JP2004255702A - インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程が簡単となることを課題とする。
【解決手段】撥水膜60が被覆されたノズルプレート22の表面には、壁部24Aで構成された連通孔38に裏面が入り込むようにしてノズル36回りに凹部62が形成されている。すなわち、壁部24Aを受け台として凹部62を形成できるので、凹部62形成の際に凹部62形成用の受け台を別途必要とせず、製造工程が複雑にならない。さらに、凹部62は、ノズルプレート22と壁24A部の一部を構成する連通孔プレート24を接合して形成される。このため、連通孔プレート24を接合する前に凹部62を形成する製造方法では必要となる、凹部62と壁部24Aに囲まれた開口面との位置合わせが不要となる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被印字面にインク滴を吐出して印字を行うインクジェット記録ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録ヘッドでは、ノズルからインク滴を吐出した際、インク滴がノズル周囲に付着したり、また、ノズルからインクが盛り上がるオーバーシュート現象によるインク漏れが生じる。このため、インク吐出方向が傾いたり、液滴径および速度がばらつくことがあり、これによって、インクジェット記録ヘッドの印字性能が著しく低下する場合がある。そこで、インク滴がノズル周囲に付着するのを防ぐため、ノズル表面に撥水膜を施すことが行われている。
【0003】
しかし、ノズル周囲に漏れたインクや、付着したゴミを除去するために、ノズル表面をワイピングすると、摩擦でノズル周囲の撥水膜が破壊される。
【0004】
そこで、図8に示すように、ワイピング等による機械的な摩擦からノズル102の周囲の撥水膜を保護する目的として、ノズル102周囲に凹部104が形成されたインクジェット記録ヘッド100がある(特許文献1参照)。
【0005】
このインクジェット記録ヘッド100のノズルプレート108表面に施される撥水処理は、凹部104形成後にスプレーコートやスピンコート等で撥水膜106を塗布する方法が考えられる。しかし、これらの方法ではノズルプレート108の表面と凹部104に撥水膜106を均一な厚さに塗布することは困難である。
【0006】
一方、凹部104の製造方法として、放電加工、フォトエッチング、ポンチによるプレス加工、およびレーザ加工などの技術が用いられている(特許文献2参照)。
【0007】
放電加工で凹部104を形成する場合には、ノズルプレート108は金属製のプレートに限られてしまう。また、放電加工に使用する電極や放電加工の大掛かりな装置が必要となり、コストアップとなる。
【0008】
また、フォトエッチング又はレーザ加工によって凹部104を形成する場合には、ノズルプレート108は金属製に限定されないが、プラスチック製のノズルプレート108の場合、凹部104を形成するために削り取った部分が薄肉となり、その部分の強度が問題となる。
【0009】
さらに、ポンチによるプレス加工によって凹部を形成する場合、高精度なプレス加工を行うためには、図9(A)に示すように、ノズルプレート110の裏面110A側に、凹部112を形成する為の受け台118が必要となり、受け台118の作成、凹部112を形成する際の受け台118の設置等、製造工程においてコスト高となる。
【0010】
また、受け台の有無に関わらず、ポンチ116によって凹部112を形成した場合、ノズルプレート110の裏面110Aに凸部114が発生する。この凸部114があることでノズルプレート110とノズルプレート110の裏面に配置される連通孔プレートとを接合する際に、2つのプレートの位置合わせが困難になるので、図9(B)に示すように、凸部114を研磨等で削ってノズルプレート110の裏面110Aを平らにするための研磨等の作業も必要となる。
【0011】
【特許文献1】
特開平4−176657号公報(第2−3項、第1図)
【特許文献2】
特開平5−155027号公報(第2−3項、第1図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、凹部の製造工程が簡単なインクジェット記録ヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクが貯留されたインク室と、前記インク室の一部を構成する壁部と、前記壁部に囲まれた開口面を閉塞すると共に前記インク室のインクを吐出するノズルが形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートの表面を被覆する撥水膜と、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、前記ノズルプレートには、前記壁部を備えたプレートが少なくとも一枚接合された後、表面には前記ノズル回りに凹部が形成され、裏面が前記インク室側に入り込んでいることを特徴としている。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、撥水膜が被覆されたノズルプレートの表面には、壁部で構成されたインク室に裏面が入り込むようにしてノズル回りに凹部が形成されている。
【0015】
すなわち、壁部を受け台として凹部を形成できるので、凹部形成の際に凹部形成用の受け台を別途必要とせず、製造工程が複雑にならない。
【0016】
さらに、凹部は、ノズルプレートと壁部の一部を構成するプレートを接合して形成される。このため、プレートを接合する前に凹部を形成する製造方法では必要となる、凹部と壁部に囲まれた開口面との位置合わせが不要となる。また、凹部の裏面を平らにする切削工程も不要となる。このため、ノズルプレートの厚さが全ての部分で均一となり、ノズルプレートにプラスチック製樹脂を使用しても、ノズルプレートの強度問題が生じない。
【0017】
請求項2に記載の本発明のインクジェット記録ヘッドは、前記凹部は、前記壁部の角部から前記インク室内へ折れ曲がっていることを特徴としている。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、凹部は壁部の角部からインク室内へ折れ曲がっていることで、凹部をインク室とほぼ同寸法の大きさに形成できる。
【0019】
請求項3に記載の本発明のインクジェット記録ヘッドは、前記ノズルプレートが、熱可塑性樹脂のポリイミドで形成されたことを特徴としている。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、ノズルプレートは熱可塑性樹脂のポリイミドで形成されており、大きな荷重を必要とせずに塑性変形することができるので、ノズルプレートの表面に容易に凹部が形成される。
【0021】
請求項4に記載の本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、インク室に貯留されたインクを吐出するノズルが形成されるノズルプレートの裏面に、前記インク室の一部を構成する壁部を備えた少なくとも一枚のプレートを接合する接合工程と、前記ノズルプレートの表面に撥水膜を形成する成膜工程と、前記ノズルプレートの表面から前記壁部を受け台として凹部を形成するプレス工程と、前記凹部の中央にノズルを形成する穿設工程と、を有することを特徴としている。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、インク室に貯留されたインクを吐出するノズルが形成されたノズルプレートの表面に撥水膜を形成し、その後凹部を形成することで、凹部形成前の平らな状態のノズルプレートに、スピンコート法等の容易な方法によって撥水膜が形成される。これによって、ノズルプレート表面に撥水膜が簡単に、且つ、均一に成膜される。
【0023】
また、ノズルプレートの裏面には、インク室の一部を構成する壁部を備えたプレートが接合されており、プレートの壁部が受け台となってノズルプレートの表面に凹部が形成される。したがって、ノズルプレートの表面に凹部を形成する際に、ノズルプレートの裏面に別途受け台を配置する必要がないので、製造工程の容易化、製造に要する時間を短縮できる。
【0024】
請求項5に記載の本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、前記ノズルプレートに撥水膜を形成した後にノズルを形成し、前記壁部を受け台として前記ノズルプレートの表面に凹部を形成することを特徴としている。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、ノズルプレートの表面に凹部を形成する前にノズルを形成することで、表面が平らな状態のノズルプレートにノズルを形成することになり、精度良くノズルが形成される。
【0026】
請求項6に記載の本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、前記凹部は、前記ノズルプレートの表面を弾性体で加圧して形成することを特徴としている。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、ポンチとしての弾性体でノズルプレートの表面に加圧すると、弾性体はインク室を形成する壁部を受け台としてインク室内に弾性変形を起こしてノズルプレートと一緒に入り込む。これによって、ノズルプレートはインク室内に向かって塑性変形を起こし、ノズルプレートの表面に凹部が形成される。
【0028】
このようにして、弾性体の弾性変形を利用して凹部を形成することで、金属製のポンチのようにインク室に合わせた形状とする必要がなく、製造工程が簡単になる。また、インク室の形状に合わせて凹部が形成されるので、凹部の折れ曲がりの起点がインク室の壁部となるため、インク室とほぼ同じ大きさの凹部を形成できる。
【0029】
請求項7に記載の本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、前記弾性体は、前記インク室と同形状の凸部が所定ピッチで形成されていることを特徴としている。
【0030】
請求項7に記載の発明によれば、弾性体にインク室と同形状の凸部を所定ピッチで形成することで、ノズルプレートの表面に弾性体を押し付けたとき、凸部がインク室内へ入り込む。このため、圧力が集中し、ノズルプレートの表面に凹部を形成する際に必要とする加圧力が少なくて済む。
【0031】
また、弾性体には、ノズルと同ピッチで複数の凸部が形成されているので、一度の加圧工程で複数の凹部を形成することができ、凹部形成に要する時間短縮になる。
【0032】
請求項8に記載の本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、前記弾性体に替えて、剛体で前記ノズルプレートの表面の前記インク室に相当する部分を加圧することを特徴としている。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、弾性体に替えてインク室と同形状の剛体でノズルプレートの表面のインク室に相当する部分を加圧することで、ノズルプレートの表面に凹部が形成される。
【0034】
このように、剛体を用いて凹部を形成することで、非常に少ない加圧力でノズルプレート表面に凹部を形成することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド12が搭載されたインクジェットプリンタ10が示されている。
【0036】
インクジェット記録ヘッド12は、ノズル36(図2参照)が形成されたノズルプレート22が、記録用紙Pと対向するようにキャリッジ14上に搭載されている。このキャリッジ14は、主走査機構16によって主走査方向(矢印Aで示す)に移動される。これにより、インクジェット記録ヘッド12は、副走査機構18によって副走査方向(矢印Bで示す)へ搬送される記録用紙Pへ、画像情報に応じてインク滴を吐出することにより、記録用紙Pの全面に画像の記録を行う。
(インクジェット記録ヘッドの概略説明)
図2に示すように、インクジェット記録ヘッド12は、ノズルプレート22、連通孔プレート24、26、供給路プレート28、30、圧力発生室プレート32、および振動板34の合計7枚のプレートを位置合わせして積層し、接着剤等の接合手段によって接合することにより形成されている。
【0037】
ノズルプレート22には、インクを吐出するノズル36が設けられており、連通孔プレート24、26には、連通孔38、40がそれぞれ形成されている。また、供給路プレート28、30には供給孔42、44が形成されている。これらのノズル36、連通孔38、40、供給孔42、44は連通孔プレート24、26、供給路プレート28、30が積層された状態で連通し、圧力発生室プレート32に形成された圧力発生室48に繋がっている。
【0038】
一方、連通孔プレート24、26には、それぞれインクプール51、52が形成され、図示しないインク供給孔から供給されたインクが貯留されている。また、供給路プレート28には、このインクプール52と連結するように供給孔54が形成されている。さらに、供給路プレート30には供給溝56が形成されて、連通孔プレート24、26、供給路プレート28、30が積層された状態で、インクプール51、52と圧力発生室48とを連通させている。
【0039】
圧力発生室プレート32上には振動板34が積層され、振動板34の上には圧力発生手段としての単板型の圧電素子58が取り付けられている。圧電素子58は、圧力発生室48に相当する領域に接着されており、ハンダ68を介してフレキシブル配線基板70と接続されている。この構成により、駆動電圧波形が圧電素子58に印加されると、圧電素子58と共に振動板34がたわみ変形して圧力発生室48のインクを加圧し、ノズル36からインク滴を吐出させる。
【0040】
また、ノズルプレート22のインクが吐出される側の面(表面)のノズル36周辺には、裏面が連通孔38に入り込むようにして凹部62が形成されている。ノズルプレート22の表面と凹部62とには撥水膜60が形成されており、この撥水膜60によってノズル36周囲のインク漏れ等が防止でき、ノズル36から吐出するインク滴が常にノズルプレート22に対して垂直に吐出されるようになる。また、凹部62が形成されることで、ワイピングによる機械的な摩擦からノズル36周囲の撥水膜60を保護する。
(インクジェット記録ヘッドの製造方法)
以上が、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド12の構成であり、次に、このインクジェット記録ヘッドの製造方法について説明する。
【0041】
図3(A)に示すように、ノズルプレート22の一方の面(表面)に、スピンコート法を用いて撥水膜60を成膜する。ノズルプレート22には、後述する弾性体66で加圧するだけで塑性変形を起こすことが可能なポリイミドフィルムが使用されている。
【0042】
次に、ノズルプレート22の他方の面(裏面)に連通孔プレート24を接合し、図3(B)に示すように、エキシマレーザLでノズルプレート22にノズル36を穿設する。なお、ノズル36は、後述する凹部62をノズルプレート22に形成した後の工程で穿設してもよいが、ノズルプレート22が平滑な状態の時にノズル36を形成することで、精度が良いノズル36を穿設することができる。
【0043】
次に、図4(A)に示すように、ノズルプレート22の表面を、断面が流線形状の弾性体66で加圧する。このとき、連通孔プレート24は受け部材86で支持されているので、図4(B)に示すように、ノズルプレート22は加圧方向への移動が阻止される。ここで、弾性体66は連通孔プレート24の連通孔38を形成する壁部24Aを受け台として弾性変形して連通孔38内部へ進入し、これに伴ってノズルプレート22も折れ曲がり、連通孔38内部へ塑性変形する。これによって、ノズルプレート22に凹部62が形成される。このとき、凹部62の折れ点は、壁部24Aの角部付近に形成される。これによって連通孔38とほぼ同面積の凹部62が形成される。
【0044】
次に、図4(C)に示すように、弾性体66をノズルプレート22から離すと、弾性体66は弾性復帰し、またノズルプレート22は塑性変形しているので、連通孔38の内部に裏面が入り込み、凹部62が維持される。
【0045】
なお、本実施例では弾性体66は断面を流線形状としたが、図6に示すような平らな弾性体67をノズルプレート22に押し付けた場合でも、壁部24Aが受け台となって、ノズルプレート22の連通孔38に入り込むように凹部62が形成される。
【0046】
次に、図5(A)に示すように、ノズルプレート22に接合された連通孔プレート24に、連通孔プレート26、供給路プレート28、供給路プレート30、圧力発生室プレート32を接合し、図5(B)に示すように、圧力発生室プレート32の開口を覆うようにして振動板34を接合する。
【0047】
次に、図5(C)に示すように、マトリックス状に圧電素子58がサンドブレスト加工された固定基板78を上にして、圧電素子58を振動板34に接着する。固定基板78と圧電素子58は、所定の温度で加熱したとき、発泡して接着力が大幅に低下する性質を有する熱発泡性接着フィルムを用いて接着されている。また、圧電素子58の両面には電極層がスパッタリングなどで予め形成されており、共通電極として兼用する振動板34と導電性接着剤で接着することで、圧電素子58と振動板34とは電気的に接続される。
【0048】
次に、図5(D)に示すように、固定基板78を加熱して熱発泡性接着フィルムの接着力を低減させて固定基板78を剥離し、図5(E)に示すように、各圧電素子58毎にハンダ68を介してフレキシブル配線基板70を接合する。
【0049】
最後に、図示しないインク供給装置等を取付けることにより、本実施形態のインクジェット記録ヘッド12が完成する。
【0050】
ここでは、凹部62はノズル36を形成した後に形成したが、ノズルプレート22に撥水膜60を成膜し、連通孔プレート24を接着した後であれば、凹部62の形成はどの工程で行っても良い。
【0051】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について説明する。
【0052】
図2に示すように、インクジェット記録ヘッド12には、インクプール50から圧力発生室48、供給孔44、42、連通孔40、38およびノズル36へと連続するインクの通路が形成されており、インク供給装置(図示省略)から送られてきたインクは、振動板34に形成されたインク供給孔(図示省略)を介してインクプール51、52に貯留され、インク供給孔54及び供給溝56を経て、圧力発生室48内に充填される。
【0053】
ここで、画像情報に応じた駆動電圧波形が圧電素子58に印加されると、圧電素子58は振動板34と共に変形して圧力発生室48を膨張または圧縮させる。これによって、圧力発生室48に体積変化が生じ、圧力発生室48内に圧力波が発生する。この圧力波の作用によってインクが運動し、インクがノズル36から外部へ吐出される。
【0054】
撥水膜60が成膜されたノズルプレート22の表面には、連通孔38に入り込むようにして凹部62が形成されている。この凹部62が形成されたことによって、ノズルプレート22の表面をブレードでワイピングしても、ノズル36には凹部62の凹んだ分だけブレードの当たりが緩和されるので、ノズル36周辺の撥水膜60が破壊されることがない。
【0055】
撥水膜60が被覆されたノズルプレート22の表面には、壁部24Aで構成された連通孔38に裏面が入り込むようにしてノズル36回りに凹部62が形成されている。すなわち、壁部24Aを受け台として凹部62を形成できるので、凹部62形成の際に凹部62形成用の受け台を別途必要せず、製造工程が複雑にならない。
【0056】
さらに、凹部62は、ノズルプレート22と壁部24Aの一部を構成する連通孔プレート24を接合して形成される。このため、連通孔プレート24を接合する前に凹部62を形成する製造方法では必要となる、凹部62と壁部24Aに囲まれた開口面との位置合わせが不要となる。
【0057】
また、凹部62は、ノズルプレート22の表面に撥水膜60を成膜した後で形成されるので、凹部62の形成前の平らな状態のノズルプレート22に、スピンコート法等の容易な方法によって撥水膜60が形成される。これによって、ノズルプレート22の表面に撥水膜60が簡単に、且つ、均一に成膜される。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドについて説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分の説明は割愛する。
【0059】
図7(A)に示すように、撥水膜60が成膜されたノズルプレート22の表面側から、連通孔38と同形状の凸部80がノズル36に合わせて所定のピッチで形成された弾性体82を押し付ける。図7(B)に示すように、ノズルプレート22の表面は、弾性体82が加圧されることによって連通孔38側に凸部80の形状に合わせて塑性変形し、図7(C)に示すように全てのノズル36に対して凹部84が形成される。
【0060】
次に、本発明の第2の実施形態の作用について説明する。
【0061】
弾性体82に連通孔38と同形状の凸部80を所定ピッチで形成し、その弾性体82でノズルプレート22の表面を加圧すると、凸部80は連通孔38に入り込み凹部84が形成されるので、弾性体82の加圧は壁部25には余りかからない。このため、軽い力で弾性体82をノズルプレート22の表面に押しつけるだけで、ノズルプレート22の表面に凹部84が形成される。また、この方法では、一度の加圧工程で複数の凹部84を形成することができる。
【0062】
なお、本発明においては、インクを吐出する手段として、加圧方式を例に採って説明したが、サーマル方式等のインクジェット記録ヘッドにも、本発明の凹部の製造方法は有効である。
【0063】
また、本実施例においては、ノズルプレート22の表面に弾性体で加圧することで凹部62を形成したが、弾性体66の代わりに連通孔38と同形状の剛体を用いてもよい。この場合、軽い力で剛体をノズルプレート22の表面に押し付けるだけで、ノズルプレート22の表面に凹部62を形成することができる。
【0064】
なお、弾性体は、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ターポリマー(EPT)、天然ゴム(NR)等が使用される。
【0065】
CRは、耐候性、耐油性に優れ、インクジェット記録ヘッドを量産するのに好適である。また、EPTは、耐候性、耐熱性、耐オゾン性、耐老化性及び電気的性質に優れており、NRは、弾性、伸縮性に優れている、という性質を有するので、これらもノズルプレートに凹部を形成する弾性体として適している。
【0066】
【発明の効果】
本発明は上記構成にしたので、ノズルプレートに形成される凹部の製造が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを搭載するインクジェットプリンタを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを示す側面の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程を示す側面の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程を示す側面の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程を示す側面の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程において、別の形状の弾性体を用いた場合を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの製造工程を示す、図3の7−7線で切断した断面図である。
【図8】従来のインクジェット記録ヘッドを示す図である。
【図9】従来のインクジェット記録ヘッドを示す図である。
【符号の説明】
10 インクジェットプリンタ
12 インクジェット記録ヘッド
22 ノズルプレート
24 連通孔プレート
24A 壁部
36 ノズル
38 連通孔(インク室)
60 撥水膜
62 凹部
66 弾性体
80 凸部
82 弾性体
84 凹部

Claims (8)

  1. インクが貯留されたインク室と、前記インク室の一部を構成する壁部と、前記壁部に囲まれた開口面を閉塞すると共に前記インク室のインクを吐出するノズルが形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートの表面を被覆する撥水膜と、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記ノズルプレートには、前記壁部を備えたプレートが少なくとも一枚接合された後、表面には前記ノズル回りに凹部が形成され、裏面が前記インク室側に入り込んでいることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記凹部は、前記壁部の角部から前記インク室内へ折れ曲がっていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記ノズルプレートが、熱可塑性樹脂のポリイミドで形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. インク室に貯留されたインクを吐出するノズルが形成されるノズルプレートの裏面に、前記インク室の一部を構成する壁部を備えた少なくとも一枚のプレートを接合する接合工程と、前記ノズルプレートの表面に撥水膜を形成する成膜工程と、前記ノズルプレートの表面から前記壁部を受け台として凹部を形成するプレス工程と、前記凹部の中央にノズルを形成する穿設工程と、を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記ノズルプレートに撥水膜を形成した後にノズルを形成し、前記壁部を受け台として前記ノズルプレートの表面に凹部を形成することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記凹部は、前記ノズルプレートの表面を弾性体で加圧して形成することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  7. 前記弾性体は、前記インク室と同形状の凸部が所定ピッチで形成されていることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  8. 前記弾性体に替えて、剛体で前記ノズルプレートの表面の前記インク室に相当する部分を加圧することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
JP2003048855A 2003-02-26 2003-02-26 インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4214798B2 (ja)

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