JP2004255535A - 切削加工における加工状態診断方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】リアルタイムに加工異常や加工面粗さ等の加工状態を推定し、予測することが可能な切削加工における加工状態診断方法を提供する。
【構成】切削加工の力学モデルの運動方程式を力学パラメータで表し、ラプラス変換から伝達関数を求め、前記伝達関数の離散化及びZ変換を行って力学モデルの離散時間モデルの伝達関数を求め、前記離散時間モデルの伝達関数と、切削加工時に被削材から発生する振動を加速度センサ等で観測して得られる振動信号の時系列モデルであるARMAモデルと、を比較して時系列モデルパラメータのARパラメータと力学パラメータや加工面粗さとの関係から、切削加工中に前記被削材に設置した加速度センサ等の信号を測定して前記時系列モデルのARパラメータと照合し、前記ARパラメータの変化から切削加工中の加工状態をリアルタイムに推定し、加工異常を予測する加工状態診断方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライス盤等の工作機械による切削加工における被削材の加工状態の診断方法に関し、より詳細には、観測される被削材の振動等の時系列解析から時系列モデルを決定し、その時系列モデルのパラメータの変化を観察することで加工状態を推定することにより、加工異常や加工面の粗さという加工状態をリアルタイムに把握し予測する加工状態診断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
切削加工の自動化と高精度化を行うためには、加工工程を常に最適の状態に保持することが重要である。
【0003】
現在、加工状態を最適に保つために加工後にマイクロメータや表面粗さ計等の精度測定器により、加工品の寸法や加工面粗さ等を計測して加工精度の確認を行い、次の加工へその結果をフィードバックする方法や、切削加工時の振動等の観察により加工状態を把握する方法等が行われている。
【0004】
このうち、後者の振動による加工状態の観察による手法は、下記[特許文献1]に開示されている「切削加工における異常診断方法」のように、振動やAE(アコースティックエミッション)等の信号を測定し、その結果を統計的、時系列的に解析し、算出した平均値やピーク値等が熟練技術者により設定されたある値を越えた場合に異常とする手法である。
【0005】
【特許文献1】特開平10−267749号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の異常診断方法では、切削加工中の加工異常や加工精度をリアルタイムで予測し把握することはできない。
【0006】
即ち、上記従来の振動の観察による方法では、設定された値より大きな平均値やピーク値等が発生した場合に異常として認識するものであり、微細な加工状熊の変化を検出することはできず、また、これらの解析に用いられている統計的或いは時系列的手法は、実際の加工に即した力学モデルを設定していないため、求められた値と力学的な特性値とが論理的に結び付けられていないのである。
【0007】
現実の切削加工現場では、加工前に切削加工条件や寸法等をプログラムにして工作機械に入力し、それに従い一気に加工が行われている。そのとき入力される切削加工条件は工具メーカーの推奨値等を最適な切削加工条件としている。
【0008】
しかし、工具の摩耗状況や気温、湿度等の加工環境の変化が常に存在するため、同じ切削加工条件を最適なものとして入力しても、その時々の加工環境によって加工精度にばらつきが生じる。即ち、加工時の環境によって本当に最適な切削加工条件が微妙に異なるのである。このような微細な加工面の粗さの変化に対しては、熟練者の五感に頼ってその場で対応しているのが現状である。
【0009】
上記のような加工環境の変動により生じる切削加工中の加工状熊の変化をリアルタイムで評価し、加工中に切削加工条件の補正を自動で行う診断方法は未だ確立されていない。
【0010】
本発明は、このような従来からの加工状態の把握手法が有していた問題を解決しようとするものであり、切削加工中に観測される被削材の振動からリアルタイムに被削材の切削加工状態を把握して適切な切削加工条件を保持するように対処することを可能とする加工状態診断方法を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、切削加工の力学モデルと加工系から発生する振動加速度の時系列モデルパラメータとの相関関係を求め、振動加速度の時系列モデルパラメータをARMA(p,q)モデル(Auto Regressive Moving Average:自己回帰移動平均モデル)で表し、このモデルのARパラメータを観察することで加工状態を推定し、加工異常を予測するものである。
【0012】
さらに、振動加速度の時系列モデルARパラメータの変化と加工面粗さとの関係を求めて定式化することによって、切削加工中に振動加速度をモニターして時系列解析して得られるARパラメータを観察することで微細な加工面の粗さを推定し、予測するものである。
【0013】
具体的解決手段として本発明は、
(1)第1に、切削加工の力学モデルの運動方程式を工具と加工部と被削材の各質量、剛性、減衰係数の力学パラメータで表し、第2に、前記運動方程式のラプラス変換から力学モデルの伝達関数を求め、第3に、前記力学モデルの伝達関数の離散化及びZ変換を行って力学モデルの離散時間モデルの伝達関数を求め、第4に、前記力学モデルの離散時間モデルの伝達関数と、切削加工時に被削材から発生する振動を加速度センサ等で観測した振動信号の時系列モデルであるARMAモデルと、を比較することにより時系列モデルパラメータのARパラメータと力学パラメータや加工面粗さとの関係から、切削加工中に前記被削材に設置した加速度センサ等の信号を測定して前記時系列モデルのARパラメータを算出し、前記ARパラメータの変化から切削加工中の加工状態をリアルタイムに推定し、予測することを特徴とする切削加工における加工状態診断方法を提供する。
(2)上記(1)に記載の切削加工における加工状態診断方法において、時系列モデルARMA(4,3)のパラメータの切削条件と加工面粗さとの関係を求めることにより、切削加工中の被削材の加工面粗さをARパラメータの変化からリアルタイムに推定し、予測することを特徴とする切削加工における加工状態診断方法を提供する。
(3)上記(1)に記載の切削加工における加工状態診断方法において、切削加工時の被削材の加工面粗さと力学モデルの加工部の剛性の力学パラメータとの相関を求めて時系列モデルパラメータのARパラメータと前記力学モデルの加工部の剛性の力学パラメータとの関係を求めることにより、切削加工中の被削材の加工面粗さをARパラメータの変化からリアルタイムに推定し、予測することを特徴とする切削加工における加工状態診断方法を提供する。
(4)上記(1)に記載の切削加工における加工状態診断方法において、第1に、切削加工中の被削材の振動変位の伝達関数を求め、第2に、前記力学モデルの離散時間モデルの伝達関数を求め、第3に、被削材から発生する振動加速度の時系列解析から時系列モデルであるARMA(4,1)モデルと前記力学モデルの離散時間モデルの伝達関数とを比較することによって前記時系列モデルパラメータのARパラメータと加工面粗さとの関係から、切削加工中に前記被削材に設置した加速度センサ等の信号を測定して前記時系列モデルのARパラメータを算出し、前記ARパラメータの変化から切削加工中の加工面粗さをリアルタイムに推定し、予測することを特徴とする切削加工における加工状態診断方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の切削加工における加工状態診断方法の実施の形態について表及び図面に基づいて説明する。
【0015】
先ず、工作機械による切削加工において、切削加工状態をリアルタイムに把握する(監視或いは制御すること。)には、工具1、被削材2等からなる切削加工時の振動系をモデル化し、その振動系を支配する要因、即ち振動の加速度信号をモニターして時系列解析により生成される時系列モデルパラメータの変動を観察することが極めて有効と考えられる。
【0016】
そこで、本発明の加工状態診断方法は力学的な加工モデルを設定してその運動方程式を導出し、加工モデルの力学パラメータと前記時系列モデルパラメータとの関係を導出する。
【0017】
先ず、本発明においては、切削加工を表す力学モデルを以下のように設定してその伝達関数を求める。
【0018】
図1に示されるように、工作機械11における工具1による被削材2の切削加工を表す力学モデルは工具1、被削材2および切削過程を表す加工部3からなる2自由度振動系として近似的に表現できる。ここで、記号m、c、kはそれぞれ質量、減衰係数、剛性を表し、添字iの1、2、3はそれぞれ工具、被削材、加工部を表す。ここに、前記加工部3のc3は熱等を含む減衰係数、kは切削抵抗に相当する。切削抵抗は主分力、送り分力、背分力の3つの合成力で表され、一般に被削材2が硬いほど、また、送り速度や切り込み深さが大きいほど大きくなる。前記m、c、kは力学パラメータという。
【0019】
切削加工中の工作機械は要素が複雑であり、力学モデルの振動系への入力である切削力f(t)が未知である。したがって、未知である工具1に対する入力f(t)を白色雑音とし、被削材2から観測される振動加速度を出力として力学モデルの定式化を行う。
【0020】
図1における工具1の運動方程式は次式で表される。
【0021】
【数1】
Figure 2004255535
【0022】
ここで、入力fによる工具1の変位xは被削材2の変位xに比較して、近似的にはx>>xとおくことができる。したがって、[数1]は次式で表される。
【0023】
【数2】
Figure 2004255535
【0024】
一方、被削材2の運動方程式は次式で表される。
【0025】
【数3】
Figure 2004255535
【0026】
上記式[数2]、[数3]より、切削加工を表す力学モデルの運動方程式は次式となる。
【0027】
【数4】
Figure 2004255535
【0028】
式[数4]はラプラス変換より、入力をf(t)、出力を被削材2の変位x(t)の加速度とした力学モデルの伝達関数H(s)は次式のように求まる。
【0029】
【数5】
Figure 2004255535
【0030】
但し、力学モデルの伝達関数の係数A、Bは力学パラメータm、k、cによって次式のように表される。
【0031】
【数6】
Figure 2004255535
【0032】
次に、加速度信号の時系列モデルパラメータと上記モデルの力学パラメータm、k、cがどのような関係であるかを示すために力学モデルの離散時間モデルを導出する。
【0033】
本発明では、切削加工時に加速度センサ等によって観測される被削材の振動加速度について時系列解析して、その時系列モデルパラメータと力学パラメータとの関係から加工状態を診断する。そこで、以下のように力学モデルの離散化を行い、離散時間モデル伝達関数を導出した。
【0034】
図1の力学モデルの伝達関数H(s)は式[数5]で表され、次式に変換できる。
【0035】
【数7】
Figure 2004255535
【0036】
ここで、P、P、Q、Qは定数である。
【0037】
【数8】
Figure 2004255535
【0038】
とおくと、式[数7]の逆ラプラス変換より、伝達関数H(s)のインパルス応答h(t)は次式で表される。
【0039】
【数9】
Figure 2004255535
【0040】
ここで、t=nT(n=0,1,2,・・・)として離散化することにより、式[数9]は次式となる。
【0041】
【数10】
Figure 2004255535
【0042】
さらに、上式[数10]のZ変換より、力学モデルの離散時間モデル伝達関数H(z)は次式で表される。
【0043】
【数11】
Figure 2004255535
【0044】
ここで、式[数8]より、
【0045】
【数12】
Figure 2004255535
【0046】
である。
【0047】
次に、切削加工時に観測される被削材2の振動加速度の時系列モデルパラメータと力学パラメータの関係を式[数11]より求める。
【0048】
前述のように、工作機械のような振動系への入力が未知で、振動系からの振動加速度の出力のみが入手可能な場合には、入力を白色信号とみなした時系列モデルによる解析が有効であり、その時系列信号は、一般に次式のようにARMA(p,q)モデル(Auto Regressive Moving Average:自己回帰移動平均モデル)で表される。
【0049】
【数13】
Figure 2004255535
【0050】
ここで、aをARパラメータ、bをMAパラメータという。
【0051】
一方、式[数11]より力学モデルの離散時間モデルの伝達関数H(z)は次のように表される。
【0052】
【数14】
Figure 2004255535
【0053】
ここで、
【0054】
【数15】
Figure 2004255535
【0055】
である。上式[数15]は式[数6]より力学パラメータm、k、cを用いて次式で表される。
【0056】
【数16】
Figure 2004255535
【0057】
また、式[数13]より、式[数14]はARMA(p,q)モデルのARMA(4,3)モデルに相当し、次式で表される。
【0058】
【数17】
Figure 2004255535
【0059】
したがって、式[数14]、式[数17]より、時系列モデルパラメータと力学パラメータの関係式は次式で表される。
【0060】
【数18】
Figure 2004255535
【0061】
以上より、加工時に観測される加速度信号のARMA(4,3)モデルのARパラメータaは、図1の各力学パラメータと式[数16]、式[数18]のような関係がある。ここで、式[数18]のARパラメータa、a、a、aには、ほとんど全ての力学パラメータが要素として含まれていることが分かる。即ち、aはm、k、cの関数としてf(m,k,c)で表される。
【0062】
以上のARパラメータと力学パラメータの関係の結果から、次に、実際の切削加工状態に即して、ARパラメータヘの加工状態の影響を図1における切削加工状態の良し悪しに一番影響する加工部3の力学パラメータk、cに注目し、これらのパラメータを変化させることで、ARパラメータの挙動をシミュレーションする。
【0063】
本シミュレーションでは、図1の加工モデルにおける工具1、被削材2の各力学パラメータを実際の質量や、物性値を基に下記[表1]のように設定した。
【0064】
【表1】
Figure 2004255535
【0065】
以下に、シミュレーション結果である加工部3のパラメータをk=0.8×10〜1.6×10(N/m)、c=0.2×10〜0.4×10(Ns/m)と変化させたときの式[数18]のARパラメータa、a、a、aのそれぞれの変化の様子を図2に示す。
【0066】
図2より、aに比べてa、a、aは変化がない領域がほとんどであることより、k、cの変化は主にaに現れると考えられる。図2においてk、cの変化によって各ARパラメータの増減がどのように変化しているか分かり易くするため、k、c両方を変化させたときの各ARパラメータの挙動を下記[表2]にまとめる。
【0067】
【表2】
Figure 2004255535
【0068】
図2及び[表2]より、ARパラメータaの変化する方向はkの増減によって支配されていることが分かり、kとARパラメータaの関係は図3のようにリニアな関係になって、以下の近似式[数19]で表される。
【0069】
【数19】
Figure 2004255535
【0070】
力学パラメータのkは切削抵抗に相当するパラメータであるので、kの増加は切り込み深さの増加、送り速度の増加、または被削材2の硬さの増加といった条件に相当する。cの増減はaの変化の向きには影響を与えないが、cが減少しているときはARパラメータaの変化する割合が大きい。また、このことは減衰係数cが加工部3から散逸している熱エネルギー等に関係していると考えると、cが減少している方が切削自体に用いられているエネルギーが大きいといえる。このようにARパラメータaを観測することでリアルタイムに切削加工状態を把握し予測することが可能になる。
【0071】
次に、上記力学パラメータk、cの変化が切削加工条件とどのような関係があるのか確かめるため、種々の切削加工条件の下で具体的な実施の形態の加工実験を図4に示される加工状態診断システム10にて行った。
【0072】
図4において、加工状態診断システム10は、工作機械11の主軸頭19に取り付けられた工具1としてのエンドミル12を用いて支持テーブル13上のクランプ14に固定された被削材2を種々の切削加工条件で加工したときに発生する振動の加速度を例えば前記被削材2の側面中央付近に取り付けられた加速度センサ15により加速度信号として感知し、アンプ16を通してスコープレコーダ17に記録し、記録された加速度信号はパーソナルコンピュータ18に取り込まれて上記式[数1]〜式[数19]及び後述の式[数20]〜式[数24]等に基づいてパラメータ解析の信号処理を行うというシステム構成である。
【0073】
被削材2として主に冷間金型用として使用される合金工具鋼SKD11を用いた例を示す。[表3]に切削加工条件を示す。基本的には切り込み深さを変化させ、加工により発生する振動の加速度を測定した。
【0074】
【表3】
Figure 2004255535
【0075】
図5は(a)切り込み深さ10mmの場合、(b)切り込み深さ30mmの場合、(c)切り込み深さ42mmの場合のそれぞれに観測された振動加速度波形(時間領域)(左側)とそのパワースペクトル(周波数領域)(右側)である。加速度波形は切り込み深さがメーカー推奨条件の時、振幅が小さい傾向にある。
【0076】
次に、この加速度波形を用いて、ARMA(p,q)モデルの次数をp=1〜10、q=1〜10と変化させて時系列解析し、それぞれの時系列モデルのAIC(赤池情報基準)を算出した。この結果は図6のとおりであり、振動加速度の時系列モデルはARMA(4,3)モデルで表される。
【0077】
図7は表3の切削加工条件で測定した加速度信号をARMA(4,3)モデルで解析し、切り込み深さの変化に伴う4つのARパラメータa(測定点■)、a(測定点●)、a(測定点▲)、a(測定点◆)の変化を示したものである。
【0078】
ARパラメータa、a、a、aは切り込み深さがメーカー推奨値(30mm)で最小値になる。切り込み深さの増加は切削抵抗の増加と比例するため、ARパラメータの増加は切削抵抗の増加を表す。また、切り込み深さをメーカー推奨値より減少させると、工具1の先端に加工力が集中するようになり、工具1自体の振動が大きくなりARパラメータは増加する。
【0079】
図8は正常工具(測定点●)と摩耗した工具(測定点■)を使用した場合の各ARパラメータa、a、a、aの比較である。同じ切削加工条件でも4つのARパラメータの絶対値は摩耗工具の方が正常工具より常に大きい。このことは同じ切削加工条件であれば観測される振動加速度の時系列のARパラメータから工具の摩耗の程度を推定できることを示している。
【0080】
図9の(a)は切り込み深さの変化による4つのARパラメータとの関係を切り込み深さと4つのARパラメータの平均値を用いて表したものである。図9の(b)はARパラメータの平均値に代わり、切り込み深さと加工面粗さ(最大高さPz)との関係を示した。
【0081】
図9の(a)と(b)を比較すると明らかなように、切り込み深さの変化によるARパラメータの平均値と加工面粗さを示すPzの変動は同様な傾向を示す。即ち、加工面粗さが悪ければARパラメータの平均値も大きくなる傾向にあることが判る。これはARパラメータの平均値から加工精度を表す加工面粗さが推定できることを示す。
【0082】
そこで、次に、力学モデルパラメータによる時系列モデルパラメータと加工面粗さとの関係式の導出を検討する。
【0083】
切削加工は加工物内部に高い応力を発生させて破壊、分離を起こさせる加工法であり、加工中に負荷したエネルギの内、60〜65%が塑性変形に、30〜35%が表面エネルギーや摩擦熱となっている。これを、限界剪断応力τ、ダッシュポットcを用いて表現すると、切削加工時の加工部3の力学モデルは図10の(a)のモデル1のように表される。一方、図10の(b)のモデル2は、図1に示された力学モデルにおける加工部3を切削抵抗の視点から表現したものである。
【0084】
ここで、モデル1とモデル2の外力による変形エネルギーが等しいとすると、剛性kと塑性変形で生じる加工表面積ΔAとの関係は次式[数20]で表される。
【0085】
【数20】
Figure 2004255535
【0086】
一方、加工面粗さPz(断面曲線の最大高さ)は、加工表面積に比例し、増加することから、Pz∝ΔAと表される。よって、力学パラメータkと加工表面粗さPzの関係は近似的に次式で表される。
【0087】
【数21】
Figure 2004255535
【0088】
式[数21]を用いて式[数19]は次式で表される。
【0089】
【数22】
Figure 2004255535
【0090】
図11は切削加工時の加速度信号をARMA(4,3)解析したARパラメータと、加工面粗さPzの関係を調べた結果である。図11から上式[数22]の関係が認められる。
【0091】
また、加工面粗さ波形による時系列モデルパラメータと加工面粗さとの関係式の導出を検討すると以下のようになる。
【0092】
加工面粗さPzは、図1における被削材2の上下振動変位xに関連して生成されると仮定すると、この伝達関数H′(s)=X(s)/F(s)は式[数5]より次式で表される。
【0093】
【数23】
Figure 2004255535
【0094】
このパルス伝達関数H′(z)は、ARMA(4,1)モデルとして、次式で表される。
【0095】
【数24】
Figure 2004255535
【0096】
上式[数24]より、加工面粗さPzはARパラメータと関係することが分かる。
【0097】
図12は、加工面の粗さ波形のARMA(4,1)モデル表現におけるARパラメータa′と加工面粗さPzの関係を調べた結果である。図12においても、式[数22]に示したような関係が認められることが分かる。
【0098】
而して、上記関係から、図4における工作機械11による切削加工中に前記被削材2に設置した加速度センサ15等の信号を測定して前記時系列モデルのARパラメータを算出し、前記ARパラメータの変化から切削加工中の加工状態をリアルタイムに推定し、予測することが可能となる。
【0099】
【発明の効果】
本発明に係る切削加工における加工状態診断方法は、上記のように、切削加工中に発生する振動を被削材の振動加速度を加速度センサで測定し、その加速度信号から求められる時系列モデルパラメータと切削加工の力学モデルとの関係を求め、得られた以下の(1)〜(4)の関係から時系列モデルパラメータを加工診断システムでリアルタイムに監視することで加工異常や加工面粗さの良し悪しを予測し診断することができる。
(1)力学モデルパラメータkと時系列モデルパラメータaの関係は、およそ式[数19]で表される。
(2)力学モデルパラメータkと加工面粗さPzの関係はおよそ式[数21]で表される。
(3)加工面粗さPzと時系列モデルパラメータaの関係は、およそ式[数22]で表される。
(4)以上より、時系列モデルパラメータaの変動を監視することによって、加工異常の有無やその兆候及び加工表面粗さを推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削加工を近似的に表現する力学モデルである。
【図2】加工部の力学パラメータk、cを変化させたときのARパラメータa、a、a、aのそれぞれの変化の様子を示すシミュレーション結果である。
【図3】力学パラメータkとARパラメータaの関係を示すシミュレーション結果である。
【図4】本発明の切削加工における加工状態診断方法を実施する加工状態診断システムの構成図である。
【図5】3つの切り込み深さの切削加工で観測された振動加速度波形(時間領域)(左側)とそのパワースペクトル(周波数領域)(右側)の実測図である。
【図6】AICによる時系列モデルの次数の算出結果を表す図である。
【図7】測定した加速度信号をARMA(4,3)モデルで解析し、切り込み深さの変化に伴う4つのARパラメータの変化を示す図である。
【図8】正常工具と摩耗した工具を使用した場合の各ARパラメータa、a、a、aの比較を示す図である。
【図9】(a)は切り込み深さの変化による4つのARパラメータとの関係を切り込み深さと4つのARパラメータの平均値を用いて表した図であり、(b)は切り込み深さと加工面粗さ(最大高さPz)との関係を示す図である。
【図10】(a)は切削加工時の加工部の力学モデルであり、(b)は図1の力学モデルにおける加工部を切削抵抗の視点から表現した力学モデルである。
【図11】切削加工時の加速度信号をARMA(4,3)解析したARパラメータと、加工面粗さPzの関係を調べた結果を示す図である。
【図12】加工面粗さ波形のARMA(4,1)モデル表現におけるARパラメータa′と加工面粗さPzの関係を調べた結果を示す図である。
【符号の説明】
1 工具
2 被削材
3 加工部
10 加工状態診断システム
11 工作機械
12 エンドミル
13 支持テーブル
14 クランプ
15 加速度センサ
16 アンプ
17 スコープレコーダ
18 パーソナルコンピュータ
19 主軸頭
加速度信号のARMA(4,3)モデルのARパラメータ
加速度信号のARMA(4,3)モデルのMAパラメータ
′ 加工面粗さ波形のARMA(4,1)モデルのARパラメータ
質量(力学パラメータ)
減衰係数(力学パラメータ)
剛性(力学パラメータ)
Pz 加工面粗さ(断面曲線の最大高さ)

Claims (4)

  1. 第1に、切削加工の力学モデルの運動方程式を工具と加工部と被削材の各質量、剛性、減衰係数の力学パラメータで表し、
    第2に、前記運動方程式のラプラス変換から力学モデルの伝達関数を求め、
    第3に、前記力学モデルの伝達関数の離散化及びZ変換を行って力学モデルの離散時間モデルの伝達関数を求め、
    第4に、前記力学モデルの離散時間モデルの伝達関数と、切削加工時に被削材から発生する振動を加速度センサ等で観測した振動信号の時系列モデルであるARMAモデルと、を比較することにより時系列モデルパラメータのARパラメータと力学パラメータや加工面粗さとの関係から、切削加工中に前記被削材に設置した加速度センサ等の信号を測定して前記時系列モデルのARパラメータを算出し、前記ARパラメータの変化から切削加工中の加工状態をリアルタイムに推定し、予測することを特徴とする切削加工における加工状態診断方法。
  2. 請求項1に記載の切削加工における加工状態診断方法において、時系列モデルARMA(4,3)のパラメータの切削条件と加工面粗さとの関係を求めることにより、切削加工中の被削材の加工面粗さをARパラメータの変化からリアルタイムに推定し、予測することを特徴とする切削加工における加工状態診断方法。
  3. 請求項1に記載の切削加工における加工状態診断方法において、切削加工時の被削材の加工面粗さと力学モデルの加工部の剛性の力学パラメータとの相関を求めて時系列モデルパラメータのARパラメータと前記力学モデルの加工部の剛性の力学パラメータとの関係を求めることにより、切削加工中の被削材の加工面粗さをARパラメータの変化からリアルタイムに推定し、予測することを特徴とする切削加工における加工状態診断方法。
  4. 請求項1に記載の切削加工における加工状態診断方法において、第1に、切削加工中の被削材の振動変位の伝達関数を求め、第2に、前記力学モデルの離散時間モデルの伝達関数を求め、第3に、被削材から発生する振動加速度の時系列解析から時系列モデルであるARMA(4,1)モデルと前記力学モデルの離散時間モデルの伝達関数とを比較することによって前記時系列モデルパラメータのARパラメータと加工面粗さとの関係から、切削加工中に前記被削材に設置した加速度センサ等の信号を測定して前記時系列モデルのARパラメータを算出し、前記ARパラメータの変化から切削加工中の加工面粗さをリアルタイムに推定し、予測することを特徴とする切削加工における加工状態診断方法。
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