JP2004272990A - 情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】「保護セクタ」の隣接トラックは情報を記録しないガード領域とした。ガード領域への記録を防ぐために、ガード領域に属するセクタを欠陥管理リストに初期欠陥としてあらかじめ登録した。すなわち特殊フォーマットした。
【効果】隣接トラックの記録により記録データ品質が劣化することが無いため、「保護セクタ」の信頼性は他の領域よりも高くなる。本発明の情報記録媒体は、従来の記録再生システムでも、安全に、記録・再生することが可能である。「保護セクタに」アクセス頻度の高いファイルシステム管理情報など配置することにより、たとえば書換回数の少ない媒体でも記録再生の信頼性を確保することが可能となる。
【選択図】 図1
【効果】隣接トラックの記録により記録データ品質が劣化することが無いため、「保護セクタ」の信頼性は他の領域よりも高くなる。本発明の情報記録媒体は、従来の記録再生システムでも、安全に、記録・再生することが可能である。「保護セクタに」アクセス頻度の高いファイルシステム管理情報など配置することにより、たとえば書換回数の少ない媒体でも記録再生の信頼性を確保することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報記録媒体の記録データの配置、特に、一般に流通している記録再生ドライブで記録再生が可能で、かつ、記録再生の頼度が通常とは異なる領域を有する情報記録媒体および情報記録媒体に記録再生を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録システムの一例として、従来の光記録システムの一例を図3および図6を用いて説明する。
【0003】
図3は光記録再生装置のブロック図を示したものである。ヘッド2の一部であるレーザ光源25(DVD−RAMでは波長約660nm)から出射された光はコリメータレンズ24を通してほぼ平行な光ビーム22へとコリメートされる。光ビーム22は光ディスク11上に、対物レンズ23を通して照射され、スポット21を形成する、その反射光は、ビームスプリッタ28やホログラム素子29などを通してサーボ用検出器26や信号検出器27へと導かれる。各検出器からの信号は加算・減算処理されトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などのサーボ信号となりサーボ回路に入力される。サーボ回路は得られたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号を元に、対物レンズ23の駆動手段31や光ヘッド2全体の位置を制御し、光スポット21の位置を目的の記録・再生領域に位置づける。検出器27の加算信号は信号再生ブロック41へ入力される。入力信号は信号処理回路によってフィルタ処理、周波数等化処理後、デジタル化処理される。デジタル化処理されたデジタル信号はアドレス検出回路および復調回路によって処理される。アドレス検出回路によって検出されたアドレス信号を元にマイクロプロセッサは光スポット21の光ディスク11上での位置を算出し、自動位置制御手段を制御することによって光ヘッド2及び光スポット21を目的の記録単位領域(セクタ)へと位置づける。
【0004】
上位装置からの光記録再生装置への指示が記録の場合には、マイクロプロセッサは上位装置から記録データを受け取りメモリへ格納するとともに、自動位置制御手段を制御して、光スポット21を目的の記録領域の位置へ位置づける。マイクロプロセッサは信号再生ブロック41からのアドレス信号によって、光スポット21が正常に記録領域に位置づけられたことを確認した後、レーザドライバ等を制御して目的の記録領域にメモリ内のデータを記録する。
【0005】
アドレス信号は図7に記載のように、情報記録単位領域毎に配置されておりまた該記録単位領域の先頭部に配置されているので、アドレス信号の検出により記録の直前に光スポットの位置を確認することができる。
【0006】
図6は、光記録システムの一例として、書換え型DVDである国際標準ISO/IEC−16824などに規定されたDVD−RAMディスクを駆動する光記録システムの動作の流れの例を示したものである。
【0007】
ディスクが挿入されたり、光記録システムの電源が投入されたりすると、まず、光記録システムは、媒体の種別を判別する処理を行う。通常、DVD−RAM媒体に加えて再生専用媒体であるCD−ROMやDVD−ROMの再生機能を有している。そのため、光記録システムは、まず始めに媒体種別の判別処理を行い、その媒体が上記のどれであるかを判別する。この、判別処理の仕方は個々のシステムによって異なる。たとえば、反射率やフォーカス誤差信号などの再生信号のアナログ特性から媒体の種別を判別するシステムもあれば、ディスク基板上に設けられた媒体物理情報保持領域を再生した後その内容(データ)によって媒体の種別を判別するものも有る。
【0008】
光記録システムは媒体の種別が書換え型すなわちDVD−RAMであると認識すると、まず、欠陥管理情報領域などの記録内容を検査して、光ディスクが物理フォーマット済みであるかどうか調べる。物理フォーマットされていない場合には、上位装置やユーザなどから物理フォーマットの指示があるまで待機する。
【0009】
光ディスクが物理フォーマット済み場合、光記録システムは、較正処理や論理整合性検証などの記録準備処理を行った後、ユーザや上位装置からの指示待ち状態となる。何らかのコマンドを受け取ると、光記録システムは、コマンドの種類を調べ、それが記録コマンドである場合には、記録処理を行い。再生・フォーマット・ディスク取り出しなどのコマンドの場合はそれぞれ対応した処理を行う。通常これらの処理は正常に終了するが、万一、予期できない理由で、記録に失敗した場合には、リトライや交替処理などのエラー処理を行う。
【0010】
記録再生装置内部では、各々のセクタは物理アドレス情報である物理セクタ番号(PSN)により管理されており、アドレス情報は媒体の記録セクタと対応したものである。DVD−RAMシステムにおいては、ユーザデータ領域先頭のPSNは31000hから始まる。しかしながら、本装置のようにPCなどの上位装置に接続する外部記録装置においては、装置の種類毎に記録領域の開始アドレスなどが異なっていると上位装置(ホスト)での処理が煩雑となるため、通常上位装置からは論理ブロックアドレス(LBA)を用いてアクセスする。通常のDVD−RAM装置においては、このLBAとPSNとの変換を装置内のマイクロプロセッサによって行っている。すなわち、記録や再生は上位装置からはLBAによって指示されるが、装置内部で物理セクタ番号(PSN)に変換して実際の記録再生処理を行う。このLBAからPSNへどのようには変換されるかは、規格によって定められている。
【0011】
DVD−RAMの場合には、図8に示したように、記録処理の際、記録データが正常に記録されたかどうかを実際に再生して確認(ベリファイ)し、必要に応じて別の記録単位領域(物理セクタ)を用いる交替処理を行う欠陥管理が規格で定められており標準装備されている。この欠陥管理によって、記録のデータの信頼性を高めている。すなわち、欠陥管理は上述のPSNからLBAへの変換の仕方を変更することによって行う。記録領域の再割り当てに関する管理情報は記録媒体上の特別領域(欠陥管理領域)に記録されて保持されている。
【0012】
欠陥セクタに対する交替処理の仕方は2種類ある。1つは、スリッピングとよばれるもので、一次欠陥リスト(PDL、Primary Defect List)により管理される(図10(a))。このPDLには、媒体出荷前の検査や使用前、すなわちフォーマット時のサーティファイによって発見された初期欠陥が登録され、PDLに登録されたセクタ(PSN)はLBAからPSNへの変換の際に除いて処理される。サーティファイ処理は必ず行われるわけではないが、PDLに登録されたセクタは必ず除いて処理されるように規格で定められており、また、媒体出荷前に媒体製造メーカによって記録されたPDLは必ずその内容を保持するように規格で定められている。
【0013】
もう1つは、リニアリプレースメントと呼ばれ、欠陥は二次欠陥リスト(SDL、Secondary Defect List)によって管理される(図10(b))。このSDLには記録時のベリファイ処理で発見された欠陥セクタのセクタ番号(PSN)とその交替先のセクタ番号が登録される。すなわちLBAからPSNへの変換の際、LBAに対応したPSNがSDLに登録されている場合、そのPSNに対応したセクタを使用する代わりに、SDLに記録された交替先のセクタが使用される。この交替先のセクタは交替領域(スペア領域)に割り当てられる。
【0014】
このようにDVD−RAMでは、記録時のベリファイ処理によって、記録信号の品質(信頼度)を確認し、品質が規定レベルを下回る場合には交替処理を行うことによって、記録データの信頼性を確保している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の例では、記録直後の記録データの信頼性はベリファイ処理によって確保されるが、当該セクタに記録してベリファイ処理を行った後に、その隣接セクタへ記録を行う際に、たとえば、万一、振動などによってトラッキングサーボが外れたりした場合、当該セクタの記録情報の一部が破壊されて記録データの品質が劣化してしまう恐れがあった。また、隣接セクタからのクロストークやクロスイレーズ(隣接トラックのデータの一部を誤って消去してしまうこと)などによって記録データの品質が劣化してしまう恐れがあった。通常は、たとえ記録データの一部破壊されたとしても、誤り訂正処理により、正常にデータを再生することが可能であるが、書換の繰り替えしなどによる信号品質の劣化と重なると、正常なデータの再生が困難となる恐れがあった。
【0016】
上記の問題はベリファイの時と、隣接トラックのデータ記録後にで、当該セクタの再生信号品質が変化する場合に起こる問題であり、狭トラック光記録方式に共通の問題であった。
【0017】
特に光ディスク上でアクセス頻度(書換頻度)の高いファイルシステムデータなどの情報が、上記問題により再生できなくなると、ディスク上のすべての情報にアクセスできなくなる恐れがあった。
【0018】
本発明の目的は、ハードウェアや物理仕様を変更することなく媒体上に信頼度の高い保護領域を設ける方法を提供するものである。すなわち、信号品質の劣化の心配の無い保護領域を備えた情報記録媒体を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため以下の手段を用いた。
(1)複数のスパイラル状記録トラックと、該記録トラック上にあって識別可能なアドレス情報を持つ複数のセクタと、該セクタのうち欠陥セクタを管理するための欠陥管理情報領域とを少なくとも有する情報記録媒体上に、両側の隣接トラックに属する隣接セクタが前記欠陥管理情報領域に使用不可な欠陥セクタとして登録されており、かつ、自分自信は前記管理情報領域に使用不可として登録されていない「保護セクタ」を設けた。
【0020】
これにより、「保護セクタ」では、隣接するトラックに属する隣接セクタに情報が記録されることが無くなるため、隣接セクタの記録によって記録情報が劣化したり、クロストークなどにより記録情報の再生信号品質が低下したりする危険性が無くなる。また、万一振動や衝撃によって、トラックはずれが起こったとしても、隣接セクタには記録しないため、情報が破壊される恐れが無くなる。
【0021】
すなわち、非常に信頼性の高い「保護セクタ」を提供することが可能になる。
【0022】
特に記録後に記録情報を再生して確認(ベリファイ)し、再生信号品質が一定レベル以下であった際に、その記録領域を欠陥とみなして、交替処理を行うシステムにおいては、「保護セクタ」をベリファイした後、隣接セクタに記録されることにより「保護セクタ」の再生信号品質が劣化してしまう心配が無くなるため、非常に高い信頼性を提供できる。
【0023】
(2)前記の保護セクタを頻繁にアクセスされる管理情報が記録される領域に少なくとも配置した。
【0024】
これにより、頻繁にアクセスされる管理情報などの重要情報が「保護セクタ」に配置されるため、信頼性が向上する。
【0025】
(3)保護セクタを有するトラックと保護セクタの有しないトラックが交互に配置した領域を少なくとも設けた。
【0026】
これにより、保護セクタのガードのための隣接セクタを両側の保護セクタで共通となるため、効率よく保護セクタを配置することができる。すなわち、多数の保護セクタを配置しても、記録容量が減少する心配がない。また、ランドグルーブ記録方式のように記録トラックの物理形態が一トラックおきに異なる場合に、本手段を適用すると、より記録再生性能の高いトラックを選択的に使用する琴ができるようになるため、より高信頼の情報記録再生システムを提供することが可能になる。
【0027】
(4)前記の保護セクタに、アクセス頻度の高い情報が配置されるようにあらかじめフォーマットした。
【0028】
アクセス頻度の高い情報は、たとえば、ファイルシステムのルートディレクトリや空き領域を管理するビットマップなどであるが、これらの領域は、一度フォーマットされると再フォーマットされないかぎり別の領域に移動されることがないため、ユーザが意識することなく信頼性の高い「保護セクタ」にアクセス頻度の高い情報が記録されることになるため、都合がよい。
【0029】
(5)1つの情報トラックに配置される前記保護セクタの数を、誤り訂正符号ブロックを構成するセクタ数の整数倍とした。
【0030】
これにより、一つの記録ブロックへのアクセスが2トラックにまたがることが無くなるため、記録再生のパフォーマンス(転送速度)を劣化させることなく「保護セクタ」を提供することが可能となる。
【0031】
(6)保護セクタの隣接セクタは、記録マークが無い消去状態あるいは未記録状態とした。
【0032】
これにより、隣接セクタからのクロストークの影響が無くなるため、「保護セクタ」では、さらに記録再生の信頼性が向上する。
【0033】
(7)複数のスパイラル状記録トラックと、該記録トラック上にあって識別可能なアドレス情報を持つ複数のセクタと、該セクタのうち欠陥セクタを管理するための欠陥管理情報領域とを少なくとも有する情報記録媒体であって、該情報記録媒体は「保護セクタ」を少なくとも有し、該保護セクタは、両側の隣接トラックに属するセクタが前記欠陥管理情報領域に使用不可な欠陥セクタとして登録されているセクタであって、かつ、自分自信は前記管理情報領域に使用不可として登録されていないセクタであり、前記の保護セクタに、アクセス頻度の高い情報を配置することとした。
【0034】
これにより、アクセス頻度の高い情報の信頼性を向上することができる。アクセス頻度の高い情報は、ファイルシステムの管理情報のような重要データが書かれていることが多く、また、アクセス頻度が高いために頻繁に「書換」などが行われて記録領域が劣化して信号品質が低下する可能性が大きいため、「保護セクタ」として、信号品質の低下を抑えることにより、信頼性の高い記録再生を行うことが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
図3は光情報記録装置であるDVD−RAM記録再生装置のブロック図の一例を示したものである。この記録再生装置自体は従来例のものと同じである、本発明の原理を説明するためにはまず、この装置に従来の情報記録媒体を装填した場合の動作について説明する。ヘッド2の一部であるレーザ光源25(DVD−RAMでは波長約660nm)から出射された光はコリメータレンズ24を通してほぼ平行な光ビーム22へとコリメートされる。光ビーム22は光ディスク11上に、対物レンズ23を通して照射され、スポット21を形成する、その後、ビームスプリッタ28やホログラム素子29などを通してサーボ用検出器26や信号検出器27へと導かれる。各検出器からの信号は加算・減算処理されトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などのサーボ信号となりサーボ回路に入力される。サーボ回路は得られたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号を元に、対物レンズ31や光ヘッド2全体の位置を制御し、光スポット21の位置を目的の記録・再生領域に位置づける。検出器27の加算信号は信号再生ブロック41へ入力される。入力信号は信号処理回路によってフィルタ処理、周波数等化処理後、デジタル化処理される。デジタル化処理されたデジタル信号はアドレス検出回路および復調回路によって処理される。アドレス検出回路によって物理アドレス情報である物理セクタ番号(PSN)が得られる。ここで得られるアドレス情報は媒体の記録セクタと対応したものである。DVD−RAMシステムにおいては、このユーザデータ領域先頭のPSNは31000hから始まる。
【0036】
しかしながら、本装置のようにPCなどの上位装置に接続する外部記録装置においては、装置の種類毎に記録領域の開始アドレスなどが異なっていると上位装置での処理が煩雑となるため、通常上位装置からは論理ブロックアドレス(LBA)を用いてアクセスする。
【0037】
本実施例の装置においては、このLBAとPSNとの変換を装置内のマイクロプロセッサによって行っているが、ハードウェア(アドレス変換回路)を用いることももちろん可能である。マイクロプロセッサは、装填されている媒体の種別を判別し(図6参照)、媒体がDVD−RAMであった場合には、データ領域の外側(内周側、外周側各2箇所)の欠陥管理領域(DMA)に確保されている欠陥管理表(PDLとSDL)を読み取り、欠陥セクタの飛び越し処理や、交替処理をおこなって、PSNとLBAの対応付けを行う。直径120mmで片面容量が4.7GBのDVD−RAMディスクにおいては、ユーザデータ領域は最内周のPSN=31000hから最外周のPSN=265F5Fhに位置している。このうち欠陥セクタの交替用に31000hから341FFhまでの領域を基本スペア領域(PSA)として確保してある。このPSAは12800個(3200h)のスペアセクタを含む。DVD−RAMではPSAに加え、追加スペア領域(SSA)を最外周に確保することができる。本実施例では、最外周にPSN=259F60hからPSN=265F5Fhまでの49152セクタのSSAを確保する。この結果、実際に使用可能なユーザデータ領域はPSN=34200hからPSN=259F5Fhまでとなる。この間には2252128セクタが含まれるが、DVD−RAMディスクはゾーンCLV構成であるため、ゾーン境界部のガード領域を除いた2245920がユーザセクタとなる。したがって、ユーザセクタにはLBA=0(PSN=34200h)からLBA=2245919(PSN=259F5Fh)までのLBAが対応づけられる。欠陥管理表はPDL(一次欠陥管理表)とSDL(2次欠陥管理表)の2種類ある(図10)。通常PDLは媒体出荷時や媒体のサーティファイ時などに見つかった初期欠陥を登録するために用いられる。PDL内には欠陥セクタのPSNが記録されており、記録再生装置はPDLにリストされたPSNをもつセクタにはLBAを割り付けない(Slipping)。記録再生装置はこのSlippingされたセクタの分だけ、ユーザデータ領域がPSA内に進出するように、LBAを割り付ける(正確には、ユーザデータ領域の先頭部はPDL登録数よりも若干余分にPSA内にシフトするが、これは、DVD−RAMが半径方向に複数の記録ゾーンに分かれており、このゾーンの境界部分で誤り訂正(ECC)ブロック(16セクタ)に満たないの端数セクタが残った場合その部分は使用することができないことによる)。すなわち、欠陥管理によってユーザデータ領域先頭はPSN=34200hよりも、PSNが小さい方向(内周側)にシフトする。PDLには最大7679個の欠陥セクタ情報を登録することができる。記録再生装置は使用中のベリファイ処理(図8)で見つかった欠陥に関してはSDLに登録し、交替セクタを割り当てる。この際、交替は16セクタからなる誤訂正符号ブロックの単位で行われる。SDL内には、欠陥ブロックの先頭セクタのPSNと交替先ブロックの先頭セクタのアドレスの一対一の対応関係がリストされている。このSDLには3837ブロックの欠陥情報を登録することができる。
【0038】
通常DVD−RAMは10万回程度の書き換えが可能であるが、DVD−RAMのような相変化型記録媒体においては多数回の書換を行うためには、記録膜材料の流動を押さえるための微妙な積層構造の調整や、記録膜と保護膜材料の交じり合いなどを抑制するための、特別な層が必要になったりするため、媒体記録膜の組成や積層構造の微妙な調整が必須となり、媒体生産のコストの増大要因になる。すなわち、媒体価格が増大する。
【0039】
逆にいえば、書換回数を例えば、数100回から数1000回に制限すると、媒体記録膜の組成や積層構造の微妙な調整が不要なるため、積層構造の簡略化や、媒体製造マージンが拡大し、結果として非常に低価格な媒体の提供が可能となる。
【0040】
このため、本実施例では低コストな媒体として、書き換え回数、数100回から1000回程度のものを用いることを考える。
たとえば書き換え回数が1000回の場合、ユーザデータ領域の一部を頻繁に書き換えると(実際にファイルシステムの一部では通常の使用でも頻繁に書き換えられる領域が存在する)その領域は記録膜特性が劣化し、記録直後のベリファイ処理(図8)で不良として検出される。しかしながら、DVD−RAMでは欠陥管理機能を有するため、このような劣化領域は欠陥として扱われるため、劣化していない交替セクタ(交替ブロック)が割り当てられる。すなわちSDLに欠陥ブロックと交替先のブロックを登録する。このような、割り当ては劣化の度に行うことができるため、ユーザから見た実効的な書き換え回数は10万回以上確保できる。
【0041】
しかしながら、劣化が進行する過程で、ベリファイ時にはかろうじて再生可能で劣化部とみなされないが、少しの外乱(たとえば隣接トラックへの記録)で再生不能となる記録部が発生する可能性がある。
【0042】
そこで、本実施例では、書き換え可能回数に制限の有るような低価格媒体を従来のシステムで問題なく用いることができるように以下のような記録媒体を用いた。
【0043】
図2は本発明の情報記録媒体の情報記録トラック構造を拡大したものである。記録情報は記録マーク61の形態でグルーブトラック62及びランドトラック63に記録される。
【0044】
図1は本発明の情報記録媒体の記録領域(セクタ)を模式的に図示したものである。図2の情報トラックはディスク上では図1に示したようにスパイラル状に配置されており、一周ごとにランドトラックとグルーブトラックが交互に現れる構成となっている。各トラックは複数の記録セクタ51に分割されている。図では省略して示してあるが、1トラックあたりのセクタ数は実際には直径80mmのディスクの内周部(半径24mm)で25個、外周部(半径58mm)で59個となっており、半径が約1mm増加する毎に1トラックあたりのセクタ数は1ずつ増加する。従って、幅約1mmのドーナツ状のゾーンに分かれており、各ゾーンの中では1トラックあたりのセクタ数は一定である。この例では35個のゾーンに分割されているが、図1では省略して、1つのゾーンの中の様子のみを示した。記録セクタには通常の記録セクタのほかに保護セクタ54が配置されている。保護セクタ54と通常のセクタ51の違いは、「保護セクタ」は両側の隣接セクタ(隣接トラックに属するセクタ)がガード領域53となっており、このガード領域53は未記録状態で、情報が記録されないようユーザ領域から除かれている。
【0045】
このガード領域33をユーザ領域から除いて、マークが記録されないようにするために、本発明ではガード領域の物理セクタ番号(PSN)をPDLにあらかじめ登録した。これにより前述のようにSlipping処理が行われ、ガード領域に記録されることが無くなる。
【0046】
このため、保護セクタでは隣接セクタからの「外乱」が発生する心配が無くなるため、たとえ書換性能の少ない低価格媒体を使用して、保護セクタが過度の書換によって劣化したとしても、ベリファイと欠陥管理処理によって、確実に交替処理が行われ、記録情報が失われる心配がなくなる。
【0047】
本発明では、UDFフォーマットで頻繁に書換の発生する領域と、交替領域に保護セクタを配置した。
【0048】
DVD−RAMで採用されている、UDFフォーマットの場合、Volume Recognition Sequence(VRS)とAVDP(Anchor Volume Descriptor Pointer)のみ配置位置が決められておりVRSはLBA=16、AVDPはLBA=256、LBA=512、LBA=N−256(ただしNは最終LBA)のうち2個所以上に記録することになっている。本実施例のケースである4.7GBのDVD−RAMでは、LBA=256とLBA=2294815の二箇所にAVDPを記録する。AVDPにはメインと予備の二つのボリューム記述子シ―ケンス(VDS)の配置位置が記されている。本実施例では、上記VDSをLBA=12288からの16セクタとLBA=12288+16からの16セクタに配置した。その後のセクタに、LVID(論理ボリューム完全性記述子)を配置し、論理ボリューム空間はLBA=12288+256から始まり、LBA=2229279(=2295072−65536−1)で終わるように配置した。すなわち論理フォーマット後の論理ユーザ領域に属するセクタ数は2216992個、その容量(論理ボリューム空間)は約4.54GBである。論理ボリューム空間の先頭部には、スペースビットマップやファイルセット記述子、ディレクトリなどが配置される。
【0049】
これらのファイル構造のうちLVIDは論理ボリューム全体のファイル数や空き容量などを示すため、ファイルの追記や変更を行うたびに書き換えられることとなるため、書換頻度(アクセス頻度)が非常に高い。また、スペースビットマップもディスク全体の情報を管理するためアクセス頻度が非常に高い。これらの情報の配置位置はLBA256前後の数10セクタとディスクの先頭部(LBAの小さい側)に配置されるため、本実施例ではLBA=0からLBA=512の領域と交替領域(PSA)を保護セクタとした。
【0050】
効率よく保護セクタを配置するために本来LBA=512のセクタが配置される位置のトラック全部をPDLに登録してガード領域とし、そこから内周側に1トラックおきに、図4に示したように、ガード領域を配置した。このようにして、LBA=512から欠陥管理テーブル領域の直前までをガード領域とした(図9)。このときPDLに登録するセクタの数は約6700個となるがPDLには約8000個のセクタが登録可能であるため問題はない。また、このガード領域によって、スペア領域(PSA)の容量が半減することになるが、それでも400ブロック分のスペア領域が残ることとなり、実用上は十分である。
【0051】
本実施例では、図4に示したように1トラックおきにガード領域53と保護セクタ55を配置しているが、DVD−RAMはランドトラックとグルーブトラックが交互に配置されたフォーマット構造となっているため、ランドトラックとグルーブトラックのうち記録再生特性のより良好な側のトラックに保護セクタを配置し、その反対側のトラックをガード領域とするのが望ましい。グルーブトラックとランドトラックのどちらが良好な特性示すかは、媒体の設計(トラック溝の断面形状、記録膜積層構造や積層プロセスなど)に依存し、一概にどちらが良好であるとは言えない。
【0052】
本実施例の例では記録特性がより良好であった、グルーブトラックに保護セクタを配置し、ランドトラックをガード領域とした。
この場合、「良好」を判断するのに、クロストークやクロスイレーズの影響を含まない単独トラックでの特性で判断するのがのぞましい。なぜなら、「保護セクタ」はガードトラックによってクロストークの影響受けないように「保護」されるからである。
[実施例2]
図5は本発明の別の実施例のガード領域の配置の仕方を示したものである。この例では、保護セクタをトラック一周のセクタ全てに配置せず、1トラックの内の16セクタのみとした。この際、その16セクタの境界がECCブロックと一致するようにした。DVD−RAMの場合、記録再生は16セクタをひとまとまりとしたECCブロック単位で行うため、1つのECCブロックに属するセクタは同一トラックにまとまって配置されているの方がアクセス性能が向上する。実際実施例1と比較して保護セクタへのアクセスにかかる時間は平均56%と約半分であった。本実施例の例の他の構成は、上記保護セクタの配置と、ディスク径が80mmであることを除いて、前述の実施例と同じである。即ち、保護セクタは、LBA512の付近よりもディスク内周側に配置した。本実施例の場合、80mmディスクであるため、ディスクの全体容量が約1.34GBである。PSAはPSN=31000hから32400hの5120セクタである。このため、図5に示したように16セクタの「保護セクタ」を除いてガード領域として、一次欠陥リストPDLに予め登録した。この登録はディスク出荷前の物理フォーマット時に行った。PDLへの登録セクタ数は約4000セクタとなり、PSA中の残りのスペアブロック数は約70ブロックとやや少ないが、80mmディスクで全体容量が少ないため、十分である。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明を用いることにより、ディスク性能の劣る廉価版媒体においても、他の領域よりも記録再生の信頼性の高い「保護セクタ」を提供することが可能となる。このため「保護セクタに」アクセス頻度の高いファイルシステム管理情報など配置することにより、たとえば書換回数の少ない媒体でも記録再生の信頼性を確保することが可能となる。
【0054】
本発明の情報記録媒体は、従来の記録再生システムで全く変更なしに、安全に、記録・再生することが可能である。
【0055】
本発明の効果は上記実施例に限られるものではない。例えば、DVD−RAM以外の情報記録媒体・システムに適用することも可能である。特にまだ製品が存在しない新しいシステムに導入する場合、欠陥管理表などを用いてガード領域への記録を抑えなくとも、「規格」によって保護領域を定義すればよく、この場合でも、保護セクタは隣接トラックからのクロストーク・クロスイレーズなどの外乱を受ける心配が無くなるため、高信頼のシステムを提供できる。
【0056】
本発明は特にDVD−RAMなど狭トラックピッチ大容量の高信頼情報記録システムへの適用時に効果が大きい。
【0057】
記録トラックとしては、ランドグルーブ構造以外にも、グルーブ記録や、オングルーブ記録、サンプルサーボ記録へ適用することも可能であり、この場合も前記実施例と同様の効果が得られる。
【0058】
実施例1および3でPSA中の保護セクタをLBA512付近に設けることとしているが、この位置(アドレス)は媒体使用目的(主要アプリケーション)に応じて変化させることができる。たとえば、DVDビデオ記録の場合には、UDFおよびDVDビデオ記録フォーマットにのっとって記録されるため、上述のLBA512以下の領域を保護セクタにする方法が有効であるが、専用ソフトウェアを用いたデータバックアップ用途の場合は、バックアップ管理領域の付近を保護セクタとするのがよい。いずれにしても、アクセス頻度の高い領域に保護セクタを配置することが重要である。
【0059】
「保護セクタ」は記録装置自身ではなく上位装置に搭載されたアプリケーションプログラムによって確保することも可能であり、その場合、保護セクタの前後の領域をアプリケーションプログラムがガード領域として確保すればよい。
【0060】
また、上記実施例ではDVD−RAMのような書き換え型光ディスクを取り上げたが、これに関しても、基本的には、書換え型のみならず記録型(追記型)媒体にも適用が可能で、その場合、書換劣化は起こらないため「保護セクタ」導入の主な目的は「隣接トラック記録時」の「トラック外れ」等から保護となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセクタ配置の概念図。
【図2】光ディスクの記録トラックの構造の例を示す図。
【図3】光記録再生装置の一例のブロック図。
【図4】本発明の一実施例のセクタ配置の例を示す図。
【図5】本発明の一実施例のセクタ配置の例を示す図。
【図6】情報記録再生装置の動作を説明する流れ図。
【図7】アドレス情報の配置の仕方を示す図。
【図8】光ディスクの記録・ベリファイ処理の流れ図。
【図9】本発明の情報記録媒体の保護セクタの配置の例を示す図。
【図10】光ディスクの欠陥管理テーブルの構造を示す図。
【符号の説明】
11…光ディスク、2…光ヘッド、21…光スポット、22…光ビーム、23…対物レンズ、24…コリメタ−レンズ、25…レーザ、26…検出器、27…検出器、28…ビームスプリッタ、29…ホログラム素子、31…レンズアクチュエータ、41…信号再生ブロック、51…通常のセクタ、53…ガード領域、54…保護セクタ、55…保護された領域、61…記録マーク、62…グルーブトラック、63…ランドトラック。
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報記録媒体の記録データの配置、特に、一般に流通している記録再生ドライブで記録再生が可能で、かつ、記録再生の頼度が通常とは異なる領域を有する情報記録媒体および情報記録媒体に記録再生を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録システムの一例として、従来の光記録システムの一例を図3および図6を用いて説明する。
【0003】
図3は光記録再生装置のブロック図を示したものである。ヘッド2の一部であるレーザ光源25(DVD−RAMでは波長約660nm)から出射された光はコリメータレンズ24を通してほぼ平行な光ビーム22へとコリメートされる。光ビーム22は光ディスク11上に、対物レンズ23を通して照射され、スポット21を形成する、その反射光は、ビームスプリッタ28やホログラム素子29などを通してサーボ用検出器26や信号検出器27へと導かれる。各検出器からの信号は加算・減算処理されトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などのサーボ信号となりサーボ回路に入力される。サーボ回路は得られたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号を元に、対物レンズ23の駆動手段31や光ヘッド2全体の位置を制御し、光スポット21の位置を目的の記録・再生領域に位置づける。検出器27の加算信号は信号再生ブロック41へ入力される。入力信号は信号処理回路によってフィルタ処理、周波数等化処理後、デジタル化処理される。デジタル化処理されたデジタル信号はアドレス検出回路および復調回路によって処理される。アドレス検出回路によって検出されたアドレス信号を元にマイクロプロセッサは光スポット21の光ディスク11上での位置を算出し、自動位置制御手段を制御することによって光ヘッド2及び光スポット21を目的の記録単位領域(セクタ)へと位置づける。
【0004】
上位装置からの光記録再生装置への指示が記録の場合には、マイクロプロセッサは上位装置から記録データを受け取りメモリへ格納するとともに、自動位置制御手段を制御して、光スポット21を目的の記録領域の位置へ位置づける。マイクロプロセッサは信号再生ブロック41からのアドレス信号によって、光スポット21が正常に記録領域に位置づけられたことを確認した後、レーザドライバ等を制御して目的の記録領域にメモリ内のデータを記録する。
【0005】
アドレス信号は図7に記載のように、情報記録単位領域毎に配置されておりまた該記録単位領域の先頭部に配置されているので、アドレス信号の検出により記録の直前に光スポットの位置を確認することができる。
【0006】
図6は、光記録システムの一例として、書換え型DVDである国際標準ISO/IEC−16824などに規定されたDVD−RAMディスクを駆動する光記録システムの動作の流れの例を示したものである。
【0007】
ディスクが挿入されたり、光記録システムの電源が投入されたりすると、まず、光記録システムは、媒体の種別を判別する処理を行う。通常、DVD−RAM媒体に加えて再生専用媒体であるCD−ROMやDVD−ROMの再生機能を有している。そのため、光記録システムは、まず始めに媒体種別の判別処理を行い、その媒体が上記のどれであるかを判別する。この、判別処理の仕方は個々のシステムによって異なる。たとえば、反射率やフォーカス誤差信号などの再生信号のアナログ特性から媒体の種別を判別するシステムもあれば、ディスク基板上に設けられた媒体物理情報保持領域を再生した後その内容(データ)によって媒体の種別を判別するものも有る。
【0008】
光記録システムは媒体の種別が書換え型すなわちDVD−RAMであると認識すると、まず、欠陥管理情報領域などの記録内容を検査して、光ディスクが物理フォーマット済みであるかどうか調べる。物理フォーマットされていない場合には、上位装置やユーザなどから物理フォーマットの指示があるまで待機する。
【0009】
光ディスクが物理フォーマット済み場合、光記録システムは、較正処理や論理整合性検証などの記録準備処理を行った後、ユーザや上位装置からの指示待ち状態となる。何らかのコマンドを受け取ると、光記録システムは、コマンドの種類を調べ、それが記録コマンドである場合には、記録処理を行い。再生・フォーマット・ディスク取り出しなどのコマンドの場合はそれぞれ対応した処理を行う。通常これらの処理は正常に終了するが、万一、予期できない理由で、記録に失敗した場合には、リトライや交替処理などのエラー処理を行う。
【0010】
記録再生装置内部では、各々のセクタは物理アドレス情報である物理セクタ番号(PSN)により管理されており、アドレス情報は媒体の記録セクタと対応したものである。DVD−RAMシステムにおいては、ユーザデータ領域先頭のPSNは31000hから始まる。しかしながら、本装置のようにPCなどの上位装置に接続する外部記録装置においては、装置の種類毎に記録領域の開始アドレスなどが異なっていると上位装置(ホスト)での処理が煩雑となるため、通常上位装置からは論理ブロックアドレス(LBA)を用いてアクセスする。通常のDVD−RAM装置においては、このLBAとPSNとの変換を装置内のマイクロプロセッサによって行っている。すなわち、記録や再生は上位装置からはLBAによって指示されるが、装置内部で物理セクタ番号(PSN)に変換して実際の記録再生処理を行う。このLBAからPSNへどのようには変換されるかは、規格によって定められている。
【0011】
DVD−RAMの場合には、図8に示したように、記録処理の際、記録データが正常に記録されたかどうかを実際に再生して確認(ベリファイ)し、必要に応じて別の記録単位領域(物理セクタ)を用いる交替処理を行う欠陥管理が規格で定められており標準装備されている。この欠陥管理によって、記録のデータの信頼性を高めている。すなわち、欠陥管理は上述のPSNからLBAへの変換の仕方を変更することによって行う。記録領域の再割り当てに関する管理情報は記録媒体上の特別領域(欠陥管理領域)に記録されて保持されている。
【0012】
欠陥セクタに対する交替処理の仕方は2種類ある。1つは、スリッピングとよばれるもので、一次欠陥リスト(PDL、Primary Defect List)により管理される(図10(a))。このPDLには、媒体出荷前の検査や使用前、すなわちフォーマット時のサーティファイによって発見された初期欠陥が登録され、PDLに登録されたセクタ(PSN)はLBAからPSNへの変換の際に除いて処理される。サーティファイ処理は必ず行われるわけではないが、PDLに登録されたセクタは必ず除いて処理されるように規格で定められており、また、媒体出荷前に媒体製造メーカによって記録されたPDLは必ずその内容を保持するように規格で定められている。
【0013】
もう1つは、リニアリプレースメントと呼ばれ、欠陥は二次欠陥リスト(SDL、Secondary Defect List)によって管理される(図10(b))。このSDLには記録時のベリファイ処理で発見された欠陥セクタのセクタ番号(PSN)とその交替先のセクタ番号が登録される。すなわちLBAからPSNへの変換の際、LBAに対応したPSNがSDLに登録されている場合、そのPSNに対応したセクタを使用する代わりに、SDLに記録された交替先のセクタが使用される。この交替先のセクタは交替領域(スペア領域)に割り当てられる。
【0014】
このようにDVD−RAMでは、記録時のベリファイ処理によって、記録信号の品質(信頼度)を確認し、品質が規定レベルを下回る場合には交替処理を行うことによって、記録データの信頼性を確保している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の例では、記録直後の記録データの信頼性はベリファイ処理によって確保されるが、当該セクタに記録してベリファイ処理を行った後に、その隣接セクタへ記録を行う際に、たとえば、万一、振動などによってトラッキングサーボが外れたりした場合、当該セクタの記録情報の一部が破壊されて記録データの品質が劣化してしまう恐れがあった。また、隣接セクタからのクロストークやクロスイレーズ(隣接トラックのデータの一部を誤って消去してしまうこと)などによって記録データの品質が劣化してしまう恐れがあった。通常は、たとえ記録データの一部破壊されたとしても、誤り訂正処理により、正常にデータを再生することが可能であるが、書換の繰り替えしなどによる信号品質の劣化と重なると、正常なデータの再生が困難となる恐れがあった。
【0016】
上記の問題はベリファイの時と、隣接トラックのデータ記録後にで、当該セクタの再生信号品質が変化する場合に起こる問題であり、狭トラック光記録方式に共通の問題であった。
【0017】
特に光ディスク上でアクセス頻度(書換頻度)の高いファイルシステムデータなどの情報が、上記問題により再生できなくなると、ディスク上のすべての情報にアクセスできなくなる恐れがあった。
【0018】
本発明の目的は、ハードウェアや物理仕様を変更することなく媒体上に信頼度の高い保護領域を設ける方法を提供するものである。すなわち、信号品質の劣化の心配の無い保護領域を備えた情報記録媒体を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため以下の手段を用いた。
(1)複数のスパイラル状記録トラックと、該記録トラック上にあって識別可能なアドレス情報を持つ複数のセクタと、該セクタのうち欠陥セクタを管理するための欠陥管理情報領域とを少なくとも有する情報記録媒体上に、両側の隣接トラックに属する隣接セクタが前記欠陥管理情報領域に使用不可な欠陥セクタとして登録されており、かつ、自分自信は前記管理情報領域に使用不可として登録されていない「保護セクタ」を設けた。
【0020】
これにより、「保護セクタ」では、隣接するトラックに属する隣接セクタに情報が記録されることが無くなるため、隣接セクタの記録によって記録情報が劣化したり、クロストークなどにより記録情報の再生信号品質が低下したりする危険性が無くなる。また、万一振動や衝撃によって、トラックはずれが起こったとしても、隣接セクタには記録しないため、情報が破壊される恐れが無くなる。
【0021】
すなわち、非常に信頼性の高い「保護セクタ」を提供することが可能になる。
【0022】
特に記録後に記録情報を再生して確認(ベリファイ)し、再生信号品質が一定レベル以下であった際に、その記録領域を欠陥とみなして、交替処理を行うシステムにおいては、「保護セクタ」をベリファイした後、隣接セクタに記録されることにより「保護セクタ」の再生信号品質が劣化してしまう心配が無くなるため、非常に高い信頼性を提供できる。
【0023】
(2)前記の保護セクタを頻繁にアクセスされる管理情報が記録される領域に少なくとも配置した。
【0024】
これにより、頻繁にアクセスされる管理情報などの重要情報が「保護セクタ」に配置されるため、信頼性が向上する。
【0025】
(3)保護セクタを有するトラックと保護セクタの有しないトラックが交互に配置した領域を少なくとも設けた。
【0026】
これにより、保護セクタのガードのための隣接セクタを両側の保護セクタで共通となるため、効率よく保護セクタを配置することができる。すなわち、多数の保護セクタを配置しても、記録容量が減少する心配がない。また、ランドグルーブ記録方式のように記録トラックの物理形態が一トラックおきに異なる場合に、本手段を適用すると、より記録再生性能の高いトラックを選択的に使用する琴ができるようになるため、より高信頼の情報記録再生システムを提供することが可能になる。
【0027】
(4)前記の保護セクタに、アクセス頻度の高い情報が配置されるようにあらかじめフォーマットした。
【0028】
アクセス頻度の高い情報は、たとえば、ファイルシステムのルートディレクトリや空き領域を管理するビットマップなどであるが、これらの領域は、一度フォーマットされると再フォーマットされないかぎり別の領域に移動されることがないため、ユーザが意識することなく信頼性の高い「保護セクタ」にアクセス頻度の高い情報が記録されることになるため、都合がよい。
【0029】
(5)1つの情報トラックに配置される前記保護セクタの数を、誤り訂正符号ブロックを構成するセクタ数の整数倍とした。
【0030】
これにより、一つの記録ブロックへのアクセスが2トラックにまたがることが無くなるため、記録再生のパフォーマンス(転送速度)を劣化させることなく「保護セクタ」を提供することが可能となる。
【0031】
(6)保護セクタの隣接セクタは、記録マークが無い消去状態あるいは未記録状態とした。
【0032】
これにより、隣接セクタからのクロストークの影響が無くなるため、「保護セクタ」では、さらに記録再生の信頼性が向上する。
【0033】
(7)複数のスパイラル状記録トラックと、該記録トラック上にあって識別可能なアドレス情報を持つ複数のセクタと、該セクタのうち欠陥セクタを管理するための欠陥管理情報領域とを少なくとも有する情報記録媒体であって、該情報記録媒体は「保護セクタ」を少なくとも有し、該保護セクタは、両側の隣接トラックに属するセクタが前記欠陥管理情報領域に使用不可な欠陥セクタとして登録されているセクタであって、かつ、自分自信は前記管理情報領域に使用不可として登録されていないセクタであり、前記の保護セクタに、アクセス頻度の高い情報を配置することとした。
【0034】
これにより、アクセス頻度の高い情報の信頼性を向上することができる。アクセス頻度の高い情報は、ファイルシステムの管理情報のような重要データが書かれていることが多く、また、アクセス頻度が高いために頻繁に「書換」などが行われて記録領域が劣化して信号品質が低下する可能性が大きいため、「保護セクタ」として、信号品質の低下を抑えることにより、信頼性の高い記録再生を行うことが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
図3は光情報記録装置であるDVD−RAM記録再生装置のブロック図の一例を示したものである。この記録再生装置自体は従来例のものと同じである、本発明の原理を説明するためにはまず、この装置に従来の情報記録媒体を装填した場合の動作について説明する。ヘッド2の一部であるレーザ光源25(DVD−RAMでは波長約660nm)から出射された光はコリメータレンズ24を通してほぼ平行な光ビーム22へとコリメートされる。光ビーム22は光ディスク11上に、対物レンズ23を通して照射され、スポット21を形成する、その後、ビームスプリッタ28やホログラム素子29などを通してサーボ用検出器26や信号検出器27へと導かれる。各検出器からの信号は加算・減算処理されトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号などのサーボ信号となりサーボ回路に入力される。サーボ回路は得られたトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号を元に、対物レンズ31や光ヘッド2全体の位置を制御し、光スポット21の位置を目的の記録・再生領域に位置づける。検出器27の加算信号は信号再生ブロック41へ入力される。入力信号は信号処理回路によってフィルタ処理、周波数等化処理後、デジタル化処理される。デジタル化処理されたデジタル信号はアドレス検出回路および復調回路によって処理される。アドレス検出回路によって物理アドレス情報である物理セクタ番号(PSN)が得られる。ここで得られるアドレス情報は媒体の記録セクタと対応したものである。DVD−RAMシステムにおいては、このユーザデータ領域先頭のPSNは31000hから始まる。
【0036】
しかしながら、本装置のようにPCなどの上位装置に接続する外部記録装置においては、装置の種類毎に記録領域の開始アドレスなどが異なっていると上位装置での処理が煩雑となるため、通常上位装置からは論理ブロックアドレス(LBA)を用いてアクセスする。
【0037】
本実施例の装置においては、このLBAとPSNとの変換を装置内のマイクロプロセッサによって行っているが、ハードウェア(アドレス変換回路)を用いることももちろん可能である。マイクロプロセッサは、装填されている媒体の種別を判別し(図6参照)、媒体がDVD−RAMであった場合には、データ領域の外側(内周側、外周側各2箇所)の欠陥管理領域(DMA)に確保されている欠陥管理表(PDLとSDL)を読み取り、欠陥セクタの飛び越し処理や、交替処理をおこなって、PSNとLBAの対応付けを行う。直径120mmで片面容量が4.7GBのDVD−RAMディスクにおいては、ユーザデータ領域は最内周のPSN=31000hから最外周のPSN=265F5Fhに位置している。このうち欠陥セクタの交替用に31000hから341FFhまでの領域を基本スペア領域(PSA)として確保してある。このPSAは12800個(3200h)のスペアセクタを含む。DVD−RAMではPSAに加え、追加スペア領域(SSA)を最外周に確保することができる。本実施例では、最外周にPSN=259F60hからPSN=265F5Fhまでの49152セクタのSSAを確保する。この結果、実際に使用可能なユーザデータ領域はPSN=34200hからPSN=259F5Fhまでとなる。この間には2252128セクタが含まれるが、DVD−RAMディスクはゾーンCLV構成であるため、ゾーン境界部のガード領域を除いた2245920がユーザセクタとなる。したがって、ユーザセクタにはLBA=0(PSN=34200h)からLBA=2245919(PSN=259F5Fh)までのLBAが対応づけられる。欠陥管理表はPDL(一次欠陥管理表)とSDL(2次欠陥管理表)の2種類ある(図10)。通常PDLは媒体出荷時や媒体のサーティファイ時などに見つかった初期欠陥を登録するために用いられる。PDL内には欠陥セクタのPSNが記録されており、記録再生装置はPDLにリストされたPSNをもつセクタにはLBAを割り付けない(Slipping)。記録再生装置はこのSlippingされたセクタの分だけ、ユーザデータ領域がPSA内に進出するように、LBAを割り付ける(正確には、ユーザデータ領域の先頭部はPDL登録数よりも若干余分にPSA内にシフトするが、これは、DVD−RAMが半径方向に複数の記録ゾーンに分かれており、このゾーンの境界部分で誤り訂正(ECC)ブロック(16セクタ)に満たないの端数セクタが残った場合その部分は使用することができないことによる)。すなわち、欠陥管理によってユーザデータ領域先頭はPSN=34200hよりも、PSNが小さい方向(内周側)にシフトする。PDLには最大7679個の欠陥セクタ情報を登録することができる。記録再生装置は使用中のベリファイ処理(図8)で見つかった欠陥に関してはSDLに登録し、交替セクタを割り当てる。この際、交替は16セクタからなる誤訂正符号ブロックの単位で行われる。SDL内には、欠陥ブロックの先頭セクタのPSNと交替先ブロックの先頭セクタのアドレスの一対一の対応関係がリストされている。このSDLには3837ブロックの欠陥情報を登録することができる。
【0038】
通常DVD−RAMは10万回程度の書き換えが可能であるが、DVD−RAMのような相変化型記録媒体においては多数回の書換を行うためには、記録膜材料の流動を押さえるための微妙な積層構造の調整や、記録膜と保護膜材料の交じり合いなどを抑制するための、特別な層が必要になったりするため、媒体記録膜の組成や積層構造の微妙な調整が必須となり、媒体生産のコストの増大要因になる。すなわち、媒体価格が増大する。
【0039】
逆にいえば、書換回数を例えば、数100回から数1000回に制限すると、媒体記録膜の組成や積層構造の微妙な調整が不要なるため、積層構造の簡略化や、媒体製造マージンが拡大し、結果として非常に低価格な媒体の提供が可能となる。
【0040】
このため、本実施例では低コストな媒体として、書き換え回数、数100回から1000回程度のものを用いることを考える。
たとえば書き換え回数が1000回の場合、ユーザデータ領域の一部を頻繁に書き換えると(実際にファイルシステムの一部では通常の使用でも頻繁に書き換えられる領域が存在する)その領域は記録膜特性が劣化し、記録直後のベリファイ処理(図8)で不良として検出される。しかしながら、DVD−RAMでは欠陥管理機能を有するため、このような劣化領域は欠陥として扱われるため、劣化していない交替セクタ(交替ブロック)が割り当てられる。すなわちSDLに欠陥ブロックと交替先のブロックを登録する。このような、割り当ては劣化の度に行うことができるため、ユーザから見た実効的な書き換え回数は10万回以上確保できる。
【0041】
しかしながら、劣化が進行する過程で、ベリファイ時にはかろうじて再生可能で劣化部とみなされないが、少しの外乱(たとえば隣接トラックへの記録)で再生不能となる記録部が発生する可能性がある。
【0042】
そこで、本実施例では、書き換え可能回数に制限の有るような低価格媒体を従来のシステムで問題なく用いることができるように以下のような記録媒体を用いた。
【0043】
図2は本発明の情報記録媒体の情報記録トラック構造を拡大したものである。記録情報は記録マーク61の形態でグルーブトラック62及びランドトラック63に記録される。
【0044】
図1は本発明の情報記録媒体の記録領域(セクタ)を模式的に図示したものである。図2の情報トラックはディスク上では図1に示したようにスパイラル状に配置されており、一周ごとにランドトラックとグルーブトラックが交互に現れる構成となっている。各トラックは複数の記録セクタ51に分割されている。図では省略して示してあるが、1トラックあたりのセクタ数は実際には直径80mmのディスクの内周部(半径24mm)で25個、外周部(半径58mm)で59個となっており、半径が約1mm増加する毎に1トラックあたりのセクタ数は1ずつ増加する。従って、幅約1mmのドーナツ状のゾーンに分かれており、各ゾーンの中では1トラックあたりのセクタ数は一定である。この例では35個のゾーンに分割されているが、図1では省略して、1つのゾーンの中の様子のみを示した。記録セクタには通常の記録セクタのほかに保護セクタ54が配置されている。保護セクタ54と通常のセクタ51の違いは、「保護セクタ」は両側の隣接セクタ(隣接トラックに属するセクタ)がガード領域53となっており、このガード領域53は未記録状態で、情報が記録されないようユーザ領域から除かれている。
【0045】
このガード領域33をユーザ領域から除いて、マークが記録されないようにするために、本発明ではガード領域の物理セクタ番号(PSN)をPDLにあらかじめ登録した。これにより前述のようにSlipping処理が行われ、ガード領域に記録されることが無くなる。
【0046】
このため、保護セクタでは隣接セクタからの「外乱」が発生する心配が無くなるため、たとえ書換性能の少ない低価格媒体を使用して、保護セクタが過度の書換によって劣化したとしても、ベリファイと欠陥管理処理によって、確実に交替処理が行われ、記録情報が失われる心配がなくなる。
【0047】
本発明では、UDFフォーマットで頻繁に書換の発生する領域と、交替領域に保護セクタを配置した。
【0048】
DVD−RAMで採用されている、UDFフォーマットの場合、Volume Recognition Sequence(VRS)とAVDP(Anchor Volume Descriptor Pointer)のみ配置位置が決められておりVRSはLBA=16、AVDPはLBA=256、LBA=512、LBA=N−256(ただしNは最終LBA)のうち2個所以上に記録することになっている。本実施例のケースである4.7GBのDVD−RAMでは、LBA=256とLBA=2294815の二箇所にAVDPを記録する。AVDPにはメインと予備の二つのボリューム記述子シ―ケンス(VDS)の配置位置が記されている。本実施例では、上記VDSをLBA=12288からの16セクタとLBA=12288+16からの16セクタに配置した。その後のセクタに、LVID(論理ボリューム完全性記述子)を配置し、論理ボリューム空間はLBA=12288+256から始まり、LBA=2229279(=2295072−65536−1)で終わるように配置した。すなわち論理フォーマット後の論理ユーザ領域に属するセクタ数は2216992個、その容量(論理ボリューム空間)は約4.54GBである。論理ボリューム空間の先頭部には、スペースビットマップやファイルセット記述子、ディレクトリなどが配置される。
【0049】
これらのファイル構造のうちLVIDは論理ボリューム全体のファイル数や空き容量などを示すため、ファイルの追記や変更を行うたびに書き換えられることとなるため、書換頻度(アクセス頻度)が非常に高い。また、スペースビットマップもディスク全体の情報を管理するためアクセス頻度が非常に高い。これらの情報の配置位置はLBA256前後の数10セクタとディスクの先頭部(LBAの小さい側)に配置されるため、本実施例ではLBA=0からLBA=512の領域と交替領域(PSA)を保護セクタとした。
【0050】
効率よく保護セクタを配置するために本来LBA=512のセクタが配置される位置のトラック全部をPDLに登録してガード領域とし、そこから内周側に1トラックおきに、図4に示したように、ガード領域を配置した。このようにして、LBA=512から欠陥管理テーブル領域の直前までをガード領域とした(図9)。このときPDLに登録するセクタの数は約6700個となるがPDLには約8000個のセクタが登録可能であるため問題はない。また、このガード領域によって、スペア領域(PSA)の容量が半減することになるが、それでも400ブロック分のスペア領域が残ることとなり、実用上は十分である。
【0051】
本実施例では、図4に示したように1トラックおきにガード領域53と保護セクタ55を配置しているが、DVD−RAMはランドトラックとグルーブトラックが交互に配置されたフォーマット構造となっているため、ランドトラックとグルーブトラックのうち記録再生特性のより良好な側のトラックに保護セクタを配置し、その反対側のトラックをガード領域とするのが望ましい。グルーブトラックとランドトラックのどちらが良好な特性示すかは、媒体の設計(トラック溝の断面形状、記録膜積層構造や積層プロセスなど)に依存し、一概にどちらが良好であるとは言えない。
【0052】
本実施例の例では記録特性がより良好であった、グルーブトラックに保護セクタを配置し、ランドトラックをガード領域とした。
この場合、「良好」を判断するのに、クロストークやクロスイレーズの影響を含まない単独トラックでの特性で判断するのがのぞましい。なぜなら、「保護セクタ」はガードトラックによってクロストークの影響受けないように「保護」されるからである。
[実施例2]
図5は本発明の別の実施例のガード領域の配置の仕方を示したものである。この例では、保護セクタをトラック一周のセクタ全てに配置せず、1トラックの内の16セクタのみとした。この際、その16セクタの境界がECCブロックと一致するようにした。DVD−RAMの場合、記録再生は16セクタをひとまとまりとしたECCブロック単位で行うため、1つのECCブロックに属するセクタは同一トラックにまとまって配置されているの方がアクセス性能が向上する。実際実施例1と比較して保護セクタへのアクセスにかかる時間は平均56%と約半分であった。本実施例の例の他の構成は、上記保護セクタの配置と、ディスク径が80mmであることを除いて、前述の実施例と同じである。即ち、保護セクタは、LBA512の付近よりもディスク内周側に配置した。本実施例の場合、80mmディスクであるため、ディスクの全体容量が約1.34GBである。PSAはPSN=31000hから32400hの5120セクタである。このため、図5に示したように16セクタの「保護セクタ」を除いてガード領域として、一次欠陥リストPDLに予め登録した。この登録はディスク出荷前の物理フォーマット時に行った。PDLへの登録セクタ数は約4000セクタとなり、PSA中の残りのスペアブロック数は約70ブロックとやや少ないが、80mmディスクで全体容量が少ないため、十分である。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明を用いることにより、ディスク性能の劣る廉価版媒体においても、他の領域よりも記録再生の信頼性の高い「保護セクタ」を提供することが可能となる。このため「保護セクタに」アクセス頻度の高いファイルシステム管理情報など配置することにより、たとえば書換回数の少ない媒体でも記録再生の信頼性を確保することが可能となる。
【0054】
本発明の情報記録媒体は、従来の記録再生システムで全く変更なしに、安全に、記録・再生することが可能である。
【0055】
本発明の効果は上記実施例に限られるものではない。例えば、DVD−RAM以外の情報記録媒体・システムに適用することも可能である。特にまだ製品が存在しない新しいシステムに導入する場合、欠陥管理表などを用いてガード領域への記録を抑えなくとも、「規格」によって保護領域を定義すればよく、この場合でも、保護セクタは隣接トラックからのクロストーク・クロスイレーズなどの外乱を受ける心配が無くなるため、高信頼のシステムを提供できる。
【0056】
本発明は特にDVD−RAMなど狭トラックピッチ大容量の高信頼情報記録システムへの適用時に効果が大きい。
【0057】
記録トラックとしては、ランドグルーブ構造以外にも、グルーブ記録や、オングルーブ記録、サンプルサーボ記録へ適用することも可能であり、この場合も前記実施例と同様の効果が得られる。
【0058】
実施例1および3でPSA中の保護セクタをLBA512付近に設けることとしているが、この位置(アドレス)は媒体使用目的(主要アプリケーション)に応じて変化させることができる。たとえば、DVDビデオ記録の場合には、UDFおよびDVDビデオ記録フォーマットにのっとって記録されるため、上述のLBA512以下の領域を保護セクタにする方法が有効であるが、専用ソフトウェアを用いたデータバックアップ用途の場合は、バックアップ管理領域の付近を保護セクタとするのがよい。いずれにしても、アクセス頻度の高い領域に保護セクタを配置することが重要である。
【0059】
「保護セクタ」は記録装置自身ではなく上位装置に搭載されたアプリケーションプログラムによって確保することも可能であり、その場合、保護セクタの前後の領域をアプリケーションプログラムがガード領域として確保すればよい。
【0060】
また、上記実施例ではDVD−RAMのような書き換え型光ディスクを取り上げたが、これに関しても、基本的には、書換え型のみならず記録型(追記型)媒体にも適用が可能で、その場合、書換劣化は起こらないため「保護セクタ」導入の主な目的は「隣接トラック記録時」の「トラック外れ」等から保護となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセクタ配置の概念図。
【図2】光ディスクの記録トラックの構造の例を示す図。
【図3】光記録再生装置の一例のブロック図。
【図4】本発明の一実施例のセクタ配置の例を示す図。
【図5】本発明の一実施例のセクタ配置の例を示す図。
【図6】情報記録再生装置の動作を説明する流れ図。
【図7】アドレス情報の配置の仕方を示す図。
【図8】光ディスクの記録・ベリファイ処理の流れ図。
【図9】本発明の情報記録媒体の保護セクタの配置の例を示す図。
【図10】光ディスクの欠陥管理テーブルの構造を示す図。
【符号の説明】
11…光ディスク、2…光ヘッド、21…光スポット、22…光ビーム、23…対物レンズ、24…コリメタ−レンズ、25…レーザ、26…検出器、27…検出器、28…ビームスプリッタ、29…ホログラム素子、31…レンズアクチュエータ、41…信号再生ブロック、51…通常のセクタ、53…ガード領域、54…保護セクタ、55…保護された領域、61…記録マーク、62…グルーブトラック、63…ランドトラック。
Claims (7)
- 複数のスパイラル状記録トラックと、該記録トラック上にあって識別可能なアドレス情報を持つ複数のセクタと、該セクタのうち欠陥セクタを管理するための欠陥管理情報領域とを少なくとも有する情報記録媒体であって、該情報記録媒体は保護セクタを有し、該保護セクタは、両側の隣接トラックに属する隣接セクタが前記欠陥管理情報領域に使用不可な欠陥セクタとして登録されているセクタであって、かつ、自分自信は前記管理情報領域に使用不可として登録されていないセクタであることを特徴とする情報記録媒体。
- 前記保護セクタを、頻繁にアクセスされる管理情報が記録される領域に配置したことを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記保護セクタを複数個配置し、保護セクタを有するトラックと保護セクタの有しないトラックが交互に配置された領域を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記保護セクタに、アクセス頻度の高い情報が配置されるようにフォーマットしたことを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 1つの情報トラックに配置される前記保護セクタの数を、誤り訂正符号ブロックを構成するセクタ数の整数倍としたことを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記保護セクタの隣接セクタは、記録マークが無い消去状態あるいは未記録状態であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
- 複数のスパイラル状記録トラックと、該記録トラック上にあって識別可能なアドレス情報を持つ複数のセクタと、該セクタのうち欠陥セクタを管理するための欠陥管理情報領域とを少なくとも有する情報記録媒体であって、該情報記録媒体は、保護セクタを有し、該保護セクタは、両側の隣接トラックに属するセクタが前記欠陥管理情報領域に使用不可な欠陥セクタとして登録されているセクタであって、かつ、自分自信は前記管理情報領域に使用不可として登録されていないセクタであり、前記保護セクタに、アクセス頻度の高い情報を配置して使用する情報の記録方法。
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-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003060790A patent/JP2004272990A/ja active Pending
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US9966097B2 (en) | 2014-05-20 | 2018-05-08 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Optical recording medium having condition management area for managing the recording condition of management information |
US10049697B2 (en) | 2014-05-20 | 2018-08-14 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Write-once storage medium capable of recording data blocks on both land and groove of spiral track |
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