JP2004271877A - 表示装置およびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アドレス期間では、アドレス電極に正極性の書き込みパルスVwが印加され、スキャン電極に負極性の書き込みパルスVsが印加される。維持期間では、スキャン電極に一定周期で維持パルスViが印加され、サスティン電極に一定周期で維持パルスVjが印加される。維持期間の最後の周期T2は他の周期T1よりも長く設定されている。それにより、維持期間の最後の周期T2における維持放電の時間間隔が維持期間の他の周期T1における維持放電の時間間隔に比べて長くなり、維持期間における最後の維持放電が他の維持放電が他の維持放電に比べて強くなる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電を制御することにより画像を表示する表示装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDP(プラズマディスプレイパネル)を用いたプラズマディスプレイ装置は、薄型化および大画面化が可能であるという利点を有する。このプラズマディスプレイ装置では、ガス放電の際の発光を利用することにより画像を表示している。
【0003】
図9はAC型PDPにおける放電セルの駆動方法を説明するための図である。図9に示すように、AC型PDPの放電セルにおいては、対向する電極301,302の表面がそれぞれ誘電体層303,304で覆われている。
【0004】
図9(a)に示すように、電極301,302間に放電開始電圧よりも低い電圧を印加した場合には、放電が起こらない。図9(b)に示すように、電極301,302間に放電開始電圧よりも高いパルス状の電圧(書き込みパルス)を印加すると、放電が発生する。放電が発生すると、負電荷は電極301の方向に進んで誘電体層303の壁面に蓄積され、正電荷は電極302の方向に進んで誘電体層304の壁面に蓄積される。誘電体層303,304の壁面に蓄積された電荷を壁電荷と呼ぶ。また、この壁電荷により誘起された電圧を壁電圧と呼ぶ。
【0005】
図9(c)に示すように、誘電体層303の壁面には負の壁電荷が蓄積され、誘電体層304の壁面には正の壁電荷が蓄積される。この場合、壁電圧の極性は、外部印加電圧の極性と逆向きであるため、放電の進行に従って放電空間内における実効電圧が低下し、放電は自動的に停止する。
【0006】
図9(d)に示すように、外部印加電圧の極性を反転させると、壁電圧の極性が外部印加電圧の極性と同じ向きになるため、放電空間内における実効電圧が高くなる。実効電圧が放電開始電圧を超えると、逆極性の放電が発生する。それにより、正電荷が電極301の方向に進み、すでに誘電体層303に蓄積されている負の壁電荷を中和し、負電荷が電極302の方向に進み、すでに誘電体層304に蓄積されている正の壁電荷を中和する。
【0007】
そして、図9(e)に示すように、誘電体層303,304の壁面にそれぞれ正および負の壁電荷が蓄積される。この場合、壁電圧の極性が外部印加電圧の極性と逆向きであるため、放電の進行に従って放電空間内における実効電圧が低下し、放電が停止する。
【0008】
さらに、図9(f)に示すように、外部印加電圧の極性を反転させると、逆極性の放電が発生し、負電荷は電極301の方向に進み、正電荷は電極302の方向に進み、図9(c)の状態に戻る。
【0009】
図9(g)に示すように、電極301,302間に壁電圧と逆極性の消去波形を印加することにより誘電体層303,304の壁面に蓄積された壁電荷を消滅させて放電を終了させることができる。この消去波形のパルス幅は、残留壁電荷を打ち消すことができかつ新たに逆極性の壁電荷を蓄積することができないように狭く設定される。一旦壁電荷が消滅すると、図9(h)に示すように、次の維持パルスを印加しても放電は発生しない。
【0010】
このように、放電開始電圧よりも高い書き込みパルスを印加することにより一旦放電が開始された後は、壁電荷の働きにより放電開始電圧よりも低い外部印加電圧(維持パルス)の極性を反転させることにより放電を持続させることができる。書き込みパルスを印加することにより放電を開始させることをアドレス放電と呼び、アドレス放電を行う期間をアドレス期間と呼び、交互に反転する維持パルスを印加することにより放電を持続させることを維持放電と呼び、維持放電を行う期間を維持期間と呼び、消去波形を印加する期間を消去期間と呼ぶ。
【0011】
図10は従来のプラズマディスプレイ装置の主としてPDP(プラズマディスプレイパネル)の構成を示す模式図である。
【0012】
図10に示すように、PDP1は、複数のアドレス電極11、複数のスキャン電極(走査電極)12および複数のサスティン電極(維持電極)13を含む。複数のアドレス電極11は画面の垂直方向に配列され、複数のスキャン電極12および複数のサスティン電極13は画面の水平方向に配列されている。複数のサスティン電極13は共通に接続されている。
【0013】
アドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の各交点に放電セルが形成されている。各放電セルが画面上の画素を構成する。
【0014】
アドレスドライバ2は、画像データに応じて複数のアドレス電極11を駆動する。スキャンドライバ3は、複数のスキャン電極12を順に駆動する。サスティンドライバ4は、複数のサスティン電極13を共通に駆動する。
【0015】
図11はAC型PDPにおける3電極面放電セルの模式的断面図である。
図11に示す放電セル200においては、表面ガラス基板201上に対になるスキャン電極12およびサスティン電極13が画面の水平方向に形成され、それらのスキャン電極12およびサスティン電極13は透明誘電体層202および保護層203で覆われている。一方、表面ガラス基板201に対向する裏面ガラス基板204上にはアドレス電極11が画面の垂直方向に形成され、アドレス電極11上には透明誘電体層205が形成されている。透明誘電体層205上には蛍光体206が塗布されている。
【0016】
この放電セル200では、アドレス電極11とスキャン電極12との間に書き込みパルスを印加することによりアドレス電極11とスキャン電極12との間でアドレス放電が発生した後、スキャン電極12とサスティン電極13との間に交互に反転する周期的な維持パルスを印加することによりスキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が行われる。
【0017】
AC型PDPにおける階調表示駆動方式としては、アドレス放電を行うアドレス期間と維持放電を行う維持期間とを分離して放電セルを放電させるADS(Address and Display−period Separated;アドレス・表示期間分離)方式が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0018】
図12はADS方式を説明するための図である。図12の縦軸は第1ラインから第mラインまでのスキャン電極の走査方向(垂直走査方向)を示し、横軸は時間を示す。
【0019】
ADS方式では、1フィールド(1/60秒=16.67ms)を複数のサブフィールドに時間的に分割する。例えば、8ビットで256階調表示を行う場合には、1フィールドを8つのサブフィールドに分割する。また、各サブフィールドは、点灯セル選択のためのアドレス放電が行われるアドレス期間と、表示のための維持放電が行われる維持期間(発光期間)とに分割される。
【0020】
図12の例では、1フィールドが4つのサブフィールドSF1,SF2,SF3およびSF4に時間的に分割されている。サブフィールドSF1はアドレス期間AD1と維持期間SUS1とに分離され、サブフィールドSF2はアドレス期間AD2と維持期間SUS2とに分離され、サブフィールドSF3はアドレス期間AD3と維持期間SUS3とに分離され、サブフィールドSF4はアドレス期間AD4と維持期間SUS4とに分離されている。
【0021】
ADS方式では、各サブフィールドで第1ラインから第mラインまでPDPの全面にアドレス放電による走査が行われ、PDPの全面のアドレス放電の終了時に維持放電が行われる。
【0022】
このADS方式では、PDPの放電セルを点灯させる維持期間を選択することにより階調表示を行うことができる。
【0023】
【特許文献1】
特開2000−214823号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のプラズマディスプレイ装置では、アドレス放電中に隣接する放電セル間でクロストークが発生して非選択の放電セルが点灯したり、維持放電が不安定になる場合がある。
【0025】
本発明の目的は、クロストークの発生が抑制されるとともに、維持放電への円滑な移行および安定な維持放電が可能な表示装置およびその駆動方法を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
(第1の発明)
第1の発明に係る表示装置は、第1の方向に配列された複数の第1の電極と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルと、各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するサブフィールド分割手段と、各サブフィールドのアドレス期間において選択された放電セルの第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加する第1の電圧印加手段と、維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるために交互に反転する第2のパルス電圧を印加する第2の電圧印加手段と、維持期間の最後の第2の放電が他の第2の放電よりも強くなるように第2の電圧印加手段による第2のパルス電圧を制御するパルス制御手段とを備えたものである。
【0027】
本発明に係る表示装置においては、複数の第1の電極が第1の方向に配列され、複数の第2の電極が第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列され、複数の第3の電極が第2の方向に沿って配列され、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の第3の電極の交点に複数の放電セルが設けられる。
【0028】
サブフィールド分割手段により各フィールドがアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割される。各サブフィールドのアドレス期間において選択された放電セルの第1の電極と第2の電極との間に第1のパルス電圧が第1の電圧印加手段により印加されることにより第1の放電が起こる。維持期間に第2の電極と第3の電極との間に交互に反転する第2のパルス電圧が第2の電圧印加手段により印加されることにより第2の放電が起こる。
【0029】
この場合、維持期間の最後の第2の放電が他の第2の放電よりも強くなるように第2の電圧印加手段による第2のパルス電圧が制御されることにより、維持期間の終了後に第2の電極および第3の電極の全体にそれぞれ同一極性の壁電荷が均一に形成される。それにより、次のアドレス期間中においてクロストークの発生が抑制されるとともに、維持期間に円滑に移行し、安定な維持放電が可能となる。
【0030】
(第2の発明)
第2の発明に係る表示装置は、第1の発明に係る表示装置の構成において、パルス制御手段は、維持期間における第2のパルス電圧の最後の周期の長さを制御するものである。
【0031】
この場合、維持期間における第2のパルス電圧の最後の周期の長さを制御することにより、維持期間の最後の周期における第2の放電の時間間隔を制御することができる。それにより、維持期間の最後の第2の放電を維持期間の他の期間の第2の放電よりも強くすることができる。その結果、クロストークの発生が抑制されるとともに維持期間への円滑な移行および安定な維持放電が可能となる。
【0032】
(第3の発明)
第3の発明に係る表示装置は、第1または第2の発明に係る表示装置の構成において、パルス制御手段は、維持期間における第2のパルス電圧の最後の周期の長さを他の周期の長さよりも長くするものである。
【0033】
この場合、維持期間の最後の周期における第2の放電の時間間隔が維持期間の他の周期における第2の放電の時間間隔よりも長くなる。それにより、維持期間の最後の第2の放電が維持期間の他の第2の放電よりも強くなる。その結果、クロストークの発生が抑制されるとともに維持期間への円滑な移行および安定な維持放電が可能となる。
【0034】
(第4の発明)
第4の発明に係る表示装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係る表示装置の構成において、パルス制御手段は、維持期間における最後の第2のパルス電圧のレベルを制御するものである。
【0035】
この場合、維持期間における最後の第2のパルス電圧のレベルを制御することにより、維持期間の最後において第2の電極と第3の電極との間にかかる電界を制御することができる。それにより、維持期間の最後の第2の放電を維持期間の他の第2の放電よりも強くすることができる。その結果、クロストークの発生が抑制されるともに維持期間への円滑な移行および安定な維持放電が可能となる。
【0036】
(第5の発明)
第5の発明に係る表示装置は、第1〜第4のいずれかの発明に係る表示装置の構成において、パルス制御手段は、維持期間における最後の第2のパルス電圧のレベルを他の第2のパルス電圧のレベルよりも高くするものである。
【0037】
この場合、維持期間の最後において第2の電極と第3の電極との間にかかる電界が維持期間の他の時点で第2の電極と第3の電極との間にかかる電界よりも大きくなる。それにより、維持期間の最後の第2の放電が維持期間の他の第2の放電よりも強くなる。その結果、クロストークの発生が抑制されるとともに維持期間への円滑な移行および安定な維持放電が可能となる。
【0038】
(第6の発明)
第6の発明に係る表示装置の駆動方法は、第1の方向に配列された複数の第1の電極と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルとを備えた表示装置の駆動方法であって、各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するステップと、各サブフィールドのアドレス期間において選択された放電セルの第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加するステップと、維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるために交互に反転する第2のパルス電圧を印加するステップと、維持期間の最後の第2の放電が他の第2の放電よりも強くなるように第2のパルス電圧を制御するステップとを備えたものである。
【0039】
第6の発明に係る表示装置の駆動方法においては、各フィールドがアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割される。各サブフィールドのアドレス期間において選択された放電セルの第1の電極と第2の電極との間に第1のパルス電圧が印加されることにより第1の放電が起こる。維持期間に第2の電極と第3の電極との間に交互に反転する第2のパルス電圧が印加されることにより第2の放電が起こる。
【0040】
この場合、維持期間の最後の第2の放電が他の第2の放電よりも強くなるように第2のパルス電圧が制御されることにより、維持期間の終了後に第2の電極および第3の電極の全体にそれぞれ同一極性の壁電荷が均一に形成される。それにより、次のアドレス期間中においてクロストークの発生が抑制されるとともに、維持期間に円滑に移行し、安定な維持放電が可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表示装置の一例としてプラズマディスプレイ装置について説明する。
【0042】
図1は本発明の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【0043】
図1のプラズマディスプレイ装置は、PDP(プラズマディスプレイパネル)1、アドレスドライバ2、スキャンドライバ3、サスティンドライバ4、A/Dコンバータ(アナログ/デジタル変換器)6、走査数変換部7、サブフィールド変換部8、維持パルス発生回路9aおよび初期化波形発生回路10を含む。
【0044】
A/Dコンバータ6には、映像信号VDが入力される。また、A/Dコンバータ6、走査数変換部7、サブフィールド変換部8、維持パルス発生回路9a、維持パルス/消去波形発生回路9bおよび初期化波形発生回路10には水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vが与えられる。
【0045】
A/Dコンバータ6は、入力されたアナログの映像信号VDを水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいてデジタルの画像データに変換し、その画像データを走査数変換部7に与える。走査数変換部7は、A/Dコンバータ6より与えられた画像データをPDP1の画素数に応じたライン数の画像データに変換し、各ラインごとの画像データをサブフィールド変換部8に与える。各ラインごとの画像データは、PDP1を構成する各ラインが有する複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素データからなる。
【0046】
サブフィールド変換部8は、各ラインごとの画像データの各画素データを複数のサブフィールドに対応する複数のビットに分割し、各サブフィールドごとに各画素データの各ビットをアドレスドライバ2にシリアルに出力する。
【0047】
また、サブフィールド変換部8は、各サブフィールドの維持パルス数を含む維持期間情報を維持パルス発生回路9aに与える。
【0048】
維持パルス発生回路9aは、水平同期信号H、垂直同期信号Vおよび維持期間情報に基づいて維持パルスを生成し、初期化波形発生回路10およびサスティンドライバ4に与える。初期化波形発生回路10は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいて初期化波形を生成し、維持パルス発生回路9aより与えられる維持パルスとともにスキャンドライバ3に出力する。
【0049】
図1のPDP1は、複数のアドレス電極(データ電極)11、複数のスキャン電極(走査電極)12および複数のサスティン電極(維持電極)13を含む。複数のアドレス電極11は画面の垂直方向に配列され、複数のスキャン電極12および複数のサスティン電極13は画面の水平方向に配列されている。複数のサスティン電極13は共通に接続されている。
【0050】
本実施の形態では、隣接する各2組のスキャン電極12およびサスティン電極13において、スキャン電極12同士またはサスティン電極13同士が隣接するように、複数のスキャン電極12および複数のサスティン電極13が配列されている。
【0051】
アドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の各交点に放電セルが形成され、各放電セルが画面上の画素を構成する。
【0052】
アドレスドライバ2は、サブフィールド変換部8から各サブフィールドごとにシリアルに与えられるデータをパラレルデータに変換し、そのパラレルデータに基づいて書き込みパルスを複数のアドレス電極11に選択的に与える。
【0053】
スキャンドライバ3は、初期化波形発生回路10から与えられる初期化波形、書き込みパルスおよび維持パルスを各スキャン電極12に順に与える。
【0054】
サスティンドライバ4は、維持パルス発生回路9aから与えられる維持パルスを複数のサスティン電極13に与える。
【0055】
次いで、本発明の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の駆動方法について説明する。
【0056】
図2は本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動電圧の第1の例を示すタイミングチャート、図3は本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動電圧の第2の例を示すタイミングチャート、図4は本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動電圧の第3の例を示すタイミングチャートである。また、図5は比較例における駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【0057】
図2〜図5のタイミングチャートは、PDP1の垂直方向に配列された1本のアドレス電極11の駆動電圧、そのアドレス電極11と交差する1本のスキャン電極12の駆動電圧および1本のサスティン電極13の駆動電圧を示している。
【0058】
各フィールドは、複数のサブフィールドに分割される。例えば、1フィールドが第1〜第8のサブフィールドに分割されている。図2〜図5の例では、1フィールドの第1および第2のサブフィールドが示されている。
【0059】
各サブフィールドは、スキャン電極12に初期化波形を印加して全ての放電セルの壁電荷を均一に調整するための初期化動作(セットアップ動作)を行う初期化期間、アドレス電極11およびスキャン電極12に書き込みパルスを印加してアドレス放電を行うアドレス期間、スキャン電極12およびサスティン電極13に交互に維持パルスを印加して維持放電を行う維持期間により構成される。
【0060】
この場合、第1〜第8のサブフィールドの維持期間の長さはそれぞれ異なる。第1〜第8のサブフィールドのうち維持期間で放電セルを点灯させるべきサブフィールドを選択することにより256階調の階調表示を行うことができる。
【0061】
例えば、放電セルの輝度を最も低くしたい場合、最も維持期間の短いサブフィールドにおいてアドレス放電を行った後に維持パルスを放電セルに印加して発光を維持させ、放電セルの輝度を最も高くしたい場合、第1〜第8のサブフィールドの全てにおいてアドレス放電を行った後に放電セルに維持パルスを印加して発光を維持させる。それにより、1フィールドにおける放電セルの発光時間を調整し、階調表示を行うことができる。
【0062】
まず、図2〜図5に示すように、第1のサブフィールドの初期化期間において、アドレスドライバ2によりアドレス電極11が0Vに保持され、スキャンドライバ3によりスキャン電極12に初期化波形Vsetが印加される。この場合、サスティンドライバ4によりサスティン電極13が0Vに保持される。
【0063】
スキャン電極12の電圧が放電開始電圧を超えるレベルまで上昇すると、スキャン電極12とアドレス電極11との間およびスキャン電極12とサスティン電極13との間でそれぞれ1回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極12に負の壁電荷が蓄積されるとともに、アドレス電極11およびサスティン電極13に正の壁電荷が蓄積される。
【0064】
次に、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧が0Vまで降下される。さらに、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧が徐々に降下され、サスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧が上昇される。それにより、再びサスティン電極13とスキャン電極12との間で2回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極12の負の壁電荷およびサスティン電極13の正の壁電荷が減少する。
【0065】
この場合、スキャン電極12とアドレス電極11との間にも同時に放電が起こり、スキャン電極12の負の壁電荷およびアドレス電極11の正の壁電荷が減少する。
【0066】
その結果、初期化期間後の放電セルにおいては、アドレス電極11に所定量の正の壁電荷が蓄積され、スキャン電極12に所定量の負の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に所定量の正の壁電荷が蓄積される。以上により、全ての放電セルの壁電荷の量が均一に調整され、初期化期間が終了する。
【0067】
次に、第1のサブフィールドのアドレス期間において、映像信号VDに応じて正極性の書き込みパルスVwがアドレスドライバ2により点灯させるべき放電セルに対応するアドレス電極11に印加される。なお、点灯させない放電セルに対応するアドレス電極11には書き込みパルスVwは印加されない。
【0068】
書き込みパルスVwに同期してスキャンドライバ3によりスキャン電極12に負極性の書き込みパルスVsが印加される。この場合、点灯させるべき放電セルに対応するアドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧は、書き込みパルスVwと書き込みパルスVsとの間の電位差に、初期化期間にスキャン電極12およびアドレス電極11の各々に蓄積された壁電荷による壁電圧を加算した値となる。それにより、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるため、アドレス電極11とスキャン電極12との間でアドレス放電が発生し、スキャン電極12とサスティン電極13との間で放電が発生する。その結果、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、アドレス電極11に負の壁電荷が蓄積される。また、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積される。
【0069】
一方、アドレス期間でアドレス電極11に書き込みパルスVwが印加されない場合には、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えないため、アドレス電極11とスキャン電極12との交点の放電セルではアドレス放電が発生しない。
【0070】
続く第1のサブフィールドの維持期間においては、スキャン電極12に一定周期で維持パルスViが印加され、サスティン電極13に一定周期で維持パルスVjが印加される。スキャン電極12に印加される維持パルスViの位相は、サスティン電極13に印加される維持パルスVjの位相に対して180度ずれている。例えば、スキャンドライバ3により電圧Vmの維持パルスViがスキャン電極12に印加されたときに、サスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧は接地電位0Vにされる。サスティンドライバ4により電圧Vmの維持パルスVjがサスティン電極13に印加されたときに、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧は接地電位0Vにされる。
【0071】
この場合、点灯させるべき放電セルに対応するスキャン電極12とサスティン電極13との間の実効電圧は、維持パルスViと維持パルスVjとの間の電位差に、アドレス期間にスキャン電極12およびサスティン電極13の各々に蓄積された壁電荷による壁電圧を加算した値となる。
【0072】
まず、スキャン電極12に維持パルスViが印加され、サスティン電極13が接地電位0Vにされる。それにより、スキャン電極12とサスティン電極13との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるため、維持パルスViの立ち上がりでスキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が発生する。その結果、スキャン電極12に負の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に正の壁電荷が蓄積される。
【0073】
次に、スキャン電極12が0Vにされ、サスティン電極13に維持パルスVjが印加される。それにより、維持パルスVjの立ち上がりでスキャン電極12およびサスティン電極13との間で維持放電が発生する。その結果、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積される。
【0074】
第1のサブフィールドの終了時には、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積されている。また、アドレス電極11には正の壁電荷が蓄積されている。
【0075】
一方、書き込みパルスVwが印加されないためにアドレス放電を起こさなかった放電セルにおけるスキャン電極12とサスティン電極13との間の実効電圧は、放電開始電圧を超えない。そのため、スキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が発生しない。
【0076】
同様にして、第2〜第8のサブフィールドにおいて、初期化期間で初期化動作が行われ、アドレス期間でアドレス放電が行われ、維持期間で維持放電が行われる。
【0077】
図5に示すように、比較例では、維持期間の全体にわたって維持パルスVi,Vjの周期T1が同一の長さに設定されており、維持期間の全体にわたって維持パルスVi,Vjの電圧が同一のVmに設定されている。
【0078】
これに対して、図2に示すように、本実施の形態の第1の例では、維持期間の最後の周期T2が他の周期T1よりも長く設定されており、維持期間の全体にわたって維持パルスVi,Vjの電圧が同一のVmに設定されている。それにより、維持期間の最後の周期T2における維持放電の時間間隔が維持期間の他の周期T1における維持放電の時間間隔に比べて長くなる。その結果、維持期間における最後の維持放電が他の維持放電に比べて強くなる。
【0079】
また、図3に示すように、本実施の形態の第2の例では、維持期間の全体にわたって維持パルスVi,Vjの周期T1が同一の長さに設定されており、維持期間の最後の維持パルスVjの電圧がVmよりも高いVMに設定されている。それにより、維持期間の最後の周期においてスキャン電極12とサスティン電極13との間に印加される駆動電圧が維持期間の他の周期における駆動電圧に比べて高くなる。その結果、維持期間における最後の維持放電が他の維持放電に比べて強くなる。
【0080】
さらに、図4に示すように、本実施の形態の第3の例では、維持期間の最後の周期T2が他の周期T1よりも長く設定されており、かつ維持期間の最後の維持パルスVjの電圧がVmよりも高いVMに設定されている。それにより、維持期間の最後の周期T2における維持放電の時間間隔が維持期間の他の周期T1における維持放電の時間間隔に比べて長くなり、かつ維持期間の最後の周期T2においてスキャン電極12とサスティン電極13との間に印加される駆動電圧が維持期間の他の周期における駆動電圧に比べて高くなる。その結果、維持期間における最後の維持放電が他の維持放電に比べてさらに強くなる。
【0081】
図6は本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置における放電セルの壁電荷の状態を示す図、図7は比較例における放電セルの壁電荷の状態を示す図である。図6および図7において、(a)は維持放電後の放電セルの状態を示し、(b)は初期化後の放電セルの状態を示し、(c)はアドレス放電中の放電セルの状態を示し、(d)はアドレス放電後の壁電荷の状態を示す。
【0082】
維持期間の終了後には、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積される。この場合、比較例では、維持期間の最後の維持放電が強力でないため、図7(a)に示すように、正の壁電荷がスキャン電極12の外側まで広がらず、負の壁電荷がサスティン電極13の外側まで広がらない。その結果、スキャン電極12の外側に負の壁電荷が残り、サスティン電極13の外側に正の壁電荷が残る。
【0083】
これに対して、本実施の形態では、上記のように維持期間の最後で強力な維持放電が発生するため、図6(a)に示すように、スキャン電極12の全体に正の壁電荷が均一に形成され、サスティン電極13の全体に負の壁電荷が均一に形成される。
【0084】
図2の第1の例では、維持期間の最後の周期T2における維持放電の時間間隔が長くなることにより、放電セル内の空間に浮遊する荷電粒子が時間とともにスキャン電極12およびサスティン電極13に引き付けられ、スキャン電極12およびサスティン電極13の全体にそれぞれ正の壁電荷および負の壁電荷が均一に広がる。
【0085】
また、図3の第2の例では、維持期間の最後の周期においてスキャン電極12とサスティン電極13との間に印加される駆動電圧が高くなることにより、放電セル内の空間に浮遊する荷電粒子が強い電界によりスキャン電極12およびサスティン電極13に引き付けられ、スキャン電極12およびサスティン電極13の全体にそれぞれ正の壁電荷および負の壁電荷が均一に広がる。
【0086】
さらに、図4の第3の例では、第1の例および第2の例の両方の効果により、放電セル内の空間に浮遊する荷電粒子がスキャン電極12およびサスティン電極13に引き付けられ、スキャン電極12およびサスティン電極13の全体にそれぞれ正の壁電荷および負の壁電荷がより均一に広がる。
【0087】
次に、初期化期間にスキャン電極12とサスティン電極13との間で二回の微弱な放電が起こり、スキャン電極12の内側の正の壁電荷が負の壁電荷に反転し、サスティン電極13の内側の負の壁電荷が正の壁電荷に反転する。
【0088】
この場合、比較例では、図7(a)に示したようにスキャン電極12の外側に負の壁電荷が残り、サスティン電極13の外側に正の壁電荷が残るため、初期化後には、図7(b)に示すように、スキャン電極12の内側および外側に負の壁電荷が形成され、サスティン電極13の内側および外側に正の壁電荷が形成される。
【0089】
これに対して、本実施の形態では、図6(a)に示したようにスキャン電極12の全体に均一に正の壁電荷が形成され、サスティン電極13の全体に均一に負の壁電荷が形成されているため、初期化後には、図6(b)に示すように、スキャン電極12の内側のみに負の壁電荷が形成され、サスティン電極13の内側のみに正の壁電荷が形成される。
【0090】
次に、アドレス電極11とスキャン電極12との間でアドレス放電が発生すると、このアドレス放電をトリガとしてスキャン電極12の内側とサスティン電極13の内側との間で微弱な放電が引き起こされる。
【0091】
この場合、比較例では、図7(c)に示すように、アドレス電極11とスキャン電極12との間で実線の矢印で示すアドレス放電が発生するとともに、スキャン電極12の内側とサスティン電極13の内側との間で破線の矢印で示す微弱な放電が引き起こされる。それにより、アドレス電極11の正の壁電荷が反転され、スキャン電極12の内側の負の壁電荷が反転され、サスティン電極13の内側の正の壁電荷が反転される。
【0092】
このとき、スキャン電極12の外側に負の壁電荷が存在し、サスティン電極13の外側に正の壁電荷が存在するため、後述するように、隣接する放電セルとの間でクロストークが発生する場合がある。
【0093】
アドレス放電後には、図7(d)に示すように、アドレス電極11に正の電荷が形成され、スキャン電極12に外側を除いて正の壁電荷が形成され、サスティン電極13に外側を除いて負の壁電荷が形成される。スキャン電極12の外側には負の壁電荷が残っており、サスティン電極13の外側には正の壁電荷が残っている。このように、比較例では、アドレス放電後に、スキャン電極12およびサスティン電極13にそれぞれ正の壁電荷および負の壁電荷が均一に形成されないため、維持放電に円滑に移行することが妨げられる。
【0094】
これに対して、本実施の形態では、図6(c)に示すように、アドレス電極11とスキャン電極12との間で実線の矢印で示すアドレス放電が発生するとともに、スキャン電極12の内側とサスティン電極13の内側との間で破線の矢印で示す微弱な放電が引き起こされる。それにより、アドレス電極11の正の壁電荷が反転され、スキャン電極12の内側の負の壁電荷が反転され、サスティン電極13の内側の正の壁電荷が反転される。
【0095】
このとき、スキャン電極12の外側に正の壁電荷が存在し、サスティン電極13の外側に負の壁電荷が存在するため、後述するように、隣接する放電セルとの間でクロストークが発生しない。
【0096】
アドレス放電後には、図6(d)に示すように、アドレス電極11に正の壁電荷が形成され、スキャン電極12の全体に正の壁電荷が均一に形成され、サスティン電極13の全体に負の壁電荷が均一に形成される。このように、本実施の形態では、アドレス放電後にスキャン電極12およびサスティン電極13の全体にそれぞれ正の壁電荷および負の壁電荷が均一に形成されるため、維持放電に円滑に移行することができるとともに安定な維持放電が行われる。
【0097】
図8は本実施の形態および比較例におけるクロストークの発生機構を説明するための図であり、(a)は本実施の形態における2つの放電セルの壁電荷の状態を示し、(b)は比較例における2つの放電セルの壁電荷の状態を示す。
【0098】
図8(a),(b)に示すように、隣接する2つの放電セルC1,C2において、一方の放電セルC1のサスティン電極13と他方の放電セルC2のサスティン電極13とが互いに隣接している。
【0099】
図8(b)に示すように、比較例のメモリセルC1において、スキャン電極12とアドレス電極11との間でアドレス放電が起こると、そのアドレス放電をトリガーとしてスキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が生じる。このとき、放電セルC2のサスティン電極13の実効的な電位は放電セルC1のサスティン電極13の実効的な電位と等価になっている。そのため、放電セルC1のスキャン電極12からサスティン電極13へ移動する電子が隣接する放電セルC2のサスティン電極13まで到達し、放電セルC1のスキャン電極12と放電セルC2のサスティン電極13との間で放電が起こる。この放電をトリガーとして放電セルC2のスキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が生じる。
【0100】
一方、図8(a)に示すように、本実施の形態の放電セルC1においても、スキャン電極12とアドレス電極11との間でアドレス放電が起こると、そのアドレス放電をトリガーとしてスキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が生じる。このとき、放電セルC1,C2のサスティン電極13の外側には負の壁電荷が形成されている。すなわち、放電セルC1,C内のスキャン電極12とサスティン電極13との間の電荷分布と放電セルC1,C2間の電荷分布とが反対となっている。それにより、放電セルC1,C2間に負の壁電荷による電位障壁が形成されている。そのため、放電セルC1のスキャン電極12からサスティン電極13へ移動する電子が負の壁電荷による電位障壁により隣接する放電セルC2へ到達することが阻止される。その結果、クロストークが大幅に抑制される。
【0101】
上記のように、本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置においては、維持期間の最後の維持放電が他の維持放電よりも強くなるように維持パルスVi,Vjの周期または電圧レベルが制御されることにより、維持期間の終了後にスキャン電極12およびサスティン電極13の全体にそれぞれ同一極性の壁電荷が均一に形成される。それにより、次のアドレス期間中においてクロストークの発生が抑制されるとともに、維持期間に円滑に移行し、安定な維持放電が可能となる。
【0102】
なお、本実施の形態においては、隣接する各2組のスキャン電極12およびサスティン電極13において、スキャン電極12同士またはサスティン電極13同士が隣接するように、複数のスキャン電極12およびサスティン電極13が配列されているが、これに限定されず、図9に示したように、複数のスキャン電極12および複数のサスティン電極13が交互に配列されてもよい。この場合にも、維持期間の終了後にスキャン電極12およびサスティン電極13の全体にそれぞれ同一極性の壁電荷が均一に形成されるので、クロストークの発生が抑制されるとともに、維持期間に円滑に移行し、安定な維持放電が可能となる。
【0103】
また、本実施の形態においては、256階調を表示するため1フィールドを8個のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドの維持期間の長さが異なることとしたが、これに限定されず、1フィールドを任意の数のサブフィールドに分割することにより任意の数の階調を表示することができる。この場合、一部のサブフィールドの維持期間の長さをほぼ同じ長さにしてもよい。
【0104】
本実施の形態においては、アドレス電極11が第1の電極に相当し、スキャン電極12が第2の電極に相当し、サスティン電極13が第3の電極に相当し、サブフィールド変換部8がサブフィールド分割手段に相当し、アドレス放電が第1の放電に相当し、書き込みパルスVw,Vsが第1のパルス電圧に相当し、アドレスドライバ2およびスキャンドライバ3が第1の電圧印加手段に相当し、維持パルスVi,Vjが第2のパルス電圧に相当し、維持放電が第2の放電に相当し、スキャンドライバ3およびサスティンドライバ4が第2の電圧印加手段に相当し、維持パルス発生回路9aがパルス制御手段に相当する。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、維持期間の最後の第2の放電が他の第2の放電よりも強くなるように第2のパルス電圧が制御されることにより、維持期間の終了後に第2の電極および第3の電極の全体にそれぞれ同一極性の壁電荷が均一に形成される。それにより、次のアドレス期間中においてクロストークの発生が抑制されるとともに、維持期間に円滑に移行し、安定な維持放電が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図
【図2】本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動電圧の第1の例を示すタイミングチャート
【図3】本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動電圧の第2の例を示すタイミングチャート
【図4】本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動電圧の第3の例を示すタイミングチャート
【図5】比較例における駆動電圧を示すタイミングチャート
【図6】本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置における放電セルの壁電荷の状態を示す図
【図7】比較例における放電セルの壁電荷の状態を示す図
【図8】本実施の形態および比較例におけるクロストークの発生機構を説明するための図
【図9】AC型PDPにおける放電セルの駆動方法を説明するための図
【図10】従来のプラズマディスプレイ装置の主としてPDP(プラズマディスプレイパネル)の構成を示す模式図
【図11】AC型PDPにおける3電極面放電セルの模式的断面図
【図12】ADS方式を説明するための図
【符号の説明】
1 PDP(プラズマディスプレイパネル)
2 アドレスドライバ
3 スキャンドライバ
4 サスティンドライバ
6 A/Dコンバータ
7 走査数変換部
8 サブフィールド変換部
9a 維持パルス発生回路
10 初期化波形発生回路
11 アドレス電極
12 スキャン電極
13 サスティン電極
Claims (6)
- 第1の方向に配列された複数の第1の電極と、
前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、
前記第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、
前記複数の第1の電極、前記複数の第2の電極および前記複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルと、
各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するサブフィールド分割手段と、
各サブフィールドのアドレス期間において選択された放電セルの第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加する第1の電圧印加手段と、
前記維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるために交互に反転する第2のパルス電圧を印加する第2の電圧印加手段と、
前記維持期間の最後の第2の放電が他の第2の放電よりも強くなるように前記第2の電圧印加手段による第2のパルス電圧を制御するパルス制御手段とを備えたことを特徴とする表示装置。 - 前記パルス制御手段は、前記維持期間における第2のパルス電圧の最後の周期の長さを制御することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記パルス制御手段は、前記維持期間における第2のパルス電圧の最後の周期の長さを他の周期の長さよりも長くすることを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
- 前記パルス制御手段は、前記維持期間における最後の第2のパルス電圧のレベルを制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
- 前記パルス制御手段は、前記維持期間における最後の第2のパルス電圧のレベルを他の第2のパルス電圧のレベルよりも高くすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置。
- 第1の方向に配列された複数の第1の電極と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、前記第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、前記複数の第1の電極、前記複数の第2の電極および前記複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルとを備えた表示装置の駆動方法であって、
各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するステップと、
各サブフィールドのアドレス期間において選択された放電セルの第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加するステップと、
前記維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるために交互に反転する第2のパルス電圧を印加するステップと、
前記維持期間の最後の第2の放電が他の第2の放電よりも強くなるように第2のパルス電圧を制御するステップとを備えたことを特徴とする表示装置の駆動方法。
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Cited By (2)
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US7612740B2 (en) | 2004-11-05 | 2009-11-03 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display and driving method thereof |
JP5062169B2 (ja) * | 2006-07-14 | 2012-10-31 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法 |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003062148A patent/JP2004271877A/ja active Pending
Cited By (2)
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US7612740B2 (en) | 2004-11-05 | 2009-11-03 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display and driving method thereof |
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