JP2004252597A - チルトスタンド、チルトスタンドの組立キットおよびマウスパット - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型電子機器側に加工を要することなく薄型電子機器を傾斜状態に保持することができるチルトスタンド等を提供すること。
【解決手段】チルトスタンド1は、ノート型電子機器100の下方に配置され、ノート型電子機器100を傾斜状態に保持する。チルトスタンド1は、シート状のパット部2と、パット部2上に配置されるスタンド部3、係止部4および摩擦部5とを有している。スタンド部3は、突起物で構成され、ノート型電子機器100の奥側底部を持ち上げるように支持してノート型電子機器100を傾斜状態とする。係止部4は、ノート型電子機器100の手前側縁部に当接してノート型電子機器100の前方への移動を阻止する。
【選択図】図1
【解決手段】チルトスタンド1は、ノート型電子機器100の下方に配置され、ノート型電子機器100を傾斜状態に保持する。チルトスタンド1は、シート状のパット部2と、パット部2上に配置されるスタンド部3、係止部4および摩擦部5とを有している。スタンド部3は、突起物で構成され、ノート型電子機器100の奥側底部を持ち上げるように支持してノート型電子機器100を傾斜状態とする。係止部4は、ノート型電子機器100の手前側縁部に当接してノート型電子機器100の前方への移動を阻止する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チルトスタンド、チルトスタンドの組立キットおよびマウスパットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ノート型パソコンのようなノート型電子機器は、一般に、キーボードと本体とが一体化され、画像表示部が本体に対し回動自在に設置された構造であるが、キーボードで入力操作をする際には、本体が水平であると、その操作がし難いので、これを解消するために、ノート型電子機器の奥側(操作者から遠い側)が高くなるように本体およびキーボードを傾斜させて入力操作を行うことが考えられている。
【0003】
従来、ノート型電子機器の下方に配置して使用され、ノート型電子機器をその奥側が高くなるように傾斜させた状態で保持するチルトスタンドが知られている(例えば、非特許文献1および2参照)。
【0004】
このチルトスタンドは、ノート型電子機器の底部(本体の底部)と略同じ形状および大きさを有するくさび状の傾斜板で構成され、該傾斜板をノート型電子機器の底部に固定し、ノート型電子機器を水平面に対し傾斜状態で保持するようになっている。
【0005】
しかしながら、このチルトスタンドは、全体が硬質材料で構成され、重量が大きいという欠点の他に、次のような欠点がある。すなわち、ノート型電子機器に対しチルトスタンドを固定的に設置する必要があり、その固定のため、ノート型電子機器側に取り付け用のネジ孔を設けなければならならず、電子機器側の加工や構造上の改良を余儀なくされるという問題がある。さらに、ノート型電子機器の底面に傾斜板を固定したり、使用後それを取り外したりする作業が煩雑であるという問題もある。
【0006】
【非特許文献1】
インターネット<URL:http://www.bird.ac>
【非特許文献2】
インターネット<URL:http://www.id−ee.co.jp>
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、軽量で持ち運びがし易く、ノート型電子機器側に加工等を要することなくノート型電子機器を傾斜状態に保持することができるチルトスタンド、チルトスタンドの組立キットおよびマウスパットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(24)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 薄型電子機器の下方に配置して使用され、薄型電子機器を傾斜状態にて保持するチルトスタンドにおいて、
シート状のパット部と、
前記パット部に配置され、薄型電子機器の奥側底部を持ち上げるように支持して当該薄型電子機器を傾斜させるスタンド部と、
前記パット部に配置され、薄型電子機器の手前側に当接して当該薄型電子機器に係止する係止部とを有することを特徴とするチルトスタンド。
【0010】
(2) 前記パット部は、前記係止部の手前側に延出する前方余白部を有する上記(1)に記載のチルトスタンド。
【0011】
(3) 前記パット部は、薄型電子機器の設置状態にて、当該薄型電子機器の右側および/または左側の側部に延出する側方余白部を有する上記(1)または(2)に記載のチルトスタンド。
【0012】
(4) 前記側方余白部は、マウスを操作するマウススペースとして用いられるものである上記(3)に記載のチルトスタンド。
【0013】
(5) 前記パット部は、折り畳み可能な可撓性材料で構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0014】
(6) 前記パット部に、文字、記号、図形、模様、画像、その他情報を担持する情報担体のうちの少なくとも1つが付されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0015】
(7) 前記スタンド部は、複数の突起物または長尺物で構成される上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0016】
(8) 前記スタンド部は、前記パット部のシート材を突状に成形し、該突部を形状規制部材により形状規制してなるものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0017】
(9) 前記スタンド部は、前記パット部に形成された開口から突出する突起状部材で構成される上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0018】
(10) 前記スタンド部は、衝撃緩和作用を有するものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0019】
(11) さらに、前記パット部上に配置され、設置状態にて薄型電子機器の手前側底部に摩擦接触して当該薄型電子機器の移動を阻止または抑制する摩擦部を有する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0020】
(12) 薄型電子機器の設置状態にて、当該薄型電子機器の底面と前記パット部との間に空間が形成される上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0021】
(13) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のチルトスタンドを構成するチルトスタンドの組立キット。
【0022】
(14) 薄型電子機器の下方に配置して使用され、薄型電子機器を傾斜状態にて保持するチルトスタンドを組み立てるためのチルトスタンドの組立キットであって、
シート状のパット部と、
前記パット部に対し設置し得る少なくとも1つのスタンド部と、
前記パット部に対し設置し得る係止部とを備え、
前記パット部の所望の位置に前記スタンド部および前記係止部を設置して前記チルトスタンドを組み立てることを特徴とするチルトスタンドの組立キット。
【0023】
(15) 前記パット部は、設置する薄型電子機器を包含する形状を有するものである上記(13)または(14)に記載のチルトスタンドの組立キット。
【0024】
(16) 前記パット部は、部品の設置位置を示す指示マークを有する上記(13)ないし(15)のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
【0025】
(17) 前記スタンド部は、その高さが調節可能であり、これにより、薄型電子機器の傾斜角度を調整可能とした上記(13)ないし(16)のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
【0026】
(18) 前記スタンド部は、複数のシート片を積層してなる積層構造を有し、前記チルトスタンドの組立にあたり、前記シート片の積層枚数を選択することによりスタンド部の高さを調節する上記(17)に記載のチルトスタンドの組立キット。
【0027】
(19) 高さの異なる複数または複数組のスタンド部あるいはそれを構成する部品を有し、それらのうちから適宜選択して用いることにより、薄型電子機器の傾斜角度を調整可能とした上記(13)ないし(16)のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
【0028】
(20) 形状および/または材質が異なる複数または複数組のスタンド部あるいはそれを構成する部品を有し、それらのうちから適宜選択して用いる上記(13)ないし(19)のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
【0029】
(21) シート状をなし、マウスを操作するマウススペースを有するパット部と、
前記パット部上の前記マウススペースと異なる箇所に設けられ、薄型電子機器をその奥側が高位置となるように傾斜した状態で保持し得る電子機器保持部とを有することを特徴とするマウスパット。
【0030】
(22) 前記電子機器保持部は、前記パット部に配置され、薄型電子機器の奥側底部を持ち上げるように支持して当該薄型電子機器を傾斜させるスタンド部と、
前記パット部に配置され、薄型電子機器の手前側に当接して当該薄型電子機器に係止する係止部とを有する上記(21)に記載のマウスパット。
【0031】
(23) 前記電子機器保持部に薄型電子機器を設置した状態で、当該薄型電子機器の底面と前記パット部との間に、マウスのコードが通過可能な空間が形成される上記(21)または(22)に記載のマウスパット。
【0032】
(24) 前記電子機器保持部は、薄型電子機器の傾斜角度を選択または変更可能である上記(21)ないし(23)のいずれかに記載のマウスパット。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のチルトスタンド、チルトスタンドの組立キットおよびマウスパットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明のチルトスタンド(マウスパット)の実施形態を示す斜視図である。図2および図3は、それぞれ、図1に記載したチルトスタンドの使用状態を示す斜視図および側面図である。
【0035】
図1〜図3に示すように、チルトスタンド1は、パット部2と、スタンド部3と、係止部(係止片)4と、摩擦部5とを有している。チルトスタンド1は、パット部2を土台(基台)とし、この上面の所定の位置にスタンド部3、係止部4および摩擦部5が設けられている。これらスタンド部3、係止部4および摩擦部5により電子機器保持部21が形成される。これにより、チルトスタンド1は、例えばノート型パーソナルコンピュータ、ノート型ワードプロセッサ、キーボード、タッチボード、その他各種ノート型または薄型の電子機器のようなノート型電子機器(薄型電子機器)100の下に敷かれて、電子機器保持部21により当該ノート型電子機器100を傾斜状態に保持する(図2および図3参照)。
【0036】
なお、本明細書では、図3中の上側を「上」、下側を「下」または「底」と呼ぶと共に、図2および図3に示すようなノート型電子機器100を設置した状態で、その表示部101側が位置する方向を「奥側」または「前」、その入力部(キーボード)102側が位置する方向を「手前側」または「後」、この手前側から見て左方向を「左側」、右方向を「右側」と呼ぶ。
【0037】
パット部2は、シート状の部材で構成され、チルトスタンド1の土台(基台)をなすものである。このパット部2は、硬質の板材(ボード)で構成されていてもよいが、可撓性材料で構成されているのが好ましい。これにより、折り畳んだり丸めたりすることができ、保管、運搬等の非使用時に有利となる。
【0038】
パット部2を構成する材料としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の各種樹脂材料や、各種ゴム材料、各種熱可塑性樹脂、織布、不織布が挙げられる。この場合、パット部2は、単一材料よりなる単層で構成されているものでも、異種材料よりなる複数の層を積層した積層体で構成されているものでもよい。いずれの場合でも、人の手により容易に折り畳みあるいは丸めたりすることができる程度の柔軟性を有するのが好ましい。
【0039】
なお、パット部2の底面に滑り止め加工を施したり、パット部2を積層体で構成し、その最も底面側の層を摩擦の大なる層(例えばゴム材料で構成された層)で構成するなどして、チルトスタンド1の滑り(ずれ)を防止し得るようにすることもできる。
【0040】
パット部2の形状(平面形状)は、特に限定されず、正方形、ひし形、台形、三角形、円形、楕円形等でもよいが、図示の場合、略長方形をなしている。
【0041】
このようなパット部2は、設置するノート型電子機器100を包含する形状を有している。すなわち、パット部2は、ノート型電子機器100の縦横の寸法よりも、奥側から手前側に人の手の平ほど長く、左側および/または右側の側方に人の手の幅ほど長い。これにより、パット部2は、ノート型電子機器100の使用状態にて、使用者が手首を乗せる余白となる手首スペース2aを電子機器保持部21の手前側に有し、また、マウス110を操作(ドラッグ)する余白となるマウススペース2bを電子機器保持部21の右側(使用者が右利きの場合)に有する。なお、使用者が左利きの場合は、マウススペース2bを電子機器保持部21の左側に設けるのがよく、右利き、左利きのどちらにも対応できるようにする場合には、マウススペース2bを電子機器保持部21の右側、左側の双方に設けるのがよい。
【0042】
また、パット部2には、例えば文字、記号、図形、模様、画像、その他情報を担持する情報担体(例えばバーコード)(以下これらを総称して「文字等」と言う)が、任意の組み合わせで付されていてもよい。パット部2にこのような文字等を設ける目的は、特に限定されないが、例えば広告、スローガン、写真等の画像を付し、チルトスタンド1を販売促進用(販促用)の品として用いることができる。このような場合、チルトスタンド1は、有償で販売されても、無償で配布されてもよい。
【0043】
パット部2に文字等を付す方法は、特に限定されず、印刷、ラベルの貼着等が挙げられる。文字等は、パット部2の上面、下面あるいは内部に付すことができる。
【0044】
また、パット部2上において文字等を付す箇所も、特に限定されず、手首スペース2a、マウススペース2b、電子機器保持部21上の空きスペース2c、あるいはその他任意の箇所に付すことができる。
【0045】
パット部2の電子機器保持部21には、スタンド部3が設けられ、このスタンド部3により、ノート型電子機器100の奥側底部を持ち上げ、ノート型電子機器100を傾斜状態で保持する。
【0046】
このスタンド部3は、突起物、特に複数の突起物で構成されている。図示の例では、略半球形状(または砲弾形状)の突起物で構成され、2個を一組として用いられる。これらのスタンド部3は、硬質樹脂や金属のような硬質材料でもよいが、少なくともその先端部が例えば各種ゴム材料、軟質樹脂、コルク材(軟質木材)、不織布(フェルト)等の弾力性または柔軟性を有する材料で構成されているのが好ましい。これにより、ノート型電子機器100の底面が当接した際の滑りを防止すると共に、ノート型電子機器100の底面の傷付きも防止することができる。さらに、スタンド部3が衝撃緩和(吸収)作用を発揮するので、振動、衝撃が加わった場合でもノート型電子機器100を保護することができる。また、上記の材料は比較的軽量であるため、チルトスタンド1全体の軽量化にも寄与する。なお、スタンド部3を構成する突起物は、中空でも中実でもよい。
【0047】
このような一組(一対)のスタンド部3、3は、ノート型電子機器100の幅よりやや狭い間隔を隔てつつ、パット部2の奥側縁部に沿って並べられ、その先端(半球面)を上方に向けて配置されている(図1参照)。
【0048】
スタンド部3、3のパット部2に対する固定方法は、特に限定されず、例えば、接着、融着の他、両面または片面粘着テープを介して貼り付けられ、固定されてもよい。また、例えば面ファスナーのようなものを用いて着脱自在に固定されていてもよい。これらの場合、使用者が固定位置を選択または調整(微調整)することができ、好ましい。
【0049】
スタンド部3、3は、ノート型電子機器100の設置状態にてその底面の奥側角部にそれぞれ当接し、ノート型電子機器100を下方から支持して、その奥側をパット部2の表面から浮かせた状態に保持する(図2および図3参照)。これにより、ノート型電子機器100は、その奥側を高位置として奥側から手前側に傾斜した状態で保持される。ノート型電子機器100をこのように傾斜させて使用(特にキーボードの操作)すれば、手首を浮かせること無く入力部102のキー操作等ができるので、文字入力を楽に行え、入力ミスや疲労が軽減される。また、ノート型電子機器100の底面を浮かせることにより、放熱効果を得ることができるという利点もある。
【0050】
また、ノート型電子機器100を設置した状態で、その底面とパット部2との間に空間(マウス110のコード111が通過可能な空間)が形成される。ノート型電子機器100は、それ自体が持つカーソル移動操作機能の他に、マウス110を接続して用いることがあるが、この場合、当該空間にマウス110のコード111を通して、マウス110をマウススペース2b上で操作することができる。これにより、コード111をノート型電子機器100の背面(後方)から回してマウス110を使用する場合と比べ、コード111が絡まり難く、コード111が最短距離を通るのでコード111を長く使えると共に、ノート型電子機器100の背面をすっきりとできるという利点がある。コード111を長く使えるということは、マウス110の移動範囲をより広くとることができ、マウス110の操作がよりし易くなり有利である。
【0051】
パット部2の比較的手前側の位置には、ノート型電子機器100の手前側縁部が係止(当接)する係止部4が設置されている。この係止部4は、細長い構造の部材(長尺部材)、特に管状部材(中空部材)で構成されており、係止部4より手前側の部位には、前述の手首スペース2aが形成される。
【0052】
係止部4は、スタンド部3、3を結ぶ線に対し略平行な方向に延在するように、かつ、スタンド部3、3との間にノート型電子機器100の奥行きよりやや狭い間隔を隔てて配置される。これにより、スタンド部3、3および係止部4は、ノート型電子機器100の底面に対してやや狭めの枠状に配置され、ノート型電子機器100を保持した際のノート型電子機器100の脱落を防止することができる。
【0053】
この係止部4は、パット部2の手前側縁部との間に手首スペース2aが形成されるように配置され、パット部2の右側縁部との間にマウススペース2bが形成されるように配置される。
【0054】
係止部4は、弾性または柔軟性を有する材料で構成されているのが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン等の各種樹脂材料、各種ゴム材料、各種熱可塑性樹脂が挙げられる。これにより、ノート型電子機器100の手前側縁部が係止部4に当接したとき、その状態を安定的に保持することができると共に、ノート型電子機器100の手前側縁部の傷付きを防止することができる。さらに、係止部4が衝撃緩和(吸収)作用を発揮するので、振動、衝撃が加わった場合でもノート型電子機器100を保護することができる。
【0055】
係止部4のパット部2に対する固定方法は、特に限定されず、例えば、接着、融着の他、両面または片面粘着テープを介して貼り付けられ、固定されてもよい。また、例えば面ファスナーのようなものを用いて着脱自在に固定されていてもよい。これらの場合、使用者が固定位置を選択または調整(微調整)することができ、好ましい。なお、係止部4は、パット部2対し予め一体的に形成されているものでもよい。
【0056】
このような係止部4は、ノート型電子機器100の手前側縁部に当接(付勢)して、ノート型電子機器100の前後方向の位置決めを行うと共に、傾斜状態のノート型電子機器100がスタンド部3、3から脱落することを防止する機能を有する(図2および図3参照)。これにより、ノート型電子機器100は、スタンド部3、3と係止部4とにより所定角度の傾斜状態で確実に保持される。
【0057】
なお、係止部4の形状は、図1〜図3に示すような長尺状のものに限定されず、例えば、図4に示すように、係止部4として、突起物や小片状、小塊状のものを複数個配置(例えば左右方向に一列に並べて配置)したものであってもよい。
【0058】
パット部2上であって係止部4の奥側近傍位置には、摩擦部(摩擦パット)5が設置されている。この摩擦部5は、ノート型電子機器100を設置したとき、その手前側底面に摩擦接触してノート型電子機器100の移動を阻止または抑制する機能を有する。
【0059】
この摩擦部5は、各種ゴム、各種熱可塑性エラストマー、その他粘弾性材料等の摩擦材料(摩擦を増大し得る材料)で構成される小型の薄片で構成されている。図示の構成では、一組(一対)の摩擦部5、5がノート型電子機器100の幅よりやや狭い間隔を隔てつつ、係止部4の長手方向に沿って並べられて配置されている(図1参照)。なお、上記摩擦材料は、衝撃緩和(吸収)作用を有する緩衝材でもあるので、振動、衝撃が加わった場合でもノート型電子機器100を保護することができるという利点がある。
【0060】
摩擦部5のパット部2に対する固定方法は、特に限定されず、例えば、接着、融着の他、両面または片面粘着テープを介して貼り付けられ、固定されてもよい。また、例えば面ファスナーのようなものを用いて着脱自在に固定されていてもよい。これらの場合、使用者が固定位置を選択または調整(微調整)することができ、好ましい。
【0061】
前述したように、係止部4もノート型電子機器100の前方への移動を阻止する機能を有するが、摩擦部5は、その摩擦力により、設置されたノート型電子機器100の前後方向の移動をより確実に阻止するとともに、ノート型電子機器100の横方向(左右方向)の移動をも阻止する。特に、ノート型電子機器100の入力部102に手が触れ、後方や側方への押圧力が作用した場合でも、かかる効果が発揮される。これにより、傾斜状態のノート型電子機器100を使用(キー操作)しているときに、ノート型電子機器100の位置がずれてスタンド部3、3から脱落するという事態をより確実に防止し、電子機器保持部21での保持を安定的に維持することができる。
【0062】
なお、摩擦部5の形状は、図示のような複数の小片状のものに限定されず、例えば係止部4と同方向に延在する長尺のものであってもよい。
【0063】
このチルトスタンド1によれば、パット部2上の所定位置に設けられたスタンド部3と係止部4とが、ノート型電子機器100を傾斜状態にて安定的に保持するので、ノート型電子機器100の底部に固定設置を要する従来のチルトスタンドと比較して、ノート型電子機器100を簡易に保持することができるという利点がある。すなわち、従来のチルトスタンドの欠点である、チルトスタンドを取り付けるためのネジ孔をノート型電子機器100側に設けることが不要となり、どのようなノート型電子機器100に対しても簡単に使用することができるので、有益である。
【0064】
また、係止部4が、ノート型電子機器100の手前側をガイドするので、ノート型電子機器100の位置決めを容易に為し得るという利点がある。
【0065】
また、このチルトスタンド1は、傾斜板状の従来のチルトスタンドと比べ、かかる傾斜板の厚みを省略できるので、ノート型電子機器100の高さ方向(厚さ方向)の設置位置をチルトスタンドの接地面(底面)に対して低く抑えられるという利点がある。これにより、ノート型電子機器100の手前側の高さをより低くすることができ、入力部102のキー操作が容易となり、入力ミスの軽減や疲労の軽減が図れるという利点がある。
【0066】
また、このチルトスタンド1は、そのほとんどの部分を弾性、柔軟性を有する材料で構成することができ、このような材料は一般に軽量であるため、全体が硬質(高剛性を要する)材料で構成される従来のチルトスタンドと比較して、軽量化が図れるという利点がある。
【0067】
また、このチルトスタンド1は、構成が簡素かつ単純なので、安価にて製造できるという利点があり、また、外形寸法の異なる種々のノート型電子機器100に対し適応することができ(ノート型電子機器100の機種、寸法等を選ばず)、低コストにてスタンド部3、係止部4等の配置や寸法等の変更を為し得るという利点もある。
【0068】
なお、本実施形態のチルトスタンド1では、パット部2を可撓性材料により構成した。これにより、チルトスタンド1を任意に折り畳んだり丸めたりして、包材や配布用パック等に容易に収納することができ、好ましい。特に、チルトスタンド1を販促品として街頭や店頭にて配布する場合、かかる折り畳みや丸めた状態での収納が容易であれば、これを受け取った者がその場で速やかに手持ちのバック等に収められるという利点がある。
【0069】
なお、パット部2は、例えば各種プラスチック、各種金属、木材、その他の硬質材料により形成されてもよい。これにより、このチルトスタンド1を、例えば凹凸のある面(接地面)上に置いてノート型電子機器100を設置し使用することができるという利点がある。この場合、このチルトスタンド1が手首スペース2aおよびマウススペース2bを有すると、かかる凹凸のある面上においても、ノート型電子機器100を快適に使用することができる。
【0070】
また、本実施形態のチルトスタンド1では、パット部2の手前側に手首スペース2aを有する。この手首スペース2aは、ノート型電子機器100の設置状態にて、ノート型電子機器100より手前側に位置し、使用者がキー操作を行うに際しての手首を乗せるスペースとなる。このとき、手首スペース2aは、使用者の手首により押圧され、パット部2の接地面に対し密着するので、ノート型電子機器100の使用時おいて、パット部2の接地面に対する滑り(ずれ)が防止される。これにより、パット部2の底面に滑り止め加工等を施さなくても十分に滑り止め機能が得られるので、チルトスタンド1を容易に(安価な材料で)製造することができ、製造コストの低減が図れる。ただし、本発明では、手首スペース2aを省略してもよく、さらにはパット部2の底面に滑り止め加工を施す構成としてもよい。これにより、パット部2を小型化できるという利点がある。
【0071】
また、図示のチルトスタンド1では、パット部2の形状を略四角形としたが、これに限らず、任意の形状とすることができる。特に、使用者が、パット部2を例えば切り抜いたり裁断したりして、その形状を自由に作成することができるようにしてもよい。
【0072】
また、このチルトスタンド1は、パット部2に設けられたマウススペース2bにより、マウスパットとしての機能を有する。すなわち、図示のチルトスタンド1は、マウスパット1とも言える。この場合、ノート型電子機器100の設置状態においては、ノート型電子機器100の重量が加わることによりチルトスタンド1自体が接地面に対し滑り難くなるので、一般のマウスパットが有する底面側の滑り止め加工あるいは摩擦の大なる層の形成等を省略することもでき、構成の簡素化、低コスト化が図れ好ましい。また、このような滑り止め加工あるいは摩擦の大なる層の形成等が不要となれば、パット部2に使用し得る材質の自由度が増すので、安価な材料を選択して製品の製造コストを低減することができるという利点がある。
【0073】
また、前述したように、チルトスタンド1のスタンド部3をコルク材等で構成するのが好ましいが、これは、ノート型電子機器100を支持するのに十分な強度を有すると共に、ノート型電子機器100を乗せたときのフィット感に優れ、また、軽量であり、しかも、ノート型電子機器100の底面を傷付けないという点で優れているからである。
【0074】
また、チルトスタンド1では、スタンド部3を半球形状(または砲弾形状)としたが、これに限らず、スタンド部3を、例えば図5(a)示すような楔形状や、その他ブロック状としてもよい。
【0075】
また、スタンド部3は、長尺形状とすることもできる。スタンド部3を、例えば図5(b)に示すような、断面が略半円形の棒状構造とし、これをパット部2の奥側縁部に沿って設置してもよい。この場合でも、スタンド部3の構成材料は、前述したようなものが好ましい。
【0076】
また、図6(a)に示すように、スタンド部3は、パット部2を構成するシート材の一部を上方に向けて突出するように(カップ状に)成形し、その内側(突部22の内側)に補強部材(形状規制部材)7を挿入した構成とすることができる。
【0077】
補強部材7は、例えば、比較的硬質の樹脂材料、金属材料、木材等で構成され、パット部2のカップ状に成形された突部22に対し、着脱自在に挿入(嵌入)されていても、固定(固着)されていてもよい。後者の場合の固定方法は、例えば、接着、融着の他、両面または片面粘着テープを介して貼り付ける等の方法が可能である。
【0078】
なお、突部22は、図1や図5(a)に示すスタンド部3と同様の突起物状のものでも、図5(b)に示すスタンド部3と同様の長尺形状のものでもよい。また、補強部材7は、中空でも中実でもよい。
【0079】
また、図6(b)に示すように、スタンド部3は、パット部2を構成するシート材の一部に開口23を設け、この開口23から上方に向けて突出するようにパット部2の下面側から挿入された突起状部材8で構成されたものとすることができる。
【0080】
突起状部材8は、前述したスタンド部3と同様の材料の他、例えば、比較的硬質の樹脂材料、金属材料、木材等で構成することもできる。突起状部材8の下端部外周には、鍔状のフランジ81が形成されており、このフランジ81がパット部2の下面であって開口23の周囲の部分に係合する。
【0081】
突起状部材8は、開口23に対し、着脱自在に挿入(嵌入)されていても、固定(固着)されていてもよい。後者の場合の固定方法は、フランジ81をパット部2の下面であって開口23の周囲の部分に対し、例えば、接着、融着し、あるいは、両面または片面粘着テープを介して貼り付ける等の方法が可能である。
【0082】
なお、突起状部材8は、図1や図5(a)に示すスタンド部3と同様の突起物状のものでも、図5(b)に示すスタンド部3と同様の長尺形状のものでもよい。また、突起状部材8は、中空でも中実でもよい。
【0083】
また、図示のチルトスタンド1では、係止部4を管状部材で構成したが、これに限らず、係止部4は、中実の棒状部材で構成されたものでもよい。係止部4を管状部材、棒状部材等の長尺部材で構成する場合、その横断面形状は、特に限定されず、例えば半円状、半楕円状、砲弾形状、三角形、四角形、V字状、L字状等、いかなる形状でもよい。
【0084】
また、このチルトスタンド1は、パット部2に対し、スタンド部3、係止部4、摩擦部5がそれぞれ別部材として固定されたものであり、そのため、パット部2に特殊な加工を要しないので、製品を簡易かつ安価に製造できるという利点があり好ましい。ただし、本発明はこれに限らず、パット部2の形成に際し、スタンド部3、係止部4および摩擦部5のうちの少なくとも一部(好ましくは全部)をパット部2と一体形成してもよい。すなわち、これらを単一部材からなるチルトスタンド(マウスパット)1としてもよい。これにより、チルトスタンド1の製造に際し、スタンド部3等を後付けする工程を省略することができると共に、チルトスタンド1の外観を1つのまとまりがあるものとすることができ、美観の向上が図れるという利点がある。
【0085】
また、摩擦部5は、パット部2上に小片状のものを設置したが、これに限らず、例えばパット部2の上面に摩擦を増大し得るエンボス加工や粗面加工等を施した程度のものであってもよい。
【0086】
また、図7に示すように、チルトスタンド1においては、さらに、パット部2の手首スペース2aに、パームレスト6を設けてもよい。これにより、使用者は、手首が保護され、また、より快適にノート型電子機器100を使用することができるという利点がある。このパームレスト6は、例えば、ポリウレタン等の柔軟な材料で構成されたものであり、手首スペース2aに単に載置するだけでもよいが、両面粘着テープ等により手首スペース2aに貼り付けて固定してもよい。
【0087】
以上では、完成した状態の、すなわち組立状態のチルトスタンド(マウスパット)1について説明したが、本発明は、組立前のチルトスタンド(マウスパット)、すなわちチルトスタンド(マウスパット)の組立キットであってもよい。
【0088】
このチルトスタンド(マウスパット)の組立キット(以下単に「組立キット」と言う)は、パット部2、スタンド部3、係止部4および必要に応じてその他の部品を含み、これらを組み立てることにより、前述したチルトスタンド1が完成する。このような組立キットも、完成品と同様に、広告用、配布用として用いることができる。この組立キットも、完成品と同様に、コンパクトに収納することができるので、街頭や店頭での配布用にも適している。また、製品の組立工程を省略できるので、製造コストを低減することができるという利点もある。
【0089】
この組立キットでは、パット部2の所定箇所に所定数のスタンド部3および係止部4を固定すること、さらには必要に応じ所定箇所に所定数の摩擦部5を固定することにより、チルトスタンド1を組立て、完成させる。
【0090】
この場合、スタンド部3、係止部4および摩擦部5は、それぞれ、設置するノート型電子機器100のサイズ、ノート型電子機器100の傾斜角度、使用者の好み等の諸条件に応じた所望の位置に固定することができる。また、スタンド部3等を一旦固定した後、必要に応じその位置を変更することもできる。
【0091】
また、パット部2に、スタンド部3、係止部4および摩擦部5のうちに少なくとも1つの部品の設置位置を示す指示マーク(例えば、図9、図10中に記載された点線のようなもの)を付すこともできる。これにより、使用者は、チルトスタンド1を容易に組み立てることができる。この場合、パット部2に設けられる指示マークは、ノート型電子機器100のサイズの範囲等を考慮して、部品の設置位置を複数パターン示す構成とし、使用者はその中から最適と思うものを選択して部品を設置するようにしてもよい。これにより、使用者は、ノート型電子機器100のサイズ等に応じて、容易にかつ最適な位置に部品を設置することができる。
【0092】
また、パット部2は、マウススペース2bを示す指示マークとして、右利き用パターンおよび左利き用パターンの双方を有しても良い。これにより、1つのパット部2で、右利き用、左利き用のいずれへも対応することができ、かつ、そのような選択、設定を容易に行うことができるという利点がある。
【0093】
このような組立キットにおいて、スタンド部3は、その高さが調節可能または選択可能であるのが好ましい。これにより、ノート型電子機器100の機種、サイズや使用者の好みに応じて、ノート型電子機器100の傾斜角度を所望に調整することができる。そのため、ノート型電子機器100をより使い易い状態とすることができる。
【0094】
スタンド部3の高さの設定には、概ね、次の2つの手段(方法)が挙げられる。
【0095】
<第1の手段>
スタンド部3は、複数枚のシート片(小片)を積層してなる積層構造とされ、組立にあたり、シート片の積層枚数を選択することによりスタンド部3の高さを調節する。
【0096】
具体例を挙げて説明すると、図8に示すように、スタンド部3は、略楔形のシート片3aと、複数の板状のシート片3b、3c、3dとを積層して構成される。略楔形のシート片3aは、スタンド部3の頂部を構成し、その傾斜角が、設置されるノート型電子機器100の傾斜角度(または傾斜角度の範囲)に対応するように形成されている。これにより、スタンド部3が、ノート型電子機器100の設置状態にて、その底面に確実に面接触し、安定的に保持することができる。もちろん、シート片3aの形状は、楔形に限定されず、前述したような半球形状、砲弾形状、方形状、円錐台形状、その他任意の立体形状のものが可能である。
【0097】
シート片3aの下方には、必要に応じてシート片3b〜3dが設置される。シート片3b〜3dは、いずれも板状をなす小片で構成され、それらは略同様の形状および厚さを有している。なお、シート片3b〜3dは、厚さが異なるものでもよい。
【0098】
各シート片3a〜3dの下面には、粘着剤層(再剥離型のものでもよい)が設けられており、パット部2の上面や、当該シート片の下部に位置するシート片3b〜3dの上面に貼着することができるようになっている。
【0099】
このようなスタンド部3では、シート片3aの下方に設置するシート片3b〜3dの枚数を選択することによりスタンド部3の高さを調整する。すなわち、シート片3aの下方にシート片3b〜3dの全てを設置すれば、スタンド部3は最も高くなり、シート片3aの下方に設置するシート片3b〜3dの枚数を順次減らしてゆけば、それに応じてスタンド部3の高さを低くすることができる。また、スタンド部3の頂部に位置する部品(シート片3a)として、形状および/または材質(性状)の異なるものを複数(または複数組)用意し、これらの中から適宜選択して用いることができる。このようなスタンド部3の高さ等の設定は、使用者等が組立キットを組立てる際に、設置するノート型電子機器100の種類やサイズ、使用者の好み等に応じて行われる。
【0100】
<第2の手段>
高さの異なる複数(または複数組)のスタンド部(またはスタンド部を構成する部品)を用意しておき、それらの中から適宜選択して用いる。
【0101】
具体例を挙げて説明すると、図9に示すように、組立キットは、高さが最も高いスタンド部31と、高さが最も低いスタンド部33と、それらの中間の高さを有するスタンド部32とを、それぞれ2個ずつ(一組)有し、それらの組(A組、B組、C組)の中から1つを選択し、選択された組の2つのスタンド部をそれぞれパット部2の所望の箇所(図9中の点線で示す箇所)に固定する。ここで、各スタンド部31〜33の形状、構造、材質、固定方法等は、前述したスタンド部3と同様である。
【0102】
なお、長尺形状のスタンド部を用いる場合、高さが異なるスタンド部を1個ずつ有していればよい。
【0103】
組立キットにおいて、ノート型電子機器100の傾斜角度の調整は、前述したようなスタンド部の選択、設定により行う場合に限られない。例えば、スタンド部の高さおよび固定位置が一定であった場合でも、係止部4の前後方向の固定位置(スタンド部との離間距離)を調整することにより、ノート型電子機器100の傾斜角度を調整することができる。
【0104】
また、組立キットにおいて、スタンド部(またはスタンド部を構成する部品)は、その形状および/または材質が異なる複数(または複数組)のものを有し、それらを適宜選択して用いることを可能とするのが好ましい。これにより、ノート型電子機器100の機種、重量、底面の材質等や、使用者の好みに応じて、スタンド部による保持状態を選択することができる。
【0105】
例えば、設置するノート型電子機器100の重量が比較的重い場合には、スタンド部での沈み込み等を防止するために、比較的伸縮性が少ない材料(例えば、コルク材)で構成されたスタンド部を選択する。また、ノート型電子機器100の底面が比較的滑り易い材質で構成されたものである場合には、ゴム材料等の摩擦抵抗の大きな材料で構成されたスタンド部、または長尺形状のようなノート型電子機器100の底面に対する接触面積が大きくなるような形状のスタンド部を選択する。
【0106】
具体例を挙げて説明すると、図10に示すように、組立キットは、コルク材で構成された長尺形状のスタンド部34と、ゴムで構成された長尺形状のスタンド部35と、コルク材で構成され、かつひも(または棒体)361で連結された一組のスタンド部36、36と、ゴムで構成され、かつひも(または棒体)371で連結された一組のスタンド部37、37の合計4種を有し、それらの中から1つを選択し、選択されたスタンド部をそれぞれパット部2の所望の箇所(図10中の点線で示す箇所)に固定する。ここで、各スタンド部34〜37の形状、構造、材質、固定方法等は、前述したスタンド部3と同様である。
【0107】
また、組立キットにおいて、高さ、形状、材質(性状)等の異なるものを複数有し、それらの中から適宜選択して用いることについては、前述のようなスタンド部そのものに限らず、スタンド部を構成する部品、例えば前述したシート片3a〜3d、補強部材7、突起状部材8等についても同様であり、さらには、係止部4や摩擦部5についても同様である。
【0108】
以上、本発明を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成と置換することができ、また、任意の構成が付加されていてもよい。
【0109】
また、上記の各実施形態では、図中の符号1をチルトスタンドとして説明したが、これに限らず、パット部2がマウススペース2bを有する場合には、符号1をマウスパットとしてもよい。この場合、チルトスタンドとして説明した上記の各内容は、マウスパットについてもあてはまるものである。
【0110】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、シート状のパット部にスタンド部等の必要な部品を設置し、薄型電子機器を傾斜状態で保持するので、薄型電子機器側にネジ止めのための加工等を施す必要がなく、簡単かつ容易に薄型電子機器を傾斜させて保持することができる。
【0111】
また、薄型電子機器のあらゆる機種やサイズに対応することができ、薄型電子機器の保持位置や傾斜角度の設定、変更も容易に可能であるため、使用者にとって、大変使い勝手が良い。
【0112】
また、折り畳んだり丸めたりしてコンパクトに収納することができ、軽量であるため、使用時のみならず、保管、運搬、廃棄に際しても有利である。そして、製造や組立てが容易であり、材料コスト、製造コストも安価であるので、有償で販売するのみならず、宣伝用、配布用として用いる場合でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチルトスタンド(マウスパット)の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に記載したチルトスタンドの使用状態を示す斜視図である。
【図3】図1に記載したチルトスタンドの使用状態を示す側面図である。
【図4】図1に記載したチルトスタンドの変形例を示す要部斜視図である。
【図5】(a)、(b)共に、図1に記載したチルトスタンドの変形例を示す要部斜視図である。
【図6】(a)、(b)共に、図1に記載したチルトスタンドの変形例を示す要部断面側面図である。
【図7】図1に記載したチルトスタンドの変形例を示す要部斜視図である。
【図8】図1に記載したスタンド部の変形例を示す斜視図である。
【図9】本発明のチルトスタンドの組立キットの実施形態を示す要部斜視図である。
【図10】本発明のチルトスタンドの組立キットの実施形態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 チルトスタンド(マウスパット)
2 パット部
2a 手首スペース
2b マウススペース
2c 空きスペース
21 電子機器保持部
22 突部
23 開口
3 スタンド部
3a、3b、3c、3d シート片
31〜37 スタンド部
361、371 ひも(棒体)
4 係止部
5 摩擦部
6 パームレスト
7 補強部材
8 突起状部材
81 フランジ
100 ノート型電子機器
101 表示部
102 入力部
110 マウス
111 コード(ケーブル)
【発明の属する技術分野】
本発明は、チルトスタンド、チルトスタンドの組立キットおよびマウスパットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ノート型パソコンのようなノート型電子機器は、一般に、キーボードと本体とが一体化され、画像表示部が本体に対し回動自在に設置された構造であるが、キーボードで入力操作をする際には、本体が水平であると、その操作がし難いので、これを解消するために、ノート型電子機器の奥側(操作者から遠い側)が高くなるように本体およびキーボードを傾斜させて入力操作を行うことが考えられている。
【0003】
従来、ノート型電子機器の下方に配置して使用され、ノート型電子機器をその奥側が高くなるように傾斜させた状態で保持するチルトスタンドが知られている(例えば、非特許文献1および2参照)。
【0004】
このチルトスタンドは、ノート型電子機器の底部(本体の底部)と略同じ形状および大きさを有するくさび状の傾斜板で構成され、該傾斜板をノート型電子機器の底部に固定し、ノート型電子機器を水平面に対し傾斜状態で保持するようになっている。
【0005】
しかしながら、このチルトスタンドは、全体が硬質材料で構成され、重量が大きいという欠点の他に、次のような欠点がある。すなわち、ノート型電子機器に対しチルトスタンドを固定的に設置する必要があり、その固定のため、ノート型電子機器側に取り付け用のネジ孔を設けなければならならず、電子機器側の加工や構造上の改良を余儀なくされるという問題がある。さらに、ノート型電子機器の底面に傾斜板を固定したり、使用後それを取り外したりする作業が煩雑であるという問題もある。
【0006】
【非特許文献1】
インターネット<URL:http://www.bird.ac>
【非特許文献2】
インターネット<URL:http://www.id−ee.co.jp>
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、軽量で持ち運びがし易く、ノート型電子機器側に加工等を要することなくノート型電子機器を傾斜状態に保持することができるチルトスタンド、チルトスタンドの組立キットおよびマウスパットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(24)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 薄型電子機器の下方に配置して使用され、薄型電子機器を傾斜状態にて保持するチルトスタンドにおいて、
シート状のパット部と、
前記パット部に配置され、薄型電子機器の奥側底部を持ち上げるように支持して当該薄型電子機器を傾斜させるスタンド部と、
前記パット部に配置され、薄型電子機器の手前側に当接して当該薄型電子機器に係止する係止部とを有することを特徴とするチルトスタンド。
【0010】
(2) 前記パット部は、前記係止部の手前側に延出する前方余白部を有する上記(1)に記載のチルトスタンド。
【0011】
(3) 前記パット部は、薄型電子機器の設置状態にて、当該薄型電子機器の右側および/または左側の側部に延出する側方余白部を有する上記(1)または(2)に記載のチルトスタンド。
【0012】
(4) 前記側方余白部は、マウスを操作するマウススペースとして用いられるものである上記(3)に記載のチルトスタンド。
【0013】
(5) 前記パット部は、折り畳み可能な可撓性材料で構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0014】
(6) 前記パット部に、文字、記号、図形、模様、画像、その他情報を担持する情報担体のうちの少なくとも1つが付されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0015】
(7) 前記スタンド部は、複数の突起物または長尺物で構成される上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0016】
(8) 前記スタンド部は、前記パット部のシート材を突状に成形し、該突部を形状規制部材により形状規制してなるものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0017】
(9) 前記スタンド部は、前記パット部に形成された開口から突出する突起状部材で構成される上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0018】
(10) 前記スタンド部は、衝撃緩和作用を有するものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0019】
(11) さらに、前記パット部上に配置され、設置状態にて薄型電子機器の手前側底部に摩擦接触して当該薄型電子機器の移動を阻止または抑制する摩擦部を有する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0020】
(12) 薄型電子機器の設置状態にて、当該薄型電子機器の底面と前記パット部との間に空間が形成される上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のチルトスタンド。
【0021】
(13) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のチルトスタンドを構成するチルトスタンドの組立キット。
【0022】
(14) 薄型電子機器の下方に配置して使用され、薄型電子機器を傾斜状態にて保持するチルトスタンドを組み立てるためのチルトスタンドの組立キットであって、
シート状のパット部と、
前記パット部に対し設置し得る少なくとも1つのスタンド部と、
前記パット部に対し設置し得る係止部とを備え、
前記パット部の所望の位置に前記スタンド部および前記係止部を設置して前記チルトスタンドを組み立てることを特徴とするチルトスタンドの組立キット。
【0023】
(15) 前記パット部は、設置する薄型電子機器を包含する形状を有するものである上記(13)または(14)に記載のチルトスタンドの組立キット。
【0024】
(16) 前記パット部は、部品の設置位置を示す指示マークを有する上記(13)ないし(15)のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
【0025】
(17) 前記スタンド部は、その高さが調節可能であり、これにより、薄型電子機器の傾斜角度を調整可能とした上記(13)ないし(16)のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
【0026】
(18) 前記スタンド部は、複数のシート片を積層してなる積層構造を有し、前記チルトスタンドの組立にあたり、前記シート片の積層枚数を選択することによりスタンド部の高さを調節する上記(17)に記載のチルトスタンドの組立キット。
【0027】
(19) 高さの異なる複数または複数組のスタンド部あるいはそれを構成する部品を有し、それらのうちから適宜選択して用いることにより、薄型電子機器の傾斜角度を調整可能とした上記(13)ないし(16)のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
【0028】
(20) 形状および/または材質が異なる複数または複数組のスタンド部あるいはそれを構成する部品を有し、それらのうちから適宜選択して用いる上記(13)ないし(19)のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
【0029】
(21) シート状をなし、マウスを操作するマウススペースを有するパット部と、
前記パット部上の前記マウススペースと異なる箇所に設けられ、薄型電子機器をその奥側が高位置となるように傾斜した状態で保持し得る電子機器保持部とを有することを特徴とするマウスパット。
【0030】
(22) 前記電子機器保持部は、前記パット部に配置され、薄型電子機器の奥側底部を持ち上げるように支持して当該薄型電子機器を傾斜させるスタンド部と、
前記パット部に配置され、薄型電子機器の手前側に当接して当該薄型電子機器に係止する係止部とを有する上記(21)に記載のマウスパット。
【0031】
(23) 前記電子機器保持部に薄型電子機器を設置した状態で、当該薄型電子機器の底面と前記パット部との間に、マウスのコードが通過可能な空間が形成される上記(21)または(22)に記載のマウスパット。
【0032】
(24) 前記電子機器保持部は、薄型電子機器の傾斜角度を選択または変更可能である上記(21)ないし(23)のいずれかに記載のマウスパット。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のチルトスタンド、チルトスタンドの組立キットおよびマウスパットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明のチルトスタンド(マウスパット)の実施形態を示す斜視図である。図2および図3は、それぞれ、図1に記載したチルトスタンドの使用状態を示す斜視図および側面図である。
【0035】
図1〜図3に示すように、チルトスタンド1は、パット部2と、スタンド部3と、係止部(係止片)4と、摩擦部5とを有している。チルトスタンド1は、パット部2を土台(基台)とし、この上面の所定の位置にスタンド部3、係止部4および摩擦部5が設けられている。これらスタンド部3、係止部4および摩擦部5により電子機器保持部21が形成される。これにより、チルトスタンド1は、例えばノート型パーソナルコンピュータ、ノート型ワードプロセッサ、キーボード、タッチボード、その他各種ノート型または薄型の電子機器のようなノート型電子機器(薄型電子機器)100の下に敷かれて、電子機器保持部21により当該ノート型電子機器100を傾斜状態に保持する(図2および図3参照)。
【0036】
なお、本明細書では、図3中の上側を「上」、下側を「下」または「底」と呼ぶと共に、図2および図3に示すようなノート型電子機器100を設置した状態で、その表示部101側が位置する方向を「奥側」または「前」、その入力部(キーボード)102側が位置する方向を「手前側」または「後」、この手前側から見て左方向を「左側」、右方向を「右側」と呼ぶ。
【0037】
パット部2は、シート状の部材で構成され、チルトスタンド1の土台(基台)をなすものである。このパット部2は、硬質の板材(ボード)で構成されていてもよいが、可撓性材料で構成されているのが好ましい。これにより、折り畳んだり丸めたりすることができ、保管、運搬等の非使用時に有利となる。
【0038】
パット部2を構成する材料としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の各種樹脂材料や、各種ゴム材料、各種熱可塑性樹脂、織布、不織布が挙げられる。この場合、パット部2は、単一材料よりなる単層で構成されているものでも、異種材料よりなる複数の層を積層した積層体で構成されているものでもよい。いずれの場合でも、人の手により容易に折り畳みあるいは丸めたりすることができる程度の柔軟性を有するのが好ましい。
【0039】
なお、パット部2の底面に滑り止め加工を施したり、パット部2を積層体で構成し、その最も底面側の層を摩擦の大なる層(例えばゴム材料で構成された層)で構成するなどして、チルトスタンド1の滑り(ずれ)を防止し得るようにすることもできる。
【0040】
パット部2の形状(平面形状)は、特に限定されず、正方形、ひし形、台形、三角形、円形、楕円形等でもよいが、図示の場合、略長方形をなしている。
【0041】
このようなパット部2は、設置するノート型電子機器100を包含する形状を有している。すなわち、パット部2は、ノート型電子機器100の縦横の寸法よりも、奥側から手前側に人の手の平ほど長く、左側および/または右側の側方に人の手の幅ほど長い。これにより、パット部2は、ノート型電子機器100の使用状態にて、使用者が手首を乗せる余白となる手首スペース2aを電子機器保持部21の手前側に有し、また、マウス110を操作(ドラッグ)する余白となるマウススペース2bを電子機器保持部21の右側(使用者が右利きの場合)に有する。なお、使用者が左利きの場合は、マウススペース2bを電子機器保持部21の左側に設けるのがよく、右利き、左利きのどちらにも対応できるようにする場合には、マウススペース2bを電子機器保持部21の右側、左側の双方に設けるのがよい。
【0042】
また、パット部2には、例えば文字、記号、図形、模様、画像、その他情報を担持する情報担体(例えばバーコード)(以下これらを総称して「文字等」と言う)が、任意の組み合わせで付されていてもよい。パット部2にこのような文字等を設ける目的は、特に限定されないが、例えば広告、スローガン、写真等の画像を付し、チルトスタンド1を販売促進用(販促用)の品として用いることができる。このような場合、チルトスタンド1は、有償で販売されても、無償で配布されてもよい。
【0043】
パット部2に文字等を付す方法は、特に限定されず、印刷、ラベルの貼着等が挙げられる。文字等は、パット部2の上面、下面あるいは内部に付すことができる。
【0044】
また、パット部2上において文字等を付す箇所も、特に限定されず、手首スペース2a、マウススペース2b、電子機器保持部21上の空きスペース2c、あるいはその他任意の箇所に付すことができる。
【0045】
パット部2の電子機器保持部21には、スタンド部3が設けられ、このスタンド部3により、ノート型電子機器100の奥側底部を持ち上げ、ノート型電子機器100を傾斜状態で保持する。
【0046】
このスタンド部3は、突起物、特に複数の突起物で構成されている。図示の例では、略半球形状(または砲弾形状)の突起物で構成され、2個を一組として用いられる。これらのスタンド部3は、硬質樹脂や金属のような硬質材料でもよいが、少なくともその先端部が例えば各種ゴム材料、軟質樹脂、コルク材(軟質木材)、不織布(フェルト)等の弾力性または柔軟性を有する材料で構成されているのが好ましい。これにより、ノート型電子機器100の底面が当接した際の滑りを防止すると共に、ノート型電子機器100の底面の傷付きも防止することができる。さらに、スタンド部3が衝撃緩和(吸収)作用を発揮するので、振動、衝撃が加わった場合でもノート型電子機器100を保護することができる。また、上記の材料は比較的軽量であるため、チルトスタンド1全体の軽量化にも寄与する。なお、スタンド部3を構成する突起物は、中空でも中実でもよい。
【0047】
このような一組(一対)のスタンド部3、3は、ノート型電子機器100の幅よりやや狭い間隔を隔てつつ、パット部2の奥側縁部に沿って並べられ、その先端(半球面)を上方に向けて配置されている(図1参照)。
【0048】
スタンド部3、3のパット部2に対する固定方法は、特に限定されず、例えば、接着、融着の他、両面または片面粘着テープを介して貼り付けられ、固定されてもよい。また、例えば面ファスナーのようなものを用いて着脱自在に固定されていてもよい。これらの場合、使用者が固定位置を選択または調整(微調整)することができ、好ましい。
【0049】
スタンド部3、3は、ノート型電子機器100の設置状態にてその底面の奥側角部にそれぞれ当接し、ノート型電子機器100を下方から支持して、その奥側をパット部2の表面から浮かせた状態に保持する(図2および図3参照)。これにより、ノート型電子機器100は、その奥側を高位置として奥側から手前側に傾斜した状態で保持される。ノート型電子機器100をこのように傾斜させて使用(特にキーボードの操作)すれば、手首を浮かせること無く入力部102のキー操作等ができるので、文字入力を楽に行え、入力ミスや疲労が軽減される。また、ノート型電子機器100の底面を浮かせることにより、放熱効果を得ることができるという利点もある。
【0050】
また、ノート型電子機器100を設置した状態で、その底面とパット部2との間に空間(マウス110のコード111が通過可能な空間)が形成される。ノート型電子機器100は、それ自体が持つカーソル移動操作機能の他に、マウス110を接続して用いることがあるが、この場合、当該空間にマウス110のコード111を通して、マウス110をマウススペース2b上で操作することができる。これにより、コード111をノート型電子機器100の背面(後方)から回してマウス110を使用する場合と比べ、コード111が絡まり難く、コード111が最短距離を通るのでコード111を長く使えると共に、ノート型電子機器100の背面をすっきりとできるという利点がある。コード111を長く使えるということは、マウス110の移動範囲をより広くとることができ、マウス110の操作がよりし易くなり有利である。
【0051】
パット部2の比較的手前側の位置には、ノート型電子機器100の手前側縁部が係止(当接)する係止部4が設置されている。この係止部4は、細長い構造の部材(長尺部材)、特に管状部材(中空部材)で構成されており、係止部4より手前側の部位には、前述の手首スペース2aが形成される。
【0052】
係止部4は、スタンド部3、3を結ぶ線に対し略平行な方向に延在するように、かつ、スタンド部3、3との間にノート型電子機器100の奥行きよりやや狭い間隔を隔てて配置される。これにより、スタンド部3、3および係止部4は、ノート型電子機器100の底面に対してやや狭めの枠状に配置され、ノート型電子機器100を保持した際のノート型電子機器100の脱落を防止することができる。
【0053】
この係止部4は、パット部2の手前側縁部との間に手首スペース2aが形成されるように配置され、パット部2の右側縁部との間にマウススペース2bが形成されるように配置される。
【0054】
係止部4は、弾性または柔軟性を有する材料で構成されているのが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン等の各種樹脂材料、各種ゴム材料、各種熱可塑性樹脂が挙げられる。これにより、ノート型電子機器100の手前側縁部が係止部4に当接したとき、その状態を安定的に保持することができると共に、ノート型電子機器100の手前側縁部の傷付きを防止することができる。さらに、係止部4が衝撃緩和(吸収)作用を発揮するので、振動、衝撃が加わった場合でもノート型電子機器100を保護することができる。
【0055】
係止部4のパット部2に対する固定方法は、特に限定されず、例えば、接着、融着の他、両面または片面粘着テープを介して貼り付けられ、固定されてもよい。また、例えば面ファスナーのようなものを用いて着脱自在に固定されていてもよい。これらの場合、使用者が固定位置を選択または調整(微調整)することができ、好ましい。なお、係止部4は、パット部2対し予め一体的に形成されているものでもよい。
【0056】
このような係止部4は、ノート型電子機器100の手前側縁部に当接(付勢)して、ノート型電子機器100の前後方向の位置決めを行うと共に、傾斜状態のノート型電子機器100がスタンド部3、3から脱落することを防止する機能を有する(図2および図3参照)。これにより、ノート型電子機器100は、スタンド部3、3と係止部4とにより所定角度の傾斜状態で確実に保持される。
【0057】
なお、係止部4の形状は、図1〜図3に示すような長尺状のものに限定されず、例えば、図4に示すように、係止部4として、突起物や小片状、小塊状のものを複数個配置(例えば左右方向に一列に並べて配置)したものであってもよい。
【0058】
パット部2上であって係止部4の奥側近傍位置には、摩擦部(摩擦パット)5が設置されている。この摩擦部5は、ノート型電子機器100を設置したとき、その手前側底面に摩擦接触してノート型電子機器100の移動を阻止または抑制する機能を有する。
【0059】
この摩擦部5は、各種ゴム、各種熱可塑性エラストマー、その他粘弾性材料等の摩擦材料(摩擦を増大し得る材料)で構成される小型の薄片で構成されている。図示の構成では、一組(一対)の摩擦部5、5がノート型電子機器100の幅よりやや狭い間隔を隔てつつ、係止部4の長手方向に沿って並べられて配置されている(図1参照)。なお、上記摩擦材料は、衝撃緩和(吸収)作用を有する緩衝材でもあるので、振動、衝撃が加わった場合でもノート型電子機器100を保護することができるという利点がある。
【0060】
摩擦部5のパット部2に対する固定方法は、特に限定されず、例えば、接着、融着の他、両面または片面粘着テープを介して貼り付けられ、固定されてもよい。また、例えば面ファスナーのようなものを用いて着脱自在に固定されていてもよい。これらの場合、使用者が固定位置を選択または調整(微調整)することができ、好ましい。
【0061】
前述したように、係止部4もノート型電子機器100の前方への移動を阻止する機能を有するが、摩擦部5は、その摩擦力により、設置されたノート型電子機器100の前後方向の移動をより確実に阻止するとともに、ノート型電子機器100の横方向(左右方向)の移動をも阻止する。特に、ノート型電子機器100の入力部102に手が触れ、後方や側方への押圧力が作用した場合でも、かかる効果が発揮される。これにより、傾斜状態のノート型電子機器100を使用(キー操作)しているときに、ノート型電子機器100の位置がずれてスタンド部3、3から脱落するという事態をより確実に防止し、電子機器保持部21での保持を安定的に維持することができる。
【0062】
なお、摩擦部5の形状は、図示のような複数の小片状のものに限定されず、例えば係止部4と同方向に延在する長尺のものであってもよい。
【0063】
このチルトスタンド1によれば、パット部2上の所定位置に設けられたスタンド部3と係止部4とが、ノート型電子機器100を傾斜状態にて安定的に保持するので、ノート型電子機器100の底部に固定設置を要する従来のチルトスタンドと比較して、ノート型電子機器100を簡易に保持することができるという利点がある。すなわち、従来のチルトスタンドの欠点である、チルトスタンドを取り付けるためのネジ孔をノート型電子機器100側に設けることが不要となり、どのようなノート型電子機器100に対しても簡単に使用することができるので、有益である。
【0064】
また、係止部4が、ノート型電子機器100の手前側をガイドするので、ノート型電子機器100の位置決めを容易に為し得るという利点がある。
【0065】
また、このチルトスタンド1は、傾斜板状の従来のチルトスタンドと比べ、かかる傾斜板の厚みを省略できるので、ノート型電子機器100の高さ方向(厚さ方向)の設置位置をチルトスタンドの接地面(底面)に対して低く抑えられるという利点がある。これにより、ノート型電子機器100の手前側の高さをより低くすることができ、入力部102のキー操作が容易となり、入力ミスの軽減や疲労の軽減が図れるという利点がある。
【0066】
また、このチルトスタンド1は、そのほとんどの部分を弾性、柔軟性を有する材料で構成することができ、このような材料は一般に軽量であるため、全体が硬質(高剛性を要する)材料で構成される従来のチルトスタンドと比較して、軽量化が図れるという利点がある。
【0067】
また、このチルトスタンド1は、構成が簡素かつ単純なので、安価にて製造できるという利点があり、また、外形寸法の異なる種々のノート型電子機器100に対し適応することができ(ノート型電子機器100の機種、寸法等を選ばず)、低コストにてスタンド部3、係止部4等の配置や寸法等の変更を為し得るという利点もある。
【0068】
なお、本実施形態のチルトスタンド1では、パット部2を可撓性材料により構成した。これにより、チルトスタンド1を任意に折り畳んだり丸めたりして、包材や配布用パック等に容易に収納することができ、好ましい。特に、チルトスタンド1を販促品として街頭や店頭にて配布する場合、かかる折り畳みや丸めた状態での収納が容易であれば、これを受け取った者がその場で速やかに手持ちのバック等に収められるという利点がある。
【0069】
なお、パット部2は、例えば各種プラスチック、各種金属、木材、その他の硬質材料により形成されてもよい。これにより、このチルトスタンド1を、例えば凹凸のある面(接地面)上に置いてノート型電子機器100を設置し使用することができるという利点がある。この場合、このチルトスタンド1が手首スペース2aおよびマウススペース2bを有すると、かかる凹凸のある面上においても、ノート型電子機器100を快適に使用することができる。
【0070】
また、本実施形態のチルトスタンド1では、パット部2の手前側に手首スペース2aを有する。この手首スペース2aは、ノート型電子機器100の設置状態にて、ノート型電子機器100より手前側に位置し、使用者がキー操作を行うに際しての手首を乗せるスペースとなる。このとき、手首スペース2aは、使用者の手首により押圧され、パット部2の接地面に対し密着するので、ノート型電子機器100の使用時おいて、パット部2の接地面に対する滑り(ずれ)が防止される。これにより、パット部2の底面に滑り止め加工等を施さなくても十分に滑り止め機能が得られるので、チルトスタンド1を容易に(安価な材料で)製造することができ、製造コストの低減が図れる。ただし、本発明では、手首スペース2aを省略してもよく、さらにはパット部2の底面に滑り止め加工を施す構成としてもよい。これにより、パット部2を小型化できるという利点がある。
【0071】
また、図示のチルトスタンド1では、パット部2の形状を略四角形としたが、これに限らず、任意の形状とすることができる。特に、使用者が、パット部2を例えば切り抜いたり裁断したりして、その形状を自由に作成することができるようにしてもよい。
【0072】
また、このチルトスタンド1は、パット部2に設けられたマウススペース2bにより、マウスパットとしての機能を有する。すなわち、図示のチルトスタンド1は、マウスパット1とも言える。この場合、ノート型電子機器100の設置状態においては、ノート型電子機器100の重量が加わることによりチルトスタンド1自体が接地面に対し滑り難くなるので、一般のマウスパットが有する底面側の滑り止め加工あるいは摩擦の大なる層の形成等を省略することもでき、構成の簡素化、低コスト化が図れ好ましい。また、このような滑り止め加工あるいは摩擦の大なる層の形成等が不要となれば、パット部2に使用し得る材質の自由度が増すので、安価な材料を選択して製品の製造コストを低減することができるという利点がある。
【0073】
また、前述したように、チルトスタンド1のスタンド部3をコルク材等で構成するのが好ましいが、これは、ノート型電子機器100を支持するのに十分な強度を有すると共に、ノート型電子機器100を乗せたときのフィット感に優れ、また、軽量であり、しかも、ノート型電子機器100の底面を傷付けないという点で優れているからである。
【0074】
また、チルトスタンド1では、スタンド部3を半球形状(または砲弾形状)としたが、これに限らず、スタンド部3を、例えば図5(a)示すような楔形状や、その他ブロック状としてもよい。
【0075】
また、スタンド部3は、長尺形状とすることもできる。スタンド部3を、例えば図5(b)に示すような、断面が略半円形の棒状構造とし、これをパット部2の奥側縁部に沿って設置してもよい。この場合でも、スタンド部3の構成材料は、前述したようなものが好ましい。
【0076】
また、図6(a)に示すように、スタンド部3は、パット部2を構成するシート材の一部を上方に向けて突出するように(カップ状に)成形し、その内側(突部22の内側)に補強部材(形状規制部材)7を挿入した構成とすることができる。
【0077】
補強部材7は、例えば、比較的硬質の樹脂材料、金属材料、木材等で構成され、パット部2のカップ状に成形された突部22に対し、着脱自在に挿入(嵌入)されていても、固定(固着)されていてもよい。後者の場合の固定方法は、例えば、接着、融着の他、両面または片面粘着テープを介して貼り付ける等の方法が可能である。
【0078】
なお、突部22は、図1や図5(a)に示すスタンド部3と同様の突起物状のものでも、図5(b)に示すスタンド部3と同様の長尺形状のものでもよい。また、補強部材7は、中空でも中実でもよい。
【0079】
また、図6(b)に示すように、スタンド部3は、パット部2を構成するシート材の一部に開口23を設け、この開口23から上方に向けて突出するようにパット部2の下面側から挿入された突起状部材8で構成されたものとすることができる。
【0080】
突起状部材8は、前述したスタンド部3と同様の材料の他、例えば、比較的硬質の樹脂材料、金属材料、木材等で構成することもできる。突起状部材8の下端部外周には、鍔状のフランジ81が形成されており、このフランジ81がパット部2の下面であって開口23の周囲の部分に係合する。
【0081】
突起状部材8は、開口23に対し、着脱自在に挿入(嵌入)されていても、固定(固着)されていてもよい。後者の場合の固定方法は、フランジ81をパット部2の下面であって開口23の周囲の部分に対し、例えば、接着、融着し、あるいは、両面または片面粘着テープを介して貼り付ける等の方法が可能である。
【0082】
なお、突起状部材8は、図1や図5(a)に示すスタンド部3と同様の突起物状のものでも、図5(b)に示すスタンド部3と同様の長尺形状のものでもよい。また、突起状部材8は、中空でも中実でもよい。
【0083】
また、図示のチルトスタンド1では、係止部4を管状部材で構成したが、これに限らず、係止部4は、中実の棒状部材で構成されたものでもよい。係止部4を管状部材、棒状部材等の長尺部材で構成する場合、その横断面形状は、特に限定されず、例えば半円状、半楕円状、砲弾形状、三角形、四角形、V字状、L字状等、いかなる形状でもよい。
【0084】
また、このチルトスタンド1は、パット部2に対し、スタンド部3、係止部4、摩擦部5がそれぞれ別部材として固定されたものであり、そのため、パット部2に特殊な加工を要しないので、製品を簡易かつ安価に製造できるという利点があり好ましい。ただし、本発明はこれに限らず、パット部2の形成に際し、スタンド部3、係止部4および摩擦部5のうちの少なくとも一部(好ましくは全部)をパット部2と一体形成してもよい。すなわち、これらを単一部材からなるチルトスタンド(マウスパット)1としてもよい。これにより、チルトスタンド1の製造に際し、スタンド部3等を後付けする工程を省略することができると共に、チルトスタンド1の外観を1つのまとまりがあるものとすることができ、美観の向上が図れるという利点がある。
【0085】
また、摩擦部5は、パット部2上に小片状のものを設置したが、これに限らず、例えばパット部2の上面に摩擦を増大し得るエンボス加工や粗面加工等を施した程度のものであってもよい。
【0086】
また、図7に示すように、チルトスタンド1においては、さらに、パット部2の手首スペース2aに、パームレスト6を設けてもよい。これにより、使用者は、手首が保護され、また、より快適にノート型電子機器100を使用することができるという利点がある。このパームレスト6は、例えば、ポリウレタン等の柔軟な材料で構成されたものであり、手首スペース2aに単に載置するだけでもよいが、両面粘着テープ等により手首スペース2aに貼り付けて固定してもよい。
【0087】
以上では、完成した状態の、すなわち組立状態のチルトスタンド(マウスパット)1について説明したが、本発明は、組立前のチルトスタンド(マウスパット)、すなわちチルトスタンド(マウスパット)の組立キットであってもよい。
【0088】
このチルトスタンド(マウスパット)の組立キット(以下単に「組立キット」と言う)は、パット部2、スタンド部3、係止部4および必要に応じてその他の部品を含み、これらを組み立てることにより、前述したチルトスタンド1が完成する。このような組立キットも、完成品と同様に、広告用、配布用として用いることができる。この組立キットも、完成品と同様に、コンパクトに収納することができるので、街頭や店頭での配布用にも適している。また、製品の組立工程を省略できるので、製造コストを低減することができるという利点もある。
【0089】
この組立キットでは、パット部2の所定箇所に所定数のスタンド部3および係止部4を固定すること、さらには必要に応じ所定箇所に所定数の摩擦部5を固定することにより、チルトスタンド1を組立て、完成させる。
【0090】
この場合、スタンド部3、係止部4および摩擦部5は、それぞれ、設置するノート型電子機器100のサイズ、ノート型電子機器100の傾斜角度、使用者の好み等の諸条件に応じた所望の位置に固定することができる。また、スタンド部3等を一旦固定した後、必要に応じその位置を変更することもできる。
【0091】
また、パット部2に、スタンド部3、係止部4および摩擦部5のうちに少なくとも1つの部品の設置位置を示す指示マーク(例えば、図9、図10中に記載された点線のようなもの)を付すこともできる。これにより、使用者は、チルトスタンド1を容易に組み立てることができる。この場合、パット部2に設けられる指示マークは、ノート型電子機器100のサイズの範囲等を考慮して、部品の設置位置を複数パターン示す構成とし、使用者はその中から最適と思うものを選択して部品を設置するようにしてもよい。これにより、使用者は、ノート型電子機器100のサイズ等に応じて、容易にかつ最適な位置に部品を設置することができる。
【0092】
また、パット部2は、マウススペース2bを示す指示マークとして、右利き用パターンおよび左利き用パターンの双方を有しても良い。これにより、1つのパット部2で、右利き用、左利き用のいずれへも対応することができ、かつ、そのような選択、設定を容易に行うことができるという利点がある。
【0093】
このような組立キットにおいて、スタンド部3は、その高さが調節可能または選択可能であるのが好ましい。これにより、ノート型電子機器100の機種、サイズや使用者の好みに応じて、ノート型電子機器100の傾斜角度を所望に調整することができる。そのため、ノート型電子機器100をより使い易い状態とすることができる。
【0094】
スタンド部3の高さの設定には、概ね、次の2つの手段(方法)が挙げられる。
【0095】
<第1の手段>
スタンド部3は、複数枚のシート片(小片)を積層してなる積層構造とされ、組立にあたり、シート片の積層枚数を選択することによりスタンド部3の高さを調節する。
【0096】
具体例を挙げて説明すると、図8に示すように、スタンド部3は、略楔形のシート片3aと、複数の板状のシート片3b、3c、3dとを積層して構成される。略楔形のシート片3aは、スタンド部3の頂部を構成し、その傾斜角が、設置されるノート型電子機器100の傾斜角度(または傾斜角度の範囲)に対応するように形成されている。これにより、スタンド部3が、ノート型電子機器100の設置状態にて、その底面に確実に面接触し、安定的に保持することができる。もちろん、シート片3aの形状は、楔形に限定されず、前述したような半球形状、砲弾形状、方形状、円錐台形状、その他任意の立体形状のものが可能である。
【0097】
シート片3aの下方には、必要に応じてシート片3b〜3dが設置される。シート片3b〜3dは、いずれも板状をなす小片で構成され、それらは略同様の形状および厚さを有している。なお、シート片3b〜3dは、厚さが異なるものでもよい。
【0098】
各シート片3a〜3dの下面には、粘着剤層(再剥離型のものでもよい)が設けられており、パット部2の上面や、当該シート片の下部に位置するシート片3b〜3dの上面に貼着することができるようになっている。
【0099】
このようなスタンド部3では、シート片3aの下方に設置するシート片3b〜3dの枚数を選択することによりスタンド部3の高さを調整する。すなわち、シート片3aの下方にシート片3b〜3dの全てを設置すれば、スタンド部3は最も高くなり、シート片3aの下方に設置するシート片3b〜3dの枚数を順次減らしてゆけば、それに応じてスタンド部3の高さを低くすることができる。また、スタンド部3の頂部に位置する部品(シート片3a)として、形状および/または材質(性状)の異なるものを複数(または複数組)用意し、これらの中から適宜選択して用いることができる。このようなスタンド部3の高さ等の設定は、使用者等が組立キットを組立てる際に、設置するノート型電子機器100の種類やサイズ、使用者の好み等に応じて行われる。
【0100】
<第2の手段>
高さの異なる複数(または複数組)のスタンド部(またはスタンド部を構成する部品)を用意しておき、それらの中から適宜選択して用いる。
【0101】
具体例を挙げて説明すると、図9に示すように、組立キットは、高さが最も高いスタンド部31と、高さが最も低いスタンド部33と、それらの中間の高さを有するスタンド部32とを、それぞれ2個ずつ(一組)有し、それらの組(A組、B組、C組)の中から1つを選択し、選択された組の2つのスタンド部をそれぞれパット部2の所望の箇所(図9中の点線で示す箇所)に固定する。ここで、各スタンド部31〜33の形状、構造、材質、固定方法等は、前述したスタンド部3と同様である。
【0102】
なお、長尺形状のスタンド部を用いる場合、高さが異なるスタンド部を1個ずつ有していればよい。
【0103】
組立キットにおいて、ノート型電子機器100の傾斜角度の調整は、前述したようなスタンド部の選択、設定により行う場合に限られない。例えば、スタンド部の高さおよび固定位置が一定であった場合でも、係止部4の前後方向の固定位置(スタンド部との離間距離)を調整することにより、ノート型電子機器100の傾斜角度を調整することができる。
【0104】
また、組立キットにおいて、スタンド部(またはスタンド部を構成する部品)は、その形状および/または材質が異なる複数(または複数組)のものを有し、それらを適宜選択して用いることを可能とするのが好ましい。これにより、ノート型電子機器100の機種、重量、底面の材質等や、使用者の好みに応じて、スタンド部による保持状態を選択することができる。
【0105】
例えば、設置するノート型電子機器100の重量が比較的重い場合には、スタンド部での沈み込み等を防止するために、比較的伸縮性が少ない材料(例えば、コルク材)で構成されたスタンド部を選択する。また、ノート型電子機器100の底面が比較的滑り易い材質で構成されたものである場合には、ゴム材料等の摩擦抵抗の大きな材料で構成されたスタンド部、または長尺形状のようなノート型電子機器100の底面に対する接触面積が大きくなるような形状のスタンド部を選択する。
【0106】
具体例を挙げて説明すると、図10に示すように、組立キットは、コルク材で構成された長尺形状のスタンド部34と、ゴムで構成された長尺形状のスタンド部35と、コルク材で構成され、かつひも(または棒体)361で連結された一組のスタンド部36、36と、ゴムで構成され、かつひも(または棒体)371で連結された一組のスタンド部37、37の合計4種を有し、それらの中から1つを選択し、選択されたスタンド部をそれぞれパット部2の所望の箇所(図10中の点線で示す箇所)に固定する。ここで、各スタンド部34〜37の形状、構造、材質、固定方法等は、前述したスタンド部3と同様である。
【0107】
また、組立キットにおいて、高さ、形状、材質(性状)等の異なるものを複数有し、それらの中から適宜選択して用いることについては、前述のようなスタンド部そのものに限らず、スタンド部を構成する部品、例えば前述したシート片3a〜3d、補強部材7、突起状部材8等についても同様であり、さらには、係止部4や摩擦部5についても同様である。
【0108】
以上、本発明を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成と置換することができ、また、任意の構成が付加されていてもよい。
【0109】
また、上記の各実施形態では、図中の符号1をチルトスタンドとして説明したが、これに限らず、パット部2がマウススペース2bを有する場合には、符号1をマウスパットとしてもよい。この場合、チルトスタンドとして説明した上記の各内容は、マウスパットについてもあてはまるものである。
【0110】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、シート状のパット部にスタンド部等の必要な部品を設置し、薄型電子機器を傾斜状態で保持するので、薄型電子機器側にネジ止めのための加工等を施す必要がなく、簡単かつ容易に薄型電子機器を傾斜させて保持することができる。
【0111】
また、薄型電子機器のあらゆる機種やサイズに対応することができ、薄型電子機器の保持位置や傾斜角度の設定、変更も容易に可能であるため、使用者にとって、大変使い勝手が良い。
【0112】
また、折り畳んだり丸めたりしてコンパクトに収納することができ、軽量であるため、使用時のみならず、保管、運搬、廃棄に際しても有利である。そして、製造や組立てが容易であり、材料コスト、製造コストも安価であるので、有償で販売するのみならず、宣伝用、配布用として用いる場合でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチルトスタンド(マウスパット)の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に記載したチルトスタンドの使用状態を示す斜視図である。
【図3】図1に記載したチルトスタンドの使用状態を示す側面図である。
【図4】図1に記載したチルトスタンドの変形例を示す要部斜視図である。
【図5】(a)、(b)共に、図1に記載したチルトスタンドの変形例を示す要部斜視図である。
【図6】(a)、(b)共に、図1に記載したチルトスタンドの変形例を示す要部断面側面図である。
【図7】図1に記載したチルトスタンドの変形例を示す要部斜視図である。
【図8】図1に記載したスタンド部の変形例を示す斜視図である。
【図9】本発明のチルトスタンドの組立キットの実施形態を示す要部斜視図である。
【図10】本発明のチルトスタンドの組立キットの実施形態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 チルトスタンド(マウスパット)
2 パット部
2a 手首スペース
2b マウススペース
2c 空きスペース
21 電子機器保持部
22 突部
23 開口
3 スタンド部
3a、3b、3c、3d シート片
31〜37 スタンド部
361、371 ひも(棒体)
4 係止部
5 摩擦部
6 パームレスト
7 補強部材
8 突起状部材
81 フランジ
100 ノート型電子機器
101 表示部
102 入力部
110 マウス
111 コード(ケーブル)
Claims (24)
- 薄型電子機器の下方に配置して使用され、薄型電子機器を傾斜状態にて保持するチルトスタンドにおいて、
シート状のパット部と、
前記パット部に配置され、薄型電子機器の奥側底部を持ち上げるように支持して当該薄型電子機器を傾斜させるスタンド部と、
前記パット部に配置され、薄型電子機器の手前側に当接して当該薄型電子機器に係止する係止部とを有することを特徴とするチルトスタンド。 - 前記パット部は、前記係止部の手前側に延出する前方余白部を有する請求項1に記載のチルトスタンド。
- 前記パット部は、薄型電子機器の設置状態にて、当該薄型電子機器の右側および/または左側の側部に延出する側方余白部を有する請求項1または2に記載のチルトスタンド。
- 前記側方余白部は、マウスを操作するマウススペースとして用いられるものである請求項3に記載のチルトスタンド。
- 前記パット部は、折り畳み可能な可撓性材料で構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のチルトスタンド。
- 前記パット部に、文字、記号、図形、模様、画像、その他情報を担持する情報担体のうちの少なくとも1つが付されている請求項1ないし5のいずれかに記載のチルトスタンド。
- 前記スタンド部は、複数の突起物または長尺物で構成される請求項1ないし6のいずれかに記載のチルトスタンド。
- 前記スタンド部は、前記パット部のシート材を突状に成形し、該突部を形状規制部材により形状規制してなるものである請求項1ないし7のいずれかに記載のチルトスタンド。
- 前記スタンド部は、前記パット部に形成された開口から突出する突起状部材で構成される請求項1ないし7のいずれかに記載のチルトスタンド。
- 前記スタンド部は、衝撃緩和作用を有するものである請求項1ないし9のいずれかに記載のチルトスタンド。
- さらに、前記パット部上に配置され、設置状態にて薄型電子機器の手前側底部に摩擦接触して当該薄型電子機器の移動を阻止または抑制する摩擦部を有する請求項1ないし10のいずれかに記載のチルトスタンド。
- 薄型電子機器の設置状態にて、当該薄型電子機器の底面と前記パット部との間に空間が形成される請求項1ないし11のいずれかに記載のチルトスタンド。
- 請求項1ないし12のいずれかに記載のチルトスタンドを構成するチルトスタンドの組立キット。
- 薄型電子機器の下方に配置して使用され、薄型電子機器を傾斜状態にて保持するチルトスタンドを組み立てるためのチルトスタンドの組立キットであって、
シート状のパット部と、
前記パット部に対し設置し得る少なくとも1つのスタンド部と、
前記パット部に対し設置し得る係止部とを備え、
前記パット部の所望の位置に前記スタンド部および前記係止部を設置して前記チルトスタンドを組み立てることを特徴とするチルトスタンドの組立キット。 - 前記パット部は、設置する薄型電子機器を包含する形状を有するものである請求項13または14に記載のチルトスタンドの組立キット。
- 前記パット部は、部品の設置位置を示す指示マークを有する請求項13ないし15のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
- 前記スタンド部は、その高さが調節可能であり、これにより、薄型電子機器の傾斜角度を調整可能とした請求項13ないし16のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
- 前記スタンド部は、複数のシート片を積層してなる積層構造を有し、前記チルトスタンドの組立にあたり、前記シート片の積層枚数を選択することによりスタンド部の高さを調節する請求項17に記載のチルトスタンドの組立キット。
- 高さの異なる複数または複数組のスタンド部あるいはそれを構成する部品を有し、それらのうちから適宜選択して用いることにより、薄型電子機器の傾斜角度を調整可能とした請求項13ないし16のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
- 形状および/または材質が異なる複数または複数組のスタンド部あるいはそれを構成する部品を有し、それらのうちから適宜選択して用いる請求項13ないし19のいずれかに記載のチルトスタンドの組立キット。
- シート状をなし、マウスを操作するマウススペースを有するパット部と、
前記パット部上の前記マウススペースと異なる箇所に設けられ、薄型電子機器をその奥側が高位置となるように傾斜した状態で保持し得る電子機器保持部とを有することを特徴とするマウスパット。 - 前記電子機器保持部は、前記パット部に配置され、薄型電子機器の奥側底部を持ち上げるように支持して当該薄型電子機器を傾斜させるスタンド部と、
前記パット部に配置され、薄型電子機器の手前側に当接して当該薄型電子機器に係止する係止部とを有する請求項21に記載のマウスパット。 - 前記電子機器保持部に薄型電子機器を設置した状態で、当該薄型電子機器の底面と前記パット部との間に、マウスのコードが通過可能な空間が形成される請求項21または22に記載のマウスパット。
- 前記電子機器保持部は、薄型電子機器の傾斜角度を選択または変更可能である請求項21ないし23のいずれかに記載のマウスパット。
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JP2003040287A JP2004252597A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | チルトスタンド、チルトスタンドの組立キットおよびマウスパット |
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Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-02-18 JP JP2003040287A patent/JP2004252597A/ja active Pending
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