JP2004254195A - 動画像符号化装置及び動画像符号化方法並びに動画像伝送システム及び動画像符号化プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影機によって撮影した動画像を予測符号化し、ネットワークを介して伝送する動画像伝送システムにおいて、ネットワーク上で動画像フレームの欠落が生じたとき動画像復号化装置において正常に復号したフレームを参照フレームとして後続する未送信のフレームを符号化し伝送することにより正常に復号するまでの時間を短縮すること。
【解決手段】動画像符号化装置102はフレームのロス通知を動画像復号化装置103から受け、既に伝送をした新しいフレームのうち1つもしくは複数のフレームを、動画像復号化装置103が正常に復号化をしたフレームを参照フレームとして復号化し伝送することによって、表示可能なフレームを増やし、動画像フレーム欠落時の画質改善の図られた動画像をモニタ104で表示する。
【選択図】 図1
【解決手段】動画像符号化装置102はフレームのロス通知を動画像復号化装置103から受け、既に伝送をした新しいフレームのうち1つもしくは複数のフレームを、動画像復号化装置103が正常に復号化をしたフレームを参照フレームとして復号化し伝送することによって、表示可能なフレームを増やし、動画像フレーム欠落時の画質改善の図られた動画像をモニタ104で表示する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレーム間符号化を行う動画像伝送システムに係り、さらに詳しくは動画像伝送におけるデータの欠落による画質低下を改善するための機能を備えた動画像符号化装置及び動画像符号化方法並びに動画像伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動画像をフレーム間符号化して得られたデータを、ネットワークを用いてリアルタイム伝送する際、インターネットのように他のトラヒックがネットワーク上に流れる伝送媒体であると、輻輳が生じてデータの欠落の可能性がある。動画像をフレーム間符号化している場合、動画像データが欠落するとそのフレームを参照して符号化されている後続フレームが正常に復元できなくなるという問題があった。
【0003】
そのために、フレームの欠落時に後続フレームを正常に復元する対策を講じる必要がある。例えば、受信側システムで復号化したフレームの復号異常の有無を判定し、復号異常有無信号を生成して受信側システムから送信側システムに伝送し、送信側システムでは復号異常があったとき、復号異常があったフレームより時間的に過去のフレームの中で正常に復元できたことが確認されたフレームのうちフレームバッファに保存しているフレームを参照フレームとして符号化して受信側システムへ伝送する手法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−191356号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法では、送信側システムである動画像符号化装置が復号異常通知を受信後に符号化するフレームは、動画像復号化装置が正常に復号化したフレームを参照フレームとして符号化されるので正常表示可能であるが、復号異常通知の受信前に符号化して伝送したフレームは、正常に復号されないので再生できないという問題がある。
【0006】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、欠落フレームの後続フレームを符号化でき、再送して表示可能な動画像符号化装置及び動画像符号化方法並びに動画像伝送システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、動画像符号化装置がフレームの復号異常信号を動画像復号化装置から受け、既に伝送をした新しいフレームのうち1つもしくは複数のフレームを、動画像復号化装置が正常に復号化をしたフレームを参照フレームとして復号化し伝送することによって、表示可能なフレームを増やし、動画像フレーム欠落時の画質を改善するものである。
【0008】
【本発明の実施の形態】
本発明の第1の態様は、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する符号化手段と、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持するフレームバッファ部と、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記フレームバッファ部より復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するフレーム管理手段と、を具備する動画像符号化装置である。
【0009】
以上のように構成された動画像符号化装置によれば、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、フレームバッファ部より復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するので、動画像復号化装置において再送フレームを復号することができ、欠落フレーム以降の復号異常フレームのすべて又は一部を正常に復号することができ、画質の改善を図ることができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様の動画像符号化装置において、フレーム管理手段は、前記フレームバッファ部から再送フレームを選ぶ場合、優先的に新しいフレームを選択するものとした。
【0011】
これにより、動画像復号化装置における表示時刻に間に合うフレームが優先的に選択されて再送されるものとなる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の動画像符号化装置において、再送フレームを符号化して再送を行う場合、復号異常信号の受信時に前記フレーム管理手段から通知された参照フレームをすべての再送フレームに適用して符号化するものとした。
【0013】
これにより、再送フレームを受信した動画像復号化装置では先に正常復号して保持しているフレームを参照フレームとして正常復号できるものとなる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1又は第2の態様の動画像符号化装置において、再送フレームを符号化して再送を行う場合、復号異常信号の受信時に前記フレーム管理手段から通知された参照フレームを最も古い再送フレームに適用し、後続する再送フレームは1つ前のフレームを参照フレームとして用いるものとした。
【0015】
これにより、再送フレームを受信した動画像復号化装置では、順次直前のフレームを参照フレームとして復号することができ、参照フレームと符号化フレームとの時間間隔が短くなるので符号化効率を向上することができる。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1の態様の動画像符号化装置において、前記フレーム管理手段は、前記動画像復号化装置から復号異常信号と時刻印を受信した場合、前記時刻印からフレーム伝搬遅延時間を計算し、フレームの符号化時刻からフレーム伝搬遅延時間を加えた時刻が、前記動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームを前記フレームバッファ部から再送フレームとして選ぶものとした。
【0017】
これにより、動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームをフレームバッファ部から再送フレームとして選ぶので、リアルタイムで再生するシステムであればフレーム表示時刻に間に合わない不要なフレームが再送される不具合を解消することができる。
【0018】
本発明の第6の態様は、動画像符号化装置から符号化フレームと参照フレーム番号と時刻印とを受信する受信手段と、この受信された符号化フレームをその参照フレーム番号が示すフレームを用いて復号する復号化手段と、符号化フレームの復号結果を表す復号異常有無信号と符号化フレームに対応するフレーム番号とを対にして前記動画像符号化装置へ送信する送信手段と、前記符号化フレームの復号異常が発生した場合、当該符号化フレームと共に受信した時刻印からフレーム伝搬遅延時間を計算し、この計算したフレーム伝搬遅延時間を前記動画像符号化装置へ送信する復号異常信号に付加するフレーム管理手段と、を具備する動画像復号化装置である。
【0019】
以上のように構成された本発明によれば、符号化フレームの復号異常が発生した場合、当該符号化フレームと共に受信した時刻印からフレーム伝搬遅延時間を計算し、この計算したフレーム伝搬遅延時間を前記動画像符号化装置へ送信する復号異常信号に付加するので、動画像符号化装置においてフレーム伝搬遅延時間を計算する負荷を削減できる。
【0020】
本発明の第7の態様は、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する符号化手段と、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持するフレームバッファ部と、動画像復号化装置から復号異常信号とフレーム番号とフレーム伝搬遅延時間とを受信した場合、フレームの符号化時刻からフレーム伝搬遅延時間を加えた時刻が、前記動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームを前記フレームバッファ部から再送フレームとして選び、先に復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するフレーム管理手段と、を具備する動画像符号化装置である。
【0021】
以上のように構成された動画像符号化装置によれば、符号化フレームの復号異常が発生した場合、フレームの符号化時刻からフレーム伝搬遅延時間を加えた時刻が、前記動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームを前記フレームバッファ部から再送フレームとして選ぶので、古くて不要なフレームが動画像復号化装置へ伝送されることを防止できる。
【0022】
本発明の第8の態様は、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化し、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持する一方、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記保持フレームの中から復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとしてフレーム再送を行う動画像符号化方法である。
【0023】
以上のように構成された動画像符号化方法によれば、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとするので、動画像復号化側において再送フレームを復号することができ、欠落フレーム以降の復号異常フレームのすべて又は一部を正常に復号することができ、画質の改善を図ることができる。
【0024】
本発明の第9の態様は、フレームを符号化する動画像符号化装置と符号化フレームを復号化する動画像復号化装置とから構成される動画像伝送システムであって、前記動画像符号化装置は、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する符号化手段と、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持するフレームバッファ部と、前記動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記フレームバッファ部より復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するフレーム管理手段とを備え、前記動画像復号化装置は、前記動画像符号化装置から符号化フレームと参照フレーム番号とを受信する受信手段と、この受信された符号化フレームをその参照フレーム番号が示すフレームを用いて復号する復号化手段と、符号化フレームの復号結果を表す復号異常有無信号と符号化フレームに対応するフレーム番号とを対にして前記動画像符号化装置へ送信する送信手段とを備える、動画像伝送システムである。
【0025】
本発明の第10の態様は、コンピュータに、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する機能と、現フレームの送信後も符号化前のフレームをフレームバッファに格納して複数フレーム期間に亘り保持させる機能と、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記フレームバッファの中から復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとしてフレーム再送を行う機能と、を実現させるための動画像符号化プログラムである。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る動画像伝送システムのブロック図である。同図に示す動画像伝送システム100は、撮影機101、動画像符号化装置102、動画像復号化装置103、モニタ104から構成されている。
【0028】
動画像符号化装置102は、動画像入力部105、フレームバッファ部106、符号化部107、フレーム管理部108、最新参照フレーム候補バッファ部109、送受信部110から構成される。
【0029】
また、動画像復号化装置103は、送受信部(B)111、受信バッファ部112、復号化部113、フレーム管理部(B)114、フレームバッファ部115、出力部116から構成される。
【0030】
撮影機101は、動画像を撮影し動画像信号を動画像符号化装置102へ伝送する機能を有している。
【0031】
ここで、動画像符号化装置102の構成について詳細に説明する。
【0032】
動画像入力部105は、撮影機101から伝送された動画像フレームをフレームバッファ部106とフレーム管理部108へ伝送する機能を有している。
【0033】
フレームバッファ部106は、動画像入力部105により入力された動画像フレームを格納する機能を有する。さらに、フレームバッファ部106は、フレーム管理部108よりフレーム番号の通知を受け、フレームとフレーム番号を対にしてバッファに記録し、符号化部107へフレームを伝送する機能と、フレーム管理部108により最新参照フレーム候補更新通知を受け、該当するフレームを最新参照フレーム候補バッファ部109へ伝送する機能と、を有している。
【0034】
符号化部107は、フレーム管理部108より符号化を行うフレームの番号の通知を受け、フレームの番号が示すフレームをフレームバッファ部106より受信し、さらに、フレーム間符号化を行う場合はフレームバッファ部106又は最新参照フレーム候補バッファ部109より参照フレームを受信し、符号化を行う機能を有している。
【0035】
フレーム管理部108は、動画像入力部105により動画像入力の通知を受け、フレームのフレーム番号を計算して動画像入力部105へ通知を行う機能と、フレームの参照フレームを登録し、フレームバッファ部106と符号化部107へ通知を行う機能と、送受信部110よりフレームの復号異常信号を受け、最新参照フレーム候補を検索しフレームバッファ部106へ再送フレーム番号と参照フレーム番号の通知を行う機能と、送受信部110よりフレームの復号正常信号を受け、フレームバッファ部106に最新参照フレーム候補の更新を通知する機能と、を有している。
【0036】
最新参照フレーム候補バッファ部109は、フレームバッファ部106により動画像復号化装置103により復号正常信号を受けたフレームを受信し格納する機能と、符号化部107により最新参照フレーム候補の要求を受け、符号化部107への伝送を行う機能を有している。
【0037】
送受信部110は、符号化部107により受信した動画像フレームを動画像復号化装置103へ伝送する機能と、動画像復号化装置103よりフレームの復号異常信号を受けフレーム管理部108へ通知する機能を有している。
【0038】
次に、動画像復号化装置103の構成について詳細に説明する。
【0039】
送受信部(B)111は、動画像符号化装置102により伝送された動画像フレームの受信を行い受信バッファ部112へ伝送する機能と、フレーム管理部(B)114によりフレーム復号異常の通知を受け、復号異常信号を動画像符号化装置102へ伝送する機能と、を有している。
【0040】
受信バッファ部112は、送受信部(B)111で受信した動画像フレームを格納し、フレーム管理部(B)114と復号化部113へ伝送する機能を有している。
【0041】
復号化部113は、受信バッファ部112により受信した動画像フレームを、フレーム管理部(B)114から通知を受けた参照フレーム番号を参照し、フレームバッファ部(B)115から参照フレームを受信し、動画像フレームの復号を行い、出力部116とフレームバッファ部(B)115へ伝送する機能を有している。
【0042】
フレーム管理部(B)114は、受信バッファ部112から動画像フレーム、フレーム番号、参照フレーム番号を受信し、フレーム番号より前のフレーム番号が抜けていたらフレームが欠落しているとみなし送受信部(B)111へ通知する機能と、復号化部113に該当するフレーム番号と参照フレーム番号とを通知する機能を有している。
【0043】
フレームバッファ部(B)115は、復号化部113より伝送された動画像フレームを格納する機能と、復号化部113へ参照フレームを伝送する機能と、フレーム管理部(B)114よりフレーム番号と参照フレーム番号との通知を受け、登録する機能を有している。
【0044】
出力部116は、復号化部113より受信した動画像フレームをモニタ104へ伝送する機能を有している。モニタ104は動画像復号化装置103より受信した動画像フレームを画面に出力する機能を有している。
【0045】
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る動画像伝送システムの動作について説明する。
【0046】
動画像符号化装置102及び動画像復号化装置103による動画像伝送の動作を、図2に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0047】
まず、動画像符号化装置102がフレーム内符号化したフレーム(以下Iフレーム)I1を伝送する。このとき、フレームI1を符号化する前のデータをフレームバッファ部106へ格納し、さらに、フレーム管理部108へ通知しフレーム番号と参照フレーム番号からなるフレームの信号を登録し、フレームI1とフレーム番号を多重化して伝送する。ここでフレームI1はIフレームであるので参照フレーム番号の登録は行わない。
【0048】
次に、次のフレームを動画像入力部105より受信し、フレームバッファ部106に格納後、フレーム管理部108に通知し、フレーム番号の付与と参照フレームを一つ前のフレームに決定する。フレーム番号と参照フレーム番号とフレームとを符号化部107に伝送し、フレームI1を参照フレームとして用いて符号化を行い、フレームP2として送受信部110に伝送し、動画像復号化装置103へフレーム番号と参照フレーム番号と共に伝送する。
【0049】
動画像復号化装置103では、フレームI1を受信後、フレームI1は参照フレームを持たないため、復号正常信号を動画像符号化装置102へ伝送する。また、すぐに復号を行うことはせず、一定時間受信バッファ部112に保持した後、復号化部113に伝送して復号し、復号フレームを出力部116よりモニタ104に出力する。
【0050】
次に、動画像復号化装置103がP2を受信したときは、受信バッファ部112に格納後、フレーム管理部(B)114に通知を行う。フレーム管理部(B)114では受信フレームの欠落がないか検査した後、送受信部(B)111に通知を行い、動画像符号化装置102へ復号正常信号の伝送を行う。
【0051】
ここで、フレームの欠落があったときの動作について説明する。図2にフレームP4が欠落したときを例に説明する。
【0052】
動画像復号化装置103では、次のフレームであるフレームP5を受信後、フレームP4の欠落の検出をすることになる。フレームP5を受信後、フレーム管理部(B)114では参照フレームであるフレームP4を受信していないため、フレームP5の復号異常信号を、送受信部(B)111を介して動画像符号化装置102へ伝送する。
【0053】
図2の例では動画像符号化装置102がフレームP5の復号異常信号を受信した時点ですでにフレームP7まで符号化送信してしまっている。この場合、フレームP4が欠落しているため、動画像復号化装置103では、フレームP7まで正常に復号を行うことが出来ない。
【0054】
そこで、動画像符号化装置102では、フレーム管理部108により、フレームP4からフレームP7の中から、ここでは例として、フレームP6とフレームP7を再送することにする。最新参照フレーム候補バッファ部109に格納されている、復号正常信号を受信したフレームP3を参照フレームとして、フレームバッファ部106に格納されているフレームP6とフレームP7を符号化しなおし、フレームP6´、フレームP7´として再送する。すでに動画像復号化装置103で正常受信しているフレームP3を参照フレームとしているため、動画像復号化装置103ではフレームP6´とフレームP7´を正常に復号することが出来る。続くフレームP8もフレームP3を参照フレームとして用いて符号化を行い、伝送をすることにより正常に復号可能となる。
【0055】
なお、フレームP6´を、フレームP3を参照フレームとして符号化し、続くフレームP7´を、フレームP6´を参照フレームとして符号化し、フレームP8を、フレームP7´を参照フレームとして符号化するようにしても良い。
【0056】
以上のように本実施の形態1によれば、伝送フレームの欠落時に、欠落したフレームを参照画像として符号化した後続するフレームを動画像復号化装置103において正常に受信されたフレームを参照フレームとして符号化した後、再送することにより表示を行い、動画像画質の改善を行うことが可能となる。
【0057】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2に係る動画像伝送システムのブロック図である。同図に示すように、動画像伝送システム300は、撮影機101、動画像符号化装置302、動画像復号化装置303、モニタ104から構成される。
【0058】
動画像伝送システム300は、動画像入力部105、フレームバッファ部106、符号化部107、フレーム管理部(C)308、最新参照フレーム候補バッファ部109、送受信部110から構成される。
【0059】
また、動画像復号化装置303は、送受信部(B)111、受信バッファ部112、復号化部113、フレーム管理部(D)314、フレームバッファ部(B)115、出力部116から構成される。
【0060】
撮影機101は動画像を撮影し動画像符号化装置302へ伝送する機能を有している。
【0061】
動画像入力部105は、撮影機101から伝送された動画像フレームをフレームバッファ部106とフレーム管理部(C)308へ伝送する機能を有している。
【0062】
フレームバッファ部106は、動画像入力部105により入力された動画像フレームを格納する機能と、フレーム管理部(C)308より、フレーム番号の通知を受け、フレームとフレーム番号を対にしてバッファに記録し、符号化部107へフレームを伝送する機能と、フレーム管理部(C)308により最新参照フレーム候補更新通知を受け、該当するフレームを最新参照フレーム候補バッファ部109へ伝送する機能とを有している。
【0063】
符号化部107は、フレーム管理部(C)308より符号化を行うフレームの番号の通知を受け、フレームの番号が示すフレームをフレームバッファ部106より受信し、さらに、フレーム間符号化を行う場合はフレームバッファ部106か最新参照フレーム候補バッファ部109により参照フレームを受信し、符号化を行う機能を有している。
【0064】
フレーム管理部(C)308は、動画像入力部105により動画像入力の通知を受け、フレームのフレーム番号を計算し動画像入力部105へ通知を行う機能と、フレームの参照フレームを登録し、フレームバッファ部106と符号化部107へ通知を行う機能と、送受信部110よりフレームの復号異常信号と時刻印を受け、時刻印からフレーム伝搬遅延時間を推定し、フレームのフレーム表示時刻と、現在時刻からのフレーム伝搬遅延時間経過後の時刻を比較して、フレーム表示時刻の方が後の場合、最新参照フレーム候補を検索しフレームバッファ部106へ再送フレーム番号と参照フレーム番号の通知を行う機能と、送受信部110よりフレームの復号正常信号を受け、フレームバッファ部106に最新参照フレーム候補の更新を通知する機能とを有している。
【0065】
最新参照フレーム候補バッファ部109は、フレームバッファ部106により動画像復号化装置303により復号正常信号を受けたフレームを受信し格納する機能と、符号化部107により最新参照フレーム候補の要求を受け、符号化部107への伝送を行う機能とを有している。
【0066】
送受信部110は、符号化部107により受信した動画像フレームを動画像復号化装置303へ伝送する機能と、動画像復号化装置303よりフレームの復号異常信号と時刻印を受けフレーム管理部C308へ通知する機能とを有している。
【0067】
送受信部(B)111は、動画像符号化装置302により伝送された動画像フレームの受信を行い受信バッファ部112へ伝送する機能と、フレーム管理部(D)314からフレーム復号異常の通知を受け、時刻印とともに、動画像符号化装置302へ伝送する機能とを有している。
【0068】
受信バッファ部112は、送受信部(B)111で受信した動画像フレームを格納し、フレーム管理部(D)314と復号化部113へ伝送する機能を有している。
【0069】
復号化部113は、受信バッファ部112で受信した動画像フレームを、フレーム管理部(D)314から通知を受けた参照フレーム番号を参照し、フレームバッファ部(B)115から参照フレームを受信し動画像フレームの復号を行い、出力部116とフレームバッファ部(B)115へ伝送する機能を有している。
【0070】
フレーム管理部(D)314は、受信バッファ部112により動画像フレームとフレーム番号、参照フレーム番号を受信しフレーム番号より前のフレーム番号が抜けていたらフレームが欠落しているとみなし送受信部(B)111へ通知する機能と、復号化部113に該当するフレームの番号と参照フレーム番号を通知する機能とを有している。
【0071】
フレームバッファ部(B)115は、復号化部113より伝送された動画像フレームを格納する機能と、復号化部113へ参照フレームを伝送する機能と、フレーム管理部(D)314よりフレーム番号と参照フレーム番号の通知を受け、登録する機能とを有している。
【0072】
出力部116は、復号化部113で受信した動画像フレームをモニタ104へ伝送する機能を有している。
【0073】
モニタ104は、動画像復号化装置303より受信した動画像フレームを画面に出力する機能を有している。
【0074】
次に、以上のように構成された本実施の形態2に係る動画像符号化装置及び動画像復号化装置による動画像伝送の動作を図4に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0075】
まず、動画像符号化装置302がフレーム内符号化したフレーム(以下Iフレーム)I1を符号化する。このとき、フレームI1の符号化する前のデータをフレームバッファ部105へ格納し、さらに、フレーム管理部(C)308へ通知しフレーム番号と参照フレーム番号からなるフレームの信号を登録し、フレームI1とフレーム番号を多重化して伝送する。ここで、フレームI1はIフレームであるので参照フレーム番号の登録は行わない。
【0076】
次に、次のフレームを動画像入力部105より受信し、フレームバッファ部106に格納後、フレーム管理部(C)308に通知し、フレーム番号を付与し、参照フレームを一つ前のフレームに決定する。
【0077】
そして、フレーム番号と参照フレーム番号とフレームを符号化部107に伝送し、フレームI1を参照フレームとして符号化を行い、フレームP2として送受信部110に伝送し、動画像復号化装置303へフレーム番号と参照フレーム番号と共に伝送する。
【0078】
動画像復号化装置303は、フレームI1を受信後、フレームI1は参照フレームを持たないため、復号正常信号を動画像符号化装置302へ伝送する。また、すぐに復号を行うことはせず、一定時間受信バッファ部112に保持した後、符号化部113に伝送し、復号後出力部116によりモニタ104に出力する。
【0079】
次に、P2を受信したときは、受信バッファ部112に格納後、フレーム管理部(D)314に通知を行う。フレーム管理部(D)314では、受信フレームの欠落がないか検査した後、送受信部(B)111に通知を行う。送受信部(B)111は動画像符号化装置302へ復号正常信号を伝送する。
【0080】
ここで、フレームの欠落があったときの動作について説明する。図4のフレームP4が欠落したときを例に説明する。動画像復号化装置303では次のフレームであるフレームP5を受信後、フレームP4の欠落の検出をすることになる。フレームP5を受信後、フレーム管理部(D)314では参照フレームであるフレームP4を受信していないため、フレームP5の復号異常信号を送受信部(B)111を介して動画像符号化装置302へ伝送する。
【0081】
図4の例では、動画像符号化装置302がフレームP5の復号異常信号を受信した時点ですでにフレームP7まで符号化送信してしまっている。この場合、フレームP4が欠落しているため、動画像復号化装置303では、フレームP7まで正常に復号を行うことが出来ない。
【0082】
ここで、動画像符号化装置302のフレーム管理部(C)308による、再送フレームの選定について、図5に示すフロー図に基づいて説明する。
【0083】
まず、復号異常信号のあったフレームの時刻印と現在時刻から推定フレーム伝搬遅延を計算する(ステップ501)。次に、符号化伝送を行ったフレームの中で最新のフレームのフレーム番号を現在のフレームのフレーム番号とする(ステップ502)。
【0084】
次に、以下に説明するステップ503からステップ505まで繰り返し処理を行う。すなわち、現在時刻から推定フレーム伝搬遅延経過した時刻が、現在のフレームのフレーム番号が示すフレームのフレーム表示予定時刻より早い、且つ、現在のフレームのフレーム番号が復号異常信号のあったフレームのフレーム番号と等しいか大きいとき以下に説明するステップ504とステップ505を行い、条件が偽であるときはループから脱出する(ステップ503)。
【0085】
現在のフレームのフレーム番号が示すフレームを復号正常信号を受けたフレームを参照フレームとして符号化する(ステップ504)。次に、現在のフレームのフレーム番号を一つ過去のフレームのフレーム番号とする(ステップ505)。次に、符号化したフレームをフレーム番号の小さい順に順次送信する(ステップ506)。
【0086】
図4の例では、フレームP7の再送を行った。最新参照フレーム候補バッファ部109に格納されている、復号正常信号を受信したフレームP3を参照フレームとして、フレームバッファ部106に格納されているフレームP7を符号化しなおし、フレームP7´として再送する。フレームP3を参照フレームとしているため、動画像復号化装置303ではとフレームP7´を正常に復号することが出来る。続くフレームP8もフレームP3を参照フレームとして符号化を行い、伝送をすることにより正常に復号可能となる。
【0087】
なお、本発明の実施の形態2では、動画像復号化装置303が時刻印を送付し、動画像符号化装置302がその信号を元に再送フレームの決定を行ったが、動画像符号化装置302がフレーム送信時に時刻印を付与し、動画像復号化装置303が受信した時刻印をもとに伝搬遅延時間を推測し復号異常信号を伝送するときに推定伝搬遅延時間を送信するようにしても良い。そうすることにより、動画像符号化装置302から動画像復号化装置303への伝搬遅延時間の推測が簡易な方法で実現可能となる。
【0088】
以上のように本実施の形態2によれば、伝送フレームの欠落時に、欠落したフレームを参照画像として符号化した後続するフレームのうち、動画像復号化装置303において表示予定時刻に間に合うフレームを、動画像復号化装置303において正常に受信されたフレームを参照画像として符号化した後、再送することにより表示を行い、動画像画質の改善を行うことが可能となる。
【0089】
なお、上述した実施の形態1、実施の形態2は、動画像符号化装置102,302及び動画像復号化装置103,303の任意の機能ブロックをソフトウエアで構築するように構成してもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、動画像フレームの欠落時に、欠落した動画像フレームを参照画像とし符号化した後続するフレームのうち動画像復号化装置において表示予定時刻に間に合うフレームを、動画像復号化装置において正常に受信されたフレームを参照画像として符号化した後、再送することにより表示を行い、動画像画質の改善を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の動画像伝送システムの機能構成図
【図2】本発明の実施の形態1の動画像伝送システムの伝送フレームと復号通知のシーケンス図
【図3】本発明の実施の形態2の動画像伝送システムの機能構成図
【図4】本発明の実施の形態2の動画像伝送システムの伝送フレームと復号通知のシーケンス図
【図5】本発明の実施の形態2の再送フレーム選択アルゴリズムのフロー図
【符号の説明】
100 動画像伝送システム
101 撮影機
102 動画像符号化装置
103 動画像復号化装置
104 モニタ
105 動画像入力部
106 フレームバッファ部
107 符号化部
108 フレーム管理部
109 最新参照フレーム候補バッファ部
110 送受信部
111 送受信部B
112 受信バッファ部
113 復号化部
114 フレーム管理部B
115 フレームバッファ部B
116 出力部
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレーム間符号化を行う動画像伝送システムに係り、さらに詳しくは動画像伝送におけるデータの欠落による画質低下を改善するための機能を備えた動画像符号化装置及び動画像符号化方法並びに動画像伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動画像をフレーム間符号化して得られたデータを、ネットワークを用いてリアルタイム伝送する際、インターネットのように他のトラヒックがネットワーク上に流れる伝送媒体であると、輻輳が生じてデータの欠落の可能性がある。動画像をフレーム間符号化している場合、動画像データが欠落するとそのフレームを参照して符号化されている後続フレームが正常に復元できなくなるという問題があった。
【0003】
そのために、フレームの欠落時に後続フレームを正常に復元する対策を講じる必要がある。例えば、受信側システムで復号化したフレームの復号異常の有無を判定し、復号異常有無信号を生成して受信側システムから送信側システムに伝送し、送信側システムでは復号異常があったとき、復号異常があったフレームより時間的に過去のフレームの中で正常に復元できたことが確認されたフレームのうちフレームバッファに保存しているフレームを参照フレームとして符号化して受信側システムへ伝送する手法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−191356号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法では、送信側システムである動画像符号化装置が復号異常通知を受信後に符号化するフレームは、動画像復号化装置が正常に復号化したフレームを参照フレームとして符号化されるので正常表示可能であるが、復号異常通知の受信前に符号化して伝送したフレームは、正常に復号されないので再生できないという問題がある。
【0006】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、欠落フレームの後続フレームを符号化でき、再送して表示可能な動画像符号化装置及び動画像符号化方法並びに動画像伝送システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、動画像符号化装置がフレームの復号異常信号を動画像復号化装置から受け、既に伝送をした新しいフレームのうち1つもしくは複数のフレームを、動画像復号化装置が正常に復号化をしたフレームを参照フレームとして復号化し伝送することによって、表示可能なフレームを増やし、動画像フレーム欠落時の画質を改善するものである。
【0008】
【本発明の実施の形態】
本発明の第1の態様は、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する符号化手段と、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持するフレームバッファ部と、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記フレームバッファ部より復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するフレーム管理手段と、を具備する動画像符号化装置である。
【0009】
以上のように構成された動画像符号化装置によれば、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、フレームバッファ部より復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するので、動画像復号化装置において再送フレームを復号することができ、欠落フレーム以降の復号異常フレームのすべて又は一部を正常に復号することができ、画質の改善を図ることができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様の動画像符号化装置において、フレーム管理手段は、前記フレームバッファ部から再送フレームを選ぶ場合、優先的に新しいフレームを選択するものとした。
【0011】
これにより、動画像復号化装置における表示時刻に間に合うフレームが優先的に選択されて再送されるものとなる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の動画像符号化装置において、再送フレームを符号化して再送を行う場合、復号異常信号の受信時に前記フレーム管理手段から通知された参照フレームをすべての再送フレームに適用して符号化するものとした。
【0013】
これにより、再送フレームを受信した動画像復号化装置では先に正常復号して保持しているフレームを参照フレームとして正常復号できるものとなる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1又は第2の態様の動画像符号化装置において、再送フレームを符号化して再送を行う場合、復号異常信号の受信時に前記フレーム管理手段から通知された参照フレームを最も古い再送フレームに適用し、後続する再送フレームは1つ前のフレームを参照フレームとして用いるものとした。
【0015】
これにより、再送フレームを受信した動画像復号化装置では、順次直前のフレームを参照フレームとして復号することができ、参照フレームと符号化フレームとの時間間隔が短くなるので符号化効率を向上することができる。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1の態様の動画像符号化装置において、前記フレーム管理手段は、前記動画像復号化装置から復号異常信号と時刻印を受信した場合、前記時刻印からフレーム伝搬遅延時間を計算し、フレームの符号化時刻からフレーム伝搬遅延時間を加えた時刻が、前記動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームを前記フレームバッファ部から再送フレームとして選ぶものとした。
【0017】
これにより、動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームをフレームバッファ部から再送フレームとして選ぶので、リアルタイムで再生するシステムであればフレーム表示時刻に間に合わない不要なフレームが再送される不具合を解消することができる。
【0018】
本発明の第6の態様は、動画像符号化装置から符号化フレームと参照フレーム番号と時刻印とを受信する受信手段と、この受信された符号化フレームをその参照フレーム番号が示すフレームを用いて復号する復号化手段と、符号化フレームの復号結果を表す復号異常有無信号と符号化フレームに対応するフレーム番号とを対にして前記動画像符号化装置へ送信する送信手段と、前記符号化フレームの復号異常が発生した場合、当該符号化フレームと共に受信した時刻印からフレーム伝搬遅延時間を計算し、この計算したフレーム伝搬遅延時間を前記動画像符号化装置へ送信する復号異常信号に付加するフレーム管理手段と、を具備する動画像復号化装置である。
【0019】
以上のように構成された本発明によれば、符号化フレームの復号異常が発生した場合、当該符号化フレームと共に受信した時刻印からフレーム伝搬遅延時間を計算し、この計算したフレーム伝搬遅延時間を前記動画像符号化装置へ送信する復号異常信号に付加するので、動画像符号化装置においてフレーム伝搬遅延時間を計算する負荷を削減できる。
【0020】
本発明の第7の態様は、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する符号化手段と、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持するフレームバッファ部と、動画像復号化装置から復号異常信号とフレーム番号とフレーム伝搬遅延時間とを受信した場合、フレームの符号化時刻からフレーム伝搬遅延時間を加えた時刻が、前記動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームを前記フレームバッファ部から再送フレームとして選び、先に復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するフレーム管理手段と、を具備する動画像符号化装置である。
【0021】
以上のように構成された動画像符号化装置によれば、符号化フレームの復号異常が発生した場合、フレームの符号化時刻からフレーム伝搬遅延時間を加えた時刻が、前記動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームを前記フレームバッファ部から再送フレームとして選ぶので、古くて不要なフレームが動画像復号化装置へ伝送されることを防止できる。
【0022】
本発明の第8の態様は、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化し、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持する一方、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記保持フレームの中から復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとしてフレーム再送を行う動画像符号化方法である。
【0023】
以上のように構成された動画像符号化方法によれば、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとするので、動画像復号化側において再送フレームを復号することができ、欠落フレーム以降の復号異常フレームのすべて又は一部を正常に復号することができ、画質の改善を図ることができる。
【0024】
本発明の第9の態様は、フレームを符号化する動画像符号化装置と符号化フレームを復号化する動画像復号化装置とから構成される動画像伝送システムであって、前記動画像符号化装置は、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する符号化手段と、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持するフレームバッファ部と、前記動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記フレームバッファ部より復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するフレーム管理手段とを備え、前記動画像復号化装置は、前記動画像符号化装置から符号化フレームと参照フレーム番号とを受信する受信手段と、この受信された符号化フレームをその参照フレーム番号が示すフレームを用いて復号する復号化手段と、符号化フレームの復号結果を表す復号異常有無信号と符号化フレームに対応するフレーム番号とを対にして前記動画像符号化装置へ送信する送信手段とを備える、動画像伝送システムである。
【0025】
本発明の第10の態様は、コンピュータに、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する機能と、現フレームの送信後も符号化前のフレームをフレームバッファに格納して複数フレーム期間に亘り保持させる機能と、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記フレームバッファの中から復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとしてフレーム再送を行う機能と、を実現させるための動画像符号化プログラムである。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る動画像伝送システムのブロック図である。同図に示す動画像伝送システム100は、撮影機101、動画像符号化装置102、動画像復号化装置103、モニタ104から構成されている。
【0028】
動画像符号化装置102は、動画像入力部105、フレームバッファ部106、符号化部107、フレーム管理部108、最新参照フレーム候補バッファ部109、送受信部110から構成される。
【0029】
また、動画像復号化装置103は、送受信部(B)111、受信バッファ部112、復号化部113、フレーム管理部(B)114、フレームバッファ部115、出力部116から構成される。
【0030】
撮影機101は、動画像を撮影し動画像信号を動画像符号化装置102へ伝送する機能を有している。
【0031】
ここで、動画像符号化装置102の構成について詳細に説明する。
【0032】
動画像入力部105は、撮影機101から伝送された動画像フレームをフレームバッファ部106とフレーム管理部108へ伝送する機能を有している。
【0033】
フレームバッファ部106は、動画像入力部105により入力された動画像フレームを格納する機能を有する。さらに、フレームバッファ部106は、フレーム管理部108よりフレーム番号の通知を受け、フレームとフレーム番号を対にしてバッファに記録し、符号化部107へフレームを伝送する機能と、フレーム管理部108により最新参照フレーム候補更新通知を受け、該当するフレームを最新参照フレーム候補バッファ部109へ伝送する機能と、を有している。
【0034】
符号化部107は、フレーム管理部108より符号化を行うフレームの番号の通知を受け、フレームの番号が示すフレームをフレームバッファ部106より受信し、さらに、フレーム間符号化を行う場合はフレームバッファ部106又は最新参照フレーム候補バッファ部109より参照フレームを受信し、符号化を行う機能を有している。
【0035】
フレーム管理部108は、動画像入力部105により動画像入力の通知を受け、フレームのフレーム番号を計算して動画像入力部105へ通知を行う機能と、フレームの参照フレームを登録し、フレームバッファ部106と符号化部107へ通知を行う機能と、送受信部110よりフレームの復号異常信号を受け、最新参照フレーム候補を検索しフレームバッファ部106へ再送フレーム番号と参照フレーム番号の通知を行う機能と、送受信部110よりフレームの復号正常信号を受け、フレームバッファ部106に最新参照フレーム候補の更新を通知する機能と、を有している。
【0036】
最新参照フレーム候補バッファ部109は、フレームバッファ部106により動画像復号化装置103により復号正常信号を受けたフレームを受信し格納する機能と、符号化部107により最新参照フレーム候補の要求を受け、符号化部107への伝送を行う機能を有している。
【0037】
送受信部110は、符号化部107により受信した動画像フレームを動画像復号化装置103へ伝送する機能と、動画像復号化装置103よりフレームの復号異常信号を受けフレーム管理部108へ通知する機能を有している。
【0038】
次に、動画像復号化装置103の構成について詳細に説明する。
【0039】
送受信部(B)111は、動画像符号化装置102により伝送された動画像フレームの受信を行い受信バッファ部112へ伝送する機能と、フレーム管理部(B)114によりフレーム復号異常の通知を受け、復号異常信号を動画像符号化装置102へ伝送する機能と、を有している。
【0040】
受信バッファ部112は、送受信部(B)111で受信した動画像フレームを格納し、フレーム管理部(B)114と復号化部113へ伝送する機能を有している。
【0041】
復号化部113は、受信バッファ部112により受信した動画像フレームを、フレーム管理部(B)114から通知を受けた参照フレーム番号を参照し、フレームバッファ部(B)115から参照フレームを受信し、動画像フレームの復号を行い、出力部116とフレームバッファ部(B)115へ伝送する機能を有している。
【0042】
フレーム管理部(B)114は、受信バッファ部112から動画像フレーム、フレーム番号、参照フレーム番号を受信し、フレーム番号より前のフレーム番号が抜けていたらフレームが欠落しているとみなし送受信部(B)111へ通知する機能と、復号化部113に該当するフレーム番号と参照フレーム番号とを通知する機能を有している。
【0043】
フレームバッファ部(B)115は、復号化部113より伝送された動画像フレームを格納する機能と、復号化部113へ参照フレームを伝送する機能と、フレーム管理部(B)114よりフレーム番号と参照フレーム番号との通知を受け、登録する機能を有している。
【0044】
出力部116は、復号化部113より受信した動画像フレームをモニタ104へ伝送する機能を有している。モニタ104は動画像復号化装置103より受信した動画像フレームを画面に出力する機能を有している。
【0045】
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る動画像伝送システムの動作について説明する。
【0046】
動画像符号化装置102及び動画像復号化装置103による動画像伝送の動作を、図2に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0047】
まず、動画像符号化装置102がフレーム内符号化したフレーム(以下Iフレーム)I1を伝送する。このとき、フレームI1を符号化する前のデータをフレームバッファ部106へ格納し、さらに、フレーム管理部108へ通知しフレーム番号と参照フレーム番号からなるフレームの信号を登録し、フレームI1とフレーム番号を多重化して伝送する。ここでフレームI1はIフレームであるので参照フレーム番号の登録は行わない。
【0048】
次に、次のフレームを動画像入力部105より受信し、フレームバッファ部106に格納後、フレーム管理部108に通知し、フレーム番号の付与と参照フレームを一つ前のフレームに決定する。フレーム番号と参照フレーム番号とフレームとを符号化部107に伝送し、フレームI1を参照フレームとして用いて符号化を行い、フレームP2として送受信部110に伝送し、動画像復号化装置103へフレーム番号と参照フレーム番号と共に伝送する。
【0049】
動画像復号化装置103では、フレームI1を受信後、フレームI1は参照フレームを持たないため、復号正常信号を動画像符号化装置102へ伝送する。また、すぐに復号を行うことはせず、一定時間受信バッファ部112に保持した後、復号化部113に伝送して復号し、復号フレームを出力部116よりモニタ104に出力する。
【0050】
次に、動画像復号化装置103がP2を受信したときは、受信バッファ部112に格納後、フレーム管理部(B)114に通知を行う。フレーム管理部(B)114では受信フレームの欠落がないか検査した後、送受信部(B)111に通知を行い、動画像符号化装置102へ復号正常信号の伝送を行う。
【0051】
ここで、フレームの欠落があったときの動作について説明する。図2にフレームP4が欠落したときを例に説明する。
【0052】
動画像復号化装置103では、次のフレームであるフレームP5を受信後、フレームP4の欠落の検出をすることになる。フレームP5を受信後、フレーム管理部(B)114では参照フレームであるフレームP4を受信していないため、フレームP5の復号異常信号を、送受信部(B)111を介して動画像符号化装置102へ伝送する。
【0053】
図2の例では動画像符号化装置102がフレームP5の復号異常信号を受信した時点ですでにフレームP7まで符号化送信してしまっている。この場合、フレームP4が欠落しているため、動画像復号化装置103では、フレームP7まで正常に復号を行うことが出来ない。
【0054】
そこで、動画像符号化装置102では、フレーム管理部108により、フレームP4からフレームP7の中から、ここでは例として、フレームP6とフレームP7を再送することにする。最新参照フレーム候補バッファ部109に格納されている、復号正常信号を受信したフレームP3を参照フレームとして、フレームバッファ部106に格納されているフレームP6とフレームP7を符号化しなおし、フレームP6´、フレームP7´として再送する。すでに動画像復号化装置103で正常受信しているフレームP3を参照フレームとしているため、動画像復号化装置103ではフレームP6´とフレームP7´を正常に復号することが出来る。続くフレームP8もフレームP3を参照フレームとして用いて符号化を行い、伝送をすることにより正常に復号可能となる。
【0055】
なお、フレームP6´を、フレームP3を参照フレームとして符号化し、続くフレームP7´を、フレームP6´を参照フレームとして符号化し、フレームP8を、フレームP7´を参照フレームとして符号化するようにしても良い。
【0056】
以上のように本実施の形態1によれば、伝送フレームの欠落時に、欠落したフレームを参照画像として符号化した後続するフレームを動画像復号化装置103において正常に受信されたフレームを参照フレームとして符号化した後、再送することにより表示を行い、動画像画質の改善を行うことが可能となる。
【0057】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2に係る動画像伝送システムのブロック図である。同図に示すように、動画像伝送システム300は、撮影機101、動画像符号化装置302、動画像復号化装置303、モニタ104から構成される。
【0058】
動画像伝送システム300は、動画像入力部105、フレームバッファ部106、符号化部107、フレーム管理部(C)308、最新参照フレーム候補バッファ部109、送受信部110から構成される。
【0059】
また、動画像復号化装置303は、送受信部(B)111、受信バッファ部112、復号化部113、フレーム管理部(D)314、フレームバッファ部(B)115、出力部116から構成される。
【0060】
撮影機101は動画像を撮影し動画像符号化装置302へ伝送する機能を有している。
【0061】
動画像入力部105は、撮影機101から伝送された動画像フレームをフレームバッファ部106とフレーム管理部(C)308へ伝送する機能を有している。
【0062】
フレームバッファ部106は、動画像入力部105により入力された動画像フレームを格納する機能と、フレーム管理部(C)308より、フレーム番号の通知を受け、フレームとフレーム番号を対にしてバッファに記録し、符号化部107へフレームを伝送する機能と、フレーム管理部(C)308により最新参照フレーム候補更新通知を受け、該当するフレームを最新参照フレーム候補バッファ部109へ伝送する機能とを有している。
【0063】
符号化部107は、フレーム管理部(C)308より符号化を行うフレームの番号の通知を受け、フレームの番号が示すフレームをフレームバッファ部106より受信し、さらに、フレーム間符号化を行う場合はフレームバッファ部106か最新参照フレーム候補バッファ部109により参照フレームを受信し、符号化を行う機能を有している。
【0064】
フレーム管理部(C)308は、動画像入力部105により動画像入力の通知を受け、フレームのフレーム番号を計算し動画像入力部105へ通知を行う機能と、フレームの参照フレームを登録し、フレームバッファ部106と符号化部107へ通知を行う機能と、送受信部110よりフレームの復号異常信号と時刻印を受け、時刻印からフレーム伝搬遅延時間を推定し、フレームのフレーム表示時刻と、現在時刻からのフレーム伝搬遅延時間経過後の時刻を比較して、フレーム表示時刻の方が後の場合、最新参照フレーム候補を検索しフレームバッファ部106へ再送フレーム番号と参照フレーム番号の通知を行う機能と、送受信部110よりフレームの復号正常信号を受け、フレームバッファ部106に最新参照フレーム候補の更新を通知する機能とを有している。
【0065】
最新参照フレーム候補バッファ部109は、フレームバッファ部106により動画像復号化装置303により復号正常信号を受けたフレームを受信し格納する機能と、符号化部107により最新参照フレーム候補の要求を受け、符号化部107への伝送を行う機能とを有している。
【0066】
送受信部110は、符号化部107により受信した動画像フレームを動画像復号化装置303へ伝送する機能と、動画像復号化装置303よりフレームの復号異常信号と時刻印を受けフレーム管理部C308へ通知する機能とを有している。
【0067】
送受信部(B)111は、動画像符号化装置302により伝送された動画像フレームの受信を行い受信バッファ部112へ伝送する機能と、フレーム管理部(D)314からフレーム復号異常の通知を受け、時刻印とともに、動画像符号化装置302へ伝送する機能とを有している。
【0068】
受信バッファ部112は、送受信部(B)111で受信した動画像フレームを格納し、フレーム管理部(D)314と復号化部113へ伝送する機能を有している。
【0069】
復号化部113は、受信バッファ部112で受信した動画像フレームを、フレーム管理部(D)314から通知を受けた参照フレーム番号を参照し、フレームバッファ部(B)115から参照フレームを受信し動画像フレームの復号を行い、出力部116とフレームバッファ部(B)115へ伝送する機能を有している。
【0070】
フレーム管理部(D)314は、受信バッファ部112により動画像フレームとフレーム番号、参照フレーム番号を受信しフレーム番号より前のフレーム番号が抜けていたらフレームが欠落しているとみなし送受信部(B)111へ通知する機能と、復号化部113に該当するフレームの番号と参照フレーム番号を通知する機能とを有している。
【0071】
フレームバッファ部(B)115は、復号化部113より伝送された動画像フレームを格納する機能と、復号化部113へ参照フレームを伝送する機能と、フレーム管理部(D)314よりフレーム番号と参照フレーム番号の通知を受け、登録する機能とを有している。
【0072】
出力部116は、復号化部113で受信した動画像フレームをモニタ104へ伝送する機能を有している。
【0073】
モニタ104は、動画像復号化装置303より受信した動画像フレームを画面に出力する機能を有している。
【0074】
次に、以上のように構成された本実施の形態2に係る動画像符号化装置及び動画像復号化装置による動画像伝送の動作を図4に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0075】
まず、動画像符号化装置302がフレーム内符号化したフレーム(以下Iフレーム)I1を符号化する。このとき、フレームI1の符号化する前のデータをフレームバッファ部105へ格納し、さらに、フレーム管理部(C)308へ通知しフレーム番号と参照フレーム番号からなるフレームの信号を登録し、フレームI1とフレーム番号を多重化して伝送する。ここで、フレームI1はIフレームであるので参照フレーム番号の登録は行わない。
【0076】
次に、次のフレームを動画像入力部105より受信し、フレームバッファ部106に格納後、フレーム管理部(C)308に通知し、フレーム番号を付与し、参照フレームを一つ前のフレームに決定する。
【0077】
そして、フレーム番号と参照フレーム番号とフレームを符号化部107に伝送し、フレームI1を参照フレームとして符号化を行い、フレームP2として送受信部110に伝送し、動画像復号化装置303へフレーム番号と参照フレーム番号と共に伝送する。
【0078】
動画像復号化装置303は、フレームI1を受信後、フレームI1は参照フレームを持たないため、復号正常信号を動画像符号化装置302へ伝送する。また、すぐに復号を行うことはせず、一定時間受信バッファ部112に保持した後、符号化部113に伝送し、復号後出力部116によりモニタ104に出力する。
【0079】
次に、P2を受信したときは、受信バッファ部112に格納後、フレーム管理部(D)314に通知を行う。フレーム管理部(D)314では、受信フレームの欠落がないか検査した後、送受信部(B)111に通知を行う。送受信部(B)111は動画像符号化装置302へ復号正常信号を伝送する。
【0080】
ここで、フレームの欠落があったときの動作について説明する。図4のフレームP4が欠落したときを例に説明する。動画像復号化装置303では次のフレームであるフレームP5を受信後、フレームP4の欠落の検出をすることになる。フレームP5を受信後、フレーム管理部(D)314では参照フレームであるフレームP4を受信していないため、フレームP5の復号異常信号を送受信部(B)111を介して動画像符号化装置302へ伝送する。
【0081】
図4の例では、動画像符号化装置302がフレームP5の復号異常信号を受信した時点ですでにフレームP7まで符号化送信してしまっている。この場合、フレームP4が欠落しているため、動画像復号化装置303では、フレームP7まで正常に復号を行うことが出来ない。
【0082】
ここで、動画像符号化装置302のフレーム管理部(C)308による、再送フレームの選定について、図5に示すフロー図に基づいて説明する。
【0083】
まず、復号異常信号のあったフレームの時刻印と現在時刻から推定フレーム伝搬遅延を計算する(ステップ501)。次に、符号化伝送を行ったフレームの中で最新のフレームのフレーム番号を現在のフレームのフレーム番号とする(ステップ502)。
【0084】
次に、以下に説明するステップ503からステップ505まで繰り返し処理を行う。すなわち、現在時刻から推定フレーム伝搬遅延経過した時刻が、現在のフレームのフレーム番号が示すフレームのフレーム表示予定時刻より早い、且つ、現在のフレームのフレーム番号が復号異常信号のあったフレームのフレーム番号と等しいか大きいとき以下に説明するステップ504とステップ505を行い、条件が偽であるときはループから脱出する(ステップ503)。
【0085】
現在のフレームのフレーム番号が示すフレームを復号正常信号を受けたフレームを参照フレームとして符号化する(ステップ504)。次に、現在のフレームのフレーム番号を一つ過去のフレームのフレーム番号とする(ステップ505)。次に、符号化したフレームをフレーム番号の小さい順に順次送信する(ステップ506)。
【0086】
図4の例では、フレームP7の再送を行った。最新参照フレーム候補バッファ部109に格納されている、復号正常信号を受信したフレームP3を参照フレームとして、フレームバッファ部106に格納されているフレームP7を符号化しなおし、フレームP7´として再送する。フレームP3を参照フレームとしているため、動画像復号化装置303ではとフレームP7´を正常に復号することが出来る。続くフレームP8もフレームP3を参照フレームとして符号化を行い、伝送をすることにより正常に復号可能となる。
【0087】
なお、本発明の実施の形態2では、動画像復号化装置303が時刻印を送付し、動画像符号化装置302がその信号を元に再送フレームの決定を行ったが、動画像符号化装置302がフレーム送信時に時刻印を付与し、動画像復号化装置303が受信した時刻印をもとに伝搬遅延時間を推測し復号異常信号を伝送するときに推定伝搬遅延時間を送信するようにしても良い。そうすることにより、動画像符号化装置302から動画像復号化装置303への伝搬遅延時間の推測が簡易な方法で実現可能となる。
【0088】
以上のように本実施の形態2によれば、伝送フレームの欠落時に、欠落したフレームを参照画像として符号化した後続するフレームのうち、動画像復号化装置303において表示予定時刻に間に合うフレームを、動画像復号化装置303において正常に受信されたフレームを参照画像として符号化した後、再送することにより表示を行い、動画像画質の改善を行うことが可能となる。
【0089】
なお、上述した実施の形態1、実施の形態2は、動画像符号化装置102,302及び動画像復号化装置103,303の任意の機能ブロックをソフトウエアで構築するように構成してもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、動画像フレームの欠落時に、欠落した動画像フレームを参照画像とし符号化した後続するフレームのうち動画像復号化装置において表示予定時刻に間に合うフレームを、動画像復号化装置において正常に受信されたフレームを参照画像として符号化した後、再送することにより表示を行い、動画像画質の改善を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の動画像伝送システムの機能構成図
【図2】本発明の実施の形態1の動画像伝送システムの伝送フレームと復号通知のシーケンス図
【図3】本発明の実施の形態2の動画像伝送システムの機能構成図
【図4】本発明の実施の形態2の動画像伝送システムの伝送フレームと復号通知のシーケンス図
【図5】本発明の実施の形態2の再送フレーム選択アルゴリズムのフロー図
【符号の説明】
100 動画像伝送システム
101 撮影機
102 動画像符号化装置
103 動画像復号化装置
104 モニタ
105 動画像入力部
106 フレームバッファ部
107 符号化部
108 フレーム管理部
109 最新参照フレーム候補バッファ部
110 送受信部
111 送受信部B
112 受信バッファ部
113 復号化部
114 フレーム管理部B
115 フレームバッファ部B
116 出力部
Claims (10)
- 過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する符号化手段と、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持するフレームバッファ部と、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記フレームバッファ部より復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するフレーム管理手段と、を具備する動画像符号化装置。
- フレーム管理手段は、前記フレームバッファ部から再送フレームを選ぶ場合、優先的に新しいフレームを選択することを特徴とする請求項1記載の動画像符号化装置。
- 再送フレームを符号化して再送を行う場合、復号異常信号の受信時に前記フレーム管理手段から通知された参照フレームをすべての再送フレームに適用して符号化することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動画像符号化装置。
- 再送フレームを符号化して再送を行う場合、復号異常信号の受信時に前記フレーム管理手段から通知された参照フレームを最も古い再送フレームに適用し、後続する再送フレームは1つ前のフレームを参照フレームとして用いることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動画像符号化装置。
- 前記フレーム管理手段は、前記動画像復号化装置から復号異常信号と時刻印を受信した場合、前記時刻印からフレーム伝搬遅延時間を計算し、フレームの符号化時刻からフレーム伝搬遅延時間を加えた時刻が、前記動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームを前記フレームバッファ部から再送フレームとして選ぶことを特徴とする請求項1記載の動画像符号化装置。
- 動画像符号化装置から符号化フレームと参照フレーム番号と時刻印とを受信する受信手段と、この受信された符号化フレームをその参照フレーム番号が示すフレームを用いて復号する復号化手段と、符号化フレームの復号結果を表す復号異常有無信号と符号化フレームに対応するフレーム番号とを対にして前記動画像符号化装置へ送信する送信手段と、前記符号化フレームの復号異常が発生した場合、当該符号化フレームと共に受信した時刻印からフレーム伝搬遅延時間を計算し、この計算したフレーム伝搬遅延時間を前記動画像符号化装置へ送信する復号異常信号に付加するフレーム管理手段と、を具備する動画像復号化装置。
- 過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する符号化手段と、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持するフレームバッファ部と、動画像復号化装置から復号異常信号とフレーム番号とフレーム伝搬遅延時間とを受信した場合、フレームの符号化時刻からフレーム伝搬遅延時間を加えた時刻が、前記動画像復号化装置におけるフレーム表示時刻よりも早いフレームを前記フレームバッファ部から再送フレームとして選び、先に復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するフレーム管理手段と、を具備する動画像符号化装置。
- 過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化し、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持する一方、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記保持フレームの中から復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとしてフレーム再送を行う動画像符号化方法。
- フレームを符号化する動画像符号化装置と符号化フレームを復号化する動画像復号化装置とから構成される動画像伝送システムであって、
前記動画像符号化装置は、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する符号化手段と、現フレームの送信後も符号化前のフレームを複数フレーム期間に亘り保持するフレームバッファ部と、前記動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記フレームバッファ部より復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとして符号化手段へ通知するフレーム管理手段とを備え、
前記動画像復号化装置は、前記動画像符号化装置から符号化フレームと参照フレーム番号とを受信する受信手段と、この受信された符号化フレームをその参照フレーム番号が示すフレームを用いて復号する復号化手段と、符号化フレームの復号結果を表す復号異常有無信号と符号化フレームに対応するフレーム番号とを対にして前記動画像符号化装置へ送信する送信手段とを備える、動画像伝送システム。 - コンピュータに、過去のフレームを参照フレームに用いて現フレームを符号化する機能と、現フレームの送信後も符号化前のフレームをフレームバッファに格納して複数フレーム期間に亘り保持させる機能と、動画像復号化装置から復号異常信号を受信した場合、前記フレームバッファの中から復号異常フレーム以降のフレームから再送フレームを選び、復号正常信号を受信した最新フレームを参照フレームとしてフレーム再送を行う機能と、を実現させるための動画像符号化プログラム。
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