JP2004273137A - 照明装置及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機EL素子を光源として用い、導波光の発生を抑制し、光取り出し効率を向上させた白色の発光色の照明装置、及び、液晶表示装置を提供する。
【解決手段】支持基板上に形成した有機EL素子を光源として利用する照明装置において、該有機EL素子の発光の発光極大波長が500nm未満であって、前記支持基板は、前記有機EL素子からの発光を励起光として吸収し、該励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体が内部に分散された基板である照明装置。
【選択図】 図1
【解決手段】支持基板上に形成した有機EL素子を光源として利用する照明装置において、該有機EL素子の発光の発光極大波長が500nm未満であって、前記支持基板は、前記有機EL素子からの発光を励起光として吸収し、該励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体が内部に分散された基板である照明装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子を光源として所定箇所を照らす照明装置、及び、画像表示を行う液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自発光素子として有機EL素子が注目されている。有機EL素子は、薄膜の有機化合物の発光層を電極で挟持した構成で、電極間に電流を供給すると発光する素子である。したがって、薄膜である有機EL素子を、液晶表示装置や照明装置の光源として利用すると装置の小型化、軽量化が容易となる。
【0003】
図7は、有機EL素子を光源として利用した従来の照明装置の模式図である。
照明装置100は、光源となる有機EL素子120、透明な基板110等からなる。
【0004】
有機EL素子120は、対向する透明電極111、反射電極113間に発光層112を備え、基板110上に形成されている。発光層112から発光した光は、透明電極111、基板110を通過して、基板110上に設けられた、所定方向に集光する機能を備えるプリズムシート114により、面状光として方向Gに向けて射出され、方向Gを照らす。
【0005】
一方、液晶表示装置の光源や照明装置の光源の発光色は、白色化する事が好ましい。しかしながら、光源である有機EL素子は、単一の発光材料で白色発光を示すものがないため、複数の発光色により白色化している。複数の発光色を得るための材料の組み合わせは、複数の発光材料による複数の発光色、発光材料による発光色と発光材料からの光を励起光として光を波長変換して発光する蛍光材料との組み合わせ等が挙げられる。
【0006】
発光材料と蛍光材料を組み合わせた従来の照明装置として、特許文献1には、蛍光材料を内部に備えた透明なフィルム上に有機EL素子を形成する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−126861号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平8−321381号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の照明装置100においては、有機EL素子120からの光は、透明電極111や透明な基板110を通過する際に、その界面において、入射した光が広角(臨界角以上)のときに界面で反射が起きて、方向Gに向かわない。例えば、基板110の界面で反射した光は、基板110内部を導波して基板110の端面方向X、方向Yに向かう。このため、照明装置100として利用する方向である方向Gに向かう光量が低下して、光の取り出し効率が減少する。
【0010】
また、前述した照明装置100を液晶表示装置のバックライトとして利用すると、入射した外光が有機EL素子120の反射電極113に反射して写り込むため画像表示の妨げになり視認性が低下する。この問題を解決するために特許文献2には、光が射出する射出面に偏光板と1/4λ板とを積層して設けて、反射する光を円偏向に変えて反射光を低減する技術が開示されているが、液晶表示装置が厚くなる問題がある。
【0011】
また、上記特許文献1に開示された技術においては、単に蛍光材料を備えたフィルムを開示しただけで、光の発色、基板特性に関しては記載されておらず、白色の照明装置として利用するには不十分であった。
【0012】
本発明は上記点に鑑みなされたもので、その目的は、導波光の発生を抑制し、光取り出し効率を向上させた白色の発光色の照明装置、及び、液晶表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は
1) 支持基板上に形成した有機EL素子を光源として利用する照明装置において、該有機EL素子の発光の発光極大波長が500nm未満であって、前記支持基板は、前記有機EL素子からの発光を励起光として吸収し、該励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体が内部に分散された基板である照明装置、
2) 前記支持基板は、ヘイズが15%以上90%未満、かつ、全光透過率が50%以上95%未満の光散乱性かつ光透過性である1)の照明装置、
3) 射出される光が、色度図においてx値0.22〜0.4、y値0.22〜0.4の範囲の色の光である1)又は2)の照明装置、
4) 前記蛍光体は、無機蛍光体又は希土類金属錯体蛍光体である1)〜3)のいずれかの照明装置、
5) 前記有機EL素子の発光は、リン光に由来する発光である1)〜4)のいずれかの照明装置、
6) 有機EL素子を形成した支持基板から射出される光を光源とし、発光極大波長が500nm未満の有機EL素子と、該有機EL素子からの発光を励起光として吸収し、該励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体と、当該蛍光体を内部に備え、ヘイズが15%以上90%未満、かつ、全光透過率が50%以上95%未満である支持基板とを有する液晶表示装置、
7) 前記支持基板からの光は、色度図においてx値0.22〜0.4、y値0.22〜0.4の範囲の色である6)の液晶表示装置、
8) 前記蛍光体は、無機蛍光体又は希土類金属錯体蛍光体である6)又は7)の液晶表示装置、
9) 前記有機EL素子の発光は、リン光に由来する発光である6)〜8)のいずれかの液晶表示装置、
により達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態の照明装置50の模式図である。
図において、照明装置50は、有機EL素子10、内部に蛍光材料21が分散された支持基板20、電源30等を備え、照明として利用する方向である方向Gに向けて支持基板20の射出面Aから光を射出する。
【0016】
有機EL素子10は、透明電極11(陽極)、反射電極13(陰極)、対向する電極間に少なくとも発光層を含む有機層12を備え、支持基板20上に形成されている。
【0017】
ここで、本発明における有機EL素子10とは、透明電極11、反射電極13を介して電源30から供給された電流により、発光層において電子および正孔が結合し、結合により生じた励起エネルギーを利用した発光を行う素子で、発光層12からの光は透明電極11を通して取り出される。励起エネルギーを利用する発光としては、一重項励起エネルギーを発光に利用する蛍光、あるいは、三重項励起エネルギーを発光に利用する燐光が挙げられる。
【0018】
特に、燐光は、三重項励起子が発光に寄与するため、蛍光にくらべて高い発光効率が得られるので、光源として望ましい発光である。燐光に由来する発光を行う発光層は、発光ホストと燐光ドーパントの少なくとも2つの発光材料を含んでおり、発光ホストは、燐光ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高いエネルギーをもつ事が必要である。
【0019】
透明電極11は、インジウムチンオキサイド(ITO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、金、酸化スズ、酸化亜鉛等の導電材料からなり、仕事関数が4eV以上で透過率が40%以上の導電材料が好ましい。
【0020】
有機層12は、発光する発光層を含む数nm〜数μmの有機化合物または錯体の単層または、複数層、例えば、陽極と接する正孔輸送層、発光材料を備える発光層、陰極と接する電子輸送層の3層等からなる複数層で、フッ化リチウム層や無機金属塩の層、またはそれらを含有する層などが任意の位置に配置されていてもよい。発光層の発光材料については後述する。
【0021】
反射電極13は、アルミニウム、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、銀、カルシウム等の金属材料からなり、仕事関数が4eV未満で、反射率が60%以上の金属材料が好ましい。
【0022】
また、有機EL素子10を構成する有機化合物は、水分や大気中の酸素による劣化が激しいため、窒素等の不活性ガスの雰囲気下で金属管やガラス管、有機膜、金属酸化物膜、金属窒化物膜、金属酸窒化物膜、金属膜等により有機層12を覆って封止し、外部雰囲気から遮蔽するのが一般的であるが、本発明の詳細な説明においては、有機EL素子10の封止の図や説明は省略している。
【0023】
また、有機EL素子10は、陽極と陰極の位置を入れ替えて陰極を透明電極とする構成としても良い。
【0024】
支持基板20は、基材に蛍光材料21を分散して光散乱性を付与して形成した基板で、基材としては、ガラス、石英等のソリッド基板用の基材、あるいは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等のフレキシブル基板用の基材である。本発明の基材としては、蛍光材料21の分散を効率良く行うためにフレキシブル基材、すなわちポリマーであることが好ましい。
【0025】
本発明の支持基板20は、内部に蛍光材料21を分散させて光散乱性を得るものであり、従来液晶表示装置等で広く用いられているアンチグレアフィルムのように基板表面を粗面加工したものではなく、表面は実質的に平滑であることが好ましい。少なくとも有機EL素子が積層される側の表面粗さ(Ra値)は100nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。
【0026】
本発明の支持基板20の製造方法としては、押し出し延伸法または溶剤キャスト法が適用できるが、表面の平滑性を付与する観点から溶剤キャスト法で製造することが好ましい。
【0027】
電源30は、有機EL素子10に電流を供給する電流源で、有機EL素子10の電極に接続して供給する電流により、有機EL素子10が発光する。
【0028】
蛍光材料21は、有機EL素子10が発光する光を励起光として吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させることで、励起光より長波長領域の光を発光して発光色の色変換を行うものである。
【0029】
蛍光材料21は、経時での分解や量子効率の低下の少ない安定なものが好ましく、その観点から無機蛍光体又は希土類金属錯体系の蛍光体が好ましく、有機EL素子10の発光波長域に蛍光体の吸収波長領域が存在することが望ましい。また、発光色を純度の高い白色にするため有機EL素子10の発光を500nm未満として短波化しており、蛍光材料21の吸収波長領域は500nm未満付近を有していることが好ましい。
【0030】
本発明における無機蛍光体の組成は特に制限はないが、結晶母体であるY2O2S、Zn2SiO4、Ca5(PO4)3Cl等に代表される金属酸化物及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Al、Mn、In、Cu、Sb等の金属のイオンを賦活剤または共賦活剤として組み合わせたものが好ましい。
【0031】
結晶母体を更に詳しく説明すると、結晶母体としては金属酸化物が好ましく、例えば、(X)3Al16O27、(X)4Al14O25、(X)3Al2Si2O10、(X)4Si2O8、(X)2Si2O6、(X)2P2O7、(X)2P2O5、(X)5(PO4)3Cl、(X)2Si3O8−2(X)Cl2〔ここで、Xはアルカリ土類金属を表す。なお、Xで表されるアルカリ土類金属は単一成分でも2種類以上の混合成分でもよく、その混合比率は任意でよい。〕のようなアルカリ土類金属で置換された酸化アルミニウム、酸化ケイ素、リン酸、ハロリン酸等が代表的な結晶母体として挙げられる。
【0032】
その他の好ましい結晶母体としては、亜鉛の酸化物および硫化物、イットリウムやガドリウム、ランタン等の希土類金属の酸化物およびその酸化物の酸素の一部を硫黄原子に換えた(硫化物)もの、および希土類金属の硫化物およびそれらの酸化物や硫化物に任意の金属元素を配合したもの等が挙げられる。
【0033】
結晶母体の好ましい例としては、ZnS、Y2O2S、Y3Al5O12、Y2SiO10、Zn2SiO4、Y2O3、BaMgAl10O17、BaAl12O19、(Ba、Sr、Mg)O・aAl2O3、(Y、Gd)BO3、(Zn、Cd)S、SrGa2S4、SrS、GaS、SnO2、Ca10(PO4)6(F、Cl)2、(Ba、Sr)(Mg、Mn)Al10O17、(Sr、Ca、Ba、Mg)10(PO4)6Cl2、(La、Ce)PO4、CeMgAl11O19、GdMgB5O10、Sr2P2O7、Sr4Al14O25、Y2SO4、Gd2O2S、Gd2O3、YVO4、Y(P,V)O4等が挙げられる。
【0034】
以上の結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、同族の元素と一部置き換えたものでも構わないし、とくに元素組成に制限はなく、紫外領域〜青色領域の光を吸収して可視光を発するものであればよい。
【0035】
本発明において、無機蛍光体の賦活剤、共賦活剤として好ましいものは、La、Eu、Tb、Ce、Yb、Pr等に代表されるランタノイド元素のイオン、Ag、Mn、Cu、In、Al等の金属のイオンであり、そのドープ量は母体に対して0.001〜100モル%が好ましく、0.01〜50モル%が更に好ましい。
【0036】
賦活剤、共賦活剤は結晶母体を構成するイオンの一部を上記ランタノイドのようなイオンに置き換えることでその結晶の中にドープされる。
【0037】
蛍光体結晶の実際の組成は、厳密に記載すれば以下のような組成式になるが、賦活剤の量の大小は本質的な蛍光特性に影響を及ぼさないことが多いので、以下特にことわりのない限り下記xやyの数値は記載しないこととする。例えばSr4−xAl14O25:Eu2+ xは、本発明においてはSr4Al14O25:Eu2+と表記する。
【0038】
以下に代表的な無機蛍光体(結晶母体と賦活剤によって構成される無機蛍光体)の組成式を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。(BazMg1−z)3−x−yAl16O27:Eu2+ x,Mn2+ y、Sr4−xAl14O25:Eu2+ x、(Sr1−zBaz)1−xAl2Si2O8:Eu2+ x、Ba2−xSiO4:Eu2+ x、Sr2−xSiO4:Eu2+ x、Mg2−xSiO4:Eu2+ x、(BaSr)1−xSiO4:Eu2+ x、Y2−x−ySiO5:Ce3+ x,Tb3+ y、Sr2−xP2O5:Eu2+ x、Sr2−xP2O7:Eu2+ x、(BayCazMg1−y−z)5−x(PO4)3Cl:Eu2+ x、Sr2−xSi3O8−2SrCl2:Eu2+ x[x,yおよびzはそれぞれ1以下の任意の数を表す。]
以下に本発明に好ましく使用される無機蛍光体を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0039】
[青色発光 無機蛍光化合物]
(BL−1) Sr2P2O7:Sn4+
(BL−2) Sr4Al14O25:Eu2+
(BL−3) BaMgAl10O17:Eu2+
(BL−4) SrGa2S4:Ce3+
(BL−5) CaGa2S4:Ce3+
(BL−6) (Ba、Sr)(Mg、Mn)Al10O17:Eu2+
(BL−7) (Sr、Ca、Ba、Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+
(BL−8) BaAl2SiO8:Eu2+
(BL−9) Sr2P2O7:Eu2+
(BL−10) Sr5(PO4)3Cl:Eu2+
(BL−11) (Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu2+
(BL−12) BaMg2Al16O27:Eu2+
(BL−13) (Ba,Ca)5(PO4)3Cl:Eu2+
(BL−14) Ba3MgSi2O8:Eu2+
(BL−15) Sr3MgSi2O8:Eu2+
[緑色発光 無機蛍光化合物]
(GL−1) (BaMg)Al16O27:Eu2+,Mn2+
(GL−2) Sr4Al14O25:Eu2+
(GL−3) (SrBa)Al2Si2O8:Eu2+
(GL−4) (BaMg)2SiO4:Eu2+
(GL−5) Y2SiO5:Ce3+,Tb3+
(GL−6) Sr2P2O7−Sr2B2O5:Eu2+
(GL−7) (BaCaMg)5(PO4)3Cl:Eu2+
(GL−8) Sr2Si3O8−2SrCl2:Eu2+
(GL−9) Zr2SiO4、MgAl11O19:Ce3+,Tb3+
(GL−10) Ba2SiO4:Eu2+
(GL−11) Sr2SiO4:Eu2+
(GL−12) (BaSr)SiO4:Eu2+
[赤色発光 無機蛍光化合物]
(RL−1) Y2O2S:Eu3+
(RL−2) YAlO3:Eu3+
(RL−3) Ca2Y2(SiO4)6:Eu3+
(RL−4) LiY9(SiO4)6O2:Eu3+
(RL−5) YVO4:Eu3+
(RL−6) CaS:Eu3+
(RL−7) Gd2O3:Eu3+
(RL−8) Gd2O2S:Eu3+
(RL−9) Y(P,V)O4:Eu3+
本発明に用いられる無機蛍光体は、発光強度の観点から、製造時に機械的破砕工程を経ない、つまりビルドアップ法で合成されるものが好ましく、特にSol−Gel法等による液相法によって製造されるものが好ましい。また、組成上は無機酸化物が母体となっているものが好ましい。
【0040】
Sol−Gel法による製造方法とは、例えば、作花済夫著「ゾル−ゲル法の応用」(1997年アグネ承風社発行)に詳しく書かれているが、基本的には、溶液から出発し、溶液のゾル化、ゲル化を経て材料を溶融法よりも低温で合成する方法を意味し、本発明でいう「Sol−Gel法」とは、蛍光体製造の少なくとも1工程で液相法での反応を行うことを指し、通常の無機蛍光体合成に適用される溶融反応で行う合成法と区別することができる。本発明のSol−Gel法は、一般的には母体または賦活剤または共賦活剤に用いる元素(金属)を例えばテトラメトキシシラン(Si(OCH3)4)やユーロピウム−2,4−ペンタンジオネート(Eu3+(CH3COCH=C(O−)CH3)3)等の金属アルコキシドや金属錯体、またはそれらの有機溶媒溶液に金属単体を加えて作るダブルアルコキシド(例えばAl(OBu)3の2−ブタノール溶液に金属マグネシウムを加えて作るMg〔Al(OBu)3〕2等)、金属ハロゲン化物、有機酸の金属塩、金属単体として必要量混合し、液相状態で熱的または化学的に重縮合することによる製造方法を意味し、必要に応じて焼成や還元処理等を施してもよい。
【0041】
なお、本発明で用いられる金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属塩または金属の「金属」とは、一般に周期律表等で定義されている「金属類(Metals)」の他に「遷移金属(Transition Metals)」の全ての元素、「ランタノイド」の全ての元素、「アクチノイド」の全ての元素、および「非金属(Non Metals)」として定義されるホウ素、珪素(シリコン)を含んだものとして定義する。
【0042】
上記無機蛍光体は、必要に応じて表面改質処理を施してもよく、その方法としてはシランカップリング剤等の化学的処理によるものや、サブミクロンオーダーの微粒子等の添加による物理的処理によるもの、さらにはそれらの併用によるもの等が挙げられる。
【0043】
本発明で用いられるシランカップリング剤としては、日本ユニカー株式会社発行(1997年8月2日)の「NUCシリコーン シランカップリング剤」カタログに記載されているものがそのまま使え、その具体例としては、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルオキシシラン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピル−n−プロピルオキシシラン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルオキシシラン、アクリロイルオキシジメトキシエチルシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0044】
本発明に用いる無機蛍光体の粒径は、10μm以下100nm以上が好ましく、5μm以下200nm以上が更に好ましい。粒度分布は単分散性であっても広い分布をもっていてもよいが、ある程度の分布がある方が好ましい。
【0045】
本発明においては上記無機蛍光化合物の他に任意の添加剤を混合して用いることができ、特にヘイズ調整のために微粒子を適宜混合してもよい。用いられる微粒子としては、無機微粒子であることが好ましく、例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化リチウム等の微粒子が挙げられる。
【0046】
次に、本発明における希土類錯体系蛍光体としては、希土類金属としてCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等を有するものが挙げられ、錯体を形成する有機配位子としては、芳香族系、非芳香族系のどちらでも良く、好ましく下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【0047】
一般式(1)
Xa−(La)−(Lb)n−(Lc)−Ya
[式中、La、Lb、Lcはそれぞれ独立に2個以上の結合手を持つ原子を表わし、nは0または1を表わし、XaはLaの隣接位に配位可能な原子を有する置換基を表わし、YaはLcの隣接位に配位可能な原子を有する置換基を表わす。さらにXaの任意の部分とLaとは互いに縮合して環を形成してもよく、Yaの任意の部分とLcとは互いに縮合して環を形成してもよく、LaとLcとは互いに縮合して環を形成してもよく、さらに分子内に芳香族炭化水素環または芳香族複素環が少なくとも一つ存在する。ただし、Xa−(La)−(Lb)n−(Lc)−Yaがβ−ジケトン誘導体やβ−ケトエステル誘導体、β−ケトアミド誘導体又は前記ケトンの酸素原子を硫黄原子又は−N(R1)−に置き換えたもの、クラウンエーテルやアザクラウンエーテルまたはチアクラウンエーテルまたはクラウンエーテルの酸素原子を任意の数硫黄原子または−N(R1)−に置き換えたクラウンエーテルを表わす場合には芳香族炭化水素環または芳香族複素環は無くてもよい。−N(R1)−において、R1は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。]
一般式(1)において、XaおよびYaで表される配位可能な原子とは、具体的には酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子であり、特に酸素原子、窒素原子、硫黄原子であることが好ましい。
【0048】
一般式(1)において、La、Lb、Lcで表される2個以上の結合手を持つ原子としては、特に制限はないが、代表的には炭素原子、酸素原子、窒素原子、シリコン原子、チタン原子等が挙げられるが、このましいものは炭素原子である。
【0049】
以下に一般式(1)で表される希土類錯体系蛍光体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
【化1】
【0051】
【化2】
【0052】
【化3】
【0053】
【化4】
【0054】
【化5】
【0055】
【化6】
【0056】
【化7】
【0057】
本発明で用いる蛍光体は、溶剤可溶性のものが好ましく、一般にレーザー色素と呼ばれる蛍光色素が好ましい。レーザー色素としては、具体的には、ローダミンB、ローダミン6G等のキサンテン系色素、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリン)−4H−ピラン(DCM)等のシアニン系色素、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)ピリジウム−パーコラレイト(ピリジン1)等のピリジン系色素、オキサジン系色素、クリセン系色素、チオフラビン系色素、ペリレン系色素、ピレン系色素、アントラセン系色素、アクリドン系色素、アクリジン系色素、フルオレン系色素、ターフェニル系色素、エテン系色素、ブタジエン系色素、ヘキサトリエン系色素、オキサゾール系色素、クマリン系色素、スチルベン系色素、ジ−およびトリフェニルメタン系色素、チアゾール系色素、チアジン系色素、ナフタルイミド系色素、アントラキノン系色素等が挙げられ、中でもローダミンB、ローダミン6G等のキサンテン系色素、クマリン系やナフタルイミド系色素が挙げられる。
【0058】
この染料は後述する高分子材料および有機溶媒に可溶であって、組み合わせる顔料や、その種類にもよるが、高分子材料中に、好ましくは質量濃度で0.01〜30%、特に0.1〜10%、さらには0.5〜5%の範囲で存在することが好ましい。
【0059】
上記本発明の蛍光化合物は基材となるガラス、石英およびポリマーに直接混練して添加してもよいし、基材がポリマーの場合は該ポリマーをしかるべき溶剤に溶解させた溶液に蛍光体の粒子を添加してもよい。また、希土類錯体系の蛍光体を用いる場合は、蛍光体を溶解しうる溶剤に溶かした後、ポリマー溶液に添加することもできる。
【0060】
また、本発明の蛍光材料21の支持基板20内部での粒子分布は、厚さ方向に対して均一であっても、分布があっても、濃度勾配があってもよい。
【0061】
また、支持基板20の内部には蛍光材料21とともに、バインダーや光吸収材料を含有しても良く、このときは、基本的に蛍光材料21の発光を消光しづらい材料を選べば良い。
【0062】
次に、照明装置から射出される発光色の白色化について以下に説明する。
照明装置50の光の白色化は、有機EL素子10の発光極大波長を500nm未満とし、該発光によって励起され、青緑色、緑色、黄色、橙色、赤色等の長波長の光を発光する蛍光材料21を、複数種支持基板20に含有せしめることで達成することができる。
【0063】
別の方法としては、500nm未満の発光極大を有する有機EL素子10からの発光によって励起され、500nmよりも長波長に発光する第1の蛍光材料と、該第1の蛍光体の発光によって励起され、第1の蛍光体の発光波長よりも長波長領域で発光する第2の蛍光材料(第2の蛍光体は単一でも良いし複数種であってもよい)、さらに第2の蛍光体の発光で励起され第2の蛍光体よりも長波長領域に発光する第3の蛍光体、等で白色化することも可能である。
【0064】
上記の方式を用いる場合は、第1の蛍光材料は無機蛍光体又は希土類錯体系の蛍光体であることが好ましいが、第2以上の蛍光材料は無機蛍光体でも希土類錯体蛍光体でも、有機蛍光色素でもよく、吸収波長の観点から有機蛍光色素であることが好ましい。
【0065】
いずれの場合でも本発明においては、支持基板20中に少なくとも1種の無機蛍光体か希土類錯体系の蛍光体が含有されることが好ましい。
【0066】
したがって、本発明の照明装置50は、500nm未満の発光極大を有する有機EL素子10からの発光によって励起する蛍光材料21を組み合わせる事により、図2に示す色度図においてx値が0.22〜0.4、y値が0.22〜0.4の範囲Zの純度の高い白色光となる。
【0067】
500nm未満で発光する有機EL素子10の有機層12の発光材料としては、特開平5−17765号、同5−32966号、同5−135878号、同5−247458号、同5−247459号、同7−26254号、同7−53955号、同7−240277号、同8−12600号、同8−239655号、同10−110163号、同10−338872号、同11−149982号、同11−185959号、同11−283746号、同11−354278号、特開2000−8033、特開2000−26472、同2000−260570、同2000−344691、同2001−52870、同2001−192651、同2001−250690、同2002−151268、同2002−175883、同2002−216971、同2002−249765、同2002−343571、Appl.Phys.Lett.Vol.79,2082頁(2001年)等に記載されるものを用いることができ、例えばフェニルアントラセン誘導体、テトラアリールエテン誘導体、キナクリドン、クマリン、ルブレン、スチリル系色素、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリレン誘導体等が挙げられる。
【0068】
次に、支持基板による光の拡散機能について以下に説明する。
有機EL素子10の発光層から射出した光は、透明電極11を透過して面状に支持基板20に向けて射出される。
【0069】
支持基板20に入射した光が基板内に分散された蛍光材料21に達すると、蛍光材料21で吸収された光の発光極大波長より長い波長に変換された2次光が発光される。
【0070】
蛍光材料21に入射するときや、変換されて射出するときの屈折や、蛍光材料21の表面での反射により入射した光は拡散性が高まる。したがって、蛍光材料21は、光の変換機能に加えて、光の拡散、散乱機能を備えている。
【0071】
光拡散による均一な2次光を射出するために、支持基板20の基材に対して分散させる蛍光材料21の質量比は、0.1%〜50%の範囲が望ましく、さらに、光の変換効率と光の拡散のバランスを考慮すると好ましくは5%〜30%である。
【0072】
また、支持基板20の透明度が高いため、全光透過率を維持したまま、全光透過量に対する光拡散透過率の割合を大きくしてヘイズ値を高める事が可能となる。すなわち、輝度の低下を抑えて、射出する光を拡散する。
【0073】
ここで、ヘイズ値は以下の式で表される。
ヘイズ値(曇価)=(拡散透過率(%)/全光透過率(%))×100(%)なお、具体的な測定方法は、JIS K 7136 「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」または、ISO 14782 「Plastics −Determination of haze for transparent materials」に記載されている方法で測定することができる。
【0074】
図3は、基材に対する蛍光材料の質量比を変えたときの支持基板のヘイズを変化させたときの有機EL素子の発光により支持基板20から射出される光の輝度のグラフである。図からわかるように、蛍光材料21を減らしてヘイズ値を15%未満とすると、蛍光材料21の発光量が減り輝度が低下する。また、蛍光材料21を増してヘイズ値を90以上とすると、支持基板20を透過する光が減って輝度が低下する。従って、照明装置50の輝度低下を抑制するためには、支持基板20のヘイズ値を15%以上で90%未満の範囲が良い。
【0075】
図4は、基材に対する蛍光材料の質量比を変えて支持基板の全光透過率を変化させたときの、有機EL素子の発光により支持基板20から射出された光の輝度のグラフである。
【0076】
全光透過率の測定方法は、JIS K 7361−1 「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」、又は、ISO 13468−1 「Plastics − Determination of the total luminous transmittance of transparent materials」に記載されている方法で測定することができる。
【0077】
図からわかるように、蛍光材料21を増して全光透過率を50%未満とすると輝度が低下し、また、蛍光材料21を減らして全光透過率が95%以上とすると、蛍光材料21の発光量が減り輝度が低下する。従って、照明装置50の輝度低下を抑制するためには、支持基板20の全光透過率は50%以上で95%未満の範囲が良い。
【0078】
更に、本発明では支持基板20が蛍光体の分散物を備えているため、有機EL素子10の発光層からの光は蛍光体粒子で散乱され、光強度が均一化される。また、この光散乱効果は、外光による反射電極13に起因する写り込みを軽減するとともに、有機EL素子10の致命的欠陥とも言える支持基板20端面からの発光を効果的に抑制することができ、結果として外部に取り出せる光の量、即ち外部発光量子効率が向上するという効果を有する。
【0079】
また、第1の実施の形態では、照明装置50の光の射出面Aは、四角形状であるが、形状はこれに限らず多角形、円形でも良い、また、射出面Aを円柱状にして360度光を射出しても良い。
【0080】
図5は、第1の実施の形態における射出面が円柱状の照明装置の模式図である。図において、照明装置50の射出面Aを円柱状にすることにより、照明装置50の周囲を照らす照明として利用することができる。
【0081】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図6は、照明装置を光源として利用する液晶表示装置の模式図である。
【0082】
この実施の形態は、第1の実施の形態の照明装置をバックライトとして利用する液晶表示装置である。
【0083】
液晶表示装置60は、光源であるバックライト120、液晶パネル140等からなる。
【0084】
バックライト120は、有機EL素子10、蛍光材料が内部に分散された透明な基板20、プリズムシート14を備えている。有機EL素子10、支持基板20は第1の実施の形態と同様の構成であり、同じ参照番号を付し説明は省略する。
【0085】
有機EL素子10から発光した光は、透明電極11を通過して支持基板20により、拡散された面状の白色光となる。支持基板20の射出面から射出された白色光は、集光機能を備えるプリズムシート14により液晶パネル140の方向に向けられて、面状に射出される。
【0086】
液晶パネル140は、一般に2枚偏光板方式と呼ばれ、透明な基板130、偏向板131、液晶セル132、カラーフィルタ133等を備えている。バックライト120からの白色光は、偏向板131により一定の振動方向の偏向光となり、基板130を通過して液晶セル132に到達する。液晶セル132は、画素毎に配向膜、透明な電極に挟時された液晶材料からなり、液晶セル132では、画像情報に応じて透明な電極間に印可される電圧により、通過する光の偏向状態を変化させている。液晶セル132を通過した光は、カラーフィルタ133により発色が決定され、基板130を通過して偏向板131に到達する。偏向板131では、液晶セル132で変化した光の偏向状態により、通過する光の量が変わり、観察者方向Gに向けて光が射出される。
【0087】
すなわち、液晶表示装置は、有機EL素子10を形成した支持基板20から射出される光を光源として、液晶パネル140により画像情報に応じてバックライト120からの光の通過量を制御することにより画像表示を行っている。
【0088】
本発明の液晶表示装置のバックライトは、発光極大波長が500nm未満に発光する有機EL素子と、支持基板の内部に備えた有機EL素子から光を励起光として励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体とによって、白色の発光が得られる。さらに、ヘイズ15%以上90%未満、かつ、全光透過率50%以上95%未満の範囲にした支持基板によって、外光の反射による写り込みが低減するので、1/4λ板が不要となり装置が薄型化する。
【0089】
また、蛍光体として無機蛍光体又は希土類金属錯体蛍光体を用いることにより、経時での分解や量子効率の低下が少なくなり、装置の表示品位が向上する。
【0090】
また、有機EL素子の発光を、リン光に由来する発光とすることにより、輝度が向上して光取り出し効率が向上する。
【0091】
【実施例】
次に、本発明の照明装置の具体的な作成例を以下に説明する。
【0092】
実施例1
1)蛍光体の合成
例示化合物(GL−10)の合成
0.016モルのアンモニアを含有するアンモニア水にエタノール150mlと水150mlを加えアルカリ液を作製した。
【0093】
更にテトラエトキシシラン8.33g(0.04モル)とユーロピウム(III)アセチルアセトナート錯体2水和物0.097g(0.2ミリモル)を150mlのエタノールに溶解した溶液を、室温下にて前記アルカリ液中に滴下速度約1ml/minで攪拌しながら添加し、ゾル液を調整した。得られたゾルをエバポレータで約15倍(約30ml)に濃縮し、これに0.3mol/lの硝酸バリウム水溶液を295ml添加しゲル化させた。
【0094】
得られた湿潤ゲルは密閉容器中、60℃で一晩熟成させた。その後エタノール(約300ml)中に攪拌分散させ、濾紙(Advantec 5A)を用いた吸引濾過により分取し、室温で乾燥した。乾燥ゲルは、5%H2−N2雰囲気中、1000℃で2時間熱処理を施し、太陽光下で薄緑色に光る無機蛍光体GL−10(Ba2SiO4:Eu2+ 0.005)2.7gを得た。
【0095】
GL−10の成分組成はXRDスペクトルにより分析した。その結果主成分はBa2SiO4、微量含まれる副成分はBaSiO3とBa3SiO5であることがわかった。またGL−10の平均粒径は1.05μmで、発光極大波長は500nm(励起光405nm)の緑色に発光する蛍光体であることがわかった。
【0096】
また、同様な方法で、赤色発光微粒子無機蛍光体(RL−5)(平均粒径約0.85μm、極大発光波長610nm(励起光375nm))と青色発光無機蛍光体(BL−3)(平均粒径0.90μm、極大発光波長432nm(励起光375nm))を得た。
【0097】
2)微粒子無機蛍光体の表面物性改質
平均粒径5nmのエアロジル0.16gにエタノール15gおよびγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.22gを加えて開放系室温下1時間攪拌した。この混合物と無機蛍光体(GL−10)20gとを乳鉢に移し、よくすり混ぜた後、70℃のオーブンで2時間、さらに120℃のオーブンで2時間加熱し、表面改質した(GL−10)を得た。
【0098】
また、同様にして、RL−5とBL−3の表面改質も行った。
3)蛍光体含有支持基板の作製
環状オレフィン樹脂(JSR社製、アートン)20gを塩化メチレン80ml、テトラヒドロキシフラン20mlの混合溶剤に溶解し、その溶液に蛍光体(GL−10)1.0g、(RL−5)0.7g、(BL−3)1.2gを混合して、平滑なステンレスベルト上に溶剤キャスト製膜を行った。
【0099】
得られたフィルムは、厚さ108μm、ステンレスベルト側のRa5.7nm、他方のRa8.2nmであった。
【0100】
この蛍光体を含有したフィルムに以下の方法で保護膜を形成した。
大気圧プラズマCVD法を用い、プラズマ発生には、日本電子(株)製高周波電源JRF−10000を電源として、反応性ガスとして以下の組成のガスを用い、
不活性ガス:アルゴン 98.25体積%
反応性ガス1:水素ガス 1.5体積%
反応性ガス2:テトラエトキシシラン蒸気(アルゴンガスにてバブリング)
0.25体積%
13.56kHz、1W/cm2の条件で、厚み250nmで炭素含有率が原子数濃度で3%の酸化珪素膜を形成した。次いで、上記大気圧プラズマCVD法にて、13.56kHz、10W/cm2の条件に切り換えて、厚み200nmで炭素含有率が原子数濃度で0.01%の酸化珪素膜を形成した。
【0101】
次いで、酸化珪素膜を有する面側にスパッタリングターゲットとして酸化インジウムと酸化亜鉛との混合物(Inの原子比In/(In+Zn)=0.80)からなる焼結体をもちい、DCマグネトロンスパッタリング法にて透明導電膜であるIZO(Indium Zinc Oxide)膜を形成した。即ち、スパッタリング装置の真空装置内を1×10−3Pa以下にまで減圧し、アルゴンガスと酸素ガスとの体積比で1000:2.8の混合ガスを真空装置内が1×10−1Paになるまで真空装置内に導入した後、ターゲット印加電圧420V、基板温度60℃でDCマグネトロン法にて透明導電膜であるIZO膜を厚さ250nm形成した。
【0102】
得られた支持基板の全光透過率は76%、ヘーズは47%であった。
上記の溶剤キャスト製膜時に蛍光体を分散含有させない以外は同じ方法で、比較支持基板を作製した。但し、フィルム上にジクロロメタン1L当たり、2−〔2−〔4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル〕エテニル〕−4−ジシアノメチレン−6−メチル4H−ピラン212mgと、ポリビニルピロリジノン(関東化学(株)、分子量約360,000)100gを溶解させた溶液を塗布・乾燥後保護層を形成した。比較支持基板の全光透過率は82%、ヘーズは2%であった。
【0103】
4)有機EL素子の作製
得られた本発明に係る支持基板と比較支持基板に、下記化合物Aを膜厚30nmで蒸着し、正孔輸送層とした。その上に下記化合物Bを40nm蒸着し、発光層とした。
【0104】
続いてこの上にBCを30nm蒸着し、電子輸送層とした。続いてその上にフッ化リチウムを膜厚0.5nm蒸着して陰極バッファー層とし、更にアルミニウムを100nm蒸着し対向電極とすることにより本発明に係る照明装置及び比較の照明装置を作製した。
【0105】
【化8】
【0106】
本発明に係る照明装置及び比較の照明装置は共に白色発光で、25mA/m2の定電流で発光させたときの輝度の比は、本発明:比較=3.1:1であった。
【0107】
実施例2
前記蛍光体含有支持基板の作製において、(RL−5)0.7gに代えてDCM(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)50mgを、(GL−10)1.0gに代えてクマリン334(Aldrich社製)120mgを用いた以外は同様にして、支持基板を得た。
【0108】
この支持基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、5つのモリブデン製抵抗加熱ボートに、α−NPD、CBP、化合物1、BC、Alq3をそれぞれ入れ真空蒸着装置に取付けた。
【0109】
【化9】
【0110】
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm〜0.2nm/secで支持基板に膜厚50nmの厚さになるように蒸着し、正孔注入/輸送層を設けた。
【0111】
さらに、CBPの入った前記加熱ボートと化合物1の入ったボートをそれぞれ独立に通電してCBPと比較化合物1の蒸着速度が100:7になるように調節し膜厚30nmの厚さになるように蒸着し、発光層を設けた。
【0112】
ついで、BCの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で厚さ10nmの電子輸送層を設けた。更に、Alq3の入った前記加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚40nmの電子注入層を設けた。
【0113】
次に、真空槽をあけ、電子注入層の上にステンレス鋼製の長方形穴あきマスクを設置し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにマグネシウム3gを入れ、タングステン製の蒸着用バスケットに銀を0.5g入れ、再び真空槽を2×10−4Paまで減圧した後、マグネシウム入りのボートに通電して蒸着速度1.5nm/秒〜2.0nm/秒でマグネシウムを蒸着し、この際、同時に銀のバスケットを加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で銀を蒸着し、前記マグネシウムと銀との混合物から成る陰極(200nm)として、照明装置を作製した。
【0114】
この照明装置は同様に白色発光で、25mA/m2の定電流で発光させたときの輝度は、実施例1の本発明の照明装置のほぼ2倍であった。
【0115】
【発明の効果】
本発明により、光取り出し効率を向上させた白色の照明装置、及び液晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の照明装置の実施の形態の模式図である。
【図2】色度図である。
【図3】支持基板における、ヘイズの変化に対する射出される光の輝度の変化を示すグラフである。
【図4】支持基板における、全光透過率の変化に対する射出される光の輝度の変化を示すグラフである。
【図5】射出面が円柱状の照明装置の模式図である。
【図6】照明装置を光源として利用する液晶表示装置の模式図である。
【図7】有機EL素子を光源として利用した従来の照明装置の模式図である。
【符号の説明】
10、120 有機EL素子
11、111 透明電極(陽極)
12 有機層
13、113 反射電極(陰極)
20 支持基板
21 蛍光材料
30 電源
50、100 照明装置
60 液晶表示装置
110 透明基板等
112 発光層
14、114 プリズムシート
120 バックライト
131 偏向板
132 液晶セル
133 カラーフィルタ
140 液晶パネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネセンス(EL)素子を光源として所定箇所を照らす照明装置、及び、画像表示を行う液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自発光素子として有機EL素子が注目されている。有機EL素子は、薄膜の有機化合物の発光層を電極で挟持した構成で、電極間に電流を供給すると発光する素子である。したがって、薄膜である有機EL素子を、液晶表示装置や照明装置の光源として利用すると装置の小型化、軽量化が容易となる。
【0003】
図7は、有機EL素子を光源として利用した従来の照明装置の模式図である。
照明装置100は、光源となる有機EL素子120、透明な基板110等からなる。
【0004】
有機EL素子120は、対向する透明電極111、反射電極113間に発光層112を備え、基板110上に形成されている。発光層112から発光した光は、透明電極111、基板110を通過して、基板110上に設けられた、所定方向に集光する機能を備えるプリズムシート114により、面状光として方向Gに向けて射出され、方向Gを照らす。
【0005】
一方、液晶表示装置の光源や照明装置の光源の発光色は、白色化する事が好ましい。しかしながら、光源である有機EL素子は、単一の発光材料で白色発光を示すものがないため、複数の発光色により白色化している。複数の発光色を得るための材料の組み合わせは、複数の発光材料による複数の発光色、発光材料による発光色と発光材料からの光を励起光として光を波長変換して発光する蛍光材料との組み合わせ等が挙げられる。
【0006】
発光材料と蛍光材料を組み合わせた従来の照明装置として、特許文献1には、蛍光材料を内部に備えた透明なフィルム上に有機EL素子を形成する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−126861号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平8−321381号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の照明装置100においては、有機EL素子120からの光は、透明電極111や透明な基板110を通過する際に、その界面において、入射した光が広角(臨界角以上)のときに界面で反射が起きて、方向Gに向かわない。例えば、基板110の界面で反射した光は、基板110内部を導波して基板110の端面方向X、方向Yに向かう。このため、照明装置100として利用する方向である方向Gに向かう光量が低下して、光の取り出し効率が減少する。
【0010】
また、前述した照明装置100を液晶表示装置のバックライトとして利用すると、入射した外光が有機EL素子120の反射電極113に反射して写り込むため画像表示の妨げになり視認性が低下する。この問題を解決するために特許文献2には、光が射出する射出面に偏光板と1/4λ板とを積層して設けて、反射する光を円偏向に変えて反射光を低減する技術が開示されているが、液晶表示装置が厚くなる問題がある。
【0011】
また、上記特許文献1に開示された技術においては、単に蛍光材料を備えたフィルムを開示しただけで、光の発色、基板特性に関しては記載されておらず、白色の照明装置として利用するには不十分であった。
【0012】
本発明は上記点に鑑みなされたもので、その目的は、導波光の発生を抑制し、光取り出し効率を向上させた白色の発光色の照明装置、及び、液晶表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は
1) 支持基板上に形成した有機EL素子を光源として利用する照明装置において、該有機EL素子の発光の発光極大波長が500nm未満であって、前記支持基板は、前記有機EL素子からの発光を励起光として吸収し、該励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体が内部に分散された基板である照明装置、
2) 前記支持基板は、ヘイズが15%以上90%未満、かつ、全光透過率が50%以上95%未満の光散乱性かつ光透過性である1)の照明装置、
3) 射出される光が、色度図においてx値0.22〜0.4、y値0.22〜0.4の範囲の色の光である1)又は2)の照明装置、
4) 前記蛍光体は、無機蛍光体又は希土類金属錯体蛍光体である1)〜3)のいずれかの照明装置、
5) 前記有機EL素子の発光は、リン光に由来する発光である1)〜4)のいずれかの照明装置、
6) 有機EL素子を形成した支持基板から射出される光を光源とし、発光極大波長が500nm未満の有機EL素子と、該有機EL素子からの発光を励起光として吸収し、該励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体と、当該蛍光体を内部に備え、ヘイズが15%以上90%未満、かつ、全光透過率が50%以上95%未満である支持基板とを有する液晶表示装置、
7) 前記支持基板からの光は、色度図においてx値0.22〜0.4、y値0.22〜0.4の範囲の色である6)の液晶表示装置、
8) 前記蛍光体は、無機蛍光体又は希土類金属錯体蛍光体である6)又は7)の液晶表示装置、
9) 前記有機EL素子の発光は、リン光に由来する発光である6)〜8)のいずれかの液晶表示装置、
により達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態の照明装置50の模式図である。
図において、照明装置50は、有機EL素子10、内部に蛍光材料21が分散された支持基板20、電源30等を備え、照明として利用する方向である方向Gに向けて支持基板20の射出面Aから光を射出する。
【0016】
有機EL素子10は、透明電極11(陽極)、反射電極13(陰極)、対向する電極間に少なくとも発光層を含む有機層12を備え、支持基板20上に形成されている。
【0017】
ここで、本発明における有機EL素子10とは、透明電極11、反射電極13を介して電源30から供給された電流により、発光層において電子および正孔が結合し、結合により生じた励起エネルギーを利用した発光を行う素子で、発光層12からの光は透明電極11を通して取り出される。励起エネルギーを利用する発光としては、一重項励起エネルギーを発光に利用する蛍光、あるいは、三重項励起エネルギーを発光に利用する燐光が挙げられる。
【0018】
特に、燐光は、三重項励起子が発光に寄与するため、蛍光にくらべて高い発光効率が得られるので、光源として望ましい発光である。燐光に由来する発光を行う発光層は、発光ホストと燐光ドーパントの少なくとも2つの発光材料を含んでおり、発光ホストは、燐光ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高いエネルギーをもつ事が必要である。
【0019】
透明電極11は、インジウムチンオキサイド(ITO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、金、酸化スズ、酸化亜鉛等の導電材料からなり、仕事関数が4eV以上で透過率が40%以上の導電材料が好ましい。
【0020】
有機層12は、発光する発光層を含む数nm〜数μmの有機化合物または錯体の単層または、複数層、例えば、陽極と接する正孔輸送層、発光材料を備える発光層、陰極と接する電子輸送層の3層等からなる複数層で、フッ化リチウム層や無機金属塩の層、またはそれらを含有する層などが任意の位置に配置されていてもよい。発光層の発光材料については後述する。
【0021】
反射電極13は、アルミニウム、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、銀、カルシウム等の金属材料からなり、仕事関数が4eV未満で、反射率が60%以上の金属材料が好ましい。
【0022】
また、有機EL素子10を構成する有機化合物は、水分や大気中の酸素による劣化が激しいため、窒素等の不活性ガスの雰囲気下で金属管やガラス管、有機膜、金属酸化物膜、金属窒化物膜、金属酸窒化物膜、金属膜等により有機層12を覆って封止し、外部雰囲気から遮蔽するのが一般的であるが、本発明の詳細な説明においては、有機EL素子10の封止の図や説明は省略している。
【0023】
また、有機EL素子10は、陽極と陰極の位置を入れ替えて陰極を透明電極とする構成としても良い。
【0024】
支持基板20は、基材に蛍光材料21を分散して光散乱性を付与して形成した基板で、基材としては、ガラス、石英等のソリッド基板用の基材、あるいは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等のフレキシブル基板用の基材である。本発明の基材としては、蛍光材料21の分散を効率良く行うためにフレキシブル基材、すなわちポリマーであることが好ましい。
【0025】
本発明の支持基板20は、内部に蛍光材料21を分散させて光散乱性を得るものであり、従来液晶表示装置等で広く用いられているアンチグレアフィルムのように基板表面を粗面加工したものではなく、表面は実質的に平滑であることが好ましい。少なくとも有機EL素子が積層される側の表面粗さ(Ra値)は100nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。
【0026】
本発明の支持基板20の製造方法としては、押し出し延伸法または溶剤キャスト法が適用できるが、表面の平滑性を付与する観点から溶剤キャスト法で製造することが好ましい。
【0027】
電源30は、有機EL素子10に電流を供給する電流源で、有機EL素子10の電極に接続して供給する電流により、有機EL素子10が発光する。
【0028】
蛍光材料21は、有機EL素子10が発光する光を励起光として吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させることで、励起光より長波長領域の光を発光して発光色の色変換を行うものである。
【0029】
蛍光材料21は、経時での分解や量子効率の低下の少ない安定なものが好ましく、その観点から無機蛍光体又は希土類金属錯体系の蛍光体が好ましく、有機EL素子10の発光波長域に蛍光体の吸収波長領域が存在することが望ましい。また、発光色を純度の高い白色にするため有機EL素子10の発光を500nm未満として短波化しており、蛍光材料21の吸収波長領域は500nm未満付近を有していることが好ましい。
【0030】
本発明における無機蛍光体の組成は特に制限はないが、結晶母体であるY2O2S、Zn2SiO4、Ca5(PO4)3Cl等に代表される金属酸化物及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Al、Mn、In、Cu、Sb等の金属のイオンを賦活剤または共賦活剤として組み合わせたものが好ましい。
【0031】
結晶母体を更に詳しく説明すると、結晶母体としては金属酸化物が好ましく、例えば、(X)3Al16O27、(X)4Al14O25、(X)3Al2Si2O10、(X)4Si2O8、(X)2Si2O6、(X)2P2O7、(X)2P2O5、(X)5(PO4)3Cl、(X)2Si3O8−2(X)Cl2〔ここで、Xはアルカリ土類金属を表す。なお、Xで表されるアルカリ土類金属は単一成分でも2種類以上の混合成分でもよく、その混合比率は任意でよい。〕のようなアルカリ土類金属で置換された酸化アルミニウム、酸化ケイ素、リン酸、ハロリン酸等が代表的な結晶母体として挙げられる。
【0032】
その他の好ましい結晶母体としては、亜鉛の酸化物および硫化物、イットリウムやガドリウム、ランタン等の希土類金属の酸化物およびその酸化物の酸素の一部を硫黄原子に換えた(硫化物)もの、および希土類金属の硫化物およびそれらの酸化物や硫化物に任意の金属元素を配合したもの等が挙げられる。
【0033】
結晶母体の好ましい例としては、ZnS、Y2O2S、Y3Al5O12、Y2SiO10、Zn2SiO4、Y2O3、BaMgAl10O17、BaAl12O19、(Ba、Sr、Mg)O・aAl2O3、(Y、Gd)BO3、(Zn、Cd)S、SrGa2S4、SrS、GaS、SnO2、Ca10(PO4)6(F、Cl)2、(Ba、Sr)(Mg、Mn)Al10O17、(Sr、Ca、Ba、Mg)10(PO4)6Cl2、(La、Ce)PO4、CeMgAl11O19、GdMgB5O10、Sr2P2O7、Sr4Al14O25、Y2SO4、Gd2O2S、Gd2O3、YVO4、Y(P,V)O4等が挙げられる。
【0034】
以上の結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、同族の元素と一部置き換えたものでも構わないし、とくに元素組成に制限はなく、紫外領域〜青色領域の光を吸収して可視光を発するものであればよい。
【0035】
本発明において、無機蛍光体の賦活剤、共賦活剤として好ましいものは、La、Eu、Tb、Ce、Yb、Pr等に代表されるランタノイド元素のイオン、Ag、Mn、Cu、In、Al等の金属のイオンであり、そのドープ量は母体に対して0.001〜100モル%が好ましく、0.01〜50モル%が更に好ましい。
【0036】
賦活剤、共賦活剤は結晶母体を構成するイオンの一部を上記ランタノイドのようなイオンに置き換えることでその結晶の中にドープされる。
【0037】
蛍光体結晶の実際の組成は、厳密に記載すれば以下のような組成式になるが、賦活剤の量の大小は本質的な蛍光特性に影響を及ぼさないことが多いので、以下特にことわりのない限り下記xやyの数値は記載しないこととする。例えばSr4−xAl14O25:Eu2+ xは、本発明においてはSr4Al14O25:Eu2+と表記する。
【0038】
以下に代表的な無機蛍光体(結晶母体と賦活剤によって構成される無機蛍光体)の組成式を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。(BazMg1−z)3−x−yAl16O27:Eu2+ x,Mn2+ y、Sr4−xAl14O25:Eu2+ x、(Sr1−zBaz)1−xAl2Si2O8:Eu2+ x、Ba2−xSiO4:Eu2+ x、Sr2−xSiO4:Eu2+ x、Mg2−xSiO4:Eu2+ x、(BaSr)1−xSiO4:Eu2+ x、Y2−x−ySiO5:Ce3+ x,Tb3+ y、Sr2−xP2O5:Eu2+ x、Sr2−xP2O7:Eu2+ x、(BayCazMg1−y−z)5−x(PO4)3Cl:Eu2+ x、Sr2−xSi3O8−2SrCl2:Eu2+ x[x,yおよびzはそれぞれ1以下の任意の数を表す。]
以下に本発明に好ましく使用される無機蛍光体を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0039】
[青色発光 無機蛍光化合物]
(BL−1) Sr2P2O7:Sn4+
(BL−2) Sr4Al14O25:Eu2+
(BL−3) BaMgAl10O17:Eu2+
(BL−4) SrGa2S4:Ce3+
(BL−5) CaGa2S4:Ce3+
(BL−6) (Ba、Sr)(Mg、Mn)Al10O17:Eu2+
(BL−7) (Sr、Ca、Ba、Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+
(BL−8) BaAl2SiO8:Eu2+
(BL−9) Sr2P2O7:Eu2+
(BL−10) Sr5(PO4)3Cl:Eu2+
(BL−11) (Sr,Ca,Ba)5(PO4)3Cl:Eu2+
(BL−12) BaMg2Al16O27:Eu2+
(BL−13) (Ba,Ca)5(PO4)3Cl:Eu2+
(BL−14) Ba3MgSi2O8:Eu2+
(BL−15) Sr3MgSi2O8:Eu2+
[緑色発光 無機蛍光化合物]
(GL−1) (BaMg)Al16O27:Eu2+,Mn2+
(GL−2) Sr4Al14O25:Eu2+
(GL−3) (SrBa)Al2Si2O8:Eu2+
(GL−4) (BaMg)2SiO4:Eu2+
(GL−5) Y2SiO5:Ce3+,Tb3+
(GL−6) Sr2P2O7−Sr2B2O5:Eu2+
(GL−7) (BaCaMg)5(PO4)3Cl:Eu2+
(GL−8) Sr2Si3O8−2SrCl2:Eu2+
(GL−9) Zr2SiO4、MgAl11O19:Ce3+,Tb3+
(GL−10) Ba2SiO4:Eu2+
(GL−11) Sr2SiO4:Eu2+
(GL−12) (BaSr)SiO4:Eu2+
[赤色発光 無機蛍光化合物]
(RL−1) Y2O2S:Eu3+
(RL−2) YAlO3:Eu3+
(RL−3) Ca2Y2(SiO4)6:Eu3+
(RL−4) LiY9(SiO4)6O2:Eu3+
(RL−5) YVO4:Eu3+
(RL−6) CaS:Eu3+
(RL−7) Gd2O3:Eu3+
(RL−8) Gd2O2S:Eu3+
(RL−9) Y(P,V)O4:Eu3+
本発明に用いられる無機蛍光体は、発光強度の観点から、製造時に機械的破砕工程を経ない、つまりビルドアップ法で合成されるものが好ましく、特にSol−Gel法等による液相法によって製造されるものが好ましい。また、組成上は無機酸化物が母体となっているものが好ましい。
【0040】
Sol−Gel法による製造方法とは、例えば、作花済夫著「ゾル−ゲル法の応用」(1997年アグネ承風社発行)に詳しく書かれているが、基本的には、溶液から出発し、溶液のゾル化、ゲル化を経て材料を溶融法よりも低温で合成する方法を意味し、本発明でいう「Sol−Gel法」とは、蛍光体製造の少なくとも1工程で液相法での反応を行うことを指し、通常の無機蛍光体合成に適用される溶融反応で行う合成法と区別することができる。本発明のSol−Gel法は、一般的には母体または賦活剤または共賦活剤に用いる元素(金属)を例えばテトラメトキシシラン(Si(OCH3)4)やユーロピウム−2,4−ペンタンジオネート(Eu3+(CH3COCH=C(O−)CH3)3)等の金属アルコキシドや金属錯体、またはそれらの有機溶媒溶液に金属単体を加えて作るダブルアルコキシド(例えばAl(OBu)3の2−ブタノール溶液に金属マグネシウムを加えて作るMg〔Al(OBu)3〕2等)、金属ハロゲン化物、有機酸の金属塩、金属単体として必要量混合し、液相状態で熱的または化学的に重縮合することによる製造方法を意味し、必要に応じて焼成や還元処理等を施してもよい。
【0041】
なお、本発明で用いられる金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属塩または金属の「金属」とは、一般に周期律表等で定義されている「金属類(Metals)」の他に「遷移金属(Transition Metals)」の全ての元素、「ランタノイド」の全ての元素、「アクチノイド」の全ての元素、および「非金属(Non Metals)」として定義されるホウ素、珪素(シリコン)を含んだものとして定義する。
【0042】
上記無機蛍光体は、必要に応じて表面改質処理を施してもよく、その方法としてはシランカップリング剤等の化学的処理によるものや、サブミクロンオーダーの微粒子等の添加による物理的処理によるもの、さらにはそれらの併用によるもの等が挙げられる。
【0043】
本発明で用いられるシランカップリング剤としては、日本ユニカー株式会社発行(1997年8月2日)の「NUCシリコーン シランカップリング剤」カタログに記載されているものがそのまま使え、その具体例としては、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルオキシシラン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピル−n−プロピルオキシシラン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルオキシシラン、アクリロイルオキシジメトキシエチルシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0044】
本発明に用いる無機蛍光体の粒径は、10μm以下100nm以上が好ましく、5μm以下200nm以上が更に好ましい。粒度分布は単分散性であっても広い分布をもっていてもよいが、ある程度の分布がある方が好ましい。
【0045】
本発明においては上記無機蛍光化合物の他に任意の添加剤を混合して用いることができ、特にヘイズ調整のために微粒子を適宜混合してもよい。用いられる微粒子としては、無機微粒子であることが好ましく、例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化リチウム等の微粒子が挙げられる。
【0046】
次に、本発明における希土類錯体系蛍光体としては、希土類金属としてCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等を有するものが挙げられ、錯体を形成する有機配位子としては、芳香族系、非芳香族系のどちらでも良く、好ましく下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【0047】
一般式(1)
Xa−(La)−(Lb)n−(Lc)−Ya
[式中、La、Lb、Lcはそれぞれ独立に2個以上の結合手を持つ原子を表わし、nは0または1を表わし、XaはLaの隣接位に配位可能な原子を有する置換基を表わし、YaはLcの隣接位に配位可能な原子を有する置換基を表わす。さらにXaの任意の部分とLaとは互いに縮合して環を形成してもよく、Yaの任意の部分とLcとは互いに縮合して環を形成してもよく、LaとLcとは互いに縮合して環を形成してもよく、さらに分子内に芳香族炭化水素環または芳香族複素環が少なくとも一つ存在する。ただし、Xa−(La)−(Lb)n−(Lc)−Yaがβ−ジケトン誘導体やβ−ケトエステル誘導体、β−ケトアミド誘導体又は前記ケトンの酸素原子を硫黄原子又は−N(R1)−に置き換えたもの、クラウンエーテルやアザクラウンエーテルまたはチアクラウンエーテルまたはクラウンエーテルの酸素原子を任意の数硫黄原子または−N(R1)−に置き換えたクラウンエーテルを表わす場合には芳香族炭化水素環または芳香族複素環は無くてもよい。−N(R1)−において、R1は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。]
一般式(1)において、XaおよびYaで表される配位可能な原子とは、具体的には酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子であり、特に酸素原子、窒素原子、硫黄原子であることが好ましい。
【0048】
一般式(1)において、La、Lb、Lcで表される2個以上の結合手を持つ原子としては、特に制限はないが、代表的には炭素原子、酸素原子、窒素原子、シリコン原子、チタン原子等が挙げられるが、このましいものは炭素原子である。
【0049】
以下に一般式(1)で表される希土類錯体系蛍光体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
【化1】
【0051】
【化2】
【0052】
【化3】
【0053】
【化4】
【0054】
【化5】
【0055】
【化6】
【0056】
【化7】
【0057】
本発明で用いる蛍光体は、溶剤可溶性のものが好ましく、一般にレーザー色素と呼ばれる蛍光色素が好ましい。レーザー色素としては、具体的には、ローダミンB、ローダミン6G等のキサンテン系色素、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリン)−4H−ピラン(DCM)等のシアニン系色素、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)ピリジウム−パーコラレイト(ピリジン1)等のピリジン系色素、オキサジン系色素、クリセン系色素、チオフラビン系色素、ペリレン系色素、ピレン系色素、アントラセン系色素、アクリドン系色素、アクリジン系色素、フルオレン系色素、ターフェニル系色素、エテン系色素、ブタジエン系色素、ヘキサトリエン系色素、オキサゾール系色素、クマリン系色素、スチルベン系色素、ジ−およびトリフェニルメタン系色素、チアゾール系色素、チアジン系色素、ナフタルイミド系色素、アントラキノン系色素等が挙げられ、中でもローダミンB、ローダミン6G等のキサンテン系色素、クマリン系やナフタルイミド系色素が挙げられる。
【0058】
この染料は後述する高分子材料および有機溶媒に可溶であって、組み合わせる顔料や、その種類にもよるが、高分子材料中に、好ましくは質量濃度で0.01〜30%、特に0.1〜10%、さらには0.5〜5%の範囲で存在することが好ましい。
【0059】
上記本発明の蛍光化合物は基材となるガラス、石英およびポリマーに直接混練して添加してもよいし、基材がポリマーの場合は該ポリマーをしかるべき溶剤に溶解させた溶液に蛍光体の粒子を添加してもよい。また、希土類錯体系の蛍光体を用いる場合は、蛍光体を溶解しうる溶剤に溶かした後、ポリマー溶液に添加することもできる。
【0060】
また、本発明の蛍光材料21の支持基板20内部での粒子分布は、厚さ方向に対して均一であっても、分布があっても、濃度勾配があってもよい。
【0061】
また、支持基板20の内部には蛍光材料21とともに、バインダーや光吸収材料を含有しても良く、このときは、基本的に蛍光材料21の発光を消光しづらい材料を選べば良い。
【0062】
次に、照明装置から射出される発光色の白色化について以下に説明する。
照明装置50の光の白色化は、有機EL素子10の発光極大波長を500nm未満とし、該発光によって励起され、青緑色、緑色、黄色、橙色、赤色等の長波長の光を発光する蛍光材料21を、複数種支持基板20に含有せしめることで達成することができる。
【0063】
別の方法としては、500nm未満の発光極大を有する有機EL素子10からの発光によって励起され、500nmよりも長波長に発光する第1の蛍光材料と、該第1の蛍光体の発光によって励起され、第1の蛍光体の発光波長よりも長波長領域で発光する第2の蛍光材料(第2の蛍光体は単一でも良いし複数種であってもよい)、さらに第2の蛍光体の発光で励起され第2の蛍光体よりも長波長領域に発光する第3の蛍光体、等で白色化することも可能である。
【0064】
上記の方式を用いる場合は、第1の蛍光材料は無機蛍光体又は希土類錯体系の蛍光体であることが好ましいが、第2以上の蛍光材料は無機蛍光体でも希土類錯体蛍光体でも、有機蛍光色素でもよく、吸収波長の観点から有機蛍光色素であることが好ましい。
【0065】
いずれの場合でも本発明においては、支持基板20中に少なくとも1種の無機蛍光体か希土類錯体系の蛍光体が含有されることが好ましい。
【0066】
したがって、本発明の照明装置50は、500nm未満の発光極大を有する有機EL素子10からの発光によって励起する蛍光材料21を組み合わせる事により、図2に示す色度図においてx値が0.22〜0.4、y値が0.22〜0.4の範囲Zの純度の高い白色光となる。
【0067】
500nm未満で発光する有機EL素子10の有機層12の発光材料としては、特開平5−17765号、同5−32966号、同5−135878号、同5−247458号、同5−247459号、同7−26254号、同7−53955号、同7−240277号、同8−12600号、同8−239655号、同10−110163号、同10−338872号、同11−149982号、同11−185959号、同11−283746号、同11−354278号、特開2000−8033、特開2000−26472、同2000−260570、同2000−344691、同2001−52870、同2001−192651、同2001−250690、同2002−151268、同2002−175883、同2002−216971、同2002−249765、同2002−343571、Appl.Phys.Lett.Vol.79,2082頁(2001年)等に記載されるものを用いることができ、例えばフェニルアントラセン誘導体、テトラアリールエテン誘導体、キナクリドン、クマリン、ルブレン、スチリル系色素、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリレン誘導体等が挙げられる。
【0068】
次に、支持基板による光の拡散機能について以下に説明する。
有機EL素子10の発光層から射出した光は、透明電極11を透過して面状に支持基板20に向けて射出される。
【0069】
支持基板20に入射した光が基板内に分散された蛍光材料21に達すると、蛍光材料21で吸収された光の発光極大波長より長い波長に変換された2次光が発光される。
【0070】
蛍光材料21に入射するときや、変換されて射出するときの屈折や、蛍光材料21の表面での反射により入射した光は拡散性が高まる。したがって、蛍光材料21は、光の変換機能に加えて、光の拡散、散乱機能を備えている。
【0071】
光拡散による均一な2次光を射出するために、支持基板20の基材に対して分散させる蛍光材料21の質量比は、0.1%〜50%の範囲が望ましく、さらに、光の変換効率と光の拡散のバランスを考慮すると好ましくは5%〜30%である。
【0072】
また、支持基板20の透明度が高いため、全光透過率を維持したまま、全光透過量に対する光拡散透過率の割合を大きくしてヘイズ値を高める事が可能となる。すなわち、輝度の低下を抑えて、射出する光を拡散する。
【0073】
ここで、ヘイズ値は以下の式で表される。
ヘイズ値(曇価)=(拡散透過率(%)/全光透過率(%))×100(%)なお、具体的な測定方法は、JIS K 7136 「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」または、ISO 14782 「Plastics −Determination of haze for transparent materials」に記載されている方法で測定することができる。
【0074】
図3は、基材に対する蛍光材料の質量比を変えたときの支持基板のヘイズを変化させたときの有機EL素子の発光により支持基板20から射出される光の輝度のグラフである。図からわかるように、蛍光材料21を減らしてヘイズ値を15%未満とすると、蛍光材料21の発光量が減り輝度が低下する。また、蛍光材料21を増してヘイズ値を90以上とすると、支持基板20を透過する光が減って輝度が低下する。従って、照明装置50の輝度低下を抑制するためには、支持基板20のヘイズ値を15%以上で90%未満の範囲が良い。
【0075】
図4は、基材に対する蛍光材料の質量比を変えて支持基板の全光透過率を変化させたときの、有機EL素子の発光により支持基板20から射出された光の輝度のグラフである。
【0076】
全光透過率の測定方法は、JIS K 7361−1 「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」、又は、ISO 13468−1 「Plastics − Determination of the total luminous transmittance of transparent materials」に記載されている方法で測定することができる。
【0077】
図からわかるように、蛍光材料21を増して全光透過率を50%未満とすると輝度が低下し、また、蛍光材料21を減らして全光透過率が95%以上とすると、蛍光材料21の発光量が減り輝度が低下する。従って、照明装置50の輝度低下を抑制するためには、支持基板20の全光透過率は50%以上で95%未満の範囲が良い。
【0078】
更に、本発明では支持基板20が蛍光体の分散物を備えているため、有機EL素子10の発光層からの光は蛍光体粒子で散乱され、光強度が均一化される。また、この光散乱効果は、外光による反射電極13に起因する写り込みを軽減するとともに、有機EL素子10の致命的欠陥とも言える支持基板20端面からの発光を効果的に抑制することができ、結果として外部に取り出せる光の量、即ち外部発光量子効率が向上するという効果を有する。
【0079】
また、第1の実施の形態では、照明装置50の光の射出面Aは、四角形状であるが、形状はこれに限らず多角形、円形でも良い、また、射出面Aを円柱状にして360度光を射出しても良い。
【0080】
図5は、第1の実施の形態における射出面が円柱状の照明装置の模式図である。図において、照明装置50の射出面Aを円柱状にすることにより、照明装置50の周囲を照らす照明として利用することができる。
【0081】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図6は、照明装置を光源として利用する液晶表示装置の模式図である。
【0082】
この実施の形態は、第1の実施の形態の照明装置をバックライトとして利用する液晶表示装置である。
【0083】
液晶表示装置60は、光源であるバックライト120、液晶パネル140等からなる。
【0084】
バックライト120は、有機EL素子10、蛍光材料が内部に分散された透明な基板20、プリズムシート14を備えている。有機EL素子10、支持基板20は第1の実施の形態と同様の構成であり、同じ参照番号を付し説明は省略する。
【0085】
有機EL素子10から発光した光は、透明電極11を通過して支持基板20により、拡散された面状の白色光となる。支持基板20の射出面から射出された白色光は、集光機能を備えるプリズムシート14により液晶パネル140の方向に向けられて、面状に射出される。
【0086】
液晶パネル140は、一般に2枚偏光板方式と呼ばれ、透明な基板130、偏向板131、液晶セル132、カラーフィルタ133等を備えている。バックライト120からの白色光は、偏向板131により一定の振動方向の偏向光となり、基板130を通過して液晶セル132に到達する。液晶セル132は、画素毎に配向膜、透明な電極に挟時された液晶材料からなり、液晶セル132では、画像情報に応じて透明な電極間に印可される電圧により、通過する光の偏向状態を変化させている。液晶セル132を通過した光は、カラーフィルタ133により発色が決定され、基板130を通過して偏向板131に到達する。偏向板131では、液晶セル132で変化した光の偏向状態により、通過する光の量が変わり、観察者方向Gに向けて光が射出される。
【0087】
すなわち、液晶表示装置は、有機EL素子10を形成した支持基板20から射出される光を光源として、液晶パネル140により画像情報に応じてバックライト120からの光の通過量を制御することにより画像表示を行っている。
【0088】
本発明の液晶表示装置のバックライトは、発光極大波長が500nm未満に発光する有機EL素子と、支持基板の内部に備えた有機EL素子から光を励起光として励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体とによって、白色の発光が得られる。さらに、ヘイズ15%以上90%未満、かつ、全光透過率50%以上95%未満の範囲にした支持基板によって、外光の反射による写り込みが低減するので、1/4λ板が不要となり装置が薄型化する。
【0089】
また、蛍光体として無機蛍光体又は希土類金属錯体蛍光体を用いることにより、経時での分解や量子効率の低下が少なくなり、装置の表示品位が向上する。
【0090】
また、有機EL素子の発光を、リン光に由来する発光とすることにより、輝度が向上して光取り出し効率が向上する。
【0091】
【実施例】
次に、本発明の照明装置の具体的な作成例を以下に説明する。
【0092】
実施例1
1)蛍光体の合成
例示化合物(GL−10)の合成
0.016モルのアンモニアを含有するアンモニア水にエタノール150mlと水150mlを加えアルカリ液を作製した。
【0093】
更にテトラエトキシシラン8.33g(0.04モル)とユーロピウム(III)アセチルアセトナート錯体2水和物0.097g(0.2ミリモル)を150mlのエタノールに溶解した溶液を、室温下にて前記アルカリ液中に滴下速度約1ml/minで攪拌しながら添加し、ゾル液を調整した。得られたゾルをエバポレータで約15倍(約30ml)に濃縮し、これに0.3mol/lの硝酸バリウム水溶液を295ml添加しゲル化させた。
【0094】
得られた湿潤ゲルは密閉容器中、60℃で一晩熟成させた。その後エタノール(約300ml)中に攪拌分散させ、濾紙(Advantec 5A)を用いた吸引濾過により分取し、室温で乾燥した。乾燥ゲルは、5%H2−N2雰囲気中、1000℃で2時間熱処理を施し、太陽光下で薄緑色に光る無機蛍光体GL−10(Ba2SiO4:Eu2+ 0.005)2.7gを得た。
【0095】
GL−10の成分組成はXRDスペクトルにより分析した。その結果主成分はBa2SiO4、微量含まれる副成分はBaSiO3とBa3SiO5であることがわかった。またGL−10の平均粒径は1.05μmで、発光極大波長は500nm(励起光405nm)の緑色に発光する蛍光体であることがわかった。
【0096】
また、同様な方法で、赤色発光微粒子無機蛍光体(RL−5)(平均粒径約0.85μm、極大発光波長610nm(励起光375nm))と青色発光無機蛍光体(BL−3)(平均粒径0.90μm、極大発光波長432nm(励起光375nm))を得た。
【0097】
2)微粒子無機蛍光体の表面物性改質
平均粒径5nmのエアロジル0.16gにエタノール15gおよびγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.22gを加えて開放系室温下1時間攪拌した。この混合物と無機蛍光体(GL−10)20gとを乳鉢に移し、よくすり混ぜた後、70℃のオーブンで2時間、さらに120℃のオーブンで2時間加熱し、表面改質した(GL−10)を得た。
【0098】
また、同様にして、RL−5とBL−3の表面改質も行った。
3)蛍光体含有支持基板の作製
環状オレフィン樹脂(JSR社製、アートン)20gを塩化メチレン80ml、テトラヒドロキシフラン20mlの混合溶剤に溶解し、その溶液に蛍光体(GL−10)1.0g、(RL−5)0.7g、(BL−3)1.2gを混合して、平滑なステンレスベルト上に溶剤キャスト製膜を行った。
【0099】
得られたフィルムは、厚さ108μm、ステンレスベルト側のRa5.7nm、他方のRa8.2nmであった。
【0100】
この蛍光体を含有したフィルムに以下の方法で保護膜を形成した。
大気圧プラズマCVD法を用い、プラズマ発生には、日本電子(株)製高周波電源JRF−10000を電源として、反応性ガスとして以下の組成のガスを用い、
不活性ガス:アルゴン 98.25体積%
反応性ガス1:水素ガス 1.5体積%
反応性ガス2:テトラエトキシシラン蒸気(アルゴンガスにてバブリング)
0.25体積%
13.56kHz、1W/cm2の条件で、厚み250nmで炭素含有率が原子数濃度で3%の酸化珪素膜を形成した。次いで、上記大気圧プラズマCVD法にて、13.56kHz、10W/cm2の条件に切り換えて、厚み200nmで炭素含有率が原子数濃度で0.01%の酸化珪素膜を形成した。
【0101】
次いで、酸化珪素膜を有する面側にスパッタリングターゲットとして酸化インジウムと酸化亜鉛との混合物(Inの原子比In/(In+Zn)=0.80)からなる焼結体をもちい、DCマグネトロンスパッタリング法にて透明導電膜であるIZO(Indium Zinc Oxide)膜を形成した。即ち、スパッタリング装置の真空装置内を1×10−3Pa以下にまで減圧し、アルゴンガスと酸素ガスとの体積比で1000:2.8の混合ガスを真空装置内が1×10−1Paになるまで真空装置内に導入した後、ターゲット印加電圧420V、基板温度60℃でDCマグネトロン法にて透明導電膜であるIZO膜を厚さ250nm形成した。
【0102】
得られた支持基板の全光透過率は76%、ヘーズは47%であった。
上記の溶剤キャスト製膜時に蛍光体を分散含有させない以外は同じ方法で、比較支持基板を作製した。但し、フィルム上にジクロロメタン1L当たり、2−〔2−〔4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル〕エテニル〕−4−ジシアノメチレン−6−メチル4H−ピラン212mgと、ポリビニルピロリジノン(関東化学(株)、分子量約360,000)100gを溶解させた溶液を塗布・乾燥後保護層を形成した。比較支持基板の全光透過率は82%、ヘーズは2%であった。
【0103】
4)有機EL素子の作製
得られた本発明に係る支持基板と比較支持基板に、下記化合物Aを膜厚30nmで蒸着し、正孔輸送層とした。その上に下記化合物Bを40nm蒸着し、発光層とした。
【0104】
続いてこの上にBCを30nm蒸着し、電子輸送層とした。続いてその上にフッ化リチウムを膜厚0.5nm蒸着して陰極バッファー層とし、更にアルミニウムを100nm蒸着し対向電極とすることにより本発明に係る照明装置及び比較の照明装置を作製した。
【0105】
【化8】
【0106】
本発明に係る照明装置及び比較の照明装置は共に白色発光で、25mA/m2の定電流で発光させたときの輝度の比は、本発明:比較=3.1:1であった。
【0107】
実施例2
前記蛍光体含有支持基板の作製において、(RL−5)0.7gに代えてDCM(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)50mgを、(GL−10)1.0gに代えてクマリン334(Aldrich社製)120mgを用いた以外は同様にして、支持基板を得た。
【0108】
この支持基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、5つのモリブデン製抵抗加熱ボートに、α−NPD、CBP、化合物1、BC、Alq3をそれぞれ入れ真空蒸着装置に取付けた。
【0109】
【化9】
【0110】
次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm〜0.2nm/secで支持基板に膜厚50nmの厚さになるように蒸着し、正孔注入/輸送層を設けた。
【0111】
さらに、CBPの入った前記加熱ボートと化合物1の入ったボートをそれぞれ独立に通電してCBPと比較化合物1の蒸着速度が100:7になるように調節し膜厚30nmの厚さになるように蒸着し、発光層を設けた。
【0112】
ついで、BCの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で厚さ10nmの電子輸送層を設けた。更に、Alq3の入った前記加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒〜0.2nm/秒で膜厚40nmの電子注入層を設けた。
【0113】
次に、真空槽をあけ、電子注入層の上にステンレス鋼製の長方形穴あきマスクを設置し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにマグネシウム3gを入れ、タングステン製の蒸着用バスケットに銀を0.5g入れ、再び真空槽を2×10−4Paまで減圧した後、マグネシウム入りのボートに通電して蒸着速度1.5nm/秒〜2.0nm/秒でマグネシウムを蒸着し、この際、同時に銀のバスケットを加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で銀を蒸着し、前記マグネシウムと銀との混合物から成る陰極(200nm)として、照明装置を作製した。
【0114】
この照明装置は同様に白色発光で、25mA/m2の定電流で発光させたときの輝度は、実施例1の本発明の照明装置のほぼ2倍であった。
【0115】
【発明の効果】
本発明により、光取り出し効率を向上させた白色の照明装置、及び液晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の照明装置の実施の形態の模式図である。
【図2】色度図である。
【図3】支持基板における、ヘイズの変化に対する射出される光の輝度の変化を示すグラフである。
【図4】支持基板における、全光透過率の変化に対する射出される光の輝度の変化を示すグラフである。
【図5】射出面が円柱状の照明装置の模式図である。
【図6】照明装置を光源として利用する液晶表示装置の模式図である。
【図7】有機EL素子を光源として利用した従来の照明装置の模式図である。
【符号の説明】
10、120 有機EL素子
11、111 透明電極(陽極)
12 有機層
13、113 反射電極(陰極)
20 支持基板
21 蛍光材料
30 電源
50、100 照明装置
60 液晶表示装置
110 透明基板等
112 発光層
14、114 プリズムシート
120 バックライト
131 偏向板
132 液晶セル
133 カラーフィルタ
140 液晶パネル
Claims (9)
- 支持基板上に形成した有機エレクトロルミネセンス(EL)素子を光源として利用する照明装置において、該有機EL素子の発光の発光極大波長が500nm未満であって、前記支持基板は、前記有機EL素子からの発光を励起光として吸収し、該励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体が内部に分散された基板であることを特徴とする照明装置。
- 前記支持基板は、ヘイズが15%以上90%未満、かつ、全光透過率が50%以上95%未満の光散乱性かつ光透過性であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
- 射出される光が、色度図においてx値0.22〜0.4、y値0.22〜0.4の範囲の色の光であることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
- 前記蛍光体は、無機蛍光体又は希土類金属錯体蛍光体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明装置。
- 前記有機EL素子の発光は、リン光に由来する発光であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
- 有機EL素子を形成した支持基板から射出される光を光源とし、発光極大波長が500nm未満の有機EL素子と、該有機EL素子からの発光を励起光として吸収し、該励起光の波長より長波長領域に発光する蛍光体と、当該蛍光体を内部に備え、ヘイズが15%以上90%未満、かつ、全光透過率が50%以上95%未満である支持基板とを有することを特徴とする液晶表示装置。
- 前記支持基板からの光は、色度図においてx値0.22〜0.4、y値0.22〜0.4の範囲の色であることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
- 前記蛍光体は、無機蛍光体又は希土類金属錯体蛍光体であることを特徴とする請求項6又は7に記載の液晶表示装置。
- 前記有機EL素子の発光は、リン光に由来する発光であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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