JP2004268671A - Method for limiting output of electric power steering device - Google Patents

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for limiting an output of an electric power steering device for limiting an output of a motor based on a temperature detected by a temperature sensor or a temperature estimated by a temperature estimating means by estimating a temperature of the device in a non-complicated system at a low cost. <P>SOLUTION: In this method for limiting the output of the electric power steering device 10, the output of the motor is limited by the temperature detected by the temperature sensor 27 mounted on a part of the electric power steering device 10. By detecting current flowing in the motor 20, the temperature of the power steering device 10 is estimated. The output of the motor 20 is limited based on the higher one of the estimated temperature Tm and a virtual temperature Timag obtained from the detected temperature of the temperature sensor 27. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己発熱の大きいシステムである電動パワーステアリング装置の出力制限方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置は、ステアリング系にモータを備え、モータから供給する動力を、制御装置を用いて制御することにより、運転者の操舵力を軽減するものである。
【0003】
電動パワーステアリング装置では、操舵の仕方によってはスイッチング素子を介してモータに大電流が連続して流れ、抵抗損失による発熱でスイッチング素子やモータの破損が発生する可能性が高かった。そこで、そのような発熱によるスイッチング素子やモータの破損を回避するために、電動パワーステアリング装置のスイッチング素子とモータの各温度を温度センサにより検出して、電流値を制限するものが特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1で開示された技術においては、温度センサを使用し、電動パワーステアリング装置に使用する駆動回路の過熱を防止し、駆動回路の過熱から保護する。それは、発熱する部分で最も高温になる部分またはその温度に相関する部位の温度が計測できるように構成されており、その温度に応じて出力を制限し、発熱体の過熱を防止するように動作する。しかしながら、この場合、温度センサの異常を検出するようにはしていないため、温度センサが異常となった場合に適正な電流制限がなされないという問題がある。
【0005】
そこで、特許文献2においては、上記の問題を解決する手段が開示されており、その手段は、車両の運転状態に応じた電流が流されて操舵ハンドルの回動操作に対するアシスト力を発生する電動モータを備えた車両の電動パワーステアリング装置において、電流により発熱する部分の温度を検出する温度検出手段と、電動モータに流される電流の電流値に基づいて求められる発熱する部分の推定温度に応じた値が所定値以上変化したか否かを判定する温度条件判定手段と、発熱する部分の推定温度に応じた値が所定値以上変化したと判定された場合に温度検出手段による検出温度が所定温度以上変化していないとき、温度検出手段が異常であると判定する異常判定手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−92781号公報
【特許文献2】
特開2001−130432公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1で開示された従来技術では温度センサが故障しているかどうかの判断はされていないという問題点があった。また、特許文献2で開示された従来技術では、推定温度に基づいて温度センサが異常であるかどうかの判定を行う手段を備えてはいるが、温度センサあるいは温度推定手段に基づいたモータの出力を制限する方法については開示されていなかった。また、従来の技術では温度センサにより測定される温度に応じて電動パワーステアリング装置の出力を制限するため、温度センサを取り付けた位置の環境温度に応じて出力を制限するまでの時間が大きく変化する。電動パワーステアリング装置は、モータ、モータ駆動装置、ハーネス、コネクタ等発熱する部位は複数あり、それぞれの環境温度も異なる。したがって、温度センサを取り付けた位置によって出力を制限するまでの時間が大幅に長くなったりすると過熱してしまう部位が生じることがあるため、それぞれの部位に温度センサを取り付けたり、温度推定をそれぞれの部位について実施したりする必要があり、システムが複雑になりコストが上昇するという問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、低コストで、複雑でないシステムで装置の温度を推定し、温度センサが検出する温度あるいは温度推定手段によって推定された温度に基づいてモータの出力を制限する電動パワーステアリング装置の出力制限方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る電動パワーステアリング装置の出力制限方法は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0010】
第1の電動パワーステアリング装置の出力制限方法(請求項1に対応)は、電動パワーステアリング装置の一部に取り付けられた温度センサが検出する温度によって、モータの出力を制限するようにした電動パワーステアリング装置の出力制限方法において、モータに流れる電流を検知することにより、電動パワーステアリング装置の温度を推定し、その推定温度と、温度センサの検出温度から得られる仮想温度のうち高い方に基づいてモータの出力制限を行うことで特徴づけられる。
【0011】
第1の電動パワーステアリング装置の出力制限方法によれば、モータに流れる電流を検知することにより、電動パワーステアリング装置の温度を推定し、その推定温度と、温度センサの検出温度から得られる仮想温度のうち高い方に基づいてモータの出力制限を行うため、電動パワーステアリング装置における駆動回路などの発熱体の過熱を確実に防止し、駆動回路などの発熱体の過熱から確実に保護することができる。
【0012】
第2の電動パワーステアリング装置の出力制限方法(請求項2に対応)は、電動パワーステアリング装置の一部に取り付けられた温度センサが検出する温度によって、モータの出力を制限するようにした電動パワーステアリング装置の出力制限方法において、温度センサの上昇温度によって出力制限を行うことで特徴づけられる。
【0013】
第2の電動パワーステアリング装置の出力制限方法によれば、温度センサの上昇温度によって出力制限を行うため、環境温度が異なるそれぞれの部位がある電動パワーステアリング装置においても確実に過熱防止をすることができ、また、その処理が簡単化されコストを低減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の模式構造図である。電動パワーステアリング装置10では、ステアリング・ホイール(ハンドル)11に一体的に設けられたステアリング軸12に、自在継手13a,13bを有する連結軸13を介して、ラック・ピニオン機構15のピニオン15aに連結されることによって、手動操舵トルク発生機構16が構成されている。
【0016】
ピニオン15aに噛み合うラック歯17aを有し、これらの噛み合いにより軸方向に変換されて往復動するラック軸17は、その両端にタイロッド18を介して転動軸としての左右の前輪19に連結されている。運転者は、ハンドル11を操作することにより、手動操舵トルク発生機構16と通常のラック・ピニオン式のステアリング装置を介して、前輪を揺動させて車両の向きを変えることができる。
【0017】
この手動操舵トルク発生機構16によって発生する操舵トルクを軽減するために、アシストトルク(操舵補助トルク)を供給するモータ20が例えばラック軸17と同軸的に配設され、ラック軸17にほぼ平行に設けられたボールねじ機構21を介してモータ20からの回転運動により供給されるアシストトルクが直進運動のための力に変換され、ラック軸17に作用する。
【0018】
モータ20のロータには、駆動側ヘリカルギヤ20aが一体的に設けられている。このヘリカルギヤ20aは、ボールねじ機構21のねじ軸21aの軸端に一体的に設けられたヘリカルギヤ21bと噛み合っている。また、ボールねじ機構21のナットは、ラック軸17に連結されている。
【0019】
図2は、電動パワーステアリング装置の制御装置を示す図である。図1において、図示しないステアリングギヤボックス内には、ピニオン15aに作用する手動操舵トルクTを検出する手動操舵トルク検出部22が設けられる。この手動操舵トルク検出部22は、検出した手動操舵トルクTを手動操舵トルク検出信号Tdに変換し、その変換された手動操舵トルク検出信号Tdを制御装置24へ入力する。また、車両には車速に対応した車速信号vを検出する車速センサ23も設けられており、車速信号vを制御装置24に入力する。
【0020】
さらに、電動パワーステアリング装置10には図2で示すようにモータ電流検出部25が設けられている。このモータ電流検出部25は、モータ20に対して直列に接続された抵抗等を備え、モータ20に実際に流れるモータ電流IMの大きさおよび方向を検出する。そして、モータ電流検出部25は、モータ電流IMに対応したモータ電流信号Imを制御装置24に入力する。
【0021】
さらに、電動パワーステアリング装置10には、図2で示すようにモータ電圧検出部26が設けられている。モータ電圧検出部26は、モータ20の両端の電圧を各々検出し、モータ20に実際に印加されているモータ電圧VMの大きさおよび方向を検出する。そして、モータ電圧検出部26は、モータ電圧VMに対応したモータ電圧信号Vmを制御装置24に入力する。
【0022】
また、電動パワーステアリング装置10の制御装置24には、温度センサ27を設けている。図3に、温度センサの取り付け位置を示す。温度センサ27は、制御部30が設けられた基板31に接するヒートシンク32上に設け、熱を伝えるために金属の金具等で温度センサ27を固定し、さらにヒートシンク32にネジ等で取り付ける。温度センサ27は、ヒートシンク32の温度に対応する信号を電圧信号VT1とし出力し、その電圧信号VT1を制御装置24に入力する。
【0023】
制御装置24は、手動操舵トルク検出部22、車速センサ23、モータ電流検出部25、モータ電圧検出部26、温度センサ27の各検出信号Td、v、Im、Vm、VT1が入力される。そして、制御装置24は、これらの検出信号Td、v、Im、Vm、VT1に基づいてモータ20に流すモータ電流IMの大きさおよび方向を決定し、モータの運転を行って、モータの出力する動力(操舵補助トルク)を制御する。
【0024】
制御装置24は、手動操舵トルク検出部22、車速センサ23、モータ電流検出部25、モータ電圧検出部26、温度センサ27等からの検出信号がアナログ信号として入力されるので、図示しないA/D変換部によりアナログ信号をディジタル信号に変換し、各CPUに取り込んでいる。
【0025】
制御装置24は、目標電流決定部29と、制御部30とを備える。目標電流決定部29は、手動操舵トルク検出信号Td、車速信号v、モータ電流信号Im、モータ電圧信号Vmに基づいて目標補助トルクを決定し、目標補助トルクをモータ20から供給するために必要となる目標電流信号ITを出力する。そのとき、第1の温度センサ27からの電圧信号VT1とモータ電流信号Imから得られる推定温度信号Tmcに基づいて出力が制限された目標電流信号ITを出力する。
【0026】
図4は、目標電流決定部29のブロック構成図である。目標電流決定部29は、主に、モータ回転速度算出部33、ベース電流算出部34、イナーシャ補償電流算出部35、ダンパー補償電流算出部36、イナーシャ補償部37、ダンパー補償部38、目標電流最終決定部39とローパスフィルタ40と位相補償部41とハイパスフィルタ42と温度推定部43と仮想温度算出部44と出力制限部45から構成される。
【0027】
モータ回転速度算出部33は、モータ電流検出部25からのモータ電流信号Imおよびモータ電圧検出部26からのモータ電圧信号Vmが入力され、ダンパー補償電流算出部36にモータ回転速度信号Nmを出力する。
【0028】
ベース電流算出部34は、手動操舵トルク検出部22からの操舵トルク信号Tdをローパスフィルタ40を通して、位相補償部41により位相補償された操舵トルク信号Tsおよび車速センサ23からの車速信号Vが入力され、イナーシャ補償部37に目標電流信号IMSを出力する。ベース電流算出部34は、予め実験値または設計値に基づいて設定した操舵トルク信号Tsおよび車速信号Vと目標電流信号IMSとの対応するデータに基づいて、操舵トルク信号Tsおよび車速信号Vをアドレスとして対応する目標電流信号IMSを読み出す。なお、目標電流信号IMSは、モータ20に流す目標のモータ電流を設定する上で基準となる電流の情報を含む信号である。
【0029】
イナーシャ補償電流算出部35は、モータおよびシステムの慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するためのイナーシャ補償電流算出処理を行うためのものであり、手動操舵トルク検出部22からの操舵トルク信号Tdをローパスフィルタ40を通した信号Tlと信号Tlをハイパスフィルタ42を通した操舵トルク信号Thおよび車速センサ23からの車速信号Vが入力され、イナーシャ補償部37にイナーシャ補償信号ISを出力する。まず、イナーシャ補償電流算出部35は、操舵トルク信号Th、Tlを時間微分し、操舵トルクの時間微分値を算出する。そして、イナーシャ補償電流算出部35は、予め実験値または設計値に基づいて設定した操舵トルクの時間微分値および車速信号Vとイナーシャ補償信号ISとの対応するデータに基づいて、操舵トルクの時間微分値および車速信号Vをアドレスとして対応するイナーシャ補正信号ISを読み出す。
【0030】
ダンパー補償電流算出部36は、モータの回転を制限する電流を算出するためのものであり、モータ回転速度算出部33からのモータ回転速度信号Nmおよび車速センサ23からの車速信号Vと操舵トルク信号Tlが入力され、ダンパー補償部38にダンパー補償信号DSを出力する。
【0031】
イナーシャ補償部37は、ベース電流算出部34からの目標電流信号IMSおよびイナーシャ補償電流算出部35からのイナーシャ補償信号ISが入力され、ダンパー補償部38に補償目標電流信号IMS’を出力する。
【0032】
ダンパー補償部38は、イナーシャ補償部37からの補償目標電流信号IMS’およびダンパー補償電流算出部36からのダンパー補償信号DSが入力され、目標電流最終決定部39に補償目標電流信号IMS’’を出力する。
【0033】
目標電流最終決定部39は、ダンパー補償部38からの補償目標電流信号IMS’’および位相補償部41からの位相補償された操舵トルク信号Tsが入力され、目標電流信号IT’を出力する。
【0034】
温度推定部43は、詳細に後述するように、モータ電流信号Imと温度センサ27からの電圧信号VT1を入力とし、制御部30の温度の推定を行い、推定温度信号Tmcを仮想温度算出部44と出力制限部45に出力する。
【0035】
仮想温度算出部44は、詳細に後述するように、推定温度信号Tmcと温度センサ27からの電圧信号VT1を入力とし、温度センサ27からの電圧信号VT1に基づく仮想温度Timagを算出し、仮想温度Timagに係る仮想温度信号Timagsを出力制限部45に出力する。
【0036】
出力制限部45は、詳細に後述するように、目標電流最終決定部39からの目標電流IT’と仮想温度算出部44からの仮想温度信号Timagsと温度推定部43から出力される推定温度信号Tmcを入力信号とし、仮想温度Timagと推定温度Tmのうち高い方の温度により目標電流IT’を制限し、最終目標電流ITとして出力する。
【0037】
図5は、制御部30のブロック構成図である。制御部30は、モータ運転制御部46とモータ駆動部47とモータ電流検出部25を備えている。
【0038】
モータ運転制御部46は、フィードバック(F/B)制御部48とフィードフォワード(F/F)制御部49とPWM信号生成部50とを備えている。フィードバック制御部48は、偏差演算部51と偏差電流制御部52から構成される。
【0039】
偏差演算部51は、目標電流決定部29から出力された目標電流信号ITとモータ電流検出部25からのモータ電流信号Imとの偏差を求め、その値を偏差信号51aとして出力する。
【0040】
偏差電流制御部52は、比例要素と積分要素と加算演算部から構成され、入力された偏差信号51aに対して、比例要素で比例処理した信号51a’を出力し、積分要素で積分処理した信号51a’’を出力し、加算演算部で信号51a’と信号51a’’を加算し、偏差信号51aの値がゼロに近づくように、デューティー比信号である偏差電流制御信号52aを生成・出力する。
【0041】
フィードフォワード制御部49は、フィードフォワード制御要素を生成し、出力するためのものであり、フィードフォワード比例要素53とリミッタ54と加算演算部55から構成される。フィードフォワード比例要素53は、或る任意のF/Fゲイン(Kff)によって、入力された目標電流信号ITに比例したF/F信号53aを出力し、リミッタ54は、F/F信号53aが所定の範囲内であれば、そのまま出力し、所定の範囲外では、制限して任意の一定の値の信号を出力するものである。
【0042】
すなわち、フィードフォワード制御部49のリミッタ54は、フィードフォワード比例要素53に入力された目標電流信号ITに対して、その値が所定範囲内にある場合には、上記F/Fゲインで目標電流信号ITに比例した値を持つデューティー比信号を出力し、その値が所定範囲外にある場合には、任意の一定の値のデューティー比信号を出力する。リミッタ54の出力信号をフィードフォワード制御信号54aと呼ぶことにする。
【0043】
加算演算部55は、偏差電流制御部52から出力された偏差電流制御信号52aにリミッタ54から出力されたフィードフォワード制御信号54aを加え、その値を、モータ20に供給するモータ電流をPWM制御するPWM信号のデューティー比を決める最終出力デューティー比信号55aとして出力する。
【0044】
PWM信号生成部50は、最終出力デューティー比信号55aに基づいてモータ20をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成し、生成したPWM信号を駆動制御信号50aとして出力する。このPWM信号50aは、最終出力デューティー比信号55aで決められるデューティー比を持つ信号である。
【0045】
図5に示すモータ駆動部47は、ゲート駆動回路部56と4個の電力用電界効果トランジスタをH型ブリッジ回路の構成で接続したモータ駆動回路57とを備える。ゲート駆動回路部56は、駆動制御信号(PWM信号)50aに基づいて、ハンドル11の操舵方向に応じて2つの電界効果トランジスタを選択し、選択した2つの電界効果トランジスタのゲートを駆動してこれらの電界効果トランジスタをスイッチング動作させる。
【0046】
モータ電流検出部25は、モータ駆動回路57に直列に接続されたシャント抵抗58の両端に生じる電圧からモータ20に流れるモータ電流(電機子電流)の値IMを検出してモータ電流信号Imを出力する。
【0047】
以上により、制御装置24は、手動操舵トルク検出部22によって検出された手動操舵トルクTと車速V、モータ電流IM、モータ電圧IVに基づいてバッテリ電源59からモータ20へ供給する電流をPWM制御し、モータ20が出力する動力(操舵補助トルク)を制御する。
【0048】
また、図5に示すように、制御装置24は、制御部30においてモータ駆動回路57に直列に接続されたシャント抵抗58の両端に生じる電圧からモータ20に実際に流れるモータ電流の値IMをモータ電流信号Imとして検出し、モータ電流信号Imに基づくフィードバック制御を行うことで、モータ20の制御特性を向上させている。
【0049】
さらに、制御装置24は、制御部30において、目標電流信号ITをフィードフォワード比例要素53に入力し、リミッタ54から出力されたフィードフォワード制御信号54aを加算演算部55で偏差電流制御信号52aに加算することにより、フィードフォワード制御を行うことで、モータ20の制御特性をさらに向上させている。
【0050】
次に、本発明において設けられた温度推定部43と仮想温度算出部44と出力制限部45について詳細に説明する。図6は、温度推定部43と仮想温度算出部44と出力制限部45の部分の詳細なブロック図である。温度推定部43は、モータ電流検出部25で検出されたモータ電流Imから制御部30の温度を推定する。仮想温度算出部44は、作業開始温度算出部44aと温度オフセット計算部44bとオフセット値変化下限処理部44cと仮想温度計算部44dから成り、温度センサの検出温度に基づいて仮想温度を算出する。作業開始温度算出部44aは、作業開始時の温度を求める。温度オフセット計算部44bは、作業開始温度と後に述べる第1の設定温度との差であるオフセット値を計算する。オフセット値変化下限処理部44cは、後に述べるように、再セット時に求めたオフセット値が、前回オフセット値よりも小さい場合に、オフセット値を今回オフセット値に移行する段階での処理を行う。仮想温度計算部44dは、仮想温度を計算する。出力制限部45は、出力制限検索部45aとレシオ変化上限処理部45bと出力制限電流算出部45cから成り、温度推定部43により推定された推定温度Tmcと仮想温度算出部44により算出された仮想温度Timagのうち高い方の温度に基づいて電動パワーステアリング装置10のモータ20へ流すモータ電流Imの目標電流IT’を制限する。出力制限検索部45aは、推定温度Tmcと仮想温度Timagのうち高い方の温度に対応する出力制限係数を検索する。レシオ変化上限処理部45bは、出力制限の変化率に制限を加え、急なアシスト変化を防止する。出力制限電流算出部45cは、出力制限係数に基づいて出力が制限された電流を算出する。
【0051】
本発明の電動パワーステアリング装置の温度推定部43での温度推定の原理を説明する。ある発熱をする物体Mにおける発熱開始時刻t0から発熱を続けたときの時刻tにおける温度上昇値DTは、単位時間当たりの発熱量qhと単位時間当たりの放熱量qcの差を発熱開始時刻t0から時刻tまで時間で積分したものをその物体Mの熱容量Cで割った式で表現する。
【0052】
【数1】

Figure 2004268671
【0053】
ここで、簡単のために単位時間当たりの放熱量qcは物体Mの放熱特性値で決まる固定値として計算に用いても良いが、一般には、この単位時間当たりの放熱量qcは物体Mの温度Tと外気温TEとの差(T−TE)によって変化するため、この温度差(T−TE)をパラメータとすると精度が向上する。そのため、温度上昇値DTをそのままパラメータにしても良いし、物体Mの周辺温度(外気温)TEが解れば、周囲温度との差(T−TE)をパラメータにする。例えば、温度差がそれほど大きくない場合には、ニュートンの冷却の法則が成り立ち、物体が放射によって単位時間当たり失う熱量は、その物体と周囲との温度差に比例する。
【0054】
式(1)を用いて時刻tにおける物体Mの温度は式(2)で表される推定温度Tとして推定される。
【0055】
【数2】
推定温度T=スタート温度TS+温度上昇値DT (2)
【0056】
ここで、スタート温度TSは、後に説明する仮想温度を求めるときの第1の設定温度より低く設定した第2の設定温度であり、推定温度の誤差±5℃以上第1の設定温度から離れるようにし、例えば、第1の設定温度を50℃に設定したとき、第2の設定温度、すなわち、スタート温度は40℃に設定する。
【0057】
一般に電気部品の発熱は電流がその電気部品に流れることによって発生するジュール熱により生じる。その電気部品の単位時間当たりの発熱量の算出には、電流の2乗に比例した抵抗損失とその他の発熱量(還流ダイオードに流れる電流によるもの)を算出し、その和を計算して総発熱量を計算する。
【0058】
本発明の電動パワーステアリング装置の温度推定部では、温度推定計算において電気部品の総発熱量の算出を初めに計算する。そのとき、単位時間当たりの発熱量qcが電気部品に流れる電流の単純な一次関数にすることを特徴としCPUの負荷を軽減している。電気部品の単位時間当たりの総発熱量をより正確に算出する場合は、電気部品に流れる電流に対する発熱量を電流の大きさの所定区間の範囲毎で異なる一次関数により対応付けることにより誤差を少なくすることもできる。
【0059】
図7は、温度推定部43の具体例を示す構成図である。温度推定部43は、図示しないECU内に設けられ、CPU60とメモリ61を備えた構成となっている。メモリ61には、温度センサ出力電圧対温度データテーブル記憶領域62と損失係数記憶領域64と放熱定数記憶領域65と発熱量記憶領域66とスタート温度記憶領域67と発熱量積算値記憶領域68とモータ温度推定プログラム記憶領域70が設けられている。また、メモリ61には、推定温度記憶領域76と実測温度記憶領域77と推定温度上昇値記憶領域78が設けられている。
【0060】
また、入力インターフェース部71と出力インターフェース部72とCPU60とメモリ61は、バス73,74,75により接続されている。入力インターフェース部71には、モータ電流検出部25から出力されるモータ電流信号Imと温度センサ27から出力される電圧信号VT1が入力され、出力インターフェース部72からは、推定温度信号Tmcと発熱量WHが出力される。
【0061】
温度センサ出力電圧対温度データテーブル記憶領域62は、温度センサの出力電圧に対応する温度データを記憶する領域である。損失係数記憶領域64はモータ電流から温度を推定するときの損失係数を記憶するための領域である。放熱定数記憶領域65はモータ電流から温度を推定するときの放熱定数を記憶するための領域である。発熱量記憶領域66は、モータ電流から求めた単位時間当たりの発熱量と放熱量との差WHを記憶する領域である。発熱量積算値記憶領域68は、発熱量と放熱量の差WHの積分値を求めるときに積算した発熱量と放熱量の差を記憶する領域である。スタート温度記憶領域67は第2の設定温度を記憶する領域である。推定温度記憶領域76は、得られた推定温度Tmcを記憶する領域である。実測温度記憶領域77は、温度センサにより出力される電圧に基づいて得られた温度を記憶する領域である。温度推定プログラム記憶領域70は、温度推定処理を行うための処理プログラムが記憶されている領域である。
【0062】
図8と図9は温度推定部43での処理プログラムのフローチャートである。まず、イグニッションスイッチがオンにされると、温度推定部43では、温度推定プログラムが実行される。初期設定が完了されたかどうか判断する(ステップST10)。もし、初期設定が完了されていなければ、安定待ち終了かどうか判断する(ステップST11)。安定待ち終了でなければ、ステップST11を繰り返し実行し、安定待ち終了であれば、温度推定部43に入力インターフェース71を介して温度センサ27からの電圧信号VT1とモータ電流信号Imが入力される(ステップST12)。また、ステップST10で初期設定が完了しているならば、ステップST12を実行し、推定温度算出処理を実行する(ステップST13)。
【0063】
図9は、推定温度算出処理(ステップST13)を示す処理フローチャートである。CPU60は、モータ電流の絶対値を計算し(ステップST14)、モータ電流の絶対値が所定値(例えば9A)以上かどうか判断する(ステップST15)。その判断で、モータ電流の絶対値が所定値より小さいならば、放熱定数記憶領域65から放熱定数としてYW(例えば22W)を取り出し(ステップST16)、モータ電流が所定値以上ならば、放熱定数にXW(例えば9W)を取り出す(ステップST17)。次に、モータ電流の絶対値と損失係数との積から放熱定数を引くことにより単位時間当たりの発熱量qhと放熱量qcの差を計算する(ステップST18)。その求めた単位時間当たりの発熱量qhと放熱量qcの差WHを発熱量記憶領域66に記憶する。次に、単位時間当たりの発熱量qhと放熱量qcの差WHを発熱開始時刻t0、すなわち、モータ電流がゼロではなくなった時刻から時刻tまで単位時間当たりの発熱量qhと放熱量qcの差を積算し、積分値ΣWHを求める(ステップST19)。その積分値を熱容量Cで割ることにより、上昇温度DTを算出する(ステップST20)。CPU60は、スタート温度記憶領域67から、スタート温度を読み出し、その値と温度上昇値DTの和を求めることにより、推定温度Tを計算、推定温度記憶領域76に記憶する(ステップST21)。このようにして求めた推定温度Tは推定温度信号Tmcとして、出力インターフェース72から出力される(ステップST22)。また、発熱量WHを出力する(ステップST23)。そして、メインルーチンにリターンする。
【0064】
次に、イグニッションスイッチがオンかどうか判断し(ステップST24)、オフであるときは終了し、オンであるときは、次のステップST25を実行する。
【0065】
ステップST25では、CPU60は、発熱量記憶領域66から単位時間当たりの発熱量と放熱量の差を読み出し、ゼロより小さいかどうか判断する(ステップST25)。もし、単位時間当たりの発熱量と放熱量の差がゼロより小さくないならば、再初期化カウンタをクリアし(ステップST26)、ステップST10から再び実行する。もし、ステップST25で単位時間当たりの発熱量と放熱量の差がゼロより小さいならば、CPU60は、推定温度記憶領域76から推定温度を読み出し、また、実測温度記憶領域から実測温度(センサ温度)を読み出し、推定温度が実測温度より低いかどうかを判断する(ステップST27)。もし、低くなければ、ステップST26に行き、再初期化カウンタをクリアし、ステップST10から再び実行する。もし、ステップST27で推定温度が実測温度よりも低いならば、この推定温度が実測温度よりも低い状態になってからカウントしているタイマーが規定時間以上かどうかを判断する(ステップST28)。規定時間経過していなければ、経過時間を更新し(ステップST29)、ステップST10から再び実行する。もし、規定時間経過したならば、発熱量積算値記憶領域をクリアする(ステップST30)。その後、再初期化カウンタをクリアし(ステップST26)、再び、ステップST10から実行する。
【0066】
次に、仮想温度算出部44について詳細に説明する。
【0067】
通常のパワーデバイスの制御では、使用デバイスの温度が仕様範囲内になるように出力を制限する。したがって、使用する環境温度が低いときにはその分だけデバイスの温度上昇の時間が遅くなり、作動制限のかかるまでの時間が長くなる。本発明では、環境温度が所定の温度よりも低い場合に、その温度までの偏差をオフセット値として、計算し、常に所定の温度以上からスタートするようにする。つまり第1の設定温度(例えば50℃)以下からスタートする場合は常に第1の設定温度(50℃)からスタートするようにオフセット値が計算される。スタートが第1の設定温度(50℃)以上ではオフセット値はゼロとなりその温度からスタートする。
【0068】
このことを図10を用いて説明する。図10は、実際のスタート時点での温度を横軸にとり、縦軸は制御上のスタート時点の温度を示す。直線L10は、第1の設定温度(この例では50℃)とし、点線L11は、スタート時点の温度センサからの温度を示す。直線L12は、第1の設定温度以上での実際のスタート時点での温度と制御上のスタート時点の温度の関係を示す。温度センサによる温度が第1の設定温度(50℃)以下では、すべて第1の設定温度(50℃)から開始するようにし、第1の設定温度と温度センサからの温度との差をオフセット値とする。温度センサからの温度が第1の設定温度(50℃)以上のときには、制御上のスタート時点の温度と温度センサとの差がゼロであるのでオフセット値ゼロとする。
【0069】
仮想温度Timagは、温度センサの検出温度に基づいて次のようにして求められる。システムの作動開始時の駆動装置ヒートシンク温度(温度センサの検出温度)が第1の設定温度(例えば50℃)以下の場合には、その作動開始時の温度センサによって測定される検出温度の第1の設定温度からの差をオフセット値Toffとし、以後の温度センサの検出温度にオフセット値Toffを加えた値を仮想温度(Timag)として使用する。システムの作動開始時の駆動装置ヒートシンク温度(温度センサの検出温度)が第1の設定温度以上の場合には、以後の温度センサの検出温度を仮想温度Timagとして使用する。例えば、作動開始時の温度が45℃の場合、第1の設定温度が50℃であったときオフセット値は5℃である。このとき、操作中に60℃になった場合は仮想温度Timagは65℃となる。システムの作動開始後のオフセットの計算は発熱状態のスタートを判断したとき、すなわち発熱量が正になった時点がスタートとなり、その時点での第1の設定温度と温度センサの検出温度との差がオフセット値となる。
【0070】
具体的には、オフセット値の再セットは次のようにして行う。推定温度Tmcが温度センサの検出温度より小さく、発熱量がゼロより小さい状態が所定時間(例えば5秒間)継続したとき、温度センサの検出温度をオフセット値を計算するための温度Tinとする。オフセット値は、第1の設定温度から温度Tinを引いた値として求める。また、このオフセット値が負値の場合は、オフセット値をゼロとする。さらに、オフセット値が、前回の再セット時のオフセット値より小さくなる場合には、前回の再セット時のオフセット値から所定の割合で今回のオフセット値になるまで減少させる。この所定の割合は、ケースの放熱特性で変わる値であり、例えば、この例では60秒間に1℃の割合で設定する。
【0071】
図11は、仮想温度算出部44の具体例を示す構成図である。この具体例では、作業開始温度算出部44aと温度オフセット計算部44bとオフセット値変化下限処理部44cと仮想温度計算部44dのそれぞれの機能を、一つのCPUとメモリを有するマイクロコンピュータにより実現する。仮想温度算出部44は、図示しないECU内に設けられ、CPU80とメモリ81を備えた構成となっている。メモリ81には、温度センサ出力電圧対温度データテーブル記憶領域82と推定温度記憶領域83と発熱量記憶領域84と初期温度記憶領域85と実測温度記憶領域86と第1の設定温度記憶領域87とオフセット値記憶領域88と仮想温度記憶領域89と仮想温度算出プログラム記憶領域90が設けられている。
【0072】
また、入力インターフェース部91と出力インターフェース部92とCPU80とメモリ81は、バス93,94,95により接続されている。入力インターフェース部91には、温度推定部43から出力される推定温度信号Tmcと発熱量信号WHと温度センサ27から出力される電圧信号VT1が入力され、出力インターフェース部92からは、仮想温度信号Timagsが出力される。
【0073】
温度センサ出力電圧対温度データテーブル記憶領域82は、温度センサの出力電圧に対応する温度データを記憶する領域である。推定温度記憶領域83は、温度推定部43から入力された推定温度Tmcを記憶する領域である。発熱量記憶領域84は、温度推定部43から入力されたモータ電流から求めた単位時間当たりの発熱量と放熱量との差WHを記憶する領域である。初期温度記憶領域85は再セット時の温度センサ27によって検出される温度を記憶する領域である。実測温度記憶領域86は、温度センサ27により出力される電圧VT1に基づいて得られた温度を記憶する領域である。第1の設定温度記憶領域87は、オフセット値を計算するときに用いる第1の設定温度を記憶する領域である。オフセット値記憶領域88は、再セット時に求めたオフセット値を記憶する領域である。仮想温度記憶領域89は、計算された仮想温度Timagを記憶する領域である。仮想温度算出プログラム記憶領域90は、仮想温度算出処理を行うための処理プログラムが記憶されている領域である。
【0074】
図12〜図14は仮想温度算出部での処理プログラムのフローチャートである。まず、イグニッションスイッチがオンにされると、仮想温度算出部44では、仮想温度算出プログラムが実行される。イグニッションスイッチオン後、所定時間経過したかを判断する(ステップST40)。もし、所定時間経過していなければ、ステップST40を繰り返す。所定時間経過したならば、入力インターフェース91を介して温度センサ27からの電圧信号VT1と温度推定部43からの推定温度信号Tmcと発熱量WHが入力される(ステップST41)。電圧信号VT1より温度センサ27での温度を求め、実測温度記憶領域86に記憶する(ステップST42)。推定温度信号に基づいて推定温度Tmcを推定温度記憶領域83に記憶する(ステップST43)。発熱量信号に基づいて発熱量WHを発熱量記憶領域に記憶する(ステップST44)。第1の設定温度からの実測温度Tinの差を求め、その差Toffをオフセット値記憶領域88に記憶する(ステップST45)。次にイグニッションスイッチオフかどうか判断する(ステップST46)。イグニッションスイッチがオフであるならば、処理プログラムは終了する。イグニッションスイッチがオンであるならば、入力インターフェース91を介して温度センサ27からの電圧信号VT1と温度推定部43からの推定温度信号Tmcと発熱量WHが入力される(ステップST47)。電圧信号VT1より温度センサ27での温度を求め、実測温度記憶領域86に記憶する(ステップST48)。推定温度信号Tmcに基づいて推定温度Tmを推定温度記憶領域83に記憶する(ステップST49)。発熱量信号に基づいて発熱量WHを発熱量記憶領域84に記憶する(ステップST50)。推定温度Tmが実測温度より低いかどうか判断する(ステップST51)。もし、推定温度が実測温度以上の場合は、タイムカウンタをクリアして、ステップST66を実行する。もし、推定温度が実測温度より小さい場合は、発熱量WHがゼロより小さいかどうか判断する(ステップST52)。もし、発熱量WHがゼロ以上のときには、タイムカウンタをクリアして、ステップST66を実行する。もし、発熱量WHがゼロより小さいときには、タイムカウンタTに1サイクルタイム加算する(ステップST53)。次に、タイムカウンタの値が所定の時間(例えば5秒)になったかどうか判断する(ステップST54)。所定の時間より小さければ、ステップST66を実行する。もし、所定の時間(例えば5秒)に達したら、第1の設定温度とそのときの実測温度との差を求め、今回オフセット値記憶領域88aに記憶する(ステップST55)。今回オフセット値が負の値かどうか判断する(ステップST56)。今回オフセット値が負の値のときには、オフセット値記憶領域88にゼロを記憶させる(ステップST57)。そして、ステップST66を実行する。今回オフセット値がゼロ以上の場合は、今回オフセット値と前回オフセット値記憶領域88bの値の差Doffを求める(ステップST58)。その差Doffがゼロ以上かどうか判断する(ステップST59)。その差Doffがゼロ以上のときには、その今回オフセット値をオフセット値として記憶させる(ステップST60)。その差Doffが負の値のときには、タイムカウンタTにサイクルタイムを加算する(ステップST61)。前回オフセット値から所定の割合(1℃/60秒)とタイムTとの積を減算した値Toffsを求める(ステップST62)。Toffsが今回オフセット値より大きいかどうか判断する(ステップST63)。Toffsの方が大きいときには、Toffsをオフセット値と記憶させる(ステップST64)。ステップST66を実行。Toffsの方が今回オフセット値以下になったら、今回オフセット値をオフセット値として記憶させる(ステップST65)。実測温度にオフセット値を加算して仮想温度Timagを求め(ステップST66)、仮想温度Timagを出力する(ステップST67)。
【0075】
図15は、出力制限部45の具体例を示す構成図である。この具体例では、図6で示した出力制限検索部45aとレシオ変化上限処理部45bと出力制限電流算出部45cのそれぞれの機能は、一つのCPUとメモリを有するマイクロコンピュータにより実現させる構成として説明する。出力制限部44は、図示しないECU内に設けられ、CPU100とメモリ101を備えた構成となっている。メモリ101には、温度対出力制限係数データテーブル記憶領域102と出力制限処理プログラム記憶領域103が設けられている。
【0076】
また、入力インターフェース部104と出力インターフェース部105とCPU100とメモリ101は、バス106,107,108により接続されている。入力インターフェース部104には、目標電流最終決定部39から出力される目標電流IT’と仮想温度算出部44から出力される仮想温度信号Timagsと温度推定部43からの推定温度信号Tmcが入力され、出力インターフェース部105からは、最終目標電流ITが出力される。
【0077】
温度対出力制限係数データテーブル記憶領域102は、温度に対する出力制限係数を記憶させる領域である。出力制限処理プログラム記憶領域103は、出力制限処理を行うための処理プログラムが記憶されている領域である。図16は、温度対出力制限係数データテーブルを示すグラフである。横軸は、温度であり、縦軸は目標電流に掛ける出力制限係数Rを示す。出力制限係数Rは、温度が所定の温度以下では1であるが、温度が所定の温度以上になったとき、温度の増加に伴い、1から減少する。例えば、図16では、温度が60℃以下の温度では、出力制限係数は1であり、60℃以上では、ある傾きの直線でLAで減少し、さらに、80℃以上では直線LAの傾きよりも急な傾きの直線LBで減少するようにしている。このような出力制限係数を目標電流IT’に掛けることにより、出力制限部44は、制限された目標電流ITを出力することができる。
【0078】
図17は、出力制限処理プログラムに基づく処理のフローチャートである。まず、出力制限部45の入力インターフェース部104を通して目標電流IT’と仮想温度算出部44からの仮想温度信号Timagsと温度推定部43からの推定温度信号Tmcが入力される(ステップST70)。CPU100は、仮想温度Timagと推定温度Tmを比較する(ステップST71)。もし、仮想温度Timagが推定温度Tm以上のときには、仮想温度Timagに基づいて、その温度に対応する出力制限係数Rを検索する(ステップST72)。また、推定温度Tmの方が仮想温度Timagより高いときには、推定温度信号Tmcに基づいて、その温度に対応する出力制限係数Rを検索する(ステップST73)。CPU100は、出力制限係数Rの値と目標電流IT’との積を求め(ステップST74)。その積を出力インターフェース105を通して出力する(ステップST75)。そしてリターンする。
【0079】
次に、上記で説明した電動パワーステアリング装置における動作を図18、図19を用いて説明する。図18は、温度センサ27が正常であるときの仮想温度Timagと推定温度Tmの時間変化を示す。第1の設定温度は50℃に設定し、第2の設定温度は40℃に設定している。曲線Aは推定温度Tmの時間変化を示し、曲線Bは仮想温度Timagの時間変化を示す。また、直線Cは出力制限開始温度であり、直線Dは、第2出力制限温度である。なお、この例では、図16で示すような温度に対する出力制限係数の特性を有すもので出力制限を行っている。すなわち、温度が60℃以下の場合は、出力係数1であり、制限せず、温度が60℃になったら、第1の出力制限を開始し、温度80℃までは、直線LAで出力制限係数は減少し、第2の出力制限の80℃以上では、直線LBで出力制限係数を変化させる。温度センサが正常なときは、仮想温度Timagは50℃から上昇し、時間が経過し、60℃に達したら、第一の出力制限がかかり、それにより、温度の上昇率が減少して、温度が増加する。そして、温度80℃以上では、さらに、出力制限がかかり、より温度上昇は少なくなっていることが分かる。推定温度Tmは40℃から上昇し、仮想温度Timagが60℃で制限された時点で、推定温度Tmも制限され、温度上昇率が減少して増加する。また、80℃で仮想温度Timagが制限された時点で、仮想温度Timagも上昇率が減少していることが分かる。このように、仮想温度Timagは50℃以上から始まるため、通常は仮想温度Timagが推定温度Tmよりも高く、通常の制御は、仮想温度Timagによって行われることが分かる。図19は、温度センサ27が異常であるときの仮想温度Timagと推定温度Tmの時間変化を示す。温度センサ27が異常のときは、曲線Fのように、仮想温度Timagは、若干温度は上昇するがほとんど変化しない。しかし、推定温度Tmは上昇し、推定温度Tmが60℃以上のときは、制限がかかり上昇率が減少する。さらに、推定温度Tmが80℃になったとき第2の出力制限がかかり、上昇率が減少する。このように、温度センサに異常があり、仮想温度Tmが上昇しない場合、推定温度Tmは上昇し、推定温度Tmにより出力制限がかかる。以上の動作により仮想温度Timagと推定温度Tmのうち高い方の温度によって出力制限された目標電流ITが制御部30に出力される。
【0080】
次に本発明に係る第2の実施形態を説明する。第2の実施形態では、温度センサ27の上昇温度によって出力制限を行う。すなわち、温度センサ27の上昇温度(検出温度)から得られる仮想温度Timagによって出力制限を行う。
【0081】
図20は、温度推定部43と仮想温度算出部44と出力制限部45の詳細なブロック図である。仮想温度算出部44は、作業開始温度算出部44aと温度オフセット計算部44bとオフセット値変化下限処理部44cと仮想温度計算部44dから成る。出力制限部45は、出力制限検索部45aとレシオ変化上限処理部45bと出力制限電流算出部45cから成る。この実施形態では、温度センサ27からの検出温度に基づいて出力制限を行い、推定温度Tmは、温度センサ27からの検出温度に基づいて仮想温度Timagを算出するときに用い、出力制限には用いない。それぞれのブロックの構成は第1の実施形態と同様であるが、出力制限部45への入力が第1の実施形態と異なり目標電流IT’と仮想温度信号Timagsであるため、出力制限部の処理プログラムについて説明し、他の説明は省略する。
【0082】
図21は、出力制限処理プログラムに基づく処理のフローチャートである。まず、出力制限部45の入力インターフェース部104を通して目標電流IT’と仮想温度信号Timagsが入力される(ステップST80)。CPU100は、メモリ101の記憶領域から瞬時に入力されたその仮想温度Timagに対応する出力制限係数Rを検索する(ステップST81)。CPU100は、出力制限係数Rと目標電流IT’との積ITを求め(ステップST82)。その積ITを出力インターフェース105を通して出力する(ステップST83)。そして、リターンする。
【0083】
以上の動作により温度によって出力制限された目標電流が制御部に出力される。このように、第2の実施形態によれば、発熱体の温度検知手段と、発熱体の温度推定手段と、所定の条件によって算出されたオフセット値によって、そのオフセット値を加算した仮想温度を作り、その仮想温度で作動制限を実施するため、作動する環境温度が変わっても作動する時間が大幅に増大することがない。電動パワーステアリング装置に接続されているデバイスは、最大作業時間がそれぞれの作動環境で定められている。したがって、作動制限時間のばらつきがこれらの最大作動時間以内に制御されることにより、過熱防止処理が軽減されコストが軽減される。
【0084】
なお、第2の実施形態において、出力制限部に仮想温度信号を入力することにより、仮想温度に基づいて出力制限を行うことについて説明したが、出力制限部に推定温度信号を入力することにより、推定温度に基づいて出力制限を行うようにしても良い。
【0085】
また、第1の実施形態と第2の実施形態において、温度推定部43での処理を実行するCPUと、仮想温度算出部44での処理を実行するCPUと、出力制限部45での処理を実行するCPUをそれぞれ別々のCPUを使用して説明したが、一つのCPUで共有して実行するようにしても良い。
【0086】
さらに、本実施形態においては、この出力制限方法を電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、電動パワーステアリング装置以外の装置でモータを用いて駆動する装置での出力制限方法として適用することもできる。
【0087】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0088】
モータに流れる電流を検知することにより、電動パワーステアリング装置の温度を推定し、その推定温度と、温度センサの検出温度から得られる仮想温度のうち高い方に基づいてモータの出力制限を行うため、電動パワーステアリング装置における駆動回路などの発熱体の過熱を確実に防止し、駆動回路などの発熱体の過熱から確実に保護することができる。
【0089】
温度センサの上昇温度によって出力制限を行うため、環境温度が異なるそれぞれの部位がある電動パワーステアリング装置においても確実に過熱防止をすることができ、また、その処理が簡単化されコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の模式構造図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御装置を示す図である。
【図3】温度センサの取り付け位置を示す図である。
【図4】目標電流決定部のブロック構成図である。
【図5】制御部のブロック構成図である。
【図6】温度推定部と仮想温度算出部と出力制限部の詳細なブロック図である。
【図7】温度推定部の具体例を示す構成図である。
【図8】温度推定プログラムの処理フローチャートである。
【図9】温度推定プログラムの処理フローチャートである。
【図10】オフセット値の説明図である。
【図11】仮想温度算出部の具体例を示す構成図である。
【図12】仮想温度算出プログラムの処理フローチャートである。
【図13】仮想温度算出プログラムの処理フローチャートである。
【図14】仮想温度算出プログラムの処理フローチャートである。
【図15】出力制限部の具体例を示す構成図である。
【図16】温度対出力制限係数データテーブルを示すグラフである。
【図17】出力制限処理プログラムの処理フローチャートである。
【図18】温度センサが正常のときの仮想温度と推定温度の時間変化を示すグラフである。
【図19】温度センサが異常のときの仮想温度と推定温度の時間変化を示すグラフである。
【図20】第2の実施形態での温度推定部と仮想温度算出部と出力制限部の詳細なブロック図である。
【図21】出力制限処理プログラムの処理フローチャートである。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリング軸
13 連結軸
15 ピニオン機構
16 手動操舵トルク発生機構
17 ラック軸
18 タイロッド
19 前輪
20 モータ
21 ボールねじ機構
22 手動操舵トルク検出部
23 車速センサ
24 制御装置
25 モータ電流検出部
26 モータ電圧検出部
27 温度センサ
29 目標電流決定部
30 制御部
43 温度推定部
44 仮想温度算出部
45 出力制限部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an output limiting method for an electric power steering device that is a system that generates a large amount of self-heating.
[0002]
[Prior art]
The electric power steering device includes a motor in a steering system, and controls the power supplied from the motor by using a control device to reduce the steering force of the driver.
[0003]
In the electric power steering device, depending on the steering method, a large current continuously flows through the motor via the switching element, and there is a high possibility that the switching element and the motor are damaged by heat generated by resistance loss. In order to avoid the damage of the switching element and the motor due to such heat generation, Patent Document 1 discloses an electric power steering device in which each temperature of the switching element and the motor is detected by a temperature sensor and the current value is limited. It has been disclosed.
[0004]
In the technology disclosed in Patent Document 1, a temperature sensor is used to prevent a drive circuit used in an electric power steering device from being overheated and to protect the drive circuit from being overheated. It is configured to measure the temperature of the hottest part or the part that correlates to that temperature, limits the output according to that temperature, and operates to prevent overheating of the heating element I do. However, in this case, since an abnormality of the temperature sensor is not detected, there is a problem that an appropriate current limitation is not performed when the temperature sensor becomes abnormal.
[0005]
Therefore, Patent Document 2 discloses a means for solving the above-described problem, and the means includes an electric motor that generates an assist force for a turning operation of a steering wheel by passing a current according to a driving state of a vehicle. In an electric power steering device for a vehicle equipped with a motor, a temperature detecting means for detecting a temperature of a portion generating heat by a current and an estimated temperature of the portion generating a heat obtained based on a current value of a current supplied to the electric motor. A temperature condition determining means for determining whether or not the value has changed by a predetermined value or more, and a temperature detected by the temperature detecting means when it is determined that the value corresponding to the estimated temperature of the heat generating portion has changed by a predetermined value or more. When the temperature does not change as described above, there is provided an abnormality determination unit that determines that the temperature detection unit is abnormal.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-2-92781
[Patent Document 2]
JP 2001-130432 A
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional technique disclosed in Patent Document 1 has a problem that it is not determined whether the temperature sensor has failed. Further, in the related art disclosed in Patent Document 2, although means for determining whether the temperature sensor is abnormal based on the estimated temperature is provided, the motor output based on the temperature sensor or the temperature estimating means is provided. There was no disclosure of a method to limit this. Further, in the related art, since the output of the electric power steering device is limited in accordance with the temperature measured by the temperature sensor, the time until the output is limited in accordance with the environmental temperature at the position where the temperature sensor is mounted greatly changes. . The electric power steering device has a plurality of heat generating parts such as a motor, a motor driving device, a harness, a connector, and the like, and their environmental temperatures are different. Therefore, if the time until the output is limited greatly increases depending on the position where the temperature sensor is attached, there may be a portion that overheats.Therefore, a temperature sensor is attached to each portion, and the temperature estimation is performed for each portion. For example, it is necessary to perform the operation on a part, which causes a problem that the system becomes complicated and the cost increases.
[0008]
An object of the present invention is to solve the above-described problem, estimate the temperature of the device in a low-cost, uncomplicated system, and output the motor output based on the temperature detected by the temperature sensor or the temperature estimated by the temperature estimating means. It is an object of the present invention to provide a method for limiting the output of an electric power steering device which limits the output.
[0009]
Means and action for solving the problem
An output limiting method for an electric power steering apparatus according to the present invention is configured as follows to achieve the above object.
[0010]
A first electric power steering device output limiting method (corresponding to claim 1) is an electric power steering device in which an output of a motor is limited by a temperature detected by a temperature sensor attached to a part of the electric power steering device. In the method of limiting the output of the steering device, the temperature of the electric power steering device is estimated by detecting the current flowing through the motor, and based on the higher of the estimated temperature and the virtual temperature obtained from the temperature detected by the temperature sensor. It is characterized by limiting the output of the motor.
[0011]
According to the first electric power steering device output limiting method, the temperature of the electric power steering device is estimated by detecting the current flowing through the motor, and the virtual temperature obtained from the estimated temperature and the temperature detected by the temperature sensor. The motor output is limited based on the higher of the two, so that overheating of a heating element such as a drive circuit in an electric power steering device can be reliably prevented, and protection from overheating of a heating element such as a drive circuit can be ensured. .
[0012]
A second output limiting method for an electric power steering device (corresponding to claim 2) is an electric power steering device in which an output of a motor is limited by a temperature detected by a temperature sensor attached to a part of the electric power steering device. A method of limiting the output of a steering device is characterized in that the output is limited by the temperature rise of a temperature sensor.
[0013]
According to the second method for limiting the output of the electric power steering device, the output is limited by the temperature rise of the temperature sensor. Therefore, it is possible to reliably prevent overheating even in the electric power steering device having each part having a different environmental temperature. In addition, the processing can be simplified and the cost can be reduced.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0015]
FIG. 1 is a schematic structural diagram of an electric power steering device according to an embodiment of the present invention. In the electric power steering apparatus 10, a steering shaft 12 provided integrally with a steering wheel (handle) 11 is connected to a pinion 15 a of a rack and pinion mechanism 15 via a connection shaft 13 having universal joints 13 a and 13 b. Thus, the manual steering torque generating mechanism 16 is configured.
[0016]
The rack shaft 17 having rack teeth 17a meshing with the pinion 15a and reciprocating after being converted in the axial direction by these meshing is connected to left and right front wheels 19 as rolling shafts at both ends via tie rods 18. I have. By operating the steering wheel 11, the driver can change the direction of the vehicle by swinging the front wheels via the manual steering torque generating mechanism 16 and a normal rack and pinion type steering device.
[0017]
In order to reduce the steering torque generated by the manual steering torque generating mechanism 16, a motor 20 for supplying an assist torque (steering assist torque) is disposed coaxially with the rack shaft 17, for example, so as to be substantially parallel to the rack shaft 17. The assist torque supplied by the rotational movement from the motor 20 via the provided ball screw mechanism 21 is converted into a force for the linear movement and acts on the rack shaft 17.
[0018]
The rotor of the motor 20 is integrally provided with a drive-side helical gear 20a. The helical gear 20a meshes with a helical gear 21b provided integrally with the shaft end of the screw shaft 21a of the ball screw mechanism 21. The nut of the ball screw mechanism 21 is connected to the rack shaft 17.
[0019]
FIG. 2 is a diagram illustrating a control device of the electric power steering device. In FIG. 1, a manual steering torque detector 22 for detecting a manual steering torque T acting on the pinion 15a is provided in a steering gear box (not shown). The manual steering torque detector 22 converts the detected manual steering torque T into a manual steering torque detection signal Td, and inputs the converted manual steering torque detection signal Td to the control device 24. The vehicle is also provided with a vehicle speed sensor 23 that detects a vehicle speed signal v corresponding to the vehicle speed, and inputs the vehicle speed signal v to the control device 24.
[0020]
Further, the electric power steering device 10 is provided with a motor current detecting unit 25 as shown in FIG. The motor current detection unit 25 includes a resistor or the like connected in series to the motor 20, and detects the magnitude and direction of the motor current IM actually flowing through the motor 20. Then, the motor current detection unit 25 inputs a motor current signal Im corresponding to the motor current IM to the control device 24.
[0021]
Further, the electric power steering device 10 is provided with a motor voltage detector 26 as shown in FIG. The motor voltage detector 26 detects the voltage at both ends of the motor 20, and detects the magnitude and direction of the motor voltage VM actually applied to the motor 20. Then, the motor voltage detection unit 26 inputs the motor voltage signal Vm corresponding to the motor voltage VM to the control device 24.
[0022]
The control device 24 of the electric power steering device 10 is provided with a temperature sensor 27. FIG. 3 shows a mounting position of the temperature sensor. The temperature sensor 27 is provided on a heat sink 32 that is in contact with the substrate 31 on which the control unit 30 is provided. The temperature sensor 27 is fixed with a metal fitting or the like to transmit heat, and further attached to the heat sink 32 with a screw or the like. The temperature sensor 27 outputs a signal corresponding to the temperature of the heat sink 32 as a voltage signal VT1, and inputs the voltage signal VT1 to the control device 24.
[0023]
The control device 24 receives the detection signals Td, v, Im, Vm, and VT1 of the manual steering torque detection unit 22, the vehicle speed sensor 23, the motor current detection unit 25, the motor voltage detection unit 26, and the temperature sensor 27. Then, the control device 24 determines the magnitude and direction of the motor current IM flowing to the motor 20 based on the detection signals Td, v, Im, Vm, and VT1, performs the operation of the motor, and outputs the motor. Power (steering assist torque) is controlled.
[0024]
The control device 24 receives the detection signals from the manual steering torque detection unit 22, the vehicle speed sensor 23, the motor current detection unit 25, the motor voltage detection unit 26, the temperature sensor 27, and the like as analog signals. An analog signal is converted into a digital signal by the conversion unit, and is taken into each CPU.
[0025]
The control device 24 includes a target current determination unit 29 and a control unit 30. The target current determination unit 29 determines a target assist torque based on the manual steering torque detection signal Td, the vehicle speed signal v, the motor current signal Im, and the motor voltage signal Vm, and is necessary to supply the target assist torque from the motor 20. The target current signal IT is output. At this time, the target current signal IT whose output is limited based on the voltage signal VT1 from the first temperature sensor 27 and the estimated temperature signal Tmc obtained from the motor current signal Im is output.
[0026]
FIG. 4 is a block diagram of the target current determination unit 29. The target current determination unit 29 mainly includes a motor rotation speed calculation unit 33, a base current calculation unit 34, an inertia compensation current calculation unit 35, a damper compensation current calculation unit 36, an inertia compensation unit 37, a damper compensation unit 38, and a target current final It comprises a determining unit 39, a low-pass filter 40, a phase compensating unit 41, a high-pass filter 42, a temperature estimating unit 43, a virtual temperature calculating unit 44, and an output limiting unit 45.
[0027]
The motor rotation speed calculation unit 33 receives the motor current signal Im from the motor current detection unit 25 and the motor voltage signal Vm from the motor voltage detection unit 26, and outputs a motor rotation speed signal Nm to the damper compensation current calculation unit 36. .
[0028]
The base current calculator 34 receives the steering torque signal Td from the manual steering torque detector 22 through the low-pass filter 40, and receives the steering torque signal Ts phase-compensated by the phase compensator 41 and the vehicle speed signal V from the vehicle speed sensor 23. And outputs the target current signal IMS to the inertia compensator 37. The base current calculation unit 34 addresses the steering torque signal Ts and the vehicle speed signal V based on data corresponding to the steering torque signal Ts and the vehicle speed signal V and the target current signal IMS which are set in advance based on experimental values or design values. And reads the corresponding target current signal IMS. The target current signal IMS is a signal including information on a current serving as a reference when setting a target motor current to be supplied to the motor 20.
[0029]
The inertia compensation current calculation unit 35 is for performing an inertia compensation current calculation process for calculating a current for canceling the moment of inertia of the motor and the system, and calculates the steering torque signal Td from the manual steering torque detection unit 22. The signal Tl passing through the low-pass filter 40 and the steering torque signal Th passing the signal Tl through the high-pass filter 42 and the vehicle speed signal V from the vehicle speed sensor 23 are input, and the inertia compensation unit 37 outputs an inertia compensation signal IS. First, the inertia compensation current calculation unit 35 differentiates the steering torque signals Th and Tl with time to calculate the time differential value of the steering torque. Then, the inertia compensation current calculation unit 35 calculates a time differential value of the steering torque based on a time differential value of the steering torque set in advance based on an experimental value or a design value and data corresponding to the vehicle speed signal V and the inertia compensation signal IS. The corresponding inertia correction signal IS is read using the value and the vehicle speed signal V as addresses.
[0030]
The damper compensation current calculation unit 36 is for calculating a current for limiting the rotation of the motor, and includes a motor rotation speed signal Nm from the motor rotation speed calculation unit 33, a vehicle speed signal V from the vehicle speed sensor 23, and a steering torque signal. Tl is input, and a damper compensation signal DS is output to the damper compensation unit 38.
[0031]
The inertia compensation unit 37 receives the target current signal IMS from the base current calculation unit 34 and the inertia compensation signal IS from the inertia compensation current calculation unit 35, and outputs a compensation target current signal IMS ′ to the damper compensation unit 38.
[0032]
The damper compensation unit 38 receives the compensation target current signal IMS ′ from the inertia compensation unit 37 and the damper compensation signal DS from the damper compensation current calculation unit 36, and outputs the compensation target current signal IMS ″ to the target current final decision unit 39. Output.
[0033]
The target current final determiner 39 receives the compensated target current signal IMS ″ from the damper compensator 38 and the phase-compensated steering torque signal Ts from the phase compensator 41, and outputs a target current signal IT ′.
[0034]
The temperature estimating unit 43 receives the motor current signal Im and the voltage signal VT1 from the temperature sensor 27 as inputs, estimates the temperature of the control unit 30, and converts the estimated temperature signal Tmc into the virtual temperature calculating unit 44, as described later in detail. Is output to the output limiting unit 45.
[0035]
The virtual temperature calculation unit 44 receives the estimated temperature signal Tmc and the voltage signal VT1 from the temperature sensor 27 as inputs, and calculates a virtual temperature Timag based on the voltage signal VT1 from the temperature sensor 27, as described in detail later. The virtual temperature signal Timags related to Timag is output to the output limiting unit 45.
[0036]
The output limiter 45 includes a target current IT ′ from the target current final determiner 39, a virtual temperature signal Timags from the virtual temperature calculator 44, and an estimated temperature signal Tmc output from the temperature estimator 43, as described later in detail. Is used as an input signal, the target current IT ′ is limited by the higher one of the virtual temperature Timag and the estimated temperature Tm, and is output as the final target current IT.
[0037]
FIG. 5 is a block diagram of the control unit 30. The control unit 30 includes a motor operation control unit 46, a motor drive unit 47, and a motor current detection unit 25.
[0038]
The motor operation control unit 46 includes a feedback (F / B) control unit 48, a feedforward (F / F) control unit 49, and a PWM signal generation unit 50. The feedback control unit 48 includes a deviation calculation unit 51 and a deviation current control unit 52.
[0039]
The deviation calculation unit 51 calculates a deviation between the target current signal IT output from the target current determination unit 29 and the motor current signal Im from the motor current detection unit 25, and outputs the value as a deviation signal 51a.
[0040]
The deviation current control unit 52 includes a proportional element, an integral element, and an addition operation unit. The deviation current control unit 52 outputs a signal 51a ′ obtained by performing proportional processing on the input deviation signal 51a using the proportional element, and performing integration processing using the integral element. 51a '' is output, and the addition operation unit adds the signal 51a 'and the signal 51a''to generate and output a deviation current control signal 52a, which is a duty ratio signal, such that the value of the deviation signal 51a approaches zero. .
[0041]
The feedforward control section 49 is for generating and outputting a feedforward control element, and includes a feedforward proportional element 53, a limiter 54, and an addition operation section 55. The feedforward proportional element 53 outputs an F / F signal 53a proportional to the input target current signal IT by an arbitrary F / F gain (Kff), and the limiter 54 determines whether the F / F signal 53a has a predetermined value. If the value is within the range, the signal is output as it is, and if the value is outside the predetermined range, a signal having an arbitrary constant value is output with restriction.
[0042]
That is, if the value of the target current signal IT input to the feedforward proportional element 53 is within a predetermined range, the limiter 54 of the feedforward control unit 49 sets the target current signal at the F / F gain. A duty ratio signal having a value proportional to IT is output. If the value is outside a predetermined range, a duty ratio signal having an arbitrary constant value is output. The output signal of the limiter 54 will be referred to as a feedforward control signal 54a.
[0043]
The addition operation unit 55 adds the feedforward control signal 54a output from the limiter 54 to the deviation current control signal 52a output from the deviation current control unit 52, and performs PWM control of the motor current supplied to the motor 20 based on the value. It is output as a final output duty ratio signal 55a that determines the duty ratio of the PWM signal.
[0044]
The PWM signal generation section 50 generates a PWM (pulse width modulation) signal for PWM driving the motor 20 based on the final output duty ratio signal 55a, and outputs the generated PWM signal as a drive control signal 50a. This PWM signal 50a is a signal having a duty ratio determined by the final output duty ratio signal 55a.
[0045]
The motor drive section 47 shown in FIG. 5 includes a gate drive circuit section 56 and a motor drive circuit 57 in which four power field effect transistors are connected in an H-bridge circuit configuration. The gate drive circuit unit 56 selects two field-effect transistors in accordance with the steering direction of the steering wheel 11 based on the drive control signal (PWM signal) 50a, and drives the gates of the selected two field-effect transistors to drive these. The switching operation of the field effect transistor is performed.
[0046]
The motor current detector 25 detects a value IM of a motor current (armature current) flowing through the motor 20 from a voltage generated across the shunt resistor 58 connected in series to the motor drive circuit 57 and outputs a motor current signal Im. I do.
[0047]
As described above, the control device 24 PWM-controls the current supplied from the battery power source 59 to the motor 20 based on the manual steering torque T detected by the manual steering torque detection unit 22, the vehicle speed V, the motor current IM, and the motor voltage IV. And the power output from the motor 20 (steering assist torque).
[0048]
As shown in FIG. 5, the control device 24 calculates the value IM of the motor current that actually flows through the motor 20 from the voltage generated at both ends of the shunt resistor 58 connected in series with the motor drive circuit 57 in the control unit 30. The control characteristic of the motor 20 is improved by detecting the current signal Im and performing feedback control based on the motor current signal Im.
[0049]
Further, the control unit 24 inputs the target current signal IT to the feedforward proportional element 53 in the control unit 30, and adds the feedforward control signal 54a output from the limiter 54 to the deviation current control signal 52a by the addition operation unit 55. As a result, the control characteristics of the motor 20 are further improved by performing the feedforward control.
[0050]
Next, the temperature estimating unit 43, the virtual temperature calculating unit 44, and the output limiting unit 45 provided in the present invention will be described in detail. FIG. 6 is a detailed block diagram of the temperature estimating unit 43, the virtual temperature calculating unit 44, and the output limiting unit 45. The temperature estimating unit 43 estimates the temperature of the control unit 30 from the motor current Im detected by the motor current detecting unit 25. The virtual temperature calculator 44 includes a work start temperature calculator 44a, a temperature offset calculator 44b, an offset value change lower limit processor 44c, and a virtual temperature calculator 44d, and calculates a virtual temperature based on the temperature detected by the temperature sensor. The work start temperature calculator 44a calculates the temperature at the start of work. The temperature offset calculator 44b calculates an offset value that is a difference between the work start temperature and a first set temperature described later. As described later, the offset value change lower limit processing unit 44c performs processing at the stage of shifting the offset value to the current offset value when the offset value obtained at the time of resetting is smaller than the previous offset value. The virtual temperature calculator 44d calculates a virtual temperature. The output limiting unit 45 includes an output limiting searching unit 45a, a ratio change upper limit processing unit 45b, and an output limiting current calculating unit 45c, and the estimated temperature Tmc estimated by the temperature estimating unit 43 and the virtual temperature calculated by the virtual temperature calculating unit 44. The target current IT ′ of the motor current Im flowing to the motor 20 of the electric power steering device 10 is limited based on the higher one of the temperatures Timag. The output restriction search unit 45a searches for an output restriction coefficient corresponding to the higher one of the estimated temperature Tmc and the virtual temperature Timag. The ratio change upper limit processing unit 45b limits the change rate of the output limit to prevent a sudden assist change. The output limiting current calculator 45c calculates a current whose output is limited based on the output limiting coefficient.
[0051]
The principle of temperature estimation in the temperature estimation unit 43 of the electric power steering device according to the present invention will be described. The temperature rise value DT at the time t when the heating is continued from the heat generation start time t0 in the object M that generates heat is the difference between the heat generation amount qh per unit time and the heat release amount qc per unit time from the heat generation start time t0. It is expressed by a formula obtained by integrating the time integrated until time t by the heat capacity C of the object M.
[0052]
(Equation 1)
Figure 2004268671
[0053]
Here, for the sake of simplicity, the heat radiation amount per unit time qc may be used in the calculation as a fixed value determined by the heat radiation characteristic value of the object M, but generally, the heat radiation amount per unit time qc is the temperature of the object M. Since the temperature varies depending on the difference (T-TE) between T and the outside air temperature TE, the accuracy is improved when the temperature difference (T-TE) is used as a parameter. Therefore, the temperature rise value DT may be used as a parameter as it is, or if the ambient temperature (outside air temperature) TE of the object M is known, the difference (T-TE) from the ambient temperature is used as a parameter. For example, if the temperature difference is not so large, Newton's law of cooling holds, and the amount of heat an object loses per unit time due to radiation is proportional to the temperature difference between the object and its surroundings.
[0054]
Using the equation (1), the temperature of the object M at the time t is estimated as the estimated temperature T represented by the equation (2).
[0055]
(Equation 2)
Estimated temperature T = start temperature TS + temperature rise value DT (2)
[0056]
Here, the start temperature TS is a second set temperature set lower than a first set temperature when a virtual temperature to be described later is obtained, and is different from the first set temperature by an estimated temperature error ± 5 ° C or more. For example, when the first set temperature is set to 50 ° C., the second set temperature, that is, the start temperature is set to 40 ° C.
[0057]
Generally, heat generation of an electric component is caused by Joule heat generated when a current flows through the electric component. To calculate the heat value per unit time of the electrical component, calculate the resistance loss proportional to the square of the current and the other heat value (depending on the current flowing through the freewheeling diode), calculate the sum, and calculate the total heat value. Calculate the amount.
[0058]
In the temperature estimating unit of the electric power steering apparatus according to the present invention, the calculation of the total heat value of the electric component is first calculated in the temperature estimating calculation. At this time, the heat generation amount per unit time qc is a simple linear function of the current flowing through the electric component, and the load on the CPU is reduced. When the total heat generation per unit time of the electric component is more accurately calculated, the error is reduced by associating the heat generation with respect to the current flowing through the electric component with a linear function that is different for each predetermined range of the current magnitude. You can also.
[0059]
FIG. 7 is a configuration diagram illustrating a specific example of the temperature estimation unit 43. The temperature estimating unit 43 is provided in an ECU (not shown) and includes a CPU 60 and a memory 61. The memory 61 includes a temperature sensor output voltage versus temperature data table storage area 62, a loss coefficient storage area 64, a heat radiation constant storage area 65, a heat generation amount storage area 66, a start temperature storage area 67, a heat generation amount integrated value storage area 68, and a motor. A temperature estimation program storage area 70 is provided. Further, the memory 61 is provided with an estimated temperature storage area 76, an actually measured temperature storage area 77, and an estimated temperature rise value storage area 78.
[0060]
The input interface unit 71, the output interface unit 72, the CPU 60, and the memory 61 are connected by buses 73, 74, and 75. The input interface unit 71 receives the motor current signal Im output from the motor current detection unit 25 and the voltage signal VT1 output from the temperature sensor 27. The output interface unit 72 outputs the estimated temperature signal Tmc and the heat generation WH. Is output.
[0061]
The temperature sensor output voltage versus temperature data table storage area 62 is an area for storing temperature data corresponding to the output voltage of the temperature sensor. The loss coefficient storage area 64 is an area for storing a loss coefficient when estimating the temperature from the motor current. The heat radiation constant storage area 65 is an area for storing a heat radiation constant when estimating the temperature from the motor current. The heat generation amount storage area 66 is an area for storing a difference WH between the heat generation amount per unit time calculated from the motor current and the heat release amount. The calorific value integrated value storage area 68 is an area for storing the difference between the calorific value and the heat radiation amount that is integrated when calculating the integral value of the difference WH between the calorific value and the heat radiation amount. The start temperature storage area 67 is an area for storing the second set temperature. The estimated temperature storage area 76 is an area for storing the obtained estimated temperature Tmc. The measured temperature storage area 77 is an area for storing the temperature obtained based on the voltage output from the temperature sensor. The temperature estimation program storage area 70 is an area in which a processing program for performing the temperature estimation processing is stored.
[0062]
8 and 9 are flowcharts of a processing program in the temperature estimating unit 43. First, when the ignition switch is turned on, the temperature estimating unit 43 executes a temperature estimating program. It is determined whether the initialization has been completed (step ST10). If the initialization has not been completed, it is determined whether or not the stabilization wait has ended (step ST11). If the waiting for stability is not completed, step ST11 is repeatedly executed. If the waiting for stability is completed, the voltage signal VT1 and the motor current signal Im from the temperature sensor 27 are input to the temperature estimating unit 43 via the input interface 71 ( Step ST12). If the initial setting is completed in step ST10, step ST12 is executed, and an estimated temperature calculation process is executed (step ST13).
[0063]
FIG. 9 is a processing flowchart showing the estimated temperature calculation processing (step ST13). The CPU 60 calculates the absolute value of the motor current (step ST14), and determines whether the absolute value of the motor current is equal to or more than a predetermined value (for example, 9A) (step ST15). If it is determined that the absolute value of the motor current is smaller than the predetermined value, YW (for example, 22 W) is taken out from the heat dissipation constant storage area 65 as the heat dissipation constant (step ST16). XW (for example, 9W) is taken out (step ST17). Next, the difference between the heat release amount qh and the heat release amount qc per unit time is calculated by subtracting the heat radiation constant from the product of the absolute value of the motor current and the loss coefficient (step ST18). The difference WH between the obtained heat value qh per unit time and the heat release value qc is stored in the heat value storage area 66. Next, the difference WH between the heat generation amount qh per unit time and the heat radiation amount qc is represented by the heat generation start time t0, that is, the difference between the heat generation amount qh per unit time and the heat radiation amount qc from the time when the motor current is no longer zero to time t. Are integrated to obtain an integral value ΣWH (step ST19). The temperature rise DT is calculated by dividing the integral value by the heat capacity C (step ST20). The CPU 60 reads the start temperature from the start temperature storage area 67, calculates the sum of the value and the temperature rise value DT, calculates the estimated temperature T, and stores it in the estimated temperature storage area 76 (step ST21). The estimated temperature T thus obtained is output from the output interface 72 as the estimated temperature signal Tmc (step ST22). Further, the heat generation amount WH is output (step ST23). Then, the process returns to the main routine.
[0064]
Next, it is determined whether or not the ignition switch is on (step ST24). If the ignition switch is off, the process ends. If it is on, the next step ST25 is executed.
[0065]
In step ST25, the CPU 60 reads the difference between the heat generation amount and the heat release amount per unit time from the heat release amount storage area 66, and determines whether the difference is smaller than zero (step ST25). If the difference between the heat generation amount and the heat release amount per unit time is not smaller than zero, the reinitialization counter is cleared (step ST26), and the process is executed again from step ST10. If the difference between the heat generation amount and the heat release amount per unit time is smaller than zero in step ST25, the CPU 60 reads the estimated temperature from the estimated temperature storage area 76, and reads the measured temperature (sensor temperature) from the measured temperature storage area. Is read, and it is determined whether or not the estimated temperature is lower than the actually measured temperature (step ST27). If not, the process goes to step ST26, clears the reinitialization counter, and executes again from step ST10. If the estimated temperature is lower than the actually measured temperature in step ST27, it is determined whether the timer counting after the estimated temperature has become lower than the actually measured temperature is equal to or longer than a specified time (step ST28). If the specified time has not elapsed, the elapsed time is updated (step ST29), and the process is executed again from step ST10. If the specified time has elapsed, the heat generation amount accumulated value storage area is cleared (step ST30). Thereafter, the re-initialization counter is cleared (step ST26), and the process is executed again from step ST10.
[0066]
Next, the virtual temperature calculator 44 will be described in detail.
[0067]
In normal control of a power device, output is limited so that the temperature of a device to be used is within a specification range. Therefore, when the environmental temperature to be used is low, the time for the temperature rise of the device is delayed by that much, and the time until the operation is restricted is lengthened. According to the present invention, when the environmental temperature is lower than a predetermined temperature, a deviation up to the predetermined temperature is calculated as an offset value, and the operation is always started from a predetermined temperature or higher. That is, when starting from the first set temperature (for example, 50 ° C.) or lower, the offset value is calculated so as to always start from the first set temperature (50 ° C.). If the start is equal to or higher than the first set temperature (50 ° C.), the offset value becomes zero and the operation starts from that temperature.
[0068]
This will be described with reference to FIG. FIG. 10 shows the temperature at the actual start time on the horizontal axis, and the vertical axis shows the temperature at the control start time. A straight line L10 indicates the first set temperature (50 ° C. in this example), and a dotted line L11 indicates the temperature from the temperature sensor at the start. A straight line L12 indicates a relationship between the temperature at the actual start time above the first set temperature and the temperature at the control start time. When the temperature measured by the temperature sensor is equal to or lower than the first set temperature (50 ° C.), the temperature is started from the first set temperature (50 ° C.), and the difference between the first set temperature and the temperature from the temperature sensor is set as an offset value And When the temperature from the temperature sensor is equal to or higher than the first set temperature (50 ° C.), the offset value is set to zero because the difference between the temperature at the start of control and the temperature sensor is zero.
[0069]
The virtual temperature Timag is obtained as follows based on the temperature detected by the temperature sensor. If the drive device heat sink temperature (temperature detected by the temperature sensor) at the start of operation of the system is equal to or lower than a first set temperature (for example, 50 ° C.), the first temperature detected by the temperature sensor at the start of operation of the system. Is set as the offset value Toff, and the value obtained by adding the offset value Toff to the temperature detected by the subsequent temperature sensor is used as the virtual temperature (Timag). If the drive device heat sink temperature (the temperature detected by the temperature sensor) at the start of the system operation is equal to or higher than the first set temperature, the temperature detected by the subsequent temperature sensor is used as the virtual temperature Timag. For example, when the temperature at the start of the operation is 45 ° C., the offset value is 5 ° C. when the first set temperature is 50 ° C. At this time, if the temperature reaches 60 ° C. during the operation, the virtual temperature Timag becomes 65 ° C. The calculation of the offset after the start of operation of the system starts when the start of the heat generation state is determined, that is, when the heat generation amount becomes positive, and the difference between the first set temperature and the temperature detected by the temperature sensor at that time is calculated. Is the offset value.
[0070]
Specifically, resetting of the offset value is performed as follows. When the state in which the estimated temperature Tmc is lower than the temperature detected by the temperature sensor and the amount of heat generation is smaller than zero continues for a predetermined time (for example, 5 seconds), the temperature detected by the temperature sensor is set as the temperature Tin for calculating the offset value. The offset value is obtained as a value obtained by subtracting the temperature Tin from the first set temperature. If the offset value is a negative value, the offset value is set to zero. Further, when the offset value becomes smaller than the offset value at the time of the previous resetting, the offset value is decreased at a predetermined rate from the offset value at the time of the previous resetting to the current offset value. The predetermined ratio is a value that changes depending on the heat radiation characteristics of the case. For example, in this example, the predetermined ratio is set at 1 ° C. for 60 seconds.
[0071]
FIG. 11 is a configuration diagram illustrating a specific example of the virtual temperature calculation unit 44. In this specific example, the functions of the work start temperature calculator 44a, the temperature offset calculator 44b, the offset value change lower limit processor 44c, and the virtual temperature calculator 44d are realized by a microcomputer having one CPU and a memory. The virtual temperature calculation unit 44 is provided in an ECU (not shown) and has a configuration including a CPU 80 and a memory 81. The memory 81 includes a temperature sensor output voltage versus temperature data table storage area 82, an estimated temperature storage area 83, a heating value storage area 84, an initial temperature storage area 85, an actually measured temperature storage area 86, and a first set temperature storage area 87. An offset value storage area 88, a virtual temperature storage area 89, and a virtual temperature calculation program storage area 90 are provided.
[0072]
The input interface unit 91, the output interface unit 92, the CPU 80, and the memory 81 are connected by buses 93, 94, and 95. The input interface section 91 receives the estimated temperature signal Tmc output from the temperature estimating section 43, the heat generation signal WH, and the voltage signal VT1 output from the temperature sensor 27, and the output interface section 92 outputs the virtual temperature signal Timags. Is output.
[0073]
The temperature sensor output voltage versus temperature data table storage area 82 is an area for storing temperature data corresponding to the output voltage of the temperature sensor. The estimated temperature storage area 83 is an area for storing the estimated temperature Tmc input from the temperature estimating unit 43. The heat generation amount storage area 84 is an area for storing a difference WH between the heat generation amount per unit time and the heat release amount calculated from the motor current input from the temperature estimating unit 43. The initial temperature storage area 85 is an area for storing the temperature detected by the temperature sensor 27 at the time of resetting. The measured temperature storage area 86 is an area for storing a temperature obtained based on the voltage VT1 output from the temperature sensor 27. The first set temperature storage area 87 is an area for storing a first set temperature used when calculating an offset value. The offset value storage area 88 is an area for storing an offset value obtained at the time of resetting. The virtual temperature storage area 89 is an area for storing the calculated virtual temperature Timag. The virtual temperature calculation program storage area 90 is an area in which a processing program for performing a virtual temperature calculation process is stored.
[0074]
12 to 14 are flowcharts of a processing program in the virtual temperature calculator. First, when the ignition switch is turned on, the virtual temperature calculation section 44 executes a virtual temperature calculation program. After turning on the ignition switch, it is determined whether a predetermined time has elapsed (step ST40). If the predetermined time has not elapsed, step ST40 is repeated. When the predetermined time has elapsed, the voltage signal VT1 from the temperature sensor 27, the estimated temperature signal Tmc from the temperature estimating unit 43, and the heat generation amount WH are input via the input interface 91 (step ST41). The temperature at the temperature sensor 27 is determined from the voltage signal VT1 and stored in the measured temperature storage area 86 (step ST42). The estimated temperature Tmc is stored in the estimated temperature storage area 83 based on the estimated temperature signal (step ST43). The calorific value WH is stored in the calorific value storage area based on the calorific value signal (step ST44). The difference between the actually measured temperature Tin from the first set temperature is determined, and the difference Toff is stored in the offset value storage area 88 (step ST45). Next, it is determined whether or not the ignition switch is off (step ST46). If the ignition switch is off, the processing program ends. If the ignition switch is on, the voltage signal VT1 from the temperature sensor 27, the estimated temperature signal Tmc from the temperature estimating unit 43, and the heat generation amount WH are input via the input interface 91 (step ST47). The temperature at the temperature sensor 27 is determined from the voltage signal VT1 and stored in the measured temperature storage area 86 (step ST48). The estimated temperature Tm is stored in the estimated temperature storage area 83 based on the estimated temperature signal Tmc (step ST49). The calorific value WH is stored in the calorific value storage area 84 based on the calorific value signal (step ST50). It is determined whether or not the estimated temperature Tm is lower than the actually measured temperature (step ST51). If the estimated temperature is equal to or higher than the actually measured temperature, the time counter is cleared and step ST66 is executed. If the estimated temperature is lower than the actually measured temperature, it is determined whether or not the heating value WH is lower than zero (step ST52). If the heating value WH is equal to or greater than zero, the time counter is cleared and step ST66 is executed. If the heating value WH is smaller than zero, one cycle time is added to the time counter T (step ST53). Next, it is determined whether the value of the time counter has reached a predetermined time (for example, 5 seconds) (step ST54). If it is shorter than the predetermined time, step ST66 is executed. If the predetermined time (for example, 5 seconds) has been reached, the difference between the first set temperature and the actually measured temperature at that time is obtained and stored in the current offset value storage area 88a (step ST55). It is determined whether the current offset value is a negative value (step ST56). If the current offset value is a negative value, zero is stored in the offset value storage area 88 (step ST57). Then, step ST66 is executed. If the current offset value is equal to or greater than zero, a difference Doff between the current offset value and the value of the previous offset value storage area 88b is obtained (step ST58). It is determined whether the difference Doff is equal to or greater than zero (step ST59). If the difference Doff is equal to or greater than zero, the current offset value is stored as an offset value (step ST60). When the difference Doff is a negative value, the cycle time is added to the time counter T (step ST61). A value Toffs is obtained by subtracting a product of a predetermined ratio (1 ° C./60 seconds) and the time T from the previous offset value (step ST62). It is determined whether Toffs is greater than the current offset value (step ST63). When Toffs is larger, Toffs is stored as an offset value (step ST64). Execute step ST66. When Toffs becomes smaller than or equal to the current offset value, the current offset value is stored as an offset value (step ST65). The virtual temperature Timag is obtained by adding the offset value to the measured temperature (step ST66), and the virtual temperature Timag is output (step ST67).
[0075]
FIG. 15 is a configuration diagram illustrating a specific example of the output limiting unit 45. In this specific example, the functions of the output limit search unit 45a, the ratio change upper limit processing unit 45b, and the output limit current calculation unit 45c shown in FIG. 6 are realized by a microcomputer having one CPU and a memory. I do. The output limiting unit 44 is provided in an ECU (not shown) and has a configuration including a CPU 100 and a memory 101. The memory 101 is provided with a temperature vs. output restriction coefficient data table storage area 102 and an output restriction processing program storage area 103.
[0076]
The input interface unit 104, the output interface unit 105, the CPU 100, and the memory 101 are connected by buses 106, 107, and 108. The input interface unit 104 receives the target current IT ′ output from the target current final determination unit 39, the virtual temperature signal Timags output from the virtual temperature calculation unit 44, and the estimated temperature signal Tmc from the temperature estimation unit 43, The output interface unit 105 outputs a final target current IT.
[0077]
The temperature versus output limiting coefficient data table storage area 102 is an area for storing an output limiting coefficient for temperature. The output restriction processing program storage area 103 is an area in which a processing program for performing the output restriction processing is stored. FIG. 16 is a graph showing a temperature versus output limiting coefficient data table. The horizontal axis represents the temperature, and the vertical axis represents the output limiting coefficient R multiplied by the target current. The output limiting coefficient R is 1 when the temperature is equal to or lower than the predetermined temperature, but decreases from 1 as the temperature increases when the temperature becomes equal to or higher than the predetermined temperature. For example, in FIG. 16, when the temperature is 60 ° C. or less, the output limiting coefficient is 1, and when the temperature is 60 ° C. or more, it decreases at a certain straight line with LA, and when it is 80 ° C. or more, it becomes smaller than the slope of the straight line LA. It decreases on a straight line LB with a steep slope. By multiplying the target current IT ′ by such an output restriction coefficient, the output restriction unit 44 can output the restricted target current IT.
[0078]
FIG. 17 is a flowchart of processing based on the output restriction processing program. First, the target current IT ′, the virtual temperature signal Timags from the virtual temperature calculation unit 44, and the estimated temperature signal Tmc from the temperature estimation unit 43 are input through the input interface unit 104 of the output limiting unit 45 (step ST70). The CPU 100 compares the virtual temperature Timag with the estimated temperature Tm (step ST71). If the virtual temperature Timag is equal to or higher than the estimated temperature Tm, an output limiting coefficient R corresponding to the virtual temperature Timag is searched based on the virtual temperature Timag (step ST72). If the estimated temperature Tm is higher than the virtual temperature Timag, an output limiting coefficient R corresponding to the temperature is searched based on the estimated temperature signal Tmc (step ST73). CPU 100 obtains the product of the value of output limiting coefficient R and target current IT '(step ST74). The product is output through the output interface 105 (step ST75). And return.
[0079]
Next, the operation of the electric power steering apparatus described above will be described with reference to FIGS. FIG. 18 shows a temporal change in the virtual temperature Timag and the estimated temperature Tm when the temperature sensor 27 is normal. The first set temperature is set to 50 ° C., and the second set temperature is set to 40 ° C. A curve A shows a temporal change of the estimated temperature Tm, and a curve B shows a temporal change of the virtual temperature Timag. Further, a straight line C is the output limit start temperature, and a straight line D is the second output limit temperature. Note that, in this example, the output is limited by having an output limiting coefficient characteristic with respect to temperature as shown in FIG. That is, when the temperature is 60 ° C. or less, the output coefficient is 1 and the output coefficient is not limited. When the temperature reaches 60 ° C., the first output limit is started. Is reduced, and the output limit coefficient is changed along the straight line LB when the second output limit is 80 ° C. or more. When the temperature sensor is normal, the virtual temperature Timag rises from 50 ° C., and after a lapse of time, when 60 ° C. is reached, the first output limit is applied, whereby the rate of temperature rise decreases and the temperature rises. Increase. When the temperature is 80 ° C. or higher, the output is further restricted, and the temperature rise is further reduced. The estimated temperature Tm rises from 40 ° C., and when the virtual temperature Timag is limited to 60 ° C., the estimated temperature Tm is also limited, and the temperature rise rate decreases and increases. Also, at the point in time when the virtual temperature Timag is limited at 80 ° C., it can be seen that the rate of increase in the virtual temperature Timag also decreases. As described above, since the virtual temperature Timag starts from 50 ° C. or higher, the virtual temperature Timag is usually higher than the estimated temperature Tm, and it can be seen that normal control is performed by the virtual temperature Timag. FIG. 19 shows a temporal change in the virtual temperature Timag and the estimated temperature Tm when the temperature sensor 27 is abnormal. When the temperature sensor 27 is abnormal, as indicated by the curve F, the virtual temperature Timag slightly increases but hardly changes. However, the estimated temperature Tm rises, and when the estimated temperature Tm is 60 ° C. or higher, the restriction is imposed and the rate of increase decreases. Further, when the estimated temperature Tm reaches 80 ° C., the second output restriction is applied, and the rate of increase decreases. As described above, when the temperature sensor is abnormal and the virtual temperature Tm does not increase, the estimated temperature Tm increases and the output is limited by the estimated temperature Tm. By the above operation, the target current IT whose output is limited by the higher one of the virtual temperature Timag and the estimated temperature Tm is output to the control unit 30.
[0080]
Next, a second embodiment according to the present invention will be described. In the second embodiment, the output is limited by the temperature rise of the temperature sensor 27. That is, the output is limited by the virtual temperature Timag obtained from the temperature rise (detection temperature) of the temperature sensor 27.
[0081]
FIG. 20 is a detailed block diagram of the temperature estimating unit 43, the virtual temperature calculating unit 44, and the output limiting unit 45. The virtual temperature calculator 44 includes a work start temperature calculator 44a, a temperature offset calculator 44b, an offset value change lower limit processor 44c, and a virtual temperature calculator 44d. The output limiting unit 45 includes an output limiting searching unit 45a, a ratio change upper limit processing unit 45b, and an output limiting current calculating unit 45c. In this embodiment, the output is limited based on the temperature detected from the temperature sensor 27, and the estimated temperature Tm is used when calculating the virtual temperature Timag based on the temperature detected from the temperature sensor 27. Not in. The configuration of each block is the same as that of the first embodiment. However, unlike the first embodiment, the input to the output limiting unit 45 is the target current IT ′ and the virtual temperature signal Timags. The program will be described, and other description will be omitted.
[0082]
FIG. 21 is a flowchart of processing based on the output restriction processing program. First, the target current IT ′ and the virtual temperature signal Timags are input through the input interface unit 104 of the output limiting unit 45 (step ST80). The CPU 100 searches the storage area of the memory 101 for the output limiting coefficient R corresponding to the virtual temperature Timag that is instantaneously input (step ST81). CPU 100 obtains product IT of output limiting coefficient R and target current IT '(step ST82). The product IT is output through the output interface 105 (step ST83). And it returns.
[0083]
By the above operation, the target current whose output is limited by the temperature is output to the control unit. As described above, according to the second embodiment, the virtual temperature obtained by adding the offset value to the heating element temperature detecting means, the heating element temperature estimating means, and the offset value calculated based on the predetermined condition is generated. Since the operation is restricted at the virtual temperature, the operation time does not greatly increase even if the operating environment temperature changes. The device connected to the electric power steering device has a maximum working time defined in each operating environment. Therefore, by controlling the variation of the operation limit time within these maximum operation times, the overheating prevention process is reduced and the cost is reduced.
[0084]
In the second embodiment, the description has been given of the case where the output temperature is limited based on the virtual temperature by inputting the virtual temperature signal to the output limiting unit. However, by inputting the estimated temperature signal to the output limiting unit, The output may be limited based on the estimated temperature.
[0085]
In the first embodiment and the second embodiment, the CPU executing the processing in the temperature estimating unit 43, the CPU executing the processing in the virtual temperature calculating unit 44, and the processing in the output limiting unit 45 Although the CPUs to be executed have been described using different CPUs, they may be shared and executed by one CPU.
[0086]
Further, in the present embodiment, the case where this output limiting method is applied to an electric power steering device has been described. However, this output limiting method may be applied as an output limiting method for a device driven by a motor other than the electric power steering device. You can also.
[0087]
【The invention's effect】
As apparent from the above description, the present invention has the following effects.
[0088]
By detecting the current flowing through the motor, the temperature of the electric power steering device is estimated, and the output of the motor is limited based on the higher of the estimated temperature and the virtual temperature obtained from the temperature detected by the temperature sensor. In the electric power steering apparatus, overheating of a heating element such as a drive circuit can be reliably prevented, and protection from overheating of a heating element such as a drive circuit can be reliably achieved.
[0089]
Since the output is limited by the temperature rise of the temperature sensor, overheating can be reliably prevented even in an electric power steering device having various parts with different environmental temperatures, and the processing is simplified and the cost is reduced. Can be.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic structural diagram of an electric power steering device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a control device of the electric power steering device according to the embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing a mounting position of a temperature sensor.
FIG. 4 is a block diagram of a target current determination unit.
FIG. 5 is a block diagram of a control unit.
FIG. 6 is a detailed block diagram of a temperature estimating unit, a virtual temperature calculating unit, and an output limiting unit.
FIG. 7 is a configuration diagram illustrating a specific example of a temperature estimating unit.
FIG. 8 is a processing flowchart of a temperature estimation program.
FIG. 9 is a processing flowchart of a temperature estimation program.
FIG. 10 is an explanatory diagram of an offset value.
FIG. 11 is a configuration diagram illustrating a specific example of a virtual temperature calculation unit.
FIG. 12 is a processing flowchart of a virtual temperature calculation program.
FIG. 13 is a processing flowchart of a virtual temperature calculation program.
FIG. 14 is a processing flowchart of a virtual temperature calculation program.
FIG. 15 is a configuration diagram illustrating a specific example of an output limiting unit.
FIG. 16 is a graph showing a temperature versus output limiting coefficient data table.
FIG. 17 is a processing flowchart of an output restriction processing program.
FIG. 18 is a graph showing a temporal change in the virtual temperature and the estimated temperature when the temperature sensor is normal.
FIG. 19 is a graph showing a temporal change in the virtual temperature and the estimated temperature when the temperature sensor is abnormal.
FIG. 20 is a detailed block diagram of a temperature estimating unit, a virtual temperature calculating unit, and an output limiting unit according to the second embodiment.
FIG. 21 is a processing flowchart of an output restriction processing program.
[Explanation of symbols]
10 Electric power steering device
11 Steering wheel
12 Steering axis
13 Connecting shaft
15 Pinion mechanism
16 Manual steering torque generation mechanism
17 Rack axis
18 Tie rod
19 Front wheel
20 motor
21 Ball screw mechanism
22 Manual steering torque detector
23 Vehicle speed sensor
24 Control device
25 Motor current detector
26 Motor voltage detector
27 Temperature sensor
29 Target current determination unit
30 control unit
43 Temperature estimation unit
44 Virtual temperature calculator
45 Output limiter

Claims (2)

電動パワーステアリング装置の一部に取り付けられた温度センサが検出する温度によって、モータの出力を制限するようにした電動パワーステアリング装置の出力制限方法において、
前記モータに流れる電流を検知することにより、前記電動パワーステアリング装置の温度を推定し、その推定温度と、前記温度センサの検出温度から得られる仮想温度のうち高い方に基づいて前記モータの出力制限を行うことを特徴とする電動パワーステアリング装置の出力制限方法。
In an output limiting method for an electric power steering device, the output of a motor is limited by a temperature detected by a temperature sensor attached to a part of the electric power steering device.
Estimating the temperature of the electric power steering device by detecting the current flowing through the motor, and limiting the output of the motor based on the higher of the estimated temperature and the virtual temperature obtained from the temperature detected by the temperature sensor. And a method for limiting the output of the electric power steering device.
電動パワーステアリング装置の一部に取り付けられた温度センサが検出する温度によって、モータの出力を制限するようにした電動パワーステアリング装置の出力制限方法において、
前記温度センサの上昇温度によって出力制限を行うことを特徴とする電動パワーステアリング装置の出力制限方法。
In an output limiting method for an electric power steering device, the output of a motor is limited by a temperature detected by a temperature sensor attached to a part of the electric power steering device.
An output limiting method for an electric power steering device, wherein an output is limited by a rise temperature of the temperature sensor.
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