JP2004258420A - 導光路アレイ、その製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ファイバー状の導光路が複数,規則的に配置され、コア部とクラッド部と固定部と光情報の入出力面から構成された導光路アレイの製造方法において、コア材料を液状状態にして複数箇所同時に引き延ばし、固化しコア部を形成する工程と、該コア部にクラッド材を被覆し、次に該クラッド材を固化しクラッド部を形成する工程と、該クラッド材の外部に液状の固定材を包括充填後に固化し固定部を形成する工程と、コア端部に入力面及び出力面を機械加工し入出力面を形成する工程からなることを特徴とする導光路アレイの製造方法を主たる構成にする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、様々な分野で、光を伝送するためのプラスチック光導波路及び導光路とその製造方法に関し、さらに詳しくは、光伝送用の導波路アレイに使用する光導波路、液晶表示パネル、リアプロジェクタ用の拡大光学系に使用する導光路、LEDアレイプリントヘッドの導光路、その他精度を必要とする射出成形では不可能な複雑な形状の製品に応用可能な製造技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディスプレイを大画面化するに際しての課題と対策として、タイリングによる拡大導光路を用いる方法がある。フラットパネルディスプレイには、液晶、有機EL、プラズマディスプレイ等があるが、例えば100インチ以上の大画面化にあたっては、現在の技術では困難であり、また、非常に高価なものとなる。
その問題を解決する従来技術としては、小画面サイズのディスプレイを若干隙間を設けてタイル状に敷き並べ(タイリング)、かつ、各ディスプレイから光ファイバーをテ−パ状に広げ表示上に導き大画面化(拡大導光路アレイ)するものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、光ファイバーを使用した拡大導光路アレイの課題として、製作時間がかかる、低精度であるという問題があり、従来技術では、光ファイバーを1本1本並べる方法を用いているが、非常に時間を費やしコスト高となる。例えば、解像度SXGAでの画素数は1280×1024、即ち約百万本であり、光ファイバー1本を1秒で繋げたとしても11日間かかってしまう計算になる。
最近では、金型にて直接ファイバーシートを形成する方法(例えば、特許文献2参照)やフィルム状のプラスチックシ−トにエンボス法にてファイバーシートを形成する方法(例えば、特許文献3参照)が発案さている。
また、光ファイバーをテ−パ状に加工する方法として、クラッド材のブロックにレーザによりテ−パ状の穴を空けその部分にコア材を充填し製造する方法(例えば、特許文献4参照)や、束ねたファイバを加熱振動することでテ−パ状に加工する方法(例えば、特許文献5)がある。
しかしながら、それらを拡大導光路の製造に応用した場合、その精度や加工速度に課題がある。例えば、ファイバーシートを精度よく短時間で積層(約千層)できないとか、レーザ−等の加工粗さだと光がリークしてしまい、光ファイバーとは言い得ない状態を呈する。また、レーザ−を使用すると直線加工しかできないとか、束ねたファイバーを加熱振動で変形させると整列度が保てないということがある。
加工速度を考慮した製造方法として、短時間加工が可能な光造形方法を活用することが考えられ、直線的な光ファイバーを形成することができる。この方法は、ファイバーシートの製造方法と違い、光軸方向への加工ができるため、短時間で加工ができるメリットがあると思われる(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献1】特開昭60−169833号公報
【特許文献2】特開平10−50968号公報
【特許文献3】特開平10−54918号公報
【特許文献4】特開平8−179131号公報
【特許文献5】特開昭64−11922号公報
【特許文献6】特開2000−347043公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
加工速度を考慮した製造方法として、特開2000−347043公報に示すような光造形方法は、直線的な光ファイバーを形成することができる。ファイバーシートの製造方法と違い、光軸方向への加工ができるため、短時間で加工ができるメリットがある。
しかしながら、上記大画面用導光路形状を考慮した場合、表示部の開口形状を同形状にするには、光ファイバーの径を1本1本変える問題が生じる。また、拡大率を大きくしたり、導光路長を短くする場合(導光路の薄型化:材料コスト減、重量減)は直線でなく、曲線形状が求められる。
一方、ガルバノミラー等を用いた市販の光造形装置では自由曲面の形成が可能であるが、その精度が0.1mm程度しか無いため、光ファイバーからの光の漏れや散乱が生じ、光ファイバーとしては機能しない。光ファイバーからの光の漏れや散乱を防ぐためには、少なくとも表面粗さとして、可視光の波長(0.39〜0.77μm)の10分の1の精度、即ち0.04μmが必要である。
現在最も高精度と思われる特開2001−158050公報で示す2光子吸収を用いた光造形方法においても、その粗さは0.2〜0.5μmであり、これらは、狙いの造形物のスライス断面形状を1層1層断続的に硬化させて行くため、高精度化が困難であるという問題がある。
そこで本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、主として、光学部品で、特にディスプレイの大型化が可能な拡大導光路部品の製造方法を適用し、導光部は曲線状の更に薄型形状で、短時間加工による高生産性を狙い、LEDを用いたプリントヘッドの光学系の製造方法を使用し、径20μmが課題となる微細化を達成し、光学表面(表面粗さ0.04μm以下)になる加工方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、ファイバー状の導光路を有し、それらが複数、規則的に配置された構造であって、コア部とクラッド部とそれらを保持する固定部と光情報を入出力する入力面及び出力面から構成されている導光路アレイの製造方法において、コア材料を液状状態にして複数箇所同時に引き延ばし、固化または硬化しコア部を形成する工程と、該コア部に液状のクラッド材を被覆し、その後に該クラッド材を固化または硬化しクラッド部を形成する工程と、さらに該クラッド材の外部に液状の固定材を包括充填後に固化または硬化し固定部を形成する工程と、コア端部に入力面及び出力面を機械加工し入力面及び出力面を形成する工程からなる導光路アレイの製造方法を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、ファイバー状の導光路を有し、それらが複数、規則的に配置された構造であって、光の伝達機能を有するコア部とクラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する固定部と光情報を入出力する入力面及び出力面から構成されている導光路アレイを主要な特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記コア部が熱可塑性樹脂であって、固定材は、ガラス転移温度がコア材のガラス転移温度以下であり、屈折率がコア部の屈折率より2%以上小さい熱可塑性樹脂である請求項2に記載の導光路アレイを主要な特徴とする。
請求項4記載の発明では、前記コア部が光硬化性樹脂であって、固定材は、ガラス転移温度がコア材のガラス転移温度以下であり、屈折率が2%以上小さい熱可塑性樹脂である請求項2に記載の導光路アレイを主要な特徴とする。
【0005】
請求項5記載の発明では、請求項3記載の導光路アレイにおいて、コア材料をガラス転移温度以上に加熱して液状状態にし、所定の引き上げ治具にて所定の位置にコア材料を複数箇所同時に引き延ばし、その後、冷却固化してコア部を形成する工程と、クラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する液状の固定材を充填後に冷却固化し固定部を形成する工程と、入力面及び出力面を機械加工し、入力面及び出力面を形成する工程からなる導光路アレイの製造方法を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項4記載の導光路アレイにおいて、液状状態のコア材料を、所定の引き上げ治具にて所定の位置にコア材料を複数箇所同時に引き延ばし、その後、紫外線照射によるコア材を硬化し、コア部を形成する工程と、クラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する液状の固定材を充填後に冷却固化にて固定部を形成する工程と、入力面及び出力面を機械加工し入力面及び出力面を形成する工程からなる導光路アレイの製造方法を主要な特徴とする。
請求項7記載の発明では、前記引き上げ治具の引上げ部の複数のコア材配置箇所に相当する場所は空孔形状である請求項1、5、6のいずれか1項に記載の導光路アレイの製造装置を主要な特徴とする。
請求項8記載の発明では、前記引き上げ治具の引上げ部の複数のコア材配置箇所に相当する場所は凸形状である請求項1、5、6のいずれか1項に記載の導光路アレイの製造装置を主要な特徴とする。
請求項9記載の発明では、前記コア材を入れる容器であるコア容器の形状は、請求項7記載の引き上げ治具の複数のコア材配置箇所と同箇所に空孔がある請求項1又は5から7記載の導光路アレイの製造装置を主要な特徴とする。
請求項10記載の発明では、コア材に光硬化性樹脂を用いたコア形成工程であって、請求項7記載の引き上げ治具と請求項9記載のコア容器を合わせた状態から、各空孔に液状コア材料を注入し、液状コア材料を引き延ばす請求項1又は6に記載の導光路アレイの製造方法を主要な特徴とする。
請求項11記載の発明では、コア材に熱可塑性樹脂を用いたコア形成工程であって、請求項7記載の引き上げ治具と請求項9記載のコア容器を合わすと共に、コア材のガラス転移温度以上に加熱し、各空孔に液状コア材料を注入し、液状コア材料を引き延ばす請求項1又は5に記載の導光路アレイの製造方法を主要な特徴とする。
請求項12記載の発明では、前記引き上げ治具は、各引上げ部毎に分割した別個の治具からなる構成である請求項7又は8記載の導光路アレイの製造装置を主要な特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。導光路アレイは、概略下記に示すような構成である。
導光路はファイバー状に複数規則正しく配置された構造である。導光路であるコア部とこれを囲むクラッド部と、それらを保持する固定部と遮光部と画像の入出力面から構成される。
コア部は光を伝送する部分で、構成材料としては、熱可塑性樹脂と光硬化性樹脂がある。熱可塑性樹脂とその物性を表1に示す。光硬化性樹脂はアクリル系(屈折率1.5〜1.7)、エポキシ系(屈折率1.5〜1.7)が有り、どちらもガラス転移温度は150℃以上である。
【表1】
クラッド部は、コア材との屈折率差を利用して光がコア部から漏れないようにするための部分である。クラッド部は、コア部より屈折率差が2〜3%以上小さい物質からなり、材料はフッ素系ポリマー(屈折率1.3〜1.41)が主で、ポリマーの硬化方法は熱硬化(100〜150℃)、光硬化の2種類がある。熱可塑性樹脂を使用する場合においても、コア材がPCの場合、クラッド材をPMMAにすることができる。
固定部は導光部(コア部+クラッド部)の位置関係を保持する為の部分である。遮光部は導光部からのかすかな漏れや外部からの光を遮断する部分である。
図示はしていないが、製造装置全体の概略の構成は、コア容器、引き上げ治具、加熱装置、冷却装置、コア材供給装置、クラッド材供給装置、固定材供給装置、導光路アレイ分離装置等から成るが、使用する材料に応じて装置および方法が異なる。
以下、本発明を各実施例に基づいて図示説明する。
【0007】
(実施例1)
図1及び2は、請求項1、8、9、10、11に含まれる導光路アレイの製造工程の一例を示す説明図である。この例に使用した材料は、コア材としては表1に示した熱可塑性樹脂のいずれかである。
コア容器1及び引き上げ治具2の各形状は、コア材を充填できる筒状等の空孔1a、2aが複数有る同形の板状体を2枚重ねられるようにする。固定材は、コア材より低い軟化温度の熱可塑性樹脂を使用する。クラッド材には、UV硬化性フッ素系ポリマーを使用し、製造工程は以下のような順に行った。
工程−1.コア容器1と引き上げ治具2を合わせて、相互の空孔1a、2aを重ね対向させる(図1−i)。
工程−2.この容器1と治具2を熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する。
工程−3.重ねた容器1と治具2の対向する両空孔にコア材3の熱可塑性樹脂を充填する(図1−ii)。
工程−4.引き上げ治具2を容器1から引き上げて、コア材3を引き延ばす(図1−iii)。
工程−5.コア材3を空冷し冷却固化する(図1−iii)。
工程−6.引き延ばされたコア材3にクラッド材4をコーティングした後でUV照射し導光路を形成する(図2−iv)。
工程−7.導光路外の空間に固定材5を注入し、冷却固化し固定する(図2−v)。
工程−8.コア容器と引き上げ治具を導光路アレイ(コア材+クラッド材+固定材から構成)から分離する(図2−vi)。
工程−9.両端の面をある程度の粗さに仕上げる。
実施例1は上記工程で製造される。以下に更に具体的に説明する。コア容器1及び引き上げ治具2の形状は(図1−i)に示すような、導光路形成部と同箇所に空孔部1a、2aを有する。これら2部品を合わせた状態でコア材3を充填する。ここで空孔部にのみコア材は充填されているので、引き延ばし時には、ばらつきが少ない安定した径の伸びが可能になる。
【0008】
図4に示すように片面側に所定形状の凸形状を所定の配置にて突設した引き上げ治具6のような形状でもコア材の引き上げは可能であるが、径のばらつきは空隙部を有した図1、図2の実施形態の構造よりも大きい。この場合、引き上げ治具の材料に金属を使用すると加熱しないと粘着しないので必ず加熱が必要になる。ここで、コア材の径の大きさは引き上げ速度および、樹脂の温度に依存する粘度により変化するので、各条件は一定である必要がある。また、引き上げ量に応じて径が変化するので、それを見込んだコア材量が必要である。
上記空孔使用引き上げ治具を使用した場合の、工程−5(図1−iii)に対応するコア材の冷却固化では、材料の熱変形温度以下まで冷却する。冷却対象はコア材、引き上げ治具、コア容器である。
空孔使用工程−6(図2−iv)に対応するクラッド材塗布工程では、同様にUV硬化性フッ素系ポリマーを塗布した後、紫外線照射を行い硬化させる。
空孔使用工程−7の(図2−v)に対応する工程では、同様に固定材を注入して固定を行う。
図1、図2では全体に固定材を注入しているが、機能、材料費、重量等から図5のように一部分だけに固定材を注入することも可能である。なお、この固定材は黒色の遮光機能も有することが有利である。また、発泡性の固定材も使用され、発泡により軽量化ができる。
工程−8(図2−vi)に対応する工程での分離はコア容器1と引き上げ治具2の境界部と導光路アレイを分離している。必要に応じては、空孔部のコア部を導光路アレイ部に残すこともできる。
工程−9では、両端の面をある程度の粗さに仕上げる。その粗さは用途によって変わる。鏡面機能が必要であれば鏡面仕上げ(切削および加熱加圧による鏡面転写)が必要である。光の拡散機能が必要であれば梨地や研削的な仕上げが必要である。ここでは、コア材に熱可塑性樹脂を用いた説明であったが、光硬化性樹脂でもほぼ同様である。加熱、冷却固化は不要で、硬化の為のUV(紫外線)照射が必要となる。粘度においては材料を自由に作り込むことができるので、製造時の管理は熱可塑性樹脂(温度管理が重要)と比較して簡単である。
これは、クラッドと固定を別部材とした別工程での例であるが、同部材を用いて同工程で行うことも可能である。例えばPMMAをクラッド及び固定機能を持たせても良い。仕上げた製品の形状を図2(a)(b)に示す。
【0009】
(実施例2)
図7、図9、図10、図11は拡大導光路アレイの製造工程説明図である。コア材3は熱可塑性樹脂(PC)を使用し、引き上げ治具7形状は空孔7aを有する分割タイプで、固定材はクラッド機能、遮光機能、保持機能を有する熱可塑性樹脂であるコア材より低軟化温度及び低屈折率のPMMAを使用した。
工程−1.コア容器1と引き上げ治具7を合わせる(図9−i)。
工程−2.コア容器と引き上げ治具を熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する(図9−i)。
工程−3.コア容器及び引き上げ治具の空隙にコア材を充填する(図9−i)。
工程−4.引き上げ治具7を、場所により導光路長さが違うため、所定長さに引き上げるようにコア材3の引き延ばしを行う(図9−ii)。
工程−5.コア材3を冷却固化する(図9−ii)。
工程−6.引き上げ治具を所定位置(導光路端部の面位置)に移動する(図9−iii)。
工程−7.固定材8を注入し冷却固化し固定する(図10−iv)。固定材8は、例えばクラッド材としての機能を併有している。
工程−8.コア容器と引き上げ治具を導光路アレイ(コア材+クラッド材+固定材から構成)から分離する(図10−v)。
工程−9.更に固定材8aを注入し固定(冷却固化)する。
工程−10.両端の面をある程度の粗さに仕上げる(図10−vi)。
ここでは、熱可塑性樹脂にPMMAを使用し、カーボンブラックを3wt%含有した。なお、図6に示した例は導光路が途中で分岐している場合である。更に、図8に示した例は、引き上げ治具を傾けることで縮小導光路を製造している場合である。
【0010】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、ファイバー状の導光路を有し、それらが複数、規則的に配置された構造であって、コア部とクラッド部とそれらを保持する固定部と光情報を入出力する入力面及び出力面から構成されている導光路アレイの製造方法において、コア材料を液状状態にして複数箇所同時に引き延ばし、固化または硬化しコア部を形成する工程と、該コア部に液状のクラッド材を被覆し、その後に該クラッド材を固化または硬化しクラッド部を形成する工程と、さらに該クラッド材の外部に液状の固定材を包括充填後に固化または硬化し固定部を形成する工程と、コア端部に入力面及び出力面を機械加工し入力面及び出力面を形成する工程と、からなることを特徴とする導光路アレイの製造方法により、コア材料を複数同時に引き延ばすため、非常に短い時間で加工でき、また、引き延ばしにより、コア表面をなめらかにすることができる。
請求項2によれば、ファイバー状の導光路を有し、それらが複数、規則的に配置された構造であって、光の伝達機能を有するコア部とクラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する固定部と光情報を入出力する入力面及び出力面から構成されていることを特徴とする導光路アレイにより、クラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する固定部があるため、工程数が少なくなり、短い時間で加工でき、また、保持機能があるため、製品の変形が少ない。遮光機能があるため、コア部からの漏れ光を他コア部に伝わることが無く、遮光機能があるため、入力面からの光を出力面に伝わることを無くすことが可能になる。
請求項3によれば、前記コア部が熱可塑性樹脂であって、固定材は、ガラス転移温度がコア材のガラス転移温度以下であり、屈折率がコア部の屈折率より2%以上小さい熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の導光路アレイにより、コア部が熱可塑性樹脂であって、コア部は熱可塑性樹脂で高粘度の高分子であるため、途中で切れること無く引き延ばすことができる。また、コア材のガラス転移温度以下の固定材を使用することで、コア材を損傷(溶す、変形、切断)することなく充填することができる。また、屈折率差2〜3%以上小さい固定材を使用するため、コア部からの光の漏れを無くすことができる。
【0011】
請求項4によれば、コア部が光硬化性樹脂であって、固定材は、ガラス転移温度がコア材のガラス転移温度以下であり、屈折率が2%以上小さい熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の導光路アレイにより、光硬化性樹脂は幅広い粘度の調整ができるので、加工し易い粘度の材料が使用できる。また、加工中の温度変化が無いので、製品精度(配列寸法、コア径等)が向上する。また、比較的耐熱温度が高いので、幅広い種類の固定材が使用できる。以下固定材に関しては請求項3と同じ効果である。
請求項5によれば、請求項3記載の導光路アレイにおいて、コア材料をガラス転移温度以上に加熱して液状状態にし、所定の引き上げ治具にて所定の位置にコア材料を複数箇所同時に引き延ばし、その後、冷却固化してコア部を形成する工程と、クラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する液状の固定材を充填後に冷却固化し固定部を形成する工程と、入力面及び出力面を機械加工し、入力面及び出力面を形成する工程からなることを特徴とする導光路アレイの製造方法により、3工程ですむため、非常に短い時間で高精度(各寸法精度、安定した光伝達)な導光路アレイが製造できる。特にコア材料を複数同時に引き延ばすため、非常に短い時間で加工できる。また、引き延ばしにより、コア表面をなめらかにすることができる。
請求項6によれば、請求項4記載の導光路アレイにおいて、液状状態のコア材料を、所定の引き上げ治具にて所定の位置にコア材料を複数箇所同時に引き延ばし、その後、紫外線照射によるコア材を硬化し、コア部を形成する工程と、クラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する液状の固定材を充填後に冷却固化にて固定部を形成する工程と、入力面及び出力面を機械加工し入力面及び出力面を形成する工程からなることを特徴とする導光路アレイの製造方法により、3工程ですむため、非常に短い時間で高精度(各寸法精度、安定した光伝達)な導光路アレイが製造できる。特にコア材料を複数同時に引き延ばすため、非常に短い時間で加工できる。また、引き延ばしにより、コア表面がなめらかとなる。また、光硬化性樹脂使用のため請求項4での効果が得られる。
請求項7によれば、前記引き上げ治具の引上げ部の複数のコア材配置箇所に相当する場所は空孔形状であることを特徴とする請求項1、5、6のいずれか1項に記載の導光路アレイの製造装置により、コア材が空孔部に入ることができ、確実にコア材を引き延ばすことができる(途中での脱落等が無い)。コア材が空孔部に入ることでコア材の量が安定するためコア径が安定する。空孔部形状を入出力面として利用できるので、安定した入出力面形状が得られる。空孔部形状を入出力面として利用できるので、安定した寸法配置(配列)を得ることが可能になる。
【0012】
請求項8によれば、前記引き上げ治具の引上げ部の複数のコア材配置箇所に相当する場所は凸形状であることを特徴とする請求項1、5、6のいずれか1項に記載の導光路アレイの製造装置により、引き上げ治具の引上げ部(複数箇所)に相当する場所は凸形状であるため、コア材に同時に接触することができ(他の部分は接触しない)、凸部からコア材を引き延ばすことができる。また、導光路の配列精度が良くすることができる。
請求項9によれば、前記コア材を入れる容器であるコア容器の形状は、請求項7記載の引き上げ治具の複数のコア材配置箇所と同箇所に空孔があることを特徴とする請求項1又は5から7記載の導光路アレイの製造装置により、コア材を入れている容器(=コア容器)形状は、請求項7記載の引き上げ治具と同箇所に空孔があるので、請求項7と同じ効果が得られる。
請求項10によれば、コア材に光硬化性樹脂を用いたコア形成工程であって、請求項7記載の引き上げ治具と請求項9記載のコア容器を合わせた状態から、各空孔に液状コア材料を注入し、液状コア材料を引き延ばすことを特徴とする請求項1又は6に記載の導光路アレイの製造方法により、コア材に光硬化性樹脂を用いたコア形成工程であって、請求項7記載の引き上げ治具と請求項9記載のコア容器を合わせた状態から、各空孔に液状コア材料を注入し、液状コア材料を引き延ばすため、請求項8、9と同じ効果が得られる。
請求項11によれば、コア材に熱可塑性樹脂を用いたコア形成工程であって、請求項7記載の引き上げ治具と請求項9記載のコア容器を合わすと共に、コア材のガラス転移温度以上に加熱し、各空孔に液状コア材料を注入し、液状コア材料を引き延ばすことを特徴とする請求項1又は5に記載の導光路アレイの製造方法により、コア材に熱可塑性樹脂を用いたコア形成工程であって、請求項7記載の引き上げ治具と請求項9記載のコア容器を合わすと共に、コア材のガラス転移温度以上に加熱し、各空隙に液状コア材料を注入し、液状コア材料を引き延ばすため、請求項7、9と同じ効果が得られる。特に熱可塑性樹脂であるため、冷却すれば、空隙部の形状が得られ、そのまま入出力面形状として使用できる。
請求項12によれば、前記引き上げ治具は、各引上げ部毎に分割した別個の治具からなる構成であることを特徴とする請求項7又は8記載の導光路アレイの製造装置により、引き上げ治具は引上げ部毎に分割した構成であるため、引き延ばす方向が自由となり、拡大、縮小等自由に導光路アレイ形状が形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導光路の製造方法における工程順を示す説明図である。
【図2】図1の工程の続きを示す説明図である。
【図3】本発明の導光路の製品形状の例の斜視図である。
【図4】本発明の導光路の製造に使用する凸状引き上げ治具の断面説明図である。
【図5】本発明の導光路の両端部のみに固定材を充填し固定した例の説明図である。
【図6】本発明の途中分岐型導光路の製造説明図である。
【図7】本発明の非平行拡大導光路の概略断面説明図である。
【図8】本発明の非平行縮小導光路の概略断面説明図である。
【図9】本発明の非平行拡大導光路の製造方法における工程順を示す説明図である。
【図10】図9の工程の続きを示す説明図である。
【図11】本発明の非平行拡大導光路のアレイ形状例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 コア容器
2 引き上げ治具
3 コア材
4 クラッド材
5 固定材
6 凸状引き上げ治具
7 分割用引き上げ治具
8 クラッド、固定、遮光兼用固定材
9 入力面
10 導光部
11 出力面
Claims (12)
- ファイバー状の導光路を有し、それらが複数、規則的に配置された構造であって、コア部とクラッド部とそれらを保持する固定部と光情報を入出力する入力面及び出力面から構成されている導光路アレイの製造方法において、コア材料を液状状態にして複数箇所同時に引き延ばし、固化または硬化しコア部を形成する工程と、該コア部に液状のクラッド材を被覆し、その後に該クラッド材を固化または硬化しクラッド部を形成する工程と、さらに該クラッド材の外部に液状の固定材を包括充填後に固化または硬化し固定部を形成する工程と、コア端部に入力面及び出力面を機械加工し入力面及び出力面を形成する工程からなることを特徴とする導光路アレイの製造方法。
- ファイバー状の導光路を有し、それらが複数、規則的に配置された構造であって、光の伝達機能を有するコア部と、クラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する固定部と、光情報を入出力する入力面及び出力面から構成されていることを特徴とする導光路アレイ。
- 前記コア部が熱可塑性樹脂であって、固定材は、ガラス転移温度がコア材のガラス転移温度以下であり、屈折率がコア部の屈折率より2%以上小さい熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の導光路アレイ。
- 前記コア部が光硬化性樹脂であって、固定材は、ガラス転移温度がコア材のガラス転移温度以下であり、屈折率が2%以上小さい熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の導光路アレイ。
- 請求項3記載の導光路アレイにおいて、コア材料をガラス転移温度以上に加熱して液状状態にし、所定の引き上げ治具にて所定の位置にコア材料を複数箇所同時に引き延ばし、その後、冷却固化してコア部を形成する工程と、クラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する液状の固定材を充填後に冷却固化し固定部を形成する工程と、入力面及び出力面を機械加工し、入力面及び出力面を形成する工程からなることを特徴とする導光路アレイの製造方法。
- 請求項4記載の導光路アレイにおいて、液状状態のコア材料を、所定の引き上げ治具にて所定の位置にコア材料を複数箇所同時に引き延ばし、その後、紫外線照射によるコア材を硬化し、コア部を形成する工程と、クラッド機能、保持機能、遮光機能を同時に有する液状の固定材を充填後に冷却固化にて固定部を形成する工程と、入力面及び出力面を機械加工し入力面及び出力面を形成する工程からなることを特徴とする導光路アレイの製造方法。
- 前記引き上げ治具の引上げ部の複数のコア材配置箇所に相当する場所は空孔形状であることを特徴とする請求項1、5、6のいずれか1項に記載の導光路アレイの製造装置。
- 前記引き上げ治具の引上げ部の複数のコア材配置箇所に相当する場所は凸形状であることを特徴とする請求項1、5、6のいずれか1項に記載の導光路アレイの製造装置。
- 前記コア材を入れる容器であるコア容器の形状は、請求項7記載の引き上げ治具の複数のコア材配置箇所と同箇所に空孔があることを特徴とする請求項1又は5から7記載の導光路アレイの製造装置。
- コア材に光硬化性樹脂を用いたコア形成工程であって、請求項7記載の引き上げ治具と請求項9記載のコア容器を合わせた状態から、各空孔に液状コア材料を注入し、液状コア材料を引き延ばすことを特徴とする請求項1又は6に記載の導光路アレイの製造方法。
- コア材に熱可塑性樹脂を用いたコア形成工程であって、請求項7記載の引き上げ治具と請求項9記載のコア容器を合わすと共に、コア材のガラス転移温度以上に加熱し、各空孔に液状コア材料を注入し、液状コア材料を引き延ばすことを特徴とする請求項1又は5に記載の導光路アレイの製造方法。
- 前記引き上げ治具は、各引上げ部毎に分割した別個の治具からなる構成であることを特徴とする請求項7又は8記載の導光路アレイの製造装置。
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