JP2004256995A - 省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システム - Google Patents
省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004256995A JP2004256995A JP2003045378A JP2003045378A JP2004256995A JP 2004256995 A JP2004256995 A JP 2004256995A JP 2003045378 A JP2003045378 A JP 2003045378A JP 2003045378 A JP2003045378 A JP 2003045378A JP 2004256995 A JP2004256995 A JP 2004256995A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ventilation
- building
- floor
- air
- room
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Building Environments (AREA)
Abstract
【課題】亜熱帯気候に適した、自然通風作用を利用した省エネで効果的な建物の微気候調節システムの提供。
【解決手段】外気を建物の吹き抜け空間1、通風塔3、二層式床板空間6下方両側の給気口4および通気床の孔隙7を通過させることにより、建物全体に気流の自然通風路を形成させ、さらに建物壁外に植栽断熱層16を配置し、ブラインドを補って気流を誘引し、通気床を通過させて除湿降温せしめるもので、各室内を通過した空気は各室に連通する吹き抜け空間及び通風塔に通じる竪通風孔2を経由して、日射により昇温される蓄熱空間14に集められ、或いは風力により吸気作用を行う煙突式上蓋の排気作用により排気され、これら自然な換気方法により亜熱帯性気候地域の健康的で快適な室内微気候の居住条件を実現した。
【選択図】図1
【解決手段】外気を建物の吹き抜け空間1、通風塔3、二層式床板空間6下方両側の給気口4および通気床の孔隙7を通過させることにより、建物全体に気流の自然通風路を形成させ、さらに建物壁外に植栽断熱層16を配置し、ブラインドを補って気流を誘引し、通気床を通過させて除湿降温せしめるもので、各室内を通過した空気は各室に連通する吹き抜け空間及び通風塔に通じる竪通風孔2を経由して、日射により昇温される蓄熱空間14に集められ、或いは風力により吸気作用を行う煙突式上蓋の排気作用により排気され、これら自然な換気方法により亜熱帯性気候地域の健康的で快適な室内微気候の居住条件を実現した。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、省エネで非機械的な換気による亜熱帯地域建物の微気候調節システムに関するものである。外気を建物の吹き抜け空間、通風塔、二層式床板下方両側の給気口および通気床の孔隙を通過させることにより、建物全体に気流の自然通風路を形成させ、さらに建物壁外に植栽断熱層を配置し、ブラインドを補って気流を誘引し、通気床を通過させて除湿降温せしめるもので、省エネで非機械的な換気方法により亜熱帯性気候地域の健康的で快適な室内微気候の居住条件を実現した。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
これまで、亜熱帯性気候地域の一般的な建物では、ほとんどがエネルギー消耗型の室内空調設備を用いて住居空間の通風、高温、多湿の問題を解決してきた。しかし資源の欠乏が日増しに深刻化していく今後においては、これまでのようにエネルギー消耗型の空調方式により住居空間内部の健康的で快適な条件を達成させることはできなくなる。従来では、建物の吹き抜け空間やその他簡単な竪穴部と室内との温度差によって生じる自然換気を設計したものがあり、例えば日本特開2001−221474号公報では、各階を貫通する竪穴部を有する建物において、各階各部屋に屋外気を取り入れる給気口を設け、最上階以外の各部屋に竪穴部利用換気路への通気口を設け、最上階各部屋天井に排気グリルを設けて、竪穴部への通気口を設けず、竪穴部天井には吸込グリルを設け、これら排気グリル、吸込グリルを通過してきた屋内空気が集合する空間に、空気計測機構、および換気制御機構を有した排気チャンバーを設け、棟に換気口を設け、排気口下部に換気チャンバーを設け、排気グリルと排気チャンバー及び、排気チャンバーと換気チャンバーを、それぞれダクトで連結してなる「3階建以上の戸建住宅用自然換気建造物の構造および自然換気システム」を開示している。しかし排気チャンバーには空気計測機構および排気制御機構を設けねばならないため、省エネで非機械的な空調方式によって降温、除湿の効果を効果的に達成するには至らなかった。
【0003】
また日本特開2002−194856号公報では、太陽からの日射を受ける建物の外壁部に、上端に換気口を有する換気用の竪シャフトを設け、この竪シャフトの周壁を、日射の透過する透明壁と、透過した日射を吸収して竪シャフト内の空気温度を上昇させる蓄熱壁とで構成し、この竪シャフトの内部に、外気取入口を備えた建物本体の排気通路を連通させる「建物の自然換気システム」を開示している。但し、これは日射を透過する透明壁および蓄熱壁で竪シャフト内の熱気を上昇させて建物の自然換気を達成させるものである。
通常下の建物では、その換気条件は風力と重力(温度差)の影響を同時に受けるが、亜熱帯地域建物の自然通風を考えるときには、(1)外在環境の平均風速が1.2〜0.6m/sである(風力換気は重力換気よりも影響力が大きいが、重力換気の作用を疎かにすることはできない)、(2)亜熱帯地域建物の室内外の温度差が顕著ではない、という2大特性に基づいて総合的に検討しなければならない。亜熱帯地域の住居空間の蒸し暑さは必然的事実であるので、エネルギーを消耗しない方法でいかにして住居空間の通風、高温、多湿を解決し、住居空間内部の健康的で快適な条件を達成するかが、解決が急がれる課題となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者は検討と研究を重ねた結果、建物内部の自然通風路を設計するとともに建物の内部と外部全体に微気候調節システムを配置することにより、亜熱帯地域建物の健康的で快適な室内微気候の居住条件が提供できることを発見し、本発明の省エネで非機械的な換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムを完成させた。
即ち、建物内部の自然通風路を設計する際に、建物の各階がいずれも吹き抜け空間に繋がるようにし、各部屋はいずれも一壁面の上部が建物の竪通風塔に連接しており、部屋内部の床が梁の深度分の二層式床板で構成され、壁外部の梁位置の、部屋内部の床に対応する下方内外両側に給気口が設けられ、外気が給気口、二層式床板から通気床の孔隙を通って上昇し、前記吹き抜け空間、竪通風塔と風力換気および重力換気(温度差)により自然換気が生じ、自然通風の主要な気流経路が形成される。
【0005】
室内に進入する気流の温度、湿度を効果的に調節するために、上記建物の自然通風の主要な気流経路を整合する必要があり、建物の内部と外部全体の気流経路に合わせて、建物外部に設ける壁立式植栽、建物壁面に設ける制御可能なブラインドおよび前記居住ユニット内の前記通気床の吸湿降温材質の空隙からなる微気候調節システムを設置し、外部の高温多湿の空気を、建物外部に設けた壁立式植栽で形成した断熱層と建物壁面に補助的に設けた前記制御可能なブラインド、前記居住ユニット内の前記通気床の吸湿降温材質の空隙に通過させ、気流を下から上へと室内に流入させ、各部屋に誘引すると同時に除湿、降温を達成する。
【0006】
この省エネで非機械的換気の微気候調節システムを全体的に使用した際の総合的効果は、亜熱帯地域建物の室内微気候環境を人が健康的で快適であると感じるレベルにすることができ、室内が夏期には降温除湿、冬期には保温除湿され、亜熱帯性気候地域の健康的で快適な室内微気候の居住条件を実現できる。
建物内部の自然通風路を設計する際に、建物の各階がいずれも吹き抜け空間と繋がり、各階各部屋の一壁面の上部と建物の竪通風塔が連接するようにし、各階各部屋内の通気床(出願人が先に出願した特願2001−391302「通気床エアコン・システム」を参照)において、建物の梁の深度(高さ)で構成する二層式床の、壁外部の梁位置に対応する部分に給気口を設け、外気を通気床下方の二層式床の内外両側給気口から二層式床を経て通気床の孔隙に進入させて上昇させ、前記吹き抜け空間、竪通風塔と風力換気および重力換気(温度差)によって自然換気を生じさせ、自然通風の主要な気流経路を形成させる。
【0007】
上記建物の自然通風の主要な気流経路を整合させるため、建物の内外部全体に気流経路に合わせて設置した微気候調節システムには、建物外部に壁立式植栽を設けて形成した断熱層と、建物壁面に補助的に設けた制御可能なブラインドが備わっており、外部の高温多湿の空気を室内通気床の吸湿降温材質の空隙に通過させ、下から上へと室内に流入させて気流を部屋に誘引すると同時に、除湿、降温を達成させる。
本発明者は、建物が風力と重力(温度差)の影響を同時に受けるという換気条件を解決するため、検討時に、各室内ユニットの立方体空間に対して底部および両側の3つの面に開口して通風する設計を施し、建物の換気の問題を解決した。開口部は、風を取り入れる面の開口部の高さを風を背にする面の開口部の高さよりも低くするという原則を採用して、風力換気量と重力換気量を重畳させる通風効果をもたらしている。
【0008】
本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムは、風力換気で主要な通風効果を実現し、風速が弱いまたは無風時には、重力換気で補うことができ、このときの抽気効果はそれぞれ各階各部屋に連接した竪通風塔および各階各部屋が面した建物吹き抜け空間によって達成できる。風力によって流入された、又は重力換気によって吸入された外気が、主に部屋内の二層式床板の下方両側から建物に高架された二層式床板の空間に進入し、さらに通気床本体の孔隙から漸次上昇して、部屋内部の上方に設けられた竪通風穴を経て通風塔に集まるとともに建物天井から排出され、または部屋内側の上部ブラインドを経て吹き抜け空間の暖かい上昇気流とともに建物天井から排出されて、自然通風の主要な気流経路が形成される。
【0009】
本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムにおける竪通風塔の各季節の重力換気機能を強化するため、通風塔頂部と建物天井との間に蓄熱空間を形成し、日射を吸収させて該空間内の温度を上昇させ、全体的な上昇気流を生み出し、通風塔頂部に風向きに応じて回転する煙突式上蓋を設けて風切り効果を生じさせることによって通風塔内の空気を負圧にし、各階各部屋内の気流が上向きに流れ出るように吸引させる。
前記建物の自然通風の設計によって、高温多湿の主な外気は二層式床下方の両側開口部から建物に進入し、特に外に向いた風を取り入れる面から流入するが、外気を効果的に降温、除湿するために、該建物の給気開口部の前、および気流が必然的に通る二層式床に、微気候調節システムを設置する。該微気候調節システムは、壁立式植栽で建物の外周壁体に形成する断熱層と制御可能な補助的なブラインドで、気流を部屋内の気流経路に誘引し、外部の高温多湿の空気を通気床の吸湿降温材質の空隙を経由させて、下から上へと室内に流入させ、除湿、降温を達成させる。
【0010】
建物外部の壁体に壁立式植栽で形成する前記断熱層は、栽培植物の蝋質の表皮細胞を利用して過度の日光を反射することができ、強烈な日照も植物の蒸散作用を促すため、葉皮表面の気孔が開いて葉面周囲の熱量を吸収し、水分が蒸発して降温効果が生じ、建物の給気開口部の空気温度が低下するとともに、壁立式植栽が建物の外部壁体を覆うため、主に植物によって構成される断熱層が形成される。該植栽断熱層は建物外部壁体に近接して設け、このほかに壁立式植栽の外側に半透光で、風を除け誘導するための防護網材またはブラインド部材を加設でき、こうしてより効果的な植栽温室断熱層が形成できる。出願人が先に出願した実用新案登録証第3083319号「垂直立体機械回転昇降式栽培塔」がその一例である。
前記植栽断熱層によって初めに降温された外気は、本発明に関する省エネで非機械的換気による亜熱帯地域建物の微気候調節システム中の自然通風の主要気流経路を経て各階各部屋内の二層式床板両側の開口部から建物に高架された通気床の二層式床板空間に進入し、二層式床板の両側開口部には建物壁面の制御可能なブラインドが設置され、部屋内部上方の竪通風穴の抽気口と部屋内側の上段ブラインドが主な排気口となって、給気開口部の高さが排気開口部の高さよりも低いことを利用して、二層式床板の外気を進入させ、風力換気量と重力換気量が重畳する通風作用を有するため、外気が通気床本体の孔隙を通って漸次上昇し、外部の高温多湿の空気が通気床の吸湿降温材質(大理石、木材)の空隙を経由し、重力換気作用によって下から上へと室内に流れ込んで、室内に進入した気流が除湿され再度降温し、人の居住に適した健康範囲の環境が獲得できる。
【0011】
【人の居住に適した健康ゾーンの環境に対する評価】
人の居住に適した健康ゾーンの環境を評価するに当たり、ASHRAE(米国暖房冷凍空調技術者協会、American Society of Heating, Refrigerating and Air conditioning Engineers)が制定した55a−95基準が定義する「コンフォートチャート(Comfort Chart)」に照らし、Lechner氏の異なる風速が達成する等価降温量と合わせて、人の感知システムが長時間快適な状態にあるときに自己調節機能を喪失してしまうことを回避し、本出願人は該コンフォートチャートにおける「快適ゾーン」をベースとして「健康ゾーン」(ASHRAEが定義する快適ゾーンの温度±3℃、相対湿度±10℃)を提起した。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に関する亜熱帯地域建物の微気候調節システムの技術的特徴をさらに明確にするため、次に出願人が台湾本島南部と東北部の臨海地域にそれぞれ設置した自然通風路および微気候調節システムを全体に備える建物(図1、図2参照)を実施例として挙げるが、本発明は該実施例に限定されるものではない。図1は本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムの建物の側断面図である。矢印の方向は自然通風の経路を示している。図2は建物の各階各部屋内に設置した本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムの配置図である。
【0013】
【実施例1】
北向きの鉄骨建築物を採用し、その側断面図は図1に示したように、2階建て建物、屋上階および建物天井内構造体からなる地上部分と、地下2階からなる地下部分を含んでいる。地上部分の2階建て建物における空間上の配置は、東と西に面したそれぞれ6つの部屋(居住ユニット)が設けられ、東ユニットと西ユニットに介して一部が(建物天井に向けて)吹き抜けの吹き抜け空間1、および2階建て建物を貫通しそれぞれ2部屋に隣接している6つの竪通風穴2と、屋上階まで延伸する6つの通風塔3があって、風力換気により主な通風効果を達成するほか、風速が弱い或いは無風時には重力換気で補い、このときの抽気効果は、各部屋に連接している竪通風穴2および各階各部屋に面している建物吹き抜け空間1をそれぞれ気流が通ることによる重力差によってもたらされる。外気が部屋の二層式床板6下方両側の給気開口部4、5(特に東西の外壁側を主とする)を経由して、風力流入により建物の各階各部屋の二層式床板空間6に進入し、さらに通気床本体の孔隙7から漸次上昇し、部屋内部上方の竪通風穴抽気口8から通風塔3に集まり建物天井から排出され、または(吹き抜け空間に面した)部屋内側の上部ブラインド9を経て、重力換気により吸入され吹き抜け空間の暖かい上昇気流に伴って天井10から排出されるため、一部の吹き抜け空間から上昇する気流も、各階各部屋の二層式床板内側の給気開口部5から流入し、通気床本体の孔隙7を経て漸次室内に至って上昇する。
【0014】
前記二層式床板6の両側給気開口部4、5は、梁の深度(高さ)を二層式床板の高さとして二層式床板空間6を形成し、外壁部と内側壁部にそれぞれ給気開口部4、5が開けられ、且つガイド板11、12としてスラットを装着している(図2参照)。さらに居住ユニットの床(各階各部屋)中央に位置する構造梁に開口部を設け、構造梁が二層式床板の通風を遮ることのないようにしている。
前記竪通風穴2は居住ユニットの南、北側壁上方(床から約167.5センチのところ)に開口部を設けてこれを抽気口8とし、ガイド板13としてスラットを装着しており、本発明に関する亜熱帯地域建物の微気候調節システム中には、竪通風穴2と通風塔3の様々な日射条件における重力換気機能を強化するために、各通風塔頂部と屋上階に蓄熱空間14を形成し、日射を吸収して空間内の温度を上昇させ、上昇気流全体を誘引し、通風塔3の頂部に風向きに従って回転する煙突式の上蓋15を取り付けている。日射が足りないときには風切り作用によって通風塔3内の空気を負圧にし、各階各部屋内の気流を吸引して上向きに流動させる。
【0015】
建物内部に配置した自然通風路および建物内外部全体の微気候調節に合わせて設置する微気候調節システムに基づき、本実施例では建物外部に設ける壁立式植栽16、建物壁面に設置する制御可能なブラインド、および室内通気床の吸湿降温材質の空隙からなるシステムを採用し、壁立式植栽を建物外部に設けて形成する断熱層および建物壁面に補助的に設ける制御可能なブラインドを使って、外在の高温多湿の空気を室内通気床の吸湿降温材質の空隙に通し、下から上へと室内に流入させ、気流を部屋に誘引すると同時に、除湿、降温を達成させる。本実施例における壁立式植栽には、出願人が先に出願した第90200548号実用新案「垂直立体機械回転昇降式植栽塔」を採用しており、植物の蒸散作用を利用して外気を初期降温させるとともに、過量の日光を反射させ、優れた植栽断熱層とするほか作物が収穫できるという付加的効果がもたらされる。
【0016】
本実施例で設置する制御可能なブラインドは、床より上の居住ユニットの(吹き抜け空間に面した)内側、(吹き抜け空間と反対側の)外側の壁面に設置し、該制御可能なブラインドを気流経路を誘引する半透過性の壁体とし、スラットの調節部位の違いにより、外側の制御可能なスラット17を上段19と中段20に分け、内側の制御可能なスラット18を上段9、中段21、中下段22、下段23に分け、季節に応じて開閉して、室内の省エネで微気候の気流調節の最適なモデルを形成する。春と秋には自然風を大いに利用し、床下方両側のスラットを半開または全開にして外気を取り入れ、床上方外側上段のブラインドを全開にして外気を誘引し、床上方内側上段、中段、中下段のブラインドを全開にして排気する方式で通風し、夏には床下方の外側スラットだけを半開にして外気を取り入れ、床下方内側スラットを閉じ、床上方ブラインドの内側上段スラットだけを全開にして排気する。冬にはブラインドをできるだけ閉じておく。居住ユニット空間の竪通風穴に連接する壁面上部の抽気口に装着するスラットには、季節に応じてブラインドを開閉する開閉ユニオンを配置してもよく、春と秋には抽気口のスラットを半開にし、夏と冬には抽気口のスラットを全開にして、室内の気流経路を調節する方式を形成できる。
【0017】
前記制御可能なスラットによって誘引された調節気流が、外部の高温多湿の空気を各階各部屋内の二層式床板空間6に通し、外気気流が下から上へと室内の通気床の吸湿降温材質の空隙7に流入する過程で、除湿降温を達成する。本実施例の通気床には出願人が先に出願した第90122684号「通気床空調システム」で開示したものを採用しており、下層床板24と上層金属枠25で二層式床板を形成し、吸湿降温の石材または木材を一定の空隙を開ける方式で上層金属枠25に設置して通気床を形成し、建物全体の風力換気と重力換気により通風できるため、または居住ユニット内で人為的活動(その他放熱源の使用)があるために、二層式床板空間に気流が進入し、何れも温度差による浮力作用が発生して、石材または木材を配置した通気床の孔隙7を通過して、湿度を下げおよび再度降温されて、人の居住に適した健康的な環境が獲得できる。
微気候調節システムを設置した該亜熱帯地域建物について、1年24節気に基づき、建物全体を自然通風させる条件のもとで、その外気の温度と湿度、室内の湿度と温度を測定し、その結果を表1、表2に示すとともに、図3、図4を作成した。
【表1】
(注)表1:旧暦24節気における室内外の温度変化測定値であって、春、夏、秋、冬についてそれぞれ、
Spring:春期節気における温度/時間の変化曲線
(横軸)立春 雨水 啓蟄 春分 清明 穀雨
Summer:夏期節気における温度/時間の変化曲線
(横軸)立夏 小満 芒種 夏至 小暑 大暑
Autumn:秋期節気における温度/時間の変化曲線
(横軸)立秋 処暑 白露 秋分 寒露 霜降
Winter:冬期節気における温度/時間の変化曲線
(横軸)立冬 小雪 大雪 冬至 小寒 大寒
を表し、グラフは濃い線が室内、薄い線が室外環境を表す。
【表2】
(注)表2:旧暦24節気における室内外の相対湿度の変化測定値であって、春、夏、秋、冬についてそれぞれ、
Spring:春期節気における相対湿度/時間の変化曲線
(横軸)立春 雨水 啓蟄 春分 清明 穀雨
Summer:夏期節気における相対湿度/時間の変化曲線
(横軸)立夏 小満 芒種 夏至 小暑 大暑
Autumn:秋期節気における相対湿度/時間の変化曲線
(横軸)立秋 処暑 白露 秋分 寒露 霜降
Winter:冬期節気における相対湿度/時間の変化曲線
(横軸)立冬 小雪 大雪 冬至 小寒 大寒、
を表し、グラフは濃い線が室内、薄い線が室外環境を表す。
【0018】
【発明の効果】
上記実施例によると、温度調節面では、(1)植栽断熱層が降温する、(2)全体的な自然通風の主要な気流経路に合わせて制御可能なブラインドを補って室内の気流の方向を誘導し、自然通風の等価降温が形成される、および(3)外気を通気床の降温材質に通して、劣悪な外部の気温環境14〜32℃を17〜29.5℃に制御できる、ことがわかる。節気のうち大暑では、温度は外気32℃から室内29.5℃へと約2.5℃下がり、最も寒い立春では14℃から17℃へと約3℃上昇している。湿度調節面では、外在の空気が通気床の吸湿材質を通ると、劣悪な外在の湿度環境75〜95%を60〜87%に制御できる。節気のうち夏至から小暑の間は、湿度を外気の92%から室内73%へと約20%低下させることができる。
上記省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムを設けた建物内で測定した極限状態のデータ(極暑時:大暑、極寒時:立春)を、健康ゾーンと比べたときの符合度は(図3参照)、立春時には室内が快適ゾーンおよび健康ゾーンに達し、大暑時にも健康ゾーンに達していることがわかる。
該省エネで非機械的換気の微気候調節システムにおける全体使用の総合的効果は、室内を夏期には降温除湿し、冬期には保温除湿して、亜熱帯地域の居住空間での使用に適していることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムを使用した建物の側断面図である。矢印の方向は自然通風路を示している。
【図2】建物の各階各部屋に本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムを設置したときの配置図である。
【図3】本発明を配置した建物の節気立春時に測定した外気と室内温度湿度データを、快適ゾーン、健康ゾーンと比較した空気線図である。
【図4】本発明を配置した建物の節気大暑時に測定した外気と室内温度湿度データを、快適ゾーン、健康ゾーンと比較した空気線図である。
【符号の説明】
1 吹き抜け空間
2 竪通風穴
3 通風塔
4 給気開口部
5 給気開口部
6 二層式床板空間
7 通気床本体の孔隙
8 竪通風穴の抽気口
9 上部ブラインド
10 天井
11、12 ガイド板
13 スラットガイド板
14 蓄熱空間
15 煙突式上蓋
16 壁立式植栽
17 外側の制御可能なスラット
18 内側の制御可能なスラット
19 上段
20 中段
21 中段
22 中下段
23 下段
24 下層床板
25 上層金属枠
【発明の属する技術分野】
本発明は、省エネで非機械的な換気による亜熱帯地域建物の微気候調節システムに関するものである。外気を建物の吹き抜け空間、通風塔、二層式床板下方両側の給気口および通気床の孔隙を通過させることにより、建物全体に気流の自然通風路を形成させ、さらに建物壁外に植栽断熱層を配置し、ブラインドを補って気流を誘引し、通気床を通過させて除湿降温せしめるもので、省エネで非機械的な換気方法により亜熱帯性気候地域の健康的で快適な室内微気候の居住条件を実現した。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
これまで、亜熱帯性気候地域の一般的な建物では、ほとんどがエネルギー消耗型の室内空調設備を用いて住居空間の通風、高温、多湿の問題を解決してきた。しかし資源の欠乏が日増しに深刻化していく今後においては、これまでのようにエネルギー消耗型の空調方式により住居空間内部の健康的で快適な条件を達成させることはできなくなる。従来では、建物の吹き抜け空間やその他簡単な竪穴部と室内との温度差によって生じる自然換気を設計したものがあり、例えば日本特開2001−221474号公報では、各階を貫通する竪穴部を有する建物において、各階各部屋に屋外気を取り入れる給気口を設け、最上階以外の各部屋に竪穴部利用換気路への通気口を設け、最上階各部屋天井に排気グリルを設けて、竪穴部への通気口を設けず、竪穴部天井には吸込グリルを設け、これら排気グリル、吸込グリルを通過してきた屋内空気が集合する空間に、空気計測機構、および換気制御機構を有した排気チャンバーを設け、棟に換気口を設け、排気口下部に換気チャンバーを設け、排気グリルと排気チャンバー及び、排気チャンバーと換気チャンバーを、それぞれダクトで連結してなる「3階建以上の戸建住宅用自然換気建造物の構造および自然換気システム」を開示している。しかし排気チャンバーには空気計測機構および排気制御機構を設けねばならないため、省エネで非機械的な空調方式によって降温、除湿の効果を効果的に達成するには至らなかった。
【0003】
また日本特開2002−194856号公報では、太陽からの日射を受ける建物の外壁部に、上端に換気口を有する換気用の竪シャフトを設け、この竪シャフトの周壁を、日射の透過する透明壁と、透過した日射を吸収して竪シャフト内の空気温度を上昇させる蓄熱壁とで構成し、この竪シャフトの内部に、外気取入口を備えた建物本体の排気通路を連通させる「建物の自然換気システム」を開示している。但し、これは日射を透過する透明壁および蓄熱壁で竪シャフト内の熱気を上昇させて建物の自然換気を達成させるものである。
通常下の建物では、その換気条件は風力と重力(温度差)の影響を同時に受けるが、亜熱帯地域建物の自然通風を考えるときには、(1)外在環境の平均風速が1.2〜0.6m/sである(風力換気は重力換気よりも影響力が大きいが、重力換気の作用を疎かにすることはできない)、(2)亜熱帯地域建物の室内外の温度差が顕著ではない、という2大特性に基づいて総合的に検討しなければならない。亜熱帯地域の住居空間の蒸し暑さは必然的事実であるので、エネルギーを消耗しない方法でいかにして住居空間の通風、高温、多湿を解決し、住居空間内部の健康的で快適な条件を達成するかが、解決が急がれる課題となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者は検討と研究を重ねた結果、建物内部の自然通風路を設計するとともに建物の内部と外部全体に微気候調節システムを配置することにより、亜熱帯地域建物の健康的で快適な室内微気候の居住条件が提供できることを発見し、本発明の省エネで非機械的な換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムを完成させた。
即ち、建物内部の自然通風路を設計する際に、建物の各階がいずれも吹き抜け空間に繋がるようにし、各部屋はいずれも一壁面の上部が建物の竪通風塔に連接しており、部屋内部の床が梁の深度分の二層式床板で構成され、壁外部の梁位置の、部屋内部の床に対応する下方内外両側に給気口が設けられ、外気が給気口、二層式床板から通気床の孔隙を通って上昇し、前記吹き抜け空間、竪通風塔と風力換気および重力換気(温度差)により自然換気が生じ、自然通風の主要な気流経路が形成される。
【0005】
室内に進入する気流の温度、湿度を効果的に調節するために、上記建物の自然通風の主要な気流経路を整合する必要があり、建物の内部と外部全体の気流経路に合わせて、建物外部に設ける壁立式植栽、建物壁面に設ける制御可能なブラインドおよび前記居住ユニット内の前記通気床の吸湿降温材質の空隙からなる微気候調節システムを設置し、外部の高温多湿の空気を、建物外部に設けた壁立式植栽で形成した断熱層と建物壁面に補助的に設けた前記制御可能なブラインド、前記居住ユニット内の前記通気床の吸湿降温材質の空隙に通過させ、気流を下から上へと室内に流入させ、各部屋に誘引すると同時に除湿、降温を達成する。
【0006】
この省エネで非機械的換気の微気候調節システムを全体的に使用した際の総合的効果は、亜熱帯地域建物の室内微気候環境を人が健康的で快適であると感じるレベルにすることができ、室内が夏期には降温除湿、冬期には保温除湿され、亜熱帯性気候地域の健康的で快適な室内微気候の居住条件を実現できる。
建物内部の自然通風路を設計する際に、建物の各階がいずれも吹き抜け空間と繋がり、各階各部屋の一壁面の上部と建物の竪通風塔が連接するようにし、各階各部屋内の通気床(出願人が先に出願した特願2001−391302「通気床エアコン・システム」を参照)において、建物の梁の深度(高さ)で構成する二層式床の、壁外部の梁位置に対応する部分に給気口を設け、外気を通気床下方の二層式床の内外両側給気口から二層式床を経て通気床の孔隙に進入させて上昇させ、前記吹き抜け空間、竪通風塔と風力換気および重力換気(温度差)によって自然換気を生じさせ、自然通風の主要な気流経路を形成させる。
【0007】
上記建物の自然通風の主要な気流経路を整合させるため、建物の内外部全体に気流経路に合わせて設置した微気候調節システムには、建物外部に壁立式植栽を設けて形成した断熱層と、建物壁面に補助的に設けた制御可能なブラインドが備わっており、外部の高温多湿の空気を室内通気床の吸湿降温材質の空隙に通過させ、下から上へと室内に流入させて気流を部屋に誘引すると同時に、除湿、降温を達成させる。
本発明者は、建物が風力と重力(温度差)の影響を同時に受けるという換気条件を解決するため、検討時に、各室内ユニットの立方体空間に対して底部および両側の3つの面に開口して通風する設計を施し、建物の換気の問題を解決した。開口部は、風を取り入れる面の開口部の高さを風を背にする面の開口部の高さよりも低くするという原則を採用して、風力換気量と重力換気量を重畳させる通風効果をもたらしている。
【0008】
本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムは、風力換気で主要な通風効果を実現し、風速が弱いまたは無風時には、重力換気で補うことができ、このときの抽気効果はそれぞれ各階各部屋に連接した竪通風塔および各階各部屋が面した建物吹き抜け空間によって達成できる。風力によって流入された、又は重力換気によって吸入された外気が、主に部屋内の二層式床板の下方両側から建物に高架された二層式床板の空間に進入し、さらに通気床本体の孔隙から漸次上昇して、部屋内部の上方に設けられた竪通風穴を経て通風塔に集まるとともに建物天井から排出され、または部屋内側の上部ブラインドを経て吹き抜け空間の暖かい上昇気流とともに建物天井から排出されて、自然通風の主要な気流経路が形成される。
【0009】
本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムにおける竪通風塔の各季節の重力換気機能を強化するため、通風塔頂部と建物天井との間に蓄熱空間を形成し、日射を吸収させて該空間内の温度を上昇させ、全体的な上昇気流を生み出し、通風塔頂部に風向きに応じて回転する煙突式上蓋を設けて風切り効果を生じさせることによって通風塔内の空気を負圧にし、各階各部屋内の気流が上向きに流れ出るように吸引させる。
前記建物の自然通風の設計によって、高温多湿の主な外気は二層式床下方の両側開口部から建物に進入し、特に外に向いた風を取り入れる面から流入するが、外気を効果的に降温、除湿するために、該建物の給気開口部の前、および気流が必然的に通る二層式床に、微気候調節システムを設置する。該微気候調節システムは、壁立式植栽で建物の外周壁体に形成する断熱層と制御可能な補助的なブラインドで、気流を部屋内の気流経路に誘引し、外部の高温多湿の空気を通気床の吸湿降温材質の空隙を経由させて、下から上へと室内に流入させ、除湿、降温を達成させる。
【0010】
建物外部の壁体に壁立式植栽で形成する前記断熱層は、栽培植物の蝋質の表皮細胞を利用して過度の日光を反射することができ、強烈な日照も植物の蒸散作用を促すため、葉皮表面の気孔が開いて葉面周囲の熱量を吸収し、水分が蒸発して降温効果が生じ、建物の給気開口部の空気温度が低下するとともに、壁立式植栽が建物の外部壁体を覆うため、主に植物によって構成される断熱層が形成される。該植栽断熱層は建物外部壁体に近接して設け、このほかに壁立式植栽の外側に半透光で、風を除け誘導するための防護網材またはブラインド部材を加設でき、こうしてより効果的な植栽温室断熱層が形成できる。出願人が先に出願した実用新案登録証第3083319号「垂直立体機械回転昇降式栽培塔」がその一例である。
前記植栽断熱層によって初めに降温された外気は、本発明に関する省エネで非機械的換気による亜熱帯地域建物の微気候調節システム中の自然通風の主要気流経路を経て各階各部屋内の二層式床板両側の開口部から建物に高架された通気床の二層式床板空間に進入し、二層式床板の両側開口部には建物壁面の制御可能なブラインドが設置され、部屋内部上方の竪通風穴の抽気口と部屋内側の上段ブラインドが主な排気口となって、給気開口部の高さが排気開口部の高さよりも低いことを利用して、二層式床板の外気を進入させ、風力換気量と重力換気量が重畳する通風作用を有するため、外気が通気床本体の孔隙を通って漸次上昇し、外部の高温多湿の空気が通気床の吸湿降温材質(大理石、木材)の空隙を経由し、重力換気作用によって下から上へと室内に流れ込んで、室内に進入した気流が除湿され再度降温し、人の居住に適した健康範囲の環境が獲得できる。
【0011】
【人の居住に適した健康ゾーンの環境に対する評価】
人の居住に適した健康ゾーンの環境を評価するに当たり、ASHRAE(米国暖房冷凍空調技術者協会、American Society of Heating, Refrigerating and Air conditioning Engineers)が制定した55a−95基準が定義する「コンフォートチャート(Comfort Chart)」に照らし、Lechner氏の異なる風速が達成する等価降温量と合わせて、人の感知システムが長時間快適な状態にあるときに自己調節機能を喪失してしまうことを回避し、本出願人は該コンフォートチャートにおける「快適ゾーン」をベースとして「健康ゾーン」(ASHRAEが定義する快適ゾーンの温度±3℃、相対湿度±10℃)を提起した。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に関する亜熱帯地域建物の微気候調節システムの技術的特徴をさらに明確にするため、次に出願人が台湾本島南部と東北部の臨海地域にそれぞれ設置した自然通風路および微気候調節システムを全体に備える建物(図1、図2参照)を実施例として挙げるが、本発明は該実施例に限定されるものではない。図1は本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムの建物の側断面図である。矢印の方向は自然通風の経路を示している。図2は建物の各階各部屋内に設置した本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムの配置図である。
【0013】
【実施例1】
北向きの鉄骨建築物を採用し、その側断面図は図1に示したように、2階建て建物、屋上階および建物天井内構造体からなる地上部分と、地下2階からなる地下部分を含んでいる。地上部分の2階建て建物における空間上の配置は、東と西に面したそれぞれ6つの部屋(居住ユニット)が設けられ、東ユニットと西ユニットに介して一部が(建物天井に向けて)吹き抜けの吹き抜け空間1、および2階建て建物を貫通しそれぞれ2部屋に隣接している6つの竪通風穴2と、屋上階まで延伸する6つの通風塔3があって、風力換気により主な通風効果を達成するほか、風速が弱い或いは無風時には重力換気で補い、このときの抽気効果は、各部屋に連接している竪通風穴2および各階各部屋に面している建物吹き抜け空間1をそれぞれ気流が通ることによる重力差によってもたらされる。外気が部屋の二層式床板6下方両側の給気開口部4、5(特に東西の外壁側を主とする)を経由して、風力流入により建物の各階各部屋の二層式床板空間6に進入し、さらに通気床本体の孔隙7から漸次上昇し、部屋内部上方の竪通風穴抽気口8から通風塔3に集まり建物天井から排出され、または(吹き抜け空間に面した)部屋内側の上部ブラインド9を経て、重力換気により吸入され吹き抜け空間の暖かい上昇気流に伴って天井10から排出されるため、一部の吹き抜け空間から上昇する気流も、各階各部屋の二層式床板内側の給気開口部5から流入し、通気床本体の孔隙7を経て漸次室内に至って上昇する。
【0014】
前記二層式床板6の両側給気開口部4、5は、梁の深度(高さ)を二層式床板の高さとして二層式床板空間6を形成し、外壁部と内側壁部にそれぞれ給気開口部4、5が開けられ、且つガイド板11、12としてスラットを装着している(図2参照)。さらに居住ユニットの床(各階各部屋)中央に位置する構造梁に開口部を設け、構造梁が二層式床板の通風を遮ることのないようにしている。
前記竪通風穴2は居住ユニットの南、北側壁上方(床から約167.5センチのところ)に開口部を設けてこれを抽気口8とし、ガイド板13としてスラットを装着しており、本発明に関する亜熱帯地域建物の微気候調節システム中には、竪通風穴2と通風塔3の様々な日射条件における重力換気機能を強化するために、各通風塔頂部と屋上階に蓄熱空間14を形成し、日射を吸収して空間内の温度を上昇させ、上昇気流全体を誘引し、通風塔3の頂部に風向きに従って回転する煙突式の上蓋15を取り付けている。日射が足りないときには風切り作用によって通風塔3内の空気を負圧にし、各階各部屋内の気流を吸引して上向きに流動させる。
【0015】
建物内部に配置した自然通風路および建物内外部全体の微気候調節に合わせて設置する微気候調節システムに基づき、本実施例では建物外部に設ける壁立式植栽16、建物壁面に設置する制御可能なブラインド、および室内通気床の吸湿降温材質の空隙からなるシステムを採用し、壁立式植栽を建物外部に設けて形成する断熱層および建物壁面に補助的に設ける制御可能なブラインドを使って、外在の高温多湿の空気を室内通気床の吸湿降温材質の空隙に通し、下から上へと室内に流入させ、気流を部屋に誘引すると同時に、除湿、降温を達成させる。本実施例における壁立式植栽には、出願人が先に出願した第90200548号実用新案「垂直立体機械回転昇降式植栽塔」を採用しており、植物の蒸散作用を利用して外気を初期降温させるとともに、過量の日光を反射させ、優れた植栽断熱層とするほか作物が収穫できるという付加的効果がもたらされる。
【0016】
本実施例で設置する制御可能なブラインドは、床より上の居住ユニットの(吹き抜け空間に面した)内側、(吹き抜け空間と反対側の)外側の壁面に設置し、該制御可能なブラインドを気流経路を誘引する半透過性の壁体とし、スラットの調節部位の違いにより、外側の制御可能なスラット17を上段19と中段20に分け、内側の制御可能なスラット18を上段9、中段21、中下段22、下段23に分け、季節に応じて開閉して、室内の省エネで微気候の気流調節の最適なモデルを形成する。春と秋には自然風を大いに利用し、床下方両側のスラットを半開または全開にして外気を取り入れ、床上方外側上段のブラインドを全開にして外気を誘引し、床上方内側上段、中段、中下段のブラインドを全開にして排気する方式で通風し、夏には床下方の外側スラットだけを半開にして外気を取り入れ、床下方内側スラットを閉じ、床上方ブラインドの内側上段スラットだけを全開にして排気する。冬にはブラインドをできるだけ閉じておく。居住ユニット空間の竪通風穴に連接する壁面上部の抽気口に装着するスラットには、季節に応じてブラインドを開閉する開閉ユニオンを配置してもよく、春と秋には抽気口のスラットを半開にし、夏と冬には抽気口のスラットを全開にして、室内の気流経路を調節する方式を形成できる。
【0017】
前記制御可能なスラットによって誘引された調節気流が、外部の高温多湿の空気を各階各部屋内の二層式床板空間6に通し、外気気流が下から上へと室内の通気床の吸湿降温材質の空隙7に流入する過程で、除湿降温を達成する。本実施例の通気床には出願人が先に出願した第90122684号「通気床空調システム」で開示したものを採用しており、下層床板24と上層金属枠25で二層式床板を形成し、吸湿降温の石材または木材を一定の空隙を開ける方式で上層金属枠25に設置して通気床を形成し、建物全体の風力換気と重力換気により通風できるため、または居住ユニット内で人為的活動(その他放熱源の使用)があるために、二層式床板空間に気流が進入し、何れも温度差による浮力作用が発生して、石材または木材を配置した通気床の孔隙7を通過して、湿度を下げおよび再度降温されて、人の居住に適した健康的な環境が獲得できる。
微気候調節システムを設置した該亜熱帯地域建物について、1年24節気に基づき、建物全体を自然通風させる条件のもとで、その外気の温度と湿度、室内の湿度と温度を測定し、その結果を表1、表2に示すとともに、図3、図4を作成した。
【表1】
(注)表1:旧暦24節気における室内外の温度変化測定値であって、春、夏、秋、冬についてそれぞれ、
Spring:春期節気における温度/時間の変化曲線
(横軸)立春 雨水 啓蟄 春分 清明 穀雨
Summer:夏期節気における温度/時間の変化曲線
(横軸)立夏 小満 芒種 夏至 小暑 大暑
Autumn:秋期節気における温度/時間の変化曲線
(横軸)立秋 処暑 白露 秋分 寒露 霜降
Winter:冬期節気における温度/時間の変化曲線
(横軸)立冬 小雪 大雪 冬至 小寒 大寒
を表し、グラフは濃い線が室内、薄い線が室外環境を表す。
【表2】
(注)表2:旧暦24節気における室内外の相対湿度の変化測定値であって、春、夏、秋、冬についてそれぞれ、
Spring:春期節気における相対湿度/時間の変化曲線
(横軸)立春 雨水 啓蟄 春分 清明 穀雨
Summer:夏期節気における相対湿度/時間の変化曲線
(横軸)立夏 小満 芒種 夏至 小暑 大暑
Autumn:秋期節気における相対湿度/時間の変化曲線
(横軸)立秋 処暑 白露 秋分 寒露 霜降
Winter:冬期節気における相対湿度/時間の変化曲線
(横軸)立冬 小雪 大雪 冬至 小寒 大寒、
を表し、グラフは濃い線が室内、薄い線が室外環境を表す。
【0018】
【発明の効果】
上記実施例によると、温度調節面では、(1)植栽断熱層が降温する、(2)全体的な自然通風の主要な気流経路に合わせて制御可能なブラインドを補って室内の気流の方向を誘導し、自然通風の等価降温が形成される、および(3)外気を通気床の降温材質に通して、劣悪な外部の気温環境14〜32℃を17〜29.5℃に制御できる、ことがわかる。節気のうち大暑では、温度は外気32℃から室内29.5℃へと約2.5℃下がり、最も寒い立春では14℃から17℃へと約3℃上昇している。湿度調節面では、外在の空気が通気床の吸湿材質を通ると、劣悪な外在の湿度環境75〜95%を60〜87%に制御できる。節気のうち夏至から小暑の間は、湿度を外気の92%から室内73%へと約20%低下させることができる。
上記省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムを設けた建物内で測定した極限状態のデータ(極暑時:大暑、極寒時:立春)を、健康ゾーンと比べたときの符合度は(図3参照)、立春時には室内が快適ゾーンおよび健康ゾーンに達し、大暑時にも健康ゾーンに達していることがわかる。
該省エネで非機械的換気の微気候調節システムにおける全体使用の総合的効果は、室内を夏期には降温除湿し、冬期には保温除湿して、亜熱帯地域の居住空間での使用に適していることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムを使用した建物の側断面図である。矢印の方向は自然通風路を示している。
【図2】建物の各階各部屋に本発明に関する省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システムを設置したときの配置図である。
【図3】本発明を配置した建物の節気立春時に測定した外気と室内温度湿度データを、快適ゾーン、健康ゾーンと比較した空気線図である。
【図4】本発明を配置した建物の節気大暑時に測定した外気と室内温度湿度データを、快適ゾーン、健康ゾーンと比較した空気線図である。
【符号の説明】
1 吹き抜け空間
2 竪通風穴
3 通風塔
4 給気開口部
5 給気開口部
6 二層式床板空間
7 通気床本体の孔隙
8 竪通風穴の抽気口
9 上部ブラインド
10 天井
11、12 ガイド板
13 スラットガイド板
14 蓄熱空間
15 煙突式上蓋
16 壁立式植栽
17 外側の制御可能なスラット
18 内側の制御可能なスラット
19 上段
20 中段
21 中段
22 中下段
23 下段
24 下層床板
25 上層金属枠
Claims (3)
- 建物内部の自然通風路を形成するべく、吹き抜け空間およびその屋上天井、居住ユニットを構成する各階各部屋に連通する竪通風穴および該竪通風穴から屋上階上部に延伸する通風塔、前記居住ユニットの二層式床板およびその通気床からなる建物全体の通風システムを構成し、
建物各階がいずれも前記吹き抜け空間に繋がり、前記各居住ユニットはいずれもその一壁面上部が建物の前記竪通風塔と連通しており、前記居住ユニット内の前記通気床が梁の高さで二層式床を構成し、壁外梁の前記居住ユニット内通気床の下方内外両側に対応する位置に給気入口部を設け、外気が前記給気入口部、前記二層式床板から前記通気床の孔隙を経て上昇し、前記吹き抜け空間、前記竪通風塔で風力換気および温度差による重力換気によって自然換気による自然通風の主要な気流経路が形成されるようにし、
上記建物の自然通風の主要な気流経路と整合するように建物の内部と外部全体の気流経路に合わせて、建物外部の壁立式植栽、建物壁面に設ける制御可能なブラインドおよび前記居住ユニット内の前記通気床の吸湿降温材質の空隙からなる微気候調節システムを設け、外部の高温多湿の空気を建物外部に設けた壁立式植栽で形成した断熱層および建物壁面に補助的に設けた前記制御可能なブラインドによって前記居住ユニット内の前記通気床の吸湿降温材質の空隙に通過させ、気流を下から上へと室内に流入させて部屋に誘引すると同時に除湿、降温を達成させることを特徴とする省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システム。 - 前記居住ユニット内の通気床の下方内外両側に設ける給気入口部の建物壁面において制御可能なブラインドを装着し、前記居住ユニット内部上方の竪通風穴の抽気口と前記居住ユニット内側の上段ブラインドが主要な排気開口部となり、前記給気入口部の高さを排気開口部の高さより低く設置したる請求項1に記載の省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システム。
- 前記通風塔の頂部と天井を蓄熱空間に形成し、前記通風塔の頂部に風向きに応じて回転する煙突式の上蓋を設置した請求項1に記載の省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003045378A JP2004256995A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003045378A JP2004256995A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004256995A true JP2004256995A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33112197
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003045378A Pending JP2004256995A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004256995A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN120889350A (zh) * | 2025-09-30 | 2025-11-04 | 洛阳理工学院 | 一种基于3d打印气凝胶保温板材装配结构及其装配方法 |
-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003045378A patent/JP2004256995A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN120889350A (zh) * | 2025-09-30 | 2025-11-04 | 洛阳理工学院 | 一种基于3d打印气凝胶保温板材装配结构及其装配方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Watson | Bioclimatic design | |
| Yang et al. | Natural ventilation in built environment | |
| Givoni | Indoor temperature reduction by passive cooling systems | |
| Hughes et al. | The development of commercial wind towers for natural ventilation: A review | |
| Altan et al. | Passive design | |
| Chenvidyakarn | Passive design for thermal comfort in hot humid climates | |
| Odimegwu | A Derivation of Passive Guidelines for Achieving Thermal Comfort in the Design of Residential Buildings in Warm Humid Climate of Abia State, Nigeria | |
| CN110939294A (zh) | 一种具有微气候改善功能的环保住宅 | |
| Batty et al. | Natural-cooling techniques for residential buildings in hot climates | |
| CN108811971B (zh) | 一种智控节能温室大棚 | |
| Chrisomallidou | Guidelines for integrating energy conservation techniques in urban buildings | |
| JP2004256995A (ja) | 省エネで非機械的換気の亜熱帯地域建物の微気候調節システム | |
| JP5715448B2 (ja) | 建物の空調システム | |
| CN201474327U (zh) | 生态住宅 | |
| CN211691626U (zh) | 一种具有微气候改善功能的环保住宅 | |
| Steemers | Environmental issues of building design | |
| TW564278B (en) | Micro-climate adjustment system for energy saving and non-mechanically ventilated subtropical building | |
| Farid et al. | Integrating Green Building Criteria Into Housing Design Processes Case Study: Tropical Apartment At Kebon Melati, Jakarta | |
| Al-Sallal | Passive and low energy cooling | |
| Pawar et al. | Integrated approach in building design for passive cooling in hot and dry climates of India | |
| Choudhary et al. | Passive cooling techniques, design concept and ventilation techniques | |
| Yacob et al. | Thermal comfort assessment: A comparative study of passive ventilation system in modern and Malay traditional house | |
| Ghiabaklou | A passive evaporative cooling system for residential buildings | |
| Asyrafi et al. | Passive Design Strategy of Vertical Housing for Optimizing Energy Efficiency | |
| Rosenbaum | Passive and low energy cooling survey |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050929 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080930 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081124 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090428 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |
