JP2004250819A

JP2004250819A - Textile structure

Info

Publication number: JP2004250819A
Application number: JP2003042305A
Authority: JP
Inventors: Hiroe Yokoi; 宏恵横井; Rumi Karasawa; 留美柄澤; Takaharu Okamoto; 敬治岡本
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 2003-02-20
Filing date: 2003-02-20
Publication date: 2004-09-09
Anticipated expiration: 2023-02-20
Also published as: JP4178991B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a textile structure having higher-level rough skin-proofness and durability through positively eliminating the causes of rough skin. <P>SOLUTION: This textile structure is such one that its surface is firmly imparted, via a phosphorylcholine group-containing binder, with a lipophilic moisturizer and an antioxidative skin-trimming agent so as to be ≤1,000 V in frictional breakdown voltage, ≤60 s in dripping water absorption time and ≥80% in the retention of the rough skin-proofness and the durability after laundering 20 times. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肌の抵抗力を低下させる要因である静電気を防止し、さらには低下した肌の抵抗力を回復することができる繊維構造物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、衣料素材、特に合成繊維衣料の改善策としてウォッシュアンドウェア性、各種機能性付与、さらにはそれの耐久性向上、物理特性の改良や風合い、触感、外観の改良などが主として行われていた。例えば、特開平２−３００３０１号公報に低温、低湿時の肌荒れを防止する目的で保湿剤をバインダーを用いて布帛に固着した衣料が提案されている。
【０００３】
【特許文献１】特開平２−３００３０１号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の技術では、スキンケアに関する提案は少なく、またあっても肌荒れ防止を目的としたもののみであり、その肌荒れが起こってしまう原因を積極的に排除するものではなかった。
【０００５】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、肌荒れが起こってしまう原因を積極的に排除し、さらに高いレベルでの肌荒れ防止性能と耐久性能とを有する繊維構造物を提供せんとするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用するものである。
【０００７】
すなわち、本発明の繊維構造物は、繊維表面に親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を固着させてなる。
【０００８】
さらに好ましくは、該繊維構造物の摩擦帯電圧が１０００Ｖ以下、滴下吸水時間が６０秒以下、下記式で表される角質水分変化量が１０以上であり、かつ、洗濯２０回後のこれら各性能の性能保持率が８０％以上である繊維構造物である。
【０００９】
角質水分変化量ΔＭ＝（Ｘ−Ｂ）／Ｂ×１００
（ただし、Ｘ：着用２４時間後の角質水分率、Ｂ：着用前の角質水分率を表す。）
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維構造物は、繊維表面に親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を固着させたものであるところに特徴を有する。
【００１１】
本発明で用いる親油性保湿剤とは、肌に近接して存在させることによって、乾燥などによって奪われやすくなった皮膚の角質水分率を低下させないものをいう。具体的には、スクワラン、ミリスチン酸アルキルエステル、ミツロウ、ラノリン、馬油およびパーセリン油から選ばれた少なくとも１種が好ましく使用される。この他にも、米抽出液、ラベンダーやオレンジなどの植物油、グリセリン、プロペトなどが知られており、これらを使用することも可能である。
【００１２】
また、本発明で用いる抗酸化性整肌剤とは、皮膚の酸化を防止する性能を持った肌を整える成分を言う。近年、環境汚染やストレスなど様々な原因によって、身体の中の活性酸素が過剰に発生し身体の健康を害することが言われているが、ＳＯＤ（スーパーオキサイドディスムターゼ）と呼ばれる抗酸化物質が、この身体で過剰となった活性酸素を取り除き、無毒化してくれる酵素として働くのである。皮膚も身体の一部であり皮膚表面でも同様の現象が起こっている。皮膚表面の皮脂や化粧品などに含まれる油分が、太陽光や外気、あるいはストレスなどによって酸化され、過酸化脂質と呼ばれる酸化物に変化し、たとえば、鉄表面が酸化によって鉄サビを発生するように、皮膚を傷つけダメージを与え、結果として肌荒れやシワなどの老化現象を起こすのである。ここで言う抗酸化性整肌剤とは、こうした肌荒れやシワなどの老化現象から皮膚の酸化を防止する性能を持った、肌を整える成分をいう。具体的には、各種アミノ酸、ビタミン類、ガンマオリザノール、フェルラ酸、オリゴメリックプロアンソシアニジンおよびカテキンから選ばれた少なくとも１種が好ましく使用される。この他にも、ポリフェノール、プロポリス、パンテノール、リコピン、セサミノール、チオタウリン、多糖類などが知られており、これらを使用することも可能である。
【００１３】
本発明では、親油性保湿剤と抗酸化性整肌剤を併用することに特徴を有する。これまでは、親油性保湿剤こそが肌荒れ防止効果に優れていると言われてきたが、前述したように、皮膚表面の皮脂や、肌荒れを防止するための親油性保湿剤自身が酸化するため、それだけでは十分な肌荒れ防止効果を発揮することは困難であった。すなわち、皮膚表面の皮脂だけでなく、肌荒れ防止のために使用する親油性保湿剤が酸化することを抑制するためには、抗酸化性整肌剤の併用が必須なのである。これにより、これまでにないより高いレベルでの肌荒れ防止効果が得られるのである。
【００１４】
本発明で用いる親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を繊維構造物に付与する方法としては、そのままの状態もしくはマイクロカプセル化した状態で、バインダーにより付着させることが好ましい。
【００１５】
マイクロカプセル化された該親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を用いると、さらに洗濯耐久性が向上し、また、該親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤が徐々にマイクロカプセル内からしみ出してきて、その効果を長期間発揮せしめるので、さらに好ましい。
【００１６】
該親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤をマイクロカプセル化する場合に用いるマイクロカプセル用素材としては、無機質、有機質の微多孔微粒子であって、たとえば、シリカ、活性炭などの微多孔無機微粒子、中空微多孔メラミン樹脂粒子、アクリル酸エステル系樹脂粒子、ポリ尿素系樹脂粒子などがあげられる。アクリル酸エステル系樹脂粒子、ポリ尿素系樹脂粒子は、該親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤をマイクロカプセル化しやすく、マイクロカプセルの素材自体が肌荒れを防止できる理由からより好ましい素材である。また、これらの微粒子の外径は、０．１μｍ以上１００μｍ以下であることが、バインダーによる繊維への保持性、すなわち、洗濯などによる脱落防止の面から好ましく、０．１μｍ以上４０μｍ以下であることがより好ましい。
【００１７】
バインダーとしては、アクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエーテルエステルブロックコポリマ、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂などを用いることができる。
【００１８】
シリコーン系樹脂は、洗濯耐久性および繊維構造物の柔軟性を向上させる上で好ましく、中でも、摂氏８０度以下の低温でも造膜性に優れたシリコーン系樹脂、たとえば、ヒドロキシオルガノポリシロキサンにアルコキシシランをカップリング剤として添加したものなどは特に好ましい。
【００１９】
本発明では、特に下記式１に示すホスホリルコリン基を含有させた樹脂からなるバインダーであることがさらに好ましい。ホスホリルコリン基とは、生体膜の構成成分であるリン脂質分子が主として持つ基であり、該バインダーがホスホリルコリン基を含有することによって、バインダーの皮膚表面への刺激をなくすことができ、より高いレベルでの肌荒れ防止性能を得ることができる。
【００２０】
【化２】

【００２１】

本発明において、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤の繊維構造物に対する付着量は、繊維構造物の全重量に対して０．０１重量％以上１０重量％以下であることが好ましい。かかる付着量が０．０１重量％未満であると十分な肌荒れ防止性能が得られにくい。また、繊維構造物の染色堅牢度を維持するために１０重量％以下であることが好ましい。
【００２２】
また、本発明の特徴である高いレベルの肌荒れ防止性能と耐久性を持ち、ソフトな風合いを保ち、肌への刺激を軽減するために、バインダーの繊維構造物に対する付着量は、繊維構造物の全重量に対して、０．５重量％から１０重量％、より好ましくは１重量％から８重量％の範囲で付着させるものである。すなわち、かかる付着量が０．５重量％未満であると、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤の保持が十分でなくなり、本発明の特徴である肌荒れ防止性能と耐久性を得られにくい。また、１０重量％を越えると、繊維構造物の風合いが硬くなり、着用時に肌への刺激が強くなる傾向がある。
【００２３】
次に本発明の繊維構造物を製造する方法を説明する。
【００２４】
まず、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を、そのままの状態およびマイクロカプセル化した状態のうち少なくともいずれかの状態で、必要に応じて界面活性剤を併用して、バインダー水分散液に混合分散させて処理液を調整する。繊維構造物を該処理液中に浸漬し、余分な液をマングルまたは遠心脱水機などの手段で除去した後、摂氏１８０度以下で乾燥するのが好ましく、より好ましくは摂氏５０度から摂氏８０度で乾燥し、必要に応じて常法により乾熱または湿熱セットを行うのが好ましい。
【００２５】
特に、マイクロカプセル化された親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を使用する際は、該マイクロカプセル化された親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を繊維構造物を構成する繊維表面に付着、接合させ、該繊維構造物を成す繊維間を目詰めすることなく、該繊維構造物が有する通気性をできるだけそのまま保持させておくのが、着用時のムレ防止の面から好ましい。
【００２６】
該処理液によって該繊維構造物に付着した親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤は、該バインダー樹脂被膜で覆われたものもあれば、付着部分のみに該バインダー樹脂が付着しているものもあり、いずれの状態でも本発明の効果は達成される。耐久性の面からは、バインダー薄膜で被覆されて付着している状態が好ましいが、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤の薬剤効果の面からは、該被膜を極めて薄くすることが好ましい。耐久性と薬剤効果の面から、被膜の厚さは０．０１μｍから１μｍの範囲が好ましい。マイクロカプセル化された親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を用いる場合は、被膜表面に露出するマイクロカプセル化された親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤をできるだけ多くするのが好ましく、１個／ｃｍ^２以上露出することが好ましい。
【００２７】
本発明の繊維構造物は、摩擦帯電圧が１０００Ｖ以下の性能を有することが好ましい。摩擦帯電圧が１０００Ｖを越えると、繊維構造物を使用している時の摩擦によって静電気が発生し、その静電気が皮膚表面の組織を傷つけ、肌の抵抗力を低下させる要因となるのである。さらに、乾燥した環境が静電気の発生を著しく増加させることが一般に知られているが、こうした乾燥した環境も角質の水分を奪い取る要因となっている。本発明においては、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤の使用に加えて、該繊維構造物の摩擦帯電圧が１０００Ｖ以下の性能を有することにより、肌の抵抗力を低下させる要因を排除し、より高いレベルの肌荒れ防止性能を得ることができる。
【００２８】
摩擦帯電圧を１０００Ｖ以下にする方法としては、公知の帯電防止剤を繊維に付与する方法、たとえば、イオン性高分子活性剤と反対イオンの活性剤で処理することにより、不活性化合物のコンプレックスを繊維表面に形成する方法や、親水性高分子モノマーと酸性、塩基性およびアミド系低分子モノマーの混合物を繊維に付与し、乾熱・湿熱・放射線・マイクロ波・紫外線等によって繊維表面にグラフト重合する方法等が知られているが、特に限定するものではない。
【００２９】
本発明の繊維構造物は、肌と接する面の滴下吸水時間が６０秒以下の性能を有することが必要である。滴下吸水時間が６０秒よりも長いと、発汗時の汗処理性が劣り、ベトツキ感を生じて着用快適性が劣るものとなる。滴下吸水時間は、好ましくは３０秒以下、さらに好ましくは１０秒以下である。
【００３０】
吸水性を得る手段としては、水溶性ポリアルキレングリコール、テレフタル酸、エチレングリコールなどのブロック共重合体を主成分とする樹脂を、繊維表面上に吸着あるいは付与する方法がある。処理方法としては、これらのエマルジョンを浴中にて処理する浴中吸尽法や、通常の水溶性重合開始剤して過硫酸カリや過硫酸アンモニウムを併用し、室熱、乾熱、パッドスチーム法などがある。
【００３１】
本発明の繊維構造物は、角質水分変化量が１０以上の性能を有することが好ましい。角質水分変化量は次の式によって求められる。
【００３２】
角質水分変化量ΔＭ＝（Ｘ−Ｂ）／Ｂ×１００
（ここで、Ｘは着用２４時間後の角質水分率、Ｂは着用前の角質水分率を表す。）
角質水分変化量が１０未満であれば、十分な肌荒れ防止性能は得られにくい。
【００３３】
本発明の繊維構造体の上記に示した各種性能は、後述する方法による繰り返し洗濯２０回後の性能保持率が８０％以上の耐久性を有することが実用面において重要である。
【００３４】
さらに、本発明の繊維構造物は、単糸繊度が１．１デシテックス以下のポリエステル系合成繊維を少なくとも１０重量％以上含むものであることが好ましい。これにより、ソフトな風合いが得られ、該繊維構造物が肌に接触したときの刺激が軽減されることによって、より高い肌荒れ防止性能を得ることができる。
【００３５】
本発明で用いられる繊維材料としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ポリエステルに第３成分を共重合したポリエステル系繊維、ナイロン６やナイロン６６などのポリアミド系繊維、ポリアミドに第３成分を共重合したポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリルを主成分とするアクリル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、セルロース系繊維、たんぱく質系繊維などが挙げられ、これらの混用繊維からなるものを用いることができる。
【００３６】
本発明における繊維構造物は上記繊維材料から構成され、形態としては、スパン糸やフィラメント等の糸条物、該糸条物よりなる織編物および不織布等繊維布帛などが挙げられる。また、衣服の中入れ綿、布団用中綿などに用いても良く、これらの繊維布帛は、混繊、混紡、混織、混編、交織、交編などを施した繊維布帛も含まれる。
【００３７】
これらの繊維構造物は、直接肌に触れる肌着、靴下、シャツ、ブラウスなどの衣料はもちろん、裏地、サポータ、タオル、ハンカチなどの衣料用副資材を始め、布団側地、シーツ類、毛布、布団用中綿などの建寝装用品に好ましく使用することができ、肌荒れを積極的に予防し、起こってしまった肌の抵抗力の低下を改善することができるものである。
【００３８】
さらに必要に応じて仕上げ加工剤、例えば、抗菌防臭加工剤などを添加してもよい。抗菌防臭加工剤としては、たとえば、キチン・キトサン、光触媒、ナノメーター銀、グリチルリチン酸、ウンデシレン酸モノグリセリド、ヒノキチオール、カテキンなどが挙げられる。これらを処理液中に混合させ同時に処理をしたり、または上記処理後これら仕上加工剤だけの処理液を作成し、繊維に含浸させ、乾熱処理によって付与することができる。
【００３９】
【実施例】
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【００４０】
なお、実施例中に記載した各種性能は以下の方法により評価した。
［洗濯］
自動反転渦巻き式電気洗濯機（東芝（株）製；ＶＨ−１１５０と同性能のもの）に、４５ｃｍ×４５ｃｍの試験布５００ｇと、摂氏４０±２度の０．２％弱アルカリ性合成洗剤（ＪＩＳＫ−３３７１弱アルカリ性・第１種）液２５リットルとを入れ、強条件で２５分間洗濯した。ついで、遠心脱水機で約３０秒間脱水後、常温水をオーバーフローさせながら１０分間すすぎを行った。その後、再度３０秒間脱水し、同条件で１０分間すすいだ。この方法を簡便法として、該処理１回を洗濯５回分とした。
【００４１】
各実施例においては、これを４回繰り返し洗濯２０回の試料とした。
［樹脂付着量］
樹脂付着量［％］＝［（Ａ−Ｂ）／Ｂ］×１００
ここで、Ａ：加工を施した後の繊維構造物全重量
Ｂ：加工を施していない繊維構造物全重量
ここで、繊維構造物全重量とは摂氏２０度×相対湿度６５％雰囲気下に２４時間放置したときの重量をいう。
［摩擦帯電圧］
摂氏２０度、相対湿度３０％の雰囲気中に生地を２４時間放置後、同条件下で綿布を摩擦布として、ロータリースタティックテスターを用いて１分間回転後の摩擦帯電圧（Ｖ）を測定した。
［滴下吸水時間］
ＪＩＳＬ１０９６「一般織物試験方法」に準じて行った。
【００４２】
約１５ｃｍ×１５ｃｍの試験片を３枚採取し、試験片を直径１０ｃｍ以上の刺繍枠あるいはビーカーに、余分な張力がかからないように表面を下にして固定した。そこに５ｃｍ上方から蒸留水を１滴ずつ滴下し、水滴を滴下した時から試験片上の水滴が特別な反射をしなくなった時までの時間を任意の３カ所で測定し、３枚の平均値で示し、滴下吸水時間とした。
［角質水分率］
角質水分率測定機（内外電機（株）製）を使用し、肘部およびふくらはぎ部について任意の５カ所ずつを測定し、それぞれの平均値を用いた。
［肌荒れの有無］
マイクロビデオスコープ（（株）ハイロックス製）により、約１００倍に皮膚表面を拡大し、その状態を観察することによって肌荒れの有無を判定した。
［風合い］
生地を掴んだときの感触を、非常に柔らかい、柔らかい、やや硬い、硬い、非常に硬いの５段階で評価した。
［着用試験］
３名のパネラーを使用し、着用試験を行った。
【００４３】
着用試験は、所定の試料をふくらはぎ部に２４時間連続着用（入浴による未着用時間を含む）し、着用直前と２４時間着用後のふくらはぎ部について、角質水分率の測定と肌荒れの有無を評価した。
【００４４】
さらに、家庭洗濯２０回を行った該試料を肘部に着用し、同様に２４時間連続着用前後の肘部の角質水分率の測定と肌荒れの有無を評価した。
【００４５】
着用試験の詳細は実施例中に記載する。また、表１において、家庭洗濯０回のサンプルの着用試験結果を「ＨＬ−０」の欄に、家庭洗濯２０回後の着用試験結果を「ＨＬ−２０」の欄に記した。
（実施例１）
親油性保湿剤であるスクワランと抗酸化性整肌剤であるガンマオリザノールを用い、繊維重量に対して次のような配合で加工剤を作成した。
【００４６】
スクワラン乳化分散剤（固形分２０％）：５重量％
ガンマオリザノール乳化分散剤（固形分２０％）：５重量％
ホスホリルコリン基含有シリコーンバインダー（ＢＹ２２−８２６：トーレ・シリコーン社製とＭＦ−３：日本油脂社製の混合バインダー）：２０重量％
帯電防止剤（水溶性ウレタン系）：２０重量％
吸水剤｛ポリアルキレングリコールブロック共重合体（ジメチルテレフタレート：エチレングリコール：ポリエチレングリコール＝５：４：７のブロック共重合体、分子量３０００）｝：７重量％
該加工剤を浴比１：２０のドラム染色機の中に入れ、ナイロン６加工糸とポリウレタン弾性糸からなるストッキングと加工剤をドラム染色機にて昇温摂氏２度／分で摂氏８０度まで加熱し、３０分間キープした後、ストッキングを取り出し水洗し、摂氏１２０度で１分間乾燥、セットした。この処理したストッキングにおける、スクワランおよびガンマオリザノールを含むバインダーの樹脂付着量は６．２重量％であった。
【００４７】
この親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたストッキングを右足に配し、通常のナイロン６加工糸からなるストッキングを左足に配して縫製し、右足のみに親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたパンティーストッキングを作成した。
【００４８】
このパンティーストッキングを１２月から２月の冬場に、２８歳、３９歳、４８歳の３名の女性パネラーにより着用試験を行った。着用試験は、２４時間連続着用（入浴による未着用時間を含む）し、着用直前と２４時間着用後のふくらはぎ部について、角質水分率の測定と肌荒れの有無を評価した。
【００４９】
さらに、家庭洗濯２０回を行った該パンティーストッキングの足部を筒状に切り取り、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたものを右肘に、通常のナイロン６加工糸からなるものを左肘に着用し、同様に２４時間連続着用前後の肘部の角質水分率の測定と肌荒れの有無を評価した。
【００５０】
結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたものは、通常のナイロン６加工糸からなるものに対し、肌荒れ防止性、制電性、吸水性、風合いに優れ、また、洗濯耐久性を有することが明かであった。
（実施例２）
親油性保湿剤であるスクワランと抗酸化性整肌剤であるフェルラ酸を重量比にして１：１に混合し、この混合液に粒径２μｍから６μｍの微多孔質シリカ粒子を含浸して、スクワランとフェルラ酸の混合物をマイクロカプセル化した。
【００５１】
このマイクロカプセル、アクリル酸エステル系バインダー（プライマールＨＡ−１６：日本ライヒホールド社製）、ホスホリルコリン基含有バインダー（ＭＦ−３）を重量比で１：１：１の割合に混合分散し、さらに帯電防止剤（水溶性ウレタン系）１０重量％と吸水剤｛ポリアルキレングリコールブロック共重合体（ジメチルテレフタレート：エチレングリコール：ポリエチレングリコール＝５：４：７のブロック共重合体、分子量３０００｝７重量％を加え１２０ｇ／リットルの水分散液を調整した。
【００５２】
この水分散液に、８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地を浸漬し、ピックアップ率８０％に設定したマングルで絞り、乾燥機で摂氏１２０度で３分乾燥、セットした。
【００５３】
この処理した肌着用編地における、スクワランおよびフェルラ酸を内包したマイクロカプセルを含むバインダーの樹脂付着量は７．４重量％、内マイクロカプセルは固形分にして３．６重量％であった。
【００５４】
この親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させた肌着用編地を右足に配し、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地を左足に配して、右足のみに親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたスパッツを作成した。
【００５５】
このスパッツを実施例１と同様の着用評価を行った。
【００５６】
結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたものは、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地からなるものに対し、肌荒れ防止性、制電性、吸水性、風合いに優れ、また、洗濯耐久性を有することが明かであった。
（実施例３）
実施例１において、親油性保湿剤としてミリスチン酸アルキルエステルを、抗酸化性整肌剤としてオリゴメリックプロアンソシアニジンを用いて同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理したストッキングにおける、ミリスチン酸アルキルエステルおよびオリゴメリックプロアンソシアニジンを含むバインダーの樹脂付着量は８．１重量％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたものは、通常のナイロン６加工糸からなるものに対し、肌荒れ防止性、制電性、吸水性、風合いに優れ、また、洗濯耐久性を有することが明かであった。
（実施例４）
実施例２において、親油性保湿剤としてミツロウを、抗酸化性整肌剤としてビタミンＣとＥを重量比にして１：１に混合したものを用いてマイクロカプセル化し、得られたマイクロカプセルを用いて同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理した肌着用編地における、ミツロウおよびビタミンＣとＥを内包したマイクロカプセルを含むバインダーの樹脂付着量は６．８％、内マイクロカプセルは固形分にして２．７％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたものは、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地からなるものに対し、肌荒れ防止性、制電性、吸水性、風合いに優れ、また、洗濯耐久性を有することが明かであった。
（実施例５）
実施例２において、親油性保湿剤としてラノリンを、抗酸化性整肌剤としてアミノ酸を用いてマイクロカプセル化し、得られたマイクロカプセルを用いて同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理した肌着用編地における、ラノリンおよびアミノ酸を内包したマイクロカプセルを含むバインダーの樹脂付着量は６．１％、内マイクロカプセルは固形分にして２．４％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたものは、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地からなるものに対し、肌荒れ防止性、制電性、吸水性、風合いに優れ、また、洗濯耐久性を有することが明かであった。
（実施例６）
実施例２において、親油性保湿剤として馬油を、抗酸化性整肌剤としてカテキンを用いてマイクロカプセル化し、得られたマイクロカプセルを用いて同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理した肌着用編地における、馬油およびカテキンを内包したマイクロカプセルを含むバインダーの樹脂付着量は８．２％、内マイクロカプセルは固形分にして３．１％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたものは、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地からなるものに対し、肌荒れ防止性、制電性、吸水性、風合いに優れ、また、洗濯耐久性を有することが明かであった。
（実施例７）
実施例１において、親油性保湿剤としてパーセリン油を、抗酸化性整肌剤としてガンマオリザノールを用いて同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理したストッキングにおける、パーセリン油およびガンマオリザノールを含むバインダーの樹脂付着量は６．１％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、親油性保湿剤および抗酸化性整肌剤を付着させたものは、通常のナイロン６加工糸からなるものに対し、肌荒れ防止性、制電性、吸水性、風合いに優れ、また、洗濯耐久性を有することが明かであった。
（比較例１）
実施例１において、親油性保湿剤としてスクワランのみを用い、抗酸化性整肌剤であるガンマオリザノールを除く以外は全て同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理したストッキングにおける、スクワランを含むバインダーの樹脂付着量は５．２％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、３０代、４０代のパネラーにおいて、親油性保湿剤のみを付着させたものは、通常のナイロン６加工糸からなるものに対し、角質水分変化量が１０に満たず、肌荒れ防止性が十分ではなかった。
（比較例２）
実施例２において、抗酸化性整肌剤であるフェルラ酸のみを用い、親油性保湿剤であるスクワランを除く以外は全て同様の処理を施してマイクロカプセル化し、得られたマイクロカプセルを用いて、さらに同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理した肌着用編地における、フェルラ酸を内包したマイクロカプセルを含むバインダーの樹脂付着量は５．６％、内マイクロカプセルは固形分にして２．４％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、抗酸化性整肌剤のみのマイクロカプセルを付着させたものは、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地からなるものに対し、角質水分変化量が１０に満たず、十分な肌荒れ防止性が得られなかった。
（比較例３）
実施例３において、親油性保湿剤としてミリスチン酸アルキルエステルのみを用い、抗酸化性整肌剤であるオリゴメリックプロアンソシアニジンを除く以外は全て同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理したストッキングにおける、ミリスチン酸アルキルエステルを含むバインダーの樹脂付着量は６．１％であった。その結果を表１に示す。表からわかるとおり、３０代、４０代のパネラーにおいて、親油性保湿剤のみを付着させたものは、通常のナイロン６加工糸からなるものに対し、角質水分変化量が１０に満たず、肌荒れ防止性が十分ではなかった。
（比較例４）
実施例４において、抗酸化性整肌剤であるビタミンＣとＥのみを用い、親油性保湿剤であるミツロウを除く以外は全て同様の処理を施してマイクロカプセル化し、得られたマイクロカプセルを用いて、さらに同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理した肌着用編地における、ビタミンＣとＥを内包したマイクロカプセルを含むバインダーの樹脂付着量は７．２％、内マイクロカプセルは固形分にして３．１％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、抗酸化性整肌剤のみのマイクロカプセルを付着させたものは、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地からなるものに対し、角質水分変化量が１０に満たず、十分な肌荒れ防止性が得られなかった。
（比較例５）
実施例５において、親油性保湿剤としてラノリンのみを用い、抗酸化性整肌剤であるアミノ酸を除く以外は全て同様の処理を施してマイクロカプセル化し、得られたマイクロカプセルを用いて、さらに同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理した肌着用編地における、ラノリンを内包したマイクロカプセルを含むバインダーの樹脂付着量は５．６％、内マイクロカプセルは固形分にして２．８％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、年代に関わらず、親油性保湿剤のみのマイクロカプセルを付着させたものは、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地からなるものに対し、角質水分変化量が１０に満たず、十分な肌荒れ防止性が得られなかった。
（比較例６）
実施例６において、親油性保湿剤として馬油のみを用い、抗酸化性整肌剤であるカテキンを除く以外は全て同様の処理を施してマイクロカプセル化し、得られたマイクロカプセルを用いて、さらに同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理した肌着用編地における、馬油を内包したマイクロカプセルを含むバインダーの樹脂付着量は５．２％、内マイクロカプセルは固形分にして３．０％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、３０代、４０代のパネラーにおいて、親油性保湿剤のみのマイクロカプセルを付着させたものは、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地からなるものに対し、角質水分変化量が１０に満たず、十分な肌荒れ防止性が得られなかった。
（比較例７）
実施例７において、親油性保湿剤であるパーセリン油のみを用い、抗酸化性整肌剤であるガンマオリザノールを除く以外は全て同様の処理を施して試料を作成し、同様の着用評価を行った。処理したストッキングにおける、パーセリン油を含むバインダーの樹脂付着量は５．１％であった。着用評価の結果を表１に示す。表からわかるとおり、３０代、４０代のパネラーにおいて、親油性保湿剤のみのマイクロカプセルを付着させたものは、通常の８３デシテックス、３６フィラメントのポリエステルウーリー加工糸からなる肌着用編地からなるものに対し、角質水分変化量が１０に満たず、十分な肌荒れ防止性が得られなかった。
【００５７】
【表１】

【００５８】
【発明の効果】
本発明によれば、制電性、吸水性を有すると共に、親油性保湿剤と抗酸化性整肌剤を併用することにより、肌の抵抗力を低下させる要因である静電気を防止し、さらには低下した肌の抵抗力を回復することができる高いレベルの肌荒れ防止性能を有する繊維構造物が得られる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a fiber structure capable of preventing static electricity, which is a factor of reducing skin resistance, and recovering the reduced skin resistance.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a measure for improving garment materials, especially synthetic fiber garments, wash and wear, imparting various functions, further improving their durability, improving physical properties, texture, touch, and appearance have been mainly performed. . For example, JP-A-2-300301 proposes a garment in which a humectant is fixed to a cloth using a binder for the purpose of preventing rough skin at low temperature and low humidity.
[0003]
[Patent Document 1] JP-A-2-300301
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in these conventional techniques, there are few proposals regarding skin care, and even if there is only one, the purpose is to prevent rough skin, and the cause of the rough skin has not been positively excluded.
[0005]
In view of the background of the related art, the present invention actively eliminates the cause of skin roughness, and aims to provide a fiber structure having a higher level of skin roughness prevention performance and durability performance. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention employs the following configuration in order to solve such a problem.
[0007]
That is, the fiber structure of the present invention has a lipophilic humectant and an antioxidant skin conditioner fixed to the fiber surface.
[0008]
More preferably, the fiber structure has a friction band voltage of 1000 V or less, a drop water absorption time of 60 seconds or less, a change in keratin moisture represented by the following formula of 10 or more, and each of these properties after 20 washes. Is a fiber structure having a performance retention of 80% or more.
[0009]
Horny water change ΔM = (X−B) / B × 100
(However, X: horny moisture content 24 hours after wearing, B: keratin moisture content before wearing.)
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The fiber structure of the present invention is characterized in that a lipophilic humectant and an antioxidant skin conditioner are fixed to the fiber surface.
[0011]
The lipophilic humectant used in the present invention refers to a lipophilic humectant that is present in the vicinity of the skin and does not lower the keratin moisture content of the skin which is easily deprived by drying or the like. Specifically, at least one selected from squalane, alkyl myristate, beeswax, lanolin, horse oil and parserin oil is preferably used. In addition, rice extract, vegetable oils such as lavender and orange, glycerin, and propet are known, and these can also be used.
[0012]
In addition, the antioxidant skin conditioner used in the present invention refers to a component that prepares the skin with the ability to prevent skin oxidation. In recent years, it has been said that various factors such as environmental pollution and stress cause excessive generation of active oxygen in the body and impair the health of the body. An antioxidant called SOD (superoxide dismutase) is It works as an enzyme that removes excess active oxygen in the body and detoxifies it. The skin is also a part of the body, and the same phenomenon occurs on the skin surface. Oils contained in sebum and cosmetics on the skin surface are oxidized by sunlight, outside air, or stress, and converted into oxides called lipid peroxides. It damages and damages the skin, resulting in aging phenomena such as rough skin and wrinkles. The term "antioxidant skin conditioner" as used herein refers to a component that prepares the skin and has the ability to prevent skin oxidization due to aging phenomena such as rough skin and wrinkles. Specifically, at least one selected from various amino acids, vitamins, gamma oryzanol, ferulic acid, oligomeric proanthocyanidin and catechin is preferably used. In addition, polyphenols, propolis, panthenol, lycopene, sesaminol, thiotaurine, polysaccharides, and the like are known, and these can also be used.
[0013]
The present invention is characterized in that a lipophilic moisturizer and an antioxidant skin conditioner are used in combination. Until now, it has been said that lipophilic moisturizers are excellent in preventing rough skin, but as mentioned above, the sebum on the skin surface and the lipophilic moisturizer itself to prevent rough skin are oxidized. However, it was difficult to achieve a sufficient skin roughness prevention effect by itself. That is, in order to suppress oxidation of not only the sebum on the skin surface but also the lipophilic humectant used for preventing rough skin, it is essential to use an antioxidant skin conditioner in combination. As a result, an effect of preventing skin roughness at a higher level than ever before can be obtained.
[0014]
As a method of applying the lipophilic moisturizing agent and the antioxidant skin conditioner used in the present invention to the fibrous structure, it is preferable to attach the fibrous structure as it is or in a microencapsulated state with a binder.
[0015]
The use of the microencapsulated lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner further improves the washing durability, and the lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner are gradually removed from within the microcapsules. It is more preferable because it exudes and exerts its effect for a long period of time.
[0016]
Examples of the material for microcapsules used in microencapsulating the lipophilic moisturizer and the antioxidant skin conditioner include inorganic and organic microporous fine particles, such as silica and microporous inorganic fine particles such as activated carbon. Examples include hollow microporous melamine resin particles, acrylate resin particles, and polyurea resin particles. Acrylic ester-based resin particles and polyurea-based resin particles are more preferable materials because the lipophilic moisturizing agent and the antioxidant skin conditioner are easily microencapsulated, and the material of the microcapsules themselves can prevent rough skin. In addition, the outer diameter of these fine particles is preferably 0.1 μm or more and 100 μm or less from the viewpoint of the retention of the fibers by the binder, that is, from the viewpoint of preventing falling off due to washing or the like. Is more preferred.
[0017]
As the binder, an acrylate resin, a polyurethane resin, a melamine resin, a polyetherester block copolymer, a polyamide resin, a silicone resin, or the like can be used.
[0018]
Silicone resins are preferred in terms of improving washing durability and flexibility of the fiber structure. Among them, silicone resins having excellent film forming properties even at a low temperature of 80 ° C. or less, for example, hydroxyorganopolysiloxane and alkoxysilane And the like added as a coupling agent are particularly preferred.
[0019]
In the present invention, a binder made of a resin containing a phosphorylcholine group represented by the following formula 1 is particularly preferable. The phosphorylcholine group is a group mainly contained in a phospholipid molecule which is a constituent of a biological membrane, and since the binder contains a phosphorylcholine group, irritation to the skin surface of the binder can be eliminated, and at a higher level. The surface roughness prevention performance can be obtained.
[0020]
Embedded image

[0021]

In the present invention, the adhesion amount of the lipophilic moisturizing agent and the antioxidant skin conditioner to the fiber structure is preferably 0.01% by weight or more and 10% by weight or less based on the total weight of the fiber structure. If the amount of adhesion is less than 0.01% by weight, it is difficult to obtain sufficient skin roughness prevention performance. Further, in order to maintain the color fastness of the fiber structure, the content is preferably 10% by weight or less.
[0022]
In addition, in order to have a high level of skin roughness prevention performance and durability that are features of the present invention, maintain a soft texture, and reduce irritation to the skin, the amount of the binder attached to the fiber structure is determined by the amount of the fiber structure. It is deposited in the range of 0.5% to 10% by weight, more preferably 1% to 8% by weight, based on the total weight. That is, if the amount of adhesion is less than 0.5% by weight, the lipophilic moisturizing agent and the antioxidant skin conditioner will not be sufficiently retained, and it will be difficult to obtain the skin roughness preventing performance and durability, which are the features of the present invention. . On the other hand, if it exceeds 10% by weight, the texture of the fibrous structure becomes hard, and the skin irritates when worn.
[0023]
Next, a method for producing the fiber structure of the present invention will be described.
[0024]
First, a lipophilic moisturizing agent and an antioxidant skin conditioner, in at least one of a state as it is and a microencapsulated state, together with a surfactant, if necessary, are added to a binder aqueous dispersion. The treatment liquid is prepared by mixing and dispersing. It is preferable that the fiber structure is immersed in the treatment liquid, excess liquid is removed by means of a mangle or a centrifugal dehydrator, and then dried at 180 degrees Celsius or less, more preferably 50 degrees Celsius to 80 degrees Celsius. It is preferable to carry out dry heat or wet heat setting by a conventional method as necessary.
[0025]
In particular, when using the microencapsulated lipophilic moisturizer and the antioxidant skin conditioner, the microencapsulated lipophilic moisturizer and the antioxidant skin conditioner are applied to the fiber surface constituting the fiber structure. It is preferable to keep the air permeability of the fibrous structure as much as possible without adhering and bonding to the fibers and clogging the fibers constituting the fibrous structure from the viewpoint of preventing stuffiness when worn.
[0026]
The lipophilic moisturizing agent and the antioxidant skin conditioner adhered to the fiber structure by the treatment liquid include those covered with the binder resin film and those having the binder resin adhered only to the adhered portion. In any state, the effect of the present invention is achieved. From the viewpoint of durability, it is preferable that the film is coated with and adhered to the binder thin film, but from the viewpoint of the chemical effect of the lipophilic moisturizer and the antioxidant skin conditioner, it is preferable that the film be extremely thin. . From the viewpoint of durability and chemical effect, the thickness of the coating is preferably in the range of 0.01 μm to 1 μm. When using a microencapsulated lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner, it is preferable to increase as much as possible the microencapsulated lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner exposed on the film surface, 1 piece / cm ² It is preferable to expose the above.
[0027]
The fiber structure of the present invention preferably has a performance with a frictional band voltage of 1000 V or less. If the friction band voltage exceeds 1000 V, static electricity is generated due to friction when using the fibrous structure, and the static electricity damages the tissue on the skin surface and becomes a factor of reducing skin resistance. Furthermore, it is generally known that a dry environment significantly increases the generation of static electricity, but such a dry environment is also a factor of depriving horny water. In the present invention, in addition to the use of a lipophilic moisturizing agent and an antioxidant skin conditioner, the fact that the frictional voltage of the fibrous structure has a performance of 1000 V or less eliminates a factor that reduces skin resistance. Thus, a higher level of skin roughness prevention performance can be obtained.
[0028]
As a method of reducing the friction band voltage to 1000 V or less, a method of applying a known antistatic agent to the fiber, for example, by treating with an ionic polymer activator and an activator of the opposite ion, the complex of the inactive compound A method of forming on the fiber surface or applying a mixture of a hydrophilic polymer monomer and an acidic, basic or amide type low molecular monomer to the fiber, and graft-polymerizing the fiber surface by dry heat, wet heat, radiation, microwave, ultraviolet light, etc. Although a method for performing the method is known, the method is not particularly limited.
[0029]
The fibrous structure of the present invention needs to have a performance of a drop water absorption time of 60 seconds or less on a surface in contact with the skin. If the dripping water absorption time is longer than 60 seconds, the sweat-treating property at the time of perspiration is inferior, and a sticky feeling is generated, resulting in inferior wearing comfort. The drop water absorption time is preferably 30 seconds or less, more preferably 10 seconds or less.
[0030]
As a means for obtaining water absorption, there is a method of adsorbing or imparting a resin mainly containing a block copolymer such as water-soluble polyalkylene glycol, terephthalic acid, and ethylene glycol onto the fiber surface. As a treatment method, a bath exhaustion method in which these emulsions are treated in a bath, or a combination of potassium persulfate or ammonium persulfate as a normal water-soluble polymerization initiator, room heat, dry heat, pad steam method and so on.
[0031]
The fibrous structure of the present invention preferably has a performance with a change in keratin water of 10 or more. The amount of change in keratin water is obtained by the following equation.
[0032]
Horny water change ΔM = (X−B) / B × 100
(Here, X represents the horny moisture content 24 hours after wearing, and B represents the horny moisture content before wearing.)
If the amount of change in keratin moisture is less than 10, it is difficult to obtain sufficient skin roughness prevention performance.
[0033]
With respect to the various performances of the fiber structure of the present invention described above, it is important in practical terms that the performance retention after repeated washing 20 times by the method described later has a durability of 80% or more.
[0034]
Further, the fiber structure of the present invention preferably contains at least 10% by weight or more of polyester-based synthetic fibers having a single yarn fineness of 1.1 decitex or less. As a result, a soft texture is obtained, and irritation when the fiber structure comes into contact with the skin is reduced, so that higher skin roughness prevention performance can be obtained.
[0035]
Examples of the fiber material used in the present invention include polyester fibers such as polyethylene terephthalate, polytrimethylene terephthalate and polybutylene terephthalate, polyester fibers obtained by copolymerizing a third component with polyester, and polyamide fibers such as nylon 6 and nylon 66. And polyamide fibers obtained by copolymerizing a third component with polyamide, acrylic fibers containing polyacrylonitrile as a main component, polyolefin fibers such as polyethylene and polypropylene, polyvinyl chloride fibers, cellulosic fibers, and protein fibers. It is possible to use a mixture of these fibers.
[0036]
The fiber structure in the present invention is composed of the above-mentioned fiber material, and examples of the form include a yarn such as spun yarn or filament, and a woven or knitted fabric or a nonwoven fabric such as a nonwoven fabric. Further, it may be used as a cotton pad for clothing, a cotton pad for a futon, and the like, and these fiber cloths include fiber cloths subjected to mixed fiber, mixed spinning, mixed weaving, mixed knitting, cross weaving, cross knitting and the like.
[0037]
These textile structures include clothing such as underwear, socks, shirts, and blouses that directly touch the skin, as well as secondary materials for clothing such as lining, supporters, towels, handkerchiefs, futon side fabrics, sheets, blankets, and futons. It can be preferably used for built-up bedding products such as batting, and can positively prevent rough skin, and can improve a decrease in the resistance of the skin that has occurred.
[0038]
Further, if necessary, a finishing agent, for example, an antibacterial and deodorant agent may be added. Examples of the antibacterial deodorant include chitin / chitosan, photocatalyst, nanometer silver, glycyrrhizic acid, undecylenic acid monoglyceride, hinokitiol, catechin and the like. These can be mixed in a treatment liquid and treated at the same time, or after the treatment, a treatment liquid containing only these finishing agents can be prepared, impregnated into fibers, and applied by dry heat treatment.
[0039]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples.
[0040]
The various performances described in the examples were evaluated by the following methods.
[Washing]
A self-reversing spiral electric washing machine (manufactured by Toshiba Corporation; having the same performance as VH-1150), 500 g of 45 cm × 45 cm test cloth and a 0.2% weak alkaline synthetic detergent at 40 ± 2 degrees Celsius (JIS) 25 liters of K-3371 weakly alkaline type 1) solution was added, and washed for 25 minutes under strong conditions. Then, after dehydration for about 30 seconds by a centrifugal dehydrator, rinsing was performed for 10 minutes while overflowing room temperature water. Thereafter, the sample was again dehydrated for 30 seconds and rinsed for 10 minutes under the same conditions. Using this method as a simple method, one treatment was defined as five washings.
[0041]
In each of the examples, this was repeated four times to obtain a sample of 20 washes.
[Resin adhesion amount]
Resin adhesion amount [%] = [(AB) / B] × 100
Here, A: the total weight of the fiber structure after processing
B: Total weight of unprocessed fiber structure
Here, the total weight of the fibrous structure means the weight when left in an atmosphere of 20 degrees Celsius × relative humidity of 65% for 24 hours.
[Friction band voltage]
After leaving the fabric in an atmosphere of 20 degrees Celsius and a relative humidity of 30% for 24 hours, a friction static voltage (V) was measured after rotating for 1 minute using a rotary static tester with a cotton cloth as a friction cloth under the same conditions.
[Drip water absorption time]
The test was performed in accordance with JIS L 1096 "General textile test method".
[0042]
Three test pieces of about 15 cm × 15 cm were collected, and the test pieces were fixed on an embroidery frame or beaker having a diameter of 10 cm or more so that the surface was turned down so as not to apply extra tension. Distilled water was dropped one by one from 5 cm above, and the time from when the water droplet was dropped until the water droplet on the test piece did not reflect any more was measured at any three places, and the average value of the three pieces was measured. And the drop water absorption time.
[Keratin moisture content]
Using a keratin moisture content meter (manufactured by Uchigai Denki Co., Ltd.), five arbitrary points were measured for the elbow and the calf, and the average value of each was used.
[Skin roughness]
The skin surface was magnified about 100 times with a micro video scope (manufactured by Hilox Corporation), and the condition was observed to determine the presence or absence of rough skin.
[Texture]
The feeling when grasping the fabric was evaluated on a five-point scale of very soft, soft, slightly hard, hard, and very hard.
[Wearing test]
A wearing test was performed using three panelists.
[0043]
In the wearing test, the predetermined sample was continuously worn on the calf portion for 24 hours (including the time of non-wearing after bathing), and the calf portion immediately before wearing and after wearing for 24 hours was measured for moisture content of keratin and evaluated for the presence or absence of rough skin. .
[0044]
Further, the sample which had been washed 20 times at home was worn on the elbow, and the measurement of the moisture content of the horny layer of the elbow before and after continuous wearing for 24 hours and the evaluation of the presence or absence of rough skin were similarly performed.
[0045]
Details of the wearing test are described in the examples. In Table 1, the results of the wear test of the sample at home washing 0 times are shown in the column of "HL-0", and the results of the wear test after 20 times of home washing are shown in the column of "HL-20".
(Example 1)
Using squalane as a lipophilic moisturizer and gamma oryzanol as an antioxidant skin conditioner, a processing agent was prepared with the following composition based on the fiber weight.
[0046]
Squalane emulsifying dispersant (solid content 20%): 5% by weight
Gamma oryzanol emulsifying dispersant (solid content 20%): 5% by weight
Phosphorylcholine group-containing silicone binder (BY22-826: mixed binder manufactured by Toray Silicone Co., Ltd. and MF-3: manufactured by NOF Corporation): 20% by weight
Antistatic agent (water-soluble urethane): 20% by weight
Water-absorbing agent {polyalkylene glycol block copolymer (dimethyl terephthalate: ethylene glycol: polyethylene glycol = 5: 4: 7 block copolymer, molecular weight 3000)}: 7% by weight
The processing agent is put into a drum dyeing machine having a bath ratio of 1:20, and the stocking made of nylon 6 processing yarn and polyurethane elastic yarn and the processing agent are heated at a temperature of 2 degrees Celsius / minute to 80 degrees Celsius by the drum dyeing machine. After heating and keeping for 30 minutes, the stockings were taken out, washed with water, dried at 120 degrees Celsius for 1 minute, and set. In this treated stocking, the resin adhesion amount of the binder containing squalane and gamma oryzanol was 6.2% by weight.
[0047]
The stockings to which the lipophilic moisturizer and the antioxidant skin conditioner are attached are arranged on the right foot, and the stockings made of ordinary nylon 6 processed yarn are arranged on the left foot and sewn. A pantyhose with an oxidative skin conditioner was prepared.
[0048]
Wearing tests were conducted on the pantyhose in winter from December to February by three female panelists, 28, 39, and 48 years old. The wearing test was carried out continuously for 24 hours (including non-wearing time due to bathing), and the calf moisture immediately before and after wearing for 24 hours was measured for keratin moisture content and the presence or absence of rough skin was evaluated.
[0049]
Further, the leg of the pantyhose that has been washed 20 times at home is cut into a cylindrical shape, and a lipophilic moisturizing agent and an antioxidant skin conditioner are attached to the right elbow, and a normal nylon 6 processed yarn is used. The garment was worn on the left elbow, and the horny moisture content of the elbow before and after continuous wearing for 24 hours was similarly measured, and the presence or absence of rough skin was evaluated.
[0050]
Table 1 shows the results. As can be seen from the table, irrespective of the age, those with the lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner adhered to those made of normal nylon 6 processed yarn, compared with those made of normal nylon 6 processed yarn, anti-skinning, antistatic, water-absorbing properties It was clear that the paper had excellent texture and washing durability.
(Example 2)
Squalane, which is a lipophilic moisturizer, and ferulic acid, which is an antioxidant skin conditioner, are mixed at a weight ratio of 1: 1. This mixture is impregnated with microporous silica particles having a particle size of 2 μm to 6 μm, The mixture of squalane and ferulic acid was microencapsulated.
[0051]
The microcapsules, an acrylate-based binder (Primal HA-16: manufactured by Nippon Reichhold) and a phosphorylcholine group-containing binder (MF-3) are mixed and dispersed at a weight ratio of 1: 1: 1, and further charged. 10% by weight of an inhibitor (water-soluble urethane type) and a water-absorbing agent ｛polyalkylene glycol block copolymer (dimethyl terephthalate: ethylene glycol: polyethylene glycol = 5: 4: 7 block copolymer, molecular weight 3000｝ 7% by weight) In addition, a 120 g / liter aqueous dispersion was prepared.
[0052]
An underwear knitted fabric made of a polyester wooly-processed yarn of 83 decitex and 36 filaments was immersed in the aqueous dispersion, squeezed with a mangle set at a pickup rate of 80%, dried with a dryer at 120 degrees Celsius for 3 minutes, and set. .
[0053]
In the treated underwear knitted fabric, the binder containing the microcapsules containing squalane and ferulic acid had a resin adhesion amount of 7.4% by weight, and the inner microcapsules had a solid content of 3.6% by weight.
[0054]
The underwear knitted fabric to which the lipophilic moisturizing agent and the antioxidant skin conditioner are attached is arranged on the right foot, and the underwear knitted fabric made of normal 83 decitex, 36-filament polyester wooly yarn is arranged on the left foot. Then, spats were prepared in which a lipophilic moisturizer and an antioxidant skin conditioner were attached only to the right foot.
[0055]
This spats was evaluated for wearing in the same manner as in Example 1.
[0056]
Table 1 shows the results. As can be seen from the table, regardless of age, the one with the lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner attached was made of a knitted fabric for underwear composed of normal 83 decitex, 36 filament polyester wooly processed yarn. On the other hand, it was clear that it had excellent anti-roughness, antistatic properties, water absorption, and texture, and also had washing durability.
(Example 3)
In Example 1, a sample was prepared by applying the same treatment using an alkyl myristate as a lipophilic moisturizer and an oligomeric proanthocyanidin as an antioxidant skin conditioner, and the same wearing evaluation was performed. In the treated stockings, the resin adhesion amount of the binder containing the alkyl myristic acid ester and the oligomeric proanthocyanidin was 8.1% by weight. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, irrespective of the age, those with the lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner adhered to those made of normal nylon 6 processed yarn, compared with those made of normal nylon 6 processed yarn, anti-skinning, antistatic, water-absorbing properties It was clear that the paper had excellent texture and washing durability.
(Example 4)
In Example 2, beeswax was used as a lipophilic moisturizer and vitamin C and E were mixed as antioxidant skin conditioners in a weight ratio of 1: 1 to form microcapsules, and the obtained microcapsules were used. A sample was prepared by performing the same treatment as above, and the same wearing evaluation was performed. In the treated underwear knitted fabric, the amount of resin adhering to the binder containing beeswax and microcapsules containing vitamins C and E was 6.8%, and the inner microcapsules were 2.7% in solid content. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, regardless of age, the one with the lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner attached was made of a knitted fabric for underwear composed of normal 83 decitex, 36 filament polyester wooly processed yarn. On the other hand, it was clear that it had excellent anti-roughness, antistatic properties, water absorption, and texture, and also had washing durability.
(Example 5)
In Example 2, lanolin as a lipophilic moisturizer was microencapsulated using an amino acid as an antioxidant skin conditioner, and a similar treatment was performed using the obtained microcapsules to prepare a sample, which was worn in the same manner. An evaluation was performed. In the treated underwear knitted fabric, the resin adhering amount of the binder containing microcapsules containing lanolin and amino acids was 6.1%, and the inner microcapsules were 2.4% in solid content. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, regardless of age, the one with the lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner attached was made of a knitted fabric for underwear composed of normal 83 decitex, 36 filament polyester wooly processed yarn. On the other hand, it was clear that it had excellent anti-roughness, antistatic properties, water absorption, and texture, and also had washing durability.
(Example 6)
In Example 2, horse oil as a lipophilic moisturizer was microencapsulated using catechin as an antioxidant skin conditioner, and a similar process was performed using the obtained microcapsules to prepare a sample. Wear evaluation was performed. In the treated underwear knitted fabric, the resin adhering amount of the binder containing the microcapsules containing horse oil and catechin was 8.2%, and the inner microcapsules were 3.1% in solid content. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, regardless of the age, the lipophilic moisturizer and the antioxidant skin conditioner attached to the underwear knitted fabric consisting of a normal 83 dtex, 36 filament polyester wooly processed yarn. On the other hand, it was clear that it had excellent anti-roughness, antistatic properties, water absorption, and texture, and also had washing durability.
(Example 7)
In Example 1, a sample was prepared by performing the same treatment using perserin oil as a lipophilic moisturizer and gamma oryzanol as an antioxidant skin conditioner, and the same wearing evaluation was performed. In the treated stockings, the binder containing parserin oil and gamma oryzanol had a resin coverage of 6.1%. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, irrespective of the age, those with the lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner adhered to those made of normal nylon 6 processed yarn, compared with those made of normal nylon 6 processed yarn, anti-skinning, antistatic, water-absorbing properties It was clear that the paper had excellent texture and washing durability.
(Comparative Example 1)
A sample was prepared in the same manner as in Example 1 except that only squalane was used as the lipophilic moisturizer, and gamma oryzanol, which is an antioxidant skin conditioner, was used. In the treated stockings, the amount of resin adhering to the binder containing squalane was 5.2%. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, among panelists in their thirties and forties, those with only a lipophilic moisturizer had less than 10 changes in keratin moisture compared to those made of normal nylon 6 processed yarn, preventing skin roughness. Sex was not enough.
(Comparative Example 2)
In Example 2, using only ferulic acid which is an antioxidant skin conditioner, except that squalane which is a lipophilic moisturizer, all were subjected to the same treatment to form microcapsules, and using the obtained microcapsules, Further, the same treatment was performed to prepare a sample, and the same wearing evaluation was performed. In the treated underwear knitted fabric, the amount of the resin adhering to the binder containing the microcapsules containing ferulic acid was 5.6%, and the solid content of the inner microcapsules was 2.4%. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, regardless of age, those with microcapsules containing only antioxidant skin conditioner were compared to those made of knitted fabric for underwear consisting of ordinary 83 decitex, 36-filament polyester wooly-processed yarn. In addition, the change in keratin water content was less than 10, and sufficient skin roughness preventing properties could not be obtained.
(Comparative Example 3)
In Example 3, a sample was prepared by applying the same treatment except that only myristic acid alkyl ester was used as a lipophilic moisturizer and except for oligomeric proanthocyanidin which is an antioxidant skin conditioner, and a similar wear was performed. An evaluation was performed. The resin adhesion amount of the binder containing the alkyl myristate in the treated stocking was 6.1%. Table 1 shows the results. As can be seen from the table, among panelists in their thirties and forties, those with only a lipophilic moisturizer had less than 10 changes in keratin moisture compared to those made of normal nylon 6 processed yarn, preventing skin roughness. Sex was not enough.
(Comparative Example 4)
In Example 4, microcapsules were obtained by performing the same treatment except that only vitamins C and E, which are antioxidant skin conditioners, and beeswax, which was a lipophilic moisturizer, were used. Then, the same treatment was further performed to prepare a sample, and the same wearing evaluation was performed. In the treated underwear knitted fabric, the amount of the resin adhering to the binder containing the microcapsules containing vitamins C and E was 7.2%, and the solid content of the inner microcapsules was 3.1%. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, regardless of age, those with microcapsules containing only antioxidant skin conditioner were compared to those made of knitted fabric for underwear consisting of ordinary 83 decitex, 36-filament polyester wooly-processed yarn. In addition, the change in keratin water content was less than 10, and sufficient skin roughness preventing properties could not be obtained.
(Comparative Example 5)
In Example 5, only lanolin was used as the lipophilic moisturizer, and the same treatment was performed except that the amino acid that was an antioxidant skin conditioner was used, and microencapsulation was performed. , A sample was prepared, and the same wearing evaluation was performed. In the treated underwear knitted fabric, the resin adhering amount of the binder containing the microcapsules containing lanolin was 5.6%, and the internal microcapsules were 2.8% in solid content. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, regardless of the age, the microcapsules with only the lipophilic moisturizer were attached, whereas the knitted underwear consisting of a normal 83 decitex, 36-filament polyester wooly-processed yarn was keratinized. The amount of water change was less than 10, and sufficient skin roughness preventing properties could not be obtained.
(Comparative Example 6)
In Example 6, only horse oil was used as a lipophilic moisturizer, and the same treatment was performed except that catechin, which is an antioxidant skin conditioner, was microencapsulated. A sample was prepared by performing the same processing, and the same wearing evaluation was performed. The resin adhering amount of the binder containing the microcapsules containing horse oil in the treated underwear knitted fabric was 5.2%, and the solid content of the inner microcapsules was 3.0%. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, among the panelists in their thirties and forties, those with microcapsules made of only a lipophilic moisturizer are made of an underwear knitted fabric made of normal 83 decitex, 36-filament polyester wooly-processed yarn. On the other hand, the amount of change in keratin moisture was less than 10, and sufficient skin roughness preventing properties could not be obtained.
(Comparative Example 7)
In Example 7, a sample was prepared by performing the same treatment except that only the lipophilic moisturizer parserine oil was used and gamma oryzanol was used as the antioxidant skin conditioner, and the same wearing evaluation was performed. . In the treated stockings, the amount of resin adhering to the binder containing parserine oil was 5.1%. Table 1 shows the results of the wearing evaluation. As can be seen from the table, among the panelists in their thirties and forties, those with microcapsules made of only a lipophilic moisturizer are made of an underwear knitted fabric made of normal 83 decitex, 36-filament polyester wooly-processed yarn. On the other hand, the amount of change in keratin moisture was less than 10, and sufficient skin roughness preventing properties could not be obtained.
[0057]
[Table 1]

[0058]
【The invention's effect】
According to the present invention, antistatic, having water absorbency, by using a lipophilic moisturizer and antioxidant skin conditioner together, to prevent static electricity, which is a factor that reduces the resistance of the skin, A fibrous structure having a high level of skin roughness prevention performance capable of restoring reduced skin resistance is obtained.

Claims

A fibrous structure comprising a lipophilic moisturizer and an antioxidant skin conditioner fixed to the fiber surface.

The fiber structure according to claim 1, wherein the frictional charge voltage of the fiber structure is 1,000 V or less.

The fibrous structure according to claim 1 or 2, wherein the drop water absorption time is 60 seconds or less.

The fibrous structure according to claim 2 or 3, wherein a retention rate of the friction withstand voltage after 20 times of washing is 80% or more.

The fibrous structure according to claim 3 or 4, wherein a performance retention rate of the drop water absorption time after washing 20 times is 80% or more.

The fiber structure according to any one of claims 1 to 5, wherein the lipophilic humectant is at least one selected from squalane, alkyl myristate, beeswax, lanolin, horse oil and parserin oil.

The fiber structure according to any one of claims 1 to 6, wherein the antioxidant skin conditioner is at least one selected from various amino acids, vitamins, gamma oryzanol, ferulic acid, oligomeric proanthocyanidin, and catechin. object.

The fiber structure according to any one of claims 1 to 7, wherein the lipophilic humectant and the antioxidant skin conditioner are fixed to a fiber surface with a binder.

The fiber structure according to claim 8, wherein the binder comprises a resin containing a phosphorylcholine group represented by the following formula 1.

The fiber structure according to any one of claims 1 to 9, wherein the fiber structure contains at least 1% by weight of a polyester-based synthetic fiber having a single-fiber fineness of 1.1 decitex or less.