【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画質の向上等を目的として、印刷に先立って記録媒体の被記録面にインクジェット記録方式により付与される印刷前処理液に関し、詳しくは、一般事務用紙や塗工印刷用紙あるいはフィルムなどの非インクジェット専用紙を用いたインクジェット記録に最適な印刷前処理液及びこれを用いた画像記録方法に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
インクジェット記録方式は、記録ヘッドのノズルからインクの液滴を吐出させ、紙等の記録媒体にインクを付着させて画像を記録する印刷方式である。インクジェット記録用のインクとしては、染料系あるいは顔料系の色材を水性媒体中に溶解又は分散させた水性インクが一般的であり、染料インクと顔料インクに大別される。これまで、色再現性等に優れる染料インクが多用されてきたが、インクジェット記録技術のデジタル写真サービスや商業印刷等への用途拡大により、記録画像の長期保存性が重要視されるようになってきており、染料インクに比して耐水性や耐光性等に優れる顔料インクが使用されるようになってきている。
【０００３】
一般に、インクジェット記録用の顔料インクは、染料インクに比して記録画像の発色性に劣る。即ち、染料インクによる画像形成は、染料を記録媒体内部に侵入させることにより記録媒体自体を染色して画像を形成するもので、染料が記録媒体の表面に留まらないのに対し、顔料インクによる画像形成は、染料よりはるかに大きな顔料粒子を記録媒体の表面に留め、該表面上にある顔料粒子自体の発色により画像を形成するものであるため、顔料インクによる画像は、染料インクによる画像に比して、入射光の乱反射による色見の相違や発色性の低下が起こりやすい。従って、顔料インクを用いるインクジェット記録においては、発色性を如何にして高めるかが重要な課題となる。
【０００４】
また、良好な画質のインクジェット画像を得るためには、市販のインクジェット専用紙のような、インクジェット記録方式に適合した特性を有する記録媒体を使用することが好ましく、一般に普及しているコピー用紙やオフセット印刷用の塗工印刷用紙などをインクジェット記録に使用しても、これらはインク吸収性に乏しいため、異色の境界部分で色が滲んだり不均一に混ざり合ういわゆるブリードを起こし、良好な画質のインクジェット画像を得ることはできない。しかしながら、一般ユーザーがインクジェット記録を利用する場合には、高価で特殊なインクジェット専用紙よりも、安価な一般事務用紙や一般塗工印刷用紙あるいはＯＨＰ用フィルムなどを使用することが多いのが実状であり、このような一般紙（非インクジェット専用紙）に対しても、ブリードがなく発色性に優れるインクジェット画像を形成し得ることが望まれている。
【０００５】
一方、従来から、インクジェット記録に先立ち、記録媒体の被記録面に、インク中の色材を瞬間的に凝集させる物質を含有させた前処理液を付着させておくことにより、ブリードがなく発色性に優れるインクジェット画像を得る方法が知られている。例えば特許文献１には、前処理液としてマグネシウム塩などの金属塩を含有させた金属塩溶液を用い、この金属塩溶液及びインクを、インクジェット記録装置の記録ヘッドから吐出させるインクジェット記録方法が開示されている。しかしながらこの方法は、金属塩溶液中の金属イオンの影響により、記録ヘッドのノズルプレート表面を被覆する撥水層や、記録ヘッド内部のステンレス製部品などが腐食してしまうという問題があった。
【０００６】
また特許文献２には、前処理液として、多価金属塩と、アンモニアと、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール誘導体とを少なくとも含んでなる反応液を用い、この反応液及びインクを、共析メッキ処理がなされたノズルプレートを有する記録ヘッドから吐出させるインクジェット記録方法が開示されている。この記録方法によれば、良好な印刷品質が実現できると共に、ノズルプレートを腐食させず、長期間に亘り安定した印字が可能となるとされている。
【０００７】
しかしながら、特許文献２に開示されている反応液（前処理液）は、記録ヘッドからの安定吐出を確保する上で必要なｐＨ調整剤（アルカリ剤）として、揮発性の高いアンモニアを使用しているため、その取扱い時や脱泡のための減圧吸引処理時などにアンモニアが揮発してしまい、ｐＨの経時安定性に劣るという欠点があった。このため、反応液のｐＨ調整が不十分な状態で記録ヘッドに充填される場合があり、そのような場合にはノズルの目詰まりなどを起こし、長期間に亘って安定した吐出を行うことはできない。また、アンモニアは人体に有害な物質であるため、この反応液は安全性の点でも問題がある。
【０００８】
さらに、特許文献２に開示されている反応液は、紙のようなインク吸収性のある記録媒体に付与されることを前提としており、フィルムのようなインク吸収性のない記録媒体には塗布することはできない。一般に、フィルムなどの疎水性記録媒体への水性液の塗布は、水性液の表面張力を下げて塗布面への濡れ性を高めることにより可能となるが、上記反応液の表面張力をフィルムへの塗布が可能となる程度まで下げると、記録ヘッドに対する濡れ性も高まることとなり、その結果、反応液が記録ヘッドの細部にまで侵入し、ノズルプレートの表面に濡れムラが生じるなどして、ヘッド各部の腐食を招きやすくなる。
【０００９】
従って、本発明の目的は、水性顔料インクを用いるインクジェット記録に最適で、一般事務用紙や塗工印刷用紙あるいはフィルムなどの非インクジェット専用紙を用いた場合にも良好な画像品質を実現することができ、且つ、保存安定性、取扱性、吐出安定性に優れ、記録ヘッドの各部品の腐食を起こすおそれがない印刷前処理液及びこれを用いた画像記録方法を提供することにある。
【００１０】
【特許文献１】
特開平１０−１２０９５６号公報
【特許文献２】
特開２００１−１６２７号公報
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、水溶性多価金属塩を含有する印刷前処理液について種々検討した結果、（１）記録ヘッドからの吐出安定性を確保する上で必要なｐＨ調整剤（アルカリ剤）として、特定の高沸点アミンを用いることにより、前処理液のｐＨ経時安定性、取扱性、安全性を高めることができること、及び、（２）界面活性剤の含有量を特定範囲に調整して前処理液の濡れ性を高めると共に、特定のベンゾトリアゾール塩を含有させることにより、記録媒体の適用範囲の拡大と、記録ヘッドの腐食防止とを両立させることができることを知見した。
【００１２】
本発明は、上記知見（１）及び（２）に基づきなされたもので、少なくとも、水溶性多価金属塩、界面活性剤、高沸点アミン、ベンゾトリアゾール塩及び水を含有し、該界面活性剤の含有量が０．０１〜５重量％であることを特徴とする印刷前処理液を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【００１３】
また、本発明は、記録媒体の被記録面に上記印刷前処理液をインクジェット記録方式により付着させた後、該被記録面に水性顔料インクをインクジェット記録方式により付着させることにより、画像を記録することを特徴とする画像記録方法を提供するものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷前処理液（以下、単に、前処理液ともいう）について詳細に説明する。
【００１５】
本発明の前処理液は、水溶性多価金属塩、界面活性剤、高沸点アミン、ベンゾトリアゾール塩及び水を必須成分として含有する。
【００１６】
水溶性多価金属塩は、インク中の色材、その他の成分の分散状態を破壊し、それらを凝集させる作用を有するもので、二価以上の多価金属イオンとこれに結合する陰イオンとから構成される水に可溶な塩である。多価金属イオンの具体例としては、Ｃａ２＋、Ｃｕ２＋、Ｎｉ２＋、Ｍｇ２＋、Ｚｎ２＋、Ｂａ２＋、Ｆｅ２＋、Ｚｒ２＋等などの二価金属イオン、Ａｌ３＋、Ｆｅ３＋、Ｃｒ３＋、Ｚｒ３＋、Ｚｒ４＋などの三価金属イオンが挙げられる。一方、陰イオンの具体例としては、Ｃｌ−、ＮＯ３ −、Ｉ−、Ｂｒ−、ＣｌＯ３ −、ＣＨ３ＣＯＯ−、Ｆ−、ＳＯ４ ２−、ＳＯ３ ２−などが挙げられる。水溶性多価金属塩は、無水物でもよく、水和物でもよい。
【００１７】
なかでも、Ｍｇ２＋より構成される金属塩、とりわけ、硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４）は、得られる記録物の品質、記録ヘッドに対する影響（腐食性）、安全性（毒性）、コストという４つの観点から、好適な結果を与える。
【００１８】
水溶性多価金属塩の前処理液中における含有量は、印字品質、前処理液の吐出安定性、記録ヘッドの腐食防止などを考慮して適宜調整すればよいが、好ましくは０．５〜２０重量％程度である。
【００１９】
また、本発明の前処理液の必須成分である界面活性剤は、前処理液の塗布面への濡れ性を高める作用を有するものである。この界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、オレフィン系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は、界面活性効果に優れ少量添加でも充分な効果を得ることができ、毒性も少なく安全性が高い。本発明では、これらの界面活性剤の１種を単独で使用してもよく、２種以上を併用してもよい。
【００２０】
上記シリコーン系界面活性剤としては、下記一般式（１）で表されるシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
【００２１】
【化１】
【００２２】
なかでも、上記一般式（１）において、Ｒ１〜Ｒ７が、独立して、Ｃ１−６アルキル基、好ましくはメチル基であり、ｊ及びｋが、独立して、１以上の整数、好ましくは１〜２であり、ｓ及びｔは０以上の整数を表すが、但しｓ＋ｔが１以上の整数、好ましくは２〜４である化合物が好ましい。特に、上記一般式（１）において、ｊ及びｋが同じ数であり、しかも１〜３、好ましくは１又は２である化合物が好ましく、とりわけ、Ｒ１〜Ｒ７が全てメチル基を表し、ｊが１を表し、ｋが１を表し、ｕが１を表し、ｓが１以上の整数、特には１〜５の整数を表し、ｔが０を表す化合物が好ましい。また、上記一般式（１）で表されるシリコーン系界面活性剤としては、市販品を利用することもでき、その具体例としてはビックケミージャパン（株）より市販されているＢＹＫ３４７、３４８を挙げることができる。
【００２３】
また、上記オレフィン系界面活性剤としては、下記一般式（２）で表されるアセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
【００２４】
【化２】
【００２５】
上記一般式（２）で表されるアセチレングリコール系界面活性剤のなかでも、２，４，７，９−テトラメチル−５−デシン−４，７−ジオール、３，６−ジメチル−４−オクチン−３，６−ジオール、３，５−ジメチル−１−ヘキシン−３−オールなどは、本発明に特に好ましく用いられる。また、上記一般式（２）で表されるアセチレングリコール系界面活性剤としては、市販品を利用することもでき、その具体例としてはサーフィノール１０４、８２、４６５、４８５、又はＴＧ（いずれもＡｉｒ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ ａｎｄ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ．Ｉｎｃ．より入手可能）、オルフィンＳＴＧ、オルフィンＥ１０１０（いずれも日信化学社製）を挙げることができる。
【００２６】
界面活性剤の前処理液中における含有量は、０．０１〜５重量％、好ましくは０．１〜１．５重量％に調整する必要がある。界面活性剤の含有量が０．１重量％未満では、前処理液の塗布面への濡れ性が不十分で、フィルムなどの疎水性記録媒体に塗布することができず、５重量％超では、濡れ性が必要以上に高まる結果、ノズルプレートの表面に濡れムラが発生するなどして、ヘッド各部の腐食を招きやすくなる。
【００２７】
また、本発明の前処理液の必須成分である高沸点アミンは、前処理液を記録ヘッドから安定して吐出させるのに必要なｐＨ調整剤（アルカリ剤）として作用するものである。本明細書において、高沸点アミンとは常圧で沸点が１５０℃以上のアミンを意味する。このような特性を有する高沸点アミンをアルカリ剤として含有させた前処理液は、通常の作業環境下に長期間放置したり、前処理液中に含まれる微量の空気を取り除くために行う脱泡処理（減圧吸引処理）を施したりしても、アルカリ剤が揮発することがなく所定のｐＨ値が長期間に亘って維持され、吐出安定性に優れる。
【００２８】
上記高沸点アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。本発明では、これらの高沸点アミンの１種を単独で使用してもよく、２種以上を併用してもよい。なかでも、トリエタノールアミンは高沸点で、毒性も少なく安全性が高いため、本発明に係る高沸点アミンとして好適である。
【００２９】
高沸点アミンの前処理液中における含有量は、印字品質、前処理液の吐出安定性、ｐＨの経時安定性などを考慮して適宜調整すればよいが、好ましくは０．０１〜５重量％程度である。
【００３０】
また、本発明の前処理液の必須成分であるベンゾトリアゾール塩は、上記水溶性多価金属塩由来の金属イオンによる記録ヘッドの腐食、例えば、ノズルプレートの撥水層やステンレス製部品のさびつきや、腐食を防止するためのものである。ベンゾトリアゾール塩としては、例えば、４−メチルベンゾトリアゾールアミン塩、４−メチルベンゾトリアゾールカリウム塩、５−メチルベンゾトリアゾールアミン塩、５−メチルベンゾトリアゾールカリウム塩、５−メチルベンゾトリアゾールナトリウム塩、１Ｈ−ベンゾトリアゾールナトリウム塩、１Ｈ−ベンゾトリアゾールカリウム塩等が挙げられる。本発明では、これらのベンゾトリアゾール塩の１種を単独で使用してもよく、２種以上を併用してもよい。
【００３１】
なかでも、４−メチルベンゾトリアゾールアミン塩及び／又は５−メチルベンゾトリアゾールアミン塩は、インク溶媒との混合性に優れ、また、毒性が少なく安全性が高いので、本発明に係るベンゾトリアゾール塩として好適である。
【００３２】
また、本発明の前処理液の必須成分である水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水などが好ましく用いられる。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理された水は、カビやバクテリアの発生を防止して長期保存を可能とする点で好ましい。
【００３３】
本発明の前処理液には、上記の必須成分（水溶性多価金属塩、界面活性剤、高沸点アミン、ベンゾトリアゾール塩、水）以外に、必要に応じ、浸透剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消光剤、酸化防止剤、防黴剤、防腐剤、増粘剤、湿潤剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、レベリング剤、有機溶媒、アルコール等の各種添加剤を含有させることができる。
【００３４】
以上のような組成の本発明の前処理液は、フィルムなどの疎水性記録媒体への濡れ性、及びインクジェット記録方式による塗布に必要な吐出安定性の２つの観点から、表面張力２０〜４５ｍＮ／ｍ、ｐＨ６．５〜１０、液温２０℃における粘度２〜１０ｍＰａ・ｓであることが好ましい。これらの物性値がそれそれこのような範囲に入るように、上記の各成分を調整することが好ましい。
【００３５】
次に、上記前処理液を用いた本発明の画像記録方法について詳細に説明する。
【００３６】
本発明の画像記録方法は、記録媒体の被記録面に上記前処理液をインクジェット記録方式により付着させた後、該被記録面に水性顔料インクをインクジェット記録方式により付着させることにより、画像を記録することを特徴とする。
【００３７】
前処理液のインクジェット記録方式による記録媒体への付着は、インクと同様に、インクジェット記録装置を用いて行うことができる。インクジェット記録方式には、記録ヘッドのノズルから一定時間間隔でインクを吐出し続け、吐出されたインク液滴を偏向させることにより画像を形成するコンティニュアス方式と、画像データに対応してインクを吐出させるオンデマンド方式とがあり、本発明では何れの方式でも採用できるが、細かい打ち込み制御が可能で、廃液量が少ないオンデマンド方式が好ましい。また、インクの吐出制御方式には、圧電素子（ピエゾ素子）を用いて電圧により制御する方式や、発熱抵抗素子を用いて熱エネルギーにより制御する方式等があるが、特に制限されない。
【００３８】
前処理液は、記録媒体の被記録面の全面に均一な付着量で付着させるのが一般的であるが、インクを付着させる箇所にのみ選択的に付着させてもよい。前処理液の付着量は、所定の効果が得られる範囲で適宜調整すればよく、好ましくは固形分換算で０．０５〜５ｇ／ｍ２程度である。
【００３９】
尚、前処理液を塗布する記録媒体が、紙のような液浸透性の高いものである場合は、前処理液塗布後に記録媒体を乾燥させることなく、そのままインクを付与することができるが、フィルムのような液浸透性の低い記録媒体の場合は、前処理液塗布後にそのままインクを付与するとインクが滲んでしまい、却って画質低下を招くおそれがある。そのようなおそれがある場合は、前処理液塗布後に記録媒体（フィルムなど）を一旦乾燥させて前処理液成分を該記録媒体上に定着させてから、インクを付与すればよい。
【００４０】
本発明の画像記録方法は、上述したように使用可能な記録媒体の範囲が広く、市販のインクジェット専用紙は勿論のこと、インクジェット記録方式に適合した特性が付与されていない一般紙、例えば、上質紙、再生紙、コピー用紙、ボンド紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、樹脂被覆紙（レジンコート紙）、バライタ紙、板紙、和紙、不織布；ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム等も、記録媒体として好適に使用できる。
【００４１】
また、本発明に用いる水性顔料インクとしては、インクジェット記録で使用できるものであればよい。カラー画像を記録する場合は、イエロー、マゼンタ及びシアンの減法混色の３原色のインク、あるいはこれにブラックその他の色のインクを加えた４色以上のインクを用いる。インクジェット記録用の水性顔料インクは、一般に、顔料系色材及び水の他、保湿や浸透調整等のため各種有機溶剤、界面活性剤等が含有されている。インク中における顔料系色材の含有量は、通常０．５〜３０重量％程度である。
【００４２】
上記顔料系色材としては、例えば、酸化チタン及び酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどの無機系顔料；アゾ顔料（アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む）、多環式顔料（例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等）、染料キレート（例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等）、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどの有機系顔料などが挙げられる。
【００４３】
また、上記顔料系色材は、界面活性剤等の分散剤が無添加あるいはごく少量添加の水性媒体中に分散及び／又は溶解が可能ないわゆる自己分散型顔料（表面改質顔料などとも呼ばれる）でもよく、自己分散型ではない通常の顔料でもよい。自己分散型顔料は、一般に、顔料表面にカルボキシル基などのアニオン性基が結合されている。また、自己分散型ではない通常の顔料を使用する場合は、分散剤として、高級脂肪酸塩や高級アルコール硫酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、あるいはポリアクリル酸塩などのアニオン性高分子が顔料と共に併用される。本発明の前処理液中の金属イオンは、このようなアニオン性基を有する自己分散型顔料やアニオン性分散剤とイオン的相互作用により会合体を形成する。
【００４４】
本発明の画像記録方法は、例えば、次のようにして実施することができる。
【００４５】
図１は、本発明の画像記録方法の一実施形態の実施に使用するインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。このインクジェット記録装置１０は、紙送りモータ１１で駆動されるプラテンローラ１２により記録媒体Ｍを矢標Ｘ方向に搬送し、キャリッジ１３上に搭載された記録ヘッド２０が、記録媒体Ｍの被記録面に、インクタンク３０から供給される前処理液及び各色顔料インクをそれぞれ吐出した後、これを図示しない排紙口より搬出するようになしてある。キャリッジ１３は、キャリッジベルト１４を介してキャリッジモータ１５に連結されており、ガイドレール１６上を摺動して、矢標Ｘ方向と直交する矢標Ｙ１又はＹ２方向に主走査するようになっている。
【００４６】
図２は、記録ヘッド２０のノズル開口面２０ａの概略正面図である。図２中、Ｎｚはノズルの開口部を示し、２１及び２６は、前処理液を吐出するノズル列であり、２２，２３，２４，２５は、それぞれ、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、ブラック（Ｋ）の顔料インクを吐出するノズル列である。このように、主走査方向の両端のノズル列を前処理液吐出用とすることで、双方向（Ｙ１及びＹ２）印字及び後処理が可能となり、製造効率が上がる。
【００４７】
このような構成のインクジェットプリンタ１０において、記録ヘッド２０は、矢標Ｙ１方向に走査される場合、記録媒体Ｍの被記録面に対して、先ず、ノズル列２１より前処理液を吐出し、続いてこの前処理液付着領域に対して、ノズル列２２，２３，２４，２５より各色顔料インクを吐出する。矢標Ｙ１方向に走査される場合は、ノズル列２６は使用しない。記録ヘッド２０は、記録領域の矢標Ｙ１方向終端に到達し、記録媒体Ｍが矢標Ｘ方向に所定量搬送された後、矢標Ｙ２方向に走査される。矢標Ｙ２方向に走査される場合は、先ず、ノズル列２６より前処理液を吐出し、続いてこの前処理液付着領域に対して、ノズル列２５，２４，２３，２２より各色顔料インクを吐出する。矢標Ｙ２方向に走査される場合は、ノズル列２１は使用しない。
【００４８】
このような記録ヘッド２０の双方向（Ｙ１及びＹ２）走査と、各走査終了時の記録媒体ＭのＸ方向への搬送とが繰り返されることにより、ブリードがなく発色性に優れるインクジェット画像が形成された記録物が得られる。
【００４９】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
【００５０】
〔前処理液の調製〕
下記に示す前処理液１〜６を調製した。前処理液の調製は、下記の成分を混合し、常温で３０分攪拌した後、５μｍのメンブランフィルターで濾過することにより行った。
【００５１】
（前処理液１）
【００５２】
（前処理液２）
【００５３】
（前処理液３）
【００５４】
（前処理液４）
【００５５】
（前処理液５）
【００５６】
（前処理液６）
【００５７】
（記録物の作製）
インクジェットプリンタ（「ＥＭ９３０Ｃ」セイコーエプソン製）のシアンインクと上記各前処理液とを入れ替えたものを用い、下記の３種の記録媒体の被記録面の全面に、付着量がｗｅｔ換算で７ｇ／ｍ２（固形分換算で０．７ｇ／ｍ２）となるように前処理液を吐出させた後、記録媒体を乾燥させることにより、記録媒体の前処理を行った。次いで、顔料インクジェットプリンタ（ＰＭ４０００ＰＸ、セイコーエプソン製）を用い、この前処理済の記録媒体の被記録面に、ＹＭＣＫ各色のＯＤ＝１のカラーパッチを印刷した。このように、上記各前処理液１〜６ごとに３種の記録媒体を使用して記録物を必要枚数作製し、下記試験例に使用した。
【００５８】
上記記録物の作製に使用した記録媒体は次の３種である。記録媒体１：上質紙（「Ｎｐｉフォーム」日本製紙製、坪量１５７ｇ／ｍ２）、記録媒体２：一般印刷塗工用紙（「ＯＫトップコートＮ」王子製紙製、坪量１５７ｇ／ｍ２）、記録媒体３：コロナ放電処理ＰＥＴフィルム（「Ｓ−１００Ｃ」三菱化学ポリエステル製、厚み３８μｍ）。
【００５９】
〔試験例〕
上記前処理液について、保存安定性、取扱性、腐食防止性、さび防止性、吐出安定性を下記の方法により評価し、上記記録物について、発色性、ブリードを下記の方法により評価した。これらの結果を下記〔表１〕に示す。
【００６０】
（保存安定性の評価方法）
上記前処理液をサンプル瓶に１００ｇ採取し、サンプル瓶を密封した状態で、温度４０℃、湿度２５％の環境に１週間放置した。放置後の前処理液を５μｍのメンブランフィルターで濾過し、異物の発生及び濾過のし易さについての観察結果を下記評価基準により評価した。
評価基準
Ａ：異物の発生が全く無く、濾過も円滑に行うことができた（製造直後と同等に濾過できた）。保存安定性良好。
Ｂ：異物がわずかに発生するが、濾過は円滑に行うことができた。実用上問題なし。
Ｃ：異物が大量に発生し、濾過を円滑に行うことができなかった。実用に堪えない。
【００６１】
（取扱性の評価方法）
上記前処理液をサンプル瓶に１００ｇ採取し、サンプル瓶を密封した状態で、温度４０℃、湿度２５％の環境に１週間放置した。放置後の前処理液を真空ポンプを用いて３ｍｍＨｇで２０分間減圧吸引（脱泡処理）した後、５μｍのメンブランフィルターで濾過し、異物の発生及び濾過のし易さについて観察した。また、下記〔数１〕に従い、上記各前処理液の脱泡処理前後のｐＨ変化率を求めた。これらの結果に基づき、下記評価基準により評価した。
評価基準
Ａ：異物の発生が全く無く、濾過も円滑に行うことができ（製造直後と同等に濾過できた）、且つｐＨ変化率が２．５％以下。取扱性良好。
Ｂ：異物がわずかに発生するが、濾過は円滑に行うことができ、且つｐＨ変化率が５％以下。実用上問題なし。
Ｃ：異物が大量に発生し、濾過を円滑に行うことができなかったか、又はｐＨ変化率が５％を超える。実用に堪えない。
【００６２】
【数１】
【００６３】
（腐食防止性の評価方法）
上記前処理液をインクジェットプリンタＥＭ９３０Ｃの記録ヘッドに充填し、全ノズルからの前処理液の吐出を確認した後、記録ヘッドにキャップをした状態で、４０℃の環境に１週間放置した。放置後、記録ヘッドをプリンタから取り出し、共析メッキの施されたノズル面を顕微鏡で観察し、ノズル面に変化が見られなかった場合をＡ（腐食防止性良好）、腐食がわずかに認められたが実用上問題ない場合をＢ、腐食がはっきりと認められた場合をＣ（実用不可）とした。
【００６４】
（さび防止性の評価方法）
容量１００ｃｃのガラス容器に上記前処理液を５０ｃｃ計り取り、その中へステンレス製プレート（ＳＵＳ３０４プレート）を投入し、プレートの半分が前処理液中に浸かり、残り半分が空気中に露出する状態にしてガラス容器を密閉した。そして、液温６０℃で２週間放置した後のプレートの状態を観察し、液投入前と比べて変化が見られなかった場合をＡ（さび防止性良好）、さびの発生がわずかに認められたが実用上問題ない場合をＢ、さびの発生がはっきりと認められた場合をＣ（実用不可）とした。
【００６５】
（吐出安定性の評価方法）
顔料インクジェットプリンタ（ＰＭ４０００ＰＸ）の記録ヘッドの主走査方向両端に位置するインクカートリッジ内のインクと上記前処理とを入れ替えて、図２に示すようなノズル配置としたものを用いて、ＹＭＣＫの４色を用いたコンポジットパターン上に前処理液を吐出させる印字パターンで、ＯＫトップコートＮを１０００枚印字してこれらの印字面を目視で観察し、下記評価基準により評価した。
評価基準
Ａ：前処理液のノズル抜けや飛行曲がりの発生が認められた箇所が５箇所以内であり、目詰まりを起こした際にクリーニング動作３回以内で復帰した。吐出安定性に優れる。
Ｂ：前処理液のノズル抜けや飛行曲がりの発生が認められた箇所が１０箇所以内であり、目詰まりを起こした際にクリーニング動作５回以内で復帰した。実用上問題なし。
Ｃ：前処理液のノズル抜けや飛行曲がりの発生が認められた箇所が１０箇所を超えており、目詰まりを起こした際にクリーニング動作５回超で復帰したか、又はクリーニング動作をしても復帰できなかった。実用に堪えない。
【００６６】
（発色性の評価方法）
上記記録物のＹＭＣＫの各カラーパッチについて、グレタグマクベス社製のスペクトロリーノＳＰＭ−５０を用い、視野角２度、光源Ｄ５０、フィルター無しの条件で反射光学濃度（ＯＤ値）を測定し、下記評価基準により評価した。
評価基準
Ａ：ＹＭＣＫの４色のＯＤ値の合計が７．５を超える。発色性良好。
Ｂ：４色のＯＤ値の合計が７．５〜６．０。実用上問題なし。
Ｃ：４色のＯＤ値の合計が６．０未満（平均でＯＤ値１．５未満）。実用に堪えない。
【００６７】
（ブリードの評価方法）
上記記録物のＹとＣのカラーパッチが隣接する部分（画質低下が最も判別し易い部分）をそれぞれ目視により観察して、それらの色境界での不均一な色混じりの程度を下記評価基準により評価した。
評価基準
Ａ：色混じりの無い、良好な画像が得られた。
Ｂ：色混じりが僅かに生じた。実用上問題なし。
Ｃ：色の境界がはっきりしないほど色混じりが起こった。実用に堪えない。
【００６８】
【表１】
【００６９】
【発明の効果】
本発明によれば、水性顔料インクを用いるインクジェット記録において、一般事務用紙や塗工印刷用紙あるいはフィルムなどの非インクジェット専用紙を用いた場合にも良好な画像品質を実現することができる。また、本発明の印刷前処理液は、保存安定性、安全性、吐出安定性に優れ、記録ヘッドのノズルプレートの撥水層やステンレス製部品などの腐食を起こすおそれがなく、取扱性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の画像記録方法の一実施形態の実施に使用するインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図２】図１に示す記録ヘッドのノズル開口面の概略正面図である
【符号の説明】
１０ インクジェットプリンタ
１１ 紙送りモータ
１２ プラテンローラ
１３ キャリッジ
１４ キャリッジベルト
１５ キャリッジモータ
１６ ガイドロール
２０ 記録ヘッド
２０ａ ノズル開口面
２１〜２６ ノズル列
３０ インクタンク
Ｎｚ ノズル開口部
Ｍ 記録媒体[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a printing pretreatment liquid applied to a recording surface of a recording medium by an ink jet recording method prior to printing for the purpose of improving image quality and the like, and in particular, general office paper, coated printing paper or film, etc. The present invention relates to a printing pretreatment liquid optimal for ink jet recording using non-ink jet dedicated paper and an image recording method using the same.
[0002]
2. Description of the Related Art
The ink jet recording method is a printing method in which ink droplets are ejected from nozzles of a recording head, and the ink is attached to a recording medium such as paper to record an image. Ink jet recording inks are generally aqueous inks in which a dye-based or pigment-based coloring material is dissolved or dispersed in an aqueous medium, and are broadly classified into dye inks and pigment inks. Until now, dye inks with excellent color reproducibility and the like have been frequently used, but the long-term storability of recorded images has become more important due to the expanded use of inkjet recording technology in digital photography services and commercial printing. As a result, pigment inks having better water resistance and light resistance than dye inks have been used.
[0003]
In general, pigment inks for inkjet recording are inferior in color development of recorded images as compared with dye inks. That is, the image formation using the dye ink is to form an image by dyeing the recording medium itself by infiltrating the dye into the inside of the recording medium, whereas the dye does not remain on the surface of the recording medium, whereas the image using the pigment ink is used. The formation is performed by fixing pigment particles far larger than the dye on the surface of the recording medium and forming an image by the color development of the pigment particles themselves on the surface. As a result, a difference in color appearance and a decrease in coloration due to irregular reflection of incident light are likely to occur. Therefore, in ink-jet recording using a pigment ink, it is an important issue how to enhance the color developability.
[0004]
In addition, in order to obtain an ink-jet image of good image quality, it is preferable to use a recording medium having characteristics compatible with the ink-jet recording method, such as a commercially available paper for exclusive use of ink-jet recording. Even if coated printing paper for printing is used for ink jet recording, these inks have poor ink absorbency, causing so-called bleeding in which colors are bleeding or unevenly mixed at the borders of different colors, resulting in good image quality ink jets. No image can be obtained. However, when the general user uses the inkjet recording, it is often the case that inexpensive general office paper, general coated printing paper or OHP film is used rather than expensive and special inkjet paper. Therefore, it is desired that an ink-jet image having no bleed and having excellent color developability can be formed on such general paper (non-ink-jet dedicated paper).
[0005]
On the other hand, conventionally, prior to ink jet recording, a pretreatment liquid containing a substance that causes the coloring material in the ink to be instantaneously agglomerated is applied to the recording surface of the recording medium, so that bleeding is achieved without bleeding. There is known a method for obtaining an ink jet image having excellent performance. For example, Patent Document 1 discloses an ink jet recording method in which a metal salt solution containing a metal salt such as a magnesium salt is used as a pretreatment liquid, and the metal salt solution and ink are ejected from a recording head of an inkjet recording apparatus. ing. However, this method has a problem that a water-repellent layer covering the surface of the nozzle plate of the recording head, a stainless steel part inside the recording head, and the like are corroded by the influence of metal ions in the metal salt solution.
[0006]
In Patent Document 2, as a pretreatment liquid, a reaction solution containing at least a polyvalent metal salt, ammonia, and benzotriazole or a benzotriazole derivative is used, and the reaction solution and the ink are subjected to eutectoid plating. An ink jet recording method for discharging from a recording head having a nozzle plate has been disclosed. According to this recording method, good printing quality can be realized, and stable printing can be performed for a long period of time without corroding the nozzle plate.
[0007]
However, the reaction liquid (pretreatment liquid) disclosed in Patent Literature 2 uses highly volatile ammonia as a pH adjuster (alkali agent) necessary for ensuring stable ejection from the print head. Therefore, there is a disadvantage that ammonia is volatilized during the handling or during a reduced pressure suction process for defoaming, and the stability over time of pH is poor. For this reason, the reaction liquid may be filled in the recording head in a state where the pH adjustment is insufficient. In such a case, the nozzle may be clogged, and stable ejection over a long period of time may not be performed. Can not. In addition, since ammonia is a harmful substance to the human body, this reaction solution has a problem in terms of safety.
[0008]
Further, it is premised that the reaction liquid disclosed in Patent Document 2 is applied to a recording medium having ink absorption such as paper, and is applied to a recording medium having no ink absorption such as a film. It is not possible. In general, application of an aqueous liquid to a hydrophobic recording medium such as a film can be achieved by lowering the surface tension of the aqueous liquid to increase wettability to a coated surface. If the coating liquid is lowered to such an extent that it can be applied, the wettability to the recording head will also increase, and as a result, the reaction liquid will penetrate into the details of the recording head, causing uneven wetting on the surface of the nozzle plate. Corrosion is likely to occur.
[0009]
Therefore, an object of the present invention is optimal for inkjet recording using an aqueous pigment ink, and can achieve good image quality even when non-inkjet dedicated paper such as general office paper or coated printing paper or film is used. An object of the present invention is to provide a pretreatment liquid for printing which is excellent in storage stability, handleability, and ejection stability and which does not cause corrosion of each component of a recording head, and an image recording method using the same.
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-10-120956
[Patent Document 2]
JP 2001-1627 A
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted various studies on a printing pretreatment liquid containing a water-soluble polyvalent metal salt in order to solve the above-mentioned problems. As a result, (1) necessary for securing the ejection stability from the recording head. By using a specific high-boiling amine as a pH adjuster (alkali agent), it is possible to enhance the stability over time of the pretreatment liquid, the handleability, and the safety, and (2) the content of a surfactant. Is adjusted to a specific range to enhance the wettability of the pretreatment liquid, and by including a specific benzotriazole salt, it is possible to achieve both the expansion of the application range of the recording medium and the prevention of corrosion of the recording head. I learned.
[0012]
The present invention has been made based on the above findings (1) and (2), and comprises at least a water-soluble polyvalent metal salt, a surfactant, a high-boiling amine, a benzotriazole salt and water, and the surfactant The above object has been attained by providing a pretreatment solution for printing characterized by having a content of 0.01 to 5% by weight.
[0013]
Further, the present invention records an image by attaching the above-mentioned pre-printing treatment liquid to a recording surface of a recording medium by an ink jet recording method, and then attaching an aqueous pigment ink to the recording surface by an ink jet recording method. An image recording method is provided.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the printing pretreatment liquid of the present invention (hereinafter, also simply referred to as pretreatment liquid) will be described in detail.
[0015]
The pretreatment liquid of the present invention contains a water-soluble polyvalent metal salt, a surfactant, a high-boiling amine, a benzotriazole salt and water as essential components.
[0016]
The water-soluble polyvalent metal salt has a function of destroying the dispersion state of the coloring material and other components in the ink and aggregating them, and a polyvalent metal ion having two or more valences and an anion bonded thereto. It is a water-soluble salt composed of Specific examples of polyvalent metal ions include Ca2+, Cu2+, Ni2+, Mg2+, Zn2+, Ba2+, Fe2+, Zr2+Divalent metal ions such as Al3+, Fe3+, Cr3+, Zr3+, Zr4+And other trivalent metal ions. On the other hand, specific examples of anions include Cl−, NO3 −, I−, Br−, ClO3 −, CH3COO−, F−, SO4 2-, SO3 2-And the like. The water-soluble polyvalent metal salt may be an anhydride or a hydrate.
[0017]
Above all, Mg2+Metal salts, especially magnesium sulfate (MgSO4)4) Gives favorable results from the four viewpoints of the quality of the recorded matter obtained, the influence on the recording head (corrosiveness), safety (toxicity), and cost.
[0018]
The content of the water-soluble polyvalent metal salt in the pretreatment liquid may be appropriately adjusted in consideration of printing quality, ejection stability of the pretreatment liquid, corrosion prevention of the recording head, and the like, but is preferably 0.5 to It is about 20% by weight.
[0019]
Further, the surfactant, which is an essential component of the pretreatment liquid of the present invention, has an effect of increasing the wettability of the pretreatment liquid to the application surface. As the surfactant, a silicone-based surfactant and an olefin-based surfactant are preferable. These surfactants are excellent in surfactant activity and can obtain a sufficient effect even when added in a small amount, and have low toxicity and high safety. In the present invention, one of these surfactants may be used alone, or two or more thereof may be used in combination.
[0020]
Examples of the silicone-based surfactant include a silicone-based surfactant represented by the following general formula (1).
[0021]
Embedded image
[0022]
In particular, in the general formula (1), R1~ R7But independently C1-6An alkyl group, preferably a methyl group, j and k are each independently an integer of 1 or more, preferably 1-2, and s and t each represent an integer of 0 or more, provided that s + t is 1 or more. Compounds having an integer, preferably 2 to 4, are preferred. In particular, in the general formula (1), a compound in which j and k are the same number, and more preferably 1 to 3, preferably 1 or 2 is preferable.1~ R7Are all methyl groups, j represents 1, k represents 1, u represents 1, s represents an integer of 1 or more, particularly an integer of 1 to 5, and a compound in which t represents 0 is preferable. . As the silicone-based surfactant represented by the general formula (1), a commercially available product can be used, and specific examples thereof include BYK347 and 348 commercially available from BYK Japan KK. be able to.
[0023]
In addition, examples of the olefin-based surfactant include an acetylene glycol-based surfactant represented by the following general formula (2).
[0024]
Embedded image
[0025]
Among the acetylene glycol-based surfactants represented by the general formula (2), 2,4,7,9-tetramethyl-5-decyne-4,7-diol and 3,6-dimethyl-4-octyne -3,6-diol, 3,5-dimethyl-1-hexyn-3-ol and the like are particularly preferably used in the present invention. In addition, as the acetylene glycol-based surfactant represented by the general formula (2), a commercially available product can be used, and specific examples thereof include Surfynol 104, 82, 465, 485, and TG (all of them). Air Products and Chemicals, Inc.), Olfin STG, and Olfin E1010 (all manufactured by Nissin Chemical Co., Ltd.).
[0026]
It is necessary to adjust the content of the surfactant in the pretreatment liquid to 0.01 to 5% by weight, preferably 0.1 to 1.5% by weight. If the content of the surfactant is less than 0.1% by weight, the wettability of the pretreatment liquid to the application surface is insufficient, and the surfactant cannot be applied to a hydrophobic recording medium such as a film. As a result, the wettability is increased more than necessary, and as a result, unevenness of the wetting occurs on the surface of the nozzle plate, so that the head parts are easily corroded.
[0027]
The high-boiling amine, which is an essential component of the pretreatment liquid of the present invention, functions as a pH adjuster (alkali agent) necessary for stably discharging the pretreatment liquid from the recording head. In this specification, a high-boiling amine means an amine having a boiling point of 150 ° C. or more at normal pressure. A pretreatment liquid containing a high-boiling amine having such characteristics as an alkali agent is left in a normal working environment for a long period of time, or defoaming is performed to remove a small amount of air contained in the pretreatment liquid. Even if the treatment (reduced pressure suction treatment) is performed, the predetermined pH value is maintained for a long period without volatilizing the alkaline agent, and the ejection stability is excellent.
[0028]
Examples of the high boiling point amine include triethanolamine, monoethanolamine, diethanolamine and the like. In the present invention, one of these high-boiling amines may be used alone, or two or more thereof may be used in combination. Among them, triethanolamine has a high boiling point, low toxicity and high safety, and is therefore suitable as the high boiling point amine according to the present invention.
[0029]
The content of the high-boiling amine in the pretreatment liquid may be appropriately adjusted in consideration of printing quality, ejection stability of the pretreatment liquid, stability over time of pH, and the like, but is preferably 0.01 to 5% by weight. It is about.
[0030]
In addition, the benzotriazole salt, which is an essential component of the pretreatment liquid of the present invention, may cause corrosion of a recording head due to metal ions derived from the water-soluble polyvalent metal salt, for example, rust on a water-repellent layer of a nozzle plate or a stainless steel part. And to prevent corrosion. Examples of the benzotriazole salt include 4-methylbenzotriazoleamine salt, 4-methylbenzotriazole potassium salt, 5-methylbenzotriazoleamine salt, 5-methylbenzotriazole potassium salt, 5-methylbenzotriazole sodium salt, and 1H- Benzotriazole sodium salt, 1H-benzotriazole potassium salt and the like can be mentioned. In the present invention, one of these benzotriazole salts may be used alone, or two or more thereof may be used in combination.
[0031]
Among them, 4-methylbenzotriazoleamine salt and / or 5-methylbenzotriazoleamine salt are excellent in the mixing property with the ink solvent, and have low toxicity and high safety. It is suitable.
[0032]
As the water which is an essential component of the pretreatment liquid of the present invention, pure water or ultrapure water such as ion-exchanged water, ultrafiltration water, reverse osmosis water and distilled water is preferably used. In addition, water sterilized by ultraviolet irradiation, addition of hydrogen peroxide, or the like is preferable in that mold and bacteria are prevented from being generated and long-term storage is possible.
[0033]
In addition to the above essential components (water-soluble polyvalent metal salt, surfactant, high boiling point amine, benzotriazole salt, water), the pretreatment liquid of the present invention may further include a penetrant, an ultraviolet absorber, and a light Various additives such as stabilizers, quenchers, antioxidants, fungicides, preservatives, thickeners, wetting agents, flow improvers, defoamers, defoamers, leveling agents, organic solvents, alcohols, etc. It can be contained.
[0034]
The pretreatment liquid of the present invention having the above composition has a surface tension of 20 to 45 mN / p from the two viewpoints of wettability to a hydrophobic recording medium such as a film and ejection stability required for application by an inkjet recording method. m, the pH is 6.5 to 10, and the viscosity at a liquid temperature of 20 ° C. is preferably 2 to 10 mPa · s. It is preferable to adjust each of the above components so that these physical property values fall within such ranges.
[0035]
Next, the image recording method of the present invention using the above pretreatment liquid will be described in detail.
[0036]
The image recording method of the present invention records an image by attaching the pretreatment liquid to a recording surface of a recording medium by an inkjet recording method, and then attaching an aqueous pigment ink to the recording surface by an inkjet recording method. It is characterized by doing.
[0037]
Adhesion of the pretreatment liquid to the recording medium by the ink jet recording method can be performed using an ink jet recording apparatus as in the case of the ink. The ink jet recording method includes a continuous method in which ink is continuously ejected from a nozzle of a recording head at a fixed time interval and an image is formed by deflecting the ejected ink droplets, and an ink corresponding to image data. There is an on-demand method for discharging, and any method can be employed in the present invention. However, an on-demand method that allows fine ejection control and has a small amount of waste liquid is preferable. The ink ejection control method includes a method of controlling by voltage using a piezoelectric element (piezo element) and a method of controlling by thermal energy using a heating resistor element, but is not particularly limited.
[0038]
The pretreatment liquid is generally applied to the entire surface of the recording surface of the recording medium with a uniform adhesion amount, but may be selectively applied only to a portion where ink is to be applied. The adhesion amount of the pretreatment liquid may be appropriately adjusted within a range where a predetermined effect can be obtained, and is preferably 0.05 to 5 g / m 2 in terms of solid content.2It is about.
[0039]
Incidentally, when the recording medium to which the pretreatment liquid is applied has a high liquid permeability such as paper, the ink can be applied as it is without drying the recording medium after applying the pretreatment liquid, In the case of a recording medium having a low liquid permeability such as a film, if the ink is applied as it is after the application of the pretreatment liquid, the ink bleeds, and the image quality may be deteriorated. In such a case, the ink may be applied after the recording medium (such as a film) is once dried after the pretreatment liquid is applied to fix the pretreatment liquid component on the recording medium.
[0040]
The image recording method of the present invention has a wide range of recording media that can be used as described above, and includes not only commercially available inkjet-specific paper, but also general paper that is not provided with characteristics suitable for the inkjet recording method, for example, high-quality paper. Paper, recycled paper, copy paper, bond paper, art paper, coated paper, cast-coated paper, resin-coated paper (resin-coated paper), baryta paper, paperboard, Japanese paper, nonwoven fabric; films of polyethylene, polypropylene, polystyrene, polyethylene terephthalate, etc. Can also be suitably used as a recording medium.
[0041]
The aqueous pigment ink used in the present invention may be any ink that can be used in inkjet recording. In the case of recording a color image, ink of three primary colors of subtractive color mixture of yellow, magenta and cyan, or ink of four or more colors obtained by adding ink of black and other colors to this is used. The aqueous pigment ink for inkjet recording generally contains various organic solvents, surfactants, and the like for moisturizing and adjusting permeation in addition to the pigment-based coloring material and water. The content of the pigment-based coloring material in the ink is usually about 0.5 to 30% by weight.
[0042]
Examples of the pigment-based coloring materials include inorganic pigments such as titanium oxide and iron oxide, carbon black produced by a known method such as a contact method, a furnace method, and a thermal method; azo pigments (azo lakes, insoluble azo pigments, Condensed azo pigments, chelated azo pigments, etc.), polycyclic pigments (eg, phthalocyanine pigments, perylene pigments, perinone pigments, anthraquinone pigments, quinacridone pigments, dioxazine pigments, thioindigo pigments, isoindolinone pigments, quinoflurone pigments), dyes Chelates (eg, basic dye type chelates, acidic dye type chelates, etc.), nitro pigments, nitroso pigments, and organic pigments such as aniline black are exemplified.
[0043]
In addition, the pigment-based coloring material is a so-called self-dispersion pigment (also referred to as a surface-modified pigment) which can be dispersed and / or dissolved in an aqueous medium to which no or a small amount of a dispersant such as a surfactant is added. Alternatively, a normal non-self-dispersing pigment may be used. In general, self-dispersible pigments have an anionic group such as a carboxyl group bonded to the surface of the pigment. When using a normal pigment that is not a self-dispersion type, as a dispersant, an anionic surfactant such as a higher fatty acid salt or a higher alcohol sulfate, or an anionic polymer such as a polyacrylate is used together with the pigment. Used together. The metal ion in the pretreatment liquid of the present invention forms an association with such a self-dispersible pigment having an anionic group or an anionic dispersant by ionic interaction.
[0044]
The image recording method of the present invention can be implemented, for example, as follows.
[0045]
FIG. 1 is a perspective view showing a schematic configuration of an ink jet recording apparatus used for carrying out an embodiment of the image recording method of the present invention. The ink jet recording apparatus 10 conveys a recording medium M in a direction indicated by an arrow X by a platen roller 12 driven by a paper feed motor 11, and a recording head 20 mounted on a carriage 13 moves a recording surface of the recording medium M onto the recording surface. After the pretreatment liquid and the color pigment inks supplied from the ink tank 30 are respectively discharged, they are discharged from a paper discharge port (not shown). The carriage 13 is connected to a carriage motor 15 via a carriage belt 14, slides on a guide rail 16, and performs main scanning in the arrowhead Y1 or Y2 direction orthogonal to the arrowhead X direction. I have.
[0046]
FIG. 2 is a schematic front view of the nozzle opening surface 20a of the recording head 20. In FIG. 2, Nz indicates an opening of the nozzle, 21 and 26 are nozzle rows for discharging the pretreatment liquid, and 22, 23, 24, and 25 indicate yellow (Y), magenta (M), This is a nozzle row for discharging cyan (C) and black (K) pigment inks. As described above, by using the nozzle rows at both ends in the main scanning direction for discharging the pretreatment liquid, bidirectional (Y1 and Y2) printing and post-processing can be performed, and the manufacturing efficiency is increased.
[0047]
In the ink jet printer 10 having such a configuration, when the recording head 20 is scanned in the arrow Y1 direction, first, the pretreatment liquid is discharged from the nozzle row 21 onto the recording surface of the recording medium M, Each color pigment ink is ejected from the nozzle rows 22, 23, 24, 25 to the lever pretreatment liquid adhering area. When scanning is performed in the direction of the arrow Y1, the nozzle row 26 is not used. The recording head 20 reaches the end of the recording area in the direction of the arrow Y1, and after the recording medium M is conveyed by a predetermined amount in the direction of the arrow X, is scanned in the direction of the arrow Y2. In the case of scanning in the direction of arrow Y2, first, the pretreatment liquid is discharged from the nozzle row 26, and then the respective color pigment inks are supplied from the nozzle rows 25, 24, 23, and 22 to the pretreatment liquid adhesion area. Discharge. When scanning is performed in the arrow Y2 direction, the nozzle row 21 is not used.
[0048]
By repeating such bidirectional (Y1 and Y2) scanning of the recording head 20 and the conveyance of the recording medium M in the X direction at the end of each scan, an ink jet image having no bleed and excellent color development is formed. A recorded matter is obtained.
[0049]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples of the present invention and test examples showing the effects of the present invention. However, the present invention is not limited to the examples.
[0050]
(Preparation of pretreatment liquid)
Pretreatment liquids 1 to 6 shown below were prepared. Preparation of the pretreatment liquid was performed by mixing the following components, stirring the mixture at room temperature for 30 minutes, and then filtering through a 5 μm membrane filter.
[0051]
(Pretreatment liquid 1)
[0052]
(Pretreatment liquid 2)
[0053]
(Pretreatment liquid 3)
[0054]
(Pretreatment liquid 4)
[0055]
(Pretreatment liquid 5)
[0056]
(Pretreatment liquid 6)
[0057]
(Preparation of recorded material)
Using an ink jet printer (“EM930C” manufactured by Seiko Epson) in which the cyan ink and each of the above pretreatment liquids are exchanged, the adhering amount is 7 g / wet conversion over the entire recording surface of the following three types of recording media. m2(0.7 g / m in terms of solid content)2The pretreatment of the recording medium was performed by discharging the pretreatment liquid so as to satisfy (1) and then drying the recording medium. Next, using a pigment ink jet printer (PM4000PX, manufactured by Seiko Epson), color patches of OD = 1 for each color of YMCK were printed on the recording surface of the pretreated recording medium. In this way, the required number of recorded materials were prepared using three types of recording media for each of the above pretreatment liquids 1 to 6, and used in the following test examples.
[0058]
The following three types of recording media were used for producing the recorded matter. Recording medium 1: high quality paper (“Npi form”, manufactured by Nippon Paper, basis weight 157 g / m2), Recording medium 2: General printing coated paper (“OK Topcoat N” manufactured by Oji Paper, basis weight 157 g / m)2), Recording medium 3: Corona discharge treated PET film (“S-100C” manufactured by Mitsubishi Chemical Polyester, thickness 38 μm).
[0059]
(Test example)
The pretreatment liquid was evaluated for storage stability, handleability, corrosion prevention, rust prevention, and ejection stability by the following methods, and for the recorded matter, color development and bleed were evaluated by the following methods. The results are shown in Table 1 below.
[0060]
(Method of evaluating storage stability)
100 g of the pretreatment liquid was collected in a sample bottle, and the sample bottle was left in a sealed environment at a temperature of 40 ° C. and a humidity of 25% for one week. The pretreatment liquid after standing was filtered through a 5 μm membrane filter, and the observation results on the generation of foreign substances and the ease of filtration were evaluated according to the following evaluation criteria.
Evaluation criteria
A: There was no generation of foreign matter at all, and filtration could be performed smoothly (filtration could be performed at the same level as immediately after production). Good storage stability.
B: Although foreign matters were slightly generated, the filtration could be performed smoothly. No problem in practical use.
C: A large amount of foreign matter was generated, and the filtration could not be performed smoothly. Not practical.
[0061]
(Evaluation method of handleability)
100 g of the pretreatment liquid was collected in a sample bottle, and the sample bottle was left in a sealed environment at a temperature of 40 ° C. and a humidity of 25% for one week. The pretreatment liquid after standing was vacuum-suctioned (defoaming treatment) at 3 mmHg for 20 minutes using a vacuum pump, and then filtered through a 5 μm membrane filter to observe the generation of foreign substances and the ease of filtration. Further, according to the following [Equation 1], the pH change rate before and after the defoaming treatment of each of the above pretreatment liquids was determined. Based on these results, the following evaluation criteria were used.
Evaluation criteria
A: No foreign matter is generated, filtration can be performed smoothly (filtration could be performed just as it was immediately after production), and the pH change rate was 2.5% or less. Good handling.
B: Although foreign matter is slightly generated, filtration can be performed smoothly, and the rate of pH change is 5% or less. No problem in practical use.
C: A large amount of foreign matter was generated, and the filtration could not be performed smoothly, or the rate of pH change exceeded 5%. Not practical.
[0062]
(Equation 1)
[0063]
(Evaluation method of corrosion prevention)
The pretreatment liquid was filled in the recording head of the inkjet printer EM930C, and after the ejection of the pretreatment liquid from all the nozzles was confirmed, the recording head was left in an environment of 40 ° C. for 1 week with the cap capped. After leaving, the recording head was taken out of the printer, and the nozzle surface on which the eutectoid plating was applied was observed with a microscope. When there was no change in the nozzle surface, A (good corrosion prevention) was observed. However, the case where there was no practical problem was B, and the case where corrosion was clearly recognized was C (impractical).
[0064]
(Evaluation method for rust prevention)
50cc of the above pretreatment liquid is weighed into a 100cc glass container, and a stainless steel plate (SUS304 plate) is poured into the glass container. Half of the plate is immersed in the pretreatment liquid and the other half is exposed to the air. To seal the glass container. Then, the state of the plate after being left for 2 weeks at a liquid temperature of 60 ° C. was observed. If no change was observed compared to before the liquid introduction, A (good rust prevention property), rust was slightly observed. However, the case where there was no practical problem was B, and the case where rust was clearly observed was C (impractical).
[0065]
(Method of evaluating discharge stability)
The inks in the ink cartridges located at both ends of the recording head of the pigment ink jet printer (PM4000PX) in the main scanning direction are replaced with the pre-processing described above, and the nozzles shown in FIG. In a printing pattern in which a pretreatment liquid was discharged onto a composite pattern using the above method, 1,000 sheets of OK Topcoat N were printed, and these printed surfaces were visually observed and evaluated according to the following evaluation criteria.
Evaluation criteria
A: No more than 5 locations where the nozzle of the pretreatment liquid was missing or the flight bend was observed, and when clogging occurred, it returned within 3 cleaning operations. Excellent discharge stability.
B: No more than 10 locations where nozzle dropout and flight bending of the pretreatment liquid were observed, and when clogging occurred, the cleaning operation returned within 5 times. No problem in practical use.
C: The number of places where the nozzle of the pretreatment liquid was missing or the occurrence of flight bending was found in more than 10 places, and when clogging occurred, the cleaning operation was returned more than 5 times, or even when the cleaning operation was performed. I could not return. Not practical.
[0066]
(Evaluation method of coloring property)
The reflection optical density (OD value) of each color patch of YMCK of the recorded matter was measured using Spectrolino SPM-50 manufactured by Gretag Macbeth under the conditions of a viewing angle of 2 degrees, a light source of D50, and no filter, and the following evaluation was performed. The evaluation was based on criteria.
Evaluation criteria
A: The sum of the OD values of the four colors of YMCK exceeds 7.5. Good color development.
B: The sum of the OD values of the four colors is 7.5 to 6.0. No problem in practical use.
C: The sum of the OD values of the four colors is less than 6.0 (the OD value is less than 1.5 on average). Not practical.
[0067]
(Bleed evaluation method)
The adjacent portions of the recorded matter where the Y and C color patches are adjacent (the portions where image quality deterioration is most easily discriminated) are visually observed, and the degree of uneven color mixture at the color boundaries is evaluated according to the following evaluation criteria. evaluated.
Evaluation criteria
A: A good image without color mixture was obtained.
B: Color mixture slightly occurred. No problem in practical use.
C: Color mixing occurred such that the boundaries of the colors were not clear. Not practical.
[0068]
[Table 1]
[0069]
【The invention's effect】
According to the present invention, in ink jet recording using an aqueous pigment ink, good image quality can be realized even when non-ink jet dedicated paper such as general office paper, coated printing paper, or film is used. In addition, the pretreatment liquid for printing of the present invention has excellent storage stability, safety, and ejection stability, does not cause corrosion of the water-repellent layer of the nozzle plate of the recording head, stainless steel parts, and the like, and is easy to handle. Excellent.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a schematic configuration of an ink jet recording apparatus used for carrying out an embodiment of an image recording method of the present invention.
FIG. 2 is a schematic front view of a nozzle opening surface of the recording head shown in FIG.
[Explanation of symbols]
10 Inkjet printer
11 Paper feed motor
12 Platen roller
13 Carriage
14 Carriage belt
15 Carriage motor
16 Guide roll
20 Recording head
20a Nozzle opening surface
21 to 26 nozzle row
30 ink tank
Nz nozzle opening
M recording medium
