JP2004272300A - トラックボール装置 - Google Patents

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Takatoshi Ono
貴敏 小野
Yubun Inoue
雄文 井上
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】各種電子機器の入力操作部として配設されるトラックボール装置に関し、常時、表示部を見なくとも、操作中の状態を識別できるものを提供することを目的とする。
【解決手段】磁性材料を含む球体31を、支持部材32A〜32Cの三点で支持すると共に電磁石33によって発生する磁力線の経路内に介在させることにより、当該磁力の吸引力によって球体31と支持部材32A〜32Cとの間の摩擦力が変化するような力干渉を前記球体31に伴わせるようにしたため、磁力の発生時に球体31への必要な回転操作力が変わり、搭載された機器の表示部41を常時注視せずとも、操作状態が識別できるようになる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器の入力操作部として配設されるトラックボール装置に関し、特に移動中などにも使用されることが多い携帯用のパーソナルコンピュータやPDA(パーソナルデジタルアシスタント)、車載機器用に適するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種電子機器の入力手段として、表示画面上に配されたアイコンやメニュー項目に対し、搭載されている入力操作部を操作して選択する形態が好まれ、この入力操作部としてトラックボール装置を搭載した機器が増えている。
【0003】
このような従来の電子機器として、パーソナルコンピュータを例として、図7〜図9を用いて説明する。
【0004】
図7は従来のパーソナルコンピュータの外観斜視図であり、同図に示すように、このパーソナルコンピュータ1(以下パソコン1と記載する。)は、本体部2に対し、表示部3が開閉可能に構成されている。
【0005】
そして、本体部2上面における表示部3に近接する上側位置の部分には、キーボード4が配され、その下側位置の部分に、入力操作部の一部を担うトラックボール装置5が配されている。
【0006】
なお、本体部2内には、表示部3、キーボード4、トラックボール装置5などを制御するパソコン1のシステム制御部(図示せず)が配されている。
【0007】
このパソコン1は、操作者がキーボード4やトラックボール装置5を操作することによって、所定信号を入力し、その入力された所定信号をシステム制御部で処理して所定機能を作動させるように構成されている。
【0008】
そして、このトラックボール装置5は、通常、表示部3内に表示されるカーソルまたはポインタの移動操作や、所望のアイコンまたはメニュー項目の選択時における座標位置入力などに使用され、本体部2から突出している樹脂製の球体6の上部を回転操作した際に、球体6の回転方向と回転量が検出され、その結果に応じてシステム制御部の制御でカーソルまたはポインタが移動させられると共に、球体6を垂直下方に押し下げると、前記カーソルまたはポインタにおける座標位置が決定されるような構成となっている。
【0009】
以下に、前記トラックボール装置5の構成について、図8の従来のトラックボール装置の上面図、図9の同断面図を用いて説明する。
【0010】
同図に示すように、前記トラックボール装置5の球体6は、円柱状の回転軸7,8に各々設けられた大径円柱状の主ローラー9,10および補助ローラー11で、下方側から回転可能に支持されている。
【0011】
そして、12は、前記各回転軸7と8を回転自在に軸支する軸受部13,14と15,16が上面側に突設された基体部で、前記軸受部13,14と15,16とは、回転軸7,8が、互いに直交となる配置関係になるように各々一対で形成されている。
【0012】
そして、回転軸7は、軸受部13,14の間に主ローラー9を位置させるようにして、各々の軸受部13,14上に回転自在に載せられ、また、回転軸8は、軸受部15,16の間に主ローラー10を位置させるようにして、各々の軸受部15,16上に回転自在に載せられている。
【0013】
また、前記直交関係で配置された回転軸7,8において、互いに近接しない側となる回転軸7,8の一端部には、各々、所定の角度ピッチで開口部が設けられたコード板17,18が各々固設されていると共に、このコード板17,18を挟む各々の両側位置には、発光素子19,21と受光素子20,22とが基体部12上に対向配置されている。
【0014】
また、回転軸7,8の互いに近接する側となる回転軸7,8の各々の他端部は、捩りコイルバネ23によって球体6側に向けて付勢され、主ローラー9,10は、常に球体6下面に弾接している。
【0015】
また、基体部12に設けられた回転可能な補助ローラー11も、常に球体6下面に弾接している。
【0016】
そして、図9に示す24は、円形の開口部24Aから球体6の上部が突出するように基体部12の外周を覆い込み、その下端を基体部12が固定されている可動板25に固定されているカバー部材である。
【0017】
そして、前記可動板25は、水平状態を保ちつつ上下動可能な構成となっており、可動板25の下方に配された固定基板26上には、押圧操作型のスイッチ27と可動板25を上方へ付勢するためのコイルバネ28が配設されている。
【0018】
以上のように構成される従来のトラックボール装置5は、操作者が、カバー部材24の開口部24Aから突出した球体6を所望の方向へ向けて回転操作すると、球体6の回転に応じて主ローラー9,10がそれぞれ所定量回転、すなわち回転軸7,8を介してコード板17,18がそれぞれ所定量回転し、発光素子19,21からの光が、透過または非透過の状態を所定時間繰り返すようになる。
【0019】
この透過光を受光素子20,22で受光し、その受光信号を本体部2内に配されているシステム制御部などに伝達して、各コード板17,18の回転量などを検出する。
【0020】
そして、システム制御部は、各回転軸7,8の回転量の検出信号を、球体6のX座標成分およびY座標成分とし、それに応じた制御、例えば、表示部3内に表示されているカーソルやポインタの座標移動を行う。
【0021】
このとき、操作者は、表示部3を見ながら前記操作を繰り返して行うことにより、表示部3内に表示されているアイコンやメニュー項目上などにカーソルやポインタを移動させていって合わせ込み、その後、球体6を下方へ押し込む操作を行う。
【0022】
このとき、球体6への押し下げ操作力は、球体6、基体部12を介して可動板25に加わり、可動板25は、コイルバネ28の上方への付勢力に抗してコイルバネ28を撓めつつ垂直下方に下がる。
【0023】
このとき、可動板25に固定されているカバー部材24および球体6を含む基体部12も、可動板25の下方移動と共に全体的に水平状態を保ったまま下方に下がり、可動板25の下方に配されたスイッチ27が、可動板25底面で押圧されてオン状態に切り換わり、このスイッチ信号をシステム制御部などで判別することにより、カーソルなどが重なり合っている所望のアイコンやメニュー項目の選択確定やその機能の実行が行われる。
【0024】
そして、前記押し込み操作力を除くと、スイッチ27の復元力およびコイルバネ28の上方への付勢力で、可動板25は元の上方位置まで押し上げられると共に、スイッチ27がオフ状態である図9に示す通常状態に戻るものであった。
【0025】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【0026】
【特許文献1】
特開平8−185259号公報
【特許文献2】
実開平4−43号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記従来の電子機器の事例としたパソコン1では、常に表示部3やそこに表示されるカーソルまたはポインタの移動状態を視認して操作する必要がある。
【0028】
つまり、入力操作部であるトラックボール装置5の球体6を回転操作して、所望のアイコンやメニュー項目にカーソルやポインタ位置を目視で合わせなければならず、前記操作時などにおける操作性の改善を要望されるようになってきた。
【0029】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、各種電子機器の入力操作部として配設され、常時、表示部を見なくとも、操作中の状態を識別できるトラックボール装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0031】
本発明の請求項1に記載の発明は、磁性材料を含む球体と、この球体を回転自在に支持する支持部と、前記球体の回転を検出する回転検出部と、前記回転検出部からの信号に応じて所定の出力信号を発生する制御部と、前記制御部からの出力信号によって作動する電磁石からなり、前記電磁石によって発生する磁力線の経路内に前記球体を介在させ、当該磁力の吸引力の影響による力干渉を前記球体に伴わせるようにしたトラックボール装置としたものであり、球体を操作しているときに電磁石を作動させると、この電磁石からの磁力で電磁石と球体との間に吸引力が生じ、球体とこれを支持している支持部との間で摩擦力が変化するために、球体を回転させるための必要な操作力が変化する。
【0032】
この操作力の変化は触覚的に判別できるものであり、このトラックボール装置を用いた電子機器では、例えば表示部内に表示された所望のアイコンやメニュー項目にカーソルまたはポインタ位置が合わさった時などに、前記のようにして球体への必要操作力を変えることにより、操作者は、表示部を注視せずとも、触覚で操作状態を判別できるものが実現できるという作用を有する。
【0033】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、支持部を、三つの支持部材で三点支持する構成として球体を支持させ、電磁石のコアの一端を、前記三つの支持部材のうちの一つに接続し、前記コアの他端を、前記三つの支持部材のうちの他の一つ以上に接続したものであり、電磁石と球体で形成される磁力線の経路内のギャップが最小になるため、漏れ磁束が少なくでき、電磁石の作動時に、効率よく球体に力干渉の影響を与えられるようにできるという作用を有する。
【0034】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、永久磁石をさらに有し、この永久磁石の磁界で球体の仮保持状態が維持できるものであり、電磁石を作動させていない場合であっても、永久磁石の磁界で球体の仮保持状態が維持できるため、このトラックボール装置を用いた電子機器の電源がオフ状態などを含み、電磁石の非作動状態で外部からの振動が加わった際にも、球体が不用意に動かないものにできるという作用を有する。
【0035】
請求項4に記載の発明は、請求項2記載の発明において、三つの支持部材の表面材料と球体の表面材料を同材質のものとしたものであり、操作する球体とそれを支持する支持部材の磨耗度合いや傷の発生状況が同程度での発生状態となるため、例えば表面状態を粗した球体を用いた場合であっても、球体の滑らかな回転操作状態が維持され易くなるという作用を有する。
【0036】
請求項5に記載の発明は、請求項2記載の発明において、三つの支持部材のうちの二つが、各々、電磁石のコアの各端に接続されると共に、球体を押し下げることにより、前記コアの端に接続されていない一つの支持部材が可動して、これに連動して作動するスイッチを設けたものであり、電磁石と球体で形成される磁力線の経路内のギャップが最小にできて漏れ磁束を少なくでき、電磁石の作動時に、効率よく球体に力干渉の影響を与えられるようにできると共に、電磁石を作動させて球体を押し込み操作すると、電磁石に接続された二つの支持部材が球体を吸引することから前記二つの支持部材が支点となり、球体を押し下げる力が力点、また三つ目の支持部材は作用点となるため、球体を押し込む際の球体の不要な揺動を低減でき、スイッチの状態が安定的に切り換えられるものにできるという作用を有する。
【0037】
請求項6に記載の発明は、請求項1記載の発明において、電磁石によって発生する磁力線の向きを交互に切り換えるようにしたものであり、電磁石のコアや球体への着磁が小さくでき、したがって、長時間の使用をした際等においても、電磁石を作動させない状態における電磁石と球体との間の吸引力は殆ど発生せず、球体とこれを支持している支持部との間での摩擦力の変化の少ないものにでき、初期の軽い操作力を長期に亘って維持できるものになるという作用を有する。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を用いて説明する。
【0039】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態によるトラックボール装置の斜視図、図2は同分解斜視図、図3は同ブロック図である。
【0040】
これらの図において、31は、操作部材となる磁性材料を含む球体で、この球体31は、下方位置を等角度の三点で支持されるように、支持部を構成する三つの各支持部材32A,32B,32Cの先端部に設けた球状突起の上に載せられ、安定した状態で回転可能となっている。
【0041】
そして、前記支持部を構成する中の二つの支持部材32Aと支持部材32Bは、電磁石33を構成する棒状のコア33Aの両端に底部を各々ネジ34によって連結固定されており、これらの支持部材32Aと32B、および電磁石33は、上面視ではコの字状の形態を成している。
【0042】
電磁石33は、固定状態にある基板35に固定され、この電磁石33のコイル33Bからのリード線は、基板35に構成された所定の配線部(図示せず)と電気的に接続されている。
【0043】
一方、前記二つの支持部材32A,32Bとは異なる三つ目の支持部材32Cは、押し込み型のスイッチ36のキートップに接着剤等で接続固定されている。
【0044】
このスイッチ36も、端子部が半田付けなどされて基板35の前記とは異なる所定の配線部に対し電気的かつ機械的に接続固定されている。
【0045】
さらに、球体31の下部位置に応じた基板35上には、球体31の回転状態を検出するため、C−MOSイメージセンサ等よりなる回転検出用集積回路37が配置され、この回転検出用集積回路37も同様にリード部が基板35の前記のいずれとも異なる所定の配線部に電気的かつ機械的に接続されている。
【0046】
そして、前記コイル33B、スイッチ36、回転検出用集積回路37は、図3に示すように、いずれも基板35の所定の配線部を介して、基板35上に搭載されたトラックボール装置用の制御部となる制御用集積回路38に接続され、この制御用集積回路38により入出力信号が制御状態にあるように構成されている。
【0047】
なお、球体31としては、磁性材料を含むものと説明したが、金属球を用いる場合には、マルテンサイト系またはフェライト系のステンレス鋼を用いると磁性特性や長期使用における防錆、傷などの点で望ましい。
【0048】
また、以上の構成のように光学的なイメージセンサで球体31の回転状態を読み取る構成のものは、球体31の表面を3〜50μm程度の表面粗度を有するものを用いると、球体31表面に陰影が構成され易くなり、回転状態が確実に精度よく検出できるようになる。
【0049】
さらに、電磁石33に接続されている支持部材32Aと32Bも磁性材料を含むものが望ましく、電磁石33と球体31で形成される磁力線の経路内のギャップが最小のものにできて漏れ磁束が少なくできることから、電磁石33の作動時に効率よく球体31に力干渉の影響を伴わせるようにできる。
【0050】
また、球体31とこの球体31に接して支持する三つの支持部材32A〜32Cの表面材質を同じものとすると、球体31および支持部材32A〜32Cにおける磨耗度合いや傷の発生度合いが同じ状態で発生するようになるため、前記のように光学的な読み取りを行うため等に表面状態を粗した球体31を用いた場合を含んで、球体31の滑らかな回転操作状態が維持され易くなる。
【0051】
以上のようにして構成される本実施の形態によるトラックボール装置は、各種電子機器の入力操作部として搭載されて使用されるものである。
【0052】
ここで、その搭載事例およびその使用状態における当該トラックボール装置の動作などを含めて、図4〜図6を用いて説明する。
【0053】
図4は、本実施の形態によるトラックボール装置を搭載したパーソナルコンピュータを示す外観斜視図である。
【0054】
同図に示す39は、本体部40に対し、表示部41が開閉可能に構成されたパーソナルコンピュータ(以下パソコン39と記載)であり、本体部40上面の表示部41側に近接する上側位置の部分にキーボード42を備えている。
【0055】
そして、前記に説明した本実施の形態によるトラックボール装置43は、前記本体部40上面において下側位置となる中央部に配されており、トラックボール装置43の球体31上部は、パソコン39の本体部40からも外方に突出状態になるようにして搭載されている。
【0056】
パソコン39の表示部41には、複数のアイコン45や現在の座標位置を示すポインタ46が表示されており、このポインタ46を移動させて所望のアイコンを選択して実行することにより、所定機能が動作するようになっている。
【0057】
そして、パソコン39の本体部40内には、表示部41、キーボード42などを制御するシステム制御部44が配されている。
【0058】
このシステム制御部44は、当該トラックボール装置43の制御用集積回路38にも接続され、当該制御用集積回路38の制御なども行っている。
【0059】
なお、システム制御部44は、パソコン39の本体部40の中に組み込まれている事例を説明しているが、トラックボール装置43の中に組み込まれてあっても良いし、または他の機器内に配されて当該制御がなされるようにしてあっても良い。
【0060】
次に、前記のように搭載されたトラックボール装置43やパソコン39の動作について説明する。
【0061】
操作者が、パソコン39の本体部40から突出しているトラックボール装置43の球体31を回転操作すると、等角度で配されている三つの支持部材32A,32B,32Cで安定的に三点支持されている球体31は、滑らかに回転する。
【0062】
この球体31の回転状態が、回転検出用集積回路37で読み取られ、その状態信号が制御用集積回路38に入力され判別される。
【0063】
そして、制御用集積回路38の判別結果がシステム制御部44に伝達され、その伝達情報に応じてシステム制御部44は所定信号を発生させ、例えば、表示部41内に表示されたポインタ46を、前記伝達情報に応じた方向および量で座標位置を移動させていく。
【0064】
上述のようにして球体31を回転操作することによって、操作者は、ポインタ46の位置を移動させていき、表示部41上でポインタ46の座標位置を所望のアイコン45の座標位置と重なり合わせる。
【0065】
このポインタ46と所望のアイコン45の位置が重なる際に、システム制御部44は、制御用集積回路38に対して所定信号を発し、前記信号を受けた制御用集積回路38は、電磁石33を通電状態に制御する。
【0066】
なお、前記電磁石33の作動時における磁力線の経路は、図3中に点線矢印で示すように、電磁石33から支持部材32A〜球体31〜支持部材32Bを経て電磁石33に戻る、またはその逆の経路の閉ループ状態に形成される。
【0067】
この電磁石33による磁力が発生すると、電磁石33および支持部材32A,32Bは固定状態となっているため、球体31と支持部材32A,32Bの間に磁力変化に伴う吸引力が発生することとなる。
【0068】
この吸引力に応じて大きく働くことになる球体31と支持部材32A,32Bとの間の摩擦力の変化で、球体31の操作には、回転操作力が大きく必要な状態となる。
【0069】
このように、操作者は、指で操作している最中に、操作している部材である球体31への必要な回転操作力が変化するため、表示部41内の状況を注視せずとも、ポインタ46と所望のアイコン45の位置が合わさったことが、確実に触覚的に識別することができる。
【0070】
なお、以上には所望のアイコン45を選択する際の事例について説明したが、その他の用途で前記回転操作力の変化を用いてもよく、例えば回転操作時におけるクリック感触を与えることなども可能であり、続いて、その概要について図5に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0071】
図5(a)は、球体31が所定方向に回転したときに回転検出用集積回路37から出力される信号タイムチャートを示したものであり、縦軸に電圧、横軸に時間軸としたもので、論理出力としては、“Hレベル”と“Lレベル”が交互に出力され、球体31が一定の速度で回転操作されていることを示している。
【0072】
また、図5(b)は、図5(a)と同様の信号タイムチャートで、図5(a)と同一時刻で比較したとき、点線で示す位相差Tにより、球体31の回転方向が識別可能となっている。
【0073】
すなわち、前記位相差Tが正または負の量であるかによって、回転する球体31の回転方向が判明するので、図5(a)と(b)の2つのタイムチャートから、回転方向を含めて球体31の回転量が求められることになる。
【0074】
前記二つの信号形態は一組として、一般的に二相エンコーダ信号と呼ばれ、直交する方向での出力が送出されるように配された二組の二相エンコーダ信号によって、当該トラックボール装置43のような平面的な動きを電気的に示すことは可能であるが、簡潔に説明するため、以下は一方向に限定して述べる。
【0075】
一方、図5(c)は、電磁石33を構成するコイル33Bに印加される電圧波形のタイムチャートを示したものであり、縦軸をコイル33Bへの印加電圧、横軸を時間軸としており、図5(a),(b)と同時刻のタイミング状態を示し、この図5(c)においては、球体31の回転量に応じて、電磁石33に対する作動電圧の増減状態を表している。
【0076】
この電磁石33の作動電圧の増減は、球体31と支持部材32A,32B間に働く磁力の増減に伴う吸引力の増減となり、これに応じて変化する摩擦力の増減により、結果として図5(d)のタイムチャートに示すように、球体31を回転操作するために必要な力は、電磁石33の作動電圧の絶対値に依存するものとなる。
【0077】
以上のように、所定の回転量に応じて球体31を操作するために必要な力の増減が繰り返して発生したものにでき、トラックボール装置43の回転操作時に、前記操作力の増減がクリック感触として感じられるものとなる。
【0078】
なお、前記説明における図5(c)で、電磁石33のコイル33Bに印加する電圧波形を正弦波状で記載しているが、クリック感触を強くするためには、三角波や矩形波などを利用してもよく、あるいは感触の特徴を出すために複数のパルス状の信号を組み合わせて印加したりしてもよい。
【0079】
また、駆動効率を上げるためには、パルス幅変調等の手法を用いることも可能である。
【0080】
なお、コイル33Bへの印加電圧極性は、前述したように適時交互に切り換えることで、磁力線の向きが交互に切り換わるようになり、電磁石33のコア33Aや支持部材32Aと32B、および球体31への着磁を小さくすることができるようになる。
【0081】
これらへの着磁が小さいということは、電磁石33を作動させない状態において、電磁石33と球体31との間に吸引力は殆ど発生せず、球体31とこれを支持している支持部材32A,32Bとの間での摩擦力は変化しないものにできるため、初期の軽い操作力が維持でき、コストをかけずに所望の操作感を長期に亘って維持することができるものになる。
【0082】
そして、上述のようにしてポインタ46と所望のアイコン45の位置が合わさったことが触覚的に識別できた操作者は、続いて、球体31の押し込み操作を行う。
【0083】
なお、回転操作状態におけるトラックボール装置43の側面断面図を図6(a)に、また、押し込み操作状態におけるトラックボール装置43の側面断面図を図6(b)に示す。
【0084】
図6(a)に示すように、球体31の押し込み操作前の状態では、球体31は回転操作中を含み支持部材32A〜32Cによって安定的に支持された状態にあり、支持部材32A〜32Cはいずれも同一の高さ、すなわち基板35の上面から高さh1の位置で球体31は支持されている。
【0085】
一方、球体31が上方より押し込まれた状態を示している図6(b)では、支持部材32A,32Bは、基板35の上面から前記の高さh1で球体31を支持しているが、支持部材32Cは、基板35の表面から高さh1より小さい高さh2で球体31を支持している状態になっている。
【0086】
つまり、球体31を押し込み操作すると、固定状態の支持部材32A,32Bの高さ位置は変わらず、押し込み型のスイッチ36のキートップに接続固定された支持部材32Cのみが球体31で押されてスイッチ36の機械的な操作ストローク分だけ下方に下がり、この移動に伴いスイッチ36のスイッチ状態が連動して切り換わる。
【0087】
そして、上述のようにスイッチ36は、制御用集積回路38に接続されているため、この状態変化信号も制御用集積回路38を介してシステム制御部44に伝わり、システム制御部44は、制御用集積回路38からの前記信号を受信した時点で、所望のアイコン45に割り付けられた所定機能を作動させる。
【0088】
このように、球体31に対する回転操作を所望のアイコンの選択動作とし、球体31への押し込み操作を同アイコンの決定動作とすることにより、所望のアイコンの選択から決定までを球体31への一連の操作のみで行えるものにできる。
【0089】
なお、前記に説明した構成において、球体31への押し込み操作時に電磁石33を作動させておくようにすると、電磁石33に接続された二つの支持部材32Aと32Bが球体31を吸引することから、これらの支持部材32Aと32Bが支点となり、球体31を押し下げる力が力点、また三つ目の支持部材32Cは作用点となるため、球体31を押し込む際の球体31の不要な揺動を低減でき、スイッチ36の状態を安定的に切り換えられるものにできる。
【0090】
また、電磁石33とは別に、球体31を支持部側に押し付けるような構成となる永久磁石を配設し、かつこの永久磁石の磁力線が球体31を含んで閉磁路となる構成にしておけば、球体31の仮保持状態が維持でき、パソコン39の電源がオフされている状態などを含み、電磁石33が作動していない状態で外部から振動が加わった際にも、球体31が不用意に動かないものにできる。
【0091】
このように本実施の形態によるトラックボール装置を用いた電子機器においては、操作者が、表示部41上のアイコン45やポインタ46の動きなどを注視せずとも、球体31を回転操作している指などに得られる球体31の回転操作力の変化によって操作状態を識別できるものが実現できる。
【0092】
また、この回転操作力の変化を球体31の回転量に伴うクリック感触として用いたりすると更に操作性に優れたものとなる。
【0093】
さらに、前記構成に加えて、球体31への押し込み操作に伴って切り換わるスイッチなどを設けた構成のものは、所望のアイコンの選択〜決定を連続して操作できるものとなり、操作者の労力の低減と作業効率の向上が図れるものにできる。
【0094】
なお、以上の実施の形態によるものでは、三つの固定された支持部材32A,32B,32Cで球体31を回転自在に支持して、球体31の回転検出は、球体31の下方に設けた回転検出用集積回路37で行うとしたが、球体31を回動する球や二軸の直交ローラーなどで支持させて球体31と共廻りさせ、小さい回転操作力のものとしたり、回転検出用集積回路37の代わりに、上記ローラーの回転量を検出することで球体31の回転を検出するものとしてもよく、磁力の吸引力の影響による球体31への力干渉、つまり摩擦力の増加を発生させて球体31の回転操作力を変化させる構成のものは本発明の範疇に入る。
【0095】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、操作部分である球体への磁力の影響による力干渉を前記球体に伴わせるようにしたため、回転操作力が変化するトラックボール装置が実現でき、これを搭載した機器においては、常に表示部やそこに表示されているアイコンやポインタなどに注視せずとも、前記回転操作力の変化で操作状態が認識できるものが得られるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による入力操作部としてのトラックボール装置の斜視図
【図2】同分解斜視図
【図3】同ブロック図
【図4】同トラックボール装置を搭載したパーソナルコンピュータの外観斜視図
【図5】(a)回転検出用集積回路から出力される信号を示すタイムチャート
(b)回転検出用集積回路から出力される信号を示すタイムチャート
(c)コイルへの印加電圧波形を示すタイムチャート
(d)球体の回転操作に必要な力の増減を示すタイムチャート
【図6】(a)同回転操作状態におけるトラックボール装置の側面断面図
(b)同押し込み操作状態におけるトラックボール装置の側面断面図
【図7】従来のパーソナルコンピュータの外観斜視図
【図8】同パーソナルコンピュータに搭載された従来のトラックボール装置の上面図
【図9】同トラックボール装置の断面図
【符号の説明】
31 球体
32A〜32C 支持部材
33 電磁石
33A コア
33B コイル
34 ネジ
35 基板
36 スイッチ
37 回転検出用集積回路
38 制御用集積回路
39 パーソナルコンピュータ
40 本体部
41 表示部
42 キーボード
43 トラックボール装置
44 システム制御部
45 アイコン
46 ポインタ

Claims (6)

  1. 磁性材料を含む球体と、この球体を回転自在に支持する支持部と、前記球体の回転を検出する回転検出部と、前記回転検出部からの信号に応じて所定の出力信号を発生する制御部と、前記制御部からの出力信号によって作動する電磁石からなり、前記電磁石によって発生する磁力線の経路内に前記球体を介在させ、当該磁力の吸引力の影響による力干渉を前記球体に伴わせるようにしたトラックボール装置。
  2. 支持部を、三つの支持部材で三点支持する構成として球体を支持させ、電磁石のコアの一端を、前記三つの支持部材のうちの一つに接続し、前記コアの他端を、前記三つの支持部材のうちの他の一つ以上に接続した請求項1記載のトラックボール装置。
  3. 永久磁石をさらに有し、この永久磁石の磁界で球体の仮保持状態が維持できる請求項1記載のトラックボール装置。
  4. 三つの支持部材の表面材料と球体の表面材料を同材質のものとした請求項2記載のトラックボール装置。
  5. 三つの支持部材のうちの二つが、各々、電磁石のコアの各端に接続されると共に、球体を押し下げることにより、前記コアの端に接続されていない一つの支持部材が可動して、これに連動して作動するスイッチを設けた請求項2記載のトラックボール装置。
  6. 電磁石によって発生する磁力線の向きを交互に切り換える請求項1記載のトラックボール装置。
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