JP2004252371A - 光送受信モジュール及び光送受信装置 - Google Patents

光送受信モジュール及び光送受信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004252371A
JP2004252371A JP2003045004A JP2003045004A JP2004252371A JP 2004252371 A JP2004252371 A JP 2004252371A JP 2003045004 A JP2003045004 A JP 2003045004A JP 2003045004 A JP2003045004 A JP 2003045004A JP 2004252371 A JP2004252371 A JP 2004252371A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
wavelength
optical
emitting element
selective filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003045004A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuko Takei
優子 竹居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2003045004A priority Critical patent/JP2004252371A/ja
Priority to PCT/JP2003/005719 priority patent/WO2003096094A1/ja
Publication of JP2004252371A publication Critical patent/JP2004252371A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

【課題】部品点数が少なく、受光効率、アイソレーション特性の良好な光送受信モジュールを提供する。
【解決手段】半導体レーザ101と、フォトダイオード102とWDMフィルタ105とレンズ104を有し、光ファイバ103の先端面が光軸に対して傾いており、WDMフィルタは光ファイバの先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、光ファイバの先端面から出射された受信光をフォトダイオード側に反射又は透過させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子と受光素子を一体に集積した光送受信モジュール及び光送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光送受信モジュールとしては下記の特許文献1に記載されたものが知られている。図13はその構成を示し、従来の光送受信モジュールは、1つの筐体ブロック20を有し、この筐体ブロック20に対してLD(レーザダイオード)6と、レンズ7を支持するレンズホルダ8と、第1の分波フィルタ5と、伝送路側のレンズ13を支持するレンズホルダ14と、光ファイバ12とが同軸に取付けられている。また、この光軸と平行に筐体ブロック20に対して受光用の第2の分波フィルタ15と、レンズ10を支持するレンズホルダ11と、PD(フォトダイオード)9とが同軸に取付けられている。第1及び第2の分波フィルタ5、15は共に波長λ1の光を透過し、波長λ2の光を反射する分波特性を有する。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−64673号公報
【0004】
このように構成された光送受信モジュールによれば、第1の分波フィルタ5と第2の分波フィルタ15が共に波長λ1の光を透過し、波長λ2の光を反射する分波特性を有するので、LD6の送信光(波長λ1)の一部が第1の分波フィルタ5により反射され、筐体ブロック20内で反射されて第2の分波フィルタ15に到達しても、この光は第2の分波フィルタ15を透過するため、良好なアイソレーション特性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光送受信モジュールでは、位置合わせに高い精度を要する3つのコリメータレンズ7、10、13が使われているため、部品点数、工数が共に多く、製造コストが高いという問題があった。このコリメータレンズ7、10、13は、第1及び第2の分波フィルタ5、15へ入射する光をほぼ平行光とし、入射角のずれによって生じる不要透過光を抑えて、PD受光効率及びアイソレーション特性の劣化を防止するためのものである。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、部品点数及び工数が少なく、かつ受光効率及びアイソレーション特性のよい光送受信モジュール及び光送受信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記発光素子が出射する送信光及び前記受光素子が受光する受信光のうち、いずれか一方又は両方の光を集光するレンズと、
前記光伝送路の光軸の延長線及び前記発光素子の光軸に対して傾いて配置され、前記発光素子の出射する送信光を前記光伝送路側に透過させるとともに、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタとを、
備えた構成とした。
請求項2の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記発光素子が出射する送信光及び前記受光素子が受光する受信光のうち、いずれか一方又は両方の光を集光するレンズと、
前記光伝送路の光軸の延長線及び前記発光素子の光軸に対して傾いて配置され、前記発光素子の出射する送信光を前記光伝送路側に反射させるとともに、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に透過させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタとを、
備えた構成とした。
請求項1、2の構成によれば、従来よりもレンズ、フィルタの数を削減でき、部品コスト、調整工数を削減できると同時に、レンズ削減によって生じる受光効率、アイソレーションの劣化が抑えられ、良好な特性の光送受信モジュールが得られる。
【0008】
請求項3の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の光軸の延長線及び前記発光素子の光軸に対して傾いて配置され、前記発光素子の出射する送信光を前記光伝送路側に透過させるとともに、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタとを、
備えた構成とした。
請求項4の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の光軸の延長線及び前記発光素子の光軸に対して傾いて配置され、前記発光素子の出射する送信光を前記光伝送路側に反射させるとともに、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に透過させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタとを、
備えた構成とした。
請求項1、2の発明のように光路中にレンズが挿入されている場合は、受光素子出射光のファイバへの結合効率低下を容認すれば、受信光に対するレンズの倍率を1以上とすることで、波長選択性フィルタ入射時の、広がり角周辺部と中央部の入射角差を小さくし、これによってアイソレーション、受光効率の低下を抑えることはある程度可能であるが、レンズがない場合にはこれができない。請求項3、4の構成によれば、レンズが無くても、受信光の広がり角周辺部と中央部の波長分離特性の差を小さくすることが可能であり、レンズが無く、フィルタの数が少なく、部品コスト、調整工数の少ない、良好な特性の光送受信モジュールが得られる。
【0009】
請求項5の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタと、
前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタの間に配置され、前記発光素子が出射する送信光と前記受光素子が受光する受信光を集光するレンズとを備え、
前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが逆方向に傾いており、
前記発光素子の波長が受信光の波長より短い構成とした。
この構成によれば、受信光の波長選択性フィルタに対する入射角が深くなり、これにより、受信光に対する波長選択性フィルタのエッジがより受信光から遠い短波長側にシフトして、より受信光が受光素子側へ送出されやすくなる。
【0010】
請求項6の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタと、
前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタの間に配置され、前記発光素子が出射する送信光と前記受光素子が受光する受信光を集光するレンズとを備え、
前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが同じ方向に傾いており、
前記発光素子の波長が受信光の波長より長い構成とした。
この構成によれば、受信光の波長選択性フィルタに対する入射角が浅くなり、これにより、受信光に対する波長選択性フィルタのエッジがより受信光から遠い長波長側にシフトして、より受信光が受光素子側へ送出されやすくなる。
【0011】
請求項7の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタと、
前記発光素子と前記波長選択性フィルタの間、及び前記受光素子と前記波長選択性フィルタの間のうち、いずれか一方又は両方の位置に配置されたレンズとを備え、
前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが同じ方向に傾いており、
前記発光素子の波長が受信光の波長より短い構成とした。
この構成によれば、受信光の波長選択性フィルタに対する入射角が深くなり、これにより、受信光に対する波長選択性フィルタのエッジがより受信光から遠い短波長側にシフトして、より受信光が受光素子側へ送出されやすくなる。
【0012】
請求項8の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタと、
前記発光素子と前記波長選択性フィルタの間、及び前記受光素子と前記波長選択性フィルタの間のうち、いずれか一方又は両方の位置に配置されたレンズとを備え、
前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが逆方向に傾いており、
前記発光素子の波長が受信光の波長より長い構成とした。
この構成によれば、受信光の波長選択性フィルタに対する入射角が浅くなり、これにより、受信光に対する波長選択性フィルタのエッジがより受信光から遠い長波長側にシフトして、より受信光が受光素子側へ送出されやすくなる。
【0013】
請求項9の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタとを備え、
前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが同じ方向に傾いており、
前記発光素子の波長が受信光の波長より短い構成とした。
この構成によれば、受信光の波長選択性フィルタに対する入射角が深くなり、これにより、受信光に対する波長選択性フィルタのエッジがより受信光から遠い短波長側にシフトして、より受信光が受光素子側へ送出されやすくなる。
【0014】
請求項10の発明は上記目的を達成するために、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタとを備え、
前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが逆方向に傾いており、
前記発光素子の波長が受信光の波長より長い構成とした。
この構成によれば、受信光の波長選択性フィルタに対する入射角が浅くなり、これにより、受信光に対する波長選択性フィルタのエッジがより受信光から遠い長波長側にシフトして、より受信光が受光素子側へ送出されやすくなる。
【0015】
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれか1つに記載の光送受信モジュールにおいて、
前記受光素子が前記発光素子と同じ波長の光に対する感度を持たないか、又は非常に小さな感度しか持たないよう構成されている。
この構成により、伝送路の接続点や、前記光送受信モジュールの光入出端における反射戻り光が、前述のようなエッジのシフトによって、誤って受光素子側へ送出されるのを防ぎ、アイソレーション特性を改善することができる。
【0016】
請求項12の発明は、請求項1から10のいずれか1つに記載の前記波長選択性フィルタを第1の波長選択性フィルタとして、前記受光素子の前に、前記発光素子の出射光と同じ波長の光を阻止する第2の波長選択性フィルタが挿入されるよう構成されている。
この構成により、伝送路の接続点や、前記光送受信モジュールの光入出端における反射戻り光が、前述のようなエッジのシフトによって、誤って受光素子側へ送出されるのを防ぎ、アイソレーション特性を改善することができる。
【0017】
請求項13の発明は、請求項1から10のいずれか1つに記載の光送受信モジュールにおいて、
前記受光素子の受光面、又は前記受光素子のパッケージに、前記発光素子の出射光と同じ波長の光を阻止する膜が形成されるよう構成されている。
この構成により、伝送路の接続点や、前記光送受信モジュールの光入出端における反射戻り光が、前述のようなエッジのシフトによって、誤って受光素子側へ送出されるのを防ぎ、アイソレーション特性を改善することができる。
【0018】
請求項14の発明は、請求項12に記載の光送受信モジュールにおいて、
受信光がほぼ垂直に入射するよう前記第2の波長選択性フィルタの設置角度が設定されている。
この構成により、受信光の入射角ばらつきによる阻止値の劣化が小さくなり、アイソレーション特性を改善することができる。
【0019】
請求項15の発明は、請求項12に記載の光送受信モジュールにおいて、
前記Z軸と前記第1の波長選択性フィルタの面のなす角がほぼ45度であり、前記Z軸と前記第2の波長選択性フィルタの面が平行であるよう構成されている。
この構成により、第2の波長選択性フィルタ面が同フィルタの保持機構の実装面に対して傾いた角度で実装されるような複雑な構造の保持機構が不要となり、また、受信光の第1の波長選択性フィルタの入射角と第2の波長選択性フィルタの入射角がどちらも汎用品の波長選択性フィルタの入射角として一般的な45度とほぼ一致するため、フィルタのコストを低減することができる。
【0020】
請求項16の発明は、請求項12に記載の光送受信モジュールにおいて、
前記Z軸と前記第1の波長選択性フィルタの面のなす角がほぼ30度であり、前記Z軸と前記第2の波長選択性フィルタの面が平行であるよう構成されている。
この構成により、第2の波長選択性フィルタ面が同フィルタの保持機構の実装面に対して傾いた角度で実装されるような複雑な構造の保持機構が不要となり、また、受信光の第1の波長選択性フィルタの入射角と第2の波長選択性フィルタの入射角がどちらも汎用品の波長選択性フィルタの入射角として一般的な30度とほぼ一致するため、フィルタのコストを低減することができる。入射角30度の波長選択性フィルタは、入射角45度の波長選択性フィルタよりも汎用性の点では若干劣るが、入射角が浅いため、波長分離特性の偏光依存性が小さく、受信光の広がり角内における波長選択性フィルタに対する入射角ばらつきも小さい。このため、受信光の広がり角全体にわたって良好な波長分離特性が得られやすい。また、発光素子と受光素子を、第1の波長選択性フィルタを挟んで90度より浅い角度で配置することが可能なので、発光素子と受光素子の間隔を、モジュール幅を広げずに長く取ることができ、アイソレーション特性を向上させることができる。
【0021】
請求項17の発明は、請求項14から16のいずれか1つに記載の光送受信モジュールにおいて、
前記第2の波長選択性フィルタの面と、前記受光素子の受光面及び前記受光素子の実装面が平行であるよう構成されている。
この構成により、第2の波長選択性フィルタ面が同フィルタの保持機構の実装面に対して傾いた角度で実装されるような複雑な構造の保持機構が不要となり、また、第2の波長選択性フィルタを前記受光素子に貼り付けるなど、さらに容易な固定方法も可能となる。
【0022】
請求項18の発明は、請求項5に記載の光送受信モジュールにおいて、
通信相手が請求項6に記載の光送受信モジュールの場合、請求項6に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入したものである。
この構成により、対向モジュール間で波長選択性フィルタが共用でき、部品コストが削減される。
【0023】
請求項19の発明は、請求項6に記載の光送受信モジュールにおいて、
通信相手が請求項5に記載の光送受信モジュールの場合、請求項5に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入したものである。
この構成により、対向モジュール間で波長選択性フィルタが共用でき、部品コストが削減される。
【0024】
請求項20の発明は、請求項7に記載の光送受信モジュールにおいて、
通信相手が請求項8に記載の光送受信モジュールの場合、請求項8に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入したものである。
この構成により、対向モジュール間で波長選択性フィルタが共用でき、部品コストが削減される。
【0025】
請求項21の発明は、請求項8に記載の光送受信モジュールにおいて、
通信相手が請求項7に記載の光送受信モジュールの場合、請求項7に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入したものである。
この構成により、対向モジュール間で波長選択性フィルタが共用でき、部品コストが削減される。
【0026】
請求項22の発明は、請求項9に記載の光送受信モジュールにおいて、
通信相手が請求項10に記載の光送受信モジュールの場合、請求項10に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入したものである。
この構成により、対向モジュール間で波長選択性フィルタが共用でき、部品コストが削減される。
【0027】
請求項23の発明は、請求項10に記載の光送受信モジュールにおいて、
通信相手が請求項9に記載の光送受信モジュールの場合、請求項9に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入したものである。
この構成により、対向モジュール間で波長選択性フィルタが共用でき、部品コストが削減される。
【0028】
請求項24の発明は、請求項18から23のいずれか1つに記載の光送受信モジュールにおいて、
前記Z軸と前記第1の波長選択性フィルタの面のなす角がほぼ60度であり、前記Z軸と前記第2の波長選択性フィルタの面が平行であるようにしたものである。
この構成により、対向モジュールにおける受信光の第1の波長選択性フィルタ入射角が、本光送受信モジュールにおける受信光の第2の波長選択性フィルタ入射角とほぼ一致するようになり、第2の波長選択性フィルタの波長分離特性が増すか、又はフィルタのエッジ幅の許容値が増え、フィルタのコストが低減される。
【0029】
請求項25の発明は、請求項1から24のいずれか1つに記載の光送受信モジュールにおいて、
前記発光素子の発する送信光が、レンズ通過後に、前記光伝送路の先端面からモジュール内部に向かって出射される受信光のファー・フィールド・パターンにおいて強度が最大となる点と、前記光伝送路の先端面を結ぶ直線上を通って前記伝送路の先端面に入射するように、前記発光素子の光軸を前記Z軸に対して垂直な方向にずらしたものである。
この構成により、発光素子の発する送信光がレンズに入射する位置がレンズの光軸からずれ、光伝送路に斜入射するようになる。この斜入射の角度を上記のように最適化することで、発光素子の発する送信光を、より高い結合効率で光伝送路に結合することが可能となる。
【0030】
請求項26の発明は、請求項1から24のいずれか1つに記載の光送受信モジュールにおいて、
前記発光素子の発する送信光が、レンズ通過後に、前記光伝送路の先端面からモジュール内部に向かって出射される受信光のファー・フィールド・パターンにおいて強度が最大となる点と、前記光伝送路の先端面を結ぶ直線上を通って前記伝送路の先端面に入射するように、前記発光素子の光軸を前記Z軸に対して所定の角度にずらしたものである。
この構成により、発光素子の発する送信光がレンズに入射する位置がレンズの光軸からずれ、光伝送路に斜入射するようになる。この斜入射の角度を上記のように最適化することで、発光素子の発する送信光を、より高い結合効率で光伝送路に結合することが可能となる。
【0031】
請求項27の発明は、請求項1から24のいずれか1つに記載の光送受信モジュールにおいて、
前記発光素子の発する送信光の波長が前記受信光の波長より短く、前記第1の波長選択性フィルタに入射する送信光の入射角が、前記第1の波長選択性フィルタに入射する受信光の入射角よりも浅くしたものである。
この構成により、発光素子の発する送信光に対する第1の波長選択性フィルタのエッジが、受信光に対するエッジに対して、相対的に長波長側、すなわち発光素子の発する送信光の波長から遠い方向にシフトすることになり、第1の波長選択性フィルタが発光素子の発する送信光を所望の方向により送出しやすくなるため、発光素子の光伝送路に対する結合効率が増加し、また、フィルタのエッジ波長最適化により受信光のアイソレーション特性も改善させることができる。
【0032】
請求項28の発明は、請求項1から24のいずれか1つに記載の光送受信モジュールにおいて、
前記発光素子の発する送信光の波長が前記受信光の波長より長く、前記第1の波長選択性フィルタに入射する送信光の入射角が、前記第1の波長選択性フィルタに入射する受信光の入射角よりも深くしたものである。
この構成により、発光素子の発する送信光に対する第1の波長選択性フィルタのエッジが、受信光に対するエッジに対して、相対的に短波長側、すなわち発光素子の発する送信光の波長から遠い方向にシフトすることになり、第1の波長選択性フィルタが発光素子の発する送信光を所望の方向により送出しやすくなるため、発光素子の光伝送路に対する結合効率が増加し、また、フィルタのエッジ波長最適化により受信光のアイソレーション特性も改善させることができる。
【0033】
請求項29の発明は、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタとを備え、
前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直で、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も小さい軸が、前記発光素子と前記受光素子を含む平面内にある構成とした。
この構成によれば、発光素子の広がり角の小さい方向に受光素子が配置されるようになるため、発光素子から直接、受光素子に入射する光量が減少し、アイソレーション特性が向上する。
【0034】
請求項30の発明は、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタとを備え、
前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直で、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸が、前記波長選択性フィルタの面に、ほぼ平行である構成とした。
この構成によれば、発光素子の発する送信光の広がり角内において、各部分の第1の波長選択性フィルタに対する入射角の差異が小さくなるため、誤った方向に反射又は透過される光量が減り、発光素子の光伝送路に対する結合効率が増加する。
【0035】
請求項31の発明は、請求項27又は28に記載の光送受信モジュールにおいて、
前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直で、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸が、前記第1の波長選択性フィルタの面にほぼ平行である構成とした。
請求項27又は28に記載の光送受信モジュールは、第1の波長選択性フィルタに対する入射角が大きくなる場合があり、このときは、発光素子の発する送信光の広がり角内において、各部分の第1の波長選択性フィルタに対する入射角の差異が大きくなるが、請求項31の構成によれば、前記差異をより小さくすることができる。結果として、誤った方向に反射又は透過される光量が減り、発光素子の光伝送路に対する結合効率が増加する。
【0036】
請求項32の発明は、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記発光素子の発する送信光を透過させる波長選択性フィルタとを備え、
前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直で、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も小さい軸が、前記波長選択性フィルタの面にほぼ平行である構成とした。
この構成によれば、発光素子の発する送信光は、第1の波長選択性フィルタにP波として入射することになり、透過率が増すため、光伝送路への結合効率が増す。同時に、前記発光素子の発する送信光に対する第1の波長選択性フィルタのエッジが、発光素子の波長から遠い方へシフトするため、第1の波長選択性フィルタのエッジ幅をより広くしても、送受信光の波長分離が正しく行われるようになるので、第1の波長選択性フィルタのコスト低減につながる同フィルタの層数削減が可能となる。
【0037】
請求項33の発明は、
先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
送信光を出射する発光素子と、
前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記発光素子の発する送信光を前記光伝送路の先端面の方向に反射する波長選択性フィルタとを備え、
前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直で、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸が、前記第1の波長選択性フィルタの面にほぼ平行である構成とした。
この構成によれば、発光素子の発する送信光は、第1の波長選択性フィルタにS波として入射することになり、反射率が増すため、光伝送路への結合効率が増す。同時に、発光素子の発する送信光に対する第1の波長選択性フィルタのエッジが、発光素子の波長から遠い方へシフトするため、第1の波長選択性フィルタのエッジ幅をより広くしても、送受信光の波長分離が正しく行われるようになるので、第1の波長選択性フィルタのコスト低減につながる同フィルタの層数削減が可能となる。
【0038】
請求項34の発明は、請求項32又は33に記載の光送受信モジュールにおいて、
前記受光素子が前記発光素子と同じ波長の光に対する感度を持たないか、非常に小さな感度しか持たないか、又は、前記受光素子の前に、前記発光素子と同じ波長の光を阻止する前記第2の波長選択性フィルタが挿入されているか、又は、前記受光素子又は前記受光素子のパッケージに、前記発光素子と同じ波長の光を阻止する膜が形成される構成とした。
請求項32又は33に記載の光送受信モジュールでは、第1の波長選択性フィルタのエッジを広く取ってコストを下げた場合、発光素子の光伝送路に対する結合効率は低下しないが、受信光のアイソレーション特性は劣化する。しかし、請求項34の構成によれば、このアイソレーション特性の劣化を抑えることができる。
【0039】
請求項35の発明は、請求項1、2、5、6、11から28のいずれか1つに記載の光送受信モジュールにおいて、
前記光伝送路が光ファイバであって、前記レンズが、前記光ファイバ端面を平面以外の形状に変形させたものである。
光ファイバは、市販されている先端加工ファイバでよく、これを用いることで、比較的安価に高集積化が図られる。同時に、通常のボールレンズ、非球面レンズより収差の大きい前記のようなファイバ先端のレンズによって、受信光の広がり角内における波長選択性フィルタに対する入射角ばらつきが増しても、請求項35の構成によれば、この影響による波長分離特性の劣化及びこの結果生じるアイソレーション特性の劣化を防止することができる。
【0040】
請求項36の発明は、請求項1から35のいずれか1つに記載の光送受信モジュールを有する光送受信装置である。
上記構成により、部品点数が少なく、かつ受光効率及びアイソレーション特性の良好な光送受信装置を実現することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態における光送受信モジュールの構成を図1に示す。図1において、半導体レーザ101は波長が1.31μmの近傍にあり、フォトダイオード102は少なくとも1.55μm近傍の波長に対して感度を持つ。半導体レーザ101の光路にはWDMフィルタ105と、集光用のボールレンズ(以下単にレンズと示すこともある)104と光ファイバ103が配置されている。光ファイバ103は先端面が斜めに研磨されている。
【0042】
WDMフィルタ105はガラス基板などに誘電体多層膜を積層して構成され、半導体レーザ101の光軸及び、光ファイバ103内の光軸の延長線に対し角度θw(不図示)で交わるように配置されている。ここで、θwは約30度とする。半導体レーザ101の出射光は、WDMフィルタ105、レンズ104を通過した後、光ファイバ103に結合する。光ファイバ103の出射光は、レンズ104通過後、WDMフィルタ105において反射され、フォトダイオード102の受光面に至る。
【0043】
ところで、WDMフィルタ105は、入射角が変化すると膜内の実効屈折率が変化するため、透過波長範囲、阻止波長範囲がそれぞれシフトする。シフト方向は、入射角が浅い方向に変化した場合は長波長方向、入射角が深い方向へ変化した場合は短波長方向である。
【0044】
一方、光ファイバ103の先端面は傾斜角θe=8度(deg)で平面研磨され、光ファイバ103の出射光の進行方向は、図1における光線Aのようにファイバコアと空気の境界において、θf=約3.8度変化する。この光の進行方向は、光ファイバ103の先端面の傾斜方向により異なる。また、光ファイバ103の出射光は一定の広がり角を持っている。これらにより、WDMフィルタ105に対する入射角は、光ファイバ103の回転、広がり角内に占める位置によって変化する。このような入射角変化が生じると、WDMフィルタ105の特性に前述のような変化が起こり、正常な波長分離ができなくなる可能性がある。
【0045】
従来の構成では、レンズを3個を用いて平行光を作り、送信光、受信光それぞれが平行光となっている位置に1枚ずつフィルタを挿入することで、入射角依存性の影響を除去していた。しかし、本実施例の構成では部品コスト、調整工数削減のため、レンズをただ1個としているため、前述のような手段は用いることができない。この問題を解決して十分な波長分離特性を得るために、本実施例では、光ファイバ103の端面の傾斜方向をコントロールしている。その詳細を以下に示す。
【0046】
図1における光線Aは、光ファイバ103の出射光の広がり角のほぼ中心に位置し、光ファイバ103の先端面のコア中心及び出射光のファー・フィールド・パターンにおいて強度がピークとなる点を横切る光線である。光線Aは、光ファイバ103内における光軸の延長線に対しθfずれている。このθfは、一般的な1.3μm用シングルモードファイバでは約3.8度である。また、光ファイバ103の出射光の広がり角の中で、フォトダイオード102に結合させたい最低光量が含まれるコーンアングルをγrとする。コーンアングルγr内に含まれる光線のうち、図1において、方向ベクトルのY座標の値が最大となる光線を光線Bとし、Y座標の値が最小となる光線を光線Cとすると、それぞれの光線がWDMフィルタ105に入射する角度θrは、光線Bが最も大きく、光線Cが最も小さい。
【0047】
なお、最低光量は、光ファイバ103の出射光全光量をPall、光モジュールに必要とされる受光感度をRmod、フォトダイオード102の受光感度Rpd、WDMフィルタ105の反射率をrfilterとしたときの、
Pall×Rmod/Rpd/rfilter …(1)
にあたる。ただし、光線BのようにWDMフィルタ105の波長特性が短波側にずれる光線については、コーンアングルγr外でもフォトダイオード102に結合される可能性があるため、実際にフォトダイオード102に結合される光は最低光量よりも若干多くなる。したがって、コーンアングルγr内の光が全てフォトダイオード102に結合されるよう構成すれば、少なくともRmod以上の受光感度を持つ光モジュールが得られる。
【0048】
一方、図2のように、WDMフィルタ105の透過波長領域と阻止波長領域の間に当たるエッジ領域は、前述のように、入射角が深くなると短波長側へ、入射角が浅くなると長波長側へシフトする。このため、光線A、光線B、光線CそれぞれについてのWDMフィルタ105の透過特性は図2のように、それぞれ異なったものになる。図2上段が光ファイバ103の端面傾斜方向が図1と同じ場合、下段が光ファイバ103の先端面の傾斜方向が図1と逆の場合(図4、図6、図7参照)である。光ファイバ103の先端面をコントロールしない場合には、図2上段又は図2下段又は図2上段と図2下段の中間的な特性のいずれかとなる。
【0049】
ここで、まず、光ファイバ103の先端面の傾斜方向をコントロールしない場合を考える。この場合は、受信光の波長が領域R1、R2、R3、R4の重なる領域の中になければ、受信光の一部がWDMフィルタ105を透過して受光効率が劣化する可能性があり、送信光の波長が領域T1、T2、T3、T4の重なる領域の中になければ、光モジュール外部の伝送路又は光モジュールの入出力光コネクタにおいて反射して戻ってくる送信光(反射戻り光)の一部がWDMフィルタ105において反射されてフォトダイオード102に入り、アイソレーション特性が劣化する可能性がある。このため、受信光の波長は領域R4内に、送信光の波長は領域T4内に入るようにしなければならない。
【0050】
これを実現するには、エッジ領域の幅△λeと、光ファイバ103を0〜360度回転させて得られる光線A〜Cの波長特性のうち、最も短波長側にシフトしたものと最も長波長側にシフトしたもののエッジ領域のシフト量の差△λsとの和である△λe+△λsが送受信光の波長差の最低値△λsepよりも小さい必要がある。△λe、△λs、△λsepは、一般的には以下のような値となる。
【0051】
まず、エッジ領域の幅△λeはWDMフィルタ105の膜の層数に依存するが、一般的には50nm〜100nm程度である。次に、差△λsを求めるために、WDMフィルタ105において正確に波長分離しなければならない光(L1とする)のWDMフィルタ105への入射角範囲を求める。送受信モジュール全体に要求される受光感度Rmodは、光モジュールを実装する装置の仕様にもよるが、一般的に0.5〜1.0A/W程度である。ここではRmodは0.7A/Wとする。通常、フォトダイオード102単体の受光感度は0.9A/W程度、WDMフィルタ105の阻止域における反射率は99%程度であるので、式(1)の×Rmod/Rpd/rfilterは0.78程度となり、光ファイバ103の出力光のうち、約78%がフォトダイオード102に入射すればよいことになる。
【0052】
光ファイバ103の出力光の強度分布がガウス分布に従うとすると、全光量の78%が入るコーンアングルγrは約4.4度弱である。光ファイバ103の先端面における光の進行方向のずれ角θfは約3.8度であるので、正確な波長分離を必要とする、コーンアングルγr内の光L1が光ファイバ103内の光軸の延長線となす角θlens_inの最大値は、(γr+θf)となる。
【0053】
ここで、レンズ104の横倍率を1とすると、レンズ104を通過後のL1が前記延長線となす角θlens_outは、ほぼθlens_inと等しくなり、光L1のWDMフィルタ105への入射角範囲は、およそ
Figure 2004252371
となる。なお、ファイバ結合効率を高めるため、レンズ系の倍率は1とせず、半導体レーザ101の横倍率Mldを、ファイバ端の横倍率Mfよりも若干大きく取ることも多く、この場合には、θlens_out>θlens_inとなり、光L1のWDMフィルタ105への入射角範囲は若干広くなる。
【0054】
△λsは、WDMフィルタ105への入射角範囲に、フィルタ入射角変化に対するエッジのシフト量dλe/dθwをかければ求められる。dλe/dθwはθwに依存し、θwが0付近で最も小さく、θwが90度に近づくほど大きくなるが、θwが30度近傍では10nm/deg程度である。したがって、レンズ104の倍率を1とすると、△λsは
(γr+θf)×2×(dλe/dθw)=164nm
程度である。最後に△λsepであるが、この値は一般的に140nm程度である。通常、送信光波長は1.26μm〜1.36μm、受信光は1.50μm〜1.60μmと決められているためである。
【0055】
以上より、
△λe+△λs=214nm〜264nm、
△λsep=140nm
となり、(△λe+△λs)<△λsepとはならないことがわかる。さらに、△λsは単独でも△λsepを超えていることから、エッジをどんなに急峻としても、(△λe+△λs)<△λsepとなるようなWDMフィルタ105は作成することができないことがわかる。△λsは、WDMフィルタ105に光線がほぼ垂直入射するようにしたり、WDMフィルタ105周囲の屈折率を下げるなどすれば、より小さくすることが可能であるが、前者については、フォトダイオード102の設置場所が確保できないという問題があり、後者については、空気に対して十分低い屈折率を持つ物質が存在しないという問題があり、やはり、実際には実現不可能であるといえる。
【0056】
<構成1>
この問題を解消するために、本実施例では、光ファイバ103の先端面の傾斜方向を、例えば図1と同じ方向にコントロールしている。この場合は、受信光の波長は図2の領域R2内に、送信光の波長は領域T2内に入るようにすればよい。したがって、△λeは、△λeと、光ファイバ103を図1の位置に固定したときの光線A〜Cの波長特性のうち、最も短波長側にシフトしたものと最も長波長側にシフトしたもののエッジ領域のシフト量の差△λs_fixとの和である△λe+△λs_fixが送受信光の波長差の最低値△λsepよりも小さくなるよう設定すればよい。
【0057】
レンズ104の倍率が1のとき、
Figure 2004252371
となり、△λsep=140nmを考慮すると、△λeは52nmまで許容される。このようなWDMフィルタ105の設計は十分可能である。以上に述べた構成を、以下、構成1と呼ぶ。
【0058】
<構成2>
また、光ファイバ103の先端面の傾斜方向を、図1に対して逆の方向(図4、図6、図7参照)にしてもよい。この場合は、受信光の波長は図2の領域R3内に、送信光の波長は領域T3内に入るようにすればよい。WDMフィルタ105に対する入射角が、先端面の傾斜方向が逆の場合に比べて全体に小さくなるため、入射角変化によるエッジシフト(dλe/dθw)が若干緩やかになり、同じ層数のフィルタでは、領域R3と領域T3の隔たりは、領域R2と領域T2の隔たりより若干狭くすることができる。これにより、△λeの許容値が大きくなり、WDMフィルタ105の設計はより容易になる。以上に述べた構成を、以下、構成2と呼ぶ。
【0059】
<構成3>
また、光ファイバ103の先端面の傾斜方向を、上記いずれとも異なる、あらかじめ定めた方向としてもよい。この場合は、光ファイバ103の先端面の傾斜方向を所定の方向としたときの光線A〜光線Cまでを全て阻止する領域内に受信光の波長が入り、光線A〜光線Cまでを全て透過する領域内に送信光の波長が入るようにすればよい。この構成における△λeは構成1と構成2の中間的な値となる。以上に述べた構成を、以下、構成3と呼ぶ。
【0060】
<構成4>
また、光ファイバ103の先端面の傾斜方向は完全に一方向に絞らず、±90度などの誤差を許容するようにしてもよい。この構成における△λeは構成1、構成2より若干狭くなり、WDMフィルタ105の要求精度は増すが、光ファイバ103の先端面の調整トレランスが広くなり、調整時間が短縮できるか、又は、機構的な位置決めのみで固定が可能となる。なお、必要とされる光モジュールの受光効率がさらに低くてもよい場合、△λeはもっと広くできる。以上に述べた構成を、以下、構成4と呼ぶ。
【0061】
<構成5>
さらに、フォトダイオード102の受光効率に波長選択性を持たせて半導体レーザ101の光を受光しないようにした上で、光ファイバ103の先端面の傾斜方向を図1と同じ方向とすると、△λeをさらに広くでき、WDMフィルタ105の要求性能を緩和することができる。
【0062】
この場合には、受信光の波長は図2の領域R2内に、送信光の波長は領域T1内に入るようにする。伝送路や光モジュールのコネクタにおける反射戻り光は、一部、WDMフィルタ105において反射してフォトダイオード102に入射するが、この光は、フォトダイオード102の波長選択性によって受信信号として認識されない。この構成によれば、△λeは、領域R2の最小波長と入射角が30度のときの透過領域の最小波長の差△λs_minと、△λeとの和△λs_min+△λeが送受信光の波長差の最小値△λsep=140nmより小さくなるよう設定すればよい。
【0063】
レンズ104の倍率が1のとき、
Figure 2004252371
であるので、エッジ領域の幅△λeは134nm程度と大幅に広くなり、WDMフィルタ105の設計が格段に容易になる。また、エッジ領域の幅をこれより狭くしておけば、WDMフィルタ105の実装角度精度を緩和することができる。以上に述べた構成を、以下、構成5と呼ぶ。
【0064】
<構成6>
なお、フォトダイオード102の受光効率に波長選択性を持たせる代わりに、図1において破線で示すように、フォトダイオード102の前に送信光を阻止する第2のフィルタ108を挿入してもよい。以上に述べた構成を、以下、構成6と呼ぶ。第2のフィルタ108は、光線Aがほぼ垂直入射する角度に設置し、コーンアングルγr内の光の第2のフィルタ108への入射角範囲において、送信波長範囲内の光を全て阻止するよう設計されていることが望ましい。第2のフィルタ108をこの位置に置くことで、入射角の変化に対する第2のフィルタ108の透過領域のシフト量が小さくなり、光ファイバ103の出射光の広がり角周辺部の光が第2のフィルタ108において誤って透過又は反射されにくくなる。
【0065】
<対向モジュールとの関係>
なお、さらに材料コストを下げ、実装を容易にしたいときには、以下のような構成とするのがよい。第2のフィルタ108は、本実施例における光モジュールとほぼ同じ構造を持つ対向モジュール、すなわち、本実施例における光モジュールへ信号を送出し、本実施例における光モジュールの出力信号を受信する相手先光モジュールに使用されるWDMフィルタ105と同じものとし、また、第2のフィルタ108の実装角度は、光ファイバ103内の光軸の延長線及び半導体レーザ101の光軸に対して平行で、WDMフィルタ105となす角がほぼ60度となる位置であり、かつ、フォトダイオード102の受光面及び実装面と平行となる位置とする。
【0066】
本実施例における光モジュール、対向モジュールとも、WDMフィルタ105がもともと光ファイバ103内の光軸及び半導体レーザ101の光軸に対して60度となるよう設置されているので、第2のフィルタ108の実装角度を上記のようにすると、WDMフィルタ105に対する受信光の入射角と、WDMフィルタ105を反射した後に第2のフィルタ108に入射する受信光の入射角が、どちらもほぼ30度となる。対向モジュールのWDMフィルタ105はもともと本実施例における光モジュールのWDMフィルタ105に対して透過域、反射域が逆になるよう設計されたものなので、これを本実施例における光モジュールにおける第2のフィルタ108として使用すれば、本実施例における光モジュールの送信光を阻止することができる。
【0067】
この構成によると、WDMフィルタ105が対向モジュール間で共用でき、新たなフィルタの設計が不要となる。また、第2のフィルタ108の実装角度をフォトダイオード102の受光面、実装面の角度と一致させたことで、フォトダイオード102又はフォトダイオード102の筐体表面に直接、第2のフィルタ108を貼り付けたり、フォトダイオード102又はフォトダイオード102の筐体に第2のフィルタ108の膜を形成するなどが可能となり、特殊な支持機構が不要となる。なお、ここでは、WDMフィルタ105が、光ファイバ103内の光軸の延長線及び半導体レーザ101の光軸に対して30度である場合について述べたが、これを45度とし、WDMフィルタ105と第2のフィルタ108とのなす角を45度としても同様の効果が得られる。
【0068】
また、上記構成では、本実施例における光モジュールを図3のようにし、対向モジュールを図4のようにするなど、WDMフィルタ105に対する光ファイバ103の端面の傾斜方向は、両対向機間で逆とした方がよい。これは以下の理由による。本実施例における光モジュールを図3のようにし、対向モジュールを図4のようにすると、受信光107の光線AがWDMフィルタ105に入る入射角は、対向モジュールでは(30−α)度、本実施例における光モジュールでは(30+α)度となっている。ここでαは正の定数である。
【0069】
WDMフィルタ105と第2のフィルタ108のなす角は60度なので、本実施例における光モジュールの受信光がWDMフィルタ105において反射後、第2のフィルタ108に入る入射角は(30−α)度となり、対向モジュールにおけるWDMフィルタ105の入射角と一致する。対向機搭載の光モジュールに使用されているWDMフィルタ105は、光線Aの入射角が(30+α)度であるときに送受信光を適切に波長分離できるよう設計されているため、これを本実施例における光モジュールの第2のフィルタ108として使用すれば、さらに受信光の透過率を上げ、反射戻り光の阻止率を上げることができる。
なお、ここまでは、送信光が短波長、受信光が長波長であって、WDMフィルタ105が送信光を透過し、受信光を反射させる光モジュールについて主に述べてきたが、以下に、これとは異なるタイプのモジュールを含め、最適な構成をまとめて示す。
【0070】
(1)レンズ104がWDMフィルタ105と光ファイバ103の間に挿入されており、フォトダイオード102に波長選択性がなく、かつ、フォトダイオード102の前に第2のフィルタ108の挿入がなく、WDMフィルタ105が送信光を透過し、受信光を反射させる光モジュールについては、光ファイバ103の先端面の傾斜方向が所定の位置に来たときに光線A〜Cの阻止域の重なる部分に受信光波長が入り、また、光線A〜Cの透過域の重なる部分に送信光波長が入るようにすればよい。これにより△λeを前記の構成1から構成3と同程度まで広くすることができる。
【0071】
(2)レンズ104がWDMフィルタ105と光ファイバ103の間に挿入されており、フォトダイオード102に波長選択性があるか、又は、フォトダイオード102の前に第2のフィルタ108が挿入されており、送信光が短波長、受信光が長波長であって、WDMフィルタ105が送信光を透過し、受信光を反射させる光モジュールについては、図3の構成が望ましい。この構成では光ファイバ103に斜め研磨がない場合に比べて、WDMフィルタ105に対する受信光107の入射角が深くなり、WDMフィルタ105のエッジは短波長側、すなわち、WDMフィルタ105の透過域側にシフトする。
【0072】
これにより、受信光107の広がり角内でWDMフィルタ105において反射される範囲の光の割合が増える反面、反射戻り光の一部も誤って反射されるようになるが、これによるアイソレーション特性の劣化を、フォトダイオード102の波長選択性又はフォトダイオード102の前に挿入された第2のフィルタ108により阻止することができ、△λeを上記の構成5から構成6と同程度まで広くすることができる。
【0073】
(3)レンズ104がWDMフィルタ105と光ファイバ103の間に挿入されており、フォトダイオード102に波長選択性があるか、又は、フォトダイオード102の前に第2のフィルタ108が挿入されており、送信光が長波長、受信光が短波長であって、WDMフィルタ105が送信光を透過し、受信光を反射させる光モジュールについては、図4の構成が望ましい。この構成では光ファイバ103に斜め研磨がない場合に比べて、WDMフィルタ105に対する受信光107の入射角が浅くなり、WDMフィルタ105のエッジは長波長側、すなわち、WDMフィルタ105の透過域側にシフトする。
【0074】
これにより、受信光107の広がり角内でWDMフィルタ105において反射される範囲の光の割合が増える反面、反射戻り光の一部も誤って反射されるようになるが、これによるアイソレーション特性の劣化を、フォトダイオード102の波長選択性又はフォトダイオード102の前に挿入された第2のフィルタ108により阻止することができ、△λeを上記構成5から構成6と同程度まで広くすることができる。
【0075】
(4)レンズ104がWDMフィルタ105と光ファイバ103の間に挿入されており、フォトダイオード102に波長選択性がなく、かつ、フォトダイオード102の前に第2のフィルタ108の挿入がなく、WDMフィルタ105が送信光を反射し、受信光を透過させる光モジュールについては、光ファイバ103の先端面の傾斜方向が所定の位置に来たときに光線A〜Cの透過域の重なる部分に受信光波長が入り、光線A〜Cの阻止域の重なる部分に送信光波長が入るようにすればよい。これにより△λeを上記構成1から構成3と同程度まで広くすることができる。
【0076】
(5)レンズ104がWDMフィルタ105と光ファイバ103の間に挿入されており、フォトダイオード102に波長選択性があるか、又は、フォトダイオード102の前に第2のフィルタ108が挿入されており、送信光が短波長、受信光が長波長であって、WDMフィルタ105が送信光を反射し、受信光を透過させる光モジュールについては、図5の構成が望ましい。この構成では光ファイバ103に斜め研磨がない場合に比べて、WDMフィルタ105に対する受信光107の入射角が深くなり、WDMフィルタ105のエッジは短波長側、すなわち、WDMフィルタ105の阻止域側にシフトする。
【0077】
これにより、受信光107の広がり角内でWDMフィルタ105において透過される範囲の光の割合が増える反面、反射戻り光の一部も誤って透過されるようになるが、これによるアイソレーション特性の劣化を、フォトダイオード102の波長選択性又はフォトダイオード102の前に挿入された第2のフィルタ108により阻止することができ、△λeを上記の構成5から構成6と同程度まで広くすることができる。
【0078】
(6)レンズ104がWDMフィルタ105と光ファイバ103の間に挿入されており、フォトダイオード102に波長選択性があるか、又はフォトダイオード102の前に第2のフィルタ108が挿入されており、送信光が長波長、受信光が短波長であって、WDMフィルタ105が送信光を反射し、受信光を透過させる光モジュールについては、図6の構成が望ましい。この構成では光ファイバ103に斜め研磨がない場合に比べて、WDMフィルタ105に対する受信光107の入射角が浅くなり、WDMフィルタ105のエッジは長波長側、すなわち、WDMフィルタ105の阻止域側にシフトする。
【0079】
これにより、受信光107の広がり角内でWDMフィルタ105において透過される範囲が光の割合が増える反面、反射戻り光の一部も誤って透過されるようになるが、これによるアイソレーションの劣化を、フォトダイオード102の波長選択性又はフォトダイオード102の前に挿入された第2のフィルタ108により阻止することができ、△λeを上記の構成5から構成6と同程度まで広くすることができる。
【0080】
(7)レンズ104がWDMフィルタ105と半導体レーザ101の間又はWDMフィルタ105とフォトダイオード102の間に挿入されている光モジュールについては、これまで述べた構成に対し、光ファイバ103の端面の傾斜角方向を逆にするのが望ましい。レンズ104により光の進行方向が変わることで、WDMフィルタ105への入射角に、図3と図8、図4と図7のような差異が生じ、WDMフィルタ105のエッジのシフト方向が逆になるからである。
【0081】
(8)なお、半導体レーザ101をスポットサイズ変換レーザにするなどして広がり角を抑制し、半導体レーザ101、フォトダイオード102、光ファイバ103、WDMフィルタ105を近づけて配置し、レンズ104を省略した構成としてもよい。この構成では、光ファイバ103の出力光がレンズ104を介さずにWDMフィルタ105に入射するので、光ファイバ103の先端面の傾斜角方向は、レンズ104がWDMフィルタ105と半導体レーザ101の間又はWDMフィルタ105とフォトダイオード102の間にある上記構成と同じ方向とするのがよい。
【0082】
(9)なお、前述の光モジュールのうち、WDMフィルタ105において長波長を透過させ、短波長を反射させるタイプのモジュールに使用されるWDMフィルタ105は、図11に示すように、領域T5〜T8の他に、短波長側に透過領域を持つのが一般的である。このため、阻止領域が極端に狭いWDMフィルタを使用すると、図4、図6、図8の構成では、送信光がWDMフィルタ105を透過しにくくなる恐れがある。しかし、通常のWDMフィルタであれば、阻止領域は十分広く、このようなことが起こる可能性は非常に低い。
【0083】
(10)半導体レーザ101の位置、角度については、図3から図6のように、光ファイバ103内の光軸の延長線上に、図1に示した半導体レーザ101の光軸を一致させるようにしてもよいし、図9のように、光ファイバ103内の光軸の延長線と、半導体レーザ101の光軸が平行となり、かつ、半導体レーザ101の出射光が、レンズ通過後に光線Aと同じ光路を通過して光ファイバ103に入射する位置に、半導体レーザ101をずらしてもよい。後者の構成により、半導体レーザ101の出射光の光ファイバ103に対する結合効率が増す。また、図10のように、光ファイバ103内の光軸の延長線に対して半導体レーザ101の光軸を傾けることで、半導体レーザ101の出射光が、レンズ104を通過後に前記光線Aと同じ光路を通過して光ファイバ103に入射するようにしてもよい。
【0084】
(11)また、送信光が受信光よりも短波長である場合は、半導体レーザ101の出射光のWDMフィルタ105に対する入射角が浅くなる方向へ、送信光が受信光よりも長波長である場合は、半導体レーザ101の出射光のWDMフィルタ105に対する入射角が深くなる方向へ、半導体レーザ101の光軸を曲げてもよい。これにより、半導体レーザ101の出射光に対するWDMフィルタ105のエッジが、受信光側にシフトし、半導体レーザ101の出射光がWDMフィルタ105を透過するよう構成されているモジュールでは、半導体レーザ101の出射光が広範囲な広がり角にわたって、より透過されやすくなり、半導体レーザ101の出射光がWDMフィルタ105を反射するよう構成されているモジュールでは、半導体レーザ101の出射光が広範囲な広がり角にわたって、より反射されやすくなる。結果として、結合効率が増す。
【0085】
(12)ところで、半導体レーザ101の出射光は、一般的に垂直方向と水平方向で異なる広がり角を持っており、それぞれの半値全角は水平方向で20〜30度程度、垂直方向で35〜45度程度である。このため、広がり角の周辺部の光が直接フォトダイオード102に入射する危険がある。これを避けるためには、図3から図10の紙面と平行な向きを半導体レーザ101の水平方向、紙面と垂直な向きを半導体レーザ101の垂直方向とした方がよい。この構成では、半導体レーザ101の出射光の広がり角の小さい方向にフォトダイオード102が配置されているため、半導体レーザ101から直接フォトダイオード102に入射する光量が減少する。
【0086】
(13)なお、図3から図10の紙面と垂直な向きに対する広がり角の方が、広がり角内におけるWDMフィルタ105に対する入射角の差異が小さくなるため、こちらに、半導体レーザ101の広がり角の大きな方向を持ってくることにより、WDMフィルタ105の波長分離が正しく行われる光量が増え、結合効率も増す。また、図3、図4、図7、図8のように、送信光106がWDMフィルタ105において反射される構成では、WDMフィルタ105において誤って反射された半導体レーザ101の出射光は、筐体内面で反射した後、フォトダイオード102に入りやすいため、上記構成を取ると、クロストークをより小さくすることできる。
【0087】
(14)また、WDMフィルタ105が送信光106を透過させるよう構成されている場合は、半導体レーザ101の水平方向が、WDMフィルタ105の面にほぼ平行であるようにしてもよい。この構成によれば、半導体レーザ101の出射光は、WDMフィルタ105にP波として入射することになり、透過率が増すと同時に、半導体レーザ101の出射光に対するWDMフィルタ105のエッジが、半導体レーザ101の波長から遠い方へシフトするため、WDMフィルタ105のエッジ幅をより広くしても、送受信光の波長分離が正しく行われるようになるので、WDMフィルタ105の層数をさらに減らして、コストを下げることができる。
【0088】
(15)なお、WDMフィルタ105が送信光106を反射させるよう構成されている場合は、これとは逆に、半導体レーザ101の垂直方向がWDMフィルタ105の面にほぼ平行であるようにした方がよい。なお、このように半導体レーザ101の向きを調整することによってWDMフィルタ105の仕様を緩和した場合には、受信光のアイソレーション特性劣化を防ぐため、フォトダイオード102が、送信光に対する感度を持たないか、又は、フォトダイオード102の前に送信光を阻止する第2のフィルタ108などが挿入されているのが望ましい。
【0089】
以上、WDMフィルタ105のエッジ幅の仕様緩和に関する効果を中心に述べてきたが、もともと仕様の決まっているWDMフィルタ105を使用する場合には、上記構成により、受光感度の向上、アイソレーション特性の向上、送信光のファイバ結合効率の向上、WDMフィルタ105、光ファイバ103、半導体レーザ101の実装精度の緩和などの効果が得られる。
【0090】
図12は本発明の光送受信装置の構成を示している。光送受信モジュール125は光伝送装置のメイン樹脂基板126の上に1個又は複数個実装され、光送受信装置筐体127内に収容されている。光送受信装置筐体127の前面パネルには光入出力ポートの機能を持つ光ファイバコネクタプラグ128が取り付けられている。以上のように、光送受信モジュール125を光送受信装置筐体127に収容することで、光送受信装置を小型化することができ、また複数個実装することにより、多ポート光送受信装置を実現できる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1、2に記載の発明によれば、従来よりもレンズ、フィルタの数を削減でき、部品コスト、調整工数を削減できると同時に、レンズ削減によって生じる受光効率、アイソレーション特性の劣化が抑えられ、良好な特性の光送受信モジュールが得られる。
請求項1、2に記載の発明のように光路中にレンズが挿入されている場合は、受光素子出射光のファイバへの結合効率低下を容認すれば、受信光に対するレンズの倍率を1以上とすることで、波長選択性フィルタ入射時の、広がり角周辺部と中央部の入射角差を小さくし、これによってアイソレーション特性、受光効率の低下を抑えることはある程度可能であるが、レンズがない場合にはこれができない。
請求項3、4に記載の発明によれば、レンズが無くても、受信光の広がり角周辺部と中央部の波長分離特性の差を小さくすることが可能であり、レンズが無く、フィルタの数が少なく、部品コスト、調整工数の小さい、良好な特性の光送受信モジュールが得られる。
請求項5、7、9に記載の発明によれば、受信光の波長選択性フィルタに対する入射角が深くなり、これにより、受信光に対する波長選択性フィルタのエッジがより受信光から遠い短波長側にシフトして、より受信光が受光素子側へ送出されやすくなる。
請求項6、8、10に記載の発明によれば、受信光の波長選択性フィルタに対する入射角が浅くなり、これにより、受信光に対する波長選択性フィルタのエッジがより受信光から遠い長波長側にシフトして、より受信光が受光素子側へ送出されやすくなる。
請求項11、12、13に記載の発明によれば、伝送路の接続点や前記光送受信モジュールの光入出端における反射戻り光が前述のようなエッジのシフトによって誤って受光素子側へ送出されるのを防ぎ、アイソレーション特性を改善することができる。
請求項14に記載の発明によれば、受信光の入射角ばらつきによる阻止値の劣化が小さくなり、アイソレーション特性を改善することができる。
請求項15に記載の発明によれば、第2の波長選択性フィルタ面が同フィルタの保持機構の実装面に対して傾いた角度で実装されるような複雑な構造の保持機構が不要となり、また、受信光の第1の波長選択性フィルタ入射角と第2の波長選択性フィルタの入射角がどちらも汎用品の波長選択性フィルタの入射角として一般的な45度とほぼ一致するため、汎用品の使用によりフィルタのコストを低減することができる。
請求項16に記載の発明によれば、第2の波長選択性フィルタ面が同フィルタの保持機構の実装面に対して傾いた角度で実装されるような複雑な構造の保持機構が不要となり、また、受信光の第1の波長選択性フィルタ入射角と第2の波長選択性フィルタの入射角がどちらも汎用品の波長選択性フィルタの入射角として一般的な30度とほぼ一致するため、汎用品の使用によりフィルタのコストを低減することができる。入射角30度の波長選択性フィルタは、入射角45度の波長選択性フィルタよりも汎用性の点では若干劣るが、入射角が浅いため、波長分離特性の偏光依存性が小さく、受信光の広がり角内における波長選択性フィルタに対する入射角ばらつきも小さい。このため、受信光の広がり角全体にわたって良好な波長分離特性が得られやすい。また、発光素子と受光素子を、第1の波長選択性フィルタを挟んで90度より浅い角度で配置することが可能なので、発光素子と受光素子の間隔を、モジュール幅を広げずに長く取ることができ、アイソレーションを向上させることができる。
請求項17に記載の発明によれば、第2の波長選択性フィルタ面が同フィルタの保持機構の実装面に対して傾いた角度で実装されるような複雑な構造の保持機構が不要となり、また、第2の波長選択性フィルタを前記受光素子に貼り付けるなど、さらに容易な固定方法も可能となる。
請求項18〜23に記載の発明によれば、対向モジュール間で波長選択性フィルタが共用でき、部品コストが削減される。
請求項24に記載の発明によれば、対向モジュールにおける受信光の第1の波長選択性フィルタ入射角が、本光送受信モジュールにおける受信光の第2の波長選択性フィルタ入射角とほぼ一致するようになり、第2の波長選択性フィルタの波長分離特性が増すか、又はフィルタのエッジ幅の許容値が増え、フィルタのコストが低減される。
請求項25、26に記載の発明によれば、発光素子の発する送信光がレンズに入射する位置がレンズの光軸からずれ、光伝送路に斜入射するようになるので、この斜入射の角度を上記のように最適化することで、発光素子の発する送信光を、より高い結合効率で光伝送路に結合することが可能となる。
請求項27、28に記載の発明によれば、発光素子の発する送信光に対する第1の波長選択性フィルタのエッジが、受信光に対するエッジに対して、相対的に長波長側、すなわち発光素子の発する送信光の波長から遠い方向にシフトすることになり、第1の波長選択性フィルタが発光素子の発する送信光を所望の方向により送出しやすくなるため、発光素子の光伝送路に対する結合効率が増加し、また、フィルタのエッジ波長最適化により受信光のアイソレーション特性も改善させることができる。
請求項29に記載の発明によれば、発光素子の広がり角の小さい方向に受光素子が配置されるようになるため、発光素子から直接、受光素子に入射する光量が減少し、アイソレーション特性が向上する。
請求項30に記載の発明によれば、発光素子の発する送信光の広がり角内において、各部分の第1の波長選択性フィルタに対する入射角の差異が小さくなるため、誤った方向に反射又は透過される光量が減り、発光素子の光伝送路に対する結合効率が増加する。
請求項31に記載の発明によれば、請求項26又は27に記載の光送受信モジュールは、第1の波長選択性フィルタに対する入射角が大きくなる場合があり、このときは、発光素子の発する送信光の広がり角内において、各部分の、第1の波長選択性フィルタに対する入射角の差異が大きくなるが、この構成によれば、前記差異をより小さくすることができる。結果として、誤った方向に反射又は透過される光量が減り、発光素子の光伝送路に対する結合効率が増加する。
請求項32に記載の発明によれば、発光素子の発する送信光は、第1の波長選択性フィルタにP波として入射することになり、透過率が増すため、光伝送路への結合効率が増す。同時に、前記発光素子の発する送信光に対する第1の波長選択性フィルタのエッジが、発光素子の波長から遠い方へシフトするため、第1の波長選択性フィルタのエッジ幅をより広くしても、送受信光の波長分離が正しく行われるようになるので、第1の波長選択性フィルタのコスト低減につながる同フィルタの層数削減が可能となる。
請求項33に記載の発明によれば、発光素子の発する送信光は、第1の波長選択性フィルタにS波として入射することになり、反射率が増すため、光伝送路への結合効率が増す。同時に、発光素子の発する送信光に対する第1の波長選択性フィルタのエッジが、発光素子の波長から遠い方へシフトするため、第1の波長選択性フィルタのエッジ幅をより広くしても、送受信光の波長分離が正しく行われるようになるので、第1の波長選択性フィルタのコスト低減につながる同フィルタの層数削減が可能となる。
請求項34に記載の発明によれば、請求項32又は33に記載の光送受信モジュールでは、第1の波長選択性フィルタのエッジを広く取ってコストを下げた場合、発光素子の光伝送路に対する結合効率は低下しないが、受信光のアイソレーション特性は劣化する。しかし、請求項34の構成によれば、このアイソレーション特性の劣化を抑えることができる。
請求項35に記載の発明によれば、光ファイバは、市販されている先端加工ファイバでよく、これを用いることで、比較的安価に高集積化が図られる。同時に、通常のボールレンズ、非球面レンズより収差の大きい前記のようなファイバ先端のレンズによって、受信光の広がり角内における波長選択性フィルタに対する射角ばらつきが増しても、この影響による波長分離特性の劣化及びこの結果生じるアイソレーション特性の劣化を防止することができる。
請求項36に記載の発明によれば、部品点数が少なく、なおかつ受光効率及びアイソレーション特性の良好な光送受信装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光送受信モジュールの構成図
【図2】本発明の実施の形態におけるWDMフィルタ(ショート・パス・フィルタ)の透過率の波長特性を示す図
【図3】本発明の実施の形態における光素子の第1の配置例を示す図
【図4】本発明の実施の形態における光素子の第2の配置例を示す図
【図5】本発明の実施の形態における光素子の第3の配置例を示す図
【図6】本発明の実施の形態における光素子の第4の配置例を示す図
【図7】本発明の実施の形態における光素子の第5の配置例を示す図
【図8】本発明の実施の形態における光素子の第6の配置例を示す図
【図9】本発明の実施の形態における光素子の第7の配置例を示す図
【図10】本発明の実施の形態における光素子の第8の配置例を示す図
【図11】本発明の実施の形態におけるWDMフィルタ(ロング・パス・フィルタ)の透過率の波長特性を示す図
【図12】本発明の実施の形態における光送受信装置の構成図
【図13】従来の光送受信モジュールの構成図
【符号の説明】
101 半導体レーザ
102 フォトダイオード
103 光ファイバ
104 レンズ
105 WDMフィルタ
106 送信光
107 受信光
108 第2のフィルタ
125 光送受信モジュール
126 メイン樹脂基板
127 光送受信装置筐体
128 光ファイバコネクタプラグ

Claims (36)

  1. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記発光素子が出射する送信光及び前記受光素子が受光する受信光のうち、いずれか一方又は両方の光を集光するレンズと、
    前記光伝送路の光軸の延長線及び前記発光素子の光軸に対して傾いて配置され、前記発光素子の出射する送信光を前記光伝送路側に透過させるとともに、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタとを、
    備えた光送受信モジュール。
  2. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記発光素子が出射する送信光及び前記受光素子が受光する受信光のうち、いずれか一方又は両方の光を集光するレンズと、
    前記光伝送路の光軸の延長線及び前記発光素子の光軸に対して傾いて配置され、前記発光素子の出射する送信光を前記光伝送路側に反射させるとともに、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に透過させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタとを、
    備えた光送受信モジュール。
  3. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の光軸の延長線及び前記発光素子の光軸に対して傾いて配置され、前記発光素子の出射する送信光を前記光伝送路側に透過させるとともに、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタとを、
    備えた光送受信モジュール。
  4. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の光軸の延長線及び前記発光素子の光軸に対して傾いて配置され、前記発光素子の出射する送信光を前記光伝送路側に反射させるとともに、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に透過させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタとを、
    備えた光送受信モジュール。
  5. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタと、
    前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタの間に配置され、前記発光素子が出射する送信光と前記受光素子が受光する受信光を集光するレンズとを備え、
    前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが逆方向に傾いており、
    前記発光素子の波長が受信光の波長より短く構成された光送受信モジュール。
  6. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタと、
    前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタの間に配置され、前記発光素子が出射する送信光と前記受光素子が受光する受信光を集光するレンズとを備え、
    前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが同じ方向に傾いており、
    前記発光素子の波長が受信光の波長より長く構成された光送受信モジュール。
  7. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタと、
    前記発光素子と前記波長選択性フィルタの間、及び前記受光素子と前記波長選択性フィルタの間のうち、いずれか一方又は両方の位置に配置されたレンズとを備え、
    前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが同じ方向に傾いており、
    前記発光素子の波長が受信光の波長より短く構成された光送受信モジュール。
  8. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択特性を有する波長選択性フィルタと、
    前記発光素子と前記波長選択性フィルタの間、及び前記受光素子と前記波長選択性フィルタの間のうち、いずれか一方又は両方の位置に配置されたレンズとを備え、
    前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが逆方向に傾いており、
    前記発光素子の波長が受信光の波長より長く構成された光送受信モジュール。
  9. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタとを備え、
    前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが同じ方向に傾いており、
    前記発光素子の波長が受信光の波長より短く構成された光送受信モジュール。
  10. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタとを備え、
    前記光伝送路の光軸の延長線のZ軸に対して、前記光伝送路の先端面と前記波長選択性フィルタが逆方向に傾いており、
    前記発光素子の波長が受信光の波長より長く構成された光送受信モジュール。
  11. 前記受光素子が前記発光素子と同じ波長の光に対する感度を持たないか、又は非常に小さな感度しか持たないよう構成された請求項1から10のいずれか1つに記載の光送受信モジュール。
  12. 請求項1から10のいずれか1つに記載の前記波長選択性フィルタを第1の波長選択性フィルタとして、前記受光素子の前に、前記発光素子の出射光と同じ波長の光を阻止する第2の波長選択性フィルタが挿入されている光送受信モジュール。
  13. 前記受光素子の受光面、又は前記受光素子のパッケージに、前記発光素子の出射光と同じ波長の光を阻止する膜が形成されている請求項1から10のいずれか1つに記載の光送受信モジュール。
  14. 受信光がほぼ垂直入射するよう前記第2の波長選択性フィルタの設置角度が設定されている請求項12に記載の光送受信モジュール。
  15. 前記Z軸と前記第1の波長選択性フィルタの面のなす角がほぼ45度であり、前記Z軸と前記第2の波長選択性フィルタの面が平行である請求項12に記載の光送受信モジュール。
  16. 前記Z軸と前記第1の波長選択性フィルタの面のなす角がほぼ30度であり、前記Z軸と前記第2の波長選択性フィルタの面が平行である請求項12に記載の光送受信モジュール。
  17. 前記第2の波長選択性フィルタの面と、前記受光素子の受光面及び前記受光素子の実装面が平行である請求項14から16のいずれか1つに記載の光送受信モジュール。
  18. 請求項5に記載の光送受信モジュールにおいて、
    通信相手が請求項6に記載の光送受信モジュールの場合、請求項6に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入した光送受信モジュール。
  19. 請求項6に記載の光送受信モジュールにおいて、
    通信相手が請求項5に記載の光送受信モジュールの場合、請求項5に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入した光送受信モジュール。
  20. 請求項7に記載の光送受信モジュールにおいて、
    通信相手が請求項8に記載の光送受信モジュールの場合、請求項8に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入した光送受信モジュール。
  21. 請求項8に記載の光送受信モジュールにおいて、
    通信相手が請求項7に記載の光送受信モジュールの場合、請求項7に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入した光送受信モジュール。
  22. 請求項9に記載の光送受信モジュールにおいて、
    通信相手が請求項10に記載の光送受信モジュールの場合、請求項10に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入した光送受信モジュール。
  23. 請求項10に記載の光送受信モジュールにおいて、
    通信相手が請求項9に記載の光送受信モジュールの場合、請求項9に記載の波長選択性フィルタと同じ特性のフィルタを第2の波長選択性フィルタとして前記受光素子の前に挿入した光送受信モジュール。
  24. 前記Z軸と前記第1の波長選択性フィルタの面のなす角がほぼ60度であり、前記Z軸と前記第2の波長選択性フィルタの面が平行である請求項18から23のいずれか1つに記載の光送受信モジュール。
  25. 前記発光素子の発する送信光が、レンズ通過後に、前記光伝送路の先端面からモジュール内部に向かって出射される受信光のファー・フィールド・パターンにおいて強度が最大となる点と、前記光伝送路の先端面を結ぶ直線上を通って前記伝送路の先端面に入射するように、前記発光素子の光軸を前記Z軸に対して垂直な方向にずらした請求項1から24のいずれか1つに記載の光送受信モジュール。
  26. 前記発光素子の発する送信光が、レンズ通過後に、前記光伝送路の先端面からモジュール内部に向かって出射される受信光のファー・フィールド・パターンにおいて強度が最大となる点と、前記光伝送路の先端面を結ぶ直線上を通って前記伝送路の先端面に入射するように、前記発光素子の光軸を前記Z軸に対して所定の角度にずらした請求項1から24のいずれか1つに記載の光送受信モジュール。
  27. 前記発光素子の発する送信光の波長が前記受信光の波長より短く、前記第1の波長選択性フィルタに入射する送信光の入射角が、前記第1の波長選択性フィルタに入射する受信光の入射角よりも浅い、請求項1から24のいずれか1つに記載の光送受信モジュール。
  28. 前記発光素子の発する送信光の波長が前記受信光の波長より長く、前記第1の波長選択性フィルタに入射する送信光の入射角が、前記第1の波長選択性フィルタに入射する受信光の入射角よりも深い、請求項1から24のいずれか1つに記載の光送受信モジュール。
  29. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタとを備え、
    前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も小さい軸が、前記発光素子と前記受光素子を含む平面内にある光送受信モジュール。
  30. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記光伝送路の先端面から出射された受信光を前記受光素子側に反射又は透過させる波長選択性フィルタとを備え、
    前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直で、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸が、前記波長選択性フィルタの面に、ほぼ平行である光送受信モジュール。
  31. 前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直で、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸が、前記第1の波長選択性フィルタの面にほぼ平行である請求項27又は28に記載の光送受信モジュール。
  32. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記発光素子の発する送信光を透過させる波長選択性フィルタとを備え、
    前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直で、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も小さい軸が、前記波長選択性フィルタの面にほぼ平行である光送受信モジュール。
  33. 先端面が光軸に対して斜めに形成された光伝送路と、
    前記光伝送路の先端面から出射された受信光を受光するための受光素子と、
    送信光を出射する発光素子と、
    前記光伝送路の先端面の角度及び光軸に対して傾いて設けられ、前記発光素子の発する送信光を前記光伝送路の先端面の方向に反射する波長選択性フィルタとを備え、
    前記発光素子の発する送信光の広がり角が、前記発光素子の光軸に対して垂直で、かつ互いに直交する2軸間で異なり、前記2軸が、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸と、最も小さい軸である場合に、前記発光素子の発する送信光の広がり角が最も大きい軸が、前記第1の波長選択性フィルタの面にほぼ平行である光送受信モジュール。
  34. 前記受光素子が前記発光素子と同じ波長の光に対する感度を持たないか、非常に小さな感度しか持たないか、又は、前記受光素子の前に、前記発光素子と同じ波長の光を阻止する前記第2の波長選択性フィルタが挿入されているか、又は、前記受光素子又は前記受光素子のパッケージに、前記発光素子と同じ波長の光を阻止する膜が形成されている請求項32又は33に記載の光送受信モジュール。
  35. 前記光伝送路が光ファイバであって、前記レンズが、前記光ファイバ端面を平面以外の形状に変形させたものである請求項1、2、5、6、11から28のいずれか1つに記載の光送受信モジュール。
  36. 請求項1から35のいずれか1つに記載の光送受信モジュールを有する光送受信装置。
JP2003045004A 2002-05-07 2003-02-21 光送受信モジュール及び光送受信装置 Withdrawn JP2004252371A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003045004A JP2004252371A (ja) 2003-02-21 2003-02-21 光送受信モジュール及び光送受信装置
PCT/JP2003/005719 WO2003096094A1 (fr) 2002-05-07 2003-05-07 Module d'envoi et de reception de lumiere, procede de montage de ce module, et dispositif de reception de lumiere associe

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003045004A JP2004252371A (ja) 2003-02-21 2003-02-21 光送受信モジュール及び光送受信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004252371A true JP2004252371A (ja) 2004-09-09

Family

ID=33027535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003045004A Withdrawn JP2004252371A (ja) 2002-05-07 2003-02-21 光送受信モジュール及び光送受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004252371A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009079166A1 (en) * 2007-12-18 2009-06-25 Motorola, Inc. Optical transceiver method and apparatus
US8886035B2 (en) 2011-10-06 2014-11-11 Electronics And Telecommunications Research Institute Optical line terminal in time division multiple access passive optical network and method for processing optical signal thereof

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009079166A1 (en) * 2007-12-18 2009-06-25 Motorola, Inc. Optical transceiver method and apparatus
US8886035B2 (en) 2011-10-06 2014-11-11 Electronics And Telecommunications Research Institute Optical line terminal in time division multiple access passive optical network and method for processing optical signal thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8303195B2 (en) Optical transceiver module
US7128477B2 (en) Optical transmitter and receiver module
US8380075B2 (en) Optical transceiver module
US9042731B2 (en) Optical module having a plurality of optical sources
US6694074B2 (en) Transmission and reception configuration for bi-directional optical data transmission
US20090097847A1 (en) Optical module
KR101860847B1 (ko) 광모듈
CN106896447B (zh) 具有高密度光学互连模块的波分复用的光学部件
US20050213981A1 (en) Optical discriminator for transmitting and receiving in both optical fiber and free space applications
US20090196617A1 (en) Single core bidirectional optical device
JP2004271921A (ja) 双方向光モジュール及び光伝送装置
JP2019191260A (ja) コヒーレント光受信モジュール
US7011455B2 (en) Opto-electronic TO-package and method for laser
US20050084217A1 (en) Optical module capable of transmitting optical signal in bi-directional with single fiber
JP2017211419A (ja) 光モジュール
CN212160161U (zh) 光模块
US20230021871A1 (en) Planar bidirectional optical coupler for wavelength division multiplexing
JP2003222761A (ja) 光送受信モジュール及びその製造方法
JP2004252371A (ja) 光送受信モジュール及び光送受信装置
US9671576B1 (en) CWDM transceiver module
JP7293672B2 (ja) 光モジュール
EP0826994B1 (en) Integrated optical device having at least an optical filter and a mirror, and a method of making the same
KR100871017B1 (ko) 한 개의 빔 스플리터/필터가 구비된 양방향 통신용트리플렉서 광모듈 패키지 및 이 빔 스플리터/필터의 제작방법
US20040026604A1 (en) Optical transceiver
JP2001264586A (ja) 光通信用モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060509