JP2004265011A - 評価方法、評価装置および評価プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】設計時の不確実性(特にリスク)を考慮した、より現実的な設計案の評価が行える評価装置および方法を提供する。
【解決手段】評価対象の設計案を構成する各解決策に対する評価値を入力し、前記各解決策の実現難易度と、前記各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルのうちの少なくとも1つと、前記各解決策に対応する前記評価値とを用いて、前記各解決策に対する評価点を確率分布で設定し、前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することにより、評価対象の設計案を構成する各解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する設計時の不確実性(特に、リスク)を考慮して評価点の確率分布を設定し、この確率分布に従い発生させた各解決策の複数の評価点を基に設計案の評価点の確率分布を算出する。
【選択図】 図2
【解決手段】評価対象の設計案を構成する各解決策に対する評価値を入力し、前記各解決策の実現難易度と、前記各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルのうちの少なくとも1つと、前記各解決策に対応する前記評価値とを用いて、前記各解決策に対する評価点を確率分布で設定し、前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することにより、評価対象の設計案を構成する各解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する設計時の不確実性(特に、リスク)を考慮して評価点の確率分布を設定し、この確率分布に従い発生させた各解決策の複数の評価点を基に設計案の評価点の確率分布を算出する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、製品設計前に設計案を評価する方法およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な設計案の評価方法として、評価特性ごとに重み付けした評価点数を総和する、重み付け評価方法がある。この方法には、設計案や解決策の総合評価を簡便に実施できるという利点があるため、設計現場で広く用いられている。
【0003】
上記重み付け評価法では、重み係数の設定が不適切であれば、総合評価の結果も不適切なものになるため、重み係数の適切な設定方法が必要であった。さらに、重み付け評価法では、ある状態を想定して解決策を評価するが、最終的に解決策が予期された効果を発揮するか否かは、解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する部分がある。なお、ある状態とは、理想状態や平均的な状態を意味する。
【0004】
また、一般的なリスク分析をするための手法も存在する(例えば、非特許文献1参照)。しかし、ここには、あくまでも一般的なモンテカルロ・シミュレーションについて記載されているにすぎない。
【0005】
【非特許文献1】
リスク分析・シミュレーション入門、J.R.Evans, D.L.Olson, 1999,共立出版
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、設計案を評価するための従来の重み付け評価法は、解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する開発設計時の不確実性を考慮していないので、設計前評価で高い評価を得ても、実際に完成した製品では設計案で期待された効果を発揮できない場合もあった。
【0007】
また、このような開発設計時の不確実性を考慮して設計案の評価を行う手法自体、従来は存在していなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する開発設計時の不確実性を考慮して、開発リスクを加味した、より現実的な設計案の評価が行える評価方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、評価対象の設計案を構成する各解決策に対する評価値を入力し、前記各解決策の実現難易度と、前記各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルのうちの少なくとも1つと、前記各解決策に対応する前記評価値とを用いて、前記各解決策に対する評価点を確率分布で設定し、前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することにより、評価対象の設計案を構成する各解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する設計時の不確実性(特に、リスク)を考慮して評価点の確率分布を設定し、この確率分布に従い発生させた各解決策の複数の評価点を基に設計案の評価点の確率分布を算出することにより、開発リスクを考慮した、より現実的な設計案の評価が行え、適切な意思決定を支援することができる。
【0010】
好ましくは、前記各解決策に対し、予め定められた複数の評価特性のそれぞれについての評価値を入力し、前記各解決策に対し、前記複数の評価特性のそれぞれについて前記評価点を設定し、前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の前記複数の評価特性のそれぞれについての複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出する。その際、好ましくは、前記複数の評価特性のそれぞれに対する重み係数と、前記確率分布に従う前記各解決策の前記複数の評価特性のそれぞれについての評価点とを基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出する。
【0011】
好ましくは、モンテカルロ法を用いて、前記確率分布に従って発生させた前記複数の評価特性のそれぞれについての前記評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出する。
【0012】
好ましくは、前記複数の評価特性のそれぞれに対する確率分布で表現された重み係数を用いて前記設計案の評価点の確率分布を算出する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
ここでは、1つまたは複数の解決策を組み合わせて構成される設計案を各解決策の設計担当者の専門知識のレベルや各解決策の難易度などを基に評価する設計案評価装置について説明する。
【0015】
なお、解決策は自然言語で表現されているものとする。設計案は複数の解決策を組み合わせで構成されることもあれば、1つの解決策で1つの設計案が構成されることもある。
【0016】
各解決策に対しては、複数の評価特性項目についての評価点が入力される。評価特性としては、例えば、品質面から評価する品質特性と、環境面から評価する環境特性などがある。品質特性とは、例えば、当該解決策により、製品の性能、能力などが、基準となる機種(基準機種)と比較して、どの程度改善されるか(悪化するか)をみる評価特性であり、環境特性は、当該解決策により、環境への負荷がどの程度改善されるか(悪化するか)をみる評価特性である。
【0017】
品質特性としては、例えば、掃除機であれば吸込み仕事率のような指標が該当する。環境特性としては、例えば、掃除機であればリサイクル可能率のような指標が該当する。
【0018】
各評価特性項目についての評価点とは、例えば、品質特性の場合、ある品質が現状のものに対しどのくらい改善されるかを基準に、「−2」から「2」までの数値のいずれかで表される。数値が高くなれば、改善度合いが大きいことを表す。
【0019】
これら各評価特性に対し、ユーザにより入力される評価点は、各評価特性に対し予め定められた基準値に基づき定量的に定めておくこと望ましい。
【0020】
図1は、本実施形態に係る設計案評価装置のハードウエア的な構成例を示したもので、バス1に通信I/F装置2、可搬記録媒体ドライブ装置3、表示装置4、入力装置5、出力装置6、演算装置7および外部記憶装置8並びにメモリ9が接続されて構成されている。
【0021】
本実施形態に係る様々な手段に関するプログラムが、外部記憶装置8に予め記憶され、必要に応じて、例えば解決策入力手段11、確率分布設定手段12、設計案評価手段13に関するプログラムがメモリ9に読み込まれて動作する。後述する各解決策の設計を担当した設計者の各分野における知識レベルなどの各設計者に関する情報(設計者情報)や評価特性項目とその重要度に関する評価特性情報などを格納するデータベースは外部記憶装置8に保管されている。また、設計案評価結果なども外部記憶装置8に格納される。
【0022】
演算装置7は、メモリ9内のプログラムを実行することで、入出力制御や各種演算処理などを行う。入力装置5としてはマウス、キーボード、出力装置6としてはプリンタ、表示装置4としてはディスプレイなどが使用される。可搬記憶媒体ドライブ装置3はフロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブなどにより構成される。
【0023】
外部記憶装置8には、評価特性情報を格納したデータベース(評価特性情報データベース)が保管されている。各評価特性項目の重み係数は、例えば品質機能展開(QFD)やその他の方法によって予め算出したもので、それが評価特性情報データベースに格納されている。
【0024】
また、外部記憶装置8には、設計者情報を格納したデータベース(設計者情報データベース)が保管されている。
【0025】
図2を参照して、図1の設計案評価装置の処理動作について説明する。この動作は外部記憶装置8からメモリ9に転送されたプログラムに従って演算装置7を含むコンピュータにより実行され、処理結果が表示装置4に表示されるものである。
【0026】
設計者は何らかの手段によって設計案、解決策を考案する。
【0027】
評価特性情報データベースに格納されている評価特性項目とその重み係数が演算装置7により読み出されて、表示装置4の解決策の入力画面に表示される(ステップS1)。図3は、入力画面の表示例を示したものである。
【0028】
その後、図3に示したような入力画面上に、図1の設計案評価装置のユーザ(例えば、設計リーダなど)が、1つの設計案(評価対象の設計案)を構成する各解決策の識別情報あるいは内容(解決策)、実現難易度、当該解決策に対応する分野(専門分野)、各解決策の設計者の名前(あるいは当該設計者に対応する識別情報)を入力するとともに、各解決策に評価点を入力する。評価点は、各評価特性項目について入力する(ステップS2、ステップS3)。これらを入力した結果を図4に示す。ここでは、評価点は「−2」から「2」までのいずれかの数値で入力されるものとする。「−2」は、当該解決策を実施することによって、その評価特性が大変悪化することを示し、逆に、「+2」は、大変改善することを示している。
【0029】
上記ステップS1〜ステップS3までの処理は、解決策入力手段11に対応する解決策入力プログラムにより実行される。
【0030】
次に、図4に示した入力情報と、設計者データベースに格納されている設計者情報を基に、各解決策の評価点の確率分布を設定する(ステップS4)。なお、ステップS4の処理は、確率分布設定手段12に対応する確率分布設定プログラムにより実行される。
【0031】
ここで、図5に示すフローチャートを参照して、図2のステップS4の処理手順について説明する。ここでは、1つの設計案を構成する1つまたは複数の解決策のなかから1つずつ解決策を選択しながら、選択された各解決策の各評価特性項目についての評価点に対し、その確率分布を求める。
【0032】
図6は、設計者情報データベースに格納されている設計者情報データの一例を示したもので、各設計者(例えば、「加藤」「林」「田中」…)について、各分野についての知識レベルが「1」〜「3」で表されている。数値が高いほど知識レベルは高く、「3」は最も知識レベルが高いことを表している。
【0033】
解決策のうちの1つを選択して(ステップS11)、当該解決策の設計者について、図6に示したような情報が格納されている設計者情報データベースを検索し、当該解決策の分野に対応する当該設計者の知識レベルを得る(ステップS12)。
【0034】
次に、図7に示したような確率分布の幅を求めるためのマトリクスを参照して、当該解決策の難易度と、上記ステップS12で得られた当該設計者の知識レベルとに対応する確率分布の幅を得る(ステップS13)。
【0035】
図7に示したマトリクスでは、確率分布の幅(分布幅)として、狭い(狭)、中くらい(中)、広い(広)の3種類を用意し、基本的には、当該解決策の分野における知識レベルが低いにもかかわらず、難易度の高い解決策を提案した場合には、分布幅を広くなるように設定されている。当該解決策の分野における知識レベルが低いにもかかわらず、難易度の高い解決策を提案した場合、その評価点の信頼性が低い(当該解決策を実施する際のリスクが大きくなる可能性がある)からである。一方、当該解決策の分野における知識レベルが高くなるほど、当該解決案の難易度が高くとも、分布幅が狭くなるように設定されている。知識レベルが高くなれば、その評価点の信頼性が高い(当該解決策を実施する際のリスクが小さい)からである。
【0036】
図7に示したマトリクス状のデータは、外部記憶装置8に予め記憶されており、必要に応じてメモリ9に読み出される。
【0037】
さて、ステップS13で確率分布の幅が得られたら、次に、分布幅(「狭」「中」「広」)毎に予め定められた確率分布のパターンに従って、各評価特性項目についての評価点に対し確率分布を設定する(ステップS14)。
【0038】
図8は、評価点が「+2」の場合に、3種類(狭い、中くらい、広い)の分布幅毎に予め定められた確率分布のパターンの具体例を示したものである。なお、ここでは、ユーザにより入力された評価点そのものは、最良の状態における評価点とみなし、それより悪い状態におけるリスクの存在の程度を推定したので、分布幅の広がりは、評価点が低くなる方向へ広がるように確率分布の幅とパターンを設定している。すなわち、入力された評価点に対する発生確率が最も高く、評価点eが低くなるにつれ、その発生確率yが一定の割合で低くなるような三角分布を設定している。
【0039】
例えば、狭い分布幅の場合、評価点eは、「+2」で固定した値をとる(厳密に言えば分布幅は無い)。
【0040】
また、広い分布幅の場合、評価点は、最悪「0」に近くなる可能性のあるような分布パターンとなっている。例えば、評価点の発生する範囲(分布幅)は「0」〜「+2」とすると、評価点e(e=0〜2)の発生する確率yの分布は、y(e=+2)とy(e=0)=0とを結ぶ三角分布として設定される。
【0041】
また、中くらいの分布幅の場合、分布パターンは、上記狭い分布幅のときの分布パターンと、中くらいの分布幅のときの分布パターンとの中間の分布幅をもつ分布パターンとなっている。例えば、評価点の発生する範囲は「+1」〜「+2」とすると、評価点e(e=1〜2)の発生する確率yの分布は、y(e=+2)とy(e=1)=0とを結ぶ三角分布として設定される。
【0042】
なお、この実施形態では、三角分布を用いているが、必ずしも、このような形状の分布を用いる必要はなく、三角形状以外の分布パターンを用いてもよい。
【0043】
図9は、評価点が「+1」の場合の、3種類(狭い、中くらい、広い)の分布幅毎に予め定められた確率分布のパターンの具体例を、上記図8と同様にして示したものである。
【0044】
上記のようにして、全ての解決策について、上記ステップS12〜ステップS14までの処理を繰り返し、各解決策ついての全ての評価点について、図8,図9に示すような確率分布を設定する(ステップS15)。
【0045】
次に、図2の説明に戻り、ステップS4において、図5に示したフローチャートに従って、各解決策ついての各評価特性項目に対する評価点の全てについて確率分布が設定されると、ステップS5へ進み、モンテカルロ・シミュレーションを行うことにより、評価対象の設計案についての総合評価点の確率分布を求める。ここで求めた総合評価点の確率分布の算出結果は、表示装置4により表示されるとともに、外部記憶装置8にも記憶される(ステップS6)。なお、ステップS5〜ステップS6の処理は、設計案評価手段13に対応する設計案評価プログラムにより実行される。
【0046】
ここで、図10に示すフローチャートを参照して、図2のステップS5の処理手順の一例について説明する。まず、試行回数を表す変数mを「1」に設定し(ステップS21)、ステップS22へ進む。
【0047】
ここでは、評価対象の設計案に含まれる解決策を変数n(1〜N)で表し、評価特性(項目)を変数i(1〜I)で表す。
【0048】
ステップS22では、解決策nの各評価特性iに対する評価点einを、それぞれの確率分布に従って発生し、この発生させた各評価点einから、当該設計案の総合評価点Emを、次式(1)から求める。なお、評価特性iに対する重み係数wiは、重要度の値に対応する値である。
【0049】
【数1】
【0050】
ここで、図11を参照して、上記ステップS22,ステップS23の処理について具体的に説明する。
【0051】
図11(a)は、評価対象の設計案に含まれる解決策A、Bについて、図4に示した入力画面上で入力された、評価特性(品質特性A〜D)のそれぞれに対応する評価点の入力値を示している。各評価特性に対応する重要度20%、30%、15%、35%は、重み係数「0.2」、「0.3」、「0.15」、「0.35」として用いる。
【0052】
なお、ここで、解決策Aの分野に対応する当該解決策Aを提案した設計者の知識レベルは「1」、当該解決策Aの難易度は「低」であるので、評価点の確率分布は、中くらいの分布幅をもつ分布パターンとなる。また、解決策Bの分野に対応する当該解決策Bを提案した設計者の知識レベルは「1」、当該解決策Bの難易度は「高」であるので、評価点の確率分布は、広い分布幅をもつ分布パターンとなる。
【0053】
従って、図11(a)の解決策Aの品質特性Aに対応し評価点「1」が入力されたので、ステップS22では、図2のステップS4で設定された評価点の確率分布のパターンである、図9の中くらいの分布(e=0 ̄1)に従って評価点eをランダムに1つずつ発生する(1回の試行につき1つ発生する)。この場合、評価点einは、「0」〜「1」の範囲の値である。
【0054】
また、図11(a)の解決策Aの品質特性Bに対応し評価点「2」が入力されたので、ステップS22では、図2のステップS4で設定された評価点の確率分布のパターンである、図8の中くらいの分布(e=1 ̄2)に従って評価点eをランダムに1つずつ発生する(1回の試行につき1つ発生する)。この場合、評価点einは、「1」〜「2」の範囲の値である。
【0055】
また、図11(a)の解決策Bの品質特性Bに対応する評価点も上記同様にして、図2のステップS4で設定された評価点の確率分布のパターンに従った範囲内の値をランダムに1つずつ発生する(1回の試行につき1つ発生する)。
【0056】
1回目の試行(試行回数m=1の試行)において、図11(b)に示すような、各解決策の各評価特性に対する評価点einが発生したとする。このとき、総合評価点E1は、各評価特性の重み係数を用いて、上記(1)式から
E1=(0.5×0.2)+(1×0.3)+(1×0.15)=0.55
となる。
【0057】
mを1つインクリメントし(ステップS24)、2回目の試行(m=2)において上記同様にして発生した、各解決策の各評価特性に対する評価点einを図11(c)に示す。このときの総合評価点E2は、E2=0.25となる。
【0058】
上記ステップS22〜ステップS23の処理を予め定めた所定回数(m=M回)繰り返す(ステップS25)。 なお、図10では、各解決策についての各評価特性に対する評価点を発生させる度に(ステップS22)、総合評価点を算出し(ステップS23)、これを1セットとして、M回繰り返すようになっているが、この場合に限らない。例えば、ステップS22の処理をまずM回繰り返して、各解決策についての各評価特性に対する評価点をM組発生させた後に、各組における総合評価点を上記式(1)から求めるようにしても、その効果は全く同様である。
【0059】
次に、ステップS21〜ステップS25の処理により求められたM個の総合評価点Em(m=1〜M)の各値(「−2」〜「+2」)の発生する確率を求める。すなわち、Emのとり得る値は、「−2」〜「+2」のいずれかであるので、ある総合評価点の値の全試行回数Mのうちの出現頻度を算出し、それを、横軸に総合評価点Emの値、縦軸に出現頻度を表したグラフ上にプロットすることにより、総合評価点の各値の出現頻度の分布(総合評価点の確率分布)を求める(ステップS26)。
【0060】
ステップS26で求められた、総合評価点の確率分布の表示装置4による表示例を図12に示す。総合評価点「0」は、例えば、基準機種の状態に対応し、これよりも値の大きくなるほど(すなわち、総合評価点が「2」に近くなるほど)当該設計案を実行した場合に、当該基準機種よりも改善されことを表す。また、総合評価点が「−2」に近くなるほど、当該基準機種よりも状況が悪くなることを表す。従って、総合評価点が「0」以上あるいは「0」より大きい確率(総合評価点が「0」から「2」までの間の確率分布を表す曲線で囲まれた部分の面積で、図12の斜線部分の面積に対応する)が高いほど、当該設計案を実行した場合に当該基準機種より改善する可能性が高いことになる(リスクが小さい)。
【0061】
図10のステップS26では、図12の斜線部分の面積も求めるようにする。そして、図12の斜線部分の面積に対応する、基準機種より改善される確率(当該設計案に対する信頼度ともいえる)が、総合評価点の確率分布とともに表示される。
【0062】
以上説明したように、上記実施形態によれば、評価対象の設計案を構成する各解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する設計時の不確実性を考慮して解決策に対する評価点の確率分布を設定し、この確率分布に従い発生させた各解決策の複数の評価点を基に設計案の評価点の確率分布を算出することにより、開発リスクを考慮した、より現実的な設計案の評価が行え、適切な意思決定を支援することができる。
【0063】
なお、上記実施形態では、評価点の確率分布を設定する際、各解決策の実現難易度と、各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルの両方を用いていたが、いずれか一方のみを用いてもよい。例えば、各解決策の実現難易度のみを用いて、難易度が高ければ、分布幅を広く設定し、難易度が低ければ分布幅を狭く設定する。また、各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルのみを用いて、知識レベルが高ければ、分布幅を狭く設定し、知識レベルが低ければ分布幅を狭く設定する。
【0064】
また、上記実施形態では、評価特性として、品質特性の場合について説明したが、品質特性と環境特性を使って、品質面と環境面との両側面についての設計案を評価することできる。ここで、品質特性とは製品の品質側面の定量指標であり、例えば掃除機であれば吸込み仕事率のような指標が該当する。一方、環境特性とは製品の環境側面の定量指標であり、掃除機であればリサイクル可能率のような指標が該当する。
【0065】
例えば、図13に示すような解決策の入力画面上に、前述同様にして、各解決策について、品質特性と環境特性に対する評価点を入力する(図2のステップS1〜ステップS3)。すると、品質特性(品質特性A〜D)と環境特性(環境特性A〜D)の2つに分けて、前述同様にして、各評価点に対する確率分布を設定するとともに(図5参照)、モンテカルロ・シミュレーションを行う(図10参照)。その結果、図14に示すような品質特性についての当該設計案の総合評価点の確率分布と、図15に示すような環境特性についての当該設計案の総合評価点の確率分布とが出力される。
【0066】
次に、評価対象の設計案についての評価結果の他の表示例について説明する。
【0067】
図12に示した設計案の評価結果では、総合評価点のとり得る値「−2」〜「2」について、各値に対する確率の分布をグラフ表示しているが、この場合に限らず、総合評価点の平均値(図16の平均値)あるいは中央値をy軸とし、最も高い発生確率の値の1/2の値を確率値とする2つの総合評価点の値の隔たり(図16の半値幅)あるいは分散をx軸とするグラフに表示することもできる。
【0068】
平均値が大きければ大きいほど、基準機種と比較して、当該設計案を実行した場合の平均的な改善度合いが大きことを表している。また、半値幅あるいは分散値が大きければ大きいほど、当該設計案の不確実性が高いこと、すなわち、当該設計案を実行した場合の開発リスクが大きいことを表している。
【0069】
例えば、図17では、設計案Aは、平均値の値が高いので平均的な改善の度合いは大きいが、半値幅の値も大きいため、不確実性(開発リスク)も大きいことがわかる。一方、設計案Bは、平均値の値が低いので平均的な改善の度合いは小さいが、半値幅の値も小さいため、開発リスクも小さいことがわかる。ユーザは、平均的な改善効果と開発リスクを総合して、最終的な設計案を決定することができる。
【0070】
設計案評価手段13は、図17に示したような算出結果を表示装置4に表示する。
【0071】
また、総合評価点を求めるときに用いる各評価特性の重み係数が確率分布で表現されていてもよい。式(1)の重み係数wi自体が各評価特性に対する確率分布で表現されていると、その結果得られる設計案の評価点の確率分布は、図12に示した確率分布よりも幅の広い確率分布が得られる。例えば、重み係数wiが、市場の変化のような市場リスクを考慮した確率分布で表現されている場合、設計リスクに加えて市場の変化のような市場リスクも考慮して設計案を評価することができる。
【0072】
さらに、本発明の実施の形態に記載した本発明の手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0073】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明は含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより、種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(のなくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する設計時の不確実性を考慮して、より現実的な設計案の評価が行え、その結果、開発リスクを加味した適切な意思決定を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る設計案評価装置の構成例を示した図。
【図2】図1の設計案評価装置の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図3】入力画面の一例を示した図。
【図4】評価対象の設計案を構成する各解決案に関するデータ(実現難易度、分野、設計者、評価点など)が入力された入力画面の一例を示した図。
【図5】各解決策の評価点の確率分布を設定するための処理動作を説明するためのフローチャート。
【図6】設計者情報データベースに格納されている設計者情報データの一例を示した図。
【図7】確率分布の幅を求めるためのマトリクスの一例を示した図。
【図8】評価点が「+2」の場合に、3種類(狭い、中くらい、広い)の分布幅毎に予め定められた確率分布のパターンの具体例を示した図。
【図9】評価点が「+1」の場合に、3種類(狭い、中くらい、広い)の分布幅毎に予め定められた確率分布のパターンの具体例を示した図。
【図10】評価対象の設計案についての総合評価点の確率分布を求めるための処理動作を説明するためのフローチャート。
【図11】評価対象の設計案についての総合評価点の確率分布を求めるための処理動作を説明するための図。
【図12】総合評価点の確率分布の表示例を示した図。
【図13】評価特性として、品質と環境の2種類の評価特性(品質特性、環境特性)に関する設計案の評価を求めるための入力画面の他の例を示した図。
【図14】品質特性に関する設計案の評価結果の表示例を示した図。
【図15】環境特性に関する設計案の評価結果の表示例を示した図。
【図16】設計案の総合評価点の確率分布における平均値と半値幅を説明するための図。
【図17】設計案の評価結果を平均値と半値幅を用いて表示する場合の表示例を示した図。
【符号の説明】
1…バス、2…通信インタフェース(I/F)装置、3…可搬記憶媒体ドライブ装置、4…表示装置、5…入力装置、6…出力装置、7…演算装置、8…外部記憶装置、9…メモリ、11…解決策入力手段、12…確率分布設定手段、13…設計案評価手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、製品設計前に設計案を評価する方法およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な設計案の評価方法として、評価特性ごとに重み付けした評価点数を総和する、重み付け評価方法がある。この方法には、設計案や解決策の総合評価を簡便に実施できるという利点があるため、設計現場で広く用いられている。
【0003】
上記重み付け評価法では、重み係数の設定が不適切であれば、総合評価の結果も不適切なものになるため、重み係数の適切な設定方法が必要であった。さらに、重み付け評価法では、ある状態を想定して解決策を評価するが、最終的に解決策が予期された効果を発揮するか否かは、解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する部分がある。なお、ある状態とは、理想状態や平均的な状態を意味する。
【0004】
また、一般的なリスク分析をするための手法も存在する(例えば、非特許文献1参照)。しかし、ここには、あくまでも一般的なモンテカルロ・シミュレーションについて記載されているにすぎない。
【0005】
【非特許文献1】
リスク分析・シミュレーション入門、J.R.Evans, D.L.Olson, 1999,共立出版
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、設計案を評価するための従来の重み付け評価法は、解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する開発設計時の不確実性を考慮していないので、設計前評価で高い評価を得ても、実際に完成した製品では設計案で期待された効果を発揮できない場合もあった。
【0007】
また、このような開発設計時の不確実性を考慮して設計案の評価を行う手法自体、従来は存在していなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する開発設計時の不確実性を考慮して、開発リスクを加味した、より現実的な設計案の評価が行える評価方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、評価対象の設計案を構成する各解決策に対する評価値を入力し、前記各解決策の実現難易度と、前記各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルのうちの少なくとも1つと、前記各解決策に対応する前記評価値とを用いて、前記各解決策に対する評価点を確率分布で設定し、前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することにより、評価対象の設計案を構成する各解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する設計時の不確実性(特に、リスク)を考慮して評価点の確率分布を設定し、この確率分布に従い発生させた各解決策の複数の評価点を基に設計案の評価点の確率分布を算出することにより、開発リスクを考慮した、より現実的な設計案の評価が行え、適切な意思決定を支援することができる。
【0010】
好ましくは、前記各解決策に対し、予め定められた複数の評価特性のそれぞれについての評価値を入力し、前記各解決策に対し、前記複数の評価特性のそれぞれについて前記評価点を設定し、前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の前記複数の評価特性のそれぞれについての複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出する。その際、好ましくは、前記複数の評価特性のそれぞれに対する重み係数と、前記確率分布に従う前記各解決策の前記複数の評価特性のそれぞれについての評価点とを基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出する。
【0011】
好ましくは、モンテカルロ法を用いて、前記確率分布に従って発生させた前記複数の評価特性のそれぞれについての前記評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出する。
【0012】
好ましくは、前記複数の評価特性のそれぞれに対する確率分布で表現された重み係数を用いて前記設計案の評価点の確率分布を算出する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
ここでは、1つまたは複数の解決策を組み合わせて構成される設計案を各解決策の設計担当者の専門知識のレベルや各解決策の難易度などを基に評価する設計案評価装置について説明する。
【0015】
なお、解決策は自然言語で表現されているものとする。設計案は複数の解決策を組み合わせで構成されることもあれば、1つの解決策で1つの設計案が構成されることもある。
【0016】
各解決策に対しては、複数の評価特性項目についての評価点が入力される。評価特性としては、例えば、品質面から評価する品質特性と、環境面から評価する環境特性などがある。品質特性とは、例えば、当該解決策により、製品の性能、能力などが、基準となる機種(基準機種)と比較して、どの程度改善されるか(悪化するか)をみる評価特性であり、環境特性は、当該解決策により、環境への負荷がどの程度改善されるか(悪化するか)をみる評価特性である。
【0017】
品質特性としては、例えば、掃除機であれば吸込み仕事率のような指標が該当する。環境特性としては、例えば、掃除機であればリサイクル可能率のような指標が該当する。
【0018】
各評価特性項目についての評価点とは、例えば、品質特性の場合、ある品質が現状のものに対しどのくらい改善されるかを基準に、「−2」から「2」までの数値のいずれかで表される。数値が高くなれば、改善度合いが大きいことを表す。
【0019】
これら各評価特性に対し、ユーザにより入力される評価点は、各評価特性に対し予め定められた基準値に基づき定量的に定めておくこと望ましい。
【0020】
図1は、本実施形態に係る設計案評価装置のハードウエア的な構成例を示したもので、バス1に通信I/F装置2、可搬記録媒体ドライブ装置3、表示装置4、入力装置5、出力装置6、演算装置7および外部記憶装置8並びにメモリ9が接続されて構成されている。
【0021】
本実施形態に係る様々な手段に関するプログラムが、外部記憶装置8に予め記憶され、必要に応じて、例えば解決策入力手段11、確率分布設定手段12、設計案評価手段13に関するプログラムがメモリ9に読み込まれて動作する。後述する各解決策の設計を担当した設計者の各分野における知識レベルなどの各設計者に関する情報(設計者情報)や評価特性項目とその重要度に関する評価特性情報などを格納するデータベースは外部記憶装置8に保管されている。また、設計案評価結果なども外部記憶装置8に格納される。
【0022】
演算装置7は、メモリ9内のプログラムを実行することで、入出力制御や各種演算処理などを行う。入力装置5としてはマウス、キーボード、出力装置6としてはプリンタ、表示装置4としてはディスプレイなどが使用される。可搬記憶媒体ドライブ装置3はフロッピーディスクドライブ、光ディスクドライブなどにより構成される。
【0023】
外部記憶装置8には、評価特性情報を格納したデータベース(評価特性情報データベース)が保管されている。各評価特性項目の重み係数は、例えば品質機能展開(QFD)やその他の方法によって予め算出したもので、それが評価特性情報データベースに格納されている。
【0024】
また、外部記憶装置8には、設計者情報を格納したデータベース(設計者情報データベース)が保管されている。
【0025】
図2を参照して、図1の設計案評価装置の処理動作について説明する。この動作は外部記憶装置8からメモリ9に転送されたプログラムに従って演算装置7を含むコンピュータにより実行され、処理結果が表示装置4に表示されるものである。
【0026】
設計者は何らかの手段によって設計案、解決策を考案する。
【0027】
評価特性情報データベースに格納されている評価特性項目とその重み係数が演算装置7により読み出されて、表示装置4の解決策の入力画面に表示される(ステップS1)。図3は、入力画面の表示例を示したものである。
【0028】
その後、図3に示したような入力画面上に、図1の設計案評価装置のユーザ(例えば、設計リーダなど)が、1つの設計案(評価対象の設計案)を構成する各解決策の識別情報あるいは内容(解決策)、実現難易度、当該解決策に対応する分野(専門分野)、各解決策の設計者の名前(あるいは当該設計者に対応する識別情報)を入力するとともに、各解決策に評価点を入力する。評価点は、各評価特性項目について入力する(ステップS2、ステップS3)。これらを入力した結果を図4に示す。ここでは、評価点は「−2」から「2」までのいずれかの数値で入力されるものとする。「−2」は、当該解決策を実施することによって、その評価特性が大変悪化することを示し、逆に、「+2」は、大変改善することを示している。
【0029】
上記ステップS1〜ステップS3までの処理は、解決策入力手段11に対応する解決策入力プログラムにより実行される。
【0030】
次に、図4に示した入力情報と、設計者データベースに格納されている設計者情報を基に、各解決策の評価点の確率分布を設定する(ステップS4)。なお、ステップS4の処理は、確率分布設定手段12に対応する確率分布設定プログラムにより実行される。
【0031】
ここで、図5に示すフローチャートを参照して、図2のステップS4の処理手順について説明する。ここでは、1つの設計案を構成する1つまたは複数の解決策のなかから1つずつ解決策を選択しながら、選択された各解決策の各評価特性項目についての評価点に対し、その確率分布を求める。
【0032】
図6は、設計者情報データベースに格納されている設計者情報データの一例を示したもので、各設計者(例えば、「加藤」「林」「田中」…)について、各分野についての知識レベルが「1」〜「3」で表されている。数値が高いほど知識レベルは高く、「3」は最も知識レベルが高いことを表している。
【0033】
解決策のうちの1つを選択して(ステップS11)、当該解決策の設計者について、図6に示したような情報が格納されている設計者情報データベースを検索し、当該解決策の分野に対応する当該設計者の知識レベルを得る(ステップS12)。
【0034】
次に、図7に示したような確率分布の幅を求めるためのマトリクスを参照して、当該解決策の難易度と、上記ステップS12で得られた当該設計者の知識レベルとに対応する確率分布の幅を得る(ステップS13)。
【0035】
図7に示したマトリクスでは、確率分布の幅(分布幅)として、狭い(狭)、中くらい(中)、広い(広)の3種類を用意し、基本的には、当該解決策の分野における知識レベルが低いにもかかわらず、難易度の高い解決策を提案した場合には、分布幅を広くなるように設定されている。当該解決策の分野における知識レベルが低いにもかかわらず、難易度の高い解決策を提案した場合、その評価点の信頼性が低い(当該解決策を実施する際のリスクが大きくなる可能性がある)からである。一方、当該解決策の分野における知識レベルが高くなるほど、当該解決案の難易度が高くとも、分布幅が狭くなるように設定されている。知識レベルが高くなれば、その評価点の信頼性が高い(当該解決策を実施する際のリスクが小さい)からである。
【0036】
図7に示したマトリクス状のデータは、外部記憶装置8に予め記憶されており、必要に応じてメモリ9に読み出される。
【0037】
さて、ステップS13で確率分布の幅が得られたら、次に、分布幅(「狭」「中」「広」)毎に予め定められた確率分布のパターンに従って、各評価特性項目についての評価点に対し確率分布を設定する(ステップS14)。
【0038】
図8は、評価点が「+2」の場合に、3種類(狭い、中くらい、広い)の分布幅毎に予め定められた確率分布のパターンの具体例を示したものである。なお、ここでは、ユーザにより入力された評価点そのものは、最良の状態における評価点とみなし、それより悪い状態におけるリスクの存在の程度を推定したので、分布幅の広がりは、評価点が低くなる方向へ広がるように確率分布の幅とパターンを設定している。すなわち、入力された評価点に対する発生確率が最も高く、評価点eが低くなるにつれ、その発生確率yが一定の割合で低くなるような三角分布を設定している。
【0039】
例えば、狭い分布幅の場合、評価点eは、「+2」で固定した値をとる(厳密に言えば分布幅は無い)。
【0040】
また、広い分布幅の場合、評価点は、最悪「0」に近くなる可能性のあるような分布パターンとなっている。例えば、評価点の発生する範囲(分布幅)は「0」〜「+2」とすると、評価点e(e=0〜2)の発生する確率yの分布は、y(e=+2)とy(e=0)=0とを結ぶ三角分布として設定される。
【0041】
また、中くらいの分布幅の場合、分布パターンは、上記狭い分布幅のときの分布パターンと、中くらいの分布幅のときの分布パターンとの中間の分布幅をもつ分布パターンとなっている。例えば、評価点の発生する範囲は「+1」〜「+2」とすると、評価点e(e=1〜2)の発生する確率yの分布は、y(e=+2)とy(e=1)=0とを結ぶ三角分布として設定される。
【0042】
なお、この実施形態では、三角分布を用いているが、必ずしも、このような形状の分布を用いる必要はなく、三角形状以外の分布パターンを用いてもよい。
【0043】
図9は、評価点が「+1」の場合の、3種類(狭い、中くらい、広い)の分布幅毎に予め定められた確率分布のパターンの具体例を、上記図8と同様にして示したものである。
【0044】
上記のようにして、全ての解決策について、上記ステップS12〜ステップS14までの処理を繰り返し、各解決策ついての全ての評価点について、図8,図9に示すような確率分布を設定する(ステップS15)。
【0045】
次に、図2の説明に戻り、ステップS4において、図5に示したフローチャートに従って、各解決策ついての各評価特性項目に対する評価点の全てについて確率分布が設定されると、ステップS5へ進み、モンテカルロ・シミュレーションを行うことにより、評価対象の設計案についての総合評価点の確率分布を求める。ここで求めた総合評価点の確率分布の算出結果は、表示装置4により表示されるとともに、外部記憶装置8にも記憶される(ステップS6)。なお、ステップS5〜ステップS6の処理は、設計案評価手段13に対応する設計案評価プログラムにより実行される。
【0046】
ここで、図10に示すフローチャートを参照して、図2のステップS5の処理手順の一例について説明する。まず、試行回数を表す変数mを「1」に設定し(ステップS21)、ステップS22へ進む。
【0047】
ここでは、評価対象の設計案に含まれる解決策を変数n(1〜N)で表し、評価特性(項目)を変数i(1〜I)で表す。
【0048】
ステップS22では、解決策nの各評価特性iに対する評価点einを、それぞれの確率分布に従って発生し、この発生させた各評価点einから、当該設計案の総合評価点Emを、次式(1)から求める。なお、評価特性iに対する重み係数wiは、重要度の値に対応する値である。
【0049】
【数1】
【0050】
ここで、図11を参照して、上記ステップS22,ステップS23の処理について具体的に説明する。
【0051】
図11(a)は、評価対象の設計案に含まれる解決策A、Bについて、図4に示した入力画面上で入力された、評価特性(品質特性A〜D)のそれぞれに対応する評価点の入力値を示している。各評価特性に対応する重要度20%、30%、15%、35%は、重み係数「0.2」、「0.3」、「0.15」、「0.35」として用いる。
【0052】
なお、ここで、解決策Aの分野に対応する当該解決策Aを提案した設計者の知識レベルは「1」、当該解決策Aの難易度は「低」であるので、評価点の確率分布は、中くらいの分布幅をもつ分布パターンとなる。また、解決策Bの分野に対応する当該解決策Bを提案した設計者の知識レベルは「1」、当該解決策Bの難易度は「高」であるので、評価点の確率分布は、広い分布幅をもつ分布パターンとなる。
【0053】
従って、図11(a)の解決策Aの品質特性Aに対応し評価点「1」が入力されたので、ステップS22では、図2のステップS4で設定された評価点の確率分布のパターンである、図9の中くらいの分布(e=0 ̄1)に従って評価点eをランダムに1つずつ発生する(1回の試行につき1つ発生する)。この場合、評価点einは、「0」〜「1」の範囲の値である。
【0054】
また、図11(a)の解決策Aの品質特性Bに対応し評価点「2」が入力されたので、ステップS22では、図2のステップS4で設定された評価点の確率分布のパターンである、図8の中くらいの分布(e=1 ̄2)に従って評価点eをランダムに1つずつ発生する(1回の試行につき1つ発生する)。この場合、評価点einは、「1」〜「2」の範囲の値である。
【0055】
また、図11(a)の解決策Bの品質特性Bに対応する評価点も上記同様にして、図2のステップS4で設定された評価点の確率分布のパターンに従った範囲内の値をランダムに1つずつ発生する(1回の試行につき1つ発生する)。
【0056】
1回目の試行(試行回数m=1の試行)において、図11(b)に示すような、各解決策の各評価特性に対する評価点einが発生したとする。このとき、総合評価点E1は、各評価特性の重み係数を用いて、上記(1)式から
E1=(0.5×0.2)+(1×0.3)+(1×0.15)=0.55
となる。
【0057】
mを1つインクリメントし(ステップS24)、2回目の試行(m=2)において上記同様にして発生した、各解決策の各評価特性に対する評価点einを図11(c)に示す。このときの総合評価点E2は、E2=0.25となる。
【0058】
上記ステップS22〜ステップS23の処理を予め定めた所定回数(m=M回)繰り返す(ステップS25)。 なお、図10では、各解決策についての各評価特性に対する評価点を発生させる度に(ステップS22)、総合評価点を算出し(ステップS23)、これを1セットとして、M回繰り返すようになっているが、この場合に限らない。例えば、ステップS22の処理をまずM回繰り返して、各解決策についての各評価特性に対する評価点をM組発生させた後に、各組における総合評価点を上記式(1)から求めるようにしても、その効果は全く同様である。
【0059】
次に、ステップS21〜ステップS25の処理により求められたM個の総合評価点Em(m=1〜M)の各値(「−2」〜「+2」)の発生する確率を求める。すなわち、Emのとり得る値は、「−2」〜「+2」のいずれかであるので、ある総合評価点の値の全試行回数Mのうちの出現頻度を算出し、それを、横軸に総合評価点Emの値、縦軸に出現頻度を表したグラフ上にプロットすることにより、総合評価点の各値の出現頻度の分布(総合評価点の確率分布)を求める(ステップS26)。
【0060】
ステップS26で求められた、総合評価点の確率分布の表示装置4による表示例を図12に示す。総合評価点「0」は、例えば、基準機種の状態に対応し、これよりも値の大きくなるほど(すなわち、総合評価点が「2」に近くなるほど)当該設計案を実行した場合に、当該基準機種よりも改善されことを表す。また、総合評価点が「−2」に近くなるほど、当該基準機種よりも状況が悪くなることを表す。従って、総合評価点が「0」以上あるいは「0」より大きい確率(総合評価点が「0」から「2」までの間の確率分布を表す曲線で囲まれた部分の面積で、図12の斜線部分の面積に対応する)が高いほど、当該設計案を実行した場合に当該基準機種より改善する可能性が高いことになる(リスクが小さい)。
【0061】
図10のステップS26では、図12の斜線部分の面積も求めるようにする。そして、図12の斜線部分の面積に対応する、基準機種より改善される確率(当該設計案に対する信頼度ともいえる)が、総合評価点の確率分布とともに表示される。
【0062】
以上説明したように、上記実施形態によれば、評価対象の設計案を構成する各解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する設計時の不確実性を考慮して解決策に対する評価点の確率分布を設定し、この確率分布に従い発生させた各解決策の複数の評価点を基に設計案の評価点の確率分布を算出することにより、開発リスクを考慮した、より現実的な設計案の評価が行え、適切な意思決定を支援することができる。
【0063】
なお、上記実施形態では、評価点の確率分布を設定する際、各解決策の実現難易度と、各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルの両方を用いていたが、いずれか一方のみを用いてもよい。例えば、各解決策の実現難易度のみを用いて、難易度が高ければ、分布幅を広く設定し、難易度が低ければ分布幅を狭く設定する。また、各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルのみを用いて、知識レベルが高ければ、分布幅を狭く設定し、知識レベルが低ければ分布幅を狭く設定する。
【0064】
また、上記実施形態では、評価特性として、品質特性の場合について説明したが、品質特性と環境特性を使って、品質面と環境面との両側面についての設計案を評価することできる。ここで、品質特性とは製品の品質側面の定量指標であり、例えば掃除機であれば吸込み仕事率のような指標が該当する。一方、環境特性とは製品の環境側面の定量指標であり、掃除機であればリサイクル可能率のような指標が該当する。
【0065】
例えば、図13に示すような解決策の入力画面上に、前述同様にして、各解決策について、品質特性と環境特性に対する評価点を入力する(図2のステップS1〜ステップS3)。すると、品質特性(品質特性A〜D)と環境特性(環境特性A〜D)の2つに分けて、前述同様にして、各評価点に対する確率分布を設定するとともに(図5参照)、モンテカルロ・シミュレーションを行う(図10参照)。その結果、図14に示すような品質特性についての当該設計案の総合評価点の確率分布と、図15に示すような環境特性についての当該設計案の総合評価点の確率分布とが出力される。
【0066】
次に、評価対象の設計案についての評価結果の他の表示例について説明する。
【0067】
図12に示した設計案の評価結果では、総合評価点のとり得る値「−2」〜「2」について、各値に対する確率の分布をグラフ表示しているが、この場合に限らず、総合評価点の平均値(図16の平均値)あるいは中央値をy軸とし、最も高い発生確率の値の1/2の値を確率値とする2つの総合評価点の値の隔たり(図16の半値幅)あるいは分散をx軸とするグラフに表示することもできる。
【0068】
平均値が大きければ大きいほど、基準機種と比較して、当該設計案を実行した場合の平均的な改善度合いが大きことを表している。また、半値幅あるいは分散値が大きければ大きいほど、当該設計案の不確実性が高いこと、すなわち、当該設計案を実行した場合の開発リスクが大きいことを表している。
【0069】
例えば、図17では、設計案Aは、平均値の値が高いので平均的な改善の度合いは大きいが、半値幅の値も大きいため、不確実性(開発リスク)も大きいことがわかる。一方、設計案Bは、平均値の値が低いので平均的な改善の度合いは小さいが、半値幅の値も小さいため、開発リスクも小さいことがわかる。ユーザは、平均的な改善効果と開発リスクを総合して、最終的な設計案を決定することができる。
【0070】
設計案評価手段13は、図17に示したような算出結果を表示装置4に表示する。
【0071】
また、総合評価点を求めるときに用いる各評価特性の重み係数が確率分布で表現されていてもよい。式(1)の重み係数wi自体が各評価特性に対する確率分布で表現されていると、その結果得られる設計案の評価点の確率分布は、図12に示した確率分布よりも幅の広い確率分布が得られる。例えば、重み係数wiが、市場の変化のような市場リスクを考慮した確率分布で表現されている場合、設計リスクに加えて市場の変化のような市場リスクも考慮して設計案を評価することができる。
【0072】
さらに、本発明の実施の形態に記載した本発明の手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0073】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明は含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより、種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも1つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(のなくとも1つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、解決策の実現難易度や設計担当者の知識レベルなどに依存する設計時の不確実性を考慮して、より現実的な設計案の評価が行え、その結果、開発リスクを加味した適切な意思決定を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る設計案評価装置の構成例を示した図。
【図2】図1の設計案評価装置の処理動作を説明するためのフローチャート。
【図3】入力画面の一例を示した図。
【図4】評価対象の設計案を構成する各解決案に関するデータ(実現難易度、分野、設計者、評価点など)が入力された入力画面の一例を示した図。
【図5】各解決策の評価点の確率分布を設定するための処理動作を説明するためのフローチャート。
【図6】設計者情報データベースに格納されている設計者情報データの一例を示した図。
【図7】確率分布の幅を求めるためのマトリクスの一例を示した図。
【図8】評価点が「+2」の場合に、3種類(狭い、中くらい、広い)の分布幅毎に予め定められた確率分布のパターンの具体例を示した図。
【図9】評価点が「+1」の場合に、3種類(狭い、中くらい、広い)の分布幅毎に予め定められた確率分布のパターンの具体例を示した図。
【図10】評価対象の設計案についての総合評価点の確率分布を求めるための処理動作を説明するためのフローチャート。
【図11】評価対象の設計案についての総合評価点の確率分布を求めるための処理動作を説明するための図。
【図12】総合評価点の確率分布の表示例を示した図。
【図13】評価特性として、品質と環境の2種類の評価特性(品質特性、環境特性)に関する設計案の評価を求めるための入力画面の他の例を示した図。
【図14】品質特性に関する設計案の評価結果の表示例を示した図。
【図15】環境特性に関する設計案の評価結果の表示例を示した図。
【図16】設計案の総合評価点の確率分布における平均値と半値幅を説明するための図。
【図17】設計案の評価結果を平均値と半値幅を用いて表示する場合の表示例を示した図。
【符号の説明】
1…バス、2…通信インタフェース(I/F)装置、3…可搬記憶媒体ドライブ装置、4…表示装置、5…入力装置、6…出力装置、7…演算装置、8…外部記憶装置、9…メモリ、11…解決策入力手段、12…確率分布設定手段、13…設計案評価手段。
Claims (12)
- 評価対象の設計案を構成する各解決策に対する評価値を入力する入力手段と、
前記各解決策の実現難易度と、前記各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルのうちの少なくとも1つと、前記各解決策に対応する前記評価値とを用いて、前記各解決策に対する評価点を確率分布で設定する設定手段と、
前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出する算出手段と、
を具備したことを特徴とする評価装置。 - 前記入力手段は、前記各解決策に対し、予め定められた複数の評価特性のそれぞれについての評価値を入力し、
前記設定手段は、前記各解決策に対し、前記複数の評価特性のそれぞれについて前記評価点を設定し、
前記算出手段は、前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の前記複数の評価特性のそれぞれについての複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することを特徴とする請求項1記載の評価装置。 - 前記評価特性は、前記設計案の品質について評価するための品質特性と前記設計案の環境への負荷について評価するための環境特性のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項2記載の評価装置。
- 前記算出手段は、前記複数の評価特性のそれぞれに対する重み係数と、前記確率分布に従う前記各解決策の前記複数の評価特性のそれぞれについての評価点とを基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することを特徴とする請求項2記載の評価装置。
- 前記算出手段は、モンテカルロ法を用いて、前記確率分布に従って発生させた前記複数の評価特性のそれぞれについての前記評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することを特徴とする請求項2記載の評価装置。
- 前記算出手段は、前記複数の評価特性のそれぞれに対する確率分布で表現された重み係数を用いて前記設計案の評価点の確率分布を算出することを特徴とする請求項4記載の評価装置。
- 評価対象の設計案を構成する各解決策に対する評価値を入力する入力ステップと、
前記各解決策の実現難易度と、前記各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルのうちの少なくとも1つと、前記各解決策に対応する前記評価値とを用いて、前記各解決策に対する評価点を確率分布で設定する設定ステップと、
前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出する算出ステップと、
を有することを特徴とする評価方法。 - 前記入力ステップは、前記各解決策に対し、予め定められた複数の評価特性のそれぞれについての評価値を入力し、
前記設定ステップは、前記各解決策に対し、前記複数の評価特性のそれぞれについて前記評価点を設定し、
前記算出ステップは、前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の前記複数の評価特性のそれぞれについての複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することを特徴とする請求項7記載の評価方法。 - 前記算出ステップは、前記複数の評価特性のそれぞれに対する重み係数と、前記確率分布に従う前記各解決策の前記複数の評価特性のそれぞれについての評価点とを基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することを特徴とする請求項8記載の評価方法。
- 前記算出ステップは、モンテカルロ法を用いて、前記確率分布に従って発生させた前記複数の評価特性のそれぞれについての前記評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することを特徴とする請求項8記載の評価方法。
- 評価対象の設計案を構成する各解決策に対する評価値を入力する入力ステップと、
前記各解決策の実現難易度と、前記各解決策の属する分野に対応する当該解決策の提案者の知識レベルのうちの少なくとも1つと、前記各解決策に対応する前記評価値とを用いて、前記各解決策に対する評価点を確率分布で設定する設定ステップと、
前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出する算出ステップと、
をコンピュータに実行させる評価プログラム。 - 前記入力ステップは、前記各解決策に対し、予め定められた複数の評価特性のそれぞれについての評価値を入力し、
前記設定ステップは、前記各解決策に対し、前記複数の評価特性のそれぞれについて前記評価点を設定し、
前記算出ステップは、前記確率分布に従い発生させた前記各解決策の前記複数の評価特性のそれぞれについての複数の評価点を基に、前記設計案の評価点の確率分布を算出することを特徴とする請求項11記載の評価プログラム。
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