JP2004267950A - 有機物含有汚泥の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】下水汚泥を炭化処理して得た炭化物が貯蔵中等に自己発熱によって燃え出すのを未然に防止することを目的とする。
【解決手段】排水処理等で生じた有機物含有の汚泥を炭化炉で炭化処理し、その炭化物を低温酸化雰囲気で酸化処理することによって炭化物の表面酸化反応を予め収束させておき、後の貯蔵中等に炭化物が低温酸化反応による自己発熱によって燃焼を誘発するのを未然に防止する。また汚泥がCa,Al等の金属成分を含有する汚泥である場合、炭化物に対し水添処理を行って金属成分の水和による発熱を予め終了させておき、後の貯蔵中等に炭化物が水和反応を起して温度上昇するのを防止する。尚、水添処理は炭化物の発熱を水の潜熱により抑制する効果もある。
【選択図】 なし
【解決手段】排水処理等で生じた有機物含有の汚泥を炭化炉で炭化処理し、その炭化物を低温酸化雰囲気で酸化処理することによって炭化物の表面酸化反応を予め収束させておき、後の貯蔵中等に炭化物が低温酸化反応による自己発熱によって燃焼を誘発するのを未然に防止する。また汚泥がCa,Al等の金属成分を含有する汚泥である場合、炭化物に対し水添処理を行って金属成分の水和による発熱を予め終了させておき、後の貯蔵中等に炭化物が水和反応を起して温度上昇するのを防止する。尚、水添処理は炭化物の発熱を水の潜熱により抑制する効果もある。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、下水汚泥で代表される有機物含有汚泥の処理方法に関し、詳しくは汚泥を炭化炉で乾留処理により炭化して炭化物とする工程を含む有機物含有汚泥の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭等から排出される有機物含有の排水は一般に下水処理施設で活性汚泥法等により排水処理される。
この排水処理に伴って有機汚泥が発生するが、排水処理量の増加とともに有機汚泥の発生量も年々増加し、その処理処分が大きな問題になっている。
【0003】
有機汚泥を処分するに際し、その有機汚泥には99%程度の水が含まれていてそのままでは処分できず、そこで減量化のために濃縮及び脱水処理したり、或いは更に焼却したり溶融したりするなど様々な処理が現在施されている。
しかしながら汚泥を焼却或いは溶融処理すると多量のエネルギーを消費し、処理コストが高いものとなる。
そこでエネルギー消費の少ない有機汚泥の減量化処理の1つの方法として、汚泥を乾留処理により炭化することが提案されている(例えば下記特許文献1〜4)。
【0004】
この炭化処理は、汚泥が基質中に炭素分を45重量%程度含んでいることから、焼却,溶融処理のように汚泥中の炭素分を消費してしまうのではなく、汚泥を無酸素或いは低酸素状態で熱分解(炭化)することにより炭素分を残留させ、新しい組成を持つ炭化物として生成させるものである。
【0005】
図11はその炭化処理のプロセスの一例を示している。
図中200の汚泥ケーキは汚泥を脱水した後の含水率65〜80%程度の脱水ケーキで、受入ホッパ202,定量供給装置204を経て乾燥機206へと投入され、そこで乾燥処理が行われる。
尚208は熱風炉であって、この熱風炉208から熱風が乾燥機206に供給される。
【0006】
210は炭化炉であって、炉体212の内部に回転ドラム214が設けられている。
前段で乾燥処理された汚泥はこの回転ドラム214内に投入され、先ず炉体212内部に配設された助燃バーナ216による雰囲気加熱によって加熱される。すると汚泥中に含まれている可燃ガスが、回転ドラム214に設けたパイプ218から雰囲気中に抜け出し、そしてその可燃ガスが着火して以後は汚泥から抜け出した可燃ガスの燃焼によって回転ドラム214内部の汚泥の加熱が行われる。尚この段階では助燃バーナ216は燃焼停止される。
【0007】
回転ドラム214内部の汚泥は、図中左端の投入口から回転ドラム214の回転とともに漸次右方向に移って行き(回転ドラム214には若干の勾配が設けてある)、そして最終的に乾留残渣(炭化物)220が回転ドラム214の図中右端の排出口、つまり炭化炉210から排出される。
【0008】
この炭化処理にて生成した炭化物は物性的には木炭に近い性状を有するものであり、現在園芸用土壌,融雪剤等に利用されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−37644号公報
【特許文献2】
特開平11−33599号公報
【特許文献3】
特開平11−37645号公報
【特許文献4】
特開平11−37656号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして製造された炭化物は一旦貯蔵所に貯蔵される。
ところがその貯蔵中に炭化物が燃え出してしまうことのあることが判明した。その理由は、炭化物が自己発熱性を有し、貯蔵中にその自己発熱によって炭化物が温度上昇し、その温度が一定温度を超えることによって燃焼が生じるものと考えられる。
【0011】
炭化物は上記のように木炭に近い性状を有するものであり、将来様々な用途の拡大が期待されるものであるが、そのためには貯蔵中に燃え出すようなことがあってはならず、その問題を解決することが必要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機物含有汚泥の処理方法は、このような事情を背景としてなされたものである。
而して請求項1の処理方法は、有機物含有の汚泥を炭化炉で炭化処理し、その炭化物を低温酸化雰囲気で酸化処理することを特徴とする。
【0013】
請求項2の処理方法は、請求項1において、前記汚泥が排水処理で生じた有機汚泥であることを特徴とする。
【0014】
請求項3の処理方法は、請求項1,2の何れかにおいて、前記汚泥がCa,Al等の金属成分を含有する汚泥であって、前記炭化物に対し水分添加する水添処理を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項4の処理方法は、請求項3において、前記低温酸化雰囲気での酸化処理と水添処理とを同じ炉を用いて同時的に行うことを特徴とする。
【0016】
【作用及び発明の効果】
炭化物が貯蔵中等に燃え出す現象は上記のように炭化物の有する自己発熱性によるものと考えられ、そこで炭化物における自己発熱の原因を究明すべく本発明者等は様々な研究を行った。
【0017】
その結果以下の事実が判明した。即ち
▲1▼炭化物は処理条件によって炭化度合いが様々であり、そして特に炭化度合いの低いものの自己発熱性が高いこと
▲2▼炭化物は酸化反応に対して活性の高い活性基(表面官能基)を有しており(主として芳香環に結合したアルキル基)、炭化度合いの低いものほどその活性基を多く含有し、その活性基が自己発熱性を大きくしていること
▲3▼自己発熱は200℃以下の低温でも生じること
▲4▼その低温での自己発熱は燃焼反応とは別の反応であって、活性基の空気酸化反応によるものであると考えられること
▲5▼その低温での自己発熱は、炭化物の低温酸化雰囲気での保持下で次第に反応収束して行くこと、即ち活性点(活性基)が次第に消失して最終的に安定して行くこと
等の事実が判明した。
【0018】
そうだとすると予め低温で酸化反応を済ませておけば、後において貯蔵中等に炭化物が自己発熱するのを抑制でき、従ってその自己発熱に由来する炭化物の燃焼を予防できると考えられる。
【0019】
そこで本発明者等はそのような低温酸化雰囲気下で酸化反応を行わせたところ、その後における炭化物の自己発熱を効果的に抑制できることを確認した。本発明はこのような知見の下になされたものである。
【0020】
かかる本発明は、その知見に基づいて炭化炉で炭化処理した炭化物を低温酸化雰囲気下で酸化処理するもので、本発明の処理方法に従って炭化物を処理しておけば、その後の炭化物の自己発熱を抑制して、その自己発熱が炭化物の燃焼を誘発するといった現象を防止することができる。
【0021】
ここで低温酸化雰囲気下での酸化処理は常温から200℃の低温で行うことが望ましい。
その理由は、このような低温で燃焼とは別の酸化反応が十分に進行すること、200℃を超えると炭化物によっては発火点を超えるものが出て来る恐れがあること等による。
但し実際上は100℃以下でも十分に反応が進行することから、より望ましくは100℃以下で処理を行うのが良い。
【0022】
本発明は有機物含有の様々な汚泥の処理方法として適用可能なものであるが、特に排水処理で生じた有機汚泥に対する処理方法として好適に適用することができる(請求項2)。
【0023】
尚、本発明者等は炭化物の自己発熱の原因として他に炭化物に含まれるCa,Al等の金属成分が水和反応して自己発熱する可能性を併せて検討した。
その結果、これら金属成分が水和反応したことによると考えられる発熱が生じることも判明した。
【0024】
請求項3は、これに対処すべく予め炭化物に対し水添処理を行ってその水和反応を事前に済ませておくもので、このような処理をした炭化物は、後における水和反応による発熱を抑制でき、そのような水和反応に基づく発熱が炭化物の燃焼を引き起こす問題を解決することができる。
尚、水添処理は、炭化物の発熱を水の潜熱により抑制する効果もある。
【0025】
ここでその水添処理は、上記低温酸化雰囲気での酸化処理と同じ炉を用いて同時的に行うことができる(請求項4)。
このようにすれば炭化物に対する処理を簡単に行うことができ、また必要な設備も簡略化することができる。
【0026】
尚水添処理は、酸化雰囲気中で炉内に加熱蒸気を供給することで行うことができる。この場合同時に炭化物を所定の低温度範囲内で加熱することができる。
【0027】
【実施例】
次に本発明の実施例を以下に詳述する。
図11に示す方法に従って炭化処理した表1の3種の炭化物(下水汚泥の炭化物)の酸素吸収(酸化反応)の挙動を調査した。
調査は、図1に示すように容器10に炭化物3gを入れて容器10に空気バッグ12を取り付け、そして容器10を60℃の恒温水槽14に入れて空気バッグ12内のガス組成及び炭化物の重量変化により酸素吸収を追跡した。
結果が図2に示してある。
【0028】
【表1】
【0029】
図2の結果から明らかなように、何れの炭化物についても時間とともに空気中の酸素濃度が減少し、炭化物の重量が増加している。即ち60℃の低温でも酸素吸収(酸化反応)は明らかに起っている。
また同時にCO2の発生が実質的に確認されなかったことから、炭化物表面の酸化反応であると考えられる。
【0030】
尚、時間の経過に伴い酸素吸収は収まって来る。石炭の場合の酸化反応は燃焼反応であることが一般的に知られている。燃焼反応の場合は時間経過とともに酸素吸収量が増加し、またこれと併せてCO2の発生量が増加する。
よって炭化物の発熱現象は燃焼反応でないと考えることができる。
【0031】
炭化物における炭化の度合い(程度)とH/C(元素比)との関係を調べるために精錬度の異なる炭化物について成分分析を行った。
ここで精錬度は以下の式で表されるもので、電気伝導率の高いものほど精錬度の数値は小となる。
電気抵抗値10tΩ/cmの時、精錬度=t
結果が表2に示してある。
【0032】
【表2】
【0033】
表2の結果から、H/C(元素比)が大きいほど炭化程度が低いことが確認できる。
このことは、一般的にH/Cが炭化物の炭化程度を表す指標として用いられていることと合致する。
【0034】
炭化物において、常温から200℃付近までの低温域では酸素の吸収による発熱反応が発生しているものと考えられる。
そこで炭化物の酸素吸収実験を実施し、その結果を調べた。
【0035】
図3(イ)に炭化物(用いた炭化物はA(10/5)である)の酸素吸収量と時間との関係を示している(雰囲気酸素濃度21vol%)。
尚、図中のプロットは測定データを表しており、各実線はそれらの近似曲線を表している。この曲線の傾きが酸素吸収速度を表す。
実験初期において曲線の傾きは大きく、酸素吸収速度は大きいが、時間の経過とともに酸素吸収速度は小さくなる。
また温度が高いほど酸素吸収速度は大きくなることが分る。
【0036】
図3(ロ)は雰囲気酸素濃度15vol%における酸素吸収量実験結果である。比較のために石炭文献におけるデータ(雰囲気酸素濃度15vol%,80℃)を併せてプロットしている。
石炭における酸素吸収量,酸素吸収速度は炭化物の値よりもかなり大きいことが分る。
また180時間経過後も酸素吸収し続ける傾向にある点が炭化物と異なっている。
【0037】
図4に試料A(10/5)について、酸素吸収(酸化反応)速度と経過時間の関係を示している。図より時間経過とともに反応速度が減少している。
これは時間とともに活性が低下していることを示しており、新たな活性点を生成しながら燃え尽きるまで反応が進む燃焼反応とは異なる反応である。
【0038】
図5に精錬度の異なった各種炭化物の60℃における酸素吸収挙動(ガスクロマトグラフィーによる実測値)を示す。
酸素吸収量(酸化反応の進行)は、炭化度合いが低いA精錬度8の炭化物が最も多く、炭化が最も進んだA精錬度1以下の炭化物で最低となっている。
即ち図5は、炭化度合いが低い炭化物ほど酸化され易いことを示している。
また何れの炭化物も時間経過とともに酸素吸収量が一定となり、時間経過により活性点が減少することを示している。
【0039】
図6に全温度域での炭化物のTG曲線(空気雰囲気下の昇温過程における重量減少)と石炭のTG曲線の解析値例を示す。
炭化物は低温域で明らかに石炭と異なる酸素吸収挙動を示している。
炭化物の低温での酸素吸収挙動からは、低温では燃焼反応よりも酸素吸収により活性点が消失する反応が優先して起こり、時間経過によって終了に向うことが明らかになった。
【0040】
そこで低温での反応(活性点が消失する反応)と高温での反応(燃焼反応)が独立して起ると考えると、炭化物のTG曲線は常温域から250〜300℃にかけて活性点が消失する反応(反応速度は徐々に減少する)と、それよりも高温域の燃焼反応(再び反応速度が増加する)の合成されたものと理解できる。
図7に低温での酸素吸収反応と石炭と同様な燃焼反応の模式図を示している。
【0041】
低温での酸素吸収(酸化)により活性点が減少することを確認するために同一試料(表2のC精錬度3.9,A精錬度3.1,A精錬度1以下,B精錬度2.2のもの)について繰返し自己発熱性試験を行った。
【0042】
試験は、先ず1回自己発熱性試験(1リットル容,140℃,24時間,大気雰囲気中での加熱)を行い、酸素吸収(酸化)させ、炭化物の温度上昇を調べることにより行った。
この自己発熱性試験は炭化物の発熱性を調べるものであるが、同時に140℃,大気雰囲気中での低温酸化処理を行ったことを意味している。
【0043】
図8に1回目の自己発熱性試験の結果を示している。
尚図8(ロ)は図8(イ)における要部、具体的には炭化物の雰囲気温度である140℃到達前後の温度変化を拡大して示したものである。
この結果から分るように、各炭化物は約2時間前後かけて雰囲気温度である140℃まで温度上昇し、そこから更にA精錬度1以下の炭化物以外は自己発熱により温度上昇している。
【0044】
例えばC精錬度3.9の炭化物の場合、雰囲気温度である140℃に到達してから約1時間程度かけて温度が5℃程度上昇している。
この140℃から145℃程度までの約5℃の温度上昇は、炭化物の自己発熱による温度上昇である。
またA精錬度3.1,B精錬度2.2のものについても自己発熱により温度上昇している。
【0045】
次に図9は2回目の同様の自己発熱性試験を行ったときの結果を示している。図9に見られるように、何れの炭化物も2回目の自己発熱性試験では雰囲気温度である140℃からは特に温度上昇しておらず、自己発熱は特に認められなかった。
【0046】
このことは1回目の自己発熱性試験、つまり低温酸化雰囲気中での酸化処理によって炭化物の酸化反応がそこで既に収束しており、以後の加熱条件下で酸化反応による発熱が抑制されていることを表している。
尚A精錬度8の炭化物については、この自己発熱性試験で燃焼した。
【0047】
炭化物にCa,Al等の金属成分が含まれている場合、それら金属成分が例えば次の反応
CaO+H2O→Ca(OH)2
Al2O3+3H2O→2Al(OH)3
で水和反応して、その際に水和発熱が起ると考えられる。
而してそのような水和反応が生ずると、その発熱が炭化物における自己発熱に寄与し、燃焼を誘発する原因になる可能性がある。
【0048】
そこで炭化物のそのような水和による発熱の検討を行った。
試験は、炭化物の製造設備から純窒素のスプレーでパージしながらアルミ製の耐熱・耐湿袋にサンプリングし、水添試験を行った。
尚試料は自己発熱が最も少ないA精錬度1以下の炭化物を用いた。
【0049】
尚、水添試験は次のようにして行った。
即ち炭化物,純水,ジュワー瓶を24℃に管理された恒温室に12時間放置し、均一温度とした。
そしてその炭化物をアルミ製の耐熱・耐湿袋から取り出し、約100gに精秤してジュワー瓶に入れた。
更に約200gに精秤した純水をジュワー瓶に入れ、速やかに熱電対をジュワー瓶に挿入し、1時間の温度変化を観測した。
【0050】
その結果が図10に示してある。
図の結果に見られるように、炭化物の温度は45分後に3℃の温度上昇が見られた。
この温度上昇を発熱量に換算すると6.7cal/g−炭化物となる。
【0051】
以上のように炭化物に対し水添すると炭化物が温度上昇する。
この実験結果では、その温度上昇程度は比較的小さいものであったが、炭化物によってはその製造条件や下水汚泥の発生箇所,処理条件,その他様々な要因によって含有される金属成分はまちまちであり、炭化物によってはその金属成分の水和反応によって大きな発熱が起る可能性がある。
従って炭化物に対し水添処理を行い、水和反応を予め収束させておくことによって、その後における炭化物の貯蔵中等においての発熱を抑制することができる。
【0052】
以上本発明の実施例を詳述したが、これはあくまで一例示である。
例えば本発明は下水汚泥以外の有機物含有の汚泥の処理に際して適用することも可能であるし、また上記水添処理は、低温酸化雰囲気下での酸化処理と独立してその後工程として若しくは前工程として行うことも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において行った炭化物の酸素吸収挙動の調査のための試験方法の説明図である。
【図2】本発明の実施例において得た炭化物の酸化反応試験の結果を示す図である。
【図3】本発明の実施例において得た炭化物の時間経過と酸素吸収量との関係を表す図である。
【図4】本発明の実施例において得た経過時間と酸素吸収速度との関係を表す図である。
【図5】精錬度の異なる炭化物について行った酸素吸収試験における経過時間と酸素吸収量との関係を表す図である。
【図6】全温度範囲における炭化物の酸化反応速度を表す図である。
【図7】炭化物における加熱温度と重量減少率との関係を模式的に表した図である。
【図8】本発明の実施例において行った酸化処理としての1回目の自己発熱性試験における経過時間と炭化物の温度との関係を表した図である。
【図9】2回目の自己発熱性試験における炭化物の経過時間と温度との関係を表す図である。
【図10】炭化物に対して水添処理を行ったときの経過時間と温度上昇との関係を表した図である。
【図11】下水汚泥に対する炭化処理の工程説明図である。
【発明の属する技術分野】
この発明は、下水汚泥で代表される有機物含有汚泥の処理方法に関し、詳しくは汚泥を炭化炉で乾留処理により炭化して炭化物とする工程を含む有機物含有汚泥の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭等から排出される有機物含有の排水は一般に下水処理施設で活性汚泥法等により排水処理される。
この排水処理に伴って有機汚泥が発生するが、排水処理量の増加とともに有機汚泥の発生量も年々増加し、その処理処分が大きな問題になっている。
【0003】
有機汚泥を処分するに際し、その有機汚泥には99%程度の水が含まれていてそのままでは処分できず、そこで減量化のために濃縮及び脱水処理したり、或いは更に焼却したり溶融したりするなど様々な処理が現在施されている。
しかしながら汚泥を焼却或いは溶融処理すると多量のエネルギーを消費し、処理コストが高いものとなる。
そこでエネルギー消費の少ない有機汚泥の減量化処理の1つの方法として、汚泥を乾留処理により炭化することが提案されている(例えば下記特許文献1〜4)。
【0004】
この炭化処理は、汚泥が基質中に炭素分を45重量%程度含んでいることから、焼却,溶融処理のように汚泥中の炭素分を消費してしまうのではなく、汚泥を無酸素或いは低酸素状態で熱分解(炭化)することにより炭素分を残留させ、新しい組成を持つ炭化物として生成させるものである。
【0005】
図11はその炭化処理のプロセスの一例を示している。
図中200の汚泥ケーキは汚泥を脱水した後の含水率65〜80%程度の脱水ケーキで、受入ホッパ202,定量供給装置204を経て乾燥機206へと投入され、そこで乾燥処理が行われる。
尚208は熱風炉であって、この熱風炉208から熱風が乾燥機206に供給される。
【0006】
210は炭化炉であって、炉体212の内部に回転ドラム214が設けられている。
前段で乾燥処理された汚泥はこの回転ドラム214内に投入され、先ず炉体212内部に配設された助燃バーナ216による雰囲気加熱によって加熱される。すると汚泥中に含まれている可燃ガスが、回転ドラム214に設けたパイプ218から雰囲気中に抜け出し、そしてその可燃ガスが着火して以後は汚泥から抜け出した可燃ガスの燃焼によって回転ドラム214内部の汚泥の加熱が行われる。尚この段階では助燃バーナ216は燃焼停止される。
【0007】
回転ドラム214内部の汚泥は、図中左端の投入口から回転ドラム214の回転とともに漸次右方向に移って行き(回転ドラム214には若干の勾配が設けてある)、そして最終的に乾留残渣(炭化物)220が回転ドラム214の図中右端の排出口、つまり炭化炉210から排出される。
【0008】
この炭化処理にて生成した炭化物は物性的には木炭に近い性状を有するものであり、現在園芸用土壌,融雪剤等に利用されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−37644号公報
【特許文献2】
特開平11−33599号公報
【特許文献3】
特開平11−37645号公報
【特許文献4】
特開平11−37656号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして製造された炭化物は一旦貯蔵所に貯蔵される。
ところがその貯蔵中に炭化物が燃え出してしまうことのあることが判明した。その理由は、炭化物が自己発熱性を有し、貯蔵中にその自己発熱によって炭化物が温度上昇し、その温度が一定温度を超えることによって燃焼が生じるものと考えられる。
【0011】
炭化物は上記のように木炭に近い性状を有するものであり、将来様々な用途の拡大が期待されるものであるが、そのためには貯蔵中に燃え出すようなことがあってはならず、その問題を解決することが必要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機物含有汚泥の処理方法は、このような事情を背景としてなされたものである。
而して請求項1の処理方法は、有機物含有の汚泥を炭化炉で炭化処理し、その炭化物を低温酸化雰囲気で酸化処理することを特徴とする。
【0013】
請求項2の処理方法は、請求項1において、前記汚泥が排水処理で生じた有機汚泥であることを特徴とする。
【0014】
請求項3の処理方法は、請求項1,2の何れかにおいて、前記汚泥がCa,Al等の金属成分を含有する汚泥であって、前記炭化物に対し水分添加する水添処理を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項4の処理方法は、請求項3において、前記低温酸化雰囲気での酸化処理と水添処理とを同じ炉を用いて同時的に行うことを特徴とする。
【0016】
【作用及び発明の効果】
炭化物が貯蔵中等に燃え出す現象は上記のように炭化物の有する自己発熱性によるものと考えられ、そこで炭化物における自己発熱の原因を究明すべく本発明者等は様々な研究を行った。
【0017】
その結果以下の事実が判明した。即ち
▲1▼炭化物は処理条件によって炭化度合いが様々であり、そして特に炭化度合いの低いものの自己発熱性が高いこと
▲2▼炭化物は酸化反応に対して活性の高い活性基(表面官能基)を有しており(主として芳香環に結合したアルキル基)、炭化度合いの低いものほどその活性基を多く含有し、その活性基が自己発熱性を大きくしていること
▲3▼自己発熱は200℃以下の低温でも生じること
▲4▼その低温での自己発熱は燃焼反応とは別の反応であって、活性基の空気酸化反応によるものであると考えられること
▲5▼その低温での自己発熱は、炭化物の低温酸化雰囲気での保持下で次第に反応収束して行くこと、即ち活性点(活性基)が次第に消失して最終的に安定して行くこと
等の事実が判明した。
【0018】
そうだとすると予め低温で酸化反応を済ませておけば、後において貯蔵中等に炭化物が自己発熱するのを抑制でき、従ってその自己発熱に由来する炭化物の燃焼を予防できると考えられる。
【0019】
そこで本発明者等はそのような低温酸化雰囲気下で酸化反応を行わせたところ、その後における炭化物の自己発熱を効果的に抑制できることを確認した。本発明はこのような知見の下になされたものである。
【0020】
かかる本発明は、その知見に基づいて炭化炉で炭化処理した炭化物を低温酸化雰囲気下で酸化処理するもので、本発明の処理方法に従って炭化物を処理しておけば、その後の炭化物の自己発熱を抑制して、その自己発熱が炭化物の燃焼を誘発するといった現象を防止することができる。
【0021】
ここで低温酸化雰囲気下での酸化処理は常温から200℃の低温で行うことが望ましい。
その理由は、このような低温で燃焼とは別の酸化反応が十分に進行すること、200℃を超えると炭化物によっては発火点を超えるものが出て来る恐れがあること等による。
但し実際上は100℃以下でも十分に反応が進行することから、より望ましくは100℃以下で処理を行うのが良い。
【0022】
本発明は有機物含有の様々な汚泥の処理方法として適用可能なものであるが、特に排水処理で生じた有機汚泥に対する処理方法として好適に適用することができる(請求項2)。
【0023】
尚、本発明者等は炭化物の自己発熱の原因として他に炭化物に含まれるCa,Al等の金属成分が水和反応して自己発熱する可能性を併せて検討した。
その結果、これら金属成分が水和反応したことによると考えられる発熱が生じることも判明した。
【0024】
請求項3は、これに対処すべく予め炭化物に対し水添処理を行ってその水和反応を事前に済ませておくもので、このような処理をした炭化物は、後における水和反応による発熱を抑制でき、そのような水和反応に基づく発熱が炭化物の燃焼を引き起こす問題を解決することができる。
尚、水添処理は、炭化物の発熱を水の潜熱により抑制する効果もある。
【0025】
ここでその水添処理は、上記低温酸化雰囲気での酸化処理と同じ炉を用いて同時的に行うことができる(請求項4)。
このようにすれば炭化物に対する処理を簡単に行うことができ、また必要な設備も簡略化することができる。
【0026】
尚水添処理は、酸化雰囲気中で炉内に加熱蒸気を供給することで行うことができる。この場合同時に炭化物を所定の低温度範囲内で加熱することができる。
【0027】
【実施例】
次に本発明の実施例を以下に詳述する。
図11に示す方法に従って炭化処理した表1の3種の炭化物(下水汚泥の炭化物)の酸素吸収(酸化反応)の挙動を調査した。
調査は、図1に示すように容器10に炭化物3gを入れて容器10に空気バッグ12を取り付け、そして容器10を60℃の恒温水槽14に入れて空気バッグ12内のガス組成及び炭化物の重量変化により酸素吸収を追跡した。
結果が図2に示してある。
【0028】
【表1】
【0029】
図2の結果から明らかなように、何れの炭化物についても時間とともに空気中の酸素濃度が減少し、炭化物の重量が増加している。即ち60℃の低温でも酸素吸収(酸化反応)は明らかに起っている。
また同時にCO2の発生が実質的に確認されなかったことから、炭化物表面の酸化反応であると考えられる。
【0030】
尚、時間の経過に伴い酸素吸収は収まって来る。石炭の場合の酸化反応は燃焼反応であることが一般的に知られている。燃焼反応の場合は時間経過とともに酸素吸収量が増加し、またこれと併せてCO2の発生量が増加する。
よって炭化物の発熱現象は燃焼反応でないと考えることができる。
【0031】
炭化物における炭化の度合い(程度)とH/C(元素比)との関係を調べるために精錬度の異なる炭化物について成分分析を行った。
ここで精錬度は以下の式で表されるもので、電気伝導率の高いものほど精錬度の数値は小となる。
電気抵抗値10tΩ/cmの時、精錬度=t
結果が表2に示してある。
【0032】
【表2】
【0033】
表2の結果から、H/C(元素比)が大きいほど炭化程度が低いことが確認できる。
このことは、一般的にH/Cが炭化物の炭化程度を表す指標として用いられていることと合致する。
【0034】
炭化物において、常温から200℃付近までの低温域では酸素の吸収による発熱反応が発生しているものと考えられる。
そこで炭化物の酸素吸収実験を実施し、その結果を調べた。
【0035】
図3(イ)に炭化物(用いた炭化物はA(10/5)である)の酸素吸収量と時間との関係を示している(雰囲気酸素濃度21vol%)。
尚、図中のプロットは測定データを表しており、各実線はそれらの近似曲線を表している。この曲線の傾きが酸素吸収速度を表す。
実験初期において曲線の傾きは大きく、酸素吸収速度は大きいが、時間の経過とともに酸素吸収速度は小さくなる。
また温度が高いほど酸素吸収速度は大きくなることが分る。
【0036】
図3(ロ)は雰囲気酸素濃度15vol%における酸素吸収量実験結果である。比較のために石炭文献におけるデータ(雰囲気酸素濃度15vol%,80℃)を併せてプロットしている。
石炭における酸素吸収量,酸素吸収速度は炭化物の値よりもかなり大きいことが分る。
また180時間経過後も酸素吸収し続ける傾向にある点が炭化物と異なっている。
【0037】
図4に試料A(10/5)について、酸素吸収(酸化反応)速度と経過時間の関係を示している。図より時間経過とともに反応速度が減少している。
これは時間とともに活性が低下していることを示しており、新たな活性点を生成しながら燃え尽きるまで反応が進む燃焼反応とは異なる反応である。
【0038】
図5に精錬度の異なった各種炭化物の60℃における酸素吸収挙動(ガスクロマトグラフィーによる実測値)を示す。
酸素吸収量(酸化反応の進行)は、炭化度合いが低いA精錬度8の炭化物が最も多く、炭化が最も進んだA精錬度1以下の炭化物で最低となっている。
即ち図5は、炭化度合いが低い炭化物ほど酸化され易いことを示している。
また何れの炭化物も時間経過とともに酸素吸収量が一定となり、時間経過により活性点が減少することを示している。
【0039】
図6に全温度域での炭化物のTG曲線(空気雰囲気下の昇温過程における重量減少)と石炭のTG曲線の解析値例を示す。
炭化物は低温域で明らかに石炭と異なる酸素吸収挙動を示している。
炭化物の低温での酸素吸収挙動からは、低温では燃焼反応よりも酸素吸収により活性点が消失する反応が優先して起こり、時間経過によって終了に向うことが明らかになった。
【0040】
そこで低温での反応(活性点が消失する反応)と高温での反応(燃焼反応)が独立して起ると考えると、炭化物のTG曲線は常温域から250〜300℃にかけて活性点が消失する反応(反応速度は徐々に減少する)と、それよりも高温域の燃焼反応(再び反応速度が増加する)の合成されたものと理解できる。
図7に低温での酸素吸収反応と石炭と同様な燃焼反応の模式図を示している。
【0041】
低温での酸素吸収(酸化)により活性点が減少することを確認するために同一試料(表2のC精錬度3.9,A精錬度3.1,A精錬度1以下,B精錬度2.2のもの)について繰返し自己発熱性試験を行った。
【0042】
試験は、先ず1回自己発熱性試験(1リットル容,140℃,24時間,大気雰囲気中での加熱)を行い、酸素吸収(酸化)させ、炭化物の温度上昇を調べることにより行った。
この自己発熱性試験は炭化物の発熱性を調べるものであるが、同時に140℃,大気雰囲気中での低温酸化処理を行ったことを意味している。
【0043】
図8に1回目の自己発熱性試験の結果を示している。
尚図8(ロ)は図8(イ)における要部、具体的には炭化物の雰囲気温度である140℃到達前後の温度変化を拡大して示したものである。
この結果から分るように、各炭化物は約2時間前後かけて雰囲気温度である140℃まで温度上昇し、そこから更にA精錬度1以下の炭化物以外は自己発熱により温度上昇している。
【0044】
例えばC精錬度3.9の炭化物の場合、雰囲気温度である140℃に到達してから約1時間程度かけて温度が5℃程度上昇している。
この140℃から145℃程度までの約5℃の温度上昇は、炭化物の自己発熱による温度上昇である。
またA精錬度3.1,B精錬度2.2のものについても自己発熱により温度上昇している。
【0045】
次に図9は2回目の同様の自己発熱性試験を行ったときの結果を示している。図9に見られるように、何れの炭化物も2回目の自己発熱性試験では雰囲気温度である140℃からは特に温度上昇しておらず、自己発熱は特に認められなかった。
【0046】
このことは1回目の自己発熱性試験、つまり低温酸化雰囲気中での酸化処理によって炭化物の酸化反応がそこで既に収束しており、以後の加熱条件下で酸化反応による発熱が抑制されていることを表している。
尚A精錬度8の炭化物については、この自己発熱性試験で燃焼した。
【0047】
炭化物にCa,Al等の金属成分が含まれている場合、それら金属成分が例えば次の反応
CaO+H2O→Ca(OH)2
Al2O3+3H2O→2Al(OH)3
で水和反応して、その際に水和発熱が起ると考えられる。
而してそのような水和反応が生ずると、その発熱が炭化物における自己発熱に寄与し、燃焼を誘発する原因になる可能性がある。
【0048】
そこで炭化物のそのような水和による発熱の検討を行った。
試験は、炭化物の製造設備から純窒素のスプレーでパージしながらアルミ製の耐熱・耐湿袋にサンプリングし、水添試験を行った。
尚試料は自己発熱が最も少ないA精錬度1以下の炭化物を用いた。
【0049】
尚、水添試験は次のようにして行った。
即ち炭化物,純水,ジュワー瓶を24℃に管理された恒温室に12時間放置し、均一温度とした。
そしてその炭化物をアルミ製の耐熱・耐湿袋から取り出し、約100gに精秤してジュワー瓶に入れた。
更に約200gに精秤した純水をジュワー瓶に入れ、速やかに熱電対をジュワー瓶に挿入し、1時間の温度変化を観測した。
【0050】
その結果が図10に示してある。
図の結果に見られるように、炭化物の温度は45分後に3℃の温度上昇が見られた。
この温度上昇を発熱量に換算すると6.7cal/g−炭化物となる。
【0051】
以上のように炭化物に対し水添すると炭化物が温度上昇する。
この実験結果では、その温度上昇程度は比較的小さいものであったが、炭化物によってはその製造条件や下水汚泥の発生箇所,処理条件,その他様々な要因によって含有される金属成分はまちまちであり、炭化物によってはその金属成分の水和反応によって大きな発熱が起る可能性がある。
従って炭化物に対し水添処理を行い、水和反応を予め収束させておくことによって、その後における炭化物の貯蔵中等においての発熱を抑制することができる。
【0052】
以上本発明の実施例を詳述したが、これはあくまで一例示である。
例えば本発明は下水汚泥以外の有機物含有の汚泥の処理に際して適用することも可能であるし、また上記水添処理は、低温酸化雰囲気下での酸化処理と独立してその後工程として若しくは前工程として行うことも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において行った炭化物の酸素吸収挙動の調査のための試験方法の説明図である。
【図2】本発明の実施例において得た炭化物の酸化反応試験の結果を示す図である。
【図3】本発明の実施例において得た炭化物の時間経過と酸素吸収量との関係を表す図である。
【図4】本発明の実施例において得た経過時間と酸素吸収速度との関係を表す図である。
【図5】精錬度の異なる炭化物について行った酸素吸収試験における経過時間と酸素吸収量との関係を表す図である。
【図6】全温度範囲における炭化物の酸化反応速度を表す図である。
【図7】炭化物における加熱温度と重量減少率との関係を模式的に表した図である。
【図8】本発明の実施例において行った酸化処理としての1回目の自己発熱性試験における経過時間と炭化物の温度との関係を表した図である。
【図9】2回目の自己発熱性試験における炭化物の経過時間と温度との関係を表す図である。
【図10】炭化物に対して水添処理を行ったときの経過時間と温度上昇との関係を表した図である。
【図11】下水汚泥に対する炭化処理の工程説明図である。
Claims (4)
- 有機物含有の汚泥を炭化炉で炭化処理し、その炭化物を低温酸化雰囲気で酸化処理することを特徴とする有機物含有汚泥の処理方法。
- 請求項1において、前記汚泥が排水処理で生じた有機汚泥であることを特徴とする有機物含有汚泥の処理方法。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記汚泥がCa,Al等の金属成分を含有する汚泥であって、前記炭化物に対し水分添加する水添処理を行うことを特徴とする有機物含有汚泥の処理方法。
- 請求項3において、前記低温酸化雰囲気での酸化処理と水添処理とを同じ炉を用いて同時的に行うことを特徴とする有機物含有汚泥の処理方法。
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