JP2004252773A - 文章表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来と比して格段に秘匿性を向上させて文章を表示し得るようにする。
【解決手段】携帯電話機1のCPU20は、電子メールの本文を構成する複数の文字のうち、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されている一部の文字のみを明瞭に表示して残りの文字を隠蔽して表示するようにしたことにより、携帯電話機1を操作しているユーザ以外の他者によって表示部7を見ることが可能な状況においても、当該本文の内容を推測あるいは把握することを極めて困難にする。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は文章表示装置に関し、例えば、携帯電話機に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機は、電子メールの送受信機能を有しており、これによりユーザに対して、例えば電車内で気軽に電子メールを作成させたり、受信済の電子メールを読ませ得るようになされている。
【0003】
ところで、近年の携帯電話機においては、表示部の性能が格段と向上していることにより、電子メールの文章等がこの表示部に対して明瞭に表示されてしまうので、例えばユーザが混雑した電車内で電子メールの文章を読んでいると、周囲の他者からこの文章が容易に覗き見されてしまいかねず、この結果、当該文章の内容が周囲の他者へ漏洩してしまうのではないかという不安感をユーザに抱かせてしまう問題があった。
【0004】
このような問題を解決する一手法として、携帯電話機の表示部に対して偏光板を装着することにより当該表示部の視野角を狭めるものが考案されている。(例えば、特許文献1参照)この手法を適用すると、携帯電話機のユーザの両脇にいる他者から表示部に表示中の文章が容易に覗き見されてしまうことを防止し得る。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第3066109号公報(図1、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように携帯電話機の表示部に対して偏光板が装着されたとしても、当該表示部の視野角が狭まるだけなので、ユーザの背後にいる人からは覗き見されることは避けられない。
【0007】
これにより、このような偏光板が装着されただけの携帯電話機においては、秘匿性が十分高い状態で文章を表示し得るとは言い難く、この結果、ユーザからかかる不安感を完全に拭い去ることができなかった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来と比して格段に秘匿性を向上させて文章を表示し得る文章表示装置を提案しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために本発明においては、複数の文字からなる文章を表示する文章表示装置において、表示手段と、文章における複数の文字の中から一部の文字を指定文字として指定する指定手段と、指定文字を表示手段に対して表示し、文章における当該指定文字以外の文字を指定外文字として全て隠蔽する制御手段とを設けるようにした。
【0010】
文章を構成する複数の文字のうち一部の文字を除く全ての文字を隠蔽するようにしたことにより、当該文章全体の内容が容易に把握されてしまうことを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)携帯電話機の構成
図1において、1は全体として携帯電話機を示し、上側筐体2と下側筐体3とがヒンジ部4を介して折り畳み可能に構成されている。
【0013】
上側筐体2において、その背面の上端右側には、送受信用のアンテナ5が引出及び収容可能な状態で取り付けられており、正面上端部には、スピーカ6が設けられており、正面中央部には、液晶ディスプレイ等でなる表示部7が設けられている。
【0014】
下側筐体3において、その表面中央部には、「0」〜「9」、「#」及び「*」キー等からなるテンキー8が設けられており、表面下端部には、ユーザの音声等を集音するためのマイクロホン9が設けられている。
【0015】
また、下側筐体3において、その表面上端部には、上下方向に回転操作が可能且つ押圧操作が可能なジョグダイヤル10が設けられており、当該ジョグダイヤル10の両側には、左方向を指定するための左方向キー11及び右方向を指定するための右方向キー12が設けられている。
【0016】
次に、携帯電話機1の回路構成について図2を用いて説明する。携帯電話機1は、当該携帯電話機1全体を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)20に対し、制御ライン21を介してROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、アンテナ5を介して無線通信を行うための通信処理部24、電子メール処理部25、テンキー8やジョグダイヤル10や左方向キー11や右方向キー12等からなる操作部26及び表示部7が接続されて構成されている。また、CPU20、ROM22、RAM23、通信処理部24、電子メール処理部25、表示部7、スピーカ6及びマイクロホン9はデータライン27を介して互いに接続されている。
【0017】
ROM22には、基本プログラム等の各種プログラムが予め格納されている。CPU20は、ROM22に格納されたこれら各種プログラムを適宜読み出し、これをRAM23に展開して実行することにより、携帯電話機1の各回路部を制御して各種処理を実行するようになされている。
【0018】
また、電子メール処理部25はCPU20からの命令に応じて、電子メールの送受信を行うための電子メール送受信処理、他のユーザに送信する電子メールを作成するための電子メール作成処理(後述する)、他のユーザから受信した電子メール(以下、これを受信メールとも呼ぶ)の内容を表示部7に表示するための受信メール表示処理(後述する)等を実行するようになされている。
【0019】
(2)電子メール作成処理
CPU20は、例えばユーザによって操作部26を介して電子メールの作成を開始するための所定操作が行われると、電子メール処理部25を制御して電子メール作成処理を実行するようになされている。すなわちCPU20は、例えば図3に示す電子メール作成処理手順RT1の開始ステップから入ってステップSP1へ移る。
【0020】
ステップSP1においてCPU20は、例えば、ユーザによって操作部26を介して送信先の電子メールアドレスや電子メールの件名等が入力された後、電子メールの本文の入力を開始するための所定操作が行われると、例えば図4(A)に示すようなシークレットモード選択画面50Aを表示部7に表示して、ステップSP2へ移る。
【0021】
ステップSP2においてCPU20は、ユーザによって操作部26を介してシークレットモード選択画面50A中の選択カーソル51が操作されることにより、当該選択カーソル51によって選択項目「YES」が選択決定されたか否かを判断する。
【0022】
このステップSP2において否定結果が得られると、例えば、このことはユーザによってシークレットモード選択画面50A中の選択項目「NO」が選択決定された、すなわち秘匿性の高い状態で電子メールの本文を作成する意思がユーザに無いことを意味しており、このときCPU20は、ステップSP3へ移って通常モードによる本文作成処理を実行することにより、ユーザに対して秘匿性の低い状態で電子メールの本文を入力させる。
【0023】
これに対してステップSP2において肯定結果が得られると、例えば、このことは秘匿性の高い状態で電子メールの本文を作成する意思がユーザにあることを意味しており、このときCPU20は、サブルーチンSRT1へ移ってシークレットモードによる本文作成処理を実行する。
【0024】
すなわちCPU20は、例えば図5に示すシークレットモードによる本文作成処理手順SRT1の開始ステップから入ってステップSP11へ移る。
【0025】
ステップSP11においてCPU20は、例えば図4(B)に示すように、ユーザに対して電子メールの本文を作成させるための本文作成画面60を表示部7に表示し、ステップSP12へ移る。
【0026】
ここで、この本文作成画面60の背景色は白色となっている。また、この本文作成画面60においては、文字明瞭表示ウインドウWNDが表示されており、CPU20は、この文字明瞭表示ウインドウWNDの枠内に文字が存在することを認識すると、当該枠内に存在する文字を背景色から際立つ黒色で明瞭に表示するようになされている。
【0027】
一方、CPU20は、この文字明瞭表示ウインドウWNDの枠外を、文字を隠蔽して表示すべき領域(以下、これを隠蔽領域と呼ぶ)ARとして認識するようになされている。
【0028】
なお、図中においては、説明の便宜上、破線で囲むことにより隠蔽領域ARを明示しているが、実際にはこの破線は存在しない。
【0029】
ステップSP12においてCPU20は、文字明瞭表示ウインドウWNDのサイズを変更するためのウインドウサイズ変更処理を実行開始し、例えば、このときユーザによって右方向キー12又は左方向キー11が押下操作されると、図4(C)に示すように、これに応じて文字明瞭表示ウインドウWNDの横幅を拡大又は縮小し、またユーザによってジョグダイヤル10が下方向又は上方向に回転操作されると、これに応じて文字明瞭表示ウインドウWNDの縦幅を拡大又は縮小するようになされている。そして、ユーザによって操作部26を介して所定操作が行われたとき、このウインドウサイズ変更処理を終了して、ステップSP13へ移る。
【0030】
ステップSP13においてCPU20は、例えば、ユーザによって操作部26を介して複数の文字「ゆきが」がひらがなで入力されると、例えば図6(A)に示すように、漢字変換確定前であることを示すための下線ULと合わせて当該入力された複数の文字「ゆきが」を文字明瞭表示ウインドウWNDの枠内に表示し、これにより当該複数の文字「ゆきが」を黒色で明瞭に表示して、ステップSP14へ移る。
【0031】
このようにCPU20は、文字明瞭表示ウインドウWNDによって、漢字変換される前の文字(この場合、「ゆきが」)を指定するようになされており、これにより当該漢字変換前の文字が表示部7に対して黒色で明瞭に表示される。
【0032】
ステップSP14においてCPU20は、例えば、ユーザによって操作部26を介して漢字変換するための漢字変換操作が行われると、例えば図6(B)に示すように、ひらがなによる複数の文字「ゆきが」の1つ目の漢字変換候補として例えば「由紀が」を文字明瞭表示ウインドウWND中に表示し、ステップSP15へ移る。
【0033】
このようにCPU20は、文字明瞭表示ウインドウWNDによって、漢字変換中の文字(この場合、「由紀が」)を指定するようになされており、これにより当該漢字変換中の文字が表示部7に対して黒色で明瞭に表示される。
【0034】
ステップSP15においてCPU20は、例えば、ユーザによって操作部26を介して上述の漢字変換操作が再度行われた結果、例えば図6(C)に示すように、複数の文字「ゆきが」の2つ目の漢字変換候補として「雪が」が文字明瞭表示ウインドウWNDの枠内に表示された状態で、操作部26を介して当該漢字変換を確定するための漢字変換確定操作が行われると、例えば図7(A)に示すように、これまで表示していた下線ULを表示中止とすると共に、漢字変換が確定した複数の文字「雪が」の後方へ文字明瞭表示ウインドウWNDを移動させることにより、当該複数の文字「雪が」を文字明瞭表示ウインドウWNDの枠外(つまり、隠蔽領域AR)に位置させて、ステップSP16へ移る。
【0035】
このときCPU20は、この隠蔽領域ARに存在することとなった漢字変換確定後の複数の文字「雪が」の文字色を本文作成画面60の背景色(すなわち、白色)と近似した色(例えば、薄い灰色)に変更することにより、当該漢字変換確定後の複数の文字「雪が」を容易に視認させ得ない状態とする、すなわち当該漢字変換確定後の複数の文字「雪が」を隠蔽して表示するようになされている。
【0036】
ステップSP16においてCPU20は、電子メールの本文の作成を終了するための終了操作が行われたか否かを判断し、ここで否定結果が得られると、例えば、このことはユーザによって操作部26を介して引き続き文字が入力されることを意味しており、このとき上述のステップSP13へ移る。
【0037】
2度目のステップSP13においてCPU20は、例えば、ユーザによって操作部26を介して複数の文字「ふっていた」がひらがなで入力されると、例えば図7(B)に示すように、下線ULと合わせて当該入力された複数の文字「ふっていた」を文字明瞭表示ウインドウWNDの枠内に表示し、これにより当該複数の文字「ふっていた」を黒色で明瞭に表示して、ステップSP14へ移る。
【0038】
2度目のステップSP14においてCPU20は、例えば、ユーザによって操作部26を介して漢字変換するための漢字変換操作が行われると、例えば図7(C)に示すように、ひらがなによる複数の文字「ふっていた」の1つ目の漢字変換候補として例えば「振っていた」を文字明瞭表示ウインドウWND中に表示し、ステップSP15へ移る。
【0039】
このとき、当該漢字変換中である複数の文字「振っていた」が表示部7に対して黒色で明瞭に表示されるようになされている。
【0040】
2度目のステップSP15においてCPU20は、例えば、ユーザによって操作部26を介し上述の漢字変換操作が再度行われた結果、例えば図8(A)に示すように、複数の文字「ふっていた」の2つ目の漢字変換候補として「降っていた」が文字明瞭表示ウインドウWNDの枠内に表示された状態で、操作部26を介し当該漢字変換を確定するための漢字変換確定操作が行われると、例えば図8(B)に示すように、これまで表示していた下線ULを表示中止とすると共に、漢字変換が確定した複数の文字「降っていた」の後方へ文字明瞭表示ウインドウWNDを移動させることにより、当該複数の文字「降っていた」を隠蔽領域ARに位置させるようにして、ステップSP16へ移る。
【0041】
このときCPU20は、本文作成画面60の背景色と近似した文字色によってかかる漢字変換確定後の複数の文字「降っていた」を表示部7に対して表示することにより、当該漢字変換確定後の複数の文字「降っていた」を隠蔽するようになされている。
【0042】
2度目のステップSP16においてCPU20は、電子メールの本文の作成を終了するための終了操作が行われたか否かを判断し、ここで肯定結果が得られると、例えば、このことは電子メールの本文作成作業が終了したことを意味しており、このとき電子メール作成処理手順RT1(図3)のステップSP4へ移って電子メール作成処理手順を終了する。
【0043】
このようにしてCPU20は、例えば図7(A)〜(C)に示すように、既に漢字変換確定されている複数の文字「雪が」を文字明瞭表示ウインドウWNDの指定から外し、漢字変換前の複数の文字「ふっていた」や漢字変換中の複数の文字「振っていた」を文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定する。これにより、既に漢字変換確定されている複数の文字「雪が」は表示部7に隠蔽して表示され、これに対して漢字変換前の複数の文字「ふっていた」や漢字変換中の複数の文字「振っていた」は表示部7に明瞭に表示されるようになされている。
【0044】
かくするにつき、例えば電子メールの本文を作成しているユーザ以外の他者によって、例えば図7(A)〜(C)に示すような状態でなる本文作成画面60が覗き見されたとしても、当該本文の文意(すなわち、「雪が降っていた」)が容易に推測されてしまう又は把握されてしまうことを確実に防止し得るようになされている。
【0045】
(3)受信メール表示処理
一方、CPU20は、例えば、ユーザによって操作部26を介して受信メールの本文を表示部7に表示させるための本文表示操作が行われると、電子メール処理部25を制御して受信メール表示処理を実行するようになされている。すなわちCPU20は、例えば図9に示す受信メール表示処理手順RT2の開始ステップから入ってステップSP21へ移る。
【0046】
ステップSP21においてCPU20は、例えば、ユーザによって操作部26を介して上述の本文表示操作がおこなわれると、例えば図10(A)に示すような、シークレットモード選択画面50Bを表示して、ステップSP22へ移る。
【0047】
ステップSP22においてCPU20は、ユーザによって操作部26を介してシークレットモード選択画面50B中の選択カーソル51が操作されることにより、当該選択カーソル51によって選択項目「YES」が選択決定されたか否かを判断する。
【0048】
このステップSP22において否定結果が得られると、例えば、このことはユーザによってシークレットモード選択画面50B中の選択項目「NO」が選択された、すなわち秘匿性の高い状態で受信メールの本文を表示させる意思がユーザに無いことを意味しており、このときCPU20は、ステップSP23へ移って通常モードによる本文表示処理を実行することにより、秘匿性の低い状態で電子メールの本文を表示部7に対して表示する。
【0049】
これに対してステップSP22において肯定結果が得られると、例えば、このことは秘匿性の高い状態で受信メールの本文を表示させる意思がユーザにあることを意味しており、このときCPU20は、サブルーチンSRT2へ移ってシークレットモードによる本文表示処理を実行する。
【0050】
すなわちCPU20は、図11に示すシークレットモードによる本文表示処理手順SRT2の開始ステップから入ってステップSP31へ移る。
【0051】
ステップSP31においてCPU20は、例えば図10(B)に示すように、受信メールの本文を表示するための本文表示画面70を表示部7に対し表示して、ステップSP32へ移る。
【0052】
ここで、本文表示画面70の背景色は白色となっている。また、この本文表示画面70においては、文字明瞭表示ウインドウWNDが表示されており、CPU20は、この文字明瞭表示ウインドウWNDの枠内に存在する本文中の複数の文字「おはよう!今」を背景色から際立つ黒色で明瞭に表示するようになされている。
【0053】
一方、CPU20は、この文字明瞭表示ウインドウWNDの枠外を、文字を隠蔽して表示すべき隠蔽領域ARとして認識するようになされており、当該隠蔽領域AR内に存在する本文中の全ての文字を背景色に近似した文字色(例えば、薄い灰色)で表示するようになされている。
【0054】
ステップSP32においてCPU20は、上述のウインドウサイズ変更処理を実行開始するようになされており、例えば図10(C)に示すように、ユーザによる右方向キー12の操作に応じて文字明瞭表示ウインドウWNDの横幅を拡大した後、ステップSP33へ移る。
【0055】
ステップSP33においてCPU20は、例えば、ユーザによってジョグダイヤル10が下方向へ所定量だけ回転操作されると、例えば図12に示すように、これに応じて本文表示画面70中の文字明瞭表示ウインドウWNDを1行下へ移動させることにより、当該文字明瞭表示ウインドウWNDによって複数の文字「天気ですね」が新たに指定された状態とし、これに伴って当該新たに指定された複数の文字「天気ですね」を黒色で明瞭に表示すると共に、文字明瞭表示ウインドウWNDによる指定から外れた複数の文字「おはよう!今日もいい」を本文表示画面70の背景色と近似した文字色に変更し、ステップSP34へ移る。
【0056】
ステップSP34においてCPU20は、受信メールの本文の表示を終了するための終了操作が行われたか否かを判断し、ここで否定結果が得られると、例えば、このことはユーザによって引き続き受信メールの本文の読解が行われることを意味しており、このとき上述のステップSP33へ移る。
【0057】
2度目のステップSP33においてCPU20は、例えば、ユーザによってジョグダイヤル10が上方向へ所定量だけ回転操作されると、図10(C)に示すように、これに応じて本文表示画面70中の文字明瞭表示ウインドウWNDを1行上へ移動させることにより、当該文字明瞭表示ウインドウWNDによって複数の文字「おはよう!今日もいい」が再度指定された状態とし、これに伴って当該再度指定された複数の文字「おはよう!今日もいい」を黒色で明瞭に表示すると共に、文字明瞭表示ウインドウWNDによる指定から外れた複数の文字「天気ですね」を本文表示画面70の背景色と近似した文字色に変更し、ステップSP34へ移る。
【0058】
このようにCPU20は、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されている複数の文字(例えば、「おはよう!今日もいい」)を表示部7に対して黒色で明瞭に表示し、一方、このとき文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されていない本文中の全ての文字を隠蔽して表示するようになされている。
【0059】
2度目のステップSP34においてCPU20は、受信メールの本文の表示を終了するための終了操作が行われたか否かを判断し、ここで肯定結果が得られると、例えば、このことは受信メールの本文の読解が終了したことを意味しており、このとき受信メール表示処理手順RT2(図9)のステップSP24へ移って受信メール表示処理を終了する。
【0060】
(4)動作及び効果
以上の構成において、携帯電話機1は、ユーザによって作成中である電子メールの本文を表示する際、当該本文を構成する複数の文字のうち、漢字変換前及び漢字変換中である文字(例えば、「ふっていた」や「振っていた」(図7))を表示部7に対して明瞭に表示する。
【0061】
これにより、電子メールの本文を作成しているユーザは、表示部7を目視することにより操作部26を介して入力した文字を確実に確認することができる。
【0062】
一方、このとき携帯電話機1は、既に漢字変換確定されている全ての文字(例えば、「雪が」(図7))、すなわち漢字変換前及び漢字変換中ではない本文中の全ての文字を表示部7に対して隠蔽して表示する。
【0063】
これにより、電子メールの本文を作成しているユーザ以外の他者によって表示部7が覗き見されたとしても、この電子メールの本文における全ての文字が明瞭に表示されていないことにより、当該本文全体の文意(この場合、「雪が降っていた」)が容易に推測されてしまう又は把握されてしまうことを格段と確実に防止することができる。
【0064】
また、携帯電話機1は、受信メールの本文を表示部7に対して表示する際、例えば図12に示すように、当該本文を構成する複数の文字のうち、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定された文字(例えば、この場合「天気ですね」)を表示部7に対して明瞭に表示する。
【0065】
これにより、受信メールの本文を読解している携帯電話機1のユーザは、ジョグダイヤル10を介して本文表示画面70中の文字明瞭表示ウインドウWNDを適宜移動させることにより、当該受信メールの本文全体の内容を把握することができる。
【0066】
一方、このとき携帯電話機1は、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されていない本文中の全ての文字を表示部7に対して隠蔽して表示する。
【0067】
これにより、受信メールの本文を読解しているユーザ以外の他者によって表示部7が覗き見されたとしても、この受信メールの本文における全ての文字が明瞭に表示されていないことにより、当該本文全体の文意が容易に推測されてしまう又は把握されてしまうことを格段と確実に防止することができる。
【0068】
ところで、この携帯電話機1においては、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されていない本文中の全ての文字を表示部7に対して全く表示しないのではなく、当該指定されていない本文中の全ての文字を隠蔽した状態で表示するようにした(例えば、図12参照)。これにより、文字明瞭表示ウインドウWNDを適宜移動させて当該本文を読んでいるユーザは、受信メールの本文全体におけるどの位置の文字を読解しているのか常に把握することができるので、当該本文を思い通りに且つ効率良く読むことができる。
【0069】
以上の構成によれば、電子メールの本文を構成する複数の文字のうち、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されている一部の文字のみを明瞭に表示して残りの文字を隠蔽して表示するようにしたことにより、携帯電話機1を操作しているユーザ以外の他者によって表示部7が覗き見されたとしても、当該本文の内容が容易に推測されてしまう又は把握されてしまうことを格段と確実に防止することができる。
【0070】
この結果、携帯電話機1のユーザは、電子メールの本文の内容が周囲の他者へ漏洩してしまうのではないかという不安を感じることなく、当該本文を読んだり作成したりすることができる。
【0071】
なお本実施の形態における携帯電話機1においては、従来のような視野角を狭くするための偏光板を表示部7に装着する必要がないことにより、秘匿性を向上させて文章を表示し得る携帯電話機1を簡易な構成で実現することができる。
【0072】
また本実施の形態における携帯電話機1においては、ウインドウサイズ変更処理を実行することにより、文字明瞭表示ウインドウWNDのサイズをユーザ任意のサイズに変更し得るようにした。これによりユーザは、表示部7に対して明瞭に表示する文字の文字数を増加又は減少させることができるので、例えば、読み易さを重視して当該明瞭に表示する文字の文字数を増加させたり、又は秘匿性のレベルを高くすることを目的として当該明瞭に表示する文字の文字数を減少させたりすることができる。この結果、秘匿性を向上させて電子メールの本文を表示し得る携帯電話機1の使い勝手を格段と向上させることができる。
【0073】
さらに本実施の形態における携帯電話機1においては、受信メールの本文を表示する本文表示処理時、ジョグダイヤル10に対して上方向又は下方向の回転操作が行われると、当該回転操作に対応させて文字明瞭表示ウインドウWNDを上方向又は下方向へ移動させるようにした。これによりユーザは、本文表示画面70中の文字明瞭表示ウインドウWNDを直感的に移動させることができるので、容易且つ快適に電子メールの本文を読むことができる。
【0074】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、ユーザによって作成中の電子メールの本文を表示部7に対して表示する場合や、受信メールの本文を表示部7に対して表示する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、Webページを閲覧させるためのWebブラウジング機能を有する携帯電話機において、Webページに記載されている文章を表示部に対して表示する場合、また、メモを入力させるためのメモ帳機能を有する携帯電話機において、ユーザにより操作部を介して入力されたメモを表示部に対して表示する場合等、この他種々の文章を表示部に対して表示する場合に適用するようにしても良い。
【0075】
また上述の実施の形態においては、電子メールの本文を構成する複数の文字のうち、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されていない文字を、本文作成画面60(又は本文表示画面70)の背景色(例えば、白色)と近似した文字色(例えば、薄い灰色)によって表示することにより、当該指定されていない文字を隠蔽する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されていない文字を、本文作成画面60(又は本文表示画面70)の背景色と同じ文字色(この場合、白色)によって隠蔽表示したり、また、例えば図13(A)に示すように、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されていない文字を、例えば「*」等の記号/その他の文字によって置き換えて隠蔽表示するようにしても良い。この場合、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されていない文字は視認されることがないので、格段と秘匿性を向上させることができる。
【0076】
加えて、本発明はこれに限らず、例えば図13(B)に示すように、電子メールの本文が作成される場合において、漢字変換が確定された漢字変換確定後の文字群GRP1を本文作成画面60の画面外にスクロールアウトし、漢字変換確定前の文字群GRP2のみを本文作成画面60に対して明瞭に表示するようにしても良い。この場合、漢字変換確定後の文字群GRP1は本文作成画面60に表示されない、すなわち完全に隠蔽されるので、格段と秘匿性を向上させることができる。
【0077】
さらに、本発明はこれに限らず、例えば図14に示すように、電子メールの本文を構成する複数の文字のうち、文字明瞭表示ウインドウWNDによって指定されていない文字群GRP3(図14(A))が表す文意(すなわち、「おはよう!今日もいい天気ですね」という意、及び「なので」という意)と異なる文意(例えば、「新潟県柏崎市に里帰りした両親への親孝行を」という意、及び「思い出を」という意)を表す文字群GRP4(図14(B))によって、当該文字群GPR3を置き換えて隠蔽するようにしても良い。この場合、ユーザ以外の他者によって、図14(B)に示す本文表示画面70が覗き見されたとしても、本当の電子メールの本文の内容が理解されることはなく、この結果、格段と秘匿性を向上させることができる。またこのとき、当該他者に対して本来の文字群GRP3ではなく文字群GRP4を読ませることにより、あたかも覗き見みが成功しているかのような印象を与えることができる。これにより、シークレットモードによって電子メールが表示されていることを気付かせないようにすることができるので、当該他者から余計な注目を受けてしまうことを防止することができる。
【0078】
さらに上述の実施の形態においては、複数の文字からなる文章(つまり、電子メールの本文)が日本語によって記述されている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の言語や記号等であっても良い。
【0079】
さらに上述の実施の形態においては、電子メールの文章を構成する複数の文字のうち、漢字変換される前の文字及び漢字変換中の文字を明瞭に表示して、漢字変換確定後の文字を隠蔽する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、ひらがなからカタカナへ文字変換する場合や大文字から小文字へ文字変換する場合等、この他種々の文字変換を行う場合において、電子メールの文章を構成する複数の文字のうち、文字変換される前の文字及び文字変換中の文字を明瞭に表示して、文字変換確定後の文字を隠蔽するようにしても良い。
【0080】
さらに上述の実施の形態においては、受信メールの本文を表示部7に対して表示している際、ジョグダイヤル10に対する上下方向の回転操作に応じて、本文表示画面70中の文字明瞭表示ウインドウWNDが上下方向に移動する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、図15(A)に示すように、文字明瞭表示ウインドウWNDを本文表示画面70の所定位置(この場合、画面中央部)に固定表示するようにし、図15(B)に示すように、ジョグダイヤル10が下方向に回転操作されたとき、これに応じて電子メールの本文自体を下方向へスクロールさせるようにする等、文字明瞭表示ウインドウWNDを固定表示して電子メールの本文をスクロールさせるようにしても良い。この場合、電子メールの本文を読解しているユーザは、視点を一点(すなわち、文字明瞭表示ウインドウWNDが固定表示されている本文表示画面70の画面中央部)に集中すればよいので、眼の疲れを感じることなく快適に本文を読むことができる。
【0081】
さらに上述の実施の形態においては、複数の文字からなる文章を表示する文章表示装置として、携帯電話機1を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、電子メールの本文等の種々の文章を表示することができれば、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)等を適用するようにしても良い。
【0082】
さらに上述の実施の形態においては、文章における複数の文字の中から一部の文字を指定文字として指定する指定手段、指定文字を表示手段に対して表示し、文章における当該指定文字以外の文字を指定外文字として全て隠蔽する制御手段として、電子メール処理部25を制御することによりシークレットモードによる本文作成処理手順SRT1及びシークレットモードによる本文表示処理手順SRT2を実行するCPU20を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、MPU(Micro Processor Unit)等を指定手段及び制御手段として適用するようにしても良い。
【0083】
さらに上述の実施の形態においては、表示手段として、液晶ディスプレイでなる表示部7を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等を適用するようにしても良い。
【0084】
さらに上述の実施の形態においては、文章における複数の文字の中から一部の文字を指し示すための操作手段として、ジョグダイヤル10等からなる操作部26を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、タッチパッド等を適用するようにしても良い。
【0085】
さらに上述の実施の形態においては、CPU20が電子メール処理部25を制御することにより、シークレットモードによる本文作成処理手順SRT1及びシークレットモードによる本文表示処理手順SRT2を実行する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、携帯電話機1に対して文章表示プログラムとしての所定のアプリケーションプログラムを予めインストールしておくことにより、当該シークレットモードによる本文作成処理手順SRT1及びシークレットモードによる本文表示処理手順SRT2をソフトウェア的に実行するようにしても良い。
【0086】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、文章を構成する複数の文字のうち一部を除く全ての文字を隠蔽するようにしたことにより、当該文章全体の内容が容易に把握されてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における携帯電話機の外観構成を示す略線図である。
【図2】携帯電話機の回路構成を示す略線図である。
【図3】電子メール作成処理手順を示すフローチャートである。
【図4】表示される画面の様子(1)を示す略線図である。
【図5】シークレットモードによる本文作成処理手順を示すフローチャートである。
【図6】表示される画面の様子(2)を示す略線図である。
【図7】表示される画面の様子(3)を示す略線図である。
【図8】表示される画面の様子(4)を示す略線図である。
【図9】受信メール表示処理手順を示すフローチャートである。
【図10】表示される画面の様子(5)を示す略線図である。
【図11】シークレットモードによる本文表示処理手順を示すフローチャートである。
【図12】表示される画面の様子(6)を示す略線図である。
【図13】他の実施の形態(1)を示す略線図である。
【図14】他の実施の形態(2)を示す略線図である。
【図15】他の実施の形態(3)を示す略線図である。
【符号の説明】
1……携帯電話機、7……表示部、20……CPU、25……電子メール処理部、26……操作部。

Claims (6)

  1. 複数の文字からなる文章を表示する文章表示装置において、
    表示手段と、
    上記文章における上記複数の文字の中から一部の文字を指定文字として指定する指定手段と、
    上記指定文字を上記表示手段に対して表示し、上記文章における当該指定文字以外の文字を指定外文字として全て隠蔽する制御手段と
    を具えることを特徴とする文章表示装置。
  2. 上記制御手段は、
    上記表示手段の背景色と近似した文字色で上記指定外文字を上記表示手段に対して表示することにより、当該指定外文字を隠蔽する
    ことを特徴とする請求項1に記載の文章表示装置。
  3. 上記制御手段は、
    複数の上記指定外文字が表す文意と異なる文意を表す文字群を、当該複数の指定外文字と置き換えて上記表示手段に対して表示することにより、上記複数の指定外文字を隠蔽する
    ことを特徴とする請求項1に記載の文章表示装置。
  4. 上記指定文字は、文字変換確定前の文字である
    ことを特徴とする請求項1に記載の文章表示装置。
  5. 上記指定文字は、所定の操作手段を介して指し示された文字である
    ことを特徴とする請求項1に記載の文章表示装置。
  6. 複数の文字からなる文章を表示する文章表示装置の文章表示方法において、
    上記文章における上記複数の文字の中から一部の文字を指定文字として指定する指定ステップと、
    上記指定文字を所定の表示手段に対して表示し、上記文章における当該指定文字以外の文字を指定外文字として全て隠蔽する制御ステップと
    を具えることを特徴とする文章表示装置の文章表示方法。
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