【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多くの有用化学物質の出発原料として利用価値の高いケトール類又は共役ケトン類等のアルドール反応生成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
4−ヒドロキシ−2−ブタノンをはじめとするβ−ケトール類は、多くの有用化学物質の出発原料として利用される物質であり、例えば、メントールの合成、ラズベリーケトンの合成の出発原料として用いられている。
その製造法としては、従来、アルカリ性条件下、ケトンとアルデヒドとのアルドール縮合が試みられてきた。しかし、この方法の欠点として、ケトン同士の縮合物が多く副生してくることが知られている。
【0003】
これまで、この副反応を押さえることを目的とした検討が多く報告されてきている。例えば、ホルムアルデヒドをアセトンに溶かし、水酸化ナトリウム水溶液を用いて非常に短時間接触させる方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、この方法は、反応時間を非常に厳格に制御する必要がある。
【0004】
一方、反応装置の工夫により、副反応を押さえる方法(特許文献2、特許文献3参照)が提案されているが、これらの方法は特殊な装置を必要とする上、反応制御をやはり厳格に行う必要があった。また、触媒の工夫により副反応を押さえる方法(特許文献4参照)も提案されているが、この方法では、使用される触媒に制限が多く、特に、アルミナの種類がγアルミナに限定されている上、事前に高温での焼成による触媒調製が必要であり、さらに、使用するアルカリにも制限が多い。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−230342号公報
【特許文献2】
特開昭48−15814号公報
【特許文献3】
特開昭52−128311号公報
【特許文献4】
英国特許第1458129号明細書
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した各方法は、副反応を制御するために、厳格な反応制御が必要であること、特殊な装置を必要とすること、触媒が特殊であり、入手が困難であるなどのうち、一つもしくは複数の問題を有している。本発明の目的は、これらの問題点を克服し、コスト的にも、操作的にも好ましい製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者等は、塩基触媒に加え、種々の添加物を使用することを中心として検討を行った。その結果、反応系への添加物として炭素数2乃至12の水酸基及び/又はアミノ基を含む化合物である、アミノ酸類、ヘミアセタール類、糖類、糖誘導体類から選ばれる1種又は2種以上を加えることにより、100℃以下という、非常に普遍的な条件で副生成物を大幅に抑制し、かつアルドール生成物の崩壊を防ぐこともできることを見出し、本発明を完成した。本発明は、反応系に添加物として糖類、糖誘導体、へミアセタール類及びアミノ酸類から選ばれる物質を加える以外は、従来の方法に準じて実施することができるものであり、以下の各発明を包含する。
【0008】
(1)下記一般式(3)
【化5】
(式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数1乃至6のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1乃至6のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数2乃至6のアルケニル基である。)で表されるケトン化合物と、下記一般式(4)
【化6】
(式中、R3は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1乃至6のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基である。)で表されるアルデヒド類とを含有する液状原料を、添加物として炭素数2乃至12の水酸基及び/又はアミノ基を含む化合物から選ばれる1種又は2種以上の存在下、塩基触媒と反応させることを特徴とするアルドール反応生成物の製造方法。
【0009】
(2)前記アルドール反応生成物が、一般式(1)
【化7】
〔式中、R1及びR3は、前記一般式(3)及び一般式(4)における定義と同一であり、R4は前記一般式(3)におけるR2が−CH2−R4と等価な関係にある基である。〕で表されるヒドロキシケトン体であることを特徴とする(1)項記載のアルドール反応生成物の製造方法。
【0010】
(3)前記アルドール反応生成物が、一般式(2)
【化8】
〔式中、R1及びR3は、前記一般式(3)及び一般式(4)における定義と同一であり、R4は前記一般式(3)におけるR2が−CH2−R4と等価な関係にある基である。〕で表される不飽和ケトン化合物であることを特徴とする(1)項記載のアルドール反応生成物の製造方法。
【0011】
(4)前記一般式(4)、一般式(1)及び一般式(2)における基R3が、水素原子である(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のアルドール生成物の製造方法。
【0012】
(5)前記一般式(4)、一般式(1)及び一般式(2)における基R3が、置換基を有していてもよい炭素数1乃至6のアルキル基及び置換基を有していてもよいフェニル基から選ばれる基である(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載のアルドール生成物の製造方法。
【0013】
(6)前記添加物としての炭素数2乃至12の水酸基及び/又はアミノ基を含む化合物が、糖類及び糖誘導体類としてのグルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、リボース、ラムノース、ソルボース、キシロース、リキソース、スクロース、ラクトース、セロビオース、マルトース、トレハロース、グリセルアルデヒド、エリトリトール、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、グルシトール、マニトール、ペンタアセチルグルコース、N−アセチルグルコサミン、2−デオキシ−リボース、2−デオキシグアノシン、アデノシン、グアノシン、グルコース−1−りん酸二ナトリウム、アセトブロモグルコース、へミアセタール類としてのグリコールアルデヒド・ダイマー、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、及びアミノ酸類としてのアラニン、ロイシン、セリン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、システイン、シスチン、プロリンから選ばれる1種又は2種以上である(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載のアルドール生成物の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のアルドール反応生成物を製造する方法は、ホルマリン等のアルデヒド化合物とケトン化合物とを含有する混合液を、添加物としての糖類、糖誘導体、ヘミアセタール類及びアミノ酸類の存在下に塩基触媒と接触させて反応させることにより行われる。
【0015】
使用できる添加物は、糖類、糖誘導体としてのグルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、リボース、ラムノース、ソルボース、キシロース、リキソース、スクロース、ラクトース、セロビオース、マルトース、トレハロース、グリセルアルデヒド、エリトリトール、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、グルシトール、マニトール、ペンタアセチルグルコース、N−アセチルグルコサミン、2−デオキシ−リボース、2−デオキシグアノシン、アデノシン、グアノシン、グルコース−1−りん酸二ナトリウム、アセトブロモグルコース;へミアセタール類としてのグリコールアルデヒド・ダイマー、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール;及びアミノ酸類としてのアラニン、ロイシン、セリン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、システイン、シスチン、プロリン等が挙げられる。
【0016】
また、使用できる塩基触媒は、通常、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用されるが、その他のアルカリ金属の有機酸塩及び炭酸塩、アルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩、塩基性イオン交換樹脂なども有効である。
【0017】
本発明の反応方法に適した原料ケトン化合物は、下記一般式(5)において、R5が、置換基を有してもよい炭素数1〜4の低級アルキル、置換基を有してもよいアリール基であり、R6、R7はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、置換基を有してもよい炭素数1〜4の低級アルキル、置換基を有してもよいアリール基及び置換基を有してもよい炭素数2〜6のアルケニル基から選ばれる基であるケトン化合物である。
【0018】
【化9】
【0019】
上記一般式(5)で示されるケトン化合物の中でも、前記一般式(3)で表されるケトン化合物が好ましい。
より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、ヒドロキシブタノン、メチルイソブチルケトン、メシチルオキシド、アセトフェノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
【0020】
本発明の反応方法に適したアルデヒド化合物は、下記一般式(4)
【化10】
における基R3が、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基及び置換基を有してもよいアリール基から選ばれる基であるアルデヒド化合物であり、特に、基R3が、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基及び置換基を有してもよいフェニル基から選ばれる基であるアルデヒド化合物が好ましい。
【0021】
より具体的には、ホルムアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シトラール、シトロネラール、1−ヘキサナール、クロトンアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、バニリン、サリチルアルデヒドなどが挙げられる。
使用するケトン化合物とアルデヒド化合物の量は、ホルマリン等のアルデヒド化合物1当量に対してケトン化合物1〜100当量の範囲、より好ましくは15〜40当量の範囲である。
【0022】
反応に用いる塩基の量は、特に制限は無いが、好ましくはホルマリン等のアルデヒド化合物1当量に対して、0.0005〜0.5当量の範囲である。
反応に用いる添加物としての糖類、糖誘導体、ヘミアセタール類及びアミノ酸の量は、特に制限は無いが、好ましくはホルマリン等のアルデヒド化合物1当量に対して、0.0005〜0.5当量の範囲である。
【0023】
本発明のアルドール反応生成物を製造するためのアルドール反応温度は、0〜200℃の間、好ましくは30〜100℃の範囲である。
反応時間は、反応が完結次第、終了するのが好ましいが、多少の延長されても特に問題は生じない。より好ましくは5〜120分である。
反応の形態は、バッチ式、連続式いずれでもよい。反応後、中和処理を行った後、直接濃縮・蒸留をすることができる。反応は、連続式の場合は、管式が好ましい。また、バッチ式の場合は、原料であるホルマリンが揮散しないように、封管中において実施することが望ましい。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制約されるものではない。
なお、以下の実施例や比較例において、得られた化合物の物性測定には次の機器を用いた。
【0025】
GLC: HP5890 (Hewlett Packerd社製)
GC−Columun:NEUTRABOND−1(30m×0.25mm;ジーエルサイエンス社製)
GC−MS:HP6890−5973MSD(HP−1 MS 60m×0.25mm; Hewlett Packerd社製)
NMR: DRX500 (Bruker社製)
【0026】
また、以下の実施例や比較例において、ホルムアルデヒド液は次の試薬を用いた。
ホルムアルデヒド液(ナカライテスク社製;ホルムアルデヒド37%、メタノール8%含有)
【0027】
実施例1
(アセトン−ホルマリン:D−グルコース/NaOH)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた500mlの4口反応フラスコに、アセトン348.5g(6mol)、37%ホルマリン水溶液16.23g(ホルムアルデヒド0.2mol)、D−グルコース0.144g(0.0008mol)を入れ、釜内温度を50℃に加熱した。この中に0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液8ml(0.0008mol)を滴下し、釜内温度50℃にて30分攪拌した。その後、0.05mol/L硫酸水溶液8ml(0.0004mol)を加えて中和、反応を停止させた。得られた反応溶液を1,3−ブタンジオールを内部標準物質として用い、ガスカラムクロマトグラフィーで分析定量した結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は58.1%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し4.8%であった。
【0028】
実施例2
(アセトン−ホルマリン:D−グルコース/NaOH)
反応時間を30分攪拌に代えて300分攪拌とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は58.9%となり、実施例1と比べほぼ同じであった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し17.0%と実施例1に比べ増加した。
【0029】
実施例3
(アセトン−ホルマリン:D−グルコース/KOH)
0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液8ml(0.0008mol)に代えて0.1mol/L水酸化カリウム水溶液8ml(0.0008mol)とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は55.0%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し6.2%であった。
【0030】
実施例4
(アセトン−パラホルムアルデヒド:D−グルコース/NaOH)
37%ホルマリン水溶液16.23g(ホルムアルデヒド0.2mol)に代えて95%パラホルムアルデヒド6.32g(ホルムアルデヒド0.2mol)と水20mlを加える以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は60.8%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し15.6%であった。
【0031】
実施例5
(アセトン−ホルマリン:L−グルコース/NaOH)
D−グルコース0.144g(0.0008mol)に代えてL−グルコース0.144g(0.0008mol)とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は54.9%であった。またジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し9.4%であった。
【0032】
実施例6
(アセトン−ホルマリン:D−フルクトース/NaOH)
D−グルコース0.144g(0.0008mol)に代えてD−フルクトース0.106g(0.0006mol)とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は56.1%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し5.2%であった。
【0033】
実施例7
(アセトン−ホルマリン:スクロース/NaOH)
D−グルコース0.144g(0.0008mol)に代えてスクロース0.205g(0.0006mol)とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は56.0%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し6.3%であった。
【0034】
実施例8
(アセトン−ホルマリン:N−アセチル−D−グルコサミン/NaOH)
D−グルコース0.144g(0.0008mol)に代えてN−アセチル−D−グルコサミン0.177g(0.0008mol)とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は55.6%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し15.4%であった。
【0035】
実施例9
(アセトン−ホルマリン:2−デオキシグアノシン/NaOH)
D−グルコース0.144g(0.0008mol)に代えて2−デオキシグアノシン0.171g(0.0006mol)とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は64.1%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し16.2%であった。
【0036】
実施例10
(アセトン−ホルマリン:D−α−アセトブロモグルコース/NaOH)
D−グルコース0.144g(0.0008mol)に代えてD−α−アセトブロモグルコース0.062g(0.00015mol)とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は62.0%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し4.8%であった。
【0037】
実施例11
(アセトン−ホルマリン:グリコールアルデヒド・ダイマー/NaOH)
D−グルコース0.144g(0.0008mol)に代えてグリコールアルデヒド・ダイマー0.096g(0.0008mol)とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は60.4%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し4.3%であった。
【0038】
実施例12
(アセトン−ホルマリン:L−フェニルアラニン/NaOH)
D−グルコース0.144g(0.0008mol)に代えてL−フェニルアラニン0.132g(0.0008mol)とする以外は、実施例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析の結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は59.0%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し5.4%であった。
【0039】
実施例13
(シクロペンタノン−ホルマリン:D−グルコース/NaOH)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた500mlの4口反応フラスコに、シクロペンタノン168.2g(2mol)、37%ホルマリン水溶液8.11g(ホルムアルデヒド0.1mol)、D−グルコース0.090g(0.0005mol)を入れ、釜内温度を50℃に加熱した。この中に0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液5ml(0.0005mol)を滴下し、釜内温度50℃にて60分攪拌した。その後、0.05mol/L硫酸水溶液5ml(0.00025mol)を加えて中和、反応を停止させた。得られた反応溶液を1,3−ブタンジオールを内部標準物質として用い、ガスカラムクロマトグラフィーで分析定量した結果、ホルムアルデヒドに対する2−ヒドロキシメチル−1−シクロペンタノンの収率は77.7%であった。また、シクロペンタノン二量体の副生量は2−ヒドロキシメチル−1−シクロペンタノンに対し1.5%であった。
【0040】
実施例14
(アセトン−シトロネラール:ペンタアセチル−β−D−グルコース/NaOH)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた500mlの4口反応フラスコに、アセトン174.2g(3mol)、シトロネラール15.43g(0.1mol)、ペンタアセチル−β−D−グルコース0.781g(0.002mol)を入れ、釜内温度を50℃に加熱した。この中21mol/L水酸化ナトリウム水溶液14ml(0.014mol)を滴下し、釜内温度50℃にて30分攪拌した。その後、0.5mol/L硫酸水溶液14ml(0.007mol)を加えて中和、反応を停止させた。得られた反応溶液を1,3−ブタンジオールを内部標準物質として用い、ガスカラムクロマトグラフィーで分析定量した結果、シトロネラールに対する6,10−ジメチル−3,9−ウンデカジエン−2−オンの収率は4.5%、4−ヒドロキシ−6,10−ジメチル−9−ウンデセン−2−オンの収率は53.6%であった。また、ジアセトンアルコールの副生量は6,10−ジメチル−3,9−ウンデカジエン−2−オン及び4−ヒドロキシ−6,10−ジメチル−9−ウンデセン−2−オンに対し20.3%であった。
【0041】
比較例1
(アセトン−ホルマリン:NaOH)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた500mlの4口反応フラスコに、アセトン348.5g(6mol)、37%ホルマリン水溶液16.23g(ホルムアルデヒド0.2mol)を入れ、釜内温度を50℃に加熱した。この中に0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液8ml(0.0008mol)を滴下し、釜内温度50℃にて5分攪拌した。以下、実施例1と同様の方法にて反応液の中和、及び分析定量した結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は58.4%であった。しかし、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し100.5%と高い値を示した。
【0042】
比較例2
(アセトン−ホルマリン:NaOH)
反応時間を5分攪拌に代えて30分攪拌とする以外は比較例1と同様の方法にてアセトンとホルムアルデヒドの縮合反応、反応液の中和、及び分析を行った。分析定量した結果、ホルムアルデヒドに対する4−ヒドロキシ−2−ブタノンの収率は39.9%と比較例1に比べ低下した。また、ジアセトンアルコールの副生量は4−ヒドロキシ−2−ブタノンに対し210.9%と非常に高い値を示した。
【0043】
比較例3
(シクロペンタノン−ホルマリン:NaOH)
攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた500mlの4口反応フラスコに、シクロペンタノン168.2g(2mol)、37%ホルマリン水溶液8.11g(ホルムアルデヒド0.1mol)を入れ、釜内温度を50℃に加熱した。この中に0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液5ml(0.0005mol)を滴下し、釜内温度50℃にて30分攪拌した。以下、実施例12と同様の方法にて反応液の中和、及び分析定量した結果、ホルムアルデヒドに対する2−ヒドロキシメチル−1−シクロペンタノンの収率は71.6%であった。しかしシクロペンタノン二量体の副生量は2−ヒドロキシメチル−1−シクロペンタノンに対し40.3%と高い値を示した。
【0044】
【発明の効果】
以上の実施例及び比較例の結果から明らかなように、本発明の方法は、副反応を制御するための厳格な反応制御操作が不要であり、特殊な装置の使用をも必要とすることがなく、また、コスト的にも、反応操作的にも、さらに、環境負荷抑制の観点からも好ましい製造方法を提供し得る方法である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an aldol reaction product such as ketols or conjugated ketones, which is highly useful as a starting material for many useful chemical substances.
[0002]
[Prior art]
Β-Ketols such as 4-hydroxy-2-butanone are substances used as starting materials for many useful chemical substances. For example, they are used as starting materials for the synthesis of menthol and the synthesis of raspberry ketone. .
Conventionally, aldol condensation of ketones and aldehydes has been attempted under alkaline conditions. However, it is known that a disadvantage of this method is that many condensates of ketones are produced as by-products.
[0003]
So far, many studies aimed at suppressing this side reaction have been reported. For example, a method is known in which formaldehyde is dissolved in acetone and contacted with an aqueous solution of sodium hydroxide for a very short time (see Patent Document 1). However, this method requires very tight control of the reaction time.
[0004]
On the other hand, there have been proposed methods for suppressing side reactions by devising a reaction apparatus (see Patent Documents 2 and 3). However, these methods require special equipment and also strictly control the reaction. Needed. Further, a method of suppressing a side reaction by devising a catalyst (see Patent Document 4) has also been proposed. However, in this method, the catalyst used is often limited, and in particular, the type of alumina is limited to γ-alumina. In addition, it is necessary to prepare a catalyst by calcining at a high temperature in advance, and there are many restrictions on the alkali used.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-230342 [Patent Document 2]
JP-A-48-15814 [Patent Document 3]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 52-128311 [Patent Document 4]
British Patent No. 1458129 [0006]
[Problems to be solved by the invention]
Each of the above-described methods requires one of strict reaction control to control side reactions, requires special equipment, special catalysts, and difficult to obtain. Or have multiple problems. An object of the present invention is to overcome these problems and to provide a manufacturing method which is favorable both in cost and operation.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have studied mainly on using various additives in addition to the base catalyst. As a result, one or more selected from amino acids, hemiacetals, sugars, and sugar derivatives, which are compounds containing a hydroxyl group and / or an amino group having 2 to 12 carbon atoms as an additive to the reaction system, By adding, it was found that by-products can be greatly suppressed under very universal conditions of 100 ° C. or less, and the collapse of aldol products can be prevented, and the present invention has been completed. The present invention can be carried out according to a conventional method except that a substance selected from saccharides, sugar derivatives, hemiacetals and amino acids is added as an additive to the reaction system. Include.
[0008]
(1) The following general formula (3)
Embedded image
(Wherein, R 1 is an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms which may have a substituent or a phenyl group which may have a substituent, and R 2 has a substituent. An alkyl group having 1 to 6 carbon atoms or an alkenyl group having 2 to 6 carbon atoms which may have a substituent, and a ketone compound represented by the following general formula (4)
Embedded image
(In the formula, R 3 is a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms which may have a substituent, or a phenyl group which may have a substituent.) Characterized in that an aldol is reacted with a base catalyst in the presence of at least one compound selected from compounds containing a hydroxyl group and / or an amino group having 2 to 12 carbon atoms as an additive. A method for producing a reaction product.
[0009]
(2) The aldol reaction product represented by the general formula (1)
Embedded image
[In the formula, R 1 and R 3 are the same as defined in the general formulas (3) and (4), and R 4 is the same as the general formula (3) except that R 2 is -CH 2 -R 4 It is a group having an equivalent relationship. ] The method for producing an aldol reaction product according to the above (1), wherein the product is a hydroxyketone compound represented by the formula:
[0010]
(3) The aldol reaction product has a general formula (2)
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[In the formula, R 1 and R 3 are the same as defined in the general formulas (3) and (4), and R 4 is the same as the general formula (3) except that R 2 is -CH 2 -R 4 It is a group having an equivalent relationship. ] The method for producing an aldol reaction product according to (1), wherein the unsaturated ketone compound is represented by the following formula:
[0011]
(4) Formula (4), the general formula (1) and the general formula (2) is a group R 3 in a hydrogen atom (1) to (3) aldol product according to any one of items Method of manufacturing a product.
[0012]
(5) the general formula (4), the general formula (1) and the general formula radical R 3 in (2), having an alkyl group and substituents have having 1 to carbon atoms which may 6 have a substituent The method for producing an aldol product according to any one of the above items (1) to (4), which is a group selected from a phenyl group which may be substituted.
[0013]
(6) The compound containing a hydroxyl group and / or an amino group having 2 to 12 carbon atoms as the additive is glucose, fructose, galactose, mannose, arabinose, ribose, rhamnose, sorbose, xylose as sugars and sugar derivatives. Lyxose, sucrose, lactose, cellobiose, maltose, trehalose, glyceraldehyde, erythritol, hydroxypropylcyclodextrin, glucitol, mannitol, pentaacetylglucose, N-acetylglucosamine, 2-deoxy-ribose, 2-deoxyguanosine, adenosine, guanosine , Glucose-1-sodium phosphate, acetobromoglucose, glycolaldehyde dimer as hemiacetals, 1,4-dioxane-2,3-diene And at least one selected from alanine, leucine, serine, phenylalanine, phenylglycine, tyrosine, tryptophan, asparagine, glutamine, arginine, cysteine, cystine and proline as amino acids and amino acids (1) to (1). (5) The method for producing an aldol product according to any one of the above (5).
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The method for producing an aldol reaction product of the present invention comprises the steps of: mixing a mixture containing an aldehyde compound such as formalin and a ketone compound with a base catalyst in the presence of a saccharide, a sugar derivative, a hemiacetal and an amino acid as an additive. The reaction is carried out by contact with
[0015]
Additives that can be used include sugars, glucose as a sugar derivative, fructose, galactose, mannose, arabinose, ribose, rhamnose, sorbose, xylose, lyxose, sucrose, lactose, cellobiose, maltose, trehalose, glyceraldehyde, erythritol, hydroxypropyl Cyclodextrin, glucitol, mannitol, pentaacetylglucose, N-acetylglucosamine, 2-deoxy-ribose, 2-deoxyguanosine, adenosine, guanosine, glucose-1-phosphate disodium, acetobromoglucose; glycol as hemiacetals Aldehyde dimer, 1,4-dioxane-2,3-diol; and alanine, leucine, serine, and phenyl as amino acids Alanine, phenylglycine, tyrosine, tryptophan, asparagine, glutamine, arginine, cysteine, cystine, proline, and the like.
[0016]
As the base catalyst that can be used, alkali metal hydroxides such as sodium hydroxide and potassium hydroxide are usually used, but other alkali metal organic acid salts and carbonates, and alkaline earth metal water salts can be used. Oxides and carbonates, basic ion exchange resins and the like are also effective.
[0017]
In the starting ketone compound suitable for the reaction method of the present invention, in the following general formula (5), R 5 may have a lower alkyl having 1 to 4 carbon atoms which may have a substituent or may have a substituent. An aryl group, R 6 and R 7 may be the same or different, and each may be a lower alkyl having 1 to 4 carbon atoms which may have a substituent, an aryl group which may have a substituent, and a substituent Which is a group selected from alkenyl groups having 2 to 6 carbon atoms which may have
[0018]
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[0019]
Among the ketone compounds represented by the general formula (5), the ketone compound represented by the general formula (3) is preferable.
More specifically, examples include acetone, methyl ethyl ketone, hydroxybutanone, methyl isobutyl ketone, mesityl oxide, acetophenone, 2-pentanone, 3-pentanone, cyclopentanone, cyclohexanone, and the like.
[0020]
The aldehyde compound suitable for the reaction method of the present invention is represented by the following general formula (4)
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In the group R 3, a hydrogen atom, the aldehyde compound is a group selected from an aryl group which may have an alkyl group and a substituted group having 1 to 6 carbon atoms have a substituent, in particular, group An aldehyde compound in which R 3 is a group selected from a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms which may have a substituent and a phenyl group which may have a substituent is preferable.
[0021]
More specifically, there may be mentioned formaldehyde, isovaleraldehyde, benzaldehyde, citral, citronellal, 1-hexanal, crotonaldehyde, 1-naphthaldehyde, vanillin, salicylaldehyde and the like.
The amount of the ketone compound and the aldehyde compound used is in the range of 1 to 100 equivalents, more preferably 15 to 40 equivalents, per equivalent of the aldehyde compound such as formalin.
[0022]
The amount of the base used in the reaction is not particularly limited, but is preferably in the range of 0.0005 to 0.5 equivalent with respect to 1 equivalent of the aldehyde compound such as formalin.
The amounts of the saccharides, sugar derivatives, hemiacetals and amino acids used as additives for the reaction are not particularly limited, but are preferably in the range of 0.0005 to 0.5 equivalent to 1 equivalent of the aldehyde compound such as formalin. It is.
[0023]
The aldol reaction temperature for producing the aldol reaction product of the present invention is between 0 and 200C, preferably in the range of 30 to 100C.
The reaction time is preferably terminated as soon as the reaction is completed, but no particular problem occurs even if it is extended a little. More preferably, it is 5 to 120 minutes.
The form of the reaction may be either a batch type or a continuous type. After the reaction, after performing a neutralization treatment, it can be directly concentrated and distilled. In the case of a continuous reaction, a tubular reaction is preferable. In the case of a batch system, it is desirable to carry out in a sealed tube so that the formalin as a raw material does not volatilize.
[0024]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited by these Examples.
In the following Examples and Comparative Examples, the following instruments were used for measuring physical properties of the obtained compounds.
[0025]
GLC: HP5890 (Hewlett Packard)
GC-Column: NEUTRABOND-1 (30 mx 0.25 mm; manufactured by GL Sciences Inc.)
GC-MS: HP6890-5973MSD (HP-1 MS 60mx 0.25mm; manufactured by Hewlett Packard)
NMR: DRX500 (manufactured by Bruker)
[0026]
In the following Examples and Comparative Examples, the following reagents were used as the formaldehyde solution.
Formaldehyde liquid (manufactured by Nacalai Tesque, Inc .; containing 37% formaldehyde and 8% methanol)
[0027]
Example 1
(Acetone-formalin: D-glucose / NaOH)
In a 500 ml four-necked reaction flask equipped with a stirrer, thermometer and reflux condenser, 348.5 g (6 mol) of acetone, 16.23 g of a 37% aqueous solution of formalin (0.2 mol of formaldehyde), and 0.144 g of D-glucose (0.1 mol) were used. 0008 mol), and the temperature in the kettle was heated to 50 ° C. To this, 8 ml (0.0008 mol) of a 0.1 mol / L aqueous sodium hydroxide solution was added dropwise, and the mixture was stirred at a temperature in the kettle at 50 ° C. for 30 minutes. Thereafter, 8 ml (0.0004 mol) of a 0.05 mol / L sulfuric acid aqueous solution was added to neutralize and stop the reaction. The obtained reaction solution was analyzed and quantified by gas column chromatography using 1,3-butanediol as an internal standard substance. As a result, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 58.1%. The by-product amount of diacetone alcohol was 4.8% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0028]
Example 2
(Acetone-formalin: D-glucose / NaOH)
A condensation reaction of acetone and formaldehyde, neutralization of the reaction solution, and analysis were performed in the same manner as in Example 1, except that the reaction time was changed to stirring for 30 minutes instead of stirring for 30 minutes. As a result of the analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 58.9%, which was almost the same as that of Example 1. Further, the amount of diacetone alcohol by-produced was 17.0% of that of 4-hydroxy-2-butanone, which was higher than that of Example 1.
[0029]
Example 3
(Acetone-formalin: D-glucose / KOH)
Acetone and formaldehyde were prepared in the same manner as in Example 1 except that 8 ml (0.0008 mol) of a 0.1 mol / L aqueous potassium hydroxide solution was replaced with 8 ml (0.0008 mol) of a 0.1 mol / L aqueous sodium hydroxide solution. , A neutralization of the reaction solution, and analysis. As a result of the analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 55.0%. The by-product amount of diacetone alcohol was 6.2% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0030]
Example 4
(Acetone-paraformaldehyde: D-glucose / NaOH)
Acetone and formaldehyde were prepared in the same manner as in Example 1, except that 6.32 g of 95% paraformaldehyde (0.2 mol of formaldehyde) and 20 ml of water were added instead of 16.23 g of 37% aqueous solution of formalin (0.2 mol of formaldehyde). The condensation reaction, neutralization of the reaction solution, and analysis were performed. As a result of the analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 60.8%. The by-product amount of diacetone alcohol was 15.6% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0031]
Example 5
(Acetone-formalin: L-glucose / NaOH)
Except that 0.144 g (0.0008 mol) of L-glucose was used instead of 0.144 g (0.0008 mol) of D-glucose, the condensation reaction of acetone and formaldehyde in the same manner as in Example 1 Sum and analysis were performed. As a result of the analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 54.9%. The by-product amount of diacetone alcohol was 9.4% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0032]
Example 6
(Acetone-formalin: D-fructose / NaOH)
Except that 0.144 g (0.0006 mol) of D-glucose was replaced by 0.106 g (0.0006 mol) of D-fructose, the condensation reaction of acetone and formaldehyde was performed in the same manner as in Example 1 to obtain a reaction mixture. Sum and analysis were performed. As a result of analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 56.1%. The by-product amount of diacetone alcohol was 5.2% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0033]
Example 7
(Acetone-formalin: sucrose / NaOH)
Except that 0.105 g (0.0008 mol) of D-glucose was replaced by 0.205 g (0.0006 mol) of sucrose, a condensation reaction of acetone and formaldehyde was performed in the same manner as in Example 1 to neutralize the reaction solution. And analysis. As a result of the analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 56.0%. The by-product amount of diacetone alcohol was 6.3% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0034]
Example 8
(Acetone-formalin: N-acetyl-D-glucosamine / NaOH)
Except that 0.177 g (0.0008 mol) of N-acetyl-D-glucosamine was used instead of 0.144 g (0.0008 mol) of D-glucose, a condensation reaction of acetone and formaldehyde was performed in the same manner as in Example 1. The reaction solution was neutralized and analyzed. As a result of analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 55.6%. The by-product amount of diacetone alcohol was 15.4% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0035]
Example 9
(Acetone-formalin: 2-deoxyguanosine / NaOH)
Except that 0.171 g (0.0006 mol) of 2-deoxyguanosine was used instead of 0.144 g (0.0008 mol) of D-glucose, the condensation reaction of acetone and formaldehyde was performed in the same manner as in Example 1, and Neutralization and analysis were performed. As a result of the analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 64.1%. The by-product amount of diacetone alcohol was 16.2% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0036]
Example 10
(Acetone-formalin: D-α-acetobromoglucose / NaOH)
A condensation reaction of acetone and formaldehyde was performed in the same manner as in Example 1, except that D-glucose was 0.062 g (0.00015 mol) instead of D-glucose 0.144 g (0.0008 mol). The reaction solution was neutralized and analyzed. As a result of the analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 62.0%. The by-product amount of diacetone alcohol was 4.8% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0037]
Example 11
(Acetone-formalin: glycol aldehyde dimer / NaOH)
Except that 0.196 g (0.0008 mol) of D-glucose was replaced by 0.096 g (0.0008 mol) of glycolaldehyde dimer, the condensation reaction of acetone and formaldehyde was performed in the same manner as in Example 1, Neutralization and analysis were performed. As a result of analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 60.4%. The by-product amount of diacetone alcohol was 4.3% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0038]
Example 12
(Acetone-formalin: L-phenylalanine / NaOH)
Except that 0.132 g (0.0008 mol) of L-phenylalanine was used instead of 0.144 g (0.0008 mol) of D-glucose, the condensation reaction of acetone and formaldehyde in the same manner as in Example 1 Sum and analysis were performed. As a result of the analysis, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 59.0%. The by-product amount of diacetone alcohol was 5.4% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0039]
Example 13
(Cyclopentanone-formalin: D-glucose / NaOH)
In a 500 ml four-necked reaction flask equipped with a stirrer, a thermometer, and a reflux condenser, 168.2 g (2 mol) of cyclopentanone, 8.11 g of a 37% aqueous solution of formalin (0.1 mol of formaldehyde), and 0.090 g of D-glucose ( 0.0005 mol), and the temperature in the kettle was heated to 50 ° C. 5 ml (0.0005 mol) of a 0.1 mol / L aqueous sodium hydroxide solution was added dropwise thereto, and the mixture was stirred at a temperature in the kettle at 50 ° C. for 60 minutes. Thereafter, 5 ml (0.00025 mol) of a 0.05 mol / L aqueous sulfuric acid solution was added to neutralize and stop the reaction. The obtained reaction solution was analyzed and quantified by gas column chromatography using 1,3-butanediol as an internal standard substance. As a result, the yield of 2-hydroxymethyl-1-cyclopentanone relative to formaldehyde was 77.7%. there were. The amount of by-product cyclopentanone dimer was 1.5% based on 2-hydroxymethyl-1-cyclopentanone.
[0040]
Example 14
(Acetone-citronellal: pentaacetyl-β-D-glucose / NaOH)
174.2 g (3 mol) of acetone, 15.43 g (0.1 mol) of citronellal, 0.781 g of pentaacetyl-β-D-glucose (0 mol) were placed in a 500 ml four-necked reaction flask equipped with a stirrer, thermometer and reflux condenser. .002 mol), and the temperature in the kettle was heated to 50 ° C. 14 ml (0.014 mol) of a 21 mol / L aqueous sodium hydroxide solution was added dropwise thereto, and the mixture was stirred at a temperature in the kettle at 50 ° C. for 30 minutes. Thereafter, 14 ml (0.007 mol) of a 0.5 mol / L sulfuric acid aqueous solution was added to neutralize and stop the reaction. The obtained reaction solution was analyzed and quantified by gas column chromatography using 1,3-butanediol as an internal standard substance. As a result, the yield of 6,10-dimethyl-3,9-undecadien-2-one based on citronellal was as follows. The yield of 4.5% and 4-hydroxy-6,10-dimethyl-9-undecen-2-one was 53.6%. The by-product amount of diacetone alcohol was 20.3% with respect to 6,10-dimethyl-3,9-undecadien-2-one and 4-hydroxy-6,10-dimethyl-9-undecen-2-one. there were.
[0041]
Comparative Example 1
(Acetone-formalin: NaOH)
In a 500 ml four-necked reaction flask equipped with a stirrer, a thermometer and a reflux condenser, 348.5 g (6 mol) of acetone and 16.23 g (0.2 mol of formaldehyde) of a 37% aqueous solution of formalin were put, and the temperature in the kettle was reduced to 50 ° C. Heated. 8 ml (0.0008 mol) of a 0.1 mol / L aqueous sodium hydroxide solution was added dropwise thereto, and the mixture was stirred at 50 ° C. in a kettle for 5 minutes. Thereafter, the reaction solution was neutralized and analyzed and quantified in the same manner as in Example 1, and as a result, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 58.4%. However, the by-product amount of diacetone alcohol showed a high value of 100.5% based on 4-hydroxy-2-butanone.
[0042]
Comparative Example 2
(Acetone-formalin: NaOH)
A condensation reaction of acetone and formaldehyde, neutralization of the reaction solution, and analysis were performed in the same manner as in Comparative Example 1 except that the reaction time was changed to stirring for 30 minutes instead of stirring for 5 minutes. As a result of analysis and quantification, the yield of 4-hydroxy-2-butanone based on formaldehyde was 39.9%, which was lower than that of Comparative Example 1. Also, the by-product amount of diacetone alcohol was as high as 210.9% with respect to 4-hydroxy-2-butanone.
[0043]
Comparative Example 3
(Cyclopentanone-formalin: NaOH)
168.2 g (2 mol) of cyclopentanone and 8.11 g (0.1 mol of formaldehyde) of an aqueous solution of cyclopentanone were placed in a 500 ml four-necked reaction flask equipped with a stirrer, a thermometer, and a reflux condenser. Heated to ° C. 5 ml (0.0005 mol) of a 0.1 mol / L aqueous sodium hydroxide solution was added dropwise thereto, and the mixture was stirred at a temperature in the kettle at 50 ° C. for 30 minutes. Thereafter, the reaction solution was neutralized and analyzed and quantified in the same manner as in Example 12, and as a result, the yield of 2-hydroxymethyl-1-cyclopentanone relative to formaldehyde was 71.6%. However, the amount of by-produced cyclopentanone dimer was as high as 40.3% with respect to 2-hydroxymethyl-1-cyclopentanone.
[0044]
【The invention's effect】
As is clear from the results of the above Examples and Comparative Examples, the method of the present invention does not require a strict reaction control operation for controlling a side reaction and also requires the use of a special device. It is a method that can provide a preferable production method from the viewpoint of cost, reaction operation, and environmental load suppression.