JP2004260371A - リピータ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】室内や屋内等平空間の電波環境を改善するリピータ装置である。基地局301に対向する基地局向けユニット303と該閉空間内のユーザ端末307に対向するユーザ端末向けユニット305とに分離され、該基地局向けユニットと該端末向けユニットの間の信号伝送は、対象無線システムに割り当てられた周波数帯域のうち、未使用、または、空き状態にある周波数帯304を用いて行われるように構成されている。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルラー系移動通信システム,PHS,ディジタル地上波放送、その他の無線通信システム,放送システムにおいて、屋内や地下街のような電波の届き難い閉空間においても通信,信号の受信を可能とするリピータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話を対象とした従来のリピータ装置は、電波の状態が良好な場所に位置する外部アンテナ,その外部アンテナの場所から屋内の使用場所までを延長する同軸ケーブル,並びに、電流伝搬環境が良好ではない室内等の閉空間に設置する信号増幅装置及び室内用アンテナから構成される(例えば、特許文献1参照)。
また、回り込み干渉の影響を積極的に除去し、外部アンテナと室内向けアンテナの設置位置を同一地点とする干渉キャンセル機能付きリピータも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−341194号公報
【特許文献2】
特開平2001−196994号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されたリピータでは、上記延長ケーブルにより外部アンテナとリピータを接続する構成法を適用している。ここで、外部アンテナとリピータ装置を延長用同軸ケーブルにより接続する理由としては、リピータ装置の使用場所が物理的に外部アンテナ設置場所から離れている場合のみならず、増幅した送信信号がリピータ装置の受信アンテナに干渉信号として入力・発振する回り込み干渉の影響を回避することを目的としている。
また、特許文献2に記載されたリピータ装置では、送信信号をリピータ装置内で分岐し、受信アンテナから入力される干渉信号に対して逆位相で乗積することにより干渉成分を除去する機能を搭載している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
外部アンテナとリピータ装置を同軸ケーブルにより延長接続するリピータ構成の場合、同軸ケーブルの敷設工事費が大きな負担となる。更に、ケーブル敷設を必要とするため、リピータ装置導入までの工期が長くなり、利便性に欠けるという欠点がある。更に、隣接地でのビル建設等により伝搬環境が変化し、外部アンテナの設置場所を変更する必要が生じた場合や、屋内のレイアウト変更等により、リピータ装置の位置を物理的に変更しなければならない場合に、同軸ケーブルを新規に敷設し直す必要があり、極めて利便性が欠けるとともに工事費用が新たに必要となる。
【0006】
このような設置コスト、設置工期の削減を目的として、リピータ装置に回り込み干渉除去機能を搭載し、外部アンテナと室内アンテナの設置位置を同一場所とするリピータ装置も提案されている。しかしながら、干渉キャンセル機能付きリピータ装置の場合、リピータ装置周辺の壁や窓の状態変化、人の動きにより時々刻々変化する多重反射波の影響をリアルタイムに除去する必要があるため、高精度の伝搬路推定機能が必要となり、簡易、かつ、低コストの装置を提供することが極めて困難になる恐れがある。
【0007】
本発明の目的は、ケーブル敷設を不要とし、簡易かつ低コストのリピータ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、室内や屋内等平空間の電波環境を改善するリピータ装置において、該リピータ装置は、基地局に対向する基地局向けユニットと該閉空間内のユーザ端末に対向するユーザ端末向けユニットとに分離され、該基地局向けユニットと該端末向けユニットの間の信号伝送は、対象無線システムに割り当てられた周波数帯域のうち、未使用、または、空き状態にある周波数帯を用いて行われるように構成されていることを特徴としている。具体的には、基地局向けユニットは、基地局から送信された無線信号を事前に設定した周波数帯、または、別途基地局から通知された空きチャネル情報を用いて選択した周波数帯に周波数変換する機能を有し、端末向けユニットは、基地局無線ユニットから送信された無線信号を元の周波数チャネルに変換する機能を有するように構成されている。
また、周波数変換を行う中継ユニットを基地局向けユニットと端末向けユニットの間に用意し、個々のユニットは受信信号の周波数と異なる周波数に変換して送信することにより、通信エリアを拡大する機能も容易に実現することができる。
更に、周波数変換後の信号に時間遅延を故意に付加することにより、基地局、または、ユーザ端末から直接送信された信号と、リピータを介して送信された信号を時間軸上で分離し、RAKE受信方式(多重通路ダイバーシティ受信方式)を適用することにより受信品質を改善するように構成することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明方式の具体的な実施例を説明する。
図1は、無線システムに割り当てられた周波数帯域を通信用帯域12と周波数変換用帯域13に分割し、基地局1とユーザ端末11の間には基地局向けユニット4と端末向けユニット8を配置する構成に基づく実施例を示している。図1において、基地局1から送信された周波数fp の無線信号2は、基地局向けユニット4の基地局向けアンテナ3で受信され、+△fだけ周波数変換され、かつ、信号電力が増幅された後、周波数(fp +△f)の無線信号6として端末向けアンテナ5で送信される。
【0010】
次に、基地局向けユニット4から送信された無線信号6は、端末向けユニット8のアンテナ7で受信され、−△fの周波数変換が施され、電力増幅された後、ユーザ端末向けアンテナ9により周波数fp の無線信号10としてユーザ端末11に送信される。
【0011】
以上の流れを周波数軸上で説明すると、無線通信システムに割り当てられた周波数fL (14)から周波数fH (15)までの周波数帯域を通信用帯域12と周波数変換用帯域13に分割し、基地局1から送信された周波数fp の信号16は、基地局向けユニット内で周波数変換され、周波数(fp +△f)の信号17として端末向けユニット8に送信される。端末向けユニット8では、周波数(fp +△f)の信号18を受信し、周波数変換後、周波数fp の信号19としてユーザ端末11に向けて送信される。なお、ユーザ端末11から基地局1方向の上りリンクについても、下りリンクと逆方向の周波数変換手順により実現することができる。
【0012】
次に、基地局向けユニットと端末向けユニットの間に複数の中継用ユニットを配置することによって通信エリアを拡大する手法について説明する。図2は、無線システムに割り当てられた周波数帯域を通信用帯域43と周波数変換用帯域44に分割し、図1に示したように配置されるが、図2では図示を省略している基地局(1)とユーザ端末(11)との間には、基地局向けユニット32、N台の中継用ユニット(36−1〜36−N)、並びに、端末向けユニット42を配置する構成に基づく実施例を示している。図2において、基地局(1)から送信された周波数fp の無線信号は、基地局向けユニット32の基地局向けアンテナ31で受信され、周波数fk に変換され、かつ、信号電力が増幅された後、無線信号34としてアンテナ33により中継用ユニット36−1に向けて送信される。
【0013】
中継用ユニット36−1では、アンテナ35により受信された周波数fk の信号を周波数f1 に変換し、電力が増幅された後、アンテナ37を用いて次の中継用ユニットに送信される。以後、この操作を繰り返し、中継用ユニット36−Nのアンテナ38で受信された周波数fm の信号は、周波数fn に変換され、電力が増幅された後、アンテナ39を用いて端末向けユニット42に送信される。最後に、端末向けユニット42では、アンテナ41で受信した周波数fn の信号を周波数fp に変換し、電力を増幅した後、ユーザ端末(11)に向けてアンテナ43より送信する。
【0014】
以上の流れを周波数軸上で説明すると、無線通信システムに割り当てられた周波数fL (45)から周波数fH (46)までの周波数帯域を通信用帯域43と周波数用帯域44に分割し、基地局(1)から送信された周波数fp の信号47は、基地局向けユニット32内で周波数変換され、周波数fk の信号48として中継用ユニット36−1に送信される。中継用ユニット36−1では、周波数fk の信号49を受信し、周波数変換後、周波数f1 の信号50として次の中継用ユニットに向けて送信する。以後、同様の操作を繰り返し、中継用ユニット36−Nでは、周波数fm の信号51を受信し、周波数変換後、周波数fn の信号52として端末向けユニットに送信する。最後に、端末向けユニット42では、周波数fn の信号53を受信し、周波数変換後、周波数fp の信号54としてユーザ端末に送信する。なお、ユーザ端末(11)から基地局(1)方向の上りリンクについても、下りリンクと逆方向の周波数変換手順により実現することができる。
【0015】
次に、基地局向けユニットと端末向けユニットとの間に、複数の中継用ユニットを配置することによって通信エリアを拡大する手法において、通信用帯域と周波数変換用帯域に分けることなく、通信用帯域でチャネルを利用し、周波数変換を行う手法について説明する。図3は、無線システムに割り当てられた周波数帯域全て通信用帯域74に割り当て、基地局(1)とユーザ端末(11)との間には基地局向けユニット62、N台の中継用ユニット(66−1〜66−N)、並びに、端末向けユニット72を配置する構成に基づく実施例を示している。図3において、基地局(1)から送信された周波数f1 (77),f5 (79),f9 (81)の無線信号群は、基地局向けユニット62の基地局向けアンテナ61で受信され、周波数f1 (77)がf3 (78)に、周波数f5 (79)がf6 (80)に、周波数f9 (81)がf8 (82)に変換され、かつ、信号電力が増幅された後、無線信号群64としてアンテナ63により中継用ユニット66−1に向けて送信される。
【0016】
中継用ユニット66−1では、アンテナ65により受信された周波数f3 (83),f6 (85),f8 (87)の信号群を各々順に周波数f2 (84),f4 (86),f7 (88)に変換し、電力が増幅された後、アンテナ67を用いて次の中継用ユニットに送信される。以後、この操作を繰り返し、中継用ユニット66−Nのアンテナ68で受信された周波数f5 (89),f6 (91),f8 (93)の信号群は、各々順に周波数f2 (90),f3 (92),f7 (94)に変換され、電力が増幅された後、その無線信号群70がアンテナ69を用いて端末向けユニット72に送信される。最後に、端末向けユニット72では、アンテナ71で受信した周波数f2 (95),f3 (97),f7 (99)の信号群を各々周波数f1 (96),f5 (98),f9 (100)に変換し、電力を増幅した後、ユーザ端末(11)に向けてアンテナ73より送信する。
【0017】
以上の流れを周波数軸上で説明すると、無線通信システムに割り当てられた周波数fL (75)から周波数fH (76)までの周波数帯域を全て通信用帯域74に割り当て、基地局から送信された周波数f1 (77),f5 (79),f9 (81)の信号群は、基地局向けユニット62内で周波数変換され、周波数f3 (78),f6 (80),f8 (82)の信号群として中継用ユニット66−1に送信される。中継用ユニット66−1では、周波数f3 (83),f6 (85),f8 (87)の信号群を受信し、周波数変換後、周波数f2 (84),f4 (86),f7 (88)の信号群として次の中継用ユニットに向けて送信する。以後、同様の操作を繰り返し、中継用ユニット66−Nでは、周波数f5 (89),f6 (91),f8 (93)の信号群を受信し、周波数変換後、周波数f2 (90),f3 (92),f7 (94)の信号群として端末向けユニット72に送信する。最後に、端末向けユニット72では、周波数f2 (95),f3 (97),f7 (99)の信号群を受信し、周波数変換後、周波数f1 (96),f5 (98),f9 (100)の信号群としてユーザ端末(11)に送信する。なお、ユーザ端末(11)から基地局(1)方向の上りリンクについても、下りリンクと逆方向の周波数変換手順により実現することができる。また、中継用ユニットを用いない場合についても、同様の手順で同一の通信用帯域内で周波数変換を行うことができる。
【0018】
図4は、本発明による周波数変換型リピータを実現するための基地局向けユニット(下りリンク方向)、並びにユーザ端末向けユニット(上りリンク方向)のブロック構成例を示している。図4において、アンテナ201により受信された中心周波数fp の無線信号は、帯域制限フィルタ(BPF)202により帯域制限された信号203となった後、低雑音増幅器(LNA)204により受信信号電力が増幅される。次に、周波数fLoを有する周波数発振器207から出力されるローカル信号と増幅された受信信号205が乗算器206により乗積され、中心周波数fIFの中間周波数信号208に変換された後、低域通過フィルタ(LPF)209により高調波成分が除去された信号210となる。次に、急峻な通過帯域幅BW/2を有するSAWフィルタ211により帯域外漏洩電力成分が除去された信号212となる。さらに、中心周波数(fLo+BW/2)を有する周波数発振器214から生成されるローカル信号と乗算器213により乗積された信号215が、帯域制限フィルタ(BPF)216により帯域外信号成分が除去された後、中心周波数(fp +BW/2)の高周波信号217に変換される。最後に、電力増幅器(PA)218により増幅された信号219が、帯域制限フィルタ(BPF)220により帯域外信号成分が除去された後、中心周波数(fp +BW/2)を有する高周波信号としてアンテナ221から再送信される。
【0019】
以上の一連の周波数変換操作を周波数軸上で説明すると以下のようになる。まず、周波数fL (223)〜周波数fH (224)の範囲で定義される帯域幅BW(222)を有する無線システムにおいて、高周波信号228は、〔fL 〜(fL +BW/2)〕の帯域幅BW/2(225)内に割り当てられた中心周波数fp を有する無線信号として基地局あるいはユーザ端末から送信される。次に、基地局向けユニット(下り方向)あるいはユーザ端末向けユニット(上り方向)により受信れた無線信号229は、中心周波数fIL(230)の中間周波数帯の信号229に変換され、周波数(fIF−BW/4)231から周波数(fIF+BW/4)232までの帯域幅BW/2(226)を有するSAWフィルタ211により帯域制限が行われた後、中心周波数(fp +BW/2)を有する信号211に変換される。最終的に、中間周波数帯から高周波数帯に周波数変換される際、無線信号217,219はBW/2(227)だけ周波数シフトされたことになる。
【0020】
図5は、本発明による周波数変換型リピータを実現するためのユーザ端末向けユニット(下りリンク方向)のブロック構成例を示している。図5において、アンテナ241により受信された中心周波数(fp +BW/2)の無線信号は、帯域制限フィルタ(BPF)242により帯域制限された信号243となった後、低雑音増幅器(LNA)244により受信信号電力が増幅される。次に、周波数(fLo+BW/2)を有する周波数発振器247から出力されるローカル信号と増幅された受信信号245が乗算器246より乗積され、中心周波数fIFの中間周波数信号248に変換された後、低域通過フィルタ(LPF)249により高調波成分が除去された信号250となる。次に、急峻な通過帯域幅BW/2を有するSAWフィルタ251により帯域外漏洩電力成分が除去される。ここで、SAWフィルタ251から出力された信号252は、遅延量τを有する遅延回路253により時間遅延が付加された信号254となる。さらに、中心周波数fLoを有する周波数発振器256から生成されるローカル信号と乗算器255により乗積された信号257が、帯域制限フィルタ(BPF)258により帯域外信号成分が除去された後、中心周波数fp の高周波信号259に変換される。最後に、電力増幅器(PA)260により増幅された信号261が、帯域制限フィルタ(BPF)262により帯域外信号成分が除去された後、中心周波数fp を有する高周波信号としてアンテナ263から再送信される。なお、基地局向け端末ユニット(上り方向)は、図5において遅延回路253を取り除いた場合の構成となる。
【0021】
以上の一連の周波数変換操作を周波数軸上で説明すると以下のようになる。まず、fL (265)〜fH (266)の範囲で定義される帯域幅BW(264)を有する無線システムにおいて、周波数変換され、BW/2だけシフトされた高周波信号270は、(fL +BW/2)〜fH の帯域幅内の中心周波数(fp +BW/2)を有する無線信号として周波数変換型リピータから送信される。次に、基地局向けユニット(上り方向)あるいはユーザ端末向けユニット(下り方向)により受信された無線信号は、中心周波数fIF(272)の中間周波数帯に変換され、帯域幅BW/2(268)を有するSAWフィルタ251により周波数fH −BW/4(271)から周波数fH −BW/4(274)までの帯域制限が行われた後、中心周波数fp を有する高周波信号274に変換される。最終的に、高周波数帯から中間周波数帯に周波数変換される際、無線信号(259,261)はBW/2(267)だけ周波数がマイナス方向にシフトされたことになる。
【0022】
なお、図4および図5の実施例は、中継用ユニットを介さない周波数変換型リピータ装置の構成例を示したが、中継ユニットを介する場合についても同様な周波数変換処理を施す構成とすることにより実現することができる。
【0023】
次に、図5のブロック構成例において、遅延回路253により時間遅延τを付加する効果を説明する。図6は、本発明方式に基づく周波数変換型リピータ装置を用いた通信エリアの拡張例を示している。図6において、基地局301から送信された中心周波数fp の下り無線信号302は、オフィス311の窓際に設置された基地局向けユニット303により受信され、周波数(fp +△f)の無線信号304として端末向けユニット305に送信される。次に、端末向けユニット305から再送信された中心周波数fp の下り無線信号306および309は、ユーザ端末307およびユーザ端末308によって受信される。ここで、グラデーションの異なる通信エリア312,313,314は、基地局301から直接送信される信号の電界強度分布を表しており、中央部の通信エリア312から外側の通信エリアになるに従って電界強度が弱くなる状況を示している。一方、通信エリア315,316,317は、端末向けユニット305から送信される信号の電界強度を表しており、同様に中央部の通信エリア315から外側の通信エリア317になるに従って電界強度が弱くなる様子を示している。ここで、ユーザ端末307は、端末向けユニット305から送信される下り無線信号306のみを受信するエリアに存在しているが、ユーザ端末308は基地局301から送信される下り無線信号310と、端末向けユニット305から送信される下り無線信号309の両方が同時に受信できるエリアに存在している。この場合、基地局301からの下り無線信号310と端末向けユニット305から送信される下り無線信号309が互いに干渉することになるが、図5に示した遅延回路253を設けることにより、端末向けユニット305から送信される下り無線信号309にはτの時間遅延が含まれることになる。このように遅延を人工的に付加することにより、CDMA方式に基づく無線システムでは、同一チャネル干渉を回避するだけでなくRAKE受信により時間ダイバーシチ効果が得られ、ユーザ端末における受信特性が大幅に改善することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば以下の効果を期待することができる。
(1)基地局向けユニットと端末向けユニット間を無線接続することにより、同軸ケーブルによるケーブリングが不要となる。これにより、同軸ケーブルを敷設するための設置工事が不要になるとともに、工期を大幅に短縮することができる。
(2)リピータ装置の設置・変更が容易に行えるため、通信環境の変化に対して柔軟に対応することができる。
(3)リピータ装置を適用する無線システムに割り当てられた周波数帯域内で周波数変換を行うため、新たな周波数を確保する必要がない。また、既存の他システムに影響を干渉等の影響を与えることがない。
(4)リピータ装置内に遅延回路を挿入することにより、ユーザ端末から直接送信された無線信号とリピータ装置を介して送信された無線信号を基地局受信点において時間軸上で分離することができる。従って、RAKE合成を適用することにより、受信品質を改善することができる。同様に、基地局から直接送信された無線信号とリピータを介して送信された無線信号をユーザ端末でRAKE受信することにより、回線品質を改善することができる。
(5)周波数変換を繰り返し行う中継用端末向けユニットを用いることにより、通信エリアの拡大を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無線システムに割り当てられた周波数帯域を二つの通信用帯域に分割して配置する場合の本発明の実施例を示す周波数配列を含むブロック図である。
【図2】図1に示す構成例において、さらに基地局向けユニットと端末向けユニットの間に複数の中継用ユニットを設ける場合の本発明の実施例を示す周波数配列を含むブロック図である。
【図3】無線システムに割り当てられた周波数帯域内において、基地局向けユニットと端局向けユニットとの間に複数の中継用ユニットを配置し、周波数変換を行って中継する場合の本発明の実施例を示す周波数配列を含むブロック図である。
【図4】本発明に用いる下りリンク方向の基地局向けユニットと上りリンク方向のユーザ端局向けユニットとに適用される構成例を示す周波数配列を含むブロック図である。
【図5】本発明に用いる下りリンク用ユーザ端末向けユニットの構成例を示す周波数配列を含むブロック図である。
【図6】本発明により構成された周波数変換型リピータ装置を配置して通信エリアを拡張した場合を示す無線システム構成例図である。
【符号の説明】
1 基地局
2 無線信号
3 基地局向けアンテナ
4 基地局向けユニット
5 端末向けアンテナ
6 無線信号
7 アンテナ
8 端末向けユニット
9 ユーザ端末向けアンテナ
10 無線信号
11 ユーザ端末
12 通信用帯域
13 周波数変換用帯域
14 周波数fL
15 周波数fH
16,19 周波数fp の信号
17,18 周波数fp +△fの信号
31 基地局向けアンテナ
32 基地局向けユニット
33,35,37,38,43 アンテナ
36−1〜36−N 中継用ユニット
42 端局向けユニット
45 周波数fL
46 周波数fH
47 周波数fp の信号
48,49 周波数fk の信号
50 周波数f1 の信号
51 周波数fm の信号
52,53 周波数fn の信号
54 周波数fp の信号
61 基地局向けアンテナ
62 基地局向けユニット
63 アンテナ
64 無線信号群(f3 ,f6 ,f8 )
65 アンテナ
66−1〜66−N 中継用ユニット
67,68,69 アンテナ
70 無線信号群(f2 ,f3 ,f7 )
71,73 アンテナ
72 端局向けユニット
74 通信用帯域
75 周波数fL
76 周波数fH
77,96 周波数f1
78,83,92,97 周波数f3
79,89,98 周波数f5
80,85,91 周波数f6
81,100 周波数f9
82,87,93 周波数f8
84,90,95 周波数f2
86 周波数f4
88,94,99 周波数f7
201 アンテナ
202 帯域ろ波器
203 信号
204 低雑音増幅器
205 受信信号
206 乗算器
207 周波数発振器
208 中間周波数信号
209 低域通過フィルタ
210 信号
211 SAWフィルタ
212 信号
213 乗算器
214 周波数発振器
215 信号
216 帯域制限フィルタ
217 高周波信号
218 電力増幅器
219 信号
220 帯域制限フィルタ
221 アンテナ
222 帯域幅BW
223 周波数fL
224 周波数fH
225,226 帯域幅BW/2
229 信号
230 中心周波数f1L
231 周波数(fIF−BW/4)
232 周波数(fIF+BW/4)
233 高周波信号
241 アンテナ
242 帯域制限フィルタ
243 信号
244 低雑音増幅器
245 受信信号
246 乗算器
247 周波数発振器
248 中間周波数信号
249 低域通過フィルタ
250 信号
251 SAWフィルタ
252 信号
253 遅延回路
254 信号
255 乗算器
256 周波数発振器
257 信号
258 帯域制限フィルタ
259 高周波信号
260 電力増幅器
261 信号
262 帯域制限フィルタ
263 アンテナ
264 帯域幅BW
265 周波数fL
266 周波数fH
267 帯域幅BW/2
270 高周波信号
271 周波数fH −BW/4
272 中心周波数fIF
273 周波数fIF+BW/4
274 高周波信号
301 基地局
302 下り無線信号
303 基地局向けユニット
304 無線信号
305 端局向けユニット
306 下り無線信号
307,308 ユーザ端末
309,310 下り無線信号
311 オフィス
312,313,314,315,316,317 通信エリア
Claims (7)
- 受信信号を電力増幅し、無線信号として再送信することにより、室内や屋内等閉空間の電波環境を改善するリピータ装置において、
該リピータ装置は基地局に対向する基地局向け装置と該閉空間内のユーザ端局に対向するユーザ端末向け装置とに分離され、該基地局向け装置と該端末向け装置の間の信号伝送は、対象とする無線システムに割り当てられた周波数帯域のうち、未使用、または、空き状態にある周波数帯を用いて行なわれるように構成されていることを特徴とするリピータ装置。 - 前記基地局向け装置は、基地局から送信された無線信号を事前に設定した周波数帯、または、別途基地局から通知された空きチャネル情報を用いて選択した周波数帯に周波数変換する機能を有し、
前記端末向け装置は、基地局向け装置から送信された無線信号を元の周波数チャネルに変換する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のリピータ装置。 - 前記端末向け装置は、ユーザ端末から送信された無線信号を事前に設定した周波数帯、または、別途基地局から通知された空きチャネル情報を用いて選択した周波数帯に周波数変換する機能を有し、
前記基地局向け装置は、端末向け装置から送信された無線信号を元の周波数チャネルに変換する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のリピータ装置。 - 前記端末向け装置は、ユーザ端末向けに送信する無線信号に時間遅延を付加する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のリピータ装置。
- 受信信号を電力増幅し、無線信号として再送信することにより、室内や屋内等閉空間の電波環境を改善するリピータ装置において、
該リピータ装置は基地局に対向する基地局向け装置、N台の中継装置(Nは1≦Nの整数)、並びに、該閉空間のユーザ端末に対向するユーザ端末向け装置に分離され、
該基地局向け装置と第1の中継装置との間の信号伝送と、第k−1の中継装置と第kの中継装置との間の信号伝送(kは2≦k≦Nの整数)と、第N−1の中継装置と第Nの中継装置との間の信号伝送と、第Nの中継装置と該端末向け装置の間の信号伝送とは、対象とする無線システムに割り当てられた周波数帯域のうち、未使用、または、空き状態にある周波数帯を用いて行われるように構成されたことを特徴とするリピータ装置。 - 前記基地局向け装置は、基地局から送信された無線信号を事前に設定したチャネル周波数、または、別途基地局から通知された空きチャネル情報を用いて選択したチャネル周波数に周波数変換する機能を有し、
前記第1の中継装置は、該基地局向け装置から送信された無線信号を事前に設定したチャネル周波数、または、別途基地局から通知された空きチャネル情報を用いて選択したチャネル周波数に周波数変換する機能を有し、
前記第kの中継装置は、第k−1の中継装置から送信された無線信号を事前に設定したチャネル周波数、または、別途基地局から通知された空きチャネル情報を用いて選択したチャネル周波数に周波数変換する機能を有し、
端末向け装置は、第Nの中継装置から送信された無線信号を元の周波数チャネルに変換する機能を有することを特徴とする請求項5に記載のリピータ装置。 - 前記端末向け装置は、ユーザ端末から送信された無線信号を事前に設定したチャネル周波数、または、別途基地局から通知された空きチャネル情報を用いて選択したチャネル周波数に周波数変換する機能を有し、
前記第Nの中継装置は、端末向け装置から送信された無線信号を事前に設定したチャネル周波数、または、別途基地局から通知された空きチャネル情報を用いて選択したチャネル周波数に周波数変換する機能を有し、
前記第k−1の中継装置は、第kの中継装置から送信された無線信号を事前に設定したチャネル周波数、または、別途基地局から通知された空きチャネル情報を用いて選択したチャネル周波数に周波数変換する機能を有し、
前記基地局向け装置は、第1の中継装置から送信された無線信号を元の周波数チャネルに変換する機能を有することを特徴とする請求項5に記載のリピータ装置。
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JP2006333232A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Toshiba Corp | デジタル放送システム |
US9055584B2 (en) | 2010-03-25 | 2015-06-09 | Sony Corporation | Management server, base station, communication system, and communication method |
US9775146B2 (en) | 2010-03-25 | 2017-09-26 | Sony Corporation | Management server, base station, communication system, and communication method |
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US10721729B2 (en) | 2010-03-25 | 2020-07-21 | Sony Corporation | Management server, base station, communication system, and communication method |
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