JP2004278248A - 厚層転圧工法 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

【課題】重ダンプトラックの走行により、撒き出し厚さ1mの厚層深層部における土の密度を所定の締固め管理基準以上に到達せしめ、かつ作業効率を向上させる厚層転圧工法を提供する。
【解決手段】厚層転圧工法は、重ダンプトラックを用いて土砂の運搬作業を行うと同時に厚層転圧を行う所に特徴があり、機種、ORタイヤの軸荷重、接地圧、地中の応力分布S1、間隙比と垂直応力の関係S2、必要転圧回数S3を求め、土質試験より土の密度が垂直応力とせん断応力および転圧回数の関数で与えられることS4、また、試験施工において、土の密度センサーにより求めた乾燥密度と実測乾燥密度が一致することS5を確認し、得られた乾燥密度が所定の締固め管理基準に達成していることを検査する工程S6、実施工において、重ダンプトラックの走路ネットの構築、通行回数および土の密度管理を行う工程S7を経て課題を解決する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空港、アースフィルダム建設や埋立地盤の改良工事において、土の撒き出し厚さを1m程度とした厚層の締固めを深層部まで有効に実施するための転圧工法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】土を撒き出して転圧する従来の技術は、ブルドーザの排土板で土を30cm程度撒きだし、数回の予備転圧を行った後、各種ローラを走行させて転圧していた。鋼製のロードローラとしては、2軸2輪式のタンデムローラ、2軸3輪式のマカダムローラや3軸3輪式の三軸タンデムローラがあるが、いずれも線荷重であり接地面積が小さいため、転圧力が地中で深さとともに急激に消滅し、転圧深さが浅い。また、含水量の多い粘性土では間隙水圧が消滅せず締固め効果が小さいという欠点があった。
【0003】ゴム製のタイヤローラは、5〜6本のタイヤを連接しているので、接地面積はかなり広く地表面における土のせん断破壊を防止することができ、砂質土の転圧に適している。タイヤの空気圧はそれほど高くないので、20cm程度の浅層部しか転圧することができない欠点がある。しかし、浅層部における転圧効果はタイヤ空気圧を調整することにより自在に選択することができる。
【0004】粘性土の転圧には、羊の足の形をした多数の突起を鋼製円筒体に取り付けたシープスフートローラや梯形の突起を多数取り付けたテーパフートローラなどのタンピングローラが適している。突起先端部の貫入圧力は1平方センチメートル当たり40キログラム重にも達しており、含水比の高い粘性土に対しては過剰間隙水圧を消散させる効果もあり、土中深部を締固め、かつ撒き出し土層間の密着を行うのに有効である。
【0005】近年、主として、砂質土の締固めに振動ローラが多く使用されるようになってきた。小型軽量のものでも振動エネルギーによって締固め効率が良いとされているが、粘性土には適さない。また、振動ローラは線荷重によって土を締め固めるので、地表面での土の塑性流動や過転圧による土の攪乱によって土の密度が低下する傾向がある。さらに、振動エネルギーの伝達領域が浅く、厚層の深層部までを有効に転圧することは不可能であるばかりでなく、振動や騒音等の公害が大であり、周辺住民や既設の構造物にまで多大なる影響を及ぼしていた。
【0006】周波数10ヘルツ、起振力30トン以上の大型振動転圧機械として開発された牽引式マンモス・バイブロ・タンパーは、礫質土、粘性土、岩ずりおよび砂質土に対して撒き出し厚さ1m以上の締固めを可能とした。このタンパーの接地面積は6平方メートル程度あり、接地面に作用する衝撃荷重が、厚層の深層部まで効果的に転圧することを可能にした。この転圧機械の周波数は地盤の固有振動数の近傍にあり、振動伝達率は10倍以上で300トン以上の衝撃荷重が作用しており、深さ1mで計測した垂直応力は1平方センチメートル当たり2キログラム重以上であり、所定の締固め管理基準を満足していた。しかし、周辺地盤に与える振動および騒音の解消が今後の問題として残されている。
【0007】クローラ式振動締固め機械の一例として、周波数12ヘルツ、起振力17トン以上の鉛直加振力を締固め幅1.6m、接地長1.6mの三角形型クローラユニットに載荷させて締固め試験を実施した結果、砂質土については面荷重によって深さ90cmで所定の締固め管理基準である締固め度90パーセント以上を達成したという報告がある。しかし、粘性土では多少問題があり、また近隣の地盤に与える振動や騒音問題を解決することが先決である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来技術において問題となる周辺地盤に与える振動や騒音公害を減少するために、静的な締固め工法に切り替える必要がある。これまで開発されてきた静的なロードローラやタイヤローラは、作業能力がかなり低く、線荷重のために過転圧時における地表面の土の練り返しや攪乱によって締固め効果が十分でなく、さらに所定の締固め管理基準を満足する締固め深さが浅いという課題を残している。
【0009】また、モータの回転動力をクランクにより往復運動に変換し、連続的に鉄板を振動させて地盤の締固めを行うタンパーが広く使用されている。その作業性能の向上を目指して開発された被牽引式の複数の振動タンパーは、タンパーの起振による地盤振動の位相に対して逆位相の地盤振動を与える他のタンパーを組み合わせることにより、周辺地盤の振動を抑制することを目的としたものである。また、この転圧機械は、その地盤振動に指向性を持たせ、その転圧力を地盤深部へ有効に到達させて短時間に締固めを完了させようとしているが、締固め対象外の周辺域での地盤振動の抑制効果も十分ではなく、地盤深層部での土の密度増加にもあまり効力を発揮していない。
【0010】さらに、面荷重として、比較的広領域にマットを敷き、地中を真空状態にして大気圧を載荷する真空マット工法やホース状弾性水袋を幾重にも設置して水載荷する方法もあるが、撒き出し厚さを1m程度とした厚層の深層部における土の密度を所定の密度管理基準値以上に到達させるのに十分な接地圧を得ることは困難である。
【0011】本発明は、上記各項を勘案し、作業能力を一段と向上させるために自走式とし、十分大きな接地面積と接地圧を兼ね備えたORタイヤを装備した車輪式車両である重ダンプトラックを複数回走行させ、その結果、撒き出し厚さ1m程度の厚層の深層部での土の密度を所定の締固め管理基準以上に到達せしめ、かつ作業効率を向上させる好適な厚層転圧工法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決、及び発明の目的を達成するために、ORタイヤの二連走行配置システムを開発する。これは、例えば、重ダンプトラックの後輪部位にある左右のダブルORタイヤなど接地圧力および接地面積が十分に大きく、地表面に作用する面荷重によって土の撒き出し厚さを1m程度とした厚層の深層部を準静的に転圧することを特徴としている(請求項1)。
【0013】重ダンプトラックの自重および積載荷重によるORタイヤへの負荷荷重は準静的なものであり、従来の振動荷重などの動的荷重と比較して、締固め対象外の周辺地盤に与える振動や騒音を極力抑制することができる。従来、土砂の運搬作業を専用とする重ダンプトラックを厚層転圧機械に転用するために、巨大な重ダンプトラックの自重と積載荷重を利用して、ORタイヤの軸荷重および地表面を移動する面荷重を十分大きく設定し、土の撒き出し厚さを1m程度とした厚層の深層部を締固めるのに必要な垂直応力を深層部に伝達することを主たる手段としている。
【0014】本発明は、上記荷重の伝達機構に着目してなされたものであり、さらに、独立した単輪のORタイヤに作用する軸荷重を組み合わせて、ORタイヤを二連配置したダブルORタイヤとすると、深層部にまでより大きな垂直応力とせん断応力を効果的に伝達することができ、より特徴的かつ好適な手段とすることができる。
【0015】ORタイヤの走行にともなって地中には交番せん断応力が発生し、その繰り返し作用によって土の締固め効果が、さらに一段と発揮される。すなわち、重ダンプトラックを同一地点において複数回繰り返し走行させることにより、土の撒き出し厚さを1m程度とした厚層の深層部を締固めるのに必要な交番せん断応力を深層部に伝達すること、およびその繰り返し回数であるORタイヤの転圧回数を決定することを重要な手段としている。
【0016】上記のように、土の撒き出し厚さを1m程度とした厚層の深層部を締め固めるのに必要な垂直応力および交番せん断応力が深層部にまで確実に伝達されているかどうか、必要なORタイヤの転圧回数はいくらであるか、および深層部での土の密度が所定の締固め管理基準を達成しているかどうかについて、実施工に先立つ試験施工において、それらを確認できることを特徴とする応力変換器および土の密度センサー(請求項2)を開発することを必要な手段とする。
【0017】土の撒き出し厚さを1m程度とした厚層の深層部を締固めるのに必要な垂直応力および交番せん断応力が深層部にまで確実に伝達されているかどうかを鑑定するための応力変換器は、ORタイヤの地上通過にともなって、深さ1mの位置に埋設された地点に作用する八面体垂直応力と八面体せん断応力の変化を計測可能であることが必要な手段である。
【0018】必要なORタイヤの転圧回数はいくらであるかを決定するための有効な手段は、対象土砂を円筒容器に入れ、繰り返し載荷荷重による土の間隙比の変化を計測することである。この方法は、土の一次元圧縮を仮定した簡便な試験法であるが、ORタイヤの通過によって深さ1mの地点に発生する垂直応力下において所定の間隙比に達するのに必要な転圧回数を決定することができる。
【0019】深層部での土の密度が所定の締固め管理基準を達成しているかどうかを鑑定するための有効な手段は、三軸圧縮試験機を用いて、土の密度変化である体積変化を八面体垂直応力と八面体せん断応力および転圧回数の関数として表現することである。締め固め管理基準は、土の突き固め試験により、最適含水比と最大乾燥密度を決定し、所定の締固め度をその最大乾燥密度に乗じた値である。この手段によって、ORタイヤの通過によって深さ1mの地点に発生する八面体垂直応力と八面体せん断応力下において、当該地点に位置する土の密度が所定の締固め管理基準である乾燥密度に達するに必要なORタイヤの転圧回数を決定することができる。
【0020】厚層転圧の実施工に先立って、試験施工を実施することはきわめて有効な手段である。ORタイヤの地上通過にともなって、深さ1mの位置に埋設した応力変換器を用いてその地点に作用する八面体垂直応力と八面体せん断応力の変化を計測する。同時に、ORタイヤの通過回数による当該地点での土の密度変化を計測する。ここで、ORタイヤが所定の通過回数を経過した後、土の密度センサーによる乾燥密度の算定値および計測値が一致していること、およびその値が所定の締固め管理基準を満足していることを確認する。
【0021】空港やアースフィルダムなど広域にわたる厚層転圧の実施工においては、重ダンプトラックなど転圧機械の3次元の位置を認識し、その編成体制、走路ネットの構築、および通過回数や締固め密度を総合的に管理する施工管理システム(請求項3)を樹立することが極めて重要な手段となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。図1に示す厚層転圧工法のフローチャートは、まず第1段階において、転圧機械として重ダンプトラックの機種を選定し、足回り各部位に位置するORタイヤに作用する軸荷重から接地圧を算定し、地中への応力分布を求める工程(S1)、盛土材料の土質試験として、突き固め試験によって最適含水比、最大乾燥密度を決定し、締固め度の設定による土の締固め管理基準を決定し、さらに一次元圧縮試験により間隙比と垂直応力の関係を決定する工程(S2)、および深さ1mにおける作用する垂直応力と土の締固め管理基準となる乾燥密度から換算した間隙比から必要なORタイヤの転圧回数を決定する工程(S3)からなり、最初の概略設計を構築する。
【0023】第2段階においては、盛土材料の土質試験としてより詳細な三軸圧縮試験を実施し、土の体積ひずみが八面体垂直応力、八面体せん断応力および転圧回数の関数で与えられることを決定する工程(S4)、試験施工において、
ORタイヤの転圧回数と深さ1mにおける土の乾燥密度の関係を実測するとともに、その地点に埋設した応力変換器により作用している八面体垂直応力と八面体せん断応力を計測し、各転圧回数において、土の密度センサーにより求めた乾燥密度と実測した乾燥密度の相関性を確認する工程(S5)、および得られた乾燥密度が所定の締固め管理基準を達成していることを確認する工程(S6)において、詳細設計を構築する。
【0024】第3段階は実施工であり、重ダンプトラックの転圧編成体制と走路ネットの構築、通行回数および土の密度管理を行う工程(S7)から成り立っている。重ダンプトラックの3次元の位置、走行レーンおよび通過回数をGPSによって正確に管理する施工管理システムを構築する。土の密度管理は、地表面の沈下量と締固め度に関する予備データまたは土の密度センサーから締固め区域の各平面位置において厚層の深層部での締固め度を自動的に管理する。
【0025】上記工程(S1)においては、まず、重ダンプトラックの機種を選定する必要がある。図2に示すように、ダブルORタイヤ1が地表面2を走行するとき、例えば、深さ1mの厚層深層部3に位置する土の乾燥密度が締固め管理基準を満足するのに必要な垂直応力4が1平方センチメートル当たり2キログラム重であるとする。この場合、地中応力分布を算定することにより、ダブルORタイヤ1に必要な軸荷重は77.8トン、接地面積は10.9×10 平方センチメートル、接地圧は7.14キログラム重毎平方センチメートルとなる。これらの条件を満たす重ダンプトラックの自重と積載荷重を合わせた総荷重が233トン以上の機種を選定する必要がある。その後、ダブルORタイヤを選定し、軸荷重からタイヤ空気圧を考慮して接地圧を算定し、地中への垂直応力の分布をブシネスクの理論より求める。
【0026】工程(S2)においては、対象とする盛土材料の土質試験として、図3に示すような突固め試験結果より、突固め曲線5およびゼロ空隙曲線6を求め、最適含水比7と最大乾燥密度8を決定する。
【0027】つぎに、図4に示す円筒容器9に盛土材料10を充填し、上蓋11を設置して、荷重Qをt秒間載荷したときの上蓋11の沈下量dを計測する。盛土材料10は最適含水比に調整したものを使用する。上蓋11の底面積をAとすると、垂直応力pはQ/Aで算定される。盛土材料の重量をW、体積をVとすると、土の湿潤密度はW/Vで与えられる。盛土材料の初期体積をVとすると上蓋11の沈下にともなってVはV−dAと変化し、湿潤密度はW/(V−dA)となる。この値を水の単位体積重量で除したものを土の見かけ比重Gとする。盛土材料の間隙比eは、土粒子の真比重G、含水比wに対して、e=(1+w)G/G−1で算定される。荷重Qを変化させて沈下量dを計測し、間隙比eと垂直応力pの関係を求める。
【0028】ORタイヤの通過回数Nが増加するとともに土の湿潤密度は上昇する。ORタイヤの通過時間をt秒とすると、荷重Qをt秒間載荷した後除荷し、この動作をN回繰り返し、定常状態に達するまで沈下量dを計測する。次に、荷重Qの大きさを変えて同じ動作を繰り返す。
【0029】工程(S3)においては、上記の繰り返し一次元圧縮試験結果を図5のように整理することにより、深さ1mの厚層深層部に垂直応力pが繰り返し作用するとき所定の締固め管理基準から算定した間隙比eに達するに必要な繰り返し数Nを決定することができる。これが所要のORタイヤの転圧回数Nに相当する。この段階でNの値が決定できない場合は、工程S1へ戻る必要がある。
【0030】工程(S4)においては、土質試験としてより詳細な三軸圧縮試験を行うことにより、盛土材料の密度変化である体積ひずみΔV/Vが八面体垂直応力σOCTと八面体せん断応力τOCTの関数として、ΔV/V=(A+BσOCT){1−exp(−CσOCT)}+D(τOCT/σOCT)なる密度変換式で与えられる。ここに、定数A、B、C、Dは、各盛土材料によって変化する定数である。これらの定数は、盛土材料の初期密度で作成した円筒供試体に作用する最大主応力 σ、中間主応力σ、最小主応力σを変化させ、八面体垂直応力σOCT= (σ+σ+σ)/3および八面体せん断応力τOCT=平方根【{(σ−σ+(σ−σ+(σ−σ}/9】を変化させることによって決定することができる。さらに、深さ1mの厚層深層部に作用するσOCTとτOCTの組合せにおいて、載荷時間t秒毎の密度変化を計測し、定数項を時間の関数として表示することにより、所定の締固め管理基準を満足する土の乾燥密度に達するに必要なORタイヤの転圧回数を求めることができる。
【0031】実施工に先立って、転圧試験施工を実施することはきわめて重要である。まず、重ダンプトラックの走行レーン3本を一組とし、3台の重ダンプトラックを配置する。まず、重ダンプトラックの走行性能であるトラフィカビリティを確保するため、撒き出した盛土材料はブルドーザで数回走行転圧し、深さ1mの厚層を構築する。RI密度計および応力変換器は、盛土材料を撒き出す前に、予定される重ダンプトラックの走行レーンの直下に位置するように施工基面上に設置する。
【0032】重ダンプトラックは、工程(S3)までの概略設計によって決定された機種を試験車両として使用する。まず、深さ1mの厚層深層部に埋設したRI密度計によって、重ダンプトラックの通過回数と土の乾燥密度の関係を記録する。
【0033】工程(S5)においては、さらに、深さ1mの厚層深層部に埋設した応力変換器によって、その地点に作用する八面体垂直応力と八面体せん断応力の変化を計測する。
【0034】応力変換器の構造と八面体垂直応力および八面体せん断応力の算定法について述べる。図6に示すように、正方形および六方形を組み合わせた計 14面からなる多面体応力変換器12は、直交座標系に垂直な面に設置した3個の土圧計X(13)、Y(14)、Z(15)と直交座標系とそれぞれ0.955ラジアン傾斜した座標系に垂直な面に設置した他の3個の土圧計n1(16)、 n2(17)、n3(18)およびコード19から構成されている。これらの垂直応力σ、σ、σ、σn1、σn2、σn3およびこれらから算定されるτXY、τYZ、τZXから主応力σ、σ、σを求めると、八面体垂直応力σOCTと八面体せん断応力τOCTが求められる。
【0035】土の密度センサーは、上記の応力変換器で計測した八面体垂直応力σOCTと八面体せん断応力τOCTを工程S4において三軸圧縮試験より求めた密度変換式に代入して、密度を算定するものである。三軸圧縮試験を実施する際、土供試体の初期密度としてはブルドーザで予備転圧後の密度を設定する必要がある。
【0036】上記した土の密度センサーによって求めた土の乾燥密度が、RI密度計によって計測した密度変化の内、重ダンプトラックの通過回数が無限となったときの最終密度と一致していることを検証する必要がある。
【0037】工程(S6)においては、上記の検証を経て、工程S4で求めた繰り返し数Nの関数として与えられる密度換算式の正当性が保証されたとして、対象地点での土の乾燥密度が締固め管理基準を満足するための重ダンプトラックの転圧回数Nを決定することができる。この段階でNの値が決定できない場合には、工程S1へ戻る必要がある。
【0038】実施工においては、重ダンプトラックの転圧編成体制として、試験施工で決定した3走行レーンを基準として、図7に示すように、3台の重ダンプトラック20、21、22のダブルORタイヤ23が隙間なく走行レーン24を順次走行して厚層転圧を実施できる体制を広域に渡って構築する。
【0039】空港やアースフィルダム建設など広域にわたる重ダンプトラックの走行ネットを構築するに当たっては、盛土材料の重ダンプトラックへの積込み基地と土捨て・撒き出し基地との間を直結する土砂運搬走行ネットを有機的に構築する。例えば、図8に示すように、直交または斜めにクロスした走行ネットを構築し、重ダンプトラックの平面座標をGPSを用いて位置認識できるシステムを作成する。
【0040】工程(S7)においては、深さ1mの厚層深層部における土の密度管理を必要な大きさのブロック毎に設置した土の密度センサーを使用して、所定の通過回数を走行させた後、確実に所要の締固め管理基準を満足しているかどうかを確認できる施工管理システムを作成する。
【0041】盛土材料の転圧作業中において、リアルタイムでその締固め度を的確に推定するため、上記した土の密度センサーによる情報の外、地表面の沈下量と深層部の締固め度に関する予備データの情報、含水量の分布、コーン指数、検査用牽引式マンモス・バイブロ・タンパーの振動波形特性など複数の情報に基づいて、その締固め度を推定するニューラルネットワーク処理システムを構築する。
【0042】
【発明の効果】請求項1に係わる転圧機械として準静的な重ダンプトラックが、ORタイヤなどの変形によって地表面に作用する面荷重を提供していることは、無騒音・無振動転圧工法に属しており、周辺地盤に与える公害を減少させることができる。また、重ダンプトラックの運搬作業との兼用ということでかなりのコスト縮減を達成することができる。さらに、ダブルORタイヤを選定することにより、単輪では発揮することができない深さ1mの厚層深層部における垂直応力を1平方センチメートル当たり2キログラム重以上とすることができる。
【0043】請求項2に係わる試験施工において、深さ1mの厚層深層部に埋設した応力変換器によって計測された八面体垂直応力および八面体せん断応力に基づいて、土の密度センサーにより、所定の締固め管理基準を満足する土の乾燥密度を得るのに必要な重ダンプトラックの通過回数を自動的かつリアルタイムに把握することができる。
【0044】請求項3に係わる実施工において、重ダンプトラックの平面位置およびORタイヤの沈下量をリアルタイムで認識し、所要の締固め密度が深層部において得られるのに必要な重ダンプトラックの通行回数を管理するとともに、土の密度センサーからの情報をフィードバックすることにより、重ダンプトラックの通行回数を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】厚層転圧工法のフローチャート
【図2】軸荷重77.8トンのダブルORタイヤによって深さ1mにおける深層部に作用する垂直応力pの分布
【図3】盛土材料の突固め試験結果(乾燥密度γと含水比wの関係)
【図4】盛土材料の一次元圧縮試験機
【図5】盛土材料の繰り返し一次元圧縮試験結果(間隙比eと垂直応力pの関係)
【図6】圧力変換器
【図7】重ダンプトラックの走行レーン
【図8】重ダンプトラックの走路ネット
【符号の説明】
1 ダブルORタイヤ
2 地表面
3 深さ1mの深層面
4 深層面3に作用する垂直応力分布
5 突固め曲線
6 ゼロ空隙曲線
7 最適含水比
8 最大乾燥密度
9 円筒容器
10 盛土材料
11 上蓋
12 多面体容器
13 土圧計X
14 土圧計Y
15 土圧計Z
16 土圧計n
17 土圧計n
18 土圧計n
19 コード
20 第1重ダンプトラック
21 第2重ダンプトラック
22 第3重ダンプトラック
23 ダブルORタイヤ
24 走行レーン

Claims (3)

  1. 転圧機械は自走式で、足回り部位の接地圧力および接地面積は十分に大きく、重ダンプトラック用ORタイヤなどの地表面に作用する面荷重によって土の撒き出し厚さを1m程度とした厚層の深層部を準静的に転圧できることを特徴とする転圧機械。
  2. 試験施工において、地表面を移動する面荷重が、土の撒き出し厚さを1m程度とした厚層の深層部にまでその垂直応力とせん断応力を十分に伝達していることを確認できることを特徴とする応力変換器、および深層部での土の密度が所定の密度管理基準値を達成するために必要なORタイヤの転圧回数を決定できることを特徴とする土の密度センサー。
  3. 転圧機械の3次元の位置を認識し、その編成体制、走路ネットの構築、および通行回数や締固め密度を管理することを特徴とする施工管理システム。
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