JP2004257893A - 電圧センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電圧センサの電位差検出部の第1入力部を架線に接続し、その第2入力部を、架線と大地との間で、架線の近傍に配置した検出電極に接続する。この電位差検出部は、架線の電位を基準電位として、架線と検出電極の電位差を検出するので、電位差検出部に大地の基準電位を持ち込む必要がなくなり、架線からの部分放電あるいはアーク放電によって、電位差検出部が破壊されることを防止できる。この構成によって、電位差検出部は架線の近傍に配置されるので、他の架線の電圧によって、検出制度が低下する不都合も防止できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、架線の電圧を検出する電圧センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
送電線、配電線のなどの架線の電圧を検出する電圧センサが、例えば特開昭62−201368号公報に開示されている。この電圧センサは、架線に対して大気を介して対向する検出電極と、大地に接続されたシールド電極とを有し、この大地に接続されたシールド電極を基準電位として、検出電極の電位と基準電位との電位差に基づき、架線の電圧を検出するように構成されている。架線の電圧が変化すれば、それに応じて基準電位に対する検出電極の電位が変化し、この検出電極の電位と基準電位との電位差に基づいて、架線の電圧が検出される。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−201368号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の電圧センサは、大地に接続されたシールド電極を基準電位としているために、検出電極が、架線との間に大きな電位差を持っており、このため架線と検出電極との間に部分放電あるいはアーク放電が発生する危険が大きく、この部分放電または雷などによるアーク放電が発生すると、架線の電圧が電圧センサに直接印加され、電圧センサが破壊される問題があった。電圧センサは電子部品を用いて構成され、架線の電圧が直接電圧センサに印加されると、電子部品が永久的に破壊され、電圧センサを取り替えないと、電圧の検出が不可能となる。このような不都合を改善するために、検出電極を架線から大きく隔てて配置することも考えられるが、この場合には、検出電極は、他の架線の電圧の影響を受ける結果になることが多く、対象とする架線の電圧を正確に検出することが難しい。
【0005】
この発明は、このような不都合に着目し、架線の電圧によって破壊され難く、また、対象とする架線の電圧をより正確に検出できるように改良した電圧センサを提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明による電圧センサは、架線の電圧を検出する電圧センサであって、前記架線の電圧を検出してそれに応じた検出出力を出力する架線電圧検出部および前記検出出力を他の場所へ伝送する伝送部を備えている。
前記架線電圧検出部は、架線の近傍に配置された検出電極と、大地に対する前記架線の電位を基準電位とし、この基準電位と前記検出電極の電位との電位差に基づいて前記検出出力を出力する電位差検出部とを有する。
【0007】
この電位差検出部が大地に対する架線の電位を基準電位とし、この基準電位と検出電極の電位との電位差に基づいて検出出力を出力する構成に基づき、検出電極と架線との間の電位差を抑制することができ、その結果、架線と検出電極との間で部分放電あるいはアーク放電が発生するような事態を、効果的に改善できる。
また、検出電極を架線の近傍に配置するため、検出電極が対象とする架線以外の架線から受ける影響も、効果的に抑制でき、対象とする架線の電位をより正確に検出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下この発明による電圧センサの実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明による電圧センサの実施の形態1を示す構成図である。
【0009】
この実施の形態1は、架線2の電圧を検出するものである。架線2は、送電線または配電線の架線の1本である。送電線または配電線は、鉄塔または電柱を用いて大気中に配置され、または地下のトンネル内の空間に配置され、通常3本の架線を平行に並べて構成される。架線2はその3本の架線の中の1本の架線であり、電圧を測定、または検出する対象とされる架線である。三相の他の2本の架線にも、この発明による電圧センサが配置されるが、この発明による電圧センサは、対象とする1本の架線の電圧を検出するので、1本の架線2に対応する電圧センサについて説明する。
【0010】
架線2には、電源1からの電圧Vaが印加されている。この電源1は、通常高電圧交流電源であり、架線2と大地との間に接続される。したがって、電圧Vaは、大地に対する架線2の電圧であり、交流の高電圧である。
実施の形態1による電圧センサは、架線電圧検出部10と、伝送部20を備えている。架線電圧検出部10は、架線2の近傍に設置され、架線2の電圧Vaを検出して、この電圧Vaに比例した検出出力値Voを出力する。伝送部20は、この検出出力値Voを他の場所、例えば地上に送信する。
この発明による電圧センサでは、架線電圧検出部10が、検出対象である架線2に近傍に設置され、これに伴なって、伝送部20の送信部21も、架線電圧検出部10とともに、架線2の近傍に配置される。
【0011】
架線電圧検出部10は、検出電極11と、電位差検出部15を有する。検出電極11は、例えば平板状に構成され、架線2の近傍に架線2と対向するように配置される。この検出電極11は、また大地とも対向している。この発明により、検出電極11が、架線2の近傍に配置される結果、検出電極11と架線2との間の距離L1と、検出電極11と大地3との間の距離L2とは、L1≪L2の条件を満足する。
実施の形態1では、検出電極11は架線2とともに、例えば大気中に設置される。この検出電極11は、大気によって架線2と絶縁されるが、架線2との間に、キャパシタンスC1の空気コンデンサが形成される。検出電極11は大気を介して大地3に対向し、大地3との間に、キャパシタンスC2の空気コンデンサが形成される。L1≪L2の条件の下に、C1≫C2の関係となる。
【0012】
電位差検出部15は第1入力部a、第2入力部bと、出力部cを有する。第1入力部aはリード線16を介して架線2に点2Aで接続され、また第2入力部bはリード線17を介して検出電極11に接続される。この電位差検出部15は、架線2からリード線16を通じて第1入力部aに供給される架線2の電位を基準電位として、この基準電位と、検出電極11からリード線17を通じて第2入力部bに与えられる電位との電位差を検出し、出力部cに検出出力値Voを出力する。この検出出力値Voは、架線2の電圧Vaに比例した値を持つ。
【0013】
電源1とキャパシタンスC1、C2を含む電気回路の等価回路を図2に示す。キャパシタンスC1、C2は互いに直列に、電源1に接続される。電源1の電圧をVa、キャパシタンスC1の両端電圧をV1、キャパシタンスC2の両端電圧をV2としたとき、次の関係式(1)(2)が成立する。
V1=Va×C2/(C1+C2)・・・(1)
Va=V1×(C1+C2)/C2・・・(2)
【0014】
検出対象である架線2の位置が決まり、また検出電極11の位置が決まれば、関係式(1)におけるC2/(C1+C2)の比率、および関係式(2)におけるC1/(C1+C2)の比率は一定の値となるので、電圧V1を検出することにより、電圧Vaを求めることができる。
電位差検出部15は、関係式(1)(2)における電圧V1を検出する。この電圧V1は、第1入力部aに入力される架線2の電位と、第2入力部bに入力される検出電極11の電位との電位差となるので、電位差検出部15は電圧V1を検出する結果となる。
【0015】
電位差検出部15は、図3に示すように、差動アンプ18と、A/D変換器19を有する。差動アンプ18の2つの入力は、第1入力部aと第2入力部bに接続され、この差動アンプ18は電圧V1に比例した出力電圧を出力する。この差動アンプ18の出力電圧は、A/D変換器19に入力され、このA/D変換器19は電圧V1のアナログ値に応じたディジタル出力値を出力する。このA/D変換器19から出力されるディジタル出力値が、検出出力値Voとして、電位差検出部15から出力される。
【0016】
伝送部20は、送信部21と受信部22を含む。送信部21は、電位差検出部15とともに架線2の近傍に配置され、受信部22は地上に配置される。送信部21は、電位差検出部15からディジタルの検出出力値Voを受ける。この送信部21は、周知の変調器と放射器を有する。この変調器は、搬送周波数信号をディジタル検出出力Voにより例えば周波数変調し、これをRF信号として例えば、放射器の送信アンテナから、受信部22に向けて伝搬経路23を電波で送信する。受信部22は、受信電波を復調し、検出出力値Voを再現する。
もちろん、送信部21と受信部22は、電波以外の例えば光通信によって、検出出力値Voの送受を行なうように構成することもできる。
【0017】
実施の形態1において、電位差検出部15の第1入力部aは、リード線16により架線2に接続され、この架線2から第1入力部aに与えられる架線2の電位を基準電位として、電圧V1を検出する。この構成に基づき、検出電極11による検出電位を、架線2の電位により近づけることができ、検出電極11と架線2との電位差をより小さな値に抑制することができる。その結果、架線2と検出電極11との間で部分放電あるいはアーク放電が発生する危険を効果的に回避し、架線2の電圧によって、電圧センサが破壊されるのを防止することができる。
また、検出電極11を架線2の近傍に配置するため、検出電極11が、検出対象とする架線2以外の架線から受ける影響も、効果的に抑制でき、対象とする架線2の電位をより正確に検出することができる。
【0018】
また、実施の形態1では、架線電圧検出部10が、架線2の電位を基準電位とするため、架線電圧検出部10に対して、大地3からの基準電位を与える必要がなくなる。このため、架線電圧検出部10を、大地3との間の電気配線なしに、架線2の近傍に、簡単に設置することができる。実施の形態1において、検出電極11を大気を介して大地と絶縁する構成も、架線電圧検出部10と大地との間の電気配線を排除するのに有効である。
また、実施の形態1では、伝送部20は電波または光通信により、無線で例えば地上に設置された受信部22に検出出力を伝送するように構成されている。この構成は、送信部21と受信部22との間の接続線を排除するのに有効であり、大地3との間の電気接続なしに、送信部21を架線電圧検出部10とともに、架線2の近傍に簡単に設置できる。
【0019】
実施の形態1において、電位差検出部15は、架線2に接続された第1入力部aと、検出電極11に接続された第2入力部bを有していて、これらの各入力部a、bの間の電位差に基づいて、架線2の電圧Vaに応じた検出出力Voを出力する。この構成は、架線2の電位を基準電位として、入力部a、bの電位差を確実に検出することを可能にする。
また、実施の形態1において、検出電極1と架線2との間に形成されるキャパシタンスC1の空気コンデンサは、検出電極11と大地3との間のキャパシタンスC2の空気コンデンサとともに、検出電極11と架線2の間から、電圧V1を取り出すのに有効である。
【0020】
なお、実施の形態1は、架線2および検出電極11が大気中に設置されるものを想定したが、前述のように、これらが地下のトンネル内の空間に設置されるものでも、同様に、架線電圧検出部10と送信部21を架線2の近傍に配置して、同様な効果を得ることができる。またこの場合、トンネル内の空間に、絶縁ガスを充填するものにも、同様に適用可能である。ただし、このトンネル内では、送信部21と受信部22との間の伝送は、電気配線または光ケーブルを用いることが望ましい。
【0021】
実施の形態2.
図4はこの発明による電圧センサの実施の形態2を示す構成図である。
この実施の形態2は、検出電極11をコンデンサ12を経由して架線2の点2Aに接続し、架線2に取り付けたものである。その他の構成は、実施の形態1と同じであるので、同じ部分を同じ符号で示して、説明を省略する。
コンデンサ12は、耐水性を持った、例えば非浸水性の樹脂を誘電体として用いて構成され、大気中に架線2の近くに設置される。
この実施の形態2では、実施の形態1におけるキャパシタンスC1の空気コンデンサが、コンデンサ12に置き換わるが、実施の形態1と同様の効果をもって、架線2の電圧を検出することができる。
【0022】
なお、実施の形態2のコンデンサ12は、誘電体だけの構成に代えることもできる。実施の形態2のキャパシタ12は、非浸水性の樹脂からなる誘電体に一対の相対向する電極を付設したものであるが、この一対の電極を除去して、誘電体とリード線だけの構成とする。
【0023】
また実施の形態2のコンデンサ12は、耐水性のある抵抗体Rに代えることもできる。この場合には、図2の等価回路において、キャパシタンスC1が抵抗体Rに置き換えられるので、電位差検出部15はこの抵抗体Rの両端の交流電圧を検出し、架線2の電圧Vaを検出することになる。また、この場合、抵抗体Rの両端電圧の位相も、キャパシタンスC1を用いるものから変化するので、差動アンプ18として、積分型差動アンプを用い、抵抗体Rの両端電圧を積分して、抵抗体Rの両端電圧を検出する。
【0024】
実施の形態3.
図5はこの発明による電圧センサの実施の形態3を示す。この実施の形態3は、実施の形態2における検出電極11を改良した検出電極11Aを有する。その他の構成は実施の形態1と同じとされる。
この実施の形態による検出電極11Aは、大地3の表面に焦点を合わせた湾曲面11aを有する湾曲形状とされ、椀形に構成される。この湾曲形状の検出電極11Aは、検出電極11Aと大地3との間の電界を、湾曲面11aの下側の範囲に限定し、検出電極11Aと大地3との間のキャパシタンスC2が、検出電極11Aの周りの導電性遮蔽物などの影響で変化するのを防止する。
この実施の形態3では、実施の形態1、2と同様な効果を持って架線2の電圧Vaを検出できるとともに、キャパシタンスC2が周囲の導電性遮蔽物によって変化し、検出出力値Voが変化するのを防止し、より正確に架線2の電圧を検出できる。
図5の示す検出電極11Aは、放物面を有する放物形状としても、実施の形態3と同じ効果がある。この放物形状の検出電極11Aは、その放物面が大地3の向き、大地3の表面に焦点が合うように構成される。
【0025】
実施の形態4.
図6はこの発明による電圧センサの実施の形態4を示す構成図であり、図7は図6における検出電極11Bの部分の断面図である。
この実施の形態4は、架線2の一部の外周面に円筒形状の絶縁体13を配置し、この絶縁体13の外周面に円筒形状の検出電極11Bを巻き付け、この検出電極11Bを架線2に固定したものである。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同じ部分を同じ符号で示して説明を省略する。
【0026】
筒状の絶縁体13は、絶縁被覆を持たない裸の架線2の一部を絶縁被覆を被覆するように、架線2の外周に巻付けられ、架線2に固定される。また、架線2が絶縁被覆を持つものでは、絶縁体13はその絶縁被覆に代えることができる。絶縁体13の外周に巻き付けられ架線2に固定された円筒形状の検出電極11Bは、架線2と絶縁体13を介して対向し、それらの間にキャパシタンスC1を形成するので、この実施の形態4によっても、実施の形態1と同様な効果を持って架線2の電圧Vaを検出することができる。
加えて、検出電極11Bを、誘電体13を介して架線2に取り付ける構成は、検出電極11Bを簡単に架線2に固定することを可能にし、しかも、検出電極11Bと架線2との間のキャパシタンスC1を安定化し、架線2の電圧Vaの検出精度を向上することに貢献する。
【0027】
図6、図7に示す検出電極11Bは、図8、図9に示すように、変形することも可能である。図8では、半円筒形状の検出電極11Cが用いられる。この検出電極11Cは、絶縁体13の下半分を覆うように取り付けられる。図9では、円筒形状の一部分、具体的には、その約1/3の角度範囲の検出電極11Dが用いられ、この検出電極11Dはその凹面が大地3に向くようにして、絶縁体13の下端に取り付けられる。
これらの図8、図9の検出電極11C、11Dを用いても、図6、図7に示す実施の形態4と同様な効果を持って、架線2の電圧Vaを検出できる。また、図9の検出電極11Dを用いれば、図5に示す実施の形態3と同様に、キャパシタンスC1が周囲の導電遮蔽物によって変化するのを防止し、より正確に架線2の電圧を検出できる。
【0028】
実施の形態5.
図10はこの発明による電圧センサの実施の形態5を示す構成図である。この実施の形態5による電圧センサは、気象条件の補償手段30を備えている。この補償手段30は、検出電極11と対向する補助電極31を有し、この補助電極31と検出電極11との間に、キャパシタンスC3の空気コンデンサを形成する。補助電極31はリード線32を介して電位差検出部15に接続され、キャパシタンスC3の変化により、差動アンプ18のゲインが調整される。その他の構成は、図4に示す実施の形態2と同じであり、同じ部分を同じ符号で示し、説明を省略する。
【0029】
補助電極31は、架線2および検出電極11の近傍の大気中に、検出電極11の下部に配置され、検出電極11との間に、キャパシタンスC3の空気コンデンサを形成する。
この実施の形態5において、検出電極11と大地3との間のキャパシタンスC2は、空気コンデンサにより形成されるので、検出電極11と大地3の間の気象条件の変化により、キャパシタンスC2が変化する。
このキャパシタンスC2は次の関係式(3)によって表される。
C2=εoεs×(S/L2)・・・(3)
この関係式(3)において、εoは真空の誘電率、εsは大気の比誘電率、Sは検出電極11の大地3との対向面積、L2は検出電極11と大地3との間の距離である。このキャパシタンスC2は、検出電極11と大地3との間の大気の比誘電率εsによって変化し、この検出電極11と大地3との間の大気の湿度が変化すれば、それに応じて変化する。
【0030】
この実施の形態5では、キャパシタンスC3が、キャパシタンスC2とともに、検出電極11の周りの気象条件によって変化し、次の関係式(4)が成り立つようにする。
C3=(1/k)C2・・・(4)
kは検出電極11と補助電極31の面積および距離によって決まる比例定数である。
このキャパシタンスC3の変化により、差動アンプ18のゲインを制御して、キャパシタンスC2の気象条件の影響による変化に拘わらず、検出出力値Voが変らないように、補償する。
【0031】
図1に示す実施の形態1では、この気象条件によるキャパシタンスC2の変化に伴ない、検出電極11と架線2との間のキャパシタンスC1も変化するので、関係式(1)におけるC2/(C1+C2)の比、および関係式(2)における(C1+C2)/C2の比があまり変化しない場合も想定されるが、図4に示す実施の形態2および図5に示す実施の形態3のように、コンデンサ12を使用するもの、および図6、7、8、9に示す実施の形態4のように、架線2に巻き付けられた絶縁体13によって構成されたキャパシタンスC1を利用するものでは、キャパシタンスC1は気象条件によってあまり変化せず、検出出力値Voが大きく変化する恐れがある。
【0032】
実施の形態5における補助電極31によるキャパシタンスC3および補償回路33は、この気象条件による検出出力値Voの変化を補償する。
実施の形態5では、補助電極31が、検出電極11の近傍にあって、この補助電極31と検出電極11との間のキャパシタンスC3が、キャパシタンスC2と同様に気象条件、例えば湿度の変化を受ける。このキャパシタンスC3の変化が、キャパシタンスC2の気象条件による変化を補償し、検出出力値Voの変化を補償するように、差動アンプ18のゲインを制御する。
【0033】
この実施の形態5は、図4に示す実施の形態2と同様な効果を持って、架線2の電圧を検出できるとともに、補償手段30により、検出電極11の周囲の気象条件の変化による検出出力値Voの変化を補償するので、検出電極11の周囲の気象条件が変化しても、それに影響されない検出出力値Voを出力し、架線2の電圧をより正確に検出できる。
なお、補償手段30による補償が例え100%でなくても、それに応じた補償効果が得られるので、そのような補償手段30であっても、使用する効果はある。
また、この実施の形態5による補償手段30は、図1に示す実施の形態1にも、組み合わせることができる。この実施の形態1においては、キャパシタンスC2がキャパシタンスC1に比べて気象条件の変化を大きく受ける場合が多く、関係式(1)におけるC2/(C1+C2)の比、および関係式(2)における(C1+C2)/C2の比が気象条件によって変化するおそれがある。実施の形態1に組み合わされる補償手段30は、気象条件の変化による検出出力値Voの変化を補償する。
【0034】
実施の形態6.
図11はこの発明による電圧センサに実施の形態6を示す電気回路図である。図12は、図11の実施の形態6で使用される補償回路33の詳細を示す電気回路図である。
この実施の形態6も、実施の形態5と同様に、補償手段30を備えているが、この実施の形態6の補償手段30は、一対の相対向する補助電極31a、31bを有し、また、補償回路33を有する。
【0035】
補助電極31a、31bは、架線2および検出電極11の近傍の大気中に、検出電極11の下部に配置され、補助電極11a、11bの間に、キャパシタンスC3の空気コンデンサを形成する。この補助電極31a、31bはリード線32a、32bを介して補償回路33に接続される。
この実施の形態6では、補助電極31a、31bが、検出電極11の近傍にあって、この補助電極31a、31bの間のキャパシタンスC3が、キャパシタンスC2と同様な気象条件、例えば湿度の変化を受ける。このキャパシタンスC3の変化が、キャパシタンスC2の気象条件による変化を補償し、検出出力値Voの変化を補償するように、差動アンプ18のゲインを制御する。
【0036】
補償回路33は、図12に示すように、交流電源34と、ブリッジ回路35と、差動アンプ36とを有する。ブリッジ回路35は、4つの回路辺を有し、これらの4つの回路辺に、一対の対向する入力35a、35bと、一対の対向する出力35c、35dを含む。入力35aと出力35dの間の回路辺、入力35bと出力35cとの間の回路辺、および入力35bと出力35dとの間の回路辺には、それぞれ固定キャパシタンスC0を持ったコンデンサが接続される。また入力35aと出力35cとの間の回路辺に、一対の補助電極31a、31bによるキャパシタンスC3の空気コンデンサが接続される。
【0037】
このブリッジ回路33では、交流電源34として、一定の周波数で発振する交流電源が使用される。もし、キャパシタC0とキャパシタC3の間に、C0=C3の関係があれば、ブリッジ回路35は平衡状態となり、その出力35c、35dの間の電位差は0となる。補助電極31a、31bの周囲の気象条件が、検出電極11と大地3との間の気象条件と実質的に同じに変化し、それに応じてキャパシタンスC3が変化すれば、出力35c、35dの間には、その変化に応じた値を持った電位差が出力される。この電位差は、差動アンプ36によって増幅され、この差動アンプ36の出力には、補助電極31a、31bの周囲の気象条件に比例した補償出力Vcが出力される。この補償出力Vcは、電位差検出部15の差動アンプ18に、そのゲインを変化させるように供給され、この差動アンプ18は、検出電極11の周囲の気象条件の変化による検出出力値Voの変化を補償する。
【0038】
図12に示す補償回路33は、図10に示す実施の形態5にも、用いることができる。この場合にも、ブリッジ回路33の入力35aと出力35cとの間の回路辺に、検出電極11と補助電極31との間のキャパシタンスC3の空気コンデンサが接続される。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、この発明の電圧センサによれば、検出電極と架線との間の電位差を抑制することができ、その結果、架線と検出電極との間で部分放電あるいはアーク放電が発生するような事態を、効果的に改善できる。
また、検出電極を架線の近傍に配置するため、検出電極が対象とする架線以外の架線から受ける影響も、効果的に抑制でき、対象とする架線の電位をより正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による電圧センサの実施の形態1を示す構成図。
【図2】実施の形態1の架線と検出電極の等価回路図。
【図3】実施の形態1の電位差検出部の詳細を示す電気回路図。
【図4】この発明による電圧センサの実施の形態2を示す構成図。
【図5】この発明による電圧センサの実施の形態3における検出電極の構成を示す構成図。
【図6】この発明による電圧センサの実施の形態4を示す構成図。
【図7】実施の形態4における検出電極の構成を示す断面図。
【図8】実施の形態4における検出電極の別の構成を示す断面図。
【図9】実施の形態4における検出電極の別の構成を示す断面図。
【図10】この発明による電圧センサの実施の形態5を示す構成図。
【図11】この発明による電圧センサの実施の形態6を示す構成図。
【図12】実施の形態6における補償手段の詳細を示す電気回路図。
【符号の説明】
1 電源、2 架線、3 大地、10 架線電圧検出部、
11,11A,11B,11C,11D 検出電極、
12 コンデンサ、13 絶縁体、15 電位差検出部、
16,17 リード線、18 差動アンプ、19 A/D変換器、
20 伝送部、21 送信部、22 受信部、
30 補償手段、31,31a,31b 補助電極、
32,32a,32b リード線、33 補償回路、
34 電源、35 ブリッジ回路、36 差動アンプ。
Claims (13)
- 架線の電圧を検出する電圧センサであって、前記架線の電圧を検出してそれに応じた検出出力を出力する架線電圧検出部および前記検出出力を他の場所へ伝送する伝送部を備え、
前記架線電圧検出部が、前記架線の近傍に配置された検出電極と、大地に対する前記架線の電位を基準電位とし、この基準電位と前記検出電極の電位との電位差に基づいて前記検出出力を出力する電位差検出部とを有することを特徴とする電圧センサ。 - 請求項1記載の電圧センサであって、前記伝送部が電波または光を用いて前記検出出力を伝送することを特徴とする電圧センサ。
- 請求項1記載の電圧センサであって、前記検出電極が、誘電体、キャパシタまたは抵抗体を介して架線に取り付けられており、前記検出電極が空間を介して大地に対向していることを特徴とする電圧センサ。
- 請求項3記載の電圧センサであって、前記電位差検出部が、前記架線に接続された第1入力部と、前記検出電極に接続された第2入力部とを有し、これらの第1入力部と第2入力部との間の電位差に基づいて前記検出出力を出力するように構成されたことを特徴とする電圧センサ。
- 請求項4記載の電圧センサであって、前記電位差検出部が、前記第1入力部と第2入力部との間の電位差を積分して前記検出出力を出力することを特徴とする電圧センサ。
- 請求項3記載の電圧センサであって、前記検出電極が絶縁部材を介して架線に取り付けられたことを特徴とする電圧センサ。
- 請求項6記載の電圧センサであって、前記検出電極が円筒形状または円筒の一部分の形状からなることを特徴とする電圧センサ。
- 請求項3記載の電圧センサであって、前記架線が絶縁被覆を有し、この絶縁被覆を介して前記検出電極が前記架線に取り付けられたことを特徴とする電圧センサ。
- 請求項3記載の電圧センサであって、前記架線が絶縁被覆を持たない架線であり、この架線を覆う絶縁体を介して前記検出電極が前記架線に取り付けられたことを特徴とする電圧センサ。
- 請求項3記載の電圧センサであって、前記検出電極が、大地表面に焦点を合わせた放物面または湾曲面を有することを特徴とする電圧センサ。
- 請求項1記載の電圧センサであって、前記架線電圧検出部が、さらに前記架線の周りの気象条件による前記検出出力の変化を補償する補償手段を有することを特徴とする電圧センサ。
- 請求項11記載の電圧センサであって、前記補償手段が、前記検出電極と空間を介して対向する補償電極を有し、この補償電極と前記検出電極との間のキャパシタンスに基づいて、前記気象条件による前記検出電圧の変化を補償することを特徴とする電圧センサ。
- 請求項11記載の電圧センサであって、前記補償手段が、前記空間を介して互いに対向する一対の補償電極を有し、この一対の補償電極の間のキャパシタンスに基づいて、前記気象条件による前記検出電圧の変化を補償することを特徴とする電圧センサ。
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