JP2004254431A - Motor and recording disk drive equipped with the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明の主たる技術分野は、ハードディスクなどの記録ディスクを駆動するためのモータ及びこれを備えた記録ディスク装置に属する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特許第3355603号公報
【特許文献2】特開2002−266854号公報
従来のモータをハードディスク装置の記録ディスク駆動用モータを例に説明する。ハードディスク装置のモータにおいて、回転部材を静止部材に対して回転自在とするための軸受けとして、一対の内外輪とそれらに挟まれた転動体とを有するいわゆる転がり軸受けが使用される場合がある。この種の軸受けの場合、温度変化にかかわらず転動体と内外輪との間に常時適正な予圧をかけて転動体ががたつかないように組み込まれ回転を安定化させている。
ハードディスク装置では、モータの回転トルクを生じさせるためのコイルへの通電によってステータが発熱する。また使用環境温度の上昇によって、このモータを構成する各要素は、回転中に高温状態になることから、軸受けおよびその周辺の各要素の熱膨張差を補償する手段を採る必要がある。かかる手段として、特許第3355603号公報に記載の軸受け機構および特開2002−266854号公報に記載のモータが知られている。
【0003】
図7は、特許第3355603号公報(特許文献1)に記載されたハードディスク装置で用いられるスピンドルモータの断面図である。図7に示すスピンドルモータ70は、ベース51、ベース51の中心から上方に固定された軸52、軸の上部に取り付けられた第一の軸受け53、軸の中程に取り付けられた第二の軸受け54、ベース51と相対的に回転自在であるハブ58、ロータマグネット56及びステータ57を備えている。
【0004】
ベース51は、円板状で、スピンドルモータ70の底部を構成していて、平面視でその円板の中心にして軸方向に肉厚のボス部51aが形成されている。ボス51aには、軸52の下端が嵌合され固定されている。軸52には、その上方に第一の軸受け53とその中ほどに第二の軸受け54とが締まり嵌合されていて、これら軸受け53、54を介してハブ58は回転自在に支持されている。軸受け53、54は互いに同一の形状であり、径方向に間隔を置いて配設された内輪53a、54a及び外輪53b、54bと、内輪と外輪の間に介在された複数のボール状の転動体53c、54cとを備えた前述と同じ転がり軸受けである。内輪3a,4a及び外輪3b,4bは軸受綱で形成され、転動体3c,4cは耐久性向上のためにセラミックで形成されている。
【0005】
ハブ58は、大きい円筒状のハブ本体58aとこのハブ本体58aの径方向内側に配設された小さい円筒状の軸受けスリーブ58bとから構成されている。ハブ本体58aの下端部には環状のヨーク部58cが一体に形成されていて、その内周面にロータマグネット56が装着されている。ステータ57は、ステータコア57aとコイル57bから構成され、ロータマグネット56と対向して径方向内側に配設されるように、ステータコア57aがボス51aに取り付けられている。
【0006】
ハブ本体58aの内周面には径方向内側に突出する環状支持部58dが設けられ、その環状支持部58dの内周面に軸受け54が嵌合されている。スリーブ58bは、その上半部が薄肉で下半部がそれに対して径方向外側および内側に突出する肉厚となっており、その下半部の下面が環状支持部58dの上面に当たることで軸方向の位置が決められるとともに、下半部がハブ本体58aの内周面に嵌合して固定されている。この上半部及び下半部の一部の外周面は、ハブ本体58aの内周面に環状の空間が形成されている。軸受け53は、外輪53bがこのスリーブ58bの上半部の内周面に嵌合しつつ下半部の厚肉の上端に当たり、内輪53aが軸52に対して軸方向下方に付勢されながら装着されている。これにより矢印Aに示す方向に予圧が付与されている。軸受け54は、外輪54bが環状支持部58dに嵌合しつつスリーブ58bの厚肉の下端に当たり、内輪54aが軸52に装着されている。軸受け54の予圧は、軸受け53からの予圧がスリーブ58bを介して外輪54bを軸方向下方に付勢し転動体54cを介して内輪54aに付与される(矢印B)。そして、スリーブ58bは、軸52よりも熱膨張係数の大きい材料から形成されている。
【0007】
上述した構成のスピンドルモータ70において、モータ自体の温度が高くなると、転動体53c、54cの熱膨張量が小さいため内外輪53aと53bの間及び内外輪54aと54bの間に隙間が生じる傾向にある。つまり、内外輪53a,53bと転動体53cとで熱膨張量が異なるため、互いに転動しながら作用する予圧が低下し、転動体53cががたつきやすくなる(軸受け54についても同じ)。しかし、この特許文献1のスピンドルモータ70はスリーブ58bの熱膨張係数が軸52の熱膨張係数より大きいので軸方向の変位の差によりこの隙間を相殺し、予圧を維持しようとするものである。このとき、スリーブ58bは、下半部が軸方向に拡がることで両軸受け53,54を付勢するとともに上半部が外輪53bを軸方向上方に付勢して予圧調整機能がはたらく。
【0008】
次に図8は、特開2002−266854号公報(特許文献2)で記載されたモータの軸部の一部断面図である。このモータ80は、軸62、軸62の上部に嵌合された第一の軸受け63、軸62の下部に嵌合された第二の軸受け64、軸受け63,64の外輪の間に装着されたリング状のスペーサ65及び両軸受けの外輪に嵌合されたロータ66を備えている。軸62は図7のボス51aに相当するステータヨークホルダー(図示せず)に固定され、この軸62の上下に取り付けられた軸受け63、64の外周に、ロータ66の円筒部が嵌合されることにより、ロータ66がベース(図示せず)に対して回転可能に支持されている。軸受け63は、図8に示すように、内輪63aと外輪63bとの間に転動体63を備えている。また、軸受け64も同様である。上下の外輪63b、64bの間には、スペーサ65が密着して介在し、特許文献1と同様に上下の内輪63a、63bに適正な予圧(矢印A,Bの方向)が付加された状態で上下の軸受け63、64およびスペーサ65が組み立てられている。スペーサ65は、外輪63b,64bよりも熱膨張係数の大きい材料で形成されている。
【0009】
この特許文献2のモータ80においては、モータ自体の温度が高くなると、スペーサ65が軸方向に膨張し、この膨張によって上下の外輪63b、64bの間隔が拡がる。したがって、特許文献1と同様にスペーサ65が軸受け63,64を付勢し予圧を維持することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に記載の構成では、温度上昇時にスリーブ58bが径方向においても軸52よりも大きく熱膨張する。また、特許文献2に記載の構成では、上下の外輪63b、64b間に介在するスペーサ65によってのみ予圧をかけるため、熱膨張量が外輪同士の間隔に依存する。
近年のハードディスク装置は高性能化に伴いモータが高速化する傾向にありモータ自体にかかる負荷は増大している。また、同装置の用途の拡大に伴いこれまでにない環境の温度下において使用される場合がある。このことから、モータ自体の一層の高温化は避けられず熱膨張量は増加傾向にあり、前述の予圧調整機能の一層の向上が求められている。
以上の要求は、記録ディスク駆動用モータに限定されるものではなく、他の用途で同様の予圧調整機能をもつモータにおいてもいえる。
それ故、この発明の課題は、より高い温度上昇時であっても内外輪と転動体との間に確実に予圧が付与される軸受け機構を備えるモータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するために、この出願の第一発明の記録ディスク駆動用モータは、ベースに固定された軸と、各々内輪、転動体及び外輪を有し、互いの内輪が軸方向に間隔をおいて軸に固定された第一、第二の軸受けと、記録ディスクが装填されるとともに軸受けの外輪を保持するハブとを備えた記録ディスク駆動用モータにおいて、
前記ハブは、第一の軸受けの外輪を保持するハブ本体と、一端がハブ本体に固定されて他端が第二の軸受けの外輪を保持するスリーブとを備え、
そのスリーブはそれらの外輪の間に介在するスペーサ部と、スペーサ部より自由端側に延びて第二の軸受けの外輪の外側に嵌合される嵌合部と、嵌合部の外側に嵌合されるリングとからなり、
嵌合部の熱膨張係数αが軸の熱膨張係数β及びリングの熱膨張係数γよりも大きいことを特徴とする。
【0012】
以下、第一の軸受けの内輪、外輪及び転動体を第一内輪、第一外輪及び第一転動体といい、第二の軸受けの各要素に対しても同様に称する。
この第一発明によれば、温度上昇時にスリーブが膨張し、それに伴って第二外輪が第一外輪に対して変位する。但し、リングの熱膨張係数が嵌合部のそれよりも小さいことから、嵌合部の径方向の膨張量はリングの膨張量によって規制される。その結果、第二外輪が内輪から遠ざかることなく、スリーブの両端に配置された外輪同士の間隔が、軸の膨張に伴う内輪同士の間隔の拡がりに追従して又はそれ以上に拡がり、十分な予圧が付与される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、この出願の第二発明の記録ディスク駆動用モータは、ベースに固定された軸と、各々内輪、転動体及び外輪を有し、互いの内輪が軸方向に間隔をおいて軸に固定された第一、第二の軸受けと、記録ディスクが装填されるとともに軸受けの外輪を保持するハブとを備えた記録ディスク駆動用モータにおいて、
前記ハブは、第一の軸受けの外輪を保持するハブ本体と、一端がハブ本体に固定されて他端が第二の軸受けの外輪を保持するスリーブとを備え、
そのスリーブはそれらの外輪の間に介在するスペーサ部と、スペーサ部より自由端側に延びて第二の外輪の外側に嵌合される嵌合部とからなり、
スリーブの熱膨張係数αが軸の熱膨張係数βよりも大きく、
嵌合部の内周面の一部が外輪の外周面と間隙をあけて対向し、残部が外輪の外周面と接触していることを特徴とする。
【0014】
この第二発明においても、温度上昇時にスリーブが膨張し、それに伴って第二外輪が第一外輪に対して変位する。しかもスリーブの嵌合部と第二外輪とは部分的にしか接触していないから、スリーブの軸方向の膨張が、第二外輪によってあまり規制されることがない。その結果、スリーブの両端に配置された外輪同士の間隔が、軸の膨張に伴う内輪同士の間隔の拡がりに追従して又はそれ以上に拡がり、十分な予圧が付与される。
【0015】
更にまた、上記課題を解決するために、この出願の第三発明の記録ディスク駆動用モータは、ベースに固定された軸と、各々内輪、転動体及び外輪を有し、互いの内輪が軸方向に間隔をおいて軸に固定された第一、第二の軸受けと、記録ディスクが装填されるとともに軸受けの外輪を保持するハブとを備えた記録ディスク駆動用モータにおいて、
前記ハブは、第一の軸受けの外輪を保持するハブ本体と、一端がハブ本体に固定されて他端が第二の軸受けの外輪を保持するスリーブとを備え、
そのスリーブはそれらの外輪の間に介在するスペーサ部と、スペーサ部より自由端側に延びて第二の外輪の外側に嵌合される嵌合部とからなり、
スリーブの軸方向の熱膨張係数αaが、径方向の熱膨張係数αr及び軸の熱膨張係数βよりも大きいことを特徴とする。
【0016】
この第三発明においても、温度上昇時にスリーブが膨張し、それに伴って第二外輪が第一外輪に対して変位する。但し、軸方向の熱膨張係数αaが、径方向の熱膨張係数αrよりも大きいことから、スリーブの径方向の膨張量は、軸方向の膨張量に比べて小さい。即ち、スリーブは、軸方向に大きく径方向に小さく膨張する。更に、αaが軸の熱膨張係数βよりも大きいことから、スリーブの軸方向の膨張量は、軸の膨張量よりも大きい。その結果、第二外輪が内輪から遠ざかることなく、スリーブの両端に配置された外輪同士の間隔が、軸の膨張に伴う内輪同士の間隔の拡がりに追従して又はそれ以上に拡がり、十分な予圧が付与される。
【0017】
尚、第一〜第三の各発明において、組立時にハブ本体に対するスリーブの位置決めを容易にするために、スリーブはハブ本体の内側に締まり嵌合されているのが望ましい。但し、スリーブがハブ本体の干渉を受けることなく膨張することができるように、スリーブの自由端とハブ本体の内周面との間には間隙を設けておくのが望ましい。間隙を設ける手段としては、(1)ハブ本体の内周面を径違い管状に形成する、即ちハブ本体の内径をスリーブの固定端側ではスリーブの外径と同一とし自由端側では大きくするか又は、(2)スリーブの外径を自由端側で小さくする等が挙げられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
−実施形態1−
この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。図1は実施形態1のモータ10を示す軸方向断面図である。このモータ10は、ハードディスク装置の記録ディスク駆動用モータである。記録ディスク駆動用モータ10は、ベース1、このベース1と相対的に回転自在であるハブ8、ベース1の中心から上方に立設された軸2、軸2の上部に取り付けられた軸受け3及び軸2の中程に取り付けられた軸受け4を備えている。
【0019】
ベース1は円盤状のベース本体1aを備え、ベース本体1aの外周部には上方に延びる側壁1cが形成され、側壁1cの上端には径方向外側に延びるフランジ1dが形成されている。このフランジ1dによって、記録ディスクモータ10が装置本体の所定位置に取り付けられる。ベース本体1aには、その中心を同じにして、肉厚のボス1bが上方に突出するよう形成されている。ボス1bには軸2の一端(下端部)が圧入により固定され、軸2の他端部は上方に延びている。
【0020】
軸2には、モータの軸線方向、即ち、図1において上下方向に間隔を置いて一対の軸受け3,4が装着され、これら軸受け3,4を介してハブ8が回転自在に保持されている。軸受け3、4は、互いに同形同質であり、内輪3a、4a及び外輪3b、4bとそれらの間に介在されたボール状の転動体3c、4cとを備えている。内輪3a,4aは軸2に接着又は圧入によって装着され、外輪3b,4bはハブ8側に接着又は圧入によって装着されている。軸受け3,4は充分な耐摩耗性を備えるために、転動体3c、4cが窒化ケイ素(Si3N4)、アルミナ(Al2O3)等のセラミック材料にて、内輪3a,4a及び外輪3b,4bが軸受鋼(SUJ2)にて形成されている。なお、外輪3b,4bの上下端には、内輪3a,4a及び外輪3b,4bの上下の開口を覆うシールド3d,4dが取り付けられている。
【0021】
ハブ8は大きい円筒状のハブ本体8aとこのハブ本体8aの径方向内側に配設された小さい円筒状のスリーブ5とから構成されている。ハブ本体8aの内周面は、下方に向かうにつれて段階的に直径が大きくなっており、最も内径の小さい上から一段目を軸受け支持部8dと称する。ハブ本体8aの内周面のうち、この軸受け支持部8dに外輪3bが装着されている。ハブ本体8aの下端付近には径方向外側に突出する環状のフランジ8bが、さらに下にはヨーク部8cが一体的に形成されている。フランジ8bの上面には、1枚または複数枚の記録ディスク(図示せず)が搭載されている。ヨーク部8cの内周面には環状のロータマグネット6が装着されていて、このロータマグネット6に対向するようにステータ7がボス1bの外周に取りつけられている。ステータ7は、コアプレートを積層することにより形成されたステータコア7aとステ−タコア7aに巻かれたコイル7bとからなる。
【0022】
スリーブ5は、そのほぼ上半部をなして径方向外側および内側に突出する肉厚のスペーサ部5cと、ほぼ下半部をなしてスペーサ部5cと一体で薄肉の嵌合部5bと、それら2つと別体のリング9とからなり、スペーサ部5cがハブ本体8aの内周面の上から2段目に圧入することにより固定されている。スリーブ5はまた、スペーサ部5cの上面がハブ本体8aの内周面の1段目と2段目の段差に当たることで軸方向の位置が決められている。また、軸受け支持部8dより内側に突き出たスペーサ部5cの上面にて外輪3bの軸方向の位置が決められている。スリーブ5の嵌合部5bは、スペーサ部5cよりも内径が大きく、この嵌合部5bに外輪4bが嵌合されている。そして、この嵌合部5bとスペーサ部5cとの段差5dにて外輪4bの軸方向の位置が決められている。又、嵌合部5bの外周面には外径がスペーサ部5cの外径よりも若干小さいリング9が圧入または接着にて嵌合されている。リング9は、ハブ本体8aの3段目の内周面に間隔をあけて対向することから、リング9の外周面とハブ本体8aとの間には環状の空間が形成されている。この空間の径方向の幅は、温度が変化してもスリーブ5がハブ本体8aの内面と接触しないように設定され、スリーブ5の下端側は自由な熱変形を行うことができる。
軸受け3は、図1のように組み立てられて、内輪3aが軸方向下方に付勢されながら軸2の所定位置に固定される。これにより、軸受け3,4は、その付勢力が内輪3aから転動体3cを介して外輪3bに伝わり、さらにスリーブ5とともに外輪4b、転動体4cそして内輪4aへと伝わる。このようにして、矢印A,Bに示す方向に予圧が付与される。
【0023】
この実施形態1では、リング9を除くスリーブ5は、軸2よりも熱膨張係数の大きい材料から形成される。例えば、軸2をステンレス鋼(例えば、SUS420F)から形成した場合、スリーブ5をステンレス鋼より熱膨張係数の大きい材料(例えばアルミニウム)から形成する。そして、リング9を嵌合部5bの熱膨張係数より小さい材料(例えばステンレス鋼のSUS420F)から形成する。こうすることにより、ハードディスク駆動装置の温度上昇によって記録ディスク駆動用モータの温度が高くなると、転動体3c、4cはセラミック材料から形成されているので、内輪3aと外輪3bとの間及び内輪4aと外輪4bとの間に隙間が生じる傾向にある。この傾向は、後者(軸受け4)においてハブ本体8aの内周面との間の空間があるため特に顕著である。一方、嵌合部5b及びスペーサ部5cは、軸2の熱膨張係数より大きいので、温度が上昇すると軸2より嵌合部5b及びスペーサ部5cのほうが膨張量が大きくなる。それ故に、軸受け3を基準にすると、外輪4bの方が内輪4aよりも軸方向下方に変位する。外輪4bのこのような変位は、内輪4aと外輪4bとの隙間を解消する方向に働く。それに加えて、リング9の熱膨張係数が小さいことから嵌合部5bの径方向の熱膨張を押さえているため、スリーブ5は、全体として軸方向に大きく、径方向に小さく膨張する(或いはほとんど膨張しない)。その結果、外輪3bが内輪3aから及び外輪4bが内輪4aから遠ざかることなく、スリーブ5の両端に配置された外輪3bと外輪4bの間隔が、軸2の膨張に伴う内輪3aと内輪4aの間隔の拡がりに追従して又はそれ以上に拡がり、軸受け3,4に十分な予圧が付与される。
【0024】
−実施形態2−
この発明の実施形態2を図面に基づいて説明する。図2は実施形態2のモータ20を示す軸方向断面図で、図1と同様に記録ディスク駆動用モータである。記録ディスク駆動用モータ20も、ベース1、このベース1と相対的に回転自在であるハブ18、ベース1の中心から上方に立設された軸2、軸の上部に取り付けられた軸受け4及び軸の中程に取り付けられた軸受け3を備えている。
【0025】
この実施形態2では、図2に示されるように、実施形態1と比べてハブ18に対するスリーブ5の取り付け位置が上下逆になっている点で異なっている。また、それに伴いハブ本体18aの内周面の形状が関連部分でのみ異なっている。他の部分は実施形態1と同様である。ここでは、以下にその相違点を重点的に説明することにする。
【0026】
ハブ18は大きい円筒状のハブ本体18aとこのハブ本体18aの径方向内側に配設された小さい円筒状のスリーブ5とから構成されている。ハブ本体18aの内周面は、軸方向の中間部において径方向内側に突出する軸受け支持部18dを有し、その軸受け支持部18dに外輪3bが嵌合されている。ハブ本体18aの下端付近には径方向外側に突出する環状フランジ18bが、さらに下にはヨーク部18cが各々実施形態1と同じく記録ディスクを搭載するためとロータマグネット6を装着するために一体的に設けられている。
【0027】
スリーブ5は、実施形態1と同形同質であり、スペーサ部5cがハブ本体18aにおける軸受け支持部18dより上の内周面に圧入されるとともに軸受け支持部18dの上面で軸方向の位置が決められることにより、固定されている。嵌合部5bの外周面には外径がスペーサ部5cの外径よりも若干小さいリング9が嵌合されている(つまり、リング9が圧入されている)。リング9はハブ本体18aの1段目の内周面に間隔をあけて対向することから、リング9の外周面とハブ本体8aとの間には環状の空間が形成されている。この空間の径方向の幅は、温度が変化してもスリーブ5がハブ本体8aの内面と接触しないように設定され、スリーブ5の上端側は自由な熱変形を行うことができる。
軸受け4は、図2に示すように組み立てられて、内輪4aが軸方向下方に付勢されながら軸20に固定される。これにより、軸受け3,4は、その付勢力が内輪4aから転動体4cを介して外輪4bに伝わり、さらにスリーブ5とともに外輪3b、転動体3c、そして内輪3aへと伝わる。このようにして矢印A,Bに示すように軸受け3,4に予圧が付与される。
【0028】
この実施形態2でも、実施形態1と同じ関係の材料であってリング9を除くスリーブ5は、軸2よりも熱膨張係数の大きい材料から形成される。そして、リング9は嵌合部の熱膨張係数より小さい材料から形成される。ハードディスク駆動装置の温度上昇によって、記録ディスク駆動用モータの温度が高くなると、転動体3c、4cはセラミック材料から形成されているので、内輪3aと外輪3b及び内輪4aと外輪4bに隙間が生じる傾向にある。この傾向は、後者(軸受け4)において特に顕著である。一方、リング9を除くスリーブ5の熱膨張係数は、軸2の熱膨張係数より大きいので、温度が上昇すると軸2よりスリーブ5のほうが膨張量が大きくなる。それ故に、軸受け3を基準にすると、軸受け4の外輪4bの方が内輪4aよりも軸方向上方に変位する。外輪4aのこのような変位は、内輪3aと外輪3b、及び内輪4aと外輪4bとの隙間を解消する方向に働く。それに加えて、リング9は嵌合部5bの熱膨張係数より小さく嵌合部5bの径方向の熱膨張を押さえているため、スリーブ5は、全体として軸方向に大きく、径方向に小さく膨張する(或いはほとんど膨張しない)。その結果、外輪3bが内輪3aから及び外輪4bが内輪4aから遠ざかることなく、スリーブ5の両端に配置された外輪3bと外輪4bの間隔が、軸2の膨張に伴う内輪3aと内輪4aの間隔の拡がりに追従して又はそれ以上に拡がり、軸受け3,4に十分な予圧が付与される。
【0029】
−実施形態3−
この発明の実施形態3を図面に基づいて説明する。図3は実施形態3のモータ30を示す軸方向断面図であり、図1,2と同様の記録ディスク駆動用モータである。記録ディスク駆動用モータ30も、ベース1、このベース1と相対的に回転自在であるハブ8、ベース1の中心から上方に立設された軸2、軸の上部に取り付けられた軸受け4及び軸の中程に取り付けられた軸受け3を備えている。
【0030】
この実施形態3は、実施形態1がスリーブ5の嵌合部5bの外周にリング9を締まり嵌合することによって径方向の熱膨張を押さえているのに対し、スリーブ15の嵌合部15cの内周面のうち軸方向の下端付近を除く所定長さ(L2)にわたって外輪の外周面と間隔をあけて対向し、残部(L1)が外輪4bの外周面と接触している点で実施形態1と異なっている。以下に、その相違点を重点的に説明する。
【0031】
スリーブ15は、そのほぼ上半部をなして径方向外側および内側に突出する肉厚のスペーサ部15cと、ほぼ下半部をなしてスペーサ部5cと一体で薄肉の嵌合部15bとからなり、スペーサ部15cがハブ本体8aの内周面の上から2段目に圧入することにより固定されている。スリーブ15はまた、スペーサ部15cの上面がハブ本体8aの内周面の1段目と2段目の段差に当たることで軸方向の位置が決められている。また、軸受け支持部8dより内側に突き出たスペーサ部15cの上面にて外輪3bの軸方向の位置が決められている。スリーブ15の嵌合部15bは、スペーサ部15cよりも内径が大きく、この嵌合部15bに外輪4bが嵌合されている。そして、この嵌合部15bとスペーサ部15cとの段差15dにて外輪4bの軸方向の位置が決められている。嵌合部15bの内径は、段差15dより所定長さ(L2)に亘って外輪4bの外径よりも大きく、そのため嵌合部15bの内周面は長さ(L2)に亘って外輪4bの外周面と間隔をあけて対向している。そして嵌合部15bの下端に至る残りの長さ(L1)の部分の内径は、外輪4bの外径より小さく外輪4bを締まり嵌合している。一方、嵌合部15bの外径は実施形態1と同じく一様であるが、実施形態1のリング9に相当する要素は存在しない。従って、嵌合部15bの外周面とハブ本体8aとの間には環状の空間が形成されている。この空間の径方向の幅は、温度が変化してもスリーブ15がハブ本体8aの内面と接触しないように設定され、スリーブ15の下端側は自由な熱変形を行うことができる。
【0032】
この実施形態3においても、温度上昇時にスリーブ15が膨張し、それに伴って外輪4bが外輪3bに対して変位する。しかもスリーブ15の嵌合部15cと外輪4bとは長さ(L1)にわたる部分しか接触していないから、嵌合部15bは、外輪4bによってあまり規制されることがなく軸方向に膨張する。その膨張量は、スペーサ部15cの軸方向長さと長さ(L2)との和(L)を基準とし、それにスリーブ15の膨張係数を乗じた値で長さ(L2)が接触している場合に比べて十分に大きくなる。その結果、スリーブ15の両端に配置された外輪3bと外輪4bとの間隔が、軸2の膨張に伴う内輪3aと内輪4aと間隔の拡がりに追従して又はそれ以上に拡がり、軸受け3,4に十分な予圧が付与される。なお、長さ(L2)は大きくなればなる程、膨張量が増し予圧調整機能が向上するが、反対に長さ(L1)が小さくなりスリーブ4による外輪4bの支持が不安定となる懸念が生じることから、長さ(L1)と長さ(L2)の割合は、L1:L2=1:2もしくは1:3程度が望ましい。
【0033】
−実施形態4−
この発明の実施形態4を図面に基づいて説明する。図4は実施形態4のモータ40を示す軸方向断面図であり、図1〜3と同様の記録ディスク駆動用モータである。記録ディスク駆動用モータ40も、ベース1、このベース1と相対的に回転自在であるハブ18、ベース1の中心から上方に立設された軸2、軸の上部に取り付けられた軸受け4及び軸の中程に取り付けられた軸受け3を備えている。
【0034】
この実施形態4は、図4に示されるように、実施形態3と比べて、ハブ18に対するスリーブ15の取り付け方向が上下逆になっている点で異なる。又、それに伴いハブ本体18の内周面の形状が実施形態3と比べて異なっているが、その異なる部分は実施形態2と同じものであるため、その説明は省く。他の部分の構成は実施形態3と同様である。
この実施形態4においても、実施形態3と同様の作用効果が生じ、軸受けに十分な予圧が付与される。
【0035】
−実施形態5−
この発明の実施形態5を図面に基づいて説明する。図5は実施形態5のモータ50を示す軸方向断面図であり、図1〜4と同様の記録ディスク駆動用モータである。記録ディスク駆動用モータ50も、ベース1、このベース1と相対的に回転自在であるハブ8、ベース1の中心から上方に立設された軸2、軸2の上部に取り付けられた軸受け3及び軸の中程に取り付けられた軸受け4を備えている。
【0036】
この実施形態5は、実施形態1がそのスリーブ5の嵌合部5bの外周にリング9を締まり嵌合することによって径方向の熱膨張を押さえているのに対し、スリーブ25の軸方向の熱膨張係数αaが、径方向の熱膨張係数αr及び軸の熱膨張係数βよりも大きい点で実施形態1と異なっている。その他の構成は、実施形態1とほぼ同様である。以下に、その相違点を重点的に説明する。
【0037】
スリーブ25は、一様な外径を有する円筒状で、そのほぼ上半部をなして径方向内側に突出する肉厚のスペーサ部25cと、ほぼ下半部をなしてスペーサ部25cと一体でスペーサ部25cよりも若干薄肉の嵌合部25bとからなり、スペーサ部25cがハブ本体8aの内周面の上から2段目に圧入することにより固定されている。スリーブ25はまた、スペーサ部25cの上面がハブ本体8aの内周面の1段目と2段目の段差に当たることで軸方向の位置が決められている。また、軸受け支持部8dより内側に突き出たスペーサ部25cの上面にて外輪3bの軸方向の位置が決められている。スリーブ25の嵌合部25bは、スペーサ部25cよりも内径が大きく、この嵌合部25bに外輪4bが嵌合されている。そして、この嵌合部25bとスペーサ部25cとの段差25dにて外輪4bの軸方向の位置が決められている。実施形態1のリング9に相当する要素は存在しない。従って、嵌合部25bの外周面とハブ本体8aとの間には環状の空間が形成されている。この空間の径方向の幅は、温度が変化してもスリーブ25がハブ本体8aの内面と接触しないように設定され、スリーブ25の下端側は自由な熱変形を行うことができる。
【0038】
スリーブ25は、軸方向において径方向におけるよりも熱膨張係数が大きくなるように熱膨張係数に異方性を持つ樹脂で形成されている。このような熱膨張係数に異方性を持つ材料としては、例えば、ガラス繊維入りのポリブチレンテレフタートがある。ガラス繊維入りのポリブチレンテレフタートは、成型時の流れ方向とそれの垂直方向とで成形体の熱膨張係数が異なり、流れ方向の熱膨張係数20×10−6/℃よりも垂直方向のそれ80×10−6/℃が著しく大きい。同じ異方性材料として他に、焼結金属、FRM、Srフェライト磁石などがある。Srフェライト磁石の場合、磁場をかけて結晶を配向させることにより異方性をもたせることができる。
【0039】
この実施形態5においても、温度上昇時にスリーブ25が膨張し、それに伴って外輪4bが外輪3bに対して変位する。但し、軸方向の熱膨張係数αaが、径方向の熱膨張係数αrよりも大きいことから、スリーブ25の径方向の膨張量は、軸方向の膨張量に比べて小さい。即ち、スリーブ25は、軸方向に大きく径方向に小さく膨張する(或いはほとんど膨張しない)。更に、熱膨張係数αaが軸の熱膨張係数βよりも大きいことから、スリーブ25の軸方向の膨張量は、軸2の膨張量よりも大きい。その結果、外輪4bが内輪4aから遠ざかることなく、スリーブ25の両端に配置された外輪3bと外輪4bとの間隔が、軸2の膨張に伴う内輪3aと外輪4bとの間隔の拡がりに追従して又はそれ以上に拡がり、軸受け3,4に十分な予圧が付与される。
【0040】
−実施形態6−
この発明の実施形態6を図面に基づいて説明する。図6は実施形態6のモータ60を示す軸方向断面図であり、図1〜5と同様の記録ディスク駆動用モータである。記録ディスク駆動用モータ60も、ベース1、このベース1と相対的に回転自在であるハブ18、ベース1の中心から上方に立設された軸2、軸の上部に取り付けられた軸受け4及び軸の中程に取り付けられた軸受け3を備えている。
【0041】
この実施形態6は、図6に示されるように、実施形態5と比べてハブ18に取り付けられたスリーブ25の取り付け方向が上下逆になっている点で異なる。又、それに伴いハブ本体18の内周面の形状が実施形態5と比べて異なっているが、その異なる部分は実施形態2と同じものであるため、その説明は省く。又、スリーブ25の外径寸法がスペーサ部25cにおいてはハブ本体18aの内周面と当接するように設定されているが、嵌合部25bにおいては実施形態5のそれと比べ、若干小さくなっていて、ハブ本体18の内周面とは隙間が形成されている。他の部分の構成は実施形態5と同様である。
この実施形態6においても、実施形態5と同様の作用効果が生じ、軸受けに十分な予圧が付与される
【0042】
―実施形態7―
この発明の記録ディスク駆動装置にかかる実施形態7を図面に基づいて説明する。図9は、実施形態7に係る記録ディスク駆動装置であるハードディスク装置を模式的に示す軸方向断面図である。ハードディスク装置100は、内部が清浄に保たれたハウジング70と、ハウジング70内に設置された記録ディスク駆動用モータ10と、アクチュエータ74とを備えている。記録ディスク駆動用モータ10には複数枚(図示では4枚)の磁気ディスク71が軸方向に搭載されている。磁気ディスク71は記録ディスク駆動用モータ10の駆動によって所定方向に回転する。他方、アクチュエータ74には、磁気ディスク71に対して磁気ヘッド72を有するアーム73が径方向に延びるように取り付けられている。磁気ヘッド72は、この装置の非使用時はアーム73とともに磁気ディスク71から離れた位置に退避しており、記録ディスク駆動用モータ10の駆動とともにアクチュエータ74の作動によって旋回し、磁気ディスク71に接近して情報を読み書きする。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。例えば、実施形態1,2のリング9を実施形態5,6に追加したり、実施形態3,4のスリーブ15を実施形態5,6のスリーブ25のような特性を有する材料に変更することにより、それぞれの相乗効果を得ることができる。また、各実施形態では、何れもハードディスク装置の記録ディスク駆動用モータを例示したが、高温下におかれて熱膨張の問題を伴うものであれば、ハードディスク以外の記録ディスクであってもよいし、記録ディスク装置以外の駆動装置に搭載されるモータに適用することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、この発明のモータによれば、モータにおける軸受けの予圧調整機能が一層向上し、モータが従来以上の高温下におかれても軸受けの予圧の低下を防止することができ、このモータの用途が大幅に拡大する。
また、この発明の記録ディスク駆動装置によれば、記録ディスク駆動用モータにおける軸受けの予圧調整機能が一層向上し、この装置が従来以上の高温下におかれても軸受けの予圧の低下を防止することができ、この装置の用途が大幅に拡大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の記録ディスク駆動用モータを示す軸方向断面図である。
【図2】実施形態2の記録ディスク駆動用モータを示す軸方向断面図である。
【図3】実施形態3の記録ディスク駆動用モータを示す軸方向断面図である。
【図4】実施形態4の記録ディスク駆動用モータを示す軸方向断面図である。
【図5】実施形態5の記録ディスク駆動用モータを示す軸方向断面図である。
【図6】実施形態6の記録ディスク駆動用モータを示す軸方向断面図である。
【図7】従来の記録ディスク駆動用モータを示す軸方向断面図である。
【図8】もう一つの従来の記録ディスク駆動用モータの要部を示す軸方向断面図である。
【図9】実施形態7に係る記録ディスク駆動装置であるハードディスク装置を模式的に示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
1,51 ベース
2,52,62 軸
3,4,53,54,63,64 軸受け
5,15、25 スリーブ
5c,15c,25c スペーサ部
5b,15b,25b 嵌合部
8,18,58 ハブ
9 リング
10,20,30,40,50,60,70 記録ディスク駆動用モータ
80 モータ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The main technical field of the present invention belongs to a motor for driving a recording disk such as a hard disk and a recording disk device provided with the motor.
[0002]
[Prior art]
[Patent Document 1] Japanese Patent No. 3355603
[Patent Document 2] JP-A-2002-266854
A conventional motor will be described by taking a recording disk drive motor of a hard disk drive as an example. In a motor of a hard disk device, a so-called rolling bearing having a pair of inner and outer rings and a rolling element sandwiched between them may be used as a bearing for rotating a rotating member relative to a stationary member. In the case of this type of bearing, an appropriate preload is always applied between the rolling element and the inner and outer rings regardless of a temperature change so that the rolling element is incorporated so as not to rattle, thereby stabilizing the rotation.
In a hard disk drive, the stator generates heat by energizing a coil for generating a rotational torque of a motor. In addition, since the components constituting the motor become hot during rotation due to the rise in the use environment temperature, it is necessary to employ a means for compensating for the difference in thermal expansion between the bearing and the components around it. As such means, a bearing mechanism described in Japanese Patent No. 3355603 and a motor described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-266854 are known.
[0003]
FIG. 7 is a sectional view of a spindle motor used in a hard disk device described in Japanese Patent No. 3355603 (Patent Document 1). The
[0004]
The
[0005]
The
[0006]
An
[0007]
In the
[0008]
Next, FIG. 8 is a partial cross-sectional view of a shaft portion of a motor described in JP-A-2002-266854 (Patent Document 2). The
[0009]
In the
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the configuration described in
In recent hard disk devices, the motor tends to operate at a higher speed with higher performance, and the load on the motor itself is increasing. In addition, the device may be used at an unprecedented environmental temperature as the use of the device expands. For this reason, it is inevitable that the temperature of the motor itself is further increased, and the amount of thermal expansion tends to increase. Therefore, further improvement of the preload adjusting function is required.
The above requirement is not limited to the motor for driving the recording disk, but can also be applied to a motor having a similar preload adjusting function for other uses.
Therefore, an object of the present invention is to provide a motor including a bearing mechanism in which a preload is reliably applied between the inner and outer races and the rolling elements even when the temperature rises.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the problem, a recording disk driving motor according to the first invention of the present application has a shaft fixed to a base, an inner ring, a rolling element, and an outer ring, and the inner rings are spaced from each other in the axial direction. A first and second bearings fixed to a shaft, and a recording disk drive motor including a hub for loading a recording disk and holding an outer ring of the bearing,
The hub includes a hub body that holds an outer ring of a first bearing, and a sleeve that has one end fixed to the hub body and the other end holding an outer ring of a second bearing,
The sleeve is a spacer portion interposed between the outer rings, a fitting portion extending to the free end side from the spacer portion and fitted to the outside of the outer ring of the second bearing, and fitted to the outside of the fitting portion. Ring that is
The thermal expansion coefficient α of the fitting portion is larger than the thermal expansion coefficient β of the shaft and the thermal expansion coefficient γ of the ring.
[0012]
Hereinafter, the inner ring, the outer ring, and the rolling element of the first bearing are referred to as a first inner ring, a first outer ring, and a first rolling element, and the same applies to each element of the second bearing.
According to the first aspect, when the temperature rises, the sleeve expands, and accordingly, the second outer ring is displaced with respect to the first outer ring. However, since the coefficient of thermal expansion of the ring is smaller than that of the fitting portion, the amount of radial expansion of the fitting portion is regulated by the amount of expansion of the ring. As a result, without the second outer ring moving away from the inner ring, the interval between the outer rings arranged at both ends of the sleeve follows or increases with the expansion of the interval between the inner rings due to the expansion of the shaft, and a sufficient preload. Is given.
[0013]
Further, in order to solve the above problem, a recording disk drive motor according to a second invention of the present application has a shaft fixed to a base, an inner ring, a rolling element, and an outer ring, and the inner rings in the axial direction. A first and second bearings fixed to a shaft at an interval, and a recording disk drive motor including a hub on which a recording disk is loaded and which holds an outer ring of the bearing;
The hub includes a hub body that holds an outer ring of a first bearing, and a sleeve that has one end fixed to the hub body and the other end holding an outer ring of a second bearing,
The sleeve comprises a spacer portion interposed between the outer rings, and a fitting portion extending to the free end side from the spacer portion and fitted to the outside of the second outer ring,
The thermal expansion coefficient α of the sleeve is larger than the thermal expansion coefficient β of the shaft,
A part of the inner peripheral surface of the fitting portion is opposed to the outer peripheral surface of the outer ring with a gap, and the remaining portion is in contact with the outer peripheral surface of the outer ring.
[0014]
Also in this second invention, the sleeve expands when the temperature rises, and accordingly, the second outer ring is displaced with respect to the first outer ring. In addition, since the fitting portion of the sleeve and the second outer ring are only partially in contact with each other, the expansion of the sleeve in the axial direction is not so much restricted by the second outer ring. As a result, the interval between the outer rings arranged at both ends of the sleeve is expanded following the expansion of the interval between the inner rings due to the expansion of the shaft or more, and a sufficient preload is applied.
[0015]
Furthermore, in order to solve the above problems, a recording disk drive motor according to a third invention of the present application has a shaft fixed to a base, an inner ring, a rolling element, and an outer ring, and the inner rings of each other are arranged in the axial direction. A first and second bearings fixed to the shaft at an interval, and a recording disk drive motor including a hub for loading a recording disk and holding an outer ring of the bearing,
The hub includes a hub body that holds an outer ring of a first bearing, and a sleeve that has one end fixed to the hub body and the other end holding an outer ring of a second bearing,
The sleeve comprises a spacer portion interposed between the outer rings, and a fitting portion extending to the free end side from the spacer portion and fitted to the outside of the second outer ring,
The sleeve is characterized in that the axial thermal expansion coefficient αa is larger than the radial thermal expansion coefficient αr and the axial thermal expansion coefficient β.
[0016]
Also in this third invention, the sleeve expands when the temperature rises, and accordingly, the second outer ring is displaced with respect to the first outer ring. However, since the axial thermal expansion coefficient αa is larger than the radial thermal expansion coefficient αr, the radial expansion amount of the sleeve is smaller than the axial expansion amount. That is, the sleeve expands largely in the axial direction and small in the radial direction. Further, since αa is larger than the thermal expansion coefficient β of the shaft, the amount of expansion of the sleeve in the axial direction is larger than the amount of expansion of the shaft. As a result, without the second outer ring moving away from the inner ring, the interval between the outer rings arranged at both ends of the sleeve follows or increases with the expansion of the interval between the inner rings due to the expansion of the shaft, and a sufficient preload. Is given.
[0017]
In each of the first to third inventions, it is desirable that the sleeve be tightly fitted inside the hub body in order to facilitate positioning of the sleeve with respect to the hub body during assembly. However, it is desirable to provide a gap between the free end of the sleeve and the inner peripheral surface of the hub body so that the sleeve can expand without interference from the hub body. Means for providing the gap include (1) forming the inner peripheral surface of the hub main body into a tube having a different diameter, that is, increasing the inner diameter of the hub main body on the fixed end side of the sleeve to the outer diameter of the sleeve and increasing the inner diameter on the free end side. Alternatively, (2) the outer diameter of the sleeve is reduced on the free end side.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
-Embodiment 1-
[0019]
The
[0020]
A pair of
[0021]
The hub 8 includes a large
[0022]
The
The
[0023]
In the first embodiment, the
[0024]
-
[0025]
The second embodiment is different from the first embodiment in that the mounting position of the
[0026]
The
[0027]
The
The
[0028]
Also in the second embodiment, the
[0029]
-
[0030]
In the third embodiment, the thermal expansion in the radial direction is suppressed by tightening and fitting the
[0031]
The
[0032]
Also in the third embodiment, the
[0033]
-Embodiment 4-
[0034]
As shown in FIG. 4, the fourth embodiment differs from the third embodiment in that the mounting direction of the
Also in the fourth embodiment, the same operation and effect as in the third embodiment are generated, and a sufficient preload is applied to the bearing.
[0035]
-Embodiment 5-
[0036]
In the fifth embodiment, while the first embodiment suppresses radial thermal expansion by tightly fitting the
[0037]
The
[0038]
The
[0039]
Also in the fifth embodiment, when the temperature rises, the
[0040]
-Embodiment 6-
[0041]
The sixth embodiment is different from the fifth embodiment in that the mounting direction of the
Also in the sixth embodiment, the same operation and effect as those of the fifth embodiment occur, and a sufficient preload is applied to the bearing.
[0042]
-Embodiment 7-
Embodiment 7 of the recording disk drive of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 9 is an axial cross-sectional view schematically illustrating a hard disk drive that is a recording disk drive according to the seventh embodiment. The
[0043]
As described above, the embodiments of the present invention have been described, but the scope of the present invention is not limited thereto. For example, by adding the
[0044]
【The invention's effect】
As described above, according to the motor of the present invention, the function of adjusting the preload of the bearing in the motor is further improved, and the preload of the bearing can be prevented from lowering even when the motor is kept at a higher temperature than before. The use of motors will be greatly expanded.
Further, according to the recording disk drive device of the present invention, the preload adjustment function of the bearing in the recording disk drive motor is further improved, and the preload of the bearing is prevented from lowering even when the device is subjected to a higher temperature than before. This greatly expands the application of this device.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an axial sectional view showing a recording disk drive motor according to a first embodiment.
FIG. 2 is an axial sectional view showing a recording disk driving motor according to a second embodiment.
FIG. 3 is an axial sectional view showing a recording disk driving motor according to a third embodiment.
FIG. 4 is an axial sectional view showing a recording disk drive motor according to a fourth embodiment.
FIG. 5 is an axial sectional view showing a recording disk drive motor of a fifth embodiment.
FIG. 6 is an axial sectional view showing a recording disk drive motor according to a sixth embodiment.
FIG. 7 is an axial sectional view showing a conventional recording disk drive motor.
FIG. 8 is an axial sectional view showing a main part of another conventional recording disk drive motor.
FIG. 9 is an axial cross-sectional view schematically illustrating a hard disk drive that is a recording disk drive according to a seventh embodiment.
[Explanation of symbols]
1,51 base
2,52,62 axes
3,4,53,54,63,64 bearing
5,15,25 sleeve
5c, 15c, 25c Spacer part
5b, 15b, 25b Fitting part
8,18,58 hub
9 Ring
10,20,30,40,50,60,70 Recording disk drive motor
80 motor
Claims (4)
前記ハブは、第一の軸受けの外輪を保持するハブ本体と、一端がハブ本体に固定されて他端が第二の軸受けの外輪を保持するスリーブとを備え、
そのスリーブはそれらの外輪の間に介在するスペーサ部と、スペーサ部より自由端側に延びて第二の軸受けの外輪の外側に嵌合される嵌合部と、嵌合部の外側に嵌合されるリングとからなり、
嵌合部の熱膨張係数αが軸の熱膨張係数β及びリングの熱膨張係数γよりも大きいことを特徴とするモータ。First and second bearings each having a shaft fixed to a base, an inner ring, a rolling element, and an outer ring, and each inner ring fixed to the shaft at an axial interval, and a recording disk are loaded. Together with a hub for holding the outer race of the bearing,
The hub includes a hub body that holds an outer ring of a first bearing, and a sleeve that has one end fixed to the hub body and the other end holding an outer ring of a second bearing,
The sleeve is a spacer portion interposed between the outer rings, a fitting portion extending to the free end side from the spacer portion and fitted to the outside of the outer ring of the second bearing, and fitted to the outside of the fitting portion. Ring that is
A motor having a thermal expansion coefficient α of a fitting portion larger than a thermal expansion coefficient β of a shaft and a thermal expansion coefficient γ of a ring.
前記ハブは、第一の軸受けの外輪を保持するハブ本体と、一端がハブ本体に固定されて他端が第二の軸受けの外輪を保持するスリーブとを備え、
そのスリーブはそれらの外輪の間に介在するスペーサ部と、スペーサ部より自由端側に延びて第二の軸受けの外輪の外側に嵌合される嵌合部とからなり、
スリーブの熱膨張係数αが軸の熱膨張係数βよりも大きく、
嵌合部の内周面の一部が外輪の外周面と間隙をあけて対向し、残部が外輪の外周面と接触していることを特徴とするモータ。First and second bearings each having a shaft fixed to a base, an inner ring, a rolling element, and an outer ring, and each inner ring fixed to the shaft at an axial interval, and a recording disk are loaded. Together with a hub for holding the outer race of the bearing,
The hub includes a hub body that holds an outer ring of a first bearing, and a sleeve that has one end fixed to the hub body and the other end holding an outer ring of a second bearing,
The sleeve comprises a spacer portion interposed between the outer rings, and a fitting portion extending to the free end side from the spacer portion and fitted to the outside of the outer ring of the second bearing,
The thermal expansion coefficient α of the sleeve is larger than the thermal expansion coefficient β of the shaft,
A motor characterized in that a part of an inner peripheral surface of a fitting portion is opposed to an outer peripheral surface of an outer ring with a gap, and a remaining portion is in contact with an outer peripheral surface of an outer ring.
前記ハブは、第一の軸受けの外輪を保持するハブ本体と、一端がハブ本体に固定されて他端が第二の軸受けの外輪を保持するスリーブとを備え、
そのスリーブはそれらの外輪の間に介在するスペーサ部と、スペーサ部より自由端側に延びて第二の外輪の外側に嵌合される嵌合部とからなり、
スリーブの軸方向の熱膨張係数αaが、径方向の熱膨張係数αr及び軸の熱膨張係数βよりも大きいことを特徴とするモータ。First and second bearings each having a shaft fixed to a base, an inner ring, a rolling element, and an outer ring, and each inner ring fixed to the shaft at an axial interval, and a recording disk are loaded. Together with a hub for holding the outer race of the bearing,
The hub includes a hub body that holds an outer ring of a first bearing, and a sleeve that has one end fixed to the hub body and the other end holding an outer ring of a second bearing,
The sleeve comprises a spacer portion interposed between the outer rings, and a fitting portion extending to the free end side from the spacer portion and fitted to the outside of the second outer ring,
A motor having a sleeve having a thermal expansion coefficient αa in an axial direction larger than a radial thermal expansion coefficient αr and a shaft thermal expansion coefficient β.
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CN103758859A (en) * | 2014-01-06 | 2014-04-30 | 杭州华星轴承有限公司 | Precise-installed rolling combination bearing |
US20220160040A1 (en) * | 2019-01-26 | 2022-05-26 | Shenzhen First Union Technology Co., Ltd. | Cigarette heater and electric heating smoking apparatus |
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2003
- 2003-02-20 JP JP2003042555A patent/JP2004254431A/en not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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