JP2004261061A - 培養組織の作製方法及び評価方法 - Google Patents

培養組織の作製方法及び評価方法 Download PDF

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Yoshihisa Miyata
義久 宮田
Kunihiko Okada
邦彦 岡田
Kenichiro Hatake
賢一郎 畠
Minoru Ueda
実 上田
Yasushi Tomita
靖 富田
Masukazu Inoie
益和 井家
Kimihiro Watanabe
公祐 渡辺
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Abstract

【課題】細胞分裂に伴うテロメア長短縮という現象のさらなる利用分野を提供する。また、培養組織の寿命の観点から適切な状態の培養組織を確実に作製し、商品形態の培養組織を確実に提供する。
【解決手段】培養組織を構成する特定細胞のテロメア長を測定し、前記測定結果に基づいて、前記培養組織の継代限界数を決定し、この継代限界数まで継代を繰り返し、継代限界数に到達した場合には継代を停止して、細胞シートの形成を行う。また、所定の測定時に、前記培養組織を構成する特定細胞のテロメア長を測定し、測定されたテロメア長に基づいて培養組織の特定時期における適性、例えば不死化細胞か否かを判定する。予測値よりも大幅にテロメア長が長い場合には不死化細胞の培養組織と評価し、出荷不可とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は培養組織の作製方法、評価方法及び制御装置に関し、特に、特定細胞を継代培養して作製される培養組織の作製方法及び評価方法、並びに、自動培養装置を制御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間など生物の細胞の中には核と呼ばれる遺伝を司る器官があり、この中に染色体DNAが存在する。この染色体末端部分(テロメア)にはDNAの末端(テロメアDNA)があり、脊椎動物においてはTTAGGGという塩基配列が数百回繰り返している。
正常ヒト細胞の場合、細胞分裂に伴ってテロメアが短縮することが知られている。非特許文献1では、異なるヒトのドナーから得られたヒトの線維芽細胞をin vitroで培養できる株として樹立して増殖させると、細胞の継代を重ねたときにテロメアが短くなり、この短縮が細胞の寿命(分裂停止)に関連することが報告されている。
このように、細胞分裂に伴うテロメア長短縮という現象は広く知られているが、この現象の利用方法に関してはほとんど提示されていない。例えば、特許文献1には、テロメア長を測定することで皮膚の老化度を測定する方法が開示されている。
【0003】
一方で、近年の再生医療の進歩に伴い、培養組織を移植用に使用することが行われている。この場合、移植用として採取された細胞が少ない数であったとしても、培養することによって充分な量の移植片を提供できるようになってきている。
このような状況下では、移植用又はその他の用途からの要請に応えて培養組織を提供することがある。この培養組織を提供するにあたり、正常細胞による培養組織は寿命を有しているため、この寿命を見越して培養を行わなければならない。しかしながら、培養組織の寿命について何らの指標がなければ、適切な状態の培養組織を需要に応じて適切に提供することができない。
殊に、重層化シート状という三次元形態で提供される培養表皮細胞シートは、繰り返し継代培養することによって必要面積(細胞数)を確保した後、三次元化工程でシート化することによって作製されている。しかしながら、採取された細胞数が少ない場合には、細胞数を確保することのみを目的として無制限に継代を繰り返すと、細胞が継代培養中に継代限界を迎えて、その後の三次元化工程に移行することができず、シート化できなくなってしまう。
【0004】
【非特許文献1】
RC Allsop et al, Telomere length predicts replicative capacity of human fibroblasts, ”Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America”, 89, p.10114−10118, 1992
【特許文献1】
特開平11−346800号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、細胞分裂に伴うテロメア長短縮という現象のさらなる利用分野を提供することを目的とする。
また、本発明は、培養組織の寿命の観点から適切な状態の培養組織を確実に作製することができる培養組織の作製方法、及びそのための指標となる培養組織の評価方法並びに、そのための制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の培養組織の作製方法は、特定細胞を継代培養して作製される培養組織の作製方法において、前記培養組織を構成する特定細胞のテロメア長を測定する測定工程と、前記測定結果に基づいて、前記培養組織の継代限界数を決定する継代限界数決定工程と、前記決定された継代限界数に基づいて設定された培養条件に従って、前記培養組織を培養する調整培養工程と、を含むことを特徴としている。
【0007】
また、本発明の他の培養組織の作製方法は、上記培養組織の作製方法において、特定細胞の培養開始前又はその後の所定の第一次測定時にて、前記特定細胞のテロメア長を測定する第一次測定工程と、前記第一次測定時から所定時間経過後の第二次測定時にて、前記特定細胞のテロメア長を測定する第二次測定工程と、前記第一次及び第二次測定工程の測定結果に基づいて前記培養組織の継代限界数を決定する継代限界数決定工程と、前記継代限界数に基づいて設定された培養条件に従って、前記培養組織を培養する調整培養工程と、を含むことを特徴としている。
【0008】
本発明の培養組織の評価方法は、特定細胞を継代培養して作製される培養組織の評価方法において、所定の測定時に、前記培養組織を構成する特定細胞のテロメア長を測定する測定工程と、測定されたテロメア長に基づいて培養組織の特定時期における適性を判定する判定工程と、を含むことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の他の培養組織の評価方法は、上記培養組織の評価方法において、特定細胞の培養開始前又はその後の所定の第一次測定時にて、前記特定細胞のテロメア長を測定する第一次測定工程と、前記第一次測定時から所定時間経過後の第二次測定時にて、前記特定細胞のテロメア長を測定する第二次測定工程と、前記第一次及び第二次測定工程の測定結果に基づいて、特定時期の前記培養組織のテロメア長を予測する予測工程と、この予測結果と、前記テロメア長の特定時期における測定結果とを比較して、培養組織の特定時期における適性を判定する判定工程と、を含むことを特徴としている。
【0010】
ここで、前記所定の測定時が、培養組織の出荷時又は培養組織の移植時であることが好ましい。
【0011】
本発明の制御装置は、特定細胞を収容し培養する収容部と、該収容部内の特定細胞の細胞数を変更する細胞数変更手段と、該細胞数変更手段を制御して収容部内の特定細胞の継代を実施する継代制御部と、を備えた自動培養装置を制御する制御装置において、テロメア長情報を入力する入力手段と、前記入力手段から入力されたテロメア長情報に基づいて継代限界数を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された継代限界数に基づいて、継代を終了させる制御情報を前記自動培養装置の継代制御部に出力する出力手段と、を具備することを特徴としている。
【0012】
ここで、前記入力手段は、第1テロメア長情報及び第2テロメア長情報を入力し、前記算出手段は、前記入力手段に入力された第1及び第2のテロメア長情報に基づいてテロメア長短縮速度を算出し、算出されたテロメア長短縮速度に基づいて継代限界数を算出することを特徴としてもよい。
また、前記入力手段は、テロメア長情報及びテロメア長短出速度情報を入力し、前記算出手段は、前記入力手段に入力されたテロメア長情報及びテロメア長短出速度情報に基づいて継代限界数を算出することを特徴としてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の培養組織の作製方法は、培養組織を構成する特定細胞のテロメア長を測定する測定工程と、この測定結果に基づいて、この培養組織の継代限界数を決定する継代限界数決定工程と、決定された継代限界数に基づいて設定された培養条件に従って、培養組織を培養する調整培養工程と、を含むものである。
このような培養組織の作製方法では、培養組織を構成する特定細胞のテロメア長に基づいて、継代限界数を予測し、培養条件(継代数)を設定して培養組織の培養を行う。このため、細胞が増殖停止に至る時期を予測できるので、適切な時期に製品化に必要な最終工程に移行することができ、移植用又は他の用途に適切な培養組織を確実に提供することができる。また、テロメア長の測定をこのような用途に用いることによって、単なる細胞現象としてのテロメア長の変化を有効に利用することができる。
【0014】
本発明の培養組織は、特定細胞を継代培養することによって作製される。ここで、用いられる特定細胞は、当該技術分野で既知のインビトロでの細胞培養技術に用いられる細胞であればいずれのものも該当し、例えば、表皮細胞、上皮細胞、線維芽細胞、軟骨細胞、平滑筋細胞、筋芽細胞、肝細胞を挙げることができる。殊に、少ない細胞数しか採取することのできない細胞、例えば、角膜上皮細胞、軟骨細胞などは好ましい。これらの細胞は、可能であれば2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの細胞を培養するために用いられる培養液(培地)は、細胞種に応じた既知の如何なる培地をも選択することができる。また、これらの特定細胞は、細胞のみで培養を行ってもよいが、細胞種によっては、担体(scaffold)と共に培養を行ってもよい。このような細胞種としては、例えば軟骨細胞が挙げられ、この場合にはコラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸、フィブロネクチン、フィブリン、キチン、キトサン、ラミニン、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、アルギン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、絹フィブロイン及びポリロタキサン等の担体が利用される。
【0015】
本発明での「継代培養」とは、この分野における通常の意味と同一のものとして使用される。即ち、特定細胞を通常の培養条件下で培養し、所定状態に到達した時点で細胞を回収し、細胞数を調整(変更)して複数の培養容器に分配して再び播種する一連の工程(継代)を繰り返し行いながら、細胞を増殖培養することを言う。継代を実施する所定状態とは、細胞種、細胞増殖速度、目的などによって適宜決定され、一般に、細胞密度によって判断される。
なお、これらの特定細胞を生体から採取する際には、周辺部等の他の細胞や組織、例えば結合組織を除去するために、目的細胞を単離する必要がある。特定細胞の単離には、適当な酵素、例えばディスパーゼ、トリプシンなどを用いることができる。また、ナイロンメッシュなどを用いてデブリスなどを除去する。
【0016】
継代は、細胞種によって既知の方法に従い行われる。例えば、表皮細胞の場合には、培養容器に付着している表皮細胞を酵素処理によって剥がし、数回リンスした後に培地に所定の細胞数に調整し、新鮮な培地に懸濁して培養容器に播種する。
【0017】
細胞の継代限界数を決定するために、本発明では、細胞のテロメア長を指標とする。継代を繰り返すことによって細胞の分裂回数が増加するため、分裂回数に応じて細胞が複製を繰り返し、その結果、テロメア長が短縮する。正常細胞ではテロメアの伸長が見られないので、所定の測定時におけるテロメア長から、継代限界数を算出(予測)することができる。
【0018】
テロメア長の測定は、当業界で既知の例えばTRF法に従って測定することができる。このTRF法は、簡単に説明すれば、細胞からDNAを単離して適当な制限酵素による処理後に、サザンブロット法により制限断片をメンブレンに転写した後、適当なプローブで標識化して、その制限断片の長さを検出する方法である。検出された末端制限断片(terminal restriction fragment)は、制限部位から染色体末端までの長さ(TRF長)であり、一般にこれをテロメア長としている。なお、テロメア長の測定方法は、TRF法に制限されるものではなく、テロメア長を測定することができれば如何なる方法であっても本発明を適用することができる。
【0019】
ここで継代限界数とは、継代操作によって短縮されたテロメア長が細胞分裂を停止する既知のテロメア長に満たない長さに至る1つ前の継代操作までの回数をいう。継代限界数は、細胞種や個体差によって異なるだけでなく、播種密度や継代のタイミングによっても変わる。このため、継代ごとに短縮するテロメア長の割合(テロメア長短縮速度)を2回のテロメア長測定から算出し、継代限界閾値に至るまでの継代回数から算出されることが好ましい。ただし、一般的に知られているテロメア長短縮速度の具体的な数値などに基づいて、少なくとも1回のテロメア長測定に基づいて算出してもよい。
【0020】
本発明では、培養開始前又はその後の所定の時期(第一次測定時)と、それから所定時間経過後の時期(第二次測定時)の2回にわたりテロメア長を測定することもできる。第一次測定時は、培養開始前(採取組織)としてもよく、培養開始から所定期間、例えば第1回目の継代操作時であってもよく、最終製品化工程に影響が出ない範囲で適宜決定することができる。第二次測定時は、第一次測定時よりも、少なくとも1継代経過後、前記同様に、細胞の増殖速度や継代操作のタイミングに応じて決定することができる。また、測定は、2回に限られず、3回以上行っても良い。
【0021】
また、本発明ではテロメア長そのものだけでなく、テロメア長の短縮速度に基づいて継代限界数を決定しても良い。この場合、テロメア長の測定は通常2回以上測定することになるが、特定時点でのテロメア長が文献等によって明らかなどの理由によって、1回の測定で短縮速度を判定できる場合には、1回の測定によって決定しても良い。
【0022】
継代限界数が決定されると、決定された継代限界数に基づいて培養条件を設定し、設定された培養条件に従って、培養組織の培養が行われる(調整培養工程)。ここで培養条件とは、継代数の調整をいい、継代限界数に達するまでは培養工程を継続し、継代限界数に到達した段階か、それ以前に継代を終了する。継代を終了すると、次の工程である製品形態の形成工程(最終製品化工程)に移行する。ここで、培養組織の商品形態、即ち重層化シートや立体形状の三次元形態の形成が行われる。
【0023】
最終製品化工程は、対象となる最終製品形態や培養手法(培地の種類や細胞種など)によって異なる。例えば、重層化培養表皮シートの場合、フィーダーレイヤー法によって培養されたときには培養を継続することで、コンフルエント状態を越えて重層化に至る。また、重層化培養表皮シートの場合であっても、無血清培地による培養の場合には、カルシウム濃度を高めた培地に切換えることで重層化を促し、培養表皮シートを作製する。さらに、三次元形状のスキャフォールド(足場)に細胞を播種した形態の場合、継代操作と同様に酵素処理等によって細胞を回収した後、スキャフォールドに播種・培養することで最終製品が形成される。これにより、細胞が継代継続中に増殖限界に至る前に最終工程に移行することができるので、確実に商品としての培養組織を提供することができる。
【0024】
次に、本発明に係る特定細胞を継代培養して作製される培養組織の評価方法について説明する。
本評価方法は、上記のようにテロメア長を所定の測定時に測定し、測定されたテロメア長に基づいて培養組織の特定時期における適性を判定するものである。
この方法によれば、培養組織の適性がテロメア長に基づいて判定されるので、具体的な基準に基づいて培養細胞の適性を容易にかつ的確に評価することができる。また、適性がないと判定された場合には排除することにより、出荷時/移植時での培養組織の品質を高い水準に保つことができる。
【0025】
ここで培養組織の適性を判定する特定時期には、例えば培養組織の出荷(提供)時又は培養組織の移植時が該当する。また、本発明において「培養組織の特定時期における適性」とは、例えば出荷時の培養組織についてはその培養組織が出荷できる状態にあることをいい、移植時の培養組織についてはその培養組織が移植できる状態にあることをいう。
【0026】
一般に、培養組織を移植用として使用する場合には、移植後に効率よく生着し、或いは移植された個体における組織再生が効率よく行われることが要求さるだけでなく、正常細胞であることが求められる。不死化細胞は移植後に腫瘍細胞に形質変化する可能性が正常細胞よりも高いため、培養組織が不死化細胞で構成されていることは好ましくない。
【0027】
したがって、不死化しているか否かの判定に基づく評価が挙げられる。培養工程中に何らかの作用によって不死化した場合には、テロメア長の短縮が起こらなくなる。このため、通常の培養工程を経ているにもかかわらず、テロメア長が非常に長い場合などには、不死化していることが考えられるため、出荷不可と評価することができる。
【0028】
また、培養組織を提供した後にも数回の継代を行うことを予定して提供(出荷)する場合には、提供時に充分な長さのテロメア長を有する状態でなければならない。従って、提供時にテロメア長が著しく短い場合には、提供不可と評価することができる。
【0029】
培養組織の評価方法におけるテロメア長の測定は、上述した作製方法におけるテロメア長の測定に関する事項をそのまま適用することができる。
【0030】
また、本発明の評価方法では、前述の作製方法のように、第一次測定工程と第二次測定工程とで得られた2つの測定結果から、特定時期の培養組織のテロメア長を予測し、この予測結果と、前記テロメア長の特定時期における測定結果とを比較して、培養組織の特定時期における適性を判定することもできる。
この場合、2回の測定結果から予測された特定時期のテロメア長と、この特定時期の実際のテロメア長とが比較されるので、例えば、予測したテロメア長よりテロメア長が大きく異なる場合には、不死化した培養組織であると容易に判定することができる。これに基づいて出荷判定を行うことで、適切に培養組織の出荷判定を行うことができる。
予測結果との差に基づいて不死化しているか否かを判定する場合には、例えば、安全率等を考慮して10%以上、好ましくは5%以上、など、適宜決定すればよく、予測結果のテロメア長よりも所定割合以上長い場合に不死化していると判定することができる。不死化していると判定された培養組織は、出荷不可とされる。なお、出荷判定の際の所定の範囲は、割合(パーセンテージ)ではなく、テロメア長そのもの(bp)で規定しても良い。また、継代操作時ごとに経時的にテロメア長を測定することによって、どの時点で不死化したか、原因などを究明することができ、培養工程のプロトコールの見直しに役立てることができる。
【0031】
次に本発明の制御装置について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る制御装置10の概略構成図が示されている。制御装置10は、制御部14を備えており、この制御部14には、制御部14に情報を入力する入力部12が接続されている。
入力部12には、テロメア長に関する各種の情報が入力される。このテロメア長情報には、本発明にかかるテロメア長及びテロメア長短縮速度並びに測定時期が含まれる。テロメア長は測定結果をそのまま入力することができ、例えば2回テロメア長を測定した場合には、2組のテロメア長及び測定時期(それぞれ第1テロメア長情報及び第2テロメア長情報)が入力される。或いは、テロメア長及び測定時期とテロメア長短縮速度とを組み合わせて入力することもできる。このようにテロメア長情報の種類及び数は、培養組織の作製方法に従って適宜変更される。なお入力部12には、このような用途に用いられる公知のものを適用することができ、例えば数値入力用のキーボードなどであってもよく、テロメア長測定装置を直接接続して情報交換可能な入力装置としてもよい。
【0032】
制御部14では、入力されたテロメア長情報に基づいて継代限界数が算出されると共に、継代限界数に到達した場合には、継代の停止信号を出力する。継代限界数は、2つのテロメア長が入力された場合には、その差分からテロメア長短縮速度を算出し、入力されたテロメア長と算出されたテロメア長短縮速度とから導かれる。或いは、入力されたテロメア長及びテロメア長短縮速度から直接、継代限界数を算出することもできる。継代限界数の算出方法は、入力されたテロメア長情報の種類に応じて変更される。なお制御部14は、CPU又はコンピュータで構成される。
【0033】
図1に示されるように、制御装置10は、自動培養装置20に、それぞれ制御部14及び継代培養制御部26を介して、接続されている。
自動培養装置20には、特定細胞の培養を行う複数の培養器22が備えられている。この培養器22には、培養器22中の培養細胞の細胞数を検知すると共に培養細胞を剥離して分割し、細胞数を調整する細胞数調整部24が接続されている。この細胞数調整部24は、個々の培養器22に対して培養液、剥離液、洗浄液等を注入又は排出可能になっている。また、細胞数調整部24は、培養器22中の細胞を撮像するCCDカメラ及び、一方の培養器22の内容物を他方に移動させるポンプなどの移動部材を備えている(図示せず)。自動培養装置20には、継代培養制御部26が備えられ、細胞数調整部24に接続されている。細胞調整部24は、CCDカメラによって撮像された培養器22内の培養細胞から細胞数を算出して、継代培養制御部26に培養細胞の細胞数を出力する。一方、継代培養制御部26は、細胞数調整部24から入力された培養細胞の細胞数に基づき、培養器22中の培養細胞の継代を行うよう、細胞数調整部24を駆動している。
【0034】
継代培養制御部26には、最終的に必要な細胞数(設定細胞数)が設定されている。継代培養制御部26は、細胞数調整部24から入力される細胞数とこの設定細胞数とを比較して、細胞数を満たしていない場合には、細胞数調整部24に継代操作を指示する。このとき、継代培養制御部26は、細胞数調整部24が実施する継代の回数をカウントし、制御装置10に継代数を出力する。また、継代培養制御部26は、最終的に必要な細胞数を得たと判断した場合又は継代停止の信号が入力された場合に、継代操作の停止を細胞数調整部24に指示する。
【0035】
次に、図2を参照して、制御装置10による自動培養装置20の継代制御について説明する。
ステップS100において、第1テロメア長情報が入力されると、S102において、第2テロメア長情報を入力するか否かが判断される。このとき、制御装置10の図示しないディスプレイ上に第2テロメア長情報を入力するか否か表示される。入力する場合には、S104に進み、オペレータが入力部12としてのキーボードから第2テロメア長情報を入力する。
【0036】
第2テロメア長情報が入力されると、S106において、制御部14は、入力された第1及び第2テロメア長からテロメア長短縮速度を算出する。次いで、制御部14は、S108において、第1又は第2テロメア長情報とテロメア長短縮速度から継代限界数を算出し、S114に進む。
一方、第2テロメア長情報ではなくテロメア長短縮速度を入力したいときは、S110に進み、オペレータは入力部12からテロメア長短縮速度を入力する。テロメア長短縮速度が入力されると、S112において、制御部14は、第1テロメア長情報とテロメア長短縮速度から継代限界数を算出し、S114に進む。
【0037】
S114では、自動培養装置20の継代培養制御部26から入力された継代数が継代限界数に至ったか否かが判断される。ここで、制御部14は、継代培養制御部26から入力された継代数と継代限界数とを比較する。継代数が継代限界数に満たない場合には、S116に進む。S116では、当初設定された設定継代数に至ったか否かが判断される。この設定継代数は、自動培養装置20の継代培養制御部26に設定された設定細胞数に対応する継代数であり、最終製品化工程に移行するための継代数に相当する。継代数が設定継代数に至っていない場合はS118に進み、継代数が設定継代数に至っている場合はS120に進む。S118では、制御部14は継代培養制御部26に継代培養を継続するように指示し、継代数を1つ増加した後、S114に戻る。
【0038】
一方、S114で継代培養制御部26から入力された継代数が継代限界数と一致した場合或いはS116で継代数が設定継代数と一致した場合には、S120に進み、制御部14は、継代停止信号を自動培養装置20の継代培養制御部26に出力し、最終製品化工程に移行することを指示し、制御装置10による一連の制御は終了する。このとき、継代培養制御部26は継代停止信号を受信すると、細胞数調整部24に駆動の停止を指示して最終製品化工程に移行し、培養器22内の培養細胞は、製品形態である三次元形態を形成する。
【0039】
このように、本実施形態の制御装置10によれば、自動培養装置から入力された継代数が遅くともテロメア長から導かれた継代限界数に至ったときには、自動培養装置20における継代を停止することができるので、細胞数を確保しつつ確実に製品形態の培養細胞を作製することができる。
また、2組のテロメア長情報に基づいて継代限界数を算出することにより、製品形態の培養細胞の作製を確実に実行することができ、テロメア長情報及びテロメア長短縮速度に基づいて継代限界数を算出することにより、早期に継代限界数を算出することができると共に、製品形態の培養細胞の作製を少ない工程で確実に実行することができる。
【0040】
本発明の自動培養装置20は、培養細胞の継代を行う一例にすぎず、同様の自動培養装置20としては、公知のものをそのまま使用することができる。このような自動培養装置には、例えば特開2001−275659号に記載されているものが含まれる。
また、制御装置は、テロメア長情報に基づいて自動培養装置での継代を制御することができれば、上記構成に限定されない。また、本実施形態の制御装置では、継代数のみを入力し、継代数のみに基づいて継代停止信号を出力しているが、これに限定されない。継代数に加えて細胞数情報を入力することによって、細胞数も考慮した継代停止信号を出力してもよい。
【0041】
なお、本実施形態の制御装置10では、継代数が継代限界数と一致したときに継代を停止させているが、必ずしも継代限界数と一致したときのみに継代作業を停止させなくてもよく、自動培養装置20の継代数カウントのタイミングに応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば[継代限界数−1]の数としてもよい。
【0042】
さらに、本実施形態の制御装置10では、第1及び第2テロメア長情報を入力するかテロメア長短縮速度を入力するかを任意選択できるようにしたが、いずれか一方のみとしてもよい。この場合には任意選択工程を省略できるのでより迅速に継代限界数を算出することができる。
【0043】
また本実施形態の制御装置10では、自動培養装置20と組み合わせて培養組織の継代を制御し製品形態の培養組織を作製したが、制御装置10を自動培養装置20に組み込んでもよい。これによって、自動培養装置20のみで、継代限界数の算出及び継代停止の判断を行うことができる。
また、本発明はコンピュータを制御装置として実行させることができ、コンピュータを制御装置として機能させるためのプログラムも本願発明に含まれる。このプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の通信回線を介して提供される。
【0044】
このように本発明では、培養組織の特定細胞のテロメア長に基づいて継代限界数を決定し、培養組織の培養を調整して、培養組織を作製するので、製品形態の培養組織を容易に且つ確実に作製することができる。
また、所望の状態の培養組織を供給可能であり、高い品質の培養組織や移植適性を有する培養組織を容易に且つ確実に作製することができる。
さらに、本発明では、テロメア長に基づいて培養組織の評価を行うので、的確な判定を行うことができ、高い品質の培養組織を安定して提供することができる。
【0045】
本発明に係る培養組織の評価方法は、本発明に係る培養組織の作製方法と組み合わせて用いてもよい。この場合には、継代限界数を決定した後に培養細胞の適性を判定し、判定結果に基づいて培養組織を培養する調整培養工程を設ける。これにより、特定時期における培養組織の適性を評価し、適性を有しないと判断された場合には培養を停止することによって、適性があり且つ製品形態の培養組織をより確実に作製し提供することができる。なお、このように培養組織の評価方法と培養組織の作製方法とを組み合わせた場合には、本発明に係る制御装置も組み合わせて構成することもできる。このような場合には、適性判定に基づいた継代停止を判断する工程を追加すればよく、このような変更は当業者の通常の知識の範囲内である。
【0046】
【実施例】
実施例1
6ヶ月、24歳、52歳のドナーからそれぞれの皮膚組織を採取した後、ディスパーゼ等の酵素処理により表皮細胞(keratinocyte)を単離し、細胞懸濁液を調製する。予め不活化したマウス線維芽細胞を敷設した培養容器(底面積75cm)に、表皮細胞の懸濁液を7.5×10細胞/cmの播種密度で播種した。
表皮細胞を播種した後、10−10Mのコレラトキシン、5μg/mlのインスリン、5μg/mlのトラスフェリン、2×10−9Mのトリヨードサイロニン、10ng/mlのEGF、1% antiB (antibiotic−antimycotic:penicillin G sodium 10000u/ml, streptomycin sulfate 10000 μg/ml, amphotercin B 25ng/ml in 0.85% saline, GIBCOTM, Invitrogen Corporation, NY, USA)を含む10%FBS含有DMEMを培地として注入し、37℃、10%COの条件下で培養を行った。継代培養操作は培養容器底面の約80%が細胞で覆われた時点で行った。継代培養操作では、0.1% tripsin−EDTA (0.5% trypsin, 5.3mM EDTA/4Na, GIBCOTM, Invitrogen Corporation, NY, USA)含有PBSで5分間処理した後、10%FBS含有DMEMで1回洗浄して細胞を回収した。その後、回収した細胞を2系統に播種し、一方は所定の被覆率(約80%)になった時点で継代培養操作を継続して行い、他方ではコンフルエント状態を越えて重層化するまで培養し、培養表皮シートを作製した。継続して継代培養操作を行う系では、同一継代数の細胞が培養表皮シートを形成できなかった時点で継代限界と判定し、培養操作を終了した。
【0047】
上述のように作製した種々の培養表皮シートに関して、細胞のテロメア長を測定した。テロメア長の測定はTRF法で行った。
培養細胞は、ディスパーゼ(400PU/ml)でディッシュから剥離し、PBSで2回洗浄して回収した。QIAamp DNA Mini Kit(QIAGEN K.K.,Tokyo,Japan)を用いて、培養細胞からのDNA抽出し、MnlI及びHphI(それぞれ1μgのゲノムDNAに対して5Uずつ)で37℃2時間処理して、DNAを断片化した。次いで、断片化DNAを、サザンブロット法により、テロメアDNAをナイロンメンブレン (S&S NYTRANR SUPER CHARGE, Schleicher&Schuell.Inc., NH,USA)に転写した。簡単に説明すると、0.8%(w/v)のアガロースゲル上で電気泳動させた後に、変性溶液(1.5MのNaCl、0.5MのNaOH)及び中和溶液(1.5MのNaCl、0.5Mのトリス−HCl)に浸して、×10のSSCにてDNAを転写した(一晩)。
【0048】
メンブレン上のテロメアDNAは、ジゴキシゲニン標識テロメアプローブをハイブリダゼーションさせて、検出した。テロメアプローブ(TTAGGG)は、Nihon Gene Research Lab’s, Inc., Sendai, Japan に依頼して作製し、ジゴキシゲニン標識した。ハイブリダイゼーションを、20時間行った後、アルカリフォスファターゼ標識抗ジゴキシゲニン抗体(20ng/ml DIG Luminescent Detection Kit(Roche Diagnostics GmbH))で30分間、その後CSPD(同社キット付属)で5−20分間処理し、イメージアナライザー (ChemiDoc, Bio−Rad Laboratories, Inc., Tokyo, Japan)を用いて化学的発光を検出した。
【0049】
制限酵素で切断されて得られたTRFは、種々のサイズを含むためにメンブレン上でスメア状に検出される(図3参照)。このため、一般的にテロメア長の測定は、インテンシティ(強度)を断片長で補正することによって、平均テロメア長としている。図3では、平均テロメア長の位置にアスタリスク(*)を付してある。また、図4では、図3に示される6ヶ月児のインテンシティをグラフ化したものである。グラフの横軸はTRFの長さを示し、図中右にいくに従ってサイズが小さくなる。なお、(A)は6ヶ月児の継代P1を示し(B)は6ヶ月児の継代P6を示す。本実施例では、以下の式に基づいてテロメア長を決定した。結果を表1に示す。
【0050】
【数1】
Figure 2004261061
【0051】
【表1】
Figure 2004261061
【0052】
図3及び図4並びに表1に示されるように、継代によってテロメア長が短縮されること、ドナーの年齢によってテロメア長が異なることがそれぞれ確認できた。また、1継代あたりテロメア長短縮速度は、6ヶ月男児の細胞223bp/継代であるのに対して、52歳男性の細胞では203bp/継代と、ほぼ同じような値であることが確認できた。
継代培養限界閾値を5000bpと設定した場合、52歳男性細胞では後2回程度の継代操作(P10)で閾値を下回るので、継代P9以降は継代操作を行わず、重層化工程によって培養表皮シートを作製する必要がある。一方、6ヶ月男児細胞の場合、閾値を下回るには8回の継代操作(P14)が必要なので、P13までは継代培養操作が可能であり、それ以降は継代操作を行わず、重層化工程によって培養表皮シートを作製する必要がある。
【0053】
このようにドナーの年齢だけでなく個体差が大きく左右する培養組織では、培養工程中に対象細胞に最も適した条件で培養を行ってやることが好ましい。本発明では、第1と第2のテロメア長測定からテロメア長短縮速度を算出し、継代培養限界閾値を下回る継代回数を予測することによって、細胞が増殖能を失う前に重層化工程に移行することができるので、確実に培養表皮シートの状態まで作製することができる。
【0054】
実施例2
次に、正常細胞(24歳男性)と、該細胞を不死化した細胞とを培養して比較した。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
Figure 2004261061
【0056】
表2に示すように、正常細胞のテロメア長短縮速度は実施例1のものより緩やかであり、年齢差だけでなく個体差が大きな要素として関係することが示されている。
テロメア長の短縮現象を培養組織の出荷判定に利用する場合、第1と第2のテロメア長測定からテロメア長短縮速度を算出し、出荷時点でのテロメア長を予測する。出荷用培養組織又は同一ロットのテロメア長を測定し、前記予測値と比較する。比較結果が所定の範囲(例えば、予測値の±500bp以内)にない場合は出荷判定を否とし、規定範囲内であれば合格として出荷する。
表2の場合、P28の状態を出荷時点と仮定すると、第1(P3)と第2(P9)のテロメア長測定からテロメア長短縮速度(112bp/p)を算出する。P28において培養組織が作製され、培養組織のテロメア長を測定したところ、7714bpであったが、P28で予測されるテロメア長は4656であるため、作製された培養組織の出荷判定は否となり適切な培養組織とは認められない。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、細胞分裂に伴うテロメア長短縮という現象のさらなる利用分野を提供することができる。
また、本発明の培養組織の作製方法及び制御装置によれば、培養組織の寿命の観点から適切な状態の培養組織を確実に作製することができる。本発明の培養組織の評価方法によれば、高い品質の培養組織を安定して提供するために有用な評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る制御装置及び自動培養装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる継代制御を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施例にかかる表皮シートのテロメア長変化を示すゲル写真である。
【図4】(A)は、本発明の実施例に係る6ヶ月児の継代P1における表皮シートのテロメア長変化を示すグラフ、(B)は、本発明の実施例に係る6ヶ月児の継代P6における表皮シートのテロメア長変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 制御装置
12 入力部(入力手段)
14 制御部(算出手段、出力手段)
20 自動培養装置
22 培養器(収容部)
24 細胞数調整部(細胞数変更手段)
26 継代培養制御部

Claims (10)

  1. 特定細胞を継代培養して作製される培養組織の作製方法において、
    前記培養組織を構成する特定細胞のテロメア長を測定する測定工程と、
    前記測定結果に基づいて、前記培養組織の継代限界数を決定する継代限界数決定工程と、
    前記決定された継代限界数に基づいて設定された培養条件に従って、前記培養組織を培養する調整培養工程と、
    を含むことを特徴とする培養組織の作製方法。
  2. 請求項1記載の培養組織の作製方法において、
    特定細胞の培養開始前又はその後の所定の第一次測定時にて、前記特定細胞のテロメア長を測定する第一次測定工程と、
    前記第一次測定時から所定時間経過後の第二次測定時にて、前記特定細胞のテロメア長を測定する第二次測定工程と、
    前記第一次及び第二次測定工程の測定結果に基づいて前記培養組織の継代限界数を決定する継代限界数決定工程と、
    前記継代限界数に基づいて設定された培養条件に従って、前記培養組織を培養する調整培養工程と、
    を含むことを特徴とする培養組織の作製方法。
  3. 請求項1又は2に記載の培養組織の作製方法において、前記継代限界数は、テロメア長短縮速度に基づいて決定されることを特徴とする培養組織の作製方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の培養組織の作製方法において、前記特定細胞は、表皮細胞、上皮細胞、線維芽細胞、軟骨細胞、平滑筋細胞、筋芽細胞、肝細胞の少なくとも1つであることを特徴とする培養組織の作製方法。
  5. 特定細胞を継代培養して作製される培養組織の評価方法において、
    所定の測定時に、前記培養組織を構成する特定細胞のテロメア長を測定する測定工程と、
    測定されたテロメア長に基づいて培養組織の特定時期における適性を判定する判定工程と、
    を含むことを特徴とする培養組織の評価方法。
  6. 請求項5記載の培養組織の評価方法において、
    特定細胞の培養開始前又はその後の所定の第一次測定時にて、前記特定細胞のテロメア長を測定する第一次測定工程と、
    前記第一次測定時から所定時間経過後の第二次測定時にて、前記特定細胞のテロメア長を測定する第二次測定工程と、
    前記第一次及び第二次測定工程の測定結果に基づいて、特定時期の前記培養組織のテロメア長を予測する予測工程と、
    この予測結果と、前記テロメア長の特定時期における測定結果とを比較して、培養組織の特定時期における適性を判定する判定工程と、
    を含むことを特徴とする培養組織の評価方法。
  7. 請求項6に記載の培養組織の評価方法において、前記所定の測定時が、培養組織の出荷時又は培養組織の移植時であることを特徴とする培養組織の評価方法。
  8. 特定細胞を収容し培養する収容部と、該収容部内の特定細胞の細胞数を変更する細胞数変更手段と、該細胞数変更手段を制御して収容部内の特定細胞の継代を実施する継代制御部と、を備えた自動培養装置を制御する制御装置において、
    テロメア長情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段から入力されたテロメア長情報に基づいて継代限界数を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出された継代限界数に基づいて、継代を終了させる制御情報を前記自動培養装置の継代制御部に出力する出力手段と、
    を具備することを特徴とする制御装置。
  9. 請求項8の制御装置において、前記入力手段は、第1テロメア長情報及び第2テロメア長情報を入力し、前記算出手段は、前記入力手段に入力された第1及び第2のテロメア長情報に基づいてテロメア長短縮速度を算出し、算出されたテロメア長短縮速度に基づいて継代限界数を算出することを特徴とする制御装置。
  10. 請求項8の制御装置において、前記入力手段は、テロメア長情報及びテロメア長短出速度情報を入力し、前記算出手段は、前記入力手段に入力されたテロメア長情報及びテロメア長短出速度情報に基づいて継代限界数を算出することを特徴とする制御装置。
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