JP2004279822A - 照明光学系の設計方法及びプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】単板プロジェクタにおける光学パラメータを短時間で決定することのできる簡易な照明光学系の設計方法を提供する。
【解決手段】複数の色光を含むテレセントリック照明光を単一の電気光学変調装置で変調して投写レンズにより投写面に投写する単板プロジェクタに用いるための照明光学系の設計方法において、
前記電気光学変調装置における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを決定する第1の工程と、
所定の式を用いて、前記テレセントリック照明光の従属照明角度β、レンチキュラーレンズの焦点距離f、及び色分離光学系における色光分離角度γを決定する工程とを含む第2の工程と、をこの順序で含むことを特徴とする照明光学系の設計方法。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の色光を含むテレセントリック照明光を単一の電気光学変調装置で変調して投写レンズにより投写面に投写する単板プロジェクタに用いるための照明光学系の設計方法において、
前記電気光学変調装置における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを決定する第1の工程と、
所定の式を用いて、前記テレセントリック照明光の従属照明角度β、レンチキュラーレンズの焦点距離f、及び色分離光学系における色光分離角度γを決定する工程とを含む第2の工程と、をこの順序で含むことを特徴とする照明光学系の設計方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は照明光学系の設計方法及びこの照明光学系の設計方法によって設計された照明光学系を備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
小型・軽量・低価格の特徴をもつ単板プロジェクタにおいても、光利用効率を高めてさらに明るいプロジェクタとしたいというニーズがある。
図6は、そのようなニーズを満たす従来の単板プロジェクタの光学系を示す図である。図7は、この従来の単板プロジェクタにおける電気光学変調装置への光入射を説明するための図である(例えば、特許文献1参照。)。図6に示されるように、符号80で示すプロジェクタは、白色光源82と、この白色光源82からの光を複数の色光に分離してそれぞれ異なる方向に反射する色分離光学系84と、この色分離光学系84で分離された各色光を画像信号に応じて変調し光学像を形成する単一の電気光学変調装置88と、この電気光学変調装置88により変調された光をスクリーンSCR上に拡大表示する投写光学系90とを備えている。
【0003】
このプロジェクタ80においては、白色光源82からの光は色分離光学系84を構成するダイクロイックミラー84R,84G,84BによりR,G,Bの色光に分離される。そして、これら分離された各色光は、図7に示されるように、互いに異なる方位からレンチキュラーレンズアレイ92を介して電気光学変調装置88の各画素89R,89G,89Bに導かれる。そして、R,G,Bの各色光は電気光学変調装置88で変調され、投写光学系90(図6)等を介してカラー画像としてスクリーンSCR上に拡大表示される。
【0004】
図8は、上記したニーズを満たすために提案された従来の別の単板プロジェクタの平面図である。図9は、この従来の別の単板プロジェクタにおける電気光学変調装置への光入射を説明する図である(例えば、特許文献2参照)。図8に示されるように、符号100で示すプロジェクタは、図6に示されるプロジェクタ80と同様に、白色光源82と、この白色光源82からの光を複数の色光に分離してそれぞれ異なる方向に反射する色分離光学系84と、この色分離光学系84で分離された各色光を画像信号に応じて変調し光学像を形成する単一の電気光学変調装置88と、この電気光学変調装置88により変調された光をスクリーンSCR上に拡大表示する投写光学系90とを備えている。白色光源82と色分離光学系84との間には、インテグレータ光学系102及び偏光変換光学系104が設けられている。
【0005】
このプロジェクタ100においては、白色光源82からの光はインテグレータ光学系102及び偏光変換光学系104を経て色分離光学系84に入射した後、この色分離光学系84を構成するダイクロイックミラー84R,84G,84BによりR,G,Bの各色光に分離される。そして、これら分離された各色光は、図9に示されるように、互いに異なる方位からレンチキュラーレンズアレイ92を介して電気光学変調装置88の各画素89R,89G,89Bに導かれる。そして、R,G,Bの各色光は電気光学変調装置88で変調され、投写光学系90(図9)等を介してカラー画像としてスクリーンSCR上に拡大表示される。
【0006】
ところで、これらのプロジェクタの照明光学系を設計するにあたっては、色分離光学系における色光分離角度、レンチキュラーレンズアレイを構成する各レンチキュラーレンズの焦点距離、電気光学変調装置を照明するテレセントリック照明光の従属照明角度などの光学パラメータを決定する必要がある。そして、これらの光学パラメータの決定は、各色光(赤色光、緑色光、青色光)が混色を起こさずに電気光学変調装置の所定対応画素に正確に、かつ、所定角度より深い角度で照明されるように、光線追跡シミュレーションをすることにより行なっている。
【0007】
しかしながら、この光線追跡シミュレーションは、設計者が、経験と勘を頼りに、光線追跡シミュレーション装置に各種光学パラメータを入力してシミュレーションを行い、そのシミュレーション結果を評価することにより行っている。このため、各光学パラメータを変更するたび、数万本もの光線について追跡計算を行う必要があるため、最適な光学パラメータを得るのにかなりの時間がかかってしまうという問題点があった。
また、これらの各光学パラメータは互いに依存する関係にあるため、いずれかの各光学パラメータを変更したときには他の光学パラメータの最適値も変わってしまうため、よけい時間がかかってしまうという問題点があった。
また、照明光学系の基本構成を変更する際には、設計者の経験と勘は必ずしも頼りにならず、最適な光学パラメータを得るのにさらに時間がかかってしまうという問題点があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−60538号公報(図1〜図2)
【特許文献2】
特開2001−305484号公報(図1〜図9)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記した単板プロジェクタにおける光学パラメータを短時間で決定することのできる簡易な照明光学系の設計方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような優れた照明光学系の設計方法によって設計された照明光学系を備えた単板のプロジェクタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力した結果、近軸条件式を用いて各光学パラメータを決定することにより上記問題点を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
(1)本発明の照明光学系の設計方法は、複数の色光を含むテレセントリック照明光を単一の電気光学変調装置で変調して投写レンズにより投写面に投写する単板プロジェクタに用いるための照明光学系であって、白色光源と、この白色光源からの光を複数の色光に分離しこれらの各色光をそれぞれ異なる方位に反射する色分離光学系と、この色分離光学系からの各色光を前記電気光学変調装置の対応画素に導くためのレンチキュラーレンズが配列されたレンチキュラーレンズアレイとを備えた照明光学系の設計方法において、
前記電気光学変調装置における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを決定する第1の工程と、
前記テレセントリック照明光の従属照明角度βを下記の式(1)の条件を満たすように決定する工程と、前記レンチキュラーレンズの焦点距離fを下記の式(2)の条件を満たすように決定する工程と、前記色分離光学系における色光分離角度γ下記の式(3)の条件を満たすように決定する工程とを含む第2の工程と、をこの順序で含むことを特徴とする。
【0012】
β = α/3 ・・・ (1)
f = d/(2・tanβ) ・・・ (2)
γ = 2・β ・・・ (3)
【0013】
このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、前記電気光学変調装置における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを前提条件として決定した後は、照明光学系の設計に必要な各種光学パラメータが自動的に算出される。そして、この自動的に算出された各種光学パラメータを、上記した光線追跡シミュレーション装置に入力してシミュレーションを行うことにより、これらの各種光学パラメータが最適なものであるかどうかを検証することができる。従って、最適な光学パラメータを極めて短時間で得ることができる。また、設計者の経験と勘に過度に頼ることもない。このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、照明光学系を構成するのに必要な各種光学パラメータを得るのにかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0014】
(2)本発明の照明光学系の設計方法においては、この照明光学系の設計方法によって各種光学パラメータを決定する工程と、これらの各種光学パラメータの少なくとも一の光学パラメータを修正する工程と、をこの順序で含むものとすることができる。
【0015】
このような方法とすることにより、近軸条件式を用いて決定された各種光学パラメータを用いて光学シミュレーションを行い、その結果に基づいて各種光学パラメータを適宜修正することができるので、さらに最適化された照明光学系を設計することができる。また、何らかの理由(例えば、光学レイアウト上の制約)により各種光学パラメータの一部を変更せざるを得ない場合にも、その制約の範囲内で各種光学パラメータを適宜修正することができるので、さらに実用的な照明光学系を設計することができる。
【0016】
(3)本発明のプロジェクタは、上記(1)又は(2)に記載の照明光学系の設計方法によって設計された照明光学系と、この照明光学系からの照明光を変調するための単一の電気光学変調装置と、この電気光学変調装置により変調された画像光を投写するための投写レンズと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
このため、本発明のプロジェクタは、照明光学系の設計にかかる時間と費用を削減できるため、短納期化及び低コスト化が容易なプロジェクタとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
図1に示されるように、プロジェクタ2は、照明光学系4、電気光学変調装置としての液晶パネル6及び投写光学系8(投写レンズ)によって大略構成されている。
【0020】
照明装置4は、白色光源10、インテグレータ光学系12、偏光変換光学系14、色分離光学系16及びレンチキュラーレンズアレイ18を備えている。
白色光源10は、光源ランプ10A及びリフレクタ10Bを有している。光源ランプ10Aには例えば高圧水銀ランプが用いられている。リフレクタ10Bには、光源ランプ10Aからのランプ光(白色光)を平行化する放物面鏡が用いられている。このリフレクタ10Bの焦点近傍には光源ランプ10Aが配置されている。なお、リフレクタ10Bとしては、放物面鏡の代わりに楕円面鏡を用いることもできる。
インテグレータ光学系12は、白色光源10から入射した光を界面12a1で全反射させて照明対象側に射出する導光ロッド12Aと、この導光ロッド12Aからの射出光を照明対象側に導く伝達レンズ12Bとを有しており、小型の光学系を構成できるという特徴がある。
【0021】
導光ロッド12Aは、入射側端面と射出側端面との寸法が同一の例えばガラス材料からなる角柱状の中実ロッドによって形成されている。この導光ロッド12Aには、白色光源10からの射出光を全反射させる界面12a1が形成されている。そして、白色光源10から入射した不均一の強度分布をもつ光を、界面12a1において全反射を繰り返すことにより均一な強度分布をもつ光に変換し、射出側端面から射出するように構成されている。
伝達レンズ12Bは、導光ロッド12Aの射出側に配されている。そして、導光ロッド12Aからの光を照明対象側に導くように構成されている。
【0022】
偏光変換光学系14は、図1に示されるように、入射側レンズ14A、偏光変換ユニットアレイ14B、λ/2板及び重畳レンス14Cを有し、伝達レンズ12Bと色分離光学系16との間に配置されている。そして、伝達レンズ12Bを透過した白色光源10からの射出光をP偏光光とS偏光光とに空間的に分離した後、一方の偏光光の偏光方向と他方の偏光光の偏光方向とを揃え、偏光方向が略揃ったそれぞれの光を照明領域(液晶パネル6)側に導くように構成されている。これにより、液晶パネル6における光利用効率を高めて明るい表示状態が達成される。
【0023】
以上の構成により、照明光学系4から射出された光が液晶パネル6に入射して変調され、この変調光が投写光学系8によってスクリーン(図示せず)上に拡大表示される。
【0024】
図2は、本発明の実施形態1に係るプロジェクタの色分離光学系16の平面図である。図3は、本発明の実施形態1に係るプロジェクタにおけるレンチキュラーレンズと画素との関係を示す図である。
図2及び図3に示されるように、このプロジェクタにおける照明光学系4は、複数(赤、緑及び青)の色光を含むテレセントリック照明光を単一の電気光学変調装置(液晶パネル6)で変調して投写レンズ8により投写面に投写する単板プロジェクタに用いるための照明光学系である。そして、白色光源10と、この白色光源からの光を複数(赤、緑及び青)の色光に分離しこれらの各色光をそれぞれ異なる方位に反射する色分離光学系16と、この色分離光学系からの各色光を液晶パネル6の対応画素(PR,PG,PB)に導くためのレンチキュラーレンズ18aが配列されたレンチキュラーレンズアレイ18とを備えた照明光学系である。
【0025】
図4は、本発明の照明光学系の設計方法を説明するための図である。本発明の実施形態1に係る照明光学系4の設計方法を実施するにあたっては、図4(a)を参照して、まず、液晶パネル6における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを前提条件として決定しておく。
次に、図4(a)〜(c)を参照して、近軸条件式である下記の式(1)〜(3)の条件を満たすように、テレセントリック照明光の従属照明角度β、レンチキュラーレンズ18の焦点距離f、及び色分離光学系16における色光分離角度γ(図2の色光分離光学系16における各ダイクロイックミラー16R,G,Bのなす角度に等しい)を決定する。
【0026】
β = α/3 ・・・ (1)
f = d/(2・tanβ) ・・・ (2)
γ = 2・β ・・・ (3)
【0027】
このため、実施形態1に係る照明光学系の設計方法によれば、電気光学変調装置(液晶パネル6)における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素(PR,PG,PB)に対する照明角度αとを前提条件として決定した後は、照明光学系4の設計に必要な各種光学パラメータ(テレセントリック照明光の従属照明角度β、レンチキュラーレンズ18の焦点距離f、及び色分離光学系16における色光分離角度γ)が自動的に算出される。そして、この自動的に算出された各種光学パラメータを、上記した光線追跡シミュレーション装置に入力してシミュレーションを行うことにより、これらの各種光学パラメータが最適なものであるかどうかを検証することができる。従って、最適な光学パラメータを極めて短時間で得ることができる。また、設計者の経験と勘に過度に頼ることもない。このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、照明光学系を構成するのに必要な各種光学パラメータを得るのにかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0028】
なお、上記した式(1)〜式(3)の導入は以下のようにして行った。
式(1)は、テレセントリック照明光の従属照明角度βを決定する式である。図4(a)から、「tanα=(3d/2)/f」なる関係式が得られ、図4(b)から、「tanβ=(d/2)/f」なる関係式が得られる。従って、これらの式より、「tanβ=(tanα)/3」なる関係式が得られるが、この関係式に、近軸条件のもとで成り立つ「tanβ=β」及び「tanα=α」なる式を代入することにより、上記した式(1)が得られる。
【0029】
式(2)は、前記レンチキュラーレンズの焦点距離fを決定する式である。上記したように、図4(b)から、「tanβ=(d/2)/f」なる関係式が得られるから、これを変形すると、上記した式(2)が得られる。
【0030】
式(3)は、色分離光学系における色光分離角度γを決定する式である。図4(c)から、赤の主光線と緑の主光線とがなす角+γ(及び青の主光線と緑の主光線とがなす角−γ)に関して、「tanγ=d/f」なる関係式が得られる。また、図4(b)から、「tanβ=(tanα)/3」なる関係式が得られる。従って、これらの関係式より、「tanβ=(tanγ)/2」なる関係式が得られるが、この関係式に、近軸条件のもとで成り立つ「tanβ=β」及び「tanγ=γ」なる式を代入することにより、上記した式(3)が得られる。
【0031】
なお、本実施形態においては、導光ロッド72Aを中実ロッドによって形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、内側面を鏡面とする筒体からなる中空ロッドによって形成しても本実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態においては、導光ロッド72Aが入射側端面と射出側端面との寸法を同一とする角柱状ロッドによって形成される場合について説明したが、入射側端面と射出側端面との寸法を相似的に異なる所謂テーパロッドによって導光ロッドを形成してもよい。これにより、光源光による集光像の形成位置が制御される。
【0032】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
実施形態2に係るプロジェクタ2aは、実施形態1に係るプロジェクタ2とほぼ同じ構成を有している。実施形態2に係るプロジェクタ2aが実施形態1に係るプロジェクタ10Bと異なるのは、インテグレータ光学系の構成である。すなわち、実施形態1に係るプロジェクタ2が導光ロッド12からなるインテグレータ光学系を有しているに対して、実施形態2に係るプロジェクタ2aは2枚のレンズアレイからなるインテグレータ光学系を有している。
【0033】
このように、インテグレータ光学系の構成において、実施形態2に係るプロジェクタ2aが実施形態1に係るプロジェクタ2とは異なっているが、実施形態2に係るプロジェクタの照明光学系4aを設計するにあたっても、実施形態1の場合と同様の設計方法を用いることができ、同様の効果が得られる。
すなわち、電気光学変調装置(液晶パネル6)における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素(PR,PG,PB)に対する照明角度αとを前提条件として決定した後は、照明光学系4の設計に必要な各種光学パラメータ(テレセントリック照明光の従属照明角度β、レンチキュラーレンズ18の焦点距離f、及び色分離光学系16における色光分離角度γ)が自動的に算出される。そして、この自動的に算出された各種光学パラメータを、上記した光線追跡シミュレーション装置に入力してシミュレーションを行うことにより、これらの各種光学パラメータが最適なものであるかどうかを検証することができる。従って、最適な光学パラメータを極めて短時間で得ることができる。また、設計者の経験と勘に過度に頼ることもない。このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、照明光学系を構成するのに必要な各種光学パラメータを得るのにかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0034】
なお、上記した各実施形態に係る照明光学系の設計方法においては、各実施形態の方法によって各種光学パラメータを決定した後に、得られた各種光学パラメータの少なくとも一の光学パラメータを修正することもできる。
このような方法とすることにより、上記の方法を用いて決定された各種光学パラメータを用いて光学シミュレーションを行い、その結果に基づいて各種光学パラメータを適宜修正することができるので、さらに最適化された照明光学系を設計することができる。また、何らかの理由(例えば、光学レイアウト上の制約)により各種光学パラメータの一部を変更せざるを得ない場合にも、その制約の範囲内で各種光学パラメータを適宜修正することができるので、さらに実用的な照明光学系を設計することができる。
【0035】
以上説明したように、本発明の照明光学系の設計方法によれば、前記電気光学変調装置における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを前提条件として決定した後は、照明光学系の設計に必要な各種光学パラメータが自動的に算出される。そして、この自動的に算出された各種光学パラメータを、上記した光線追跡シミュレーション装置に入力してシミュレーションを行うことにより、これらの各種光学パラメータが最適なものであるかどうかを検証することができる。従って、最適な光学パラメータを極めて短時間で得ることができる。また、設計者の経験と勘に過度に頼ることもない。このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、照明光学系を構成するのに必要な各種光学パラメータを得るのにかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0036】
また、本発明のプロジェクタは、照明光学系の設計にかかる時間と費用を削減できるため、低コスト化、短納期化が容易な単板プロジェクタとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るプロジェクタの色分離光学系の平面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るプロジェクタのレンチキュラーレンズアレイと画素との関係を示す図である。
【図4】本発明の照明光学系の設計方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態2に係るプロジェクタの照明光学系の要部を示す図である。
【図6】従来の単板プロジェクタの光学系を示す図である。
【図7】従来の単板プロジェクタにおける電気光学変調装置への光入射を説明するための図である。
【図8】従来の別の単板プロジェクタの光学系を示す図である。
【図9】従来の別の単板プロジェクタにおける電気光学変調装置への光入射を説明するための図である。
【符号の説明】
2,2a プロジェクタ、4,4a 照明光学系、6 液晶パネル、8 投写光学系、10 白色光源、10A 光源ランプ、10B リフレクタ、12 インテグレータ光学系、12A 導光ロッド、12B 伝達レンズ、14 偏光変換光学系、16 色分離光学系、16R,16G,16B ダイクロイックミラー、18 レンチキュラーレンズアレイ、18a レンチキュラーレンズ、72 インテグレータ光学系、72A 第1のレンズアレイ、72B 第2のレンズアレイ、74 偏光変換素子、76 λ/2板、78 重畳レンズ
【発明が属する技術分野】
本発明は照明光学系の設計方法及びこの照明光学系の設計方法によって設計された照明光学系を備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
小型・軽量・低価格の特徴をもつ単板プロジェクタにおいても、光利用効率を高めてさらに明るいプロジェクタとしたいというニーズがある。
図6は、そのようなニーズを満たす従来の単板プロジェクタの光学系を示す図である。図7は、この従来の単板プロジェクタにおける電気光学変調装置への光入射を説明するための図である(例えば、特許文献1参照。)。図6に示されるように、符号80で示すプロジェクタは、白色光源82と、この白色光源82からの光を複数の色光に分離してそれぞれ異なる方向に反射する色分離光学系84と、この色分離光学系84で分離された各色光を画像信号に応じて変調し光学像を形成する単一の電気光学変調装置88と、この電気光学変調装置88により変調された光をスクリーンSCR上に拡大表示する投写光学系90とを備えている。
【0003】
このプロジェクタ80においては、白色光源82からの光は色分離光学系84を構成するダイクロイックミラー84R,84G,84BによりR,G,Bの色光に分離される。そして、これら分離された各色光は、図7に示されるように、互いに異なる方位からレンチキュラーレンズアレイ92を介して電気光学変調装置88の各画素89R,89G,89Bに導かれる。そして、R,G,Bの各色光は電気光学変調装置88で変調され、投写光学系90(図6)等を介してカラー画像としてスクリーンSCR上に拡大表示される。
【0004】
図8は、上記したニーズを満たすために提案された従来の別の単板プロジェクタの平面図である。図9は、この従来の別の単板プロジェクタにおける電気光学変調装置への光入射を説明する図である(例えば、特許文献2参照)。図8に示されるように、符号100で示すプロジェクタは、図6に示されるプロジェクタ80と同様に、白色光源82と、この白色光源82からの光を複数の色光に分離してそれぞれ異なる方向に反射する色分離光学系84と、この色分離光学系84で分離された各色光を画像信号に応じて変調し光学像を形成する単一の電気光学変調装置88と、この電気光学変調装置88により変調された光をスクリーンSCR上に拡大表示する投写光学系90とを備えている。白色光源82と色分離光学系84との間には、インテグレータ光学系102及び偏光変換光学系104が設けられている。
【0005】
このプロジェクタ100においては、白色光源82からの光はインテグレータ光学系102及び偏光変換光学系104を経て色分離光学系84に入射した後、この色分離光学系84を構成するダイクロイックミラー84R,84G,84BによりR,G,Bの各色光に分離される。そして、これら分離された各色光は、図9に示されるように、互いに異なる方位からレンチキュラーレンズアレイ92を介して電気光学変調装置88の各画素89R,89G,89Bに導かれる。そして、R,G,Bの各色光は電気光学変調装置88で変調され、投写光学系90(図9)等を介してカラー画像としてスクリーンSCR上に拡大表示される。
【0006】
ところで、これらのプロジェクタの照明光学系を設計するにあたっては、色分離光学系における色光分離角度、レンチキュラーレンズアレイを構成する各レンチキュラーレンズの焦点距離、電気光学変調装置を照明するテレセントリック照明光の従属照明角度などの光学パラメータを決定する必要がある。そして、これらの光学パラメータの決定は、各色光(赤色光、緑色光、青色光)が混色を起こさずに電気光学変調装置の所定対応画素に正確に、かつ、所定角度より深い角度で照明されるように、光線追跡シミュレーションをすることにより行なっている。
【0007】
しかしながら、この光線追跡シミュレーションは、設計者が、経験と勘を頼りに、光線追跡シミュレーション装置に各種光学パラメータを入力してシミュレーションを行い、そのシミュレーション結果を評価することにより行っている。このため、各光学パラメータを変更するたび、数万本もの光線について追跡計算を行う必要があるため、最適な光学パラメータを得るのにかなりの時間がかかってしまうという問題点があった。
また、これらの各光学パラメータは互いに依存する関係にあるため、いずれかの各光学パラメータを変更したときには他の光学パラメータの最適値も変わってしまうため、よけい時間がかかってしまうという問題点があった。
また、照明光学系の基本構成を変更する際には、設計者の経験と勘は必ずしも頼りにならず、最適な光学パラメータを得るのにさらに時間がかかってしまうという問題点があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平4−60538号公報(図1〜図2)
【特許文献2】
特開2001−305484号公報(図1〜図9)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記した単板プロジェクタにおける光学パラメータを短時間で決定することのできる簡易な照明光学系の設計方法を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような優れた照明光学系の設計方法によって設計された照明光学系を備えた単板のプロジェクタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力した結果、近軸条件式を用いて各光学パラメータを決定することにより上記問題点を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
(1)本発明の照明光学系の設計方法は、複数の色光を含むテレセントリック照明光を単一の電気光学変調装置で変調して投写レンズにより投写面に投写する単板プロジェクタに用いるための照明光学系であって、白色光源と、この白色光源からの光を複数の色光に分離しこれらの各色光をそれぞれ異なる方位に反射する色分離光学系と、この色分離光学系からの各色光を前記電気光学変調装置の対応画素に導くためのレンチキュラーレンズが配列されたレンチキュラーレンズアレイとを備えた照明光学系の設計方法において、
前記電気光学変調装置における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを決定する第1の工程と、
前記テレセントリック照明光の従属照明角度βを下記の式(1)の条件を満たすように決定する工程と、前記レンチキュラーレンズの焦点距離fを下記の式(2)の条件を満たすように決定する工程と、前記色分離光学系における色光分離角度γ下記の式(3)の条件を満たすように決定する工程とを含む第2の工程と、をこの順序で含むことを特徴とする。
【0012】
β = α/3 ・・・ (1)
f = d/(2・tanβ) ・・・ (2)
γ = 2・β ・・・ (3)
【0013】
このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、前記電気光学変調装置における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを前提条件として決定した後は、照明光学系の設計に必要な各種光学パラメータが自動的に算出される。そして、この自動的に算出された各種光学パラメータを、上記した光線追跡シミュレーション装置に入力してシミュレーションを行うことにより、これらの各種光学パラメータが最適なものであるかどうかを検証することができる。従って、最適な光学パラメータを極めて短時間で得ることができる。また、設計者の経験と勘に過度に頼ることもない。このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、照明光学系を構成するのに必要な各種光学パラメータを得るのにかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0014】
(2)本発明の照明光学系の設計方法においては、この照明光学系の設計方法によって各種光学パラメータを決定する工程と、これらの各種光学パラメータの少なくとも一の光学パラメータを修正する工程と、をこの順序で含むものとすることができる。
【0015】
このような方法とすることにより、近軸条件式を用いて決定された各種光学パラメータを用いて光学シミュレーションを行い、その結果に基づいて各種光学パラメータを適宜修正することができるので、さらに最適化された照明光学系を設計することができる。また、何らかの理由(例えば、光学レイアウト上の制約)により各種光学パラメータの一部を変更せざるを得ない場合にも、その制約の範囲内で各種光学パラメータを適宜修正することができるので、さらに実用的な照明光学系を設計することができる。
【0016】
(3)本発明のプロジェクタは、上記(1)又は(2)に記載の照明光学系の設計方法によって設計された照明光学系と、この照明光学系からの照明光を変調するための単一の電気光学変調装置と、この電気光学変調装置により変調された画像光を投写するための投写レンズと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
このため、本発明のプロジェクタは、照明光学系の設計にかかる時間と費用を削減できるため、短納期化及び低コスト化が容易なプロジェクタとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
図1に示されるように、プロジェクタ2は、照明光学系4、電気光学変調装置としての液晶パネル6及び投写光学系8(投写レンズ)によって大略構成されている。
【0020】
照明装置4は、白色光源10、インテグレータ光学系12、偏光変換光学系14、色分離光学系16及びレンチキュラーレンズアレイ18を備えている。
白色光源10は、光源ランプ10A及びリフレクタ10Bを有している。光源ランプ10Aには例えば高圧水銀ランプが用いられている。リフレクタ10Bには、光源ランプ10Aからのランプ光(白色光)を平行化する放物面鏡が用いられている。このリフレクタ10Bの焦点近傍には光源ランプ10Aが配置されている。なお、リフレクタ10Bとしては、放物面鏡の代わりに楕円面鏡を用いることもできる。
インテグレータ光学系12は、白色光源10から入射した光を界面12a1で全反射させて照明対象側に射出する導光ロッド12Aと、この導光ロッド12Aからの射出光を照明対象側に導く伝達レンズ12Bとを有しており、小型の光学系を構成できるという特徴がある。
【0021】
導光ロッド12Aは、入射側端面と射出側端面との寸法が同一の例えばガラス材料からなる角柱状の中実ロッドによって形成されている。この導光ロッド12Aには、白色光源10からの射出光を全反射させる界面12a1が形成されている。そして、白色光源10から入射した不均一の強度分布をもつ光を、界面12a1において全反射を繰り返すことにより均一な強度分布をもつ光に変換し、射出側端面から射出するように構成されている。
伝達レンズ12Bは、導光ロッド12Aの射出側に配されている。そして、導光ロッド12Aからの光を照明対象側に導くように構成されている。
【0022】
偏光変換光学系14は、図1に示されるように、入射側レンズ14A、偏光変換ユニットアレイ14B、λ/2板及び重畳レンス14Cを有し、伝達レンズ12Bと色分離光学系16との間に配置されている。そして、伝達レンズ12Bを透過した白色光源10からの射出光をP偏光光とS偏光光とに空間的に分離した後、一方の偏光光の偏光方向と他方の偏光光の偏光方向とを揃え、偏光方向が略揃ったそれぞれの光を照明領域(液晶パネル6)側に導くように構成されている。これにより、液晶パネル6における光利用効率を高めて明るい表示状態が達成される。
【0023】
以上の構成により、照明光学系4から射出された光が液晶パネル6に入射して変調され、この変調光が投写光学系8によってスクリーン(図示せず)上に拡大表示される。
【0024】
図2は、本発明の実施形態1に係るプロジェクタの色分離光学系16の平面図である。図3は、本発明の実施形態1に係るプロジェクタにおけるレンチキュラーレンズと画素との関係を示す図である。
図2及び図3に示されるように、このプロジェクタにおける照明光学系4は、複数(赤、緑及び青)の色光を含むテレセントリック照明光を単一の電気光学変調装置(液晶パネル6)で変調して投写レンズ8により投写面に投写する単板プロジェクタに用いるための照明光学系である。そして、白色光源10と、この白色光源からの光を複数(赤、緑及び青)の色光に分離しこれらの各色光をそれぞれ異なる方位に反射する色分離光学系16と、この色分離光学系からの各色光を液晶パネル6の対応画素(PR,PG,PB)に導くためのレンチキュラーレンズ18aが配列されたレンチキュラーレンズアレイ18とを備えた照明光学系である。
【0025】
図4は、本発明の照明光学系の設計方法を説明するための図である。本発明の実施形態1に係る照明光学系4の設計方法を実施するにあたっては、図4(a)を参照して、まず、液晶パネル6における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを前提条件として決定しておく。
次に、図4(a)〜(c)を参照して、近軸条件式である下記の式(1)〜(3)の条件を満たすように、テレセントリック照明光の従属照明角度β、レンチキュラーレンズ18の焦点距離f、及び色分離光学系16における色光分離角度γ(図2の色光分離光学系16における各ダイクロイックミラー16R,G,Bのなす角度に等しい)を決定する。
【0026】
β = α/3 ・・・ (1)
f = d/(2・tanβ) ・・・ (2)
γ = 2・β ・・・ (3)
【0027】
このため、実施形態1に係る照明光学系の設計方法によれば、電気光学変調装置(液晶パネル6)における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素(PR,PG,PB)に対する照明角度αとを前提条件として決定した後は、照明光学系4の設計に必要な各種光学パラメータ(テレセントリック照明光の従属照明角度β、レンチキュラーレンズ18の焦点距離f、及び色分離光学系16における色光分離角度γ)が自動的に算出される。そして、この自動的に算出された各種光学パラメータを、上記した光線追跡シミュレーション装置に入力してシミュレーションを行うことにより、これらの各種光学パラメータが最適なものであるかどうかを検証することができる。従って、最適な光学パラメータを極めて短時間で得ることができる。また、設計者の経験と勘に過度に頼ることもない。このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、照明光学系を構成するのに必要な各種光学パラメータを得るのにかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0028】
なお、上記した式(1)〜式(3)の導入は以下のようにして行った。
式(1)は、テレセントリック照明光の従属照明角度βを決定する式である。図4(a)から、「tanα=(3d/2)/f」なる関係式が得られ、図4(b)から、「tanβ=(d/2)/f」なる関係式が得られる。従って、これらの式より、「tanβ=(tanα)/3」なる関係式が得られるが、この関係式に、近軸条件のもとで成り立つ「tanβ=β」及び「tanα=α」なる式を代入することにより、上記した式(1)が得られる。
【0029】
式(2)は、前記レンチキュラーレンズの焦点距離fを決定する式である。上記したように、図4(b)から、「tanβ=(d/2)/f」なる関係式が得られるから、これを変形すると、上記した式(2)が得られる。
【0030】
式(3)は、色分離光学系における色光分離角度γを決定する式である。図4(c)から、赤の主光線と緑の主光線とがなす角+γ(及び青の主光線と緑の主光線とがなす角−γ)に関して、「tanγ=d/f」なる関係式が得られる。また、図4(b)から、「tanβ=(tanα)/3」なる関係式が得られる。従って、これらの関係式より、「tanβ=(tanγ)/2」なる関係式が得られるが、この関係式に、近軸条件のもとで成り立つ「tanβ=β」及び「tanγ=γ」なる式を代入することにより、上記した式(3)が得られる。
【0031】
なお、本実施形態においては、導光ロッド72Aを中実ロッドによって形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、内側面を鏡面とする筒体からなる中空ロッドによって形成しても本実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態においては、導光ロッド72Aが入射側端面と射出側端面との寸法を同一とする角柱状ロッドによって形成される場合について説明したが、入射側端面と射出側端面との寸法を相似的に異なる所謂テーパロッドによって導光ロッドを形成してもよい。これにより、光源光による集光像の形成位置が制御される。
【0032】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
実施形態2に係るプロジェクタ2aは、実施形態1に係るプロジェクタ2とほぼ同じ構成を有している。実施形態2に係るプロジェクタ2aが実施形態1に係るプロジェクタ10Bと異なるのは、インテグレータ光学系の構成である。すなわち、実施形態1に係るプロジェクタ2が導光ロッド12からなるインテグレータ光学系を有しているに対して、実施形態2に係るプロジェクタ2aは2枚のレンズアレイからなるインテグレータ光学系を有している。
【0033】
このように、インテグレータ光学系の構成において、実施形態2に係るプロジェクタ2aが実施形態1に係るプロジェクタ2とは異なっているが、実施形態2に係るプロジェクタの照明光学系4aを設計するにあたっても、実施形態1の場合と同様の設計方法を用いることができ、同様の効果が得られる。
すなわち、電気光学変調装置(液晶パネル6)における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素(PR,PG,PB)に対する照明角度αとを前提条件として決定した後は、照明光学系4の設計に必要な各種光学パラメータ(テレセントリック照明光の従属照明角度β、レンチキュラーレンズ18の焦点距離f、及び色分離光学系16における色光分離角度γ)が自動的に算出される。そして、この自動的に算出された各種光学パラメータを、上記した光線追跡シミュレーション装置に入力してシミュレーションを行うことにより、これらの各種光学パラメータが最適なものであるかどうかを検証することができる。従って、最適な光学パラメータを極めて短時間で得ることができる。また、設計者の経験と勘に過度に頼ることもない。このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、照明光学系を構成するのに必要な各種光学パラメータを得るのにかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0034】
なお、上記した各実施形態に係る照明光学系の設計方法においては、各実施形態の方法によって各種光学パラメータを決定した後に、得られた各種光学パラメータの少なくとも一の光学パラメータを修正することもできる。
このような方法とすることにより、上記の方法を用いて決定された各種光学パラメータを用いて光学シミュレーションを行い、その結果に基づいて各種光学パラメータを適宜修正することができるので、さらに最適化された照明光学系を設計することができる。また、何らかの理由(例えば、光学レイアウト上の制約)により各種光学パラメータの一部を変更せざるを得ない場合にも、その制約の範囲内で各種光学パラメータを適宜修正することができるので、さらに実用的な照明光学系を設計することができる。
【0035】
以上説明したように、本発明の照明光学系の設計方法によれば、前記電気光学変調装置における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを前提条件として決定した後は、照明光学系の設計に必要な各種光学パラメータが自動的に算出される。そして、この自動的に算出された各種光学パラメータを、上記した光線追跡シミュレーション装置に入力してシミュレーションを行うことにより、これらの各種光学パラメータが最適なものであるかどうかを検証することができる。従って、最適な光学パラメータを極めて短時間で得ることができる。また、設計者の経験と勘に過度に頼ることもない。このため、本発明の照明光学系の設計方法によれば、照明光学系を構成するのに必要な各種光学パラメータを得るのにかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0036】
また、本発明のプロジェクタは、照明光学系の設計にかかる時間と費用を削減できるため、低コスト化、短納期化が容易な単板プロジェクタとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るプロジェクタの光学系を示す図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るプロジェクタの色分離光学系の平面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るプロジェクタのレンチキュラーレンズアレイと画素との関係を示す図である。
【図4】本発明の照明光学系の設計方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態2に係るプロジェクタの照明光学系の要部を示す図である。
【図6】従来の単板プロジェクタの光学系を示す図である。
【図7】従来の単板プロジェクタにおける電気光学変調装置への光入射を説明するための図である。
【図8】従来の別の単板プロジェクタの光学系を示す図である。
【図9】従来の別の単板プロジェクタにおける電気光学変調装置への光入射を説明するための図である。
【符号の説明】
2,2a プロジェクタ、4,4a 照明光学系、6 液晶パネル、8 投写光学系、10 白色光源、10A 光源ランプ、10B リフレクタ、12 インテグレータ光学系、12A 導光ロッド、12B 伝達レンズ、14 偏光変換光学系、16 色分離光学系、16R,16G,16B ダイクロイックミラー、18 レンチキュラーレンズアレイ、18a レンチキュラーレンズ、72 インテグレータ光学系、72A 第1のレンズアレイ、72B 第2のレンズアレイ、74 偏光変換素子、76 λ/2板、78 重畳レンズ
Claims (3)
- 複数の色光を含むテレセントリック照明光を単一の電気光学変調装置で変調して投写レンズにより投写面に投写する単板プロジェクタに用いるための照明光学系であって、白色光源と、この白色光源からの光を複数の色光に分離しこれらの各色光をそれぞれ異なる方位に反射する色分離光学系と、この色分離光学系からの各色光を前記電気光学変調装置の対応画素に導くためのレンチキュラーレンズが配列されたレンチキュラーレンズアレイとを備えた照明光学系の設計方法において、
前記電気光学変調装置における色分離方向に沿った画素配列ピッチdと、画素に対する照明角度αとを決定する第1の工程と、
前記テレセントリック照明光の従属照明角度βを下記の式(1)の条件を満たすように決定する工程と、前記レンチキュラーレンズの焦点距離fを下記の式(2)の条件を満たすように決定する工程と、前記色分離光学系における色光分離角度γ下記の式(3)の条件を満たすように決定する工程とを含む第2の工程と、をこの順序で含むことを特徴とする照明光学系の設計方法。
β = α/3 ・・・ (1)
f = d/(2・tanβ) ・・・ (2)
γ = 2・β ・・・ (3) - 請求項1に記載の照明光学系の設計方法において、この照明光学系の設計方法によって各種光学パラメータを決定する工程と、これらの各種光学パラメータの少なくとも一の光学パラメータを修正する工程と、をこの順序で含むことを特徴とする照明光学系の設計方法。
- 請求項1又は2のいずれかに記載の照明光学系の設計方法によって設計された照明光学系と、この照明光学系からの照明光を変調するための単一の電気光学変調装置と、この電気光学変調装置により変調された画像光を投写するための投写レンズと、を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
Priority Applications (1)
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JP2003072368A JP2004279822A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | 照明光学系の設計方法及びプロジェクタ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006046654A1 (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-04 | Sharp Kabushiki Kaisha | 光学インテグレータ、照明装置、及び投影型画像表示装置 |
-
2003
- 2003-03-17 JP JP2003072368A patent/JP2004279822A/ja not_active Withdrawn
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WO2006046654A1 (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-04 | Sharp Kabushiki Kaisha | 光学インテグレータ、照明装置、及び投影型画像表示装置 |
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