JP2004255408A - ダイカストマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】プランジャチップへ滴下する潤滑剤の量を低減できるとともに、スリーブおよびプランジャチップの寿命を延ばすことができるダイカストマシンを提供する。
【解決手段】金型92,94に形成されるキャビティCに連通し、水平方向に沿って配置されたるスリーブ11と、スリーブ11に嵌合するプランジャチップ15およびプランジャチップ15に連結されたプランジャロッド16を有するプランジャと、プランジャロッド16に連結されプランジャチップ15をスリーブ11に対して進退させる射出シリンダ装置20とを有するダイカストマシンであって、スリーブ11外へ移動したプランジャチップ15の外周面15fに部分的に対向する対向面を有し、プランジャチップ15の上方から滴下される潤滑剤Lbの一部を対向面とプランジャチップ15の外周面との間で保持する受け部材25を有する。
【選択図】図3
【解決手段】金型92,94に形成されるキャビティCに連通し、水平方向に沿って配置されたるスリーブ11と、スリーブ11に嵌合するプランジャチップ15およびプランジャチップ15に連結されたプランジャロッド16を有するプランジャと、プランジャロッド16に連結されプランジャチップ15をスリーブ11に対して進退させる射出シリンダ装置20とを有するダイカストマシンであって、スリーブ11外へ移動したプランジャチップ15の外周面15fに部分的に対向する対向面を有し、プランジャチップ15の上方から滴下される潤滑剤Lbの一部を対向面とプランジャチップ15の外周面との間で保持する受け部材25を有する。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカストマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるコールドチャンバダイカストマシンは、溶解炉において溶解された金属溶湯を、たとえば、ラドルで汲み上げてスリーブへ供給し、このスリーブへ供給された金属溶湯をプランジャで金型に形成されたキャビティに射出、充填する機械である。
プランジャは、シリンダ装置によって前進、後退されるプランチャロッドと、このプランチャロッドの先端に連結されたプランジャチップとを有しており、プランジャチップはスリーブの内周に嵌合する。
上記のプランジャチップは、高温下においてスリーブに対して摺動しながら繰り返し前後動する。このため、スリーブおよびプランジャチップの間には摩耗が発生しやすい。このため、スリーブとプランジャチップは定期的に交換される消耗品である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スリーブやプランジャチップの摩耗を抑える等の目的で、鋳造毎にプランジャチップの外周面に潤滑剤を塗布することが行われている。
従来、プランジャチップの外周面への潤滑剤の塗布は、プランジャチップの上方から潤滑剤を滴下することにより行われていた。
しかしながら、この方法では、プランジャチップの外周面の全周に潤滑剤をいきわたらせるためには、多量の潤滑剤を滴下する必要があった。また、この方法では、プランジャチップの外周面に均一に潤滑剤を塗布するのが困難であった。
プランジャチップの外周面に均一に潤滑剤を塗布しないと、余分な潤滑剤がガスとして製品内部に入り込み、製品の品質を低下させる一因となる。
【0004】
一方、プランジャチップは、スリーブに対して前進、後退されるのみであり、回転位置は一定である。このため、スリーブへの金属溶湯の供給時には下側部分に金属溶湯が触れやすく、この金属溶湯が接触する下側部分に摩耗が発生しやすい。すなわち、プランジャチップの摩耗の発生量には偏りがあり、この偏りがプランジャチップの寿命をさらに短くさせる原因となっていた。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、プランジャチップへ滴下する潤滑剤の量を低減できるとともに、スリーブおよびプランジャチップの寿命を延ばすことができるダイカストマシンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係るダイカストマシンは、金型に形成されるキャビティに連通し、水平方向に沿って配置されたるスリーブと、前記スリーブに嵌合するプランジャチップおよび前記プランジャチップに連結されたプランジャロッドを有するプランジャと、前記プランジャロッドに連結され前記プランジャチップを前記スリーブに対して進退させる射出シリンダ装置とを有するダイカストマシンであって、前記スリーブ外へ移動した前記プランジャチップの外周面に部分的に対向する対向面を備える受け部材が前記スリーブの一端部に設けられていることを特徴とする。
【0007】
好適には、前記受け部材は、前記プランジャチップの下側に配置されており、前記スリーブの内周端部には、前記スリーブと前記プランジャチップの上側端部との干渉を防ぐ逃げ部が形成されている。
【0008】
また、好適には、本発明の第1の観点に係るダイカストマシンは、前記受け部材に対して前記プランジャチップを回転させる回転駆動手段をさらに有する。
【0009】
さらに好適には、前記回転駆動手段は、前記プランジャチップの前記スリーブに対する回転位置を回転前の位置とは異なる位置に位置決めする。
【0010】
本発明の第2の観点に係るダイカストマシンは、金型に形成されるキャビティに連通し、水平方向に沿って配置されたるスリーブと、前記スリーブに嵌合するプランジャチップおよび前記プランジャチップに連結されたプランジャロッドを有するプランジャと、前記プランジャロッドに連結され前記プランジャチップを前記スリーブに対して進退させる射出シリンダ装置とを有するダイカストマシンであって、前記プランジャチップの前記スリーブに対する回転位置を変更する回転位置変更手段を有する。
【0011】
本発明の第1の観点によれば、受け部材の対向面とプランジャチップの外周面との間で潤滑剤を保持することにより、対向面とプランジャチップの外周面には、潤滑剤が十分にいきわたる。
この受け部材の対向面とプランジャチップの外周面との間で潤滑剤を保持した状態で、プランジャチップを回転させると、外周面の全面に潤滑剤が確実にいきわたり、均一に潤滑剤が塗布される。このとき、プランジャチップのスリーブに対する回転位置を回転前の位置とは異なる位置に位置決めすることにより、プランジャチップの摩耗の偏りの発生を抑制できる。
【0012】
本発明の第2の観点によれば、回転位置変更手段がプランジャチップの記スリーブに対する回転位置を変更することにより、プランジャチップの摩耗の偏りの発生を抑制できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1の実施形態
図1は、本発明が適用されたダイカストマシンの一例を示す図である。
図1において、ダイカストマシン1は、ベース100と、ベース100上に固定された固定ダイプレート91と、固定ダイプレート91に取り付けられた固定金型92と、固定ダイプレート91に対向してベース100上を移動可能に設けられた移動ダイプレート93と、固定金型92に対向するように移動ダイプレート93に取付られた移動金型94と、移動ダイプレート93を間において固定ダイプレート91とタイバー95によって連結されたリンクハウジング121と、リンクハウジング121と移動ダイプレート93とを連結するトグル型締機構109と、固定ダイプレート91の背面側に設けられた射出部10とを備えている。
【0014】
固定ダイプレート91は、ベース100に固定されている。リンクハウジング121は、通常、タイバー95に固定されているが、金型交換に伴うダイハイトの調整の際にタイバー95に対して移動する。移動ダイプレート93はベース上を移動可能に設けられている。
リンクハウジング121と固定ダイプレート91とは、移動ダイプレート93を貫通するタイバー95によって連結されており、タイバー95は通常4本設けられている。
【0015】
リンクハウジング121と移動ダイプレート93とを連結するトグル型締機構109は、図2においては上下二組のリンク系110を備え、その一方の構成のみ詳細に図示している。各リンク系は、複数のリンクで構成されている。各リンク系はアングル状の第1のリンク110−1と直線状リンク110−2とを備える。第1リンク110−1は一端がリンクハウジング121に他端がクロスヘッド105に枢着される。第2リンク110−2は一端がリンクハウジング121およびクロスヘッド105に対する枢着点の間での位置で第1リンク110−1に枢着され、他端は移動ダイプレート93に枢着されている。
このトグル機構109の第1リンクに枢着されたクロスヘッド105はねじ軸106に沿って矢印A1またはA2方向に移動することによりトグル機構109は作動し、リンクハウジング121と移動ダイプレート93とを接近または離隔させる。
ネジ軸106は、後述するように、リンクハウジング121に設けられたサーボモータによって駆動され、ネジ軸106の回転によってこれに螺合するクロスヘッド105が矢印A1またはA2方向に移動する。
【0016】
図3に示すように、クロスヘッド105の矢印A2方向への移動につれてトグル機構109が作動し、移動ダイプレート93はリンクハウジング121に対して離隔する向き(型閉方向)に移動し、固定金型92と移動金型94の型閉が行われ、さらに、クロスヘッド105を矢印A2方向に移動させると、タイバー95に張力が作用して固定金型92と移動金型94との締め付けが行われる。
移動金型94と固定金型92とを型締した状態で、射出部10により、移動金型94と固定金型92とで形成されるキャビティにアルミニウム合金等の金属溶湯を射出充填し、ダイカスト製品を成形する。
【0017】
一方、ダイカスト製品を成形して移動金型94を開いてこのダイカスト製品を取り出すには、図3に示すように、クロスヘッド105の矢印A1方向への移動につれて、移動ダイプレート93はトグル機構109のリンク110を介しリンクハウジング121に対して接近する向き(型開方向)に移動し、移動金型94は固定金型92に対して開く。このとき、図示しない押出ピンによって移動金型94にあるダイカスト製品を押し出す。
【0018】
図3は、上記構成のダイカストマシン1の射出部10の構成を示す断面図である。
図3において、射出部10は、スリーブ11と、受け部材25と、プランジャチップ15およびプランジャロッド16からなるプランジャと、射出シリンダ装置20と、回転駆動機構30とを有する。
【0019】
スリーブ11は、水平方向に沿って固定ダイプレート91に保持されている。このスリーブ11は、両端部が開口する円筒状の金属製の部材で形成され、固定金型92と移動金型94との間に形成されるキャビティCに連通している。スリーブ11の後方側の上部には、スリーブ11内に金属溶湯を供給する注入口11aが開口している。
【0020】
プランジャチップ15は、スリーブ11の内周に嵌合する円柱状の金属製の部材で形成されている。このプランジャチップ15は、プランジャロッド16の先端部に、たとえば、螺合により固定されている。
【0021】
プランジャロッド16は、後端部がカップリング26を介して射出シリンダ装置20のピストンロッド21に連結され、水平方向に沿って配置されている。
カップリング26は、軸方向にのみプランジャロッド16とピストンロッド21とを連結しており、回転方向については連結していない。このため、プランジャロッド16は、ピストンロッド21の軸心回りに回転自在となっている。すなわち、プランジャチップ15のスリーブ11に対して回転可能となっている。
【0022】
射出シリンダ装置20は、ピストンロッド21を内蔵しており、このピストンロッド21を進退方向B1およびB2に駆動する。この射出シリンダ装置20は、図示しない位置検出器により検出されるピストンロッド21(あるいはプランジャ)の位置情報に基づいて、位置制御、速度制御および圧力制御される。射出シリンダ装置20は、油圧によって駆動される。
【0023】
回転駆動機構30は、歯車32を備えており、この歯車32の回転位置制御を行う。歯車32は、図3において、プランジャロッド16に固定された歯車35と噛み合っている。歯車32を回転駆動することにより、歯車35を介してプランジャロッド16が回転する。なお、回転駆動機構30によるプランジャチップ15の具体的な回転制御については後述する。
なお、回転駆動機構30および歯車35は、本発明の回転駆動手段および回転位置変更手段の一実施態様である。
【0024】
受け部材25は、スリーブ11の後端部に隣接して配置されている。この受け部材25はスリーブ11に固定されている。
図4および図5は、受け部材25の構造を示す図であって、図4は図3のA−A線方向の断面図であり、図5は平面図である。
受け部材25は、半円筒状の部材で形成されており、受け部材25の内周面は、プランジャチップ15の外周面15fに対向する対向面25fとなっている。この対向面25fの曲率半径は、プランジャチップ15の外周面15fの曲率半径よりも若干大きく形成されており、対向面25fと外周面15fとの間に微小な隙間が形成されている。
【0025】
受け部材25は、スリーブ11の下側に固定されている。なお、受け部材25の形状は、半円筒状でなくてもよく、スリーブ11の最上位置近傍まで延びていてもよいし、あるいは、半円筒のさらに一部であってもよいが、プランジャチップ15の外周面15fに上方から潤滑剤を直接滴下できるようにプランジャチップ15の外周面15fの上側を開放する形状である必要がある。
また、受け部材25の対向面25fには、潤滑剤を溜めるための複数条の溝部25tが形成されている。これらの溝部25tは、スリーブ11の軸方向に沿って延びている。
【0026】
スリーブ11の後端部の内周の上側には、図4に示すように、逃げ部11eが形成されている。この逃げ部11eは、スリーブ11の後端部における内周の上側をテーパ状に加工して形成されている。逃げ部11eは、プランジャチップ15をスリーブ11外へ移動したのち再びスリーブ11内へ挿入するときに、スリーブ11の後端部の内周の上側部分とプランジャチップ15の上側端部との干渉を防ぐために形成されている。
【0027】
次に、上記構成のダイカストマシン1の射出部10の動作の一例について説明する。
まず、図3に示したように、射出シリンダ装置20を駆動して、プランジャチップ15をスリーブ11の外部に後退させ、受け部材25上に位置決めする。
【0028】
この状態から、受け部材25の上方に配置した潤滑剤供給部40から液体の潤滑剤Lbをプランジャチップ15の外周面15f上に所定量を直接滴下する。なお、潤滑剤供給部40は、プランジャチップ15をスリーブ11の外部に後退させたときに受け部材25の上方に移動させてもよいし、常時、受け部材25の上方に配置していてもよい。
【0029】
潤滑剤供給部40から滴下された潤滑剤Lbは、プランジャチップ15の外周面15fの上側に塗布されるととともに、プランジャチップ15の外周面15fと受け部材25の対向面25fの間に形成された隙間に侵入する。
このため、プランジャチップ15の外周面15fと受け部材25の対向面25fとの間に潤滑剤Lbが保持される。このとき、受け部材25の対向面25fには、複数の溝25tが形成されているため、この溝25tにより十分な量の潤滑剤Lbが保持される。
【0030】
潤滑剤供給部40からの潤滑剤Lbの滴下の完了後、回転駆動機構30によりプランジャロッド16(プランジャチップ15)を回転させる。プランジャチップ15を回転することにより、プランジャチップ15の外周面15fに潤滑剤Lbが均一に塗布される。
プランジャチップ15の回転量は、プランジャチップ15の外周面15fの全面に均一に潤滑剤Lbが塗布されるのに必要な回転量である必要がある。少なくとも180°回転させるのが好ましい。
【0031】
本実施形態では、プランジャチップ15のスリーブ11に対する回転位置を回転前の位置とは異なる位置に位置決めする。これは、プランジャチップ15とスリーブ11との相対回転位置を鋳造毎に変化させて、プランジャチップ15の摩耗に偏りが発生するのを防ぐためである。
たとえば、図6(a)に示すように、プランジャチップ15の外周面の基準位置Pbが最上部に位置しているとした場合に、所定の向きにプランジャチップ15を回転させたのち、図6(b)に示すように、基準位置Pbが最下部に移動する位置でプランジャチップ15の回転を停止させる。すなわち、プランジャチップ15を複数回転あるいは半回転させる。
図6(b)に示す位置において鋳造を行ったのち、再び鋳造を行う前には、同様に回転させ、図6(c)に示す位置において停止させる。
本実施形態では、このようなプランジャチップ15の回転位置の変更を鋳造毎に行う。
【0032】
プランジャチップ15を回転させ、かつ、プランジャチップ15の回転位置を変更したのち、図7に示すように、プランジャチップ15を前進させ、所定の給湯位置に位置決めする。この所定の給湯位置は、たとえば、注入口11aの直前位置である。
プランジャチップ15をスリーブ11外からスリーブ11内に移動するとき、プランジャチップ15と受け部材25との間には潤滑剤Lbが介在するので、プランジャチップ15が受け部材25に対して若干浮く可能性がある。プランジャチップ15が受け部材25に対して浮いた状態となると、プランジャチップ15の先端の上側部分がスリーブ11の内周縁部に干渉し、プランジャチップ15が円滑にスリーブ11内に挿入されない可能性がある。
本実施形態では、スリーブ11に上記した逃げ部11eを形成したので、プランジャチップ15とスリーブ11との干渉を確実に防ぐことができる。
【0033】
プランジャチップ15を所定の給湯位置に移動したのち、たとえば、ラドル200を用いてスリーブ11に所定量の金属溶湯MLを供給する。
次いで、図8に示すように、プランジャチップ15を前進させ、キャビティC内にスリーブ11内の金属溶湯MLを射出、充填する。キャビティC内において、金属溶湯MLが凝固すると、製品が得られる。
固定金型92に対して移動金型94を開いたのち、移動金型94から押出ピン99により製品を押し出す。これにより、鋳造の一サイクルが完了する。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、スリーブ11に隣接して受け部材25を設け潤滑剤Lbを保持する構成としたので、無駄な潤滑剤Lbの消費を抑えることができる。
また、受け部材25上でプランジャチップ15を回転させることにより、プランジャチップ15の外周面15fの全面に均一に潤滑剤Lbを塗布することができる。
さらに、プランジャチップ15のスリーブ11に対する回転位置を鋳造サイクル毎に変更することにより、プランジャチップ15に発生する摩耗の偏りを抑えることができ、プランジャチップ15の寿命(交換時期)を延ばすことができる。
【0035】
第2実施形態
図9は、本発明の第2の実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す図である。
図9に示すダイカストマシン200は、上述した第1の実施形態に係る受け部材25が存在しない点以外、第1の実施形態に係るダイカストマシン1と同一の構成である。
【0036】
本実施形態に係るダイカストマシン200では、回転駆動機構30によってプランジャチップ15のスリーブ11に対する回転位置を、鋳造毎あるいは定期的に変更する。
回転位置の変更方法は、図6において説明したように、180°毎に変更してもよいし、他の所定の角度毎に変更してもよい。
このような構成とすることにより、プランジャチップ15に発生する摩耗の偏りを抑えることができ、プランジャチップ15の寿命(交換時期)を延ばすことができる。
【0037】
本発明は上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態では、プランジャチップ15の上方から潤滑剤Lbを直接滴下する構成としたが、たとえば、潤滑剤Lbを滴下するのではなく、潤滑剤Lbを受け部材25の対向面25fに供給する構成としてもよい。受け部材25の対向面25fに供給し、プランジャチップ15を回転させることにより、プランジャチップ15の外周面15fに均一に潤滑剤Lbを塗布することができ、潤滑剤Lbの消費をさらに抑えることができる。なお、受け部材25の対向面25fへの潤滑剤Lbの供給は、たとえば、受け部材25の外周から内周へ貫通する流路を形成し、この流路に潤滑剤Lbを供給する供給管を接続することにより可能である。
【0038】
また、上述した第1の実施形態では、プランジャチップ15の回転位置の変更を鋳造毎に行う構成としたが、たとえば、鋳造毎ではなく、定期的あるいは不定期に行ってもよい。また、180°毎に回転位置を変更するのではなく、他の角度毎に変更してもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、スリーブおよびプランジャチップの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたダイカストマシンの一例を示す図である。
【図2】図1に示したダイカストマシンの型締時の状態を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの射出部の構成を示す断面図である。
【図4】図3におけるA−A線方向の断面図である。
【図5】受け部材の構造を示す平面図である。
【図6】受け部材に対するプランジャチップの回転位置の変更方法の一例を説明するための図である。
【図7】プランジャチップを所定の給湯位置に位置決めした状態を示す図である。
【図8】金属溶湯を射出、充填した状態を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す図である。
【符号の説明】
1…ダイカストマシン
10…射出部
20…射出シリンダ装置
11…スリーブ
15…プランジャチップ
16…プランジャロッド
25…受け部材
26…カップリング
30…回転駆動機構
32,35…歯車
ML…金属溶湯
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイカストマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるコールドチャンバダイカストマシンは、溶解炉において溶解された金属溶湯を、たとえば、ラドルで汲み上げてスリーブへ供給し、このスリーブへ供給された金属溶湯をプランジャで金型に形成されたキャビティに射出、充填する機械である。
プランジャは、シリンダ装置によって前進、後退されるプランチャロッドと、このプランチャロッドの先端に連結されたプランジャチップとを有しており、プランジャチップはスリーブの内周に嵌合する。
上記のプランジャチップは、高温下においてスリーブに対して摺動しながら繰り返し前後動する。このため、スリーブおよびプランジャチップの間には摩耗が発生しやすい。このため、スリーブとプランジャチップは定期的に交換される消耗品である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スリーブやプランジャチップの摩耗を抑える等の目的で、鋳造毎にプランジャチップの外周面に潤滑剤を塗布することが行われている。
従来、プランジャチップの外周面への潤滑剤の塗布は、プランジャチップの上方から潤滑剤を滴下することにより行われていた。
しかしながら、この方法では、プランジャチップの外周面の全周に潤滑剤をいきわたらせるためには、多量の潤滑剤を滴下する必要があった。また、この方法では、プランジャチップの外周面に均一に潤滑剤を塗布するのが困難であった。
プランジャチップの外周面に均一に潤滑剤を塗布しないと、余分な潤滑剤がガスとして製品内部に入り込み、製品の品質を低下させる一因となる。
【0004】
一方、プランジャチップは、スリーブに対して前進、後退されるのみであり、回転位置は一定である。このため、スリーブへの金属溶湯の供給時には下側部分に金属溶湯が触れやすく、この金属溶湯が接触する下側部分に摩耗が発生しやすい。すなわち、プランジャチップの摩耗の発生量には偏りがあり、この偏りがプランジャチップの寿命をさらに短くさせる原因となっていた。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、プランジャチップへ滴下する潤滑剤の量を低減できるとともに、スリーブおよびプランジャチップの寿命を延ばすことができるダイカストマシンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に係るダイカストマシンは、金型に形成されるキャビティに連通し、水平方向に沿って配置されたるスリーブと、前記スリーブに嵌合するプランジャチップおよび前記プランジャチップに連結されたプランジャロッドを有するプランジャと、前記プランジャロッドに連結され前記プランジャチップを前記スリーブに対して進退させる射出シリンダ装置とを有するダイカストマシンであって、前記スリーブ外へ移動した前記プランジャチップの外周面に部分的に対向する対向面を備える受け部材が前記スリーブの一端部に設けられていることを特徴とする。
【0007】
好適には、前記受け部材は、前記プランジャチップの下側に配置されており、前記スリーブの内周端部には、前記スリーブと前記プランジャチップの上側端部との干渉を防ぐ逃げ部が形成されている。
【0008】
また、好適には、本発明の第1の観点に係るダイカストマシンは、前記受け部材に対して前記プランジャチップを回転させる回転駆動手段をさらに有する。
【0009】
さらに好適には、前記回転駆動手段は、前記プランジャチップの前記スリーブに対する回転位置を回転前の位置とは異なる位置に位置決めする。
【0010】
本発明の第2の観点に係るダイカストマシンは、金型に形成されるキャビティに連通し、水平方向に沿って配置されたるスリーブと、前記スリーブに嵌合するプランジャチップおよび前記プランジャチップに連結されたプランジャロッドを有するプランジャと、前記プランジャロッドに連結され前記プランジャチップを前記スリーブに対して進退させる射出シリンダ装置とを有するダイカストマシンであって、前記プランジャチップの前記スリーブに対する回転位置を変更する回転位置変更手段を有する。
【0011】
本発明の第1の観点によれば、受け部材の対向面とプランジャチップの外周面との間で潤滑剤を保持することにより、対向面とプランジャチップの外周面には、潤滑剤が十分にいきわたる。
この受け部材の対向面とプランジャチップの外周面との間で潤滑剤を保持した状態で、プランジャチップを回転させると、外周面の全面に潤滑剤が確実にいきわたり、均一に潤滑剤が塗布される。このとき、プランジャチップのスリーブに対する回転位置を回転前の位置とは異なる位置に位置決めすることにより、プランジャチップの摩耗の偏りの発生を抑制できる。
【0012】
本発明の第2の観点によれば、回転位置変更手段がプランジャチップの記スリーブに対する回転位置を変更することにより、プランジャチップの摩耗の偏りの発生を抑制できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1の実施形態
図1は、本発明が適用されたダイカストマシンの一例を示す図である。
図1において、ダイカストマシン1は、ベース100と、ベース100上に固定された固定ダイプレート91と、固定ダイプレート91に取り付けられた固定金型92と、固定ダイプレート91に対向してベース100上を移動可能に設けられた移動ダイプレート93と、固定金型92に対向するように移動ダイプレート93に取付られた移動金型94と、移動ダイプレート93を間において固定ダイプレート91とタイバー95によって連結されたリンクハウジング121と、リンクハウジング121と移動ダイプレート93とを連結するトグル型締機構109と、固定ダイプレート91の背面側に設けられた射出部10とを備えている。
【0014】
固定ダイプレート91は、ベース100に固定されている。リンクハウジング121は、通常、タイバー95に固定されているが、金型交換に伴うダイハイトの調整の際にタイバー95に対して移動する。移動ダイプレート93はベース上を移動可能に設けられている。
リンクハウジング121と固定ダイプレート91とは、移動ダイプレート93を貫通するタイバー95によって連結されており、タイバー95は通常4本設けられている。
【0015】
リンクハウジング121と移動ダイプレート93とを連結するトグル型締機構109は、図2においては上下二組のリンク系110を備え、その一方の構成のみ詳細に図示している。各リンク系は、複数のリンクで構成されている。各リンク系はアングル状の第1のリンク110−1と直線状リンク110−2とを備える。第1リンク110−1は一端がリンクハウジング121に他端がクロスヘッド105に枢着される。第2リンク110−2は一端がリンクハウジング121およびクロスヘッド105に対する枢着点の間での位置で第1リンク110−1に枢着され、他端は移動ダイプレート93に枢着されている。
このトグル機構109の第1リンクに枢着されたクロスヘッド105はねじ軸106に沿って矢印A1またはA2方向に移動することによりトグル機構109は作動し、リンクハウジング121と移動ダイプレート93とを接近または離隔させる。
ネジ軸106は、後述するように、リンクハウジング121に設けられたサーボモータによって駆動され、ネジ軸106の回転によってこれに螺合するクロスヘッド105が矢印A1またはA2方向に移動する。
【0016】
図3に示すように、クロスヘッド105の矢印A2方向への移動につれてトグル機構109が作動し、移動ダイプレート93はリンクハウジング121に対して離隔する向き(型閉方向)に移動し、固定金型92と移動金型94の型閉が行われ、さらに、クロスヘッド105を矢印A2方向に移動させると、タイバー95に張力が作用して固定金型92と移動金型94との締め付けが行われる。
移動金型94と固定金型92とを型締した状態で、射出部10により、移動金型94と固定金型92とで形成されるキャビティにアルミニウム合金等の金属溶湯を射出充填し、ダイカスト製品を成形する。
【0017】
一方、ダイカスト製品を成形して移動金型94を開いてこのダイカスト製品を取り出すには、図3に示すように、クロスヘッド105の矢印A1方向への移動につれて、移動ダイプレート93はトグル機構109のリンク110を介しリンクハウジング121に対して接近する向き(型開方向)に移動し、移動金型94は固定金型92に対して開く。このとき、図示しない押出ピンによって移動金型94にあるダイカスト製品を押し出す。
【0018】
図3は、上記構成のダイカストマシン1の射出部10の構成を示す断面図である。
図3において、射出部10は、スリーブ11と、受け部材25と、プランジャチップ15およびプランジャロッド16からなるプランジャと、射出シリンダ装置20と、回転駆動機構30とを有する。
【0019】
スリーブ11は、水平方向に沿って固定ダイプレート91に保持されている。このスリーブ11は、両端部が開口する円筒状の金属製の部材で形成され、固定金型92と移動金型94との間に形成されるキャビティCに連通している。スリーブ11の後方側の上部には、スリーブ11内に金属溶湯を供給する注入口11aが開口している。
【0020】
プランジャチップ15は、スリーブ11の内周に嵌合する円柱状の金属製の部材で形成されている。このプランジャチップ15は、プランジャロッド16の先端部に、たとえば、螺合により固定されている。
【0021】
プランジャロッド16は、後端部がカップリング26を介して射出シリンダ装置20のピストンロッド21に連結され、水平方向に沿って配置されている。
カップリング26は、軸方向にのみプランジャロッド16とピストンロッド21とを連結しており、回転方向については連結していない。このため、プランジャロッド16は、ピストンロッド21の軸心回りに回転自在となっている。すなわち、プランジャチップ15のスリーブ11に対して回転可能となっている。
【0022】
射出シリンダ装置20は、ピストンロッド21を内蔵しており、このピストンロッド21を進退方向B1およびB2に駆動する。この射出シリンダ装置20は、図示しない位置検出器により検出されるピストンロッド21(あるいはプランジャ)の位置情報に基づいて、位置制御、速度制御および圧力制御される。射出シリンダ装置20は、油圧によって駆動される。
【0023】
回転駆動機構30は、歯車32を備えており、この歯車32の回転位置制御を行う。歯車32は、図3において、プランジャロッド16に固定された歯車35と噛み合っている。歯車32を回転駆動することにより、歯車35を介してプランジャロッド16が回転する。なお、回転駆動機構30によるプランジャチップ15の具体的な回転制御については後述する。
なお、回転駆動機構30および歯車35は、本発明の回転駆動手段および回転位置変更手段の一実施態様である。
【0024】
受け部材25は、スリーブ11の後端部に隣接して配置されている。この受け部材25はスリーブ11に固定されている。
図4および図5は、受け部材25の構造を示す図であって、図4は図3のA−A線方向の断面図であり、図5は平面図である。
受け部材25は、半円筒状の部材で形成されており、受け部材25の内周面は、プランジャチップ15の外周面15fに対向する対向面25fとなっている。この対向面25fの曲率半径は、プランジャチップ15の外周面15fの曲率半径よりも若干大きく形成されており、対向面25fと外周面15fとの間に微小な隙間が形成されている。
【0025】
受け部材25は、スリーブ11の下側に固定されている。なお、受け部材25の形状は、半円筒状でなくてもよく、スリーブ11の最上位置近傍まで延びていてもよいし、あるいは、半円筒のさらに一部であってもよいが、プランジャチップ15の外周面15fに上方から潤滑剤を直接滴下できるようにプランジャチップ15の外周面15fの上側を開放する形状である必要がある。
また、受け部材25の対向面25fには、潤滑剤を溜めるための複数条の溝部25tが形成されている。これらの溝部25tは、スリーブ11の軸方向に沿って延びている。
【0026】
スリーブ11の後端部の内周の上側には、図4に示すように、逃げ部11eが形成されている。この逃げ部11eは、スリーブ11の後端部における内周の上側をテーパ状に加工して形成されている。逃げ部11eは、プランジャチップ15をスリーブ11外へ移動したのち再びスリーブ11内へ挿入するときに、スリーブ11の後端部の内周の上側部分とプランジャチップ15の上側端部との干渉を防ぐために形成されている。
【0027】
次に、上記構成のダイカストマシン1の射出部10の動作の一例について説明する。
まず、図3に示したように、射出シリンダ装置20を駆動して、プランジャチップ15をスリーブ11の外部に後退させ、受け部材25上に位置決めする。
【0028】
この状態から、受け部材25の上方に配置した潤滑剤供給部40から液体の潤滑剤Lbをプランジャチップ15の外周面15f上に所定量を直接滴下する。なお、潤滑剤供給部40は、プランジャチップ15をスリーブ11の外部に後退させたときに受け部材25の上方に移動させてもよいし、常時、受け部材25の上方に配置していてもよい。
【0029】
潤滑剤供給部40から滴下された潤滑剤Lbは、プランジャチップ15の外周面15fの上側に塗布されるととともに、プランジャチップ15の外周面15fと受け部材25の対向面25fの間に形成された隙間に侵入する。
このため、プランジャチップ15の外周面15fと受け部材25の対向面25fとの間に潤滑剤Lbが保持される。このとき、受け部材25の対向面25fには、複数の溝25tが形成されているため、この溝25tにより十分な量の潤滑剤Lbが保持される。
【0030】
潤滑剤供給部40からの潤滑剤Lbの滴下の完了後、回転駆動機構30によりプランジャロッド16(プランジャチップ15)を回転させる。プランジャチップ15を回転することにより、プランジャチップ15の外周面15fに潤滑剤Lbが均一に塗布される。
プランジャチップ15の回転量は、プランジャチップ15の外周面15fの全面に均一に潤滑剤Lbが塗布されるのに必要な回転量である必要がある。少なくとも180°回転させるのが好ましい。
【0031】
本実施形態では、プランジャチップ15のスリーブ11に対する回転位置を回転前の位置とは異なる位置に位置決めする。これは、プランジャチップ15とスリーブ11との相対回転位置を鋳造毎に変化させて、プランジャチップ15の摩耗に偏りが発生するのを防ぐためである。
たとえば、図6(a)に示すように、プランジャチップ15の外周面の基準位置Pbが最上部に位置しているとした場合に、所定の向きにプランジャチップ15を回転させたのち、図6(b)に示すように、基準位置Pbが最下部に移動する位置でプランジャチップ15の回転を停止させる。すなわち、プランジャチップ15を複数回転あるいは半回転させる。
図6(b)に示す位置において鋳造を行ったのち、再び鋳造を行う前には、同様に回転させ、図6(c)に示す位置において停止させる。
本実施形態では、このようなプランジャチップ15の回転位置の変更を鋳造毎に行う。
【0032】
プランジャチップ15を回転させ、かつ、プランジャチップ15の回転位置を変更したのち、図7に示すように、プランジャチップ15を前進させ、所定の給湯位置に位置決めする。この所定の給湯位置は、たとえば、注入口11aの直前位置である。
プランジャチップ15をスリーブ11外からスリーブ11内に移動するとき、プランジャチップ15と受け部材25との間には潤滑剤Lbが介在するので、プランジャチップ15が受け部材25に対して若干浮く可能性がある。プランジャチップ15が受け部材25に対して浮いた状態となると、プランジャチップ15の先端の上側部分がスリーブ11の内周縁部に干渉し、プランジャチップ15が円滑にスリーブ11内に挿入されない可能性がある。
本実施形態では、スリーブ11に上記した逃げ部11eを形成したので、プランジャチップ15とスリーブ11との干渉を確実に防ぐことができる。
【0033】
プランジャチップ15を所定の給湯位置に移動したのち、たとえば、ラドル200を用いてスリーブ11に所定量の金属溶湯MLを供給する。
次いで、図8に示すように、プランジャチップ15を前進させ、キャビティC内にスリーブ11内の金属溶湯MLを射出、充填する。キャビティC内において、金属溶湯MLが凝固すると、製品が得られる。
固定金型92に対して移動金型94を開いたのち、移動金型94から押出ピン99により製品を押し出す。これにより、鋳造の一サイクルが完了する。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、スリーブ11に隣接して受け部材25を設け潤滑剤Lbを保持する構成としたので、無駄な潤滑剤Lbの消費を抑えることができる。
また、受け部材25上でプランジャチップ15を回転させることにより、プランジャチップ15の外周面15fの全面に均一に潤滑剤Lbを塗布することができる。
さらに、プランジャチップ15のスリーブ11に対する回転位置を鋳造サイクル毎に変更することにより、プランジャチップ15に発生する摩耗の偏りを抑えることができ、プランジャチップ15の寿命(交換時期)を延ばすことができる。
【0035】
第2実施形態
図9は、本発明の第2の実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す図である。
図9に示すダイカストマシン200は、上述した第1の実施形態に係る受け部材25が存在しない点以外、第1の実施形態に係るダイカストマシン1と同一の構成である。
【0036】
本実施形態に係るダイカストマシン200では、回転駆動機構30によってプランジャチップ15のスリーブ11に対する回転位置を、鋳造毎あるいは定期的に変更する。
回転位置の変更方法は、図6において説明したように、180°毎に変更してもよいし、他の所定の角度毎に変更してもよい。
このような構成とすることにより、プランジャチップ15に発生する摩耗の偏りを抑えることができ、プランジャチップ15の寿命(交換時期)を延ばすことができる。
【0037】
本発明は上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態では、プランジャチップ15の上方から潤滑剤Lbを直接滴下する構成としたが、たとえば、潤滑剤Lbを滴下するのではなく、潤滑剤Lbを受け部材25の対向面25fに供給する構成としてもよい。受け部材25の対向面25fに供給し、プランジャチップ15を回転させることにより、プランジャチップ15の外周面15fに均一に潤滑剤Lbを塗布することができ、潤滑剤Lbの消費をさらに抑えることができる。なお、受け部材25の対向面25fへの潤滑剤Lbの供給は、たとえば、受け部材25の外周から内周へ貫通する流路を形成し、この流路に潤滑剤Lbを供給する供給管を接続することにより可能である。
【0038】
また、上述した第1の実施形態では、プランジャチップ15の回転位置の変更を鋳造毎に行う構成としたが、たとえば、鋳造毎ではなく、定期的あるいは不定期に行ってもよい。また、180°毎に回転位置を変更するのではなく、他の角度毎に変更してもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、スリーブおよびプランジャチップの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたダイカストマシンの一例を示す図である。
【図2】図1に示したダイカストマシンの型締時の状態を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの射出部の構成を示す断面図である。
【図4】図3におけるA−A線方向の断面図である。
【図5】受け部材の構造を示す平面図である。
【図6】受け部材に対するプランジャチップの回転位置の変更方法の一例を説明するための図である。
【図7】プランジャチップを所定の給湯位置に位置決めした状態を示す図である。
【図8】金属溶湯を射出、充填した状態を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るダイカストマシンの構成を示す図である。
【符号の説明】
1…ダイカストマシン
10…射出部
20…射出シリンダ装置
11…スリーブ
15…プランジャチップ
16…プランジャロッド
25…受け部材
26…カップリング
30…回転駆動機構
32,35…歯車
ML…金属溶湯
Claims (6)
- 金型に形成されるキャビティに連通し、水平方向に沿って配置されたるスリーブと、前記スリーブに嵌合するプランジャチップおよび前記プランジャチップに連結されたプランジャロッドを有するプランジャと、前記プランジャロッドに連結され前記プランジャチップを前記スリーブに対して進退させる射出シリンダ装置とを有するダイカストマシンであって、
前記スリーブ外へ移動した前記プランジャチップの外周面に部分的に対向する対向面を備える受け部材が前記スリーブの一端部に設けられていることを特徴とする
ダイカストマシン。 - 前記受け部材は、前記プランジャチップの下側に配置されており、
前記スリーブの内周端部には、前記スリーブと前記プランジャチップの上側端部との干渉を防ぐ逃げ部が形成されている
請求項1に記載のダイカストマシン。 - 前記受け部材に対して前記プランジャチップを回転させる回転駆動手段をさらに有する
請求項1または2に記載のダイカストマシン。 - 前記回転駆動手段は、前記プランジャチップの前記スリーブに対する回転位置を回転前の位置とは異なる位置に位置決めする
請求項3に記載のダイカストマシン。 - 前記プランジャチップは、前記スリーブに供給された金属溶湯を前進により前記キャビティへ射出、充填したのち、前記受け部材の位置まで後退し、潤滑剤が塗布されたのち、前記スリーブ内の所定の給湯位置まで前進し、再び前記スリーブに供給された金属溶湯を前進により前記キャビティへ射出、充填する
請求項1〜4のいずれかに記載のダイカストマシン。 - 金型に形成されるキャビティに連通し、水平方向に沿って配置されたるスリーブと、前記スリーブに嵌合するプランジャチップおよび前記プランジャチップに連結されたプランジャロッドを有するプランジャと、前記プランジャロッドに連結され前記プランジャチップを前記スリーブに対して進退させる射出シリンダ装置とを有するダイカストマシンであって、
前記プランジャチップの前記スリーブに対する回転位置を変更する回転位置変更手段を有する
ダイカストマシン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003047904A JP2004255408A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | ダイカストマシン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003047904A JP2004255408A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | ダイカストマシン |
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Family Applications (1)
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JP2003047904A Pending JP2004255408A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | ダイカストマシン |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004255408A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011140062A (ja) * | 2010-01-08 | 2011-07-21 | Toyota Motor Corp | ダイカストマシンの射出プランジャ構造および射出方法 |
CN103286295A (zh) * | 2013-05-14 | 2013-09-11 | 吉林大学 | 带有密封环的仿生自润滑压铸冲头 |
JP2018069283A (ja) * | 2016-10-28 | 2018-05-10 | 東芝機械株式会社 | ダイカスト成形用射出プランジャおよびダイカスト成形用射出装置 |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003047904A patent/JP2004255408A/ja active Pending
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