JP2004273633A - 半導体製造装置及び基板温度調整方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定待ち時間の短縮により生産性が向上する半導体製造装置及び基板温度調整方法及び半導体装置を提供する。
【解決手段】プラズマ処理室11は、少なくとも放電ガスの供給系16及び排気系17に繋がり、内部に半導体ウェハ、ガラス基板などの被処理基板10を収容する載置台12を有する。載置台12は、図示しないヒータ、冷媒供給路等温度調節機能が装備されている。載置台12は、温度調整用のガスを導入するための中央のガス供給部15からガスを外周に向って拡散させるガス伝播領域121を有すると共に、ガス伝播領域121において被処理基板10を静電吸着により支持するためのガス供給部周辺から放射状に伸びた実質的な支持領域122を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】プラズマ処理室11は、少なくとも放電ガスの供給系16及び排気系17に繋がり、内部に半導体ウェハ、ガラス基板などの被処理基板10を収容する載置台12を有する。載置台12は、図示しないヒータ、冷媒供給路等温度調節機能が装備されている。載置台12は、温度調整用のガスを導入するための中央のガス供給部15からガスを外周に向って拡散させるガス伝播領域121を有すると共に、ガス伝播領域121において被処理基板10を静電吸着により支持するためのガス供給部周辺から放射状に伸びた実質的な支持領域122を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置製造に係り、熱処理(アニール等)や、真空処理室に放電用ガスが導入されプラズマ雰囲気を伴う基板に対する成膜処理で、基板を所定の温度に保つ必要のある半導体製造装置及び基板温度調整方法及びこれを利用した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空処理室に放電用ガスが導入されるプラズマ処理装置には、スパッタ装置やドライエッチング装置、CVD装置、イオン打ち込み装置等がある。処理室内は真空(希薄)であるため、熱伝導効率が低下する。特に基板の温度上昇を抑えるための冷却は重要である。最近主流となっている技術は、基板と冷却面との間に冷却ガスを導入し、これを媒体として基板の冷却をする構成である。載置台に置かれた基板冷却面は載置台凹部の冷却ガスで満たされることによって冷却される。載置台凸部の基板接触面は静電吸着により基板の係止に寄与する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−114359号公報(第6−7頁、[図2])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のような載置台においては、冷却ガスの拡散を早めるためのギャップがある。しかし、ギャップを作るための載置台凸部の基板接触面は環状に設けられ、冷却ガスの拡散経路は遮断される。これにより、新しい冷却ガスの循環が妨げられ、基板温度安定化に時間のロスが生じる問題がある。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、安定待ち時間の短縮により生産性が向上する半導体製造装置及び基板温度調整方法及び半導体装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体製造装置は、被処理基板を収容し真空中で少なくとも放電用ガス供給及び排気がなされるプラズマ処理室と、前記プラズマ処理室内に設けられ、温度調整用のガスを導入するための中央のガス供給部からガスを外周に向って拡散させるガス伝播領域を有すると共に、前記ガス伝播領域において前記被処理基板を静電吸着により支持するためのガス供給部周辺から放射状に伸びた実質的な支持領域を有する前記被処理基板の載置台と、を具備したことを特徴とする。
【0006】
上記のような本発明に係る半導体製造装置によれば、ガス伝播領域は、温度調整用のガスが放射状に伸びた実質的な支持領域に沿うように設けられている。ガスは支持領域に沿って拡散し、拡散の妨げにならない。これにより、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。
なお、前記載置台下方に冷媒の循環経路もしくは前記載置台の加熱用熱源が設けられていることを特徴とする。伝播、拡散されるガスの温度上昇防止に寄与する。
【0007】
また、上記のような本発明に係る半導体製造装置は、前記載置台はプレート化され他のガス伝播領域と支持領域の関係を構成した別のプレートと交換可能であることを特徴とする。温度設定の違う被処理基板の温度安定化に対応できる。
また、前記支持領域は所定の表面荒さを有していることを特徴とする。支持領域においても表面荒さによってガスの拡散経路を確保する。
また、前記支持領域は前記載置台の中央側より周縁側の方が幅広となっていることを特徴とする。ガスの伝播を妨げず周縁側の静電吸着力の調整に寄与する。
また、前記支持領域は前記載置台の中央側に比べて周縁側の方がさらに分割されて設けられていることを特徴とする。ガスの伝播を妨げず周縁側の静電吸着力の調整に寄与する。
【0008】
本発明に係る基板温度調整方法は、プラズマ処理室における被処理基板の載置台が静電吸着のための基板電極となり、前記被処理基板と前記基板電極の間で温度調整用のガスを衝突及び熱交換させながら前記基板電極中央から周縁に伝播させ前記被処理基板を所定温度に導くための前記被処理基板と前記基板電極の間の最適なギャップ値またはギャップ領域を選択することを特徴とする。
【0009】
上記のような本発明に係る基板温度調整方法によれば、被処理基板と基板電極の間のギャップ値を最適化して被処理基板と基板電極の間でのガスの衝突頻度を向上させ、熱変換頻度を大きくする。これにより、熱交換効率を大きくすることができる。このようなギャップ値を有するギャップ領域が載置プレート面内で占める割合を最適化する。
【0010】
本発明に係る半導体装置は、上記いずれかに示した半導体製造装置または基板温度調整方法を利用して形成されることを特徴とする。ガス伝播領域は、温度調整用のガスが放射状に伸びた実質的な支持領域に沿うように設けられている。ガスは支持領域に沿って伝播し、拡散の妨げにならない。これにより、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。これにより、品質の良い半導体装置の実現、量産性の向上に寄与する。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(a),(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体製造装置の要部構成を示し、(a)は断面図、(b)はプラズマ処理室内の載置台の平面図である。プラズマ処理室11は、内部に半導体ウェハ、ガラス基板などの被処理基板10を収容する載置台12を有する。プラズマ処理室11は、少なくとも放電ガスの供給系13及び排気系14が繋がり、真空中で少なくとも放電用ガス供給及び排気がなされ、処理ガスをプラズマ化する。載置台12は、図示しないヒータ、冷媒供給路等温度調節機能が装備されている。載置台12は、RF(高周波)またはDC(直流)バイアスされる構成であってよい。載置台12は、温度調整用のガス、例えば冷却ガスを導入するための中央のガス供給部15を有する。さらに載置台12は、ガス供給部15からガスを外周に向って拡散させるガス伝播領域121を有する。これと共に、ガス伝播領域121において被処理基板10を静電吸着により支持するための、ガス供給部周辺から放射状に伸びた実質的な支持領域122を有する。このような構成により、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。また、載置台12には、載置台自体を冷却する冷媒、例えば冷却水の循環経路16が設けられている。
【0012】
載置台12における支持領域122とガス伝播領域121の高低差d1はガス種に依存する0.1〜0.8mmの範囲の所定値に設定される。これにより、被処理基板10とガス伝播領域121との間でガスが衝突及び熱交換を繰り返しながら拡散伝播し、被処理基板10を所定温度範囲に速やかに安定化させる。
【0013】
上記実施形態の構成によれば、載置台12は、ガス伝播領域121と、実質的に被処理基板10と接触する支持領域122で構成される。支持領域122はガス供給部15周辺から放射状に伸び、ガスの伝播を妨げることはない。すなわち、載置台12は基板電極であると同時に被処理基板10と基板電極(ガス伝播領域121)の間で温度調整用のガスを衝突、熱交換させながら中央から周縁に伝播させ被処理基板10を所定温度に導く。被処理基板10を速やかに所定温度に導くための被処理基板10とガス伝播領域121の間の最適なギャップ値またはギャップ領域を選択することが重要である。すなわち、被処理基板10とガス伝播領域121の間のギャップ値を最適化してギャップでのガスの衝突頻度を向上させ、熱変換頻度を大きくする。これにより、熱伝導率を大きくすることができる。このようなギャップ値を有するギャップ領域が載置プレート面内で占める割合を最適化すればよい。ギャップ値はガス種によるが、およそ100〜800μm程度の範囲から選ばれる。
【0014】
なお、載置台12における支持領域122は、短冊型でガス供給部周辺から放射状に伸びているが、他の形状でもよい。
図2は、上記第1実施形態の第1応用例であり、図1(b)に対応する。載置台12における支持領域122の他の形状例であり、載置台12の中央側より周縁側の方が幅広となっていてもよい。静電吸着力の調整にも寄与する。
図3は、上記第1実施形態の第2応用例であり、図1(b)に対応する。載置台12における支持領域122の他の形状例であり、載置台12の中央側に比べて周縁側の方がさらに分割されて設けられていてもよい。静電吸着力の調整にも寄与する。
【0015】
図4(a),(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体製造装置の要部構成を示すプラズマ処理室内の載置台の平面図、断面図である。この実施形態では被処理基板10を収容する載置台がプレート化されており、交換可能な載置プレート22となっている。これにより、温度設定の違う被処理基板の温度安定化に対応できる。
載置プレート22は、その下方に図示しないヒータ、冷媒供給路等温度調節機能が装備されている。その他の構成は前記第1実施形態と同様である。すなわち、載置プレート22は、温度調整用のガスを導入するための中央のガス供給部25からガスを外周に向って拡散させるガス伝播領域221を有すると共に、ガス伝播領域221において被処理基板10を静電吸着により支持するためのガス供給部周辺から放射状に伸びた実質的な支持領域222を有する。プラズマ処理室11は、少なくとも放電ガスの供給系13及び排気系14が繋がっている。
【0016】
上記実施形態においても、第1実施形態と同様、ガス伝播領域221は、温度調整用のガスが放射状に伸びた実質的な支持領域222に沿うように設けられている。ガスは支持領域222に沿って拡散し、拡散の妨げにならない。載置プレート22における支持領域222とガス伝播領域221の高低差d2は0.1〜0.8mmの範囲の所定値に設定される。すなわち、被処理基板10とガス伝播領域221の間のギャップ値を最適化してギャップでのガスの衝突頻度を向上させ、熱変換頻度を大きくする。これにより、熱伝導率を大きくすることができる。このようなギャップ値を有するギャップ領域が載置プレート面内で占める割合を最適化すればよい。これにより、被処理基板10とガス伝播領域221との間でガスが衝突を繰り返しながら拡散伝播し、被処理基板10を所定温度範囲に速やかに安定化させる。なお、支持領域222にはガスの伝播に寄与する所定の表面荒さが設けられている。このような構成により、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。なお、載置プレート22下方には、冷媒、例えば冷却水の循環経路16が設けられている。
【0017】
なお、第1実施形態同様、載置プレート22における支持領域222は、短冊型でガス供給部周辺から放射状に伸びているが、他の形状でもよい。すなわち、支持領域222は前記図2に示す形態と同様に、中央側より周縁側の方が幅広となっていてもよい。また、支持領域222は図3に示す形態と同様に、中央側に比べて周縁側の方がさらに分割されて設けられていてもよい。
【0018】
なお、プラズマ処理装置として上記各実施形態が用いられるスパッタ装置に関して、ターゲットの構成やマグネットを含むカソード側モジュールの機構は各種考えられ別段限定されない。マグネットの配置構造も他の様々な構成が考えられる。また、ドライエッチング装置、CVD装置、イオン打ち込み装置等、プラズマ処理装置として本発明の構成、基板温度調整方法の応用が期待できる。さらに、熱処理(アニール等)装置などにも本発明の構成、基板温度調整方法の応用が期待できる。
【0019】
上記各実施形態の構成によれば、プラズマ処理室における被処理基板10の載置台12(また載置プレート22)が静電吸着のための基板電極となる。基板温度調整方法として、被処理基板10と基板電極の間で温度調整用のガスを衝突及び熱交換させながら基板電極中央から周縁に伝播させ、被処理基板10を所定温度に導くための、被処理基板10と基板電極の間の最適なギャップ値またはギャップ領域を選択する。ガス伝播領域121(または221)は、温度調整用のガスが放射状に伸びた実質的な支持領域に沿うように設けられる。ガスは支持領域122(222)に沿って拡散し、拡散の妨げにならない。これにより、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。時間短縮に寄与し、基板温度低下や不必要な層間膜の生成の心配がない。これにより、被処理基板10の高品質の成膜と生産効率の向上が期待できる。この結果、安定待ち時間の短縮により生産性が向上する半導体製造装置及び基板温度調整方法及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体製造装置の要部構成の各図。
【図2】載置台における支持領域の他の形状例を示す平面図。
【図3】載置台における支持領域の他の形状例を示す平面図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る半導体製造装置の要部構成の各図。
【符号の説明】
10…被処理基板、11…プラズマ処理室、12…載置台、121,221…ガス伝播領域、122,222…支持領域、13…放電ガスの供給系、14…排気系、15…ガス供給部、16…冷却水の循環経路、17…排気系、22…載置プレート。
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置製造に係り、熱処理(アニール等)や、真空処理室に放電用ガスが導入されプラズマ雰囲気を伴う基板に対する成膜処理で、基板を所定の温度に保つ必要のある半導体製造装置及び基板温度調整方法及びこれを利用した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空処理室に放電用ガスが導入されるプラズマ処理装置には、スパッタ装置やドライエッチング装置、CVD装置、イオン打ち込み装置等がある。処理室内は真空(希薄)であるため、熱伝導効率が低下する。特に基板の温度上昇を抑えるための冷却は重要である。最近主流となっている技術は、基板と冷却面との間に冷却ガスを導入し、これを媒体として基板の冷却をする構成である。載置台に置かれた基板冷却面は載置台凹部の冷却ガスで満たされることによって冷却される。載置台凸部の基板接触面は静電吸着により基板の係止に寄与する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−114359号公報(第6−7頁、[図2])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のような載置台においては、冷却ガスの拡散を早めるためのギャップがある。しかし、ギャップを作るための載置台凸部の基板接触面は環状に設けられ、冷却ガスの拡散経路は遮断される。これにより、新しい冷却ガスの循環が妨げられ、基板温度安定化に時間のロスが生じる問題がある。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、安定待ち時間の短縮により生産性が向上する半導体製造装置及び基板温度調整方法及び半導体装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体製造装置は、被処理基板を収容し真空中で少なくとも放電用ガス供給及び排気がなされるプラズマ処理室と、前記プラズマ処理室内に設けられ、温度調整用のガスを導入するための中央のガス供給部からガスを外周に向って拡散させるガス伝播領域を有すると共に、前記ガス伝播領域において前記被処理基板を静電吸着により支持するためのガス供給部周辺から放射状に伸びた実質的な支持領域を有する前記被処理基板の載置台と、を具備したことを特徴とする。
【0006】
上記のような本発明に係る半導体製造装置によれば、ガス伝播領域は、温度調整用のガスが放射状に伸びた実質的な支持領域に沿うように設けられている。ガスは支持領域に沿って拡散し、拡散の妨げにならない。これにより、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。
なお、前記載置台下方に冷媒の循環経路もしくは前記載置台の加熱用熱源が設けられていることを特徴とする。伝播、拡散されるガスの温度上昇防止に寄与する。
【0007】
また、上記のような本発明に係る半導体製造装置は、前記載置台はプレート化され他のガス伝播領域と支持領域の関係を構成した別のプレートと交換可能であることを特徴とする。温度設定の違う被処理基板の温度安定化に対応できる。
また、前記支持領域は所定の表面荒さを有していることを特徴とする。支持領域においても表面荒さによってガスの拡散経路を確保する。
また、前記支持領域は前記載置台の中央側より周縁側の方が幅広となっていることを特徴とする。ガスの伝播を妨げず周縁側の静電吸着力の調整に寄与する。
また、前記支持領域は前記載置台の中央側に比べて周縁側の方がさらに分割されて設けられていることを特徴とする。ガスの伝播を妨げず周縁側の静電吸着力の調整に寄与する。
【0008】
本発明に係る基板温度調整方法は、プラズマ処理室における被処理基板の載置台が静電吸着のための基板電極となり、前記被処理基板と前記基板電極の間で温度調整用のガスを衝突及び熱交換させながら前記基板電極中央から周縁に伝播させ前記被処理基板を所定温度に導くための前記被処理基板と前記基板電極の間の最適なギャップ値またはギャップ領域を選択することを特徴とする。
【0009】
上記のような本発明に係る基板温度調整方法によれば、被処理基板と基板電極の間のギャップ値を最適化して被処理基板と基板電極の間でのガスの衝突頻度を向上させ、熱変換頻度を大きくする。これにより、熱交換効率を大きくすることができる。このようなギャップ値を有するギャップ領域が載置プレート面内で占める割合を最適化する。
【0010】
本発明に係る半導体装置は、上記いずれかに示した半導体製造装置または基板温度調整方法を利用して形成されることを特徴とする。ガス伝播領域は、温度調整用のガスが放射状に伸びた実質的な支持領域に沿うように設けられている。ガスは支持領域に沿って伝播し、拡散の妨げにならない。これにより、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。これにより、品質の良い半導体装置の実現、量産性の向上に寄与する。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(a),(b)は、本発明の第1実施形態に係る半導体製造装置の要部構成を示し、(a)は断面図、(b)はプラズマ処理室内の載置台の平面図である。プラズマ処理室11は、内部に半導体ウェハ、ガラス基板などの被処理基板10を収容する載置台12を有する。プラズマ処理室11は、少なくとも放電ガスの供給系13及び排気系14が繋がり、真空中で少なくとも放電用ガス供給及び排気がなされ、処理ガスをプラズマ化する。載置台12は、図示しないヒータ、冷媒供給路等温度調節機能が装備されている。載置台12は、RF(高周波)またはDC(直流)バイアスされる構成であってよい。載置台12は、温度調整用のガス、例えば冷却ガスを導入するための中央のガス供給部15を有する。さらに載置台12は、ガス供給部15からガスを外周に向って拡散させるガス伝播領域121を有する。これと共に、ガス伝播領域121において被処理基板10を静電吸着により支持するための、ガス供給部周辺から放射状に伸びた実質的な支持領域122を有する。このような構成により、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。また、載置台12には、載置台自体を冷却する冷媒、例えば冷却水の循環経路16が設けられている。
【0012】
載置台12における支持領域122とガス伝播領域121の高低差d1はガス種に依存する0.1〜0.8mmの範囲の所定値に設定される。これにより、被処理基板10とガス伝播領域121との間でガスが衝突及び熱交換を繰り返しながら拡散伝播し、被処理基板10を所定温度範囲に速やかに安定化させる。
【0013】
上記実施形態の構成によれば、載置台12は、ガス伝播領域121と、実質的に被処理基板10と接触する支持領域122で構成される。支持領域122はガス供給部15周辺から放射状に伸び、ガスの伝播を妨げることはない。すなわち、載置台12は基板電極であると同時に被処理基板10と基板電極(ガス伝播領域121)の間で温度調整用のガスを衝突、熱交換させながら中央から周縁に伝播させ被処理基板10を所定温度に導く。被処理基板10を速やかに所定温度に導くための被処理基板10とガス伝播領域121の間の最適なギャップ値またはギャップ領域を選択することが重要である。すなわち、被処理基板10とガス伝播領域121の間のギャップ値を最適化してギャップでのガスの衝突頻度を向上させ、熱変換頻度を大きくする。これにより、熱伝導率を大きくすることができる。このようなギャップ値を有するギャップ領域が載置プレート面内で占める割合を最適化すればよい。ギャップ値はガス種によるが、およそ100〜800μm程度の範囲から選ばれる。
【0014】
なお、載置台12における支持領域122は、短冊型でガス供給部周辺から放射状に伸びているが、他の形状でもよい。
図2は、上記第1実施形態の第1応用例であり、図1(b)に対応する。載置台12における支持領域122の他の形状例であり、載置台12の中央側より周縁側の方が幅広となっていてもよい。静電吸着力の調整にも寄与する。
図3は、上記第1実施形態の第2応用例であり、図1(b)に対応する。載置台12における支持領域122の他の形状例であり、載置台12の中央側に比べて周縁側の方がさらに分割されて設けられていてもよい。静電吸着力の調整にも寄与する。
【0015】
図4(a),(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体製造装置の要部構成を示すプラズマ処理室内の載置台の平面図、断面図である。この実施形態では被処理基板10を収容する載置台がプレート化されており、交換可能な載置プレート22となっている。これにより、温度設定の違う被処理基板の温度安定化に対応できる。
載置プレート22は、その下方に図示しないヒータ、冷媒供給路等温度調節機能が装備されている。その他の構成は前記第1実施形態と同様である。すなわち、載置プレート22は、温度調整用のガスを導入するための中央のガス供給部25からガスを外周に向って拡散させるガス伝播領域221を有すると共に、ガス伝播領域221において被処理基板10を静電吸着により支持するためのガス供給部周辺から放射状に伸びた実質的な支持領域222を有する。プラズマ処理室11は、少なくとも放電ガスの供給系13及び排気系14が繋がっている。
【0016】
上記実施形態においても、第1実施形態と同様、ガス伝播領域221は、温度調整用のガスが放射状に伸びた実質的な支持領域222に沿うように設けられている。ガスは支持領域222に沿って拡散し、拡散の妨げにならない。載置プレート22における支持領域222とガス伝播領域221の高低差d2は0.1〜0.8mmの範囲の所定値に設定される。すなわち、被処理基板10とガス伝播領域221の間のギャップ値を最適化してギャップでのガスの衝突頻度を向上させ、熱変換頻度を大きくする。これにより、熱伝導率を大きくすることができる。このようなギャップ値を有するギャップ領域が載置プレート面内で占める割合を最適化すればよい。これにより、被処理基板10とガス伝播領域221との間でガスが衝突を繰り返しながら拡散伝播し、被処理基板10を所定温度範囲に速やかに安定化させる。なお、支持領域222にはガスの伝播に寄与する所定の表面荒さが設けられている。このような構成により、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。なお、載置プレート22下方には、冷媒、例えば冷却水の循環経路16が設けられている。
【0017】
なお、第1実施形態同様、載置プレート22における支持領域222は、短冊型でガス供給部周辺から放射状に伸びているが、他の形状でもよい。すなわち、支持領域222は前記図2に示す形態と同様に、中央側より周縁側の方が幅広となっていてもよい。また、支持領域222は図3に示す形態と同様に、中央側に比べて周縁側の方がさらに分割されて設けられていてもよい。
【0018】
なお、プラズマ処理装置として上記各実施形態が用いられるスパッタ装置に関して、ターゲットの構成やマグネットを含むカソード側モジュールの機構は各種考えられ別段限定されない。マグネットの配置構造も他の様々な構成が考えられる。また、ドライエッチング装置、CVD装置、イオン打ち込み装置等、プラズマ処理装置として本発明の構成、基板温度調整方法の応用が期待できる。さらに、熱処理(アニール等)装置などにも本発明の構成、基板温度調整方法の応用が期待できる。
【0019】
上記各実施形態の構成によれば、プラズマ処理室における被処理基板10の載置台12(また載置プレート22)が静電吸着のための基板電極となる。基板温度調整方法として、被処理基板10と基板電極の間で温度調整用のガスを衝突及び熱交換させながら基板電極中央から周縁に伝播させ、被処理基板10を所定温度に導くための、被処理基板10と基板電極の間の最適なギャップ値またはギャップ領域を選択する。ガス伝播領域121(または221)は、温度調整用のガスが放射状に伸びた実質的な支持領域に沿うように設けられる。ガスは支持領域122(222)に沿って拡散し、拡散の妨げにならない。これにより、常に新しいガスの供給があり早く温度安定化されやすい。時間短縮に寄与し、基板温度低下や不必要な層間膜の生成の心配がない。これにより、被処理基板10の高品質の成膜と生産効率の向上が期待できる。この結果、安定待ち時間の短縮により生産性が向上する半導体製造装置及び基板温度調整方法及び半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体製造装置の要部構成の各図。
【図2】載置台における支持領域の他の形状例を示す平面図。
【図3】載置台における支持領域の他の形状例を示す平面図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る半導体製造装置の要部構成の各図。
【符号の説明】
10…被処理基板、11…プラズマ処理室、12…載置台、121,221…ガス伝播領域、122,222…支持領域、13…放電ガスの供給系、14…排気系、15…ガス供給部、16…冷却水の循環経路、17…排気系、22…載置プレート。
Claims (8)
- 被処理基板を収容し真空中で少なくとも放電用ガス供給及び排気がなされるプラズマ処理室と、
前記プラズマ処理室内に設けられ、温度調整用のガスを導入するための中央のガス供給部からガスを外周に向って拡散させるガス伝播領域を有すると共に、前記ガス伝播領域において前記被処理基板を静電吸着により支持するためのガス供給部周辺から放射状に伸びた実質的な支持領域を有する前記被処理基板の載置台と、
を具備したことを特徴とする半導体製造装置。 - 前記載置台を冷却する冷媒の循環経路もしくは前記載置台の加熱用熱源が設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
- 前記載置台はプレート化され、他のガス伝播領域と支持領域の関係を構成した別のプレートと交換可能であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体製造装置。
- 前記支持領域は所定の表面荒さを有していることを特徴とする請求項1〜3いずれか一つに記載の半導体製造装置。
- 前記支持領域は前記載置台の中央側より周縁側の方が幅広となっていることを特徴とする請求項1〜4いずれか一つに記載の半導体製造装置。
- 前記支持領域は前記載置台の中央側に比べて周縁側の方がさらに分割されて設けられていることを特徴とする請求項1〜5いずれか一つに記載の半導体製造装置。
- プラズマ処理室における被処理基板の載置台が静電吸着のための基板電極となり、前記被処理基板と前記基板電極の間で温度調整用のガスを衝突及び熱交換させながら前記基板電極中央から周縁に伝播させ前記被処理基板を所定温度に導くための前記被処理基板と前記基板電極の間の最適なギャップ値またはギャップ領域を選択することを特徴とする基板温度調整方法。
- 前記請求項1〜7いずれかに示す半導体製造装置または基板温度調整方法を利用して形成されることを特徴とする半導体装置。
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