JP2004250764A

JP2004250764A - Method of producing composite roll for rolling, and the roll

Info

Publication number: JP2004250764A
Application number: JP2003044195A
Authority: JP
Inventors: Shunji Matsumoto; 俊二松本; Masatsugu Uchida; 真継内田; Nozomi Oda; 望小田; Kiyosumi Tokikawa; 清澄時川
Original assignee: Hitachi Metals Ltd
Current assignee: Proterial Ltd
Priority date: 2003-02-21
Filing date: 2003-02-21
Publication date: 2004-09-09
Anticipated expiration: 2023-02-21
Also published as: JP4140027B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method of more easily producing a composite roll in which suitable roll surface compressive residual stress is secured, and further, sufficient wear resistance can be obtained under optimum heat treatment conditions, and to provide the roll. <P>SOLUTION: In the method of producing a composite roll for rolling in which the external layer is formed by a continuous tinker-padding method, after the production of the roll, the whole of the roll is heated so that each temperature of the external layer and core material reaches an austenitizing temperature or higher, and thereafter, the surface of the roll is quenched at a cooling rate of 500 to 3,000°C/H by mist cooling. The roll has external layer surface hardness of ≥80 by Shore hardness and a surface compressive residual stress of 200 to 500 MPa, and the range within at least 100 mm to the core material side from the boundary between the external layer and core material has tensile strength of 850 to 1,050 MPa and Shore hardness of 40 to 47. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼の圧延用複合ロールの製造方法およびロールに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
熱間圧延用ワークロールとして、従来から遠心鋳造法製の圧延用複合ロールが使用されてきた。近年、圧延効率の向上、合理化の観点から圧延用複合ロールの外層の高合金化が進んでいる。しかしながら、遠心鋳造法では偏析等の不具合により添加する合金量に限度がある。そのため、より高合金成分の添加が可能である連続鋳掛け肉盛法によりハイス系合金の外層を形成した複合ワークロールの研究開発が進んできた。
【０００３】
例えば特許文献１には、複合ロールの外層部が、重量％で、Ｃ：１．５〜２．４％、Ｖ：３〜６％、Ｃｒ、ＭｏおよびＷの３元素を総和で１０〜２２％含有し、必要により接種材としてＡｌ：０．０５〜０．２０％またはＴｉ：０．０２〜０．１０％の１種または２種の元素を含有し、この外層部の組織が３０〜１５０μｍの結晶粒径を有し、かつその粒界に晶出したＭ_６Ｃ型の共晶炭化物で囲まれるとともに粒内にＭＣ型の初晶炭化物を有する金属組織からなることを特徴とする連続鋳掛け肉盛法による熱間圧延用複合ロールおよびその製造方法が開示されている。
【０００４】
特許文献２には、重量比でＣ：１．５〜３．５％、Ｓｉ：０．３〜３．０％、Ｍｎ：０．３〜１．５％、Ｃｒ：２〜７％、Ｍｏ：９％以下、Ｗ：２０％以下、Ｖ：３〜１５％、さらにＮｉ：５％以下、Ｃｏ：５％以下、Ｎｂ：５％以下のいずれか１種または２種以上を含有する鉄基合金の外層が鋼製の軸に鋳造肉盛され、この外層の表面硬さがショア硬さ７０以上、軸の引張強さ及び伸びがそれぞれ５５ｋｇ／ｍｍ^２以上及び１．０％以上であり、外層と軸との接合部の接合強さが外層及び軸の弱い方の強さと同等以上であることを特徴とする耐摩耗複合ロール及びその製造方法が開示されている。
【０００５】
特許文献３には、連続鋳掛け肉盛法にて外層を形成してなる熱間圧延用複合ロールの製造方法において、外層の成分は重量％で、Ｃ：１．０〜３．０％、Ｓｉ：０．３〜２．０％Ｍｎ：０．３〜２．０％、Ｃｒ：３．０〜１０．０％、Ｍｏ：３．０〜１５％、Ｖ：１．０〜１０．０％、さらにＷ：０．１〜１０％、Ｎｉ：０．１〜５％、Ｃｏ：０．１〜１０％、Ｎｂ：０．５〜１０％のいずれか１種または２種以上を含有し、残部がＦｅおよび不可避元素からなり、肉盛後、低周波誘導加熱にて漸進誘導加熱・焼入れの後、焼戻しを行い、かつ芯材の境界近傍を焼入れ時に変態膨張させることを特徴とする熱間圧延用複合ロールの製造方法が開示されている。また、この方法によって、得られたロールは外層表面硬さがショア硬さで８０以上で、かつ表面圧縮残留応力が５００ＭＰａ以下であることが開示されている。
【０００６】
【特許文献１】
特公平７−７８２６７号公報
【特許文献２】
特公平７−９０５２号公報
【特許文献３】
特開２００１−４９３４５号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のロールは主に熱延仕上げスタンドに用いられているが、特に仕上げスタンド後段においては絞りと呼ばれる圧延板が二重に噛み込む圧延事故が頻発する。その際、ロールの外層表面の圧縮残留応力が大きいと、ロール表面に発生したクラックの伝播速度が速くなり、クラックが容易に境界近くまで進展し、外層が剥離するスポールにつながることが多い。
【０００８】
このため表面圧縮残留応力を制御するために、焼戻し温度を高くする、あるいは焼戻し回数を多くする等、熱処理条件の調整が図られてきた。しかし、この方法では表面圧縮残留応力は低減されるものの、硬さも低くなるため耐摩耗性が劣化するという問題があった。
【０００９】
そこで、この問題に対し特許文献３のような低周波誘導加熱による漸進加熱・焼入れ後、焼戻しすることが提案された。しかしながら、この方法は低周波誘導加熱装置を必要とし、製造コストの面で不利である。そこで、本発明者等は、特許文献３ではロール全体を加熱後、噴水冷却（ミスト冷却）あるいは衝風冷却することではなし得なかった最適な熱処理条件を見出すことを検討した。したがって、本発明は、適切なロール表面圧縮残留応力を確保するとともに、十分な耐摩耗性の得られるより簡便な複合ロールの製造方法およびロールを提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
連続鋳掛け肉盛法にて芯材の外周に外層を形成してなる圧延用複合ロールの製造方法において、外層の成分が重量比で、
Ｃ：１．０〜３．５％、Ｓｉ：０．３〜２．０％、
Ｍｎ：０．３〜２．０％、Ｎｉ：３．０％以下、
Ｃｒ：２．０〜１０．０％、Ｍｏ：９．０％以下、
Ｖ：１．０〜１０．０％、Ｗ：１０．０％以下
を含有し残部がＦｅおよび不可避元素からなり、ロール製造後に外層と芯材との境界近傍の芯材がそのオーステナイト化温度以上になるように、ロール全体を加熱後、ミスト冷却によりロール表面を５００〜３０００℃／Ｈの冷却速度で焼入れを行うことを特徴とする。
【００１１】
また、連続鋳掛け肉盛法にて芯材の外周に外層を形成してなる圧延用複合ロールにおいて、外層の成分が重量比で、
Ｃ：１．０〜３．５％、Ｓｉ：０．３〜２．０％、
Ｍｎ：０．３〜２．０％、Ｎｉ：３．０％以下、
Ｃｒ：２．０〜１０．０％、Ｍｏ：９．０％以下、
Ｖ：１．０〜１０．０％、Ｗ：１０．０％以下
を含有し残部がＦｅおよび不可避元素からなり、外層の表面硬さがショア硬さで８０以上、外層の表面圧縮残留応力が２００〜５００ＭＰａであり、外層と芯材との境界から芯材側へ少なくとも１００ｍｍ以内の範囲で、芯材の引張り強度が８５０〜１０５０ＭＰａ、芯材のショア硬さが４０〜４７であることを特徴とする。また、前記ロールにおいて、外層と芯材との境界から芯材側へ少なくとも１００ｍｍ以内の範囲で金属組織が、ベイナイト及び／またはマルテンサイトを主体とすることを特徴とする。
【００１２】
【作用】
本発明の圧延用複合ロールは、ロール製造後に外層および外層と芯材との境界近傍の芯材がそのオーステナイト化温度以上になるようにロール全体を加熱後、ミスト冷却によりロール表面を５００〜３０００℃／Ｈの冷却速度で焼入れを行うことにより、外層の表面硬さがショア硬さで８０以上となり（より好ましくは８８以上）、十分な耐摩耗性が得られる。また、外層の表面圧縮残留応力が２００〜５００ＭＰａとなりクラックよる外層の剥離を十分に防止できる。より好ましくは、ロール表面を１０００〜３０００℃／Ｈの冷却速度で焼入れを行う。また、外層と芯材との境界から芯材側へ少なくとも１００ｍｍ以内の範囲で芯材の引張り強度が８５０〜１０５０ＭＰａ、芯材のショア硬さが４０〜４７となり、耐事故性、耐摩耗性を格段に向上させることができる。より好ましくは、外層と芯材との境界から芯材側へ少なくとも５０ｍｍ以上の範囲で前記特性を満足することが望ましい。この構成により、特に熱間圧延用ロールの仕上げ用ロールとして全てのスタンドで有効に用いることができる。
【００１３】
本発明における外層の各成分元素の含有範囲（重量％）の限定理由について説明する。
【００１４】
Ｃ：１．０〜３．５％
Ｃは、耐摩耗性向上のための炭化物の形成と、基地への固溶による焼入れ・焼戻し時の基地硬さの向上に必要である。Ｃは、耐摩耗性を付与すべきＭＣ、Ｍ_４Ｃ_３、Ｍ_２Ｃ、Ｍ_６Ｃ、Ｍ_７Ｃ_３などの炭化物を生成する。Ｃが１．０％未満では炭化物の生成量が不足して耐摩耗性に劣る。Ｃが３．５％を超えると、耐摩耗性は良好であるが、耐クラック性が低下する。
【００１５】
Ｓｉ：０．３〜２．０％
Ｓｉの含有量は０．３〜２．０％が好ましい。Ｓｉは、脱酸剤として作用し、またＭ_６Ｃ炭化物中に固溶してＷ、Ｍｏなどの元素を置換して含有されるため、Ｗ、Ｍｏなどの高価な元素の節減を図るために有効である。Ｓｉが０．３％未満では脱酸効果が不足して鋳造欠陥を生じやすい。また、２．０％を超えると脆化が生じやすい。
【００１６】
Ｍｎ：０．３〜２．０％
Ｍｎの含有量は０．３〜２．０％が好ましい。Ｍｎは、Ｓｉと同様に脱酸作用がある。また、不純物であるＳをＭｎＳとして固定する作用がある。Ｍｎが０．３％未満では脱酸性に乏しい。また、２．０％を超えると残留オーステナイトが生じやすくなり、安定して十分な硬さを維持できない。
【００１７】
Ｎｉ：３．０％以下
Ｎｉは焼入性を向上させ高硬度化させる効果を有する。しかし、３．０％を超えると残留オーステナイトが過剰となりかえって高硬度が得られなくなるためその上限を３．０％とした。より好ましいＮｉ含有量は２％以下である。さらに０．２〜０．８％であることが好ましい。
【００１８】
Ｃｒ：２．０〜１０．０％
Ｃｒは、焼入れ性を向上させ、硬さを高くする。Ｃｒが２．０％未満ではその効果が小さい。また、１０．０％を超えると、常温での残留オーステナイトが多くなるので、焼戻し回数が多くなり不経済となる。さらに、Ｃｒは比較的硬さの低いＭ_７Ｃ_３やＭ_２３Ｃ_６炭化物を形成し、多量の添加はこれらの炭化物が過剰となり耐摩耗性が劣化する。より好ましいＣｒ含有量は、４．０〜７．０％である。
【００１９】
Ｍｏ：９．０％以下
Ｍｏは、焼入れ性の向上と基地の高温硬さを得るために必要である。基地組織中に固溶して焼入れ性の向上をもたらす。また、Ｃと結合して硬質のＭ_２Ｃ、Ｍ_６Ｃ炭化物を生成する。９．０％を超えると、ＣとＶとＭｏのバランスにおいてＭ_２Ｃ、Ｍ_６Ｃ炭化物が多く晶出しすぎ、耐クラック性が低下する。
【００２０】
Ｖ：１．０〜１０．０％
Ｖは、耐摩耗性の向上に最も寄与する硬質な炭化物であるＭＣ、Ｍ_４Ｃ_３を形成する。Ｖが１．０％未満では炭化物の生成が少なく耐摩耗性が劣化する。Ｖが１０．０％を超えると、本発明のＣ含有量とのバランスにより、初晶としてＭＣ、Ｍ_４Ｃ_３炭化物が晶出する。ＭＣ、Ｍ_４Ｃ_３が初晶で晶出すれば凝固中に凝集し、圧延用ロールとして使用した場合、硬質炭化物であるＭＣ、Ｍ_４Ｃ_３の凝集偏析が被圧延材に転写されるので好ましくない。
【００２１】
Ｗ：１０．０％以下
Ｗは、Ｍｏと同様に焼入れ性の向上と基地の高温硬さを得るために必要である。基地の焼入れ性を上げ、Ｃと結合して硬質のＭ_２Ｃ、Ｍ_６Ｃ炭化物を生成する。Ｗの下限は０％である。また、１０．０％を超えると、Ｍ_６Ｃ炭化物が増加して耐クラック性及び耐肌荒れ性の点で好ましくない。
【００２２】
本発明の外層の鉄基合金は上記元素の他にＣｏ、Ｎｂを単独で又は複合して含有することができる。Ｃｏは焼戻し軟化抵抗と二次硬化の点で有用な元素であり、５．０％以下が好ましい。ＮｂはＶと同様にＭＣ系炭化物を形成し耐摩耗性向上の作用を有するが、５．０％を超えると酸化が激しくなり大気中での溶解が困難となるので５．０％以下が好ましい。
【００２３】
【発明の実施の形態】
本発明の複合ロールの芯材は鋼製であり、鋳鋼又は鍛鋼のいずれでもよい。その引張強さは外層と芯材との境界から芯材側へ少なくとも１００ｍｍ以内の範囲で８５０ＭＰａ以上、伸びは１．０％以上である必要がある。これは圧延ロールとして用いた場合に、大きな圧下力がかかるとともに、圧延中のたわみを補正するために芯材の両端部にかける曲げ力に対して耐えられる必要があるためである。
【００２４】
図１に本発明の圧延用複合ロールの製造方法を実施するのに使用し得る連続鋳掛け肉盛装置の一例を示す。本装置はテーパ部および平行部の周壁を有するロート状の耐火枠１と、その下に同軸的に設置された冷却型４とからなる組合せモールド１０を有する。
【００２５】
耐火枠１には、この外周を包囲するように環状の誘導加熱用コイル２が配置されており、また、その下部に同軸的に耐火枠１の下部と同径の内孔を有する環状の緩衝型３が設けられている。またその下方の冷却型４は緩衝型３とほぼ同じ内径を有し、かつ同軸的である。冷却型４の入口１４から冷却水が連続的に型内に導入され、出口１４´から排出される。
【００２６】
以上の構成の組合せモールド１０の内側にロールの芯材５をセットする。芯材５の下端又は必要に応じて下端から適宜離れた位置に注入外層の外径とほぼ同径の外径を有する閉止部材（図示せず）を固定し、さらにその下部は芯材５の昇降機構（図示せず）に取付ける。芯材５と耐火枠１との間の空間に溶湯７を注入し、溶湯表面は溶融フラックス６で空気に触れないようにシールする。そして溶湯７が凝固しないように加熱コイル２で加熱撹拌する。
【００２７】
溶湯７は図中の矢印Ａで示す方向に流動し撹拌運動を起こす。つぎに芯材５に固定された閉止部材を芯材とともに逐次降下させる。芯材５及び閉止部材の降下と連動して溶湯７も降下し、緩衝型３および冷却型４面で溶湯７の凝固が始まる。この凝固のとき芯材５と外層８は完全に金属的に接合される。湯だまりの溶湯７の表面も芯材５及び閉止部材の降下に併せて低下してくるが、新しい溶湯７を適宜注入して液面をある水準に保持する。そして、降下と注入を順次くり返して溶湯を下方から逐次凝固させて外層８の形成を行う。このようにしてこの後、本発明の焼入れ方法を施す。
【００２８】
本発明の実施例について以下に説明する。
表１に示す成分の外層を連続鋳掛け肉盛法により、ＳＣＭ４４０からなる芯材に肉盛りして、ロール外径がφ７５０ｍｍの、本発明例及び比較例のロールを製造した。境界径、外層厚さ、肉盛り長さはそれぞれφ６００ｍｍ、７５ｍｍ、３０００ｍｍである。箱型の雰囲気炉あるいは大気炉を使用して、ロール全体がオーステナイト化するように、すなわち、外層と芯材との境界近傍の芯材がそのオーステナイト化温度以上になるようにロール全体を１０４０〜１１００℃に加熱した。その後、本発明例ロールは、ミスト冷却により１５００℃／Ｈの冷却速度で焼入れした後、４５０〜５５０℃で焼戻しを３回行った。また、冷却速度を従来通り行ったものを比較例とした。比較例ロールは、ミスト冷却によりロール表面を４００℃／Ｈの冷却速度で焼き入れした後、同様に４５０〜５５０℃で焼戻しを３回行った。
【００２９】
表１にこれらの熱処理を施したロールの外層の表面ショア硬さと、外層の表面圧縮残留応力を測定した結果を示す。また、表２に外層と芯材との境界から芯材側方向に離れた位置における芯材の引張り強度（ＭＰａ）を示す。
【００３０】
【表１】

【００３１】
【表２】

【００３２】
表１より、外層成分が同一であっても、本発明例は冷却速度を５００℃／Ｈ以上にすることによりショア硬さが８４となり、比較例よりも耐摩耗性に優れる。また、外層の表面圧縮残留応力は３２５ＭＰａとなり、比較例よりも圧縮残留応力を低く抑えることができ、耐事故性に優れることがわかった。また、表２より本発明例は、外層と芯材との境界から芯材側へ２０ｍｍ離れた範囲内で、芯材の引張り強度が９８３ＭＰａ、境界から芯材側へ１５５ｍｍ離れた範囲内での引張り強度が９０１ＭＰａといずれも８５０ＭＰａ以上を満足することができ、外層と芯材との境界から破壊するのを防止できる。
【００３３】
図２にロール表面からの深さとショア硬さとの関係を示す。本発明例では、芯材の硬さは外層と芯材との境界から芯材側に１００ｍｍの位置（図２でロール表面からの深さ１７５ｍｍの位置）までショア硬さ４０以上を維持することができた。また、ロールを破壊調査した結果、外層と芯材との境界から芯材側へ約１５５ｍｍ離れた位置（（図２でロール表面からの深さ２３０ｍｍの位置）まではベイナイトおよびマルテンサイトの組織となっていた。また、境界から芯材側へ約１５５ｍｍ以上離れた位置（図２でロール表面からの深さ２３０ｍｍの位置）ではパーライトの組織となっていた。
【００３４】
図２に示す比較例では、芯材の硬さは外層と芯材との境界近傍からショア硬さ４０を下回った。また、境界から芯材側は全てパーライトの組織となっていた。
【００３５】
外層と芯材との境界から芯材側へ少なくとも１００ｍｍ以内の範囲でベイナイト変態またはマルテンサイト変態を起こさせるためには、その部位をオーステナイト化温度以上に加熱する必要がある。その後、ロール表面を本発明の冷却速度で焼入れを行うことにより、その芯材の部分が変態膨張する。芯材の変態膨張により、外層の変態膨張によって境界に発生する引張応力が緩和されるため、表面側の圧縮応力から芯材側の引張り応力に変わる部分の応力の変動が緩やかになり、それによって外層の剥離を抑制することができる。
【００３６】
図３にロール中心からの距離とロール半径との比に対する残留応力の関係のグラフを示す。図３において、σｔはロール円周方向の残留応力（ＭＰａ）、σｒはロール半径方向の残留応力（ＭＰａ）を表す。特に境界付近のσｔに着目すると、本発明例では境界近傍の応力の変化は緩やかである。また、比較例では、境界近傍の応力の変化は本発明例に比べ傾斜が急である。すなわち、前述のように、本発明例では境界近傍の応力変化が緩やかであるため、境界からの剥離、スポール等の事故に対してより安全となる傾向を示している。
【００３７】
また、本発明例の連続鋳掛け肉盛法製複合ロールを実際の熱間圧延の仕上げスタンドに供したところ、従来の連続鋳掛け肉盛法製複合ロールより、圧延操業に起因する絞り事故等の耐事故性に優れることがわかった。
【００３８】
【発明の効果】
本発明の圧延用複合ロールは、従来に比べ外層の表面残留応力が低く、外層の剥離を抑制でき、耐事故性に優れ、特に熱間圧延用の仕上げ用ロールとして有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の製造方法を実施するのに使用し得る連続鋳掛け肉盛装置の一例を示す図である。
【図２】ロール表面からの深さとショア硬さとの関係を示す図である。
【図３】ロール中心からの距離と半径との比に対する残留応力の関係を示す図である。
【符号の説明】
１耐火枠、２誘導加熱用コイル、３緩衝型、４冷却型、
５ロール芯材、６フラックス、７溶湯、８外層、
１０組合せモールド、１４冷却水入口、１４´ 冷却水出口[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method and a roll for producing a composite roll for rolling steel.
[0002]
[Prior art]
As a work roll for hot rolling, a composite roll for rolling made by a centrifugal casting method has been conventionally used. In recent years, the outer layer of the composite roll for rolling has been highly alloyed from the viewpoint of improving and streamlining the rolling efficiency. However, in the centrifugal casting method, the amount of alloy to be added is limited due to problems such as segregation. Therefore, research and development of a composite work roll in which the outer layer of a high-speed alloy is formed by a continuous casting overlay method, which allows the addition of a higher alloy component, has been advanced.
[0003]
For example, in Patent Literature 1, the outer layer portion of the composite roll has a C: 1.5 to 2.4%, V: 3 to 6%, and a total of 10 to 22 elements of three elements, Cr, Mo and W, by weight. %, And if necessary, as an inoculant, one or two elements of Al: 0.05 to 0.20% or Ti: 0.02 to 0.10%. A continuity characterized by having a crystal grain size of 150 μm and being surrounded by M ₆ C-type eutectic carbide crystallized at the grain boundaries and having MC-type primary crystal carbide in the grains A composite roll for hot rolling by a casting overlay method and a method for producing the same are disclosed.
[0004]
Patent Document 2 discloses that, by weight ratio, C: 1.5 to 3.5%, Si: 0.3 to 3.0%, Mn: 0.3 to 1.5%, Cr: 2 to 7%, Mo : 9% or less, W: 20% or less, V: 3 to 15%, Ni: 5% or less, Co: 5% or less, Nb: 5% or less of iron base containing one or more of them The outer layer of the alloy is cast and built up on a steel shaft, the surface hardness of the outer layer is 70 or more Shore hardness, the tensile strength and elongation of the shaft are 55 kg / mm ² or more and 1.0% or more, respectively. A wear-resistant composite roll and a method for producing the same are characterized in that the joining strength of the joint between the outer layer and the shaft is equal to or greater than the strength of the weaker one of the outer layer and the shaft.
[0005]
Patent Literature 3 discloses a method for manufacturing a composite roll for hot rolling in which an outer layer is formed by a continuous casting overlaying method. In the method, the components of the outer layer are expressed in weight%, C: 1.0 to 3.0%, Si : 0.3 to 2.0% Mn: 0.3 to 2.0%, Cr: 3.0 to 10.0%, Mo: 3.0 to 15%, V: 1.0 to 10.0% And further contains any one or more of W: 0.1 to 10%, Ni: 0.1 to 5%, Co: 0.1 to 10%, and Nb: 0.5 to 10%, The balance consists of Fe and unavoidable elements. After the cladding, after progressive induction heating and quenching by low-frequency induction heating, tempering is performed, and the vicinity of the core material boundary is transformed and expanded during quenching. A method for manufacturing a composite roll for rolling is disclosed. It is also disclosed that the roll obtained by this method has an outer layer surface hardness of 80 or more in Shore hardness and a surface compressive residual stress of 500 MPa or less.
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 7-78267 [Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 7-9052 [Patent Document 3]
JP 2001-49345 A
[Problems to be solved by the invention]
The above-mentioned conventional rolls are mainly used for a hot-rolling finishing stand. In particular, in the latter stage of the finishing stand, rolling accidents in which a rolled plate called a squeeze is double bitten frequently occur. At that time, if the compressive residual stress on the surface of the outer layer of the roll is large, the propagation speed of cracks generated on the surface of the roll is increased, and the crack easily spreads to the vicinity of the boundary, often leading to a spall where the outer layer peels off.
[0008]
For this reason, in order to control the surface compressive residual stress, adjustment of heat treatment conditions such as increasing the tempering temperature or increasing the number of times of tempering has been attempted. However, in this method, although the surface compressive residual stress is reduced, there is a problem that the hardness is reduced and the wear resistance is deteriorated.
[0009]
In order to solve this problem, it has been proposed to temper after progressive heating and quenching by low-frequency induction heating as disclosed in Patent Document 3. However, this method requires a low-frequency induction heating device, and is disadvantageous in terms of manufacturing cost. Therefore, the present inventors have studied to find optimal heat treatment conditions that could not be achieved by fountain cooling (mist cooling) or blast cooling after heating the entire roll in Patent Document 3. Accordingly, an object of the present invention is to provide a simpler method for manufacturing a composite roll and a roll which can ensure adequate roll surface compressive residual stress and provide sufficient wear resistance.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In a method of manufacturing a composite roll for rolling, in which an outer layer is formed on the outer periphery of a core material by a continuous casting overlay method, the components of the outer layer are in a weight ratio,
C: 1.0 to 3.5%, Si: 0.3 to 2.0%,
Mn: 0.3 to 2.0%, Ni: 3.0% or less,
Cr: 2.0 to 10.0%, Mo: 9.0% or less,
V: 1.0 to 10.0%, W: 10.0% or less, the balance being Fe and unavoidable elements, and the core material near the boundary between the outer layer and the core material after the roll production is at or above its austenitizing temperature. After heating the entire roll, the roll surface is quenched at a cooling rate of 500 to 3000 ° C./H by mist cooling.
[0011]
Further, in the composite roll for rolling formed by forming the outer layer on the outer periphery of the core material by continuous casting overlaying, the components of the outer layer in weight ratio,
C: 1.0 to 3.5%, Si: 0.3 to 2.0%,
Mn: 0.3 to 2.0%, Ni: 3.0% or less,
Cr: 2.0 to 10.0%, Mo: 9.0% or less,
V: 1.0 to 10.0%, W: 10.0% or less, the balance being Fe and unavoidable elements, the outer layer having a surface hardness of 80 or more in Shore hardness, and the outer layer having a surface compressive residual stress of not less than 80%. 200 to 500 MPa, a tensile strength of the core material of 850 to 1050 MPa, and a shore hardness of the core material of 40 to 47 within a range of at least 100 mm from the boundary between the outer layer and the core material toward the core material. And Further, in the roll, the metal structure is mainly composed of bainite and / or martensite within a range of at least 100 mm from the boundary between the outer layer and the core material toward the core material.
[0012]
[Action]
The composite roll for rolling of the present invention heats the entire roll so that the outer layer and the core material near the boundary between the outer layer and the core material have a temperature equal to or higher than the austenitizing temperature after roll production, and then cools the roll surface to 500 to 3000 by mist cooling. By performing quenching at a cooling rate of ° C./H, the surface hardness of the outer layer becomes 80 or more in Shore hardness (more preferably 88 or more), and sufficient wear resistance is obtained. In addition, the surface compressive residual stress of the outer layer becomes 200 to 500 MPa, and peeling of the outer layer due to cracks can be sufficiently prevented. More preferably, the roll surface is quenched at a cooling rate of 1000 to 3000 ° C / H. Further, the tensile strength of the core material is 850 to 1050 MPa and the Shore hardness of the core material is 40 to 47 within a range of at least 100 mm from the boundary between the outer layer and the core material toward the core material, and the accident resistance and the wear resistance are improved. It can be significantly improved. More preferably, it is desirable that the above characteristics be satisfied in a range of at least 50 mm or more from the boundary between the outer layer and the core material toward the core material. With this configuration, it can be effectively used in all stands, particularly as a finishing roll of a hot rolling roll.
[0013]
The reason for limiting the content range (% by weight) of each component element in the outer layer in the present invention will be described.
[0014]
C: 1.0 to 3.5%
C is necessary for the formation of carbides for improving wear resistance and for improving the hardness of the matrix during quenching and tempering by solid solution in the matrix. C forms carbides such as MC, M ₄ C ₃ , M ₂ C, M ₆ C, and M ₇ C ₃ to be provided with wear resistance. If C is less than 1.0%, the amount of carbide generated is insufficient, resulting in poor wear resistance. If C exceeds 3.5%, the wear resistance is good, but the crack resistance decreases.
[0015]
Si: 0.3 to 2.0%
The content of Si is preferably 0.3 to 2.0%. Si acts as a deoxidizing agent, and is dissolved in M ₆ C carbide to be contained by replacing elements such as W and Mo. Therefore, in order to save expensive elements such as W and Mo, It is valid. If the content of Si is less than 0.3%, the deoxidizing effect is insufficient and casting defects are likely to occur. If it exceeds 2.0%, embrittlement is likely to occur.
[0016]
Mn: 0.3-2.0%
The content of Mn is preferably from 0.3 to 2.0%. Mn has a deoxidizing effect similarly to Si. Further, it has an effect of fixing S as an impurity as MnS. If Mn is less than 0.3%, deacidification is poor. On the other hand, when the content exceeds 2.0%, retained austenite is liable to be generated, so that sufficient hardness cannot be stably maintained.
[0017]
Ni: 3.0% or less Ni has the effect of improving hardenability and increasing hardness. However, if the content exceeds 3.0%, the retained austenite becomes excessive and high hardness cannot be obtained, so the upper limit is set to 3.0%. A more preferred Ni content is 2% or less. More preferably, it is 0.2 to 0.8%.
[0018]
Cr: 2.0 to 10.0%
Cr improves the hardenability and increases the hardness. If the Cr content is less than 2.0%, the effect is small. On the other hand, if it exceeds 10.0%, the amount of retained austenite at room temperature increases, so that the number of tempering increases, which is uneconomical. Further, Cr forms M ₇ C ₃ and M ₂₃ C ₆ carbides having relatively low hardness, and when added in a large amount, these carbides become excessive and wear resistance deteriorates. A more preferable Cr content is 4.0 to 7.0%.
[0019]
Mo: 9.0% or less Mo is necessary for improving the hardenability and obtaining the high-temperature hardness of the matrix. It forms a solid solution in the base structure to improve hardenability. Further, it combines with C to form hard M ₂ C and M ₆ C carbides. If it exceeds 9.0%, M ₂ C and M ₆ C carbides are excessively crystallized in the balance of C, V and Mo, and crack resistance is lowered.
[0020]
V: 1.0 to 10.0%
V forms MC and M ₄ C ₃ which are hard carbides most contributing to the improvement of wear resistance. If V is less than 1.0%, the generation of carbides is small, and the wear resistance deteriorates. When V exceeds 10.0%, MC and M ₄ C ₃ carbide crystallize as primary crystals due to the balance with the C content of the present invention. If MC and M ₄ C ₃ are crystallized as primary crystals, they will agglomerate during solidification, and when used as a roll for rolling, the aggregation and segregation of MC and M ₄ C ₃ which are hard carbides will be transferred to the material to be rolled. Not preferred.
[0021]
W: 10.0% or less W is necessary for improving the hardenability and obtaining the high-temperature hardness of the matrix similarly to Mo. Improves the hardenability of the matrix and combines with C to form hard M ₂ C, M ₆ C carbides. The lower limit of W is 0%. On the other hand, if it exceeds 10.0%, M ₆ C carbides increase, which is not preferable in terms of crack resistance and surface roughness resistance.
[0022]
The iron-based alloy of the outer layer of the present invention may contain Co or Nb alone or in combination with the above elements. Co is a useful element in terms of temper softening resistance and secondary hardening, and is preferably 5.0% or less. Like N, Nb forms MC-based carbides and has an effect of improving abrasion resistance. However, if Nb exceeds 5.0%, oxidation becomes severe and dissolution in the atmosphere becomes difficult, so Nb is preferably 5.0% or less. .
[0023]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The core material of the composite roll of the present invention is made of steel, and may be either cast steel or forged steel. The tensile strength must be 850 MPa or more and the elongation must be 1.0% or more within a range of at least 100 mm from the boundary between the outer layer and the core toward the core. This is because when used as a rolling roll, a large rolling force is applied, and it is necessary to be able to withstand the bending force applied to both ends of the core material in order to correct deflection during rolling.
[0024]
FIG. 1 shows an example of a continuous casting overlaying apparatus that can be used to carry out the method for producing a composite roll for rolling according to the present invention. This apparatus has a combination mold 10 including a funnel-shaped refractory frame 1 having a peripheral wall of a tapered portion and a parallel portion, and a cooling mold 4 coaxially installed thereunder.
[0025]
An annular induction heating coil 2 is arranged in the refractory frame 1 so as to surround the outer periphery thereof, and an annular buffer having an inner hole coaxially with a lower portion of the refractory frame 1 at a lower portion thereof. A mold 3 is provided. The lower cooling mold 4 has substantially the same inner diameter as the buffer mold 3 and is coaxial. Cooling water is continuously introduced into the mold from the inlet 14 of the cooling mold 4 and discharged from the outlet 14 '.
[0026]
The core material 5 of the roll is set inside the combination mold 10 having the above configuration. A closing member (not shown) having an outer diameter substantially equal to the outer diameter of the injection outer layer is fixed to the lower end of the core material 5 or a position appropriately separated from the lower end as necessary. Attach to a lifting mechanism (not shown). The molten metal 7 is injected into the space between the core material 5 and the refractory frame 1, and the surface of the molten metal is sealed with a molten flux 6 so as not to come into contact with air. Then, the mixture is heated and stirred by the heating coil 2 so that the molten metal 7 does not solidify.
[0027]
The molten metal 7 flows in a direction indicated by an arrow A in the figure and causes a stirring motion. Next, the closing member fixed to the core member 5 is sequentially lowered together with the core member. The molten metal 7 also descends in conjunction with the lowering of the core member 5 and the closing member, and the solidification of the molten metal 7 starts on the buffer mold 3 and the cooling mold 4. During this solidification, the core material 5 and the outer layer 8 are completely metallically joined. The surface of the molten metal 7 in the basin also decreases as the core material 5 and the closing member descend, but a new molten metal 7 is appropriately injected to maintain the liquid level at a certain level. Then, the descending and the pouring are repeated in order to solidify the molten metal sequentially from below to form the outer layer 8. Thereafter, the quenching method of the present invention is applied.
[0028]
An embodiment of the present invention will be described below.
The outer layers of the components shown in Table 1 were built up on a core material made of SCM440 by a continuous casting build-up method to produce rolls of the present invention and comparative examples having a roll outer diameter of 750 mm. The boundary diameter, outer layer thickness, and build-up length are φ600 mm, 75 mm, and 3000 mm, respectively. Using a box-type atmosphere furnace or an atmospheric furnace, the entire roll is austenitic so that the entire roll is austenitized, that is, the core material near the boundary between the outer layer and the core material is at or above its austenitizing temperature. Heated to 1100 ° C. Thereafter, the roll of the present invention was quenched at a cooling rate of 1500 ° C / H by mist cooling, and then tempered at 450 to 550 ° C three times. In addition, a comparative example in which the cooling rate was performed as usual was used. After quenching the roll surface at a cooling rate of 400 ° C./H by mist cooling, the comparative example roll was similarly tempered at 450 to 550 ° C. three times.
[0029]
Table 1 shows the results obtained by measuring the surface shore hardness of the outer layer of the rolls subjected to these heat treatments and the surface compressive residual stress of the outer layer. Table 2 shows the tensile strength (MPa) of the core material at a position away from the boundary between the outer layer and the core material in the core material side direction.
[0030]
[Table 1]

[0031]
[Table 2]

[0032]
According to Table 1, even if the components of the outer layer are the same, the example of the present invention has a Shore hardness of 84 by setting the cooling rate to 500 ° C./H or more, and is superior to the comparative example in abrasion resistance. Further, the surface compressive residual stress of the outer layer was 325 MPa, and it was found that the compressive residual stress could be suppressed lower than that of the comparative example, and the accident resistance was excellent. Further, from Table 2, the present invention example shows that the tensile strength of the core material is 983 MPa within a range of 20 mm away from the boundary between the outer layer and the core material toward the core material, and within a range of 155 mm away from the boundary toward the core material. The tensile strength can be 901 MPa, which can satisfy 850 MPa or more, and can be prevented from breaking from the boundary between the outer layer and the core material.
[0033]
FIG. 2 shows the relationship between the depth from the roll surface and the Shore hardness. In the example of the present invention, the hardness of the core material is to maintain a Shore hardness of 40 or more from the boundary between the outer layer and the core material to a position 100 mm toward the core material (a position at a depth of 175 mm from the roll surface in FIG. 2). Was completed. In addition, as a result of a fracture investigation of the roll, the structure of bainite and martensite was observed at a position about 155 mm away from the boundary between the outer layer and the core material toward the core material (at a position 230 mm deep from the roll surface in FIG. 2). Further, at a position separated from the boundary by about 155 mm or more toward the core material (a position at a depth of 230 mm from the roll surface in FIG. 2), a pearlite structure was formed.
[0034]
In the comparative example shown in FIG. 2, the hardness of the core material was lower than the Shore hardness 40 from near the boundary between the outer layer and the core material. Further, the core material side from the boundary was all pearlite structure.
[0035]
In order to cause bainite transformation or martensitic transformation within a range of at least 100 mm from the boundary between the outer layer and the core material toward the core material, the site must be heated to an austenitizing temperature or higher. Thereafter, the core surface is transformed and expanded by quenching the roll surface at the cooling rate of the present invention. Due to the transformation expansion of the core material, the tensile stress generated at the boundary due to the transformation expansion of the outer layer is relieved, so that the fluctuation of the stress at the portion where the compression stress on the surface side changes to the tensile stress on the core material side is moderated, The peeling of the outer layer can be suppressed.
[0036]
FIG. 3 is a graph showing the relationship between the ratio of the distance from the roll center to the roll radius and the residual stress. In FIG. 3, σt represents residual stress (MPa) in the circumferential direction of the roll, and σr represents residual stress (MPa) in the radial direction of the roll. Paying particular attention to σt near the boundary, in the example of the present invention, the change in stress near the boundary is gradual. Further, in the comparative example, the change in the stress near the boundary is steeper than in the present invention. That is, as described above, in the example of the present invention, since the stress change near the boundary is gradual, it tends to be safer against accidents such as separation from the boundary and spall.
[0037]
Further, when the composite roll made of the continuous casting overlay method of the present invention example was provided to a finishing stand for actual hot rolling, the conventional continuous cast overlaying composite roll was more resistant to squeezing accidents such as drawing accidents caused by the rolling operation than the conventional roll. Was found to be excellent.
[0038]
【The invention's effect】
INDUSTRIAL APPLICABILITY The rolling composite roll of the present invention has a lower surface residual stress in the outer layer than in the past, can suppress peeling of the outer layer, has excellent accident resistance, and can be effectively used particularly as a finishing roll for hot rolling.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an example of a continuous casting overlaying apparatus which can be used to carry out the production method of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing the relationship between the depth from the roll surface and the Shore hardness.
FIG. 3 is a view showing a relationship between a ratio of a radius from a distance from a roll center to a radius and a residual stress.
[Explanation of symbols]
1 refractory frame, 2 induction heating coil, 3 buffer type, 4 cooling type,
5 roll core material, 6 flux, 7 molten metal, 8 outer layer,
10 Combination mold, 14 Cooling water inlet, 14 'Cooling water outlet

Claims

In a method of manufacturing a composite roll for rolling, in which an outer layer is formed on the outer periphery of a core material by a continuous casting overlay method, the components of the outer layer are in a weight ratio,
C: 1.0 to 3.5%, Si: 0.3 to 2.0%,
Mn: 0.3 to 2.0%, Ni: 3.0% or less,
Cr: 2.0 to 10.0%, Mo: 9.0% or less,
V: 1.0 to 10.0%, W: 10.0% or less, the balance being Fe and unavoidable elements, and the core material near the boundary between the outer layer and the core material after the roll production is at or above its austenitizing temperature. A method for producing a composite roll for rolling, characterized in that after heating the entire roll, the roll surface is quenched at a cooling rate of 500 to 3000 ° C / H by mist cooling.

In a composite roll for rolling formed by forming an outer layer on the outer periphery of a core material by a continuous casting overlay method, the components of the outer layer are in a weight ratio,
C: 1.0 to 3.5%, Si: 0.3 to 2.0%,
Mn: 0.3 to 2.0%, Ni: 3.0% or less,
Cr: 2.0 to 10.0%, Mo: 9.0% or less,
V: 1.0 to 10.0%, W: 10.0% or less, the balance being Fe and unavoidable elements, the outer layer having a surface hardness of 80 or more in Shore hardness, and the outer layer having a surface compressive residual stress of not less than 80%. 200 to 500 MPa, a tensile strength of the core material of 850 to 1050 MPa, and a shore hardness of the core material of 40 to 47 within a range of at least 100 mm from the boundary between the outer layer and the core material toward the core material. And a composite roll for rolling.

The composite roll for rolling according to claim 2, wherein the metal structure is mainly bainite and / or martensite within a range of at least 100 mm from the boundary between the outer layer and the core material toward the core material.