの靴の中敷きに工夫した提案が多数出されている。中底の下側にゴムやスポンジ等の天然素材や合成材料より構成されるパッドを着脱自在に装着し、子供が成長したときパッドを取り出す方法（例えば、特許文献１参照。）や、つま先周辺に発泡体のサイズ調整壁を有する中敷きを装着し、足の発育に合わせて取り除くか別の中敷きと交換する方法（例えば、特許文献２参照。）が提案されている。
【０００６】
（特許文献１） 特開平５−１９２２０１号公報 （明細書 段落番号０００４〜０００７）
（特許文献２） 実公平４−２２８０１号公報 （明細書 実用新案登録請求の範囲）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
子供の足に合った靴が見つかれば良いが、見つからず出来あがった靴に通常の中敷きを入れて調整する場合や、経済性を考えて大きい靴を購入し通常の中敷きを入れて調整する場合、靴の中の容積が全体に、中敷き厚み方向に一次元的に、ほぼ均一に小さくなる。
その結果、甲部分がピッタリになっても、踵は浅くなり、脱げ易くなる。特に幼児靴の場合、踵部のトップラインの位置は足首より高いのが望ましく踵が浅くなるのは好ましくない。又、趾先の位置も上がってしまうので、靴内の上面側につま先が当たるということも生じる。
前記の特許文献１及び２に記載の提案も、中敷き厚み方向に一次元的に、サイズ調整を行なう方法であり、靴の容積変更は基本的には三次元的に行なうのが望ましい。
【０００８】
又、リハビリテーションを必要とする場合や、個人によっては、左右の足がアンバランスで片方のサイズがワンサイズ異なる子供や大人もいる。
アンバランスのまま靴を履かせると、正しい歩行が得られず子供の成長に影響する。同じ揃いの靴で、靴内で調整できれば、片足のみ別サイズを購入する等の必要がなくなり、子どもの成長、又はリハビリ効果にとっても好都合となる。
【０００９】
メーカーにとって、ハーフサイズを展開するには従来に比べ二倍の靴型ラストを必要とし、そのための投資が必要であり、又、管理する品種も二倍となり、在庫も二倍となり在庫スペースの確保も含め管理費用が増大する。
在庫管理の負荷増大は、流通業者や小売業者も同じことであり、一つ上のサイズとを兼用することが出来る靴が望まれている。
【００１０】
本発明は、上記課題を解決するために成されたもので１ｃｍ刻みの靴において、ハーフサイズに相当する足にフィットする靴を選ぶことが出来、又、規定サイズが合う場合は、成長し足がハーフサイズほど大きくなった時も対応することができ経済的であり、ハーフサイズの靴をラインアップすることによるメーカー、流通業者、小売業者の負担増をも解消する靴、及びその製造方法を提供するものである。
又、リハビリテーションを必要とする場合や、元々左右の足がアンバランスでサイズが異なるなど片方のサイズ調整を必要とする場合にも対応し、一つ上のサイズとの兼用ができる靴を提供する。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
規定サイズの靴型ラストを用い、規定サイズより一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁を形成する中敷きを規定サイズの靴型ラストに装着し、前記規定サイズより一つ上のサイズのアッパーを吊り込み成形したことを特徴とし、前記中敷きは着脱可能であり、履用時に前記中敷きの有無により規定サイズと規定サイズより一つ上のサイズとが兼用できる靴を提供する。
【００１２】
又、前記靴型ラストは、靴内で足の指を自然な状態に保つために、靴型ラストの中心より内側（親指側）のつま先部のみにボリュームを持たせた形状のオブリック・トウにすることにより、履き初めの足にフイットし、足が成長し一つ上のサイズになってもフイットするようにしたものである。
【００１３】
又、その製造方法は、インジェクション式又はセメント式による靴の製造において、規定サイズの靴型ラストとし、規定サイズより一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁を形成する中敷きを規定サイズの靴型ラストに着脱可能に装着し、前記規定サイズより一つ上のサイズのアッパーを吊り込み成形することにより規定サイズと規定サイズより一つ上のサイズとが兼用できる靴を製造することが出来る。
【００１４】
従来、既に出来あがった靴に対して、中敷きの調整を行なう等、大きめの靴に対応してきた。本発明は、構想を全く異にし、靴を作る段階で将来足が成長した後のことを考え、現在の足にフイットする容量のアッパーを有する靴とし、足が成長してもその足に相当する容量に増大したアッパーを有する靴と成り、成長した足にもフイットするようにしたものである。
【００１５】
靴は、指先部分にアソビのための捨て寸と称する余裕を有している。通常捨て寸は５ｍｍないし１５ｍｍ程設けられている。幼児靴は捨て寸が５ｍｍ以下の靴もあるが子供靴になると、ほとんどの靴が捨て寸５ｍｍ以上である。本発明は、捨て寸を利用したものである。捨て寸が５ｍｍ以上の規定サイズの靴型ラストを用い、規定サイズより一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁を形成する中敷きを着脱可能に装着し、前記規定サイズより一つ上のサイズのアッパーを吊り込み成形したことを特徴とするものである。
規定サイズより一つ上のサイズのアッパーに所定の容量差を有し、且つ、つま先部に周壁を形成する中敷きを装着して吊り込むことにより、出来あがった靴は、規定サイズの靴型ラストを使用しているため、甲部分がピッタリで、踵も浅くも深くもなく規定の寸法を有し、脱げる心配の無い足にフイットする靴が得られる。
【００１６】
又、足が成長した後は、一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁を形成する中敷きを取り除くことにより、つま先部においては、つま先部の周壁の容量に相当するアッパーの膨らみが有り、もともと一つ上のサイズのアッパーを使用しているので一つ上のサイズの靴容量となり、成長した足に対応出来る。
【００１７】
つま先部に形成される周壁の形状は、つま先部における規定サイズの靴型ラストと規定サイズより一つ上のサイズの靴型ラストとの形状差の形態を有するつま先部覆いの形状が最も好ましい。
又、つま先部に周壁を形成する中敷きの、つま先部に形成される周壁の素材と、ベース部の素材とが別の素材でも良く、同じ素材で一体に形成されていてもよい。
【００１８】
尚、アッパーは、それぞれのサイズに適合する形状にパターン設計されたものであり、素材としては、伸縮性を有しておくのが好ましい。
【００１９】
一つ上のサイズとしてハーフサイズ（０．５ｃｍ間隔）にするかワンサイズ（１．０ｃｍ間隔）にするかは、対象となる靴の種類やサイズにより適宜決定する。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。図１は
セメント式による靴の製造における本発明の実施の形態にかかる断面側面図である。
オブリック・トウの形状を成す規定サイズの靴型ラスト（１）に、ハーフサイズ大きい靴型ラスト（図示せず）との容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）を戴置し、その上に規定サイズの中敷き（３）を重ね、中底（５）を置き、ハーフサイズ大きいアッパー（４）を吊り込んだ状態を示す。中底（５）とハーフサイズ大きいアッパー（４）とは接着剤又は縫合にて固定する。
【００２１】
ハーフサイズ大きい靴型ラスト（図示せず）との容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成するする中敷き（２）のベース部分（１１）や規定サイズの中敷き（３）の素材としては、不織布、フェルト類、ゴムスポンジ、ウレタンフォーム、Ｅ．Ｖ．Ａ．樹脂発泡体等が適宜使用される。例えば、規定サイズの中敷き（３）はサイズにより厚み２．０〜３．５ｍｍ程度のほぼ均一な厚みのＥ．Ｖ．Ａ．樹脂発泡体が使用される。
一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）のつま先部の周壁（１０）は軟らかい弾性体であるゴムスポンジ、ウレタンフォーム、ラテックスフォーム、Ｅ．Ｖ．Ａ．樹脂発泡体等が適宜使用され、ベース部分（１１）に接着剤により接着され一体となっている。尚、ベース部分（１１）とつま先の周壁（１０）は同一の素材で一体となっていても良い。
【００２２】
ハーフサイズ大きい靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）の容量差はサイズグレーディング図面により求める。モデルサイズ１３ｃｍでは２．４ｍｍの中敷き厚みに相当した。
【００２３】
尚、靴型ラストの形状はＪＩＳ Ｓ５０３７ による。
【００２４】
つま先部に形成される周壁（１０）の形状は、つま先部における規定サイズの靴型ラスト（１）とハーフサイズ大きい靴型ラスト（図示せず）との形状差の形態を有するつま先部覆いの形状とした。
【００２５】
つま先部に形成される周壁の（１０）の作成について、詳述する。
金型を作成し、ラテックスフォームを加熱加圧することにより製作した。図３は、つま先部に形成される周壁（１０）の平面図であり、図４は図３のＡ−Ａ断面図、図５は図３のＢ−Ｂ断面図である。つま先部に形成される周壁（１０）を製作する金型は、上型が平面で下型に所定の形状及び厚みを成す金型であり、つま先部に形成される周壁（１０）の下部である根元の厚みは肉厚で、上部に向かって徐々に薄くなっており、且つ、根元の厚みがつま先先端部より両側方に向かって徐々に肉厚が薄くなり、高さも徐々に低くなっており、後工程でベース部分（１１）上に立ちあがった状態で接着した時に、つま先の上方及び両側方を三次元的に覆うように湾曲し、周囲の立体形状に馴染む形状である。
製作したラテックスフォームの硬さは１８（ＪＩＳ Ｋ６２５３ タイプＥ）であった。
【００２６】
次に、前記つま先部に形成される周壁（１０）とベース部分（１１）とを接着剤で一体化し、中敷き（２）を作成した。図６は中敷き（２）の外観斜視図である。尚、前記中敷き（２）はカップインソールタイプ又は平シートタイプのいずれでもよい。
【００２７】
ハーフサイズ大きいアッパー（４）の吊り込みしろは、ハーフサイズ小さい規定サイズの靴型ラスト（１）に吊り込んでも、ハーフサイズ大きい靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）を挿入しているので、アッパーとしての規定幅の吊り込みしろとなる。
尚、アッパーのパターン設計は、サイズグレーディングされた靴型ラストの形状・寸法を基に設計する。
【００２８】
吊り込みが終わった後は、本底（６）を接着剤で固定する。
本底の素材としては、天然ゴム、合成ゴム等のゴム類や、Ｅ．Ｖ．Ａ．樹脂やポリウレタン樹脂の発泡体等の成形品が適宜使用できる。天然ゴム、合成ゴム等のゴム類は、加硫品及び未加硫品いずれも使用できるが未加硫品は、後加硫が必要である。
【００２９】
アッパーの吊り込み作業を容易にするために、前記ハーフサイズ大きい靴型ラスト（図示せず）との容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成するする中敷き（２）や規定サイズの中敷き（３）として、非弾性体である金属又は硬質合成樹脂からなるダミーを使用し、アッパーの吊り込み作業及び本底（６）の固定作業を終えた後、ダミーを取り出し、前記のつま先部に周壁（１０）を形成するする中敷き（２）や規定サイズの中敷き（３）を装着してもよい。
【００３０】
又、前記金属又は硬質合成樹脂からなるダミーは、靴型ラストに固定しておいてもよい。
【００３１】
図２はインジェクション式による靴の製造における規定サイズの中敷き（３）が無い場合の本発明の実施の形態にかかる断面側面図である。
オブリック・トウの形状を成す規定サイズの靴型ラスト（１）に、ワンサイズ大きい靴型ラスト（図示せず）との容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）を戴置し、その上に中底（５）を重ね、ワンサイズ大きいアッパー（４）を吊り込み、その底部がボトム・モールド（８）とサイド・モールド（７）の空洞部に良く合うように嵌め合わせ、モールド注入口（９）から本底（６）の素材の合成樹脂を加圧してモールド内に隙間なく注入し、接着と同時に本底（６）を形成する。
【００３２】
ワンサイズ大きい靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）のベース部分の素材としては、不織布、フェルト類、ゴムスポンジ、ウレタンフォーム、Ｅ．Ｖ．Ａ．樹脂発泡体等が適宜使用される。ワンサイズ大きい靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）のつま先部の周壁（１０）の素材は軟らかい弾性体であるゴムスポンジ、ウレタンフォーム、Ｅ．Ｖ．Ａ．樹脂発泡体等が適宜使用される。
同一の素材で一体となったベース部分（１１）とつま先部の周壁（１０）は、例えば、Ｅ．Ｖ．Ａ．樹脂発泡体が使用される。
つま先部に形成される周壁の形状は、つま先部における規定サイズの靴型ラストとワンサイズ大きい靴型ラストとの形状差の形態を有するつま先部覆いの形状とした。
【００３３】
ワンサイズ大きい靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）の容量差はサイズグレーディング図面により求めた。モデルサイズ１５ｃｍでは２．５ｍｍの中敷き厚みに相当した。
【００３４】
本底の素材としては、ポリウレタン樹脂、ＰＶＣ樹脂等の合成樹脂及びその発泡体や熱可塑性エラストマーが適宜使用される。例えば、硬さ６５（ＪＩＳ Ｋ６２５３ タイプＥ）の発泡ポリウレタン樹脂が使用できる。
【００３５】
購入時、フイットするものが見出されなかった時は一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）の有無により、適合する靴が見出されたり、又、フイットするものが見出された時は、足の成長に応じて一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）を取り出すことにより、つま先部においては、つま先部の周壁（１０）の容量に相当するアッパーの膨らみが有り、成長した足に対応することが出来る。このように規定サイズと規定サイズより一つ上のサイズとが兼用できる。
【００３６】
本発明のようなサイズ調整を行なった靴は、甲部分がピッタリで、踵も浅くも深くもなく、脱げる心配の無い足にフイットする靴が得られる。又、足が成長した後は、一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）を取り除くことにより、つま先部においては、つま先部の周壁（１０）の容量に相当するアッパーの膨らみが有り、もともと一つ上のサイズのアッパーであるので、成長した足に対応出来る。
尚、この一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁（１０）を形成する中敷き（２）を分離可能な接着剤で靴本体の中底（５）上又は規定サイズの中敷き（３）上に固定しても良く、中敷き表面は適宜布帛を貼り付けた積層構造として、外観、履き心地等の向上を図っても良い。
【００３７】
【発明の効果】
以上、実施の形態で説明したように、この発明は、規定サイズの靴型ラストを用い、規定サイズより一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁を形成する中敷きを着脱可能に挿着し、前記規定サイズより一つ上のサイズのアッパーを吊り込み成形したことを特徴とし、
【００３８】
又、前記靴型ラストは、靴内で足の指を自然な状態に保つために、靴型ラストの中心より内側（親指側）のつま先部のみにボリュームを持たせた形状のオブリック・トウであることを特徴とし、履用時に前記中敷きの有無により規定サイズと規定サイズより一つ上のサイズとが兼用できる靴が得られる。
【００３９】
更に、インジェクション式又はセメント式による靴の製造において、規定サイズの靴型ラストを用い、規定サイズより一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁を形成する中敷きを着脱可能に装着し、前記規定サイズより一つ上のサイズのアッパーを吊り込み成形することにより規定サイズと規定サイズより一つ上のサイズとが兼用できる靴の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図１】セメント式による靴の製造における本発明の実施の形態にかかる断面側面図である。
【図２】インジェクション式による靴の製造における規定サイズの中敷き（３）が無い場合の本発明の実施の形態にかかる断面側面図である。
【図３】つま先部に形成される周壁の平面図である。
【図４】図３のＡ−Ａ断面図である。
【図５】図３のＢ−Ｂ断面図である。
【図６】つま先部に周壁を形成する中敷きの外観斜視図である。
【符号の説明】
１ 規定サイズの靴型ラスト
２ 一つ上のサイズの靴型ラストとの容量差を有し、且つ、つま先部に周壁を形成する中敷き
３ 規定サイズの中敷き
４ 一つ上のサイズのアッパー
５ 中底
６ 本底
７ サイド・モールド
８ ボトム・モールド
９ モールド注入口
１０ つま先部の周壁
１１ つま先部に周壁を形成する中敷きのベース部分[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a shoe that allows the size of a shoe to be adjusted in response to a left-right unbalance of a foot size, rehabilitation, growth of a foot, and the like, so that a specified size and a size one size higher than the specified size can be used.
[0002]
[Prior art]
The foot of a child, especially a young child, has a rapid growth, and it is necessary to measure the size of the foot in about 3 to 4 months to confirm whether the size is appropriate. For this reason, they tend to choose a larger size, saying, "It grows up anyway, shoes become too small to wear," and "wasteful." It is said that children wearing oversized shoes with improper size adjustment are difficult to move and have a reduced range of action, which may affect the work of internal organs and the development of the brain.
[0003]
Generally, Japanese children's shoes between 12.0cm and 21.0cm did not have a half size of 0.5cm in 1cm increments. ing. However, as the number of half-size shoes increases, manufacturers, distributors, and retailers increase the investment of lasts for production, and also increase the cost of managing distribution inventory and store inventory. It is difficult to handle all shoes.
[0004]
In many cases, rehabilitation is required, or one of the two legs needs to be adjusted, for example, the left and right feet are unbalanced and have different sizes. In many cases, rehabilitation shoes are sold on one foot due to the difference in left and right sizes.
[0005]
In order to respond to the request for size adjustment, many proposals have been made to devise large insoles. A method in which a pad made of a natural or synthetic material such as rubber or sponge is detachably attached to the lower side of the insole, and the pad is taken out when the child grows up (for example, see Patent Document 1). A method has been proposed in which an insole having a foam size adjustment wall is attached to the insole, and the insole is removed according to the growth of the foot or replaced with another insole (for example, see Patent Document 2).
[0006]
(Patent Document 1) Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-192201 (specification paragraphs 0004 to 0007)
(Patent Document 2) Japanese Utility Model Publication No. Hei 4-22801 (Specification Utility Model Registration Claims)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
It is only necessary to find shoes that match the child's feet, but if you adjust the shoe by putting a normal insole on the completed shoe, or if you purchase large shoes and put a normal insole in consideration of economy, The volume inside the shoe is reduced almost uniformly in one dimension in the thickness direction of the insole.
As a result, even if the upper part is perfect, the heel becomes shallower and it is easier to come off. Particularly in the case of infant shoes, the position of the top line of the heel is preferably higher than the ankle, and it is not preferable that the heel becomes shallower. In addition, since the position of the toe is raised, the toe hits the upper surface side in the shoe.
The proposals described in Patent Documents 1 and 2 are also methods for adjusting the size one-dimensionally in the thickness direction of the insole, and it is desirable to basically change the volume of the shoe three-dimensionally.
[0008]
In addition, when rehabilitation is required or depending on the individual, there are children and adults whose left and right feet are unbalanced and one size is different by one size.
If you put your shoes on unbalanced, you will not be able to walk properly and this will affect your child's growth. If the shoes can be adjusted with the same set of shoes, it is not necessary to purchase another size for only one foot, which is advantageous for the growth of the child or the rehabilitation effect.
[0009]
For the manufacturer, expanding the half size requires twice the last of the last compared to the conventional, investment is necessary, and the number of varieties to be managed is also doubled, the inventory is doubled and the inventory space is secured And management costs increase.
The increase in inventory management load is the same for distributors and retailers, and there is a demand for shoes that can also be used for the next higher size.
[0010]
The present invention has been made in order to solve the above-mentioned problem, and it is possible to select a shoe that fits a foot corresponding to a half size in shoes of 1 cm increments. Is economical because it can respond when the size of a half-size shoe becomes larger, and eliminates the burden on manufacturers, distributors, and retailers by providing a lineup of half-size shoes, and a method of manufacturing the shoe. To provide.
In addition, it provides a shoe that can be used for one size higher than the size required for rehabilitation or when one size adjustment is necessary such as the left and right feet are unbalanced and the size is different originally. .
[0011]
[Means for Solving the Problems]
Using the last size of the specified size, having a capacity difference with the last of the size one size higher than the specified size, and attaching the insole forming the peripheral wall to the toe to the last of the specified size, It is characterized in that the upper of the size above the specified size is suspended and molded, the insole is detachable, and the size of the specified size and the size one size higher than the specified size depending on the presence or absence of the insole when worn. Provide shoes that can be used for both purposes.
[0012]
Also, the last last is an oblique toe having a volume only at the toe inside (to the side of the thumb) from the center of the last in order to keep the toes in the shoe in a natural state. By doing so, it fits on the foot at the beginning of wearing and fits even when the foot grows and becomes one size higher.
[0013]
In addition, the manufacturing method is to produce a shoe last of a specified size in the production of shoes by an injection type or a cement type, having a capacity difference from a last of a size one size higher than the specified size, and The insole that forms the peripheral wall is removably attached to the last of the specified size last, and the upper size of the specified size and the size of the specified size are obtained by hanging and forming the upper of the specified size. Can manufacture shoes that can also be used.
[0014]
Conventionally, large shoes have been used, such as adjusting the insole of already completed shoes. The present invention is based on a completely different concept, considering the future growth of the foot at the stage of making the shoe, and assuming that the shoe has an upper with the capacity to fit the current foot, even if the foot grows, it is equivalent to the foot The resulting shoe has an upper with increased capacity and fits on the grown foot.
[0015]
The shoe has room at the fingertips for what is called a throwaway for asobi. Usually, the discard size is set to about 5 mm to 15 mm. Although some infant shoes have a discard size of 5 mm or less, most of the child shoes have a discard size of 5 mm or more. The present invention utilizes a discard size. Use a shoe last with a specified size of 5 mm or more, and have a capacity difference from the last that is one size higher than the specified size, and detachably attach an insole that forms a peripheral wall on the toe An upper having a size one size higher than the specified size is suspended and formed.
The finished shoe has the specified capacity difference in the upper one size above the specified size, and the insole that forms the peripheral wall on the toe is hung. As a result, shoes with a perfect instep portion, no heels shallow or deep and having prescribed dimensions, and fit to feet without fear of coming off are obtained.
[0016]
In addition, after the foot has grown, there is a difference in capacity from the last of the upper size, and by removing the insole that forms the peripheral wall at the toe, the peripheral wall of the toe at the toe is removed. There is a swelling of the upper equivalent to the capacity of the upper, and since the upper of the upper size is originally used, the shoe capacity becomes the upper size, which can correspond to the grown foot.
[0017]
The shape of the peripheral wall formed on the toe portion is most preferably a shape of a toe portion cover having a form of a shape difference between a last size of a specified size and a last size one size higher than the specified size at the toe portion.
Further, the material of the peripheral wall formed on the toe portion of the insole forming the peripheral wall on the toe portion and the material of the base portion may be different materials or may be integrally formed of the same material.
[0018]
Note that the upper is pattern-designed in a shape suitable for each size, and it is preferable that the material has elasticity.
[0019]
Whether the upper size is half size (0.5 cm interval) or one size (1.0 cm interval) is appropriately determined depending on the type and size of the target shoe.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. FIG. 1 is a sectional side view according to an embodiment of the present invention in the manufacture of shoes by the cement method.
An insole that has a capacity difference from a last size last shoe (not shown) of a specified size in the shape of an oblique toe and that is larger than a half size last (not shown), and forms a peripheral wall (10) on the toe. (2) is placed, an insole (3) of a specified size is overlaid thereon, an insole (5) is placed, and a half-size larger upper (4) is suspended. The midsole (5) and the half-sized upper (4) are fixed with an adhesive or suture.
[0021]
The base part (11) of the insole (2) or the insole (3) of a specified size, which has a capacity difference from the last size (not shown) which is larger than a half size and has a peripheral wall (10) on the toe. Non-woven fabric, felts, rubber sponge, urethane foam, E. V. A. A resin foam or the like is appropriately used. For example, the insole (3) of the specified size has a substantially uniform thickness of about 2.0 to 3.5 mm depending on the size. V. A. A resin foam is used.
A rubber sponge having a capacity difference from the last size of the shoe upper last, and a peripheral wall (10) at the toe portion of the insole (2) forming the peripheral wall (10) at the toe portion, which is a soft elastic body; Urethane foam, latex foam, E. V. A. A resin foam or the like is appropriately used, and is adhered to the base portion (11) with an adhesive to be integrated. The base portion (11) and the peripheral wall (10) of the toe may be made of the same material and integrated.
[0022]
The capacity difference between the insole (2), which has a capacity difference from the last size larger by half size, and forms the peripheral wall (10) on the toe, is determined by a size grading drawing. The model size of 13 cm corresponded to the insole thickness of 2.4 mm.
[0023]
The shape of the last of the last is based on JIS S5037.
[0024]
The shape of the peripheral wall (10) formed on the toe portion is the shape of the toe portion cover having the form of a difference in shape between the last size (1) of the specified size and the last size (not shown) of the larger size at the toe portion. Shaped.
[0025]
The creation of (10) of the peripheral wall formed on the toe will be described in detail.
A mold was prepared, and the latex foam was manufactured by heating and pressing. FIG. 3 is a plan view of the peripheral wall (10) formed on the toe, FIG. 4 is a sectional view taken along line AA of FIG. 3, and FIG. 5 is a sectional view taken along line BB of FIG. The mold for manufacturing the peripheral wall (10) formed on the toe portion is a mold having an upper mold that is flat and has a predetermined shape and thickness on a lower mold, and a lower part of the peripheral wall (10) formed on the toe portion. The thickness of a certain root is thicker and gradually thinner toward the top, and the thickness of the root is gradually thinner toward both sides from the tip of the toe, and the height is gradually lower In a post-process, when it is adhered while standing on the base portion (11), it is curved so as to cover the upper part and both sides of the toe three-dimensionally, and is adapted to the surrounding three-dimensional shape.
The hardness of the produced latex foam was 18 (JIS K6253 type E).
[0026]
Next, the peripheral wall (10) formed on the toe portion and the base portion (11) were integrated with an adhesive to form an insole (2). FIG. 6 is an external perspective view of the insole (2). The insole (2) may be either a cup insole type or a flat sheet type.
[0027]
The hanging margin of the upper half (4) having a large half size has a difference in capacity from the last of the large last (1) even when it is hung on the last (1) of the specified size of the small half, and the peripheral wall is provided on the toe. Since the insole (2) that forms (10) is inserted, a hanging width of a specified width as an upper is obtained.
In addition, the pattern design of the upper is designed based on the shape and dimensions of the size-graded last of the last.
[0028]
After the hanging, the outsole (6) is fixed with an adhesive.
Examples of the material for the outsole include rubbers such as natural rubber and synthetic rubber; V. A. A molded article such as a foam of a resin or a polyurethane resin can be used as appropriate. For rubbers such as natural rubber and synthetic rubber, both vulcanized products and unvulcanized products can be used, but unvulcanized products require post-vulcanization.
[0029]
In order to facilitate the work of hanging the upper, an insole (2) having a capacity difference from the last half-size last (not shown), and forming a peripheral wall (10) on the toe, A dummy made of inelastic metal or hard synthetic resin is used as the insole (3) of the specified size, and after finishing the work of hanging the upper and fixing the outsole (6), the dummy is taken out. An insole (2) for forming the peripheral wall (10) or an insole (3) of a prescribed size may be attached to the toe.
[0030]
Further, the dummy made of the metal or the hard synthetic resin may be fixed to the last of the last.
[0031]
FIG. 2 is a cross-sectional side view according to the embodiment of the present invention when there is no insole (3) of a specified size in the manufacture of shoes by the injection method.
An insole that has a capacity difference between a last size (1) of a prescribed size in the shape of an oblique toe and a last size (not shown) that is one size larger, and that forms a peripheral wall (10) on a toe portion. (2) is placed, and the midsole (5) is put on it, and the one-size-large upper (4) is hung, and the bottom is in the cavity of the bottom mold (8) and the side mold (7). The synthetic resin of the material of the outsole (6) is pressurized and injected into the mold without gaps from the mold inlet (9) so that the outsole is formed at the same time as the bonding.
[0032]
The material of the base part of the insole (2), which has a capacity difference from the one-size large last, and forms the peripheral wall (10) on the toe, is made of non-woven fabric, felt, rubber sponge, urethane foam, E . V. A. A resin foam or the like is appropriately used. The material of the peripheral wall (10) at the toe portion of the insole (2), which has a capacity difference from the one-size larger last of the last and forms the peripheral wall (10) at the toe portion, is a soft elastic rubber sponge or urethane. Form, E. V. A. A resin foam or the like is appropriately used.
The base part (11) and the peripheral wall (10) of the toe, which are made of the same material, are, for example, E.I. V. A. A resin foam is used.
The shape of the peripheral wall formed on the toe portion was the shape of the toe portion cover having the form of the difference in shape between the last size of the specified size and the one size larger last.
[0033]
The capacity difference between the insole (2), which has a capacity difference from the one-size larger last last, and forms the peripheral wall (10) on the toe, was determined by a size grading drawing. The model size of 15 cm corresponded to the insole thickness of 2.5 mm.
[0034]
As the material of the outsole, a synthetic resin such as a polyurethane resin and a PVC resin, and a foam or a thermoplastic elastomer thereof are appropriately used. For example, a foamed polyurethane resin having a hardness of 65 (JIS K6253 type E) can be used.
[0035]
At the time of purchase, when no fit is found, there is a capacity difference from the last size of the last shoe, and the presence or absence of the insole (2) that forms the peripheral wall (10) on the toe. When a suitable shoe is found or one that fits is found, there is a difference in volume from the last of the last size according to the growth of the foot, and the toe part By taking out the insole (2) that forms the peripheral wall (10), the toe portion has a bulge of the upper corresponding to the capacity of the peripheral wall (10) of the toe portion, and can correspond to a grown foot. In this way, the specified size and the size one level higher than the specified size can be used.
[0036]
With the shoes that have been adjusted in size as in the present invention, shoes that fit exactly on the instep, have no heels that are shallow or deep, and fit to feet that are not likely to come off can be obtained. Also, after the foot has grown, the insole (2), which has a capacity difference from the last of the last size and removes the insole (2) forming the peripheral wall (10) on the toe, is removed at the toe. Has an upper bulge corresponding to the capacity of the peripheral wall (10) of the toe, and is originally an upper size, so that it can respond to a grown foot.
In addition, the insole (2) which has a capacity difference from the last size of the shoe above one last, and which can separate the insole (2) which forms the peripheral wall (10) on the toe, is made of an adhesive capable of separating the insole (5). ) May be fixed on the insole (3) above or in a prescribed size, and the insole surface may have a laminated structure in which a cloth is appropriately attached to improve the appearance, comfort, and the like.
[0037]
【The invention's effect】
As described above in the embodiment, the present invention uses the last of the specified size, has a capacity difference from the last of the size one size higher than the specified size, and has a peripheral wall on the toe. The insole that forms the is detachably inserted, characterized in that the upper of the size above the specified size was suspended and molded,
[0038]
Also, the last last is an oblique toe having a shape in which only the toes inside the center (thumb side) of the last have a volume in order to keep the toes in a natural state in the shoe. There is provided a shoe in which the prescribed size and the size one level higher than the prescribed size can be used depending on the presence or absence of the insole when worn.
[0039]
Furthermore, in the manufacture of shoes by the injection type or the cement type, a last size of the specified size is used, and there is a capacity difference from the last of the size one size higher than the specified size, and a peripheral wall is formed on the toe. The present invention provides a method for manufacturing a shoe in which a specified size and a size higher than the specified size can be used by detachably mounting an insole to be detached and hanging and forming an upper having a size one size higher than the specified size.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional side view according to an embodiment of the present invention in the manufacture of shoes by a cement method.
FIG. 2 is a cross-sectional side view according to the embodiment of the present invention when there is no insole (3) of a specified size in the manufacture of shoes by the injection method.
FIG. 3 is a plan view of a peripheral wall formed on a toe.
FIG. 4 is a sectional view taken along line AA of FIG. 3;
FIG. 5 is a sectional view taken along line BB of FIG. 3;
FIG. 6 is an external perspective view of an insole that forms a peripheral wall on a toe.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Last size last shoe 2 Insole which has a capacity difference with last upper shoe last, and forms a peripheral wall in a toe part 3 Insole of specified size 4 Upper 5 of the upper size inside Bottom 6 Outsole 7 Side mold 8 Bottom mold 9 Mold injection port 10 Perimeter wall of toe 11 Base part of insole forming perimeter wall at toe
