JP2004255017A - 超音波プローブおよび超音波診断装置 - Google Patents

超音波プローブおよび超音波診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、より安全で信頼性の高い超音波プローブおよび超音波診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】温度センサ43からの検出信号をプローブマイコン13で温度に演算処理し、その演算結果に基づき、超音波伝搬媒質が設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段がある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を送受信して体内臓器の状態を観察・診断する超音波プローブおよび超音波診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来超音波プローブに温度センサを搭載した装置としては、音響レンズおよび音響カプラーの温度変動に対応したものであって、温度センサで温度を測定し、その温度値と設定値との差を本体側のCPUで演算処理して補正を加えて、例えばフォーカス物理量などを調整して画像表示するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、スタンドオフ用カプラーを使用した超音波プローブでは、カプラー材質の温度が変化しても画像ひずみやデフォーカスが発生するので、カプラー内の温度を測定し、その測定温度と設定温度との差を求め、温度依存性のあるパラメータ、例えば、受信エコー信号に対する受信遅延時間、受信エコー信号に対する可変口径・可変フォーカス制御時の受信フォーカスの切換タイミングなどを補正して画像表示をする超音波診断装置が知られている(例えば特許文献2および特許文献3参照)。
【0004】
一般に知られている超音波プローブに温度センサを使用して温度を測定する目的は、超音波信号が温度に依存した速度を持っているために、その温度を測定して補正を加えることでより正確な超音波画像を得ることである。電子走査型の超音波プローブであって、超音波振動子からの発熱による温度変化や被検体の温度での影響を極力小さくしようとしたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−245935号公報(第9−13頁、図1、図3、図6、図7、図12)
【特許文献2】
特開平7−178089号公報(第6−7頁、図1、図4)
【特許文献3】
特開平10−127632号公報(第6頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置では、超音波信号が温度に依存した速度を持っているために正確な超音波画像を得ることができないので、温度センサを使用して温度を測定して補正を加えることで、超音波振動子からの発熱による温度変化や被検体の温度での影響を極力小さくしようとしたものであって、超音波プローブの温度情報による故障などに対するものではない。
【0007】
超音波プローブの操作者が温度情報を見落したり、超音波診断を受ける患者に誤った診断を与える可能性がないように、より安全で信頼性の高い、超音波画像が良く、取り扱いが簡単な超音波プローブおよび超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の超音波プローブは、
(1)超音波プローブの先端に超音波振動子を駆動する駆動モータを構成し、その駆動モータに直接、超音波振動子を取り付ける。
(2)超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸を中心に超音波振動子を回転させる駆動モータの駆動回路と駆動制御するプローブマイコンをプローブ側に搭載する。
(3)超音波振動子を回転させる駆動モータの駆動回路と駆動制御するプローブマイコンを装置本体に接続するコネクタボックス内に搭載する。
(4)温度センサを超音波プローブの先端に組み込む。先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、超音波振動子の発熱による影響と駆動モータによる影響を判断する。
(5)温度センサの抵抗値を超音波プローブのハンドル部分で電圧値に検出する変換部を設ける。
(6)温度センサの抵抗値を電圧に変換して、A/Dコンバータでデジタル値に変換してプローブマイコンで演算処理を行う。
(7)温度センサからの検出信号をプローブマイコンで演算処理を行い、その演算結果を本体装置側に伝達する手段がある。
(8)温度センサはサーミスタを使用。
(9)温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、超音波伝搬媒質が設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段がある。
(10)超音波伝搬媒質が設定温度以上になると超音波プローブの動作が停止状態であることを超音波診断装置本体に通知する。
(11)温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段を備え、ひとたび動作を停止すると超音波プローブ側の判断では超音波伝搬媒質の温度が設定温度以下になっても動作状態に再び戻ることのない、不可逆性を有する。
(12)ひとたび動作を停止すると超音波伝搬媒質の温度が設定温度以下になったら、装置本体からの指令でもって動作状態に復帰する。
(13)超音波プローブでの超音波伝搬媒質の温度について、プローブと装置本体の双方で情報を把握している。
(14)駆動モータに取り付けた超音波振動子の超音波ビームの軌跡面画像を構成するための位置情報をプローブマイコンで処理を行い、通信手段をもって、装置本体側へ送受信する。基準位置情報とAB相の信号を波形処理して、プローブ側のマイコンで情報処理し、位置情報をビット情報量に変換してシリアル通信手段等でプローブ側と本体側と送受信して、情報伝達を行う。
(15)プローブマイコンと本体マイコン(ホストCPU)は位置情報以外に超音波プローブの温度や駆動モータの状態を伝達している。位置情報以外もビット情報量に変換してシリアル通信手段等でプローブ側と本体側と送受信して、情報伝達を行う。
【0009】
以上のことから超音波プローブ先端部の温度を検出する検出手段(温度センサ)と、検出手段による温度検出値により超音波プローブの動作を停止させる手段を備え、これにより、より安全で信頼性の高い超音波プローブおよび超音波診断装置を実現することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は生体の情報を検出しエコー信号を出力する超音波プローブとそのエコー信号を画像処理する本体部とを備える超音波診断装置の超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータに直接取付けて、駆動モータを駆動させることで超音波振動子を回転させる駆動モータを超音波プローブの先端部に構成し、さらにその超音波プローブ先端部に温度センサを搭載したことを特徴とする超音波プローブとしたものであり、超音波プローブの先端に超音波振動子を駆動する駆動モータを構成し、その駆動モータに直接、超音波振動子を取り付けることで、部品のばらつきや経年変化や環境変化に伴っての位置情報誤差をなくすることができ、温度センサを超音波プローブの先端に組み込むことで、先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、超音波振動子の発熱による影響と駆動モータによる影響を判断して、超音波プローブの操作者が温度情報を見落したり、超音波診断を受ける患者に誤った診断を与える可能性がないように、より安全で信頼性の高い、超音波画像の良い超音波プローブができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明は超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースを具備し、超音波振動子と前記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを超音波伝播媒質でウインドウケース内に内包した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸を中心に超音波振動子を回転させる駆動モータの駆動回路と駆動制御するプローブマイコンをプローブ側に搭載し、さらに、その超音波プローブ先端部に温度センサを搭載して、先端部の超音波伝搬媒質の温度をその温度センサで検出して、その信号検出値から温度値に変換する演算処理を、前記プローブマイコンで行うことを特徴とする超音波プローブとしたものであり、超音波プローブの先端に超音波振動子を駆動する駆動モータを構成し、その駆動モータに直接、超音波振動子を取り付けることで、超音波振動子を駆動するモータを超音波プローブの先端に構成した小型な超音波プローブができる。さらに駆動モータを制御駆動する回路部を超音波プローブ側に構成することで、プローブ側で駆動モータのシステムは完結できる。さらに、温度センサを超音波プローブの先端に組み込むことで、先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、測定温度の演算処理を駆動制御にも使用するプローブマイコンで行うことで、温度検出から演算処理を超音波プローブ側で行うことができる。
【0012】
本発明の請求項3に記載の発明は超音波プローブの先端部に温度センサを組み込み、その温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、超音波伝搬媒質が設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段を備えたことを特徴とする請求項1および請求項2記載の超音波プローブとしたものであり、超音波プローブの先端に組み込んだ温度センサで先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、測定温度の演算処理をおこなったプローブマイコンで、超音波伝搬媒質が設定温度以上になったら、駆動モータを停止させて超音波振動子の回転動作を停止させることで、超音波振動子の発熱による影響と駆動モータによる影響を減少させて、より安全で信頼性の高い超音波プローブを提供することができる。
【0013】
本発明の請求項4に記載の発明は超音波プローブの先端部に温度センサを組み込み、その温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段を備え、ひとたび動作を停止すると超音波プローブ側の判断では超音波伝搬媒質の温度が設定温度以下になっても動作状態に再び戻ることのない、不可逆性を有することを特徴とする請求項1から請求項3記載の超音波プローブとしたものであり、温度センサでもって測定された温度が設定温度以上になると、超音波プローブの駆動モータの停止や超音波振動子の回転停止およびその他電力を供給している箇所への電力供給を停止させるので、温度上昇するのを未然に防ぐことができる。ひとたび設定温度になり動作を停止させると、設定温度以下になっても超音波プローブ側での判断で動作状態には復帰しないので、設定温度以上になった履歴を確実に保持することができるので、より安全で信頼性の高い超音波プローブを実現することができる。
【0014】
本発明の請求項5に記載の発明は前記温度センサがサーミスタであることを特徴とする請求項1から請求項4記載の超音波プローブとしたものであり、温度センサとしてのサーミスタは温度によって抵抗値が変更するので、その抵抗値を測定することで温度を知ることができる。すなわち、温度センサの抵抗値を電圧に変換して、A/Dコンバータでデジタル値に変換してプローブマイコンで演算処理を行うことでデジタル量として温度を知ることができる。
【0015】
本発明の請求項6に記載の発明は前記温度センサの抵抗値を検出処理する回路をハンドル部分に構成したことを特徴とする請求項1から請求項5記載の超音波プローブとしたものであり、温度センサの抵抗値を超音波プローブのハンドル部分で電圧値に検出する変換部を設けることで、サーミスタの感温部からのリード線引き回しの影響を少なくできるので、より正確な超音波伝搬媒質の温度を測定することができる。
【0016】
本発明の請求項7に記載の発明は超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースを具備し、超音波振動子と前記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを超音波伝播媒質でウインドウケース内に内包した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸を中心に超音波振動子を回転させる駆動モータの駆動回路と駆動制御するプローブマイコンをプローブ側に搭載し、さらに、その超音波プローブ先端部に温度センサを搭載して、先端部の超音波伝搬媒質の温度をその温度センサで検出して、その信号検出値から温度値に変換する演算処理を、前記プローブマイコンで行い、その演算結果を本体装置に通知する手段を備えたことを特徴とする超音波プローブとしたものであり、超音波プローブの先端に超音波振動子を駆動する駆動モータを構成し、その駆動モータに直接、超音波振動子を取り付けることで、超音波振動子を駆動するモータを超音波プローブの先端に構成した小型な超音波プローブができる。さらに駆動モータを制御駆動する回路部を超音波プローブ側に構成することで、プローブ側で駆動モータのシステムは完結できる。さらに、温度センサを超音波プローブの先端に組み込むことで、先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、測定温度の演算処理を駆動制御にも使用するプローブマイコンで行うことで、温度検出から演算処理を超音波プローブ側で行うことができる。さらに、超音波伝搬媒質の温度を本体装置に通知する。通知をもとに温度をディスプレーに表示することもできるので、その都度の温度が把握でき、超音波プローブの操作者が温度情報を見落したり、超音波診断を受ける患者に誤った診断を与える可能性がないように、より安全で信頼性の高い、超音波画像の良い超音波プローブができる。
【0017】
本発明の請求項8に記載の発明は超音波プローブの先端部に温度センサを組み込み、その温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、超音波伝搬媒質が設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段を備え、超音波プローブの動作が停止状態にあることを、超音波診断装置に通知する手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の超音波プローブとしたものであり、超音波プローブの先端に組み込んだ温度センサで先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、測定温度の演算処理をおこなったプローブマイコンで、超音波伝搬媒質が設定温度以上になったら、駆動モータを停止させて超音波振動子の回転動作を停止させ、さらにその停止状態を超音波診断装置に通知することで、停止状態が温度上昇によるものであることを操作者が認識することができるので、速やかに原因の特定と修理依頼等の対処ができる。
【0018】
本発明の請求項9に記載の発明は超音波プローブの先端部に温度センサを組み込み、その温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段を備え、超音波プローブの動作が停止状態にあることを、超音波診断装置に通知する手段を備え、ひとたび動作を停止すると超音波プローブ側の判断では超音波伝搬媒質の温度が設定温度以下になっても動作状態に再び戻ることのない、不可逆性を有し、装置本体側からの指令でもって復帰することを特徴とする請求項8記載の超音波プローブとしたものであり、温度センサでもって測定された温度が設定温度以上になると、超音波プローブの駆動モータの停止や超音波振動子の回転停止およびその他電力を供給している箇所への電力供給を停止させるので、温度上昇するのを未然に防ぐことができる。ひとたび設定温度になり動作を停止させると、設定温度以下になっても超音波プローブ側での判断で動作状態には復帰しないので、設定温度以上になった履歴を確実に保持することができるが、復帰する場合は装置本体側からの指令でもって動作復帰することで、復帰する場合の安全性を確保したうえでおこなうことができるので、より信頼性の高い超音波プローブを実現することができる。
【0019】
本発明の請求項10に記載の発明は超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸を中心に超音波振動子を回転させる駆動モータの駆動回路と駆動制御するプローブマイコンを装置本体に接続するコネクタボックス内に搭載し、駆動モータに取り付けた超音波振動子の超音波ビームの軌跡面画像を構成するための位置情報をプローブマイコンで処理を行い、通信手段をもって、装置本体側へ送受信することができることを特徴とする請求項1から請求項9記載の超音波プローブとしたものであり、駆動モータの駆動軸と超音波振動子の回転軸が同一軸であるので、駆動モータの位置情報が超音波振動子の位置情報に採用できるので、超音波振動子の画像位置情報とモータの回転位置情報と連動することで、駆動モータが回転変動しても超音波振動子の画像情報を正確な角度情報として使用でき、画質及び精度の良い超音波画像が得られる。さらに画像の位置情報は駆動モータの位置情報をプローブマイコンで処理を行い、本体装置側へシリアル通信などの通信インタフエースでもって情報伝達する。その通信には温度センサの温度を演算処理するプローブマイコンの通信インタフェース端子を使用する。
【0020】
本発明の請求項11に記載の発明は請求項1から請求項10記載の超音波プローブであって、超音波プローブでの超音波伝搬媒質の温度について、プローブと装置本体の双方で情報を把握したことを特徴とする超音波診断装置としたものであり、温度センサによって測定された超音波伝搬媒質が設定温度以上になったら、超音波プローブの動作を停止させる手段を備えた構成を採り、超音波プローブの動作が停止状態にあることを、超音波診断装置に通知する手段を備えた構成を採る。これらの構成により、超音波プローブの温度が上昇した場合、超音波プローブの駆動モータへの電力供給も停止し、超音波プローブの動作が停止状態にあることを、このプローブを接続された超音波診断装置に伝達する。より安全性および信頼性が増大する。超音波プローブの動作が停止していることが把握でき、原因の特定が速やかに行われ、修理や検査等の対処も行いやすい。さらに、点検・保守を促すメッセージや点検・保守の際の連絡先を表示することもできる。
【0021】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0022】
(実施例1)
本発明の実施例は、超音波プローブ先端に内蔵された振動子をモータで回転することにより断面位置を任意に変えることのできるいわゆるマルチプレーン型の超音波プローブ及び超音波診断装置に関するものである。
【0023】
図1は本発明の一実施例における走査型超音波プローブを使用した超音波診断装置の全体を示す概略ブロック図である。また、図2に体腔内挿入型超音波プローブの外観斜視図を示す。この超音波プローブは、食道や腸などの消化器官診断や血管へ直接挿入して振動子を走査させて超音波診断を行うものである。図3は本発明の一実施例による超音波診断装置の装置本体である。図4は超音波振動子を駆動する駆動モータの断面図である。
【0024】
本実施例の超音波診断装置は超音波プローブと本体システム部(または本体装置)から構成される。超音波プローブは先端(または挿入部)1とハンドル(または操作部、手元操作部)2とコネクタボックス3と挿入管(または導中部)4とケーブル5で構成される。超音波プローブの先端1には超音波振動子6を回転駆動させる駆動モータ7が構成されている。その駆動モータ7には超音波振動子6とともに回転する駆動するロータ部分(駆動ロータとする)8が構成され、駆動ロータ8を支持するベースハウジング9が超音波プローブ先端に内蔵されている。先端1からハンドル2まではフレキシブルな挿入管4で構成され、その挿入管4は血管や口腔内に挿入される細長い管であってシースチューブとその中を電気信号線が通っている。超音波プローブのハンドル2にはコントローラノブ10が構成される。ハンドル2にはケーブル5を介してコネクタボックス3が接続され、コネクタボックス3には駆動モータ制御駆動回路11があり、その駆動モータ制御駆動回路11にはモータ駆動回路12とプローブマイコン13が構成されている。そのコネクタボックス3を介して超音波診断装置本体に超音波探触子が電気的に接続される。
【0025】
超音波振動子6は駆動ロータ8の回転部の天面部に取り付けられている、そのため超音波振動子6の回転軸と駆動モータ7の駆動軸とは同一の軸となる。回転軸と駆動軸とも符号14とする。駆動軸14に対して超音波振動子6のビームはアキシャル方向に放射させる。超音波振動子6側のビーム放射軸15方向にビーム軌跡面16を形成する。その駆動ロータ8が回転することで超音波振動子6のビーム軌跡面16は回転する。その軌跡面16は駆動軸14に対して平行な面となる。
【0026】
本実施例の超音波プローブは、被検者の体腔内に挿入して体腔内の被検部の超音波画像を得る体腔内用超音波プローブであって、この体腔内用超音波プローブは、先端に超音波振動子6を備えており、超音波振動子6は、予め電子機構的に決定された回転範囲内の任意角度の超音波断層画像を撮るようになっている。
【0027】
駆動ロータ8の回転位置情報を知ることは、駆動ロータ8に取り付けられた超音波振動子6の位置情報を知ることになる。駆動ロータ8の回転位置は1回転の基準となる基準位置情報手段と相対位置情報手段を併用して駆動ロータ8の回転位置情報を知ることができる。
【0028】
基準位置情報手段として、磁気式エンコーダは使わず、ロータの絶対位置を設定する方法は、機構的に複雑な場合が多い。本実施例では以下のようにして絶対位置を可能とした。
(a)ロータの回転を規制する。
ロータ側の規制部として、ロータフレーム17の一部に規制部材18を取付け、ステータ側の規制部としてはベースハウジング9の一部に突起部19を形成し、駆動ロータ8の回転を規制する。規制されたことによって駆動ロータ8は連続回転ができず、揺動運動しかできない。回転規制で基準位置を形成する場合は、揺動運動の超音波診断プローブに適用される。すなわち、実施例に示すような経食道超音波プローブは連続回転をしなくてもよいために、回転規制方式が可能である。
(b)ロータの基準位置と超音波振動子の位置関係を確定する。
超音波振動子6をロータフレーム17に取り付ける時に、ロータフレーム17の規制部材18をベースハウジング9の突起部19に当接させた状態で、超音波振動子6をベースハウジング9に対して設定された位置に取り付ける。したがって、ベースハウジング9の突起部19の当接端点位置から超音波振動子6の素子基準までの角度位置関係が確定できる。
(c)その規制端点を回転座標基準原点にする。
超音波プローブでは非通電時には超音波振動子6の位置がどこにあるのか不明であるので、超音波振動子6の位置を確定しなくてはいけない。コア20に巻回されたコイル21に通電をすることでロータは回転する。回転をしていくと回転規制される状態になるが、回転規制が正規な規制状態なのか、もう一方(逆方向)の規制状態になっているのかが、回転規制した状態では判断できないので、回転規制にいたるまでの回転状態でロータの回転方向を検出して、回転状態が正しい状態かを判断する。かりにもう一方での規制状態であれば、ロータを回転させて正規な規制状態を形成する。その回転方向の検出にはMR素子22が使用される。その正しい規制状態でロータの回転角度座標の基準位置とすればよい。その正しい規制状態で相対位置情報のカウンターをリセットし、原点位置にすればよい。その位置を座標原点にしておけば、その位置から相対情報をもとに角度位置情報を確定していけばよい。その行為を通電の際には必ず行えば、正確な超音波振動子6の位置を把握することができる。
【0029】
また、相対位置情報手段としてはインクリメンタル磁気式エンコーダを使用する。そのインクリメンタル磁気式エンコーダはエンコーダマグネット23とMR素子22で構成される。相対位置情報手段としてのMR素子22はA相、B相の2チャンネルの信号が得られるMR素子であって、A相とB相の位相差は90度のものである。A相とB相との位相差が90度であるために駆動ロータ8の回転方向をその位相差から求めることができる。MR素子22はベースハウジング9に取り付けられている。駆動ロータ8側に構成されたエンコーダマグネット23は外周にAB相磁極が着磁されている。AB相磁極部は多極の磁極が着磁されていて、その磁極数に相当した数の信号をMR素子22から得る。
【0030】
駆動モータ7の回転位置情報手段として、本実施例に示すようにMR素子を用いた磁気エンコーダ以外に抵抗値の変化を検出するポテンショメータ、光電センサーを用いた光エンコーダなどでもいい。
【0031】
本実施例はプローブ自体を回転させることなく多数の断層面の超音波断層画像を駆動モータ7に搭載した超音波振動子6を回転させる超音波プローブが示されている。超音波の走査領域(例えばセクタ状の平面)を回転させることにより、任意の角度の超音波ビーム軌跡面を走査することで超音波断層画像を得る超音波プローブである。このようなマルチプレーンの超音波断層画像を得ることができることからマルチプレーン超音波プローブとして区別している。
【0032】
本実施例の超音波振動子6は、複数の超音波振動子が一次元方向に配列されてなる超音波振動子列で構成されていて、その超音波振動子列のパルス駆動手段が駆動モータ7の位置情報と連動して走査するシステムになった構成であり、その超音波振動子列を駆動モータ7で直接回転させている。
【0033】
超音波振動子6から放射した超音波は超音波振動子6の放射面に直交した角度で放射され、生体組織内に入射する。組織内に入射した超音波の一部は組織内において反射した後、前記超音波振動子6で受信され電気信号に変換されて、シールドされた数本の入出力線を伝って、挿入管4、ハンドル2、ケーブル5、コネクタボックス3を経由して、システム本体24の回路に送られる。
【0034】
次に超音波診断装置本体のシステム本体24内の送受信回路部分について説明する。
【0035】
超音波を生体内に送信する場合には、まずパルス発生器25によって超音波パルスの繰り返し周期を決定するレートパルスが出力され、超音波周波数のきまったパルス振動子駆動回路26に送られる。この振動子駆動回路26では超音波振動子に駆動信号を供給駆動して超音波を発生するため駆動パルスが形成される。その駆動パルスによって超音波振動子6から生体内に放射される。
【0036】
超音波振動子6から生体内に放射された超音波は生体内組織にて反射される。その反射超音波を超音波エコーという。送信時に用いた超音波振動子6によって受信され、この超音波エコーの反射強度に相当な微弱な受信信号はシステム本体24内の増幅器27にて増幅されたのちBモード用信号処理回路に送られる。Bモード信号処理回路において振動子出力は対数増幅器28で対数圧縮し、包絡線検波用の検波回路29にて検波され、ゲイン補正用のゲイン設定器30をゲイン制御用コントローラ31で制御されてゲイン補正され、合成回路32で合成されて、A/D変換器33にてA/D変換され、高速画像DSP34で画像処理される。DSP34で処理された画像は一旦画像メモリ35にストアされる。駆動時の複数の画像も画像メモリ35にストアされ、高速画像DSP34を用いて信号処理され、その信号をデジタル・スキャン・コンバータ(DSC)36を介してTV走査用フォーマットに対応した画像データに変換され、テレビモニタ37にて2次元超音波断層画像として表示される。本体装置のシステム本体24には、装置全体の回路を統括する本体マイコン38があり、画像データやメモリや駆動モータの位置情報やモータ駆動などを総合的に監視、処理命令などをしている。本体マイコン38は本体装置への外部入力操作に伴う入力による、超音波プローブとしての処理を統括していることになる。
【0037】
図2に示す超音波プローブの外観斜視図はマルチプレーン超音波プローブの一例である。被検体に経口的に挿入され、食道および胃を含む上部消化管から心臓を観察するマルチプレーンTEE超音波プローブ(TEE:Transesophageal Echocardiography)である。挿入管4は屈曲性をもったシースチューブとそのシースチューブの中を電気信号線で構成され、先端1から挿入管4までを体腔内に挿入した状態で超音波診断が行われる。たとえば、超音波プローブの挿入管を口から食道に挿入し、食道近傍の臓器や胃あるいは十二指腸などの超音波診断を行うものであるが、心臓弁の動きは挿入管を食道に挿入した状態で、駆動モータを回転させれば、超音波振動子によって形成される超音波ビーム軌跡面が回転され、走査画像が得られる。
【0038】
超音波プローブの先端1は超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケース39が先端に取り付けられていて、その超音波プローブの先端1は駆動モータと超音波振動子などが内蔵されている。超音波プローブの先端1とハンドル2は屈曲性のある挿入管4で接続されている。ハンドル2は手で持って操作する手元操作部であって、操作のためのコントローラノブ10が構成されている。コントローラノブ10には各種のスイッチが付いていて、いろいろなモードで回転させることができる。コントローラノブ10を回転させると、その回転方向に駆動モータ7が回転し、かつ超音波振動子6も回転するので、回転速度などはコントローラノブ10に設けられたスイッチを操作することで変速を行う。駆動モータ7の回転停止などのスイッチもコントローラノブ10についている。コントローラノブ10の信号はコネクタボックス3に構成された駆動モータ制御駆動回路11のプローブマイコン13に送られ、そのコントローラノブ10の入力内容に合わせてプローブマイコン13から指令がモータ駆動回路12に伝達され、その指令内容に基づいて駆動モータ7は制御駆動される。コントローラノブ10の信号内容についてはプローブマイコン13からシステム本体24の本体マイコン38に伝送される。
【0039】
超音波プローブはハンドル2からケーブル5でコネクタボックス3に接続されている。超音波プローブはそのコネクタボックス3を超音波診断装置のコネクタ差し込み口に装着することで、システム本体24に接続される。診断中に超音波プローブがはずれないようにロック機構のついたノブ40があり、装着後はノブ40を回してコネクタボックス3を本体にしっかりとロックする。
【0040】
従来の超音波診断装置の場合では手元操作部では使用頻度の高い基本操作だけが行えるようにしていたが、実施例ではプローブ側に手元操作により指令内容を処理して指令動作をさせることができるので、手元操作でもって超音波振動子の全部の操作ができる。手元操作では複雑になることや複合操作などの場合には超音波診断装置本体の操作部から行うことができるようになっている。操作機能を手元操作部に持たせるようにしている。
【0041】
超音波振動子6はプローブ先端側面に設けられているので、体腔内患部の側面方向を診断でき、かつハンドルの手元操作部のみによるコントロールでも、たとえば90度回転し、挿入軸に沿った断層面の診断(ビーム軌跡面は図2の符号41)と挿入軸に直角方向の診断(ビーム軌跡面は図2の符号42)とを可能にしている。
【0042】
超音波プローブの先端1は体腔内に挿入し易いように円筒形状のなめらかな流線形状をしている。この挿入管4やケーブル5は、超音波振動子と超音波診断装置本体とを接続する入出力線と駆動モータを駆動制御するための電気制御線とエンコーダなどの信号線と温度センサ43の信号線などをコネクタボック3に伝達するフレキシシブルなケーブルであって、被覆により保護され、かつシールドが施されている。
【0043】
図3に示す超音波診断装置の本体は液晶のディスプレー44と装置を操作するためのキーボード45と走査角度位置など移動させるためのトラックボール46があって、車47で移動できるようになっている。キーボード45などの本体操作部の下側にコネクタ差し込み口48が数個設けられている。超音波プローブを作業しやすい所定位置に設置するために、超音波プローブのハンドルを固定するフック49が操作部近傍のサイドに設けられていて、数種の診断プローブを診断できるよう配置することができる。
【0044】
図4は本実施例におけるコア付きでアウターロータ回転タイプのブラシレスモータの断面図である。このモータは超音波素子駆動モータであって、超音波診断装置のプローブ先端に搭載のモータ例である。
【0045】
本実施例の駆動モータはブラシレスモータであるが、超音波モータでもステッピングモータなどでもよい。
【0046】
図4において、超音波振動子6は素子ホルダー50の筐体の枠中で構成されていて、駆動モータのロータフーム17の天面部に取り付けられ、駆動軸14を中心にして回転する。その超音波振動子6の先端には音響レンズ51がついている。屈折の現象を有効に利用するのが音響レンズ51であって、超音波は液体中よりも固体中での音速が早いために振動子表面には凹型の音響レンズで超音波ビームを集束させている。凹型の音響レンズ以外にも平面型音響レンズや凸型音響レンズを貼り付けられた超音波振動子が使用される。超音波振動子6の信号線は中空の駆動軸14の軸中央穴を通って、駆動モータの外部に引き出される。
【0047】
超音波振動子6のビームは駆動軸方向に放射させる。超音波振動子6側のビーム放射軸15方向にビーム軌跡面16を形成する。ロータフレーム17に天面部に取り付けられている超音波振動子6は駆動軸14を中心に回転するので、超音波振動子6のビーム軌跡面16も回転する。その軌跡面16は駆動軸14に対して平行な面となる。そのビーム軌跡面16は超音波プローブ挿入軸に沿った断層面のビーム軌跡面41と挿入軸に直角方向のビーム軌跡面42以外の角度にも移動することが可能であるので、任意角度の超音波断層画像を撮ることできる超音波診断装置であって医療診断に役立っている。
【0048】
本実施例のマルチプレーンTEE超音波プローブは、体腔内部から診断部位の画像を観察可能であるため、経食道用超音波プローブでは肋間の影響あるいは皮下脂肪による超音波減衰の影響を受けることがなく、また血管挿入超音波プローブでは皮下脂肪による超音波減衰の影響を受けることがなく、鮮明な画像が得られるとともに、体腔内の任意方向から見た断層面を観察することができる。本実施例の超音波プローブ一例は、食道に挿入され、心臓の超音波断層画像を得るマルチプレーン経食道超音波プローブであって、バイプレーン型の経食道超音波プローブの実施例である。
【0049】
超音波振動子6は、複数の超音波振動子が一次元方向に配列されてなる超音波振動子列で構成されていて、同時にビーム軌跡面16の画像を得ることができる。この超音波振動子列の搭載された駆動モータを以下のような動作モードで駆動させることで、複雑な画像診断が可能となる。
(a)定速回転動作
(b)ステップ動作(1度、2度、3度)
(c)45度バイプレーン動作
(d)90度バイプレーン動作
(e)外部同期バイプレーン動作
(a)の定速回転動作は任意時間での角度位置の2次元画像を複数枚合成して3次元画像処理を行うことができるようにした動作モードであって、心臓の大きさや患部疾患の大きさや方向などを把握することができる。
(b)のステップ動作は一定角度間隔の2次元画像を観察するものである。この2次元画像を複数枚合成して3次元画像処理を行うことができるようにした動作モードであって、心臓の大きさや患部疾患の大きさや方向などを把握することができる。
(c)の45度バイプレーン動作は個人差などによって心臓の位置や角度が微妙にずれている患者に対して、超音波振動子角度を0°、45°、90°、135°、180°に移動させた画像から患者の基本断面画像を瞬時に得るための測定モードである。
(d)の90度バイプレーン動作も個人差などによって心臓の位置や角度が微妙にずれている患者に対して、超音波振動子角度を0°、90°、180°に移動させた画像から患者の基本断面画像を瞬時に得るための測定モードである。
(e)の外部同期モードは心臓の鼓動は各人異なるため、あらかじめ設定した時間で(c)や(d)のバイプレーン動作を行うことができないために、心臓の鼓動に同期させてバイプレーン動作させ、心臓の弁の動きを瞬時に観測する動作モードである。
【0050】
このような動作モードがダイレクトに超音波振動子6を駆動モータ7で駆動することによって可能である。
【0051】
駆動ロータ8はロータフレーム17には駆動マグネット52を取り付ける垂下部53と駆動軸14と超音波振動子を取り付けるインロー部54が一体で構成されている。リング状の駆動マグネット52は異方性ネオジ磁石でBHmax=39MGOeの特性であって8極の着磁がなされている。駆動マグネット52に対向する位置にコア20がベースハウジング9の中央円筒部55に接着固定される。そのコア20は突極の数6であって、3相になるようにコイル21が巻回されている。コア20とコイル21との絶縁のために、コア20には電着塗装がなされている。
【0052】
コア20の絶縁膜はエポキシ樹脂の電着塗装膜で、コイル21とコア20との電気絶縁を目的にしたものであるので、膜厚が厚い方がよいが、膜厚が厚いとコイル21とコア20の間に隙間が生じモータ効率が低下することになるので、膜厚はできるだけ薄い膜で形成する。たとえば絶縁膜は50μm以下の膜厚のコア20を使用した。電着塗装膜は絶縁性の優れた膜であって、工業的には比較的に容易に膜形成できるうえに、電着塗装膜は耐環境性が優れているために空気以外の環境たとえば油などの環境下でも、モータ使用が可能となる。超音波伝搬媒質内で駆動モータを使用する超音波診断装置において、駆動モータ7のコア20に電着塗装膜や真空蒸着膜を使用することが多い。
【0053】
駆動モータ7の3相のブラシレスモータであって、コア20に巻線された線はY結線処理され、そのコモン線はモータ外部には取りださない構成にするために、U相、V相、W相の3本の線を処理する。この3本の線はベースハウジング9に貼られたFPC56に半田付け接続され、そのFPC56を駆動モータ7の外部に引き出し、その引き出されたFPC56のランドに駆動モータ制御駆動回路11からのモータリード線を中継基板57の回路を経由して接続する。
【0054】
超音波素子6が取り付けられたロータフレーム17は駆動軸14を軸受58、59で回転支承されている。その軸受58、59はベースハウジング9の中央円筒部55の内側に固定され、駆動軸14を中心に回転させることができる。
【0055】
相対位置情報手段としてのエンコーダはAB相MR素子22とエンコーダマグネット23から構成され、そのAB相MR素子22から得られた信号はハンドル2の中継基板57に接続される。その中継基板57は位置検出信号処理回路60と温度センサ43の検出処理回路61が構成されている。
【0056】
図5に示すように、この位置検出信号処理回路60はMR素子信号の増幅回路62と波形整形回路63とパルス発生回路64と合成回路65で構成されている。
【0057】
エンコーダマグネット23には回転着磁で多極着磁がなされている磁極をAB相MR素子22で検出した場合、MR素子出力端子66、67に正弦波波形の信号が得られる。そのMR素子出力端子66、67の電圧は小さいので、増幅回路62で増幅される。その増幅回路62ではオペアンプ68、69によって抵抗比で決定されるゲイン倍された振幅の正弦波波形が得られ決定される。A相MR側で説明すれば、MR素子の抵抗に変化がない時には抵抗70、71で決まる電位になる、抵抗70、71は同じ値のものを使用する関係で回路電圧の中点電位示す。例えば回路印加電圧5Vの場合は約2.5Vが中点電位となる。
【0058】
端子72、73には増幅されたMR素子22の2相の信号がそれぞれ入力される。入力端子72から入力された入力信号は波形整形回路63のA相MRコンパレータ74に入力され、可変抵抗器76で調整設定された基準電圧と比較される。A相MRコンパレータ74の出力信号は入力信号が基準電圧より高い場合はA相MRコンパレータ74の出力は「H」レベルになり、低い場合は「L」レベルになる。
【0059】
次にA相MRコンパレータ74の出力信号はパルス発生回路64の抵抗78、79を通り排他的論理和81に入力される。その際抵抗79と排他的論理和81の間にはコンデンサ80が対GNDに設けられており、抵抗79側の排他的論理和81の入力信号は抵抗78側の入力信号より、抵抗79とコンデンサ80の値により決定される時間分遅れた信号になる。その結果、排他的論理和81の出力信号82はA相MRコンパレータ74の出力信号の立ち上がり及び立ち下がりにより論理が変化する出力信号82になる。
【0060】
もう一方の端子73から入力された入力信号はB相MRコンパレータ75に入力される。B相MRコンパレータ75、可変抵抗器77の動作は前述と同様であり、さらにパルス発生回路64の抵抗83、84、コンデンサ85、排他的論理和86の動作は前述した回路と同様の為に省略する。出力信号87は合成回路65に接続される。
【0061】
パルス発生回路64の出力信号82、87は合成回路65のOR論理素子88、89に入力され、合成回路65は、OR論理素子88、89とインバータ素子90、91で構成されている。合成回路65により出力端子92に出力信号を得ることが出来る。以上より、端子72、73の入力信号周期の1/4周期の出力信号82、87を得ることが出来る。すなわち、AB相の信号を4逓倍したことになる。
【0062】
駆動モータ7の制御にはAB相の4逓倍信号ではなく、増幅回路62の増幅信号を用いている。制御方法によっては波形整形回路63後の矩形波信号を用いる場合もあるが、起動のための確定したセンサがない場合は4逓倍信号より、元信号のパルス数の信号を用いることが多い。
【0063】
位置検出信号処理回路60によって、AB相MR信号は波形整形回路63後では元信号のパルス数とおなじ矩形波信号が得られ、合成回路65後ではAB相のパルス数の4逓倍したパルス数の信号が得られる。この4逓倍したパルス信号を超音波振動子の相対位置情報に用いることによって、MR素子元信号数より4倍の分解能のある画像情報が得られる。
【0064】
超音波振動子の回転位置を知ることが、画像表示には必要であるので、超音波振動子の取り付けられたロータフレーム17の回転位置情報を知ることである。ロータフレーム17の回転位置は基準位置情報手段と相対位置情報手段を併用してロータフレーム17の回転位置情報を知る。基準位置情報手段と相対位置情報手段から得られた情報を基にプローブマイコン13で信号情報処理がなされ、通信信号の情報として超音波診断装置本体側の本体マイコン38へ接続される。基準位置情報手段から設定できる超音波振動子の位置を決めておけば、超音波振動子の位置を基準にした位置情報として管理できる。
【0065】
基準位置情報手段と相対位置情報手段からの情報を処理せずに本体マイコン38に伝達する方法でもよいが、本実施例ではプローブマイコン13がプローブ側に設定されているので、プローブマイコン13側で処理を行い、その処理情報を本体装置側に伝達するほうが本体側の画像処理の処理マージンが多くでき、他の管理処理が可能となる。
【0066】
基準位置情報手段と相対位置情報手段から得られた情報を基にしてプローブマイコン13で超音波振動子6の位置情報の処理を行い、本体マイコン38とプローブマイコン13とは双方方向のシリアル通信で、本体装置側とプローブ側での情報のやりとりを行っている。本体装置の指令情報は本体マイコン38からプローブマイコン13にシリアル通信にて送信されて、その指令情報内容に基づいてプローブマイコン13は駆動モータ7を動作させる。駆動モータ7の位置情報や超音波振動子6の位置情報等は主体的にはプローブマイコン13で管理されていて、その管理情報を本体マイコン38へ送信し、本体側でもプローブ先端部の情報を共有している。その共有の情報管理をするために、プローブマイコン13と本体マイコン38とのインタフェース仕様が決められている。そのインタフェース仕様が他の機種のプローブであっても、同じ仕様で決めらている場合には、他機種のプローブに対しても接続が可能となる。インタフェース仕様を汎用性のあるものに取り決めることで、他機種のプローブの互換性ができる。
【0067】
たとえば、エンコーダマグネット23が300極の磁極である場合、AB相MR信号もそれぞれ300パルスとなるので、そのままのパルス数でも使用できるが、超音波振動子6の回転角度位置の分解精度を上げるために、A相B相を4逓倍すれば、1回転あたり1200パルスとなり、元信号に比べて4倍の分解精度となる。エンコーダマグネット23は回転着磁がなされるために、磁極間の角度精度は非常に高いので、磁極間の角度精度は非常に高いので、4逓倍してもかなり角度精度のよい位置情報が得られる。その駆動モータ7の駆動軸14と超音波振動子6の回転軸が同一軸であるので、ばらつきもなく回転角度精度の良好なものとなり、画像もその信号をトリガーに使用する場合はかなり画質の良い超音波診断画像となる。
【0068】
超音波振動子を直接に駆動モータに取り付ける機械走査式超音波プローブであるので、超音波振動子の画像位置情報とモータの回転位置情報と連動することで、駆動モータが回転変動しても超音波振動子の画像情報を正確な角度情報として使用でき、画質及び精度の良い超音波画像が得られる。
【0069】
超音波伝搬媒質の温度を検出するために、温度センサ43は超音波プローブ先端1の超音波伝搬媒質の中に設置され、超音波振動子6の発熱による影響と駆動モータ7による発熱影響および被検体による温度伝達影響を超音波伝搬媒質の温度として判断するために測定をしている。
【0070】
その温度センサ43について以下に説明する。
【0071】
温度センサ43は白金やサーミスタなどであり、小型の電子部品であって体温に近い温度付近を正確に測定することが可能ならば何でもよい。ただ、超音波伝搬媒質に対する材料の耐久性が必要であるが、一般に使用される電子部品なら問題はない。本実施例の説明では温度センサ43をサーミスタとして行う。
【0072】
図6には一実施例における温度センサの検出処理回路を示す。図6において、サーミスタ93の抵抗値Rsとして、抵抗94の抵抗値Rfとすると、サーミスタ93と抵抗94は直列に接続されているので、両端に印加される回路電圧Vcとすれば、サーミスタ93の端子間電圧Voutと抵抗94の端子間電圧Vfは以下のように表せる。
【0073】
(数1)
Vout=(Rs/(Rf+Rs))×Vc
Vf=(Rf/(Rf+Rs))×Vc
サーミスタ93は温度によって抵抗値が変化するので、サーミスタ93の抵抗値を直接もとめることは、超音波プローブにあっては測定誤差などが大きくなるのであまり好ましくない。サーミスタ93側を直接測定することよりも、もう一方の抵抗94側を測定して、間接的にサーミスタ93の抵抗変化を求めるのことが適している。すなわち、抵抗94には温度抵抗変化が非常に小さな抵抗を用いて抵抗94の端子間電圧Vfを測定し、降下電圧からサーミスタ93の端子電圧Vout=Vc―Vfとして求める。サーミスタ93は体温近傍での温度に対する抵抗値変化は直線とみなすことができるので、サーミスタ93の抵抗に対する温度係数からサーミスタ93の温度を求めることもできるが、計算をもっと簡単にするために、図6の回路構成でもって、2つの温度条件にサーミスタ93をおいて、サーミスタの端子間電圧の変化を近似式にして、あらかじめその近似式の係数を求めておけば、電圧値を測定することでサーミスタ93の温度を求めることができる。たとえば、2つの温度条件Ta、Tbでの抵抗94の端子間電圧VfはVfa、Vfbであったすると、サーミスタの温度Tは抵抗94の電圧Vfから次式で求められる。a、bはあらかじめ決定された係数である。
【0074】
(数2)
T=a×(Vc−Vf)+b
a=(Ta−Tb)/(Vouta−Voutb)
b=(Ta・Voutb−Tb・Vouta)/(Voutb−Vouta)
Vouta=Vc−Vfa
Voutb=Vc−Vfb
図6における温度センサの検出処理回路のサーミスタを除いた回路部をハンドル2の中継基板57に構成することで、サーミスタの感温部からのリード線引き回しの影響を少なくできるので、より正確な超音波伝搬媒質の温度を測定することができる。検出処理回路をコネクタボックスの基板に構成してもよいが、AB相MR素子信号の増幅に使用しているオペアンプが余っていることもあり回路構成上使用できることがあるので簡単に構成できることがある。
【0075】
上述のようにサーミスタを直接測定するのではなく、直列に接続されている抵抗94の端子電圧からサーミスタの温度を求めることができる。図6の場合はグランドがわにサーミスタを構成する回路図を示してあるので、サーミスタ93の端子抵抗から温度を求める方法とした。
【0076】
(数3)
T=a×Vout+b
a、bは(数2)の係数である。
【0077】
サーミスタ93の端子間電圧をA/D変換器にいれて、プローブマイコンでデジタル処理可能なようにした。マイコンにはA/D素子が組み込まれたものもあり、A/D端子のあるマイコンでは直接に端子95を接続する。
【0078】
サーミスタは温度の変化につれてその抵抗値が極めて大きく変化する温度に敏感な抵抗体である。一般の抵抗は温度が上がると抵抗値も若干上がるが、医療用のサーミスタは抵抗値が下がるものを使用することが多い。サーミスタはMn、Co、Niを主体とした遷移金属酸化物を原料にして、焼結されたファインセラミック半導体の感熱素子である。超音波プローブの先端に組み込む温度センサとしてのサーミスタは表面実装タイプのチップサーミスタやガラス封止タイプのサーミスタがある。超音波伝搬媒質中での使用のために、図7のようなガラス封止タイプのサーミスタが使用されることが多い。図7において、絶縁された線96の先端を電極形成した電極部97をサーミスタチップ98に接続し、その部分をガラス99で封止した構造である。ガラス封止されているために、耐熱性および機械的強度があって、経年変化が小さいのでより安定性が高い。応答性を向上させるために、セラミックチップと封止ガラス表面までの距離を短くしている。その結果サーミスタが小型になる。
【0079】
温度センサの検出電圧はプローブマイコン13のA/D回路部でデジタル量に変換させる。温度センサの特性係数などから温度センサ部の温度を演算処理して求める。その求められた温度は本体マイコン38とプローブマイコン13との双方方向のシリアル通信で、本体装置側で情報として伝達される。逐一情報として伝達させる温度をもとに、温度上昇状況を予測したり、警告などを本体ディスプレーに表示したりする。表示することでその都度の温度が把握でき、超音波プローブの操作者が温度情報を見落したり、超音波診断を受ける患者に誤った診断を与えることがない。
【0080】
超音波プローブとしてあらかじめ設定した温度以上になると、以下の処理がなされる。本願でいうあらかじめ設定された温度は危険温度を指し、通常動作の温度は危険温度以下である。設定温度には動作状態の温度シグナルとしてのものが危険温度以下に設定されている超音波診断装置が提供できるので、その点での正常温度設定での動作の扱いについても説明した。
(a)プローブマイコン13はモータ駆動回路のモータコイルへの通電をOFFする。(通常作動時の温度上昇の場合)
この場合はAB相MR素子22への通電がなされているので、たとえ駆動ロータ8が外乱によって回転しても、プローブマイコン13での位置情報は常に現在の駆動ロータ位置の位置情報を演算し把握している。この状態では駆動モータのコイル部だけが動作していないだけである。装置本体側もその状態は通信情報として超音波プローブから入手している。この場合は温度が低下した時には、本来の異常温度でないので、動作指令が入力されれば、コイル側に通電して通常の駆動動作を行う。この場合は正常動作での温度上昇であるので、プローブマイコンからの復帰がある。
(b)温度が危険温度範囲に達した場合は駆動モータ制御駆動回路の通電をOFFする。
危険温度に至ったら、プローブマイコン13は装置本体に温度センサの温度が危険温度に至ったことを通知する。その時測定温度値も送信する。その後、駆動モータ制御駆動回路11の電源ライン上に設置されたリレーを作動させて回路電流を遮断する。このリレーが再度電源を投入しないと復帰しないようになっている。そのリレー復帰は本体装置からのリセットを行うことで復帰し、プローブ側からの指令ではいっさい復帰しない。この場合は不可逆性のある復帰であるといえる。設定温度(危険温度)以上になり、ひとたび動作停止すれば、超音波プローブ側の判断では超音波伝搬媒質の温度が設定温度以下になっても動作状態に再び戻ることがないので、より安全で信頼性の高い、超音波画像の良い超音波プローブができる。
【0081】
プローブマイコン13はプローブ側での情報処理を行っている。本体装置の指令情報は本体マイコン38からプローブマイコン13にシリアル通信にて送信されて、その指令情報内容に基づいてプローブマイコン13は駆動モータ7を動作させる。駆動モータ7の位置情報や超音波振動子6の位置情報等は主体的にはプローブマイコン13で管理されていて、その管理情報を本体マイコン38へ送信し、本体側でもプローブ先端部の情報を共有している。その共有の情報管理をするために、プローブマイコン13と本体マイコン38とのインタフェース仕様が決められている。
【0082】
AB相の信号からの相対位置情報をプローブマイコン13で処理することで、超音波振動子6の位置を基準にした位置情報として管理する。超音波プローブと本体装置はコネクタボックス3でもって脱着分離ができるようになっている。分離可能であること利用して、コネクタボックス3にはモータ駆動回路12とプローブマイコン13の構成をして、プローブ側でもってプローブの超音波振動子6をコントロールすることができるようにしている。信号構成的にはプローブ側で一旦仕様構成できるようにしてある。プローブ側の信号等はコネクタボックス3を介して装置本体に通電され、モータ駆動のための制御情報等はプローブマイコン13で処理を行い、超音波診断装置の本体マイコン38と密着な連携を取っている。
【0083】
このように、本実施例における超音波プローブは軽量かつ小型でプローブ先端に駆動部の主な機構部が内蔵されている。超音波振動子による広角な範囲の超音波断層画像が得られる。
【0084】
上記のような超音波プローブは先端に搭載した駆動モータの制御情報と連動して超音波振動子の位置情報に用いて画像処理をすることで、位置情報の正確な超音波プローブができ、その超音波プローブを用いた超音波診断装置を提供することが可能となり、医療分野に貢献するものとなる。
【0085】
【発明の効果】
上記実施例の記載から明らかなように、
(1)超音波プローブの先端に超音波振動子を駆動する駆動モータを構成し、その駆動モータに直接、超音波振動子を取り付けることで、部品のばらつきや経年変化や環境変化に伴っての位置情報誤差をなくすることができ、温度センサを超音波プローブの先端に組み込むことで、先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、超音波振動子の発熱による影響と駆動モータによる影響を判断して、超音波プローブの操作者が温度情報を見落したり、超音波診断を受ける患者に誤った診断を与える可能性がないように、より安全で信頼性の高い、超音波画像の良い超音波プローブができる。
(2)超音波プローブの先端に超音波振動子を駆動する駆動モータを構成し、
その駆動モータに直接、超音波振動子を取り付けることで、超音波振動子を駆動するモータを超音波プローブの先端に構成した小型な超音波プローブができる。さらに駆動モータを制御駆動する回路部を超音波プローブ側に構成することで、プローブ側で駆動モータのシステムは完結できる。さらに、温度センサを超音波プローブの先端に組み込むことで、先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、測定温度の演算処理を駆動制御にも使用するプローブマイコンで行うことで、温度検出から演算処理を超音波プローブ側で行うことができる。
(3)超音波プローブの先端に組み込んだ温度センサで先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、測定温度の演算処理をおこなったプローブマイコンで、超音波伝搬媒質が設定温度以上になったら、駆動モータを停止させて超音波振動子の回転動作を停止させることで、超音波振動子の発熱による影響と駆動モータによる影響を減少させて、より安全で信頼性の高い超音波プローブを提供することができる。
(4)温度センサでもって測定された温度が設定温度以上になると、超音波プローブの駆動モータの停止や超音波振動子の回転停止およびその他電力を供給している箇所への電力供給を停止させるので、温度上昇するのを未然に防ぐことができる。ひとたび設定温度になり動作を停止させると、設定温度以下になっても超音波プローブ側での判断で動作状態には復帰しないので、設定温度以上になった履歴を確実に保持することができるので、より安全で信頼性の高い超音波プローブを実現することができる。
(5)温度センサとしてのサーミスタは温度によって抵抗値が変更するので、その抵抗値を測定することで温度を知ることができる。すなわち、温度センサの抵抗値を電圧に変換して、A/Dコンバータでデジタル値に変換してプローブマイコンで演算処理を行うことでデジタル量として温度を知ることができる。
(6)温度センサの抵抗値を超音波プローブのハンドル部分で電圧値に検出する変換部を設けることで、サーミスタの感温部からのリード線の引き回しの影響を少なくできるので、より正確な超音波伝搬媒質の温度を測定することができる。
(7)超音波プローブの先端に超音波振動子を駆動する駆動モータを構成し、その駆動モータに直接、超音波振動子を取り付けることで、超音波振動子を駆動するモータを超音波プローブの先端に構成した小型な超音波プローブができる。さらに駆動モータを制御駆動する回路部を超音波プローブ側に構成することで、プローブ側で駆動モータのシステムは完結できる。さらに、温度センサを超音波プローブの先端に組み込むことで、先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、測定温度の演算処理を駆動制御にも使用するプローブマイコンで行うことで、温度検出から演算処理を超音波プローブ側で行うことができる。さらに、超音波伝搬媒質の温度を本体装置に通知する。通知をもとに温度をディスプレーに表示することもできるので、その都度の温度が把握でき、超音波プローブの操作者が温度情報を見落したり、超音波診断を受ける患者に誤った診断を与える可能性がないように、より安全で信頼性の高い、超音波画像の良い超音波プローブができる。
(8)超音波プローブの先端に組み込んだ温度センサで先端部の超音波伝搬媒質の温度を測定して、測定温度の演算処理をおこなったプローブマイコンで、超音波伝搬媒質が設定温度以上になったら、駆動モータを停止させて超音波振動子の回転動作を停止させ、さらにその停止状態を超音波診断装置に通知することで、停止状態が温度上昇によるものであることを操作者が認識することができるので、速やかに原因の特定と修理依頼等の対処ができる。
(9)温度センサでもって測定された温度が設定温度以上になると、超音波プローブの駆動モータの停止や超音波振動子の回転停止およびその他電力を供給している箇所への電力供給を停止させるので、温度上昇するのを未然に防ぐことができる。ひとたび設定温度になり動作を停止させると、設定温度以下になっても超音波プローブ側での判断で動作状態には復帰しないので、設定温度以上になった履歴を確実に保持することができるが、復帰する場合は装置本体側からの指令でもって動作復帰することで、復帰する場合の安全性を確保したうえでおこなうことができるので、より信頼性の高い超音波プローブを実現することができる。
(10)駆動モータの駆動軸と超音波振動子の回転軸が同一軸であるので、駆動モータの位置情報が超音波振動子の位置情報に採用できるので、超音波振動子の画像位置情報とモータの回転位置情報と連動することで、駆動モータが回転変動しても超音波振動子の画像情報を正確な角度情報として使用でき、画質及び精度の良い超音波画像が得られる。さらに画像の位置情報は駆動モータの位置情報をプローブマイコンで処理を行い、本体装置側へシリアル通信などの通信インタフエースでもって情報伝達する。その通信には温度センサの温度を演算処理するプローブマイコンの通信インタフェース端子を使用する。
(11)電子−機械走査式の2次元走査用超音波振動子駆動モータによって、超音波伝播媒質を内包したウインドウケース内に、駆動モータの駆動軸と超音波振動子の回転軸を同一軸で構成した超音波振動子駆動モータを構成させ、機構部を小型軽量にして、超音波伝搬媒質の封止範囲を狭くでき、全体的な超音波プローブの重量を軽くできる。
(12)駆動モータの駆動軸と超音波振動子の回転軸が同一軸であるので、駆動モータの位置情報が超音波振動子の位置情報に採用でき、精度の良い装置となる。
(13)超音波振動子の画像位置情報とモータの回転位置情報と連動することで、駆動モータが回転変動しても超音波振動子の画像情報を正確な角度情報として使用でき、画質及び精度の良い超音波画像が得られる。
(14)AB相の信号を波形処理して、プローブ側のマイコンで情報処理し、さらに、超音波振動子を取り付けた時の情報をもとに超音波振動子の絶対位置として把握しプローブ側のマイコンで情報処理管理し、位置情報をビット情報量に変換してシリアル通信手段等でプローブ側と本体側と送受信して、情報伝達を行うことで、超音波振動子の画像位置情報とモータの回転位置情報と連動することができる。
(15)温度センサによって測定された超音波伝搬媒質が設定温度以上になったら、超音波プローブの動作を停止させる手段を備えた構成を採り、超音波プローブの動作が停止状態にあることを、超音波診断装置に通知する手段を備えた構成を採る。これらの構成により、超音波プローブの温度が上昇した場合、超音波プローブの駆動モータへの電力供給も停止し、超音波プローブの動作が停止状態にあることを、このプローブを接続された超音波診断装置に伝達する。より安全性および信頼性が増大する。超音波プローブの動作が停止していることが把握でき、原因の特定が速やかに行われ、修理や検査等の対処も行いやすい。さらに、点検・保守を促すメッセージや点検・保守の際の連絡先を表示することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による超音波プローブを使用した超音波診断装置の全体を示す概略ブロック図
【図2】本発明の実施例1による超音波プローブの外観斜視図
【図3】本発明の実施例1による超音波診断装置を示す図
【図4】本発明の実施例1による超音波振動子駆動モータの駆動モータ断面図
【図5】本発明の実施例1によるMR素子信号の位置検出信号処理回路図
【図6】本発明の実施例1による温度センサの検出処理回路図
【図7】本発明の実施例1によるサーミスタを示す図
【符号の説明】
1 先端
2 ハンドル
3 コネクタボックス
4 挿入管
5 ケーブル
6 超音波振動子
7 駆動モータ
8 駆動ロータ
9 ベースハウジング
10 コントローラノブ
11 駆動モータ制御駆動回路
12 モータ駆動回路
13 プローブマイコン
14 駆動軸
15 放射軸
16、41、42 ビーム軌跡面
17 ロータフレーム
18 規制部材
19 突起部
20 コア
21 コイル
22 MR素子(AB相)
23 エンコーダマグネット
24 システム本体
25 パルス発生器
26 振動子駆動回路
27 増幅器
28 対数増幅器
29 検波回路
30 ゲイン設定器
31 ゲイン制御用コントローラ
32、65 合成回路
33 A/D
34 DSP
35 画像メモリ
36 DSC
37 テレビモニタ
38 本体マイコン(ホストCPU)
39 ウインドウケース
40 ノブ
43 温度センサ
44 ディスプレー
45 キーボード
46 トラックボール
47 車
48 コネクタ差し込み口
49 フック
50 素子ホルダー
51 音響レンズ
52 駆動マグネット
53 垂下部
54 インロー部
55 中央円筒部
56 FPC
57 中継基板
58、59 軸受
60 位置検出信号処理回路
61 検出処理回路
62 増幅回路
63 波形整形回路
64 パルス発生回路
66 MR素子出力端子
67 MR素子出力端子
68 A相MRオペアンプ
69 B相MRオペアンプ
70、71、78、79、83、84、94 抵抗
72、73、95 端子
74 A相MRコンパレータ
75 B相MRコンパレータ
76、77 可変抵抗器
80、85 コンデンサ
81、86 排他的論理和
82、87 出力信号
88、89 OR論理素子
90、91 インバータ素子
92 出力端子
93 サーミスタ
96 線
97 電極部
98 サーミスタチップ
99 ガラス

Claims (11)

  1. 生体の情報を検出しエコー信号を出力する超音波プローブとそのエコー信号を画像処理する本体部とを備える超音波診断装置の超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータに直接取付けて、駆動モータを駆動させることで超音波振動子を回転させる駆動モータを超音波プローブの先端部に構成し、さらにその超音波プローブ先端部に温度センサを搭載したことを特徴とする超音波プローブ。
  2. 超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースを具備し、超音波振動子と前記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを超音波伝播媒質でウインドウケース内に内包した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸を中心に超音波振動子を回転させる駆動モータの駆動回路と駆動制御するプローブマイコンをプローブ側に搭載し、さらに、その超音波プローブ先端部に温度センサを搭載して、先端部の超音波伝搬媒質の温度をその温度センサで検出して、その信号検出値から温度値に変換する演算処理を、前記プローブマイコンで行うことを特徴とする超音波プローブ。
  3. 超音波プローブの先端部に温度センサを組み込み、その温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、超音波伝搬媒質が設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段を備えたことを特徴とする請求項1および請求項2記載の超音波プローブ。
  4. 超音波プローブの先端部に温度センサを組み込み、その温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段を備え、ひとたび動作を停止すると超音波プローブ側の判断では超音波伝搬媒質の温度が設定温度以下になっても動作状態に再び戻ることのない、不可逆性を有することを特徴とする請求項1から請求項3記載の超音波プローブ。
  5. 前記温度センサがサーミスタであることを特徴とする請求項1から請求項4記載の超音波プローブ。
  6. 前記温度センサの抵抗値を検出処理する回路をハンドル部分に構成したことを特徴とする請求項1から請求項5記載の超音波プローブ。
  7. 超音波透過性を有する窓材からなるウインドウケースを具備し、超音波振動子と前記超音波振動子を駆動させる駆動モータとを超音波伝播媒質でウインドウケース内に内包した超音波プローブにおいて、超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸を中心に超音波振動子を回転させる駆動モータの駆動回路と駆動制御するプローブマイコンをプローブ側に搭載し、さらに、その超音波プローブ先端部に温度センサを搭載して、先端部の超音波伝搬媒質の温度をその温度センサで検出して、その信号検出値から温度値に変換する演算処理を、前記プローブマイコンで行い、その演算結果を本体装置に通知する手段を備えたことを特徴とする超音波プローブ。
  8. 超音波プローブの先端部に温度センサを組み込み、その温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、超音波伝搬媒質が設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段を備え、超音波プローブの動作が停止状態にあることを、超音波診断装置に通知する手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の超音波プローブ。
  9. 超音波プローブの先端部に温度センサを組み込み、その温度センサからの検出信号をプローブマイコンで温度に演算処理し、その演算結果に基づき、設定温度以上になると超音波プローブの動作を停止させる手段を備え、超音波プローブの動作が停止状態にあることを、超音波診断装置に通知する手段を備え、ひとたび動作を停止すると超音波プローブ側の判断では超音波伝搬媒質の温度が設定温度以下になっても動作状態に再び戻ることのない、不可逆性を有し、装置本体側からの指令でもって復帰することを特徴とする請求項8記載の超音波プローブ。
  10. 超音波振動子を駆動モータのロータフレームの外周部に取り付けて、駆動モータの駆動軸を中心に超音波振動子を回転させる駆動モータの駆動回路と駆動制御するプローブマイコンを装置本体に接続するコネクタボックス内に搭載し、駆動モータに取り付けた超音波振動子の超音波ビームの軌跡面画像を構成するための位置情報をプローブマイコンで処理を行い、通信手段をもって、装置本体側へ送受信することができることを特徴とする請求項1から請求項9記載の超音波プローブ。
  11. 請求項1から請求項10記載の超音波プローブであって、超音波プローブでの超音波伝搬媒質の温度について、プローブと装置本体の双方で情報を把握したことを特徴とする超音波診断装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009034386A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Toshiba Corp 超音波診断装置及び超音波プローブ
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