【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Siウェハの表面層から深さ方向に分布して存在している酸素析出物のような結晶欠縮を検査する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスに用いられるシリコンウェハは、主としてポリシリコン融液からCZ法により引上げられた単結晶インゴットをスライスして製造される。
【0003】
CZ法は、石英ルツボ内に供給された原料のポリシリコンを加熱溶融し、このシリコン融液に種結晶の先端を接触させ、なじませた後、シリコン単結晶インゴットを育成し引上げるものである。このようにして製造されたシリコンウェハには、各種の結晶欠陥が存在することが知られている。シリコン単結晶引上げ中に発生する結晶欠陥として、酸素析出物欠陥(BMD)、酸化物誘起積層欠陥(OSF)、積層欠陥、結晶起因パーティクル欠陥(COP)、金属析出物起因結晶欠陥(Crystal defect)などが知られている。
【0004】
これらの結晶欠陥の内、金属析出物欠陥は、このシリコンウェハを使用して作製される半導体デバイスの特性を悪化させ、良品のデバイスの収率を低下させるために、この欠陥を消滅されることが行われている。すなわち、重金属などの不純物は、シリコンウェハに存在する結晶欠陥にトラップされる性質があり、これを利用した方法がIG法(Intrinsic Gettering)と呼ばれる方法である。このIG法においては、通常BMDと呼ばれている酸素析出物欠陥が使用される。
【0005】
BMDとは、前述したようにシリコン単結晶の結晶欠陥の一種であり、酸素析出物欠陥と呼ばれている。このBMDは、シリコン単結晶の表層部から内部にまで分布して存在しているが、このBMDは、シリコン単結晶中に存在する重金属元素を含む不純物をトラップして不活性化し、重金属汚染に基づくシリコンデバイス特性不良を改善するため、シリコン単結晶中には適切な範囲のBMDが存在することが好ましいとされている。シリコンウェハの製造においいては、このBMDを所要の範囲に管理することが求められており、製造したシリコンウェハについては、BMDを計数して、シリコンウェハ中のBMD密度を算出している。
【0006】
通常BMDのような結晶欠陥の検査、すなわち単結晶を観察し、BMDの計数を行うには、シリコンウェハに析出熱処理(酸素雰囲気)を行った後、サンプルを劈開し、断面を後述する選択エッチング液を用いて、エッチングして行っていた(特許文献1参照)。通常、BMDのような結晶欠陥部分では、酸化速度が速く、欠陥部は凹状となる。エッチングによる凹部はエッチピットと呼ばれる。このエッチピットを光学顕微鏡で観察することにより、シリコンウェハの結晶欠陥を観察し計数評価することができる。
【0007】
ところで、従来用いられている選択エッチング液は、主にフッ酸系のエッチング液が用いられている。これは、酸化クロム(CrO3)や硝酸(HNO3)のような強力な酸化剤、水(H2O)や酢酸(CH3COOH)のような緩和剤、及び還元剤であるフッ酸(HF)から構成されている。
【0008】
このような選択エッチング液は、まず酸化剤でシリコンウェハ表面を酸化し、続いてHFで酸化物(SiO2)を溶解する。欠陥が選択的にエッチングされるのは、欠縮領域と他の完全領域でのシリコンの酸化速度が異なることによる。
【0009】
ところでこのような従来の選択エッチング液を用いた方法では、シリコンウェハ中に存在するBMDのような結晶欠陥部位を選択的にエッチングするが、同時にシリコンウェハ表層域もエッチングされてしまうため、表層部のBMDを正しく計数し、観察評価することができないという欠点を有している。そのために、検査対象となるシリコンウェハについて、正確にサンプルのDZ幅を求めることが不可能であった。
【0010】
【特許文献1】特開平10−227729号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、本発明は、従来のBMD検査方法において、表層部のBMDを正しく検査することができないという前記問題点を解決するもので、選択エッチング液の種類によらず、シリコンウェハ表層部のBMDを確度高く計数し、評価することができる検査方法を実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸化膜が表面を覆っているシリコンウェハに窒化膜(フッ酸エッチングに対する高い耐性を有する膜)を形成することで、選択エッチングを行った際に表層部を保護し、表層部のBMD評価が可能となる技術を提供する。
【0013】
すなわち、本発明は、シリコンウェハ表面に窒化膜を形成した後、該シリコンウェハ表面を選択エッチングすることによりシリコンウェハ表層部に存在する微小な結晶欠陥を顕在化させて計数することを特徴とするシリコンウェハ表層部結晶欠陥検査方法である。
【0014】
前記本発明において、前記シリコンウェハ表面への窒化膜の形成を、窒素雰囲気中で熱処理することにより行うか、あるいは、減圧化学気相成長またはプラズマCVD法によって行うことが好ましい。
【0015】
また、前記本発明において、前記シリコンウェハ表面へ成膜する窒化膜が、0.01〜0.5μmの範囲にあることが望ましい。窒化膜の膜厚が、上記範囲を下回った場合、選択エッチングによりシリコンウェハ表層部までエッチングされ、表層部に存在する結晶欠陥を検査できない。一方、窒化膜の膜厚が上記範囲を上回った場合、それ以上の表面保護の効果も改善せず、窒化処理に時間がかかるばかりで実用的ではない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシリコンウェハ表層部のBMDを検査する方法について、説明する。
本発明を適用することができるシリコンウェハは、CZ法によって引き上げられたシリコン単結晶をスライスし、研磨して作製されたシリコンウェハである。検査対象シリコンウェハとしては、さらに、シリコンウェハを水素処理したり、あるいは窒素ドープ処理したり、さらにエピタキシャル成長処理など各種処理を行ったシリコンウェハに適用することもできる。
【0017】
本発明の検査方法は、検査対象となるシリコンウェハ表面に窒化膜を形成する工程、このシリコンウェハを劈開してシリコンウェハの表面から厚さ方向へのBMDの分布を検査できるようにシリコンウェハサンプルを準備する工程、選択エッチング液でシリコンウェハの劈開面表面をエッチングする工程、及びこれによって生じたエッチングピットを観察及び計数する検査工程である。
以下この工程に従って順次説明する。
【0018】
第1の工程は、検査対象となるシリコンウェハ表面に窒化膜を形成する工程である。
本発明において、採用することができる窒化膜の形成方法としては、熱窒化法、LPCVD法、及び、プラズマCVD法等の公知のシリコンウェハの窒化膜形成方法を採用することができる。
【0019】
熱窒化法は、シリコンウェハを窒素ガス雰囲気下で、1200〜1300℃で10〜15時間加熱することによりシリコンウェハ表面にSiNx膜を形成するものである。この方法によれば、成膜に時間がかかるものの、簡便な方法であり、実用的である。
【0020】
LPCVD(減圧CVD)法は、LPCVD反応室内を10〜103Paに減圧し、750℃程度に加熱し、SiH2Cl2あるいはNH3を反応室内に環流させて、シリコン表面を窒化してSiNx層を形成する方法である。この方法によって形成された窒化膜は、密度及び組織の特徴からSi3N4に近い膜構造となっている。
【0021】
また、プラズマCVD法は、200〜300℃で、0.2MPa(0.2Torr)程度の圧力の反応室内で、SiH4−NH3ガス雰囲気中でプラズマ照射することによりシリコンウェハ表面を窒化するものである。この方法は比較的低温において成膜することができ、高温にさらすことができないウェハに適用することが好ましい。
【0022】
前記各方法によって形成される窒化膜の膜厚は、0.01〜0.5μmの範囲が好ましい。窒化膜が前記範囲を下回った場合、後述するエッチング工程において、基板表面がエッチングされるのを阻止することができず、保護膜の機能を達成することができない。一方、窒化膜の膜厚が前記範囲を上回ったとしても、それ以上の表面保護の効果も改善せず、窒化処理に時間がかかるばかりで実用的ではない。
【0023】
次に、本発明の第2の工程は、表面に窒化膜を形成したシリコンウェハの検査箇所においてシリコンウェハを機械的な打撃を加えて結晶を劈開する工程である。試料となるシリコンウェハの劈開する方向は、シリコンウェハの厚さ方向、すなわち、シリコンウェハ表面に垂直な方向に劈開することが望ましい。
【0024】
次に、本発明の第3の工程は、前記工程で表面窒化膜を形成されたシリコンウェハ表面を、選択エッチングによりエッチングする工程である。
【0025】
本発明において採用されるエッチング方法は、選択エッチングとして知られているフッ酸系の薬剤溶液を用いた湿式エッチング方法を採用することができる。これは、検査対象となるシリコンウェハをエッチング液に浸漬して、化学反応によってシリコンウェハをエッチングするものであり、具体的には室温〜50℃のエッチング液に、検査対象のシリコンウェハを浸漬し、20〜30分間静置して、シリコン酸化物をエッチング除去する。このときに使用されるエッチング液としては、下記のような配合のエッチング液を用いることができる。
【0026】
本発明において用いることができるエッチング液は、窒化膜を浸食せず、BMDを選択的にエッチングできる液であれば使用可能であるが、前述したようなフッ酸系のエッチング液を用いることができる。具体的には、このフッ酸系エッチング液は、酸化クロム(CrO3)や硝酸(HNO3)のような強力な酸化剤、水(H2O)や酢酸(CH3COOH)のような緩和剤、及び還元剤であるフツ酸(HF)から構成されている。あるいは、これにヨウ素を添加することもできる。エッチング速度は、0.1μm/分以上とすることが好ましい。
エッチング処理したシリコンウェハは、純水で洗浄し乾燥させ、次の工程に移る。
【0027】
本発明の第4の工程は、前記工程までで処理された検査対象のシリコンウェハを、目視検査あるいはCCDカメラによる画像処理によって、エッチングピットを観測・計数して、シリコンウェハ劈開面に存在するエッチピットを計数することによりシリコンウェハのBMDなどの数を検査する工程である。
【0028】
目視検査は、エッチング処理したシリコンウェハを、顕微鏡を用いて目視によりBMD等の結晶欠陥に起因して生成したエッチピットの数を数えて、密度を算出する。あるいは、検査対象のシリコンウェハの表面の所定の領域をCCDのような撮像装置を用いて撮影し、得られた画像をディジタル処理して選択エッチングの結果生じたエッチピットを検出して計数するものである。これらの手法は、たとえば、特開2000−338047号公報などに見られるように公知の方法である。
【0029】
【実施例】
(実施例)
結晶方位が、[001]のCZシリコンウェハを使用し、これを1000℃、16時間加熱処理して、ウェハ表面の結晶欠陥を顕在化させた。そして、このシリコンウェハ表面に、LPCVD法により、窒化膜を0.5μmの厚さに形成した。次いでこのシリコンウェハを、打撃によって劈開し、さらに、このシリコンウェハを、50℃に加熱したフッ酸、硝酸、及び酢酸からなるエッチングエッチング浴に浸漬し17分間放置し、結晶欠陥を選択的にエッチング処理した。このエッチング処理中に、定期的に、シリコンウェハの厚さの変化を測定した。その結果を書き図1に示す。
【0030】
エッチング浴中において17分間静置したエッチング完了後、このシリコンウェハを純水で洗浄した後、顕微鏡を用いて、目視により、0.1mm2の領域に存在するエッチングピットを計数し、エッチングピットの密度を算出した。その結果、このシリコンウェハ表面には、1×109個/cm3のエッチングピットが見られた。
また、この処理を同一のシリコンウェハについて複数の箇所を行ったが、結晶欠陥密度の再現性がよく、極めて効率的なシリコンウェハBMDの検査を行うことができた。
【0031】
(比較例)
シリコンウェハの表面に窒化膜を形成しなかったこと以外は、前記実施例1と同様にして、エッチング処理を行い、シリコンウェハ厚みの変化を調べた。その結果を、図1に併せて示す。
【0032】
図1に見られるように、シリコンウェハ表面に窒化膜を形成した実施例1のシリコンウェハは、エッチング前後を通じて厚さの変化がなかった。一方、窒化膜を形成しない比較例のシリコンウェハにおいては、エッチング開始後5分ですでに3μmの厚さのシリコンウェハの厚さが減少していた。エッチングの終点とした17分後においても、窒化膜を形成した実施例1のシリコンウェハは、エッチングによる厚さの減少は依然として認められなかった一方で、窒化膜を形成しなかった比較例1のシリコンウェハにおいては、約9.5μmの厚さ変化が認められた。その結果、17分エッチング処理したシリコンウェハにおいて、窒化膜を形成した本発明のシリコンウェハについて計数したエッチピットは、シリコンウェハ表面に存在していたBMD等の結晶欠陥に起因するものも評価できていると判断され、この方法によれば、BMD結晶欠陥を精度よく検査できることが判明した。
【0033】
上記実施例では、本発明の検査方法を、BMDの評価に用いたが、エッチングによって結晶欠陥を顕在化して計数する他の結晶欠陥の検査に適用しても、同等の効果を発揮することがあきらかとなった。
【0034】
【発明の効果】
本発明は選択エッチング液の種類によらずシリコンウェハ表層部の微小な結晶欠縮を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】選択エッチング処理前後でのSiウェハ厚さの変化を示すグラフ。
【符号の説明】[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for inspecting a crystal shrinkage such as an oxygen precipitate existing in a depth direction from a surface layer of a Si wafer.
[0002]
[Prior art]
A silicon wafer used for a semiconductor device is mainly manufactured by slicing a single crystal ingot pulled from a polysilicon melt by a CZ method.
[0003]
In the CZ method, polysilicon as a raw material supplied into a quartz crucible is heated and melted, the tip of a seed crystal is brought into contact with the silicon melt, and the silicon is melted. Then, a silicon single crystal ingot is grown and pulled up. . It is known that various crystal defects exist in the silicon wafer manufactured in this way. Oxygen precipitate defects (BMD), oxide-induced stacking faults (OSF), stacking faults, crystal-induced particle defects (COP), and metal precipitate-induced crystal defects (Crystal defect) include crystal defects generated during pulling of a silicon single crystal. Etc. are known.
[0004]
Among these crystal defects, the metal precipitate defects deteriorate the characteristics of the semiconductor device manufactured using this silicon wafer, and must be eliminated to reduce the yield of good devices. Has been done. That is, impurities such as heavy metals have a property of being trapped by crystal defects existing in the silicon wafer, and a method utilizing this is a method called an IG method (Intrinsic Gettering). In this IG method, an oxygen precipitate defect usually called BMD is used.
[0005]
BMD is a kind of crystal defect of a silicon single crystal as described above, and is called an oxygen precipitate defect. The BMD is distributed from the surface layer portion of the silicon single crystal to the inside thereof. However, the BMD traps impurities including a heavy metal element present in the silicon single crystal and inactivates the BMD to prevent heavy metal contamination. It is said that it is preferable that a BMD in an appropriate range exists in a silicon single crystal in order to improve the silicon device characteristic failure based on the BMD. In the manufacture of silicon wafers, it is required to manage the BMD within a required range, and for manufactured silicon wafers, the BMD is counted and the BMD density in the silicon wafer is calculated.
[0006]
In order to inspect a crystal defect such as a BMD, that is, to observe a single crystal and count the number of BMDs, a silicon wafer is subjected to a deposition heat treatment (oxygen atmosphere), and then the sample is cleaved and a cross section is selectively etched as described later. The etching is performed using a liquid (see Patent Document 1). Usually, in a crystal defect portion such as BMD, the oxidation rate is high, and the defect portion becomes concave. The concave portion formed by the etching is called an etch pit. By observing the etch pit with an optical microscope, crystal defects of the silicon wafer can be observed and counted and evaluated.
[0007]
Incidentally, a hydrofluoric acid-based etchant is mainly used as a conventional selective etchant. It is a strong oxidizing agent such as chromium oxide (CrO 3 ) or nitric acid (HNO 3 ), a moderating agent such as water (H 2 O) or acetic acid (CH 3 COOH), and a reducing agent hydrofluoric acid ( HF).
[0008]
Such a selective etching solution first oxidizes the silicon wafer surface with an oxidizing agent, and subsequently dissolves the oxide (SiO 2 ) with HF. The defect is selectively etched due to the difference in the oxidation rate of silicon between the shrink region and the other complete region.
[0009]
By the way, such a conventional method using a selective etching solution selectively etches a crystal defect site such as BMD existing in a silicon wafer, but also simultaneously etches a surface region of the silicon wafer. BMDs cannot be counted correctly and cannot be observed and evaluated. Therefore, it has been impossible to accurately determine the DZ width of a sample for a silicon wafer to be inspected.
[0010]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-227729
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the present invention solves the problem that the BMD of the surface layer cannot be correctly inspected in the conventional BMD inspection method. An object of the present invention is to realize an inspection method capable of counting and evaluating BMDs with high accuracy.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The present invention forms a nitride film (a film having a high resistance to hydrofluoric acid etching) on a silicon wafer having an oxide film covering the surface, thereby protecting the surface layer portion when selective etching is performed and protecting the surface layer portion. Provide a technology that enables BMD evaluation.
[0013]
That is, the present invention is characterized in that after a nitride film is formed on the surface of a silicon wafer, the surface of the silicon wafer is selectively etched so that minute crystal defects existing in the surface layer of the silicon wafer are revealed and counted. This is a method for inspecting crystal defects in the surface layer of a silicon wafer.
[0014]
In the present invention, it is preferable that the formation of the nitride film on the surface of the silicon wafer is performed by heat treatment in a nitrogen atmosphere, or by low pressure chemical vapor deposition or plasma CVD.
[0015]
In the present invention, it is preferable that a nitride film formed on the surface of the silicon wafer is in a range of 0.01 to 0.5 μm. If the thickness of the nitride film is less than the above range, the silicon film is etched down to the surface layer of the silicon wafer by selective etching, and it is impossible to inspect a crystal defect existing in the surface layer. On the other hand, if the thickness of the nitride film exceeds the above range, the effect of further protecting the surface is not improved, and the nitriding treatment takes a long time, which is not practical.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a method for inspecting the BMD of the surface layer of a silicon wafer according to the present invention will be described.
A silicon wafer to which the present invention can be applied is a silicon wafer manufactured by slicing and polishing a silicon single crystal pulled by a CZ method. As the silicon wafer to be inspected, the present invention can be applied to a silicon wafer which has been subjected to various processes such as a hydrogen process, a nitrogen dope process, and an epitaxial growth process.
[0017]
The inspection method according to the present invention includes a step of forming a nitride film on a surface of a silicon wafer to be inspected, and a method of cleaving the silicon wafer so as to inspect a distribution of BMD from the surface of the silicon wafer in a thickness direction. , A step of etching the surface of the cleavage plane of the silicon wafer with a selective etching solution, and an inspection step of observing and counting etching pits generated thereby.
Hereinafter, the steps will be sequentially described.
[0018]
The first step is a step of forming a nitride film on the surface of a silicon wafer to be inspected.
In the present invention, as a method for forming a nitride film that can be adopted, a known method for forming a nitride film on a silicon wafer such as a thermal nitridation method, an LPCVD method, and a plasma CVD method can be adopted.
[0019]
In the thermal nitriding method, a SiNx film is formed on the surface of a silicon wafer by heating the silicon wafer in a nitrogen gas atmosphere at 1200 to 1300 ° C. for 10 to 15 hours. According to this method, it takes a long time to form a film, but it is a simple method and practical.
[0020]
In the LPCVD (low pressure CVD) method, the pressure in the LPCVD reaction chamber is reduced to 10 to 103 Pa, heated to about 750 ° C., SiH 2 Cl 2 or NH 3 is circulated in the reaction chamber, and the silicon surface is nitrided to form a SiNx layer. It is a method of forming. The nitride film formed by this method has a film structure close to Si3N4 from the characteristics of density and structure.
[0021]
In the plasma CVD method, a silicon wafer surface is nitrided by plasma irradiation in a SiH 4 —NH 3 gas atmosphere in a reaction chamber at 200 to 300 ° C. and a pressure of about 0.2 MPa (0.2 Torr). It is. This method is preferably applied to a wafer that can be formed at a relatively low temperature and cannot be exposed to a high temperature.
[0022]
The thickness of the nitride film formed by each of the above methods is preferably in the range of 0.01 to 0.5 μm. When the nitride film is below the above range, the etching of the substrate surface in the later-described etching step cannot prevent the substrate surface from being etched, and the function of the protective film cannot be achieved. On the other hand, even if the thickness of the nitride film exceeds the above range, the effect of further protecting the surface is not improved, and only a long time is required for the nitriding treatment, which is not practical.
[0023]
Next, a second step of the present invention is a step of cleaving the crystal by mechanically hitting the silicon wafer at the inspection location of the silicon wafer having a nitride film formed on the surface. The cleavage direction of the silicon wafer serving as the sample is desirably cleaved in the thickness direction of the silicon wafer, that is, in the direction perpendicular to the silicon wafer surface.
[0024]
Next, a third step of the present invention is a step of selectively etching the surface of the silicon wafer on which the surface nitride film has been formed in the above step.
[0025]
As the etching method employed in the present invention, a wet etching method using a hydrofluoric acid-based chemical solution known as selective etching can be employed. In this method, a silicon wafer to be inspected is immersed in an etchant to etch the silicon wafer by a chemical reaction. Specifically, the silicon wafer to be inspected is immersed in an etchant at room temperature to 50 ° C. After leaving still for 20 to 30 minutes, the silicon oxide is removed by etching. As the etchant used at this time, an etchant having the following composition can be used.
[0026]
As the etchant that can be used in the present invention, any etchant that can selectively etch BMD without eroding the nitride film can be used, but a hydrofluoric acid-based etchant as described above can be used. . Specifically, this hydrofluoric acid-based etchant is a strong oxidizing agent such as chromium oxide (CrO 3 ) or nitric acid (HNO 3 ), or a buffer such as water (H 2 O) or acetic acid (CH 3 COOH). And a reducing agent, hydrofluoric acid (HF). Alternatively, iodine can be added thereto. The etching rate is preferably 0.1 μm / min or more.
The etched silicon wafer is washed with pure water and dried, and then proceeds to the next step.
[0027]
In the fourth step of the present invention, etching pits are observed and counted by visual inspection or image processing by a CCD camera on the silicon wafer to be inspected which has been processed up to the above step, and the etching existing on the cleavage plane of the silicon wafer is performed. This is a step of inspecting the number of BMDs and the like of the silicon wafer by counting pits.
[0028]
In the visual inspection, the density of the etched silicon wafer is calculated by visually counting the number of etch pits generated due to crystal defects such as BMD using a microscope. Alternatively, a predetermined area on the surface of a silicon wafer to be inspected is photographed using an imaging device such as a CCD, and the obtained image is digitally processed to detect and count etch pits resulting from selective etching. It is. These methods are known methods as seen in, for example, JP-A-2000-338047.
[0029]
【Example】
(Example)
A CZ silicon wafer having a crystal orientation of [001] was used and heat-treated at 1000 ° C. for 16 hours to make crystal defects on the wafer surface apparent. Then, a nitride film having a thickness of 0.5 μm was formed on the surface of the silicon wafer by LPCVD. Next, the silicon wafer is cleaved by hitting, and the silicon wafer is immersed in an etching bath containing hydrofluoric acid, nitric acid, and acetic acid heated to 50 ° C. and left for 17 minutes to selectively etch crystal defects. Processed. During the etching process, the change in the thickness of the silicon wafer was measured periodically. The result is shown in FIG.
[0030]
After the completion of the etching, which was allowed to stand in an etching bath for 17 minutes, the silicon wafer was washed with pure water, and then the number of etching pits in the area of 0.1 mm 2 was visually counted using a microscope. The density was calculated. As a result, 1 × 10 9 etching pits / cm 3 were found on the surface of the silicon wafer.
In addition, although this process was performed at a plurality of locations on the same silicon wafer, the reproducibility of the crystal defect density was good, and an extremely efficient inspection of the silicon wafer BMD could be performed.
[0031]
(Comparative example)
An etching process was performed in the same manner as in Example 1 except that no nitride film was formed on the surface of the silicon wafer, and a change in the thickness of the silicon wafer was examined. The results are shown in FIG.
[0032]
As shown in FIG. 1, the silicon wafer of Example 1 in which the nitride film was formed on the surface of the silicon wafer did not change in thickness before and after etching. On the other hand, in the silicon wafer of the comparative example in which the nitride film was not formed, the thickness of the silicon wafer having a thickness of 3 μm had already decreased 5 minutes after the start of etching. Even after 17 minutes, which was the end point of the etching, the silicon wafer of Example 1 in which the nitride film was formed did not show any decrease in the thickness due to the etching, but the silicon wafer of Comparative Example 1 in which the nitride film was not formed. In the silicon wafer, a thickness change of about 9.5 μm was observed. As a result, in the silicon wafer etched for 17 minutes, the etch pits counted for the silicon wafer of the present invention on which a nitride film was formed can be evaluated for those caused by crystal defects such as BMD existing on the surface of the silicon wafer. It was determined that BMD crystal defects could be inspected with high accuracy according to this method.
[0033]
In the above embodiment, the inspection method of the present invention was used for the evaluation of BMD. However, the same effect can be obtained even if the inspection method is applied to the inspection of other crystal defects in which crystal defects are revealed and counted by etching. It became clear.
[0034]
【The invention's effect】
The present invention can evaluate minute crystal shrinkage in the surface layer of a silicon wafer regardless of the type of selective etching solution.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing a change in the thickness of a Si wafer before and after a selective etching process.
[Explanation of symbols]