JP2004267425A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】CMOSカメラ200を装飾する装飾部材260の前壁260Aに、合成ゴム等の弾性材料で形成した筒状のフード部材270を設けてフード部材270の先端部274を遊技盤を覆うガラス板22に接触させる。特別図柄表示装置106の表示光等は、フード部材270に遮られてフード部材270に囲われた内側の領域には入射できなくなり、ガラス板22の内側領域面22AIにおける反射は起こらなくなる。そのため、CMOSカメラ200による撮影では、ガラス板22での反射光の映り込みがなくなる。
【選択図】 図17
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者を撮影しその画像を表示する撮影・表示機能を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やパチスロ機等の遊技機では、遊技状況の変化等に応じて遊技者を撮影しその画像を遊技に関連付けて表示する撮影・表示機能を備えたものが種々提案されている。例えば、パチンコ機においては、遊技盤のほぼ中央に配置される特別図柄表示装置の上方にCCDカメラを搭載し、そのカメラで撮影した遊技者の画像を特別図柄表示装置のディスプレイ画面に表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、その従来例では、カメラを保護するためにカメラの前側(レンズ側)を筒状の装飾カバーで覆っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−155032号公報 (第3−4頁、第5図、第6図、第9図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に示される構成では、カメラは装飾カバーで覆われているものの装飾カバーの前面開口部は遊技盤の盤面と略同一面であり、カメラの撮影レンズはその開口部の後側に近接しているため、撮影レンズへ入射する光の角度(範囲)は広くなっている。そのため、撮影では、遊技盤を覆うガラス板で反射した反射光、例えば、ガラス板に映った表示装置の表示光(LCD動作時のバックライト光)、役物や盤面飾り等に設けられたランプ、LED等の演出灯光等、あるいは、ガラスを透過する外部光、例えば、ホールの照明光や周囲の遊技機が発する各種表示灯光等、がカメラの撮影レンズへ入射しやすくなり、それらの光の映り込みが起こりやすくなる問題がある。
【0005】
また、カメラの外周面は装飾カバーの内周面にほぼ密着して覆われており、さらにその状態で遊技盤に埋設され部品等に囲まれているため、カメラに熱がこもりやすくなっている。特に、カメラを表示装置の上方に配置する場合は、表示装置の裏面側に配置された制御基板(役物制御装置)が動作時に高温となり、その熱が伝わってカメラは高温化するため、カメラに熱がこもりやすいと、カメラは誤作動しやすくなり、また撮影画像の画質低下を招く問題がある。
【0006】
本発明は上記事実を考慮して、遊技者を撮影しその画像を表示する撮影・表示機能を備えた遊技機において、撮影における、遊技盤を覆うガラス板等の光透過性カバー部材での反射光や光透過性カバー部材を透過した外部光の映り込みを抑えた遊技機を提供することを課題とする。また、撮影手段の温度上昇を抑え誤作動や撮影画像の画質低下を防止した遊技機を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、盤面と所定の間隔で配置された光透過性カバー部材により前記盤面が覆われた遊技盤に、遊技者を撮影する撮影手段が設けられた遊技機において、一端側が前記撮影手段に接触し他端側が前記光透過性カバー部材に接触して撮影手段と光透過性カバー部材との間に介設され、撮影手段の撮影方向前側を囲って撮影手段へ入射可能な光を制限する入射光制限部材を有することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明では、撮影手段は、ガラス板等の光透過性カバー部材により盤面が覆われた遊技盤に設けられており、撮影手段によって撮影された遊技者の画像は、例えば、表示装置等の画像表示手段に表示される。この画像表示手段に表示された自分の画像を視認することで遊技者の遊技に対する興趣は高められ、よって、遊技性の高い遊技機が得られる。
【0009】
また、撮影手段と、遊技盤の盤面と所定の間隔で配置された光透過性カバー部材との間には、一端側を撮影手段に接触させ他端側を光透過性カバー部材に接触させるとともに撮影手段の撮影方向前側を囲った入射光制限部材を介設し、この入射光制限部材によって、撮影手段へ入射する光を制限する。これにより、例えば、盤面に設けられた画像表示手段の表示光やランプ等の光源光は、入射光制限部材に遮られて入射光制限部材に囲われた内側の領域には入射できなくなり、光透過性カバー部材のその内側領域面における反射は起こらなくなる。したがって、光透過性カバー部材の内側領域面を介して行う撮影手段による撮影では、それら光源の光透過性カバー部材での反射光の映り込みがなくなる。
【0010】
また、撮影手段へ入射する光のうち、ホールの照明光や周囲の遊技機が発する各種表示灯光等の撮影上余分となる外部光の入射は入射光制限部材により制限されるため、撮影手段による撮影では、撮影に不必要な外部光が遮られてそれら外部光の映り込みも抑えられる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の遊技機において、前記入射光制限部材は、前記撮影手段側に設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明では、入射光制限部材を光透過性カバー部材側に設けると、光透過性カバー部材の面方向において入射光制限部材を撮像手段と相対位置合わせする必要が生じ、それによって製造コストが嵩む。また、接着等で固定した場合は、その接着部位が遊技者から視認できるため美観が損なわれてしまう。これに対し、入射光制限部材を撮影手段側に設けると、光透過性カバー部材の面方向における位置合わせが容易又は不要となるため、製造コストが抑えられる。また、入射光制限部材を接着等で固定しても、その接着部位は遊技者から視認できないため美観が損なわれることはない。さらに、固定方法の自由度が高いため、設置が容易である。
【0013】
また、遊技機本体に開閉可能に設けられた枠体に光透過性カバー部材が嵌装される場合では、入射光制限部材を光透過性カバー部材側に設けると、入射光制限部材は、枠体の開閉に伴い移動するとともに枠体の開放時には光透過性カバー部材の設置面から突出するため、接触等による破損や脱落の危険性が高まる。これに対しても、入射光制限部材を撮影手段側に設ける構成であればその危険性を低下させられる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の遊技機において、前記入射光制限部材は、前記撮影手段と前記光透過性カバー部材とが相対的に接離する方向に弾性変形可能な弾性部材とされていることを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明では、光透過性カバー部材に、例えば遊技球の衝突による振動や、遊技者に叩かれたり上記の枠体を閉じる際の衝撃が加わっても、それらの振動や衝撃は、撮影手段と光透過性カバー部材とが相対的に接離する方向に弾性変形可能な弾性部材で構成される入射光制限部材の変形により緩衝されるため、撮像手段には伝わらない。これにより、光透過性カバー部材の振動による撮像画像のブレが抑えられ、衝撃による撮像手段の故障等も防止される。
【0016】
また、撮影手段と光透過性カバー部材との間隔に誤差(バラツキ)がある場合は、弾性部材とされた入射光制限部材の弾性変形によりその誤差が吸収される。これにより、間隔が所定値より広い場合でも入射光制限部材の接触部に隙間が生じることはなく、間隔が所定値より狭い場合でも撮影手段及び光透過性カバー部材に高い押圧力が加わることはない。
【0017】
また、入射光制限部材を撮影手段側に設ける構成では、入射光制限部材の他端側が接触することによる光透過性カバー部材の傷付きを防止することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の遊技機において、前記入射光制限部材は、前記撮影手段と前記光透過性カバー部材とが相対的に接離する方向に伸縮可能な伸縮部を有することを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明では、光透過性カバー部材に振動や衝撃が加わると、それらの振動や衝撃は、入射光制限部材が有する伸縮部の伸縮によって緩衝され撮像手段には伝わらない。これにより、光透過性カバー部材の振動による撮像画像のブレが抑えられ、衝撃による撮像手段の故障等も防止される。
【0020】
また、撮影手段と光透過性カバー部材との間隔に誤差がある場合は、その誤差が伸縮部の伸縮により吸収されるため、間隔が所定値より広い場合でも入射光制限部材の接触部に隙間が生じることはなく、間隔が所定値より狭い場合でも撮影手段及び光透過性カバー部材に高い押圧力が加わることはない。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項記載の遊技機において、前記入射光制限部材は、前記撮影手段の熱を前記光透過性カバー部材へ伝導可能な熱伝導率の高い材料により形成されていることを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の発明では、通常、外気に直接又は間接的に触れる光透過性カバー部材は、遊技機内部の熱が伝わる遊技盤よりも低温であため、入射光制限部材を熱伝導率の高い材料で形成し撮影手段の熱を光透過性カバー部材へ伝導することにより、撮影手段の放熱が促進される。これにより、撮影手段の温度上昇が抑えられ誤作動や撮影画像の画質低下を防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
[第1の実施形態]
(パチンコ機の構成)
図1及び図2には、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機が示されている。図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにパチンコホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置されており、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また外枠12の前面下部には、化粧パネルとなる合成樹脂製の下飾り20が取り付けられている。
【0025】
内枠14の前面上部には、ガラス板22を装着したガラスフレーム24を窓部に備えるガラス枠26が配置されており、ガラス枠26は左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられている。また、ガラスフレーム24に装着されたガラス板22は、図2の紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行に配置された一対のガラス板からなる二重構造となっている。この内枠14の上部におけるガラス枠26裏面側には、交換可能とされた遊技盤100がセットされており、遊技盤100は、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態でガラス枠26(ガラス板22)に覆われるようになっている。
【0026】
図2に示すように、パチンコ機10の正面となるガラス枠26の前面には、賞球表示灯や完了表示灯等としての機能を有する複数の表示灯80と、賞球払出エラー表示灯82及び払出状態エラー表示灯84とがガラス板22(遊技盤100の遊技領域)を取り囲むように配列されており、さらに左上隅近傍と右側端上部には、遊技の効果音をステレオ出力するスピーカー86、88が配設されている。
【0027】
また、内枠14の前面下部には、遊技球を貯える球皿28を備えた一体皿ユニット30が配置されている。この一体皿ユニット30も左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、一体皿ユニット30の前面には、図2に示すように、左側下部に灰皿32が配置され右側端部には打球の飛距離を調整するための発射ハンドル34が取り付けられている。
【0028】
一体皿ユニット30の裏面には、発射ハンドル34の基端部がネジ止めされてその基端固定部分を補強する板金製の発射ハンドル補強板36と、球皿28に貯められた遊技球が送り込まれる球送り装置38とが取り付けられている。また、内枠14の下部における一体皿ユニット30裏面側には、遊技盤100の左下に発射装置40が配置され球皿28の後方に位置して貯球タンク42が取り付けられており、これらの発射装置40及び貯球タンク42は一体皿ユニット30に覆われるようになっている。
【0029】
内枠14の裏面側には、貯球タンク42の左側略上方に位置して賞球払出装置(図示省略)が設けられており、賞球払出装置から払い出された賞球は貯球タンク42の上面左端部に形成されたタンク入口(図示省略)を介してタンク内へ落下されるようになっている。また、貯球タンク42は、タンク底面が右側へ下り傾斜しており、その傾斜方向下流側となる前面右側端部にはタンク出口44が形成されている。このタンク出口44は、一体皿ユニット30に形成された賞球排出口46と対応して配置されており、賞球排出口46は一体皿ユニット30の前面に設けられた球皿28と連通している。これにより、賞球払出装置からタンク内へ払い出された賞球は、タンク底面上を上流側(左側)から下流側(右側)へ転動し、タンク出口44を介して賞球排出口46から球皿28に排出される。
【0030】
また、タンク出口44と賞球排出口46との各下方位置には、上下方向に移動可能とされたシャッター板48、50がそれぞれ設けられている。このシャッター板48、50は、図2に示すように一体皿ユニット30が閉塞された状態では各々下方へ移動してタンク出口44と賞球排出口46とを連通させ、図1に示すように一体皿ユニット30が開放されると各々上方へ移動して、シャッター板48はタンク出口44の下縁側を、シャッター板50は賞球排出口46の下縁側を塞ぐようになっている。これにより、一体皿ユニット30を開放した際に球皿28及び貯球タンク42から遊技球(賞球)がこぼれ出さないようにされている。
【0031】
一方、内枠14裏面の右側端部には施錠装置52が取り付けられている。施錠装置52にはシリンダー錠(錠前)54が設けられており、このシリンダー錠54の鍵孔56は内枠14の前面から露出されている。また、施錠装置52の上下端部近傍で、外枠12の右内側面に設けられた一対の鍵受け部58A、58Bと対応する位置には、後方へ突出された一対の内枠固定用フック60A、60Bが設けられており、ガラス枠26裏面の右側端部に取り付けられているガラス枠補強板62に設けられた一対の鍵受け部64A、64Bと対応する位置には、内枠14に形成されたスリット66A、66Bを通して前方へ突出された一対のガラス枠固定用フック68A、68Bが設けられている。さらに、施錠装置52の下方部で、一体皿ユニット30裏面の発射ハンドル補強板36に形成された一対の鍵受け開口部70A、70Bと対応する位置には、内枠14に形成されたスリット72A、72Bを通して前方へ突出された一対の一体皿ユニット固定用フック74A、74Bが設けられている。これにより、内枠14を閉じた際は、内枠固定用フック60A、60Bが鍵受け部58A、58Bに係合して内枠14は外枠12に固定され、ガラス枠26を閉じた際は、ガラス枠補強板62の鍵受け部64A、64Bがガラス枠固定用フック68A、68Bに係合してガラス枠26は内枠14に固定される。一体皿ユニット30を閉じた際は、発射ハンドル補強板36の鍵受け開口部70A、70Bが一体皿ユニット固定用フック74A、74Bに係合して一体皿ユニット30は内枠14に固定される。
【0032】
また、内枠固定用フック60A、60B及びガラス枠固定用フック68A、68Bは、シリンダー錠54の鍵孔56に図示しない鍵を差し込んで所定方向に回すことにより、係合状態がそれぞれ解除されて解錠されるようになっている。一体皿ユニット固定用フック74A、74Bについては、ガラス枠26を開放すると露出される施錠装置52の解除レバー76を押し下げることにより、一体皿ユニット固定用フック74A、74Bが下方へスライドして鍵受け開口部70A、70Bとの係合状態が解除されるようになっている。この施錠装置52により、内枠14は外枠12に施錠され、ガラス枠26は内枠14に施錠されるとともに、一体皿ユニット30は内枠14にロックされて、それぞれ閉塞状態に固定される。
【0033】
(遊技盤の構成)
図3に示すように、遊技盤100は、装飾画(図示省略)を印刷した樹脂製シート状のセルが基板であるベニヤ板に貼着されてそのセルの表面が盤面100Aとなっている。盤面100Aの外周端部付近には、円弧状の外レール102及び内レール104とレール飾り105L、105Rとが取り付けられており、これらの外レール102及び内レール104とレール飾り105L、105Rとによって囲まれた円形状の領域は、遊技球が移動可能な遊技領域101とされている。
【0034】
遊技領域101(盤面100A)のほぼ中央には、特別図柄表示装置106が配置されている。特別図柄表示装置106は液晶ディスプレイ(LCD)を内蔵しており、そのディスプレイ画面108には特別図柄の抽選や各種演出等のアニメーションが表示される。また、特別図柄表示装置106の周囲は、図示のような略扇形状とされた大型の盤面飾り107によって装飾されており、特別図柄表示装置106の上方には、詳細については後述するカメラ(CMOSカメラ200)が配置され、特別図柄表示装置106の下方には始動口(スタート・チャッカー)110が配置されている。
【0035】
始動口110には、遊技球を取り込みにくい閉塞状態(図3に示す状態)及び遊技球を取り込みやすい開放状態に変動可能な電動チューリップ111が設けられている。また、始動口110の下方には、遊技領域101の下端部付近に位置して変動入賞装置(特別電動役物)112が配設されている。
【0036】
変動入賞装置112は、左右幅方向を長手とした矩形状の大入賞口(アタッカー)114を備え、大入賞口114内には通称「Vゾーン」と呼ばれる連続役物作動口(図示省略)が設けられている。大入賞口114は、開閉扉116が開放又は閉塞することによって開口又は閉口するようになっており、開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球が開閉扉116に案内されて大入賞口114へ入賞する。また、大入賞口114の下方には普通図柄表示装置117が配置され、大入賞口114の左右両側には入賞口118L、118Rが配設されている。
【0037】
さらに、遊技領域101には、特別図柄表示装置106の左側に通過ゲート120が配置され、左右の下部側にはサイド飾り122L、122Rが配設されており、最下位置にアウト口124が設けられている。
【0038】
なお、上述した役物や各種遊技部品が取り付けられている遊技領域101には、遊技領域101内を落下する遊技球を所定の経路に誘導する多数の遊技釘が打ち込まれているが、図3ではそれら遊技釘の図示を省略している。また、本実施形態のパチンコ機10は、発射装置40を遊技盤100の左下に配置して遊技球を上方に発射する機種であり、従来機種に比べてアウト口124の位置を下げることにより遊技領域101が拡大されている。また、パチンコ機本体は、ガラス枠26や一体皿ユニット30等を備えるとともに遊技盤100が搭載された内枠14によって構成されており、それらの内枠14、ガラス枠26、及び一体皿ユニット30等は全て樹脂成形品とされている。
【0039】
(特別図柄表示装置及びカメラの構成)
次に、図6〜図10を用いて特別図柄表示装置とカメラの構成について詳細に説明する。
【0040】
図6〜図10に示すように、本実施の形態では、特別図柄表示装置106の上部前方に、撮像デバイスとしてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いたCMOSカメラ200が配置されている。
【0041】
先ず、特別図柄表示装置106の構成から説明すると、特別図柄表示装置106は、LCD202を覆って保護する板金製の筐体204を備えている。筐体204は、前面に矩形状の窓部206が形成され後面が開口した矩形箱状とされてしており、上面(上壁)には、筐体204内の熱を外部へ逃がす放熱用の小孔208が多数形成されている。
【0042】
また、上壁及び下壁の各後端部近傍には、特別図柄表示装置106を遊技盤100に取り付けるための取付片210が2個づつ計4個曲げ形成されており(図7及び図10参照)、左側壁及び右側壁の各後端部近傍には、矩形孔212が2個づつ計4個形成されている(左側壁の矩形孔212は図示せず)。さらに、前壁の左右側端部には、左右の各側壁と前壁とを一部切り欠いて後方へ略直角に曲げ形成された一対の曲げ部214が設けられている。これらの曲げ部214は、それぞれ筐体204の高さ方向略中央に位置して対向しており、また、左右の各側壁よりも所定寸法内方へオフセットされている。
【0043】
この筐体204内に配置されたLCD202は、図10に示すように、ディスプレイ画面108が筐体204の前壁後面に密着されるとともに、LCD202の上下端面が筐体204の上壁及び下壁の各内面に略密着されて上下方向の位置決めがなされ、LCD202の左右側端面が筐体204の曲げ部214に略接触されて左右方向の位置決めがなされ、ガタ付かないようにして筐体204内の前側に取り付けられている。また、ディスプレイ画面108は、筐体204の窓部206から露出されて前方から視認できるようになっている。
【0044】
LCD202の後面には、基板取付部材216が取り付けられている。この基板取付部材216には、複数設けられた支柱218を介して画像処理制御基板160が取り付けられており、画像処理制御基板160は、筐体204の後端部近傍に位置して筐体204の後面開口を略閉塞するように配置され、LCD202とは図示しないケーブルによって電気的に接続されている。
【0045】
また、筐体204の後部には、画像処理制御基板160を保護する基板ケース220が取り付けられている。基板ケース220は、透明樹脂材料による成形品で、前面が筐体204の後面開口と対応する大きさに開口された矩形箱状とされており、上壁及び下壁の各前端部には、筐体204の取付片210と対応する取付片222が2個づつ設けられている(図7参照)。さらに、基板ケース220には、後壁の左右側端部からそれぞれ前方へ突出された係合片224が2個づつ一体的に設けられている(図9参照/左側の係合片224は図示せず)。これらの係合片224は平板状で各々左右方向に弾性変形可能となっている。また、係合片224の先端部は基板ケース220の前面よりも前方へ突出されており、その先端部には外側へ突起したツメ部226が形成されている。
【0046】
そしてこの基板ケース220は、図10に示すように、基板ケース220の開口の内周縁部を、筐体204の後端の外周縁部に嵌め合わせ、図6及び図9に示すように、係合片224のツメ部226を、筐体204の矩形孔212にそれぞれ嵌め入れて係合させることにより筐体204の後部に装着されている。これによって、画像処理制御基板160は基板ケース220に被覆され保護されるとともに、基板ケース220の各取付片218は筐体204の各取付片210に重ね合わせられた状態となる。
【0047】
またここでは、基板ケース220が透明樹脂製であるため、特別図柄表示装置106の後部側は基板ケース220を介して透視可能である。さらに、基板ケース220は筐体204に容易に着脱できるため、組立作業性及び故障やメンテナンス等での着脱作業性が良好になる。
【0048】
また、本実施形態の特別図柄表示装置106は、上述した筐体204と基板ケース220とによって単一のケース部材が形成される。この筐体204及び基板ケース220から構成されるケース部材は、筐体204に設けられた小孔208や曲げ部214、あるいは、基板ケース220に設けられた係合片224等によって小さな開口部は存在するものの、筐体204の窓部206はLCD202によって塞がれており、また、基板ケース220の開口縁部を筐体204の後端縁部に嵌合(オーバーラップ)させて隙間が生じないようにしていることにより、ほぼ密閉された構造となっている。そしてこの略密閉構造のケース部材内に、前述したように、LCD202及び画像処理制御基板160がユニット化されて収容されている。
【0049】
次に、CMOSカメラ200の構成(取付構造)について説明する。図10に示すように、本実施形態のCMOSカメラ200は、フレキシブルカード基板により形成されたケーブル230の一端部に表面実装されケーブル内部に形成されたパターンと電気的に接続されて、ケーブル230と一体化されている。また、ケーブル230の他端部には、ケーブル表面の絶縁樹脂層(保護層)からパターンが一部露出して形成された接続部(コネクタ部)232が設けられている。そしてこのCMOSカメラ200は、カメラ取付部材234の前端部に配置されるとともに、カメラ取付部材234の前端部に取り付けられたカメラカバー236に覆われている。
【0050】
このカメラ取付部材234とカメラカバー236とは、同材質の合成樹脂材料によって形成されている。図6に示すように、カメラ取付部材234は直線的なアーム状とされており、左右側面の後端部には一対の取付片238が突設され、下面の後端部には嵌入部240が突設されている(図10参照)。また、カメラ取付部材234の下部には空洞部242が形成されており、この空洞部242は、カメラ取付部材234の前端部から嵌入部240の先端部に掛けて貫通している。そしてCMOSカメラ200は、ケーブル230の一端部の裏面に、弾力性を有する厚肉の粘着テープ244が貼着され、この粘着テープ244を介してカメラ取付部材234の前端部の所定位置に貼着されている。また、ケーブル230はカメラ取付部材234の空洞部242に挿入され、接続部232が嵌入部240の先端部から引き出されている。
【0051】
一方、カメラカバー236は、正面視が矩形状で後面が開口された箱状とされており、前壁の略中央にはCMOSカメラ200の撮影レンズ201と対応する円形の開口246が形成されている。また、この前壁の下部には、開口246の真下に位置して、上下方向に延出され所定の間隔で平行に配置された一対のリブ247が設けられており、さらに前壁の後面には、後方へ所定寸法突出されたリブ248が設けられている。そしてこのカメラカバー236は、図10に示すように、CMOSカメラ200に被せられ、カメラ取付部材234の前端部に2本のネジ250によって取り付けられており、そのカメラ取付部材234への取付状態では、開口246の中心がCMOSカメラ200の撮影レンズ201の光軸Lにほぼ一致するとともに、リブ248の後端部がケーブル230の表面に当接してケーブル230を押圧している。なお、ここでのカメラ取付部材234とカメラカバー236との位置決めについては、カメラ取付部材234の前端部に設けられた2箇所の突起部に、カメラカバー236に形成された2箇所の孔部が嵌め入れられる嵌挿部251によって行われている。これにより、CMOSカメラ200は、振動等による位置ずれが防がれてカメラ取付部材234及びカメラカバー236に固定されている。
【0052】
このようにしてカメラ取付部材234及びカメラカバー236とユニット化されたCMOSカメラ200は、特別図柄表示装置106の筐体204の上壁略中央に形成された孔部252にカメラ取付部材234の嵌入部240が嵌め入れられるとともに(図10参照)、そのカメラ取付部材234の後部下面が筐体204の上壁に密着され各取付片238がネジ254によってそれぞれ筐体204の上壁に固定されることにより、特別図柄表示装置106に取り付けられている。また、嵌入部240から引き出されたケーブル230の引き出し部は、筐体204内に収容されてLCD202の後面側を引き回され、引き出し部先端の接続部232は、画像処理制御基板160の前面上部に実装されたコネクタ256に挿入されて電気的及び機械的に接続されている。
【0053】
(遊技盤裏側の構成及び特別図柄表示装置の取付構造)
次に、図4、図5及び図11、図12を用いて遊技盤裏側の構成及び特別図柄表示装置の取付構造について説明する。
【0054】
図4及び図5に示すように、遊技盤100の裏面100Bには、ほぼ中央に位置してセット板300が取り付けられている。セット板300は中央部分が矩形状に開口しており、特別図柄表示装置106は、その矩形状開口に筐体204(LCD202)が嵌め入れられ、セット板300に設けられた4本のボス302に、各取付片210、222がネジ止め固定されて取り付けられている。
【0055】
また、セット板300には、特別図柄表示装置106の右側にランプ制御基板156が配設され、特別図柄表示装置106の左側にランプ中継基板306が配設されており、遊技盤裏面100Bの右上隅には、盤用外部端子板308が取り付けられている。さらに、セット板300の下側には、内部が空洞とされた箱状の回路アダプター304が取り付けられている。この回路アダプター304には、主制御基板150が着脱可能に取り付けられており、また、回路アダプター304内には、大入賞口114や入賞口118L、118Rへ入賞し遊技盤100の裏面100B側に誘導された入賞球が落下され、図示しない排出口から下方へ排出されるようになっている。
【0056】
また、図11には、特別図柄表示装置106を遊技盤100に取り付けた状態での特別図柄表示装置106と盤面飾り107との相対位置関係を示した側断面図が示されており、図12には、遊技盤100の拡大斜視図が示されている。図11及び図12に示すように、特別図柄表示装置106が遊技盤100の裏面100B側に取り付けられると、LCD202のディスプレイ画面108は盤面飾り107に形成された矩形窓部258に位置合わせされ、カメラカバー236とカメラ取付部材234の前側は、盤面飾り107に取り付けられた筒状の装飾部材260内に収容されて装飾部材260により被覆・保護される。また、盤面飾り107の矩形窓部258は透明樹脂製(又は透明ガラス製)のカバー板259によって塞がれており、矩形窓部258の下側には、複数のランプ130が左右方向に所定の間隔で配列され、これらのランプ130は、光源となるLED132が光透過性を有するカバーレンズ134に覆われて構成されている。
【0057】
図13〜図17には、特別図柄表示装置106を遊技盤100に取り付けた状態でのカメラカバー236及びカメラ取付部材234と装飾部材260との相対位置関係が示されている。
【0058】
図13〜図17に示すように、装飾部材260は正面視が略半円形とされており、前壁260Aには、前方へ拡径するテーパー状で且つ奥壁に円形孔262が形成されたフード部264が凹設されている(図17参照)。このフード部264は、正面視が楕円形とされており、前方へ拡径するテーパーの内角は垂直方向断面において最小で、水平方向断面において最大となるよう設定されている。また、フード部264の奥壁の後面下部にはボス263が突設されており(図17参照)、円形孔262は、カメラカバー236の開口246よりも大径とされている。
【0059】
また、装飾部材260の前壁260Aには、シリコーン系又はアクリル系合成ゴム等の熱伝導率の高い弾性材料により形成されたフード部材270が設けられている。フード部材270は、正面視がフード部264の前面開口よりも一回り大きい楕円形の筒状とされて、装飾部材260の前壁260Aには、基端部272の内周縁がフード部264の前面開口縁に合わせられて接着・固定されており、先端部274の内周縁には、前方へ所定の角度で拡径するテーパー部276が形成されている。また、フード部材270の長さ寸法は、装飾部材260の前壁260Aと、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態での内側(遊技盤100側)のガラス板22の内面22Aとの間隔Xよりも僅かに長くされている。したがって、図17に示すガラス枠26の閉塞状態では、フード部材270の先端部274はガラス板22の内面22Aに接触し、フード部材270は、CMOSカメラ200とガラス板22とが相対的に接離する方向(フード部材270の軸線方向)に全体的に僅かに圧縮変形している。
【0060】
そして、特別図柄表示装置106を遊技盤100の裏面100B側に取り付けると、装飾部材260のボス263がカメラカバー236に設けられた一対のリブ247の間に嵌まり込み、このボス263によってカメラカバー236及びカメラ取付部材234は支えられる。これにより、カメラカバー236及びカメラ取付部材234と装飾部材260との上下方向及び左右方向の相対的な位置決めがなされ、装飾部材260の円形孔262には、カメラカバー236の開口246を介しCMOSカメラ200の撮影レンズ201の光軸Lが略同心的に配置されるとともに、フード部材270のテーパー部276には、CMOSカメラ200の画角(撮影範囲)αが合わせられる。また、フード部材270の基端部272は、装飾部材260及びカメラカバー236を介してCMOSカメラ200と間接的に接触することになり、これによって、フード部材270は、基端部272がCMOSカメラ200に接触し先端部274がガラス板22に接触してCMOSカメラ200とガラス板22との間に介設された状態となる。
【0061】
また、装飾部材260の下壁260Bの下面は略水平面とされており、この下壁260Bの下面は、盤面飾り107の窓部206の上縁に揃えられている。したがって、特別図柄表示装置106を遊技盤100に取り付けると、その下壁260Bの下面は、ディスプレイ画面108の上縁に揃えられる(図15参照)。
【0062】
以上により、CMOSカメラ200は、遊技盤100の遊技領域101内における特別図柄表示装置106の上部前方に配置されてパチンコ機10の正面に着座する遊技者の顔と向かい合い、良好なカメラアングルで遊技者を撮影できるようになり、また、撮影方向前側(撮影レンズ201)が装飾部材260のフード部264及び装飾部材本体とフード部材270とに囲われた状態となる。
【0063】
(制御系の構成)
次に、図18を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。図18に示すように、本実施の形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御基板150を中心として、払出制御基板152、音声制御基板154、ランプ制御基板156、発射制御基板158、画像処理制御基板160等、機能毎に分類されており、各基板は主制御基板150にそれぞれ接続されている。また、画像処理制御基板160は、CMOSカメラ200の動作等を制御する撮像制御部162と、特別図柄表示装置106の表示内容を制御する表示制御部164とを備えている。なお、以下これらを総称する場合、副制御基板151という。
【0064】
主制御基板150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御基板150からの命令信号に基づいて、副制御基板151は独自に各部を制御する。すなわち、主制御基板150は基本的に命令信号を出力するのみで、その結果等のフィードバックは受けない構成となっている。
【0065】
また、主制御基板150並びに副制御基板151は、管理制御基板170を介してパチンコ店側のホールコンピュータ172に接続することができ、これにより、パチンコ機10の稼動状況を管理することも可能となっている。
【0066】
以下、副制御基板151の制御内容について説明すると、払出制御基板152は、パチンコ機10内に装備された賞球払出装置180を作動させて賞球の払い出し・停止動作及び払出数を制御し、音声制御基板154は、内枠14前面に設けられたスピーカー86、88を作動させて効果音等の出力を制御する。ランプ制御基板156は、内枠14の表示灯80、賞球払出エラー表示灯82、払出状態エラー表示灯84、並びに、遊技盤100に設けられた各種表示灯の点灯・消灯を制御し、発射制御基板158は、遊技者による発射ハンドル34の操作により発射装置40を作動させて遊技球の発射を制御する。
【0067】
また、図柄表示制御基板160の撮像制御部162は、主制御基板150からの撮影指示(タイミング信号)により、CMOSカメラ200による撮影を実行させる。詳細には、CMOSカメラ200の撮影レンズ201により結像された被写体(遊技者)の光学像を撮像デバイス(CMOSイメージセンサ)で電気信号(アナログ信号)に変換し、撮像制御部162では、撮像デバイスからケーブル230を介し伝送された出力信号に基づき、A/Dコンバータ等の信号処理回路で被写体像を示すデジタル画像データを生成する。さらにこのデジタル画像データは、撮像制御部162内の画像処理回路(マイクロプロセッサ)による所定の画素補間処理や色変換処理等を経て画像蓄積用メモリに記憶され、これと並行して表示制御部164に出力される。
【0068】
表示制御部164は、表示ドライバ182を介して特別図柄表示装置106のディスプレイ画面108に表示する特別図柄抽選や各種演出アニメーション等の表示内容を制御し、また、普通図柄表示装置117に表示する普通図柄抽選の表示内容を制御する。さらに表示制御部164は、主制御基板150からの画像合成指示(タイミング信号)により、撮像制御部162から入力されたデジタル画像データを特別図柄表示装置106に表示する上記表示内容の映像データに合成して、例えば、当り図柄表示後のアニメーションに、撮影した遊技者のバストアップ画像を合成するなどして表示する。
【0069】
また、特別図柄と普通図柄の抽選では、主制御基板150において、乱数カウンタを用い所定確率のもとに当たり/外れを決定する抽選処理が各々実行され、主制御基板150はその抽選結果に基づく判定信号を画像処理制御基板160の表示制御部164へ出力する。表示制御部164では、予め記憶されている複数種類の図柄変動パターン等の表示内容データの中から、入力された判定信号に対応する表示内容データが選択される。特別図柄表示装置106及び普通図柄表示装置117は、その表示内容データに基づく信号が画像処理制御基板160の表示制御部164から各々入力されて作動するようになっている。
【0070】
また、主制御基板150には、遊技盤100に設けられた各種遊技部品の駆動源や入賞球を検出するセンサ類が接続されている。
【0071】
駆動源としては、始動口110の電動チューリップ111を駆動するソレノイド184、大入賞口114の開閉扉76を開放・閉塞させるソレノイド186がそれぞれ接続されており、これらのソレノイド184、186は、主制御基板150から駆動信号がそれぞれ入力され制御される。
【0072】
また、入賞検出センサとしては、始動口110への入賞球を検出する始動口入賞センサ(第1種始動口入賞センサ)190、大入賞口114への入賞球を検出する大入賞口センサ192、大入賞口114内のVゾーンへの入賞球を検出するVゾーンセンサ194、通過ゲート120に設けられた通過ゲート入賞センサ196、入賞口118L、118Rへの入賞球を検出するにそれぞれの入賞口センサ198がそれぞれ接続されており、これらの各センサは、入賞球の検出時にその検出信号を主制御基板150へ出力する。そしてこれらの検出信号に基づき、主制御基板150が副制御基板151及び上記駆動源へ各種信号を出力することにより、パチンコ機10は所定の動作をするようになっている。
【0073】
(パチンコ機の遊技仕様)
パチンコ機10による遊技では、遊技者が発射ハンドル34を操作すると、球皿28に貯えられている遊技球は球送り装置38により一球づつ発射装置40に供給され、発射装置40によって上方へ発射される(図1の矢印A方向)。発射された遊技球は、外レール102に沿って遊技盤100の遊技領域101に打ち込まれ、遊技釘に当たり方向を変えながら遊技領域101内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域101の下端部に至った遊技球はアウト口124からパチンコ機10内に回収される。
【0074】
また、遊技球が入賞口118に入賞すると、賞球払出装置が作動して所定数(例えば5個)の賞球を払い出し、その払い出された賞球は、貯球タンク42内を通りタンク出口44を介して賞球排出口46から球皿28に排出される。
【0075】
さらに、始動口110へ入賞すると、主制御基板150において当たり/外れの抽選処理が実行され、その抽選結果は、特別図柄表示装置106のディスプレイ画面108に、配列された複数の特別図柄が所定のパターンで変動されその変動パターンを経た停止図柄の組み合わせによって表示される。なお、この特別図柄の変動パターンには、例えば、リーチを経た当たり図柄の表示又は外れ図柄の表示、あるいはリーチなしの外れ図柄表示など、様々な演出や趣向を加味した数多くのパターンが用意されており、遊技者は、それらの演出を受け特別図柄の抽選結果を期待感も持って観察する。
【0076】
そして、抽選結果が「大当たり」となった場合は、特別図柄表示装置106のディスプレイ画面108に、例えば、リーチ・アクションを経て「555」等の予め定められた所定の当たり図柄の組み合わせが表示されるとともに、表示灯80及びランプ130の点滅やスピーカー86、88からの効果音出力などによる演出を加えて、大当たりが発生したことを遊技者に報知し、所定の大当たり動作を実行する。
【0077】
さらに、この当たり図柄を表示したタイミングで、CMOSカメラ200による遊技者の撮影が実行され、ディスプレイ画面108に表示される当り図柄表示後のアニメーションには、遊技者のバストアップ画像が合成されて表示される。これにより、遊技者は、特別図柄表示装置106のディスプレイ画面108に表示された自分の喜びの表情などの画像を視認して、遊技への興趣が高められる。
【0078】
また、大当たり動作としては、大入賞口114が、例えば10カウント(入賞個数)又は最大30秒間(1回の開放時間)/最高16ラウンド(継続回数)開放されるとともに、1回の大入賞口114開放時に大入賞口114内のVゾーンへの入賞を果たすことで次ラウンドを継続するといった動作が行われる。これにより、遊技者は、発射した遊技球を大入賞口114へ容易に入賞させ、例えば入賞1個当たり15個の払い出しを受けるなどして、大量の賞球を獲得できるようになる。そして大量の賞球払い出しにより球皿28が満杯になると、球皿28に貯え切れなくなった分の賞球は貯球タンク42内に貯球される。
【0079】
また、当たり図柄が、例えば「777」等の予め定められた特定の図柄の組み合わせとなった場合には、上述した大当たり動作の終了後に、次の大当たり確率がアップする「確率変動機能」、あるいは大当たり確率は変わらないが普通図柄表示装置117の回転時間が短縮され始動口110が開放し易くなって球持ちをよくする「時短機能」といった付加機能が作動して、遊技者にとって有利な遊技状態が展開される。
【0080】
次に、本実施形態の作用・効果について説明する。
【0081】
本実施の形態では、CMOSカメラ200の撮影方向前側に配置された装飾部材260(フード部264及び装飾部材本体)及びフード部材270によって、CMOSカメラ200の撮影レンズ201へ入射する光が制限され、さらに、フード部材270の先端部274を内側のガラス板22に接触させていることにより、特別図柄表示装置106の表示光(LCD202動作時のバックライト光)やランプ130の照明光等は、フード部材270に遮られてフード部材270に囲われた内側の領域には入射できなくなる。そのため、そのガラス板22の内側領域面22AI(図17参照)における反射は起こらなくなり、ガラス板22の内側領域面22AIを介して行うCMOSカメラ200による撮影では、それら光源のガラス板22での反射光の映り込みがなくなる。さらに、ガラス板22を透過する、ホールの照明光や周囲の遊技機が発する各種表示灯光等の撮影に不必要な外部光もフード部材270によって遮られるため、それら外部光の映り込みも抑えられる。
【0082】
また、このフード部材270では、先端部274の開口縁(テーパー部276)がCMOSカメラ200の画角(撮影範囲)αに合わせられていることにより、CMOSカメラ200へ入射可能な光の範囲は、CMOSカメラ200の画角と同じになる。したがって、CMOSカメラ200による撮影では、入射可能な光の範囲が画角よりも狭い場合に撮影画像の隅や縁に生じる所謂「ケラレ」のない撮影を行いつつ、撮影上余分となる外部光の入射を最も広い範囲で制限することができて、映り込みの抑制効果を高めることができる。
【0083】
また、本実施の形態では、フード部材270をCMOSカメラ200側に設けていることにより、ガラス板22に対し、ガラス板22の面方向における位置合わせが不要となる。これにより、CMOSカメラ200(装飾部材260)との相対位置合わせをする必要があるガラス板22側に設ける場合に比べ、製造コストが抑えられる。さらに、フード部材270は装飾部材260に接着によって固定しているが、その接着部位は遊技者から視認できないため美観が損なわれることもない。
【0084】
また、フード部材270は、接着以外に、ネジ止めや嵌め込み、圧入等の他の方法を用いて装飾部材260、あるいは盤面飾り107等に固定することも可能であり、このように、ガラス板22側に設けるよりもフード部材270の固定方法の自由度が高いため、設置が容易となる。さらにここでは、フード部材270をガラス板22側に設けると、フード部材270はガラス枠26の開閉に伴って移動するとともにガラス枠26の開放時にはガラス板22の設置面(内面22A)から突出するため、接触等による破損や脱落の危険性が高まる。これに対しても、フード部材270をCMOSカメラ200側に設けていることにより、その危険性を回避することができている。
【0085】
また、本実施の形態では、ガラス板22に、遊技球の衝突による振動や、遊技者に叩かれたりガラス枠26を閉じる際の衝撃が加わっても、それらの振動や衝撃は、フード部材270の軸線方向(前後方向)の変形により緩衝されるため、CMOSカメラ200に伝わることはない。これにより、ガラス板22が振動しても撮像画像にブレが生じることはなく、衝撃によってCMOSカメラ200が故障することも防止される。
【0086】
さらに、ガラス枠26は開閉式であるため、CMOSカメラ200(装飾部材260)とガラス板22との距離のバラツキは大きくなりやすいが、その誤差分もフード部材270の弾性変形により吸収される。これにより、間隔Xが所定値より広い場合でも、フード部材270の先端部274は確実にガラス板22の内面22Aに接触して隙間が生じることはなく、間隔Xが所定値より狭い場合でも、CMOSカメラ200及びガラス板22に高い押圧力が加わることはない。また、フード部材270を弾性材料(合成ゴム)で形成していることにより、フード部材270の先端部274をガラス板22に接触させても、ガラス板22が傷付くことはない。
【0087】
また、一対のガラス板22によって遊技盤100を被覆する本実施の形態では、内側のガラス板22は、外側(遊技者側)のガラス板22を介して外気に間接的に触れているため、パチンコ機10内部の熱が伝わる遊技盤100や特別図柄表示装置106よりも低温となっている。これにより、CMOSカメラ200の熱は、熱伝導率の高い材料で形成されたフード部材270を介してガラス板22へ伝導され、その放熱が促進される。よって、CMOSカメラ200の温度上昇が抑えられ誤作動や撮影画像の画質低下を防止することができる。
【0088】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、CMOSカメラ200へ入射可能な光を制限する機能を備えたフード部材の形状を変更したものであるが、上記第1の実施形態で説明した構成と同一構成については同じ符合を付してその説明を省略する。
【0089】
図19には、特別図柄表示装置106を遊技盤100に取り付けた状態での、本発明の第2の実施形態に係るフード部材280が設けられた装飾部材260と特別図柄表示装置106との相対位置関係を示した側断面図が示されている。図19に示すように、本実施形態の装飾部材260の前壁260Aには、フード部264の前面開口よりも一回り大きい楕円形の筒状とされたフード部材280が接着・固定されている。
【0090】
このフード部材280は、エポキシ系合成樹脂等の熱伝導率の高い樹脂材料で形成されており、基端部282側には、蛇腹状に折り畳まれて軸線方向に伸縮自在とされた蛇腹部283が設けられ、先端部284の内周縁には、第1実施形態と同形状の前方へ所定の角度で拡径するテーパー部286が形成されている。また、フード部材280の自由状態での長さ寸法は、装飾部材260の前壁260Aとガラス板22の内面22Aとの間隔Xよりも少し長くされており、したがって、図19に示すガラス枠26の閉塞状態では、フード部材280の先端部284がガラス板22の内面22Aに接触し、蛇腹部283は、CMOSカメラ200とガラス板22とが相対的に接離する方向(フード部材280の軸線方向)に弾性的に圧縮変形している。
【0091】
このようなフード部材280によっても、第1実施形態と同様に先端部284が内側のガラス板22に接触しているため、特別図柄表示装置106の表示光等がガラス板22の内側領域面22AIで反射することはない。したがって、CMOSカメラ200による撮影での、ガラス板22での反射光の映り込みがなくなる。さらに、ガラス板22を透過する撮影に不必要な外部光もフード部材280によって遮られるため、外部光の映り込みも抑えられる。
【0092】
また、このフード部材280の場合も、先端部284の開口縁(テーパー部286)がCMOSカメラ200の画角αに合わせられているため、ケラレのない撮影を行いつつ、撮影上余分となる外部光の入射を広い範囲で制限できる。
【0093】
また、本実施の形態では、ガラス板22に振動や衝撃が加わった場合、それらの振動や衝撃は、フード部材280の蛇腹部283が軸線方向の伸縮することにより緩衝される。これにより、ガラス板22の振動による撮像画像のブレや、衝撃によるCMOSカメラ200の故障等が防止される。さらに、蛇腹部283の伸縮によってCMOSカメラ200(装飾部材260)とガラス板22との距離の誤差分も吸収されるため、フード部材280の先端部284とガラス板22の内面22Aとの間に隙間が生じることはなく、CMOSカメラ200及びガラス板22に高い押圧力が加わることもない。また、このフード部材280は樹脂材料で形成されていることにより、先端部284が接触することによるガラス板22の傷付きが防止される。
【0094】
また、本実施の形態のフード部材280は、熱伝導率の高いエポキシ系合成樹脂等の材料で形成されているため、CMOSカメラ200の熱は、フード部材280を介してガラス板22へ伝導され、放熱が促進される。これにより、CMOSカメラ200の温度上昇が抑えられ誤作動や撮影画像の画質低下が防止される。
【0095】
以上、本発明を上述した第1及び第2の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
【0096】
例えば、上述した第1及び第2の実施形態では、入射光制限部材となるフード部材270、280を装飾部材260に固定してCMOSカメラ200とガラス板22との間に介設しているが、それに限らず、カメラカバー236に固定する、又はCMOSカメラ200に直接固定するなどして設置することもできる。
【0097】
また、カメラカバー236及び装飾部材260を熱伝導率の高いエポキシ系の合成樹脂材料やアルミニウム等の金属材料で形成することにより、CMOSカメラ200の冷却効果を更に高めることも可能である。
【0098】
また、CMOSカメラ200の設置箇所については、特別図柄表示装置106の上側以外に、例えば、特別図柄表示装置106の右側の空きスペースなどの他の位置に設置することも可能である。
【0099】
また、遊技盤100を覆うガラス板22については、上述した実施形態のような2枚構成に限らず、1枚又は3枚以上であってもよい。
【0100】
また、本発明は、パチンコ機に限らず、ガラス板等の光透過性カバー部材により遊技盤の盤面が覆われた他の遊技機にも適用することがきる。
【0101】
【発明の効果】
本発明の遊技機は上記構成としたので、遊技者を撮影しその画像を表示する撮影・表示機能を備えた遊技機において、撮影における、遊技盤を覆うガラス板等の光透過性カバー部材での反射光や光透過性カバー部材を透過した外部光の映り込みが抑えられる。また、撮影手段の温度上昇が抑えられ誤作動や撮影画像の画質低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機を示した正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る遊技盤を示した正面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る遊技盤を示した裏面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る遊技盤を示した右側面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る特別図柄表示装置にカメラが搭載された状態を示した斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る特別図柄表示装置にカメラが搭載された状態を示した正面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る特別図柄表示装置にカメラが搭載された状態を示した平面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る特別図柄表示装置にカメラが搭載された状態を示した右側面図である。
【図10】図7の10−10線断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るカメラが搭載された特別図柄表示装置を遊技盤に取り付けた状態での特別図柄表示装置と盤面飾りとの相対位置関係を示した縦断面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る遊技盤を示した斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係るカメラが搭載された特別図柄表示装置を遊技盤に取り付けた状態での特別図柄表示装置と装飾部材との相対位置関係を示した正面側から見た斜視図である。
【図14】本発明の第1の実施形態に係るカメラが搭載された特別図柄表示装置を遊技盤に取り付けた状態での特別図柄表示装置と装飾部材との相対位置関係を示した裏面側から見た斜視図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係るカメラが搭載された特別図柄表示装置を遊技盤に取り付けた状態での特別図柄表示装置と装飾部材との相対位置関係を示した正面図である。
【図16】本発明の第1の実施形態に係るカメラが搭載された特別図柄表示装置を遊技盤に取り付けた状態での特別図柄表示装置と装飾部材との相対位置関係を示した平面図である。
【図17】本発明の第1の実施形態に係るカメラが搭載された特別図柄表示装置を遊技盤に取り付けた状態での特別図柄表示装置と装飾部材との相対位置関係を示した縦断面図である。
【図18】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の制御系の概略構成を示したブロック図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係るカメラが搭載された特別図柄表示装置を遊技盤に取り付けた状態での特別図柄表示装置と装飾部材との相対位置関係を示した縦断面図である。
【符号の説明】
10 パチンコ機(遊技機)
22 ガラス板(光透過性カバー部材)
100 遊技盤
100A 盤面
200 CMOSカメラ(撮影手段)
270 フード部材(入射光制限部材/弾性部材)
272 基端部(一端側)
274 先端部(他端側)
280 フード部材(入射光制限部材)
282 基端部(一端側)
283 蛇腹部(伸縮部)
284 先端部(他端側)
Claims (5)
- 盤面と所定の間隔で配置された光透過性カバー部材により前記盤面が覆われた遊技盤に、遊技者を撮影する撮影手段が設けられた遊技機において、
一端側が前記撮影手段に接触し他端側が前記光透過性カバー部材に接触して撮影手段と光透過性カバー部材との間に介設され、撮影手段の撮影方向前側を囲って撮影手段へ入射可能な光を制限する入射光制限部材を有することを特徴とする遊技機。 - 前記入射光制限部材は、前記撮影手段側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記入射光制限部材は、前記撮影手段と前記光透過性カバー部材とが相対的に接離する方向に弾性変形可能な弾性部材とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
- 前記入射光制限部材は、前記撮影手段と前記光透過性カバー部材とが相対的に接離する方向に伸縮可能な伸縮部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
- 前記入射光制限部材は、前記撮影手段の熱を前記光透過性カバー部材へ伝導可能な熱伝導率の高い材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項記載の遊技機。
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