JP2004251728A - 放射線環境情報提供装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】管理区域に入域する放射線業務従事者に対して、管理区域内の各エリア毎の放射線環境情報を判り易く伝え、自主的な被ばく低減活動を可能とした放射線環境情報提供装置を提供することである。
【解決手段】原子力発電所の各系統毎に配管の1点につき表面線量率を測定またはγスキャン測定する放射線測定手段11を設け、演算処理手段13は、放射線測定手段11で測定された測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する。そして、その線量率の空間分布図を情報出力手段14に更新出力し、放射線業務従業者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】原子力発電所の各系統毎に配管の1点につき表面線量率を測定またはγスキャン測定する放射線測定手段11を設け、演算処理手段13は、放射線測定手段11で測定された測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する。そして、その線量率の空間分布図を情報出力手段14に更新出力し、放射線業務従業者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所の管理区域に入域する放射線業務従事者に対して、管理区域内の放射線環境情報を提供する放射線環境情報提供装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所では、管理区域に入域する放射線業務従事者に対して、管理区域内の放射線環境情報は、放射線管理員のサーベイにより情報提供している。放射線作業エリア内の適宜の位置に複数の無線発信機を分散配置しておき、放射線業務従事者が携行する放射能測定器で放射線作業エリア内の放射線測定を行い、その放射線測定の度に複数の無線発信機からの信号を受け取り位置情報と共に放射線環境情報を得るようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−10234号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放射線業務従事者に対してリアルタイムで各エリア毎の放射線環境情報を提供するものではないので、自主的な被ばく低減活動を行うには経験に負うところになる。例えば、管理区域内で働く作業者は、同一作業を行う場合でも経験の浅い技術者は熟練技術者の約2倍程度の被ばく線量を受けており、また、熟練技術者であっても始めて入域するエリアや入域頻度の少ないエリアでは、被ばく線量が増加する傾向にある。
【0005】
一方では、放射線管理員は作業グループ毎にアサインされ、作業現場に随行して、作業開始前、作業実施中、作業終了後に、放射線サーベイや作業管理を実施しており、その作業負荷や被ばく線量は、管理区域入域者の中でも大きな割合を占めている。
【0006】
本発明の目的は、管理区域に入域する放射線業務従事者に対して、管理区域内の各エリア毎の放射線環境情報を判り易く伝え、自主的な被ばく低減活動を可能とした放射線環境情報提供装置および方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る放射線環境情報提供装置は、原子力発電所の各系統毎に配管の1点につき表面線量率を測定またはγスキャン測定する放射線測定手段を設け、演算処理手段は、放射線測定手段で測定された測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する。そして、その線量率の空間分布図を情報出力手段に更新出力し、放射線業務従業者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報を提供する。
【0008】
また、放射線測定手段は、原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率を測定し、演算処理手段は、放射線測定手段で測定された測定値および予め作成された線量率マトリックスから最小二乗最小ノルム解法を用いて各線源の線源強度を求め前記線量率マトリックスに乗じることで線量率の空間分布図を作成し情報出力手段に更新出力する。さらに、情報出力手段は、空間分布図上に放射線業務従業者の位置を表示し、視覚的に対比すべき場所情報を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図である。
【0010】
放射線測定手段11は、原子力発電所の各系統毎に配管の1点につき表面線量率を測定する表面線量率測定器11Aで構成される。表面線量率測定器11Aは、コリメータ付きの各種測定器、例えば、放射線サーベイメータ、多点式光ファイバーモニタ、可搬式エリア放射線モニタ、電子式個人線量計であり、それぞれ無線式または有線式の通信手段12を有している。電子式個人線量計は管理区域の作業エリアで作業を行う作業者が携帯する。また、放射線サーベイメータ、多点式光ファイバーモニタ、可搬式エリア放射線モニタ等は、管理区域の作業エリアに設置される可搬式モニタに設置される。
【0011】
表面線量率測定器11Aで測定された測定結果は通信手段12を用いて演算処理手段13に送信される。無線式の通信手段12としては、例えば、Blue Tooth,PHS,無線LAN等が用いられ、有線式の通信手段12としては、例えば、Ethernet(登録商標)(10,100BASE−T)、RS−232C,RS−422(GP−IB)、USB等が用いられる。
【0012】
演算処理手段13は、無線式または有線式の通信手段12を搭載しており、放射線測定手段11である表面線量率測定器11Aで測定された測定値を受信し、その測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め、予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する。演算処理手段13は、管理区域の作業エリアで作業を行う作業者が携帯する携帯型端末、または管理区域の作業エリアの近傍に設置される据置型計算機で構成され、携帯型端末としては、例えば、PDA,PC(Pen,Note,Wearable)等が用いられ、据置型としては、例えば、PC(Desktop)、EWS(Desktop)が用いられる。演算処理手段13で演算処理された演算処理結果は情報出力手段14に送信される。
【0013】
情報出力手段14は、演算処理手段13が携帯型端末で構成される場合にはその携帯型端末に搭載された出力装置であり、一方、演算処理手段13が据置型計算機で構成される場合には据置型計算機に搭載または接続された出力装置であり、例えば、CRT/LCDモニタ、大型表示装置、印刷装置等である。
【0014】
情報出力装置14は、演算処理手段13で作成された線量率の空間分布図を更新出力する。図2は原子炉格納容器15内の空間分布図(空間線量率の等高線カラーマップ等)の平面図である。原子炉炉心16は生体遮蔽壁17で遮蔽されており、格納容器15内には配管18等の機器が収納されている。放射線測定手段11は、例えば格納容器15内の径方向に4個、円周方向に16個設けられる。
【0015】
このように、線量率の空間分布図をリアルタイムで表示し、放射線管理員や放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供する。なお、演算処理手段13を構成する計算機とは別の箇所に情報出力手段14を設ける場合には、通信手段12を介して情報出力手段14に演算処理結果を送信することになる。
【0016】
次に、演算処理手段13での演算処理内容を説明する。まず、演算処理手段13では、受信した測定結果から下記(1)式から(4)式を使用して、配管表面線量率からの線源強度を推定計算する。
【0017】
Q=(Qs×S)/β …(1)
Q:放射能量(Bq)、Qs:配管付着放射能量(Bq/cm2)、S:配管の内表面積(cm2)、β:配管長さによる補正係数
Qs=(Ds/ds) …(2)
Ds:配管表面線量率の実測値(mSv/H)、ds:単位放射能量でもって計算した配管表面線量率(mSv/H)/(Bq/cm2)
[配管半径20cm未満の場合]
ds=exp[2.3026(a+b・logR)] …(3)
a、b:フィッテイング係数、R:配管の半径
[配管半径20cm以上の場合]
ds=exp[2.3026(a−b・logR)] …(4)
このようにして求めた線源強度と前回求めた線源強度との比、すなわち、系統毎の線源強度倍率に変換し、予め作成しておいた複数線源vs複数評価点の線量率マトリックスに線源強度倍率を乗じることで線量率マップ(空間線量率の等高線カラーマップ)を作成する。これにより、線量率の空間分布図をリアルタイムで情報出力手段14に出力する。
【0018】
第1の実施の形態によれば、原子力発電所の管理区域の線量率の空間分布図をリアルタイムで出力するので、放射線管理員および放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供できる。
【0019】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、放射線測定手段11として表面線量率測定器11Aに代えてγ核種放射線分析器11Bを設け、原子力発電所の各系統毎に配管の1点につきγスキャン測定するようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0020】
放射線測定手段11は、原子力発電所の各系統毎に配管の1点につきγスキャン測定するγ核種放射線分析器11Bで構成される。γ核種放射線分析器11Bは、例えば、可搬式核種分析装置、半導体検出器、シンチレーション検出器等であり、表面線量率測定器11Aと同様にそれぞれ無線式または有線式の通信手段12を有しており、管理区域の作業エリアに設置される可搬式モニタに設置される。γ核種放射線分析器11Bで測定された測定結果は通信手段12を用いて演算処理手段13に送信される。
【0021】
演算処理手段13は、第1の実施の形態と同様に、無線式または有線式の通信手段12を搭載しており、放射線測定手段11であるγ核種放射線分析器11Bで測定された測定値を受信し、その測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め、予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する。演算処理手段13で演算処理された演算処理結果は情報出力手段14に送信される。
【0022】
情報出力装置14は、演算処理手段13で作成された線量率の空間分布図を更新出力する。すなわち、線量率の空間分布図をリアルタイムで表示し、放射線管理員や放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供する。
【0023】
次に、演算処理手段13での演算処理内容を説明する。まず、演算処理手段13では、受信した測定結果から下記の(5)式、(6)式を用いて、γスキャンデータからの線源強度を推定計算する。すなわち、γ核種放射線分析器(Ge検出器)11Bによるγスキャンデータに基づいて線源強度Qを推定計算する。
【0024】
Q=Qs×S …(5)
S:配管の内表面積(cm2)、Qs:配管表面付近でのγスキャンデータから評価した配管付着放射能量(Bq/cm2)
Qs=Cnet×F …(6)
Cnet:核種毎のガンマ線ピークカウント値[NET値](cps)、F:核種毎の換算係数(Bq/cm2)/cps
このようにして求めた線源強度と前回求めた線源強度との比、すなわち、系統毎の線源強度倍率に変換し、予め作成しておいた複数線源vs複数評価点の線量率マトリックスに線源強度倍率を乗じることで線量率マップ(空間線量率の等高線カラーマップ)を作成する。これにより、線量率の空間分布図をリアルタイムで情報出力手段14に出力する。
【0025】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、原子力発電所の管理区域の線量率の空間分布図をリアルタイムで出力するので、放射線管理員および放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供できる。また、γ核種毎の線量率が得られるので細かい情報を提供できる。
【0026】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図4は本発明の第3の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、放射線測定手段11として表面線量率測定器11Aに代えて雰囲気線量率測定器11Cを設け、原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率を測定するようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0027】
放射線測定手段11は、原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率を測定する雰囲気線量率測定器11Cで構成される。雰囲気線量率測定器11Cは、例えば、放射線サーベイメータ、多点式光ファイバーモニタ、可搬式エリア放射線モニタ、電子式個人線量計であり、それぞれ無線式または有線式の通信手段12を有している。電子式個人線量計は管理区域の作業エリアで作業を行う作業者が携帯する。また、放射線サーベイメータ、多点式光ファイバーモニタ、可搬式エリア放射線モニタ等は、管理区域の作業エリアに設置される可搬式モニタに設置される。
【0028】
演算処理手段13は、第1の実施の形態と同様に、無線式または有線式の通信手段12を搭載しており、放射線測定手段11である雰囲気線量率測定器11Cで測定された測定値を受信し、その測定値および予め作成された線量率マトリックスから最小二乗最小ノルム解法を用いて各線源の線源強度を求め、線量率マトリックスに乗じることで線量率の空間分布図を作成する。演算処理手段13で演算処理された演算処理結果は情報出力手段14に送信される。
【0029】
情報出力装置14は、演算処理手段13で作成された線量率の空間分布図を更新出力する。すなわち、線量率の空間分布図をリアルタイムで表示し、放射線管理員や放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供する。
【0030】
次に、演算処理手段13での演算処理内容を説明する。まず、演算処理手段13では、受信した測定結果から下記の手法を用いて、雰囲気線量率からの線源強度を推定計算する。
【0031】
雰囲気線量率から線源強度への変換は、雰囲気線量率が各線源の寄与の1次結合により表わされることから求める。すなわち、雰囲気線量率は、(7)式にて表わされるとする。
【0032】
D1=d11・I1+d12・I2+…+d1n・In
D2=d21・I1+d22・I2+…+d2n・In
… … …
Dm=dm1・I1+dm2・I2+…+dmn・In …(7)
Di:評価点iにおける雰囲気線量率(mSv/h)、 dij:線源jに単位放射能量を与えたときの評価点iにおける雰囲気線量率(mSv/h)/(Bq/cm2)、Ij:線源jの放射能量(Bq/cm2)
(7)式より、各線源の線源強度Ij(j=1,…、n)は、雰囲気線量率Di(i=1,…,m)と各線源からの寄与dij(i=1,…,m;j=1,…、n)とが分かっていれば、連立方程式を解くことによって求めることができる。その場合、評価点の数は線源の数に等しくなければならない。
【0033】
実際には、モデル化した線源の数だけ雰囲気線量率(実測値)を得ることは困難な場合があり、もし仮に測定しようとすると測定者の被ばく線量は多大なものとなる。そこで、第3の実施の形態では、最小二乗法(最小二乗最小ノルム解)により線源強度を推定する。
【0034】
すなわち、線源jの放射能量Ijを推定計算で求め、求めた各線源の線源強度に線量率マトリックスを乗じることで線量率マップである空間分布図(空間線量率の等高線カラーマップ)を作成する。このようにして作成した空間分布図(線量率マップ)を携帯型の情報出力手段14または据置型の情報提供手段14により、放射線管理員および放射線業務従事者に対してリアルタイムで変化する放射線環境情報を提供する。
【0035】
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、原子力発電所の管理区域の線量率の空間分布図をリアルタイムで出力するので、放射線管理員および放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供できる。
【0036】
ここで、空間分布図上に放射線業務従業者の位置を表示するようにしてもよい。
【0037】
すなわち、演算処理手段13に位置情報取得機能を付加して情報出力手段14に対して線量率マップ(空間分布図)上に放射線業務従事者の位置を表示する。これにより、視覚的に退避すべき場所情報が提供できると共に、その位置における被ばく率から計算した作業可能時間や積算線量等の放射線管理上重要な情報を提供できる。
【0038】
次に、本発明の放射線環境情報提供方法について説明する。まず、管理区域内の作業エリアに、Blue Tooth(商標)等の通信機能(通信手段12)やPositioning(位置測定)機能を搭載した複数台の可搬式モニタを設置する。この可搬式モニタには放射線測定手段11が搭載される。放射線測定手段11は、表面線量率測定器11A、γ核種放射線分析器11B、雰囲気線量率測定器11C等である。そして、 作業者には、Blue Tooth機能やPositioning機能を搭載した携帯端末および電子式個人線量計を持たせる。なお、携帯端末には、Blue Tooth機能やPositioning機能の他に空間線量率の等高線カラーマップ作成機能、表示機能、エリア内位置表示機能を搭載しておく。
【0039】
各々の可搬式モニタでは、放射線測定手段11にてプラント配管を各系統およびループ毎に1点ずつ表面線量率やγスキャンデータ、原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率、さらにはPositioning機能によりエリア内での位置を測定する。
【0040】
測定した上記データは、Blue Tooth機能によりエリア内の各作業者が持つ携帯端末へ送信される。携帯端末では、Blue Tooth機能により送信されてきたデータを受信し、空間線量率の等高線カラーマップ(空間分布図)を作成しリアルタイムで表示する。また、エリア内位置表示機能により、作業者の位置を同一画面上に重ね書き表示する。
【0041】
以上の説明では、携帯端末に空間線量率の等高線カラーマップ作成機能、表示機能、エリア内位置表示機能を搭載した場合について説明したが、据置型計算機を管理区域の所定の場所に予め設置し、この据置型計算機に空間線量率の等高線カラーマップ作成機能、表示機能、エリア内位置表示機能を搭載し、情報出力手段14に空間分布図を表示出力するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、放射線環境を可視化して安全な場所と危険な場所とを表示できるので、作業者の位置情報により危険度を提供することができる。従って、経験の浅い技術者や始めて入域するエリアもしくは入域頻度の少ないエリアでも被ばくの低減が実現できる。また、放射線サーベイの回数を減らすことができ、放射線管理員の作業負荷や被ばく線量を低減できる。さらには、放射線管理員に代わってリアルタイムで作業状況に応じたきめ細かい被ばく低減対策が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における原子炉格納容器内の空間分布図の説明図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図。
【符号の説明】
11…放射線測定手段、11A…表面線量率測定器、11B…γ核種放射線分析器、11C…雰囲気線量率測定器、12…通信手段、13…演算処理手段、14…情報出力手段、15…原子炉格納容器、16…原子炉炉心、17…生体遮蔽壁、18…配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所の管理区域に入域する放射線業務従事者に対して、管理区域内の放射線環境情報を提供する放射線環境情報提供装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所では、管理区域に入域する放射線業務従事者に対して、管理区域内の放射線環境情報は、放射線管理員のサーベイにより情報提供している。放射線作業エリア内の適宜の位置に複数の無線発信機を分散配置しておき、放射線業務従事者が携行する放射能測定器で放射線作業エリア内の放射線測定を行い、その放射線測定の度に複数の無線発信機からの信号を受け取り位置情報と共に放射線環境情報を得るようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−10234号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放射線業務従事者に対してリアルタイムで各エリア毎の放射線環境情報を提供するものではないので、自主的な被ばく低減活動を行うには経験に負うところになる。例えば、管理区域内で働く作業者は、同一作業を行う場合でも経験の浅い技術者は熟練技術者の約2倍程度の被ばく線量を受けており、また、熟練技術者であっても始めて入域するエリアや入域頻度の少ないエリアでは、被ばく線量が増加する傾向にある。
【0005】
一方では、放射線管理員は作業グループ毎にアサインされ、作業現場に随行して、作業開始前、作業実施中、作業終了後に、放射線サーベイや作業管理を実施しており、その作業負荷や被ばく線量は、管理区域入域者の中でも大きな割合を占めている。
【0006】
本発明の目的は、管理区域に入域する放射線業務従事者に対して、管理区域内の各エリア毎の放射線環境情報を判り易く伝え、自主的な被ばく低減活動を可能とした放射線環境情報提供装置および方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る放射線環境情報提供装置は、原子力発電所の各系統毎に配管の1点につき表面線量率を測定またはγスキャン測定する放射線測定手段を設け、演算処理手段は、放射線測定手段で測定された測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する。そして、その線量率の空間分布図を情報出力手段に更新出力し、放射線業務従業者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報を提供する。
【0008】
また、放射線測定手段は、原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率を測定し、演算処理手段は、放射線測定手段で測定された測定値および予め作成された線量率マトリックスから最小二乗最小ノルム解法を用いて各線源の線源強度を求め前記線量率マトリックスに乗じることで線量率の空間分布図を作成し情報出力手段に更新出力する。さらに、情報出力手段は、空間分布図上に放射線業務従業者の位置を表示し、視覚的に対比すべき場所情報を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図である。
【0010】
放射線測定手段11は、原子力発電所の各系統毎に配管の1点につき表面線量率を測定する表面線量率測定器11Aで構成される。表面線量率測定器11Aは、コリメータ付きの各種測定器、例えば、放射線サーベイメータ、多点式光ファイバーモニタ、可搬式エリア放射線モニタ、電子式個人線量計であり、それぞれ無線式または有線式の通信手段12を有している。電子式個人線量計は管理区域の作業エリアで作業を行う作業者が携帯する。また、放射線サーベイメータ、多点式光ファイバーモニタ、可搬式エリア放射線モニタ等は、管理区域の作業エリアに設置される可搬式モニタに設置される。
【0011】
表面線量率測定器11Aで測定された測定結果は通信手段12を用いて演算処理手段13に送信される。無線式の通信手段12としては、例えば、Blue Tooth,PHS,無線LAN等が用いられ、有線式の通信手段12としては、例えば、Ethernet(登録商標)(10,100BASE−T)、RS−232C,RS−422(GP−IB)、USB等が用いられる。
【0012】
演算処理手段13は、無線式または有線式の通信手段12を搭載しており、放射線測定手段11である表面線量率測定器11Aで測定された測定値を受信し、その測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め、予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する。演算処理手段13は、管理区域の作業エリアで作業を行う作業者が携帯する携帯型端末、または管理区域の作業エリアの近傍に設置される据置型計算機で構成され、携帯型端末としては、例えば、PDA,PC(Pen,Note,Wearable)等が用いられ、据置型としては、例えば、PC(Desktop)、EWS(Desktop)が用いられる。演算処理手段13で演算処理された演算処理結果は情報出力手段14に送信される。
【0013】
情報出力手段14は、演算処理手段13が携帯型端末で構成される場合にはその携帯型端末に搭載された出力装置であり、一方、演算処理手段13が据置型計算機で構成される場合には据置型計算機に搭載または接続された出力装置であり、例えば、CRT/LCDモニタ、大型表示装置、印刷装置等である。
【0014】
情報出力装置14は、演算処理手段13で作成された線量率の空間分布図を更新出力する。図2は原子炉格納容器15内の空間分布図(空間線量率の等高線カラーマップ等)の平面図である。原子炉炉心16は生体遮蔽壁17で遮蔽されており、格納容器15内には配管18等の機器が収納されている。放射線測定手段11は、例えば格納容器15内の径方向に4個、円周方向に16個設けられる。
【0015】
このように、線量率の空間分布図をリアルタイムで表示し、放射線管理員や放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供する。なお、演算処理手段13を構成する計算機とは別の箇所に情報出力手段14を設ける場合には、通信手段12を介して情報出力手段14に演算処理結果を送信することになる。
【0016】
次に、演算処理手段13での演算処理内容を説明する。まず、演算処理手段13では、受信した測定結果から下記(1)式から(4)式を使用して、配管表面線量率からの線源強度を推定計算する。
【0017】
Q=(Qs×S)/β …(1)
Q:放射能量(Bq)、Qs:配管付着放射能量(Bq/cm2)、S:配管の内表面積(cm2)、β:配管長さによる補正係数
Qs=(Ds/ds) …(2)
Ds:配管表面線量率の実測値(mSv/H)、ds:単位放射能量でもって計算した配管表面線量率(mSv/H)/(Bq/cm2)
[配管半径20cm未満の場合]
ds=exp[2.3026(a+b・logR)] …(3)
a、b:フィッテイング係数、R:配管の半径
[配管半径20cm以上の場合]
ds=exp[2.3026(a−b・logR)] …(4)
このようにして求めた線源強度と前回求めた線源強度との比、すなわち、系統毎の線源強度倍率に変換し、予め作成しておいた複数線源vs複数評価点の線量率マトリックスに線源強度倍率を乗じることで線量率マップ(空間線量率の等高線カラーマップ)を作成する。これにより、線量率の空間分布図をリアルタイムで情報出力手段14に出力する。
【0018】
第1の実施の形態によれば、原子力発電所の管理区域の線量率の空間分布図をリアルタイムで出力するので、放射線管理員および放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供できる。
【0019】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、放射線測定手段11として表面線量率測定器11Aに代えてγ核種放射線分析器11Bを設け、原子力発電所の各系統毎に配管の1点につきγスキャン測定するようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0020】
放射線測定手段11は、原子力発電所の各系統毎に配管の1点につきγスキャン測定するγ核種放射線分析器11Bで構成される。γ核種放射線分析器11Bは、例えば、可搬式核種分析装置、半導体検出器、シンチレーション検出器等であり、表面線量率測定器11Aと同様にそれぞれ無線式または有線式の通信手段12を有しており、管理区域の作業エリアに設置される可搬式モニタに設置される。γ核種放射線分析器11Bで測定された測定結果は通信手段12を用いて演算処理手段13に送信される。
【0021】
演算処理手段13は、第1の実施の形態と同様に、無線式または有線式の通信手段12を搭載しており、放射線測定手段11であるγ核種放射線分析器11Bで測定された測定値を受信し、その測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め、予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する。演算処理手段13で演算処理された演算処理結果は情報出力手段14に送信される。
【0022】
情報出力装置14は、演算処理手段13で作成された線量率の空間分布図を更新出力する。すなわち、線量率の空間分布図をリアルタイムで表示し、放射線管理員や放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供する。
【0023】
次に、演算処理手段13での演算処理内容を説明する。まず、演算処理手段13では、受信した測定結果から下記の(5)式、(6)式を用いて、γスキャンデータからの線源強度を推定計算する。すなわち、γ核種放射線分析器(Ge検出器)11Bによるγスキャンデータに基づいて線源強度Qを推定計算する。
【0024】
Q=Qs×S …(5)
S:配管の内表面積(cm2)、Qs:配管表面付近でのγスキャンデータから評価した配管付着放射能量(Bq/cm2)
Qs=Cnet×F …(6)
Cnet:核種毎のガンマ線ピークカウント値[NET値](cps)、F:核種毎の換算係数(Bq/cm2)/cps
このようにして求めた線源強度と前回求めた線源強度との比、すなわち、系統毎の線源強度倍率に変換し、予め作成しておいた複数線源vs複数評価点の線量率マトリックスに線源強度倍率を乗じることで線量率マップ(空間線量率の等高線カラーマップ)を作成する。これにより、線量率の空間分布図をリアルタイムで情報出力手段14に出力する。
【0025】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、原子力発電所の管理区域の線量率の空間分布図をリアルタイムで出力するので、放射線管理員および放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供できる。また、γ核種毎の線量率が得られるので細かい情報を提供できる。
【0026】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図4は本発明の第3の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、放射線測定手段11として表面線量率測定器11Aに代えて雰囲気線量率測定器11Cを設け、原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率を測定するようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0027】
放射線測定手段11は、原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率を測定する雰囲気線量率測定器11Cで構成される。雰囲気線量率測定器11Cは、例えば、放射線サーベイメータ、多点式光ファイバーモニタ、可搬式エリア放射線モニタ、電子式個人線量計であり、それぞれ無線式または有線式の通信手段12を有している。電子式個人線量計は管理区域の作業エリアで作業を行う作業者が携帯する。また、放射線サーベイメータ、多点式光ファイバーモニタ、可搬式エリア放射線モニタ等は、管理区域の作業エリアに設置される可搬式モニタに設置される。
【0028】
演算処理手段13は、第1の実施の形態と同様に、無線式または有線式の通信手段12を搭載しており、放射線測定手段11である雰囲気線量率測定器11Cで測定された測定値を受信し、その測定値および予め作成された線量率マトリックスから最小二乗最小ノルム解法を用いて各線源の線源強度を求め、線量率マトリックスに乗じることで線量率の空間分布図を作成する。演算処理手段13で演算処理された演算処理結果は情報出力手段14に送信される。
【0029】
情報出力装置14は、演算処理手段13で作成された線量率の空間分布図を更新出力する。すなわち、線量率の空間分布図をリアルタイムで表示し、放射線管理員や放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供する。
【0030】
次に、演算処理手段13での演算処理内容を説明する。まず、演算処理手段13では、受信した測定結果から下記の手法を用いて、雰囲気線量率からの線源強度を推定計算する。
【0031】
雰囲気線量率から線源強度への変換は、雰囲気線量率が各線源の寄与の1次結合により表わされることから求める。すなわち、雰囲気線量率は、(7)式にて表わされるとする。
【0032】
D1=d11・I1+d12・I2+…+d1n・In
D2=d21・I1+d22・I2+…+d2n・In
… … …
Dm=dm1・I1+dm2・I2+…+dmn・In …(7)
Di:評価点iにおける雰囲気線量率(mSv/h)、 dij:線源jに単位放射能量を与えたときの評価点iにおける雰囲気線量率(mSv/h)/(Bq/cm2)、Ij:線源jの放射能量(Bq/cm2)
(7)式より、各線源の線源強度Ij(j=1,…、n)は、雰囲気線量率Di(i=1,…,m)と各線源からの寄与dij(i=1,…,m;j=1,…、n)とが分かっていれば、連立方程式を解くことによって求めることができる。その場合、評価点の数は線源の数に等しくなければならない。
【0033】
実際には、モデル化した線源の数だけ雰囲気線量率(実測値)を得ることは困難な場合があり、もし仮に測定しようとすると測定者の被ばく線量は多大なものとなる。そこで、第3の実施の形態では、最小二乗法(最小二乗最小ノルム解)により線源強度を推定する。
【0034】
すなわち、線源jの放射能量Ijを推定計算で求め、求めた各線源の線源強度に線量率マトリックスを乗じることで線量率マップである空間分布図(空間線量率の等高線カラーマップ)を作成する。このようにして作成した空間分布図(線量率マップ)を携帯型の情報出力手段14または据置型の情報提供手段14により、放射線管理員および放射線業務従事者に対してリアルタイムで変化する放射線環境情報を提供する。
【0035】
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、原子力発電所の管理区域の線量率の空間分布図をリアルタイムで出力するので、放射線管理員および放射線業務従事者に対して、より少ない測定点からリアルタイムで変化する放射線環境情報(空間線量率の等高線カラーマップ等)を提供できる。
【0036】
ここで、空間分布図上に放射線業務従業者の位置を表示するようにしてもよい。
【0037】
すなわち、演算処理手段13に位置情報取得機能を付加して情報出力手段14に対して線量率マップ(空間分布図)上に放射線業務従事者の位置を表示する。これにより、視覚的に退避すべき場所情報が提供できると共に、その位置における被ばく率から計算した作業可能時間や積算線量等の放射線管理上重要な情報を提供できる。
【0038】
次に、本発明の放射線環境情報提供方法について説明する。まず、管理区域内の作業エリアに、Blue Tooth(商標)等の通信機能(通信手段12)やPositioning(位置測定)機能を搭載した複数台の可搬式モニタを設置する。この可搬式モニタには放射線測定手段11が搭載される。放射線測定手段11は、表面線量率測定器11A、γ核種放射線分析器11B、雰囲気線量率測定器11C等である。そして、 作業者には、Blue Tooth機能やPositioning機能を搭載した携帯端末および電子式個人線量計を持たせる。なお、携帯端末には、Blue Tooth機能やPositioning機能の他に空間線量率の等高線カラーマップ作成機能、表示機能、エリア内位置表示機能を搭載しておく。
【0039】
各々の可搬式モニタでは、放射線測定手段11にてプラント配管を各系統およびループ毎に1点ずつ表面線量率やγスキャンデータ、原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率、さらにはPositioning機能によりエリア内での位置を測定する。
【0040】
測定した上記データは、Blue Tooth機能によりエリア内の各作業者が持つ携帯端末へ送信される。携帯端末では、Blue Tooth機能により送信されてきたデータを受信し、空間線量率の等高線カラーマップ(空間分布図)を作成しリアルタイムで表示する。また、エリア内位置表示機能により、作業者の位置を同一画面上に重ね書き表示する。
【0041】
以上の説明では、携帯端末に空間線量率の等高線カラーマップ作成機能、表示機能、エリア内位置表示機能を搭載した場合について説明したが、据置型計算機を管理区域の所定の場所に予め設置し、この据置型計算機に空間線量率の等高線カラーマップ作成機能、表示機能、エリア内位置表示機能を搭載し、情報出力手段14に空間分布図を表示出力するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、放射線環境を可視化して安全な場所と危険な場所とを表示できるので、作業者の位置情報により危険度を提供することができる。従って、経験の浅い技術者や始めて入域するエリアもしくは入域頻度の少ないエリアでも被ばくの低減が実現できる。また、放射線サーベイの回数を減らすことができ、放射線管理員の作業負荷や被ばく線量を低減できる。さらには、放射線管理員に代わってリアルタイムで作業状況に応じたきめ細かい被ばく低減対策が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における原子炉格納容器内の空間分布図の説明図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る放射線環境情報提供装置のブロック構成図。
【符号の説明】
11…放射線測定手段、11A…表面線量率測定器、11B…γ核種放射線分析器、11C…雰囲気線量率測定器、12…通信手段、13…演算処理手段、14…情報出力手段、15…原子炉格納容器、16…原子炉炉心、17…生体遮蔽壁、18…配管
Claims (8)
- 原子力発電所の各系統毎に配管の1点につき表面線量率を測定する放射線測定手段と、前記放射線測定手段で測定された測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する演算処理手段と、前記演算処理手段で作成された線量率の空間分布図を更新出力する情報出力手段とを備えたことを特徴とする放射線環境情報提供装置。
- 原子力発電所の各系統毎に配管の1点につきγスキャン測定する放射線測定手段と、前記放射線測定手段で測定された測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成する演算処理手段と、前記演算処理手段で作成された線量率の空間分布図を更新出力する情報出力手段とを備えたことを特徴とする放射線環境情報提供装置。
- 原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率を測定する放射線測定手段と、前記放射線測定手段で測定された測定値および予め作成された線量率マトリックスから最小二乗最小ノルム解法を用いて各線源の線源強度を求め前記線量率マトリックスに乗じることで線量率の空間分布図を作成する演算処理手段と、前記演算処理手段で作成された線量率の空間分布図を更新出力する情報出力手段とを備えたことを特徴とする放射線環境情報提供装置。
- 前記情報出力手段は、前記空間分布図上に放射線業務従業者の位置を表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の放射線環境情報提供装置。
- 原子力発電所の各系統毎に配管の1点につき表面線量率を測定し、測定された測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め、予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成し、作成された線量率の空間分布図を更新出力することを特徴とする放射線環境情報提供方法。
- 原子力発電所の各系統毎に配管の1点につきγスキャン測定し、測定された測定値に基づいて各系統毎の線源強度倍率を求め、予め作成された線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成し、作成された線量率の空間分布図を更新出力することを特徴とする放射線環境情報提供方法。
- 原子力発電所の管理区域の作業エリアの線源数よりも少ない点数の評価点における雰囲気線量率を測定し、測定された測定値および予め作成された線量率マトリックスから最小二乗最小ノルム解法を用いて各線源の線源強度を求め、前記線量率マトリックスに乗じて線量率の空間分布図を作成し、作成された線量率の空間分布図を更新出力することを特徴とする放射線環境情報提供方法。
- 前記空間分布図上に放射線業務従業者の位置を表示することを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の放射線環境情報提供方法。
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